平成19年12月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(川口文章議員の質疑及び一般質問)
県議会の活動
午後1時1分再開
○副議長(新島 雄君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
質疑及び一般質問を続行いたします。
9番川口文章君。
〔川口文章君、登壇〕(拍手)
○川口文章君 私は、本年4月の県議会議員選挙におきまして、単独で市制施行いたしました初めての岩出市選挙区から県議会議員選挙に立候補し、市民の皆様の絶大なる御支援をいただき、当選の栄誉を与えてくださった皆様に感謝いたしますとともに、与えていただいた任期を和歌山県の発展に尽くしてまいる所存であります。
私は、行政畑一筋45年、180度の転換でありまして、議員活動は全くの素人でございますが、先輩議員諸氏の御指導と仁坂知事初め県御当局の皆様の御指導をいただきながら一生懸命に努めてまいりますので、高いところではございますが、よろしくお願い申し上げます。
それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして、議員として初めての一般質問をさせていただきます。
まず第1点の、元気な和歌山実現のための予算編成のあり方についてお伺いいたします。
今議会において、先輩議員の一般質問の中で平成20年度予算編成方針の質問がございまして、重複する点があると思いますが、お許しをいただきまして、私は少し違う視点から質問をさせていただきます。
小泉内閣において三位一体改革が進められ、県、各地方公共団体の財政が非常に厳しいものになったことは御存じのとおりであります。三位一体の改革では、国から地方へ約3兆円の税源移譲が実現したものの、その一方では5兆円を超える地方交付税の大幅な減額が行われました。その結果、本県及び県内市町村は収支不足に陥り、財政的に大変な苦境に立たされているものと思います。
このような状況の中で平成20年度予算編成要領が示されましたが、元気な和歌山の創造に向けて、新長期総合計画の将来像の実現のための施策、事業に重点化する必要があるとし、また新政策事業については原則として要求限度額を設定しないなど、元気な和歌山実現のために積極的な予算編成がされるものと期待するものであります。
仁坂知事は、昨年12月に就任され、前知事のあおりを受けて難問題に取り組まれ、元気な和歌山の創造、健全な財政の実現に積極的に取り組まれていることに改めて敬意を表するところであります。
しかしながら、十分な歳入が確保できない中で、県民の期待にこたえ、積極的な予算編成に取り組むことは至難のわざであります。
先般示された長期財政収支見通しでは、このままでは平成21年度にも基金が枯渇する現状が示され、身の丈に合った財政運営が必要と総括されております。
厳しい財政状況の中で行財政改革を断行することは、もちろん大切なことと思いますが、歳出抑制策だけでは限界があり、当然歳入については、国が改正しなければ解決しない地方税財政制度から生じる構造的な課題等もございますが、県みずからも積極的に歳入を確保していく必要があるのではないかと考えております。
それは、徹底的な歳出削減による身の丈を縮めていく緊縮型予算の編成という考え方もございますが、私は、あらゆる歳入確保策を施し、少しでも身の丈を伸ばし、県民が元気になるような積極的な予算編成の考え方が必要でないかと考えるからでございます。
そこで、知事にお伺いいたします。
元気な和歌山を実現するために積極予算を編成すべきと考えますが、いかがでしょうか。知事の御所見をお伺いいたします。
次に、数値目標を定めたさらなる税収確保の取り組みについてお伺いいたします。
元気な和歌山を実現するためには、あらゆる歳入確保策を施し、積極的な予算編成が必要であるということは先ほど申し上げましたが、歳入の中でも特に大きなウエートを占める地方税について、私はさらなる徴収努力が必要であると思います。幾ら身の丈と言われても、徴収努力によって歳入が最大限確保されなければ、結果として必要な歳出も削らざるを得ない状況が生じます。
昨年度、県が音頭をとり、県内市町村が共同で設置した和歌山地方税回収機構が、市町村税や県民税などの徴収困難な滞納事案を引き受けて大きな成果を上げていると聞いておりますが、県、市町村にとっては、平成18年度決算による滞納繰越額から考えますと氷山の一角であるように思います。
