平成21年9月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(片桐章浩議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 33番片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕(拍手)
○片桐章浩君 おはようございます。議長からお許しをいただきましたので、一般質問を行います。
 1点目、自殺対策についてでございます。
 本日、自殺予防週間最終日であります。しかし、さきの9月10日というのが自殺予防デーというふうに定められておりまして、全国では実践的な取り組みというのがなされております。和歌山県におきましては、50歳代の方の自殺が多い、次いで20歳代の自殺が多い、こういうふうに聞いております。つきましては、10代の学生の方への例えば命の教育、こういったものが大切だと思っておりますので、代表的な事例を1点紹介さしていただきながら提案をさしていただきたい、このように思います。
 埼玉県志木市立志木第二中学校、ここにおきまして斎藤友紀雄さんという方が先般授業を行いました。斎藤さんという方を知ってる方はいらっしゃるかもわかりませんが、日本いのちの電話連盟常務理事、それから内閣府及び東京都の自殺対策検討会の委員及び日本自殺予防学会理事長をされております。昨年も1年生の生徒を対象に授業を行ったわけなんですが、ことしも自殺予防デーに合わせまして、中学校で授業を行っております。
 この経緯は、昨年の授業が国あるいは東京都から高い評価を受けて実施したもので、成果としては、お互いに思いやる心を大切にして不登校ゼロ、こういったことを維持している。加えて、先生方は、この昨年の授業の後も子供たちの心を見守り、ケア、フォロー、こういったものに努めておられるなど、この問題に真剣に取り組んで予防する。こういう姿勢が保たれております。
 ことしの場合は9月10日ですから、後ほど紹介さしてもらいたいと思いますが、昨年は、内閣府自殺対策推進室、文部科学省、厚生労働省のほか東京都教育委員会から視察に訪れております。このときの結果を受けて、ことしの春、今春の東京都教育委員会道徳教育担当指導主事連絡協議会では、この授業で取り入れられているような絵本の読み聞かせに基づいた小中学校用の指導資料、こういったものが配布され、小中学校にてうつ予防、心の健康のためにこの授業を取り入れてはどうか、このように進められております。
 授業を視察した内閣府政策統括官・自殺対策担当参事官、加藤さんという方なんですが、「使われている教材は地域、地域の特性に応じていろいろな本があるでしょうが、杉並の小学校で拝見した絵本の読み聞かせと、これに基づいた意見交換を行うような取り組みはとても有意義であります。この試みが全国的に広まっていけばいいと思います」というふうな発言があり、厚生労働省においては、内閣府の報告書、自殺対策推進会議で活用するようにというふうに勧められているところであります。
 また、ことしの授業も見に来れたらということでお誘いを受けたんですが、議会開会中で行くことができませんでした。ただ、終わった結果も知らせてもらっております。「多くの成果と誇りを学び、はぐくむことができたことに感謝申し上げます。担当の先生は、卒業生にこの授業を実施できていれば、死にたいと話していた生徒にいろいろな支援ができたのにと話してくれました。子供たち1人1人に寄り添える先生に成長できるものと確信する、こういうコメントもいただいておりますし、担任の先生からは、心の病気について扱う心の健康のための教育、いわゆるうつ・自殺予防教育と言われるものですが、これはもう日本全国で進めていかなければならない」、このように感想を話してくれました。
 斎藤さんの地元、埼玉いのちの電話では、金曜、土曜に子供専用の相談ダイヤル、こどもライン──これ、18歳以下の方が対象になっておりますが──設けて対応しているところであります。学校現場での早期の教育、対応のために小中学校での読み聞かせの授業を行う際には、いのちの電話の相談員の方が講師として授業を行うことも検討されていると、このように伺っております。
 教師による絵本を活用した子供の心の健康のための教育、これが全国で進められようとしているように、学校における早期の教育、対応のために小中学校での読み聞かせの授業、これを行う際にはいのちの電話の相談員の方が講師として授業を行うことも検討してほしいなというふうに考えております。
 学校現場での早期の教育のために、小中学校での読み聞かせの授業を行う際には、いのちの電話の相談員の方が講師として授業を行うことも1つの手段だと思いますし、厚生労働省の報告書におきましても、道徳、保健体育等の授業を活用した心の健康のための教育は日本全国の小中学校の教育現場において行われるように義務化されるとよい、このように記しているわけであります。この点に関して、和歌山県としての取り組みについて教育長の見解をまずお伺いしたいと思います。
 続きまして、平成21年度、本年度から3年間で内閣府から自殺対策の予算、地域自殺対策緊急強化基金、これは全国レベルで100億円という数字なんですが、これが支出される予定になっております。各県では具体的にこの予算をどう使うのかなという検討がされている。ただ、まだ具体的な提案がない自治体も多く、先ほどの東京都の例もそうだと聞いておりますが、子供に対しての対策をどうするか、この点に関しては全くと言っていいほど考えられていない。こういう状況だそうです。
