平成19年6月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(全文)


県議会の活動

平成19年6月
和歌山県議会定例会会議録
第5号
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議事日程 第5号
 平成19年6月22日(金曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第95号から議案第113号まで(質
    疑)
 第2 一般質問
 第3 議案の付託
 第4 請願付託の件
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会議に付した事件
 第1 議案第95号から議案第113号まで(質
    疑)
 第2 一般質問
 第3 議案の付託
 第4 請願付託の件
 第5 休会決定の件
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出席議員(46人)
 1番  泉 正徳
 2番  山本茂博
 3番  前芝雅嗣
 4番  浅井修一郎
 5番  吉井和視
 6番  向井嘉久藏
 7番  門 三佐博
 8番  町田 亘
 9番  川口文章
 10番  平木哲朗
 11番  花田健吉
 12番  須川倍行
 13番  大沢広太郎
 14番  谷 洋一
 15番  平越孝哉
 16番  下川俊樹
 17番  岸本 健
 18番  山下大輔
 19番  尾崎太郎
 20番  藤山将材
 21番  新島 雄
 22番  山下直也
 23番  井出益弘
 24番  宇治田栄蔵
 25番  多田純一
 26番  中 拓哉
 27番  角田秀樹
 28番  江上柳助
 29番  山田正彦
 30番  坂本 登
 31番  尾崎要二
 32番  中村裕一
 33番  服部 一
 34番  片桐章浩
 35番  原 日出夫
 36番  藤本眞利子
 37番  長坂隆司
 38番  玉置公良
 39番  小川 武
 40番  冨安民浩
 41番  奥村規子
 42番  松坂英樹
 43番  藤井健太郎
 44番  雑賀光夫
 45番  野見山 海
 46番  松本貞次
欠席議員(なし)
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        原 邦彰
 知事室長       曽根義廣
 危機管理監      杉本雅嗣
 総務部長       小濱孝夫
 企画部長       森  崇
 環境生活部長     楠本 隆
 福祉保健部長     井畑文男
 商工観光労働部長   永井慶一
 農林水産部長     下林茂文
 県土整備部長     宮地淳夫
 会計管理者      小倉正義
 教育委員会委員    湯川 力
 教育長        山口裕市
 公安委員会委員長   大岡淳人
 警察本部長      鶴谷明憲
 人事委員会委員長   西浦昭人
 代表監査委員     垣平高男
 選挙管理委員会委員長 山本恒男
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       山本庄作
 次長         植野博文
 議事課長       薮上育男
 議事課副課長     土井敏弘
 議事班長       吉田政弘
 議事課主任      中尾祐一
 議事課主査      保田良春
 議事課主査      石垣悦二
 議事課主査      瀧川泰治
 総務課長       下出喜久雄
 調査課長       佐本 明
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  午前10時2分開議
○議長(中村裕一君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第95号から議案第113号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 11番花田健吉君。
  〔花田健吉君、登壇〕(拍手)
○花田健吉君 おはようございます。
 ただいま中村議長のお許しをいただきましたので、早速一般質問に入らせていただきたいと思いますが、私も、今春の統一地方選挙におきまして再び県政壇上にお送りをいただいた県民の皆様に厚く御礼を申し上げますとともに、心を新たに全力で精進してまいりますことをお誓い申し上げまして、一般質問に移らせていただきます。
 さて、私は、4月24日、須川倍行議員と藤山将材議員とともに岡山理大専門学校を訪問いたしました。それは、当専門学校の山本俊政アクアリウム学科長の指導のもと、トラフグ、ヒラメ、マダイの淡水での養殖に成功したとのお話をお聞きしたからであります。
 私は、この専門学校の研究の成果に大変興味を覚え、早速、当局に資料をそろえていただきました。その資料の中で山本学科長のコメントが出ておりまして、学科長は「この研究開発の大きな目的は、養殖に伴う環境問題と過疎対策に寄与したい」とのコメントを発表されていました。ラムサール条約に認定されるほどきれいな和歌山の海ですが、近年の海岸線の環境悪化について心配しているところであり、環境を保全するという意味からも大変好感が持てました。
 また、過疎化が進む中、若者の定住政策の一助になればとのお考えにも共感を覚え、当局にお願いして御同行いただき、岡山理大専門学校を地元養殖経験者や有志による視察団を形成して訪問する運びとなりました。
 岡山理大専門学校を訪ねると、圓堂稔校長先生や山本学科長にお出迎えをいただき、早速、施設の案内と研究の成果について御説明をいただきました。
 魚好きの日本人は、四季折々500種類もの魚を食べ、動物たんぱく質の約4割以上を魚で摂取しているそうであります。しかし、昨今、世界じゅうで魚志向が高まり、漁獲高はこの50年で6倍以上に激増しています。
 2006年、アメリカの科学誌「サイエンス」が、「このままでは、およそ40年後にはすべての天然の魚が絶滅するおそれがある」と衝撃的な予測を発表いたしました。和歌山県でも、漁獲高の減少により、漁業に携わる漁師の皆さんの御苦労は御承知のとおりであります。
 漁業を取り巻く現況は、高齢化が進み、後継者が育たないという深刻な悩みを抱えていますが、究極の問題は漁獲高の減少にあると、私がかつて一般質問したときの当時の農林水産部長の御答弁でありました。
 我が県も「とる漁業からつくる漁業」という政策を掲げ、養殖業の推進に力を入れてきました。昭和50年代はブリの養殖が盛んで、その後、平成に入ってからはタイ類の養殖に移行してまいりました。
 しかし、海面養殖は、赤潮による被害や台風や洪水による濁流被害等、大変な被害を受けることもあり、厳しい面もあるとお聞きをいたしました。また、海水をくみ上げて陸上での養殖は、その施設投資費や運営経費がかさみます。
 このような養殖業を取り巻く状況の中、今回の淡水で海水魚を養殖するという試みは、コスト面においても、風水害の被害を受けないという点においても、また病原菌やウイルスの心配も要らず、えさの残滓による環境問題等も解決できる新しい可能性を秘めた新技術であると思います。
 山本学科長の御説明によりますと、海水魚と淡水魚は正反対の浸透圧の調整を行っているので一緒に暮らすことができませんが、進化をさかのぼると、どちらも先祖は太古の海で生きていたはずと考えられたそうです。今ほど塩辛くなく単純な成分だったために、当時の魚類は浸透圧の調整も必要なかったと考えられ、そこに注目して研究を始められたそうです。
 海水に含まれる約60種類の元素のうち、魚にとって本当に必要な成分はカリウム、ナトリウムその他数種類の成分だけと研究の結果判明し、近くの旭川の水を原料に、「好適環境水」と名づけた魔法の水を開発いたしました。
 地球の約60%は海であり、その海水は酸素、水素、塩素、ナトリウム、硫黄の5元素で99.78%を占めています。塩分濃度は3.5%、ほかにも豊富なミネラルが含まれています。
 海水魚は、体液の電解質濃度は海水より低いため浸透圧によって体内の水分が自然と出ていくため、ナトリウムイオンやカリウムイオンを含んだ海水を飲み、腸から体内にとり込み、えらから余分な電解質を排出するようにできています。しかし、淡水にはこうしたイオンがほとんど含まれていないため、淡水魚は必要なイオンを補給するため体液の塩分濃度を調整しなくてはならないそうです。
 そこで、好適環境水の水槽を見学させていただきましたが、ヒラメやタイ、熱帯魚とランチュウが同棲する水槽を見たとき、青天のへきれきと申しますが、我々の常識では考えられない光景でした。
 この好適環境水を養殖業に取り入れるに際し、さきに述べましたが、利点として、まず、従来の人工海水により海水魚を養殖すると水1トン当たり約1万4000円かかるそうですが、好適環境水の製造コストが安いので約60分の1に削減でき、実用化する段階でも初期投資が少なく、そして浸透圧の影響が少ないので速く成長し、資金の回収も早いと、二重の意味で製造コストを抑えることができるということで、投資リスクが少なくて済むという経済的な利点を挙げられていました。
 実験では、2005年6月から養殖を始め、6カ月で体重は、ヒラメが20グラムから約520グラムに、トラフグが30グラムから約250グラムに成長したと聞き、同行した養殖経験者もその成長の速さに驚いていました。
 次の利点は、自然界では病原体は海水型と淡水型のどちらかに分かれており、海水で生存している病原菌はもともと好適環境水──淡水なんですが──の中では存在せず、さらに外部から侵入したとしても、病原菌そのものが淡水では生きていけないので、投薬をしないで安全な養殖が可能となります。この実験中に病気になった魚はいませんと報告されています。
 次に、風水害や赤潮等、自然現象の影響をほとんど受けない点であります。せっかく成長した成魚が出荷前に被害に遭うことも、かつてはありましたが、そういったことがなくなり、計画的に出荷できる利点があります。
 さらに、私たちの和歌山県は、串本地域がラムサール条約に認定されるほどきれいな海を持っていますが、この環境保全にも一役買うことになります。
 そして、私が一番注目しているのが、沿岸地域でなくても養殖技術があれば、地価の比較的安い、むしろきれいな川の水のある山間部のほうが大規模な海水魚の養殖を可能にするという利点であります。地方の最も大きな政治課題の1つであります中山間地域で働きたい若者たちの雇用の場を確保するということに、大いに期待をいたしております。
 最後に、やはり気になるのが、味はどうかということでありますが、昨年の暮れ、この好適環境水で育てたヒラメ、マダイ、トラフグを岡山市内の料亭で、それぞれ有名店の料理長を初め多くのマスコミ関係者を招いて試食会を催したそうです。ヒラメ、トラフグはプロの皆さんにも好評だったそうですが、まだ実験段階で水槽が小さいためか、マダイは身が締まっていないと指摘を受けたと申されていました。
 また、全国各地から企業や団体の視察の申し込みが後を絶たず、今までにもう500社・団体以上見学に来られ、また海外からの申し込みもあり、その中には中国の2番目に大きな養殖企業も大変興味を示されてお帰りになられたと申されていました。
 山本先生は、この養殖方法で育った魚の健康状態や味に問題がなければ、すぐに実用化する見通しだと言っておられました。ちなみに、特許ももう既に取得されたようです。
 また、昨年の養殖ヒラメは、海水でふ化し、稚魚を好適環境水で育てましたが、今回のヒラメは好適環境水の中でふ化させ、海水には全く無縁の環境で育てたので、海水を知らないヒラメだそうです。
 そこで、仁坂知事にお伺いをいたします。
 我が県の養殖業もこうした新しい技術を取り入れることに対して積極的に検討していくべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 農林水産部長にお伺いをいたします。
 今、和歌山県の海面養殖業の現状とその見通しについてお考えをお聞かせください。
 次に、去る3月6日のきのくに志学館において紀の国先人展があり、当時、私は総務委員会委員長を仰せつかっておりましたので、出席をさせていただきました。仁坂知事もお越しになっておられましたが、我がふるさと和歌山県が輩出した、学術的に大変評価の高い功績のあった偉人を紹介するコーナーの開展式に出席させていただきました。
 先人展は2005年から始まり、同年は文化・スポーツの分野での功績のあった方を、そして2006年は社会・経済分野、ことしは学術分野で展示されていました。そのコーナーは円形型で大変清潔感があり、コンパクトではありますが、大変好感の持てる工夫されたものでありました。
 紀の国先人ゆかりマップのコーナーでは、先人たちの出身地や県内ゆかりの地を紹介しています。また、先人紹介コーナーでは、ことしの学術をテーマにした先人たち1人1人のプロフィールと、その業績や筆記道具など展示物を同時に紹介しています。さらに、先人シアターでは先人たちを映像で紹介する等、楽しく閲覧できる工夫を凝らしています。
 しかし、この施設のすばらしさもさることながら、これだけの偉人が和歌山県から輩出されていることに対し、率直な驚きと感動を覚えました。私たちが日ごろ知らず知らずのうちにその功績の恩恵を受けていたり、また世界に通じる研究や大きな功績をおさめられた郷土の先人に、改めて敬意を表したいと思います。
 資料を配付させていただいておりますが、少し御紹介を申し上げますと、文化・スポーツ分野では、名投手・嶋清一投手、作家の有吉佐和子さん、合気道の創始者・植芝盛平氏、童謡「鳩ぽっぽ」の作詞者・東くめさん、社会・経済分野では、申すまでもなく私たち和歌山県議会の初代議長でもあり、「稲村の火」で知られる浜口梧陵先生、パナソニック松下電器産業の松下幸之助氏、世界で初めて全身麻酔手術に成功した華岡清洲先生、博物学において世界的に注目を浴びた南方熊楠先生、詩人・佐藤春夫氏、学術の分野では、世界的数学者・岡潔先生初めビタミンAを抽出した農芸科学者・高橋克己先生、脚気の原因を突きとめた島薗順次郎先生等、すべての方を御紹介させていただきたいところですが、資料を配付させていただいたので、ごらんください。
 本当にさまざまな分野で活躍された方ばかりですし、皆さんの地域の先輩もいらっしゃるのではないかと思います。改めて和歌山県の先人の皆様に対し、その数々の御功績に心から敬意を表するものであります。
 そして、私は、これほどの郷土の偉人をただこの先人展で紹介しているだけではもったいないような気がいたしました。このような本当に身近な方々を子供たちの教育の現場で紹介し、できれば学習の中で生かすことはできないのだろうかと、そのとき思いました。
 私も、小・中学校時代、日本または海外の偉人の伝記物を図書室で借り、家に持って帰って一心不乱に読んだ記憶があります。私は、普通、読書というと目が重くなる方ですが、偉人の伝記というと、少しも眠くなく、その偉人の生涯に思いをはせ、小さいときのエピソードや苦労話に引き込まれ、いつか自分も世の中のために何かできるのではないかと思ったこともありました。
 多感な小・中学校時代に身近な郷土の偉人に触れることは貴重な体験であり、そして何よりも、同じ町から世界に通じる偉人が出ていることを認識することは子供たちの情操教育においても大きな効果があるのではないかと思います。安倍内閣も、このたび、「美しい国づくり」の最重要法案として教育基本法を戦後初めて改正いたしました。
 昨今、我が国の青少年を取り巻く生活環境は著しく変化し、大人のモラルの低下やはんらんする情報により、ややもすれば自分自身を見失い、犯罪に巻き込まれたり、最悪の場合、犯罪を起こしてしまうケースもしばしば見受けられ、大変憂慮されます。
 郷土を愛する心が希薄になりつつあると言われる現代社会で地域の連帯感や家族愛や友達を思う心をはぐくむことは、とても大切なことであります。そして、もっと大切なのは、自分自身の人生を大切にすることを教えていかなければならないのではないでしょうか。
 私たちの身近なところから輩出した先人の功績に触れることにより、向上心を養い、人生の目標を見詰めることのきっかけになれば、本当にすばらしい教材になると考えます。
 今の教育現場において必要なものは、当然、学力を高めることが大事なことではありますが、徳育も大変重要な教育であることは御承知のとおりであります。
 そこで、教育長にお伺いをいたします。
 和歌山県教育委員会も「ふるさと わかやまの心」という道徳教育郷土資料を発行されておりますし、海南市教育委員会のように一部地域では既に教育の現場で扱っているところもあると聞いておりますが、このように和歌山県の先人を道徳教育や総合学習の中で紹介し、この功績を教材として取り上げ勉強することはとても有意義なことであると考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。
 もう1点、昨年度の高校入試制度についてお尋ねいたします。
 一昨年まで、高校入試は推薦入試と本試験の2回に分けて行われておりました。しかし、昨年度からは、前期選抜試験、後期選抜試験及び追募集に制度変更され、中学校や保護者の中で少し混乱したところもあるとお聞きをいたしております。
 当然、教育委員会も御承知のことと思いますが、その制度の変更により、後期選抜試験において定数を大幅に超えたところもあれば、また逆に定員を割り込み、今まで追募集した経験がない高校が追募集するという事態になってしまいました。
 進学する生徒たちに入試の機会を均等に与えるということにおいては理解できますし、むしろ私は賛成の立場でありますが、昨年は最初の試みでしたので、入試に際し、少し混乱したこともいたし方ないと思います。しかし、ことしは昨年度の高校入試の現状を、教職員や保護者等から情報も入っていると思いますので分析し、それを踏まえて今年度の高校入試に臨まれると思いますが、教育委員会としてどのような対応策を考えておられるのか、お答えをください。