特に重要な視点は、税源移譲といった地方自治にとって大革命がなされる中で、県の収入源の大きなウエートを占めることになる住民税について、法律では市町村の責任となっておりますが、県は徴収を市町村に任せっ切りでよいのでしょうか。県は、市町村と一体となって、さらなる徴収努力をすべきであると考えるところであります。
そこで、総務部長にお伺いいたします。
県みずからが元気な和歌山の実現に向けてさらなる歳入確保に取り組むべきであり、より一層市町村との連携を図り、一定の数値目標を定めるなどして、今まで以上の徴収対策に取り組む必要があると思いますが、総務部長の所見をお伺いいたします。
次に、2点目の防災についてでありますが、まず自主防災組織の育成についてお聞きいたします。
災害がいつやってくるかもしれないとの不安は、県民の皆様のだれもが持っております。
私は、防災・環境問題等対策特別委員会の委員として、11月29日から30日の2日間にわたり県内外調査に参加し、和歌山県防災センター、稲むらの火の館、津波防災教育センターと徳島県の防災センター、また兵庫県の野島断層保存館、耐震工学研究センターを視察し、地震等の災害に関する施策について調査してまいりました。
平成7年1月17日の阪神・淡路大震災は、多くのとうとい命を奪うとともに、都市基盤や建築物に甚大な被害を与え、住民に間接的、直接的に大被害を及ぼしました。また、復旧は長期にわたり、産業、特に地場産業、都市基盤、ライフラインの整備等は市民生活にさまざまな大きな影響が出たことは、我々県民にとっては想像を絶するものであり、教訓を与えていただきました。
本県に甚大な影響を及ぼす東海・東南海・南海地震は、1498年の明応地震、1605年の慶長地震、1707年の宝永地震、1854年の安政東海・南海地震、昭和19年(1944年)・昭和21年(1946年)には昭和東南海・南海地震が起こり、約100年周期で発生しております。
ことしは既に2007年で、今後50年の間に、あしたにも起こるかわからない状況で、県民の不安は非常に大きいものがあります。
そこで、防災対策について、県民に対して家屋の耐震診断、耐震改修の補助制度を県は各自治体とともに実施され、防災対策等に取り組まれておりますが、有事に際して、県民の防災意識の認識を県全域に啓発し、あらゆる機会をとらえ防災意識の高揚に県御当局は努められていることは理解しております。しかし、防災条例を制定しても、防災のための県民、市町村、県がそれぞれの責務と役割を果たし、相互に連携を図ることが明記されますが、それを実行するための施策を実施することが重要であると考えます。
地震にかかわらず、自然災害が起こったときは、被害情報を知るよりも救助体制が重要であり、先決問題であります。
過去に起こったとき、命を救われた方の70%から80%は隣近所の方に救助されたと聞いております。県下市町村で住民相互のつながり、特にコミュニケーションが希薄化している状況の中で、県や市町村に任せておけばよいとの他力本願的な考えの住民が多いのではないでしょうか。もっときめ細かな自主防災組織の充実を図ることが重要であります。
自主防災組織の充実については市町村が行うことと災害対策基本法において義務づけられておりますが、各市町村では、自主防災組織への資機材の経済的支援は、財政状況が厳しい中で非常に難しい状況であります。
そこで、危機管理監にお伺いいたします。
県は、これまで自主防災の立ち上げについて積極的に啓発されていますが、防災に対する県民意識の状況はどうでしょうか。また、自主防災組織の育成とともに、自主防災組織の資機材整備に対し、県は県民の生命と財産を守る立場から、また防災支援の立場から市町村に対するきめ細かな支援が必要であると考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
次に、道路の防災対策、橋梁の耐震対策についてお伺いいたします。
午前中に野見山議員から同様の質問がございましたので重複する点があると思いますが、私は視点を変えて一般質問させていただきます。
自然災害から被害を最小限にするために、国、県はもとより各市町村においては、県民の団体、企業、各地域と協働して積極的にさまざまな取り組みがなされています。それらの活動に対してでき得る限りこたえるのが国、県、市町村であると私は思います。
前にも述べたとおり、東南海・南海地震は、歴史的に100年から150年の間隔で繰り返し起こっており、今後30年以内での発生確率は50%から60%の高い確率となっております。
