平成24年6月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(岸本 健議員の質疑及び一般質問)


平成24年6月 和歌山県議会定例会会議録

第3号(岸本 健議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 23番岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕(拍手)
○岸本 健君 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問を行います。
 まず、通学路の問題について教育長にお尋ねいたします。
 4月23日に京都府亀岡市の府道において、登校中の児童と引率者の保護者の列に軽自動車が突っ込みました。10名の方がはねられて3名が亡くなられ、そして7名が重軽傷を負いました。
 また、4月27日、千葉県館山市と愛知県岡崎市で登校中の小学生の列に車が突っ込む事故があり、館山市ではバス待ちの児童4人と見送りの保護者2名に軽自動車が突っ込み、児童1人が亡くなりました。岡崎市では、集団登校中の児童4人の列に軽自動車が突っ込み、男女2人が骨折などの重傷を負いました。
 4月20日には三重県いなべ市で、また5月7日には愛知県小牧市で登校中の交通事故が起きております。
 4月といえば、子供たちにとっては、心新たに入学式や新学期と、スタートになるとてもすばらしい季節でもあります。大半の児童生徒は、学校へ行くこと、友達に会うこと、また勉強、運動、遊ぶこと、本当に楽しみにして学校へ通っているんではないかなと。そのような時期に立て続けに起こった事故に大変驚き、何とも言えない気持ちになりました。
 これは登下校中ではありませんが、和歌山県内でも、5月28日に和歌山市内の交差点で軽貨物車と幼児用自転車が衝突をして、自転車に乗っていた園児が亡くなられたとあります。現場は小学校のすぐ近くであったといいます。
 和歌山県内の登下校中の交通事故件数について、平成22年度では高校生が48件、中学生23件、小学生で13件、合計で84件、また23年度、高校生が38件、中学生が20件、小学生13件、合計71件と決して少なくありません。県内でもこんなに多く事故が実際起きているのが現状であります。
 当たり前のことですが、学校の始業時間というのは決まっております。ほとんどの子供は自宅から通っています。学校のチャイムが聞こえてからでも、それぐらい近い子供もいれば、1時間かけて歩いて学校へ通う子供もいます。特に登校の時間帯は通勤ラッシュと重なりますので、自動車等の交通量も多くなります。低学年の児童にとってはかなりの負担になることもあって、危険を避けるための配慮をしなければならないというふうに思います。県教育委員会の通学路の安全対策について、教育長にお尋ねいたします。
○副議長(浅井修一郎君) ただいまの岸本健君の質問に対する答弁を求めます。
 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 県教育委員会の通学路の安全対策についてお答えをしたいと思います。
 全く議員と同じ思いで、教育委員会は厳しく受けとめてございます。
 通学路の安全対策につきましては、教職員を初め、安全ボランティアによる登下校時の通学路における子供の見守り活動を充実させるよう働きかけるなど、従来から積極的に取り組んできたところです。
 また、教職員を対象とした交通安全に関する講習を年4回開催し、通学路の子供の安全確保について研修を深めるとともに、セーフティーネットの日を年6回設け、PTAも含めた多くの関係者の参加、協力を得ながら、地域全体で子供の安全を守る取り組みを進めているところです。
 また、今回の痛ましい事故を受け、通学路の安全対策について関係者が緊急に合同点検するよう、5月30日に文部科学省から依頼がありました。県教育委員会では、この依頼を受け、学校、警察、道路管理者、保護者及び安全ボランティア等が連携し、危険箇所を抽出すること、また必要となる対策を検討するよう、市町村教育委員会及び県立学校に通知したところです。
 以上です。
○副議長(浅井修一郎君) 岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕
○岸本 健君 私も、ボランティアで月に1回、オレンジの帽子とベストを着て、背中に「きしゅう君」ですかね、背たろうて、セーフティーガードで通学路へ立っております。朝から元気にあいさつする子供の顔を見たらこっちも笑顔になってくるんですけども、しかし、私たちが見守るだけでは事故はなかなか防げないという限界があります。
 今まででも行われていると思います。十分にやられてると思います。児童生徒に対しての交通安全や危険防止の意識を持つように指導することが大切であると。
