平成21年6月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(下川俊樹議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後1時0分再開
○議長(大沢広太郎君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 16番下川俊樹君。
  〔下川俊樹君、登壇〕(拍手)
○下川俊樹君 議長のお許しをいただきましたので、一般質問を行いたいと思います。
 今回は、次の3点について当局をただしたいと思います。
 まず第1点は、紀南の、和歌山県の端に住む私たちが夢にまで見ていた高速道路の紀南延伸であります。昨日、先輩議員の町田議員が大変詳細に調査をして、的確な答弁を引き出していただきました。私は、すさみ以南の高速の構想についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 2点目は少子化の問題であり、3点目は観光振興の問題であります。
 県内で2番目に市制施行都市としてスタートした歴史と文化のまち、新宮市。大変残念ながら国土幹線軸から非常に遠いということで、どうしたらこの地域が活性化するか、その基本は道路であります。命の道、生活の道、その実現のために、本当に大変な努力を重ねてきたところであります。現在では着実に改良を重ねて「日本のチベット」と言われる地域から脱却をいたしてございます。
 国道42号が完全に舗装されたのが昭和44年であります。舗装されたといっても狭隘な狭い道路、そして日本で一番曲がりくねったカーブの多い道として、私は311号が改良されるまでその道を通ってきたわけであります。大体5時間から6時間をかけて、何百回と言わず、その道を走ったのを今記憶しているところでございます。それだけに、道路に対する紀南の住民の要望、希望は大変なものであるということを皆さんに知っていただきたいと思うわけであります。
 それまでの交通機関が、前──今はJRですけども──日本国有鉄道、これ1本であったわけであります。昭和34年7月の全線開通時には、和歌山─新宮間は4時間32分でありました。その後、昭和53年1月には和歌山─紀伊田辺間の複線化、同10月には和歌山─新宮間の電化完成や自然振り子型の電車の導入により、和歌山─新宮間は30分短縮されたところであります。さらに、平成7年度、8年度にかけて紀勢本線高速化事業が実施され、和歌山─新宮間でさらに20分の時間短縮となりました。要した費用は100億円であります。これはJR西日本が事業主体となり、県や関係38市町村から成る紀勢本線活性化促進協議会の負担金及び地元民間企業等からの寄附により実現をしたものです。
 なお、平成元年には、今は亡き仮谷志良知事が大変御努力をいただいて、特急くろしおの新大阪駅、京都駅への乗り入れが開始をされました。新大阪の駅頭に立って「紀勢線、新宮行き、14番線から」という放送を聞いたときには、大変感激をしたものであります。
 このようにJR紀勢本線は、明治以来、先人たちが懸命に整備推進に取り組んできた結果、完成したものであり、今も和歌山県社会基盤の1つとして私たちの生活に大いに役立っているところであります。
 一方で、20世紀の基本的社会資本としての高速道路は全国的に整備が進められておりますが、紀伊半島においては整備が大変おくれたところであります。車社会と言われ、人生や生活のさまざまな面で車に依存することの多い今日、紀伊半島一周の高速道路の早期実現は和歌山県の将来を左右する大きな問題であり、JR紀勢本線の例のように一生懸命に整備推進に取り組んでいく必要があるわけであります。
 そのため、地元市町村が中心になって、昭和54年には高速自動車道紀南延長促進協議会、さらに平成3年には国道42号(田辺─新宮間)改良促進協議会、平成4年には一般国道42号那智勝浦・新宮道路建設促進協議会、平成16年には熊野川河口に橋を架ける会等々、田辺市以南の地域だけでも道路に関する促進協議会を8つも立ち上げて、厳しい財政事情の中でも負担金を拠出しながら、それぞれの思いを込めて紀伊半島一周高速道路の整備推進活動を実施してきたところであります。
 長年にわたり、東京の国交省、財務局、そして大阪の地方整備局、そして田辺の河川国道事務所と何回も要望活動を行うなど、莫大な費用と時間を使って頑張ってきたところであります。