 この大切な予算を子供の教育にぜひとも充ててほしいと思います。自殺予防の啓発、講演、命の教育のための対策を決定し、有効に使っていただきたいと思いますが、予算の考え方を含めて教育長としての具体的な取り組みをお示しいただきたいと思います。
 そして、この問題に関して、自殺対策に関して和歌山県にはうれしい話題があります。NHKニュースの全国放送でも流れておりましたが、和歌山県自殺対策情報センター、これが県精神保健福祉センター内、こちらに開設されております。自殺予防週間の直前に開設されたことに関係者の意気込みを感じるものであります。
 このセンターは、神奈川県、高知県などに次いで全国で最も早い時期である5番目に開設したセンターであります。このセンターの開設を知ったのは、東京の友人から、「ニュースを見たよ」ということで連絡をいただきまして、「和歌山県はすごいですね。一度見学に訪れます」、あるいは「和歌山市で開催予定されておりますいのちの電話の全国大会のときにはこのセンターにぜひ立ち寄りたい。どんな取り組みをしているのか聞きたいと思います」と、こういうふうな反響がありまして、このセンターのすごさというのを知ったわけなんですが、自殺の問題というのは個人的な問題、そういう固定観念を持つものではなく、自殺対策で成果を上げている府県もあります。例えば秋田県などがあるわけなんですが、医学対策だけではなく、民間団体と行政が連携し、地域社会を巻き込む活動、これが必要だと思います。
 和歌山県は、先駆的役割を果たすセンターをこのたび設立したのですから、その取り組み内容を知らせていただきまして、もっと広く広報をしていただきたいというふうに思います。
 業務としての相談窓口、情報の提供、地域のネットワークづくり、人材育成、こういった取り組みが記されているわけなんですが、具体的な取り組みについてお示しいただきたいと思います。また、和歌山県における自殺対策の推進基本方針というのが策定されておりますが、これを踏まえて地域自殺対策緊急強化基金、この活用についてお示しをいただきたい、このように思います。答弁は福祉保健部長にお願いします。
 2点目は、地上波デジタル放送への対応についてです。
 御存じのように、2011年7月24日までにテレビのアナログ放送が終了し、すべてデジタル化されることになっております。デジタル化される意味というのは幾つかあるんですが、代表的なものは次のようなものがあるとお伺いしております。
 現在使用されている電波というのは既に飽和状態にある、これ以上新しい周波数をふやすことができないところまで来ている、そのため、アナログをデジタル化することで周波数は3分の2程度に圧縮することが可能となり、3分の1の余裕が生まれる、こういうものです。わかりやすいイメージで例えると、ビデオテープがDVDに置きかわる、それで収納スペースが生じると、そういったものでデジタル化することで周波数の使用領域、これが飛躍的にふえると、こういうふうなものであります。
 さて、総務省の委託機関デジサポによりまして、全国で7万回、和歌山県内では570回、デジタル放送の説明会が計画されております。これを10カ月ですべて仕上げようとしていますから、相当ピッチをこれから上げると、こういうふうなことを伺っております。和歌山市においても、今月からデジサポの説明会というのが開始されております。
 通常はデジタル対応テレビに変えればデジタル放送が受信できるのですが、県営住宅、公共施設、こういった共同受信をしているところでは課題が生じております。アナログの共同受信アンテナを採用しているところでは、デジタル対応の共同受信アンテナに立てかえる必要があります。国からは半額の補助が受けられるわけですが、1基当たりの立てかえ費用が高額な場合、たとえ半分の負担だとしても地元の負担は相当なものになります。果たしてこれが自治会負担なのか、だれが負担するのか、ここが問題だと思われます。
 テレビは、私たちの生活に欠かせない娯楽の1つですから、だれもがその楽しみを享受できることや情報を受け取れる、こういうことが望ましい姿だと思います。デジタル化に伴って個人で費用負担をしなければそれらを享受することができない環境にあるとすれば、国として、または地方自治体として、ひとつここは考えていただきたいところであります。地上波デジタル化は国策として推進しているものだからです。費用負担を伴わない家庭もあるし、デジタル受信用の共同アンテナを建設しなければならないところもある。これが問題だと思います。国としてデジタル化を推進する意味は理解できますが、国策なのに個人負担が必要な家庭が発生する、こういうところは問題だというふうに思います。
 例えば、県営住宅施設のデジタル化が進展していないため、そこで生活している皆さんがデジタル対応のテレビに変えることをちゅうちょしている、こういう事例も幾つか聞いております。県営住宅ではデジタル放送が見られないとなると、テレビを見る権利──もっともまだこの権利に関しては判例がありませんから権利と言えるかどうか微妙なところですが──その観点からすると問題ではないかというふうに思います。