 これは賛否が分かれます。他県の話なんですが、この意識を持つように集団登校をなくしてしまったというニュースをちょっと見たことがあります。児童をねらった犯罪から児童、子供を守るためにはこれはいかがなものかというふうにも思うのですが、長い列で歩くので交通安全面で危険な場合があるかもしれないと、そういうところから、そういうのを廃止したということなんですけども、それだけ子供自身の意識づけが重要になってくると。
 先ほどの文部科学省の話ですが、4月27日の登校中の児童の列に車が突っ込む事故、これが続いたことを受けて、5月30日に通学路の全国調査に乗り出す方針を示されたと。登下校時の被害実態や通学路の安全確保の状況について、調査する必要があるという文部科学省の判断であります。
 また、5月28日、文部科学省、国土交通省、警察庁は、全公立小学校で8月末までに学校と道路管理者、警察が連携して危険箇所を調査することを決めました。8月中に市町村から都道府県──教育委員会でしょう──報告と。9月10日には文部科学省に報告すると。もう何カ月もたつんですよね、言われてから。本当に今回の通学路における緊急合同点検について、私はちょっとゆっくり過ぎるんじゃないかなという思いがあります。「緊急」とついてるんですから、もっと速やかに、早急に取り組むべきではないのかなと。
 そして、さらに残念なことは、文部科学省は隔年で学校の安全管理について全国調査を実施していると。これまでも行われていたのは犯罪予防が主な対象であると。もちろんこれも重要なことでありますが、交通安全に関する調査はほとんど含まれていなかったというふうに聞いております。ということは、今まで何もしていなかったということはないと思うんですが、文部科学省はほとんど通学路の安全対策にそんなに目を向けていなかったのかなという気になります。
 こういうことこそ、県教育委員会が率先して取り組むべきだと思います。文部科学省から通達がないとできないということはないと思うので、その点について教育長の御所見をお伺いします。
○副議長(浅井修一郎君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 緊急合同点検の速やかな実施という件についてお答えしたいと思います。
 児童等が巻き込まれた今回の事故は、通学路の安全確保に対して看過できない状況であったことから、事故発生当日、直ちに市町村教育委員会及び総務学事課を通じて、各学校に注意喚起するよう指導を行いました。
 また、事故直後に開催された各市町村教育長会議の場で、通学路等の危険箇所の再点検や児童生徒の注意喚起を促すよう直接お願いをしましたが、その後も千葉県、愛知県と痛ましい事故が続いたことから、5月2日には関係機関との連携による安全点検や安全確保に努めるよう文書による通知を行ったところです。
 今後も、地域が子供を守る機運の醸成を図っていくとともに、学校としても、子供の危険回避能力や危険予測能力を向上させる教育や、交通安全指導の充実に取り組んでまいります。
○副議長(浅井修一郎君) 岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕
○岸本 健君 もう今まさに教育長言われたとおり、しっかりと取り組んでください。よろしくお願いします。
 次にいきます。
 近年、公共の建物の耐震化、特に学校の耐震化を重点に取り組んできています。もちろん大切なことでありますが、同様に通学路の安全対策もするべきだと考えます。
 通学路の安全対策として、道路に縁石を設置し歩道を確保したり、道路幅が狭い場合は、歩道部分に色を塗装して歩道と車道を分ける整備もできると思います。時には道路幅の狭い場所で歩道を整備したり、ガードレールやガードパイプを設置する、そのために道路を拡張し、時には民家の用地買収や移転補償をしなければならないこともあるかもしれません。
 これで完璧かというと、そうでないかもしれない。しかし、やれることはとにかくやらなければならないと思いますが、県土整備部長のお考えをお聞きします。
○副議長(浅井修一郎君) 県土整備部長尾花正啓君。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 県土整備部の通学路の安全対策についてですが、県では、交通量が多く危険な箇所から歩道整備等に取り組んでいるとともに、定期的に道路パトロールを行い、防護さく等の状況把握や補修により安全な通行の確保に努めております。また、道路管理者、学校関係者、警察、自治会等が合同で現場を歩いて点検し、問題点を抽出して必要な対策を行うといった取り組みも実施しております。
 今後も、事業用地の御協力をいただき歩道整備を進めるとともに、防護さくや側溝ぶた設置等の即効性が高い対策も活用し、通学路の交通安全対策に積極的に取り組んでまいります。
○副議長(浅井修一郎君) 岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕
