平成24年6月 和歌山県議会定例会会議録 第1号(全文)


平成24年6月 和歌山県議会定例会会議録

第1号(全文)


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平成24年6月
和歌山県議会定例会会議録
第1号
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議事日程 第1号
 平成24年6月12日(火曜日)
 午前10時開会・開議
 第1 会議録署名議員の指名
 第2 会期決定の件
 第3 議案第86号から議案第102号まで並びに報第1号及び報第2号(当局説明)
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会議に付した事件
 第1 会議録署名議員の指名
 第2 会期決定の件
 第3 議案第86号から議案第102号まで並びに報第1号及び報第2号(当局説明)
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出席議員(41人)
 1番 森 礼子
 2番 立谷誠一
 3番 尾崎太郎
 4番 藤山将材
 5番 新島 雄
 6番 山下直也
 7番 門 三佐博
 8番 井出益弘
 9番 濱口太史
 10番 鈴木太雄
 11番 服部 一
 13番 山田正彦
 14番 坂本 登
 15番 宇治田栄蔵
 16番 尾崎要二
 17番 山本茂博
 18番 平木哲朗
 19番 前芝雅嗣
 20番 浅井修一郎
 21番 中村裕一
 22番 冨安民浩
 23番 岸本 健
 24番 中 拓哉
 25番 花田健吉
 26番 角田秀樹
 27番 吉井和視
 28番 向井嘉久藏
 29番 谷口和樹
 30番 多田純一
 31番 片桐章浩
 32番 藤本眞利子
 33番 浦口高典
 34番 大沢広太郎
 35番 谷 洋一
 36番 岩田弘彦
 37番 高田由一
 38番 奥村規子
 39番 山下大輔
 40番 松坂英樹
 41番 長坂隆司
 42番 雑賀光夫
欠席議員(なし)
〔備考〕
12番 欠員
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       藤本陽司
 国体推進監      若宮茂樹
 危機管理監      半田和雄
 総務部長       米澤朋通
 企画部長       野田寛芳
 環境生活部長     米田和一
 福祉保健部長     山本明史
 商工観光労働部長   大門達生
 農林水産部長     増谷行紀
 県土整備部長     尾花正啓
 会計管理者      雑賀忠仁
 教育委員会委員長   山下郁夫
 教育長        西下博通
 公安委員会委員長   大桑いく嗣
 警察本部長      山岸直人
 人事委員会委員長   守屋駿二
 代表監査委員     楠本 隆
 選挙管理委員会委員長 諸木良介
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       宮端 宏
 次長         上坊 晃
 議事課長       堀 達也
 議事課副課長     中谷政紀
 議事課課長補佐兼班長 中井 寛
 議事課主任      中尾祐一
 議事課主査      保田良春
 議事課主査      岸裏真延
 総務課長       谷  巌
 政策調査課長     谷村守彦
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  午前10時0分開会・開議
○議長(新島 雄君) ただいまから、平成24年6月定例会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。
 この際、新任の議会事務局長宮端宏君を御紹介申し上げます。
 宮端 宏君。
  〔宮端 宏君、登壇〕
○事務局長(宮端 宏君) このたびの4月1日付人事異動をもちまして議会事務局長を拝命いたしました宮端宏でございます。
 もとより微力ではございますけれども、議長、副議長を初め、議員各位の活動が一層充実し、円滑なものとなるよう全力を尽くす所存でございます。何とぞ御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。(拍手)