 説明を聞いてもデジタル化に対応していない県営住宅や費用負担を求められる地域の皆さんにとっては意味がない、国や県は根本的解決をするための施策を講じてほしい、こういったものがデジサポの説明会の後、意見として伺っております。県営住宅のデジタル受信用の共同アンテナの設置計画の有無、計画がある場合の工事計画、そしてデジサポとの連携について調査したいと思いますし、同様に公共施設の共同アンテナ設置に関しても調査が必要です。
 また、生活保護受給世帯などNHKの受信料金を全額免除されている家庭は、デジタルチューナーを、簡易版ですが、無償で提供を受けられます。10月1日から受け付けが開始、支給世帯の最大が260万世帯、このようにされておりますが、このデジタルチューナーは、最近は少し価格の安いものが出ておりますが1万円、必要な家庭は申請してもらう必要があります。申請をしなければこの適用は受けられません。この経済危機の中、1万円の負担でも厳しい家庭は数多くあります。デジタル化の費用の一部を国民が負担すべきことに対して、怒りの声も聞いております。生活保護家庭などでデジタル対応が困難な家庭の対応について検討していただくように、これは要望をしておきたいと思います。
 そこで、3点質問をさしていただきます。
 地上波デジタル化に関して、個人に負担を求める国の考え方をどう考えていますか。福祉を志向する政権にかわったことですから、国の政権においてデジタル視聴困難地域対策を求めるべきだと思いますが、知事の見解をお尋ねいたします。
 県有施設への地上波デジタル放送への対応の状況はどのようになっていますか。特に県営住宅の状況も含めて、今後の見通しもあわせてお答えください。
 もう1つ、地形的理由によって共同受信を行っている地域における共同受信施設のデジタル改修費負担について県の見解をお聞かせいただきたいと思いますが、この後半2点につきましては企画部長の答弁をお願いしたいと思います。
 3点目であります。3点目は、不妊治療への支援についてお伺いをさしていただきます。
 余り表では出てきていないような問題かと思われますが、不妊治療で悩んでいる女性が数多くいるようです。幾つか各地で議会報告会とかいろんな集会をする中で、女性の方からこの意見を聞いております。なかなか意見を言う機会がないということから、余り届いていないんではないか、このように指摘を受けました。
 不妊治療というのは周囲からのプレッシャー、そして自分との闘いであり、決して他人には言えない領域に入っております。もっと言えば、夫、両親、そういった親しい方にも言えないような深刻な悩みだそうです。自分1人で病院に行く、特定不妊治療になりますと、費用ももっと高額になりますし、この治療というのは気分が悪くなり吐き気を催すとてもつらい治療になっているそうです。
 不妊で悩む方から、少子化の目的で子供手当の創設とかさまざまな方策が出ていること、これはうれしく歓迎すべきことなんですが、そういう施策ができるたびにプレッシャーを感じている、子供ができないことに関してプレッシャーを感じている、このような精神的な負担も新たに出ているとお伺いしております。子供を授かれない悩みは本人にしかわかりません。手当を創設したからといって、子供が授かれるものではありません。周囲からの「子供はまだ?」という声が非常な精神的な負担になっている、そのように切なる訴えというものがあります。
 そこで、質問であります。
 特定不妊治療を医療保険に適用すること、あるいは補助金を支給する方策、こういったものが考えられるわけなんですが、不妊治療の医療保険適用に関して、この点に関して知事のお考えをお聞かせいただければというふうに思います。
 それからもう1点、県として特定不妊治療については、これ、実は制度化がありまして、年間15万円を2回まで、通算5年間助成する、こういう制度設計になっております。ただ、高度不妊治療という治療費は何百万円もというクラスになることもありまして、そういう方のために助成金の増額あるいは所得制限──これは所得制限がありまして、一定の所得があればこの助成は受けられない、こういう制度設計になっているわけなんですが、所得制限の撤廃など、その制度設計のあり方を再検討してほしいと思います。この点、いかがでしょうか。福祉保健部長の見解をお聞かせいただきたい、このように思います。
 子育て手当ももちろん大切ですが、産むことの悩みと苦しさ、経済的理由を解消するために不妊治療に関しての医療保険適用と高度医療に関する助成金、これが最初に必要なことだと思いますので、ぜひとも誠意ある答弁をよろしくお願いしたいと思います。
 4点目であります。温室効果ガス排出量25%削減に対する和歌山県の取り組みについてお伺いをさしていただきます。
 本日発足する予定の、民主党の鳩山代表は、地球温暖化問題に関するフォーラムにおきまして、2020年までに我が国の温室効果ガスの削減目標を1990年比25%削減、これを宣言しています。地球温暖化防止の問題は、これはもう人類生存あるいは文明の話、そういう大きな話になるものであり、単純に経済と比較するものではないとしても、私たちの生活や経済界にとって極めて厳しい数値目標であると思われます。
 具体的に、1990年比25%削減を目指した場合の経済関連の数字はどのようになるか少しお示しをしたいと思います。オフィシャルな数字はこれ1つしかないと思いますんで、お示しをさしていただきます。
