平成20年2月 和歌山県議会定例会会議録 第1号(全文)
県議会の活動
平成20年2月
和歌山県議会定例会会議録
第1号
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議事日程 第1号
平成20年2月22日(金曜日)
午前10時開会・開議
第1 議席変更の件
第2 会議録署名議員の指名
第3 会期決定の件
第4 議員提出議案第1号及び議員提出議案第2号(提出者説明)
第5 議案第1号から議案第75号まで(当局説明)
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会議に付した事件
第1 議席変更の件
第2 会議録署名議員の指名
第3 会期決定の件
第4 議員提出議案第1号及び議員提出議案第2号(提出者説明)
第5 議案第1号から議案第75号まで(当局説明)
第6 休会決定の件
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出席議員(46人)
1番 泉 正徳
2番 山本茂博
3番 前芝雅嗣
4番 浅井修一郎
5番 吉井和視
6番 向井嘉久藏
7番 門 三佐博
8番 町田 亘
9番 川口文章
10番 平木哲朗
11番 花田健吉
12番 須川倍行
13番 大沢広太郎
14番 谷 洋一
15番 平越孝哉
16番 下川俊樹
17番 岸本 健
18番 尾崎太郎
19番 藤山将材
20番 新島 雄
21番 山下直也
22番 井出益弘
23番 宇治田栄蔵
24番 多田純一
25番 中 拓哉
26番 角田秀樹
27番 江上柳助
28番 山田正彦
29番 坂本 登
30番 尾崎要二
31番 中村裕一
32番 服部 一
33番 片桐章浩
34番 原 日出夫
35番 藤本眞利子
36番 長坂隆司
37番 玉置公良
38番 小川 武
39番 冨安民浩
40番 奥村規子
41番 山下大輔
42番 松坂英樹
43番 藤井健太郎
44番 雑賀光夫
45番 野見山 海
46番 松本貞次
欠席議員(なし)
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説明のため出席した者
知事 仁坂吉伸
副知事 原 邦彰
知事室長 曽根義廣
危機管理監 杉本雅嗣
総務部長 小濱孝夫
企画部長 森 崇
環境生活部長 楠本 隆
福祉保健部長 井畑文男
商工観光労働部長 永井慶一
農林水産部長 下林茂文
県土整備部長 茅野牧夫
会計管理者 小倉正義
教育委員会委員長 樫畑直尚
教育長 山口裕市
公安委員会委員長 大岡淳人
警察本部長 鶴谷明憲
人事委員会委員長 守屋駿二
代表監査委員 垣平高男
選挙管理委員会委員長 山本恒男
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職務のため出席した事務局職員
事務局長 山本庄作
次長 植野博文
議事課長 薮上育男
議事課副課長 土井敏弘
議事班長 吉田政弘
議事課主任 中尾祐一
議事課主査 保田良春
議事課主査 石垣悦二
議事課主査 瀧川泰治
総務課長 下出喜久雄
調査課長 佐本 明
──────────────────── 午前10時1分開会・開議
○議長(中村裕一君) ただいまから、平成20年2月定例会を開会いたします。
これより本日の会議を開きます。
日程第1、議席変更の件を議題といたします。
議席の一部を次のように変更いたしたいと思います。
その議席番号及び氏名を職員に朗読させます。
○議事課副課長(土井敏弘君) 18番山下大輔君を41番に、19番尾崎太郎君を18番に、20番藤山将材君を19番に、21番新島雄君を20番に、22番山下直也君を21番に、23番井出益弘君を22番に、24番宇治田栄蔵君を23番に、25番多田純一君を24番に、26番中拓哉君を25番に、27番角田秀樹君を26番に、28番江上柳助君を27番に、29番山田正彦君を28番に、30番坂本登君を29番に、31番尾崎要二君を30番に、32番中村裕一君を31番に、33番服部一君を32番に、34番片桐章浩君を33番に、35番原日出夫君を34番に、36番藤本眞利子君を35番に、37番長坂隆司君を36番に、38番玉置公良君を37番に、39番小川武君を38番に、40番冨安民浩君を39番に、41番奥村規子君を40番に、それぞれ変更。