○議長(新島 雄君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。
 今期定例会の会議録署名議員は、7番門三佐博君、24番中拓哉君、34番大沢広太郎君の3君を指名いたします。
 次に日程第2、会期決定の件を議題といたします。
 お諮りいたします。今期定例会の会期は、本日から6月29日までの18日間といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(新島 雄君) 御異議なしと認めます。よって、今期定例会の会期は本日から6月29日までの18日間と決定いたしました。
 この際、御報告申し上げます。
 去る6月6日、「ひげの殿下」として親しまれ、福祉やスポーツ、青少年育成、国際親善などに御活躍された寛仁親王殿下が薨去されました。また、去る6月7日、我々の同僚である川口文章君が逝去されました。まことに痛惜のきわみでございます。
 ここに謹んで御報告申し上げ、衷心より哀悼の意を表します。
 議場におられる皆様方と黙祷をささげたいと思います。御協力をお願いいたします。
 黙祷、始めます。
  〔起立・黙祷〕
○議長(新島 雄君) 黙祷、終わります。
 御着席ください。
 故川口文章君に弔意を表し、平木哲朗君から発言を求められておりますので、許可いたします。
 18番平木哲朗君。
  〔平木哲朗君、登壇〕
○平木哲朗君 議長のお許しと議員各位の同意のもと、故川口文章議員に謹んで哀悼の言葉をささげます。
 川口議員は、9月定例会後、体調の不調を訴えられ、誕生日の翌日、10月26日に入院をされました。以降、病院でつらく厳しい治療を受けられ、家族の皆様の懸命な看護を受け、早期の県議会への復帰を目指されていました。私も、川口議員とは常に連絡を取り合い、病状のことを聞き、県議会のことを報告、相談をしておりました。当初、2月定例会の復帰を目指しておりましたが、かないませんでした。
 5月の連休前に、川口議員から、私と岸本議員に自宅に来てほしいとの連絡をいただきました。私たちは、久しぶりの再会を喜び、6月議会初日には出席したい旨をお聞きし、大変喜んでいました。今後のことについても、はっきりした口調で私たちに報告と相談をしてくれました。
 しかし、5月末に再び体調を崩され、息子さんからの病状の報告を受け、6月2日に最期のお別れに行ってきました。その日は、体調がよかったせいか、1時間ほどお話をしました。そのとき初めて弱音を吐かれ、悲しい顔をしておられたのを忘れることはできません。
 議長選挙のことや常任委員会のこと、また、岩出市や岩出市長選挙のことを本当に心配しておられました。あなたは、最後の最後まで自分のことを後にして、奥様のこと、御家族のこと、岩出市、和歌山県の発展に、そして私たち2人のことを心配してくれていました。川口議員と親しくおつき合いしていただいた先輩・同僚議員、また多くの皆様には、最期のお別れをしていただきたかったのですが、本人の体調、状況等を考えて黙っておりましたことは、どうかお許しをください。
 6月7日午前1時、御家族の手厚い看護のかいもなく、あなたは永遠の眠りにつかれました。川口議員、あなたは県議会復帰のため病と闘い、本当によく頑張りました。でも、つらかったでしょう。苦しかったでしょう。そして、悔しかったでしょう。あなたの心を思うとき、私たちも悔しくて悲しくて残念でなりません。
 川口議員は、昭和36年11月1日より岩出町役場で勤務され、平成13年3月31日に退職されるまで地方自治の現場で活躍されてきました。その間、出納室長、企画広報課長、都市計画課長等を歴任され、総務部長を務められました。退職後は、長年の豊富な行政経験と統率力、卓越した行政能力を買われ、町長公室長へ、そして、平成15年4月1日には岩出町助役に就任をされました。その後、平成18年4月には単独で岩出市が誕生しました。あなたは、岩出市誕生に向けて、職員の皆さんの先頭に立ち、大きく貢献され、岩出市の発展の礎を築き、現在も発展を続けている岩出市の功労者の1人であります。
