平成19年12月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(前芝雅嗣議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前10時0分開議
○議長(中村裕一君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第153号から議案第177号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 3番前芝雅嗣君。
  〔前芝雅嗣君、登壇〕(拍手)
○前芝雅嗣君 おはようございます。一般質問も3日目でございます。そろそろお疲れも出てくるところでございますが、何とぞ御清聴のほど、よろしくお願い申し上げます。
 さて、私の住んでおります串本町を中心とした紀南地方は、地場産業と言われております公共事業はだめ、一次産業もだめ、観光に少し光も見えてまいりましたが、経済は冷え切っています。道路に至っては、近畿自動車道紀勢線のすさみ─熊野間が位置づけられましたが、いつできるやら、夢のまた夢でございます。また、すさみ町から那智勝浦町までの約50キロメートルは、国道42号線がストップすれば迂回路もございません。
 本年10月1日現在の本県の市町村の人口増減を見てみますと、私の選挙区では、人口減少の著しい市町村ベスト4に古座川町、串本町と2町も入っております。限界集落どころか限界町と言わなければならないような状況であります。県土の均衡なる発展のためにも、どうか紀南地方に救いの手を差し伸べていただけますよう、よろしくお願いいたします。
 このたびの一般質問に対しましても、紀南地方の住民が希望を持てるような温かい御答弁をお願い申し上げまして、通告に従い、一般質問をさせていただきます。
 まず初めに、トルコ共和国との交流についてお伺いいたします。
 私の住んでいる串本町では、トルコの軍艦が串本沖合で沈没し、600名近くの方が命を落とすという悲しい出来事がありました。このときの地元民の救護がきっかけで、串本とトルコとの長期交流が始まりました。串本の姉妹都市であるトルコのメルシン市には、串本町樫野に建てられている慰霊碑と同じ慰霊碑が建てられ、串本通りと名づけられた通りもあるほど、串本とトルコは特別な関係にあります。
 皆様も御認識と思いますが、その出来事について少し紹介させていただきます。
 1890年(明治23年)9月16日、トルコ皇帝ハミル2世が日本に派遣した特使一行を乗せたエルトゥールル号が、帰路、暴風雨に遭い、串本大島の沖合で岩礁に衝突し、遭難するという事故が起きた。この事故で特使を含む587名は、死亡したが、死を免れた69名は地元民の救護により一命を取りとめた。このとき、村人たちは、台風のため漁ができなく、自分たちの食べるものさえなくなってしまうという状況にあったにもかかわらず、非常時のため最後に残されていた鶏までも振る舞い、介護しました。そして、遭難者の遺体を引き上げ、丁重に葬ったのです。
 この話は、和歌山県知事から明治天皇に伝えられ、その後、助けられた人たちは軍艦2隻でトルコに送り届けられました。このことは、当時、日本じゅうに大きな衝撃を与えたのです。
 時代は下って、イラン・イラク戦争が始まりました。1985年3月17日、イラクのサダム・フセインが、今から40時間後にイランの上空を飛ぶ飛行機を撃ち落とすということを世界に向けて発信しました。イランに住んでいた日本人は慌ててテヘラン空港に向かったが、どの飛行機も満席で乗ることができませんでした。世界各国は自国民の救出をするために救援機を出しましたが、日本政府は素早い決定ができず、空港にいた日本人はパニックに陥ったのです。そんな中、1機のトルコ航空の飛行機が到着しました。トルコ航空の飛行機は、日本人216人全員を乗せて成田に向かって飛び立ったのです。タイムリミットの1時間15分前でした。
 なぜトルコ航空機が来てくれたのか、日本政府もマスコミも知りませんでした。このとき、元駐日トルコ大使のネジアティ・ウトカン氏は次のように語られました。「エルトゥールル号の事故に際して日本人がしてくださった献身的な救助活動を、今もトルコの人たちは忘れていません。私も、小学校のころ歴史の教科書で学びました。トルコでは子供たちでさえエルトゥールル号のことを知っております。今の日本人が知らないだけです。それで、テヘランで困っている日本人を助けようとトルコ航空機が飛んだのです」。