 県や県議会におきましても、こうした促進団体と連携をとりながらさまざまな行動を続けてきたところであり、その成果として、現在、近畿自動車道紀勢線は田辺まで延伸され、さらにその先の田辺─すさみ間は事業化をされており、那智勝浦道路も約9キロが供用されてございます。
 5月29日に、政府・与党が提案した史上最大規模の補正予算が成立をいたしました。国の経済危機対策に関連して今回の補正予算に計上された国交省関係の公共事業費は、和歌山県で約980億円であり、これは全国シェアから申しますと約5%に及ぶ予算であります。このことは、本県人口の全国シェアが約1%でありますから、そういうことを考えれば、本県において今後集中的に相当な事業量の公共投資がなされるわけであります。我々県会議員はもとより、二階俊博経済産業大臣初め本県選出の国会議員の皆さん、そして仁坂知事を先頭に頑張った県行政関係者の御努力のたまものであったと私は思います。せっかくの緊急経済対策でありますので、国や西日本高速道路株式会社に対し、早期に着工するように働きかけていただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、平素からの活動と時宜を得た要望活動が実を結んだと非常に喜んでいるところであり、今後も和歌山県の将来を見据え、紀伊半島一周の高速道路の早期実現に向けて、県議会と県、そして各促進団体がさらに一体になって、さまざまな活動を実施していかなければならないとの思いを強くしたところであります。
 そこで、お尋ねをいたします。
 昨年11月には、新宮市において熊野川河口大橋の実現に向けて1000人が参加して決起大会が開催されるなど、高速道路に対する地域の思いは非常に熱いものがあります。近畿自動車道紀勢線すさみ以南の状況と今後の見通しについて、県土整備部長にお聞きをいたします。
 また、紀伊半島一周高速道路も夢ではなくなってまいりましたが、その早期実現に向けた知事の決意と考えをお聞かせいただきたいと思います。
 過日、那智勝浦新宮道路が供用開始をいたしました。国会議員の皆さんが視察をしていただいたんですけども、地方の道路としては大変ぜいたくだと、そして、もっともっとやり方があるんじゃないかと御批判をいただいたところであります。私は、それを聞いて唖然といたしました。
 現在、おかげで串本を含めた地域の皆さんが、救急医療のときにも短時間で新宮の医療センターに搬送されています。そして、道路がよくなったんで、患者さんに対する負担が非常に軽くなりました。そしてその結果、多くの救急を要する患者さんに対して納得のいく手当てができる状況をこの道路が生んだということも皆さんに御理解をいただきたいと、そのように思います。
 次に、少子化対策についてお伺いをいたします。
 先日公表された本県の推計人口は、ことし4月現在、100万7797人であります。5年連続で前年に比べ7000から8000人の大幅な減少となりました。このまま推移すると、来年には本県の人口が100万人を割る公算が極めて高くなってまいりました。一方、本県の合計特殊出生率はといいますと1.41、全国平均の1.37をわずかながら上回っているものの、人口維持に必要とされる2.08%には遠く及んでいないのが現状であります。また、政府の推計でも、50年後には日本の人口が3割減少、加えて5人に2人が高齢者になり、労働人口も4割減少するなど、少子化、高齢化による大変厳しい状況が予想されてございます。
 この少子化問題につきましては、県議会において平成3年に初めて取り上げられてから、今議会までの間、実に二十数回にわたって質問がなされており、そのことがこの問題の重要性、将来に対しての深刻さを物語っていると言えると思います。
 結婚観や価値観の変化、核家族化に伴う育児不安や育児の孤立、経済的な負担感や仕事と子育ての両立の困難性、さまざまな要因が少子化の背景にあることは、皆さん御存じのとおりであります。このため、政府及び全国の自治体においてさまざまな少子化対策に取り組まれていますが、残念ながら歯どめをかけるどころか少子化の流れは着実に進行し、高齢化の進展と相まって、将来の年金給付額の減少や国民年金未払い者の増加、医療制度の介護の問題など、現実の社会問題になってまいったところであります。「静かなる有事」と言われてきた少子化問題が、日本の社会システムを揺るがしかねない事態へと発展しつつあると思います。
