平成19年9月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(奥村規子議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後1時3分再開
○議長(中村裕一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 41番奥村規子君。
  〔奥村規子君、登壇〕(拍手)
○奥村規子君 議長のお許しを得ましたので、次の3つの問題について御質問をさせていただきたいと思います。
 1つは、小児救急医療体制の問題です。2つ目は、看護師不足の改善策。3つ目には若年者雇用の問題についてお尋ねしてまいりたいと思います。
 まず最初に、小児の救急医療体制の問題でございます。
 和歌山県内では、昨年度までの5年間、毎年5万人を超える小児救急患者があります。
 昨年の県の救急医療情報システム運営状況の報告では、情報センターと消防機関が行った医療機関紹介件数は3万7536件でした。住民案内の診療科別内訳は、1位が小児科28%です。2位は内科21%、3位、整形外科14%、そして外科、耳鼻咽喉科、眼科の順になっています。
 救急医療情報センターの時間帯別照会件数の比率は、平日では昼間20%に比べて夜間から早朝にかけて80%も占めています。曜日別では、日曜、土曜、休日を合わせると全体の61.3%を占め、年齢では、ゼロ歳から9歳までが全体のうちの46.4%を占め、10歳代を合わせると過半数を超えます。このことからも、救急において小児科領域の需要が非常に高いことがうかがえます。
 一方では、大きな社会問題にもなっている医師不足が深刻な中で、通常業務に加え、救急患者さんへの対応にも迫られ、激務が続いています。各保健医療圏においても在宅当番医制や休日夜間急患センターで対応しており、ほとんどのところでは平日の夜間の救急対応はできていない状況です。ましてや、深夜、早朝に至っては、全く初期救急に対応する医療機関がありません。したがって、初期救急の場合でも2次救急の医療機関に集中し、病院勤務の小児科医師への負担がさらに増大するなど、さまざまな問題が生じています。
 小児救急医療の充実は県民の願いです。安心して子供を産み、健やかに育てるためにも、早急に解決すべき重要な課題です。
 あるお父さんから、私は出勤途中に手紙を手渡されました。そこには、「夜中に子供が突然ぜんそく発作を起こし、近所に診てもらえるお医者さんがなかったので大変困った。どうか救急医療体制をもっとよくしてほしい」と書かれていました。
 そこで、福祉保健部長にお尋ねをいたします。
 1、今後、各圏域における小児の救急医療体制の充実を図るため、どのように医師確保を考えているのでしょうか。
 2つ目には、国は、小児科医不足のため、医療資源の集約化、重点化を進めるとしています。この10月より和歌山市の夜間・休日応急診療所で夜間の小児科医2名体制と診療時間が早朝6時まで延長され、子育て世代にとって喜ばしいことですが、橋本や日高地方などから受診するとなれば、かなり遠方で、住民の負担も大きなものがあります。身近なところで初期救急の対応ができることが大切と考えますが、いかがでしょうか。
 3つ目には、田辺・新宮圏域については一層医師不足が深刻です。田辺・新宮保健医療圏における初期救急のあり方についてお聞かせください。
 4点目には、子供の病気やけがに関する保護者の不安に対応するため#8000番子供救急ダイヤル、保護者が夜間に相談できる窓口が設置されていますが、さらに啓蒙を強化し、日曜、祝日だけでなく毎日相談できるように体制の充実を図ることが大事と思われますが、いかがでしょうか。
 以上、4つの点についてお答えください。
 次に、看護師不足の改善策に関して質問させていただきます。
 この問題については議会において再三取り上げられ、一定の改善策が講じられてきました。しかし、依然として恒常的な人手不足により長時間・超過密労働は続いています。
 皆さんも御存じのように、看護師の仕事は絶対条件として準夜、深夜の夜間勤務があります。私は、現場の看護師に今一番望むことは何かを聞いてみました。即座に「人間らしい生活がしたい」の一言でした。