○議長(中村裕一君) お諮りいたします。ただいま朗読したとおり議席を変更することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま朗読したとおり議席を変更することに決定いたしました。
この際、暫時休憩いたします。
午前10時3分休憩
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午前11時1分再開
○議長(中村裕一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
日程第2、会議録署名議員の指名を行います。
今期定例会の会議録署名議員は、3番前芝雅嗣君、18番尾崎太郎君、34番原日出夫君の3君を指名いたします。
次に日程第3、会期決定の件を議題といたします。
お諮りいたします。今期定例会の会期は、本日から3月18日までの26日間といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 御異議なしと認めます。よって、今期定例会の会期は本日から3月18日までの26日間と決定いたしました。
この際、諸般の報告をいたします。
知事から地方自治法第180条第1項の規定による知事専決処分報告が、監査委員から監査報告及び現金出納検査実施結果の報告がありました。いずれもお手元に配付しておりますので、御了承願います。
次に、今期定例会に提出された議案は、お手元に配付のとおり、議員提出議案第1号、議員提出議案第2号、及び議案第1号から議案第75号までの77件であります。
日程第4、議員提出議案第1号和歌山県未成年者喫煙防止条例及び議員提出議案第2号和歌山県防災対策推進条例を一括して議題といたします。
まず、議員提出議案第1号について、提出者の説明を求めます。
福祉環境委員会委員長花田健吉君。
〔花田健吉君、登壇〕(拍手)
○福祉環境委員会委員長(花田健吉君) おはようございます。
ただいま議長のお許しをいただきましたので、議員提出議案第1号和歌山県未成年者喫煙防止条例につきまして、福祉環境委員会を代表して提案理由及びその趣旨を御説明申し上げます。
未成年者の喫煙は、法律により禁止されているにもかかわらず、いまだ憂慮すべき状況にあります。未成年者の喫煙は、健全育成上の問題だけでなく、健康上の影響も大人よりさらに重大であることは皆さん御承知のとおりであります。
この原因としては、未成年者の喫煙に対する社会の寛容性やたばこの価格が安いこと、自動販売機で未成年者でも購入できること、ニコチンの強い依存性により一度習慣となればなかなかたばこをやめることができないことなどが指摘されているところであります。
また、喫煙が及ぼす健康への影響が一般に浸透してきたこともあり、全体としての喫煙率が低下しておりますが、若い女性の喫煙が上昇傾向にありますので、両親の喫煙により、子供たちが家の中、車の中、飲食店などで日常的に受動喫煙にさらされている状況も日ごろよく見かける光景であります。
こういったことから、本委員会では、未成年者の健康の保護と健全育成という観点から、何としても未成年者の喫煙を防がなければならないという委員一同の一致した考えのもと、県議会において、このような憂慮すべき現状を速やかに改善するために和歌山県未成年者喫煙防止条例を提案した次第であります。
この条例は、委員会に、まず未成年者の喫煙に関する諸問題に詳しい専門家や関係者を参考人としてお呼びし、その意見を反映させながら条例素案を作成し、それをもとに委員による活発な審議を経た後、パブリックコメントや保護者団体から意見を聴取し、それらの意見も一部取り入れ、作成いたしました。
この条例の目的は、未成年者の喫煙の防止に関し、県、保護者、販売業者、事業者及び県民の責務を明らかにするとともに、県の実施する施策について必要な事項を定めることにより未成年者の喫煙を防止するための社会環境の整備を図り、もって未成年者の健康の保護及び健全な育成に寄与することにあります。このために、県当局は、未成年者の喫煙を防止するための社会環境の整備に関する総合的な施策や具体策の実施を求めるとともに、保護者や県民、事業者には、未成年者の喫煙を防止することとあわせて受動喫煙から保護することも努力規定として挙げています。