○岸本 健君 部長が、今、通学路の安全対策については、県は交通量が多く危険な箇所から歩道の整備等に取り組んでいるとのことですが、ある地域で十数年前に県道が開通しました。今では、通勤時間には大変多くの車が通り、利用者にとっては大変便利になっています。しかし、一本道であったり坂道であったり、かなりスピードが出る場合もあります。そしてまた、交通事故も少なくなく、決して安全と言えない道路であります。それ以前はのどかで、自動車も対向するのにぎりぎりのような、そういう道でありました。そこはもちろん通学路でありました。大きな道路を車が来ないのを確認し、県道の際を走って通ったり、県道を横断したりという子供の姿をよく見かけました。
 県道開通以来、歩道や横断歩道の設置を要望してきましたが、昨年ですが、ようやく、横断歩道だけと言うたらあれなんですけど、横断歩道が設置されるようになりました。幸い、そこの道で通学中の子供が事故に遭ったということは聞いたことがありません。それだけ真剣になって道を通っていたんだろうなと思いますが。
 新規の道路ができる場合は、設計の段階でいろいろ計画があったり、交通量の予測であったりとか、そういうこともするんだと思うんですけども、またその後、さらに変わる場合もあるかもわかりませんので、恐らく県道等の危険箇所の見直しとか要望というのは、もう常に各地域の振興局に出てきていると思います。
 道路事情や地域の事情、また予算の問題でなかなか難しいことがあるのかもわかりませんが、先ほど例に挙げました他県では、事故が起きてから、道路の拡幅、ガードレールの設置、歩道整備といろいろやられてるというのが調べていくとわかってきました。事故がこういうふうに起きてからこんなことをして──こんなことをしてと言うたらあれですが、遅いんですよね。事故が起きないように、危険がないように、和歌山県ではそんなことがないように、部長が言われた関係機関と強く連携をして、通学路の安全対策に県土整備部も積極的に取り組んでいただきますように要望します。
 次に、警察本部長にお伺いをいたします。
 5月8日の「読売新聞」の和歌山版に「児童の通学見守り強化」という見出しが大きく載っておりました。京都の事故を受けて県警が小学校の通学路でのパトロールの強化を行っていて、登下校時間帯に合わせて1日平均150人の警察官を動員して、事故多発地点での見守りや重点的な事故防止を目指していくと。当面、警戒を続けることにしたとありました。
 警察ばかりに頼ってはいけないと思うのですが、当面と言わずに継続して行えないかと思うのですが、警察本部長の御所見をお伺いします。
○副議長(浅井修一郎君) 警察本部長山岸直人君。
  〔山岸直人君、登壇〕
○警察本部長(山岸直人君) 議員質問のとおり、本県警察では、京都府下での通学路における重大事故の発生を受け、直ちに、児童等の登下校時の安全を確保するため、登下校時間帯を中心に通学路周辺において白バイや制服警察官を投入し、交通監視や交通指導取り締まりなど、子供の保護誘導活動を強化しているところであります。
 今後も、学校関係者、交通ボランティア等と連携をして子供の保護誘導活動を継続して実施していくほか、学校、道路管理者等と連携した緊急合同点検を実施して危険箇所を抽出し、必要な対策についての検討、調整を行うなど、ハード・ソフト両面から効果的な交通安全対策を推進してまいる所存でございます。
○副議長(浅井修一郎君) 岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕
○岸本 健君 この記事の続きがありまして、記事の中に小学校6年生のインタビューがありました。「たまに信号無視をする車を見ることがあるので、警察の人が来てくれてうれしい」という子供の言葉がありました。子供は正直ですから、今まで大変怖い思いをしたことがあるんだと思います。警察の人が立ってくれているだけでも抑止力になるし、子供は安心しておるというふうに思うんです。
 そして、今言われたいわゆるハード面です。信号機とか歩道橋だったり横断歩道というのは、なかなかいろんな状況があって困難な場合もあると思います。通学路であることのドライバーへの啓発とか、また交通規制等、ソフト面は警察にしかできないことだと思いますので、この取り組みにも重点を置いて取り組んでいただきますようによろしくお願いをいたします。
 次に、知事にお伺いをいたします。
 先ほども触れました、文部科学省、国土交通省、警察庁は、全公立小学校で、学校と道路管理者、警察が連携して危険箇所を調査するということであります。
 和歌山県として、県土整備部、県教育委員会、県警などが参加するプロジェクトチームを発足させてはいかがでしょうか。知事の御所見をお伺いします。
○副議長(浅井修一郎君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 通学路の安全については、児童生徒が安心して学校に通えるよう通学路の安全確保に努めるのは当然のことでありまして、このような事故があっては絶対いけません。このために、学校関係者だけに頼るというんじゃなくて、広く関係機関が連携して、通学路の安全点検とか、安全確保とか、あるいは設計、施工とか、そういうものを連携してやっていく必要があると思います。
 今後、警察本部、県土整備部、教育委員会の3者で合同会議を開催し、情報を共有するとともに、対策についても検討していくように、私からも指揮していきたいと思います。
