平成24年2月 和歌山県議会定例会会議録 第6号(全文)


平成24年2月 和歌山県議会定例会会議録

第6号(全文)


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平成24年2月
和歌山県議会定例会会議録
第6号
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議事日程 第6号
 平成24年3月7日(水曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第1号から議案第16号まで、議案第33号から議案第58号まで、議案第60号から
    議案第69号まで及び議案第71号から議案第85号まで(質疑)
 第2 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議案第1号から議案第16号まで、議案第33号から議案第58号まで、議案第60号から
    議案第69号まで及び議案第71号から議案第85号まで(質疑)
 第2 一般質問
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出席議員(40人)
 1番 森 礼子
 2番 立谷誠一
 3番 尾崎太郎
 4番 藤山将材
 5番 新島 雄
 6番 山下直也
 7番 門 三佐博
 8番 井出益弘
 9番 濱口太史
 10番 鈴木太雄
 11番 服部 一
 13番 山田正彦
 14番 坂本 登
 16番 尾崎要二
 17番 山本茂博
 18番 平木哲朗
 19番 前芝雅嗣
 20番 浅井修一郎
 21番 中村裕一
 22番 冨安民浩
 23番 岸本 健
 24番 中 拓哉
 25番 花田健吉
 26番 角田秀樹
 27番 吉井和視
 28番 向井嘉久藏
 29番 谷口和樹
 30番 多田純一
 31番 片桐章浩
 32番 藤本眞利子
 33番 浦口高典
 34番 大沢広太郎
 35番 谷 洋一
 36番 岩田弘彦
 37番 高田由一
 38番 奥村規子
 39番 山下大輔
 40番 松坂英樹
 41番 長坂隆司
 42番 雑賀光夫
欠席議員(2人)
 12番 川口文章
 15番 宇治田栄蔵
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       野田寛芳
 国体推進監      中村正次
 危機管理監      宇恵元昭
 総務部長       米澤朋通
 企画部長       柏原康文
 環境生活部長     保田栄一
 福祉保健部長     鈴木敏彦
 商工観光労働部長   大門達生
 農林水産部長     増谷行紀
 県土整備部長     森 勝彦
 会計管理者      米山重明
 教育委員会委員    山本 哲
 教育長        西下博通
 公安委員会委員    片山博臣
 警察本部長      山岸直人
 人事委員会委員長   守屋駿二
 代表監査委員     楠本 隆
 選挙管理委員会委員長 諸木良介
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       森田実美
 次長         佐本 明
 議事課長       堀 達也
 議事課副課長     吉田政弘
 議事班長       中井 寛
 議事課主任      中尾祐一
 議事課主査      保田良春
 議事課主査      中村安隆
 議事課主事      芝 紀之
 総務課長       上坊 晃
 調査課長       谷村守彦
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  午前10時0分開議
○議長(新島 雄君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第1号から議案第16号まで、議案第33号から議案第58号まで、議案第60号から議案第69号まで及び議案第71号から議案第85号までを一括して議案とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 31番片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕(拍手)
○片桐章浩君 おはようございます。
 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問を行わせていただきます。
 今回、すべて一問一答方式という形で進めさせていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
 1つ目、最初の質問ですが、仮称・和歌山南インターチェンジについての質問をさせていただきたいと思います。
 和歌山市では、平成24年度、調査費として、交通量推計に420万円、予備設計費が3400万円、これが予算案として計上されているところであります。この後、建設準備委員会、地区協議会の立ち上げを図り、この計画を実現させようと動き始めていると聞いているところであります。
 現在、和歌山市の南東部、南部地域には約9万8000人、和歌山市の人口のうち約27%の人が暮らしている地域にこの仮称・和歌山南インターチェンジを設置しよう、こういう計画がございます。計画では、利用方法は上下線とも入り口、出口として利用可能なフルアクセス、いわゆるスマートインターチェンジを予定しているところでありまして、スマートインターチェンジといいますのは、高速道路の本線、サービスエリアから乗り降りできるように設置されるインターチェンジのことで、通行可能な車両を、ETC搭載、この車に限定していることから簡易な料金所で済む、こういう制度であります。
 このスマートインターチェンジ制度といいますのは、平成29年度までの限定的な予算措置で、それまでに予算措置がなされないとこのスマートインターチェンジ制度は活用できなくなる、こういう代物でございます。
 仮称・和歌山南インターチェンジにより期待される効果は、この地域の利便性の向上はもちろんのこと、都市防災、都市開発などの進展も期待できます。そして、和歌山インターチェンジに至る道路は慢性的に交通渋滞が発生していることから、高速道路利用者の分散効果によって和歌山インターチェンジ付近の渋滞緩和、これも期待できるところであります。
 高速道路が防災機能を果たしているということは、東日本大震災を踏まえた提言、そして今議会での同僚議員の質問、知事からの答弁でも明らかであります。和歌山市の南東部へのインターチェンジの設置により付近を防災拠点として整備を図る、救援物資供給場所、防災用トイレ、給水タンク、備蓄倉庫、非常用発電装置、こういったものも設置しようとする計画になっているところが、それを物語っております。また、高速道路に避難できることから、津波から生命を守り、食料や医療の救急救援物資を防災拠点や避難所に届ける緊急輸送路としての役割を果たしてくれるなど、防災機能の強化につながるものと言えます。
 なお、現在、和歌山市では、平成11年度に策定した都市計画マスタープランの見直しが図られています。考え方としては、この地域を交通結節点として整備を進めたいこと、県立和歌山東高校や東部コミュニティセンターと一体的に防災拠点として整備をすること、観光・レクリエーション機能の充実を図ること、そしてお隣の紀の川市との広域的な連携を図る、こういった今後の方向性を組み入れるようだというふうに聞いてございます。
 和歌山市の中心市街地を中心核として位置づけ、地域の方々が日常生活する地域を地域核としての位置づけをこの計画では図り、中心核を地域核が惑星のように取り巻く多角型の都市形成を目指そうと、こういう都市計画の考え方で現在策定が進められているところであります。南東部地域は、市街地に隣接した地域生活の拠点とするために、何としても和歌山南インターチェンジ、これが核施設として必要になっているわけであります。
 そこで、知事へ1問目、質問であります。
 和歌山市が計画している仮称・和歌山南インターチェンジ設置計画について、知事はどのように考えているでしょうか、お願いします。
○議長(新島 雄君) ただいまの片桐章浩君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 和歌山南インターについては、現和歌山インター周辺の渋滞緩和や高速道路利用の利便性の向上、さらに防災機能の向上などの面から、できることなら実現したいと考えております。
 ただ、これを進める上で整理しなきゃいけない課題が3つあると考えております。
 1つは、接続する既存道路で交通量が賄えるかどうか、特に、市で担当している都市計画道路の進捗との関係でふん詰まりにならないか。2つは、中心市街地活性化を進めるとしながら郊外に新たな交通結節点をつくるということについての整理。3つ目は、既に高速道路も含め、重点的に道路整備を進めている中での優先順位の問題というのがあると思います。
 以上、大橋市長からお話があったときに3点申し上げたのですが、レスポンスはありません。
 これらの課題について、和歌山市の考え方も十分お聞きしながら、県としても必要な協力はすることとして、タイミングを見て戦略的に対応したいと考えております。
○議長(新島 雄君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 今のレスポンスの悪さに関しては、ちょっとこの後、また触れさせていただきたいと思うんですが、まず仮称・和歌山南インターチェンジ計画、これを進めるとしますと県の協力というのはどうしても必要となります。これは、インター付近を通る県道、ここがかなり渋滞するおそれがあること。今でも朝夕の通勤時間帯を中心に渋滞している場所でもあり、今以上に車の流入量が増加すると見込まれることから、県道の整備、例えば2車線化やインター付近の右折、左折、こういった車線の新設などの対応も必要になろうかというふうに思います。
 そこで、仮称・和歌山南インターチェンジに関して、県道和歌山橋本線と県道沖野々森小手穂線とのクランクになっている交差点部分が交通渋滞になる箇所として予測はされるわけですが、これらの県道の渋滞緩和策についての考えはありますでしょうか、県土整備部長の答弁をお願いします。
○議長(新島 雄君) 県土整備部長森 勝彦君。
  〔森 勝彦君、登壇〕
○県土整備部長(森 勝彦君) 南インターの設置が検討されている周辺の県道、特に岡崎交番前交差点は、現状でも朝夕の通勤の時間帯に渋滞が発生しており、新たにインターが設置された場合、交通量が増大し、渋滞を悪化させないか懸念されるところでございます。
 現在、インターの具体的な計画を検討している和歌山市から、こうした周辺道路への影響や対策についてもお聞きし、協議を進めているところです。
 インターの具体的な取りつけ位置や周辺の土地利用動向とも密接に関係いたしますので、引き続き十分に協議を進めた上で、必要があれば対策を検討したいと考えております。
○議長(新島 雄君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 和歌山県が進めている南港山東線、これの東向きへの延伸、それから和歌山市が進めている西への延伸、これを連携させて、仮称・和歌山南インターチェンジの設置計画、ここをあわせて検討することが実は必要だというふうに思います。
 和歌山市からの回答は恐らくまだ来てないだろうなとは思うんですが、南港山東線、ここの事業決定している区間の早期完成、これは図ろうとしているところでありますし、残りの西への延伸についても県の東の延伸と歩調を合わせて取り組みたいと、こういう考えがあるというふうにお聞きしておりますので、何としても連携を図っていただきたいなというふうに思います。
 なお、仮称・和歌山南インターチェンジの完成は、工事着工後6年後、この予定になっております。一体的に進める必要があろうかと思いますので、これらの道路の年次計画はどのような状況になっているのか、県土整備部長から答弁をお願いします。
○議長(新島 雄君) 県土整備部長。
  〔森 勝彦君、登壇〕
○県土整備部長(森 勝彦君) 南インターの整備には、市内の幹線道路として、都市計画道路南港山東線の整備が密接に関係することとなります。南港山東線については、現在、県では、和田工区において平成27年国体開催までの供用を目標に整備を進めているところでございます。さらに、東への延伸については、南インターの計画の具体化や、この路線全体の整備状況を見て判断したいと考えております。
 なお、塩屋から国道42号の間の未整備区間については平成24年度から市で事業着手することとなっており、さらに、西の大浦街道までの区間についても市に早期整備をお願いしたいと考えております。
○議長(新島 雄君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 続いて、再生可能エネルギーの取り組みについての質問に移らせていただきたいと思います。
 旧南紀白浜空港跡地を活用して地域活性化を図りたいとする事業者の計画が、先般、発表されました。この用地は、15年間未活用のままであり、有効活用を図ってほしい場所だと思っているところですが、なかなか活用計画がなかったということから、今回、こういった発表を事業者が行ったというふうに聞いてございます。
 なかなか進まない理由は幾つかあるんでしょうけども、この用地は、和歌山県と白浜町の両者が所有していること、空港の隣接にあることから高さ制限によって高い建物は建設できないこと、こういったことも要因かもわかりません。
 そんな折、新エネルギーと観光振興、そして雇用創出を図れる事業計画が民間事業者から打ち出されたということであります。
 資料を取り寄せて確認したところ、事業主体となる具体的な事業者が明らかであり、4つの事業を同時にスタートさせたい、こういう計画になってございます。事業者や具体的な計画案が示されていることからすると、県が支援体制を整えることができたら、あるいは事業化の可能性があるように思います。もし地元から進めたいという意向があれば、その考え方も尊重してほしいところであります。ところが、この旧南紀白浜空港跡地利用計画に関しては、県から複数の課題が指摘されているようです。
 そこで、幾つかの項目について、知事の見解を聞かせていただきたいと思います。
 旧南紀白浜空港跡地の利用計画案、または県として具体案はありますか。
 同用地のメガソーラーに関しては、買い取り価格の動向によって事業者が撤退する危険性があるとされておりますが、これは、旧南紀白浜空港跡地固有の問題ではなく、他府県あるいは我が県のほかの候補地も同じことだと思います。積極的な府県では買い取り価格が未決定の段階で事業者との協議を進めているようですが、この場所でのメガソーラーの可能性はありますか。
 広域防災拠点の指定があり、指定変更などの調整に時間を要する場所になっている、こういう問題もあります。そのため、早期に事業を進めることは困難だという見解もあるようです。しかし、指定されている理由は理解できるものですが、地域が求める計画が具体化した場合、県として対応していく必要があると思うのですが、このあたりの考え方はいかがでしょうか。
