平成20年2月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(全文)


県議会の活動

平成20年2月
和歌山県議会定例会会議録
第5号
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議事日程 第5号
 平成20年3月6日(木曜日)
 午前10時開議
 第1 議員提出議案第1号、議員提出議案第2号、議案第1号から議案第16号まで、議案第31号から
議案第61号まで、及び議案第63号から議案第76号まで(質疑)
 第2 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議員提出議案第1号、議員提出議案第2号、議案第1号から議案第16号まで、議案第31号から
議案第61号まで、及び議案第63号から議案第76号まで(質疑)
 第2 一般質問
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出席議員(46人)
 1番 泉 正徳
 2番 山本茂博
 3番 前芝雅嗣
 4番 浅井修一郎
 5番 吉井和視
 6番 向井嘉久藏
 7番 門 三佐博
 8番 町田 亘
 9番 川口文章
 10番 平木哲朗
 11番 花田健吉
 12番 須川倍行
 13番 大沢広太郎
 14番 谷 洋一
 15番 平越孝哉
 16番 下川俊樹
 17番 岸本 健
 18番 尾崎太郎
 19番 藤山将材
 20番 新島 雄
 21番 山下直也
 22番 井出益弘
 23番 宇治田栄蔵
 24番 多田純一
 25番 中 拓哉
 26番 角田秀樹
 27番 江上柳助
 28番 山田正彦
 29番 坂本 登
 30番 尾崎要二
 31番 中村裕一
 32番 服部 一
 33番 片桐章浩
 34番 原 日出夫
 35番 藤本眞利子
 36番 長坂隆司
 37番 玉置公良
 38番 小川 武
 39番 冨安民浩
 40番 奥村規子
 41番 山下大輔
 42番 松坂英樹
 43番 藤井健太郎
 44番 雑賀光夫
 45番 野見山 海
 46番 松本貞次
欠席議員(なし)
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        原 邦彰
 知事室長       曽根義廣
 危機管理監      杉本雅嗣
 総務部長       小濱孝夫
 企画部長       森 崇
 環境生活部長     楠本 隆
 福祉保健部長     井畑文男
 商工観光労働部長   永井慶一
 農林水産部長     下林茂文
 県土整備部長     茅野牧夫
 会計管理者      小倉正義
 教育委員会委員長   樫畑直尚
 教育長        山口裕市
 公安委員会委員    片山博臣
 警察本部長      鶴谷明憲
 人事委員会委員長   守屋駿二
 代表監査委員     垣平高男
 選挙管理委員会委員  森本明雄
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       山本庄作
 次長         植野博文
 議事課長       薮上育男
 議事課副課長     土井敏弘
 議事班長       吉田政弘
 議事課主任      中尾祐一
 議事課主査      保田良春
 議事課主査      石垣悦二
 議事課主査      瀧川泰治
 総務課長       下出喜久雄
 調査課長       佐本 明
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  午前10時1分開議
○議長(中村裕一君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議員提出議案第1号、議員提出議案第2号、議案第1号から議案第16号まで、議案第31号から議案第61号まで、及び議案第63号から議案第76号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 13番大沢広太郎君。
  〔大沢広太郎君、登壇〕(拍手)
○大沢広太郎君 皆さん、おはようございます。
 ただいま議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
 なかなかこの機会に恵まれず、久々の登壇になり、また、本会議での一般質問になりますので、いささか緊張しております。どうか、県御当局のわかりやすい答弁をお願いいたします。
 さて、仁坂知事におかれましては、就任されて初めて最初から予算編成に取り組まれた平成20年度予算案は、財政大変厳しい折、特に国においては道路特定財源をどうするかといった大きな問題がある中で、県内の高速道路や基幹道路の整備、そして新設といった課題を解決してほしいという県民の切なる願いを実現するため先頭に立って指揮されていることに対して、まずもって感謝と敬意を表するものであり、新長期総合計画の実現に向けての第一歩であると評価をさしていただきたいと思います。
 さて、私のライフワークでもあります水産振興対策についてお伺いをいたします。
 現在の水産業界を取り巻く状況についてでありますが、漁獲量や魚価の低迷、昨今の原油価格の高騰に伴う燃料費の急騰は、県下の漁業関係者にとってはまさに危機的な状況下でございます。
 昨今、地元漁業者の集まりに呼ばれまして話をするたびに、漁業者の人から出てくる言葉には「沖に魚がない。釣れん」、「釣ってきても値段が安い」、「これでは生活できへん」と、言われる言葉が決まって同じであります。このような現状では、県下の漁村は跡継ぎもなく、漁業者は高齢化し、減少により、漁村の地域活性化を図っていく上においても大きな問題となってきているのであります。
 一方、世界的には水産物需要は、中国等の需要急増によって水産物は品薄となり、近い将来、日本の国内では水産物の絶対量が不足してくることが予想されるところであります。そのためには、沿岸漁業の生産性を高め、生産量を維持することが求められているところであります。つまり、沿岸主要漁業を持続するために、つくり育てる漁業の推進と養殖業の振興が重要となってまいります。
 本県の海面漁業は、昭和61年の生産量8万8000トン、生産金額432億円をピークとして減少の一途をたどり、平成17年には生産量3万5000トン、生産金額187億円と、昭和61年に対して生産量で39.7%、生産金額では43.3%と、その衰退ぶりには目を覆うものがあります。
 こういった状況の中、先日、県は平成20年度から5年間の「水産業活性化アクションプログラム」を公表されました。漁業所得の向上を目指し、経営基盤の再構築、流通戦略の構築、水産基盤の整備など、水産業活性化に不可欠な種々の施策を盛り込んだものであり、ぜひとも強力に推進していただき、本県漁業の再生の一日も早い実現を期待するものでございます。
 そこで、水産業の振興対策として、中型まき網漁業の再編、水産物産地市場の再編整備、養殖業の推進、つくり育てる漁業、イサキ資源回復対策の5点についてお伺いをいたしたいと思います。
 まず、1点目といたしまして、2そうまき中型まき網漁業は本県の主要漁業に位置づけられております。この10年間の漁獲量と漁獲金額を比較いたしますと、平成8年の漁獲量が1万6000トン、漁獲金額が32億1000万円であったのが、平成18年にはそれぞれ1万トン、15億3000万円と、漁獲量で62%に、漁獲金額では48%に大きく減少をしております。その上、燃油や漁業資材の高騰により、中型まき網の漁業経営はまことに厳しい状況になってございます。
 まき網漁業の不振は、田辺、日高周辺の運送や水産加工業を初めとする地域経済にとって大きな問題であり、根本的な漁業持続対策が望まれております。
 そこで、平成20年度当初予算に新規に計上されております漁船漁業構造改革事業の中型まき網漁業の再編について、知事の御所見をお伺いしたいと思います。
 2点目といたしまして、水産物の価格が大幅に低下し、沿岸漁業者の経営が厳しい中、水産業活性化アクションプログラムの流通戦略の構築として産地市場を拠点化する流通基盤の整備を掲げておりますが、私も漁業者の所得向上を図るためには産地価格を上げることが重要であると考えておりまして、一昨年、山口県の萩魚市場へ調査に行ってまいりました。この市場は、県一漁協となった山口県漁協が運営をしており、従来から水産物を仲買人に売り、市場流通をさすだけではなくて、萩しーまーとという直販施設を市場内に建設し、地産地消を目指し、直接消費者に販売をすることもやっておりました。本県も、多くの観光客が訪れる中、産地市場の整備の中に消費者に直接販売する施設をつくることも1つの案ではないかと考えます。
 また、価格向上のためには、衛生管理の行き届いた施設による水産物の安全で安心できる供給体制の整備が必要ではないかと考えられ、このためにも、産地市場の統合整備について、県、市町村、地元漁協の3者が一体となった取り組みが必要であり、そのもとに進められるよう私も提案をしておきたいと思います。
 そこで、アクションプログラムの主要事業であります新政策にも位置づけられている産地市場の再編整備について、知事の御所見をお伺いいたします。
 3点目といたしましては、養殖業の推進についてでありますが、養殖業者は、生産価格の低迷や魚粉の高騰による飼料価格の値上がり、それに加えて昨今の燃油の高騰等によって、まさに経営に窮しているのが現状であります。こういった状況を打破するには、漁業者サイドではいかんともしがたい問題があるわけでありますが、本県の主要養殖生産物のマダイにつきましては、経済的、効果的な飼育技術、価値を高める高品質化技術への取り組みが不可欠であります。
 試験研究機関である水産試験場においては、こういった技術開発に対する一層の取り組みと、現在進めているクエの種苗生産技術の安定化による新たな養殖魚種への取り組みが不可欠と考えられます。こういった技術開発に一層の取り組みと速やかな成果の普及に努力していただきたいと思うところであります。
 また、一昨年から、県南部の海域において県外からマグロ養殖企業を誘致しようとする動きがあり、新聞紙上でも話題となっております。本県でマグロ養殖が盛んになるということは、養殖業の活性化、さらには養殖マグロを目玉にした地域振興に大いに貢献するものと期待されるところであります。
 そこで、養殖業の推進に対する県の方針について、農林水産部長にお伺いをいたします。
 4点目といたしましては、つくり育てる漁業の推進についてでありますが、さきにも述べましたように、世界的な水産物需要の高まりの中、近い将来、いわゆる魚不足が深刻な問題となってくることは確実であり、その解決方法として、つくり育てる漁業の重要性が一層増してくるものと考えられます。県でもこれまで取り組み、アワビやヒラメ等では一定の効果を上げておりますが、今後どのように進めていくのか、県の方針を農林水産部長にお伺いいたします。
 5点目といたしまして、イサギ資源回復対策についてであります。
 田辺・西牟婁地区における個人経営体の漁業者の多くは一本釣り漁業者であり、その漁獲対策種としてイサギは主要な魚種となっており、そのイサギの資源の増大対策について質問をいたします。
 近年の燃油の高騰は漁業においても多大な影響を与えておりますが、田辺・西牟婁地区の一本釣り漁業者も、漁業経営の経費の負担が増大をしております。そこで、比較的沿岸域での操業で水揚げが可能なイサギの漁獲には、近年より大きな期待がかけられております。また、一本釣り漁業者から積極的な資源の増大対策を強く要望されております。
 そこで、イサギ資源の回復のために、現在の取り組み状況と今後の強化について、当局はどう考えておられるのか、農林水産部長の御答弁をお願いいたします。
 続きまして、高速道路関係についてであります。
 我がふるさと田辺市に、昨年11月に待望久しかった近畿自動車道紀勢線南紀田辺インターチェンジが開通をして115日が経過いたしました。このインターチェンジの開通で、田辺市内やみなべ町内で生じていた交通渋滞も一気に減少し、私の場合、この議場にマイカーで通うのに、自宅から早朝で1時間20分ぐらいで到着することができるようになりました。非常にありがたく思い、感謝の気持ちいっぱいであります。
 また、南紀田辺インターチェンジとみなべインターチェンジの12月の1日の平均利用台数は1万台を超え、多くの観光客や物流の大きな波が、紀南地方にも活性化をもたらすかのようにじわじわ押し寄せてきています。年末年始には、紀南地方を訪れてくれた観光客数も、白浜で対前年比2.6%増の8万2200人が、本宮では10.5%増の28万4700人が、県全体で5.1%増の108万5300人と、本県の人口数よりも多い観光客の数となりました。
 寒波に見舞われた2月の3連休には、近畿地方の高速道路では余り大規模な交通渋滞はなかったものの、湯浅御坊道路の上り線は有田インターチェンジから御坊インターチェンジにかけて最大25キロの渋滞が生じました。これは、梅林の花見客や温泉の日帰り客の増加で渋滞が生じたもので、紀南地方は京阪神からの日帰り観光地、つまり紀南は近い、いつでも行くことができるという身近な観光地となったということであります。
 道路が整備されると、多くの物資や観光客を安心に、かつ安全に紀南地方へ運ぶことができるのは間違いありません。救急医療、地域振興はもちろんのこと、観光振興から農林水産業の振興までも図れるばかりではなく、広くPRすることにより、企業誘致などにも大きく貢献できることは明らかであります。
 ところで、今、国や地方で大きな話題となっているのが道路特定財源問題でありますが、仁坂知事も、この財源がなくなれば県財政は破綻すると記者会見をされました。この財源がなくなれば、紀伊半島一周道路はそれこそ絵にかいたもちで終わるのであります。
 紀南地方は、過疎化により経済状況は年々疲弊してきています。高速道路がなければ、地方は陸の孤島となりかねません。本来、政治の原点とは、経済発展が停滞していたり過疎化している町や村にこそ力を差し伸べ、光を当てるのが政治のあり方ではないでしょうか。国土の均衡ある発展という観点から、紀伊半島一周高速道路は必要不可欠なものであります。
 現在、田辺─すさみ間の新しい道路づくりが新直轄方式によって進められており、知事は新長期総合計画で平成27年の供用開始に向けて取り組んでおられますが、この道路建設予定地の南紀田辺インターチェンジから白浜インターまでの間には約150軒余りの住宅が存在していると聞いており、用地買収交渉がかなり長引いてしまうのではないかとの心配の声が地元でもささやかれているのであります。私ども紀南地方の人間にとりまして、高速道路の一日も早い紀南地方への延伸は最大の悲願でもあります。
 地元住民は、県当局の用地買収交渉のスピードアップに向けた取り組みを強く望んでおり、平成27年の開通を待ち望んでいるところであります。田辺─すさみ間の早期供用に向けての取り組みについて、県土整備部長の答弁をお願いいたします。
 最後に、日本人のブラジル移住100周年についてであります。
 1908年4月28日、神戸港から出航した移住船「笠戸丸」に乗って日本人がブラジルのサントス港へ渡って以来、本年は100周年の記念すべき年であります。「笠戸丸」以降、日本からは戦前19万人、戦後6万人の約25万人の方がブラジルへ移住し、その子孫も含め約140万人とも言われる世界最大の日系社会を築き、日系人はブラジル国内では高い評価を得ています。
 我が和歌山県からも、戦前約5000人、戦後、特に28年水害の被災以降、約1700人が移住されており、苦難、苦闘の歴史の中で努力を重ねてこられ、多くの成功者を輩出しております。
 私の知人の1人でもあります、2003年から独立行政法人国際協力機構JICAの派遣により、日系社会シニアボランティアとして3年間ブラジルで活躍された眞砂睦君が「遠くて近い国」という本を出版され、その中で和歌山県出身の方々の活躍ぶりが報告されております。また、眞砂君も参画しているボランティアの皆さんが中心となって、この4月に和歌山県中南米交流協会が結成される予定であると聞いております。
 さて、ブラジルは、国土が日本の約23倍、人口は約1億8000万人、資源、エネルギー、食料などを豊富に有しております。また、世界的な航空機メーカーであるエンブラエル社を初め、自動車産業など中南米第一の工業国であり、日系企業もサンパウロ市を中心に約200社が進出しております。
 先日、ブラジルの鉄鉱石の値上げが大きなニュースとして報じられましたが、鉄鉱石も豊富で、住友金属工業においてもミナスジェライス州に合弁会社を設立し、高級シームレスパイプの製造を準備しているところであります。さらに、地下の水資源も豊富であるため、農業は有望であると考えられます。
 このようにブラジルは、移民という歴史的な視点からも、また経済的側面においても、本県にとっては非常に重要なパートナーであると思うところであります。
 このブラジルと本県との交流は、地理的に遠いということもあり、県人会との周年事業を中心とした交流などに限られてきました。県議会でも、平越孝哉先輩議員が会長をされております日伯友好議員連盟を組織して、県人会の周年事業に参加するなど、親善友好の活動を続けてきたところであります。しかし、前述しましたように、1世紀前には1カ月以上かかった2万キロの船旅も、現在、飛行機で24時間余り、近くなり、より県民レベルでの活発な交流が可能となってきております。
 また、近年、主に就労を目的に来日する日系ブラジル人の人たちが増加をしており、現在では在日外国人の第3位となる約27万人のコミュニティーが存在するまでになっております。
 このように、さらに密接な関係となったブラジルと日本が、移住100周年という記念すべき年を迎えたわけであります。また、来年は県人会を設立して55周年の節目の年でもあります。
 そこで、知事室長にお伺いをいたします。
 日伯交流の本年並びに今後の和歌山県の対応についてお答えをいただきたいと思います。
 また、ブラジルといえばサッカー王国であります。スポーツを通じての交流という観点から、本県とブラジルの中・高校生によるサッカー交流事業を立ち上げることもいかがなものでしょうか。
 以上で、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(中村裕一君) ただいまの大沢広太郎君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 先ほどの御質問に関しまして、まず中型まき網漁業の再編についてお答え申し上げたいと思います。
 議員御指摘のように、本県水産業につきましては、漁獲量の減少、それから魚価の低迷等により非常に厳しい、全国でも特に厳しい状況にあり、議員お話しの主要漁業である中型まき網漁業の不振は、漁協経営や流通など、地域経済に及ぼす影響が大きいと認識しております。そのため、県におきましては、平成20年度から24年度までの水産業活性化アクションプログラムを策定したところでございまして、この中で、とりわけまき網船団のスリム化につきまして、ミニ船団化によって現状の8船団から5船団に、80隻から35隻に再編成し、コスト削減及び資源の持続的利用を図ることにより経営の安定化を目指してまいりたいと考えております。
 次に、産地市場の再編整備についてでございます。
