平成21年12月 和歌山県議会定例会会議録 第6号(泉 正徳議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前10時0分開議
○副議長(坂本 登君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第155号及び議案第164号から議案第180号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 1番泉 正徳君。
  〔泉 正徳君、登壇〕(拍手)
○泉 正徳君 おはようございます。
 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い一般質問をさせていただきます。
 先日は、知事の県行政報告会に参加をしまして、1時間余り知事の今までの歩みとこれからの思いを聞かせていただきました。シナリオの決まったタウンミーティングではなくて、教育や林業の質問もあり、有意義な時間だったと思います。知事は、自身が進行も務め、言葉遣いの端々にも気を使いながらの報告会だと思いますが、次回はできれば自分の思いをもっと前に出して、重点施策などのポイントを絞って話をされていただくと、もっといいのではないかと感じました。もし少しでも参考になれば幸いです。
 報告会でも参考資料を用意して何点か具体的に説明もされていましたし、新行財政改革プランについても一部は報告会で伺いました。そこで、行財政改革について、このプランの推進担当である総務部長にお伺いをします。
 和歌山県の将来を見据えた新長期総合計画を策定するための参考資料として、平成19年9月には県の今後10年間の長期財政収支見通しについて試算が行われました。この試算では、単年度収支不足は平成19年度末の151億円から平成24年度末には318億円となり、財政調整基金と減債基金は平成19年度の191億円の基金残高が平成24年度末には892億円の赤字になるという結果が出ていました。
 そこで、単年度収支が慢性的に不足する状況を改め、長期総合計画における各施策実行のための新行財政改革推進プランを策定し、持続可能な財政構造への転換が必要だと、平成24年度までの5年間の目標を定めて現在このプラン推進に取り組まれています。人件費の削減、事務事業の見直し、投資的経費の抑制、公債費負担の軽減で歳出削減を図り、県税収入の確保、県債の活用、未利用県有財産の処分、その他の使用料や手数料の見直しで歳入の確保に努めることにより、1377億円の改善効果を見込み、平成24年度末には単年度収支不足をなくするというものです。
 また、県財政への影響が懸念される特別会計や県が債務保証、損失補償をしている外郭団体への対策にも言及しています。
 この新行財政改革推進プランでは、単年度収支の赤字が解消され、平成24年度末に財調・減債基金残高が22億円という結果です。この試算には、平成20年1月に更新された「日本経済の進路と戦略-参考試算」の経済指標を用いて計算されていますが、内閣府の試算でもリスク推計、成長推計など4つのシナリオが想定されており、県のシナリオもこれらを参考に策定されているものと思います。
 しかし、内閣府では平成20年1月に出したこれらの試算結果を同年7月にはもう下方修正しています。その後も日本経済情勢に回復基調は見られず、国や地方自治体の財政は逼迫しています。先日の新聞でも、大阪府など8道府県が特定目的基金から一般会計に複数年にわたる借り入れを行っており、中でも5道府県は返済計画もなく、返済が事実上困難な状態であるという報道がなされていました。どの自治体も厳しい財政状況にあるということのあらわれです。地方自治体にとっては、臨時財政対策債なども後年度負担が強いられるものであり、また、政府は多額の税収不足で来年度予算編成にも苦慮している状況です。地方交付税や補助金など、国の財政支出に依存する割合の多い和歌山県の財政にも、国の税制や予算の動向は大きな影響を与えるものと推測します。
 今回の新行財政改革推進プランでは、末尾にこう書かれています。「本プランで想定していない状況、例えば、何らかの制度改革により地方財政が一層困難に陥るようなことが生じたり、社会保障制度の改変によって地方負担が急激に増加する等、社会状況の著しい変化が発生した場合には、本プランについても臨機応変な見直しが必要となる。」と記されています。