 平成19年1月31日、岩出市助役を退任され、4月に施行された和歌山県議会議員選挙に岩出選挙区から立候補し、見事に当選され、現在2期目でありました。県議会では、総務委員長、文教委員長を歴任され、議会運営委員会、防災・環境問題等対策特別委員会、予算特別委員会、行政改革・基本計画等に関する特別委員会に所属し、長年培ってきた行政経験、統率力、卓越した行政能力を発揮し、和歌山県発展のために大きく貢献をされました。
 特に、重点的に取り組んでこられたのが、旧県議会議事堂「一乗閣」の修復保存、県中小管理河川の改修の促進、那賀高校の中高一貫校開設への取り組み、県内道路整備の推進等に積極的に取り組まれ、大きな成果を上げられています。県と岩出市のパイプ役として、岩出市に関する案件についても積極的に取り組まれました。岩出市の案件になると、いつも優しい顔が大変厳しい顔をされて取り組まれていましたね。あなたの座右の銘である「一生懸命」の言葉どおり、何事にも一生懸命に取り組まれてきました。本当に御苦労さまでした。
 川口議員とは、約2年間、清新クラブを岸本議員と3人で結成していました。あなたは、いつも私たちに、先にいろいろな経験をさせてくれました。あなたには、本当にたくさんのことを教わりました。あなたは、いつも私たちの意見をまず聞いて、最終的な決断へ正しく導いてくれました。本当にありがとうございました。
 30代で父を亡くした私たち2人にとって、あなたはまさに父親がわりだと今も思っています。自民党県議団に入っても、3人はいつも一緒でしたね。「3ばかトリオ」とも呼ばれながらも、公私ともに常に一緒に行動できたことは、私たち2人にとってかけがえのない時間であり宝物です。
 もうあなたに会うこともお話しすることもかないませんが、今まで御指導いただいた教えを守り、一生懸命頑張ってまいります。あなたが心より愛したふるさと岩出市、和歌山県の発展のために、私たちは、より一層の精進と努力を重ねてまいる所存であります。
 名残は尽きませんが、今までいただきました御厚情に深く感謝を申し上げ、心から御冥福をお祈り申し上げます。そして、天上から奥様初め御家族の皆様並びに和歌山県の発展を見守っていただくことを念じまして、哀悼の言葉といたします。ありがとうございました。
○議長(新島 雄君) この際、暫時休憩いたします。
  午前10時12分休憩
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  午前11時30分再開
○議長(新島 雄君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 この際、諸般の報告をいたします。
 知事から地方自治法第180条第1項の規定による知事専決処分報告、予算の繰越使用報告書及び法人の経営状況報告書の提出が、教育委員会委員長から教育委員会事務の点検及び評価報告書の提出が、監査委員から監査報告及び現金出納検査実施結果の報告がありました。いずれもお手元に配付しておりますので、御了承願います。
 なお、知事から観光振興実施行動計画の報告がありましたが、この写しは既に各議員に送付されておりますので、申し添えます。
 次に、今期定例会に提出された議案等は、お手元に配付のとおり、議案第86号から議案第102号まで並びに地方自治法第179条第1項の規定による知事専決処分報告報第1号及び報第2号の計19件であります。
 次に日程第3、議案第86号から議案第102号まで、並びに知事専決処分報告報第1号及び報第2号を一括して議題といたします。
 まず、当局の説明を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 平成24年6月定例会に御参集いただきまして、厚く御礼申し上げます。
 去る6月6日、「ひげの殿下」として国民に愛され親しまれた寛仁親王殿下が薨去されました。寛仁親王殿下におかれましては、生前、障害者福祉やがん撲滅運動、さらには国際親善など、幅広い分野で御活躍されましたが、2年前に串本町でとり行われましたエルトゥールル号殉難将士追悼式典に御臨席を賜るなど、本県にとってもゆかりの深い方であっただけに、まことに残念であります。心から御哀悼申し上げます。