受動喫煙については、保護者団体から、障害のある子供の中には直接生命を脅かしかねないこともあるとのことで、条例への強い賛同もいただいておるところでありますが、当局におかれては、さらなる取り組みを求めるところであります。
他方、未成年者の喫煙問題に対するたばこの販売業者の責任も重大であることから、対面販売あるいは自動販売機による場合にかかわらず、未成年者がたばこを購入できない措置を求めています。
この条例は、県民1人1人が未成年者の喫煙を防ぎ、受動喫煙から保護しなければならないという意識を徹底するために県民運動として取り組んでいただくことを期待するものであり、罰則をもって強制する方法はとっておりません。未成年者の健やかな成長を願う我が和歌山県民は、必ずやこの条例の趣旨を十二分に御理解いただき、未成年者の喫煙防止への取り組みに御協力いただけると信ずるものであります。
議員各位におかれましては、提案の趣旨にどうか御理解、御賛同賜りますようよろしくお願い申し上げ、提案理由の説明を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(中村裕一君) 次に、議員提出議案第2号について提出者の説明を求めます。
防災・環境問題等対策特別委員会委員長向井嘉久藏君。
〔向井嘉久藏君、登壇〕(拍手)
○防災・環境問題等対策特別委員会委員長(向井嘉久藏君) おはようございます。
和歌山県防災対策推進条例、提案理由の説明をいたします。
防災・環境問題等対策特別委員会から提出いたしました議員提出条例第2号和歌山県防災対策推進条例につきまして、代表して提案理由及びその趣旨を説明申し上げます。
御承知のように、本県は過去幾度となく台風による風水害や地震災害に見舞われてまいりました。このうち、地震災害、そして津波といえば、我々和歌山県民がまず思い出すのは、議会の大先輩であり、初代県議会議長も務められました浜口梧陵であり、「稲むらの火」ではないでしょうか。自然災害に対して、みずからの命のみならず、地域の人々の命を守ったという偉業は我々県民の誇りであり、この精神を受け継いでいく必要があると考えるところであります。そして、近い将来、東南海・南海地震発生の可能性が極めて高いとされている今、この精神を受け継いだ防災対策推進条例を策定することは、私ども県議会の使命であると認識しております。
これまで、防災対策といえば、県や市町村など、公の機関による公助という形で行われてきたところであります。しかしながら、阪神・淡路大震災やそれ以降の震災で教訓となったのが、実際に一番多くの人命を救うのは自分の命は自分で守るという自助であり、地域の人々が助け合う共助であるということでありました。そして、これこそが和歌山県民が誇りとしてきた自助、共助の精神であると考え、私ども、条例の策定により目指してきたところであります。
本条例では、県民、自主防災組織、事業者及び県の責務を規定し、予防対策及び応急対策に分けて、それぞれ果たす役割を規定することにより防災対策を推進し、災害に強い地域社会づくりに寄与することを目的としております。
主な理由といたしましては、第1章総則において、防災対策の基本理念として、県民みずからの命はみずからで守る自助を原則とし、地域において互いに助け合う共助に努めていただき、県及び市町村の公助がこれらを補完するということにいたしております。これは、災害対策基本法等により県などの公助の役割が別途示されている一方で、先ほど申し上げましたように、本条例によって自助及び共助の役割を明確化し、浸透を図るため自助を原則としたところであります。
また、第2章の災害予防対策、第3章の災害応急対策では、県民、自主防災組織、事業者及び県のそれぞれの役割を規定し、全3章44条で構成いたしております。長い条例となりましたが、県民、自主防災組織、事業者ごとに規定を設けておりますので、県民の皆さんには必ず御一読いただきたいと考えております。