 私は、この制度自体は悪くないと思いますが、前期選抜試験の定数が少し少ないような気がいたします。普通科は前期選抜試験で定員の30%ですが、募集定員を定めた普通科コースや単位制の普通科もしくは総合学科が50%の定員であり、専門学科は定員の100%、前期選抜で採ることができます。なぜ学科によってこのように差をつけたのか、その根拠はどこにあるのでしょうか。
 前期試験で不合格になった生徒や保護者は、いろいろな面で精神的なプレッシャーを受けます。本来行きたかった学校を後期選抜試験で受験することができず、学校によっては定員のオーバーや定員割れに影響したのではないかと考えます。そして、その結果、昨年度は高校浪人した生徒もいると聞きましたが、高校に入るとき1年浪人するということは、その子供にとって、その後の人生に大きな影響を及ぼすと考えます。私は、本年度の高校入試においては、前期試験の定員枠をもう少し広げるべきだと考えますが、いかがですか。
 以上、教育長にお答えをお願いします。
 続きまして、地方財源の偏在の是正について幾つか申し上げたいことがあります。
 今議会において既に先輩・同僚議員からも御質問がありましたが、私は、この税制論議において、今まで常に都市の主張ばかりマスコミ等で取り上げられ地方の言い分が黙殺されてきましたが、ぜひこの議論を深めていく中で現在の地方の現状を都市に住んでいる地方出身者の心に届くよう盛り上げていただきたいと思い、知事に質問させていただきたいと思います。
 先般、安倍内閣は、ふるさと納税構想の検討を総務省に指示したと大きくマスコミに取り上げられました。久々に地方の言い分が中央政界で取り上げられ、胸のすく思いでありました。
 「地方の時代」と言われながら、今まで過疎問題を解決できないまま、どんどん地方から人口が流出いたしました。その間、過疎対策措置法や半島振興法等、確かに地方振興策も打ち出され、それは一定の効果があったと思います。しかし、高度経済成長期からバブルの崩壊を経て一転デフレ経済に入ると、政府は、今までの成長経済のときのような税収が見込めないので、無理、無駄を省き小さな政府にすることを政治使命と位置づけ、構造改革を推し進めてまいりました。さらに政府は、もう一方で地方に対しても自主・独立することを求め、地方分権法が成立し、その受け皿として市町村合併が行われてきました。さらに、小泉内閣は構造改革を進める一方で、三位一体改革による地方の自主財源化も進めてきました。
 しかし、その過程で地方は大変財政的に厳しい状況になり、全国の各地方自治体は財源の確保に四苦八苦しています。当然、和歌山県もその例外ではありません。そして、都市と地方の関係がぎくしゃくしてまいりました。
 高速道路問題1つとっても、「人口や交通量の少ない地域にはもう高速道路は必要ないのではないか」と、都会の政治家たちが新聞やテレビに出てきて得意顔で話しています。確かに地方は人口が少なくなりましたが、私たち地方に住む者は、日本国の発展のために少し後回しになっても我慢しようと都市優先の政策にも理解を示し、懸命に支え、耐えてきました。その結果、都市と地方の間で交通格差が生まれ、過疎と過密の問題を引き起こし、その延長線上に経済格差や生活格差、賃金格差が生まれました。そして、働く場所を求め、たくさんの若者たちがふるさと和歌山を後にし、大都会で暮らさなくてはならない状況になりました。
 その方たちは、今、お盆と正月に帰省するぐらいで、ほとんどふるさとに帰ってくることはありませんが、その帰省の際の高速道路や新幹線、飛行機等の交通機関の混雑状況を見ると、本当に地方からたくさんの人が都会に出ていって生活してるんだなと、つくづく思います。それはそれで仕方のないことと思いながらも、どこか納得がいかないなと私はいつも思っていました。
 私たちは、生まれた地域にいろいろな面で育てられます。例えば幼稚園や小中学校は主に市町村の税金で運営されています。高校は、そのほとんどが県立高校であり、貴重な県の税金によって運営されています。そして、やがて都会の大学進学ともなりますと、学費を納め、マンションを借り与え、生活費も仕送りしなくてはなりません。
 地方の親たちは、自分の子供とはいえ、一人前にするのにどれだけの投資をしてきたのでしょうか。卒業し、やっと就職が決まり安心できると思えば、都会は生活費が高いので、しばらくは家賃や生活費を仕送っているのが現状です。結婚すると言えば挙式の心配をし、家を建てると言えば頭金の足しにと借金を重ね、それでも子供たちの幸せを願い、年老いた体にむち打って頑張っておられる地方の両親のけなげな姿を思うとき、万感胸に迫ります。気がついたら、年老いた我が身と、子供たちと離れ離れに暮らさなくてはならないという寂しい現実だけが残されました。
 子供たちの中にも、本当は地方に働くところがあれば帰ってきたいと思っている人もかなり多くいると思いますが、現状では現実的ではありません。
 一時期盛んに提唱された「均衡ある国土発展」などという言葉は、口に出せば出すほどむなしい気持ちになるほど、この小さな国土の我が国において都市と地方の格差が広がってしまいました。
 もう地方もこのままの状況で緩やかな衰退をたどっていくしかないのかなあと思っていたとき、ようやく安倍内閣により、ふるさと納税構想という、日本列島改造論やふるさと創生事業以来の地方の言い分が政策として打ち出されました。
 しかし、ふるさと納税構想が打ち出されると、すぐに東京都知事や大阪府知事初め都会の政治家たちがこの税制に一斉に反発をしている様子をマスコミで大きく取り上げていました。彼らの主張を聞いていると、過去の私たちの投資のことは一切言わず、一方的で、本当に腹立たしさと悔しい気持ちでいっぱいになります。彼らの理屈を聞いていると、気分が悪くなってきます。
 私たちは、地方出身者の住民税の半分を地方によこせなどと厚かましいことを言ってるわけではありません。ほんの少し、1割程度、お父さんやお母さんの住んでいる出身地の県や市町村に仕送りしていただけませんかと申し上げているだけなのに、血も涙もない無慈悲な政治家が口角泡を飛ばして批判している姿を見ると、本当に同じ日本の政治家なのかと疑いたくなります。
 そこで、知事に、和歌山を含む全国の地方の言い分を全国知事会やマスコミ等にも積極的にアピールをしていただき、了見の狭い都会の政治家たちを諭していただきたいと思います。また、特に法人2税と言われる法人都道府県民税及び法人事業税についても、その偏在の是正について強く主張していただきますようお願いいたします。
 この法人2税の偏在は和歌山県と東京との間では4.7倍もの格差があります。
 私たちを含め、全国各地に住んでいる人たちは、毎日いろいろな生活必需品を初め商品を購入いたします。その購入した商品の発売元や本社を注意深く見ると、そのほとんどが東京都もしくは大阪や名古屋のような大都市に集中しています。
 私たちが商品を買い消費すればするほど企業は業績が上がりますが、得た利益にかかる法人2税の納付先は企業の所在地の都会に入るという仕組みになっています。当然、私たちの住む和歌山県のような地方には法人が少ないので、同じように物を消費しても、その税の納付に格差が生じてしまいます。この仕組みにより戦後最長の好景気だと政府やマスコミが連日報じますが、都市は公共投資や民間活力で好景気になりますが、地方はそれほど好況感がないという現在の状況が生じることになります。
 東京都は、もともとこの法人事業税が最も入る都市なのですが、最近の好景気によりさらに税収がふえ、1兆2000億もの税金をかけて東京オリンピックを再度誘致でもしないと使い切れないのではないかと、去る東京都知事選挙戦でやゆされるほどであります。
 富める都会と貧しい地方との格差がこれ以上広がると、感情的に対立が深まるばかりでなく、将来の日本にとって好ましくない現象が起きてくるのではないかと危惧をいたします。都会は人口過密になり、排出されるごみの処分にも困り、隣の人口の少ない市町村に処理してもらわなくてはならない都市も出てくるでしょう。地方はと言えば、人口が少ないために、いまだ下水道の整備もできず、河川や海を汚染し、また公共交通機関が少ないので車での移動を余儀なくされ、二酸化炭素を排出するという皮肉な現象も起こってまいります。
 ことしは空梅雨が予想され、渇水が心配されていますが、大都市圏の生活水を確保するため、また都市を洪水から守るために山間部にダムを建設してきましたが、どれほどの方が住みなれたふるさとを後にしたか。その結果、人口の1割以上が一度に流出したところもあります。
 京都議定書を発効するに当たり、議長国である日本は、地球温暖化対策である二酸化炭素の削減目標数値を達成しなくてはならない立場でありますし、先頭に立ってアメリカやヨーロッパ諸国を説得し、また中国や途上国に対しても理解を求めなくてはなりません。
 先般、サミットでは環境問題が大きく取り上げられましたが、安倍首相も各国に強く訴え、一定の成果を得たところでありますが、国内において都市の政治家たちは森林地帯の環境保全をどのように認識しているのでしょうか。甚だ疑問に思います。山を放置すれば必ず荒廃いたしますし、今まさに崩壊の危機に直面していると言っても過言ではありません。
 また、都市の経済活動を支え、私たちの生活に不可欠な電気は、どこでどのようにして生産されているのでしょうか。過去、原子力発電や火力発電の建設の是非をめぐって地域住民が賛成、反対で町を二分し争い、そして苦しみを経て都市に豊かな電力を安定的に供給していることを御承知ないのではないかと疑いたくなります。
 私たち地方は、長い間、日本の発展のために寄与してきたではありませんか。格差社会で問題提起される昨今、強者の理論で押し通そうとする都市の政治家の心ない発言がきずなの薄い地域社会を助成し、昨今起こる理不尽な犯罪や悲惨な事件事故を起こす遠因になっているのではないかと憂慮いたします。
 知事も、先般、東京都知事や大阪府知事の発言に対し、地方紙に「無慈悲なことを」と返され、都市の政治家をいさめるコメントを出されました。
 今の日本は、知事が申されたように、強い立場にある者に慈悲の心が欠如しているために起こるさまざまな摩擦や現象が私たちの社会全体をむしばんでいるような気がいたします。両親が幼い子供を虐待して殺してしまう、また逆に、子供が大きくなると親を殺してしまう、お年寄りをだましてお金を奪い取るなど、数え上げれば切りがありません。都市と地方がいがみ合うのではなく、お互いの立場を理解し合い、助け合うことが大切なときであります。
 しかし、今まで余りにも都市優先の政治が行われた結果、都市に富や人口、法人や情報等が集中し、一方、地方では過疎化や高齢化が進み、もう森を守ることができない、森を守る人がいないという現実に直面しています。全国各地の中山間地域が消滅してしまうことも、そう遠い話ではありません。知事も和歌山の山間部を選挙で回られて、決して大げさな話ではないということを肌で感じられたと思います。
 そこで、仁坂知事にお伺いをいたします。
 先ほど述べた税制の不公平の是正について、都市の政治家たちの主張に負けないよう、和歌山県民の代表者として、また全国の地方の代弁者として、地方の言い分を、マスコミはもとより、まだふるさとのことを忘れないでいてくれる都会に住む地方出身者の皆さんに対し、熱い、強いメッセージを発信していただきたいと思いますが、いかがですか。
 また、知事は独自に2地域居住税制の創設を提唱されています。先般、議員の答弁にもお答えになっておられましたが、もう少し詳しく御説明をいただきたいと思います。
 仁坂知事もかつては東京にお住まいでしたが、今は私たち和歌山県民の代表者であり、地方の代弁者であると心から信頼をしておりますので、地方の言い分を強く発信していただくことを再度お願いを申し上げ、第1問といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(中村裕一君) ただいまの花田健吉君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、花田議員の御質問に関して、養殖業の問題、とりわけ新技術への取り組みについて申し上げたいと思います。
 水産業を取り巻く状況は、議員御指摘のように、漁獲量の減少、魚価の低迷あるいは漁業就業者の高齢化など、まことに厳しいものがありますが、養殖業は海面漁業生産額の約25%を占める重要な漁業としてだんだんと重要性を増しているものと思っております。
 和歌山県の漁業においても、今後、これについてはもっともっと大事になってくるんじゃないか、特に安定した雇用を漁村の方々に保障するという点では非常に重要なものになってくるんではないかと思っております。
 その際に、技術の問題というのがございました。先生御指摘の技術のほかに、和歌山県には、とりわけ、県の水産センターはもちろんですが、近畿大学の幾つかの研究所もあります。この間、それを見学してまいりましたけれども、和歌山県の例えば近畿大学で卵からふ化する、そして小さい魚になるというところまでやって、それを全国の養殖場に卸しているものが大変多いということを聞いて、全国の養殖漁業は和歌山が支えておるんだなというようなことを聞いて、大変誇らしく思った次第であります。
 また、マグロの完全養殖について、技術的なめども立ってだんだんと商業化しようとしているということもお聞きしておりまして、これなどは和歌山が誇る技術だというふうに考えております。
 議員お話しの好適環境水の完全閉鎖方式による陸上養殖につきましては、今までにない新技術でありまして、過疎対策として貴重な御意見、御提言と考えております。
 今後、より一層アンテナを高くし、関心を持って技術革新等の情報収集に努め、地域の活性化に生かせるように取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、地方税源あるいは地方税収の偏在、これの是正の問題がございました。
 これについては、現税制の不公平についての所感というようなことでございましたけれども、まず第1に、議員御指摘のように、日本という国が成り立っていくためには、地方は大変重要な役割を果たしております。しかし、税源が大都市に偏在し、一方、地方はその仕事に見合った税収を確保できず、いろんな格差が生じて社会にひずみを発生させている現状にございます。
 私は、就任以来、何としてもこれを是正し、どこに住んでいても最低限必要な行政サービスは全国民に公平に保障され、それに必要な税源がそれぞれの自治体にちゃんと確保されるべきだというふうに主張してまいりました。
 真に地方を理解し、これからの地方あるいは国をどうしていくべきかを考えるならば、今の税制の改革が必要であるということは論をまたないところであると思います。すなわち、国全体の税収配分のあり方、具体的には、国と地方での税配分の枠組みとか、あるいは地方自治体の税収格差の見直しをすべきだというふうに思っておりまして、そう主張しているところでございますし、現在、国にそれを要望しているところでございます。
 この過程において、私としては、地方の意見が十分反映されるように、またそれで和歌山県が少しでも有益な結果を得られるように、さまざまな機会を通じて税収の格差是正を主張してまいる所存でございます。
 次に、2地域居住税制というお言葉がございました。議員御指摘では、これは私の提言ということになっておりますが、そこは必ずしもそうではございませんで、実は総務省の研究会で、今、そういう考えを導入してはどうかというようなことを考えているアイデアでございます。
 私は、都市に本拠を置きつつ一定期間地方に行く、和歌山でもそういうような方々が少し出始めていますが、そういう方々が住民票のある地域だけに住民税を納めるというのは、応益課税の原則からすると、ひょっとしたら修正を必要とするんじゃないかというふうに思うわけです。したがって、この総務省の研究に大いに期待を寄せておりまして、地域経済が活性化するためには、例えば本県のようなところがこのような税制で2地域居住者を引きつけるときに必要なサービスをそれで支払っていくという制度ができるといいなというふうに思う次第であります。
 いずれにいたしましても、このような制度全部を含めまして、先ほど申し上げましたように、国と地方あるいは地方それぞれのバランスがうまくとれるような制度ができるように、今後とも私も発信し、国に要望し、やっていきたいと考えております。
○議長(中村裕一君) 農林水産部長下林茂文君。
  〔下林茂文君、登壇〕
○農林水産部長(下林茂文君) 本県の海面養殖業の現状と見通しについてでございますけれども、平成9年ごろには、マダイを主にいたしまして100億円以上の生産額で安定いたしておりましたけれども、その後、全国的に養殖マダイの需給バランスが崩れまして魚価が急落いたしてございます。その結果、17年には生産額が約52億円と、半額ぐらいになってございます。また一方、この10年間ぐらいで養殖の漁家につきましても3割程度減少するという厳しい状況にございます。
 こうした厳しい状況に対応していくために、県といたしましては、持続する漁業を目指しまして、今後、種苗放流、それから小型魚種の保護、魚礁の設置などの施策を進めまして沿岸漁業の振興に努めるということと、一方、この恵まれた海面を生かした養殖業というのを大きな柱といたしまして積極的に推進することといたしてございます。
 現在、水産試験場におきまして、高級魚種のクエの増養殖技術の研究開発中でございます。また、クロマグロも今後期待される養殖魚種でございまして、地域の活性化の観点からも推進してまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 教育問題についてお答えをいたします。
 まず、県の先人の功績等を教育で取り上げることについてでございますが、本県は、議員から御紹介がございましたように、文化や地域の発展に尽くした先人を多数輩出しております。これら郷土の先人について積極的に学習を進めることは、改正された教育基本法でも強調されておりますように、郷土に対する愛情や誇りを培い、確かな人生観の育成に寄与するものと考えてございます。