 漁獲高の減少によりまして、産地市場によりましては、必要最小最適規模を下回るんじゃないかと、そういうおそれのあるところが出てきております。そこで、産地市場に漁獲物を集約化し、水産物の安定供給と販路の開拓を図るため、現在ある46市場を10年後を目途に大規模な拠点市場を5市場に、それからシラス、イセエビ等の特定魚種については7市場とし、合わせて12市場を目指して再編整備を進める予定でございます。また、その中では、大沢議員御指摘のように、消費者にも直接アピールするようないろんな工夫もしてまいりたいと考えております。
 このような中、20年度におきましては、水揚げ用浮き桟橋、あるいは蓄養施設等の整備を行う合併漁協に対して支援を行うこととしております。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 農林水産部長下林茂文君。
  〔下林茂文君、登壇〕
○農林水産部長(下林茂文君) 水産振興対策につきまして、3点お答えを申し上げたいと思います。
 まず、最初の養殖業の推進に対する県の方針についてでございますが、本県の養殖業につきましては、漁業生産額の約30%を占めてございまして、本県水産振興の上で重要な柱となってございます。
 現在、魚類とヒロメを組み合わせました環境に配慮した養殖の取り組みも進めてございまして、今後は生産履歴を明らかにしながら、より一層安全・安心な本県の養殖業を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
 こうした中で、お話ございましたように、高級魚で知られますクエにつきましては、新しい養殖対象魚種として近年注目もされてございます。そうした中で、既に近畿大学と連携をとりながら取り組んでいるところでございまして、今後、より種苗の安定供給に努力をしてまいりたいというふうに考えてございます。
 また、近年、世界的な需要拡大による市場価値の高いクロマグロの養殖についてでございますが、資本と技術力を持った業者の参入につきましては、新たな地元雇用等、地域の活性化につながるというふうに考えてございまして、お話がございましたように、平成17年度から、勝浦湾における養殖に向けて、地元の町、また漁業関係者との調整を行ってきてございます。
 こうした中で、このたびこうした調整も整いまして、本日付でございますが、勝浦漁協に対して漁業権を免許いたしまして、この3月下旬から、150トン規模の養殖が開始をするということになってございます。地元も大いに期待をいたしてございまして、今後ともこうした地域と共存できる養殖に、より積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 次に、つくり育てる漁業の推進についてでございますが、平成17年5月に策定をいたしました栽培漁業基本計画、これに沿いまして、これまでマダイ、ヒラメ、イサキ等の魚類、またクルマエビ、アワビ等の放流を行ってきてございます。
 今後、水産資源の維持拡大を図るべく、漁業関係者や県の栽培漁業推進協議会の意見を聞きながら、新たな対象魚種の選定を行うとともに、良質な種苗を確保するということに取り組んでいきたいと考えてございます。
 さらに、放流までの中間育成、また放流後の小型魚の増殖場の造成等に努めまして、計画的かつ効率的につくり育てる漁業を推進してまいりたいと考えてございます。
 最後に、イサキ資源の回復対策についてでございますが、資源の増大を図るということから、国の水産基盤整備事業を活用いたしまして、平成18、19年度におきまして、イサキ稚魚の育成を行う漁礁を田辺地区に15基、白浜地区に15基、印南地区に15基、それぞれ設置をいたしておりまして、20年度におきましては御坊地区に15基、印南地区に7基を設置する予定で、イサキ増殖場の造成を進めているところでございます。
 イサキの種苗につきましては、財団法人でございます和歌山県栽培漁業協会で生産をされておりまして、本年度は漁業関係者によって約30万尾の放流を実施したところでございます。今後も、増殖場を中心といたしまして30万尾の放流を継続していく予定でございます。
 一方、漁業者の資源回復対策といたしましては、増殖場周辺におきまして漁業者みずから周年禁漁の取り組みを行ってございまして、漁場におきましては全長で20センチ以下の小型魚の再放流が実施をされてございます。これらの取り組みによりまして、徐々にその効果もあらわれてきているということでございます。
 現在、こうした自主禁漁中の増殖場周辺におきましては、漁業者の方々から公的規制を求める要望もございますので、今後検討してまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 県土整備部長茅野牧夫君。
  〔茅野牧夫君、登壇〕
○県土整備部長(茅野牧夫君) 高速道路関係のお尋ねでございますけれども、本県にとりまして紀伊半島を一周いたします高速道路の早期実現は、県民が暮らして、あるいは発展していくためのチャンスを保障するものとして極めて重要であると認識しております。そのためには、まず田辺─すさみ間の早期供用が必要ですが、この区間は、御承知のとおり新直轄方式で事業中でございまして、道路特定財源を使って整備しているため、国体までに供用いたしますためには現行の暫定税率等の継続が前提となっております。
 さて、具体的な進捗状況でございますけれども、田辺─すさみ間のほとんどの区間で用地幅ぐいの打設が完了し、用地測量、物件調査を行っているところでございます。来年度からは、県及び地元の田辺市、上富田町、白浜町、すさみ町が国から用地取得を受託する予定となっておりまして、用地測量、物件調査を終了した箇所から順次用地の取得に入ることとしてございます。
 事業進捗のためにも全力で取り組んでまいりますので、関係者のなお一層の御協力をお願いするものであります。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 知事室長曽根義廣君。
  〔曽根義廣君、登壇〕
○知事室長(曽根義廣君) 日伯交流の本年並びに今後の県の対応についてのお尋ねでございます。
 ブラジルとの交流につきましては、これまで在伯和歌山県人会の周年事業への参加や県人会子弟を技術研修生として招聘するなどの事業を行ってまいりました。しかし、県人会の構成員も3世、4世の時代を迎え、日本や県人会に対する意識も大きく変わってまいりました。
 こうした中、県といたしましては、本年7月に移住100周年記念事業として、県人会と共同し、参加者を募り、県民の皆様にブラジルを訪問していただくとともに、県人会及び県民からの事業提案による新たな青少年交流事業を行ってまいりたいと考えております。
 さらに、県人会設立55周年に当たる来年におきましては、これまで以上に幅広い分野の多くの方々に御参加いただけるような県民挙げてのブラジル、和歌山間の交流事業を県人会や和歌山県中南米交流協会等の皆様との連携のもと実現できるよう努めてまいります。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 再質問を許します。
 13番大沢広太郎君。
○大沢広太郎君 知事初め担当部長から答弁をいただきました。
 1点だけ要望させていただきたいと思います。
 きのうの坂本登議員の質問に対して、知事はミカンや梅農家の年間の所得を550万にふやすことを目標にしているという話がありました。
 一方、水産業に従事する人々、すなわち漁師と言われる人たちの所得は、年間200万どころか1カ月10万円も収入がないというのが現状であり、大変苦しい状況に置かれておることは事実であります。このままほっておくと大変なことになるのではないかな、そのように思っているところであります。
 そこで、県土の多くを海に面している地理的好条件を生かし、漁業、水産業の振興対策を図り、従事している県民の生活を安定させ、何とか漁業地域を活性化させて、かつて全国に名をとどろかせた水産王国和歌山をもう一度復活させていただきたい、そのように考えております。
 幸い、水産業活性化アクションプログラムを作成されておりますので、知事初め当局の皆さんのさらなる努力と実行を切に要望するとともに、水産業に取り組む人たちにも温かい手を差し伸べていただくことを強く要望して、私の質問を終わります。
○議長(中村裕一君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で大沢広太郎君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 35番藤本眞利子君。
  〔藤本眞利子君、登壇〕(拍手)
○藤本眞利子君 皆さん、おはようございます。
 当初予算の審議をする重要な当初議会で発言する機会を与えていただきました。ありがとうございます。
 先輩・同僚議員の質問と重複する部分もあろうかと思いますが、御容赦をいただき、議長のお許しをいただきましたので、一般質問を行います。御清聴、よろしくお願いいたします。
 まず、今議会に上程されている議案の当初予算から見る三位一体改革の影響と地方分権についてお伺いします。
 県の予算は、歳出規模5112億円、それに見合う歳入予算は5050億円ということで、収支不足62億円を県債管理基金の取り崩しによって補てんするといった大変厳しい予算編成となっています。県の予算規模を見ていくと、平成15年から20年までの5年連続マイナスであります。年々縮小され、20年度は15年度から比べて710億円もの減額です。特に15年度から16年度は、国の三位一体改革によって臨時財政対策債、地方交付税を合わせた286億円が一気に減額されています。その後、臨時財政対策債、地方交付税は毎年減額され、15年度予算に比べると500億円もの地方交付税、臨時財政対策債の額が減りました。
 平成15年度から20年度までの間の県税収入は、所得税から住民税への税源移譲や景気回復による法人2税が増収され276億円増となりましたが、この間、地方交付税等が445億円減らされていますので、差額である170億円は明らかに減収となりました。
 また、本県の財政規模は、残念ながら自主財源が4割、地方交付税、国庫支出金等の依存財源が6割と、国に大きく依存をしています。本年は、6年ぶりに臨時財政対策債と地方交付税がプラスとなりましたが、退職手当債などの増加で県債発行額は3年連続でふえています。
 また、臨時財政対策債も国が手当てをするという条件で借金をしているわけですが、5年経過をすれば順次手当てをするという約束も実行されず、臨時財政対策債の償還のためにまた臨時財政対策債を発行するという、借金を借金で返すということになりました。
 このように地方いじめとも言える三位一体改革は、当時、国と地方の財源配分だけの問題ではなく、真に地方分権改革実現の第一歩となる改革であると主張され、進められたものでありました。その当時、政府は、改革の第一歩は少々苦しくともきちんと税源移譲を行い、中央集権ではない地方分権の政治を進めるのだと国会でも答弁されたと認識をしています。しかし、その後5年が経過をしましたが、地方分権は遅々として進みません。現在の地方自治体の疲弊は目を覆うばかりであります。地方分権は、地方が自由に使えるお金をふやすことなしには成立しません。
 そこで、知事に、過去に行われてきた三位一体改革を現在どのように評価をされているのか、まずお伺いします。
 また、富が東京に一極集中しているという格差の中で、今のままでは地方の予算は縮小していくばかりであります。国に、使い道の決められている予算を下さいと言うのではなく、知事のすべきことは、国と地方の税の配分の是正を求めていく、地方が地方の必要に応じて自由に使える予算の仕組みを求めていくことだと考えます。
 昨年の6月に地方6団体と地方分権推進連盟が求めた、「地方にできることは地方で」といった地方分権についての意見は、ほぼこの言葉に集約されているものと認識をしています。そういったことを前提に、地方分権についてどのように考えられているのか、知事の御見解をお伺いします。
 自主財源の乏しい当県にとって、三位一体の改革でこうむった被害は、まことに深刻であります。国会のほうではまさに暫定税率をめぐる論議がなされているわけでありますが、暫定税率はそもそも期限法であり、暫定を続けるかどうかは期限の切れる時点で真剣に議論されることは当然であります。県として、三位一体の改革でこの5年間で500億円減額され、またぞろ120億円もの予算が減額されるということになれば、いいかげんにしてくれという気持ちになるのは当然であります。しかし、暫定税率にかかわる動きの中で、廃止反対に向けて知事が先頭に行っていることは、まさしく県民に対する━━━ではないでしょうか。
 県が説明しているパンフレットの中身は──これでありますが、(パンフレットを示す)道路特定財源の暫定税率が廃止されれば、それこそ危険な道路の改修も通学路の整備も災害の救助もできない、助かる命も助からない、ビジネスチャンスも生まれない等々、何もできなくなるオンパレードであります。税金で立派なパンフレットを作成し、道路協会が作成したチラシ、市町村によってはこれを広報紙と一緒に全戸配布まで行いました。世論を二分している政策について━━━をかけて人心を惑わすのは、県民の生活を預かる知事としていかがなものでしょうか。
 知事は、和歌山県のホームページで、「いずれにしても、全ての情報を出して国民や県民に正しい判断を期待するのが正道です。一方的な情報(今回の場合は、『税金を下げてガソリン代を下げよう』)だけを流して、その影響を知らない地方の人々を誘導していくというのは邪道です。せめて県政だけは、県民に全ての情報を提供して、偽りのない行政をしたいと思います。」と述べられています。
 しかし、知事の述べられていることとチラシの内容には大きな乖離があると考えます。暫定税率の廃止に伴う影響は、もちろんあるでしょう。しかし、経済活動のマイナスは、暫定税率が廃止されることだけで生じるわけではありません。暫定税率が継続されることによる影響も大きいものがあります。ガソリンの高騰や生活用品、食料品の値上げが県民の生活を大きく圧迫していることも事実であります。農業、漁業の1次産業を初め運輸業など、企業活動もさまざまな形で圧迫されています。このままでは消費の動向にも大きな影響が出始めると考えられます。県民に判断を求めるのであれば、論議されている両方の意見を併記することが知事としての見識であると考えます。
 知事は、納税者である県民に対し、納められた税金が適切に使われるような予算の使い方を決めるという大きな権限を持っています。知事の権限は絶大であります。それゆえに知事は、財政の苦しい中でも県民の生活をより豊かに、安心して暮らすことができるようにと知恵を出し、当初予算を組まれたことと思います。行財政改革を積極果敢に取り組まれています。何もできないというのは極論であります。
 県民を━━━のではなく、安心して暮らすことのできる政治を求めていく姿勢こそ示すべきだと考えます。高いガソリン税、自動車税に係るさまざまな税金を納めている納税者に丁寧な説明をすべきです。県民に対して、県として何としても県民の皆さんの生活を守りますとおっしゃるべきです。国には、県民の生活を守るためにしっかり主張すべきことは主張していただきたいと思いますが、県民に対して知事の行われていることは、国土交通省の言い分を代弁しているとしか思えません。
 県民の中には、知事の言動に違和感を持っている方が大勢おられます。私は、県民に選ばれた代表の1人として、県民の皆さんの幅広い意見を聞いていただきたいと思います。知事の見解をお聞きします。
 次に、食の安全についてお伺いします。
 昨年の世相をあらわす漢字は「偽」ということでありました。不二家、ミートホープ、白い恋人、赤福、吉兆と、毎日と言っていいぐらい食品偽装問題に揺れ動き、食品についての信頼は大きく失われたと同時に、県民は食品表示に大きな不信を抱きました。
 このようなことから、県として食品の適正表示についてどのような対策をとられたのか、また、食品偽装のチェックを強化していく必要があると考えますが、今後どのような対策をされるのか、食の安全を所管する環境生活部長にお聞きします。
 次に、今年に入ってもジェイティフーズやCO・OPの中国製ギョーザからメタミドホスが検出され、それに関連した天洋食品の冷凍食品を扱っていた大手企業は自主回収を行いました。またもや食物に関する安全が揺らいでいます。
 食物の安全は県民の命につながる重要なことであり、メタミドホス、ジクロルボスなど有機燐系農薬がいつ、どこで、どのようにして混入されたかは、関係機関の捜査による早期の真相解明を待つものであります。
 我が国の食料自給率は、カロリーベースで39%と多くの食品を輸入に頼っています。市場には、多くの輸入された野菜類や加工食品を初め、ありとあらゆるさまざまな食品が流通しています。野菜については残留農薬、加工食品にあっては食品添加物や遺伝子組み換え作物の使用など、消費者にとっては不安になるところであります。
 このような輸入食品を含め、国内流通食品の問題に対して現在どういったチェックをされているのか、また、健康被害につながる有害な物質が発見されたときはどういった措置をされているのか、またさらに、今後県としてはどのような検査をされるのか、あわせて環境生活部長にお伺いをします。
 食の安全にかかわって、学校給食における食育についてお伺いします。
 県は、19年の3月に食育基本法及び食育推進基本法の趣旨を踏まえ、和歌山県の特色を生かした食育を総合的かつ計画的に推進するための指針として「和歌山県食育推進計画」を策定されています。
 石塚左玄著「通俗食物養生法」の中で、学童を養育する人々は、体育、知育、才育はすなわち食育にあると考えるべきであると食育の重要性を述べており、食育基本法は生きる上での基本であり、知育、徳育及び体育の基礎となるべきもので、さまざまな経験を通じて食に関する知識と食の選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てるとしています。食育の重要性が示されたのですが、今の時期に食べることについての法律ができるということ自体、食料自給率の問題も含めて食の危機は深いと考えるべきだと考えます。
 朝食を食べないという児童生徒の増加、夕食を塾の帰りにコンビニで済ます、1人で食べる個食の増加等々、子供たちの食の実態は大きな偏りを示しています。県では、食育推進計画を作成し、取り組みを進められていますが、掲げている数値目標のハードルは高いものがあります。
 残念ながら、和歌山県の学校給食実施状況は全国でも低い水準であります。特に中学校の実施状況が低く、全国平均が90.7%に比べ、52.2%と大きく差をあけられています。朝食を食べずに登校し、昼は菓子パン等で過ごし、夕食は塾に行くのにコンビニ弁当で済ますといった実態もあり、成長期の生徒の食は大変憂慮するものがあります。
 学校給食は当該の市町村が責任を負うものでありますが、県教育委員会として見解と、設置されていない市町村に対してどのような支援や指導を行っていくのか、教育長にお聞きします。
 また、学校給食の中でも、食品の安全についての危惧の声が広がっています。成長期にある子供たちが毎日食べる学校給食に、地元でとれた安全な食材を使っていただく地産地消が強く求められています。