○副議長(浅井修一郎君) 岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕
○岸本 健君 知事がもうリーダーシップをとって、この3者、県土整備部長も、教育長も、県警本部長もしっかり連携をしてと、3者とも連携をしてと言うてくれてますんで、知事がリーダーシップをとって、行政の縦割りの弊害とか、そんなことをもう言われないように、しっかりと取り組んでいただきますようにお願いをいたします。
 次に、教員の飲酒運転について教育長にお尋ねをいたします。
 近年、全国的に教員の不祥事が多発し、教職員への信頼が揺らいでいるように感じています。
 和歌山県においても、年中行事のように毎年不祥事が起こっているのが現実としてあります。ほとんどの教員は一生懸命に頑張っているものと思っておりますが、教員の意識の緩みが生じているのか、根本的に教員の資質を持ち合わせていないのか、指導体制に問題があるのか、問いたださなければならない状況であると感じております。
 教員による不祥事は、たとえ1人が起こしたことであっても教員すべてが同様に言われるのが残念であり、和歌山県の教育への県民の信頼を失うものであり、非常に残念であります。
 過去5年間で知事部局の職員と教職員の不祥事、懲戒処分等について比較をしてみました。毎年必ず何かが起こっています。どちらも褒められるものではないんです。しかし、特に教員の飲酒運転が、群を抜いてと言ったらすごい数のことのように思われるんかわかりませんけども、必ずあるんです。平成19年は1件、20年は3件、平成21年度は3件、22年度2件、23年度3件、本年度はもう現時点で1件が報告されているということであります。
 このような状況ですから、本来の教育活動、子供たちを教える、こういうことに対して支障が出るのはもう本末転倒と言わざるを得ず、十分な環境整備が急務であると考えますが、実態をどのように考えているのか、教育長の御所見をお伺いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 本県における教員の不祥事の状況につきましては、議員御指摘のとおり、ここ数年、飲酒運転等が続いて発生しております。このことは、教職員だけでなく、本県教育そのものへの信用を著しく失墜させることになり、まことに遺憾なことであると受けとめております。
 教員は、児童生徒の指導に直接かかわり、人間形成や規範意識の醸成等に多大な影響力があります。その意味でも、こうした立場にある教員が不祥事を起こすことは、児童生徒はもちろん、保護者や県民の信頼を失うことにつながっていきます。
 学校教育の重い責任を果たすためにも、今後、県民の信頼回復に向けて、教職員が一丸となって、何としてもこうした不祥事を根絶しなければならないと考えてございます。
○副議長(浅井修一郎君) 岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕
○岸本 健君 私も、あんまりこういう質問をしたくないと言ったらないんですが、私ももともと教員でしたから、たった1人の教員による不祥事で、「また学校の先生か」と、そんなことを聞くと歯がゆくて仕方がないんです。ですから質問したんです。
 私のことですけども、小学校、中学校、高校と好きな先生がいました。それは尊敬できる先生であり、こんな先生になりたいなと、こんな人になりたいなと思える先生に出会えました。すばらしい先生との出会いがありました。
 教壇に立つようになってから言われたことがあるんです。教育者は、この未来を担う子供を教育する立場にあると、崇高な仕事で、すばらしい職業であると、そして尊敬される人間でなくてはならないと言われたことがあります。果たして私がそうであったか、そうでないのか、それはわかりませんけども、この言葉は今でも忘れられません。
 久しぶりに教育基本法にも目を通してみました。第9条「法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。」、2項「前項の教員については、その使命と職責の重要性にかんがみ、その身分は尊重され、待遇の適正が期せられるとともに、養成と研修の充実が図られなければならない。」となっています。これだけ読んでも、先生というのはすごいなというふうに思います。
 近年、教員を取り巻く状況は大きく変化し、教員の負担は大変ふえておると。教員の職務は授業以外にも多岐にわたり、直接指導にかかわらない部分でも負担となっている場合があると感じます。大変だと思いますが、教育に携わると決めたときから大変なのは当たり前であり、言いわけや不祥事が起こることは絶対に許されることではありません。不祥事を起こす教員は、子供に、ルールを守りましょう、約束をしたことは必ず守りましょうなどと言える立場になく、子供の教育にかかわる資格がないと考えます。教員の資質、能力の向上を図ることをこれまで以上に取り組まなければならないと思いますし、飲酒運転が続くというのは、今までの取り組みが、残念ですが、効果がなかったのかなとしか思えません。
