平成21年2月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(多田純一議員の質疑及び一般質問)
県議会の活動
質疑及び一般質問を続行いたします。
25番多田純一君。
〔多田純一君、登壇〕(拍手)
○多田純一君 おはようございます。議長のお許しをいただきましたので、一般質問を行いたいと思います。
今も、中村議員のほうから景気対策のお話がございました。私も、最初に雇用、以下県内の景気対策とその予算についてお伺いをしたいと思います。
本県の主要な経済指標を見ますと、公共工事請負金額や新設住宅着工戸数は、前年同月を少し上回っているものの、生産面では鉱工業生産指数が4カ月連続で、需要面では新車登録台数は3カ月連続、大型小売店販売額は9カ月連続、前年同月を下回っております。
商工リサーチがまとめました1月の県下企業倒産は、負債額1000万円以上では17件、負債総額は61億4900万円に上っております。この倒産件数は前月より6件増加し、負債総額は48億3000万円増。これは、昨年の1月と比べると2件の増加となっております。負債総額では55億2500万円の増加となっております。体力の乏しい小規模業者中心に倒産増加傾向にあるようです。
先週発表されました1月の有効求人倍率は、全国が前の月より0.06ポイント下がり0.67倍、和歌山は前月より0.04ポイント下がり0.72倍となりました。和歌山県の有効求人倍率は、最近では、一昨年の平成19年8月、9月の0.94倍をピークに、1年4カ月後退をしております。全国が1倍を超えたときでも和歌山の状態はなかなかよくならず、ここ10年以上も有効求人倍率が1倍を超えたことがありません。求職者数と求人数の関係からすると、十分な雇用関係に至らないまま今日の状態になってしまっていると言えます。もっと言うと、経済状態は全国より数カ月おくれて影響してくることを考えると、景気局面がますます悪化している中で、このまま何もしないと、和歌山はこれからももっと厳しい状況が続くことになりそうです。
県内で生活苦などの生活問題での自殺者もふえているとの報道もされております。景気の急速な悪化に伴い、今後さらにふえるおそれがあるという見方も出ており、早急な対応が必要となってまいります。
麻生内閣では、昨年の第1次補正予算、またこのたびの第2次補正予算、そして平成21年度予算と景気対策3段ロケットとして、総額75兆円規模を編成しました。その柱として、生活支援対策、雇用対策、中小企業対策、そして地域活性化対策としています。まさに待ったなしの景気対策、経済対策が望まれており、実体経済の中に早く手を打つことが強く求められております。
国の緊急雇用対策事業として、ふるさと雇用再生特別基金。基金の造成44億円、平成23年度まで実施し、安定的な雇用が見込まれる事業、雇用期間原則1年以上となっています。また、緊急雇用創出事業臨時特例基金として、基金の造成16億円。離職を余儀なくされた非正規労働者の失業に対し、短期の雇用、就業機会の創出・提供する等の事業を実施、生活の安定を図るものとなっております。それぞれ目的を分けてということですが、緊急雇用創出事業臨時特例基金は8年前にも実施した経験もあり、比較的使いやすいのでしょうが、それぞれどんな事業となるのか、また、これで雇用計画をどのように算定しているのか、お示しいただきたいと思います。
深刻さを増している雇用問題を抱えている中で、県民の生活を守る視点と県内の活性化を図る視点が必要です。その上で、介護、子育て分野などの労働移動を進める一方で、農林、水産など新たな雇用創出を戦略的に図ることも大事なとき、和歌山労働局との連携を図り、県民の就職促進の強化を今こそ国と一体になって行うべきと考えます。
そこで、県内の雇用状況に対する認識とその対策を知事にお聞きしたいと思います。
そして2番目に、和歌山労働局との連携については商工観光労働部長にお聞きしたいと思います。
定額給付金の話は、先ほど出ておりました。定額給付金の申請手続と県内の経済効果についてお尋ねをしたいと思います。
日本経済は、昨年10─12月の国内総生産(GDP)前期比率マイナス12.7%を発表しています。消費が冷え込み、デフレ基調となってきています。内閣府による景気判断でも個人消費の緩やかな減少が続いているとの報告もあり、消費を喚起する側面と生活支援としての側面、その両方の面から、定額給付金への期待が大きいと思います。この定額給付金を含めた第2次補正は、通常国会で1月17日に必要な予算が成立。その後、給付金関連法案として衆議院を1月27日通過したものの、参議院では審議が遅滞したままで、関連法案が無事成立に至ったのは一昨日の3月4日です。やっと成立しました。いよいよ地方自治体の出番がやってまいりました。定額給付金は特需という報道が目立ってまいりました。
2月24日には、早々と福島県南会津町で定額給付金の申請書が全国で初めて発送されるという報道がされ、申請書の送付も始まっていますし、本日、北山村も給付されるという報道もされております。
2月17日の「朝日新聞」の記事によりますと、県内30市町村のうち回答を得られた29市町村のうち、27の市町村長がこの定額給付金について「効果がある」とお答えになったそうであります。効果があるとした理由では、「購買意欲を高める即効薬的な意味があり、地域を底上げする一助になる」、「給付金に上乗せして消費を期待」、「冷え込んでいる消費マインドを刺激する」など、消費拡大につながるとの見方が多かったと思います。もちろん、効果がないという意見も2人の町長からあったわけですが、県内約160億円もの給付金が支給されると、県内GDPを押し上げる効果は当然考えられるものと思います。