 子育て中の人は、日勤・深夜の場合、日勤が終わるのが午後の8時で、急いで保育所に子供を迎えに行き、御飯を食べさせ、入浴を済ませ、また9時に保育所に預け、そして1~2時間の仮眠をとって深夜勤務に入るという生活を送っています。「何ぼ看護の仕事が好きでも続かない」と言います。
 日本医療労働組合連合会の看護実態調査でミスやニアミスを起こしたことがある看護職員は80.7%にも達し、夢を抱いて入職した新人看護職員も、10人に1人が1年以内に職場を去っていきます。看護師不足は、医師不足とともに、安全・安心で行き届いた医療を実現する上で緊急に解決が求められる社会的な課題です。
 昨年4月、国は、患者10人に対して看護師1人という看護配置基準から患者7人に看護師1人という手厚い配置基準に、18年ぶりの改正を行いました。この人員配置にすれば病院が受け取る報酬もふえる仕組みです。このことは現場が望んでいることですが、看護師不足の中では簡単にできません。根本に看護師不足がある上に、国は構造改革に基づき診療報酬を総額1兆円も削減しました。その結果、看護師争奪戦が激しくなり、和歌山県においても地方や中小の病院で看護師不足が一段と深刻化しています。
 その上、入院日数が大幅に短縮され、看護業務量が激増しました。また、県として実現させてきたドクターヘリの導入においても、同乗する看護師をあえて増員配置したわけではないのではないでしょうか。
 看護師が生きがいと誇りを持って働き続けられる労働条件、職場環境を整えることは、離職を防ぎ、看護師をふやす決め手です。看護師の多くは女性で、結婚、出産、育児が離職の大きな理由の1つです。
 そこで、次の4つの点についてお尋ねいたします。
 1つは、結婚、出産、育児などに対応できるよう勤務条件を整えることが必要です。
 この世代の人たちは職場でも中堅としての役割を果たし、現場における看護実践の中心として、また新人の指導者として役割を発揮できるときに悩んで職場を離れる人も少なくありません。そういった中で、院内保育の確保、地域に安心して子供たちが放課後過ごせる学童保育を全小学校区に設置することが求められています。どのようにお考えでしょうか。
 2つ目には、新人看護師の定着促進の問題についてです。
 職場での育ち合いの風土を育てていくと同時に、新卒看護職員研修の制度化を図り、指導体制の整備が必要です。指導を担当する看護師が通常業務をこなしながら指導するのでは、丁寧な指導がなかなかできません。また、余裕を持って指導できる体制が必要だと考えます。いかがでしょうか。
 3つ目には、退職した看護師の再就労支援の強化の問題です。
 免許を持っていても、就業していない人が、また就業できない人がたくさんいらっしゃると聞いています。働く意欲を持っている人たちが職場に復帰できるように、何よりも看護現場の過酷な労働条件を改善することが急がれます。自治体の責任で、本人の希望に応じた再就職の機会を思い切って広げることが重要です。病院での無料研修講座の実施など、再就労支援策を抜本的に強化して制度化を図るべきです。この点でもいかがでしょうか。
 4つ目には、地域医療を守る上でも看護師不足を解決することは自治体の大きな役割だと思います。県内の看護学校は准看学校を含め13校しかなく、とりわけ近畿圏内で和歌山県は奈良県と並んで少ない状況です。特に和歌山県の場合、准看護師の方々で地域医療が支えられてきたと言っても過言ではありません。これらの人たちに看護師への道を開くということが必要です。
 しかし、この点について、病院協会の和歌山看護専門学校に通信制の2年課程が併設され、1学年定員250名を受け入れてきました。初年度は定員オーバーするくらい入学はあったものの、その後、定員に満たない状況があると聞いています。これらは、働きながら、しかも夜勤をこなしながら勤務の合間に勉強しなくてはならないという困難がある現状です。学生たちは大変な中でも本当によく努力されています。今後、関係する方々や特に行政の支援が求められるところです。この通信制を充実させていく必要があります。
 また、県下を見回してみると、看護学校の設置場所では、紀北、和歌山、紀中、紀南を見たとき、特に紀中には看護学校は1つもありません。この設置を求める請願が御坊市、日高町、日高川町、由良町、印南町などから議会で採択されたと聞いていますが、ぜひ看護学校の件についても設置を進める方向で御検討いただきたく思います。この点についてもいかがでしょうか。