 このことは3年ぐらい前にテレビでも放送され、大変反響を呼びましたが、そのときに助かった216名の方々、どの会社も、まただれ1人として串本町に何の連絡もございませんでした。大変残念なことだと思います。
 私は、先般、この方々を串本に招待し、交流を持ちたいと考え、本県の東京事務所に調査をお願いしましたが、個人情報保護法等もあり、残念な結果となりました。この件は無理だといたしましても、このすばらしい串本とトルコの関係をより一層充実したものにしていただきたい。
 正直に申し上げまして、トルコという国と串本という町では、財政も含め、これ以上の発展的関係は難しいと感じるところであります。どうか、県におきまして、串本町と協議の上、財政も含め積極的にトルコとの友好に加わっていただき、トルコと和歌山県としてもすばらしいよりよい関係を構築していただきたいと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 続きまして、知事のトップセールスについてお伺いいたします。
 我が県におきましては、観光立県を宣言し、和歌山大学の観光学部の設立も部長の就任も決まり大変喜ばしく、前途洋々に見えますが、実情はどうでしょうか。この定例会での知事説明で、観光客、入り込み客数は昨年まで3年連続して3000万人台を確保し、本年度につきましても堅調に推移しておりますとの説明がございました。宿泊者数も前年比で少しではありますが伸びも示し、一定の評価はできますが、一昨年と比べますと総数、日帰り客、宿泊客とも、ともに減少しております。
 雑誌「週刊ダイヤモンド」による最も満足した観光地ランキングでは、白浜が31位に入っております。最もがっかりした観光地ランキングでは、同じく白浜が13位に入っております。一方、最も満足した温泉地ランキングでは、白浜温泉は13位に、勝浦温泉は24位に入っております。最もがっかりした温泉地ランキングでは、30位までに両温泉とも入っておりません。また、同誌誌内においての都道府県の温泉、スキー場、名所旧跡から世界遺産、観光の目的となる観光資源、宿泊施設の規模等、観光インフラとも呼ぶべき観光産業の規模をあらわす項目等を集計対象とした47都道府県観光力ランキングでは、和歌山県は富山県と同位の31位でした。
 そして、この7月に国土交通省から発表されました、従業員10人以上のホテル、旅館などを対象とした初の全国調査である宿泊旅行統計によりますと、平成19年1月1日から3月31日までの調査期間で、和歌山県は31位でした。ちなみに、京都府は12位、奈良県は最下位です。宿泊施設の稼働率を見てみますと、和歌山県は33%、京都府は47%、奈良県は30%を切っておりました。
 この調査結果に、「読売新聞」の経済部長の上野氏は、「この関西の意外な不振の理由は一言で片づけられない。ただ、日本の世界遺産14件のうち5件が関西に集中しております。その中でも、奈良県に3件といった恵まれた環境を集客に十分生かせていないことだけは確かだ。時には関西もなりふり構わぬPRをしてみてはどうか。状況はそれほど厳しい」と論じております。
 先ほどの「週刊ダイヤモンド」のアンケートによりますと、1週間ぐらいのまとまった休みがとれたら国内旅行と海外旅行、どちらに行きたいかという問いに、62%が国内と回答しております。アンケート結果だけで判断するわけにはいきませんが、これらの結果を見て、多少なりとも和歌山県が観光振興に対してどう取り組んでいくのか見えてくるのではないでしょうか。国内外も含めた観光に限ってのトップセールスと観光に対する意気込みを知事にお聞かせ願います。
 続きまして、農家・漁家ホームステイについてお伺いします。
 この定例会の知事説明にもありましたが、去る10月16日に、本県初となる漁家ホームステイによる修学旅行受け入れを串本において実現させることができ、大変うれしく思っております。受け入れた家族の皆様も、生徒との交流で大変楽しい有意義な交流だったと喜んでおりました。そして、参加された生徒やその保護者の方々からもお礼のお手紙が寄せられ、私も拝見しましたが、それは大変喜んでいて、楽しいものだったと、今度は親の私も一緒に訪問したいというようなことがお礼とともに書かれてありました。サービスや料理の均一等々の課題もあろうかとは思いますが、まずは成功だったと思います。来年はもっと多くの修学旅行生が紀南地方を訪れると聞いておりますが、きっと皆さん満足して帰っていただけると思っております。
