平成19年6月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(山田正彦議員の質疑及び一般質問)
県議会の活動
午前10時2分開議
○議長(中村裕一君) これより本日の会議を開きます。
日程第1、議案第95号から議案第113号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
29番山田正彦君。
〔山田正彦君、登壇〕(拍手)
○山田正彦君 おはようございます。
私も、過日の、過ぐる県会議員の選挙、14選挙区ある中で無風のところもたくさんある中、最激戦地であると言われた紀の川市から皆さん方にお支えいただき、この場へ立たしていただくことになりました。紀の川市民のたくさんの皆さん方の御負託にこたえ、また県政の将来のためにも、先輩・同僚・後輩の皆さん方とともに研さんしながら県勢発展のためにも尽くさしていただきたい、改めてそう思っている次第であります。
お許しをいただきましたので、本日の冒頭の場に立たしていただきました。私なりに幾つかの問題について、私見を含めて県政のあり方、仁坂知事、執行部の考え方をたださしていただきたい、そう思います。
まず、東南海・南海地震対策に関してであります。その中で、ともすれば忘れられてるとは申し上げませんが、内陸部にたくさん点在するため池の対策についてお伺いいたします。
あってはならないことなんでありますが、今後30年以内に東南海地震が60から70%の確率で、あるいは南海地震が50%の確率で発生すると報道されております。和歌山県としては、喫緊の課題として、その被害を最小限に抑えるためにソフト・ハード面からさまざまな対策が打ち出されていることは、よく承知をしております。また、国においては東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法、これが平成15年7月25日から施行され、財政上からも大いに期待されるところであります。
和歌山県は、長い海岸線を持つ地理的特性からも、まず津波被害対策、その中でも特に避難困難地域の津波被害対策が人命上からも最重要課題として取り組むべきであろうと思います。
一方、内陸部から見ますと、津波の心配こそはありませんが、危険な急傾斜地や農業用のため池が点在しております。私の住まいする紀の川市にもたくさんため池がありまして、平成18年3月に発表されました和歌山県地震被害想定調査報告書の中でも、東南海・南海地震の場合の予測では震度5強以上、また紀北に隣接する中央構造線による地震予測では、紀の川沿いの低地で液状化の危険度が高い上に震度6強から震度7となっております。
最近、農家の方々から私も、地震のときのあのため池の安全性についてよく相談をお受けします。県下全域では、お聞きするところによりますと、大小合わせて5566カ所のため池があるとお伺いしました。ため池は農業用水あるいは洪水緩衝の場であり、防火用水など多目的機能を持っており、地域にとってはなくてはならない施設でありますが、その多くは集落、住宅地の上部のほうにあります。阪神・淡路大震災の淡路島や、あるいは平成16年10月23日発生の新潟中越地震、平成19年3月25日発生した能登半島地震でも、ため池の決壊による大きな被害が出たと報じられております。
そこで、地域にとってなくてはならないため池の安全性確保と、地域住民が安心して暮らせるための地震対策についての現状と、今後どのように対処しようと思っているのか、農林水産部長にお伺いいたします。
2つ目の質問でありますが、和歌山県の公共工事発注のあり方について。
昨年秋、和歌山県を震撼させた官製談合贈収賄事件に事を発し、県行政に対する信頼が著しく失墜したことを受け、仁坂知事は、今後の県発注の公共工事のあり方、談合防止などの効率的な対策の効率的なシステムづくりについて検討、提案を求めるために、公共調達検討委員会を立ち上げられました。5月10日にはその報告書も完成し、私も読ませていただきました。また、その報告書をもとに、6月15日には、今後の和歌山県としての公共工事における入札制度改革の方針が発表されました。当然、私も注意深く拝読させていただきました。この2つの報告書について、私なりに、確認の意味を含めて幾つかの問題点についてお伺いしたいと思います。
まず、県土整備部長にお尋ねいたします。