 財政が今まで以上に厳しくなることが予想される現状で、県民サービスの低下を防ぎ、長期総合計画にある各施策を進めていくためには、来年度は3年目を迎えようとしている新行財政改革推進プラン推進に向けての取り組みは現状のままでよいのか、総務部長の所見をお聞かせください。
 次に、職員の適正配置について伺います。
 先日の前芝議員からも人事配置についての質問があり、知事は職員の専門性、技術や職務の継承の大切さと資質の向上を目指すと答えられ、適材適所で対応すると答えられていましたので、私からは少し視点を変えてお伺いします。
 今回の推進プランの中でも人件費総額の削減は、歳出削減の大きな柱であります。国では行政改革推進法が施行され、平成18年6月、国の行政機関の定数純減について閣議決定し、18年度から22年度までの5年間で国家公務員の数を5%以上純減するという目的を設定しました。
 また、5年間で地方公務員も4.6%以上純減するよう地方公共団体に要請し、協力するとされています。県でも「徹底した業務の見直しを実施することにより、業務委託の推進や指定管理者制度の導入など民間活力を積極的に活用するとともに、市町村への事務・権限移譲を進めることで、業務の削減・簡素化と行政サービスの質の保持・向上を図る。また、本庁及び地方機関のあり方を常に見直すことにより、簡素で効率的な組織機構を構築し、適正な人員の配置に努める」とあり、職員数を平成24年までには全職員の6.1%、990人の削減を図る計画となっています。
 この計画の中でも一般職員は24年度までに10%を超える人員の削減が図られるわけですから、職員の立場からすれば相当な覚悟が必要だと、そういうことです。「かごに乗る人、担ぐ人」と申します。できるだけ均等なノルマで職務が遂行できるような体制づくりが必要です。
 数値化をして説明を試みようと思いまして、私は各部門の人員配置と予算の歳出額に相関関係がないかと平成10年を基準に平成15年と20年のデータを調べてみました。かなり乱暴な指標の作成とお許しをいただきたいと思いますが、県全庁の仕事量を単純に平成10年の各部門の歳出額イコール仕事量と置きかえ100%とする。職員数も平成10年の人員を100%と仮定して計算をしてみますと、平成15年に仕事量に比べて職員数の減った部門が2つありました。仕事量を人数で割って全体の数値を出してみますと、平均で101%で最高が140%、最低は64%。わかりやすく言いますと、5年間で仕事量と職員数の比率は県庁全体では101%と変わらなかったが、ある部門では1人が1.4倍に仕事がふえて、ある部門では6割近くに仕事が減ったということです。
 平成20年も同じ方法で計算してみますと、全体の平均が93%、10年前に比べて1人当たりの仕事量は減っているということですが、最高が164%、最低72%であり、平成15年に比べて民生と商工の2つの部門を除く各部門間の数値は平均化されてきていますが、ここでも100%を超える部門は民生と商工、特に民生に係る部門では平成10年に比べて仕事量が1.6倍になったということです。言いかえれば、平成12年の介護保険法の導入や高齢者の増加、障害者施策など、近年は医療、介護、福祉といった分野でのサービスが増加し、また地域経済の低迷により中小企業対策などの施策が必要となるなど、行政サービスにも質、量ともに変化が見られるということです。
 最初でも断っているように、一概に歳出額イコール仕事量というのはかなり乱暴な見方で適正でないかもしれませんし、人数だけが問題でないということも承知していますが、できるだけ職員の負担を分け合い、県庁が1つになって県民サービスの向上に努めるのが、職員のやる気や職場への帰属意識、連帯意識によい影響を与え、結果的には県民サービスの向上につながることだと考えますが、職員の適正配置に対する総務部長のお考えをお聞かせください。
 次に、職員の健康管理について伺います。
 役所の仕事が単純に数値化できないのは先ほども申し上げました。職員にとっても業務を遂行するためには、事務作業以外にも目に見えない業務を進めるための課題が多く含まれています。職員個人の能力や資質、同僚や上司との人間関係、また仕事上での国や市町村への対応、県民と直接接する機会の多い職員は県民との対人関係など、これらを数えると枚挙にいとまがありません。