 今回の漁家ホームステイは、串本町教育旅行誘致協議会が中心となり、頑張っていただきました。白浜にも同様の組織ができました。勝浦にも、恐らくできるでしょう。紀北にも、紀の川市、JA紀の里を中心にした農家ホームステイが受け入れを希望しているそうです。
 このように、ほんまもん体験の修学旅行は年々増加していくと予想され、観光振興はもちろん、第一次産業の活性化になると大変期待していますが、今回の修学旅行の受け入れを行ってみて、今後解決していかなければならない課題も浮かび上がってきたものと思います。
 そこで、今後解決していかなければならない課題とその対応策を商工観光労働部長にお伺いいたします。
 続きまして、小型漁船緊急通報システムについてお伺いいたします。
 現在の漁協の皆様の防災対策は、各漁協の漁業無線と携帯電話であります。ほとんどの漁協では、漁業無線は24時間稼働していないのが現状です。また、携帯電話は送信電波に限界があります。そこで、漁業者の皆様方の海上の安全対策として、小型漁業緊急通報システムの導入はいかがなものでしょうか。長崎県で導入されているそうですが、海中に転落した場合は自動的に船のエンジンが停止したり、体のぐあいが悪いときはボタンを押すだけで信号が発信され場所がわかる等、大変すぐれていると聞いております。
 現在、漁業者の高齢化が進む中、1人で漁に出る方もたくさんおられます。また、先ほど質問いたしましたように、漁家ホームステイの体験においても、船上の生徒の安全の確保は絶対であります。財政上の問題もあるでしょうが、まず勝浦の基地局から紀南一帯だけでも試験的に行ってはどうでしょうか。農林水産部長にお伺いいたします。
 続きまして、清流古座川についてお伺いいたします。
 私の知人で環境問題等に一生懸命取り組んでいる千葉県の方が、「古座川は日本の清流四万十川よりきれいだね」と言っておりました。本当に古座川はきれいです。清流の証明でもあるオオサンショウウオがたくさん生息し、見るだけでも必ず心も洗われ、いやされます。それほどきれいな川です。
 しかし、それはダムより上流のことであります。ダムより下流が汚いと言ってるのではありません。しかし、以前よりは汚れてきていることも事実であります。それをいち早く知った地元古座川町の皆様が、このままでは大変なことになってしまうと清流古座川を取り戻す会を結成され、いろんな活動を行ってまいりました。
 古座川町の宝でもあるのはもちろんのこと、和歌山県、いや日本の宝でもあります古座川を守るために、地域住民だけでなく、古座川町も本県も参加し、古座川流域協議会を立ち上げ、行動していただいておりますが、どのような活動をされているのか、県土整備部長に御答弁をお願いいたします。
 最後に、振興局のコンペ事業についてお伺いいたします。
 平成15年より始まったこの事業を拝見しますと、本当にいろいろな事業が行われており、大変楽しく見させていただきました。その中で、ことしの東牟婁振興局の那智湾へのサーフィンリーフの形成は諸事情で延期になったのは、まことに残念に思います。しかし、西牟婁振興局のおやじバンドの事業は楽しそうで、地域の活性化はもちろん、観光の振興にもなり、どのように大きく成長していくのか大変楽しみであります。「日経新聞」主催のおやじバンドコンテストもあったようですが、「日経新聞」に負けないような大会になることを心から願っております。
 振興局コンペの事業の意義とおやじバンドについて、知事室長に御答弁をお願いいたします。
 以上で、私の1回目の一般質問を終わらしていただきます。(拍手)
○議長(中村裕一君) ただいまの前芝雅嗣君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、トルコ共和国との交流について御答弁申し上げます。
 前芝議員御紹介のとおり、トルコと串本町の友好関係につきましては、本当にすばらしい、緊密な関係が築かれていると実感しております。トルコ共和国政府並びに国民の皆様方の串本町に対する敬意と感謝の思いの深さは本当に格別なものがあると思いますし、また、串本町が町民を挙げて主体的な交流活動を長年にわたり営々と続けられたということには、心から敬意を表する次第であります。