条例の策定に際しましては、委員会において活発な検討を行い、回を追って委員の意見を盛り込んだところであり、条例に規定は設けておりませんが、自主防災での女性への配慮を求める意見等もございました。また、自主防災組織の方々から状況をお聞きするとともに、条例素案についてパブリックコメントを実施したほか、委員会みずから出向きまして県民の生の声をお聞きさしていただき、御意見を踏まえまして、今回、全会一致により発議を決定いたしました。
県当局には、本条例の制定を契機として、県民の皆さんが防災のための対策を実行に移し、自助、共助がしっかりと徹底されるよう取り組んでいただき、議会としても、これを検証していく必要があると考えております。
この条例策定に当たりまして、各委員の皆さん方の活発な御意見、また地域の、特に和歌浦、磯ノ浦、また串本町の皆さん方の生の声をお聞きさしていただきました。御協力いただきました方々に深く御礼申し上げますとともに、事務局担当者も一所懸命頑張っていただきましたことを御報告申し上げたいと思います。
防災対策のなお一層の推進のため、議員各位の御理解、御賛同をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。報告、終わります。(拍手)
○議長(中村裕一君) 以上で、提出者の説明が終わりました。
次に日程第5、議案第1号から議案第75号までを一括して議題といたします。
まず、当局の説明を求めます。
知事仁坂吉伸君。
〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) おはようございます。
平成20年2月定例会に御参集いただきまして、厚く御礼申し上げます。
ただいま上程されました諸議案につきまして提案理由を御説明するに先立ち、県政に臨む私の所信を申し述べたいと存じます。
昨年1月の臨時議会で知事就任のごあいさつを申し上げ、はや1年余が経過いたしました。その間、私は、県民の皆様の声に真摯に耳を傾け、県の施策に生かすとともに、議員の皆さんと十分意思疎通を図り、車の両輪としてともに県政を進めることを心がけてまいりました。この初心を忘れず、これからも誠心誠意、和歌山県のために尽くしてまいりますので、議員の皆様には、引き続き御支援、御協力をよろしくお願い申し上げます。
さて、今や、本県に限らず地方自治体は多くの課題に直面しております。本格的な人口減少や高齢化が進む中、厳しい財政環境のもと、少子化や社会保障関係への対応、集落消滅の危機に直面するいわゆる限界集落などへの対応など、課題はいずれの自治体におきましても山積しております。したがって、これらの課題をいかに克服していくかが問われております。
しかしながら、我が和歌山は、このような対応に追われているだけではなく、100万人の県民が輝かしい未来を信じて、手と手を取り合って、額に汗して、たゆまざる努力をするといった郷土でありたいと思っております。
私は、知事就任以来、和歌山の元気の創造のために、本県の持てる資源を洗い直し、活用し、売り出すためのさまざまな戦略や基盤整備のための方策を立てて実行してまいりました。こうした取り組みの中で、私は、和歌山県が今後どういう方向に進んでいくべきか、私たちにとっての未来はどのようなものであるべきかを県民の皆様にわかりやすくお示しする必要があると考えました。
そこで、平成20年度を初年度として、今後10年間に取り組む施策の基本方向を明らかにする和歌山県長期総合計画の策定作業を進め、先般、行政改革・基本計画等に関する特別委員会に計画原案をお諮りし、委員の皆様の御意見を踏まえまして今議会に計画案として提案させていただいているところでございます。
本計画案は、今後の県政運営の指針とすることはもちろん、目指す将来像を県民と共有することで県民の主体的な活動に対する指針として活用されることを期待し、そして何よりも県民の目線を常に意識し、県民が読んでわかりやすくすることを念頭に置いて策定したところであります。
また、長期総合計画に沿って、その初年度たる平成20年度には新たにどのような政策を展開すべきかを6分野20項目に分類した新政策として定め、具体的に実施・実践していくことといたしました。そして、新政策の中核となる予算措置や条例案は、それぞれ今議会に御提案させていただいているところでございます。