それに、全国でも、商工会議所や商店街などでプレミアつき商品券の取り組みも紹介されております。ことし1月末現在では、全国36都道府県129市区町村で実施。県内の取り組みとしては、田辺市地元商店街など8カ所で検討されているそうであります。
県では、全国に先駆けて12月からその準備に当たってこられ、御苦労さまでございますが、いよいよ県民が期待している給付金支給までの速やかな対応をお願いしたいと思います。県内消費を前提に、その消費が県経済に及ぼす効果について、また申請書送付の時期と県民に交付される時期の見通しについてお答えをいただきたいと思います。
2点目に児童福祉について、児童養護施設の整備について、まずお聞きをしたいと思います。
先日、公明党県議団で、建てかえ移転されました児童養護施設虎伏学園の視察に行ってまいりました。この児童養護施設は、和歌山市津秦に昭和37年に虚弱児施設として当初認可されスタートしましたが、平成10年の児童福祉法の改正により児童養護施設として、さまざまな家庭の事情により養護を要する児童、虐待されている児童、心身虚弱の児童、その他環境上養護を要する児童を保護する施設に変わっていったわけであります。
今から4年前、平成17年、公明党県議団の新田県会議員とともに、当時、和歌山市議会議員として初めて視察をさしていただきました。開園して40年以上たち、建物は老朽化しており、継ぎはぎだらけという印象でございました。宮小学校、日進中学校の分校である校舎も、2階にプレハブで設置されており、児童の居室では1部屋に7人から8人が共同生活している現状でございました。訪問した日はちょうど雨天の日で、教室から教室に移動するのに傘を差して行ったのを覚えております。いろんろな事情が重なったんでしょうが、学園の中に分校があり、社会と交流も乏しく、卒園した後を心配していたのは私1人じゃなかったかと存じます。
このたび、たくさんの方の御尽力で複合型児童福祉施設虎伏学園として整備され、3月には竣工される運びとなりました。延べ床面積としては倍となり、児童養護施設と情緒障害児短期治療施設、そして県内初めてとなる児童家庭支援センターの複合児童福祉施設になります。児童養護施設の45人は地元の小学校、中学校に通うことになりますし、大部屋からそれぞれ小部屋になり、より家庭に近い形態で子供が生活できる状態に変わりました。
私の地元にありましたし、地域からの強い要望もありました。少子化社会と言われる中で、児童の健全育成は社会に課せられた大きな課題としてとらまえたとき、老朽化という問題だけでなく、閉ざされた社会の中で虐待が発生していたこともあり、新しくスタートできることを心から喜びたいと思います。
さて、これで、県内7施設のうち建てかえが行われたのは和歌山市のこばと学園と虎伏学園となりました。耐震上の問題も考えると、その整備は早急に必要じゃないかと思われますが、施設に対し県の指導はどのように行われているのでしょうか。お聞きしたいと思います。
この4月、児童福祉法の一部が改正され、施行されます。これは、乳幼児の全戸訪問や地域子育て支援の拠点事業など、法律上位置づけられ、困難な状況にある子供や家庭に対する支援の強化となっています。里親制度の改正や施設内虐待の防止などを柱としています。里親制度の実情と、この改正による今後の見通しはどうなのか。児童虐待死亡事例検証委員会以後、児童虐待対策は強化されてきているのか。施設内での虐待防止の規定はどのように考えておられるのか。また、県内初の児童家庭支援センターの役割と児童相談所とのかかわりについてはどう考えればよいのか。以上、福祉保健部長にお尋ねをしたいと思います。
3点目に、教育問題について質問さしていただきます。
現在策定中の和歌山県教育振興基本計画について。
平成18年12月に、60年ぶりに教育基本法が改正されました。その基本法の第17条第1項に基づき、その理念を踏まえ、国の教育振興基本計画は、教育の振興や教育再生への道筋を明確にするために、政府が定める基本的な計画という位置づけとなっております。政府が策定する初めての教育振興計画が、平成20年7月、閣議決定され、今後10年間を通じて目指すべき教育の姿を示し、平成20年度から24年度までの5年間で取り組むべき施策などが盛り込まれております。
教育基本法第17条第2項は、地方公共団体が教育振興のための施策に関する基本的な計画を策定するよう努めなければならないと規定しています。したがって、基本計画を策定するかどうかは努力義務となっております。
長期総合計画でも教育分野を対象にしており、改めて教育振興計画を策定した目的は何か。また、この計画で、国の計画を参酌したところ、本県の特色を生かしたところ、市町村との連携を図る上で意見交換等は実施されたのか。パブリックコメントなども含め、教育長にお尋ねしたいと思います。
県立高等学校再編整備計画第2期実施プログラムの考え方についてお聞きしたいと思います。
第4期きのくに教育協議会の報告に基づき、県立高校のあるべき姿を展望し、魅力のある学校づくりを進めるためとしております。背景には、少子化の進行により生徒数が急激に減少する一方、高度情報化、国際化という社会の変化に対応できる人材の育成が急務という状況にもあり、高等学校を取り巻く状況の変化や高等学校教育に対する県民のニーズに適切に対応し、将来を見据えた展望のもと、全県的、総合的な視野に立った高等学校づくりを目指すとなっております。
そして、再編整備第1期実施プログラムを平成18年度から20年度にかけて実施されてきました。具体的には、高等学校の統合・再編、そして中高一貫教育校の設置となりました。保護者やPTA関係者の理解が進んでいないうちに方針だけが打ち出され、関係者にとって大変大きな問題となりました。