また、自然環境の異常気象で、常識では考えられないような大規模の台風、大雨など、いつ発生するかわからないような状況の中で、県民の大きい不安の声が聞かれます。「もし災害が起こったら私たちはどうなるのでしょうか」「避難場所は大丈夫だろうか」「備蓄は大丈夫だろうか」「電気、ガスのライフラインは大丈夫だろうか」「医療体制はできているだろうか」などであります。
これは住民の皆様の一部の意見でありますが、私は、この中で、避難場所、備蓄については県と市町村で対応されつつあり、医療体制についてはドクターヘリ、防災ヘリの充実などの活動が期待されますので、今回は私はライフラインを維持するための道路管理についてお聞きいたします。
公共団体の広域的な相互応援協定、各種企業との災害応援協定が相互協力によって締結されておりますが、国、県、市町村が管理する道路が寸断されたときは相互応援協定ができるでしょうか。もちろん、ライフラインも寸断されてしまいます。
私は、10月25日の新聞に、国土交通省が全国自治体を調査したところ、橋梁15メーター以上が8万8000カ所、過去5年間未点検との報道がありました。都道府県の管理分では、わずか29%、1万2649カ所で定期点検、緊急点検が未実施だったと報告されておりました。国土交通省では、各自治体に早期の改修、補修を呼びかけており、平成20年度をめどに制度化を検討していく考えだとの報道がありました。
和歌山県は、道路が寸断された場合、孤立する可能性の高い地域が多く、災害が発生した場合、救助・救急活動、救援活動など予測できない事態が発生する危機感を持っております。
そこで、県土整備部長にお伺いいたします。
県が管理する道路ののり面等の要対策箇所について、財政事情もありますが、年次計画的に防災対策がとられていると思いますが、今後の方針についてお答えください。
また、市町村の管理する道路の防災対策を要する箇所について、どのような指導をされておりますか。また、県が管理する道路の緊急点検、定期点検の実施状況はいかがですか。県が管理する道路橋の耐震調査、耐震改修の実施状況はいかがですか。市町村に対しての指導はいかがですか。
以上のことについてお答えをいただきたいと思います。
次に、3点目の都市計画についてお伺いいたします。
まず、都市計画と復興支援のまちづくり計画についてお伺いいたします。
都市計画法では、「都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もつて国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする」と定められ、制定された法律であります。
前の質問でも申し上げましたが、自然災害、地震等に対する復興支援と都市計画についてでありますが、整合がない質問と思われますが、あえてお伺いいたします。
現在の和歌山県下を鳥瞰したときに、今の町の状況はどうでしょうか。火災が起こったときに消防車が入れない。急病人が出たときに救急車が入れない。もちろん、災害が発生したときは緊急事態であります。和歌山県にはこのような地域が多いのではありませんか。また、災害が発生したときは救援活動が阻害され、救出がおくれ、生命を落とすことが考えられます。
それではいかにすればよいのかということでありますが、都市計画の土地区画整理事業でまちづくりができればよいのであります。しかし、本県は都市計画事業はおくれているのが現状であります。あってはならないことですが、災害がいつ起こるかわからない現在、2次災害の被害を最小限に防ぐためにもこの手法が最適であると考えます。
本事業を実施するための事業手続は、もちろん財源の問題もありますが、住民同意から始まって都市計画決定まで、県はもちろんのこと、国との事業計画、補助金等の協議、調整のためにかなりの時間がかかり、現在の法律の範囲では、都市計画決定をしていなければ急を要する復旧事業での都市計画の事業化は不可能に近いのが現状であります。
都市計画法は、今までは国が中心になって都市計画を指導してきたということはありましたが、これからは地方分権一括法を含めて、地方が主体となって都市計画を進めていくというような方向に、制度上では権限移譲に変わっていくものと考えます。
そこで、知事にお伺いいたします。