今後は、毎年度の新政策のプロセスにおいて、長期総合計画に常に立ち返り、その進捗状況を注視しながら事業の不断の見直しを行うとともに、県政の課題に対応する新しい施策を積極的に展開してまいりたいと考えております。
また、12月議会におきまして表明させていただきましたが、長期総合計画に掲げた目指すべき将来像を実現するためには、持続可能な財政構造への転換を図ることが必要不可欠であり、計画自体にも、新たな行財政改革推進プランを策定の上、より一層の行財政改革に取り組む必要がある旨記載しております。これを受けまして、新行財政改革推進プラン素案を早急に策定し、議員の皆様にお示しするとともにパブリックコメントを実施し、議員各位や県民の皆様から御意見をいただいた上で、本年3月には新行財政改革推進プラン──これは仮称でございますが──として正式に公表したいと考えておりますので、御理解のほどよろしくお願い申し上げます。
最後に、道路特定財源の暫定税率の廃止についてでございます。
先般から、国において、道路特定財源の暫定税率の廃止について議論されておりますが、仮にこれが廃止されるとなれば、市町村財政に多大な影響が出ることはもちろんのこと、本県財政にも破滅的影響を与えることとなり、県民に対する福祉や教育などの最低限必要な行政サービスについても、ともすれば低下を招くことになりかねません。このため、早速、県内各界の代表の方々と一緒に、与野党各政党や国の関係機関に対して暫定税率の延長を求める要望活動を行うとともに、広く県民の皆様に御理解いただけるよう積極的な働きかけを展開しているところでございますが、今後とも国の動向を見きわめ、一丸となって強力に活動を行っていく必要があると考えておりますので、議員や県民の皆様の御理解や御協力をよろしくお願い申し上げます。
続きまして、順次、新年度当初予算に盛り込んだ20項目の新政策の概要について御説明申し上げます。
初めに、「未来を拓くひたむきな人間力の育成」についてでございます。
私は、人づくりにつきましては、「元気な和歌山」の創造を進めていく上で最も大事な核となるものであり、社会の形成者としての自覚を持ったよき社会人をはぐくんでいくことが重要であると考えております。そのためには、初等・中等教育における和歌山モデルの確立がぜひとも必要でありまして、学校、家庭、地域等が一体となる地域共育コミュニティを各市町村に創設し、市民性を高める教育を全県的に展開してまいります。
また、ふるさと学習の充実を初め、広い視野を持ち地域社会の発展に貢献できる人材の育成、そして児童生徒の言葉の力の向上や読書活動を推進するための環境づくりを進めてまいります。さらには、発達段階に応じた職業観等をはぐくむ教育を推進するため、県内すべての公立中学校において職場体験を実施します。
次に、国体開催を視野に入れた青少年の体力・競技力の向上についてでございます。
スポーツを通じ、多くの県民に夢や感動を与え、郷土愛を醸成し、和歌山を元気にするためには、平成27年に開催される第70回国民体育大会をぜひとも成功させる必要があると考えております。このため、開催に向けた組織体制を整えるなど開催準備を加速させるとともに、スポーツ競技力の向上のための取り組みを進めてまいります。
次に、「生涯現役で誰もが活躍できる社会の実現」についてでございます。
まず、少子化対策の強化についてでございますが、少子化対策につきましては、本県の喫緊の課題の1つであると認識しておりまして、子育て環境ナンバーワン和歌山の実現を目指し、子供を産み育てようとする人が安心して子育てができる環境の整備に努めてまいります。このため、紀州3人っ子施策を拡充し、新たに第3子以降の3歳未満児童保育料の無料化制度を創設するとともに、病児・病後児保育などの保育環境の整備を促進してまいりたいと考えます。
次に、本県にとって長年の懸案である医師の確保や地域医療の充実についてでございます。