今後の再編整備については第2期実施プログラムの中で検討していくとのことでありますが、第1期実施プログラムの総括と第2期実施プログラムについて、その基本的な考え方と進め方について、教育長、お示しください。
次に、国体に向けて何点かお聞きしたいと思います。
国体に向けた取り組みは、本格的には内々定を受けた2006年度、国体準備班を発足させてからになります。その年は46位、翌年は45位、そして昨年の大分国体では41位と、順位を少しずつ上げてきています。
和歌山県の2巡目国体開催予定は、2015年、第70回国体。あと6年となりました。41位は総合優勝を目標に置いている本県としては厳しい道のりという感じがしますが、最初の昭和46年国体のときも、開催の8年前は45位に甘んじていました。そのときの経験からすると、今、再びの夢実現ということになります。
決して不可能なことではないことは、県として経験しているところでもあります。和歌山の本領発揮、その見せどころと言えます。特に昨今、高等学校の全国大会では、ソフトテニス男子の優勝を初め10競技36種目において入賞を果たし、中学校の全国大会では、剣道の優勝を初め5競技7種目で入賞を果たしています。平成18年度から始めたゴールデンキッズ、金の卵の行く末も楽しみの1つになっています。
いよいよ国体開催に向けて施設の準備も進み出し、予算化され、教育委員会だけでなく、県庁及び県民一体の取り組みが必要との感を強める時期であります。県庁内の組織再編強化策について、知事のお考えをお聞きしたいと存じます。
過去5年間の国体実績から見て、本県の競技力向上に向けての取り組みでやはり大事なのは、指導者の存在だと言えます。6年後を見据えたなら、待ったなしの状況にあると言わざるを得ません。競技力向上に向けた取り組み、小中、中高の一貫教育、連携教育、例えば就学区も地域によっては弾力化されてはいます。その子供の特徴を生かすことを考えると、学区を超えた小中連携を模索できるんじゃないか。一貫した指導者のもとで才能を生かせることを考えた就学に関する制度運用についてお考えをお聞きしたいと思います。
昨日、坂本議員からもお話がありました特別選考の件ですが、教員免許を持たない特例の特別採用枠を適用した試験を平成19年から実施していますが、実際に採用はされていない状況です。このことを考えると、見直しも行う必要があろうかと思います。その考えについても、教育長にお聞きしたいと思います。
指導力の向上の観点から、かつて昭和46年当時、国体のために県外からも大勢の方々に和歌山県に来ていただきました。その方々が退職される団塊の世代となっております。長い間、指導者として競技力向上に尽力をしていただいております。その中でも、管理職としてマネジメントにも力を発揮された方も多いと思われます。指導者の育成の観点から、どう活用されるのか。これも教育長にお聞かせ願いたいと思います。
続いて、市町村対抗ジュニア駅伝競走大会についてお聞きしたいと思います。
平成14年から始まった市町村対抗ジュニア駅伝競走大会も、ことし8回目を迎え、チーム数もオープン参加の10チームを入れて40チームと過去最高の参加チーム数となり、沿道の応援を見ても定着してきた印象を受けました。この目的は、青少年の健全育成と市町村対抗での地域の活性化を目指してやってきたものと思われます。県庁前をスタートしてマリーナシティをゴールとする10区間25キロ、今は30市町村の対抗となっています。
大会実施要綱による区間ごとの小学生男女、中学生男女の配置が、市町村によって少子化ということもあり、要綱どおり選手がそろわないことも予想されます。その場合、今後どうされるのか。
県内では、和歌山市が行う和歌浦ベイマラソンwithジャズ、桃源郷マラソン、岩出市マラソン大会、口熊野マラソン、橋本マラソン、紀文みかんマラソン、日置川リバーサイドマラソン、熊野古道近野山間マラソン、新宮大浜マラソン等、県内で多く定着してきているように思います。
ことしの全国都道府県対抗駅伝大会を見ていまして、競技力向上への取り組みを改めて考えさせられました。走ることはすべての基本になります。全国的な体力測定でも、和歌山はこの持久力が弱いことが指摘されております。大会の強化は和歌山の弱点を補うことにもなり、ぜひ県内挙げての注目されるイベントとして取り組み強化されてはどうでしょうか。教育長にお尋ねをしたいと思います。
最後に、県民の安全・安心についてお聞きします。
「平成21年和歌山県警察運営指針及び重点目標」を掲げ、「警察組織一丸となって諸対策を推進し、安全で安心な和歌山の確立を図ってまいります」、その重点目標に「交通事故総量抑止総合対策の推進」とあります。
先日、交差点改良を行うと発表された和歌山市内中之島交差点も交通事故多発箇所として、和歌山東署管内の重点対策路線として対象になっていた場所でした。同じく最近の事例では、一昨年、国道24号線と26号線が交差する西汀丁の交差点も、交差点改良されたのは記憶に新しいところです。
昨年の本県の人身事故件数は7270件。平成14年以降減少していますし、負傷者数は8843人、平成14年以降、減少傾向にあります。死者数も、昨年は若干ふえておりますが、63人とおおむね平成13年より、これも減少傾向となっています。
しかしながら、交通事故は毎日どこかで発生し、依然として多くの県民が交通事故に遭っている状況をかんがみても、今後とも効果的な交通事故防止対策を推進していかなければならないと考えます。
交通事故は、交差点で多発しているケースが目立つわけです。とりわけ、県内で平成20年にワーストランキングされている場所として、和歌山市内の国道、県道の交差点が目立っております。交差点改良した西汀丁交差点でも、改良した直後は減っておりましたが、昨年からまたふえてきているのも懸念されております。新たな工夫が必要となっています。