 県内の小中学校では、社会科や道徳、総合的な学習の時間等において、地域の先人の功績や生き方を取り上げた副読本、あるいは県教育委員会が作成いたしました資料集「わかやまDE発見!」という資料がございますけれども、こういったものを活用いたしまして学習を進めております。
 県教育委員会のホームページにも「紀の国が生んだ先人たち」を紹介しておりまして、先般、新たにスポーツに貢献した人材についても掲載をしたところでございます。
 今後、これらの資料をCD化して各学校に配布することも検討いたしまして、地域のより身近な先人を教材とした学習や、郷土の自然、歴史、文化を積極的に取り入れた和歌山らしい学びを推進してまいりたいと存じます。
 次に、この春実施いたしました平成19年度県立高等学校入学者選抜につきましては、中学校長会、県立高等学校長会を初め、広く関係者から御意見をいただきながら分析・検討を行いました。大きく制度が変わった初年度でもあり、受検生や保護者に若干の戸惑いはあったものの、受検機会の複数化などの改善の趣旨はおおむね達成できたのではないかというふうに校長会から聞いてございます。
 平成20年度からは、すべての県立高等学校で前期選抜も県の統一問題を使用すること及び一部の学力検査の時間を延長することとし、過日、変更点について発表を行ったところでございます。
 前期選抜の定員枠の設定につきましては、従前の推薦入学の定員枠を基本とし、中学校最終学年における授業の大切さを踏まえるとともに、普通科や総合学科、専門学科それぞれの特色を考慮して上限を設定してございます。
 今後とも、各方面からの御意見もいただき、必要な改善を加えながら新しい制度の定着を図ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 再質問を許します。
 11番花田健吉君。
○花田健吉君 質問ではなく要望なんですけども、教育長に。
 御説明いただきました。わかりました、内容はね。でも、ただ、文科省にしても教育委員会にしても、制度を変えるときに、やはり一番戸惑うのは生徒たちで、常に生徒たちの観点で、組織の上から見た改革ではなくて、実際受検であれば受検する生徒、またその保護者、それに携わる進路指導の先生、そういう方の意見も十分反映されるような形で実施していただきたい。
 昨年度、この3月の入試は、日高郡は特に少し混乱した状況がありました。ことしは、当地域、日高地域のほうも特に教育委員会でもいろんな情報を集められて去年のようなことのないように、30人近くも定員をオーバーするというようなことのないように、よろしくお願いをいたします。
 以上で終わります。
○議長(中村裕一君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で花田健吉君の質問が終了いたしました。
 44番雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕(拍手)
○雑賀光夫君 さきの地方選挙では、無投票で、引き続きこの場にお送りいただきました。無投票であっただけに一層身を引き締めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
 さて、議長のお許しを得ましたので、質問に入らせていただきます。
 第1の柱は、官製談合の問題にかかわってであります。
 この問題については、仁坂知事が就任されてからも、それ以前からも、本会議でも全員協議会でも繰り返し議論されてきました。これまでの県議会及び知事とのやりとりの枠組みを整理してみたいと思います。
 日本共産党議員団は、このたびの官製談合問題が明らかになったときから、百条委員会を開いて議会として真相解明することを主張し、その後も、この問題について特別委員会を設置するなど主張してきたところであります。
 県議会全体としては、私たちの主張で合意するには至らず、2回の全員協議会で真相や今後の方向をただすことになりました。その場合も、私ども県議団はそのことに協力し、多くの質問項目を提出してきたところであります。
 一方、仁坂知事はと言えば、真相解明については裁判の結果を見守るという態度をとり、今後こうした問題を起こさないように公共調達検討委員会を立ち上げました。それでも県議会で、「真相解明なくして、こうした問題を繰り返さない施策ができるのか」という質問に、「もちろん、真相解明も含めてやります」、こういうふうにお答えになったところです。
 公共調達検討委員会報告書について言えば、官製談合の真相解明というものにはほど遠いものですが、談合をなくすシステムについての提言を行いました。それなりの専門家の皆さんの提言でございますから、今後さまざまな注文もつけながらも、それが有効に働くかどうかを見守っていきたいと思います。
 政治と金という問題、この問題については和歌山県職員倫理規則と監察査察制度でクリアしているということでございます。こうした枠組みで、今、議論が進んでおります。私たち県議団がつくろうとした枠組みとは少し違うわけですが、この枠組みは一応の前提としてお伺いしたいと思います。
 まず、知事にお伺いいたします。
 第1は、知事は、この談合事件にかかわる問題はすべて判決が出て事実が明らかになった上でとしているように思われます。しかし、司法の判断を待たずに行政として解明すべき問題もあると思います。秘書課がかかわった金の問題はその1つです。これについては、他の議員の方が取り上げられました。
 ほかにもあります。検察の冒頭陳述では、「被告人は、自己の選挙基盤の確立を図るため、県内業者が受注する小規模な公共事業について、県知事選挙で自己を応援しなかった業者を指名業者から外すように水谷に命ずるなどした」と述べられています。これが事実であれば、前知事の職権によって地元の業者が被害を受けているわけです。現知事として、判決を待たずとも事実を把握し、損害がどうなのか、そのために倒産に追い込まれたような業者があるのかどうかなどを調査して対応するのが当然と考えますが、いかがでしょうか。
 また、公判の中で、小佐田前副知事に70万円が渡ったという指摘がなされています。知事の態度としては裁判が確定した上でということになるんでしょうが、相手は、刑事被告人ではなくて円満退職された前副知事でございます。事実とすれば自主的に退職金を返還するなどの話もあってもいいと思うんですが、そんな話はないのでしょうか。
 次に、選挙と利益誘導の問題です。
 木村知事をめぐって起こった問題の根本は、選挙で有利な立場をどうつくるかということに発しているように思われます。その点では、建設業者などによる選挙の応援、個人名義であれ、資金の提供をどう考えるかということが大きな問題になります。
 そこで、和歌山県職員倫理規則がつくられました。大変読みづらい文章でございましたが、読ませていただきました。
 最初に、利害関係者の定義が出されます。認可を受ける事業者、補助金を受ける団体、入札業者など8項目が利害関係者として挙げられています。次に、利害関係者との間でしてはならないことというのが挙げられています。例えば、利害関係者とゴルフなどすることというのも1つの項目として挙げられているわけです。
 この倫理規則というのは、法律では罰せられないけれども、県民の誤解を避けるために疑われるようなことはしないということでしょう。
 「李下に冠を正さず」という言葉があります。結構なことでございます。この規則は、一般職員だけでなく、知事を含めて縛るというところに他の多くの自治体との違いがあるんだという話もお聞きしました。それならば、選挙のとき、利害関係者からの推薦状を選挙事務所に張り出したり選挙資金の提供は遠慮するんだろうなと思いながら読んだわけでございます。
 ところが、知事のこれまでの答弁を振り返ってみると、2月県議会で知事は、「私の県政に取り組む姿勢に賛同していただける方からの政治活動に対する支援については、政治資金規正法の関係法規に照らしまして適切に処理すればよいと考えております」とお答えになっている。建設業界からの政治資金、政治献金もいただきますということでございます。これでは、法律以上に倫理規則で厳しく身を律するということを決めていても、それが政治家である知事に対してはじゃじゃ漏れということになるんではないでしょうか。
 せっかく職員倫理規則で、職員としての、そして職員のトップとしての知事の姿勢を示したわけですから、政治家としての知事についても、利害関係者との関係を疑われることのないようにみずからを律すれば大変立派なことだと思うし、県民の信頼も大いに高まると思うんですが、いかがでしょうか。
 第2の柱は、大滝ダム追加予算支出についてであります。
 大滝ダム追加予算については、第1日目の討論でいろいろな議論がありました。私は、極めて素朴な県民の立場から疑問を提出させていただきたいと思います。といいますのは、このダム建設というようなことについては、普通世間では通用しないことがこの業界と行政の間では常識になっているように思われるからでございます。
 大滝ダムは、1962年に実施計画調査が始まり、65年に事業着手。当初計画の事業費は230億円、県負担は25億円でございました。ところが、5回の基本計画変更で230億円が3480億円に、25億円の県負担が437億円に膨れ上がってしまったわけです。
 当初、県議会は、25億円の負担でダムができるということで事業計画に同意したわけでしょう。わかりやすい例え話をすれば、「1000万円で家が建ちます」と言われて工務店にお願いをした。ところが、「あと1000万円出さないと雨漏りのする家しかできません」と言われた。さらに、「あと2000万円出してもらわないと地震が来たらつぶれます」と言われた。こんなことをする工務店があったら、これは悪質業者というふうに言われます。ところが、こういうことが、大滝ダムに限らず、この業界と行政の間では何回も、何倍にも事業予算がふえることが当たり前になっています。もし、最初の25億円という見積もりが過小なものであったとすれば、これは過小な見積もりで事業を開始することを議会に同意させたというふうに言われても仕方がないと思います。
 こうした、当初予算が膨れ上がるのが常識になっているダム建設の中でも大滝ダムのケースは、またこれが異常な膨れ上がりになっています。その原因は、もともと地すべり地帯としてここにダムをつくることに危惧を表明する専門家の意見もあったのを無視して、ダム建設ありきで進めてきたことにも問題があったのでしょう。しかも、その計画変更は国の主導のもとで進められてきたわけです。そして、その上で、このたび新たな地すべり防止で160億円の追加予算を組む、和歌山県も負担してくれという国からの押しつけであります。
 こんなずさんな計画、県民への負担押しつけが許されるでしょうか。「ここまでつぎ込んできたのだから、我慢してついていくほかない」ということでは、県民は納得できません。
 まず、こうした予算が16倍に膨れ上がるような計画をしたことの国の責任はどうなのか、無批判にそれについていった県のやり方はこれまでこれでよかったのか、どういうコンサルや企業がこの仕事を請け負ったのか、そのコンサルや企業の責任はどうなのか、それがはっきりするまではお金は出せないという態度を明確にすべきだと思います。
 2月和歌山市議会では、和歌山市長は、新たな負担はできない、払うつもりはないと態度を表明しています。
 そこで、県土整備部長にお伺いいたします。
 国が計画し、県が協力してきた工事がこれほどまで計画の変更があり、国民、県民負担が膨れ上がったのはなぜなのか。その原因を県民に明らかにしていただきたいと思います。
 知事にお伺いいたします。
 国が主導し、計画変更し、予算が膨れ上がったわけですから、国の責任を厳しく追及する必要があるし、今回同意することは少し保留されたほうがいいと考えますが、いかがでしょうか。また、増額分は基本的に国が負担すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 第3の柱は教育問題でございます。
 第1は、学力調査問題です。
 文部科学省が実施する学力調査が実施されました。さまざまな批判があり、愛知県犬山市が参加しなかったことが報道されています。
全国一斉学力調査への批判としては、その結果が学校間の序列化につながり、そのことが学校教育にゆがみをもたらすことが挙げられています。
 私も、4年前に、この県議会での最初の質問で、1960年代の全国一斉学力テストで「愛媛残酷物語」とまで言われた教育のゆがみが生じたことを紹介し、和歌山県での学力状況調査について懸念を表明しました。
 このたびの全国一斉学力調査について、国会での論戦では、文部科学省は学校ごとの結果公表はしないと答弁していますが、それでもそれぞれの学校の公表が結果として序列化につながるのではないかという心配が論議されています。
 さらに、5月17日の朝日新聞に、「全国学力調査 町が『特訓』」「本番直前 独自の問題集」という見出しの記事が載せられました。広島県北広島町教委が、調査の直前に出題内容が類似した独自の問題集を作成し、時間配分や解き方を児童生徒に指導するよう各中学校長に指示していることがわかったという報道です。その記事の中で、評論家の小宮山博仁さんの話として、「今回のケースは氷山の一角で、同様の例はほかにもあるのではないか」という声を紹介しています。
 和歌山県では、文部科学省が実施した学力テストよりも、もっとある面では問題のある学習状況調査が4年前から実施されてきました。「もっと問題がある」とはどういうことか。
 第1は、文部科学省の学力調査は、学校ごとのテスト結果を統一して発表することはしていません。ところが、和歌山県では、生徒数が極めて少ない学校を除いて、学校ごと、問題ごとの正答率を公表しています。学校ごとの合計はないのですが、問題ごとの正答率を合計して学校ごとに比べてみれば、学校ごとのランクづけ、序列化は簡単にすることができます。
 第2の問題は、文部科学省のテストは小学校6年生と中学校3年生だけを対象にしたテストですが、和歌山県では、小学校4年生から中学校3年生まで、全学年を対象にしています。同じ児童生徒が毎年テストを受け、その結果が、毎年、学校ごと、学年ごとに公表されているわけです。ここでは、広島県の町教委が事前特訓をしたようなことを現場の教員がしたくなるような誘惑が起こります。広島の問題は人ごとではありません。
 さらに、私は、毎年繰り返される学力テストと学校ごとの結果公表によって、現場の先生方がプレッシャーを受け、特に若い先生方に教育観のゆがみが生まれるのではないかということを何よりも心配しています。
 そこで、教育長にお伺いいたします。
 この際、学習状況調査というものをやめられてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。少なくとも、小学校4年生から中学校3年生まで毎年のテスト、そして学校ごとの結果公表ということはすぐに見直しを検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 教育問題の第2は、高校再編、大成高校問題であります。
 数年前、高校再編、大成高校や古座高校の統廃合の計画で県教育委員会への厳しい批判が起こりました。8月という時期の突然の発表への批判ということもありますが、私は、4学級以上でないと高校として維持していけないという考え方にも問題があると思います。1学年1学級の高校分校も存在意義があり、分校サミットというものまで行われたのです。その中間である1学年2学級、3学級の高校が絶対にあってはいけないという道理はありません。
 ただ、念のために申し上げておきますが、私は、幾ら小さくなっても学校を存続すべきだと申し上げているわけではありません。生徒数が少なくなった学校を存続するかどうかは、教育的効果、地域における学校が果たしている役割、財政面から見た費用対効果など、さまざまな面から検討しなくてはなりません。
 高校再編、統廃合提案は、大成高校や古座高校に大きなダメージを与えました。というのは、統廃合されるかもしれない高校なんかに行きたくないという、高校を選択するときのマイナスのイメージをつくり出したからです。それにもかかわらず、大成高校で言えば、お隣の海南高校が1学級増になったにもかかわらずこれだけの生徒が集まったことは、一定の評価もできると思っています。
 地元の皆さん、中学校育友会、地元町長、大成高校育友会などから、いろいろな要望が出されています。今月の18日にも、紀美野町の町会議員さんほとんど全員でおいでになり、地元の尾崎要二議員、藤山将材議員とともに、私も同席し、知事への要望をお渡しし、教育長にお会いして要望したところでございます。皆さんの共通の声は、紀美野町から高校をなくさないでほしいということであります。
 そこで、教育長にお伺いいたします。
 私は、高校再編、募集停止の提案が大成高校や古座高校に打撃を与えたと申し上げました。この計画の見直しが行われたとき、文教委員会でこのことを申し上げ、県教育委員会は大成高校などを支援すべきだと要望したところであります。
 教育委員会は、この2年間、大成高校を盛り上げるためにどういう努力をなさってきたのか、お聞かせください。
 次に、生徒数が少なくなった学校を存続するかどうかは、教育的効果、地域における学校が果たす役割、財政面から見た費用対効果など、さまざまな面から検討しなければならないという私の意見についてどうお考えでしょうか。そして、大成高校、古座高校について、機械的に、基準を割ったから2年後であろうと募集停止しかないということではなくて、さまざまな可能性を探るべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 最後、第4の柱として、プレジャーボートと津波防災問題についてお伺いいたします。
 私は、これまでも、海南市が大変津波に弱い町であることを申し上げて堤防補強など訴えてきました。また、水門の自動化など行われたことへのお礼を申し上げたこともありました。
 このたび、来年度政府要望にも、海南市の堤防補強など、かなり大規模な防災対策を盛り込んでいただけていることは大変ありがたいことでございます。