 さらに、翌7日、川口文章県議会議員が亡くなられました。川口議員は、平成19年4月の県議会議員選挙で初当選を果たされ、以来、総務・文教両委員会の委員長を歴任されるなど、和歌山の発展のために御尽力されておられました。昨年から体調を崩されていると伺い、案じておりましたが、突然の知らせに驚きと深い悲しみを禁じ得ません。心から御冥福をお祈り申し上げます。
 続いて、ただいま上程されました諸議案の提案理由を説明するに先立ち、県政運営の基本方針等について御説明申し上げます。
 紀伊半島大水害からの復旧・復興につきましては喫緊の課題であり、国とも緊密に連絡、協力しながら、スピード感を持って取り組みを進めているところです。
 さらに、昨年の経験を踏まえた今後の風水害への備えとして、二川、椿山、七川の3つの県営ダムと関西電力の殿山ダムにおいて、大雨等でダムの洪水調整能力や河川の流下能力を著しく超える出水が予測される際には、利水部門も含めてあらかじめダムの水位を下げておくことにより、ダムの洪水調整機能を高め、下流域での洪水被害を軽減させる取り組みを今月16日から開始いたします。
 また、土砂災害対策につきましても、土砂災害警戒区域等の指定や災害時要援護者関連施設・避難所の保全など、人命保護を第一に考えた対策を進めてまいります。
 次に、地震・津波対策につきましては、3月末に内閣府の南海トラフの巨大地震モデル検討会から、従来の想定を大幅に上回る震度分布と津波高の推計が公表されました。
 この推計は、検討途上のもので、南海トラフ沿いで次に起こる地震・津波を予測して検討されたものではありませんが、本県にとりましては、県民の生命、財産にかかわる看過できない問題であることから、国の想定が出そろうのを待つのではなくて、積極的な情報収集に努めて、早期に県の被害想定の見直しができるように、中央防災会議・南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループの座長も務めておられる河田惠昭関西大学社会安全学部長を初めとする6名の専門家による和歌山県地震・津波被害想定検討委員会を設置いたしました。
 既に、今月初めに第1回目の会議を開催したところであり、今後、委員の皆様から科学的見地に基づいた御助言をいただきながら、国のさらなる検討も踏まえて被害想定の作成を進めてまいります。
 さらに、水門・樋門の遠隔化・自動化や陸閘の廃止等の必要な対策を実施し、また、新たな津波想定を踏まえ、ハード整備計画の見直しを実施してまいります。
 また、防災・減災対策の総点検の中で、市町村とともに取り組みました避難先の安全レベルの設定につきましては、今回公表された想定に基づいて念のため見直しを行い、紀伊半島大水害により被害を受けた避難先の見直しとあわせて公表したところであります。時間がある限り、より安全な避難先に避難できるように、避難先に安全レベルを設定した本県独自の取り組みは、画期的なものと各方面から高く評価されており、今後も「まけるな!!和歌山パワーアップ補助金」を活用して、避難路の整備等を行う市町村を強力に支援し、より安全な避難先の確保に努めてまいります。
 また、地震・津波に対する制度面からの対策として、今議会に、津波からの円滑な避難に係る避難路沿いの建築物等の制限に関する条例を提案しております。重要な避難路沿いの建築物等に一定の制限を設け、地震による倒壊で避難路をふさぐことのないようにするとともに、倒壊により避難に著しい支障を来すおそれのある建築物等に対して是正措置の勧告や命令ができるようにするなど、津波からの円滑な避難を目的とするものであり、御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
 さらに、津波からの避難が困難な地域においては、高台への集団移転なども視野に入れた減災のまちづくりを進めていくことが必要と考えており、現在、庁内で議論を重ねているところです。
 次に、この夏の電力不足問題への対応についてでございます。
 現在、国内のすべての原子力発電所が稼働を停止している中で、特に原子力発電に大きく依存してきた関西電力管内においては、昨年を上回る大幅な電力不足が見込まれ、政府から15%以上の節電を要請されているところであります。15%という目標は、昨年実績に対して、家庭部門で5倍、業務部門で3倍の取り組みが必要となる極めて達成困難なものであり、仮に、家庭や業務部門で大いに頑張って、その節電が2倍程度にとどまった場合に、残りを産業部門でカバーするとすれば27%の節電が必要と試算され、本県経済に大きな打撃を与えることになります。