 私も、去る10月、三笠宮殿下がおつくりになった東京三鷹にあります中近東文化センターでのエルトゥールル号展のオープニングに出させていただきました。そのときに実感しましたのは、串本町長がお見えでございましたけれども、トルコの方々がいかに串本ということを意識して、それで感謝をし敬意を表しているかということを実感いたしました。
 和歌山県といたしましては、現在も串本町、駐日トルコ大使館との情報の共有や連携に努めているところでございますけれども、今後、こうした市町村、大使館、民間団体との連携をさらに強化いたしまして、県民の皆様の交流活動の促進、支援に努めてまいりたいと考えております。
 次に観光の振興について、特に知事のトップセールスということでございました。
 議員のお話にありましたとおり、本県には、世界遺産に登録されている高野・熊野を初め、魅力あふれる観光資源が物すごくたくさんあるというふうに思っておりますが、それにもかかわらず、まだまだ十分誘客に結びついていないものと私は感じております。
 例えば、東京で言いますと、南紀白浜空港の存在を知らない人がいっぱいいる、それから、我が地元関西でも、全部ではありませんが、パンダが白浜に6匹もいるということを知らない人もたくさんいるということを私は発見しております。このため、本年7月に策定した観光振興アクションプログラムにおいて、和歌山の魅力を国の内外に向けて売り出すことを最重要課題として取り上げるなど、懸命の取り組みを進めてきたところでございます。
 今後も、議員のお言葉をかりますと、なりふり構わぬPRを進めなければならないというふうに考えております。その一環といたしまして、私みずからが和歌山のセールスマンとしての役割を担ってまいりたいと考えております。
 もともと少し恥ずかしがり屋で、スタンドプレーは嫌いなんですけれども、そんなこと言ってられませんので、これまで大阪や名古屋でのラジオ出演とか、首都圏主要紙での全面広告において私自身のメッセージを入れるとか、あるいは東京の世界遺産コンサートに出さしてもらうとか、名古屋でマスコミのトップと懇談をして和歌山を売り込むとか、大阪でふるさと自慢セミナーというのがあったら、それをつかまえて自慢をしてくるとか、いろいろできるだけ多くの機会に自分もセールスマンとなって和歌山を売り出していきたいと思ってまいりました。メディアを通じてだけでも十数回の働きかけを行ってまいりました。
 また、各国大使を和歌山にお招きしたときに、自分自身が、ちょっと恥ずかしいんですが、観光案内役をやりまして、また企業誘致で、数えてみますと40社を超える企業のトップに会って、来てちょうだいというような話をしてるんですが、そのときに企業誘致だけだと少し不足なんで、せめてと言ったらおかしいんですが、観光もいいですよと言って観光のPRも多くやってまいりました。そういう機会をつかまえて、今後とも大いにセールスをやっていきたいと思います。
 本県の観光の魅力を積極的に情報発信することで、より多くのお客様が和歌山に来て和歌山のよさを味わっていただくということのために、引き続き私が先頭に立つとの意気込みで、なりふり構わないPR活動をやってまいりたいと思っております。
○議長(中村裕一君) 商工観光労働部長永井慶一君。
  〔永井慶一君、登壇〕
○商工観光労働部長(永井慶一君) 観光振興における農家・漁家ホームステイについてお答えいたします。
 議員の御質問にありましたように、今回の修学旅行の受け入れは訪問側と受け入れ側双方とも大変好評であったと伺ってございまして、修学旅行の誘致に取り組んできてございます本県にとって大変喜ばしい結果でございました。
 しかし、持続可能な取り組みとするためには、議員の御指摘のとおり、料理等の平準化や来年度に向けた受け入れ家庭の増加など、今後取り組むべき課題も明らかになってきております。また、受け入れ施設整備等のハード面や安心・安全の確保等のソフト面での対応も必要であり、これらの課題に対応するため、現在、各課室との調整を行っているところでございます。
 農家・漁家ホームステイの実施は、観光の振興はもとより、第一次産業の発展にも大いに寄与することから、今後とも地元との連携を図るとともに、関係部局一丸となって受け入れ態勢の整備等に万全を期してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 農林水産部長下林茂文君。