 最後に、若者の雇用問題についてお聞きをいたします。
 総務省の労働力調査で、ことしの4月から6月の平均完全失業率は3.8%となり、5年前の平成14年では戦後最悪の5.4%まで上昇していましたが、今は低下傾向にあります。しかし、年齢別で見ると、15歳から24歳で男性8.2%、女性6.7%と、依然と高い数値になっています。
 県は、17年2月に、県内に住んでいる15歳から34歳の男女2000人の方を無作為に抽出して、仕事と生活に関するアンケート調査を行っています。その結果、就業状態別人口を推計すると、ニートの人口は5659人、フリーターの人口は1万4147人と報告されています。
 共産党県議団は、和歌山市議団や若い人たちと協力して、和歌山青年お仕事アンケートにことし取り組みました。街頭や知り合い、友人などを通して聞き取りや自己記入してもらいました。アンケートの主な項目は、年収や労働時間、休暇の保障、青年の雇用問題で行政に求めることなどを聞きました。18歳から38歳までの男女78名の方から回答を得ました。その結果は次のとおりです。
 年収200万円以下が半数の50%あります。そのうちでも150万円以下が28.2%もいます。41%が非正規雇用になっており、残業代が全く出ない人が19.2%ありました。
 職場に対する意見として、「3年勤続しても昇給がない」「正職員と同じように働いているのにずっとパートのままで、人手が少ないので、体調が悪くても休めない」「ボーナスがない」「給料が低い」「最低賃金が低い」「給料をもう少し上げてほしい」「正社員にしてほしい」「仕事で使う機械が自分持ちで、修理代や買いかえに費用がかかる」「年金と健康保険を全額自己負担している」。
 ある27歳の男性は契約社員です。朝5時半から夜8時半まで働かされ、朝7時からしか給料が出ないということです。残業代も支払われません。ノルマに追い回される生活をしています。派遣で働いていたとき、体が弱かったので、すぐ首になったと言います。
 アンケート全体を通じて行政に対する要望については、「人間らしい生活をすべての人ができるようにしてほしい」「もっと自分たちの権利について知らせてほしい」、また、「もっと勉強の場をつくってほしい」、そのような意見が出されています。
 一方的な解雇や長時間労働サービス残業の横行など、働くルールを無視した企業の違法行為が広がり、泣き寝入りしている労働者が少なくありません。働く者の権利を労働者に知らせることは国や自治体の大切な仕事の1つではないでしょうか。
 そこで、教育長と商工観光労働部長にお尋ねをいたします。
 1つ目は、社会に出るときや就職する際にきちんと労働に関する権利をしっかりと知らせ、若者自身が主張する力を育てることです。自立した社会の一員として成長することができます。
 現在、キャリア教育において働くことや仕事をするということについて体験を通して将来を考える環境づくりに力が入れられています。
 いつの時代でも、若者にとって自分が希望するとおりの職業につけるとは限りません。しかし、学校を出れば、家業を継ぐなり、あるいは企業に就職するなりして、余り時間を置かないで社会に入っていくのが一般的でした。今は、就職も進学もしない状態で学校を卒業する若者は、高卒でおよそ10%、大卒で20%にまでなっていると言われています。就職したとしても、不安定な雇用形態で働く若者が多くなっています。また、離職、転職を繰り返す働き方も一般的になっているのではないでしょうか。
 今、困難な時代状況に立ち向かい、自分の生き方、働き方をつくり出していく主体は若者自身です。それを支え、励ますためにも、働く者として法律で守られていること、そのことを、また社会人としての心構えと同時に伝えていくことが大切だと考えますが、いかがでしょうか。
 2つ目には、取り巻く労働環境の厳しさの中にあって立ちすくんでしまうこともあり、若者たちが立ちすくむことなく時代状況と向かい合い、仲間とともにさまざまな問題を克服していく、主体になっていくことができるように支援が必要と考えます。そのためにはもっと身近なところに労働相談が必要と思われますが、いかがでしょうか。
 以上の点についてお答えいただきたいと思います。