 ほかの企業からも提案があることから、比較検討する必要もあるようですが、ほかの事業者からの具体的提案、こういったものは来ているのでしょうか。
 平成27年度の国体開催、高速道路延伸によって、商業施設がこの地域に進出するという期待感があるようですが、果たしてその可能性は現状ではあるのでしょうか。
 商業施設のほうが、雇用が生まれ、地元観光、そういったことを後押しできるという意見もあるようですが、地元小売店との関係は保てるのでしょうか。数年前から大型商業施設の誘致を行っているが、なかなか進展していないような経緯があるように、今後とも見通しは立っていないのではないでしょうか。
 アウトレットは、立地条件、後背人口に恵まれていることなどの条件が整っていなければ、地方都市への進出は現実的ではないと考えられます。県としての活用方針として何か具体案がありますか。ないとすれば、今回の大型の事業計画は地元にとってメリットがあり、検討する余地があろうかと思いますが、いかがなものでしょうか。
 以上、知事の答弁をお願いします。
○議長(新島 雄君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 議員からお話のあった旧南紀白浜空港跡地の利用について、企業提案という、あるいはグループ提案というものについては、いろんなところからもいただいている提案の1つであるということでございます。跡地の利用の事業提案をいただくということは、大変ありがたいことだと思っております。
 県で対応している個別具体的な案件については、企業誘致活動の一環でありまして、企業情報にかかわることなので、あれはどうだとか、これは可能性があるとか、そういうことはちょっと申し上げることはできません。ただ、今まで私が知事になりましてからやってる基本的な考え方として申し上げますと、やっぱり来てほしいといって1人の人にただにするとか、そういうことをやるといろんな点で副作用がいっぱい出てまいりますので、したがって、皆さん、経済的な時価でいろいろ取引をしていただこうと、これが原則の第一であります。
 その上で、白浜温泉というところを考えますと、ここは白浜温泉の真上でございますので、周囲の環境を考えると、イメージのよい産業とか、あるいは集客能力のある施設がよろしいなあというふうに考えておりまして、少し通常のサイトとは違って、夢も感じております。例えば、ほかで熱心に勧誘している普通の製造業、こういうものは向いてないんじゃないかなあというような考え方で今までやってまいりました。
 当跡地につきましては、エネルギー環境の変化とか、あるいは交通インフラの進展をチャンスと考えまして、さまざまな産業分野の可能性を含め、見きわめ、積極的に誘致活動を進めていきたいと思います。
 地元雇用に貢献する雇用効果のほか、観光振興、地元企業との連携が図れる機能性、また事業の実現可能性、継続性、地域の安全性など、総合的な観点から推進することが大事であると考えております。用地の一部を所有する白浜町とも相談しながら、企業誘致活動など、今後とも積極的にやってまいりたいと考えております。
○議長(新島 雄君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 現段階では、個別の話にはなかなか触れられないということはわかりますので、案件によっては期待している部分もあります。よろしくお願いしたいと思います。
 さて、和歌山県を含む関西広域連合では、再生可能エネルギーの導入促進、それから低炭素社会の構築に向けて動き出しております。また、メガソーラーに積極的な京都府、三重県、滋賀県、岡山県、徳島県、こういった地方自治体では、候補地を既に公表して事業者を募っている状況になっています。
 日照時間が長く、全国から最も注目を集めている1つの県である和歌山県ですが、現状、それほどの動きというのはないように思います。しかし、3月1日に県内の公共用地でメガソーラー対応可能な用地を公開していることから、エネルギー、地域産業、こういったところに向かう姿勢が見え始めているなあというふうな気がします。
 和歌山県内でメガソーラーの地点として考えている地点の状況はどのようになっているのか。県としてのそれに対する支援体制は整えられているのか。メガソーラー設置を希望する土地所有者があらわれた場合、どのように対応するのか。また、平成24年度予算案にある産業振興、エネルギー振興とはどのような施策なのでしょうか。以上、商工観光労働部長から答弁をお願いします。
○議長(新島 雄君) 商工観光労働部長大門達生君。
  〔大門達生君、登壇〕
○商工観光労働部長(大門達生君) メガソーラーに関する4点についてお答えいたします。
 まず、県内メガソーラー候補地の状況についてですが、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法による全量買取制度の開始を控え、県内各市町村に対し、メガソーラー候補地の照会を行ったところです。
 具体的には、1ヘクタール以上の面積を有する公有地を対象として、地形や方角、最寄りの送電線の有無等を確認し、あわせて、それぞれの候補地について、各種の法規制を関係機関に確認の上、公表に同意の得られた候補地を本年3月1日から県ホームページで公開しております。今後とも、新たな候補地が見つかれば順次更新していく予定です。
 次に、県の支援体制についてですが、メガソーラーを初め再生可能エネルギーに関する全般的なことは、一元的な窓口として産業技術政策課で対応しているところです。例えば、取り組みを開始するに当たり、事業者から法律や規則などの相談があった場合、関係機関への照会や回答はもちろんのこと、場合によっては各担当者が一堂に会して事業者と意見を交わす場を設定するなど、円滑に事業が推進するよう努めております。
 次に、メガソーラー誘致を希望する土地所有者については、特定の民有地を紹介することの是非も十分検討する必要があり、現在、県では、メガソーラー候補地として公開しているのは公有地のみとさせていただいております。
 なお、企業所有者などの民有地でありましても、事業者あるいは土地所有者からのお問い合わせをいただいた場合は、再生可能エネルギーに関する全般的な相談窓口として、先ほど申し上げたような関係機関への照会、回答など、一元的窓口として対応いたしております。
 最後に、平成24年度当初予算案にお願いしております産業技術・エネルギー振興事業は、国のエネルギー基本計画の見直しや、平成24年7月1日から実施が予定されております全量買取制度の開始を契機とするさまざまな動きに対応するための情報収集や現地調査等を実施する事業でございます。
○議長(新島 雄君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 それでは、3点目に移らせていただきます。国際人教育についてです。
 文教委員会として沖縄県教育委員会を訪問さしていただきました。沖縄県教育委員会では、国際人を育成するための外国語教育の取り組みを行っておりまして、目指しているのは、英語立県沖縄県、こういうキャッチフレーズをもって、外国語でのコミュニケーション能力を身につける、このための教育を目指している、このことがよくわかりました。
 また、沖縄県立球陽高校、これ、公立ですが、ここも視察してまいりました。この学校の視察では、ここまで外国語教育が進んでいるのかということに驚きまして、改めて、使える英語教育の必要性を強く感じた次第であります。
 和歌山県での英語教育、これも熱心にやっていただいてるとは思ってたんですが、沖縄県と比べると少しおくれてる──固有の問題だと思いますが──感もありまして、もっと覚悟を決めた英語教育、これが必要だなというふうに強く感じた次第であります。
 ところで、この球陽高校というのは、平成元年に創立された新しい学校ですが、既に沖縄県の進学校として名前がとどろいているところであります。理数科4クラス、今回視察した国際英語科、これが4クラス設置されておりまして、教育目標、創造性、国際性に富み、21世紀をたくましく切り開くリーダーとして、地域社会、国際社会で活躍できる生徒を育成することを目標として掲げております。まさにそのための教育が外国語教育ということで、これが実践されているわけであります。
 中でも、これも驚いたことですが、英語を指導する先生がいろんなところから集まっているというか、集められているということが特徴的であります。経歴が物を言うわけではありませんが、ハーバード出身の英語の先生もいるなど、高いレベルの授業が展開されているわけです。
 視察したところがLL教室で、パソコンを活用した英語教育の進め方は新鮮で、少し驚きがありました。当然、英語の授業はといいますと、先生も生徒も英語で進められておりますし、英語の質問に対して英語で答える、こういったことも当然のように行われていました。日本人の先生による英語の授業、それから外国人による英語の授業、両方見せていただいたわけですが、その質の高さを実感した次第です。
 また、名高いスティーブ・ジョブズ、これの例の伝説のスピーチ、これを授業で取り上げて、その内容について英語で質疑を交わす、討論するなど、日本の高校の英語教育とは思えない授業がここでは繰り広げられておりました。
 英語に反応している生徒に尋ねると、当たり前のように「理解しているよ」という答えがありまして、理解してなかったら答えることができないわけですから当然のことなんですが、また先生にレベルを尋ねたところ、「高校2年生でCNNのニュース程度やったら聞き取れますよ」と、こういう話がありました。ほんまかなと思いまして生徒にも確認すると、「CNNやったらわかるよ」と、和歌山弁ではないですけど、こういう答えがありまして驚いたわけであります。
 英語を聞き取る力と理解する力、これを学んでいる高校の生徒を見ていると、たくましく、そしてすぐれた学習環境の中で学べることの楽しさ、これを感じた次第であります。これから国際社会で活躍し、日本を支えてくれる生徒に対して、使える外国語教育の重要性、これを強く感じた次第であります。
 ビジネスの世界は、交渉力がすべてとなります。英語で交渉できる力と英語を英語でそのまま理解する力、これらは、これからの日本を背負う人材には不可欠なものだというふうに思います。そんな力を養成しようとしている沖縄県教育委員会の取り組みに、我々は大いに学ぶ必要があるのではないでしょうか。
 今回、文教委員会の国際人教育に関する視察について、教育長は同行者からどのような報告を受けておりますか。沖縄県の外国語教育に学べるものはありますでしょうか。また、和歌山県が取り入れるべきものはありましたでしょうか。教育長にお答えをお願いします。
○議長(新島 雄君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 国際人教育に係る件で沖縄を御視察いただき、ありがとうございました。
 視察に同行した職員からは、沖縄県では、小・中・高等学校の児童生徒の発達段階に応じて具体的な目標を定め、系統立った効果的な指導が行われているとの報告を受けました。特に、視察先の高校では、時事問題を扱ったりICT機器を活用したりするなど、本当の生きた英語力といいますか、そういう活用できる英語力の習得を目指したものであったと、大変有効だったというふうに報告を受けております。
 こうした取り組みは、本県の国際人育成プロジェクトにとっても大いに学ぶべきものがあると感じておりまして、今後、施策を検討する中で積極的に参考にしていきたいというふうに考えてございます。
○議長(新島 雄君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 今回、文教委員会の視察の行程の中でもう1つ有意義だったことがありまして、同行した教育委員会の職員さんたちと和歌山県の学力、これが全国の平均値を下回っている理由は何なのか、和歌山県の教育界として誇れるものは何なのか、県内の国際科のある高校との比較、それから少し、国際教育ではないんですが、和歌山市にある太田城の歴史とか、こういったものを話し合うなど、教育論議を交わせたことがとても有意義な一面であったというふうに思ってます。この県外視察の議論があった次に、さきの星林高校の国際科、それから太田城の視察につながった、こういうふうに思っております。
 さて、今回視察した先が成果を上げているレベルと同じように、和歌山県でここまでの取り組みをしている高校、これは少ないんじゃないのかなというふうに思います。和歌山県として、外国語教育のあり方について語り合っている段階からもっと先に進まないと、もう留学制度の拡充、英語教育のレベルアップを図っているこれらの県に大きくおくれをとることになります。不利益をこうむるのは、現役の高校生であり、中学生、小学生です。2020年代に世界で戦う学生に対して、英語を武器にできるように教育することが私たちの務めだというふうに思います。
 参考までに、沖縄県立球陽高校では、第2外国語として中国語かスペイン語を必修科目としています。この取り組みを知って、この高校から学ぶことが多々あろうかというふうに思います。
 そこで、教育長に次の質問であります。
 国際人育成プロジェクトの考え方をお示しください。
 また、英語立県沖縄は、小・中・高連携した英語教育に取り組んでいます。ここでは、小学校の5年生と6年生は英語によるコミュニケーション能力、この素地を育成すること、中学校1年生、この英語力の指標は英語検定5級、中学3年から高校1年の英語力の指標は英語検定3級、高校卒業時の英語力の指標、これは英語検定の3級から2級、これを掲げているところであります。目指すところがなければ、そこに到達することはできません。国際人育成プロジェクトによる小学校、中学校、高校での目標はどこに置かれておりますか、教育長にお尋ねします。
○議長(新島 雄君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 国際人育成プロジェクトの考え方についてでございますが、本県の国際人育成プロジェクトは、外国の人々と対話できる英語力を身につけた広く世界で活躍できる人材の育成を目標としておりまして、小・中・高等学校を通して系統立てた取り組みを行ってまいります。
 小学校では、英語の歌やゲーム、読み聞かせ教材などを活用して、まず英語に興味を持たせ、中学校では反復練習を徹底し、身近な話題などについて英語で会話できる生徒を育成してまいります。さらに、高等学校では、従来の読み書きに加えて、自分の考えや意見を英語で伝えられるよう、実践的コミュニケーション能力を高めてまいります。
○議長(新島 雄君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 沖縄県立球陽高校の国際英語科の在校生、これが464名おります。平成22年度の実績を示させていただきます。英検準2級154名、2級83名、準1級2名、平成23年12月現在では準2級82名、2級23名の実績があり、具体的な数字の成果を上げているところであります。