 まず、実質のGDP、これは3.2%押し下げられます。失業率はプラス1.3%。プラスの数字というのは、これ、悪化を意味しておりまして、1.3%を人数に換算すると、失業者は77万人。民間企業での設備投資、これ、マイナス0.4%。それから可処分所得、1世帯当たり22万円の引き下げ。対して光熱費の負担、これ、1世帯当たりプラス14万円の負担増となります。合計しますと、1世帯当たりの負担額は年間36万円の増加、こういった負担というのが示されております。また、1990年比15%削減目標の場合の1世帯当たり──これ、麻生内閣の場合の15%ですが──この場合の家計への負担額が16万円ですから、倍以上の負担を私たちに求められる、こういうことになっております。
 加えて、温暖化、温室効果ガス、いわゆる二酸化炭素の限界削減費用、こういうものがあるわけなんですが、CO21トン当たりを処理するのには8万2000円──ガソリン1リットルに換算すると170円──こういう金額があります。この限界削減費用、非常にわかりにくいんですが、簡単なことから始めます。例えば、太陽光に置きかえる、エコカーに乗りかえる、こういう費用の対策をどんどんどんどん積み重ねていって、もう限界だよ、これ以上いかないよと。それでもさらにする。例えばCO2を地中処分する、海中処分する、そういう費用というのは1トン当たり8万2000円と、そういうふうな数字になっております。
 この数字では、環境コスト負担によって産業界を締めつけてしまい、国際競争力を弱めてしまう。現実的には、環境問題は経済との両立を図るべきものだというふうに考えています。
 既存技術の延長線上で効率改善と現行の補助金施策などで改善が図れる範囲というのは、1990年比でプラス4%、2005年比でマイナス4%のケースまで。これが既存の技術の延長線上で改善が図れる数字であります。1990年比25%の削減となりますと、新規あるいは既存の機器のほぼすべてを最高効率機器に取りかえることが必要です。あるいは、製造業におきましては現在の規模の生産量を低下させなければならない、こういう事態が予測されるわけです。
 つまり、政策としては新規あるいは既存の機器ほぼすべてを最高効率の機器に取りかえてくださいよ、こういう義務づけすることが必要になる。つまり住宅におきましては、太陽光発電設備の設置、自動車は電気自動車、高効率給湯などにすべて変更することを義務づけることになります。具体的に言いますと、太陽光発電は現状の55倍、新車の90%はエコカー、すべての住宅の断熱化が必要、こういう対策を講じて初めてこの数字に向かうことができる、こういうことになっております。
 また、政策としては、炭素への価格づけ、いわゆる炭素税、排出量取引、こういった問題は不回避となります。これは20世紀型の文化の転換であり、私たちの生活にも非常な影響を及ぼすような、とても厳しい選択を私たちはこれからしていかなければならないということであります。もしこの差、25%の削減を私たちの生活の改善、経済政策の転換によって削減ができなければ外国から排出権を購入する、こういうことになります。想定している金額は約2000億円。ただお金を出して排出権取引だけで数字合わせをしているようでは結局何をしているかわからない、こういうことになるわけです。
 ただ、人類生存のためには環境問題は必要な措置ですから、必要な措置として国の方針が転換しているのですから、すべては否定するわけにいかないのも事実であります。
 そこで、知事への質問です。
 国が現在進めようとしている温室効果ガス排出量25%削減に対応する県の取り組みについて、どのように考えているのでしょうか。経済活動あるいは地域振興のための製造業などの企業誘致にも影響があると思いますが、経済活動との両立に関しての方針についても触れていただきたいと思います。
 お配りさしてもらっている資料があります。この資料は、大阪湾パネルベイに次世代型環境関連技術が集積している、あるいはさらにこれから集積していこう、こういう状況をプロットしたものであります。残念ながら、和歌山県のところを見ていただきますと、既設の工場が2カ所あるだけです。リチウムイオン電池、ヒートポンプの既設の2カ所であります。計画しているところは、一部あるんでしょうが、余り聞いておりません。環境問題への対応と経済活動の両立を図る観点から、最も力を入れたいところはこういったところなんでしょうが、いかがなものでしょうか。例えば新エネルギーを備えた上で工場誘致、こういうことも和歌山県ならできるはずです。
 加えて、普及が期待されている電気自動車に関して、内燃機関の自動車産業とは違う関連産業、電池モーター、電子部品、こういったものの誘致と産業振興についてあわせてお答えをいただきたいというふうに思います。
 続きまして、地球温暖化対策推進法に基づく地方公共団体実行計画に関して質問をさしていただきます。
 平成23年度から──2年先になりますが──数値目標を掲げる必要性があるため、再生可能エネルギーの普及促進、事業者と県民である私たちに取り組みをお願いすると、こういう対策の2つがあろうかと思います。再生可能エネルギーの普及施策としてエネルギーの地産地消というものが不可欠となりますし、次世代エネルギーのインフラ整備、これも必要となってきます。
 例えば、公共施設、電力のグリーン化、住宅建築物への再生可能エネルギーの設置支援、これの補助施策と税制優遇、バイオマスエネルギーの供給体制の支援、こういったことが考えられます。事業者と県民の皆さんに取り組みをお願いするものとしては、ゼロエネルギー住宅の普及支援、工場への高効率機器の導入支援、次世代型自動車の普及支援、こういったものが考えられます。再生可能エネルギーの普及手段としては、制度化、税制優遇、低利融資、証券化、カーボンオフセット、こういったものが考えられるわけなんですが、例えば県が住宅の太陽光グリーン電力証書を買い取り大規模事業所に売却する、こういったことも県として考えられるのではないかというふうに思います。