 そこで、ここでも職員の精神面への負担と病気休暇者の数に相関関係はないかと数値化を図るために、病気休暇者と休職者の数の推移を調べてみました。知事部局で病気休暇者のうち、精神性疾患により休暇をとる職員の割合が平成19年度に比べて平成20年度は1.5倍近くにふえています。また、今回の病気休暇者の数は30日以上の病気休暇の取得者を対象にしていますので、30日以下の休暇をとった職員や休暇をとらなくても精神的にも身体的にも本人が異常を感じている人はかなりの人数ではないかと推測されます。
 一般の人から見れば、社会では経済不況や産業構造の変化による失業者の増加や賃金カットなどで県民が苦労しているのに、自分たちを取り巻く環境に比べて公務員は恵まれていると感じている人が少なくないのは事実だと思います。しかし、公務員という職業ゆえに家族や友人にも相談できずに、精神面でストレスやダメージを受けている人は少なくありません。休暇取得により他の職員への負担がかかるなどの問題も発生し、職場では業務遂行に大きなマイナス要因となります。
 例えば、単純にお金に換算しますと、昨年度の病気休暇者約100人の平均給与月額50万とすれば、100人掛ける50万円で1年間に5000万円の金額が必要となり、業務の代行のための臨時職員の配置やその他の金額支出を考えると、1億円近い金額が財政を圧迫しているという理屈になります。
 このようなことから、できるだけ職員が元気で仕事ができる職場環境をつくることが県行政にとっても大きなメリットとなります。職員の健康管理やメンタルケアにどのように取り組まれているのか、総務部長にお伺いします。
 次に、和歌山県観光立県推進条例について知事にお伺いします。
 議員提案条例として和歌山県観光立県推進条例が今議会に提案されています。観光は単に観光産業だけではなく、農業、林業、漁業、製造業、サービス業など広い分野にわたるすそ野の広い産業であり、その振興は交流人口を拡大させ、地域経済の活性化や雇用の増大をもたらすものであると位置づけ、国内外に誇れる魅力を行政、県民、事業者が一体となって観光振興に取り組む必要があるとうたっています。
 小川座長を中心に全会派選出の10名の委員で条例検討会が構成され、現地に出向いて市町村長からの意見聴取や、学識経験者や観光関係団体など各界からの御意見や多くのパブリックコメントもいただき、検討会も9回に及ぶ議論を重ねて条例案の内容充実に努めてまいりました。県民総参加で観光振興に取り組むことを基本理念として、県、県民、観光事業者、観光関係団体それぞれの責務や役割、市町村との連携協力について規定しています。県は基本方針に基づき、観光振興に関する施策を総合的に策定し、実施するものと規定しております。
 そこで、知事にお伺いします。
 条例ができても実行に移すには、情報発信やイベントの開催、地域の魅力を引き出すための企画などのよい仕掛けと、また、関係団体の連携を深め、観光振興を図るための組織、体制づくりの仕組みが大事であると考えます。特に、中心となる県庁の体制づくりを再度きっちりと示し発信することで、県民総参加という熱意が関係者や県民に対しても大きなインパクトを与えるものと考えます。観光振興にかける知事の決意をお聞かせください。
 次に、本条例案にも和歌山県の豊かな資源や神道、仏教、修験道などの多様な信仰にはぐくまれた世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に代表される貴重な歴史や文化などの特色が書かれています。和歌山の精神文化や心のいやしなどのよさを伝える観光振興には、語り部や観光ボランティアガイドを活用した観光振興は不可欠です。
 しかし、語り部や観光ガイドは組織の規模も小さく、また予算などの運営面でも苦労しながらグループを維持しているというのが現状で、地域によっては行政や観光協会などとの連携も進まず、スムーズな運営に支障を来しているところも見受けられます。語り部組織が独自で行政や観光協会、また、語り部相互の連携を図り、情報交換などネットワークの構築をするには限界があります。和歌山県の人的な地域資源であり、彼らの蓄積された知識や経験を十分に生かせるように、観光協会との連携などにも県や市町村が協力してあげて、語り部の活躍できる場をふやすことが観光立県を目指す上で不可欠だと思います。語り部等の連携が図れるような体制づくりと観光振興への活用について、商工観光労働部長にお伺いします。