 県内で国際科のある高校の実績とこの数字を見て、教育長、感じることはありますでしょうか。世界で広く活躍できる人材を育成するための成果が期待できる取り組みというのがありますでしょうか。あわせて教育長にお尋ねしたいと思います。
○議長(新島 雄君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 県内で国際科のある高校の実績と比較して、成果ができる取り組みについてということについてお答えしたいと思います。
 先ほど御指摘いただきましたように、沖縄の球陽高校では、外国語検定試験について大変大きな成果を上げているというふうに実感をいたしております。
 本県の国際科のある高校では、検定というよりも、特に姉妹校との交換留学や交流活動に特色を持たせて進めてまいりました。今後は、御指摘の点を踏まえ、こうした国際科を持つ高校に限らず、英語の授業にディベートやディスカッション等を取り入れ、その学んだ成果を試す機会として、和歌山県高校生英語ディベート大会や、わかやま高校生クイズ in Englishを開催するとともに、高校生の海外語学研修や海外留学を一層促進してまいりたいと思ってございます。
○議長(新島 雄君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 今、教育長にお答えいただきました国際人育成プロジェクトというのが、この予算、24年度の案によりますと1100万円計上されているわけであります。教育予算としてはかなり確保してくれたほうだというふうに思いますが、この予算で小学校から高校生まですべての段階で国際人育成に資することは、果たして可能なのかなあというふうに思っております。
 小学校では英語になれ親しむことを目指し、中学校では積極的な活用を目指そう、そして高校ではスピーキング力の充実、英語スーパースター育成、こういった取り組みもあるようですが、外国人と対話できる英語力を身につけた広く世界で活躍できる人材の育成を行うという、こういう大きな計画がこの予算で図られようとしているわけです。なかなか具体的な数字というのは、目標というんでしょうか、到達地点が出てこないわけなんですが、この予算内で県も、それから小学校・中学校教育をつかさどる市町村も、外国語教育の機会を果たしてふやし、質を保つことができるのかなというふうに思っております。
 国際人を育成する教育に必要な予算を、教育長のお考えとしては十分確保できたと言えますでしょうか。教育の効果は、数年先あるいは10年先以上になるかもしれない大きな課題であります。教育と予算の兼ね合いをどのように考えておりますか。仮に財政面から確保できないという現状があるとしたら、和歌山県から目標に掲げているような国際人を輩出させることはなかなか容易ではないというふうに思います。教育への投資について、教育長の答弁をお願いします。
○議長(新島 雄君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 教育への投資についてでございますけども、今回の国際人育成プロジェクトにつきましては、教材の開発、教員の研修、留学促進等を盛り込んでございまして、こうした取り組みを進めるための予算を一定、確保することができたと考えてございます。
 御指摘のように、これからの和歌山県を支える、あるいは日本を支える人材育成のためにも、本プロジェクトの目的の達成に向けて必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えてございます。
○議長(新島 雄君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 平成23年度まで和歌山市内で実施されている小学校外国語活動支援・サポート事業、これが23年度末、もう今月で一たん区切りをつけよう、終了しようと、こういうふうなことをしております。今週、ちょうど2つの小学校の英語の授業で、この計画は終わりということになってございます。
 実は、先週末で英語の授業を終えた市内のある小学校から、不安に感じながらも1年間英語学習に取り組み、英語に親しんだ生徒から文集というのが届けられております。見えないと思いますが(資料を示す)、こんなかわいい、これ、小学校6年生が、こういった初めて英語教育に5年、6年と触れて、しかも、いい教育をしてくれたということでこういう感想文が届けられてるわけなんですが、この中の一部を紹介させていただきたいと思います。
 「英語をぺらぺらしゃべりたいと思います。だから中学校でも英語を頑張りたいと思います」。「みんなに英語を教えてくれてありがとうございます。来年から英語を見てくれなくなると──要はこの授業というんかな、こういう取り組みがなくなると──英語が楽しくなくなったり、わからない英語があってもわからないままになってしまうかもしれないので、自分は小学校を卒業するけれど、この学校で引き続いて授業をしてほしいです」。「もっと英語をしゃべれるようになって、先生と英語で会話をしてみたいです」。生徒からこんな感想が寄せられています。
 先生に聞いたところ、「ほかの府県で英語を習っている小学校の生徒と比較しても負けることはありません」と、こういう答えが返ってきておりました。そして、「小学校では十分英語に親しんで関心を持ってくれるようになったので、これからも──つまり中学生になっても──この生徒たちは伸びると思いますよ」と、こういう答えが返ってきております。
 それから、小学校5年生、6年生を担任した先生からも、これ、かなりの意見なんですけど、すべての先生から意見、こういった形で文書としていただいております(資料を示す)。この中からも幾つか紹介をさせていただきたいんですが、これ、先生からの感想です。
 「外国語活動が週1回の授業になり、どう対応していいのかわからなかった。しかし、3年間の研修サポートを受けさせていただき、外国語の授業を自信を持ってできるようになりました」。また、ある先生は、「校内サポートをしていただいたおかげで余裕を持って授業をすることができました。3年間の研修のおかげで本校の英語教育の基礎のようなものが構築できたと思います」。また、別の先生、「外国語の事業は──授業じゃなくて事業のほうなんですが──何らかの形でサポートが必要だと思います。初任者でもよい経験となりました。少しでも広げていけたらと思うので、ほかの小学校でも続けてほしいと思います」。それから、もう1つ、「英語の授業の持ち方、楽しみ方などを学びました。この研修がなければ英語の授業なんてとてもじゃないけどできなかったし、子供たちがかわいそうでした。今ではどの生徒も楽しく取り組める英語の授業になりました」。こういった素の感想が寄せられているところであります。
 先生たちも真剣に小学校での外国語活動に取り組んだ結果、このような感想や意見というのが聞かれるわけです。教育委員会が主体として実施している年に数回程度の研修だけでは、生徒が本当に楽しめる、親しめる授業、そして中学校に向けて基礎力が身につくような外国語の授業にすることは、なかなか容易ではなかったのではないかなというふうに思います。
 そこで、最後に教育長にお尋ねしたいと思います。
 平成23年度から本格的に導入された小学校の外国語活動について、現時点でどのように評価していますか。それから、平成24年度の取り組み、先生の外国語授業力の向上や県全体の外国語力向上を図るべきだと思いますが、昨年度までと比較して発展させるべき取り組みはありますか。昨年度というのは平成23年度、本年度ということです。小学校での英語教育の成果及び評価について、教育長にお尋ねしたいと思います。
○議長(新島 雄君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 小学校での外国語活動の成果と評価についてでございますけども、小学校の外国語活動につきましては、本県では平成17年度からすべての小学校で既に実施しておりまして、デジタル教材を活用するなど、外国になれ親しむための工夫が各学校で現在行われております。児童生徒が生き生きと英語を使って活動する姿が見られてきております。
 また、本県独自の取り組みとしましては、日本昔話を英語に訳した読み聞かせ教材を作成し、すべての小学校に配布したところでございます。
 さらに、来年度につきましては、現在進めておりますけれども、和歌山県の民話を日常でよく使われているわかりやすい英語で教材にして配布することといたしております。
 今後も引き続き、教員の指導力や教材開発など、学校現場の求めにこたえられるよう支援に努めてまいります。
○議長(新島 雄君) 以上で、片桐章浩君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 17番山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕(拍手)
○山本茂博君 議長のお許しを得ましたので、和歌山県民、そしてまた岩出市民を代表して一般質問をさせていただきます。
 一問一答方式で通告しております。どうぞよろしくお願いいたします。
 早速、質問に入らせていただきます。
 初めに、観光行政についてであります。
 観光立県を目指す和歌山県にとって、平成16年の高野・熊野の世界遺産登録は、和歌山県民にとって非常に大きな出来事であったと思います。また、県や地元市町村では、これら世界的に認められました文化財を観光政策の大きな柱としてPRしてきましたし、これからもさらにPRをする必要があるかなと思います。結果として、観光客もふえるとともに、地元の住民の皆さんも、先祖の皆さんが営々と守ってきました高野・熊野に改めて誇りを抱くことになるんかなというふうに思います。
 そしてまた、和歌山県には、高野・熊野以外にもたくさんの文化財が残ってます。私たち県民は、いま一度、地元の文化財が有する価値に振り向いてみることが必要ではないかと思います。まず、地域みずからが身近にある歴史、文化を評価する、そしてさらに、この価値を外に向かって発信することが必要なんではないでしょうか。多くの観光客の視線を受けながらその文化財は磨かれ、そして輝きが増すことになると思います。
 また、このような文化財を守り、かつ生かす取り組みには、文化財の保護と理解を促す部門と、外から訪問客を招く部門の息の合った取り組みが必要であろうと思います。さらに、こうした取り組みは、市町村という単位で取り組むのは限界があると思いますし、また効率もよくないと思います。
 紀北には、紀の川という美しい川があります。この豊かな川の恩恵を一身に受けて紀の川流域の文化ははぐくまれてまいりました。この地理的、歴史的な価値の有効活用について、またこれらを生かした観光政策について、商工観光労働部長の御見解をお伺いいたします。
○議長(新島 雄君) ただいまの山本茂博君の質問に対する答弁を求めます。
 商工観光労働部長大門達夫君。
  〔大門達生君、登壇〕
○商工観光労働部長(大門達生君) 紀の川流域の観光振興策についてですが、紀の川流域には、根来寺、紀伊国分寺跡、粉河寺など、国の史跡や重要文化財、名勝に指定されている文化財が数多く所在しています。また、根来寺、粉河寺は当該地域における観光拠点でもあることから、県では、今年度実施した首都圏旅行会社の現地ファムツアーの視察場所とするなど、誘客に向けた取り組みを行ってまいりました。
 さらに、紀北広域観光として、根来寺、粉河寺など紀北6社寺とJR西日本など鉄道3社が共同で和歌山紀北キャンペーンを実施しており、これについても、県で実施したさまざまなプロモーションにおいて、根来寺、丹生都比売神社などの参画も得ながら、旅行会社、メディア、消費者に情報発信を行ってきたところです。
 また、現在、県の観光施策の一環として、旅行需要を支える女性層の取り込みを目的に、パワースポット、山ガール、歴女など、トレンドを重視したプロモーションを行っているところですが、今後、当該地域の文化資産を発信する手法として、女性層など新たなターゲットも含めて、施設や地域団体などと連携したプロモーションを実施してまいります。
 加えて、平成26年の世界遺産登録10周年、平成27年の高野山開創1200年といった紀北地域の観光振興、地域活性化の大きな契機となる祭事が予定されており、高野山から当該地域の文化資産へお客さんを誘導する広域連携やプロモーションに努めてまいります。
○議長(新島 雄君) 山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕
○山本茂博君 ありがとうございます。
 紀北地域の観光についてということで、要望なんですけども、平成27年、京奈和自動車道インターチェンジができます。それで、根来寺まで数分で行けるわけです。そしてまた、関空からももう30分ぐらいで行ける距離というのが根来寺です。そうした中で、根来寺は、御存じのように覚鑁上人が開いた新義真言宗の寺であります。高野山からとってみたら分家と言っていいような寺でございまして、去年、かくばん祭りに知事にもお越しいただいて、盛大に開催することができました。本当にありがとうございました。
 平成27年は高野山開創1200年ということで、紀北地域の観光の本当に一大イベントということで、大きな効果があると思います。
 そしてまた、根来を含めて、紀の川筋には紀の川みち広域観光連絡協議会ということで、4市3町加盟で顧問が和歌山県だということで、また根来街道グリーンツーリズムということで、大阪府と和歌山県、そして岩出市、泉南市で協議会が持たれてます。
 そしてまた、驚いたんが、緑の歴史回廊ということで──私どももいつも緑の歴史回廊ということを言うとったんですけども──事務局がないということで、どないなってるのかなという面も思うんですけども、大阪を含めて紀北筋、線と線をつないで、もう面のものにしていただけたらというのが私の思いであります。
 それとともに、初日に中村議員から熊野古道についての話がございましたけど、中村議員の答弁で、知事は大阪のほうまではまだちょっとというふうな話もあったんですけれども、ちょうど和歌山市と岩出市の境目には雄ノ山峠がございまして、そこに熊野古道があるんです。ぜひ、紀北地域にもそういう文化遺産があるということで注目していただけたらなというふうに思います。
 それとともに、和歌山県は、白浜を含めて温泉地、そして高野・熊野遺産ということで、紀南地域は観光に力を入れるということは本当にもう当然だと思うんですけれども、紀北地域も、蚊帳の外にすることなく、少しは目配り、気配りを願いたいなというふうに思います。要望とします。
 次に、観光面における振興局の役割についてということで、紀の川流域というのは、広域的な政策の実行には各市町村のお互いの連携というんですか、県と市町村との連携、そして民間と行政との連携が不可欠やと考えます。知事は、常々、振興局に対して、みずからのグリップ力を高めながら事に当たれと指示していると聞いておりますが、民間及び行政機関の連携がまさに必要なんではないでしょうか。まさに、県内7カ所に配置されました振興局におけるグリップ力、地域の情報を的確につかみ、また地域の人と交流し、お互いが理解し合う関係づくりが大切だと思います。