 政府の原子力発電所の安全対策については、特にその手順、段取りが私も拙劣であるとの感を禁じ得ませんが、以上のような電力不足にはリスクも大きいということから、先月30日の広域連合委員会において、細野原子力行政担当大臣等の説明を聴取した結果、「大飯原発の再稼働については、政府の暫定的な安全判断であることを前提に、限定的なものとして適切な判断をされるよう強く求める」との声明を発表したところであります。
 政府がこの問題をどう対処されるのか予断を許さないところでありますが、いずれにいたしましても、電力不足問題への対応は避けて通れないことから、県庁が率先して節電に取り組むとともに、県民や事業者の皆様に対しても広く呼びかけ、県民と一体となってこの危機を乗り越えていきたいと考えております。
 次に、福祉、医療の充実についてでございます。
 福祉、医療につきましては、県民の日常生活に密接にかかわる重要な課題であり、県民の皆様がお困りの問題がないか常に注視しながら、施策の充実を図っていかなければなりません。
 このため、福祉関係では、児童虐待防止の対応強化や先天性代謝異常検査の拡充など、子供が健やかに育つための取り組みを強化いたします。
 さらに、医療関係でも、紀中地域における看護職員養成所の開設に対する支援等、医療従事者の確保対策を初め、県立医科大学附属病院の機能強化や地域の拠点となる医療施設の耐震化等の医療提供体制の充実強化、さらには、がん診療体制の強化など、県内すべての地域で安心して医療が受けられるように努めてまいりたいと考えております。
 今後も、議員各位はもとより県民のお声をよくお聞きし、市町村とも十分に意思疎通を図りながら、県民の皆様が安心して暮らせる体制づくりを進めてまいります。
 また、厳しい経済情勢が続く中で、県経済の活力強化は急務であります。このことから、県内産業の競争力を高めるために、販売促進と技術開発を柱とする産業振興対策を強力に推進してまいります。
 さらに、本県の物づくり企業の成長を支えるためには、物づくりに携わる人づくりが肝要であると考え、本年度から、県内の物づくり企業と工業高校、さらには行政が一体となって、優秀な人材を育てる新たなプロジェクトを立ち上げ、鋭意取り組みを進めているところです。現在のところ、80社以上の県内企業等の御賛同をいただく中、県内5つの工業高校ごとにそれぞれの地域に応じた取り組みを開始しており、企業経営者や技術者等による工業高校での講義や、生徒及び教員のインターンシップなど、企業と連携した今までにない仕組みで、本県の産業を支える人材を育成する取り組みを展開しているところであります。
 一方、本県出身者で他県の大学に進学した学生についても、就職活動の時期に和歌山のすぐれた企業の求人情報が届き、これによって県出身学生の県内就職が進むような取り組みを本格化させているところであります。
 次に、観光の振興につきましては、「復旧、復興から挑戦へ」を合い言葉に、大都市圏等におけるプロモーション活動などの取り組みをさらに強化いたします。
 特に、平成25年の伊勢神宮式年遷宮、平成26年の世界遺産登録10周年、さらには平成27年の高野山開創1200年と、本県や周辺地域において国内外から注目を集める大きな行事が続くことから、この絶好の好機をとらえて、本県へのさらなる誘客を促進するために、平成26年秋に和歌山デスティネーションキャンペーンを開催することとしており、地域の皆様や観光関係団体、交通機関等と連携しながら観光資源・商品の魅力向上に取り組んでまいります。
 さらに、観光案内板等の多言語化整備やエリアパスの利用促進、さらには、総合特区を活用した県版通訳ガイドの養成など、外国人観光客の満足度を向上させるための受け入れ体制の充実にも力を注ぎ、外国人観光客の誘致拡大に努めてまいります。
 次に、農林水産業の振興についてでございます。
 農業は地域を支える重要な産業であることから、農業緊急戦略アクションプログラムに基づき、担い手、農地、生産の3つを柱に対策を進めてきたところであります。また、農業者の生産意欲を減退させる有害鳥獣による被害につきましては、深刻な問題と受けとめており、本年度も予算を大幅に拡充し、対策を強化いたします。