 これで、1回目の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(中村裕一君) ただいまの奥村規子君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 福祉保健部長井畑文男君。
  〔井畑文男君、登壇〕
○福祉保健部長(井畑文男君) 小児救急医療の御質問の4点について、一括してお答え申し上げます。
 医師の地域偏在、診療科偏在等による医師不足が深刻化する中、県といたしましては、ドクターバンク制度や地域医療支援事業など、さまざまな医師確保対策を実施しております。
 また、国の緊急医師確保対策の一環として容認されました県立医科大学における25名の入学定員増の正式決定に向けた取り組みを進めるほか、特に小児科、産科、麻酔科の医師の確保につきましては、将来、知事が指定する県内の公的病院での一定期間の勤務を条件とする修学資金の貸与制度を創設し、平成19年度、今年度には、医学生、研修医等、計13名に対する貸与を決定したところであります。地域の実情に応じた小児科医の適正な配置ができるように努めているところでございます。
 次に、今般、和歌山市夜間・休日応急診療センターにおいて実施されます和歌山北部小児救急医療ネットワークにつきましては、小児科医2名による深夜帯を含めた小児初期救急医療体制を確保する広域的な取り組みであり、人数の限られた和歌山県北部の小児科の病院勤務医と開業医が連携して現在の初期救急医療体制を強化、重点化するものと認識してございます。
 また、田辺・新宮保健医療圏における初期救急医療体制につきましては、田辺保健医療圏では田辺広域休日急患診療所により、新宮保健医療圏では在宅当番医制により初期救急医療体制を確保しているところでございます。
 県といたしましては、現行の保健医療圏を基本といたしまして、初期救急医療及び後方支援を行う2次救急医療の確保に向け、市町村や関係機関等と連携を図り、地域の実情に応じた体制整備に努めてまいりたいと考えてございます。
 子供救急ダイヤルにつきましては、小児患者の保護者等の不安を解消するためにも重要な事業であると認識してございます。
 本事業の普及啓発につきましては、県の広報紙やマスメディア等の活用により県民に対して周知徹底を図ってまいりました。今後とも、あらゆる機会を通じ、効果的な普及啓発を行ってまいりたいと考えてございます。
 また、現在、日曜及び祝日の午後7時から11時に行っております相談体制につきましては、今後、相談件数等のニーズも踏まえ、実施時間の延長や日数の拡大等、事業の強化にも配慮してまいりたいと、そのように考えてございます。
 次に、看護師不足の改善策についての4点の御質問のうち、まず院内保育の充実についてでありますが、看護職員の退職理由の1つとして出産や育児もあると十分認識してございます。
 御指摘のとおり、病院内保育所の設置や確保は、育児と就業を両立させるために必要であると考えております。
 病院内保育所につきましては、就業促進と離職防止を図るため、保育所を設置する民間病院等に対し、病院内保育所運営事業補助を実施しているところです。本年度は、設置促進を図るため、入所対象者をこれまでの看護職員の児童だけでなく医師の児童も対象者に加えるとともに、従来の児童4人以上の施設からを新たに児童2人から3人の小規模保育所まで対象枠を拡大するなど、補助基準の見直しを行ったところでございます。
 現在、県内93病院のうち28病院が病院内保育所を設置していますが、今後とも、安心して働ける環境づくりのため、国に対してさらなる補助要件の緩和を要望するなど、引き続き病院内保育所の充実に向け取り組んでまいります。
 また、放課後児童クラブにつきましては、児童福祉法に基づき、保護者が就労等により昼間家庭にいないおおむね10歳未満の児童に対して、放課後に適切な遊びや生活の場を与えてその健全な育成を図ることを目的とする事業であり、子育てと仕事の両立支援の観点から非常に重要なものと考えてございます。
 現在、23市町に129クラブが設置されておりますが、県の次世代育成支援行動計画「紀州っ子元気プラン」において平成21年度までに140カ所とする数値目標を設定し、その事業の推進を図っているところでございます。
 県といたしましては、放課後児童クラブが必要とされる地域にその設置促進が図られるよう、今後とも、実施主体であります市町村と連携を図りながらその推進に積極的に取り組んでまいります。