 いずれにしましても、県民の皆さんと事業者の負担がふえるものですから、数値を示して理解を得ていく、こういう必要があります。これら地方公共団体実行計画に関しまして、環境生活部長に答弁をお願いしたいと思います。
 続きまして、電気自動車の導入に関する質問であります。
 運輸部門のエネルギー消費の石油依存度、これは98%、新国家エネルギー戦略では2030年までに80%に下げる、これが目標になっております。このように、電気自動車はこの部門において温室効果ガス削減対策として期待されているところであります。
 先ほど図で示さしていただきましたように、関西地域としては、関西に集積されつつある電池産業などをさらに活性化し、電気自動車と蓄電池に関連する材料などの産業を活性化させよう、こういう期待感があります。このように電気自動車は、エネルギー問題、地球環境問題への貢献と関西地域の産業振興、経済活性化、こういったものにつながるものとして期待がされているところであります。本格的な普及に向けて電気自動車元年の本年度がとても大切だというふうに考えております。
 ただ、車両の普及とインフラ整備、これは同時に進めていかなければならない問題ですから、ユーザーに任せるだけではだめで、県の関与というのは絶対的に必要になってきます。
 参考までに、ここで言うインフラ整備というのは、駐車場、スーパー、レンタカー事業者、観光施設、こういった施設に充電器を設置する、そういう意味でのインフラ整備であります。
 関西地域においては、既に平成20年10月に京都府次世代自動車普及推進協議会が設立されまして、本年2月には電気自動車普及推進条例を制定、税制優遇措置を設けています。同年、ことし3月、経済産業省のEV・pHVタウン、こちらにも選定されております。
 大阪府では、平成20年6月、「大阪を電気自動車普及率日本一のまちに」を目指し、平成21年度中に急速充電器20機の設置、平成23年度までに電気自動車1000台を導入する、こういう計画があります。さらに、ソーラー移設充電設備を設置し、登録自動車に限りますが、無料で充電が可能な仕組みを整えております。将来的には、関西圏では安心して電気自動車で走行できるように、関西圏の主要都市をつなぐ幹線道路に急速充電器を設置し、関西EVルートを整備する計画、こういうものも策定されております。もちろん、和歌山県もこの中には入っております。
 また、充電インフラに関しましては意外と進んでおりまして、日本ユニシスが電気自動車用充電器を開発、2011年度までに1000台を設置する計画、ここで設備管理、課金サービス、こういったものを提供する予定です。
 時間貸し駐車場では、ことし2月、阪急伊丹駅前のコインパーキングで充電用コンセント、これはもう既に10カ所設置されております。充電料金は無料です。神奈川県では、ガソリンスタンドに急速充電器を設置する予定ですし、スーパーイオンではイオンモール越谷レイクタウン、ここでは既に駐車場に急速充電器を設置している。このように、状況はかなり進んでいるところであります。
 ことし6月、アバローム紀の国におきまして仁坂知事は橋下知事との対談の中で、「電気自動車をやりましょうよ」と、こういう呼びかけに対応して「やりましょう」と答えたんではないかなというふうに記憶しております。その後、大阪府では6月に既にEVアクション協議会が設立されてるというふうに先行しているわけです。その目的の本質なんですが、電気自動車の普及による先進地としてのイメージを植えつけ、低炭素社会実現を目指すための新エネルギー関連産業の集積を図ることにある。単に電気自動車を普及してエコカーの地方自治体にするんではなくて、この新エネルギー関連産業の集積を大阪にしようじゃないか、こういう戦略が後ろにはあるわけです。
 自然環境にも恵まれている和歌山県は、新エネルギーにおいては先進県になれる要素、これは十分あると思いますが、早くも大阪府や京都府におくれをとっております。これでは和歌山県に電気自動車関連産業もなかなか進出してくれませんし、新エネルギーの先進県にはなかなかなれません。各地で電気自動車の普及とインフラ整備が行われているのですが、残念ながら和歌山県の普及の様子を伺うと、余り何も進展していないのかなあと感じるのが残念なところであります。和歌山県として電気自動車普及計画とインフラ整備について、知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 それから、この項目の最後であります。
 今議会には、グリーンニューディール基金、この設置が提案されております。この基金につきましては、本年度数カ所の公的施設への改修があると、このように聞いております。この基金は、公共施設の省エネルギーグリーン化推進、こういったものに関しましては10分の10の補助でありますから、和歌山県が温室効果ガス排出量25%の削減と環境先進県を本気で目指すのであれば、積極的な活用を図るべきだと思います。現時点での基金を適用する項目の考え方、それから市町村への指導、これに関しましてお示しをいただきたい、このように思います。この項目につきましては、環境生活部長の答弁をお願いしたいというふうに思います。