 和歌山県は、不祥事に対しての処分内容がほかよりも厳しいというふうには聞きます。それはそれで重要なことかもしれませんが、例えば秋田県などでは、「教職員の不祥事発生防止に向けて 教職員一人一人が不祥事発生防止の強い決意を!」という冊子を作成し、教員の不祥事根絶に向けての取り組みが行われております。他県でも、不祥事根絶の委員会が設置されるなどの取り組みが行われています。和歌山県ではそのような取り組みがやや弱いようにも感じていますが、教育長のお考えをお伺いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 不祥事の根絶のための取り組みについてでございますが、これまで県立学校長会や市町村教育委員会教育長会、管理職や初任者等を対象とした研修会など、機会あるごとに指導の徹底を図ってまいりました。また、先月の不祥事の際にも、すべての教育関係者に対し、法令及び服務規律の遵守について、再度徹底するよう指導したところでございます。
 さらに、各学校においても、学校長が所属職員に対して研修や個別面談を行うとともに、本県で作成したチェックリストを全教職員に配付し、飲酒運転を初めとした不祥事を起こさせないための自己管理の徹底など、さまざまな取り組みを行ってきたところでございます。
 しかしながら、御指摘のように、いまだ不祥事が相次いでいることから、議員に御紹介いただきました事例を含め、他府県の取り組みを参考にしながら、今後も不祥事の根絶に向けて、なお一層取り組みを強化してまいります。
○副議長(浅井修一郎君) 岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕
○岸本 健君 不祥事の内容に沿って、なぜ起きたのかを再度調査分析していただきたい。そして、対策に生かすことが大切であります。今後の取り組みについて、効果の検証が必要不可欠だと思います。先ほども事例を言いましたけども、いろいろ研究をしていただいて、取り組みを行っていただきたいと思います。
 教員1人1人が自分のこととして受けとめ、初心に返り、自分の行動を見詰め直していただきたい。本来、このような取り組みはないほうがよいのでしょうが、せざるを得ない状況であります。再発防止、根絶に向けて取り組んでください。
 そして、不祥事の根絶には、教員への指導を強化するのは当然でありますが、採用の段階で資質に欠ける教員を排除することも重要であると考えられます。そのために、単純に成績だけでなく、人間性や社会性などを重視した採用をする必要があるのではないでしょか。教育長のお考えをお伺いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 教員採用時における資質の評価についてでございます。
 教員には、人間性や社会性に加え、一般の社会人より高い倫理観が求められるため、本県の採用検査では、単に筆答検査の成績のみで判断するのではなく、教員としての適性等を総合的に評価する人物重視の検査を行っております。
 具体的には、面接検査を第1次及び第2次検査の2回にわたり実施するとともに、受験者の資格や特技、ボランティア活動等に基づくアピールを評価対象とし、こうした実績をさまざまな角度から判断することとしております。また、一定の講師経験のある者に対しては、その能力を評価し、筆答検査の一部を免除するなど、豊かな体験やすぐれた資質、能力を有する多様な人材を確保するよう努めているところです。
 今後も、資質、能力にすぐれ、倫理観や使命感の高い優秀な人材を採用し、県民の教育に対する期待にこたえてまいりたいと思っております。
○副議長(浅井修一郎君) 岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕
○岸本 健君 平成25年度の教員採用の実施要項の表紙に、和歌山県として求める教員像が示されています。「和歌山を愛し、家庭や地域とのつながりを大切にして、子どもの気持ちを受けとめ、子どもの育ちと学びをともに支えてくれる人」、「子どもとともに未来を切りひらく人 ~豊かな人間性と社会性をもち、学習指導に高い専門性を有する人~」とあります。まさにこのような先生に和歌山県の子供たちの教育を託したいと思います。
 教育長、福岡市の市長さんのように飲酒禁止令を出せとは言いませんが、それぐらいの覚悟を持って、先生方もそうですけども、今までのようなことがないようにお願いをいたします。
 最後の質問です。
 京奈和自動車道の紀の川市エリアでの特産品販売所等の設置について、県土整備部長にお尋ねをいたします。
 京奈和自動車道は、京都、奈良、和歌山を結ぶ延長120キロメートル、高規格幹線道路であります。新名神高速道路、山陽自動車道、神戸淡路鳴門自動車道、紀淡連絡道路とともに、関西の外側を結んだ環状道路として各都市の連絡を強化して、1周約300キロの関西大環状道路を形成します。都市間の時間短縮を図ることができます。京奈和自動車道は、その中核的な役割を果たす道路であると思います。