知事就任以来、国に対し粘り強く働きかけてきた結果、ようやく先般認可された和歌山県立医科大学の地域医療枠入学者に対する修学資金を新設するとともに、安全で質の高い保健医療を効率的に提供できるよう、地域医療体制の堅持と医療連携体制の充実を目指したさまざまな取り組みを進めてまいります。
なお、老朽化した県立医科大学附属病院紀北分院につきましては、平成22年度における開院を目指し、本体の建てかえ工事に着手します。
次に、健康長寿・がん対策の推進についてでございます。
県民が生涯を通じて元気に暮らせるよう、地域に根差した健康づくりに取り組むとともに、全国的に高率な本県のがんによる死亡率を減少させるため、がん検診の受診率向上やがん診療体制の充実などに取り組み、健康長寿日本一和歌山の実現を目指してまいります。
また、肝炎対策といたしまして、医療機関における肝炎ウイルス検査の無料化を実施するための経費を平成19年度2月補正予算に計上するなど、検査から治療までの肝炎対策を総合的に推進してまいります。
次に、障害者福祉の推進についてでございますが、障害者の地域への移行を促進するため、グループホーム等の充実支援に取り組むとともに、一般企業等への就労促進や福祉施設における工賃水準の向上のための取り組みを進めてまいります。
次に、「国際競争力のあるたくましい産業の育成」についてでございます。
まず、元気企業の誘致・育成支援についてでございますが、企業誘致につきましては、知事就任以来、積極的にトップセールス、トップマネジメントに取り組んできた結果、誘致件数や投資額とも飛躍的に伸び、その活動が少しずつ実を結びつつありますが、引き続き企業誘致に全身全霊を傾けてまいりたいと考えております。
次に、企業の育成支援につきましては、元気で頑張る企業を掘り起こし、企業の経営革新や新商品開発及び新たな販路開拓などを総合的に支援するとともに、企業が求める中核人材の確保等に取り組んでまいります。
また、食品加工分野における新食品産業を創出支援するため、県工業技術センターの食品加工部門の機能強化を図ってまいります。
なお、最近の原油価格高騰に対する中小企業対策といたしましては、県の融資制度の対象を拡大し、必要な資金を支援しております。
次に、農林水産物の販売促進についてであります。
活力あふれる元気な和歌山を創造していく上で、収益性の高い農林水産業の実現は喫緊の課題の1つであり、本県の豊富で品質の高い農林水産物を武器にして、販売促進や販路開拓の分野に全力で取り組んでいかなければなりません。このため、和歌山版ミニアンテナショップを大都市圏に展開するとともに、農水産物や加工食品の海外輸出を促進するなど、さまざまな工夫を凝らしながら、「おいしい和歌山」の農林水産物を国内外に積極的に売り出してまいります。
また、水産物の安定出荷及び販路拡大を図るため、産地市場の統合を支援してまいります。
次に、農業王国和歌山の創造についてでございます。
高齢化などの進展に伴い、労働力の確保や耕作放棄地の解消が課題となっているため、JA選果場を核とした新たな組織づくりを進めるとともに、就農特待生制度や就農安定資金を新たに創設するほか、耕作放棄地と一体的に整備する和歌山方式の園地改良に取り組んでまいりたいと思います。
また、深刻化する有害鳥獣による農作物被害への対策といたしまして、防護・捕獲対策等の強化を図ってまいります。
次に、紀州林業の復権についてでございます。
本県の豊かな森林資源を生かし、生産性の高い林業・木材産業を実現するため、作業道等の整備や高性能林業機械の導入に対する支援、さらには東京、大阪などの大消費地における新たな販路開拓の促進など、低コスト林業と紀州材の需要拡大を進めることにより紀州林業復権の地盤を固めてまいります。
次に、「癒しと感動を与える誇れる郷土づくり」についてでございます。
このうち、まず観光資源の売り出し促進についてでございますが、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」を初め、本県の持っている数多くの貴重な観光資源を最大限に活用し、国内外からの誘客拡大を図るため、和歌山の魅力を磨き売り出す、和歌山に招く、和歌山でもてなすという3つの柱を基本に、積極果敢にさまざまな施策を展開してまいります。