 次に、新人看護師の定着促進についてでございますが、新人看護職員の定着を促進するためには、職場が一体となって新人看護師をサポートするとともに、病院内外の研修体制の充実を図ることが必要であると考えてございます。
 特に、新人看護職員に専門的、技術的能力や社会人としての倫理観の育成などを直接指導いたしますプリセプターの配置も県内の病院で進みつつあり、院内研修の中心的な役割を担っていただいているところでございます。
 県といたしましては、プリセプターの育成研修を推進しつつ、就業5カ月から6カ月の新人看護職員を対象に意見交換会などのフレッシュ研修を開催するなど、院外研修を支援しております。また、新人看護師等の就業中の不安やストレスの軽減を図るために社団法人和歌山県看護協会に相談窓口を委託設置するなど、個別の医療機関では実施困難な事業にも取り組んでいるところでございます。
 今後とも、新人看護職員の県内医療機関への定着を図るための総合的な取り組みを推進してまいります。
 退職した看護職員の再就労支援の強化についてでございますが、資格を持ちながら退職した看護職員が増加している中、再就業促進対策が重要であると考えており、県といたしましてはナースバンクを設置して就業あっせんを推進しており、平成18年度には210名の看護職員が再就業したところでございます。
 また、潜在看護師等の就業促進と資質向上を図るため、今議会に潜在看護職員の再就業支援モデル事業の補正予算案を上程しているところでございます。この事業は、潜在看護師等を対象に、病院での就業をしやすくするための臨床実務研修やトライアル就業を支援し、再就業につなげる事業でございます。モデル事業の取り組みを評価した上で、各病院がみずから実施できる手法を検討し、再就業支援を推進してまいりたいと考えてございます。
 最後に、看護学校の設置につきましては、平成16年度以降、和歌山県立医科大学保健看護学部、和歌山看護専門学校2年課程通信制、野上厚生総合病院附属看護専門学校が開校し、看護師715名、助産師15名、准看護師30名を毎年養成しているところでございます。
 さらなる養成施設の設置につきましては、専任教員の確保や実習施設の確保、指導力の強化などを含め、将来的な課題であると考えており、引き続き離職防止や再就業促進に重点を置きながら働きやすく魅力ある職場づくりを進め、県内の地域医療を守る看護師を確保してまいりたいと、そのように考えてございます。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 商工観光労働部長永井慶一君。
  〔永井慶一君、登壇〕
○商工観光労働部長(永井慶一君) 若年者雇用問題に係る2項目、社会的自立のための労働関係法令の周知と身近な労働相談について、まとめてお答えさせていただきます。
 労働者が持続して働ける職場を形成していくためには、労使ともに労働者の権利や社会保険制度等について正しい理解と認識を持つことが極めて重要であると考えてございます。その意味から、県といたしましては、従来より、事業者や労働者を対象に各種セミナーを開催するとともに、県が委嘱した中小企業労働施策アドバイザーが事業所を巡回訪問することにより労働関係法令等の周知徹底を図っているところでございます。
 次に、労働相談につきましては、和歌山県労働センター内に労働相談員を配置し、夜間、休日を含め、きめ細かく労働相談に対応しているところでございます。
 また、社会的な自立支援を必要とする若者につきましては、職業意識の醸成等を図っていくための包括的な仕組みづくりを現在検討してございます。
 今後とも、若年者の雇用問題につきましては最優先で取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 若年者雇用問題についてお答えいたします。
 次代を担う若者たちが労働に関する権利や義務をしっかりと理解するということは、社会人として自立していく上で大変重要なことであると認識しております。
 各高等学校では、公民科の現代社会や政治・経済で労働基準法を初めとする労働に関する基本的な法律や雇用と労働問題、労使関係などについて学習しておりますし、保健体育科では健康や安全とのかかわりにおきまして、また家庭科では家庭生活と労働とのかかわりにおいて学習を行っております。