 もう1点は、語り部や観光ボランティアガイドの養成についてお伺いします。
 今回の基本方針にも郷土の自然、歴史、文化などの学習機会の提供、大学などと連携した人材の育成や伝統文化の担い手の育成など、もてなしをする側の技術の向上を目指した条例案となっています。
 今までも語り部1人1人が得意分野で知識を深め、経験を生かして行動されていることは言うまでもありません。また、古道などの景観の保護や危険な箇所の報告など、古道のパトロール的な語り部の情報提供は行政にとっても欠かせません。今まで以上の観光振興を図るためには、今後は、語り部の高齢化や後継者不足が問題となっているグループもあり、語り部の養成は常に行わなければならない課題でもあります。知識や技術の向上とともに、歩行中のけがなどに対する応急処置などの習得も必要となるでしょう。和歌山の特色ある観光を推進するには、語り部という知的インフラ整備は重要な課題です。
 しかし、さきにも申し上げましたように、運営面や資金面でも厳しい状況にある、また、各語り部グループでの研修や語り部の養成には限りがあります。今後の語り部の養成について、商工観光労働部長にお伺いします。
 次に、治水対策について、県土整備部長にお伺いします。
 ことしの7月に田辺市周辺を襲った集中豪雨は、地域によっては総雨量が400ミリを超え、田辺市内の古尾、稲成地区では床上浸水41戸、床下浸水89戸という大きな浸水被害を受けました。今回は満潮時と河川の増水時が重なったことも被害を大きくした原因だと思いますが、当日の稲成川でも堤防の天端いっぱいまで水位が上がり、多くの水路でも流入する水の量は予想された流水断面をはるかに超えていたのではないかと感じ、自然の怖さを改めて知らされました。
 その一方で、広くは語られていませんが、大きな山腹崩壊に見舞われた高尾山を源とする谷や上秋津の右会津川支流では、建設済みの砂防ダムや谷どめなど、その抑止力が十分機能を果たしているのではないかと感じられる箇所も見受けられました。そういう意味で、自然災害から住民を守るために計画された公共工事の効果も確認できました。「コンクリートから人へ」と言われていますが、コンクリートは住民にとって大事な味方だったのです。
 そこで、まず、浸水について今後どのような対策を行っていくのか、お聞かせください。
 また、先日の和歌山市周辺での集中豪雨は、市街地の冠水や冠水による交通渋滞、通行どめなどで、市民の生活に大きな影響や被害をもたらしました。仮にも県都である和歌山市の機能が麻痺するわけですから、重く受けとめなければなりません。下水道や河川では計画時点で予想した雨量を超えていたのではないかと思われます。今後もこのような集中豪雨はいつ発生しても不思議ではありません。このような想定を上回る規模の雨に対する治水対策についてお聞かせください。
 以上、壇上よりの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(坂本 登君) ただいまの泉正徳君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 和歌山県観光立県推進条例案について申し上げます。
 私も、観光振興は本県の経済発展や地域振興につながる重要な施策と位置づけておりまして、県内のすばらしい観光資源を国内外に積極的にアピールし、誘客するためのさまざまな取り組みに今までも努めてきたところであります。そうした中での今議会においての議員の皆様の御提案で上程されている和歌山県観光立県推進条例案は、本県の観光振興にとって非常に心強い応援になるものと考えております。
 今後は、条例の制定を契機として、県議会はもとより、県民並びに関係団体との連携を図りながら、知事である私が先頭に立ちまして、全庁を挙げた観光振興推進体制の充実に努めるとともに、和歌山県観光振興アクションプログラムを充実させ、和歌山を売り出す、招く、もてなすを柱としたさまざまな情報発信や地域の魅力を引き出す企画などをより積極的に展開することで、条例が目指す観光立県和歌山の実現に努めてまいります。