 紀北地域は、食料自給率が60%を超える地域であります。その中で、紀の川市を中心に有機農業生産者の方々の積極的な働きかけの中で、学校給食にいち早く地産地消が取り入れられています。私も打田中学校に視察に行かせていただき、給食の様子を見せていただくとともに給食をいただきました。大変おいしかったです。使われている野菜はだれそれのおじいさんであるとか、きょうの献立は栄養的にはこういったことであるとか、給食の情報がきちんと提供され、生徒たちは給食をとても楽しみにしている様子でした。生産者の顔が見える、食材と調理する人の顔が見える、献立を決める人の顔が見える給食が実施されていました。
 そこで、教育長にお伺いします。
 全県の市町村で地産地消を推進していくべきだと考えますが、教育委員会として計画をお示しください。
 次に、国体をきっかけにしたスポーツ振興について教育長に何点かお伺いします。
 県では、平成27年度開催予定の第70回国民体育大会を見据え、競技力の向上と生涯スポーツの振興、さらに学校体育の充実、子供の体力向上、スポーツ施設の整備等を図るため、10年間を見通した基本計画をしています。
 国体開催を目標に、当初予算にも青少年の体力・競技力向上の予算が上程されています。中学校に専門コーチ、選手育成強化合宿に強化コーチの招聘、高校にもエクセレントコーチ、ゴールデンキッズの発掘プロジェクトと、昨年の倍の予算が組まれました。競技力向上のための選手を育成するのに指導者が必要なことは言うまでもありませんが、どの競技の指導者がどこで指導を行うのかということを視野に入れる必要があると思います。
 新たに招聘する指導者をどういった形でどのように活用しようと考えているのか、お伺いします。
 教育委員会は競技会場の確保を進めるよう準備をしていますが、皆さん御存じのとおり、本県公共スポーツ施設の老朽化は著しく、現有施設では到底対応できません。施設を新たに整備する場所は、国体終了後も地域住民のスポーツ活動の拠点として広く活用していく配慮が必要と計画の中にも明記されています。
 そこで、現有施設では対応できない競技について、県として具体的に新たな施設の建設をどのように考えているのか、また、現有施設では対応できない、予算的な面で建設は無理であるとする競技についてどのように対応するのか、お聞きをします。
 平成18年のスポーツ生活実態調査によると、スポーツをしない理由について、「どこで何をしているのか知らない」、「身近に施設や場所がない」というのを合わせると、20代から70代まで平均して3割から4割の比率です。国体に向けての準備をきっかけに、県民がスポーツに親しみ、スポーツ人口の広がりと競技の幅の広がりにつながるような取り組みをしていただきたいと考えるものです。
 県民の皆さんが身近でスポーツが行えるような取り組みをどのように進めていかれるのか、お伺いします
 学校教育の中での体育のあり方についてお聞きします。
 県の体力調査によると、子供の体力は1985年ごろをピークに各種目とも低下してきており、先日、多田議員が指摘されたように、本県の低下の状況は全国に比べて深刻な状況になっています。
 また、学力の格差も問題でありますが、同時に体力格差も大きくなっています。日常スポーツ活動をしている児童生徒としていない児童生徒では大きな差が生じています。外遊びが少なくなり、室内や野外でもゲーム等で遊ぶことが多くなっており、全体的に基礎的な運動能力の低下も顕著であります。ゴールデンキッズ発掘プロジェクトも、ある意味必要な取り組みと考えますが、児童生徒の体力の底上げも大変重要です。子供の体力の現状と今後の取り組みについてお聞きします。
 以上、教育長、よろしくお願いいたします。
 雇用問題についてお伺いします。
 少子化の出生率の問題ですが、2005年の1.26から2006年の1.32というふうに少し出生率は上昇したものの、低迷を続けています。少子高齢化の波はとまりそうにありません。少子化対策として子育て支援は進めなければなりませんが、少子化対策の前に、結婚できない若年層の広がりが少子化の原因だという指摘をしている本もあります。
 県の平成17年度の就業状況調査による推計値として、15歳から34歳までの若年者の就業状況の推計は、アルバイトやパートなどフリーターと呼ばれる非正規雇用で働く人数は1万4000人余り、ニートは5000人余りと推計されています。およそ2万人余りが不安定な就業形態となっており、県の15歳から34歳の住民基本台帳人口1割に当たります。安定した仕事が保障されてこそ将来への生活設計が成り立ちますが、今よく言われている年間所得が200万円以下では結婚も出産も夢のまた夢であります。
 雇用問題は、日本の社会の将来の問題であります。このまま推移していけば、後10年後、20年後、少子化はますます進み、高齢者と税金を納めることのできない県民がふえ、年金どころか、将来の社会設計ができなくなります。
 国ではフリーター25万人常用雇用化プランを進めており、いわゆる年長フリーターについて、トライアル雇用から正社員に採用した場合、若年者雇用推進特別奨励金が事業者に落ちる仕組みになっています。この制度で15歳から34歳までの人口のフリーターは若干減少していますが、全体的にフリーターと呼ばれる非正規雇用者はいまだ増加傾向が続いており、抜本的な救済になっていません。
 就職氷河期の世代プラス規制緩和による派遣労働枠の拡大によって生じた非正規雇用の若年者の存在は、いわゆる社会や政治が生んだ社会問題だと考えるべきだと思います。
 今こそ非正規雇用を正規雇用に切りかえる抜本的な対策が必要です。フリーターと呼ばれる非正規雇用者の雇用の安定について、商工観光労働部長にお聞きします。
 もう1つ、ニートの問題なんですが、ニートの問題はフリーターの問題と若干違いがあるかと思います。県内には5700人いると推計をされています。全国的には、ニートはその4割が不登校を経験していると言われています。
 教育委員会の調べによると、小学校で不登校になった児童は、中学校においても登校できず卒業する確率が大変高いという状況であります。中学校卒業時では、全日制や定時制に進学をする生徒は66%。25%の生徒が進学も就職もしていないというのが実態です。基礎的な学力をつける、人間関係をつくる、社会性を養うといった小中学校時代を不登校という形で集団生活を送れていない人が、社会に出て出会う困難は想像にかたくありません。
 また、ニートの中には、ひきこもりであったり発達障害であったりと、人間関係の構築が大変難しい状態の方もおられます。
 平成18年度からニート対策として厚生労働省が地域若者サポートステーション運営を始めていますが、議会でも、これは多田議員の質問の回答の中で、設置について鋭意検討を進めるというふうに議会では答弁をされています。
 サポートステーションは、ニートの方の就労支援を基本に運営されると聞いています。しかし、就労の意欲を高めるためには1人1人に合った相談活動や人間関係づくりが大変重要であると考えます。せっかくのサポートステーションがニートの皆さんの支えになるような存在にしていただきたいと思いますが、商工観光労働部長に進捗状況をお聞きします。
 また、ニート対策は雇用推進課だけの問題ではなくて、ニートの4割が不登校を経験しているということですから、教育委員会との連携も必要だと思います。また、青少年課ではひきこもりの居場所づくりや社会体験の実施などを通してニート問題に取り組んでいます。情報の共有や効果的な取り組みのためにも縦割りでない横の連携が必要と考えますが、今後の対策についても商工観光労働部長にお伺いをします。
 最後に、障害者雇用についてお伺いします。
 障害者自立支援法の改正により、障害者の就労支援の充実に向けての施策が始まっています。厚生労働省は、福祉から雇用へ推進5カ年計画を示し、就労支援事業の全国展開をするとともに、全国都道府県において工賃倍増5カ年計画による福祉的就労の底上げも図っていくとしています。
 県の産業技術専門学院の総合実務課で4月入校生の卒業生を送り出しますが、全員の一般就労が予定されているということで、大変私は喜んでいます。しかし、それは障害者のごく一部であり、多くの皆さんは就職の道を閉ざされています。全国的には、養護学校の卒業生1万2000人のうち55%の方が福祉施設へ入所し、そのうち就職のために施設を出た人は年間1%という状況です。和歌山県においては0.46%、全国ワースト2位です。
 企業の法定雇用率の取り組みは、平均すると一応クリアしているものの、法定企業の半数が障害者雇用をしていません。それに加え、精神障害、知的障害の方々の雇用はもっと厳しいものがあると聞いています。障害者雇用の問題は、福祉で手当てをし送り出す部分と、雇用促進を進める部分と、ハローワーク的な部分と、それぞれの役割が機能できるようにしなければなりません。
 そこで、商工観光労働部長に、県として障害者雇用を進めるためにどのように取り組みをされているのか、現状と今後の対策をお聞きします。
 以上で、第1問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(中村裕一君) ただいまの藤本眞利子君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、三位一体の評価及び地方分権の推進についてお答え申し上げたいと思います。
 まず、三位一体の改革の評価についてでございますが、私は、その意気込みは地方の自立性を高めるものであったというふうなものでありましょうけれども、実は地方の裁量を高めるという点では十分ではないと思いますし、削減された補助金に見合うだけの税収が得られない本県のような地方自治体に対して、さらに財源保障機能を果たすべき地方交付税が大幅に削減された結果、全国どこの地域に暮らしていても日本国民として受けるべき必要最小限の行政サービスの提供ですら和歌山県においては支障を来しかねない状況に至っているという認識をしております。
 次に、地方分権についての見解でございますが、その実現には、まず国と地方との役割分担の徹底した見直しを行って、国が責任を持つべき分野と、それから地方が責任を持つべき分野、これを明確にするということが大事だと思います。それとともに、国が責任を持つ分野については地方に負担をかけずに遂行する一方、地方が責任を持つべき分野については責務に見合った財源が確実に保障される制度設計が必要であると考えております。
 全国の知事会などとも連携し、県民にとってどの地域に暮らしていても勇気と希望が持てるような、そういう地方分権改革となるように、今後とも必要な主張を行ってまいりたいと考えております。
 次に、道路特定財源あるいは暫定税率に関する問題につきまして、私の知事としての立場が問題ではないかというようなお話がございました。それについてお答え申し上げたいと思います。
 まず、藤本議員は、これは県民に対する━━━ではないでしょうかとおっしゃいました。それから、パンフレットなどで危険な道路の改修も通学路の整備も災害の救助もできない、助かる命も助からない、ビジネスチャンスも生まれない等々、何もできなくなるのオンパレードであるというふうにおっしゃいました。議場からは、そのとおりやないかというようなお話もありましたが、━━━をかけて人心を惑わすのは県民の生活を預かる知事としてはいかがなものでしょうかというふうにおっしゃいました。
 私は、間違ったことを言って人を惑わすということは絶対にいけないと思います。だけども、私が申し上げていることのどこが間違っているんでありましょうか。正しいことを県民にお伝えしなきゃいけないというのは知事としての責務であると私は思います。
 第2に、せめて県政だけは全ての情報を提供して偽りのない行政をしたいと思いますと、私が実は「県民の友」に書かせていただきました。本当にそう思っております。チラシの内容には大きな乖離があるというふうに考えますとおっしゃいましたけれども、どこに偽りがあって、それで、すべての情報を私は提供しようとしているのに、どこにその偽りがあるのか、ぜひお教えいただきたいというふうに考えております。
 それから3番目に、ガソリンの高騰や生活用品、食料品の値上げなどで県民の生活が圧迫されていると。そのとおりであります。和歌山の県民は、なかなか長い不況がありました。なかなか皆さん苦しいわけです。みんな、生活にあえいでいる方が多い。そういうときに、じゃどういうふうにしたらいいのか。それに対してガソリン税の値下げがすべてであるというような感じのことを、これは感じでございますが、というふうに聞こえました。それに対して、それはまた一方的なことだけ申し上げますと、正しき問題ですから、すべてのことを申し上げますと、確かに生活が苦しいですから、ガソリン税の値下げをいたしますと、消費者の方々は何がしかの追加的な所得があると思います。その結果、一般的な経済は、消費需要が喚起されると思いますので、その分だけ浮揚すると思います。ところが、経済学の教えるところによれば、有効需要というのは、消費だけではなくて、当然投資もあります。
 我々の試算によれば、それはもう公表しておりますが、実は私どもは、その減税された分、マイナスになったお金、そのマイナスにならなかった部分を実は県債等々でずっと昔から膨らまして、それで投資に充てております。したがって、消費がふえる分よりも投資が減る分のほうが大きいわけであります。仮に、消費と同じように減税によって行われる消費の拡大と、それから投資が減る部分とが同じであったとしても、経済学の教えるところによれば、それはその一体分だけ景気が悪くなるということなのであります。
 したがって、和歌山県の困っている県民は喜んで景気がよくなると思ったら、実は景気がもっと悪くなってしまうということもまた申し上げなきゃいけない事実なのであります。真実を語って何が悪いのか、そういうことを申し上げたいと思っております。
 また、運輸業などで困っておられる人のことを考えないのかというような感じのお話がございました。私は、困っておられる方は物すごくたくさんあると思います。しかしながら、もし仮に燃料代が安くなってコストが下がったときに、そのコストが果たしてその中小企業の運輸業者の手元に残るでありましょうか。
 経済の取引というのは市場で行われています。例えば、荷主のほうがもうちょっと力が強かったときに、「おまえ、コストが下がったんやね。ほんなら値下げしてくれへんか」と言われてどういうことになるでありましょう。これは中小企業も同じであります。それが、まだ力のない和歌山県にとっては悲しい現実じゃないかなというふうに思います。そのときにだれがその問題を補償してくれるんでありましょうか。そういうことも考えておかないといけない。甘い言葉だけで県民を惑わしてはいけない、というのが県知事としての責務ではないかというふうに思います。
 次に、高いガソリン税や自動車に係るさまざまな税金を納めている納税者に丁寧な説明をするであります。まさに丁寧な説明をしているのであります。どこが丁寧ではないのでありましょうか。25円値下げできますとしか言わないチラシを配る人よりもずっと丁寧ではないかというふうに私は思います。
 それから、どんなことがあっても県として何としても県民の皆さんの生活を守りますというのが筋ですとおっしゃいました。暫定税率が廃止されてもそういうふうにおっしゃれと言うのでありましょうか。県民に偽りを言えとおっしゃるんでありましょうか。私は、かけ声だけの無責任な知事ではありません。方針のために真実に口をつぐむような知事であってはいかんと思います。
 今の東京都なら、私はそれができると思います。なぜならば、最近、法人事業税ががばっと入りましたから、随分懐は豊かです。何年間ぐらいは特定財源が来なくても、それはつないでみせるということは言えます。だけど、一昨日御報告申し上げましたように、和歌山県は大変な財政危機にあって、それでこれから5年間に県の職員を1000人ぐらい切らないといけないと。切るというのは言葉が悪いですが、人員削減をしなきゃいけない。こういうような状況にございます。どういう気持ちでああいうことをしなければいけないと、そういうことをやろうとしているのかということをぜひちょっと考えていただきたいと私は思います。そういうときに、良心のある人が、私は、何としても、どんなことがあっても県民の皆さんの生活を守ります、すなわち道路もちゃんとつくってあげます、ほかのとこへ影響出ません、大丈夫ですと、どうしてそういうふうに言えるんでありましょうかということでございます。
 それから、国土交通省の言い分を代弁しているとしか思えないとおっしゃいました。閣議決定をひっくり返して和歌山県立医大の定員を国からとってまいりました。それから、地デジで総務省を震撼させております。国の責任だと言って。そういう知事に言う言葉でありましょうか。
 それから、違和感を持っている方も多いとのお話でした。実は、これはそうだと私は思っています。党利党略で違和感を持っている人ばかりでは決してないと思います。というのは、やっぱり言われたくない、もっと甘い言葉を言ってもらいたいという気持ちが県民の皆さんみんなにおありだと思います。だけど、甘い言葉を言ってても、もしそれが真実であるとすれば、いつか現実になって我々の生活にはね返ってきます。それをこういうふうになると思いますよと言って事実をお伝えするのは、県としての私の責務ではないかと思います。
 それから、幅広い意見を聞くのはいかがですかということをおっしゃいました。それはそのとおりであります。幅広い意見はいつでも歓迎をいたしております。
 私は和歌山県を愛しておりますけれども、党利党略はありません。私の知らない真実があれば、それは私がその真実の部分を受け入れるということは全くやぶさかではないのでございます。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 環境生活部長楠本 隆君。
  〔楠本 隆君、登壇〕
○環境生活部長(楠本 隆君) 食の安全に関する3点の御質問にお答えを申し上げます。
 まず、食品表示につきましては、我が国では食品衛生法やJAS法など複数の法律により表示が義務づけられておりますが、事業者にとりましても複雑な規定となっております。
 議員御指摘のように、昨年から頻発した食品の偽装表示によりまして消費者の食品に対する信頼が著しく損なわれたことから、食品関係事業者等への注意喚起を行い、施設監視指導におきましても適正表示を指導いたしております。また、食の安全タウンミーティングあるいはシンポジウム等で消費者への情報提供に努めているところでございます。
 新年度からは、JAS法の所管を現在の農林水産部から私ども環境生活部に移しまして、食品表示に対しましては一括して対応をしてまいりたいと考えております。また、各事業者に対しまして、食品表示に精通をした食品表示推進者を養成していただく新たな制度を創設いたしまして適正な表示を促すことといたしております。
 次に、輸入食品の検査についてでございますが、輸入食品の検査は、国が検疫所におきまして書類審査や抜き取りによるモニタリング検査、あるいは違反の蓋然性の高い食品につきましては検査命令により輸入業者に検査を実施させているところでございます。
 しかしながら、国の検疫所における検査、18年度では輸入総件数が約185万件のうち、検査をいたしましたのがその1割程度の20万件にとどまっている実情でございます。このため、現在、国におきましては、その件数を少しでも増加をさすべく体制整備等の検討に入ってると伺っております。