次に、世界遺産の戦略的・総合的な整備についてでございますが、世界遺産である「紀伊山地の霊場と参詣道」は、広大なエリアにまたがる自然や文化的景観が特徴であり、世界でも類を見ない資産として価値の高いものでございます。この世界遺産にふさわしい基盤づくりを進めるとともに、和歌山、三重、奈良の3県連携による世界遺産熊野古道「祈りの聖地を歩く」キャンペーンを実施するなど、国内外に世界遺産としての付加価値の高い情報発信を行ってまいります。
次に、健全なマリンレジャーの推進についてでございます。
本県の長く美しい海岸線を活用し、健全な海洋性レクリエーションの振興と魅力にあふれた美しい水辺空間を創出するため、和歌山県プレジャーボートの係留保管の適正化に関する条例を制定し、放置艇に対する規制強化を進めるとともに、係留保管施設の確保に取り組んでまいります。
次に、景観と自然環境の適切な保全についてでございます。
美しい自然景観や世界遺産を初めとする文化的・歴史的景観の形成と保全を図るため、和歌山県景観条例を制定するとともに、具体的な景観施策を進める景観計画を策定し、県民や事業者と協働して本県の特徴を生かした景観形成に取り組んでまいります。
また同時に、県立自然公園の抜本的な見直しを行い、貴重な自然資源の保全を図ってまいります。
次に、和歌山田舎暮らしの支援についてでございます。
農山漁村の活性化を図るため、都市住民の移住や2地域居住に向けた受け入れ態勢の整備を進めるなど、和歌山田舎暮らしを積極的に支援するとともに、子供の農山漁村での体験交流や農林漁家民泊の開設などを支援し、第2のふるさと和歌山づくりを推進してまいります。
次に、地球温暖化対策と循環型社会の構築についてでございます。
本県の持つ良好な景観や貴重な自然環境を適切に保全する環境先進県として、企業に対する啓発や家庭での太陽光発電の普及促進、そして企業の森への参画企業等の誘致など、限りある資源等の循環的利用や貴重な自然の保全に全力で取り組んでまいります。
次に、「県民の命と暮らしを守る安全・安心の確立」についてでございます。
まず、東南海・南海地震対策の充実についてでございますが、近い将来起こり得る大規模災害に対して、県及び市町村が連携して、その災害を予防・減災するための基盤づくりを推進するなど、災害に強い和歌山づくりを目指します。
次に、水害・土砂災害対策の推進についてでございます。
水害・土砂災害による死者ゼロと被害軽減を目指し、備え逃げ切るためのソフト対策として、災害リスクの事前周知やリアルタイム防災情報の提供を行うとともに、確実に減災を実現するためのハード整備に取り組んでまいります。
次に、犯罪・交通事故の撲滅についてでございます。
ますます悪質化、広域化、スピード化する各種犯罪への対応のため、新通信指令システムを構築するとともに、犯罪発生状況等を携帯メールにより住民にタイムリーに提供してまいります。
また、交通安全対策につきましては、飲酒運転根絶のため、県内事業所に対し、飲酒運転根絶バッジを広く配布するとともに、後を絶たない悪質な飲酒運転者を徹底して取り締まります。
なお、食の安全・安心につきましても、県民が安心して生活する上で欠かせない大切なことであり、特に最近、全国的な問題となっております食品表示につきましては、食品表示推進者を育成し、県内の食品事業者における適正表示の取り組みを促進してまいります。
最後に、「にぎわいと交流を支える公共インフラの整備」についてでございます。
まず、交通ネットワークの整備についてでございます。
特に道路につきましては、商工業や観光、防災、そして医療などあらゆる活動の基礎となるインフラであり、ナショナルミニマムを保障する根本であります。そのため、グローバルな交流を支える高速道路ネットワークや内陸部骨格道路など、根幹となる道路網の早期整備を目指してまいります。
具体的には、平成27年の国民体育大会開催を目標に、近畿自動車道紀勢線のすさみインターチェンジまでの開通や京奈和自動車道の県内全線開通に向けた整備を促進するとともに、国や関係機関への働きかけもあわせて行ってまいります。
また、高速道路を補完する内陸部骨格道路につきましては、平成23年度完成を目途に優先整備するとともに、その他の道路整備につきましても、事業実施期間を大幅に短縮し、改築に係る全箇所について完了目標を明らかにしてまいりたいと考えております。