災害が起こった場合、このような惨事を二度と繰り返すことのないようなまちづくりをする都市計画法の特例を設けていただくよう、また県民が文化的に安心して暮らせる環境のまちづくりのために国に対して働きかけていただきたいと思います。これは御提案とさせていただきますが、知事の御所見をお伺いいたします。
次に、都市計画決定の変更及び見直しについてお伺いいたします。
現在の和歌山県の都市計画決定の状況は、和歌山県ホームページで調べたところ、平成18年4月1日現在で、例えば都市計画道路の都市計画決定路線数は284本、計画延長703.58キロメートルで、そのうち改良済み延長はわずか239.3キロメートルであり、改良率は実に34%であります。また、公園緑地では、都市計画決定箇所数は219カ所、面積は1580.558ヘクタールでありますが、供用箇所は183カ所、面積にしてわずか524.228ヘクタールで、供用率は33.2%であります。
各決定年度を見てみますと、昭和30年代、40年代の決定が数多くあります。都市計画は百年の大計と言われますが、既に50年近く経過し、道路の規格、また社会経済の発展により、社会環境の変化に伴い、当時の計画決定の工法、規格と現在の差が大きく、既計画決定のままでは事業化することが非常に難しいと思います。いかがでしょうか。
都市計画決定した都市施設は、都市計画道路、公園緑地、公共下水道、都市下水路、土地利用、供給処理施設、駐車場等の各都市施設に分類すると、かなりな箇所数であります。一度計画決定すると、都市計画法で、良好な住民関係を保つために個々の土地利用について規制を加え、適正な制限のもとに土地の合理的な利用が図られるべきであることは理解できますが、県民の財産を制限し、公の権限が発生します。
そこで、現在の既都市計画決定箇所を、都市計画事業が実施可能なもの、不可能なものを箇所ごとに市、町と協議し、見直し、まさに必要な都市計画決定にすべきでないかと考えます。
県土整備部長にお伺いします。
都市計画決定箇所を市町と協議し、廃止または見直すべきであると思いますが、いかがでしょうか。お答えをいただきたいと存じます。
次に、4点目の中高一貫教育についてお伺いいたします。
まず、教育長の考える中高一貫教育についてお伺いします。
さきの議会で先輩議員が中高一貫教育について一般質問されましたが、私は違う視点でお伺いいたします。
平成15年3月に設置された和歌山県中高一貫教育推進懇談会において協議された「今後の中高一貫教育の在り方について」の報告の中の「設置に当たっての基本的な考え方」で、「6年一貫教育を通して主体的に判断できる資質や能力を育成し、一人ひとりの生徒の能力をより一層推進するとともに、中等教育における学校制度の複線化・多様化を実現する観点から中高一貫教育を推進」すると報告されております。
また、「中高一貫教育の設置形態及び配置」では、「その配置に当たっては、県内すべての児童生徒に選択の機会が与えられるよう、これまでの各通学区域ごとの設置を目標としながら、当面併設型中高一貫教育校を中心として複数校設置することが適当である」と報告されております。
現在、中高一貫校は、公立では、和歌山県向陽中学校、古佐田丘中学校、田辺中学校、桐蔭中学校、平成20年に開設する日高高等学校附属中学校であり、それぞれの私立高校でも中高一貫教育に取り組まれております。
そこで、教育長にお伺いいたします。
報告書には、各通学区域ごとの設置を目標としながら、「当面併設型中高一貫校を中心として複数校設置することが適当である」と報告されておりますが、教育長は中高一貫教育をどのようにお考えか、お伺いいたします。
次に、中高一貫校の今後の開設の方針についてお伺いいたします。
生徒が高等学校に進学する中で、その能力、適性、興味、関心、進路希望等が分化していく時期の生徒たちにどのような中等教育の場を用意するかは、教育上、極めて重要な課題であると考えます。また、従来の制度を選ぶか、中高一貫教育を選択するかの考えは、生徒や保護者によって違うと思います。
そこで、さきに述べた報告書で、「県内すべての児童生徒に選択の機会が与えられるよう」と報告されているように、より一層の生徒の個性を伸ばすためにも、県内すべての生徒、保護者に機会を提供すべきではないでしょうか。
私の那賀地域、特に岩出市での保護者の皆様の意見を聞いたところ、「那賀地域には粉河、那賀、貴志川の県立高校が3校もあるのに、どうして中高一貫校ができないのですか。ぜひとも開設してほしい」との声が聞かれます。