 内閣府の国民経済白書によれば、子供1人をゼロ歳から21歳まで育てるために約1300万円の経済負担が必要であると推計をされており、同時に、県が実施した少子化対策に関する意識調査においても子育てや教育に係る財政的な負担の軽減を求める声がトップであることから、やはり若者の経済的な不安が結婚や子供の出生に最も大きな影響を与えているものと私は考えます。
 しかしながら、現在の社会保障給付費は、高齢者関係が全体の約70%を占めるのに対し、児童手当や出産関係費などの児童・家族関係はわずか4%にとどまっております。少子化対策が余りにも薄いと言わざるを得ません。差し迫った年金、医療、介護等の課題への取り組みは当然のことでありますが、抜本的な少子化対策を講じることなく、こうした制度の手直しを繰り返していても、いずれ行き詰まってしまうのは明らかではないでしょうか。少子化問題こそ現代社会が抱える年金問題、医療問題、介護問題、そして地方が抱える担い手の減少、地域経済の低迷、自治体財政の悪化などの大きな根源であると考えるわけであります。
 本県では、少子化の進行や若年者を中心とした人口の減少という現状を踏まえながら、子供を持ちたい人が安心して子供を産み育てることができる環境づくり、また次代を担う子供たち1人1人が健やかに生まれ育つための環境づくりに取り組むために、平成17年に「紀州っ子元気プラン」という次世代育成支援行動計画を策定し、21年までの5カ年の計画で取り組んでおられます。その成果について福祉保健部長にお伺いをいたします。
 少子化の問題は日本の社会システムの根幹にかかわる問題であり、社会保障制度全般のマスタープランにおいても少子化対策を将来への重要な投資として位置づけ、国と地方が明確な役割分担のもと、その対策を講じていく必要があると思います。本県は、全国的に見ても特に少子化、高齢化が進展をしており、本県が率先をして国に対して強く働きかけることも必要であると考えますが、この少子化対策についての基本的な認識について、知事の御所見をお伺いいたします。
 最後に、観光振興についてお伺いをいたします。
 観光は、旅行業、運輸業、宿泊業、そして飲食業など直接に関連する産業だけでなく、商工業や農林水産業など、多くの産業の発展と雇用機会の増大をもたらす総合産業であります。人口減少、そして購買力の低下、商店街の衰退など、地域経済を取り巻く環境がますます厳しさを増しております。企業誘致が特に困難な紀南地方にとって、観光こそ地域活性化のただ1つの原動力であると言っても過言ではないと思います。
 国において、昨年1月に観光立国推進基本法が施行され、さらに同年10月には、観光立国を総合的に推進する体制を強化するため観光庁が新設をされるなど、観光が我が国の発展に大変重要な産業として位置づけられたところであります。
 こうした中、本県では今年、「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されてから5周年を迎えるわけで、多彩な記念イベントが開催されるとお聞きをしております。同時に、JR紀勢本線全通50周年記念事業の開催や、南海高野線の観光列車「天空」、高野─熊野間のアクセスバスの運行が開始をされると聞いてございます。世界遺産登録5周年を契機として官民が一体となり県内外に高野・熊野の魅力をアピールする取り組みであり、大いに期待するところであります。そして、世界遺産に登録された地域は、いやしの地、よみがえり、再生の地として、もっともっと全国にアピールをしていくべきだと思います。
 そこで、まず世界遺産登録5周年関連事業の取り組みについて、商工観光労働部長にお伺いをいたします。
 また、本県には、この世界遺産のみならず、国内のパンダ9頭、そのうち7頭が我が県白浜にあるわけであります。こんな大きな魅力が我が和歌山県にはたくさん眠っているわけであります。もっともっと県行政が我が県の全国に誇る観光資源をアピールして、和歌山県に全国の目を向ける最大の努力をすべきだと私は思ってございます。世界遺産登録5周年を契機として、こうした魅力を今後の観光振興に生かしていくことが大変重要な課題であると考えます。知事の所見をお伺いして質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(大沢広太郎君) ただいまの下川俊樹君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 紀伊半島一周高速道路の早期実現に向けた決意についてでございますけれども、紀伊半島を一周する近畿自動車道紀勢線は、企業誘致や観光振興、農林水産振興等、県民の将来のチャンスを保障するものとして、また東南海・南海地震への備え、あるいは緊急医療活動の観点からも不可欠でありまして、その早期実現は県民の悲願とも言うべきものだと私は思っております。