 一例として、農産物の生産、加工、流通販売において県は側面支援することが大事な仕事であると思いますし、また一村一品運動につながっているのかなあと思います。また、観光面において、紀の川のめっけもん広場につながっているのかなあと思ったりもいたします。それこそ観光振興のPRが大事な仕事であると思います。ほっとくな根来寺という思いであります。
 振興局における情勢も変化してると思いますが、観光面における振興局の役割について、知事の所見をお伺いいたします。
○議長(新島 雄君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 振興局については、地域の住民と最前線で接し、サービスを提供する機能に加え、管内の市町村の地域振興を図る機能も担っていると思っております。
 私は、御指摘のように振興局重視でございまして、実は、私の就任のときに、行革の流れからすると、もう廃止していこうという流れだったんですが、今から考えますと、180度ひっくり返しまして、人間は減らさないといけませんが、単に窓口とか本庁への取り次ぎにとどまらず、市町村との日々の連絡調整はもちろんのこと、地域の意見や要望の収集、県政策の住民への浸透という役割をしっかり果たしてもらって、それで地域振興を図っていこうと、こういうふうに考えてるところでございます。
 振興局の諸君もよくこたえてくれておりまして、産業面では、御指摘ありましたが、地元の農産物や特産品のブランド力を高めるため、市町村と協力して紀の川うまいもんプロジェクトを実施するなど、特産品等の購買意欲の向上に努めております。
 特に観光振興については、振興局と市町村が連携し、それから地域の特にグループとか、そういう方々とよく協力をして、旅行エージェントへの商品造成の働きかけとかメディアなどに対するプロモーション活動を行う、そういうことを地域ごとに結構一生懸命やってくれております。地域の観光資源の有効活用や観光客の滞在時間の延伸のために市町村のエリアを超えた広域的な観光振興に取り組んでおりまして、今後とも、より一層積極的に取り組みを私も指導してまいりたいと思っております。
○議長(新島 雄君) 山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕
○山本茂博君 次に、緑花センターについてであります。
 根来寺周辺の県の施設として、里山整備を行っていただいております、自然体験教育を行ってくれているげんきの森があります。また、その近辺に緑花センターがあります。根来寺の周辺の観光ということを考えれば、当然、県施設の有効利用が必要ではないかと考えます。
 根来寺の近くには、道の駅さくらの里、そして若もの広場、根来寺、岩出資料館、緑花センター等あります。新たにまたできる一乗閣、この大切な文化財及び施設を、点と点を結んで面的に広げていただきたいなあというふうに思います。それにより、地域活性化、並びに観光地化につながるのかなというふうに思います。
 また、27年には京奈和自動車道が開通されるということで、交通の便がよくなり、観光の活性化が促進されると思います。
 これから春の4月になったら、根来寺、そして緑花センターは桜の名所として、観光客や地域の人々にとって憩いの場所となっております。新聞報道にも開花情報が示されるようになりました。
 先日、絵手紙展ということで開催しているので一回来てよということで緑花センターに行きました。そしたら、展示されてるのが緑花センターの中にありまして、別館展示室ということなんですけども、入るのに250円要りました。そしてまた、その前も、園芸家というんですか、盆栽展示がありまして、そのときも同じくお金が要りました。
 そしてまた、緑花センターではたくさんの催しがされております。その中でも、園芸展や親子体験教室などもされてます。その体験教室をされてる中で、別途入園料が要るということで、本当にどうかなというふうに思うわけであります。
 そしてまた、遊具等も、子供さんの遊具が置かれてまして、家族連れの方もたくさん来られてます。その中で、親子3人で入ったら600円ぐらい要るということで、遊具、それを使って遊ぶだけでもう600円要るんやということで、本当にこれはどうかなということであります。
 和歌山市の四季の郷、そして海南のわんぱく公園などは、本当に無料なんです。そうしたとき、何が違うのかな、緑花センターと機能自身の何が違うんであろうと、それを思うたとき、そんなに変わらへんの違うかなと、こういうふうに思うわけであります。
 親しみがある、そしてだれでもが利用できる、たくさんの人に来てもらえる緑花センターにぜひしていただきたいなあと。そのためには、今、指定管理者が管理運営されてますけれども、いろんな難しい面があると思うんですけども、しかし、入園料が引き下げられることによって本当にたくさんの人が来られるというふうに私は思ってます。そしてまた、その結果、斬新な経営、運営をされることができるんじゃないかなというふうに思います。熱帯植物等、温室管理されている部分というのは、もう別途料金で取られてはいかがかなあというふうに思います。
 その点について、緑花センター無料化に向けて、農林水産部長の答弁を求めます。
○議長(新島 雄君) 農林水産部長増谷行紀君。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 植物公園緑花センターは、花と緑が楽しめる憩いの場としてだけでなく、植物の栽培や展示を通じてそれらの知識の普及を行う植物園の役割も兼ね備えた施設で、現在、年間約13万人の方々に御利用いただいております。
 センター内では、散水を初め、草花の植えかえなどのパノラマ花壇の管理や樹木の育成等、人手を要する作業のほか、温室の温度管理等に多額の経費が必要であります。開園当初は無料としておりましたが、経費節減のため、昭和60年度に有料化し、さらに平成18年度からは指定管理者制度による管理に切りかえました。
 平成23年度は、NPO法人根来山げんきの森倶楽部に6340万円で管理を委託しており、入園料収入の見込み額でございますけれども、1600万円を合わせると、年間約8000万円の経費で運営されていることになります。
 入園料は、近隣府県の類似施設と比べても適正な設定で、植物公園としての質を落とすことなく、県民の信頼と安心を確保した運営を行うために必要なものであり、財政状況が非常に厳しき折、現行の料金体系で御理解を賜りたいと存じます。
○議長(新島 雄君) 山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕
○山本茂博君 難しいという話なんですけども、緑花センターというのは射撃場があったところで、そして緑花センターの、今、管理事務所があって、その南側に小ちゃい山があるんですけども、そこが遊歩道と、そして薬草が植えられてるとこなんです。そこによく子供のときに遊びに行きまして、そして、アセンボというんですけども、ちょっとビシャコによく似た紫から赤い実なんですけど、それをよく食べに行った覚えがあるんです。それ、シャシャンボというらしいんですけども、そういう思い出がある場所なんです。
 そしてまた、子供ながらにあの小高い山、今、緑花センターがあるところ、桜の木で全部満開というんですか、もういっぱいにしてしまって、そこで、あの上のあずまやで寝てたらなという思いを持ったことがあるんです。
 そうした思い出の場所ということで、初めはただで入れたということなんです。それで、いつの間にか駐車料金、そして入園料が要るということで、物すごく入りにくくなったというのが現状です。
 先ほども、13万人ということなんですけども、開園当時は3年間で100万なんですよ。だから1年間で33万人の人が入園されているところだったんです。それがいつの間にか、今、13万人しか入ってないということがやっぱり問題点になってるのかなと僕も思います。
 そういったことで、管理条例の中で県民の憩いの場所ということが──そら、植物の管理運営というのもあると思うんですけども──設置目標の中にも入ってますし、また、官の施設というのは本当に開放するのが僕は筋やと思うんです。こんなんお金を取るというのは本当に間違うてると僕は思うてます。
 そしてまた、今、管理事務所の中で和歌山県の物産も売ってるんです。しかし、今、その物産の売ってるところが移動したと。今まで売ってた紀州ふるさとの家というのがあるんですよ。それがもう今、閉められてるということ。そしてまた、その隣に軽食、喫茶の店があるんですけども、それも土日祝日しかやってないということがあるんです。ということは、それをいかに活用ということを考えたら、やっぱり何とかなるんちゃうかなというふうに思うわけでございます。
 今回質問さしていただいたのは、知事が、判断によって可能だと、物になるかもわからんという話もございますので質問さしていただくわけですけども、光熱費のかかる、要するに温室部分だけ有料にするとか、それとかまた、無料化に向けての実証実験をぜひしていただけないかなというふうに思います。人がたくさん来場できる県の施設であってほしいし、観光拠点になり得ると思います。その点について、再度知事の答弁をお願いいたします。いい答弁をお願いいたします。
○議長(新島 雄君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 現行料金の考え方は農林水産部長の申し上げたとおりでございますけれども、せっかくの山本議員のお申し出でございますので、施設の設置目的とか、あるいは現況、それから利用状況、他の指定管理施設の料金の設定のあり方等々の公平性の問題とか、いろんな視点から総合的に検討してまいりたいと思います。
○議長(新島 雄君) 山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕
○山本茂博君 ありがとうございます。もうすばらしい、私の尊敬する知事でございます。どうぞ、よろしくお願いいたします。もう了といたします。
 次に、一乗閣保存修復事業について。
 一乗閣の修復移転作業がいよいよ平成24年度に取りかかると言われております。今議会に予算計上されております。岩出市長、そしてまた川口県議、そして岩出市民を初め関係者の御努力により、修復保存ができるのかなと思います。また、仁坂知事には御英断をいただき、本当に厚く御礼申し上げる次第です。
 さて、一乗閣の修復保存は文化遺産課で行うと言われております。文化財ということになれば本当にもう縛りがきついんかなということで、規制があるんかなというふうにも思います。
 ちょうど岩出市の境で、紀の川市なんですけども、東国分というところに国分寺があります。修復保存されてまして、今、公園化されてトイレもありますし、資料館もあります。そこへ行かしていただいたら、国分寺、真ん中にぽつっと建ってまして、国分寺の中どないなってんねんやろ──入ることができない。聞いてみたら年1回は入る機会があるということなんですけども、建物修復保存ってこんなもんかなと思ったんです。
 しかし、川口県会議員の質問の中でも、根来寺や岩出市の協力を得ながら修復保存し、そして紀北地方の観光面における拠点として、県議会の歴史を伝える文化財として、和歌山県の県政はこうあったと後世に残したいと答弁されてます。山口教育長は、修復保存の意義を損なわない範囲で観光部局と連携を図りながら、歴史回廊事業のインフォメーション機能などを備えた中核施設として活用したいと、そう言われております。このとおりにしてほしいんです。
 しかし、岩出市に聞いてみたら、県の関係課、文化国際課と文化遺産課が11月に全体的な観光活用を含めて協議をされたということなんです。11月なんです。6月には川口県会議員が質問してると思うんですけども、そこからもう5カ月たってるんで、本当にどうなってるんやろうというふうな思いであります。
 多分、これから文化遺産課と修復のことについて、あと企画課で調整していくということになるんだと思います。しかし、この一乗閣は元県議会議場なんです。ここなんですね。この場所だったと思うんです。それが、県議会事務局に何の相談もというんですか、関与もしてないということで、本当にこれからどうなるんだろうという思いであります。
 そうしたことで、観光面からも観光セクションのかかわりもあって、これからしかるべきやと思います。私は、一乗閣を観光振興の拠点として位置づけてもらいたいし、一乗閣の修復移転におけるこれからのスケジュール等について、またどのような運用をされるのか、知事にお伺いいたします。
○議長(新島 雄君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 旧県会議事堂一乗閣の保存整備事業については、来年度から解体工事を行うなど、平成25年度完成を目途に進めることとしております。また、整備後の管理運営につきましては、費用負担も含め、岩出市が行うことになっております。
 これまで、岩出市長を初めとする岩出市の方々にはさんざん苦労をかけまして、また、募金もしてくださった岩出市民の方々の協力にも大変敬意を持っている次第でございます。そういう気持ちで、このスケジューリングについては私が指導いたしました。
 旧県会議事堂一乗閣が、県議会の軌跡を後世に伝えるとともに和歌山県の観光振興にさらに貢献する施設となるよう、今後も、県議会や地元関係者等と十分協議を行いながら事業を進めてまいりたいと考えております。
○議長(新島 雄君) 山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕
○山本茂博君 知事には、またいろんな面で協力をひとつよろしくお願いいたします。
 次に、京奈和自動車道整備についての問題点についてであります。
 京奈和自動車道は、京都、奈良、和歌山を結ぶ延長120キロメートルの高規格道路であります。先日、伊勢に行く用事がありまして、西名阪道路を通りました。ちょうど大和郡山インターチェンジのところで、南側のとこなんですけども、盛り土がやってあって、ああ、ここが京奈和自動車道の接続される場所かなというふうに思った次第です。ここから私の住む紀北地域までもう開通したら近いのになあと、またこれから大阪回りせなあかんのかなあと思ったら、本当に嫌になってきたというのが現状です。
 大和郡山インターから和歌山市までの間において、奈良県側の大和区間、そして御所区間が平成28年度以降供用予定ということになってるらしいです。また、平成27年にはわかやま国体が開催されます。また、平成27年には高野山開創1200年の祭事が行われます。
 和歌山県に入る道路は、もう御存じのように高速道路は阪和自動車道しかないんです。京奈和自動車道が開通すれば、交通のアクセスの利便性からも、これからの国体が活力あるもんになるんかなあというふうに思います。
 和歌山県側についても、知事を初め国会議員の先生方の御努力で平成27年供用予定だと聞いてます。また、奈良県の国に対する要望ではあります。しかし、奈良県に対して、早く、和歌山県は国体があるんやからということで和歌山県の思いをぜひ伝えていただきたい。その結果として、和歌山県の27年要望が担保できるのではないかなというふうにも考えます。知事の所見をお伺いいたします。