また、本県の道路は77.4%が市町村道路であり、人身事故総数の35.5%は、その市町村道路で起こっています。要するに、信号機もない狭い道路、生活道路、「細い街路」と書いて細街路での交通事故も多いのも指摘されております。事故の中でも特に高齢者事故で被害者、加害者がふえている現状が気になるところです。75歳以上では平成15年に比べると21%増、死亡事故の被害者でも、平成20年は全体で63名のうち65歳以上が28名、半数以上が75歳以上となっており、これは人口10万人当たりの死者数に置きかえると、全年齢層で全国平均を上回っている状況です。さらに言うと、高齢者が交通事故で亡くなる確率は、高齢者以外の2.4倍となっているとのことです。高齢者施策として、被害者にも加害者にもさせない交通施策が喫緊の課題となっていると言ってもおかしくありません。
以上を踏まえ、交通政策として、1つ、高齢者を被害者にも加害者にもさせない施策について、交通事故多発交差点や細街路などの対策について、警察本部長にお聞きをしたいと思います。
続いて、少年犯罪の現状とその対策についてお伺いします。
平成21年度重点施策、きのくにスクールサポート事業についてお伺いします。
この事業は、県教育委員会が行っていました問題行動対策サポート事業を警察行政として継承する事業ということになっています。私の認識では、平成19年から始まった事業で、サポーターとしては警察官のOBや警察女性職員OGの方もおられましたが、教員OBや青少年指導員の方も多かったように受けとめています。しかも、19年に比べて今年度20年度の取り組みは削減され、そのときの説明では、暴力行為などの問題行動が減少し、相当の効果が認められたのでサポーターの配置を半減させたとのことでございました。実際、平成19年度予算では1113万円だったものが、20年度予算では470万4000円、今年度21年度予算では前年比3倍強の1638万2000円と、大幅な増額となっています。
少年犯罪の現状と問題行動対策サポーター配置事業からきのくにスクールサポート事業へ継承に至った経緯を、教育長と警察本部長、それぞれにお聞きします。
最後に、振り込め詐欺対策についてお伺いします。
高齢者に被害が多いのが、また振り込め詐欺があります。先月2月は、振り込め詐欺撲滅月間ということになっていました。「振り込め詐欺」と総称して言われていますが、内容は、おれおれ詐欺、架空請求詐欺、融資保証金詐欺、還付金詐欺などとなっております。被害者の心理を巧みに利用したり、肉親の良心につけ入るなど、その手口は許せるものではありません。
以前は「おれおれ詐欺」と言われていたのがたしか始まりだと思いますが、2004年に警察庁により統一が図られ、「振り込め詐欺」と呼ばれております。繰り返し繰り返しテレビやマスコミ等でも報道され、啓発活動も行われているように思われますが、被害者や被害額が減らないのが現実のようです。ATMなどを使った振り込みの手口から、指定の住所に送らせるエクスパックやバイク便などを利用したりと巧妙になってきていますし、有料サイトを使った青少年の被害も多くなってきているとのことです。
県内の発生件数と検挙件数、振り込め詐欺、また新たな給付金詐欺や啓発活動や被害防止強化策等お示しいただき、警察本部長として撲滅に向けた決意を最後にお聞かせいただき、1問目を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(大沢広太郎君) ただいまの多田純一君の質問に対する答弁を求めます。
知事仁坂吉伸君。
〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) お答え申し上げます。
まず、県内雇用状況とその対策でございますが、県内の雇用状況につきましては、世界同時不況を受けながらも、県内産業に自動車とか家電関係の割合がたまたま少なかったことから全国に比べて緩やかな下降傾向でありますが、先ほども申し上げましたように、今後は生産や消費が低迷し、さらに厳しい状況になってきますと、ずっと停滞の中で蓄積が少なかった県内企業、特に中小企業にとってはなかなか厳しいものになりそうな感じがあります。したがいまして、これはしっかりと対策をとっていかないといけないというふうに考えております。
新年度の緊急雇用対策の県の取り組みについてでございますけれども、まず、ふるさと雇用再生特別基金活用事業につきましては、就農支援や産業振興等、さまざまな分野で安定的な雇用への活用を検討しております。また、一時的な就労の創出を目的とする緊急雇用創出事業臨時特例基金活用事業につきましては、将来の施策展開の基礎となる各種調査データの作成・分析などの事業についても検討しているところであります。
雇用対策は社会を守るセーフティーネットとして重要でありまして、早期に事業を実施する必要があるため、第1弾として、年度内を目途に事業を取りまとめ、公表してまいりたいと考えております。
なお、ふるさと雇用再生特別基金活用事業は、より十分な予算が確保されておりまして、より地域のニーズに応じた効果的な事業を発掘するために使います。したがいまして、県民の皆様の御意見を伺いながら、さらに事業の構築を図ってまいりたいと考えております。
雇用計画につきましては、それぞれの事業について、それぞれ何人雇えそうかというようなものをそれぞれ算出して積み上げていかなければなりませんけれども、私といたしましては、できるだけ雇用数がまずふえるということと、もう1つは、将来性も考えて、その雇用が安定したものとして定着していくということを願ってぜひ事業を推進してまいりたいと考えております。