 さらに、本年度から、生産者の所得向上につながる技術開発を加速させるために、農林水産関係試験研究機関で取り組む試験研究について抜本的に見直し、充実強化を図ることとしております。
 まず、本年4月に試験研究機関の組織改正を行い、研究体制の強化を図るとともに、研究費予算も大幅に増額いたしました。さらに、研究テーマにつきましても、県民のニーズを踏まえることが必要との考えから、初めての試みとして、生産者団体を初め、大学や関連企業、一般の方々からも広く募集したところ、大きな反響があり、新商品の開発や自然エネルギーの活用など、100件を超える応募が寄せられました。現在、本年度新設した研究推進室での検討に加え、外部の方々からも評価をいただきながら徹底した議論を行っており、近くテーマを絞り込むこととしております。
 今後も、社会が求める試験研究を進め、県内の農林水産業の振興につなげてまいります。
 次に、公共インフラの整備についてであります。
 元気な和歌山の実現に向けて企業誘致や観光振興を推進するためには、高速道路を初めとする公共インフラの整備が不可欠です。また、大規模災害に備える命の道としても、高速道路ネットワークの整備が急がれるところです。
 こうした中、4月22日に京奈和自動車道の高野口インターチェンジから紀北かつらぎインターチェンジまでの区間が開通し、本県の高速道路整備がまた一歩前進いたしました。さらに、これに先立ち、4月6日には、国土交通省から、湯浅御坊道路有田―御坊間における4車線化の事業化と、近畿自動車道紀勢線すさみ―太地間及び新宮―大泊間における計画段階評価を進めるための調査の着手が発表されました。このことは、本県が国に対して強く訴えてまいりました高速道路整備の必要性が理解されたものと考えまして、それと同時に、県民の悲願である紀伊半島一周高速道路の実現に向けた大きな前進であると受けとめております。
 今後は、一日も早い実現に向けて、近畿自動車道紀勢線及び京奈和自動車道の事業中区間の平成27年国体開催までの供用や、南紀田辺までの4車線化及びすさみ以南の未事業化区間の早期事業着手について、引き続き国に強く働きかけてまいりますので、議員各位の御理解と御支援をお願い申し上げる次第であります。
 また、高速道路の整備とあわせて、府県間道路や川筋ネットワーク道路の重点整備、緊急輸送道路の橋梁耐震化など、県内の幹線道路ネットワークのさらなる強化にも努めてまいります。
 次に、開催まで残すところ3年余りとなった紀の国わかやま国体につきましては、会場となる施設の整備を初め、着実に準備を進めているところであります。
 さらに、7月の日本体育協会の理事会におきまして、第70回国民体育大会の本県での開催が決定される運びとなっており、これを受けて、9月初旬には開催決定記念イベントを開催し、県民総参加による大会の実現に向けて機運の醸成や意識の高揚を図ることとしております。また、開催決定を機に、国体のみを対象とした現在の準備委員会を、全国障害者スポーツ大会も含めた実行委員会に改組し、開催準備を本格化させてまいります。
 さらに、競技力の向上につきましても、男女総合優勝に向けて取り組みを一層加速し、県民全体がスポーツを通じて感動と達成感を実感できるすばらしい大会となるように、県民の皆様と一丸となって取り組んでまいります。
 次に、わかやま森林と樹木の日についてでございますが、昨年の12月議会で議決をいただき、本年4月から施行いたしました和歌山の森林及び樹木を守り育てる条例に基づき、去る5月20日、田辺市新庄総合公園において、天皇陛下が第62回全国植樹祭の情景を詠まれた御製碑の除幕、和歌山県緑化功労賞の授与などを内容とする記念行事を開催いたしました。
 今後も、全国植樹祭の意義を後世に伝え、県民みんなで和歌山の森林や樹木を守り育て、緑豊かな和歌山を将来に引き継ぐよう努力してまいります。
 続きまして、ただいま上程されました諸議案の提案理由を御説明申し上げます。
 初めに、補正予算についてでございます。
 議案第86号は、一般会計で総額13億5400万円余を計上しており、その主なものについて御説明申し上げます。
 まず、再生可能エネルギー等を導入し、災害に強く環境負荷の小さい地域づくりを推進するため、基金の造成を行ってまいります。