○議長(新島 雄君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 京奈和自動車道については、和歌山県内の全線は平成27年国体開催までに供用していただくよう国に対して働きかけております。27年度までつくるということは明示されておりますが、国体までにぜひ終わってくれということを今、努力目標にしているところでございます。
 一方、奈良県内の大和御所道路については、国の事業計画ではもうちょっとおくれるということに、現在なっております。
 議員御指摘のように、国体開催時からの他府県のアクセスを考えると、京奈和自動車道は西名阪神自動車道まで連続して供用されていることが最も望ましいと考えておりまして、かなり難しいとは聞いておりますけども、事情を説明し、奈良県からもぜひとも国に働きかけてもらうよう、あるいは直接も含めて、これから努力をしてまいりたいと考えております。
○議長(新島 雄君) 山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕
○山本茂博君 ありがとうございました。
 それでは次に、京奈和自動車道打田インターチェンジ供用に伴う周辺道路の影響についてということで、和歌山県にとって残っている箇所、紀北東道路と紀北西道路であります。
 紀北東道路は、高野口インターチェンジから打田インターチェンジまでであります。そしてまた、供用予定は平成25年ということであります。紀北西道路は、打田インターチェンジから和歌山ジャンクションまでの間であります。民主党政権によって、「コンクリートから人へ」ということで、和歌山国体に向けて平成27年に供用できるのかなということは心配していたんですけども、関係者の御努力で平成27年の国体に間に合うよう取り組んでいるということで、喜んでいる次第であります。
 さて、五條インターチェンジから打田インターチェンジまでが25年に開通いたしますと、岩出が27年なんですけども、その2年間、岩出において渋滞するんではないかというふうに考えます。それでなくても岩出は、金曜、土曜、日曜にかけて岩出のバイパスの24号線沿いは渋滞してます。その上に渋滞するということで、どうなるんかなというふうに思うわけであります。
 また、粉河加太線は南海バスがありまして、通ってます。また、右折だまりというんですか、バス等、非常に通ってるために、右折だまりがなかったら困ってるのが状況です。
 そしてまた、岩出の生活道路、特に県道新田広芝岩出停車場線なんですけども、狭隘部分があって本当に通りにくい道となっています。
 という意味で、県道加太線の右折だまりの設置、また生活道路としての県道新田広芝岩出停車場線の拡幅に向けての取り組みについて、県土整備部長にお伺いいたします。
○議長(新島 雄君) 県土整備部長森 勝彦君。
  〔森 勝彦君、登壇〕
○県土整備部長(森 勝彦君) 打田インターチェンジまでの供用に伴う周辺道路への影響については、国土交通省を初め、岩出市や紀の川市、関係機関も入って検討しているところですが、岩出市内においても、交通の流れがやや北側に移ることにより、県道粉河加太線などで交通量の増加が見込まれます。
 このため、県道粉河加太線の岩出市内の主な交差点のうち、県道泉佐野岩出線根来西交差点には右折車線が設置されていますが、残る県道泉佐野岩出線根来交差点、県道新田広芝岩出停車場線北大池交差点、市道野上野清水線根来東交差点については、今後、交通の状況を見ながら必要な対策について検討してまいります。
 また、県道新田広芝岩出停車場線については、県道粉河加太線から県道和歌山打田線間のうち、特に交通の支障となっている箇所から順次整備を進めています。
 現在、岩出市立上岩出小学校前においては、用地取得に向け、準備を進めています。また、国道24号との交差点部分については、用地取得できたところから順次工事に着手しているところです。
 今後とも、予算の確保に努め、早期に完成できるよう整備を推進してまいります。
○議長(新島 雄君) 山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕
○山本茂博君 次に、京奈和自動車道インターチェンジ付近の県道泉佐野岩出線崩壊箇所について、のり面対策についてということでございます。
 岩出インターチェンジ付近の採石場を京奈和自動車道が通行するに当たり、砕石の粉じん等、京奈和自動車道通行に対して問題はないんでしょうかと思うんですけども、また、採石場の西部分で県道泉佐野岩出線沿いの山沿い部分、新風吹トンネル手前700メーターのところで、ちょうど平成19年9月に大雨がありまして、道路に面した山手の部分なんですけども、崩落というんですか、発生しまして、一時通行どめになったことがあります。
 県において応急工事を実施されて、今、仮設の防護さくは丸太でずうっと並べたような状況で、これ、どうなったかなというふうに思うんですけども、それがいまだに危険箇所となっております。
 私有地の採石場ということであったんで、亀裂がその山の部分にまた起こるということで、県としては地質の安定ということで、それを待ってたんかなと推察するんですけども、しかし、もう3年もたってきておりますので、のり面の安定ということも考えるというとこまでいかんと思います。そやから、もう今すぐにでも工事していただけたらなあというふうに思います。
 今後の対応について、県土整備部長にお伺いいたします。
○議長(新島 雄君) 県土整備部長。
  〔森 勝彦君、登壇〕
○県土整備部長(森 勝彦君) 県道泉佐野岩出線ののり面崩壊箇所については、緊急的に崩落の危険性がある土砂の撤去を行った後、仮設防護さくを設置し、当面の安全性を確保するとともに、新たな崩壊に備え、計測機器を設置し、観測を継続しております。
 現在、こののり面の恒久対策を実施するための調査設計を行っておりまして、対策工法を確定させた後、工事に着手する予定でございます。
○議長(新島 雄君) 山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕
○山本茂博君 次に、文化行政における読書、図書館についてということで、県民の読書文化の振興について話をさせていただきます。
 きのう、向井県会議員が和歌山の県民性のランキングについて話をされております。私も、去年、ちょうどテレビ番組を見てましたら、「ケンミンSHOW」という番組がありまして、その中で和歌山県の県民性について話しされてました。その中で、プロ野球の選手が多いとか社長の数が多いというのも挙げられてるんですけども、その中でも特に注目するのが、雑誌、図書の購入費が一番少ないのが和歌山県です。
 総務省の家計調査から、2人以上9000世帯から抽出した結果ということで、一番読まれてるのが埼玉県、そして福島県ということらしいです。そしてまた、ワースト3というのは大阪府と沖縄、そして一番最後は和歌山県です。
 和歌山県民が本を読んでいないということで、考えられることは小学校児童数、そして子供の数が多いんかなということなんですけども、それもおかしいかなと。また、子育て世帯がゆっくり本を読む時間がないということで、子育て世帯が多いんかなと。いや、そうでもないなと思ったりもします。そうした中で、インターネット普及、よくされてるのかなと思ったりもするんですけど、それでもないし、また、和歌山県は文化的にもおくれてるのかなと。
 それを言われると、文化のバロメーターでいったら、例えば下水道の普及率で一番最下位は徳島県であります。その件はランキングで調べたら26番だということで、そうも言えないということで。読書というのは文化のバロメーターであると、私はそう思います。和歌山県は、読書習慣がないというんでしょうか、根づかない県かなというふうに思ったりもします。
 しかし、ちょうど私も去年、アメリカに出張に行ったときに、知事に、ちょっと僕も時差ぼけをやってまして、そのときに時差ぼけの解消は知事、何かありますかと聞いたら、いや、僕は本を読んでるという話を聞きまして、ああ、知事はよく本を読んでられるんやなあと感心したんですけども。
 今、和歌山県の知事、仁坂知事でございます。読書家の知事ということで、この和歌山県の現状についてどのようにお考えになりますか。
○議長(新島 雄君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 読書は、人が成長する過程で言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、想像力を豊かなものにし、生きる力を身につけていく上で欠くことができません。また、郷土の先人の知恵や知識を継承し、新しい文化を創出する上で大きな役割を果たします。
 県立図書館では、蔵書の充実のため予算を措置し、子供が本と豊かな出会いができるよう支援しております。ボランティアの方は、また子供や障害者、高齢者向けの読み聞かせを実施してくださっておりまして、読書への興味、関心を高める活動を行ってくれております。
 ただ、地方へ行きますと本の少ない学校というのもございます。そういう対策のために、現在というか、ちょっと前からですが、県では、家庭にある本、これがスペースの関係でちょっと処理に困るという人もいらっしゃいますので、そういう家庭にある本を送るリサイクル図書ボランティア活動も進めております。
 議員御指摘の懸念があり、読書習慣が根づかない県かなあというお話がありましたが、私は生まれも育ちも和歌山でございまして、実は、どんどん読んでみたくなって、買い込んで積んであるというのが現在の状況でございます。先ほどの統計には、びり脱出のために少しは貢献してるんだけど、力及ばずということだと思います。
 あんまり時間がございませんが、せっせと読むように努めておりまして、知識を入れないとどんどん時代に取り残されていきますし、刺激を与えないと頭も退化してまいりますので、県民が読書に親しむような機会の提供と環境の整備充実、それとお勧めを熱心にやってまいりたいと考えております。
○議長(新島 雄君) 山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕
○山本茂博君 次に、学校における読書活動についてということで、ことし1月に那賀地方交流サロンがございまして、ちょうどそのときに和医大の板倉学長に講演していただきました。那賀地方のリーダーの皆さんばっかりだったんで、戦国武将の脳の違いについてということで話をされました。
 また、その中で私は一番思ったのが、前頭前野ということで、頭の先端部分なんですけども、今、それが発達してるか発達していないかというのが人間とサルとの動物の違いだということなんです。というのは、前頭前野というのは脳の司令塔やと、そういうふうに言われてるわけで、人の気持ちを推察する動きとか、やる気とか物を覚える、そしてまた我慢とか発明とか、音楽、絵画、集中力とかいろんなアイデア力、それが前頭前野が発達したらたけてくるというわけです。それこそ読書で培われるということを言っておられました。
 そこで、教育的観点から、テレビゲームというのが今たくさんされてて、それをしてると前頭前野がもう退化するということらしいんですよ。だから、今、子供を取り巻く環境というのは、もうゲームばっかりしてるというところがあると思います。そうした中での学校における読書活動について、学校図書館の蔵書の数の実態も含めて、現状の取り組みについて、教育長に答弁お願いいたします。
○議長(新島 雄君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) ただいま本県の読書教育についてお話をいただきました。
 現在、学校における読書活動についてお答えしますと、小・中学校の学校図書館の蔵書につきましては、平成22年度の調査では、小学校55%、中学校では38%の学校が国で定めた標準数を超えております。ただ、中学校の38%、やや低い感じがするんですが、本県の数字は全国とほぼ同じ程度となっておりますが、教育委員会としましては、まだまだこれは十分でないというふうに認識をしております。そのために、平成23年度から県立図書館が学校に対して図書のセット貸し出しを行って、蔵書の少ない学校の支援に努めております。
 また、各学校では、児童生徒ができるだけ多くの図書に触れ親しむよう、始業前の一斉読書や、児童生徒がお互いに好きな本を紹介し合う活動、ボランティア活動による読み聞かせ、図書便りの発行など、さまざまな工夫した取り組みをしてございまして、本県の読書好きの県民をたくさんつくりたいというふうに願っているところでございます。
○議長(新島 雄君) 山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕
○山本茂博君 次に、電子図書館対応についてであります。
 現在はテレビ等がありまして、知的水準を高めるのは、やっぱり基本は読書ではないかなと思います。また、新聞屋さんの配達人が話をされてましたけども、やっぱり今、新聞もとってくれる方が少ないということで、活字離れが本当にもう進んでるのかなあというふうに思います。
 また、県下では本屋さんが少ないということで、本を買う利便性がないんかなと思ったりもします。
 また、これから図書館と出会うというんですか、図書館に行く機会がない人も多いんかなと思います。いい本に出会ってほしいなあというふうに思ってます。
 その中で、図書館機能の充実がまさにこれから大事になってくるというふうに思ってます。
 その中で、ちょうど先日、有田川の地域交流センターのアレックというところに行きまして、館長の話を聞かしていただいてびっくりいたしました。というのは、タブーを除いた図書館ということで、本は普通は、飲食というんですか、それはだめだということなんですけども、有田川の図書館は本を読めて、食べ物を食べて、要するに喫茶軽食もあるということで、本のあるカフェということであります。それは何でかと聞いたら、わざと汚す人はないやろうということでやってるらしいです。
 そしてまた、反対にタブーをなくすということで、図書館というのはもう静かなイメージがあるんですけども、反対にそこのアレックは有線を流してるということで、なぜかといったら、お互いおしゃべりをするんだと、それが有線を流したら罪悪感がなくなるという発想の転換だと思うんです。
 そういったことと、また子供に向けた漫画の本も置いておりました。コミュニケーションの場になって、それこそ生涯学習の場であるなというふうに思った次第です。
 また、たくさんのカップルも来ておられましたし、お母さんをターゲットにしているということで、来やすい施設にしているということを言っておられました。
 また、橋本駅にも駅の図書館もあります。これだけ本に親しむ機会というんですか、それが機能充実につながるかなというふうに思います。
 しかし、2011年というのは電子書籍元年だと言われてます。いわゆる紙の書籍から電子書籍へと移っていく年初めであったと言われてます。ちょうどアマゾンという会社が電子書籍をつくられて、私どもに衝撃を与えたと思います。