その次に、定額給付金の経済効果についてでございます。
定額給付金は、住民の生活支援と地域経済の浮揚を目的に給付されたもので、国における景気対策の重要な柱の1つであると認識しております。現下の急速な景気後退で個人消費も冷え込む中、定額給付金により需要を喚起することは非常に重要であると考えます。
国においては、定額給付金が実質GDP成長率を0.2%程度押し上げるとの試算がなされており、年度がわりの季節的な購買の高まる時期に当たって、本県への約160億円もの定額給付金の支給によって県内の景気刺激策としての効果が大いに期待できると考えております。
議員お話しのとおり、県内でも、定額給付金の支給を契機にプレミアムつき商品券の発行などが検討されております。先ほど中村議員にもお答えいたしましたように、県といたしましても、このような県内需要の拡大というのは、できればそうしてもらいたいというふうに思っておりますので、このような取り組みには支援をしてまいりたいと考えております。
次に、国体でございます。
本国体のための開催準備組織といたしましては、これは一昨年9月、各界代表者を構成員とする第70回国体和歌山県準備委員会を立ち上げました。また、昨年4月には、庁内組織として、教育庁スポーツ課に国体準備班から国体準備室を設置したところでございます。
今後、市町村、各競技団体や県体育協会、ボランティア団体等、関係機関が一体となって開催準備を加速化する必要がありますが、このために全庁を挙げて取り組む体制を整えてまいりたい、こういうふうに考えております。
○議長(大沢広太郎君) 商工観光労働部長永井慶一君。
〔永井慶一君、登壇〕
○商工観光労働部長(永井慶一君) 雇用対策に係る和歌山労働局との連携につきましてお答えをさせていただきます。
雇用問題が深刻化する中で、県としましては、ジョブカフェ・わかやまの機能強化を初め、県内の中小企業や農業、福祉・医療などの求人情報を県のホームページにおいて求職者の方々に情報提供を実施するなど、幅広い対策を迅速に実施しているところでございます。
御質問のございました和歌山労働局との連携につきましては、さきの3月2日に和歌山労働局と県との連携により共同就職支援センターを和歌山北部に開設したところであり、今後、このセンターなどを含め、就職面接会や各種セミナーの開催、企業情報の提供など、さまざまな事業をきめ細かく実施し、安定的な雇用の確保に努めてまいりたいと考えてございます。
○議長(大沢広太郎君) 総務部長小濱孝夫君。
〔小濱孝夫君、登壇〕
○総務部長(小濱孝夫君) 定額給付金の県内実施見通しについてお答えをいたします。
定額給付金の給付事務を行います各市町村では、可能な限り早期の給付開始を目指し、補正予算の編成や給付リストの作成、申請書の準備など、事務作業を急ピッチで進めております。
進捗状況につきましては、市町村の規模等により異なりますけれども、県内30市町村のうち28団体が年度内の申請書発送を予定しております。
また、そのうち2団体が年度内の給付開始を予定しておりまして、本日、その2団体のうち北山村が全国で3番目、西日本では最初となりますが、給付を開始することになっております。
その他の団体におきましても4月の給付開始を見込んでおりますけれども、可能な限りの前倒しに努め、一部の団体では年度内給付をも視野に入れて検討をしております。
県といたしましては、県内市町村の給付事務が円滑に行われるように引き続き協力してまいります。
○議長(大沢広太郎君) 福祉保健部長井畑文男君。
〔井畑文男君、登壇〕
○福祉保健部長(井畑文男君) 児童養護についての4点の御質問にお答え申し上げます。
まず、児童養護施設の整備についてでございますが、児童養護施設において子供たちが安心・安全に生活できるよう環境整備に努めているところであり、老朽化した施設につきまして、設置主体の資金負担の課題もございますが、各施設と協議を行う中で、計画的な整備に取り組んでいくこととしてございます。とりわけ、喫緊の課題でございます耐震診断につきまして、助成制度の活用を助言し、引き続き実施を強く求めてまいります。
次に、里親制度についてでございますが、国の平成21年度末の里親委託率の目標は15%であるのに対し、平成19年度末の全国平均が9.9%、本県の現状は6.4%となってございます。
里親制度は、家庭的な養育環境のもとで子供の養育を行うことができる重要な制度であり、里親会等と連携し、里親制度の普及啓発に取り組むことで里親委託率の向上を図ってまいりたいと考えてございます。また、里親制度と同様の趣旨で、新たに制度化されました養育者の住居で5人程度の要保護児童を養育するファミリーホームにつきましても、新年度から運営を支援することとしてございます。
次に、児童虐待についてでございます。
昨年3月の和歌山県児童虐待死亡事例検証委員会からの報告を踏まえました児童虐待防止対策の強化につきましては、子供を虐待から守る条例を制定し、これに基づき、虐待対応専門員の配置や虐待通告に対する48時間以内の安全確認の実施など、児童相談所の機能の強化を図ったところであり、引き続き虐待防止施策の推進に取り組んでまいります。
また、施設内虐待の防止につきましては、施設職員への研修等、これまでも積極的に取り組んでまいりましたが、児童福祉法の改正を踏まえ、研修や指導監査を通じて改めて趣旨徹底することで一層施設内虐待の防止に取り組んでまいります。