 観光だけではありませんけれども、和歌山県が力強く前に進むためには県民総参加の必要があると考えております。観光の分野におきましては、県のみならず、市町村はもちろん、各地の観光協会、旅館、ホテル、交通業者あるいは地域の旅行会社、寺社・仏閣、語り部、ボランティアの方々、たくさんの方々が、皆が、県を中心として前向きに進まなければならないと考えております。
 その際、そういった広範な県民のよりどころとして、条例が上程され議論されていて──私は成立すると思いますが──成立するということはすばらしいことだと考えております。
○副議長(坂本 登君) 総務部長宮地俊明君。
  〔宮地俊明君、登壇〕
○総務部長(宮地俊明君) 行財政改革についてのお尋ねに対し、お答え申し上げます。
 新行財政改革推進プランにつきましては、持続可能な財政構造の確立を目指し昨年3月に策定し、組織、人員の見直しや事務事業の見直し等に取り組んでいるところでございます。
 本県の財政収支は、昨年来の景気低迷などによりまして県税収入の減収が予想されるなど、依然として厳しい状況にあると認識いたしております。一方、国におきまして、地方交付税などの地方財政制度や社会保障制度等、本県財政に大きな影響を及ぼす制度や施策の見直しについて議論がなされており、今後その動向を注視し、行財政運営に当たる必要があると考えております。
 県といたしましては、新行財政改革推進プランの基本方針である基金の大幅な取り崩しに頼ることなく、財政収支が均衡する状態の実現を図るため、引き続き全庁を挙げてプランの推進に取り組んでまいる所存であります。
 次に、職員の適正配置につきましては、新行財政改革推進プランに基づき、人件費総額の縮減を図るため職員数の見直しを進めており、その実施に当たりましては、業務委託の推進や指定管理者制度の導入など、業務の簡素化、効率化を図りながら県民サービスの低下を招かないように取り組んでいるところであります。
 職員の配置に当たりましては、限られた人員を有効に活用するため、業務量や業務の質について十分勘案し、職員の能力を最大限に発揮できるよう適材適所の配置に今後とも努めてまいりたいと考えております。
 次に、職員の健康管理につきましては、職員自身それぞれが健康の保持等に努めておりますが、県といたしましても、定期健康診断を初めとして職員の健康の保持増進に努めているところであります。特にメンタル面の対策につきましては、予防策といたしまして職員研修所における一般職員から管理職員までの研修等を通じ、メンタルヘルスの基礎知識等の習得や気軽に職員が管理職等に相談できる職場環境づくりに努めているところであります。また、状況に応じ、県が委嘱しておりますカウンセラーによるストレス相談の積極的利用や外部の専門医療機関の受診を勧めるなど、早期対応にも努めているところであります。
 今後もメンタルヘルス対策指針等の作成やストレス相談の機会をふやすなど、職員の健康の保持増進並びに行政サービスの維持向上を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(坂本 登君) 商工観光労働部長永井慶一君。
  〔永井慶一君、登壇〕
○商工観光労働部長(永井慶一君) 議員御質問の語り部の2項目につきまして、お答えさせていただきます。
 語り部は、本県の自然や歴史文化を訪れた観光客に直接伝えるという重要な役割を担ってございまして、これら語り部を活用した本物志向のツアーが人気となってございます。特に本県は、日本人の精神文化を象徴する文化遺産として、世界遺産に登録されている高野・熊野を有しており、その魅力を訪れる人々の心にしみ入るように伝えることが語り部のよさであると考えてございます。
 一例を申し上げますと、本年7月以降、語り部を中心とした企画ツアーが挙行され、8000人を上回る参加者があり、来年には第2弾のツアーが予定されてございます。県といたしましては、今後とも語り部と連携し、悠久の歴史文化や豊かな自然の魅力を生かした地域密着型ツアーを造成し、新たな観光客の開拓に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 次に、語り部の養成についてお答えさせていただきます。