 その中で、日本での電子書籍の規模を調べてみたら、2009年には570億円やったのが2014年には1300億円規模になるということであります。また、電子端末機は3万台が2015年には150万、それだけふえていくだろうということで、これから政府の取り組みも、デジタル・ネットワーク社会の中で在り方協議会を検討しているということであります。
 公共図書館にとって、これから電子書籍の貸し出しサービス、そしてまた電子書籍を作成し、配信していくということがまさに必要になってくるのかなと思います。県立きのくに志学館、公共の図書館の中核を担っているわけですけれども、県としてこれから電子図書館対応はどうされていくのか、教育長にお聞きいたします。
○議長(新島 雄君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 電子図書館の対応についてお答えをしたいと思います。
 今、議員御指摘のように、今まさに図書館も、時代に即応した新しい図書館の対応が求められているというふうに考えてございます。特に電子図書に関しましては、より利用しやすく、また利用者層を広める図書館サービスの一つであると考えてございます。従来の図書館機能に加えて、利用者のニーズを視野に入れた時代に即応する図書館像の検討を現在始めているところでございます。
 県立図書館といたしましても、先ほど御指摘いただきました県内での先進的な図書館の取り組みの普及を目指し、市町村図書館等を積極的に支援しながら、生涯学習の拠点としての図書館機能を充実してまいる所存でございます。
○議長(新島 雄君) 山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕
○山本茂博君 最後に、電子図書館を含めたICTの活用能力の向上についてということで、幼児教育においては読み聞かせとかが大事だと思いますし、また、市町村によって学校の移動図書館サービスをされているところもあります。また、学校において、今、電子黒板を設置して、インターネット及びパソコン等の情報通信機器を活用して授業をされております。
 また、先ほどの有田川のアレックでは、iPadを使った電子書籍の貸し出しを実証実験しているというふうにも聞いてます。電子書籍に対する対応が本当にもう大事になってきてるのかなあというふうに思います。
 その中で、学校教育の観点から、電子書籍も含めたICTの活用能力の向上について、教育長にお伺いいたします。
○議長(新島 雄君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 学校教育におけるICTの活用能力の向上につきましては、教員の指導力の向上と児童生徒のICT活用能力の育成といった両面での充実が特に必要であるというふうに考えてございます。このため、教員に対しましては、わかりやすい授業を展開するため、電子書籍も含めた効果的なICTの活用について、計画的に現在研修を行ってございます。
 また、児童生徒が情報化社会を生きていくための必須のツールとして、あるいは主体的に情報を収集し、判断し、発信できる能力を身につけるためにもICTは有効であるということから、その活用能力の向上に、今後、努めてまいりたいと思ってございます。
○議長(新島 雄君) 山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕
○山本茂博君 最後に、要望。
 読書をされていないということの中で、今、学力ランキングを調べたら、21年度は総合で42位ですか、22年度は40位でちょっと上がったんですかね。21年度、大阪は今、教育問題がよく言われてます。橋下さんの話もよくわかります。45位です。
 そういったことで、物すごい低いんかなというふうに思うんですけども、日本というのは、少子・高齢化が進んでこれから倦怠期に入ってくるわけで、そしてまた、これから日本にもう何が大事かといったら、やっぱり教育だと思います。そうした教育の一端を担ってるのが、僕は読書だと思うんですよ。
 そうしたことで、これから電子化がやっぱり進んできます。40年先、本当にどうなるんよというたら、もうiPadで、見る電子書籍になるんかな、だからもう国立図書館だけでええんかなというようになるんではないかなというふうに思います。
 今、何をすべきかというのが、やっぱり貴重なそういう資料、そしてまた郷土資料を集めることが県立図書館に課された義務だと思うんです。そういったことで、図書館というのは、やっぱりこれから情報発信して、また情報を収集する場であります。だから、県民にとってこれからまさに図書に親しむ出会いをつくっていただける、これがやっぱり大事だと思います。
 そして、今、県下の図書館というのは、電子化に向けて物すごく対応に、僕、温度差があると思うんです。できてるところとできてない──さっきの有田川はできておるんだけども、ほかの図書館はどうなってんのというたら、そうはいかんと思うんですよ。だから、県はやっぱり指導的立場があると思うんで、ぜひその辺も含めて対応をよろしくお願いいたします。
 どうもありがとうございました。
○議長(新島 雄君) 以上で、山本茂博君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時41分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○副議長(前芝雅嗣君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 42番雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕(拍手)
○雑賀光夫君 議長のお許しを得ましたので、早速、質問に入らせていただきます。
 第1の柱は、日中国交回復40周年に当たって、日中友好の推進の問題です。
 私は、県議会に出させていただいて間もなく、和歌浦観光について申し上げたことがあります。それは、和歌浦という地は多くの歴史的、文化的遺産を持っているということを踏まえたものでした。まず、万葉の地です。さらに、江戸時代にこの地を訪れた松尾芭蕉は、「行く春に和歌の浦にて追いつきたり」という句を残しています。文豪・夏目漱石との関係もお話をしました。
 この和歌浦は、知の巨人とも言われる南方熊楠と中国の国父と言われる孫文が再会し、旧交を温めた地であります。南方熊楠は、ロンドンに渡っていた当時、亡命中の孫文と大英博物館で知り合い、3日を置かず語り合いました。その後、日本に亡命した孫文は、熊楠に会いたいと和歌山にやってきた。芦辺屋という料理旅館で2人は旧交を温めたのでした。
 南方熊楠にとって、孫文というのは特別な存在です。医者でもあった孫文は、熊楠のために亡命先で粘菌を採集して送ってきたこともある。中国革命が成功したら中国に植物園をつくりたいという夢を語り合ったと言います。
 昨年は、孫文が率いた辛亥革命100年の年でした。神戸にある孫文の博物館では、こうした「孫文と南方熊楠」という大変立派なパンフレットもつくってくれています。
 私は、県議会質問で、孫文と熊楠の再会の地を日中友好のシンボルにして、中国からの観光客にも来ていただくようにしたらどうかと提案したのでした。このたび、芦辺屋跡に再会の地であることを示す案内板が設置されます。それにあわせて記念の集いが開かれることになりました。お手元にお配りしているパンフレットは、この集会への案内も兼ねて、日中友好協会和歌山県連として中国在大阪領事館を訪問し、昨年末、着任されたばかりの劉毅仁総領事と懇談したときの記録です。案内板への運動の経過とともに、私たちの日中友好運動のスタンスも明らかにしております。
 私たちの日中友好運動は、第1に、日本の侵略戦争への反省に立って日中不再戦を基本に置いています。第2に、対等平等の友好関係。かつては、中国の文化大革命の時代に毛沢東語録を振りかざして日中友好を進めた団体もあった中で、そういうことは断固拒否してきた団体でございます。
 現在、日本と中国の間には、領土問題など、意見の違いがある。意見の違いを友好の妨げにしてはいけないが、しかし言うべきことは堂々と言う。私は、懇談の最後に、「私たちは、友好の基礎に日本国憲法9条の精神を置きたいと考えている。そうなれば、中国も今のように軍事力を増強する必要はないではないか」ということを申し上げたことをこのパンフレットの最後にも紹介しています。
 この訪問では、総領事からは、掲示板ができる記念の集会には必ず代表が参加すること、日中国交回復40年の年のことしは、中国からも多くの人が関西に来るだろうという見通しも語られました。
 そこで、お伺いいたします。
 第1に、日中国交回復40周年の年、孫文、熊楠の出会いの地を日中友好のシンボルとして大事にしていきたいという私たちの考えについて、知事はどう思われるでしょうか。
 第2に、当初予算の説明でも、中国を含めて多くの観光客を迎え入れることが強調されています。孫文、熊楠の出会いの地でもあり、中国文化とゆかりの深い和歌浦を含めて、和歌山県内に中国を初め外国人観光客を呼び込むことでどういう構想をお持ちでしょうか。商工観光労働部長からお答えいただきたいと思います。
 以上が、最初の質問でございます。
○副議長(前芝雅嗣君) ただいまの雑賀光夫君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 本年は日中国交正常化40周年の記念すべき年に当たりますけれども、その間、両国は経済交流や人的交流を積み重ね、今では、中国が日本にとって最大の貿易相手国になるなど、お互いに不可欠の存在となっております。
 本県ととりわけ山東省とは、友好提携に基づきまして、経済や観光あるいは環境の協力など、幅広い分野で協力関係を築いております。民間レベルでは、唐の僧・為光上人により開かれた紀三井寺に当時の中日友好協会会長・廖承志さんの揮毫による「中日友好千年萬年」と記された記念碑が建立されておりまして、毎年、両国の関係者による顕彰式典が開催されるなど、積極的に交流を進めているところであります。
 加えて、議員御紹介のとおり、郷土和歌山が世界に誇る博物学者・南方熊楠と中国革命の父・孫文が旧交を温めようと再会を果たした場所が和歌浦にあるわけでございます。
 これらを有効に活用いたしまして、和歌山と中国の関係に厚みを増していきたいと思っております。
○副議長(前芝雅嗣君) 商工観光労働部長大門達夫君。
  〔大門達生君、登壇〕
○商工観光労働部長(大門達生君) 中国を初めとする外国人観光客誘致への取り組みについてお答えします。
 海外からの観光客の誘致は、本県の観光振興のための大きな柱の1つであり、県としましては、誘致対象となっている国ごとの嗜好を踏まえた効果的かつ積極的な誘客活動を展開しているところです。
 昨年は、東日本大震災やそれに伴う福島第一原子力発電所事故の影響等により、インバウンドにとって厳しい状況下にありましたが、少しずつ回復の兆しも見えつつあります。
 新年度においては、南紀白浜空港を活用し、中国などアジア地域を対象としたチャーター便のさらなる誘致に取り組むとともに、外国人観光客が快適かつ安全に県内を周遊できるよう、多言語案内板の整備、充実や外国人対応能力向上研修の実施など、受け入れ環境の整備を図ることとしており、中国を初めとする外国人観光客の増加に向けて積極的に取り組んでまいります。
○副議長(前芝雅嗣君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 前向きの御答弁、ありがとうございました。
 次の柱へ行きます。
 第2の柱は、同和行政の終結という問題でございます。
 まず、お手元に子ども会補助金の表があります。地域総合活動について、地域集団活動について、2つの子ども会施策があります。
 地域総合の中で、和歌山市のDという子ども会──わかりやすくしておりますが──この子ども会の年間補助金は500万円であります。ところが、右側の地域集団という子ども会の補助金は年間6万円でございます。
 また、地域総合子ども会でも、和歌山市と他郡市ではかなり大きな開きがあります。有田市の子ども会は50万円です。どうしてこうした開きが生じるのでしょうか。担当部長、お答えください。
○副議長(前芝雅嗣君) 環境生活部長保田栄一君。
  〔保田栄一君、登壇〕
○環境生活部長(保田栄一君) 地域子ども会活動支援事業としまして、地域総合活動と地域集団活動の2種類の補助制度があります。
 地域総合活動とは、年間活動日数が50日以上かつ活動内容が学習活動、体験活動、交流活動、指導者養成の4種のすべての活動を行う子ども会に、年56万円を上限に、県がその2分の1以内を市町村に補助しているものです。
 一方、活動日数が50日に満たずとも、年間12日以上行われ、4つのうち2つ以上の活動を行う子ども会に対して、地域集団活動として年間12万円を上限に同様の補助をすることとしております。
 議員御指摘のD地域には、それぞれ独立した10の子ども会があり、和歌山市が活動内容を評価し、補助しているものです。同市は、1子ども会に対する地域総合活動の上限を50万円としており、各子ども会に対し50万円を交付しています。50万円が10子ども会となれば500万円となります。
 一方、同市の地域集団活動子ども会については、市は上限を県の要綱で定める上限の半分の6万円としておりまして、年間6万円が交付されております。
 また、有田市の子ども会は、同市の定める上限50万円が支給されており、和歌山市と同じであります。
○副議長(前芝雅嗣君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 お答えいただいたように、2つの種類の子ども会では補助金の基礎が違う。その上に、たくさんの子ども会があるということで、申請すれば500万円もの補助金がおりる仕組みになっています。これは、ゆがんだ同和行政を引きずったものじゃないかと前から申し上げてきたんですが、同和行政ではないのですか。お答えいただきたいと思います。
○副議長(前芝雅嗣君) 環境生活部長。
  〔保田栄一君、登壇〕
○環境生活部長(保田栄一君) 交付基準を満たせば県内のどの地域の子ども会活動にも予算の範囲内で補助するもので、対象が旧同和地区内にあるかどうかは問うておりません。
○副議長(前芝雅嗣君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 これは、旧同和地区であるかどうかには関係ない、同和行政ではないというお答えでありました。
 ところが、どう見ても法外の補助金が特に和歌山市の特定の子ども会に出されている、このことが平成21年、和歌山市の外部監査で取り上げられました。外部監査人は、県からの補助金と市からの補助金を合わせると全額補助されることになっている。これでは、経費削減のための自助努力のインセンティブが働かないという趣旨の指摘をいたしました。和歌山市は、それに対して、「同和問題の解決は行政の責務であるとの考えにより、市長が特に必要と認めるものであり、補助率については100分の100の交付金になっております。また、各子ども会の自主財源もほとんどありません」と説明している。そのことを御存じでしょうか。