 つながっていない、あるいは高速道路がつながっていないために地域に封じ込められている、そういうのが特に紀南地方の現状ではなかったかなという、これまではなかったかなと思います。その中で、こういうハンディを負いながら頑張ってこられた住民、あるいは先人の境遇、状況に私は涙が出る思いがいたします。
 ただ、問題は、このハンディということなんでありますけれども、恐ろしいのは、かなりの人がそのハンディについて気づいていないまま、こういう境遇に巻き込まれているというところもあるんじゃないかと思います。自分たちは衰退をしている、しかし、なぜその衰退をしているのか、自分たちだけがなぜ衰退しているのか、なかなかわかりにくいという議論もあります。例えば、高速道路ではなくて家の前の道の舗装などということになりますと、これは全然できてないということについては皆さんがすぐにわかってしまうということでありますけれども、今のような大きな視点に立たないと、なかなか衰退の原因がわからないという問題がこれはあると思います。
 私は、向こうから見る、つまり自分たちが今住んでるところではなくて、例えば向こうというのは、高速道路がつながるであろう名古屋とか大阪とか京都とか福岡とか、そういうところから見たときに問題が見えてくるのではないかと思います。つながっていないところには、その向こうにある人たちは、どうしてもそういう地域、つながっていない地域を劣後に置く。例えば観光でもそうであるし、企業立地でも商売でもみんなそういうふうになると思います。それが我々のハンディになってるということをよく理解して頑張っていかないといけないと考えております。
 紀伊半島一周高速道路の早期実現につきましては、長年にわたり議員諸先輩に御尽力をいただいてきたところでありまして、私としても、知事就任以来、あらゆる機会を通じて訴えてきたところであります。ついにその成果が少しずつあらわれつつあると考えております。一昨年11月には、みなべ─田辺間が開通いたしました。昨年3月には那智勝浦新宮道路が供用されました。また、先般開催された第4回の国幹会議において御坊─田辺間の4車線化が決定されたところであります。さらに、田辺─すさみ間については近々工事が本格的に着手される予定であるというところまで来ております。これまでの取り組みの成果が次々とあらわれつつあると実感しております。
 しかし、一方で、道路特定財源が一般財源化されたり、あるいは田舎にぜいたくな道は要らないというキャンペーンがまだ続いていると私は思いますが、そういうことなど、高速道路の未事業化区間が多く残されている本県につきましては、油断できない状況であるということは変わりはございません。今後とも引き続き、下川議員初め議員各位のより一層の御理解、御協力をいただき、また県選出国会議員の皆様の御支援もいただきながら、県民の悲願である紀伊半島一周高速道路が一日も早く実現するように努めてまいりたいと考えております。
 次に、少子化対策についての基本的な認識であります。
 本県では、少子化対策の大きな柱として、御指摘の「紀州元気っ子プラン」、あるいは紀州3人っこ施策を初めとする子育て家庭の経済的負担の軽減、保育サービスの整備充実等による子育てと仕事の両立支援などに取り組んでまいりました。そういった中、平成20年の和歌山県内の出生率は、御指摘のように、前年に比べまして177人絶対数でふえ、全国の出生数は1332人ふえたんですけれども、実に13.3%を本県が占めるに至りました。当然合計特殊出生率も1.34から1.41となりまして、この伸び率だけとりますと全国一であります。
 これについて、なぜかというようなことが、我々としてはいろいろ興味があるところなんですけれども、専門家の分析を聞くと、所得が全国よりも少し上向き傾向であったとか、あるいは3人っこ施策の効果が少しは出たかとか、あるいは団塊ジュニアの年齢がちょうど出産を考える年齢層と重なったことなどとか、いろいろな要因が考えられるとのことでありました。こういうことからすると、これまで取り組んできた経済対策、雇用をふやすという経済対策や少子化対策、そういうものの成果が少しはあらわれたのかなというふうに一応考えております。