 海南市で津波防災の話し合いがありますと必ず出てくるのは、津波になると船が打ち上げられて第2次災害を生むという話になります。以前にも、地元の自治会長さんからも知事あてにこの問題で要望や質問が寄せられて、その回答も会長さんから見せていただいたことがあります。しかし、こうした質問への県の回答を見て、地元住民の多くの方は、県はこの問題について本当に危機感を持ってくれているんだろうかという不満を持っています。
 そこで、私は、放置艇についての担当課が持っているデータをいただきました。和歌山下津港エリアで、マリーナなどに保管されているのは830隻ほどですが、2140隻ほどの放置艇があります。和歌山下津港区域というのは、和歌山市から有田までの大変広い区域です。その中で、海南市の黒江湾周辺、海岸線で言うと、この広い区域の中の大体40分の1になる。その40分の1の地域に860隻ほど、約3分の1の放置艇が集中しています。
 私が黒江湾周辺と申し上げましたのは、こちらから海南へ向かっていって毛見のトンネルを越えた向かい側──まだ和歌山市ですが──それからこの海南、清水、そういう周辺の地域のことでございます。しかも、この地域では、放置艇が係留されている地域が住宅地に近接しているわけです。このように見れば、この地域から、放置艇対策はどうなっているのかという県への強い要求が出ることは、全くもっともなことであると思います。
 今度この問題を私が県議会で取り上げるんだというふうに地元の皆さんに言いました。5~6人でも集まって意見を聞かせてくださいと言いましたら、何と40人も集まってくださいました。皆さんの関心の高さ、危機感にびっくりしたわけでございます。参加者の皆さんから、たくさん意見もいただきましたし、また最近、仁坂知事が海南の商工会議所においでになって懇談会を開いたときもこのことを強く要望したんだというお話も伺いました。
 そこで、知事にお伺いいたします。
 津波が来ると放置艇が住民を脅かすという海南市周辺の住民の危機感を共有していただけるでしょうか。また、その地元住民の御意見をお聞きになっての御感想も含めてお聞かせいただきたいと思います。
 そして、県土整備部長にお伺いいたします。
 直ちに対策が必要です。どういう対策をしていただけるのか、お答えください。
 以上で、私の第1回目の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)
○議長(中村裕一君) ただいまの雑賀光夫君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、御質問のうちの官製談合問題、特に県として独自に対処すべき問題ということについて御答弁申し上げます。
 官製談合につきまして、県として独自に対処すべきということでございましたけれども、いろいろ議員御指摘のようなお話が大阪地方裁判所の公判におきまして述べられているというようなことを聞いております。
 本件の問題については、しばしばこの場で申し上げておりますけれども、権限のある検察庁が調べておられること以上のことを権限のない人たちが何度調べても、それ以上のものは出てこないんじゃないかと。今やることは別のことであって、これ以上こういう問題が発生することがないようなシステムをつくるということに全力を挙げてやっていく。しかし、これは何も、不問に付すとかそういうことを申し上げているつもりはないので、ありとあらゆる材料を集めて、それがそろったところでしかるべく対処いたしますと、こういうことを申し上げているわけであります。一貫して申し上げております。
 今回の談合事件のすべての判決を、判決理由、証拠書類等明らかになった段階で、それを十分精査いたしまして、必要があれば事実関係を把握し、適切に対応してまいりたい、こういうふうに考えております。
 それから次に、職員倫理規則と、それから政治資金問題ということでございました。
 職員倫理規則、この間つくりました。これにつきましては、公人としての職務執行の公平さに対する疑惑や不信を招くような行為を防止し、公務に対する県民の皆様の信頼を確保するために、知事、副知事を含む職員の行動規範を定めたものでございます。
 こうした行動規範にのっとり、萎縮することなく堂々と県民や企業の方々とおつき合いさせていただきまして、得られた有益な情報を今度は県政に生かすということで設けたものでございます。
 一方、政治資金につきましては、私の県政に取り組む姿勢に対し、あるいは県知事としての私自身を応援していただくというようなことで政治活動に対する支援でございますので、これは政治資金規正法等の関係法令に照らしまして、もちろん適切に対処しなけりゃいけないということでございます。
 私は、利害関係人というのは、自分の気持ちといたしましては、和歌山県民全員だと思っています。なぜならば、私は和歌山県民を幸せにするために公人としての立場を行使しているということでございます。そのときに、和歌山県知事として頑張れというふうにおっしゃってくださる、そういう方々、県民の方々の特定の人だけを排除するつもりは全くありません。なぜならば、もし利害関係者が県民全体であるとすれば、私の後援会などをつくろうとすれば、県外の人だけが会員になるということになろうかと思うわけであります。
 一方、もちろん公人としての権限の執行あるいは権力の執行につきましては、特別の人だけ利益を享受するとか、そういうようなことは全く考えておりませんで、これは県のルールに従い、あるいは、みずから定めたルールですけれども、倫理規則等々に従いまして身を厳密に律していくという所存であります。
 それから、大滝ダムでございますけれども、大滝ダムの追加支出、特に県の負担金支出についての御質問でございました。
 これは、白屋地区というところがダムの斜面にあります。前面すべりという日本で初めて確認された発生機構によって、実は実験的に水をためようとしたときに昨年起こった、ほかに同様な地すべりがないかということを調査した結果、対策が必要と判断されたところが2カ所あるということなものですから、これについて対策を国として打たなきゃいけないという御説明があったわけであります。
 本県がこれについて同意しなかった、あるいはこれについて例えば反対をしたということになりますと、大滝ダム事業は中断または中止になります。なぜならば、大滝ダム建設事業の負担金につきましては、河川法第60条第1項及び特定多目的ダム法第7条第1項等の規定によりまして、県、和歌山市、橋本市等の負担が義務づけられていることからであります。したがって、法的には、国だけがこれを負担せよということは認められてはおりません。
 私は、例えばこの問題が中止になりまして伊勢湾台風のような事態になったときに、だれが責任をとるのかというようなことに考えをいたしたときに、余り愉快ではありませんけども、どうしても同意せざるを得ないというふうに考えた次第であります。なぜならば、このダムを中止したときに、あのような問題が起こったときに洪水に対する流域住民の安全が確保できないからであります。したがって、議会にお求め申し上げているような考え方で本件の問題を対処したいと私は考えました。
 それから、プレジャーボートについてのお話でございました。
 共感を持っておりますので、したがってこの問題を、私の就任以来、急いで対処しようとしているところであります。
 放置艇問題は、船舶航行の障害になるというのは当然ですけれども、津波、高潮等のときに、これが害をなすということもあります。また、景観の悪化などもあります。したがって、喫緊の問題と認識しております。
 このため、法令や条例等に基づく放置艇禁止区域の設定等の規制強化に取り組みたいと思っております。同時に、施設整備等の受け皿を考えて、このプレジャーボート等々が和歌山の雇用にも、またマイナスの意味合いを持たないようにしたいということも考えながら急いで進めていきたいと考えております。
○議長(中村裕一君) 県土整備部長宮地淳夫君。
  〔宮地淳夫君、登壇〕
○県土整備部長(宮地淳夫君) 大滝ダムの問題とプレジャーボートの問題についてお答えをいたします。
 大滝ダムの5回の計画変更についてでございますが、大滝ダムの建設は、伊勢湾台風直後の昭和37年に着手され、現在に至るまで事業が行われております。
 この間、昭和53年の第1回基本計画の変更では、紀の川全体の治水安全度を見直す中で、ダムの洪水調節機能を大幅に向上させるための抜本的な計画変更が行われております。
 その後、物価上昇に加え、第2回から第4回の変更においては、ダム機能の安全性の向上を図るため、堤体工、放流設備等の見直しが行われております。
 第5回変更及び今回の変更につきましては、それぞれ白屋地区及び大滝・迫地区の地すべり対策のための増額となっております。
 次に、プレジャーボート問題でございます。
 県では、限られた予算の中、優先順位をつけて放置艇対策を進めており、和歌山下津港内港地区において、平成15年の築港小型船舶係留施設に続き、本年8月には湊第一小型船舶係留施設の供用を開始しております。
 海南周辺においても放置艇対策は重要な問題と認識しており、今後、ソフト・ハードの両面から具体的な対策を検討してまいります。
○議長(中村裕一君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) まず、学力診断テストについてお答えいたします。
 本県では、平成15年度から県内すべての公立小中学校を対象に学力診断テストを実施してきておりまして、本年度で5回目を迎えます。また、ことし4月には、国の全国学力・学習状況調査が小学校6年生、中学校3年生を対象に実施されました。これらの経過を踏まえまして、本年度の県学力診断テストにつきましては、小学校4年、5年生と中学校1年、2年生で実施することとしております。
 テスト結果につきましては、学校ごとに各問題の正答率を公表しており、各学校では、成果を上げている近隣あるいは他校の結果を参考にしながら自校の課題を分析し、学力向上の取り組みに有効に生かすことができているという報告もいただいております。
 県教育委員会といたしましても、市町村教育委員会と連携をしまして、テスト結果から明らかになった児童生徒の学習指導上の課題を踏まえ、授業改善を促したり、特色ある学校の取り組みを各学校に参考事例として提供するなど、支援してまいりました。
 今後とも、児童生徒の確かな学力の育成に向けましてさまざまな取り組みを進めながら、各学校での指導方法の工夫、改善に努めてまいりたいと存じます。
 次に、高等学校の再編整備につきましては、従来の経緯を踏まえ、平成17年5月に県立高等学校再編整備計画第1期実施プログラムを策定して取り組んできているところです。
 大成高校への支援につきましては、学校のニーズや課題に対応し活性化を図るという観点から、単位制に基づく教員の加配のほか、専門的資格取得に向けた集中講座のための非常勤講師の配置、指導体制を充実させるための教員の配置等を実施しております。
 さらに、平成17年度から、地域の実情に即した中国語講座を設けられるよう、非常勤職員の配置も行ってございます。また、ハイスクールサポートカウンセラーとして実績のある相談員を配置し、悩みを抱える生徒やその保護者の相談にも対応してまいりました。
 しかし、こうした支援にもかかわらず、残念ながら入学生徒数が減少し、所定の数を割り込んでいるのが実情であります。
 再編整備計画では、基本的に子供たちにとってよりよい教育環境を確保するという観点から一定の基準を設けたものと理解をしております。
 再編につきましては、学校関係者、保護者、地域の方々など交えた地域・学校協議会で協議を進めているほか、各方面からさまざまな御意見をいただきながら慎重に取り組みを進めているところでございます。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 再質問を許します。
 44番雑賀光夫君。
○雑賀光夫君 御答弁ありがとうございました。幾つか、要望、意見、感想や、そして再質問も含めて申し上げたいと思います。
 官製談合の問題では、知事の従来の立場からなかなか動いてくれませんで、その枠組みの中でも、何かこう、もう少し裁判の結果を待たずにやってくれることないかなと思ったんですが、なかなか壁が厚いようでございます。
 ただ、この政治と金の問題、政治資金規正法の問題と、それから職員の倫理規則の問題があります。職員の倫理規則の場合は、法律では違反にならないけれども、しかし、「李下に冠を正さず」という立場で身を律するということなんですね。
 政治資金規正法について、私どもは、法律は法律だけども、少し意見があります。それは、政党や支部に対しては企業・団体が献金もできるんだけども、しかし、企業・団体というのは有権者ではない。企業というものは、資金の面から言うと、株式会社なら株主が大勢集まってお金を出してるもんだし、実際の運営から言うと、役員や従業員の皆さんが企業をつくって、日常的に物をつくったりしている。そして利潤追求しているものが企業やと思うんですね。
 それが1つの政治理念を持って政党を支持するというのはおかしいんではないかということを私どもは申し上げるわけですが、ただ、この政治資金規正法は、そういうことについては規制はしておりません。これは確かです。
 そして、知事の場合は、そういう企業献金ではなくて、企業を営んでいる個人が献金をされるということなんですか、木村知事をめぐる21会とか、いろんな会にしても、そういう建設関係やいろいろな個人がお金を出しておりました。ただ、それがこの政治資金規正法ということで届け出がされていないことが問題になり、そして秘書課で管理したことも問題になったわけですが、それは、届けてれば政治資金規正法の上から言うと何も問題がないわけです。
 ただ、しかし、そういうことであっても、木村知事を取り巻くそういう人たちがあって、そしていろいろな問題があったわけですから、だから、政治資金規正法という枠はもちろんそうなんだけれども、しかし、さらに李下に冠を正さずという立場で疑いがないように身を律したら仁坂知事に対する県民の評価は非常に上がるのになというふうに思うわけですが、なかなかそういうところには踏み込まれないようで、残念でございます。これは感想でございます。
 次、大滝ダムの問題です。
 これは、調査してみたら地すべりの危険があるから対策が必要だということをとれば、やむを得なかったとなるわけですし、それにクレームをつけたら、「そんなら、おまえ、調査しなかったらいいと言うんか」と、こういう反問も返ってくるだろうと思います。
 ただ、今、そこまで負担が大きくなるんなら、今になって地すべりの危険が新たになったというんなら、そもそも当初からダムの計画に無理があったんではないかというところまでさかのぼって検証してくれと言いたいのは、県民の今度の負担に対する不満なんですね。
 それで、私はそこで、すぐにもうダム計画から撤退して、ダムはとまってもいいからもうやめてしまえというふうに、負担をすぐに拒否せよと、今、厳命せよと申し上げているわけではありませんで、やっぱりこれだけ県民の負担があるわけですから、知事としても、国土交通省から要請があったときに、すぐには同意せずに技術担当者に検討させた上で同意したとおっしゃいますが、県民から言うと、なかなかそれが、十分いろんなことが検証された上で同意したというふうに見えないわけですね。
 だから、その結論を出す前に、もっと丁寧に、私たち県会議員にも県民にも説明をしてほしいし、そして、あるいは和歌山市や橋本市としても負担をするわけですから、そういう方々とも協議をする。県から協議に行くのか、市から協議に来りゃええじゃないかとか、いろいろ、それはあるでしょうけども──どっちからでもいいですが──しかし、そういう協議をするということで、少し──今すぐここで、もうこの議会へ通してくれというんでなくて、ちょっと一息入れたらどうですかということを申し上げたいんですが、いかがでしょうか。これは再質問にします。
 それから、教育問題については、大成高校、高校再編の問題については、今までの経過もございますが、非常に強い意見もあり、そして、これまでも別の議員さんからも非常に強い要望も、私だけでなくて出されておりますし、それから、海南・海草では、すべての3人の議員が一致してぜひともというふうに申し上げておりますので、ぜひとも地域の声をしっかりと聞いていただきますようにお願いしておきたいと思います。
 それから、学習状況調査については、少し質問がぶっきらぼうに、やめやんかというような質問をしたので、既にその計画を発表している中で言うと、ことしやめるというふうにいかないということなんですが、私は、その前段で、るる、こういう学力テストの結果というものは、もちろんいいほうへも使いますけども、一面では、ひとり歩きをするとテスト業者が利用するであるとか、学校のランクづけになるとか、いろんな弊害の心配もあるということも申し上げました。
 また、テストというものは、毎年毎年やらなくても、私は、やり方によっては10年に1回ぐらい、例えば抽出調査でもこういうものをやったら、非常にこの10年間の間にどういうふうに変化があるのか分析もできて、あるいは有効かもしれないということも思いますけども、毎年毎年やるものでもないんではないかとも思っています。もちろん、まだ方針が決まっているわけではないでしょうけども、私が心配しているような問題というのも、恐らく教育長も心配しておられるんではないかと思うんですが、その辺、教育長のお考えをもう一度お聞かせいただきたいと思います。これ、再質問です。
 最後は、プレジャーボート対策であります。
 これについては、前向きに危機感を持って検討していただいてるというふうにお聞かせいただきました。
 こういうものをつくるためには、地域で対策協議会というんですか、こういうものをつくって、いろいろ地域住民も含めて検討されるという話も聞くんですが、そういうものは大体いつごろ──近いうちに立ち上げるような計画などは、ハード・ソフトというふうに言われましたけども、そういう計画などはどういう計画になっているのか、その辺、県土整備部長の方でもう一度お話しいただけますか。
 以上で、私の第2回目の質問を終わります。