そこで、和歌山県中高一貫教育推進懇談会の報告の中にも、「県内すべての児童生徒に選択の機会が与えられるよう」、また「通学区域ごとの設置を目標としながら」とあるように、中高一貫校の今後の開設の方針について、また県下の中高一貫教育は県民の思いを反映しているのかについて、教育長のお考えをお伺いいたします。
御答弁のほどよろしくお願い申し上げまして、私の一般質問を終わります。御清聴、ありがとうございました。(拍手)
○副議長(新島 雄君) ただいまの川口文章君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事仁坂吉伸君。
〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず初めに、積極予算を編成せよという御意見についてお答え申し上げたいと思います。
議員御指摘のとおり、三位一体の改革により約5.1兆円もの大幅な地方交付税が削減され、本県におきましても、平成16年度から18年度まで3カ年で、地方交付税と臨時財政対策債を合わせまして約341億円減少しているというところでございます。その結果、大幅な収支不足に陥りまして、平成19年度当初においては基金の取り崩し予定額が151億円に上り、平成19年度末の基金残高が191億円になると見込まれるなど、財政的に大変な苦境に立たされております。このままの財政構造で推移すると近いうちに基金が枯渇し、県財政が立ち行かなくなることが先般お示しした長期財政収支見通しでも明らかになっております。
こうした県財政の現状及び将来見通しにかんがみれば、今後、段階的に収支不足額を縮減していくということが不可欠であり、それを前提とした上で、元気な和歌山を実現するための予算を編成することが私に与えられた至上命題であると考えております。
ただし、どんどんしょぼくれていくというか、そういうことではなくて、積極的に歳入を確保するように政策を打っていくべきだというようなお話がありまして、これはそのとおりだと思っております。すなわち、現在やっております和歌山の元気の出る政策、例えば企業誘致でありますとか、産業を育てるとか、農林水産物をもっと高く売るとか、観光を振興するとか、そういうような政策によりまして収入がもっと上がるということをねらいとしてやっていくのが正道、王道だと考えております。
ただ、それにはなかなか時間もかかります。その間、和歌山県が財政的におかしくなるということになっても困りますので、そのために、行財政改革による行政の効率化を図るとともに、議員御指摘のような点に特に留意して政策をとり、和歌山活性化のための事業に充てる財源を最大化するように工夫した上で限られた財源を新政策を初めとする事業に重点的、効率的に配分することによりまして、何とか平成20年度予算が編成できるように県庁挙げて取り組んでまいりたいと思っております。
次に、都市計画と復興支援のまちづくり計画についての御質問にお答えしたいと思います。
県では、災害に備えてハード・ソフト両面で対策を実施しているところでありますが、災害発生後におきましては、災害復旧事業にあわせ都市基盤整備を行う復興まちづくりが急務となってくることは、議員御指摘のとおりでございます。そのため、事業手法として区画整理事業等がありますが、事業化までにこれまた時間を要するのが通常であります。
議員御提案の復興を円滑に行うためには、主体となる市町村が、災害が発生した場合に備え、災害復興のまちづくり計画について地元住民と十分話し合いを行い、あらかじめ可能な準備をしていくことが重要であると考えております。
ただし、一たん急あるときに手続が円滑に行えるように日ごろからよく勉強して、それでもし問題がある場合があれば、いろいろな手は事前に打っておくということもまた必要であるかと思います。
県といたしましては、都市計画マスタープランに基づいた安全・安心なまちづくりが推進されますように、災害が起こった後の復興の事業手法やその手続の簡素化など、事業が円滑に進められるように市町村と協議し、必要に応じて国とも協議して対策に怠りなくやっていきたいと思っております。
○副議長(新島 雄君) 総務部長小濱孝夫君。
〔小濱孝夫君、登壇〕
○総務部長(小濱孝夫君) 数値目標を定めた税収確保の取り組みについてお答えをいたします。
財源、とりわけ県税収入の確保につきましては、平成15年度から徴収体制を整備し、財産の差し押さえや公売の定期的実施など、滞納処分の強化を図ってまいりました。さらに、平成18年度から、インターネット公売、走行を不可能とする機材を用いての自動車の差し押さえを導入するなど、積極的に滞納整理に臨んでいるところでございます。その結果、平成15年度以降、4年連続で徴収率を向上させるとともに、県税収入未済額を約20%縮減してまいりました。