 また、各学校において就職希望者を対象とした説明会を開催し、労働市場の現況等とあわせ、こういったことも情報提供に努めているところでございます。
 以上です。
○議長(中村裕一君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 再質問を許します。
 41番奥村規子君。
○奥村規子君 答弁、ありがとうございます。
 幾つか要望をしたいと思うんですけども、1つは医師不足の問題についてということで、医師の偏在ということが言われていますが、そのことについて私自身は、医師の偏在という問題は、和歌山の場合は全国平均より医師の数が少し多いと聞いています。しかし、絶対的な今の日本の状況から考えても、医師の不足の事態でいろんな国民の不安が大きくなっているのではないかと思います。
 なぜこのような深刻な医師不足が起こったのか、そこのところの点なんですけども、卒後研修の義務化で医師不足が加速されていった、このことも言われています。また、研修医をフル稼働させなければ医師の需給バランスが保てなかったことが問題だ、このことも言われています。
 今、医療技術の高度化やインフォームドコンセントなど、そういった点でも患者さんに対する説明、また患者さんの要求にこたえていく、そういったところで非常に多くのことが求められてきているんではないかと思います。
 しかし、今、国は、医者がふえると医療費がふえるという考え方で、長年、医師養成を抑制してきたのではないでしょうか。その結果、医療施設で働く医師数は人口1000人当たりで2.0人、OECD加盟国で言えば、30カ国中27位という低い水準になっています。このことからも、県民の安心・安全の確保という点でも、県の施策としても大きな1つの柱になっているこの点で将来の医師確保の計画をぜひ考えていっていただきたいなと思っています。
 今回の紀北においての初期救急体制は、背景には小児科医不足というのがあると思うんです。初期救急対応の基本はその医療圏で行っていく、そのことが基本だということが答弁で言われましたので、非常に安心しました。
 このような中では、先ほど質問をさせていただいた中でも、遠方から来なければいけない、またそういう事態も多くなってくると思います。そういったことも県民にもよくわかるようにしていただきたいなと思っています。
 また、看護師不足の改善の問題について、女性が多い中で安心して働き続けられるようにというのは、何も看護師だけの問題ではなくて、働く女性にとっても大きな問題だと思います。そういう点からも、ぜひ働きやすい環境をつくっていっていただけるようによろしくお願いいたします。
 また、特に医師も看護師の労働も、実際、長時間労働だと言われていますし、社会的にもそのように皆さん理解していただいているかと思うんですが、実際、その実態として、やはり県が責任を持って今の働いている実態を何らかの形で調査をするなりしていただきたいなというふうに思っています。
 先ほど、新人看護師を育てるのに、指導するという体制でプリセプターということは言われていましたが、実際、その役を担うということは非常に責任も重く、また新人が退職をする、そしてまた悩む、一緒になって考えてしながらでも解決のつかないことがたくさんあると聞いています。そういった意味でも、やはり今の看護師不足を解決するために大きなこの悪循環をどう断ち切っていったらいいのか、その点でも県のリーダーシップを切にお願いするところです。
 最後に、若者向けの労働法をわかりやすくしていただけたらなというのは、これは、日本全国で他県のところもちょっと調べてみたんですけど、就業規則とか就職ガイドブックとか──和歌山県にも、いい、こういうパンフレットというのがあるんですが、やはり若者がわかりやすい、そういったものをこのような形で、字もそんなに多くないんですけども、やはり自分たちは今の日本国憲法の中で人一人として大切にされてるんだと、そういったことも含めてしっかりわかるようなこういうパンフレットなどもぜひ考えていただければなあと思っています。
 以上、要望をもって質問を終わらせていただきます。
○議長(中村裕一君) ただいまの発言は要望であります。
 以上で、奥村規子君の質問が終了いたしました。

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