 今回各地で皆さんの意見をお伺いしたり、報告会の中で意見が出された県の課題として大切じゃないのかなというふうな項目を中心に一般質問をさしていただきました。
 以上で、一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(冨安民浩君) ただいまの片桐章浩君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 3点、地上波デジタル、それから不妊治療、それから温室効果ガスの話につきまして御答弁申し上げたいと思います。
 御答弁というか、私が申し上げたいことを質問の中で全部言われてしまったという感じがありますので、補足的なことも含めて申し上げたいと思います。
 まず、地デジでございますけども、片桐議員がおっしゃるように、本県は、基本的には国の政策転換によって電波を余らそうと、それから有効活用しようと、これ自体としてはいい話でございます。それによって地上デジタルに変えよう、そうすると、アナログとデジタルと両方テレビ局が発出しておるとなかなか採算が大変なので、ある時点でもうアナログはやめてよろしいと、こういうふうになったわけでございます。
 和歌山県の特に山間部、それから和歌山市の中においても電波が届きにくいところがありまして、このテレビを見るために長い間、和歌山県の住民の方、市町村の方、県も若干でございますが、大変な苦労をして共聴施設をつくったりして、それでようやくテレビを見られるようにしてまいりました。そしたら国の政策転換によって見えなくなっちゃうということでございますので、これは、本質論を言えば、明らかに国の責任によって見られるようにし続けてあげるというのが正しいという点については、片桐議員がおっしゃるところでございます。
 私は、一昨年、本県の問題についてかなり強烈に問題提起をいたしまして、それで時の総務省に、あるいは議員さんも含めてですが、かなりきつ目の問題提起をいたしました。そういたしましたところ、時の増田大臣は「そのとおりである」と、「これは国の責任に全く相違ありません。したがって、最後は国がちゃんと責任をとるように頑張ります」という、そういうお話をいただきまして、それから総務省の本県に対する予算とか助成の優遇とか、格段に変わりました。ただ、その中で、「和歌山県の知事は100%国の責任だと言っておったから、100%以外の政策は無効だ」という議論も何かあったように聞いておりますが、私は、「国もゼロに近いところから出発してどんどんふやしてくれてるんだから、そこは評価をするので、和歌山県もできるところは協力をして、地元も協力してもらって、それで問題をどんどん少なくして、最後の最後はやっぱり国の責任でやってください」、こういうふうに申し上げたところでございます。
 その次の鳩山大臣のときも同じような方向で、この政策がどんどんと拡大されております。今後、新政権になっても、この基本的な哲学は同じだと思いますので、ぜひそれが実現されるよう、特に和歌山県の山間部の方々なんかが、あるいは市内の一部の人たちだけが割を食って自分でその設備をしなきゃいけないなんという物すごいことにならないように、私としては最大限力を用いてまいりたいと考えております。
 次に、不妊治療についてでございます。
 これについても全く御質問の趣旨には賛成でございまして、私自身も、友人でこういうのを受けておられる人もいます。大変な費用もかかり、大変な肉体的苦痛を伴うということでございます。肉体的苦痛は物理的に今の技術水準ではしようがないんですが、その方はたまたまちょっと財力があってできるからいいんだけども、できない人はやっぱり大変な精神的なことも含めて苦痛を感じておられると思っております。
 したがって、これは、医療保険の適用についてぜひするべきだと私は思っておりまして、これまでも国に対して、高額な治療費を要するこれらの特定不妊治療について──そういう名前で呼びますが──医療保険を適用するよう要望を行ってまいりましたが、残念ながら今のところ、これは実現しておりません。
 これらの特定不妊治療につきましては、保険適用が難しいという意見がある一方、前向きに検討すべきだという意見もふえてまいりました。私といたしましては、子供を切望する御夫婦が経済的理由によって治療を断念してあきらめるということがないように、安心して治療を受けていただくためにも、効果が明らかな治療に対しては国において医療保険適用の検討を積極的に進めていただきたいと考えている次第であります。
 不妊治療は、少子化対策を推進するという意味から極めて重要でありますし、子供を産み育てることを切望する御夫婦の要望に沿うことでもありますので、和歌山県としても引き続き特定不妊治療に対する医療保険の適用について国に働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、温室効果ガスの問題であります。
 これにつきましては、片桐議員御指摘のとおり、地球温暖化は、人類の生存基盤にかかわる重要課題であり、すべての人がその責任と能力に応じて取り組む必要がありますが、このたび民主党から提案されました中期目標は、従来の政府目標に比べて非常に大きなものであります。そういう意味で、覚悟を鮮明にしたということについては評価できるところもあるんですけれども、議員御指摘のように、国民生活や経済活動に大きな影響を与えないかなあという懸念もあります。