 県では同和行政でなく一般行政だと言っている。ところが、和歌山市は同和行政ですと説明をしている。これを、補助金を出している立場からどうお考えでしょうか。環境生活部長、お願いします。
○副議長(前芝雅嗣君) 環境生活部長。
  〔保田栄一君、登壇〕
○環境生活部長(保田栄一君) 和歌山市の外部監査に対する説明は承知しております。
 県は、基準を満たせば予算の範囲内で市町村に交付するもので、どの団体に補助するかにつきましては市町村が判断しているものです。
○副議長(前芝雅嗣君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 市が判断して要綱に沿って補助金を出していると言うけれども、県のほうは一般行政として補助金を出している。ところが、市のほうは同和行政だと言っている。これはおかしいのではないかということを指摘して、次に行きたいと思います。
 ここで申し上げる同和行政というのは、同対審答申と同和対策事業特別措置法に基づく行政施策を指しています。旧身分の線引きというものは、国民の中にはあってはならないものです。しかし、かつては、同和地区内外の生活、教育などの格差は余りにも大きかった。そこで、地域の線引きをしてでも特別な行政施策をあえてしました。そのことについての国民的合意が同対審答申であり、その法制化が特別措置法でした。多くの予算がつぎ込まれましたが、そのことは大きな意義があったと思います。
 しかし、その結果、あるところまで格差が小さくなると、線引き行政することは弊害が大きくなる段階に来ました。同和施策を利権にしようとする団体があらわれたことが、その弊害をさらに大きくしました。そこで、特別行政としての同和行政は廃止されたのです。
 そのことを無視して今なお同和行政を続けるという和歌山市の考え方も問題ですが、県の施策が和歌山市のやり方を許すような制度的枠組みをつくっていることも大きな問題です。
 和歌山市の外部監査でも、補助対象要件を満たす子ども会を多くつくるために作為的に子ども会を設けることを可能にしており、制度の趣旨から考えて妥当とは言えないと指摘しています。また、領収書等を確認したところ、A地区全体で取りまとめて提出されていた。実績報告も一字一句同一になっていることも、個々の子ども会には活動の実態がないことを裏づけるものであるとしております。
 そこで質問ですが、和歌山市は外部監査に対して県と協議すると答えていますが、和歌山市からの協議はあったのでしょうか。また、このシステムを改めるつもりはありませんか。環境生活部長、お答えください。
○副議長(前芝雅嗣君) 環境生活部長。
  〔保田栄一君、登壇〕
○環境生活部長(保田栄一君) 和歌山市から外部監査を受けての協議の申し入れは現在までありませんので、どのような内容かも私どもは把握をしておりません。
 なお、県としましては、組織的、継続的な子供たちの集団活動を通じて子供の健やかな育成を推進している市町村に対して、引き続き、この補助金を通じて支援をしていきたいと考えております。
○副議長(前芝雅嗣君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 和歌山市から協議の申し入れがなかったということはわかりました。ただ、このシステムはまだ続けるというお考えなので、再度伺いたいと思います。
 和歌山市の監査人の指摘は、実績報告は逆に実態のないことを裏づける虚偽の報告であることを指摘しています。補助金を出した県として、それでも書類さえ整えばこれからも補助金を出し続けるんでしょうか。
 また、事実上、1つの子ども会に年間500万円もの補助金が出されている。一方、親子クラブなど他の子ども会には、6万円であったり12万円であったり15万円であったりの補助金しか出されていないという実態がある。部長は、こんな状態を不自然とは思わないのでしょうか。この点について再質問いたします。
○副議長(前芝雅嗣君) 環境生活部長。
  〔保田栄一君、登壇〕
○環境生活部長(保田栄一君) まず、補助金は出し続けるのかという御質問ですけれども、和歌山市に対してもヒアリングや検査を行い、適正に執行するよう指導をしているところです。今後も、申請が出されたときには、要綱に基づき適切に処理してまいります。
 それと、次ですけれども、御指摘の補助金はそれぞれの要綱、要領に基づき市町村に補助するものですが、対象とする団体の設立の趣旨や活動内容に応じ、別の制度となっております。どの制度を活用するかにつきましては、市町村において十分検討されているものと考えております。
○副議長(前芝雅嗣君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 納得できるものではありませんが、このことは申し上げておきたいと思います。
 特定の子ども会に500万円という法外な補助金が出されている。そうすると、その子ども会に所属する子供たちはそれで幸せになるんだろうか。私は、決してそうは思いません。運動会をすれば山ほどの賞品やお土産をもらって帰ってくるという話も出されたことがあります。あり余る補助金に任せてぜいたくな子どもの運営をして、子供たちにとっても決して幸せになるわけじゃないということを申し上げまして、今までのやりとりを踏まえて、知事はどういうふうに感想をお持ちでしょうか。お聞かせください。
○副議長(前芝雅嗣君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) やりとりを踏まえての感想なんですが、その前に、資料を拝見いたしますと、何か500万円というところに丸がばあっと書いてありまして、それで目立つんですけども。字も大きいしですね。ところが、ほかのところも400万円とかいろいろあるようでして、何でここだけ丸したりするんかなあというのが私はあんまりよくわからんで、少なくともそんなに問題にすることかという感じがします。議論のところだけですよ。
 子ども会活動は、保護者や指導者のもと、地域の子供の健全育成を目的として、異なる年代の子供たちが集まり活動するもので、地域の連帯意識を育て、校外におけるさまざまな遊びや学習を通した子供たちの健やかな成長を目的とする有意義な活動であると認識しております。
 県としては、先ほど環境生活部長が答えた、ルールに従い、適正に対処しておりますし、また、そうしなければいけないというふうに考えております。
○副議長(前芝雅嗣君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 このやりとりは議事録になりますから、私はそれをパンフレットにして皆さんに見ていただこうと思っています。皆さん、恐らく県当局の説明に納得なさることはないと思います。
 仁坂知事は、どちらかというと私より右寄りと思いますので、私とは意見の違うところもあるんですけども、しかし、事この問題に関しては、恐らく十分に受けとめてもらえる理性的、合理的な判断ができる方だと私は思っています。2期目にもなりますから、せめて2期目の間にはぜひとも──今、不合理ないというふうにおっしゃったんですけれども、県民から見ても納得できるようなこの問題のけりをつけていただきたいということを要望しまして、期待もしまして、次へ行きたいと思います。
 次に、同和教育基本方針について教育長にお尋ねいたします。時間の関係で、2つの項目をあわせて答弁願います。
 1つは、県同和教育基本方針というものは昭和48年に制定されたもので、さきに申し上げた同対審答申と特別措置法の趣旨にのっとることがその前文で明記されているものです。その時代には大きな意味のあるものでした。
 しかし、時代は進み、同和問題をめぐる状況は変わりました。こうした状況の中で、県同和教育基本方針は廃止するのが適当であると思いますが、いかがでしょうか。
 続けてお伺いいたします。
 教育委員会は人権教育基本方針というものを持っています。その前文で、同和教育が果たした役割について高らかにうたい上げています。同和問題に残された課題も含めて、人権教育方針は十分対応できるものになっていると思うのですが、人権教育基本方針では対応できない人権課題があるのでしょうか。教育長にお伺いします。
○副議長(前芝雅嗣君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 同和教育基本方針にかかわって2点、あわせてお答えしたいと思います。
 これまで、多くの県民の方々の努力によりまして、同和問題は解決に向けて大きな成果を上げてまいりました。しかしながら、依然として差別事件等の発生や、地域や学校によっては児童生徒の学力や生活面などに課題が残されている状況がございます。教育委員会といたしましては、教育の果たす役割を重く受けとめ、和歌山県同和教育基本方針の理念に基づき、同和問題の解決に向け、必要な取り組みを推進していくことを基本認識といたしております。
 なお、教育委員会では、現在、幅広い観点から総合的に人権教育を推進するため、その指針となる和歌山県人権教育基本方針の具現化に向けたさまざまな取り組みを行っているところでございます。
 和歌山県同和教育基本方針につきましては、先ほど申し上げましたように、依然として残されている同和問題の解決に向けた取り組みを進める上で重要な理念を示したものであるととらえておりまして、今後とも、その理念に基づいた取り組みを進めていく必要があると考えております。
○議長(新島 雄君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 意見の違いもありますが、少なくとも私の質問の1つにはお答えになっていらっしゃらない。それは、人権教育基本方針では対応できない人権教育の課題はあるのかないのかということをお聞きいたしました。それについてはお答えいただいていませんから、もう一度お答えください。
○議長(新島 雄君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 再度お答えいたします。
 先ほど申し上げましたけども、現在、依然として同和問題の解決に向けたさまざまな課題が残っていると、そういう状況でございますので、和歌山県の同和教育基本方針の理念に基づいた取り組みを進めていく必要があるんだというふうに考えてございます。
○副議長(前芝雅嗣君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 私も、改めて同和教育基本方針と人権教育基本方針を読み返してみました。人権教育基本方針というものは、同和教育基本方針の伝統、成果というものを高らかにうたわれている。その精神を受け継いでいる。同時に、さまざまな課題の中に同和ということも挙げて書いている。ですから、人権教育基本方針で対応できない課題があるのかどうかという質問についてはまだお答えになっていないと思いますが、いかがでしょうか。
○副議長(前芝雅嗣君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 先ほど来申し上げておりますように、今なお同和問題を含む差別事象が発生している状況をきちんと我々としては受けとめてございます。そうした観点で、人権教育基本方針を含めて、現在、同和教育基本方針の理念そのものを大事にしながら同和問題の解決を進めていきたいというのが私どもの基本的な考え方でございます。
○副議長(前芝雅嗣君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 同和問題に残された課題についてもいろいろな議論がありますが、これは、もうここではこれ以上論じません。
 ただ、同和教育基本方針というのは、同対審答申と特別措置法の趣旨にのっとって書かれたものです。ですから、その基本方針の中には教育上の特別の配慮という項があります。それは、廃止された特別措置法の考え方です。
 私は、県議会で、高校入試に当たって、旧同和地区関係生徒に地区子ども会などという同和地区出身であることを示す特別内申が行われたことの重大な問題を指摘したことがあります。それは、同対審答申のことでもそれについてはいろんな意見があると思いますが、少なくとも、そういう過去の同和特別行政を引きずっているからこうした問題も起こっているのではないかというふうにも考えます。そういうことで、しつこく人権教育基本方針で十分だから同和教育基本方針のほうは廃止してもいいのではということを申し上げてるんだということを申し上げておきたいと思います。
 それでは、次へ行きます。
 第3に、「和歌山の部落史」についてお伺いいたします。
 「和歌山の部落史」が企画されたとき、新しい企画であり、10年もの長い間予算を投入する企画でありながら、予算説明がされていない不明朗さを指摘しました。また、部落史ということを切り取った歴史研究は必要なのか、税金を投入することが適当なのかについて疑問を表明しました。
 補正予算では減額補正もありましたが、「和歌山の部落史」の事業はどう進んでいるのか、当初の計画に比べてどうなっているのか、期間内ででき上がるのか、企画部長から御答弁をいただきたいと思います。
○副議長(前芝雅嗣君) 企画部長柏原康文君。
  〔柏原康文君、登壇〕
○企画部長(柏原康文君) 「和歌山の部落史」につきましては、総事業費2億1250万円で、平成26年度までに史料編4巻、本文編3巻の発刊が予定されていました。しかし、高野山文書など部落史にかかわる資料が多数収集されましたことから、史料編6巻、本文編1巻に計画変更されました。そのうち、これまで史料編が2巻発刊されており、残りの史料編4巻、本文編1巻につきましては、当初計画どおり平成26年度までに発刊される見込みとなっております。
 また、事業費につきましては、支出経費の圧縮が図られ、当初の予定より縮減されてきております。
 今後とも、社団法人和歌山人権研究所に対し、発刊が計画どおり進められるよう適切な進行管理を行ってまいります。
○副議長(前芝雅嗣君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 ここに、でき上がった新しい本をお借りしてまいりました。(資料を示す)1冊1万8000円プラス消費税の本で、大体補助金の額で計算すると、この1冊あたり6万円程度の補助がつくことになるみたいな感じです。400冊だけつくるということで、専門家だけがお読みになるような本だろうと思います。
 研究者の皆さんの中には、やっぱりこれまで秘蔵されていた高野山文書が公表されるので、研究者の立場からいうとそれが見られるのはうれしいとおっしゃる方もいらっしゃる。通史3冊が1冊になって、あとは史料編がふやされるということですけども、いっそ史料編だけにしてもいいというふうに思います。
 しかし、それにしても、これだけの補助金が必要だったんかどうか、やはり今も疑問であります。さらに予算は圧縮していただきたいと思います。
 そして、高野山なども持っている資料がこの機会に公開された分もあって、研究者は喜ばれてるんですけども、こういうことがなくても、もっともっと史料を研究者に公開していただいて、研究者の方が研究できるようになればいいなと思います。これは感想として申し上げておきたいと思います。
 それでは、続いて、風力発電低周波被害と自然エネルギーの開発についてお伺いいたします。