最後に、児童家庭支援センターの役割と児童相談所についてでございますが、児童家庭支援センターは、民間の施設として独自に、地域の児童、家庭、住民等からの相談に応じ、必要な助言や指導を行うこととなってございます。あわせて、児童相談所からは、施設入所までは要しないものの継続的な支援が望まれる児童や家庭に対しての指導等を依頼し、連携して対応することとしてございます。
以上でございます。
○議長(大沢広太郎君) 教育長山口裕市君。
〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 教育問題についてお答えいたします。
和歌山県教育振興基本計画は、長期総合計画に掲げる教育分野での将来像「未来を拓くひたむきな人間力を育む和歌山」を実現するため、本県が目指す教育の姿や目標、施策の基本的方向などをより一層明確に示すとともに、今後5年間で取り組む具体的な施策や取り組みを体系的に整理したもので、本県における教育に関する初めての総合的な計画となります。
本計画は、長期総合計画の基本的方向を踏まえ、政府としての教育振興基本計画に示された具体的な施策を参考にするとともに、市町村教育委員会や学校長会等にも御意見を求めつつ、パブリックコメントや有識者会議の指摘等を踏まえ、知事部局関係課とも連携しながら策定してまいりました。
今後、本計画をもとに、きのくに共育コミュニティの形成を核としながら、市民性を高める教育や地域の文化性を高める取り組みなど、本県の特色ある教育を着実に推進してまいります。
そのため、アクションプランの作成や各施策の進捗状況の点検・評価等を通じ、適時適切に新しい課題にも対応しながら、より効率的、効果的な計画の推進に努めるとともに、学校、家庭、地域、行政機関等がそれぞれの役割と責任を果たしながら、相互に連携、協力して取り組んでまいります。
高等学校の再編整備につきましては、平成18年度から平成20年度にかけ、第1期実施プログラムとして進めてまいりました。この第1期実施プログラムはおおむね達成できたと考えておりますが、特に中高一貫教育につきましては、設置以来、何分にもまだ日が浅く、その成果等について現在検証を進めているところでございます。今後、その結果等を踏まえまして、第2期実施プログラムの中で適切な対応に努めてまいります。
議員御指摘のとおり、本県でも生徒数の減少が進行する中、多様化する生徒の学習ニーズを勘案して、教育課程等の検討を進めながら、さらに魅力ある学校づくりを早急に進めていかなければならないと考えてございます。
第2期実施プログラムでは、現在の状況及び今後の動向の分析を踏まえまして、県内全域における定時制・通信制教育の充実、特別支援学校の過大規模化解消を考慮した和歌山市地域の再編整備、生徒減の著しい地域の再編整備等について検討することといたしました。また、第2期実施プログラムの策定に当たりましては、地域や学校の関係者から、学校を取り巻く現状や課題を踏まえまして、さまざまな観点から御意見を伺いながら、本県高等学校教育の質的向上と適正な学校規模を確保するよう、総合的に検討してまいります。
和歌山国体に向けた指導者体制につきましては、本年度から新たにきのくにジュニアスポーツ推進事業を創設いたしまして、専門の指導者がいない中学校に対し、高度な専門的な技能を持つ指導者をテクニカルコーチとして派遣してございます。また、退職した優秀な指導者などにつきましては、きのくにエクセレントコーチ制度を活用し、地域のスポーツクラブや複数の学校に広域的に配置し、競技水準の向上を図っているところであります。さらに、平成21年度には、ジュニアコーチスキルアップ事業といたしまして、ジュニア指導者のさらなる資質向上に努めることとしてございます。
今後も、和歌山国体に向けての県内の競技団体との緊密な連携のもと、小・中・高校の一貫した指導体制を構築するとともに、指導者の養成、確保と適正配置に努めてまいります。
なお、進学する中学校の変更につきましては、例えばいじめ等への対応や部活動等、学校独自の活動などを事由として弾力的な運用が可能な旨、文部科学省から既に通知されてきたところでございます。本県におきましては、このことについて、昨年、市町村教育長会議を開催し、地域や子供の実情に応じた就学事務が進むよう周知を図ったところでございますが、引き続き市町村への働きかけを続けてまいります。
教員選考検査における教員免許を有しない者を対象とした特別選考につきましては、一昨年度から設けておりますが、受検者が少ない上、合格基準に及ばず採用してございません。今後、幅広く人材を確保するため、特技や専門性をより重視した選考を検討してまいりたいと存じます。
県市町村対抗ジュニア駅伝につきましては、平成13年度から開催し、今回で8回目を数えております。参加チームにつきましては、市町村合併により一時減少したものの、各市町村の代表チームに加え、2チームまでのオープンチームの参加を認めることとしております。
本年につきましては、各市町村代表とオープンチーム10チームを加え、計40チームとなり、昨年より4チームが増加して、より多くの子供たちが参加できるようにしているところでございます。
開催を重ねるごとに子供たちのレベルは向上してきており、今後、新たな取り組みとして、各市町村の監督、コーチのレベルアップのための研修会を開催するなど、大会の活性化を検討してまいります。
和歌山国体を控え、各市町村におきましては、出場する子供たちはもとより、大会への出場を目指して各地域で実施する記録会や練習会がより一層活発に行われることを期待しております。
なお、今後、少子化によりチーム編成が困難な市町村への対応につきましては、大会実施要綱の見直しを含め検討するとともに、より一層充実した大会が継続できるよう工夫することとしております。
問題行動対策サポーター配置事業の経緯についてお答えいたします。