 ただし、まだ1年限りのデータではありますし、それからふえたといっても、御指摘のように、人口を維持できる2.08にははるかに遠いわけでございます。したがって、これからも油断なくやっていかないといけないと考えております。基本は、社会増と自然増の双方を達成することであるわけであります。したがって、今後とも人口の社会増につながるために、雇用対策あるいは経済対策、産業興し、企業誘致、そういうものをどんどん実施いたしまして働く場所を拡大するとともに、人口の自然増につなげるために、妊娠、出産、子育てといったライフステージに合わせた支援策を講じるなど、人口対策、少子化対策を大いに進めてまいりたいと考えております。
 なお、議員御提言の国と地方とが明確な役割分担のもとに対策を講じていく必要があるということについては、同感でございます。私としては、県としては、郷土の将来を担う子供たちのために引き続き思い切った施策を講じてまいりたいと思いますけれども、国に対しては、また社会保障制度全般のマスタープランにおいて少子化対策にぜひ取り組んでいただくように、そういうふうにも働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、観光振興でございます。
 とりわけ、ことしは世界遺産登録5周年でございますので、これをぜひ契機に積極的な、より積極的な観光振興に努めていきたいと考えております。
 ちょうど5年前、県議会の皆様方を初め、県民の皆さんの御理解と御協力のもとに総力を挙げて取り組んだ結果、平成16年7月、「紀伊山地の霊場と参詣道」が日本で12番目のユネスコの世界遺産として登録されました。5周年を迎えまして、改めてその意義深さを感じますとともに、当時、大変御苦労された関係の方々に対し、心より敬意を表する次第でございます。
 この登録により、いやしの地、よみがえりの地として和歌山県の魅力が格段に高く感じられるようになり、その結果、国の内外から多くの人々に本県を訪れていただけるようになったと考えております。また、世界遺産地域に暮らす住民には大きな誇りと勇気がもたらされ、さまざまな自発的な活動が生まれ、地域の活性化につながっております。
 ことしは世界遺産登録5周年でありますし、同時にJR紀勢本線全通50周年という絶好の機会であります。脈々と受け継がれてきた世界遺産を初め、観光列車「天空」や御指摘の白浜の7頭のパンダ、各地にわき出る良質の温泉、豊かな自然がもたらす抜群の食材、グルメ等々、本県が有する多彩で奥深い魅力を大いにアピールし、観光関係者を初め県民の皆さんとともに、観光振興を通じた元気な和歌山の実現に向け、積極的に取り組んでまいる所存でございます。
 パンダにつきましては、これほど立派なものは世界に実は中国を除くと和歌山しかないわけであります。ただ、残念なことに、私たちの力がまだまだ至りませんで、例えば東京の都民がこれを認識してないという人もまだまだいるというのが現状であります。我々の努力をさらに一層進めまして、県民一体となって和歌山県の魅力を全国あるいは全世界に発信してまいりたいと考えております。
○議長(大沢広太郎君) 県土整備部長茅野牧夫君。
  〔茅野牧夫君、登壇〕
○県土整備部長(茅野牧夫君) 近畿自動車道紀勢線すさみ以南の各区間の具体的な状況、進行状況と今後の見通しでございますが、まず、すさみ─串本─那智勝浦間につきましては、早期事業化に向けて整備計画策定に必要な環境影響評価の早期着手を国に働きかけているところであります。
 次に、那智勝浦道路につきましては、昨年3月、那智勝浦新宮道路として一部供用され、残る那智勝浦町の川関から市屋間につきまして調査設計を推進し、早期に用地取得に着手するよう国に働きかけているところでございます。そして、熊野川河口大橋を含む新宮から県境間でございますが、今般、ルートの概要等を取りまとめたところでありまして、早期事業化に向け、直轄調査の推進を三重県とともに国に働きかけてまいります。
 今後とも、紀勢線各区間について急ピッチで整備が進みますよう取り組んでまいりますので、引き続き議員各位の御協力をお願い申し上げます。
 以上でございます。
○議長(大沢広太郎君) 福祉保健部長北田佳秀君。
  〔北田佳秀君、登壇〕