また、県税収入確保には、県税の収入未済額の約50%を占め、税源移譲により調定額が大幅にふえた個人県民税の徴収対策が喫緊の課題であると認識しております。
これまでも、滞納住民税の県による直接徴収、県税務職員の市町村への派遣、不動産等の合同公売の実施など直接的な支援を実施するとともに、和歌山地方税回収機構の設立に向けた支援や運営のための人的、財政的支援を行ってきております。
また、市町村の徴収力を向上させるため、県、市町村が参加する和歌山県税務協議会において、徴収強化に向けた企画、研究のほか、滞納整理の研修を実施しているところでもございます。
いずれにいたしましても、県税は県財政の中心的な財源でありますので、新たな行財政改革推進プランにおいて税収確保に係る目標を掲げ、みずからもその確実な徴収に努めるとともに、市町村に対しましても今まで以上の連携、支援を講じ、税収確保に努めてまいる所存でございます。
○副議長(新島 雄君) 危機管理監杉本雅嗣君。
〔杉本雅嗣君、登壇〕
○危機管理監(杉本雅嗣君) 自主防災組織の育成についての御質問にお答えいたします。
平成17年に本県が実施いたしました県民意識調査によりますと、今後、特に県が重点的に取り組むべき施策として、県民の33.4%の方が防災対策を挙げておりまして、防災に対する関心が非常に高い状況にあります。
議員御指摘のとおり、阪神・淡路大震災において多くの方が隣近所の方に助けられたということから、大災害時に自主防災組織が果たす役割は非常に大きいものがあると考えております。
平成19年3月改定の県地震防災対策アクションプログラムにおきましても自主防災組織の活性化を位置づけまして、平成27年度末までに自主防災組織率100%を目指し、取り組みを進めているところでございます。
県といたしましては、自主防災組織の結成促進を図るため、従前から資機材整備に対する補助を行っているところであります。さらに、平成17年度から紀の国防災人づくり塾を開講いたしまして自主防災組織などにおける防災リーダーの育成を図っており、また本年度から自主防災組織が作成する地域版ハザードマップや訓練実施などに対する補助制度を創設し、ソフト対策にも補助しているところでございます。
今後とも引き続き支援に努めるとともに、市町村と連携しながら自主防災組織の必要性についての啓発をより一層進めてまいります。
○副議長(新島 雄君) 県土整備部長茅野牧夫君。
〔茅野牧夫君、登壇〕
○県土整備部長(茅野牧夫君) 先生お尋ねの道路の防災対策、橋梁の耐震対策等につきましてお答えいたします。
県が管理いたしております道路ののり面等の防災対策につきましては、日常の道路パトロールにより発見しました支障物件、それから道路の破損、こういったものにつきまして随時対策を実施しております。
また、平成8年度に、これは全国的にやったものですが、防災総点検、こういうものをやってございます。その際の要対策箇所、この時点で約2000カ所ございましたが、順次対策を実施してきているところでございます。
平成16年度から、このうち東南海・南海地震対策といたしまして、地震発生時の物資輸送、それから緊急車両の通行を確保するための緊急輸送道路における重点対策箇所112カ所につきまして、平成22年度の完了を目途に優先的に対策を実施しているところでございます。
道路橋につきましては、平成14年度から18年度にかけてデータベースを作成いたしまして、平成19年度より、このデータを活用して5年ごとに各橋梁の定期点検を行ってまいります。また、必要に応じまして迅速な緊急点検も実施したいと思っております。
次に、道路橋の耐震対策でございますが、県管理15メートル以上の橋梁881橋のうち、昭和55年以前の基準で設計されました耐震補強を必要とする橋梁が247橋ございます。このうち、平成16年度から跨線橋、それから第1次緊急輸送道路に係る115橋、こういったものにつきまして耐震補強を実施してきており、平成20年度でこれらについては完了する予定でございます。引き続きまして、第2次緊急輸送道路に係ります132橋につきまして、平成25年度完了を目途に平成19年度から対策を進めているところでございます。