  〔下林茂文君、登壇〕
○農林水産部長(下林茂文君) 4点目の小型漁船緊急通報システムについてでございますが、お答えをさしていただきます。
 海上における安全対策といたしましては、県ではこれまでライフジャケットの着用等について指導を行ってきたところでございますが、議員お話しの小型漁船緊急通報システムにつきましては、有効な安全対策の1つであるというふうに考えてございます。
 このシステムの実用化につきましては、信号受信の中継局等の整備が必要であり、また管理運営主体、あるいはまた漁業者の利用率等の維持管理の問題もございます。
 現在、お話ございましたように長崎県漁業無線協会がシステムを運営いたしてございますが、今後、その運営状況について情報収集を行うとともに、本県の漁業者や漁協等の意向も聞きながらこのシステムについて研究してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 県土整備部長茅野牧夫君。
  〔茅野牧夫君、登壇〕
○県土整備部長(茅野牧夫君) 先生お尋ねの古座川につきましてお答えいたします。
 議員御指摘の古座川流域協議会は、清流古座川を取り戻すための諸施策を総合的に進めていくことを目的に、流域関係機関、事業者、住民の方々を中心に平成18年1月に設立され、現在、県と協力いたしまして、汚濁防止、水質改善方法について検討を進めているところでございます。
 古座川につきましては、自然豊かな川でございまして、観光資源としても河川環境の保全に努めていくことは重要なことと認識しており、県といたしましても、ダム湖の水質調査、底質調査、放流時の濁度の調査などを行っているところでございまして、今後とも積極的に協議会の活動を支援してまいりたいと考えております。
○議長(中村裕一君) 知事室長曽根義廣君。
  〔曽根義廣君、登壇〕
○知事室長(曽根義廣君) 振興局のコンペ事業についてお答えいたします。
 振興局政策コンペ事業は、地域に最も近い振興局みずからが地域の課題や埋もれている資源を発掘し、その解決や活用に新しいアイデアや手法を用い、地域と一体となって進めることで活性化を図ろうとするものです。
 議員御指摘の南紀おやじバンドコンテストは、今年度の西牟婁振興局の政策コンペ事業である団塊世代・音楽交流事業から生まれたもので、この世代のキーワードの1つとなっている音楽を通して誘客と交流を図るとともに、新たな南紀の魅力を生み出し、全国に発信することを目的としています。
 第1回のことしは、全国から67組、うち県外からは39組の応募があり、ビデオ審査、ライブ予選を経て、去る12月2日には11組で決勝戦が行われました。これは、地元のNPOや観光協会、企業、自治体の皆さんと一致協力し、持てるネットワークを十分生かして推進してきたことが大きな力を生み出したものと考えております。
 県といたしましても、若い職員の発想や日ごろの地域に根差した活動が新しい提案につながり、地域の方々と一緒につくり上げていく過程こそが活性化に直結するものと考えておりまして、こうした取り組みやその継続には、今後もさまざまな面で支援をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 再質問を許します。
 3番前芝雅嗣君。
○前芝雅嗣君 御答弁、大変ありがとうございました。
 私は、今回の質問を観光振興というくくりでどの項目も、これはちょっと違うんじゃないかなというような項目も皆、観光振興ということで入れさしていただきました。
 私は、観光産業が和歌山県のリーディング産業になると信じております。また、そうならなければ和歌山県の発展はないと、そのようにまで思っております。特に紀南地方は観光産業を盛り上げていかなければならないと、そのように思っております。
 そのためには、知事を先頭に県職員全員、特に商工観光労働部に頑張っていただかなくてはならないなと。観光業者はもちろんのことでございますが、各市町村にも頑張ってもらわないと。それに、地域全体でやっぱり観光客を温かくお迎えするホスピタリティーの心が一番必要じゃないかなと、そのように思っております。
 「週刊ダイヤモンド」の観光力ランキングは低かったですけれど、北山村であったり、また体験型のこの修学旅行、田辺でやってる弁慶の映画祭り、上富田町のおやじバンドなど、新しいそういう楽しみな催しも出てきております。