○議長(中村裕一君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 議員御指摘の大滝ダムの件でございます。
 技術的にどうかというお話がありましたが、先ほど御答弁申し上げましたように、これは実は、起こったときに、日本で初めて確認された現象でありました。そういう意味で、初めから知見がなかったかと言われたら、それは、あの時点では初めに知見がなかった。それについて、それを防止するために必要な手は打たないといけない。その必要な手を打つということが2カ所見つかったので、これについて本当に必要かということは、技術的に検証した上で必要だと思ったので、技術的にはまあそのとおりであるなということを我々が納得したということであります。
 それから、一息入れよというお話がありました。
 私は、常に議会の方々に対しても、県民の方々に対しても、自分の考えを正直に伝えております。ちょっと格好をつけるために一息入れて、それでそのポーズをとるというようなことはいたしたくございません。したがって、この議会で冒頭から申し上げておりますような考え方で、私は「今回は同意せざるを得ないんでございます。いかがでございましょうか」と議会に堂々と申し上げている次第であります。
○議長(中村裕一君) 県土整備部長宮地淳夫君。
  〔宮地淳夫君、登壇〕
○県土整備部長(宮地淳夫君) 放置艇対策についてでございますが、県では、この3月にも下津港周辺では検討会を開いていろいろ具体的な検討をさせていただいております。もちろん、地元の方々にもお入りいただいております。
 海南地区についても、当然、地元の方々とのお話し合いも必要だと思っておりますので、必要であれば協議会等を設置して地元の方々とお話し合いをさしていただきたいと思っております。
○議長(中村裕一君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 再質問いただきました学力テストについてお答えしたいと思います。
 このテストにつきましては、先ほど御報告いたしましたように、現場のサイドのほうからも、日ごろの授業改善に活用できているという報告も数々ありまして、ある程度継続していく中でそういった効果も出てこようかというふうに思っております。
 ただ、業者テストは、業者に利用されるとか、序列化につながらないように、そういったことについては十分市町村教育委員会と協議をし、配慮していきたいというふうに思っておりますし、今回新たに国のほうから、小学校6年と中学校3年について毎年テストをするというふうに加わってまいりました。それとの関係で、調整を必要とする部分とか、さまざま改善ができる点というふうなことが、今後、各学校なり校長会等との話し合いの中で出てくれば、それは前向きに改善について検討していきたいというふうに思っております。
 以上です。
○議長(中村裕一君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 再々質問を許します。
 44番雑賀光夫君。
○雑賀光夫君 ちょっと意見だけを申し上げておきますが、私も、一息入れるというのは、何もポーズをとるというつもりで言ったわけではございませんで、やはり県民が納得するようにそれなりの──県民が納得するようにいろいろ議論をして、その上で納得すれば賛成をするし、しかし納得できなければやめたらいいという意味で申し上げたわけでございまして、さらに、これからもさまざま委員会の中でも議論をされることだと思います。その議論を見守っていきたい、それで態度を決めていきたいというふうに思っています。
 教育の問題、非常に難しい問題がありますから、いろいろなことが起こってこないように十分配慮をして、今後よろしくお願いしたいと思います。
 以上で、私の質問は終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○議長(中村裕一君) 以上で、雑賀光夫君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時37分休憩
────────────────────
  午後1時3分再開
○議長(中村裕一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 35番原 日出夫君。
  〔原 日出夫君、登壇〕(拍手)
○原 日出夫君 では、議長のお許しを得ましたので、質問項目に従って質問していきたいと思います。
 私は、自分の持ち分があくまでも農林水産振興という立場ですので、絶えず言い続けていく中でいい効果が生まれていくんではないかということで毎回質問さしていただいております。
 まず、私は知事に、まだ2月から2回目ですから、なかなか農林水産振興に対する考え方を余り聞いてなかったので、冒頭、聞く意味で御提案申し上げたいと思います。
 私は、農林水産業の振興についての、後で各個別質問する前に、まず知事の基本的な見解をお聞きしたいと思います。
 和歌山県は、まさに1次産業であり、農業、林業、水産業が中心である。それを加工し、流通させ、販売する大きな基幹産業でもあります。しかし、現実は、農業とりわけ果樹王国日本一の和歌山であっても、生産農家を初め関係する人は大変厳しい状況にあります。
 林業においては、県下77%の森林面積の中で、私は、個人的にですけれども、紀州の森林・林業には未来があると確信しております。そのことを語り続けています。世界的環境と森林資源の枯渇の中で、近い将来、紀州の森に活力が生まれると私は確信していますし、その兆候は、昨年末からことしにかけて、材木の外材の値上がりや、そして内地材の価格の値上がりが少し見えてきたかなというぐらいの状況が生まれております。それでも、なかなかまだ厳しいものがあります。
 水産業に至っては、漁獲の減少により、どこに活路を見出すのか。しかも、気候変動に伴う農林水産物の変化、輸入農産物との戦いとがありますが、しかし、私たち和歌山は、基幹産業である農林水産業を振興させるために行政と関係者が力を合わせて切り開く以外に道はないわけであります。そのためには、県行政の果たす役割は大変大きいと考えます。知事の農林水産業の振興への思いを述べていただけたらありがたいと思います。
 次に、私は、ことしの梅の状況、とりわけその中でも青梅の状況について、少し問題提起しながら県当局の見解をお聞きしたいと思います。
 ことしの青梅の販売量については、販売量及び価格の市場動向は非常に厳しい状況にあります。この5月30日、実は市場へのスタートをした時点ですが、単価キロ400円強ぐらいでした。6月16日には200円弱といった暴落の実態であります。平成17年は、スタート時は650円、そして下は400円どまりだったんですから、17年の下がり400円どまりが、この19年はそれが最高の値段で動いたということで大変大きい問題です。18年は500円から220円。この3年間の時系列から見て大変な状況であります。農家所得の大幅減少と農業生産コストと販売価格との差は3年間赤字となっている状況であります。
 農業地域では、漬け梅価格も18年と同じようにまた下がるようであればこれは大変な事態になるということで、農業地域では今までに考えられない農家倒産が起こる状況にあるとも言われております。
 しかし、この状況に甘んじているわけではなく、JA県農協、関係農協、県市町村、市場の荷受け会社とで青梅販売協議会で19年度の販売方針を検討し、その方向を見出したんですが、それでもこういう状況であります。何がネックになっているのでしょうか。この状況は県としてどう把握されているのか、とらえているのか、お聞きしたいと思います。
 次に、紀州梅の振興対策についてでありますが、私から幾つか提起しながら県当局の考えをお聞きしたいと思います。
 実は、JA紀南農協の生産農家へのアンケートを行っているんですが、その中での「県行政や市町村行政にどういう支援を求めますか」というアンケートの事例を挙げながら、私の質問に入りたいと思います。
 1つは、一番多かったのは、JAと一緒になって紀南農産物を売り込むPR活動を強化してほしい。2つ目は、経営の安定を、底上げを図るためJAと協力して価格安定制度を設けてほしい。3つ目は、地域や農家の条件にマッチした県や市町村独自の補助事業を立案し、実施してほしい。4つ目は、国や県の施策や補助事業の情報を提供してほしい。5つ目は、梅を初め地域特産物を使った食品産業を興してほしい。このような農家の声は的を得ているし、この課題にこたえていくことが大切です。
 県は、和歌山県果樹農業振興アクションプログラムがようやくでき上がってきているみたいで、私も読ましていただきましたが、それを踏まえて、これらのアンケート結果から見て、地域に根差した具体的な施策が今求められていると思います。
 その立場から、私は、梅に関係して個々に今から質問したいと思います。
 まず1つは、紀州梅のブランドが崩されている現状を見て県当局はどう考えているのでしょうかということで、私から、今、農協や田辺市や農家の皆さんに、まだ賛同はいただいておりませんが、必ずこういう方向でお願いする以外に道はないということで提案さしていただいております。
 それは、梅は今までA級、B級、C級、そして規格外というのがあるんですが、2年前までは、いわゆる紀州の梅ブランドとしてA級、B級、そしてC級のええとこということで、どんどん紀州の梅の評価をされて今までの地盤を築き、国内的にも評価されてきた紀州の梅ブランドだったわけですが、2年前から実はこの規格外、A、B、C以外の規格外の品物を紀州梅として市場にどんどん出す状況が生まれました。これは大変だということで言ってたんですが、その規格外がスーパーや量販店で500グラム入りで399円で売られている。その横で、同じように270グラム入りの中国産かつお梅が399円で売られている。中国産のほうが高い。半値です。中国産より日本のほうが半値で売られてるという状況が──同じ並んでた状況で店舗で並んでると。こういうことがもしずっと続けられるとしたらと私は危機感を感じ、スーパーを回りながら、これでは大変だということで、これを何とか食いとめなければ紀州の梅のブランドそのもの、いわゆる全国一、日本一の梅の産地が崩されていくということを非常に危機感を感じました。
 そこで、私は、この規格外の品物をもう市場に出さない。それをきちっと農協なり関係者が集めて、それを一定の梅肉にして、その他の用途に使っていくと。その分の費用はA、B、Cの規格に上乗せしてやれば、これはプラス・マイナス的に生産農家に負担はかからないと。こういう提案を、私、さしてもらいました。
 そのことで、今、議論いただいているんですが、そういう意味では、紀州の梅ブランドを守るためには、そういう本当に希少価値であった梅ブランドが──規格外で今まで市場に出回らなかったものが全体の市場の中で今優先して出されている状況を食いとめるためにはこの方策しかないんではないかということを提案さしてもらっています。
 これについて、私は、県はどこまでコーディネートできるかわかりませんけれども、できるだけ市町村やJAと協力しながら、県の紀州梅ブランドを守るためにぜひともコーディネートする、できる範囲内でひとつ頑張っていただけないかどうか、それについてお聞きしたいと思います。
 次に、梅の生産価格の安定化を目指すために、私は第三者を入れた機関の設置を行政の指導で取り組めないだろうかと。これもさっきのアンケートの中にもあったと思うんですが、価格を安定させることで、それを別に行政指導せえとか、これでやれとかいう意味ではなくて、今、価格決定をしているのは、生産農家と業者との間でのテーブルでしかないわけです。基準となるべき価格設定をする参考資料、いわゆる原価計算をして、これだけは最低必要やという基準になるべき資料は何もなしに、2年前幾らだったなあ、去年幾らだったなあ、ほんなことし幾らやなあというふうなどんぶり勘定的なことです。だんだんだんだん下がってきます。
 そういう意味では、生産農家が最低限生産するためのコストと、これから持続して、継続して農業経営をしていくためにどれだけは最低必要やというこの原価計算を第三者がやって、それにこだわらないですけども、それを参考にして生産農家と業者とがテーブルに着いて議論をしていくと。このことを提案する組織なりを県行政が市町村と協力してそれを提案する形をしていかないと、このままいくと大変な事態になるんではないかということで、私から提案さしていただいてるんですが、その点について県行政がどこまでかかわれるか。まあかかわってほしいし、市町村と協力しながらやっていただきたいんですが、いかがなもんでしょうか。
 次に、アンケートにいわゆるPR販売活動や食品産業をやってほしいというふうに示されていますが、県農林水産部に新設された食品流通課の果たす役割は大変大きいと思います。私たちは非常に期待をしているところです。
 そこで、1つは、食品流通課の果たす役割はどうでしょうか。どういう目的でやっていくんでしょうか。役割を果たしていくんでしょうか。
 2つは、加工開発、流通、販売について具体的にするために、私から、市町村、生産者、JAも含めてですが、一体となったプロジェクト、ワーキンググループを提起したい。お互い一体になって、これからどういうふうにして新しい加工商品をつくり出していくか、流通の問題点をどう整理していくか、そして、どこにどう売っていくかという部分についても、お互いに一体となって進めていっていただきたいと思いますが、それについての考えをお聞きしたい。
 3つ目は、食品、飲料メーカーと提携した商品開発や梅生産物の販路拡大について、まだメーカーへ大きくアプローチし切れていません。そういう意味では非常に情報が多い県当局にとって、積極的にそれらの情報と関係するところへ、食品、飲料メーカーにアプローチをかける対策を強化してほしいということを求めますが、いかがでしょうか。
 次に、気候変動に伴う試験研究の充実と水の確保についてであります。
 私は、気候変動に伴う試験研究については、平成15年の2月議会において、地球温暖化による農林水産業への影響調査を試験機関で研究体制をとることを提案し、県はそれを取り上げて、平成16年から農産物への影響試験を実施していただいているところです。
 国の農林水産省の方針も、地球温暖化による影響の評価と地球温暖化適応策の研究開発を農林水産省の分野での研究として進められています。
 そこで、私は、果樹王国日本一の和歌山を持続させるために、地球温暖化による農産物への影響と果樹生産地の北上が叫ばれているときに、それに対してどういうふうな研究体制をとっていくのか。また、国及び関係研究機関と提携して対策方針を立てるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 私は、その気候変動ともかかわりながら、農産物そのものへの研究というよりも、気候変動に伴う農産物への水の確保をこれからの最大の課題だと考えております。これからの農業経営の大きな柱にすることが求められていますが、今のところ県単独事業の範囲内でありますが、そういうことでなく、国自身が気候変動に伴う地球温暖化に対して──その中の水対策を農業振興の柱の政策にしていくよう県として国に求めていってはいかがかということについて質問したいと思います。
 次に、和歌山水産業は大変厳しい状況の中で、さらに最近は著しく気候変動による海の生態系が、私自身も直接そのことの変化を見ています。そういう点、魚種によって北上し、磯焼けと海藻の状況の変化、今までの魚種、漁獲に頼れない状況にあるとき、今後どう研究し、和歌山水産業の方向を示していくのでしょうか、お聞きしたいと思います。
 次に5番目ですが、農家の複合経営と複合産地づくりについてです。
 気候変動に伴う自然災害被害を初め、梅を初め生産価格の低迷、輸入農産物、とりわけ中国からの輸入による中山間地域の農家への打撃、このような状況に漫然としていては農家は廃業しなければいけない状況に来ています。
 農業経営を保障していくために、今ほど複合経営による生産確保と複合産地づくりを目指すためには、県農業政策の柱にしなければいけない時期に来ています。
 和歌山の農業は特に果樹農業が中心であることから、果樹農業と複合経営、そして複合産地化の指針を、県は関係する農業経営者や農協を初め、このことで先進的に取り組んでいる農家に学んで示すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 次に6つ目ですが、山間地域の振興策の1つの提案をしたいと思います。
 地域の農山村特性と自然条件を生かし、過去から現在においても、その地域の中心生産である花木、サカキ、シキミについて、とりわけ私はサカキについて提案し、当局の見解をお聞きします。
 私は、サカキの現状の数字を調べてみて、まず驚きました。1つは、サカキの生産量は和歌山は全国1位であることに気づきました。全国の生産本数2300万本に対し、和歌山は1900万本で、何と80%以上占めているわけであります。中でも、和歌山県の1900万本のうち、新田辺市は約1100万本で、65%を占めています。
 さらに驚いたことに、サカキの国内消費量は4億7500万本。そのうち、国内産は2300万本。中国からの輸入は、何と4億5200万本であります。中国サカキが消費の90%を占めています。日本の神々に私たち国民は中国のサカキを供えて参拝していると言っても過言ではありません。
 和歌山県の産地が、高齢化だけの理由でなく、中国からの大量輸入と安い値段のサカキによってコスト面で太刀打ちできない中で衰退してきたのだと考えています。私は、この現象を反転させられる可能性を提案したいと思います。
 日本の神々は、中国のサカキでよいのですか。日本の神様には日本のサカキをお供えしたい、お供えしよう、その思想は広く国民に支持されると私は信じます。
 何人かの神社の宮司さんにこの現状をお話しすると、これも大変驚いていました。こういう現状を全く知らなかったということで驚いていました。
 そこで、私は、全国一の生産地和歌山を、まさに全国一の日本のサカキ生産地にするための施策を求めたいと思います。