 県におきましては、輸入食品を含めまして、県内で流通をしております食品について、食品衛生監視指導計画に基づきまして残留農薬や食品添加物等の検査を実施しているところでございます。20年度では970検体、1万8350件の検査を予定しております。そのうち輸入食品につきましては、検査割合を現在の1割程度から2割ないし3割程度に引き上げるとともに、適正かつ迅速に検査を実施できる体制整備にも努めてまいりたいと考えております。
 また、違反を発見した場合、当該食品の廃棄あるいは回収等の措置を業者に行うとともに、名称等を公表いたしまして健康被害の拡大防止に努めております。
 今後とも、県民の皆様の食の安全確保のため、より一層の取り組みを行ってまいる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 商工観光労働部長永井慶一君。
  〔永井慶一君、登壇〕
○商工観光労働部長(永井慶一君) まず、若年者雇用の2点について、まとめてお答えさせていただきます。
 フリーター等若年者の雇用の安定につきましては、県経済の活性化や少子化対策などを図る上で大変重要であると認識しており、新長期総合計画におきましても教育委員会との連携を図りながら対策を進めていくこととしてございます。
 現在、県ではジョブカフェ・わかやまを若年者の就職支援拠点として、ワンストップでさまざまなサービスを提供しているところでございまして、本年度は新たにジョブナビゲーターを配置し、巡回相談の充実を図っているところでございますが、新年度におきましてもインターネットを活用した支援体制の強化に努めてまいりたいと考えてございます。
 さらに、県立産業技術専門学院における職業能力開発や和歌山労働局等関係機関と連携した各種企業面談会の開催などを通じて、若年者の雇用の安定に努めているところでございます。
 次に、地域若者サポートステーションについてでございますが、近年、社会問題となっておりますいわゆるニートと呼ばれる若者を就労へ誘導するための支援拠点として設置するものでございまして、若者の自立促進のための有効な手法であることから、新年度の重点施策と位置づけ、開設に向けて取り組んでいるところでございます。
 また、運営に当たりましては、民間団体や教育、保健・福祉等の関係行政機関によるネットワークを構築し、1人1人の状況に応じた継続的な支援を行ってまいりたいと考えてございます。
 次に、障害者の雇用対策についてお答えいたします。
 県では、障害者就業・生活支援センターを計画的に整備し、障害者の求職活動支援や企業に対する雇用管理に関する助言など、身近な地域で職業生活を継続できるよう、生活面を含めて一体的に支援しているところでございます。
 なお、センターにつきましては、本年度、伊都地域と東牟婁地域に設置したことにより県内5地域となり、障害者がひとしくサービスを受けることができると考えてございます。
 また、障害者の自立に向けた職業能力向上への取り組みといたしまして、障害者の態様に応じた職業訓練の実施や技能競技大会アビリンピックを開催しているところでございます。
 今後とも広く啓発活動を実施し、社会の理解と認識を高め、障害者の雇用促進に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) まず、学校給食につきましては、児童生徒の心身の健全な発達に資し、食生活の改善に寄与するということを目的に学校教育活動の一環として位置づけられてございます。
 子供たちは、毎日の給食の時間を通して食事のマナーや栄養バランスのとれた食事のとり方などを習慣づけることができ、この学校給食を生きた教材として活用することで子供たちに望ましい食習慣が身につくと考えております。
 給食未実施の中学校につきましては、これまでも設置者であります市町村に実施を呼びかけてまいりまして、その結果、昨年から田辺市や紀の川市でも開始をされるなど、徐々に広がってきております。今後も、さらに学校給食の意義を啓発し、実施率の向上につなげていきたいというふうに考えてございます。
 次に、学校給食への地場産物の活用は、児童生徒が食材を通して地域の自然や文化、産業等への理解を深めたり、生産に携わる人々の苦労に触れ、食に対する感謝の気持ちをはぐくむ上で大変重要であると考えてございます。
 これまでもこうした観点から積極的な活用を啓発してきたところであり、地元農家等と連携した給食に取り組む学校や給食センターもふえてきております。「食べて元気、わかやま食育推進プラン」におきましても、学校給食における地場産物を使用する割合を平成23年度までに40%に増加させると、こういう目標を掲げておりまして、今後も積極的な地場産物の活用を推進してまいりたいと考えます。
 次に、国体をきっかけにしましたスポーツ振興についてお答えいたします。
 第70回国民体育大会に向けての指導者の確保、活用につきましては、今月中に設置する予定の競技力向上対策本部の中に強化育成・指導者専門委員会を組織しまして、優秀な指導者の養成・確保を進めていくこととしてございます。
 議員御指摘のとおり、指導者の活用につきましては、地域における強化拠点の整備を進めまして、スポーツに対する熱意と指導力のある人材を広く県内外から招聘し、学校運動部や地域のスポーツクラブなどにおきまして強化拠点を定め、効率的な育成強化活動を行うとともに、小・中・高の一貫した指導体制によりまして計画的な指導者の配置を行っていくこととしてございます。
 国体に向けての施設整備につきまして、昨年9月の準備委員会で承認された競技施設整備基本方針では、可能な限り県内の既存施設や近畿各府県の施設の有効活用に努め、施設整備を行う場合は、県として喫緊に必要な施設に限定するとともに、国体後においても地域住民に広く活用されるよう配慮することとしております。
 今後、県と市町村及び民間が連携、協力し、適切な役割分担のもとに競技施設の整備を進めていく予定でありますが、老朽化した県有施設の改修等、あるいは国体の競技施設として活用できる県立学校の体育施設の整備計画を具体的に策定していくこととしてございます。
 次に、国体開催を契機とした県民スポーツの振興につきましては、スポーツに対する気運を高め、スポーツの実施率を向上させるため、いつでも、どこでも、だれでも身近な地域でスポーツに親しめるよう総合型地域スポーツクラブの設立、育成を推進してまいります。
 総合型クラブにつきましては、現在、13市町村において25のクラブが活動中ですが、今後、全市町村に少なくとも1つを設立し、地域の実情に合った活動が展開されるよう積極的に推進することとしてございます。
 また、スポーツ参加の機会を知らせるということが重要でありますので、ホームページの充実や広報紙など各種のメディアを通じて県内の身近なスポーツ情報を発信してまいります。
 なお、「我が町のスポーツ」として、各市町村が地域の活性化などを目指し、それぞれの地域で推進する特色あるスポーツに親しむことができる環境を整備していく予定でございます。
 次に、学校教育の中での体育のあり方につきましては、子供の体力を向上させることとスポーツを好きにさせるということが基本的な体育の使命であると思っております。県では、毎年、児童生徒の体力・運動能力テストを実施しております。その中で、平成17年度は55.1%であったテストの実施率が本年度はほぼ100%となっております。そこで、その結果等を有効活用するとともに、特別活動など学校教育全体でその特質に応じた指導を行うよう、体育主任会等で助言をしております。
 さらに、教員の指導技術の向上を図るため、小学校、中学校、高等学校の教員を対象に毎年実技指導講習会を県内数カ所で開催をし、その充実に努めてございます。
 また、きのくにチャレンジランキング事業ともつなげまして、早い時期から運動に親しむ習慣を育て、元気でたくましい子供の育成に努めてまいりたいと考えます。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 再質問を許します。
 35番藤本眞利子君。
○藤本眞利子君 答弁をいただきました。大変丁寧な答弁、御苦労さまでございます。
 暫定税率の問題について少し再質問をさせていただきます。
 暫定税率の問題については、これは、今、国会の中で国を二分するような論議をされているわけであります。県民の皆さんの意見の中には、与党の言い分をよしとする人、また野党の言い分をよしとする人、そういった意見の違いがあるかと思うんですね。どういった社会、どういった税の使い方を選択するかというのは、それはもう県民、国民の選択によるものでありますし、これは国民主権の社会の民主主義のあり方だというふうに私も思っています。あえて今回これを取り上げさせていただいたのは、そういった問題についてきちんと県会の場で論議をする必要があるというふうに考えたためであります。
 また、知事にはいろいろ悩まれていろんな説明会に行っていただいていますけれども、ただ、どんな政策でも100%という政策はないかと思うんですね。例えば、高速道路ができたら、それによって疲弊する地方もあるわけです。地方によっては、もう高速道路ができて過疎が進んだというとこは幾らもありますし、また人口減少と少子化がこれほど予想以上に進行している中で、立派な道路ができてもそこに住む人がいないというふうなことでは、何のための道かわかりません。また、高規格道路でなくても、品質のいい一般道路で賄えるところなんかもあるわけです。
 政策というのは、そういったふうに費用対効果とかプラス・マイナスとか常に考えながら選択をしていくものだというふうに私も思っています。
 ただ、今回、いろいろと議論をされていく中で、県民は道路特定財源の使われ方について大きな不信感を持っているわけです。国会では、官僚の天下りであったり、天下り先の無駄遣いであったり、過剰なまでの高品質の道路であったり、それから多額の費用が使われているような調査であったり、もうそういうことが次々に明らかになっております。というのは、世論調査でもそういった税金の使い方はいかがなものかということで、6割もそういった道路特定財源は一般財源化したらいいんじゃないかというふうな世論もあるわけです。それはなぜかというと、自分たちが納めた税金が無駄に使われてるんじゃないか、また、使い道に納得のいく説明がされてないからだというふうに私は思います。その点について、知事に少しお考えをお聞かせください。
 それから、地方分権について、国が責任を持つべき分野と地方が持つべき分野を明確にというふうな答弁をいただきました。
 この道路特定財源というのは、それこそ中央集権の象徴というようなもので、もう使い道が決められておりまして、地方が地方の裁量で、これは道路に使いたいよ、これは、もういっこも教育予算削られてばっかりやから教育にもとか、そういう自主財源の拡充をやっぱり今後求めていくべきだと私は思うんです。
 だから、そういった意味で、知事には、そういった県民の2つの意見があるという中で、知事としてどういった判断をされるのか、県民の声も今後しっかり聞いていかれるということですので、その点は強く要望いたしまして、道路特定財源のことについて御意見を聞かせてください。
 以上で、終わります。
○議長(中村裕一君) 以上の再質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 手短に答えさしていただきたいと思います。
 例えば、2つ論点があったと思います。天下りとか無駄とかそういうのが次々と明るみにと、こういうお話がありました。そういう問題があれば、それは議会のチェックの問題であるので、国会でも県会でも、どこがどういうふうにおかしいとか、そういうことはどんどんおっしゃったらいいと思います。
 ただ、私は、事実の問題として、あるいは相場観、あるいは常識の問題として、例えば無駄を少し省いた。無駄を省くことは、私はいいと思います。1センチでも余計、和歌山の道路をつくってもらいたいと。その無駄があるんならね。そういうふうに思っております。
 ただ、その無駄を省いたとしても、例えば県の場合でいうと10分の1、あるいは正確に言うと9分の1ぐらいですが、9分の1の財源で今までと同じような道路をつくれと言われても、それはできないでしょうと。無駄を省いてもそれはできないと思いますということを申し上げているし、それから、最近発表されたある政党の理論によれば、実際に国の財源が5分の1ぐらいになってしまう。5分の1ぐらいになって、我々が長年希求していた紀伊半島一周の道路とか京奈和の道路とかが、本当にその無駄を省くことによってだけで同じように達成できるのかということについては、私は疑問に思いますという事実を申し上げているだけなんであります。
 それから、常にどんどん意見を言ってもらいたいというのは説明会でもいつも申し上げておりまして、むしろ意地悪質問もやってねというようなことを言いながら、いろんな意見を聞きながらやっていきたいと思っております。
 どうもありがとうございます。
○議長(中村裕一君) 所定の時間が過ぎておりますが、再々質問されますか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 以上で、藤本眞利子君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時44分休憩
────────────────────
  午後1時2分再開
○副議長(新島 雄君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 10番平木哲朗君。
  〔平木哲朗君、登壇〕(拍手)
○平木哲朗君 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、2回目の一般質問を行います。
 ちょっと3日前から花粉症が出ておりまして、お聞き苦しい点はお許しをいただきたいと思います。今、私が感じてることをストレートに、細かく聞いていきますので、よろしくお願いします。
 最初の質問は、市町村合併についてであります。
 先日開かれた平成20年度予算説明会の中で、総務部の重点政策に市町村合併の推進がありました。私は、以前から2次合併を推進することに疑問を持っていましたので、今回質問することにしました。
 私は橋本市・高野口町の合併協議会の委員をしていましたので、合併協議が大変難しいことを身をもって経験しました。あるときはけんか腰になり、あるときは妥協を求められたり、精神的にも肉体的にも大変なことでした。また、職員の皆さんは、言葉では言い尽くせない苦労の中で頑張ってくれました。私たち合併を推進した人間は、合併に賛成した人の期待にこたえなければなりません。合併に反対した人には、合併して本当によかったと思ってもらえるような結果を出さなければなりません。今なぜ2次合併なのか、私には理解できません。
 昭和の大合併の後を受けて昭和40年に制定された市町村合併の特例に関する法律は、平成11年7月に一部改正が行われ、合併特例債を柱とする財源措置が創設されました。この法律は平成17年3月31日を期限とする時限立法でしたので、期限内の合併を目指し、多くの市町村が合併され、新市、新町が誕生しました。平成10年度末には3232あった市町村数が2006年には1804となり、現在では1795市町村になっています。和歌山県でも50の市町村がありましたが、市町村合併により30市町村になりました。
 今回の平成の大合併は、国や県の強力な推進と市町村が合併特例債や地方交付税合併算定がえによる特例、10年間の維持と5年間の激変緩和措置というあめと、合併しなければ地方交付税を減らしますというむちに、財政の将来見通しが厳しかった市町村が市町村長、議会、住民の皆さんの苦渋の選択によって生まれたものであると考えます。
 多くの住民の皆さんは、合併せずに単独で行きたいと考えていました。市町村の将来を考えたとき、合併特例債を柱とする財政措置や地方交付税の特例は大きな魅力でありました。合併に対する議論も熱心に繰り広げられ、賛成する皆さんや反対する皆さんたちが熱心に議論をされました。合併に反対した多くの皆さんのためにも、次代を担う子供たちのためにも、本当に合併してよかったと思える新市、新町をつくっていかなければなりません。
 仁坂知事は、元気な和歌山をつくりますと力説されます。私は、元気な和歌山をつくることは、元気な市町村をつくることだと思います。新市、新町は、今、財政基盤の強化、職員の削減、行政組織の効率化、スリム化、団塊の世代の退職金の問題、旧市町村間の職員給与の調整、事務事業の見直し、新規事業の立ち上げ、旧事業の継続廃止の検証、また合併時先送りした5年間の猶予期間がある不均一課税の問題や新市、新町において策定、調整、検討することになったたくさんの課題を抱えており、集中改革プランによる行財政改革にも取り組んでおり、住んでよかったまちづくりのために熱心に取り組んでいます。
 民間企業の合併でさえ、1年や2年といった期間で合併の成果を出すことは難しい現実があります。経営組織の見直し、支店の統廃合や廃止、従業員のリストラ、人事制度の見直し、給与の見直し、企業風土の統一等、さまざまな問題をある程度時間をかけて最良の結果を求めて取り組んでいます。ところが、国や県は新合併特例法や和歌山県市町村合併推進構想を発表し、6通りの広域合併案を示し、2次合併を進めようとしています。県は、合併を進めるために、県下の市町村でシンポジウムの開催、県と市町村との合併の勉強会を開催していますが、2次合併に対する盛り上がりもなく、まだ2次合併に対する環境は整ってないのではないかと思います。
 私は、決して市町村合併には反対いたしませんが、今はその時期ではないと考えます。なぜなら、財政基盤の弱い市町村が合併した和歌山県の場合、合併後、財政基盤が急に強くなるわけでもありません。財政的にも今が一番厳しい状況にあると思います。また、合併協議会で協議された建設計画、あるいはまちづくり計画は、いまだ道半ばではないのですか。今あらしが来れば、合併し、新たな船出をした市町村丸は沈没してしまうかもしれません。片方では市町村合併の最良の結果を出すことに全力で取り組み、もう片方では新たな合併の協議をするということが本当にできるのかと思います。
 今、県がするべきことは、合併にこだわることなく、新市、新町の財政基盤を強化することを積極的に指導、協力する立場に立って一緒に取り組み、合併した旧市町村の一体性の確立と均衡ある発展をするために努力すべきではないかと思います。市町村合併は、広域合併にこだわることなく、合併したい市町村主導で進めることが本来の姿であり、県の一方的な押しつけ合併は余り感心しません。
 平成17年4月1日から平成22年3月31日までの合併新法での合併のメリットが見えてきません。合併特例債がなくなり、財政支援を縮小した合併推進債はありますが、地方交付税の合併算定がえも段階的に5年に短縮されました。合併旧法と合併新法が混在する合併は、地域間格差を生むのではないかと思います。
 さらに、第166通常国会において成立した地方公共団体の財政の健全化に関する法律、財政健全化法は、市町村に大きな影響を与えるのではないかと思います。合併協議会の一般会計10年間の財政予測では、現在では合併時の財政予測よりも厳しくなっている自治体が多いのではないかと思います。財政健全化法では、一般会計、特別会計、企業会計、土地開発公社等を含めた連結指標を公表することが義務づけられることになり、今まで以上に厳しい財政運営が考えられます。