なお、県下の市町村におきましては、財政的困難や技術者不足のために橋梁の定期点検はほとんど行われていないのが実態でございます。しかしながら、市町村の橋梁につきましても、老朽化が進展していくと考えられるため、防災対策も含めまして、県としてはできるだけの技術支援等をしていく必要があると考えております。
平成19年度から、新しく長寿命化修繕計画策定事業費補助という補助事業が創設されたところでございますので、この制度も活用し、効率的な維持管理に向けて、県、市町村が一体となって取り組んでまいりたいと考えております。
次に、都市計画決定の変更及び見直しについての御質問にお答えいたします。
都市計画道路を初めとする都市施設につきましては、昭和30年から40年代にその多くが計画決定されており、近年の少子高齢化など社会情勢の変化に伴い、その見直しが必要な都市施設もあると認識しているところであります。
そのため、県では、まず和歌山市域の都市計画道路につきまして、未着手路線の道路幅員とか、その存廃も含めまして見直し作業を行っており、引き続きほかの市町村についても都市計画の見直しを進めていきたいと考えております。
○副議長(新島 雄君) 教育長山口裕市君。
〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 中高一貫教育についてお答えいたします。
中高一貫教育は、中学校と高等学校の接続を複線化、多様化いたしまして、生徒1人1人の能力、適性に応じた教育の展開や特色ある学校づくりを推進することを目指して導入された制度でございます。
本県では、和歌山県中高一貫教育推進懇談会の報告を受けるとともに、パブリックコメント等、県民の意見を伺いながら策定いたしました高等学校再編整備計画及び平成18年度から20年度の具体的な取り組みを示した第1期実施プログラムに基づきまして、全県的なバランスや地域の実情等を考慮しつつ、これまで積極的に取り組んでまいりました。
その結果、本県は、来春の日高地方への県立中学校の開設によりまして、連携型3校、併設型5校を持つこととなり、県内すべての地域の御要望を満たすまでには至らないものの、小学校の児童数に対する募集人員は全国的にも高い割合となってございます。
しかしながら、中高一貫教育を導入してまだ日が浅く、教育システム全体の中で乗り越えなければならない課題もありますことから、一定の時間をかけて既設校の教育内容を評価、分析する必要があると考えてございます。その結果を踏まえるとともに、地元の市町村や学校等の御意見を伺いながら、今後の高等学校再編整備計画の中でそのあり方について総合的に検討してまいります。
以上でございます。
○副議長(新島 雄君) 答弁漏れはありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(新島 雄君) 再質問を許します。
9番川口文章君。
○川口文章君 私の一般質問に、知事、教育長初め関係部長の前向きな御答弁をいただきました。ありがとうございました。
知事におかれましては、前知事の後を受け難問題に取り組まれ、また財政状況の厳しい中、県民の県に対する信頼回復のため日夜御苦労されていることに対して、改めて敬意を表したいと存じます。
平成20年度は、県民が期待する知事のカラーを出す年であると私は考えます。元気な和歌山の実現のための積極予算編成については、御答弁のとおり、知事の前向きな意気込みに期待するものであります。
県、各市町村にとっては、財政状況は非常に厳しい状況が続くことが予想されますが、27年に開催予定の和歌山国体を、市町村の協力のもと、ぜひとも成功させたいと思います。
また、防災と都市計画に関連して、災害に強いまちづくりを進めるためには、災害から県民を守るための防災対策が重要であることは先決問題でありますが、復興支援対策も重要であると思います。
知事におかれましては、このことに御理解をいただき、機会あるごとに国に対して働きかけていただきたいと存じます。
次に、中高一貫教育についてでありますが、教育長は、今後の高等学校の再編整備の中で、そのあり方について総合的に検討してまいりますとの御答弁のとおり、よいほうの検討と理解してございますので、ぜひとも那賀地域に開設していただきますことをお願い申し上げまして、以上、要望といたします。
これで、私の一般質問は終わります。ありがとうございました。
○副議長(新島 雄君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で川口文章君の質問が終了いたしました。