 我々県民が力を合わせれば間違いなく他県にも観光で勝利できる、本県の観光がリーディング産業になるんじゃないかなと、そのように思いますんで、ぜひ県職員がその和歌山県のリーダーとなって頑張っていただけますよう要望しておきます。(「県会議員も頑張れ」と呼ぶ者あり)頑張っております。先生も頑張ってください。(「余分なこと言うなよ」と呼ぶ者あり)わかりました──もう次何言うか忘れてしまうじゃないですか。
 民間の方でやはり観光に一生懸命頑張っていただける方もありまして、その方から──いろんな民間がやっている取り組みがありますんで、ちょっと御紹介だけさしていただきます。
 和歌山県内の風光明媚な場所に、100カ所にキヤノン製のライブカメラを民間が設置しようと。それを案内をするホームページを作成後──ここからが問題なんですけど、民間でそのぐらいのことを頑張ると。その頑張って100カ所ぐらいにキヤノンのライブカメラを設置して全部に報告したのと同時に、知事に、そのキヤノンの御手洗会長に、民間でこんなに御社のカメラを100台も設置して和歌山県を全世界の方々にごらんいただいておると。それにつきましては、全世界のキヤノンにお勤めの社員にぜひお知らせ願いたいと。また、和歌山にすばらしい温泉とかいろいろございますので来ていただけませんかというようなPR文を、できればできたときに知事に書いていただきたいなあと、そういうことをおっしゃっておりました。
 また、その方は、「ジャパン」と検索すれば和歌山県、そのぐらい出てくるようなやつで、伝統、文化、歴史、生活様式などはまあ日本全国似通ったものであると。そこで、和歌山県下のプロ、アマ問わず、カメラマンに祭りや棚田などアジア的な写真を提供していただき、同時に映像や書画なども募集いたし、それらの作品を、著作権は放棄せずに無償でネットからダウンロードできるサイトを構築して、ねらいは「日本を知りたければ和歌山県の発信しているサイトを訪問」をキーワードで自動的に和歌山県のPRとなるような仕掛けをつくり、その中へは物販のページなど数カ国語を作成し、和と健康、美などを勧めます。和歌山県は、日本でも有数の温泉や世界遺産、梅干し、備長炭、棚田などすばらしい保有県であるので、どうかこういうのも参考になればやっていただきたいなと、そのように思います。
 最後に古座川の問題なんですけど、古座川の流域協議会というのは、確かに全般的に考えて古座川をきれいにするためにやってくれているのは大変よくわかりましたし、これからも続けていってほしいなあと、そのように思いますが、古座川の清流を取り戻す会の方々にとっては、少し動きが違うんじゃないかという疑問も持っております。
 今、少しやはり現実的に古座川が、汚いとは言いませんけど汚れてきていると、今きれいにしないと大変なことになるという、古座川の清流を取り戻す会の方は危機感を持っております。
 本県の観光立国の推進基本法、今年度出されたものによると、その観光立国推進戦略会議の報告書で、観光立国推進基本計画というのがこの間6月に出されてましたけど、その中にも観光資源としての河川環境の保全、創出及び活用というのがありまして、汚濁が著しい河川の定例しゅんせつや浄化用水の導入による水質改善、多自然川づくりの推進等による良好な河川空間を保全・創出しなさいというようなこともあります。
 ダムのもとから三尾川ぐらいまでが少し汚れてきてるんじゃないかと現場でもおっしゃっております。早急の手当てをしてほしいんですけれど、県土整備部長にお伺いいたします。再質問をお願いいたします。
○議長(中村裕一君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 県土整備部長茅野牧夫君。
  〔茅野牧夫君、登壇〕
○県土整備部長(茅野牧夫君) 議員御指摘の真砂─三尾川付近のことにつきましては、現地調査を行うとともに、土砂の堆積状況、水質などの調査を行っていきたいと考えておりますが、地元の方々の御意見も十分にお伺いした上で、協議会と連携を図りながら清流古座川の環境保全に努めてまいりたいと考えております。
○議長(中村裕一君) 再々質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 以上で、前芝雅嗣君の質問が終了いたしました。

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