本事業は、問題行動が多発する中学校に対して落ちついた学習環境を保持することを目的といたしまして、平成19、20年度に実施し、児童生徒の暴力行為の発生件数が全国のワースト5位からワースト12位に改善されるなど、これまで一定の成果を上げることができました。
本年度、県警察本部におきましても同様の趣旨の新政策を検討しておられたことを受けまして、学校のニーズにこたえられる適切な人材の確保や教育効果の観点から検討した結果、来年度は県警察本部のきのくにスクールサポート事業として実施することで県警本部との一致を見たところでございます。
教育委員会といたしましては、本事業が教育的な効果を十分に発揮できるよう、計画から運用に至るまで積極的に対応することといたしております。また、配置されるサポーターが派遣先の学校長の指揮監督のもとで適切な活動が行えるよう、市町村教育委員会とも連携して配置校を指導してまいります。
以上でございます。
○議長(大沢広太郎君) 警察本部長永松健次君。
〔永松健次君、登壇〕
○警察本部長(永松健次君) 県民の安全・安心についてお答えをいたします。
まず最初に、高齢者の交通事故防止対策についてお答えをいたします。
議員御指摘のとおり、昨年、交通事故で亡くなられた方は63人で、そのうち65歳以上の方が28人、率にいたしまして44%の高率でありまして、本県の死亡事故の特徴の1つとなっているところでございます。
このような現状に加えまして、県民の高齢化率が高い本県の実情にもかんがみまして、高齢者が交通事故に遭わないための対策を重点的に講じているところでございます。具体的には、警察官による街頭指導の強化、交通安全教育の実施、夜間事故を防止する反射材の普及、高齢者世帯訪問による啓発などを行っているところであります。
また、高齢ドライバーに対する対策といたしましては、交通安全教育体制の充実による安全教育の強化、一般ドライバーに対する高齢運転者標識を表示した車両に対する保護義務の周知、本年6月から実施の高齢ドライバーに対する認知機能検査の適正な運用を図るほか、免許証の自主返納制度につきましても、今後一層その周知を図っていきたいと考えております。
次に、交通事故多発交差点や細街路などの交通事故防止対策についてお答えをいたします。
昨年の交通事故を道路形状別に見ますと、交差点とその周辺での発生が事故全体の約60%を占めておりまして、道路別に見ますと、いわゆる細街路を多く含みます市町村道での発生が全事故の約35%となっております。
事故多発交差点及び細街路の対策としましては、事故実態を分析した上、各種の対策を講じております。具体的には、警察官による街頭指導やパトカー、白バイによる警戒、信号機の設置、一時停止等の交通規制の実施、横断歩道を明るくいたします照明灯つき道路標識の設置、歩行者と車両を分離する歩車分離信号機の整備、道路管理者に対する道路改良や交差点マーク、道路照明灯等の安全施設の整備要請などを行っているところであります。
次に、少年犯罪の現状とその対策についてお答えをいたします。
少年犯罪の現状につきましては、犯罪少年の検挙者数が平成17年以降4年連続で前年を下回り、昨年は過去10年間で最も少ない809人にまで減少いたしましたが、刑法犯全検挙者数に占める少年の割合が約32%と、全国平均の約27%を大きく上回る水準にあります。とりわけ、少年検挙人員に占める中学・高校生の割合が約75%と高く、罪種別では乗り物盗などの窃盗が大半を占めております。また、教育現場である学校におきましても、改善傾向にはありますものの、依然として暴力行為等の問題行動が数多く発生している現状にございます。
こうしたことから、県警察としましては、小中学校において、いじめや万引きを題材にしました非行防止教室の開催や社会参加活動など、児童生徒の規範意識を高める活動を推進し、少年犯罪の検挙に加えまして、その抑止に努めているところでございます。
一方、教育委員会におかれましても、学校内の暴力行為等を減らす対策といたしまして、問題行動対策サポーター配置事業を実施しておりまして、警察も側面から協力するなど、これまでも相互協力を強めてまいりました。
その中で、他県におきまして、退職警察職員等のサポーターを中学校に配置しました結果、学校内の問題行動が沈静化する効果事例がありましたことから、これまでの警察事業であります学校に職員を派遣して行う非行防止教室と、教育委員会が実施しているさきのサポーター配置事業を一本化することによりまして児童生徒の規範意識を高め、非行防止と暴力行為防止の双方に一層の効果を発揮できるのではないかという観点に立ちまして、教育委員会との連携のもとに警察の事業として実施することで一致したところであります。
平成21年度の重点施策でありますきのくにスクールサポート事業におきましては、これまでの事業とは異なり、学校への配置日数が多くなることから、従来の問題行動対策に加えまして、学校内における生徒等の安全確保や通学路等における犯罪被害防止などの指導、学校区内の巡回や地域安全情報の把握などもあわせて実施ができることになります。実施に当たりましては、配置先の学校等と緊密な連携を図りながら、非行防止と保護対策の両面で少年の健全育成に努めてまいります。
最後に、振り込め詐欺対策についてお答えいたします。
大きな社会問題となっております振り込め詐欺につきましては、昨年、県内では179件を認知しておりますが、その特徴としましては、高齢者を対象としたおれおれ詐欺と還付金詐欺が増加し、特に還付金詐欺につきましては67件と、一昨年に比較して46件の増加を見たところであります。