 また、台風12号の被災による耕作放棄地の増加を食いとめ、被災地域における地域農業を維持するため、離農農家の農地を承継する担い手組織の機械整備等の支援を促進してまいります。
 また、緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用して、離職を余儀なくされた非正規労働者や中高年齢の失業者、若年者に対し、引き続き短期の雇用・就労機会の創出に努めてまいります。
 このほか、指定管理者制度を導入している公の施設について、平成25年度以降の指定管理者を公募するため、その管理経費等について債務負担行為の設定をお願いしております。
 続きまして、条例案件等について、その主なものを御説明申し上げます。
 議案第87号は、納税者の利便性向上を図るため、自動車税に加え、個人事業税、不動産取得税についてもコンビニで納付することができるよう、県税条例の一部を改正するものです。
 次に、議案第89号及び第90号は、和歌山県民文化会館及び紀三井寺公園陸上競技場についてそれぞれ利用料金の額の上限等を改めるため、また議案第91号は、新たに供用を開始する秋葉山公園県民水泳場の利用料金の額の上限等を定めるため、所要の改正を行うものです。
 また、議案第92号は、冒頭でも申し上げましたとおり、津波から避難する際の安全性の向上を図るためのものです。
 議案第93号は、県南紀スポーツセンターを廃止するもので、議案第95号は、総合特別区域法の施行に伴い、地域活性化総合特別区域通訳案内士の登録申請の審査等に係る手数料の額を定めるものです。
 また、議案第96号は、京都市、神戸市の新規加入に伴い、関西広域連合規約の一部の変更について議決をお願いするものです。
 次に、議案第97号は、県道工事の事業用地について共有物の分割請求の訴訟を提起するもので、議案第98号及び第99号は、家賃滞納者等に対する住宅の明け渡し等の訴訟提起について、議案第100号は、県証紙売りさばきに係る代金の業務上横領に伴う損害賠償請求の訴訟提起について、それぞれ議決を求めるものです。
 また、議案第101号は、職員の公務中における交通事故に係る損害賠償請求に関する和解について、議案第102号は、工事請負変更契約の締結について、それぞれ議決をお願いするものです。
 次に、知事専決処分報告ですが、報第1号は、地方税法の一部改正に伴い県税条例の一部を改正するもので、報第2号は、近畿圏の都市開発区域における県税の特別措置を延長するもので、いずれも特に緊急を要したため、地方自治法第179条第1項の規定に基づく専決処分を行い、その承認をお願いするものであります。
 諸報第5号から第9号までは、地方自治法第180条第1項の規定に基づく委任専決処分報告であり、諸報第10号から第12号は、平成23年度予算の繰越使用報告及び事故繰越使用報告です。
 このほか、法人の経営状況を説明する書類を別途提出いたしております。
 何とぞ、御審議の上、御賛同賜りますようにお願い申し上げます。
○議長(新島 雄君) 以上で、当局の説明が終わりました。
 この際、4月1日就任しました新任者を御紹介申し上げます。
 まず、知事室長に就任しました藤本陽司君を御紹介申し上げます。
 知事室長藤本陽司君。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○知事室長(藤本陽司君) 4月1日付で知事室長を拝命いたしました藤本陽司でございます。
 もとより微力ではございますが、職務の遂行に誠心誠意取り組んでまいりますので、皆様方の一層の御指導、御鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。(拍手)
○議長(新島 雄君) 次に、国体推進監に就任しました若宮茂樹君を御紹介申し上げます。
 国体推進監若宮茂樹君。
  〔若宮茂樹君、登壇〕
○国体推進監(若宮茂樹君) 国体推進監を拝命いたしました若宮茂樹でございます。
 使命達成のため全力で取り組んでまいりますので、議員皆様方の御指導、御鞭撻、どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
○議長(新島 雄君) 次に、危機管理監に就任しました半田和雄君を御紹介申し上げます。