 1つは、神々の宿る熊野のサカキは必ず勝ちます。その確信で施策を進めてはどうか。そのためには、天然のサカキは少なくなって、奥地に行かなければならない状況です。私は、森林事業の間伐材事業とサカキの人工植林をあわせた事業を提案します。そのことによって、山間地における所得政策として県としての支援策を求めますが、以上の全体について農林水産部長にお尋ねいたします。
 次に、平成27年の和歌山国体と県のスポーツ振興策についてお尋ねいたします。
 平成27年の和歌山国体をどんな大会にするのでしょうか。
 私にとって、昭和46年の黒潮国体は、今になって大変懐かしいものです。バレーボール種目は御坊市で開催され、私は県バレーボール協会から審判員として国体の審判員に派遣されました。その資格を得るため、1つは公認審判員講習と指導を受けたこと、2つは、日本体育協会公認の2級トレーナーの資格も義務づけられ、約1カ月近く詰め込み講義と実習を受け参加資格を得たことは、私の青春時代には大変意義があったと思ってます。黒潮国体後もその経験を生かし、地域のバレーボール振興に努めてきました。地域・職場クラブの組織、高校女子チームのコーチ、県下で初めての家庭婦人バレークラブの組織など、和歌山黒潮国体の開催によって、私だけでもそれだけの効果がありましたし、また例えば黒潮国体のバレーボール教員チームは、国体後、その先生のほとんどが県内の高校現場で指導されました。これも大きな成果でした。
 国体は、改めて「スポーツは文化」として位置づけ、スポーツは人間形成、地域社会のコミュニケーション形成、社会ルールを培う上で大きな役割を果たします。市場中心主義の日本の社会経済の状況にあって、「スポーツは文化」の果たす役割は重要です。高齢化社会での健康の保持増進、青少年の健全育成、生きがいづくり、豊かで活力ある郷土づくりについて、スポーツの振興は欠かせません。
 和歌山の「スポーツは文化」というその理念に対し、知事の見解をお聞きしたいと思います。
 2つ目は、国体という時点でなく、国体に向けての行政と県民の取り組み、国体後の県民のスポーツ振興を踏まえた取り組みを展望していく必要があります。
 理念で述べたように、スポーツ振興は文化です。前知事は和歌山県と近畿府県との分散型国体と述べていましたが、私は、和歌山国体は和歌山県が主体とした大会であるべきです。財政的に厳しい中であっても、既存の施設利用を初め、国体を契機に県と市町村と協力し合って施設整備・充実を進めることではないでしょうか。忘れられた県民スポーツ意識の向上で、競技力向上、新しい人材養成と発掘が生まれ、スポーツ文化としての効果はお金にかえられないものであります。知事の見解をお聞きします。
 次に、教育長にお聞きします。
 1つは、27年国体を節目に和歌山のスポーツ振興政策を示す必要があると思うが、どうでしょうか。
 平成6年に、当時、仮谷知事が、答申した「21世紀を展望した本県のスポーツ振興方策について」でスポーツ審議会の答申が示され、現在に至っていますが、改めて27年国体に向けて、その後を含めた総合的な和歌山スポーツ振興のための政策と具体的方針を示すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 2つ目は、黒潮国体後の総括に立って、27年和歌山国体の施設整備計画は、国体と国体後を踏まえた持続する地域のスポーツ振興としての役割が果たせるよう考えるべきだと思いますが、どうでしょう。
 3つ目は、市町村及び競技団体との連携、市町村及び競技団体の意向と県の方針が十分論議され、計画策定が進められる必要があると考えますが、どうでしょう。
 そこで、私は、例えばですが、紀中・紀南のスポーツ振興の拠点として南紀スポーツセンターの現状と今後のスポーツ振興への果たす役割についての私たちの整備計画の提言を、参考資料を提供しながら質問に触れてみたいと思います。
 和歌山県は南北に長く、スポーツ振興についても、紀中・紀南に県のスポーツ拠点施設が求められ、田辺市を中心に日本体育協会に強く私たちは──当時、市会議員のときでしたが──働きかけ、南紀スポーツセンターが実現しました。
 その後、県に移管されましたが、私たちは紀中・紀南の拠点であるべき南紀スポーツセンターのリフレッシュ計画と南紀スポーツ総合公園構想を、私も中心になって、平成3年から6年間かかり平成9年に策定し、県と市に提言してきたところです。
 私は、27年国体を機会に、紀中・紀南の拠点である南紀スポーツセンターのリフレッシュと隣接を含めたスポーツ施設計画を、テーブルに着いて検討くださることを期待したいと思います。
 とりわけ、南紀スポーツセンターリフレッシュで優先されるべき課題は、陸上競技場を全天候型の公認競技場にリフレッシュすることです。
 県下の公認陸上競技場は、紀三井寺、橋本市、紀の川市の紀北に集中しています。南紀スポーツセンター陸上競技場では、現在、毎週土曜日、トップアスリート事業で小中高生の合同練習を積み上げ、この中から田辺高校から生徒で400メートルハードル、トラック800メートルインターハイにことし出場しますし、さらにゴールデンキッズに4名選ばれました。
 さらに、これはできるかできないかは別にして、現在の体育館を競技のできる体育館に、宿泊施設が今の時代の子供に合わない、その宿泊施設を民間参入も含めた検討が必要ではないか。
 次に4つ目ですが、競技力の向上、審判、トレーナー、指導者・コーチの人材育成についてでありますが、27年国体に向けて、非常におくれている人材育成のための方針を具体的に示し、県都に集中するのでなく、人材の適正な配置を考えた取り組みを求めますが、いかがでしょう。
 また、県下を市町村単位でなく、医療圏のようにスポーツ圏域グループ化し、施設、人材を含めた圏域単位の考え方でその地域ブロックで人材を育成して、施設もそのブロック的な要素で考えていく。市町村の縄張りでなく圏域化して、施設、人材を含めた圏域単位のスポーツ振興を考えてはどうでしょうか。
 次に、最後になりますが、国体開催に向けたスポーツに対する県民意識を高めるために県民参加の総合体育大会の開催を提起したいと思います。
 第1回の過去の県民総合大会にも、私は1回目からずっと──当時は9人制バレーだったですか──選手としても参加し、コーチとしてずっと参加はしてきましたが、過去の県民総体の形式でなく、種目別競技大会、ニュースポーツ等の参加型で、会場分散型開催によって競技団体市町村、その圏域の役割を含めた県民総体を提起しますが、どうでしょうか。
 次に、和歌山県障害福祉計画についてであります。
 障害者自立支援法改正に伴い、障害者通所施設への影響はどうでしょうか。
 給食の自己負担と施設利用料は平均月に7500円程度必要になりました。障害者は、作業所での工賃は大体平均5000円程度という収入であります。障害者の通所施設の利用状況は、17年度に比べて18年度はどういう状況でしょうか。
 また、通所施設の運営は、1人当たりの支援費の削減と自己負担による人数減により大変厳しい状況と聞いています。そこで働く職員の労働条件はまさにパート的待遇で、若い職員の人材確保はどうでしょうか。
 次に、和歌山県障害福祉計画は、障害者の地域移行、つまり施設入所から社会生活への移行を推進するとして、福祉施設入所者1480人のうち地域生活への移行は148人としています。そのためにはグループホームの整備が大きな課題です。
 ところが、グループホームを整備する上での国、県の支援措置は十分ではありません。計画段階で事前負担する家賃、権利金、中古住宅の改修等を含めるなら、少なくともグループホームの初期費用は最低300から400万円必要ですし、トイレ等水回りの整備が必要であれば500万円必要とされます。ところが、公的支援は200万円を上限とした支援しかありません。これでは、グループホームの整備は非常に厳しいものがあります。
 私は、地域生活への移行を目指すグループホームの初期設備費用は行政が支援することでグループホームの整備が進むと考えられますが、どうでしょうか。
 例えば、障害者の施設入所での行政費用負担は年間1人当たり240万の経費が必要で、その240万必要な人を、社会参加してグループホーム化するというんですから、それから見るなら、社会生活への住まいが3人から4人の初期負担が400万円かかったとしても高いものではないと考えますが、どうでしょうか。
 3つ目、障害者自立支援法は、障害者の社会参加とともに就労支援が大きな柱になっています。
 国は、施設作業所から就労移行、就労継続という形で新制度に平成18年度から23年の5年間に移行することにしています。ところが、この新制度への移行は問題があって、なかなか移行が進まないと聞いております。県下の移行の現状はどうでしょうか。
 私の調査では、この新制度への移行は、施設作業所にとって大幅な支援費の削減になるからです。移行が進まないのは当然でありませんか。既に移行している施設作業所は、調べてみると、この施設は障害者個人の支援費でなく、その施設、つまり箱に一括支援しており、しかも移行することにより増額されることになっています。この矛盾と問題点にどう対策をとられますか。お考えを聞きます。
 また、県の障害者福祉計画は、福祉施設利用者の一般就労への移行は年間48人を目標とし、平成23年には施設利用者の3000人の2割以上の600人以上を目指すとしています。これを達成するための具体的施策はどうでしょうか。
 例えば、既設の福祉施設の就労移行は国の特別補助措置はありますが、新たに地域で障害者の就労を支援するため就労の事業所を立ち上げる場合の公的助成措置が見当たりません。一般社会への就労を積極的に進めるとしながら、その受け皿である雇用の場づくりには公的支援をしないことは障害者福祉計画と矛盾しませんか。いかがでしょうか。福祉保健部長にお尋ねいたします。
 最後に、情報交流センターBig・Uの利用状況から見た施設の対応であります。
 情報交流センターBig・U──紀南図書館を含むんですが──その利用状況は、当初の年次目標数字、平成16年は1万3000人に対し5万5824人、達成率429%、平成17年から20年間の各年目標、年間3万6000人としていたのが、17年は28万7434人、18年は29万3758人と、年間の目標数に対して8.2倍の大変な利用人員であります。そのために、当初目標の設計では、館内、館外での対応が非常に厳しいところが出てきています。
 例えば、紀南図書館のスペースの充実、喫茶、食堂は設計そのものに利用者、事業者の立場に立っていない設計内容、駐車場スペースの拡大検討、教育センター学びの丘とBig・Uとの利用連携、例えばプラネタリウムの一般開放も含めて検討する必要があるのではないでしょうか。これは強く一般も求められています。
 Big・Uと田辺市新庄総合公園とのジョイント遊歩道の整備で相乗効果が生まれるのではないかということも、親子連れの人たちが言われております。
 そういう意味で、したがって当初の目標入館数より大幅にふえていることから、利用者や館内職員の立場からBig・U施設を充実させるための検討を求めますが、企画部長の見解をお聞きします。
 これで、第1回の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(中村裕一君) ただいまの原日出夫君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 農林水産振興についての基本的な考え方でございます。
 農林水産業は、国の基本であり、また食料の安定供給を初め県土保全など重要な役割を担っており、本県にとりまして地域経済を支える重要な産業であると認識しております。しかしながら、内外とも厳しい状況に置かれていることも事実であります。
 こうした基本認識のもと、農林漁家の方々の主体的な取り組みを基本に、産業として自立できる農林水産業の確立を図るため、攻めの農林水産業に取り組んでまいりたいと考えております。
 農業では、担い手対策、遊休農地対策などの基本的な問題に加え、高品質生産はもちろんのこと、恵まれた地域資源をいかにうまく県内外に売っていくかということを喫緊の課題と考えております。現在、販売促進のためのアクションプログラムを考えておりまして、これができ次第、発表する予定となっております。
 また、林業につきましては、低コスト林業の推進と紀州材の需要拡大の2本柱を基本と考えております。林道網の整備や高性能林業機械による基盤の整備とともに、紀州材のよさをセールスポイントとした従来の流通に加えまして、新たな販路開拓、紀州材の需要開拓に取り組んでまいりたいと思っております。
 さらに、水産業につきましては、種苗放流などによる水産資源の回復と海面を生かした養殖業の推進を柱に、加工業との連携による高付加価値化、また新たな販路開拓などに取り組んでまいりたいと考えております。
 このほか、鳥獣害防止対策、これには特に力を入れていきたいと思っておりますし、温暖化対策にも積極的に取り組み、農林水産業の活性化を図ってまいりたいと考えております。
 次に、スポーツに関することでございます。
 平成27年和歌山国体を迎えまして、県のスポーツ政策の重要性が増していると考えております。
 スポーツは、人生をより豊かに充実したものとするとともに、身体的、精神的な欲求にこたえ、明るく豊かで活力に満ちた生きがいのある社会の形成に寄与する人類共通のすばらしい文化の1つであると考えます。
 スポーツは、個人の心身の健全な発達に必要不可欠なものであると同時に、スポーツを通じて培われる人間関係や、あるいはコミュニケーション、それからフェアプレーの精神などが人間形成に大きく寄与するものと考えます。
 今後、県民が生涯にわたり活力ある生活を送るため、スポーツを通じて和歌山を元気にする種々の政策を積極的に展開してまいる所存でございます。
 次に、平成27年の和歌山国体の基本的な考え方についてでございますが、和歌山国体の開催は半世紀に一度のビッグスポーツイベントであります。県民の皆様方と全国から本県に集う人々との交流を通じ、夢と感動にあふれる国体を開催したいと考えております。
 国体は、単に一過性の大会ではなく、スポーツ施設の整備や競技者の継続的な育成・強化による競技力の向上が図られるとともに、人づくりや地域おこしに寄与するなど、多くの成果が期待されます。
 開催に当たりまして、本県の厳しい財政状況を勘案し、一方で簡素化、効率化を図りながらも、新しい時代に適応した和歌山の魅力を最大限に生かした心のこもった大会を目指してまいりたいと考えております。
○議長(中村裕一君) 農林水産部長下林茂文君。
  〔下林茂文君、登壇〕
○農林水産部長(下林茂文君) 農林水産振興につきまして、5点、お答えをいたしたいと思います。
 まず初めに、ことしの梅の現状についてでございますけれども、春先の低温による果実被害があったものの、好天にも恵まれまして県下で約7万8000トンと、昨年を上回る生産量となってございます。
 一方、その販売につきましては、ここ数年、青梅に対する消費者離れ等もございまして、市場価格が低下する傾向にございます。特にことしにつきましては、市場出荷量の出回りも多く、小玉果あるいは傷果といったことが多かったこともございまして、昨年を下回っております。そうした中で農家経済は厳しい状況にあるというふうに受けとめてございます。
 次に、紀州梅振興対策についてでございますけれども、紀州の梅干しにつきましては、低価格品の中国産とのすみ分けによりまして高品質、高級品としてのイメージを築いてきたところでございまして、この県産ブランドを守っていくということが重要であると考えてございます。
 県といたしましては、これまで原料価格の設定あるいは品質表示、PRなどについて関係者による意見交換を行う場づくりということを進めてきたところでございまして、現在、産地におきまして、生産者、JA、加工業者、市町村等で構成される地域協議会が設置をされてございまして、さまざまな取り組みが行われてございます。
 議員御提案の、規格外品を使った梅干しの市場からの隔離なり、あるいは価格安定のための第三者を入れた機関の設置につきましては、第一義的には地元の主体的な取り組みというのが基本と考えてございまして、今後とも地域協議会などと連携を図りながら、県としてどういうことができるのか考えてまいりたいと存じます。
 次に、販売促進や新商品開発への対応でございますけれども、県といたしましては、地域農産物等を活用した新商品の開発などを盛り込んだ、知事も申しておりましたですけども、アクションプログラムを現在作成中でございまして、今後、市町村、JA、生産者等と十分連携を図る中で、梅の販売促進についても積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 また、これに関連をいたしまして、本年2月より、各振興局におきまして、市町村を初め農業者団体また地域の食品加工業者等を構成メンバーとする検討会を開催いたしておりまして、地域一体となった新たな取り組みも始めているところでございます。
 さらに、梅など農産物の需用拡大を図るために、機会をとらえまして食品加工メーカー等に対しても積極的に働きかけてまいりたいと考えてございます。
 次に、気候変動等に伴う試験研究の充実と水の確保についてでございますが、さきに報告されました国連の気候変動等に関する政府間パネル、いわゆるIPCCによりますと、植物の生育域の高緯度への移動等の影響が言われてございまして、生産地の北上とか漁場の変化が懸念されてございます。
 特に、本県の基幹作物でございます果樹につきましては、永年作物ということもございまして結実までに時間を要する、また気温や降水量といった気象変化の影響を受けやすいということもございます。
 また、水産業につきましても、海水温の上昇によりまして、ゴマサバの増加やカツオの漁場の変化、タチウオの漁期に影響が考えられるところでございます。
 こうしたことから、今後、中期的な視点から、大学や国の試験研究機関からの情報収集等、連携を一層密にしながら温暖化対策に積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 また、水につきましては、農作物の栽培に欠かせないものでございまして、その確保は重要であると認識をいたしてございます。そのため、ため池などの貯水池や用水路の整備に取り組んでございます。