最後に、情報基盤の充実についてでございます。
人口定住や企業進出の前提ともなる情報通信基盤の整備につきましては、和歌山県ブロードバンド基盤整備5カ年計画による高速通信環境の整備や、和歌山県携帯電話つながるプランによる携帯電話不感地域の解消及び地上デジタル放送難視聴対策を3本柱として推進し、県内のデジタルデバイド解消に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
続きまして、今議会に提案しております条例案件等について、その主なものを御説明申し上げます。
まず議案第31号は、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律に基づき、和歌山県公益認定等審議会の組織及び運営に関し必要な事項を定めるための条例制定でございます。
次に、議案第32号、第55号及び第58号は、それぞれ知事及び教育委員会の事務部局の職員、県立学校等職員、警察官以外の職員の定数を改めるため、所要の改正等を行うものでございます。
また、議案第33号は知事等の給料の額を減じる期間を延長するため、議案第34号、第36号及び第37号は職員等の給料月額を減じる期間を延長するため、所要の改正を行うものでございます。
議案第53号、第54号及び56号は、それぞれ教育職員、市町村立学校職員、警察職員の給与について、議案第34号に準じた所要の改正を行うものでございます。
次に、議案第46号は、高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、和歌山県後期高齢者医療財政安定化基金を設置するとともに、当該基金の運営に関し必要な事項を定めるための条例制定でございます。
また、議案第50号は、紀の川市及び岩出市における下水道の整備を図ることを目的として、紀の川中流流域下水道を設置するため、所要の改正を行うものでございます。
続きまして、議案第51号は、景観法に基づく施策を実施するために必要な事項や県独自の施策を定めることにより、和歌山県らしい良好な景観形成を図るための条例制定であり、議案第52号は、プレジャーボートの係留保管の秩序を確立することにより、公共水域等の利用の適正化、海洋性レクリエーション活動の健全な発展等を図るための条例制定でございます。
次に、議案第61号及び62号は建設事業施行に伴う市町村負担金について、議案第63号は県道路線を廃止することについて、議案第64号は平成20年度包括外部監査契約を締結することについて、また議案第65号は県営住宅家賃滞納者に対する滞納家賃請求等訴訟の提起について、それぞれ議決をお願いするものでございます。
さらに、議案第66号は、中小企業高度化資金貸付金及び中小企業設備近代化資金貸付金に係る元金請求権等の放棄について、議決をお願いするものでございます。
次に、議案第67号は和歌山県長期総合計画を策定することについて、議案第68号は和歌山県長期総合計画「わかやま21世紀計画」を廃止することについて、それぞれ議決をお願いするものでございます。
議案第69号から第73号までは工事請負契約の締結について、議案第74号及び75号は工事請負変更契約の締結について、それぞれ議決をお願いするものでございます。
最後に、諸報第1号及び第2号は、地方自治法第180条第1項の規定による委任専決処分報告でございます。
何とぞ、御審議の上、御賛同賜りますようにお願い申し上げます。ありがとうございました。
○議長(中村裕一君) 以上で、当局の説明が終わりました。
お諮りいたします。2月25日は議案調査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 御異議なしと認めます。よって、2月25日は休会とすることに決定いたしました。
次会は2月26日定刻より会議を開き、補正予算等議案、議案第17号から議案第35号まで及び議案第62号を日程といたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午前11時40分散会