 財政健全化のもとで新たな市町村合併に耐えられるのかと考えます。旧合併特例法のもとで合併を考えなかった市町村や合併協議が不調に終わった市町村もあります。合併しなかった市町村の厳しい財政状況もわかりますが、現在の政治的、財政的状況を考えると、今、市町村合併を進めることはかなり無理があるのではないかと思います。また、今回の合併に対して、まだ何も合併してよかったと思う結果が出ていません。いろんな不安を抱え、やっぱり合併しないほうがよかったという声もたくさん聞こえてきます。
 市町村合併は、まだ合併効果、結果が出ていません。最良の合併効果、結果は5年から10年かかるのではないですか。まだスタートしたばかりなのです。国や県の合併のメリットをよく話されました。まだこれからが元気な市町村をつくる正念場ではないのですか。今後、仁坂知事の言われる「元気な和歌山」をつくるためには、合併の勉強会や協議ではなく、合併に賛成した住民も、反対した住民の皆さんが納得する市町村合併の最高の合併効果、結果が出るよう県も努力すべきではないかと思います。市町村合併は、国や県の意向だけではできません。市町村の住民の皆さんや行政や議会が合併に対する機運が高まらなければ、無駄な時間とお金と労力を費やすだけになります。
 以上を踏まえて質問します。
 知事にお聞きします。
 平成の大合併が進み、県下の市町村が50から30市町村に減少しました。仁坂知事は、新市、新町の現状を当然把握されていると思いますが、1次合併に対する評価にどのような御感想をお持ちですか。また、第1次合併の効果、結果が出るのは5年から10年かかると私は思いますが、どのくらいの期間で合併効果、結果が出るとお考えですか。2次合併の基本的な考え方と、2次合併に対し消極的な市町村が多いと思いますが、なぜ広域合併が必要と考えるのか、なぜ市町村を急激に減らそうと考えるのか、お聞きします。市町村合併は、合併したい市町村主導で進めるべきではないのですか。
 次に、総務部長に4点お聞きします。
 市町村合併により誕生した新市、新町の現状をどのように把握していますか。財政状況は、合併協議会の10年間の財政予測より悪化しているように私は思います。合併特例債を財源とする建設計画、まちづくり計画の達成状況は順調に推移しているか、達成状況はどうなっているのか、お聞きします。
 合併時はすべて合意されて合併していません。新市、新町において策定、調整、検討とされた先送りされたことの事項の調整は進んでいるのか、お聞きします。
 合併新法は、合併旧法に比べて財政支援がかなり縮小されています。合併新法で第2次合併を進めようとしていますが、合併特例債が廃止され、地方交付税の算定がえが段階的に5年に短縮され、財政支援が縮小された合併新法で2次合併をすればどんな財政的なメリットがあるのですか。新和歌山県市町村合併支援プランには、合併後の市町村の一体的なまちづくりに対する財政支援をするとあるが、1次合併の財政支援とどこが違い、合併特例債がなくなり、地方交付税の算定がえが短縮され、国の支援制度が縮小されているが、それにかわる財政支援なのか、お聞きします。
 次に、地方公共団体の財政の健全化に関する法律(財政健全化法)の施行に伴い、市町村合併を進めるハードルがかなり高くなったと思うが、県はどのように考えているか、お聞きします。
 1次合併では一般会計での10年間の財政予測であったが、私の記憶ではかなり甘目につくられていたのではないかと思います。現在の状況は、かなり厳しい財政状況になっています。これが、一般会計、特別会計、企業会計、土地開発公社、第三セクター等が連結指標となり、公表が義務づけられることになるが、新市、新町、合併しなかった市町村にとっても厳しい対応が迫られ、新たな合併を考える環境ではなくなったと思いますが、県はどのようにお考えなのか、お聞きします。
 私は、市町村合併に反対しているわけではありません。合併間もない市町村が最良の結果が出るように、県も一緒に取り組むべきではないかと思います。合併推進室は、合併を推進するだけでなく、最良の合併効果、結果が出るように努力することも大切な業務だと思います。
 第2番目の質問は、総務省より平成19年12月24日に公立病院改革ガイドラインが発表されました。今後の公立病院の経営問題と県医療計画、地域医療への影響についてお聞きします。
 公立病院は、地域における基幹的な公的病院機関として、地域医療の確保のため、重要な役割を果たしています。近年、多くの公立病院において、損益収支を初めとする経営状況が悪化するとともに、医師不足に伴い診療体制の縮小を余儀なくされるなど、その経営環境や医療提供体制の維持が極めて厳しい状況になっています。
 全国の公立病院の状況を見てみますと、平成19年4月1日までの5年間で、全国で約1000近くの自治体病院のうち、閉院が6件、民間移譲が7件、運営委託が43件という厳しい現実が明らかになりました。2004年から始まった臨床研修制度により医師不足に陥り、また、自治体病院に残ってくれた医師、看護師も過重労働に耐え切れず病院を去っていくという悪循環が続き、入院の受け入れ中止や通院の診療の休診や廃止に追い込まれていくケースや、急病患者、出産を控えた妊婦さんが受け入れ病院がなくなり、たらい回しにされ、亡くなる人がふえています。さらに、高い人件費やコスト削減のおくれから、自治体病院の全体の累積赤字は、毎年、一般会計から多額の繰り入れをされながら、2005年度には1兆7820億円と10年間で1.8倍に膨張し、累積赤字を抱える病院は約8割に上っています。
 民間病院と自治体病院の100床当たりの医業収入と医療費用を比較してみると、収入については大きな違いはありません。医療費用から見ると、約2000万円のコスト増になっています。また、自治体病院の豪華建築の多額の借金が負担になっています。最近の事例によりますと、建築費の中身の傾向は、1床当たりの面積は一般病院で60平米、大学病院で70平米、自治体病院は多くが70平米以上となっています。1平米当たりの単価は、民間、大学病院では22万円前後、自治体病院では40万円を超えることが多いそうです。1床当たりの単価は、民間、大学病院では1500万円から2000万円、自治体病院では3000万円から4000万円になっているそうです。1床当たりの単価は、国立病院機構の要求基準は1500万円から2000万円、福祉医療機構の基準でも同程度か、それ以下になっています。
 地方公共団体の財政健全化に関する法律(財政健全化法)の施行に伴い、地方公共団体が経営する病院事業は、財政運営全体の観点からも一層の健全経営が求められることになります。公立病院が今後、地域において必要な医療を安定的、継続的に提供するためには、多くの公立病院において抜本的な改革の実施が避けて通れない課題となっています。
 平成19年12月24日、公立病院改革ガイドラインが総務省から通知されました。公立病院改革の目的は、公民の適切な役割分担のもと、地域において必要な医療提供体制の確保を図ることにあります。地域において真に必要な公立病院については、安定した経営のもとで良質な医療を継続して提供することが求められます。このため、医師を初めとする必要な医療スタッフを適切に配置できるよう、必要な医療機能を備えた体制を整備するとともに、経営の効率化を図り、持続可能な病院経営を目指すものとされています。
 公立病院の果たすべき役割は、地域において提供されることが必要な医療のうち、採算性等の面から民間医療機関による提供困難な医療を提供することにあるとされています。1つとして、山間僻地、離島などの民間医療機関の立地困難な過疎地等の一般医療、救急、小児、周産期、災害、精神などの不採算・特殊部門にかかわる医療、3番目にがん、循環器等高度先進医療、4、研修の実施等を含む広域的な医師派遣の拠点としての機能と明確化されています。
 公立病院改革ガイドラインでは、数値目標を含んだ改革プランを2008年度中に策定し、毎年進行状況をチェック、公表する、公立病院がその役割を果たすべくやむを得ず不採算となる部分については、繰り出し基準を明確に規定し、一般会計等からの所定の繰り出しが行われれば経常黒字が達成される状態を想定して目標数値を定めることとされています。この考えに基づき、経常収支比率、職員給与比率、病床利用比率、その他の数値目標を設定するよう義務化されています。特に、病床利用率が3年連続して70%未満の病院に対しては、病床数の削減、診療所化等の抜本的な見直しが行われることが適当とされています。
 今後の病院施設の新増築や改築等に当たっては、将来的な減価償却費負担軽減の観点から、公立病院として果たすべき役割を踏まえた必要な機能が確保される必要があるが、こうした要因から、特に割高となる部分を除き、民間病院並みの水準の整備費による新増築、改築等が行われるよう特に留意すべきであるとされています。
 また、財政措置においても、病院建物の建築単価が一定の水準を上回る部分を普通交付税措置対象となる病院事業債の対象から除外すること、及び病床数に応じた普通交付税の措置に際して、今後の各病院における病床利用率の状況を反映することも検討するとされています。
 改善の方法として、公立病院の厳しい経営状況や医師確保策の必要性を踏まえると、地域全体で必要な医療サービスが提供されるよう、地域における公立病院を、中核的医療を行い医師派遣の拠点機能を有する基幹病院と、基幹病院から医師派遣等のさまざまな支援を受けつつ日常的な医療確保を行う病院、診療所へと再編するとともに、これらのネットワーク化することを求められています。
 改革プランの期間は、経営効率化については3年、再編・ネットワーク化及び経営形態の見直しに係る実施計画に係る部分については5年程度の期間を対象として策定することを標準としています。ガイドラインを踏まえ策定した改革プランを速やかに住民に公表するとともに、実施状況をおおむね年1回以上点検、評価を行うとしています。点検、評価等の結果、改革プラン対象期間のうち遅くとも2年が経過した時点において、改革プランで挙げた経営指標にかかわる数値目標の達成が著しく困難であると認めるとき、改革プランの全体を抜本的に見直し、経営形態のさらなる見直しを含め、その全面的な改定を行うことが適当であるとされています。
 公立病院改革に対する支援措置も講じられており、原則、平成20年から25年までに生じるものを対象とするもの、再編・ネットワーク化や経営形態の見直し等に伴う清算等に要する経費については国が財政支援を行うことになっています。再編・ネットワーク化に係る県の役割は、医療法に基づく医療計画の見直しとの整合性を図りながら、平成20年度までに県内の公立病院等の再編・ネットワーク化に関する計画等を策定し、その実現に向けて主体的に参画することが強く求められています。
 県にあっては、2次医療圏等の単位での公立病院等の再編・ネットワーク化に向け、例えば、県医療審議会地域医療対策協議会に部会を設ける等の方法により、また有識者を含めた検討、協議の場を設置した上で、県立病院、医療政策、県財政、市町村財政のそれぞれの担当課等が一体となって計画、構想等を策定し、関係者の協力のもとにこれを実施していくことが求められています。
 自治体病院の赤字については、議会でも問題視されており、一般会計からの繰り出し基準以上に繰り出ししても赤字が膨らんでいくという事実もあります。仁坂知事は、地域医療を守るため、医師確保のために熱心に取り組んでいただいております。また、最近の自治体病院は、県立医科大学等の協力をいただきながら、医師確保や県の財政支援を受けながら経営改善に熱心に取り組んでいます。
 公立病院改革ガイドラインは、赤字を垂れ流してきた自治体病院の経営体質を根本的に見直す上でも大変重要であり、赤字体質からの脱却は、安定した経営、安定した医療を提供するためにも避けて通れない問題となっています。しかし、経営の効率性を追求する余り、地域医療が崩壊しては何もなりません。本当に難しい問題解決を国から迫られています。
 経営形態の見直しについては、地方公営企業法の全部適用、また効果がない場合、地方独立行政法人化(非公務員型)や指定管理者制度への移行、あるいは民間譲渡、診療所化、老健施設、高齢者住宅事業への転換なども含め検討されることになります。医師不足が深刻な問題であり、赤字体質の公立病院経営に参入してくれる民間病院、民間企業、独立行政法人があるのかと心配になります。なければ病院が閉鎖になってしまう可能性が高く、地域医療の崩壊につながります。
 公立病院経営は大きな岐路に立たされ、変革の時期を迎えています。公立病院経営の効率化とともに第2次医療圏内の公立病院間の連携を強化し、ネットワーク化の実を上げるためには、これらの公立病院の経営主体を統合し、統一的な経営判断のもと、医療資源の配分をすることが望ましいと考えられています。病院間での機能の重複、競合を避け、相互に適切な機能分担が図られるよう診療科目等の再編成に取り組むこととするとともに、再編後に基幹病院とそれ以外の病院、診療所間の連携体制の構築については特に配慮する必要があります。都市と地方の条件が違い、経営環境にも十分配慮しなければならないと考えます。
 以上のことから、公立病院改革の計画作成、実施、見直し等における県の役割は大変重要になってきます。
 以上のことを踏まえ、質問します。
 知事にお聞きします。
 公立病院改革ガイドラインでは、病院事業を設置する地方公共団体は平成20年度内に公立病院改革プランを策定し、病院事業経営の改革に総合的に取り組むことになっています。その際、県は、県内の公立病院等の再編・ネットワーク化及び経営形態の見直しについて、市町村と共同し、みずから計画、構想等を策定することを含め積極的に参画し、実現することを強く求められています。
 県は、公立病院の再編・ネットワーク化、経営形態の見直しに関する計画等を市町村の担当課と一緒になって平成20年度内に策定することになっていますが、今後、2次医療圏等の単位での公立病院の再編・ネットワーク化に向け、公立病院改革プランを策定することになりますが、時期、体制、基本方針はどのように望まれるのか、お聞きします。
 次に、総務部長に2点お聞きします。
 公立病院改革ガイドラインは、公民の適切な役割分担のもと、地域において必要な医療提供体制の確保を図ることにあります。安定した経営のもとで良質な医療を継続して提供することが求められます。経営の効率を追求すれば、地域医療が崩壊する危険性がはらんでいます。例えば、少子高齢化が進む人口が減少している地域、過疎地域等における公立病院については、同じ土俵で考えられては地域医療が崩壊します。こういう地域にある公立病院が改革プランを例えば実施された場合、例えば3年連続して病床利用率が70%未満の場合、病床数の削減や抜本的な見直しが求められます。病床数が削減されれば、当然医師の数も病床数に応じて削減され、夜間の救急の受け入れもできなくなってしまうのではないかと思います。また、医師の数が減れば消滅する診療科も出てくるのではないかと思います。勤務する医師にも過重の負担がかかり、過重労働につながり、最悪のケースは医師が退職し、病院が存続の危機に陥ることになります。
 人口が減少している地域、過疎地域にある公立病院は、同じ土俵の中で考えるのに無理があると思いますが、こういうケースの場合、地域医療を守るのか、経営を優先させるのか、特別支援はあるのか、県としてどういう方針で取り組むのかをお聞きします。
 3番目に、今後、老朽化した病院を改築・増築する場合、病院建物の建築単価が一定水準を上回る部分を普通交付税措置の対象となる病院事業債から除外することや、公立病院の再編・ネットワーク化及び経営形態の見直しに関する計画が平成20年度内に策定されることになりますが、どのような影響があるのか、お聞きします。
 公立病院改革ガイドラインに基づいた公立病院改革プランは、経営改善と地域においての必要な医療体制を確保することが同時に求められることであります。大原則は、地域に必要な医療を守っていくことだと思います。本当に難しい問題を乗り越えなければなりませんが、市町村に任せるのではなく、県が主導的な立場に立ち、ぜひ両立できるような公立病院改革プランをつくっていただきたいと思います。
 最後に、国道371号バイパス建設促進について質問をします。
 事前に通告をしておきますが、私が一般質問するときは必ずこの質問をいたしますので、仁坂知事、県土整備部長、関係職員の皆さん、よろしくお願いします。
 最初に、仁坂知事、また企業立地課、橋本市の積極的な誘致活動により、紀北橋本エコヒルズに大輪産業株式会社、株式会社アルバック及びアルバックマテリアルが進出することが決まり、市民の皆さんも大変喜んでおります。今後とも、さらなる企業誘致のために、橋本市とともに積極的な誘致活動をお願いいたします。
 国道371号バイパス建設促進については、仁坂知事並びに副知事、茅野部長を初め県土整備部の関係職員の皆様には熱心に取り組んでいただき、大変感謝をしております。
 先日の平成20年度の予算説明会で国道371号バイパスの説明をお聞きしましたが、平成25年度までに完成を目指すと書かれておりましたので一瞬喜んだんですが、よく見ればトンネルを除くとありまして、ちょっとオーバーな表現ですが、天国から地獄へ突き落とされた気分になりました。しかし、少しずつ着実に進んでいることでもあり、今後とも和歌山県、橋本市と一緒になって早期完成のために取り組みたいと思いますので、よろしくお願いをします。
 今、私が国道371号バイパス建設促進で最も気がかりなことは、橋下知事が誕生し、財政非常事態宣言が発表されたことであります。また、今回の平成20年度予算は暫定予算になり、建設予算の削減ということも言われています。仁坂知事には、国道371号バイパスとともに府県間道路の早期完成に向け、引き続き大阪府との協議を進めていただきたいと思います。
 橋本市では、河内長野市に協力をお願いしたり、大阪府選出の竹本衆議院議員に協力をお願いしたりしています。11月には国土交通省に県選出の国会議員さん、また私も政務調査のため上京しておりましたので一緒に同行し、また、県土整備部の御協力をいただいて橋本市独自の陳情も行い、西衆議院議員の御尽力により冬柴国土交通大臣にもお会いすることができ、早期完成をお願いしてきました。市長を初めとする市議会、関係団体が早期完成するために今できることを精いっぱいやっています。
 平成19年度予算では、大阪府の倍に近い予算をつけていただき工事をしていただいておりますが、1つ気になることがあります。大阪府に比べて用地買収がおくれているという指摘をある行政関係者から受けました。用地買収を進めていくことも重要だと考えます。道路特定財源や暫定税率の議論が国会で行われていますが、真に必要な道路である府県間道路の完成のめどが立たないことに疑問といら立ちを感じます。
 本当に単純な発想で申しわけないんですが、最近、本当によく思うことがあります。たとえ府県間道路であっても、国道という名前を使うならば国が責任を持って整備するべきではないかと考えます。和歌山県、大阪府の財政状況を考えたとき、どうしても完成に時間がかかり、長期化することによってコストがかかり過ぎます。この機会に発想の転換を行い、真に必要な道路である府県間道路の整備については国が責任を持ってつくるような制度に改めるように要望すべきではないかと思います。
 これだけ地方から特定財源の維持、暫定税率の維持のために、仁坂知事を筆頭に頑張っているのだから、何らかの形で報いてほしいと思います。国土交通省にも何度も陳情に行きましたが、府県間道路なのでという答えが最終的には必ず返ってきます。本当にむなしさと無力感を感じます。