 危機管理監半田和雄君。
  〔半田和雄君、登壇〕
○危機管理監(半田和雄君) 危機管理監を拝命いたしました半田和雄でございます。
 もとより微力ではございますけれども、使命達成のため誠心誠意頑張ってまいりたいというふうに思っておりますので、格別の御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○議長(新島 雄君) 次に、企画部長に就任しました野田寛芳君を御紹介申し上げます。
 企画部長野田寛芳君。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 4月1日付で企画部長を拝命いたしました野田寛芳でございます。
 もとより微力ではございますが、使命達成のため誠心誠意努力いたしてまいりますので、議員の皆様方には、何とぞ御指導、御鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。(拍手)
○議長(新島 雄君) 次に、環境生活部長に就任しました米田和一君を御紹介申し上げます。
 環境生活部長米田和一君。
○環境生活部長(米田和一君) このたび環境生活部長を拝命いたしました米田和一でございます。
 もとより微力でございますが、環境行政の推進、また、県民生活の安全・安心の確保のために全力で取り組んでまいりますので、議員の皆様方の御指導、御鞭撻、よろしくお願い申し上げます。(拍手)
○議長(新島 雄君) 次に、福祉保健部長に就任しました山本明史君を御紹介申し上げます。
 福祉保健部長山本明史君。
  〔山本明史君、登壇〕
○福祉保健部長(山本明史君) このたび福祉保健部長を拝命いたしました山本明史でございます。
 県民の福祉、保健、医療の充実向上のため、微力ながら全力をもって福祉行政を進めてまいりたいと考えてございます。議員の皆様方の御指導、御鞭撻、どうかよろしくお願い申し上げます。(拍手)
○議長(新島 雄君) 次に、県土整備部長に就任しました尾花正啓君を御紹介申し上げます。
 県土整備部長尾花正啓君。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 県土整備部長の尾花正啓でございます。
 微力ではございますが、災害復旧の早期完成並びに県土の整備推進に全力で努めてまいる所存でございます。皆様方の御指導、御鞭撻、よろしくお願い申し上げます。(拍手)
○議長(新島 雄君) 次に、会計管理者に就任しました雑賀忠仁君を御紹介申し上げます。
 会計管理者雑賀忠仁君。
  〔雑賀忠仁君、登壇〕
○会計管理者(雑賀忠仁君) 会計管理者を拝命いたしました雑賀忠仁でございます。よろしくお願いいたします。
 会計事務の適正な執行に全力を挙げて取り組んでまいる所存でございますので、皆様方の御指導、御鞭撻のほどよろしくお願いいたします。(拍手)
○議長(新島 雄君) 次に、事務局長から新任者を紹介させます。
○事務局長(宮端 宏君) 御紹介申し上げます。
 まず知事部局。総務部。危機管理局長村上真一君。
 企画部。企画政策局長岡本圭剛君。
 環境生活部。環境政策局長岩橋良晃君。
 商工観光労働部。商工労働政策局長室谷匡利君、観光局長榎本善行君。
 農林水産部。農業生産局長矢田嘉秀君、森林・林業局長佐々木智章君。
 県土整備部。技監石原康弘君、県土整備政策局長幸前裕之君、道路局長向井直樹君、河川・下水道局長藤山知之君、都市住宅局長上硲清吾君、港湾空港局長山下雅己君。
 会計局。会計局長井上雅幸君。
 次に、教育委員会。生涯学習局長喜多英夫君。
 次に、警察本部。生活安全部長小河原史朗君、刑事部長上岡洋一君、交通部長山下晃司君、警備部長瀧川泰弘君。
 次に、人事委員会事務局。事務局長鈴木敏彦君。
 最後に、議会事務局。事務局次長上坊晃君、総務課長谷巌君。
 以上でございます。
○議長(新島 雄君) 以上で、新任者の紹介が終わりました。
 明日も定刻より会議を開きます。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後0時4分散会

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