 私たち共産党は、原発からの撤退を進める立場から自然エネルギーの思い切った開発が必要だと考えています。その中には、太陽光、小水力、風力、バイオマス、地熱、潮力などがあります。
 風力発電もその重要な1つですが、全国で低周波被害が報告されています。私も、県議会で、海南市下津町での被害の訴えを紹介しました。あの質問をきっかけに、全国的なネットワークから情報が寄せられるようになりました。その中で、由良町に低周波被害で苦しんでる方がおられるという情報が入って、お会いしてまいりました。低周波被害というのは個人差がありますから、周りの方の理解が得られず、被害者は聞いてもらえそうなところにどこでも相談して訴える。それで全国ネットに伝わって、そこから私に情報が寄せられたわけです。
 由良の地域でも何人も被害を訴える方がいらっしゃると言いますし、また他の地域でも、どこに相談したらいいのかわからないで苦しんでいる被害者もおられるかもしれないと、そういうことでこの問題を取り上げるわけです。
 そこで、実はきのう、自分のところに来ているメールを見ていましたら、そのネットワークからメールが届きました。「和歌山県議会ライブ中継」という表題のメールです。
「ライブ中継は現在試聴しています。時々和歌山弁が聞けて、ローカル色豊かなライブです。開かれた和歌山を楽しんでいます──県議会のライブを全国で見ていらっしゃるというんですね──あすの一般質問を全国から注視していると思います。午後1時からと連絡しています。よい一般質問になりますよう心から願っています。頑張ってください」。全国から注視されていると思うと緊張いたしますが、予定原稿に戻って質問を続けます。
 そういう中で、将来的に風力発電を進める上でも、この問題に行政としても正面から向き合う必要があると思います。今申し上げたことをしっかりと押さえていただきたい。
 そこで、お伺いいたします。
 まず、出発点は、風力発電風車周辺で健康被害の訴えがあるかどうか、それをつかむ問題です。これは保健所の仕事です。私のところに由良町の方から健康被害の訴えがあるのですが、県行政としてそういう訴えを把握しておられるでしょうか。福祉保健部長にお伺いいたします。
○副議長(前芝雅嗣君) 福祉保健部長鈴木敏彦君。
  〔鈴木敏彦君、登壇〕
○福祉保健部長(鈴木敏彦君) 御坊保健所では、由良町畑地区在住の方から夜中眠れない、耳が痛くなるなどの相談があったことを受けて、現況の把握に努めています。
 今後とも、地域の方からの健康相談については、保健所が実施するクリニックやこころの健康相談等で対応していきたいと考えていますが、現在のところ、健康被害と風力発電の因果関係が明らかになっていないため、国等でしっかりと調査を行うことが重要であると考えています。
○副議長(前芝雅嗣君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 福祉保健部長からは被害の訴えの一端が紹介されました。
 今、全国で、風力発電の周辺で被害の訴えが多発していることを御存じでしょう。環境生活部長はどういうふうにこの状況を把握しておられるでしょうか。
○副議長(前芝雅嗣君) 環境生活部長。
  〔保田栄一君、登壇〕
○環境生活部長(保田栄一君) 平成22年に国が行いました苦情等の発生状況調査によりますと、全国389カ所の風力発電所のうち、騒音、低周波音の苦情が寄せられたか要望書が提出されたことがあるものは64カ所と把握しております。
 風力発電施設からの低周波音の影響につきましては、客観的かつ適切な評価及び対策ができますよう、環境基準の早期設定に向け、政府提案を現在行っているところです。
○副議長(前芝雅嗣君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 苦情や要望が出された箇所数を答えていただいたんですが、これでもいろいろ悩んでいても苦情を言うこともできない、あるいは、要望書が出るということは地域で1つのまとまりになってるから相当なことです。しかも、その1カ所1カ所で血の出るような被害者の叫びがあるということを受け取っていただきたいと思います。
 それから、下津でも低周波の測定をやっていただいてるわけですが、環境省が規制基準を持っていない、あるいは参照値という数値を下回っているため、企業に対する規制や指導ができないという説明が返ってきます。そこで、環境基準の早期設定を政府に提案しておられる、それはそれで結構なことだと思います。
 しかし、このたびの由良での被害の訴えで心配していただいている成蹊大学理工学部の岡田健という先生を初めて知りまして、電話でしか話をしていないんですが、その方からファクスでレポートが送られてきました。その1つの冒頭に、次のように書かれておりました。
 「風車周辺の住民に発生する生理的障害は、風車が停止するとその疾患も消失することから、風車の稼働が原因であることは疑う余地もない」。当たり前のことですが、私は、これで目からうろこが落ちる思いがいたしました。つまり、低周波の測定というものは、環境問題の研究としては大切ですが、被害者にとっては低周波であろうと高周波であろうと関係がない。風車が動いているとき症状があり、風車がなければ症状がないということで、因果関係は明らかです。ところが、低周波との因果関係が明確にならないと行政は対応できないということになっているところに落とし穴があることに気づきました。そのことをここでとりあえず指摘して、次に参ります。
 そこで、商工観光労働部長への質問になるんですが、県内で56基の風力発電が稼働しており、さらに89基の計画があるとお聞きしています。発電能力では3倍近くになる。その中に、海南市と有田市の間で風力発電を計画している安藤建設という会社があります。この会社は、風車を建設して気分が悪くなる方がいらっしゃれば、医学的根拠は別として、業者の責任で考えるべきというふうに文書に書いて住民に説明をしています。
 ところが、私が取り上げた下津町の健康被害では、被害者の方は住居を移しています。そこでは症状は出ません。そこから車でミカン畑に通うという大変な経済的負担を強いられていますが、風力発電会社は被害者の負担にさえも対応しようとはしていません。
 現に風車が動いているところでも、風力発電の稼働が原因である健康被害には、医学的根拠は別として、誠実に対応するという態度を風力発電会社に求めたいと思うのですが、商工観光労働部長、どうお考えでしょうか。
○副議長(前芝雅嗣君) 商工観光労働部長。
  〔大門達生君、登壇〕
○商工観光労働部長(大門達生君) 議員お話しの海南市と有田市の間で風力発電事業を行っている企業は、県とともに測定を継続して行い、その都度、関係者に説明するなどの対応を行っていることを承知しておりますが、一般的には、風力発電と健康被害との因果関係が明らかにならない段階で企業が対応するのは難しいのではないかと考えます。
 いずれにしましても、それぞれの企業が自社のコンプライアンスにのっとって誠実に対応されていくものと考えておりますが、県としましては、今後とも企業の対応を十分に注視してまいります。
○副議長(前芝雅嗣君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 因果関係が明らかにならないとおっしゃいますが、低周波との因果関係は環境省が基準をつくっていないために規制できない。しかし、風力発電が設置されて健康被害が起こった、風車から離れれば症状はなくなるという意味では、因果関係は明らかです。住民に対する責任を持つという立場をはっきりさせれば、会社は株主への説明責任をつけられるはずです。わざわざ問題を難しくしてコンプライアンスに逃げ込んでいるとしか思えてなりません。
 後ほど知事にまたしっかりとした対応の構えをお願いしますので、この件はこうして、次へ参りたいと思います。
 そこで、少し趣旨が変わるんですが、さまざまな自然エネルギーを追求していかなくてはなりません。その中で、「紀州木の国」と言われる和歌山でバイオマスについての先進的な取り組みがあります。
 先日、共産党議員団で、森林組合でも力を入れている木質パウダーの取り組みを見せていただきました。木質パウダーの工場は御坊市にあります。
 全国的に木質ペレットストーブというのはよくあるのですが、木質パウダーのほうは、石油やガスと同じように瞬時に火をつけたり消したりすることができるという利点があります。また、蚊取り線香の材料にも使われる。蚊取り線香会社は、それを加工してさまざまな用途に販売している。幾らでも持ってきてくれれば引き取るというふうに言われているそうです。
 こうした取り組みに県として一層の支援をお願いしたいと思うのですが、商工観光労働部長、いかがでしょうか。
○副議長(前芝雅嗣君) 商工観光労働部長。
  〔大門達生君、登壇〕
○商工観光労働部長(大門達生君) 木質バイオマス普及への支援についてですが、平成21年度に県森林組合連合会御坊事業所に設置した木質パウダー製造施設に対して、事業費6383万4000円のうち、県では1461万4000円を補助しております。これは、議員のお話のとおり、木質パウダーという先進的な取り組みに対して、県内の木質バイオマス利用推進の呼び水となるよう支援したものです。
 再生可能エネルギーが普及するためには、事業として成立するよう、さまざまな面で支援していくことが大事だと考えておりますので、今後とも、国に対する働きかけはもとより、日高川町、県森林組合連合会及び地元森林組合と一緒になって原料の搬出コストの削減や木質パウダーの新たな用途を探るなど、ともに汗をかき、知恵を出しながら事業を支援してまいります。
○副議長(前芝雅嗣君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 こうした取り組みは、ぜひとも積極的に進めていただきたいと思います。
 木質パウダーの取り組みなどのように、その取り組みを進めれば森林の間伐材の利用にもなるし、地域の活性化になるし、いろいろとうまくいく場合もあるんですけども、同時に、一方では、風力発電のように、期待されるエネルギー源ではあるけれども今のところさまざまな健康被害の訴えもあるという非常に難しい問題もある。これからの自然エネルギーの開発へと向かわなくてはならないときに、こういうことを総合的に進めなくてはならない。
 だから、今、私はこの質問の初めに、行政としてこの問題に正面から取り組まないと、つまり健康被害の問題などに正面から取り組まないと自然エネルギーの開発もできないという、このことを申し上げたわけで、やはりここでは知事のイニシアチブが求められるというふうに思っています。
 私は、9月の県議会で、「自然エネルギーの開発が急がれるときに県の施策はばらばらじゃないか」と申し上げて、知事は、「いや、そんなことないと、商工観光労働部で一括してやっている」と、こういうふうにお答えになりました。一応窓口はそうなってるんでしょうけども、私は、さらに突っ込んだ総合的な体制が必要ではないかと感じています。
 私たちは、繰り返し申し上げますように、原発は再稼働はさせないという立場です。現に再稼働が困難な状況が生まれています。自然エネルギー全量買取制度が7月開始の中で、自然エネルギー事業が広がりつつあると思います。そういう中で、県の総合的な開発、普及の取り組みはどうなってるんでしょうか。
 同時に、自然エネルギーの開発、和歌山県でのその可能性を追求する、そのために被害の訴えにも対応する、そういう部課を横断したようなプロジェクトというか、そういうものを立ち上げる必要があるんではないかというふうに思うわけです。
 和歌山県庁の職員は、私は大変優秀だと思っています。体制をとってそのふさわしい場所に任務をつければ、そういう困難な課題も研究をして切り開いていってくれる。もちろん、知事がその先頭に立っていただくわけですけども、しかし、そこで職員にしっかりと仕事をしてもらう、そういう体制をつくることが要るんではないかと私は思ってるんですが、知事、その点ではどういうお考えでしょうか。
○副議長(前芝雅嗣君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 本県は、全国有数の日射量を誇り、未利用地も都会に比べ多く、森林資源も豊富など、自然エネルギーの開発には適していると思います。
 この問題は大変大事でございますので、明確なミッションを与えて産業技術政策課に主管をさせております。もちろん、さまざまな問題が生じまして産業技術政策課だけで権限的に取り扱えないこともございますので、それは皆集まって、それぞれ役割分担をしながらやっとるわけでございます。
 9月議会でも申し上げましたように、自然エネルギーについては既に商工観光労働部産業技術政策課が一元的な窓口になっており、これをつくっていなかったことが若干問題ではありましたが、最近ではきちんとつくっておりまして、御指摘の点も踏まえて、さまざまな事象に対して関係部局を横断した形で対応を行っているところでありまして、私もしっかり見張って、全庁的連携を欠くことがないようにしたいと考えております。
○副議長(前芝雅嗣君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 自然エネルギー開発もそうですが、同時に、そこから起こってくるさまざまな、そういう風力発電に伴う健康被害の問題への取り組みは新しい挑戦であります。ですから、それだけにまだまだこれから進めなくてはならないと思います。
 私がいろいろ調べていておもしろいなと思ったのは静岡県なんですが、静岡県は、浜岡原発がとりあえずストップになった。そして、伊豆半島は非常に風力発電に適しているようで、風力発電ができていくんですが、そこで低周波被害、風力発電被害が問題になります。そこで、風力発電を初めとする自然エネルギーについての有識者会議を開いています。1年にも足りない期間で十分な結論が出るわけではないんですが、それなりに国民的論議の材料を提供しています。そこでの有識者それぞれの発言をずうっと読んでみたんですが、風力発電への可能性とともに、風力発電による健康被害の訴えがあるということも共通して直視していると。
 これは1つのやり方ですけども、そういう新しい課題に挑戦する、それなりにふさわしい、特に原発がもうすべてとまってしまうかもしれない──私はそれを望むんですけども──自然エネルギーに転換しなくてはならないという大変なときです。そして、和歌山県はそれに対して大きな挑戦をするわけです。
 そこで、将来的に風力発電を進める上でも、この問題に行政として正面から向き合う必要があると最初申し上げたことを改めて申し上げて、同時に、被害を訴えている声に、知事を先頭にして行政として全体でこたえていただけるようにお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
○副議長(前芝雅嗣君) 以上で、雑賀光夫君の質問が終了いたしました
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後1時58分散会

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