 平成20年度予算説明会では、平成27年度国体を目標に優先整備を行い、平成25年度には4車線化事業──府県間トンネルを除くとありましたが──を完成させる予定であると説明を受けました。今後、早期完成に向け、大阪府への働きを含めどのように事業が進められていくのか、お聞きします。
 知事にお聞きします。
 大阪府の知事選挙が行われ、圧倒的な得票を得て橋下知事が誕生しました。橋下知事は、財政非常事態宣言を発表し、すべての事業をゼロベースで見直すことを発表されました。平成20年度から、収入の範囲内で予算を組むことを原則とするとしています。国道371号バイパスを含む府県間道路の完成がさらに時間がかかってしまわないか、大変心配をしています。今後の早期開通に向け、大阪府、橋下知事にどのような働きをしていくのか、お聞きします。
 県土整備部長に2点お聞きします。
 平成20年度における県の予算と工事計画について、大阪府の用地買収は98%近く終わっているようですが、和歌山県側の状況は昨年に比べて用地買収は進んでいるのか、お聞きします。今後の用地買収をどのように進めていくのか、お聞きします。
 質問の最後は、知事にお聞きします。
 府県間道路であっても国道という名前を使うならば、また国が、府県が真に必要な府県間道路と認めるならば、国が責任を持って整備すべきではないかと考えます。単純な発想をするなと言われるかもしれませんが、私は地方から国へもっと意見を進言すべきだと思います。道路特定財源、暫定税率延長のために地方は頑張っているではありませんか。地方財政が厳しい状況の中、この状態が続けば時間とコストがかかり過ぎます。発想の転換をして、国が責任を持って整備するよう制度変更を求める要望を国に対して行うべきだと考えますが、知事の御所見をお聞かせください。
 橋本市民は、1年でも早い完成を願っております。事故、地震、災害が起きれば、大阪への迂回路がありませんので大変なことになり、また企業誘致にも悪影響が懸念されます。国道371号バイパスが早期開通できますよう今後とも御支援、御協力をお願いして、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(新島 雄君) ただいまの平木哲朗君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、1次合併の評価と、それから合併効果、結果、そういう市町村合併についてお尋ねでございました。
 これについては、いろいろな意見が住民の中にある中、種々の困難を克服されて努力された市町村長、あるいは市町村議の方々を初め関係各位の御努力に深く敬意を表したいと思っております。
 合併市町村におきましては、種々の不満もあることも承知しておりますし、新しいまちづくりに懸命に取り組まれ、地域活性化、住民サービス向上のための体制の強化とか、あるいは地域ブランドの発信、地域資源の売り出しなど、既に前向きの効果も出てきたものもあるということも承知しておりますし、議員御指摘のように、まさに今後、中長期的に徐々にあらわれてくるものもあり、これをあらわせるように努力するのも県の責務の1つであるというふうにも考えております。
 2次合併でございますけれども、これと、それから広域合併を進める理由ということでありますが、議員御指摘のとおり、私は、結論的に言えば、市町村合併は基本的には地域において自主的に判断されるべきものであると考えております。
 市町村の住民にとって、合併をすると快くない、心地よくないという場合もあるかと思います。一方、地方分権や地方財政健全化の推進が求められる中で、専門職員の配置とか、あるいはスケールメリットの発揮による行財政基盤のさらなる強化とか、そういう観点などでは市町村合併は意義がある面もあると考えております。そういう観点から県としても構想をお示ししているものと理解しております。つまり、これはたたき台でありまして、まさに地域の方々が合併特例法の期限を視野に入れつつ、それぞれの地域においてしっかりとした議論を行っていただきたいと考えております。県もその議論に積極的に参加し、必要な情報をきちんと提供して、地域の方々と一緒になって考え、取り組み、支援を行ってまいりたいと考えております。
 次に、公立病院改革プランでございます。
 これの時期、体制、基本方針ということでございますけれども、公立病院改革の目的は、議員御指摘のとおり、改革を通じ、公民の適切な役割分担のもと、地域において必要な医療提供体制の確保を図ることであると考えております。
 地域医療を支える公立病院を取り巻く環境は大変厳しい。赤字額がある場合もありますし、あるいは医師不足によって頑張っておられるお医者さんが、あるいは看護師の方々が大変献身的な努力をして頑張っておられるという、そういう厳しさの中にあると考えております。その中で、真に必要な公立病院については、地域において必要な医療提供体制を確保し、良質な医療を継続して提供するために、経営の効率化も図りながら持続可能な安定した経営を目指す必要もあると思います。
 このような目的を達成するため、公立病院改革プランの策定につきましては、経営効率化、機能分担・ネットワーク化、経営形態の見直しという3つの視点に立ちまして、平成21年3月までを目途として関係市町村等が地域医療の実情等を踏まえて同プランを作成するということができるように、県関係部局が密接に連携して取り組んでまいるようにしたいと考えております。
 次に、371号バイパスの件でございます。
 まず、大阪府への早期開通に向けた働きかけについてでございますが、関西大環状道路を形成する京奈和自動車道と放射状道路の一部となる国道371号線は、関西都市圏の拡大、和歌山県の発展に必要不可欠な路線であると思います。
 昨年の4月23日──できるだけ早くと思ったんですが、この時期になりましたけれども──太田前大阪府知事に府県間道路の整備について強く働きかけをいたしました。それまでは、大阪府自身の財政事情により、むしろそういう地域の公共投資を凍結してるんだという姿勢でございましたけれども、趣旨にかんがみ、今後、府県間道路の整備を促進していくということで、20年度から頑張りますということをおっしゃっていただいて合意したところでございます。ところが、太田府知事は再選されなかったわけであります。
 そこで、これはいかんと思いまして、1月30日には橋下新大阪府知事に面会を申し込みまして、大阪府知事としては大関西圏で発想してもらいたい、それからそのリーダーとなってほしいと訴えまして、道路はネットワークが大事だから、両府県間が発展するためには府県間道路の整備も特に重要であるというようなことを訴えてまいりました。整備の促進には大阪府の意向が大変重要であるということもございまして、今後とも府に対して国道371号線など府県間道路の必要性の理解を強く求めてまいりたいと思います。
 考え方としては、橋下知事は、大関西圏で立って上げようと。そのために、まさに和歌山県が頑張っている農産物の売り出し、これはバイヤーとしてはまさに大阪の商社の方が多いわけですが、そういうところも応援してあげようということで来てくださったわけでありますが、一方で大阪府も財政再建に苦しんでいるということで、各論的にはまだまだこれがきっちり保障されているというわけではございません。したがって、今後あの発想に立って、これも大事でございますので、というようなことを折に触れて説得して一緒にやっていきたいと、こんなふうに思っております。
 次に、府県間道路の建設における国への制度変更の要望についてでございますけれども、私は、国道というのに県が主体的にやるというのはおかしいとおっしゃる県議の御意見には、非常に共感を覚えるものでございます。ただ、大きな議論があって、そういうものを整備していったときに、果たして現在の3けた国道は全部国が100%責任を持つべきかどうかという議論は多分残るんだろうというふうには思います。
 いずれにしても、今そこにある問題でございますから、制度の大改革というのも引き続き議論をしていかないといけないと思いますが、しかしながら、現在の制度も前提にしながら、今そこにある問題を解決していくということも大事だと思います。
 そこで、国道371号など府県間にまたがる道路については、両府県の進展の差が大きな課題となっておりますので、これをカバーしながら、国によって積極的な進度調整をお願いし、議員御指摘の制度も希望しながら、現実的には府県間の一連の区間への補助率かさ上げ等々そういうことを国にお願いし、我々も努力しながらこの371号線の実現に努力をしてまいりたい、こんなふうに思っております。
○副議長(新島 雄君) 総務部長小濱孝夫君。
  〔小濱孝夫君、登壇〕
○総務部長(小濱孝夫君) 市町村合併に関する4項目の御質問に一括してお答えいたします。
 まず、新市、新町の現状についてでありますが、毎年、担当課において市町村の行財政状況に関するヒアリングを実施して、その状況を把握するとともに必要な助言を行っているところであります。
 また、建設計画の達成状況についてでありますが、合併特例債につきましては、合併12市町の合併特例債発行可能額約1609億円に対しまして平成19年度末現在で約412億円の発行が見込まれ、同計画に基づく事業が進んでいるものと考えております。
 次に、新市、新町における策定、調整、検討事項の進捗状況についてでありますが、既に7団体が長期総合計画の策定を行っております。また、合併後に調整することとされていた事項として、地方税、使用料の統一などがありますが、現在、関係市町において鋭意調整に取り組まれていると聞いております。
 次に、合併新法による合併の財政メリットと県の市町村合併支援プランの財政支援についてでありますが、合併後のまちづくりに対する財政支援として、議員御指摘のように合併特例債は廃止されましたが、新法におきましても交付税措置のある合併推進債等による支援が行われることとなっており、また、県も支援プランに基づき、旧法下と同様の支援を行うこととしております。
 最後に、地方財政健全化法のもとでの市町村合併についてでありますが、各市町村においては、財政健全化法で示されている財政指標の動向を見据えた自主的な財政健全化の取り組みや、地方分権の進展に伴う行政の専門性が求められていることを踏まえますと、中長期的視点に立った行財政基盤の強化の観点などからも市町村合併は意義あるものと考えております。
 次に、公立病院改革プランについての御質問のうち、立地条件、経営環境の悪い公立病院における地域医療を守るための方針についてでございますが、公立病院改革ガイドラインは関係市町村等が公立病院改革に係るプランを策定する際の指針となっていますが、それぞれの公立病院を取り巻く状況が立地条件や医療機能によって異なることから、公立病院改革プランの内容も一律のものとはならないものと考えております。
 したがって、公立病院改革のプランの策定に当たっての人口減少地域、過疎地域等にある公立病院に対する経営効率化につきましては、地域において必要な医療が確保できない状況とならないよう柔軟な対応を行いつつ、適正な営業規模の把握とより一層の経営努力を行うことや、過疎地域における病院及び診療所に係る地方財政措置の充実が国において検討されていることなどから、そのような措置を活用することについて関係市町村等に助言してまいります。
 次に、老朽化した病院の改築や増築に与える影響についてでございますが、再編・ネットワーク化により拠点病院として規模の拡張等による改築等が必要となった場合には、手厚い交付税措置の伴う地方債を認めるなどの支援措置が創設されております。
 また、議員御指摘のとおり、今後の病院施設等の整備費につきましては、病院建物の建築単価が一定水準を上回る部分を普通交付税措置対象となる病院事業債の対象から除外することが総務省のほうで検討されておりますが、詳細につきましては明らかになっておりませんので、県といたしましても本件について情報収集等に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(新島 雄君) 県土整備部長茅野牧夫君。
  〔茅野牧夫君、登壇〕
○県土整備部長(茅野牧夫君) 国道371号橋本バイパスの平成20年度の予算についてでございます。
 12億円の予算をお願いしております。平成20年度は京奈和自動車道の橋本インターから三石台の間におきまして用地取得、及び南海電車車庫西側の切り土工事及び菖蒲谷川にかかります橋梁下部工事を進めますとともに、三石台地区の切り土工事に着手してまいります。また、慶賀野から柱本間につきましても用地取得と工事促進を図ってまいりたいと思っております。
 それから、用地取得状況でございますが、橋本インターから三石台の間の3キロにつきましては78%の用地取得率、慶賀野から柱本の間の1.2キロメートルにつきましては97%の用地取得率で、残る地権者は1名となってございます。
 今後の用地取得につきましては、橋本市の協力もいただきながら進めていきますとともに、難航する案件の解決につきましては、事業認定庁であります国土交通省との協議も行っておるところでございまして、協議が整い次第、土地収用法の手続を進め、用地の早期取得に努めてまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○副議長(新島 雄君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(新島 雄君) 再質問を許します。
 10番平木哲朗君。
○平木哲朗君 要望だけです。
 国道371号について、もう知事、関係者の皆さんにお願いするしかありませんし、市町村合併につきましては、今の合併推進債は非常に旧の合併規模に比べたら財政支援が薄くなってるという、もう交付税措置で70%あったのが合併推進債では40%しかない。あとは借金やと。自主財源の割も、5%と10%と明らかに悪くなってる部分があるんで、この辺も十分考慮してほしいということ。
 もう1つ、公立病院につきましては、これはもう経営を優先したら、必ずやっぱり不採算部門ていうのは、地域というのは、どうしても今までの改革を見てたら切り捨てられるというところが僕、非常に心配してるんです。
 やっぱり地域医療を守っていくという観点から、本当に小濱部長と井畑部長が一緒にこれ取り組んでもらわないと、ほんまに市町村のエゴとかそういう形でやってしまえば大変──崩壊してしまえば終わりなんですよね、もう。だから、こういう部分についてはぜひとも県が主体性を持って、市町村に丸投げすることなく厳しく取り組んでいただきたいと思います。
 終わります。
○副議長(新島 雄君) 以上の発言は要望でありますので、平木哲朗君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 44番雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕(拍手)
○雑賀光夫君 議長のお許しを得ましたので、早速質問に入らせていただきます。
 第1の柱は、教育の問題、教育改革の総括と今後のあり方にかかわってであります。
 私は、5年前から県議会に出させていただきまして、教育改革は県民合意が大切で、拙速であってはならないと申し上げてきました。教育改革の1つの争点であった中高一貫の県立中学校の問題については、保護者の一部にニーズがあったとしても公教育にゆがみをもたらすから中高一貫の県立高校には反対だと申し上げ、また橋本市への県立中学校設置に際しては、小さい地域にこうした学校ができることは和歌山市に初めて設置したときと比べても地域の中学校に与える打撃が大きいという警告を文教委員会の席でも申し上げたのであります。
 最近、文教委員会では、坂本文教委員長のイニシアチブで地域の教育長さんや校長さんとの御意見を聞く懇談を開いて回っております。伊都・橋本での懇談会で、ある校長がおっしゃいました。県立中学校ができて、小学校から中学校に来る90人の児童生徒のうちの半数が受験しました。そのうち13人が合格しましたが、合格しなかった児童の中にも私学に行く者がふえて、結局20人が抜けました。県立中学校というのは一般の中学校にもいい刺激を与えると言われてきましたが、実際は大打撃です。このほかにも、高校入試改革で前期・後期試験が導入され、中学校を卒業する時点で半数の生徒が高校入試で挫折感を味わうということはこれでいいのだろうかという御意見など、率直な意見が出されています。過去数年間の和歌山の教育改革がこれでよかったのか、総括すべきときに来ているように思います。だから、文教委員会でも現場の声を聞いてみようということになったのでしょう。
 そこで、教育長にお伺いいたします。
 過去数年間、和歌山県内で教育改革が矢継ぎ早に行われてきたわけでございますが、必ずしも県民合意になっていなかったと思います。この改革について、特に高校通学区撤廃や前期、後期などの高校入試改革、中高一貫の県立中学校をふやしてきたことなど、どうお考えでしょうか。
 第2点として、文部科学省が進めてきた教育改革として、ゆとりの教育がどうだったのかが論議されています。それだけが問題ではありません。文部科学省の政策は揺れが大変激しいわけです。
 本日、教育長にお伺いしたいのは、文部科学省の教育政策で学校現場が振り回されてきた問題をどう考えるのかでございます。学習指導要領の法的拘束性と言われて、学習指導要領が変わるたびに、あるときは詰め込み教育内容が押しつけられ、落ちこぼれが大きな問題になりました。その後は、生活科だ、ゆとりだ、総合的な学習の時間だと学校現場は振り回されてきたわけでございます。
 教育の基本というものは、豊かな学力、しっかりした体力、そして市民道徳を身につけさせることにあります。学校現場はそのことを目指して努力しているわけです。このことに信頼を置いて、それを励ましていくことを教育行政の基本に据えなくてはならないのではないかと思いますが、教育長はどうお考えでしょうか。
 第2の柱として、道路問題、特に道路特定財源の問題にかかわってお伺いいたします。
 私は、この壇上で、道路問題について何度も発言してまいりました。おくれている道路整備のこと、通学路の安全、いろいろであります。同時に、この道路は少しぜいたくではないかという指摘をしたこともあります。海南市の日方大野中藤白線にかかわっての質問でした。また、海南市の国道370号阪井バイパスについても、無理に4車線にしなくても2車線でもいいと申し上げたこともあります。全国的に問題になっている、いわゆる無駄な道路と比べればささやかなものですが、しかし、小さいことでも自分の足元の問題で無駄をなくそうと提案したことは大変大事なことだと思っています。
 さて、「地方のチャンスを奪うな」というこのチラシが県内で大量に配布されました。道路特定財源、暫定税率が廃止されたら和歌山県は大変だというものです。発行者として和歌山県、和歌山県議会が並んでいますが、私どもはそのことについて相談にあずかったことのないことを、まず明らかにしておきたいと思います。
 このチラシのような趣旨の議論は、その以前から知事の発言に見られましたし、年明けの和歌山放送のラジオで知事と県選出国会議員の座談会でも繰り広げられておりました。その座談会で、ある国会議員の方は、無駄な道路などというものは1つもないという趣旨の発言までしておられました。どんな道路でも、全く人も車も通らない道路と言うものはないでしょう。しかし、費用対効果という観点から、莫大な費用をかけて余り利用されない道路のことを無駄な道路というわけであります。そんなことをよく御存じの政治家の方が随分乱暴な議論するなと言う思いをしながら聞いたことを思い出します。