○福祉保健部長(北田佳秀君) 少子化対策についてのうち、和歌山県次世代育成支援行動計画「紀州っ子元気プラン」の成果でございますが、本年3月末に71項目の数値目標の達成状況について公表しているところです。具体的には、放課後児童クラブ、延長保育、幼保一体的運営施設の設置などは順調に取り組みが進められておりますが、一時保育、休日保育、ファミリーサポートセンターの設置などはさらなる取り組みが必要であり、次期計画では重点的に取り組んでまいります。
 なお、今回の緊急経済対策では、安心こども基金において保育所の整備事業を初め少子化対策関連事業が多く含まれていることから、これらを大いに活用し、緊急かつ効果が期待できる事業につきまして積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(大沢広太郎君) 商工観光労働部長永井慶一君。
  〔永井慶一君、登壇〕
○商工観光労働部長(永井慶一君) 世界遺産登録5周年関連事業の取り組みにつきましてお答えをさせていただきます。
 県では、高野・熊野の世界遺産登録効果を積極的に活用し、将来に向かって維持し続けることが最も重要であると考え、登録5周年という節目をとらえ、活用と保全をテーマにさまざまな取り組みを展開しているところでございます。世界遺産の魅力に触れ、その価値を未来へ伝承していくため、東京を初め県内外において世界遺産シンポジウムを開催するとともに、世界遺産を共有する三重、奈良との三県連携ウォークや、悠久の歴史をつなぐ参詣道の環境保全活動、地域と協働して取り組む熊野三山散策特別体験キャンペーンなど、多様な事業の実施を考えてございます。
 また、首都圏の主要書店におきまして5周年の記念ブックカバーを配布するとともに、在京のテレビキー局とタイアップした観光物産イベントの開催、世界遺産である高野・熊野に焦点を当てたテレビ番組の誘致や新聞、雑誌への記事掲載など、さまざまなメディアを活用した戦略的な情報発信を行ってまいりたいと考えてございます。さらに、JR紀勢本線全線開通50周年キャンペーンの実施や南海高野線の新しい観光列車「天空」の運行、また新路線である熊野・高野アクセスバスなど、交通事業者との連携強化を図りながら広域観光の推進に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 いずれにいたしましても、世界遺産登録5周年を絶好の機会ととらまえ、関係市町村などとの連携を一層強化しながら、本県の世界遺産を大いにアピールし、観光客の増大を図ってまいりたいと考えてございます。
○議長(大沢広太郎君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大沢広太郎君) 再質問を許します。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(大沢広太郎君) 以上で、下川俊樹君の質問が終了いたしました。
 お諮りいたします。質疑及び一般質問は、これをもって終結することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大沢広太郎君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問はこれをもって終結いたします。
 次に日程第3、議案の付託について申し上げます。
 議案第108号から議案第127号までは、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
 次に日程第4、請願の付託について申し上げます。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。
 なお、常任委員会の会場はお手元に配付しておりますので、御了承願います。
 お諮りいたします。6月25日及び26日は常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大沢広太郎君) 御異議なしと認めます。よって、6月25日及び26日は休会とすることに決定いたしました。
 次会は、6月29日定刻より会議を開きます。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後1時43分散会

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