 一方、国におきましては、平成17年3月に策定をいたしました食料・農業・農村基本計画におきまして、農業の持続的な発展に関する施策の1つとして、農業水利施設の整備等、水の確保が位置づけられているところでございます。
 今後とも、国と十分連携をいたしまして水の確保に努めてまいりたいと考えてございます。
 次に、複合経営と複合産地づくりについてでございますけれども、本県では経営規模が小さい農家が多く、これまで収益性や労力配分といったことを考慮しながら、地域の立地条件に応じて果樹間複合あるいは果樹と野菜の複合などさまざまな経営モデル指標等を策定いたしまして、普及組織等を通じて複合経営の推進を図ってまいってございます。
 しかしながら、一部の地域におきましては、やはり、これまでも高い販売価格等に支えられまして、単一品目のウエートが高くなったところも見られてございます。こうした単一経営を中心とした地域におきましては、議員御指摘のように、価格の低下や地球温暖化に伴う自然災害への対応といった点からも、原点に立ち返ってもう一度複合経営を見直していく必要があるというふうに考えてございます。
 このため、地元のJA、生産者と一体となって適地性や収益性、生産条件等を十分に勘案するとともに、各種補助事業等も活用しながら、地域に合った複合経営の推進、複合産地づくりにより一層取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
 最後に、山間地域の振興策に対する提案として、サカキの人工植林についてでございます。
 本県のサカキは、全国生産量の8割を占めてございまして、山村地域の貴重な収入源となってございます。しかしながら、近年、生産者の高齢化、また天然サカキをとる採取地というんですか、これが奥地化によりまして、その生産額は結果として低下傾向にあるということでございます。
 また、中国からの輸入もございまして厳しい現状ではございますけれども、今後は間伐実施地などを活用した林内の人工栽培に対する積極的な支援を行ってまいりたいというふうに考えてございます。また、地域の特色を生かしまして、世界遺産と関連づけた販売につきましても、あわせて取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 福祉保健部長井畑文男君。
  〔井畑文男君、登壇〕
○福祉保健部長(井畑文男君) 和歌山県障害福祉計画についての3点の御質問にお答え申し上げます。
 まず、障害者自立支援法改正に伴う通所施設への影響についてでございますが、通所施設の利用状況につきましては、本年1月の厚生労働省の発表では、利用者負担を理由に退所した者──これは18年3月から10月の累計でございますが──の割合は47都道府県の平均で1.19%となっており、一方、県内の状況、本県の数値は1.57%で、契約者1018人中16名となってございます。
 県におきましては、本年4月から国の改善策に基づく利用者負担のさらなる軽減措置や事業者の激変緩和措置など法の円滑施行のための特別対策事業を実施するとともに、利用者の定着や事業者の経営基盤の安定につながるため授産施設等に経営コンサルタント等の専門家を派遣し、施設経営の強化や利用者の工賃アップが図られるよう支援を行ってまいります。
 このように魅力ある事業所づくりを支援することで健全な事業者育成や若い支援職員の人材確保につなげてまいりたいと、そのように考えてございます。
 次に、施設入所者の地域生活への移行についてでございますが、本県では、障害福祉計画に基づき障害者の地域移行を推進するため、ハード整備として、グループホーム、ケアホーム用の中古住宅等の改修に対して200万円を上限とした補助や敷金・礼金の補助を国の障害者自立支援対策臨時交付金を使った基金事業により行うとともに、ソフト事業として、グループホーム等の整備を行おうとする地域での受け入れ側の住民に対して理解を進めるための地域啓発事業を県単独事業として実施することといたしてございます。
 今後も、グループホーム等の整備につきましては、障害福祉計画に掲げた目標を達成できるよう、ハード・ソフト両面からさまざまな支援策を検討してまいりたいと考えてございます。
 次に、施設利用者の就労支援についてでございますが、施設福祉サービスにおける新事業体系への移行につきましては、3障害合わせて91施設あるうち、本年4月1日現在では13施設が新体系へ移行してございます。
 県としましては、先ほども申し上げましたが、本年4月から新体系移行に伴う施設改修費等の助成や備品購入等の設備整備の助成、従前報酬額の90%を保証する激変緩和措置などを実施しておりますが、各事業者が報酬単価や利用者の障害程度区分などの諸条件を勘案した上で移行を判断することになりますので、各事業者と十分協議を行いながら円滑に移行できるよう指導を行ってまいります。
 また、新規に就労のための障害福祉サービス事業所を開設する場合には新築・改修についての助成措置があり、社会福祉法人などは国庫補助制度を利用することができます。また、地域の社会資源、例えば空き店舗とか空き教室を最大限活用できるよう、施設基準の緩和が図られてございます。このような既存施設を改修する場合には、国庫補助対象とならない法人でも利用できる民間助成制度がございます。
 今回、法の円滑施行のため実施される特別対策事業による移行状況を見つつ、また、この特別対策が3カ年の経過措置として、障害者自立支援法施行後3年を目途に施設体系の再編について検討を行うこととされていることから、改善すべきところがあれば国に対して働きかけてまいりたいと、そのように考えてございます。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 企画部長森 崇君。
  〔森 崇君、登壇〕
○企画部長(森 崇君) 情報交流センターBig・Uについてお答えいたします。
 Big・Uにつきましては、指定管理者が柔軟な発想で民間のノウハウを十分に活用した管理運営を行っておりまして、そういうことから、当初の目標を大幅に上回る利用状況にあります。その結果、駐車場や食堂などの施設で一時的に収容能力を超える場合もあると把握しています。
 県といたしましては、施設の利便性向上の観点から、今後、Big・Uの利用状況の推移に留意しつつ、これらの課題を解決するため、必要な方策について検討を行いたいと考えています。
 また、プラネタリウムの一般開放につきましては教育委員会と協議するとともに、またBig・Uと新庄総合公園の両施設相互の利便性向上方策につきましても関係機関と協議を行ってまいりたいと考えています。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 平成27年和歌山国体を節目とした和歌山のスポーツ振興策についてお答えいたします。
 まず、本県のスポーツ振興施策につきましては、現在、県教育委員会からスポーツ振興審議会に対しまして、「スポーツ振興基本計画のあり方について」を諮問し、答申の取りまとめを行っていただいているところであります。
 今後、県教育委員会におきましては、答申を受け、本県スポーツ振興施策のマスタープランとなる和歌山県スポーツ振興基本計画を策定し、中長期にわたる豊かなスポーツライフの実現に向け、国体後も視野に入れたスポーツ振興に取り組んでまいりたいと考えております。
 議員御承知のとおり、昭和46年の黒潮国体におきましては、県を挙げてスポーツ施設の整備拡充、人材確保等に取り組み、男女総合優勝を獲得するなど大成功をおさめるとともに、国体終了後も長くスポーツ県和歌山として高い評価を得てきたところです。
 2巡目国体における競技施設につきましては、本県の厳しい財政状況を勘案し、可能な限り既存施設を活用することとしておりますが、国体後においても地域スポーツ振興の拠点として地域住民が身近にスポーツに親しめる施設として利用できるよう、市町村や競技団体などの関係団体と十分協議しながら検討してまいりたいと考えてございます。
 南紀スポーツセンターにつきましては、紀南地域におけるスポーツの拠点として、現在、子供から高齢者まで広く活用されておりまして、建設後40年が経過し施設の老朽化が進んでおり、今後、国体の全体計画の中で検討する必要があると考えてございます。
 競技運営に係る審判、トレーナー、指導者等の人材育成につきましては、各競技団体に対して強化コーチやスポーツドクター等の強化スタッフの配置を促すとともに、高度な専門的能力を有する指導者の確保を促進するなど強化体制を確立し、全県的なバランスにも考慮しながら適正配置に努めることといたします。
 ジュニア競技者の育成・強化に関しましては、県内の競技団体との緊密な連携のもと、昨年から開始したゴールデンキッズ発掘プロジェクトの充実を図るとともに、中学・高校の運動部活動に対する強化指定や、すぐれた指導力を発揮するきのくにエクセレントコーチの拡充に努めているところでございます。
 また、地域ごとの強化拠点や生涯スポーツの振興拠点としても、例えば近隣の複数市町村が連携・協力をしまして広域的なスポーツ振興の推進体制を構築することも必要であると考えております。
 さらには、国体開催に向けて県民の意識の高揚とスポーツ参加を促進することが不可欠であると考えておりますので、全県的で総合的なスポーツ大会やイベントの開催につきましては、他府県の開催状況や市町村、競技団体の意向も踏まえ、その可能性を検討してまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君)  再質問を許します。
 35番原 日出夫君。
○原 日出夫君 ありがとうございました。私は、これを質問というよりも、問題提起が多かったわけですけど、知事から農林水産の考え方についてお聞きして、大変自信を持ちました。ありがとうございます。
 それから、販売促進と新商品開発についてでありますが、ちょっとだけ。
 実は、梅の──主に東京中央市場、それから大阪中央市場が中心になってるんですけど、結局、大阪中央市場は93%から89.5%──前年度、18年度ですけど──伸びていたのが少し落ち込んできてるかなと。それでも、全体のシェアの89.5%を占めていると。全国から持ってくる市場の和歌山県の占有率は89.5%占めてる。ところが、東京中央市場は、少し伸びてます。51%程度だったのが59.7%となった。しかし、まだ59.7%です。他府県で一番多いのが群馬県だけでして、それも19.2%です。
 だから、もう少しここに力を入れていけばその道は開けるんではないかというふうに思います。各府県の品物を見ても必ず勝てる品物ですので、そういったところへもう少し着目を置いていただければありがたいと思いますし、そういう点では、県も今度のアクションプログラムの中で考えていただいてると思うんですが、職員以外にでも、いわゆる量販店でのいろんな専門的なアドバイザーというんですか、量販店で、あっちこっちへ売り、こっちから仕入れて売ると、そういう経験を生かした人たちを嘱託にでも抱えてアドバイザーとしてするならば、我々の考えていない、非常に経験ある知恵をかしていただけるんではないかというふうにも思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それから、質問したかったんですけど、時間はもうないんで要望に変えます。
 山間のサカキ、皆さん全員、この数字見てびっくりしたと思うんですけど、可能性があるというふうに思うし、山村地域への、かなりこれをすれば案外生活はやっていけますよという、それをやってる方ともお話しさしていただいたんですけど、これをひとつ思い切ってやれば、思想的に勝てると。何で神にすんの中国のばっかり、9割占められてあるというのにね。僕は、別に中国悪いと言ってないですよ。やっぱり日本で生産して、日本のサカキで日本の古来の神に参拝していくと、このことが本来理念的になけりゃ日本の国民としてどうかなと、こう思いながら考えてるわけです。
 それと、福祉の点でありますが、1つだけです。もう質問じゃなくて要望ですけど。
 知事、200万円のグループホームへの補助金、これは国なんです。最低400万要るんですから、400万全部せえとも言いませんけど、県も単独でせめて100万ぐらい、グループホームへの施設修理や、そういう権利金の──最初のですよ。初期投資ですよ。ランニングコストは要らないですから、そこで住む人たちが払っていくわけですから──初期の投資にやることによって、それがさらにこの福祉計画の目標が達成できていくと。だから、県は何も出さないと、国の200万に頼ってあと県は独自の考え方がないというのも、福祉計画をつくった割にはちょっと無責任と違うかなと思うんで、その点はぜひ検討していただきたいと。
 それは、知事、施設に入ってある人を社会へ出すと言うんです。1人当たり240万、年要るんですよ、施設に入っておれば。それを、出た場合に、最初の費用に、たった300万で済むんですよ。そこへ3人か4人、住むんですから。まあ投資の効果から見ても、そういう意味では非常に、初期投資の県の100万負担、例えばしても、そんなに大きなものではないんではないかと、こう考えます。
 最後にスポーツの問題ですけども、私も、黒潮国体でいろいろ経験しながら、その後のスポーツ振興の一翼を担ってきたわけですけど、ぜひとも盛り上げる上で、お金をかけないで、競技や地域のスポーツ団体や市町村にぜひ協力していきながら県民総合体育大会に向けて──大会に向けて予選があるんです。地域では市町村で予選をやります。どんどんやってきました。そして、その地域のブロックの代表として県大会に出場するということも1つの高まりになっていくわけですね。励みにもなります。そういう意味では、競技種目別開催を分散しながらも、そしてニュースポーツで県民総参加の、そういうスポーツ意欲を盛り立てるためにぜひ頑張っていただきたいと思います。
 これで終わります。ありがとうございました。
○議長(中村裕一君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で原日出夫君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 6番向井嘉久藏君。
  〔向井嘉久藏君、登壇〕(拍手)
○向井嘉久藏君 皆さん、お疲れさんでございます。4日間、熱心に皆さんの御意見を聞いていただいた。私が最後でございますので、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
 きょうは、大きな項目で福祉、それから環境について質問をさしていただきたいと思うんです。
 今、コムスンの問題で、日本の福祉政策が揺れております。真正面からこの問題を突きつけられておるのでございます。グッドウィル会長の折口雅博氏は、当時の厚生省の役人を前にして、「公的介護保険が導入されれば介護費用の支払いの裏づけが整い、将来、在宅介護は必ずもうかる」、こういうふうに公言しとるわけですね。厚生省の役人はその話を聞いて唖然としたと、こういうことでございます。こういうことを公言してはばからない営利企業の経営者ということでございまして、その子会社としてコムスンがあるわけでございます。
 この原稿を書いている後にグッドウィルが──これは人材派遣会社でございますが──派遣した会社の職員から、1人というよりも1回でしょうね、1日分から200円をピンハネしとったと。これは、保険料その他の費用ということで名目はしておったんですが、厚労省はそんな費用を認めてないということですから、ピンハネですね。ピンハネをしとった。それを、これはもういずれ指摘されるということで、自分とこから白状したと。2年間にわたってピンハネした200円をお返ししますということですが、実はその総額が36億円あるんですね。たった2年間で36億円。ちりも積もればということですが、恐ろしい金額ですね。
 こういう大会社なんですね、この人材派遣会社のグッドウィルというのは。金もうけに徹したこの会社の子会社ということは、会社の体質として金もうけに走る企業であるということは明白ですね。そういうところへ在宅介護の許可を与えておったということが問題になってきとるわけですね。
 福祉は金もうけの手段ととらまえていたようでございます。折口氏が率いるコムスンが組織的に介護報酬を過大請求していた疑いがあるということで、昨年の12月に東京都が立入検査いたしました。そして、不正が発覚いたしました。
 その後、厚労省が調査いたしますと、架空の事務所の不正申請──何もないとこへ書類を出して許可されとるわけですね。それと、職員の水増し、また責任者がいないのにあたかも責任者がいるような請求、記載をしておった。
 また、東京都の検査でわかったことは、介護報酬の水増しというようなこと。してもいない介護をあたかもしていたように見せかけて報酬を得ていた。今わかっているだけでも不正な請求で3億円以上が支払われている。こういうことでございます。
 また、「産経新聞」によりますと、これは6月17日付の記事でございますが、そこの調べでは、既に厚労省が公表した5都県──東京都と、あと県──以外にも、少なくとも11県でコムスンの事業所に不正の疑いがあるということが判明した、こういうふうに報じられております。
 厚労省は、これに伴いまして介護指定を打ち切るということを発表いたしました。全国都道府県に指示をいたしまして、来年3月31日──ということは、介護指定の期限というのが6カ年でございますから、6年前に許可を受けたとこが来年の3月31日で期限切れするわけですね。そういうところへは許可を更新しないということで、この数が全国で約240カ所あると、こういうことでございます。今後の調査を待たなければなりませんが、調査をしていくに従いまして実態が明らかになりまして、まだまだ不正が暴かれるものと思います。
 このようなモラルも使命感もないところが訪問介護の、すなわち最大手と認知していた厚労省の責任は非常に重うございますと同時に、実態のない事業所申請に対して許可していた自治体の責任も問われるところであります。