 さて、議論の前提を整理しておきたいと思います。道路特定財源というのは、揮発油税を初め道路関係からの税収を道路財源だけに充てるという仕組みであります。また、一般財源にも使うと言いながら道路整備計画を優先し、事実上ほとんど道路に使ってしまうというやり方は、まあ道路優先財源というふうに呼べばいいんですが、ここではそういうこともあわせて特定財源の仕組みというふうに言わせていただきましょう。そして、その仕組みの上にその税率を上乗せした暫定税率という問題があるわけでございます。
 さて、何が問題になっているのでしょうか。
 第1は、1つ1つの道路をつくるに当たっては財政全体を視野に入れて、本当に必要な道路かどうか、費用対効果はどうなのか、福祉か道路かガソリン値下げか、国民にとって何が必要なのかを政策判断しなくてはなりません。しかし、特定財源という仕組みは、まずお金はあるということで、厳しい政策判断がおろそかになる。ここに問題の眼目があります。そしてその結果、いわゆる無駄な道路がつくられてしまう。東京湾アクアラインでは、交通量が過大に見積もられていたことが批判されています。本四架橋でも、3本もの橋をかける必要はなかったのでないかという意見が多いように思います。
 第2は、その一方で、和歌山県など地方で必要な生活道路を先送りにされてきました。そのことは、道路特定財源、暫定税率という仕組みがあろうとなかろうと──あるいはあったにもかかわらずと言ったほうがいいかわかりません──あったにもかからず、政治が地方を大切にしてこなかった結果であります。
 第3に、暫定税率の上乗せをするのかどうか、税金をどう取るのかという問題は政治が決める問題です。暫定税率を廃止するのか、あるいは引き下げるのか、環境税のようなものに置きかえるのか、それとは別に大企業優遇税を是正して財源を生み出すのか、あるいは、私たちは反対ですが、消費税を引き上げて財源を生み出すことも含めて、政治が決めればさまざまな選択肢があります。また、それをどのように地方に配分するのか、それは国会で法律を決めれば、これもさまざまな選択の方法はあるわけです。そして、その選択が国会で議論されているわけであります。
 以上が、私の質問の前提条件でございます。このことについては、だれもが否定しないだろうと思います。
 そこで、知事にお伺いいたします。
 第1、全国的に見て、いわゆる無駄な道路などというものはなかったとお考えなのかどうか、知事の認識をお聞かせください。
 第2、和歌山県内でも、これはと首をかしげるような道路もあると思います。知事はそんなことを感じたことはないのかどうか、お聞かせください。
 第3、私がさきに申し上げた税金の集め方、地方への配分など、法律をつくればさまざまな選択肢があるという私の指摘について、違った考えをお持ちかどうかお聞かせください。
 第4、さまざまな選択肢があって国会で論議されている問題を、知事という立場で、あるいは和歌山県という名前で、税金を使い、あるいは地域自治会を使って、これしかないというような一方的な考えを宣伝されるのはいかがかと思いますが、いかがでしょうか。
 第5に、知事が声を大にして言わなくてはならないのは、これまでの政治で地方が置き去りにされてきたという問題、道路問題しかり、三位一体の改革しかりでございます。そして、特定財源や暫定税率の仕組みがどうなろうと、地方に住む私たちを切り捨てることは許すまいということを大いに言っていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
 以上、知事への質問でございます。
 第3の柱は、ワーキングプアと生活保護制度の活用の問題についてであります。
 ワーキングプアというのは、「働いても生活保護以下の生活しかできない人」と定義されています。2002年で世帯数の18.7%という推計もあります。
 NHKスペシャルのワーキングプアの特集では、母子家庭で幾つもの仕事をして、夜の9時に子供を寝かしつけてから働きに出る、午前2時に子供が眠っている場に戻ってくる、こんな生活をあと10年も続けるという、けなげな決意を語るお母さんが紹介されておりました。
 ワーキングプアの問題は、根本は雇用や労働条件の問題ですが、私は、ここでは福祉や生活保護の面からこの問題に迫ってみたいと思うわけでございます。
 必死で頑張っていても生活保護以下の生活しかできない方が多くいらっしゃる。頑張って頑張って、体を壊して本当にどうしようもなくなったところで私たちに相談に来られて生活保護を受けるということになる。これがよくあるケースでございます。働く意欲もなくしてしまっている場合も少なくありません。
 しかし、少し考えてみればおかしなことです。生活保護というのは最低生活のセーフティーネットですから、それ以下の生活の皆さんは、このセーフティーネットで守られなくてはならないのです。それがこの国の建前であります。ところが、この建前が守られていないわけでございます。守られていないだけじゃない。本当に困窮した方でもすぐには受け付けてもらえないという問題がよく起こっています。
 私たち海南・海草の共産党の議員団でこの問題を論議しました。そのときに1人の市会議員から、「私は、まだ働けるときから生活保護のお世話をする。そして、生活保護を受けてもまだ働いている方が多いですよ」と報告をしてくれました。生活保護のお世話する件数が一番多い議員であります。その議員は、「生活保護になっても少しでも働きなさいよ」とアドバイスをしています。これが本当の姿でないでしょうか。それは、北九州市などで問題になっているような、就労指導という名前で生活保護から追い出すのとは全く違ったものでございます。
 「捕捉率」という言葉がございます。捕捉というのは、捕まえるという意味の捕捉です。生活保護を受けられる要件を満たす世帯がどれだけ生活保護を受けているか、捕捉されているかという数字を捕捉率と言います。平成16年12月の「生活保護制度の在り方に関する専門委員会報告書」という文書の中に、捕捉率を検証する必要があるという指摘があったという文言が出てきます。しかし、政府は捕捉率を検証した気配がございません。捕捉率はどうなんでしょうか。逆に言えば、生活保護を受けてもおかしくないのに受けていない方がどれくらいおられるんでしょうか。
 生活保護を受けている方は人口の1%ですが、生活が困窮している10%の方の消費水準と比較すると、10%の困窮家庭のほうが消費水準が低いという統計もあります。生活保護の要件は、所得水準のほかに、近親者からの援助をいただけないかということ、預金や財産はどうかということもありますから、この10%の皆さんすべてが受給対象者になるかわかりません。しかし、そういうことを差し引き勘案しても、捕捉率というのは非常に低いということになるのではないか、このことが推測されるわけでございます。
 行政の責務というのは、法と基準に基づいてこのギャップを埋めることにあります。ところが、なかなかそうならないという現実があります。そこで、こんな声も聞こえてきます。「生活保護の人は結構なもんや。私らもっと生活は苦しいんや」。不正受給の問題を別としても、普通に生活保護を受けている人についてまで、生活が苦しい人たちからそんな声が起こってくるわけでございます。それは、生活保護制度が本来の姿で運用されていないからそういう声が出るんだろうと思います。
 北九州市での餓死事件を受けて、実は厚生労働省指導にも一定の手直しが生まれているように見受けられます。平成19年9月6日に厚生労働省社会・援護局が開いた「生活保護関係全国係長会議資料」というものがございます。そこには「生活困窮者を発見し適切に保護を実施するため、生活困窮者に関する情報が福祉事務所の窓口につながるよう、住民に対する生活保護制度の周知、保護福祉関係部局や社会保険・水道・住宅担当部局等の関係機関との連絡・連携を図るよう努められたい」と記載されています。
 わかりやすくその1つを言いかえてみましょう。例えば、国保税を払えないで、そして資格証明書を発行されて、病院へ行ったら自分で医療費を払わねばならない人がいる。そのときに、国保の担当者は資格証明書を発行すればそれでいいんではありませんよと書いているわけです。そうではなくて、なぜこの方は国保税を払えないのか、悪質滞納者じゃないならば生活保護で守られるべき人ではないのかと。だから、国保の担当者は福祉事務所やあるいは民生委員と連絡とって、この方は生活保護に該当するんではないですか、どうですかということで連絡しなければならないというふうにこの資料は言っているわけです。厚生労働省さえもこういうことを言っている。ですから、今、国保のこと言いましたが、例えば公営住宅の家賃が払えない人、年金を払えない人、それぞれでございます。こういうところまで今来ています。
 福祉保健部長にお伺いいたします。
 第1に、和歌山県内で生活保護を受けておられる方が何人おられるのか、就労実態がどうなっているのかなど、生活保護の実情をその歴史的経緯も含めてお伺いしたいと思います。
 第2に、生活保護を受けられるはずなのに生活保護を利用していない方の問題です。
 国保税や地方税の滞納、年金の未納などは、貧困のメッセージである場合が少なくありません。こうした担当者と生活保護の担当者が連携して生活保護の活用を図るべきだ、これが通達の意味だと思いますが、いかがでしょうか。また、平成19年9月6日の会議資料、この資料を出先機関や市町村担当者にまで徹底させておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
 第3に、世間では、生活保護というのは全く働けない人が受けるものだという観念もあります。また、生活保護を受けることを恥ずかしいことのように考えて、無理をしておられる方も少なくないと思います。必要な方は積極的にこの制度を活用されるように県民への啓発活動をすることが求められると思いますが、どうお考えでしょうか。
 以上、福祉保健部長にお伺いします。
 第4の柱として、放置艇規制条例と船舶置き場の整備についてお伺いいたします。
 和歌山県プレジャーボートの係留保管の適正化に関する条例が今議会に提案されております。この問題は、昨年の予算委員会で同僚議員が取り上げられ、私も6月の本会議で、和歌山下津港の40分の1の海岸線である海南市付近に放置艇の4割が集中しているという事実を指摘し、対策を急がれるように要望いたしました。その後、仁坂知事が規制条例をつくるという記者発表をされた。迅速な対応を評価するものでございます。
 しかし、条例ができるということは、出発点に着いたということでございます。従来の放置地域が船舶置き場に指定されただけでは、津波のときに船が凶器になるという状況は変わらないわけです。特に海南市付近では、住宅地に近接して船舶が放置されています。
 県土整備部長にお伺いいたします。
 第1に、条例の考え方と船舶の係留地の整備についてどのようにお考えなのか、お聞かせください。
 第2に、係留地に指定する場合には、津波が発生した際、船舶が凶器にならないように、基本的には住宅密集地を避ける必要があると考えます。また、どこにつくるにしても、しっかりした係留施設、付近の堤防のかさ上げ、あるいは港湾の入り口に水門を設置して津波から守るなどのことが必要だと考えますが、いかがでしょうか。
 第3に、係留地周辺住民の合意でございます。係留地周辺住民が津波が来たとき安全なのかどうかということが出発点になっている問題ですから、よく話し合って御理解いただき、また御理解がいただけるような対策をとっていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
 最後に、第5の柱としてJR黒江駅のバリアフリー化についてお伺いいたします。
 平成17年の6月県議会で、私は、JR黒江駅の安全問題、プラットホームの段差解消を訴えました。1年後、JR、県、海南市が3分の1ずつの負担で段差解消ができたことは大変うれしいことでした。
 私の質問に、当時の企画部長がバリアフリー法でやりましょうと前向きの御答弁をいただき、一気に実現への流れができました。しかし、実際にはバリアフリー法にはよらず、海南市には、すぐに要望にこたえたいということでプラットホームのかさ上げだけを実施して県からも御支援をいただいたというのがその後の経過でございます。
 乗降人数は、平成17年度で5000人を超しました。利用する智辯学園の小学生、平成19年で6年生まで通学するようになってますから、5000人を大幅に超していると思います。地域では高齢化が進み、お年寄りの利用も大変多いのです。地域を回ってみると、段差を解消いただいて大変うれしいという声とともに、階段を上がるのが大変で、エレベーターという声を大変たくさんお聞きいたします。国の方針としても、乗降客人数5000人以上の駅はバリアフリー化することが大きな流れになっているように伺っています。
 そこで、企画部長にお伺いいたします。
 第1、県内でのJR、私鉄を含めて、バリアフリー化の計画はどうなっているでしょうか。
 第2、JR黒江駅について、そのバリアフリー化の見通しはどうお持ちなのか。また、その場合の地元負担はどうなるのかをお聞かせいただきたいと思います。
 以上で、第1回目の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(新島 雄君) ただいまの雑賀光夫君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、道路財源関係の雑賀議員の御質問にお答え申し上げたいと思います。
 第1問でございますけれども、無駄な道路などというのは全国的になかったかどうかということを言えということでございます。
 そんなことは、全国のことは自分の権限でないのでわからないというのが模範的な答弁ではないかと思いますが、個人としては、それは少しはあるのではないかと、はっきり言うと思います。それはしかし、国会でも、あるいはそれぞれの地域の県議会でも御議論されたらいいことでありまして、別にそれを封じられているということではないと思います。
 実は、この考え方は政府のものなのでございます。何度も御説明しておりますけれども、平成18年12月、和歌山県で選挙が行われているときでございましたけれども、そのときに政府は、無駄な道路はもうやめて、必要な道路はつくるけれども、その必要な道路は今後10カ年計画をつくって決めて、残りのものはもうつくらないことにして、それで残った財源は一般財源に回すというふうにおっしゃった、この考え方ではないかと思います。
 そこで、私どもは、和歌山県が悲願としている、もうここまで来ていると思っておったこの道路、和歌山県のいろんな道路が、一番おくれている和歌山県の道路の改良が実現できないことになってしまったら大変だというふうに思いまして、昨年の春から道路懇談会を形成いたしました。そこで検討をして夏までに結論を得た。その結論は、道路は地方にチャンスを保障するものだ、それから、やっぱりそれでも選択と集中は要るぞという考え方が哲学であり、この選択と集中のもとで積算をいたしますと、10年で和歌山県に関しては今までの2倍、選択と集中をしても2倍も予算がかかるんだということを試算して、それを国土交通省に届けて議論をリードできたと思っております。
 もちろん、おもしろおかしく出ておりますようないろんな無駄、これは廃していただいたらいいと思います。そんな無駄があるんだったら和歌山県の道路を1センチでも多くつくってもらいたいと、こちらに財源をたくさん回してもらいたいと、こういうふうに思っております。
 しかし、和歌山県で2倍のお金がかかるときに、国全体を考えましても、到底地方で──例えば和歌山県で試算すると10分の1になってしまうようなそういう措置、あるいはもしそれをカバーするために国から取り上げるといたしますと、国自体が5分の1になってしまうようなそういう措置で、全国が、あるいは道路建設が、必要な道路がつくれるとは私は全く思っておりません。
 第2に、和歌山県内でこれはと首をかしげるような道路もあるとおっしゃいました。知事はそんなことは感じたことはないのかと。それも、正しい答えは、どこか首をかしげるような道路建設があったら堂々とこの議会で議論をしていただきたいと、そのために皆さんがいらっしゃるではないかと、こういうふうに思っております。私どもは、そういうことはつくらないように一生懸命努力を自分たちもして、無駄を廃して必要な道路から優先的につくっていくということをやっていきたいと思っております。御意見は虚心坦懐に聞いていきたいと思っております。
 しかし、すべての要望には、地元の方々のそれこそ悲願に似たような気持ちも全部乗り移っております。そういうこともまた、私どもは常に感じながら行政をやっております。
 例えば、平成19年11月27日、海南・海草議会議員連絡協議会の方が、先ほど御議論にありました阪井バイパスの促進をぜひ頼むというふうに知事室にお見えになって言ってこられました。その中に参加されておられたのはどなたでありましょうか。そのときは、当然4車線で、もうつくるという計画は出ております。それを早期にお願いすると言ったのはどなたでありましょうか。もし、それは違うんだと、2車線がよろしいというふうに思っておられるとすれば、それは足を引っ張るために御参加されたのでありましょうか。
 あるいは、知事室は、今、言論は自由自在でございます。私もちょっと思い切ったことを言いますけれども、お客様にももう何でも発言していただいております。そういう意味で、別に弾圧したとかおどかしたとか、そんなことでは決してございません。私は、雑賀議員も阪井バイパスの促進はぜひやるべきだというお考えのもとにやっておられるんだろうなということで、行政をリードしてきたつもりでございます。
 もっとも、正直言って、和歌山の道路に関しては、すべて未完成で、つながってないなあという感じも抱いております。したがって、どこか優先的に早くつなげるような方向で選択と集中をやっていかないといかんなあと。それはまた、その選択から漏れた人たちに対しては気の毒だなあと思いながら、心を鬼にして後回しにせざるを得ないようなものもたくさんあるわけでございます。
 第3番目に、さまざまな選択があるではないか、税金の集め方、地方への配分など、いろんなやり方があるじゃないかというふうにおっしゃいました。そのとおりでございます。
 しかし、現在出ている議論、国政の分野でいろいろ議論されている分野は財源の廃止論ばっかりで、財源の手当て論は、私は全くといってないと考えております。地方が足りなくなる、そうすると国からさらに取り上げて地方のほうに回してあげて、そしたら地方はまあいいかなと。そしたら今度は、5分の1になったら国のほうの予算が──試算をすると、私の試算では5分の1ぐらいになってしまいます。その5分の1で、もちろん無駄は廃したとしても、果たして私どもが要望しておるような、悲願としているような42号線の有田海南バイパスとか京奈和自動車道とか、紀伊半島一周道路とか府県間道路とか、こういうものが我々の思うように本当につくっていただけるでありましょうか。
 先ほどの11月27日に要望されたもう1つの要望項目は、国道42号線の海南有田のバイパスについての早期新設改良整備でございました。