 語り部には、地域の歴史文化はもとより、自然の生態や安全対策など幅広い知識が必要となってございます。このため、県では語り部を対象に観光客の安全対策などの基本的な研修を行うとともに、各語り部団体の自主研究に対し支援を行ってございます。
 しかしながら、議員お話にもありましたように、語り部の高齢化などさまざまな課題もございますので、今後とも県、市町村、観光協会、語り部団体等の相互の連携をさらに強化し、貴重な地域資源である語り部の養成に積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
○副議長(坂本 登君) 県土整備部長茅野牧夫君。
  〔茅野牧夫君、登壇〕
○県土整備部長(茅野牧夫君) 田辺市古尾、稲成地区の浸水対策についての御質問でございます。
 7月の集中豪雨における田辺市古尾、稲成地区での浸水被害は、左会津川の溢水と宅地側の内水のはんらんの両方によるものでした。そのため、県では、溢水対策として左会津川の旧会津橋から切戸橋までの右岸600メートル区間の堤防整備を早期に完了させるように進めており、田辺市ではポンプ場等の内水はんらん対策を進めることとして、県と市が連携して被害の軽減を図ることとしております。
 次に、想定を上回る規模の雨に対する治水対策の御質問でございますが、11月11日未明に和歌山市周辺を襲いました集中豪雨は、最大時間雨量で122.5ミリと記録的なものでございました。和歌山市内の河川や下水道の計画は、下水道については時間50ミリ程度、主要河川では時間70ミリ程度の雨量を想定しておりまして、今回の集中豪雨は計画をはるかに上回るものでした。
 今回のような集中豪雨に対して、すべてハード整備で対応するのは社会的にも経済的にも負担が大きく、現実的ではありません。そのため、ハード整備を着実に進めるとともに、人的被害の回避、軽減を初めとする減災対策として、的確かつ迅速な情報提供等ソフト面での対策に取り組み、県民の安全確保に努めることが重要な課題となっております。
 具体的には、急流部の親水施設10カ所への警報装置の設置、インターネットや携帯電話での雨量、水位等の情報提供を行っているほか、地上デジタル放送で地域ごとに災害情報を配信できるようなシステム整備を行っております。
 また、国と県において、大雨が降った場合に想定される浸水状況を21の河川で公表しておりまして、これを受けて24の市町で洪水ハザードマップを作成し、避難に役立つ情報を住民に周知しているところです。
 県としては、今後ともこのようなハード、ソフト両面の治水対策を進めて、浸水被害の軽減に努めてまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○副議長(坂本 登君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○副議長(坂本 登君) 再質問を許します。
 1番泉 正徳君。
○泉 正徳君 1点だけ要望しておきます。
 先般、ちょうどICOMOSの会議で知事がおみえになりまして、その中でいろんなお話をしましたときに、静岡県の知事であります川勝平太さんはなぜ静岡県の知事になったのかと、そういう議論になりまして──彼は「富国有徳論」という本を出されています。富士はすばらしい山だ、富む国をつくって侍のような気概のある国にしたいんだと、そういうやはり高い志を持って知事になられたんだと思います。
 多分、仁坂知事も同じような志を持って、現在知事の職責をされてると思うんですが、そういうことをぱっと、できれば思い切り表に出して、そしてまた、先ほど言いましたように、我が県の推進力である職員、我々ももちろん責任のある立場でありますから、やはり「隗より始めよ」、みんなをできるだけ均等にして、和歌山県の発展を望むものであります。その点だけ、1点だけ要望して終わります。ありがとうございました。
○副議長(坂本 登君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で泉正徳君の質問が終了いたしました。

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