このため、昨年7月に警察本部内に振り込め詐欺対策室を設置いたしまして体制を強化するとともに、昨年10月と本年2月に振り込め詐欺撲滅強化推進期間を設定いたしまして、マスコミ等との連携による被害防止キャンペーンに取り組んだほか、関係機関等と連携し、官民一体となった広報啓発及び取り締まり活動を推進しました。
その結果、昨年10月以降、被害は減少傾向にありまして、特に本年に入りましてからは、2月末現在で認知件数は8件、前年に比べましてマイナス32件でございます。被害額につきましては約763万円、前年比でマイナス2050万円ということで大幅に減少をさせておるところであります。
手口別に見てみますと、高齢者の被害が多いおれおれ詐欺と還付金等詐欺につきましては、本年に入ってからは発生を見ておりません。しかしながら、若年層を対象としました有料サイト利用料金の未納名目で現金を請求するといった架空請求詐欺でありますとか、融資保証金詐欺が依然として発生するなど、いまだ楽観を許さない情勢にあります。
検挙件数でございますが、昨年は、おれおれ詐欺実行犯や口座開設詐欺等の助長犯を32件20人、本年は2月末現在、同様の罪種で11件4人を検挙しております。
全国的に振り込め詐欺の手口がより一層巧妙化、多様化する中で、間もなく支給が開始されます定額給付金をねらった新たな手口の詐欺被害も懸念されますことから、関係機関等と緊密な連携のもとに抑止対策を継続しているところでありますが、3月2日から運用を開始いたしました迅速かつ大量の情報発信が可能なきしゅう君の防犯メール、こうしたものも効果的に活用いたしまして、被害防止の広報啓発を強化してまいりたいと考えております。
県警察といたしましては、今後とも治安の改善傾向を持続性のあるものとするため、振り込め詐欺抑止総合対策を県警察の重点目標に掲げまして、官民一体となった犯罪抑止対策を強力に推進してまいる所存であります。
○議長(大沢広太郎君) 答弁漏れはありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大沢広太郎君) 再質問を許します。
25番多田純一君。
○多田純一君 それぞれ御答弁いただきました。もうあんまり時間もございませんので、最初の景気対策につきましては、定額給付金も本当にいろんな意味で全国の中でも早い取り組みをしていただき、県内でも相当な勢いで準備等、それから、これからいろんな給付金につながるよう進めていかれると思いますけども、経済対策並びに景気対策待ったなしでございますんで、重ねてそこの対応を速やかにお願いをしたいと思います。
それから、1点再質問ですけども、教育長にお尋ねしたいと思うんですが、先日「産経新聞」に、今御説明ありましたスクールサポーター事業について記事が載っておりました。ちょっとだけ紹介しますと、「校内暴力に歯止めを」ということと「退職警察官を派遣 県警初、4月からまず4人」と、こういうような見出しで書かれていました。「米国の一部で導入されているスクールポリスにならったもので、暴力行為に対処するため、“こわもて”の元刑事らを中心に選び、荒れた学校を立て直して少年犯罪の減少につなげる考えだ。サポーターは校内外を巡回するほか、登下校時は校門に立って指導。勤務は1日6時間で、複数のシフトで対応する」、特に「和歌山市内の中学校を対象に暴力行為件数などを考慮して検討している」、──こういう記事がございましたので、改めて、アメリカや韓国にはスクールポリスという存在はございますけども、和歌山県ではそういう意味では初めてということになります。
学校を運営していく中で、最近ではスクールカウンセラーとか、またクラブ活動なんかでも外部の方に学校運営の中でサポートしていただくということはあるんですけども、そういう意味では、いよいよ警察本部が予算を持ってということになりますんで、今度の事業は、県教委がやっていたものを警察本部に予算を移すことで人材確保がしやすくなったという面と、運営主体が変わっていくような心配もあるんですね。少年犯罪を減少させることは、大いにこれは賛成ですけども、大きな一歩を踏み出してるというのであれば説明責任があるんじゃないかなと、こういうように思います。
派遣先の教育委員会の説明をどうするのか。また、そしてこのスクールポリスに対しての教育長のお考えを再度お聞きしたいと思います。
○議長(大沢広太郎君) 以上の再質問に対する答弁を求めます。
教育長山口裕市君。
〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 「産経新聞」に掲載された記事、私どもも拝見したことがございますけれども、その後、県警本部のほうと教育委員会との間で相当回数を重ねて協議をしておりまして、私どもの間では、スクールポリスのようなイメージは抱いておりません。
御懸念の点につきましては、十分な教育的配慮のもとに、この制度が効果的に運用できますように、今後とも県警本部と十分連携をとりながら、また市町村教育委員会なり学校長を指導して対応、運用してまいりたいというふうに考えます。
○議長(大沢広太郎君) 答弁漏れはありませんか。
〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(大沢広太郎君) 再々質問を許します。
〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(大沢広太郎君) 以上で、多田純一君の質問が終了いたしました。
これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
この際、暫時休憩いたします。
午前11時54分休憩
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