 それから、第4に宣伝の話でございます。宣伝と、いわゆる括弧つきの宣伝でございます。
 和歌山県を預かってる知事としては、和歌山ではこういうことに事実としてなりますよということを述べて何が悪いんでありましょうか。国政のことは黙っておれと言われるんならば、それこそ私はお上の規範に盲従するというようなことではないかと思いまして、個人的には、それは卑屈な態度だというふうに思います。お上あるいは国政に黙っていたら、和医大の定員増だって地デジの危機だって、全然解決いたしません。したがって、それは黙っていることはできないわけであります。
 もちろん、私としては、県に直接関係のないことで国政でいろいろ議論されている、これについて発言することは、これは差し控えたいと思っております。一例を挙げますと、アフガンの給油の話なんかございました。国政で二分されてました。あれは直接関係ありませんから、これについては、個人の意見はともかくとして、県として意見を申し上げることはないというふうに思います。しかし、道路の問題は県として大変大事な話であり、皆さんの悲願でございます。したがって、これはこういうふうになりますよということは申し上げないといけないということだと思います。
 もう1つ申し上げますと、いろいろなパンフレットをつくりました。そのパンフレットで、この暫定税率の廃止の問題点を指摘したパンフレットと似ているパンフレットがあるのをご存じだと思います。これは、必要な道路はこれなんですと言って先ほど御説明しましたように、道路はチャンスなんですと、選択と集中はするけども和歌山はこれだけ要るんですということを客観的にみんなで議論をして申し上げた材料と全く同じなのであります。その材料をお出ししてパンフレットをつくって政府に働きかけをしたときは、応援していただいたかどうかわかりませんが、別に異論はなく、それが実現できなくなって大変だ──全く同じ論拠なんでありますが、これは大変だと言ったときに、何で、たまたま国政で意見が分かれてるからといってそういうことを黙らないといけないのでありましょうか。
 第5でございます。知事が声を大にして言わなければならないのは、地方を切り捨てるなということであります。
 全く賛成であります。地方に住む私たちを切り捨てることは許さないと言えとおっしゃった。そのために私は行動しなきゃいけないというふうに思っております。まさに暫定税率の問題がここに絡むから私たちは一生懸命考えないといけない。暫定税率の廃止によって財源がなくなる。別に取ってくれば、それは別でございますけれども、その財源がなくなる。その結果、幹線ネットワークが頓挫して、それで和歌山がつながらなくなる。これこそ和歌山の切り捨てになるから私たちは言っとるのであります。
 石原知事も、東京都知事でございますが、道路は東京にとっても大事だろうと言っておられて、同じ意見でございます。しかし、私は、東京都については、道路が建設できなくても、不便にはなる。不便にはなるけれども、切り捨てられることはないというふうに思います。しかし、和歌山では、この幹線ネットワークが頓挫したら、我々は不便になるだけじゃなくて切り捨てられることは必定だというふうに思います。そういう意味で、切り捨てられたくないということで頑張っているものであります。
 中央の政局に過度に影響されることなく、まさに県民の視点で、和歌山県がどうやったらよくなるかということをぜひ一緒に考えていこうではございませんか。ぜひよろしくお願いします。
○副議長(新島 雄君) 福祉保健部長井畑文男君。
  〔井畑文男君、登壇〕
○福祉保健部長(井畑文男君) 生活保護関係の御質問3点につきまして、お答え申し上げます。
 まず、本県の生活保護の動向については、昭和50年度以降では、昭和53年度に被保護人員1万5556人、保護率14.5パー・ミルをピークに減少を続けてきましたが、バブル崩壊後の長引く景気の低迷等により平成9年度の被保護人員7684人、保護率7.1パー・ミルを境に増加傾向に転じ、平成20年1月には被保護人員1万2099人、保護率11.8パー・ミルとなっております。
 また、世帯の就労実態ですが、昭和55年度には世帯主、世帯員が就労している世帯は1685世帯、21.0%でしたが、生活保護世帯に占める高齢者世帯の割合の増もありまして、平成20年1月には706世帯、7.6%と減少してございます。
 次に、生活保護のネットから漏れている方に対する御質問でございますが、生活保護制度は、法で申請保護の原則がとられているため、生活に困窮する方などからの申請に基づき保護の開始決定を行うこととなっております。しかし、生活保護の適正な運営に当たっては、本人等からの相談を待つだけでなく、生活に困窮する方に関する情報が福祉事務所の窓口につながるよう、民生委員や市町村の関係部局等との連絡・連携を図るよう、従来から各福祉事務所を指導しているとこでございます。さらに、平成19年9月の生活保護関係全国係長会議の趣旨を、10月の県内福祉事務所担当者会議において周知を図ったところでございます。
 最後に、生活保護制度の周知につきましては、生活保護制度が昭和25年から施行されており、セーフティーネットとしての役割が既に県民の皆さんに周知定着されているものと認識してございます。また、民生委員の方々には、地域住民の生活状態の把握に努め、必要に応じた福祉サービスの情報提供や相談、助言その他援助を行う役割を担っていただいており、援助を必要とする方に対して生活保護制度の周知等も行っていただいているところでございます。
 以上でございます。
○副議長(新島 雄君) 県土整備部長茅野牧夫君。
  〔茅野牧夫君、登壇〕
○県土整備部長(茅野牧夫君) 放置艇規制条例と船舶置き場の整備についての御質問に一括してお答えいたします。
 まず、1点目の条例の考え方と船舶係留地の整備についてでございますけれども、関係法令に基づく規制とあわせて早急に放置艇対策を推進するため、プレジャーボート所有者等の責務や係留者の氏名等の届け出を義務づける重点調整区域の指定などを基本的な考え方といたしまして規定しました条例案を本議会にお諮りしているところでございます。
 係留施設の整備につきましては、これまでも和歌山下津港内港地区等において取り組んでおりますけれども、既存の静穏水域や低利用施設等を活用した簡易な施設整備も進めることによりまして、必要な収容数が早期に確保するように努めてまいりたいと思っております。
 2点目の津波発生時の2次被害防止についてでございますけれども、堤防、それから水門、そういった国土交通省や本県が推進しております津波対策施設の整備とあわせまして、周辺の状況等を総合的に勘案して係留場所を選定するなど、船舶が被害拡大の原因にならないように取り組んでまいりたいと思っております。
 3点目の係留場所の選定に当たりましての住民合意についてでございますけれども、法令に基づきます放置等禁止区域や重点調整区域の指定を行う際に、地区ごとに協議会を設けるなど、広く地元関係者等の御意見をお伺いし、和歌山県プレジャーボート等対策検討会にも諮った上で指定してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(新島 雄君) 企画部長森 崇君。
  〔森 崇君、登壇〕
○企画部長(森 崇君) 駅のバリアフリー化に関する2点の御質問にお答えさしていただきます。
 まず、県内のバリアフリー化計画についてでございます。
 国の基本方針では、1日当たりの利用者数が5000人以上の鉄道駅については、平成22年12月までにバリアフリー化を図ることとされております。また、平成20年度からは、5000人未満の場合でも、交通、観光の拠点性が高く、地域の強い要望がある鉄道駅についても対象となります。
 なお、国の補助制度を活用するためには、その前提として、地元市町村において鉄道駅を含めた一定地区内のバリアフリー化を推進する基本構想を策定する必要があります。
 現在、国の方針に該当し、バリアフリー化の着手がなされていない鉄道駅のうち、基本構想を策定済みまたは策定中の鉄道駅は、JR橋本駅及び南海橋本駅、JR六十谷駅とJR紀伊田辺駅の4駅でございます。
 次に、JR黒江駅のバリアフリー化の見通しと海南市の負担についてでございますが、JR黒江駅は5000人以上の利用者があり、国の基本方針に該当いたしますが、先ほど申し上げましたように、まず海南市が基本構想を策定する必要がございます。
 なお、バリアフリー化による負担につきましては、補助対象事業費を国、鉄道事業者、県を含めた地元自治体がそれぞれ3分の1を負担することとなっております。
 以上でございます。
○副議長(新島 雄君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 本県における教育改革についてお答えいたします。
 教育委員会では、国における教育制度改革の動きを踏まえ、社会の変化や県民のニーズを見きわめながら、これまでさまざまな改革に取り組んでまいりました。
 議員から御指摘のあった通学区の撤廃や入試改革、中高一貫教育の導入は、高等学校における生徒数の急激な減少でありますとか、生徒の興味・関心、進路の多様化等に対応し、特色ある学校づくりを進めるという観点から実施してきたものと考えます。
 これらの改革につきましては、取り組み後まだ日も浅く、教育システム全体の中で乗り越えていかなければならない課題もあることから、それぞれの成果と課題を十分に評価するとともに、学校現場の実態等を踏まえた分析を進める必要があると認識をしております。
 地域や保護者の願いをしっかりと受けとめながら、県民の信頼にこたえられる公教育の確立に向けまして今後とも鋭意努力してまいりたいと存じます。
 次に、学習指導要領に係る教育問題についてでございます。
 学習指導要領は、従来からも大綱的な性格を持つものでございまして、今回の改訂におきましても、生きる力をはぐくむという理念を継承するとともに、各学校の自主的な取り組みを尊重する内容となってございます。しかし、学習指導要領の理念が十分に理解されていなかった面があることも指摘されているところでございます。
 これからの教育では、その理念を十分踏まえながら、各学校が目の前の子供の教育課題に熱意を持ってしっかりと向き合い、取り組んでいくことが大事であるというふうに思います。
 過日、文教委員の皆様方には、県下の学校を訪問し、直接学校の取り組みや課題を把握していただきました。県教育委員会といたしましても、それぞれの学校の実態や先生方の思いを受けとめながら、市町村教育委員会と連携をし、学校と行政が一体となった確かな学力、豊かな心、健康な体をはぐくむ教育の推進に取り組んでまいります。
 以上でございます。
○副議長(新島 雄君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 44番雑賀光夫君。
○雑賀光夫君 御答弁ありがとうございました。
 幾つかの要望と、知事にはもう一度質問をしたいと思います。
 まず、教育の問題ですが、教育改革の総括は始まったばかりでございます。本会議での昨日からの先輩・同僚皆さんの討論からもそのことを感じました。何よりも、学校現場の率直な声が県教育委員会に届くようになってきたことを評価したいと思います。今後も問題点を出し合い、拙速は禁物ですが、手直しできることはすぐにも手直しをできるように、引き続いて議論をしていきたいと思っています。
 次に、生活保護の問題を取り上げました。今なお、生活保護の問題で、保護申請の現場では水際作戦という、受け付けないことをなくすことが課題になっています。しかし本日は、あえてそのことを中心にせずに、生活保護というものの本来のあり方、これを明らかにすることに努めたわけでございます。
 北九州市での不幸な餓死事件を受けて、状況が変わってきています。先ほどは厚生労働省の文書を報告しましたが、2007年の6月に発表された日本経済団体連合会(経団連)が「豊かな生活の実現に向けた経済政策のあり方」という文書を出しています。それを読んでびっくりしたんですが、「保護の実施機関である都道府県・市は、本来保護を必要とする者が、制度に関する知識や理解が不十分なこと、あるいは、手続きが煩瑣であること等の理由で、保護の網から漏れることがないよう、細心かつ的確に制度を運用していくことが望まれる」、こういうことを日本経団連が報告してるんです。
 私は、日本経団連というのは、財界団体ですから、消費税の引き上げを提案したり、大企業減税を提言したり、労働者派遣の自由化を言うたりということで多少目のかたきにしてた面があるんですが、これを読んで大変びっくりしました。見直しましたね、この点は。やはりこれは事実に基づいて、いいことはいいというふうに評価せないかんので。これは捕捉率に係ったことを言うてるわけです。ですから、むしろ行政のほうがおくれてるんでないか、もちろん福祉保健部長はそれを前からやっていますというふうに言うてくれているので、やはりそのことは本当に行政の末端まで生きるようにしてもらいたい。同時に、「県民の友」などで生活保護や就学援助の勧めのようなものを紹介してもいいんではないかというふうに思っています。御検討をお願いしたいと思います。
 そこで、知事への質問ですが、1つは、知事のほうから私への質問をしていただいて、どうもありがとうございます。阪井バイパスの問題でございます。
 実は、再発言のときに何かこれは言うといたほうがええかなと思ったんですが、知事がそのことに触れていただきました。
 実は、私はこの阪井バイパスの問題は早くやれというふうに言うてきたんですが、同時に、最初の計画ができたときに、盛り土計画である、そして4車線の計画で、いろいろ地元との間で問題がありまして、やはり盛り土計画は平面にしたほうがいいんではないかという提言をしまして、これは一たん都市計画決定で決まったものを変えてくれたんですね。そして、4車線のものも、これは斜面の部分を4車線で平面に切るので、やはり2車線のほうが道路設計の上でもやりやすいんじゃないかということも含めて、実はこの前、昨年でしたか、予算委員会でもその問題で討論をしているという経過がございます。
 しかし、そういうことはありますが、既にこの計画が決定をされて、用地の買収ということでどんどん話が今進みつつある。何人か地権者の方で、それはぐあい悪いと言うてる方もおられるんですが、大半の方がそれでいこうというふうになってる中で言うと、私はここで、2車線ないとだめなんだということに固執すべきではない。大局的な海南市の発展、和歌山県の発展から言うと、確かに2車線でもいけるけれども、ここまで工事が、この計画が進んでる中で言うと。ですから、私ら共産党議員団が毎年振興局への要求を出しますが、ことしの要求には2車線にしなさいという要求は入っておりません。ですから、先ほどの発言でも私は、こういう2車線でもいいという提案をしたことはございますというふうに過去形で言うてるわけでございます。
 知事も、こういう場合に名指しで言う場合には、知事の部下の方が現場におられるわけだから、一体雑賀県議という者は、この問題についてどういうふうにかかわってきたのかというのはよく調べていただいたらいいんではないかと、まずこれは申し上げておきます。
 それから、次に肝心の問題ですが、道路特定財源の問題というのは、道路から上がった財源はすべて道路に使うということで、まず財源がある、金はあるというところから出発するから、慎重な、政策検討の厳しい選択がおろそかになることが心配される。ここが一番の眼目でございます。だから、かつては無駄な道路、政府も無駄な道路があったというふうに知事はおっしゃいましたが、これからは無駄な道路はつくらないんだというふうに言っているけれども、本当にそうなのかというのが問題でございます。
 ところが、東京湾アクアラインというのが議論になったんだけども、またも東京湾にもう1つの橋をかけるという、そういう計画も含めてさまざまな計画があるわけですね。もちろん、和歌山から淡路島へも橋がないよりあったほうがいいですよ。しかし、これだけ福祉が大変なときに、財政が大変なときに、それをつくるのがいいかどうかというのは厳しい政策的な検討と判断が求められる。ところが、道路特定財源という仕組みはそういう検討を十分にやらないままに政策決定をしてしまう危険があるから、私たちは、そういう特定財源ということで税金の使い方、それに手を縛ってしまうことはよくないんではないか。国民的に討論をし、国会でも討論をして、本当にこの道は要るのか要らないのか、どれだけのお金を毎年毎年道路に使ったらいいのかという厳しい政策的討論をすべきだというのが私たちの主張でございます。
 そこで、知事も、地方を切り捨てるなというのは大賛成だと言われた。これは大賛成で、恐らく大賛成と言われると思っていたんですが、この点は全く意見が一致するわけです。ただ、少し論理に無理があるなと思うのは、特定財源の廃止が即地方の切り捨てになるというのは、かなりこれは論理の飛躍がある。聡明な知事とは思えないような、論理が飛躍をしてるというふうに思います。
 そこで、お聞きしたいのは、その論理の飛躍があるんではないかという問題が1つ。もう1つは、この59兆円という中で言うと、無駄な道路をつくらないと言いながら実際はまだまだ無駄な道路という問題が国会の中でもどんどん問題になってきてる。これはやっぱり根本には、59兆円は全部道路に使うんですという道路特定財源と言うたらいいですか、優先財源と言うたらいいですか、この仕組みがあるからこういう問題が起こってくるんだというふうに私は思うんですが、知事はどうお考えでしょうか。
○副議長(新島 雄君) 雑賀議員に申し上げます。発言時間は6分残っておりますが、総枠での時間があと1分となっておりますので、御了承をお願いいたします。
 以上の再質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 先ほど、論理におかしいところがあるとおっしゃいましたけど、特定財源の廃止が地方切り捨てになると言ったわけではなくて、暫定税率など財源をいただけないと地方の切り捨てになってしまいますよね、ということを申し上げたのでございまして、お金がやっぱりなくなったら、それは道路も何もつくれないというのは明らかではございませんでしょうか、ということを申し上げたいと思いました。
 それから、無駄なこと、おかしいこと、これは民主主義の世の中でございますので、いろんなところで議論をしたらいい。それから、特定財源になったからといってすべての道路が自動的にぽんぽんぽんとできるわけではなくて、それぞれ毎年の進捗状況とか、中期計画には一応紀伊半島の道路をようやく乗せてくれたところなんですけれども、それも毎年毎年の予算の中でどのぐらいのスピードでやっていくかとか、そういうことについて議論があるわけでございますね。そういう意味で、議論をする機会というのは別に全くなくなるようなことはありませんで、それを全くなくなるようなことを言うのは論理の飛躍なんでございます。ありがとうございました。
○副議長(新島 雄君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○副議長(新島 雄君) 以上で、雑賀光夫君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時57分散会

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