 紀の川市においても、この道路を生かしたまちづくりや、地域間交流の促進と地域連携の強化、経済の活力や発展を図るため、重要な道路であります。
 インターチェンジ付近のアクセス道路の整備はもちろん、京奈和自動車道仮称・打田インターチェンジから阪和自動車道上之郷インターチェンジへの直結道路、仮称でありますが、紀の川関空連絡道路の整備を強く推進しており、これについては、平成20年度より国土交通省において調査を開始されております。
 この自動車専用道路が実現すれば、関西空港はもとより、阪和自動車道、阪神高速4号湾岸線への最短ルートとなります。例えば、連絡道を使いますと、紀の川市からわずか15分程度で関空へ到着、打田インターから京奈和自動車道を利用して、和歌山市から阪和自動車道で関空へ行くコースよりも約20分から30分は時間を短縮できると推測されています。紀の川市はもちろん、高野・熊野の世界遺産へのより近いルートとしても大いに注目されますし、和歌山県北部、また隣接の奈良県まで大きな経済効果が期待をされております。
 和歌山県北部、紀の川筋には、京奈和自動車道と並行して、橋本市から岩出市までを結ぶ広域農道、国道24号、河南地域であれば県道和歌山橋本線等がそれぞれ東西に伸びております。これらの道路を南北に打田重行線と国道424号線とがつながり、1本の道路で仮称・打田インターチェンジにつながります。それこそ和歌山県北部、紀の川筋のど真ん中にあるのが紀の川市であり、京奈和自動車道の中心は仮称・打田インターチェンジであります。
 紀の川市は、農業生産額で西日本第1位、全国では第5位となっております。紀の川市が自信を持って全国に誇れる特産品や沿道地域の文化、歴史、名所などの情報提供を行い、紀の川市を広くPRすることにより、特産品であり生産額第1位であるイチジク、ハッサク、第2位の桃、第3位の柿、第4位のキウイ等のブランド化を推進し、京阪神はもちろんのこと、中京圏等にも市場の拡大を図るため、仮称・打田インターチェンジ付近で京奈和自動車道に連結した、休憩機能、情報発信機能、地域の連携機能をあわせ持つ特産品販売所等の設置で、紀の川市はもちろん、和歌山県、奈良県まで大きな経済効果が期待をされます。これらの地域にとっても大変重要であると考えますが、その設置について県土整備部長の御所見をお伺いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 県土整備部長。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 自動車専用道路に特産品販売所等を設ける場合は、道路管理者が設置する休憩施設と一体で整備する場合と、みずから連結許可を得て整備する場合があります。
 京奈和自動車道の休憩施設としては、既に道路管理者である国において、紀北かつらぎインターチェンジから仮称・粉河・那賀インターチェンジ間に仮称・かつらぎパーキングエリアの設置が予定されております。そのため、近接する紀の川市エリアに特産品販売所等を設ける場合は、事業主体となる紀の川市や民間事業者等が新たに連結許可を得た上で、みずからの費用で整備することとなります。
 今後、県としても、地域産業振興等の観点から、紀の川市などから施設設置の具体的な提案があれば、国との協議等に積極的に協力したいと考えております。また、差し当たっては、近傍のパーキングに紀の川市の特産品を置けるよう働きかけをしたいと考えております。
○副議長(浅井修一郎君) 岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕
○岸本 健君 特産品販売所等の設置、これについては大変クリアをしなければならない条件等が多くあるようです。しかし、地域の活性、今、部長が置けるようにと、御配慮いただくようなことを言うていただいたんですけども、やっぱりそこにあるんとないんとではえらい違いかなということも感じるんです。ですから、地域の活性化については、もうこれは絶対なくてはならないものであるというふうにも考えております。
 部長、積極的に協力をしていただけるということなので、大いに期待をしたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 この際ですので、知事に要望であります。
 先ほどから言っております仮称・打田インターから阪和道の上之郷インターチェンジへの直結道路、現在、紀の川関空連絡道路促進協議会を設立して、泉佐野市と紀の川市と一体となって努力をしております。来月にも総会が行われます。
 和歌山県には強いリーダーシップを発揮していただき、仮称・紀の川関空連絡道路促進期成同盟会へと発展していただけるよう、御配慮いただけるように要望をいたします。
 これで、一般質問を終わります。(拍手)
○副議長(浅井修一郎君) 以上で、岸本健君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時38分散会

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