 さらにつけ加えて申し上げますと、実は日本の温室効果ガス、つまりCO2の排出割合は世界の中で5%を既に切っております。4%台であります。その中で、どんどんと比重は落ちておりますけれども、産業界、特に工場等々から出てくるCO2、これについては約半分ぐらいまだあります。議員御指摘のように、いろんなところで機器を全部リプレースするとしても、ひょっとしたら25%が間に合わない可能性もあります。
 そのときに、日本だけが責任だということで、例えば生産量を落とすということになるとどうなるかということなんですが、国民生活への影響とかそういうことは一切捨象いたしまして、実は日本のこういう産業界の原単位というのは、もうかなりぞうきんを絞って、あと水滴ちょっとぐらいになっておりますので、圧倒的に世界じゅうで原単位、すなわちCO2が排出される割合が少ないわけです。
 そうすると、日本が生産をやめると、ほかのところで何ら約束がなければ原単位の悪い、すなわちCO2をぼんぼん出す国の生産がそれを代替いたしまして多分世界のCO2排出量はふえてしまうという物すごいことになると思います。そういうことを念頭に置いて、やっぱり観念的な話ではなくて、正しい知識に基づいた政策を打っていかないといけないというふうに思います。
 一方で、そのCO2排出の抑制は、我々万人に課された義務だと思います。戦略的にもそういう産業がどんどんと発達し、集積するということはいいことだと思います。したがって、おっしゃられたように、成長が見込まれる例えば充電式電池、太陽光などの新エネルギー関連産業、そういうところをターゲットとした企業誘致とか、あるいは本県の特色を生かした環境分野に係る研究開発を積極的に支援して新たな産業を創出してまいるとか、そういう努力を大いにやっていかないといけないと思います。
 県といたしましては、今後新たに策定される国の長期目標や温暖化対策の枠組みを踏まえ、本県の自然的・社会的条件に応じた地球温暖化対策を積極的に推進するとともに、大きく変わることが予想される経済環境の変化に即応した経済発展を目指し、環境と経済が両立した持続可能な社会の構築を求めていきたいと思っております。
 次に、電気自動車についてでございます。
 これについては、その意義は片桐議員が御質問の中でお触れになりましたので省かしていただきますが、現時点ではちと高いということで普及が爆発的ではありませんが、将来性十分、環境問題からも期待の星の1つだと考えております。
 私としましても、ぜひこれについても和歌山県ができるだけ早い状態で積極的に対応してまいりたいというふうに思っておりますので、近畿府県との広域連携方策とか民間事業者の動向とか、そういうものを勘案あるいはそれを刺激して、それで車の普及と、それからそれのためのインフラの整備、すなわち主として充電設備ですが、そういうものについて頑張っていきたいと思います。特に充電設備については、地域グリーンニューディール基金事業を活用した充電設備の整備を含め、充電環境の整備に努めてまいりますし、また次の予算でもひとつ県としても電気自動車を買いたいなあと、そんなふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○議長(冨安民浩君) 福祉保健部長北田佳秀君。
  〔北田佳秀君、登壇〕
○福祉保健部長(北田佳秀君) 自殺対策について及び不妊治療への支援についてお答え申し上げます。
 まず、最初に自殺対策の2点のうち、和歌山県自殺対策情報センターの取り組みについてでございますが、本県においては年間250人から300人の方がみずから命を絶たれておりますが、自殺は家族や周りの人々に大きな悲しみと生活上の困難をもたらし、社会全体にとっても大きな損失であり、自殺を考えている人を1人でも多く救うことが求められております。
 そのため、当センターにおきましては、市町村、医療機関などの関係機関と連携し、相談体制の充実を図るとともに、自殺についての正しい認識を深めるための情報提供、相談業務に携わる者の相談技術向上研修の実施など、自殺対策の総合的な支援体制の整備を推進してまいります。
 次に、和歌山県における自殺対策の推進基本方針を踏まえた地域自殺対策緊急強化基金の活用につきましては、本年度から基本方針に基づき自殺に関する実態把握、分析等を行うとともに、自殺対策に先駆的に取り組む団体への助成、自死遺族の支援、さらには重点対策地域である和歌山市及び白浜町のモデル的な取り組みを支援することなどにより基金を活用してまいりたいと考えております。
 次に、不妊治療に対する助成制度についてでございますが、体外受精と顕微授精を対象とした特定不妊治療費助成につきましては、議員御指摘のとおり、本年度から治療1回当たりの助成額を10万円から15万円へ拡充しております。さらなる助成金の増額や所得制限の撤廃につきましては、他の都道府県とも連携して引き続き国に働きかけてまいりたいと考えております。
 また、本県では、不妊検査や人工授精などを対象とする一般不妊治療費の助成制度を県単独で実施しているほか、不妊に悩む御夫婦を精神面でサポートするための不妊相談専門窓口の運営なども行っており、今後とも引き続き不妊で悩む御夫婦を経済面、精神面の両面から総合的に支援してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(冨安民浩君) 企画部長前硲健作君。
  〔前硲健作君、登壇〕