 ちなみに、「福祉」という言葉を辞書でちょっと調べました。そしたら、こんなことが書いてました。「社会の構成員に等しくもたらされるべき幸福」、こういうのが福祉である、こういうことでございます。
 6月7日、8日、私ども自民党の中で、白浜空港の利用促進を図るということと、もう1つは各関係省庁への陳情。といいますのは、白浜空港というのは第三種空港だそうでございまして──先ほど町田会長に聞いたんですが、第三種空港だと。その中で特7というのがあるらしいですね。特別7日前の割引というのがあるらしいんですが、全国で84カ所ある空港の中で、特7の割引のないところは白浜空港と奄美大島の2カ所だというようなことで、私ども、そういうことのないようにということと、もう1つは白浜空港の利用促進ということで、白浜空港まで行きまして、そこから飛行機を利用して東京まで行きまして各省庁へ陳情しました。
 ちょっと、これは全然関係なかったんですが、明くる日、ホテルで新聞見たら、知事のコメントが新聞の1面に載っておりまして、ぱっと見たら、うれしかったです。非常に積極的な発言がされてると。知事の福祉に対しての見解、また法を遵守するべきところが法を破ったところへの態度、これらのことについてコメントされておった。知事の人柄をかいま見た思いでございます。
 そういうことで、知事に伺いたいのであります。1つは、福祉に対する基本的な考え方、またコムスンについてお伺いいたします。
 また、福祉保健部長には、本県のコムスンを初めとする在宅介護事業所の実態の把握について、ひとつ御報告お願いしたいと思います。
 続きまして、環境問題です。
 私、県庁に来るときに車で来ております。河南の道路を走って来とるんですが、今、田植えが終わりまして、早苗が青々となって大きくなってきております。見た目では、自然というのは日々また毎年同じように繰り返して、何の障害もなしに毎年繰り返されているんだなという、見た目にはそうなんですね。ところが、今、地球で何が起こっているのか、また起ころうとしているのか。
 地球温暖化は確実に進んでおります。私たちは日々の生活の中で実感しており、何らかの行動を起こさなければという思いが皆さん方にはあると思います。私も大いにそういう思いを持っております。しかし、何をすればよいのかわからないのが実態であります。
 かつては、私、子供の時分は、紀の川で泳ぎました。今、紀の川では泳げません。まだ70年ほど前です。また、近くで、私とこの家の前の、今、汚水の排水路になってるところでシジミがとれたんです。そういうことが皆さんの近くであるでしょう。実感してることがたくさんあります。30年前はこうだった、40年前はこうだったと。わずかそのくらいの時間で、年月で確実に地球は、また日本は汚染されているんだということであろうと思います。
 地球の全体の年間気温というのは、平均しますと約15度Cだそうでございます。これは、南極、北極、また暑い熱帯地方を平均しての温度でございますが、15度Cと言われております。ところが、この地球の平均気温が上昇してるんだそうでございます。この100年間で0.74度C上昇した。
 ところが、100年前、50年前はそんなに上昇していなかったんですね。ここ50年ほどの間にすごく上昇している。しかも、上昇スピードは加速中であります。それに伴いまして、世界じゅうの気象や自然環境、人間の暮らしに大きな被害をもたらしております。最も大きな影響を持っていると言われている温室効果ガスが二酸化炭素すなわちCO2であります。
 ある学者は、これからの100年の間で、哺乳動物の4分の1の種類が絶滅するであろうという学説も発表しておられる。恐ろしいことであります。
 1700年代から始まった産業革命以前は280ppmだったCO2の値は、その後上昇を続け、現在は370ppmを超え、急上昇中であります。私は、この差、90ppmがどのくらいの値なのかということは、わかりません。しかし、学者の中では大変な数字である、ひょっとしたら取り返しのつかないところまで来てるんじゃないかなというふうに言われております。
 ここで、皆さんのお手元に配付さしていただいておりますカラー刷りの1枚物でちょっと説明さしていただきます。
 これは、私、テレビを見ておりましたら、先日放映されましたNHKの「地球温暖化の脅威」で、今世紀末の地球は「明日のエコではまにあわない」ということで放映されておりました。このテレビを見て唖然といたしました。
 この資料のほかに、地球の気温が上がってくると、北極、南極の氷が解けて海の水位が上がってくる。この2090年まで行くと約6メートル上がるというんですね。それで、この6メートル上がったときの地球の陸地のシミュレーションもありましたが、経費の関係で気温だけにさしていただきました。
 これは、「今世紀末の地球は?」ということで、1940年から2100年までのシミュレーションでございます。ちょっとこれを見ながら考えていただきたいのは、この画像は日本にある世界最大規模のスーパーコンピューター「地球シミュレータ」が予測した地球の地表の気温の変化であります。
 1950年から2000年までは実際に観測された二酸化炭素濃度等に基づいて計算されました。2000年から2100年までは、温暖化対策がとられず、二酸化炭素濃度が上昇し続けるというシナリオによって計算されたものでございます。
 画面にあらわれる色は、1900年時点に比べての気温の変化をあらわしておりまして、赤、オレンジ、白と変化するに従って気温の上昇量が大きくなっていきます。
 1980年代から、地図上に赤い部分がふえてまいります。これ、「1940年代」というのは、昭和15年でございます。まだ、この間。私、生まれたのが昭和12年ですから、私、生まれたときの地球の状態というふうに理解していただいたらいいんですが。その下にある2090年、これが大変なんですね。
 この一番上の白なっとるとこ、これが北極です。そうすると、この図面から見ると北極の気温は、私、何度か知りません。平均気温が何度か知らんけども、このシミュレーションから見たら12度上がると書いてある。ということは、何を意味するんか。
 世界のCO2排出量は265億トン。CO2を重量に換算すると265億トン。これは2004年の換算でございます。1位のアメリカが22.1%。驚くなかれ、世界の5分の1を排出しとる。続いて中国の18.1%、ロシア6%、日本が4.8%、続いてインドが4.3%、こういうふうになっとるんですが、特に中国は将来アメリカを抜くと予想されてると、私は原稿で書いた。
 きょうは、来る途中で、NHKのラジオを聞きながら来ましたら、もう抜いたらしいです、アメリカ。驚くなかれ、世界の排出量の5分の1以上を排出しているアメリカを中国は既に抜いてある。2004年からまだ4年ほどしかたってないのにもう抜いてあるという数字でございますが、恐ろしいことやなあと思うて見たら、アメリカを抜いて28%になっとる、世界の。それから、重量にしますと65億トンだそうでございます。私、車、運転しながら、ちょっとメモしてきました。そんなことで、65億トンが排出されとる、こういうことですね。
 中国の中で大変なことが起こっとるらしいです。隠して何にも言わんけども、あそこの国は。そやけども、経済発展重視の国から、後に恐らく大変なツケが回ってくるんやないかなというふうに思います。
 太湖──私、中国の湖の名前で太湖しか知らんのです。歌によう出てくる太湖です。あの太湖は上海を初め周辺の水道水を供給する大きな源になっとるんですね。今、この太湖の水が使えなくなってる。周辺の工場群から排出される、また家庭から排出される汚水によって使えなくなってる。こういうことが起こっとるらしいです。
 また、四川省、これが地球上で今までかつてない温度になった。44.5度C──摂氏で44.5度になった。とんでもない気温になっとる。これは何を示しとるんかな。恐ろしいことやと思います。
 また、発展著しいインドのCO2排出量も急激にふえることが予想されます。CO2削減を目指す国際的約束が京都議定書──1997年でありますが──京都議定書から10年たった今、アメリカはこの議定書から離脱しております。世界の5分の1のCO2を排出しているアメリカが離脱したことは、京都議定書のCO2削減目標を危うくしております。
 京都議定書は、10年たった今、日本は6%のCO2排出削減が義務となっているのにもかかわらず、現在、1990年比で7.8%増となっております。約束期限の2008年から2012年までに、目標達成のためには、増加分を合わせて13.8%も排出量を減らす必要がある。特に家庭から排出されるCO2の量も多く、私たちは家庭から排出されるごみ等の削減に努めなければならないと思うのでございます。
 6月1日から環境月間がスタートいたしました。大手スーパー各社もレジ袋削減に向けた取り組みを本格化させました。
 私は、いきなりレジ袋に話を持っていきましたが、しかし、私たちが身近にできること、それがレジ袋の削減であろうと思うんです。毎日毎日買い物に行く、そのレジ袋を辞退する、使わないようにすることが、私たちが本当に地球温暖化防止への参加の意識を示すもんだと私は思います。
 ちなみに、レジ袋の年産は、驚くなかれ、305億枚だそうでございます。紹介いたしますと、イトーヨーカ堂は6月1日から横浜市内の店舗でレジ袋有料化実験を始めました。また、イオンも実験の対象店を拡大いたしました。西友は、レジ袋辞退客に、その場で2円引きを実施しております。また、イトーヨーカ堂は、店舗を指定して、無料だったレジ袋を1枚5円といたしました。レジ袋削減をめぐっては、このところ消費者の意識の変化等もございまして、辞退率の向上にもつながっております。買い物袋で買い物客をふやすことがすべてのスーパー、百貨店、コンビニ等でのレジ袋削減の1つにつながる、こういうふうに思います。
 レジ袋の削減は、環境を守る一助であり、すぐにできる地球温暖化防止への参加で、国民の信号である、こういうふうに思うわけでございます。また、レジ袋の削減は、国民の環境への関心のバロメーターとも考えております。
 議会でも、レジ袋削減のための行動を起こす必要があるんではないか、その時期に来ているのではないかと思うのでございます。あしたのエコでは間に合わない。
 環境生活部長にお伺いいたします。
 県下のレジ袋の現況について、また2つ目にはレジ袋削減状況について、レジ袋削減の具体策についてお伺いいたします。
 いずれにいたしましても、大きな環境問題は小さなレジ袋の削減からということで、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
 ありがとうございました。(拍手)
○議長(中村裕一君) ただいまの向井嘉久藏君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、福祉についてでございます。
 コムスンの問題に関連して、私の福祉に対する基本的な考え方を御質問になりました。
 安心・安全な和歌山の実現のためには、県民の福祉の向上は、私としても特に力を入れているところでございます。高齢者福祉のみならず、県民の福祉は多くの善意に支えられているものであると思います。また、福祉に携わる多くの方々が高い志を持って取り組んでいただいておりますことに心から敬意を払い、感謝を申し上げているところであります。
 最近では、介護サービスを初め株式会社など営利企業が福祉分野に参入できることとなりましたが、福祉事業を運営される方々は、法令遵守は当然のこと、さらに福祉マインドをもう一度高めて事業に取り組んでいただきたいと考えております。
 県として、福祉の向上に向け、これらのことを基本的な考え方として取り組んでいきたいと考えておる次第でございます。
 次に、コムスンの問題であります。
 先日の記者会見で、「あれは脱法行為で正義に反する」と申しました。その発言に関し、いろいろな報道機関で大きく取り上げられまして全国的な注目を浴びましたが、今回の件に関して、私は県として考えるべきは3点あると思っております。
 1点目は、利用者や従業員のアフターケアが重要であること。県といたしましては、実際に介護サービスを受けておられる方々がサービスを受けられなくなったり、従業員として介護に頑張っている方々が働けなくなっては困りますので、そういった点についてきちんとした対応を行うよう、事業者に対して指導してきているところであります。また、利用者の不安解消のため、6月7日、早速、相談窓口を設けまして利用者の方々の相談に応じております。
 2点目として、不正は許さないということであります。今回の件では、問題点を明確にせず反省もない中で、ただグループ内での事業譲渡で、支配関係も変わらない、そういう中で事業譲渡をして責任を免れようとしたということがございました。こういうことでは不正は正せないし、正義に反すると考えまして、そういうものは許さず、断固とした措置をとると申し上げた次第であります。しっかりした事実関係を調べて対応していくことが重要だと考えたわけであります。
 3点目といたしましては、先ほど申し上げましたけども、コムスンだけではなくて、介護保険事業や福祉事業に携わる方々が、全部、皆さん、福祉マインドを持って事業に携わっていただきたいと考えているところであります。
 県としても、適切・適正に事業を運営していただくようにそういうメッセージを伝えていくとともに、あらゆる機会を利用して人々の考えを聞き、企業の考えも聞きながら指導に努めていきたいと考えております。
○議長(中村裕一君) 福祉保健部長井畑文男君。
  〔井畑文男君、登壇〕
○福祉保健部長(井畑文男君) 福祉についての3点目、本県の在宅介護事業所の実態把握についてお答え申し上げます。
 県内では、介護保険の居宅サービス事業所が約1700ございます。県におきましては、事業所の指定を行う場合、指定申請書に添付された従業員の勤務体制表や雇用契約書、資格証明書などで人員基準の確認を行っているほか、指定前に直接現地調査を行いまして指定申請の内容について確認をしているところでございます。
 さらに、毎年計画的に個別の実地指導を実施しており、指定基準等で定められた人員基準や運営基準を遵守し、適切な事業運営がなされているかどうか、また介護報酬についてはサービス提供時間数や項目などに誤りや水増し請求がないか、その他、各種加算・減算等について報酬基準に基づき適正な介護報酬の請求がなされているかなどを確認し、指導してございます。
 平成18年度におきましては、居宅サービス事業所のうち、261事業所に対し実地指導を実施してございます。
 今後とも、マンパワーの問題もございますが、実地指導を重点的かつ計画的に実施することにより事業所の実態把握と指導に努めてまいりたいと、そのように考えてございます。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 環境生活部長楠本隆君。
  〔楠本 隆君、登壇〕
○環境生活部長(楠本 隆君) 議員御指摘の地球温暖化問題、喫緊の課題でございます。
 その対策といたしましても、県民の皆様お1人お1人が、小さいけれども地道な取り組みを行っていただくということが何よりも大切であると私も認識をしております。
 まず、県下のレジ袋の現況とその削減状況についてでございますが、地球温暖化防止や石油資源消費の削減などを目的に容器包装リサイクル法が改正をされ、多量に容器包装を利用する小売業者に対しまして排出抑制の取り組み状況を国へ報告をすることが義務づけられ、来年から実施されることとなっております。
 これらの状況も踏まえまして、県内でもレジ袋の有料化や、あるいは辞退した場合の割引還元など、その形態や地域の特性に応じて削減に取り組んでいる小売業者もございます。今後の法施行に伴いましてその削減が進んでまいるものと期待をしております。
 次に、レジ袋削減の具体策についてでございます。
 議員御指摘のとおり、資源の有効利用、環境問題に対する意識が高まっている今日、使い捨ての象徴として見られておりますレジ袋を有料化などによって削減することは、レジ袋製造時あるいは廃棄時の環境への負荷軽減だけでなく、暮らし見直しの第一歩として消費者の意識や行動を環境保全型に変えていく効果が期待をされます。
 CO2削減には、先ほど申し上げましたように県民の皆様お1人お1人の地道な取り組みが何よりも大切でございます。県では、その一環といたしまして、先般、環境家計簿カレンダーを作成いたしまして、買い物袋の持参あるいはエコドライブ、家庭での節電など積極的に呼びかけているところでございます。
 今後、市町村や商工会など関係団体とともに、小売業者や消費者に対しましてレジ袋の一層の削減を働きかけてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 以上で、向井嘉久藏君の質問が終了いたしました。
 お諮りいたします。質疑及び一般質問は、これをもって終結することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問はこれをもって終結いたします。
 次に日程第3、議案の付託について申し上げます。
 ただいま議題となっております全案件は、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
 次に日程第4、請願付託の件について報告いたします。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
 なお、常任委員会の会場はお手元に配付しておりますので、御了承願います。
 お諮りいたします。6月25日及び26日は常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 御異議なしと認めます。よって、6月25日及び26日は休会とすることに決定いたしました。
 次会は、6月27日定刻より会議を開きます。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時38分散会

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