○企画部長(前硲健作君) テレビの地上波デジタル放送への移行に関しまして、県有施設の対応についてでございますけれども、これにつきましては、ことしの3月に和歌山県県有施設デジタル化改修計画を策定いたしまして、来年の年末までには100%完了させるという計画で進めております。議員御質問の中にございました県営住宅につきましても、この計画の中でデジタル改修を進めているわけでございますけれども、この年度末、21年度末での進捗は75.3%となる見通しでございます。
 次に、地形的理由によって共同受信を行っている地域における共同受信施設の改修費用負担についてでございますけども、県としても都市部との地域間格差が発生しないように、事あるごとに国に対して要望し続けてきたわけであります。その結果でございますけども、この平成21年度からは共聴施設の新設に対する補助率が2分の1から3分の2にアップしました。また、それに加えましてNHKによる支援策も新設されましたので、これによって住民負担がかなり大幅に軽減されたところでございます。
 県といたしましては、市町村と連携いたしまして、これらの施策を有効に活用して関係住民の負担軽減を図りながら難視解消に努めてまいりたいと考えております。
○議長(冨安民浩君) 環境生活部長井口悦治君。
  〔井口悦治君、登壇〕
○環境生活部長(井口悦治君) 温室効果ガス削減に関する御質問のうち、2点目の地球温暖化対策推進法に基づく地方公共団体実行計画についてでございますが、京都議定書を前提とした現行計画は平成18年度から平成22年度までであり、来年度策定予定の新実行計画につきましては、国の新たな削減目標や温暖化対策の枠組みを前提とするため、より高い水準での目標づくりや行動計画が必要と考えられ、策定に当たっては、本県の自然的・社会的条件を十分に踏まえ、県内各層の声を十分に反映させる必要があると考えてございます。
 県といたしましても、議員御指摘のとおり、今以上に再生可能エネルギー導入や事業者、住民による省エネ活動の促進などさまざまな施策を総動員し、県民や事業者の皆さんがともに行動していただけるものにしなければならないと考えてございます。
 また、現在実行計画を策定していない市町村に対しましても、今後とも策定を働きかけ、県全体での地球温暖化対策を推進してまいりたいと考えてございます。
 次に、4点目の日本版グリーンニューディール基金の活用についてでございますが、この基金につきましては、地球温暖化問題等の喫緊の環境問題を解決するため、国の補正予算により創設された基金でございます。事業内容につきましては、地球温暖化対策の推進や微量PCB廃棄物の処理の推進等で、本県配分額は8億3500万円でございます。
 この事業計画作成に当たりましては、温室効果ガス削減効果の高い事業を優先的に採択しており、県有施設や市町村施設の省エネ改修、太陽光パネルの設置、電気自動車用充電設備の整備などを実施することとしております。今後、事業の執行につきましては、市町村とも連携を図りながら適切に執行してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(冨安民浩君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 児童生徒の自殺予防対策につきましてお答えいたします。
 これにつきましては、各学校で命を大切にする教育を進めていくことが大切であると考えます。これまでも各学校では、道徳の時間を中心として生命尊重の心情を高めるために教材や授業の進め方などの工夫を行うとともに、動物や花を育てたり、世代を超えた交流などの体験活動を通して命のとうとさや生きる喜びを味わう取り組みを実践しております。また、1人1人の違いを認め合い理解し合える人間関係づくり、互いに協力し励まし合える授業づくり、学級づくりなど、子供を孤立させず、ともに生き生きと学校生活を送れるための取り組みを推進してございます。
 県教育委員会では、各市町村教育委員会の指導主事、各学校の管理職や生徒指導担当者等の会議や研修会におきまして命を大切にする取り組みをさらに充実するよう指導するとともに、県警察本部や相談機関等と連携しながら講師を派遣し、児童生徒に命の大切さについて啓発してございます。また、県内すべての学校に文部科学省が平成21年3月にまとめました子供の自殺予防マニュアルを配布し、校内研修等での活用を図っております。
 現在、各学校におきましては、さまざまなテーマで外部の方を講師に招いた授業が活発に展開されておりますので、議員御提案の命を大切に教育を進めるために、地域自殺対策緊急強化基金につきましても、いのちの電話相談員の招聘や絵本の読み聞かせ等に活用できるよう関係部局と連携して進めてまいります。
 以上でございます。
○議長(冨安民浩君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(冨安民浩君) この際、申し上げます。
 所定の時間まで残り5分であります。
 再質問を許します。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(冨安民浩君) 以上で、片桐章浩君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時29分休憩
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