諸悪の根源、標的とされている工事予定価格に対する高い入札率であります。
工事予定価格というものは、工事を施工するに当たり、材料費、労務費の直接工事費とそれに必要な経費や、あるいは工事施工推進のための安全管理等、つまり間接経費と、それから企業の継続的な運営に必要な経費、つまり企業として適正な利潤を認めた金額の合計が工事予定価格のはずであります。技術者が工事を担当するに当たり、材料に関しては細心の注意を払い、国が実態調査して制定いたしました積算基準や建設物価表や市場調査した資材単価表をもとに積み上げたものであるはずです。技術者がプライドをかけて仕上げたものが工事予定価格のはずであります。
部長、補足することがあれば、また後で御答弁いただいたらいいと思いますが、私のいま一つ理解しがたい調査基準価格や最低制限価格という価格がもう1つあります。先ほど申し上げました市場調査をもとに、技術者が英知を振り絞ってつくり上げた予定価格がありながら、調査基準価格や最低制限価格を設定しております。これは一体何を意味する価格でありましょうか。私に理解できるように御説明をいただきたいと思います。
予算委員会でありましたら、一問一答ですから確認をして次の質問に進めるんですが、私の質問の組み立てがまずいせいか、少し話しづらいことなんですが、それはそれとして話を進めさしていただきたいと思います。
先ほど申し上げました工事予定価格とは、この工事、どれだけかかりますよと、国、県あるいは地方自治体が認めたもんでありましょう。その金額を予算化して我々議会が認めた金額の工事を、何%で落札したから談合だ、けしからんと十把一からげにしたような入札率だけがひとり歩きする、それだけを取り上げて批判する現在の風潮には、いささか私自身、不満を覚える1人であります。
冒頭にも触れましたが、毎日のように新聞、テレビをにぎわわせている官製談合や、あるいは一部のスーパーゼネコン、大手ゼネコンの身勝手な税金を食い物にしているような談合などは、断じて許すわけにはいきません。しかし、我が和歌山県にあって、過去長年にわたり県土の整備・保全、公共建築施設あるいは整備等に協力していただいた地域密着型のまじめな中小零細建設業者がたくさんいらっしゃいます。今後起こり得る災害に対しても、当然協力をしていただかなければなりません。
しかし、6月15日に発表されました県の入札制度改革について、地元業者は大変憂慮して、あるいは悲観的であるとNHK和歌山放送局のニュースが過日流れました。公共調達委員会では建設業者と現況について意見交換したとありますが、この入札制度改革にどう反映されているのですか。
平成20年6月以降、新しいシステムで運用すると発表されている入札方法について、特に地元に根差した建設業者の保護について細心の配慮がなされるべきだと思います。不服申し立ての機会を与えられていると、そう書かれておりますが、業者というのは弱い立場にあります。その弱い立場の業者に何ができますか。いかがですか、知事にお尋ねいたします。
次に、公共工事発注に関する出発点は、工事を担当する技術者であります。私も昔々現場を持たしていただいた古い技術者の端くれでありますので、特に技術者としての皆さん方のことについては気になります。最近の県の技術者の立場は大層気の毒に思っております。地元説明やら、あるいは用地買収の立ち会いやら地元苦情処理の業務に追われて、みずからの技術や知識を習得する機会、そんな時間があるのかなあ、反動として、すべてコンサルタント会社に任せて、そういうふうになってしまっているんじゃないかなあ、そう想像しております。
工事担当者、つまり工事担当技術者たる者は、積算から現場、施工の指導から設計コンサルタントへの的確な指示をして完成を見る、本当にやりがいのあるものであります。
今度の入札制度改革は、入り口だけで終わるものではないと思います。その工事が無事完成できるまで重大な責任を持つ技術者の養成、育成も大きな課題であると思いますが、県土整備部長はどう思っておられますか、お伺いいたします。
また、大きなプロジェクトになりますと、プランを組み立ててからその工事が見通しがつくまで簡単に技術者の配置がえなどすべきではありません。この点について、今後の人事異動の際には十分配慮されるように知事に強く要望しておきます。
この項目の最後の質問でありますが、我が和歌山県にあっては、建設業は多くの就労者を抱える、和歌山県としては重要な産業であることは申すまでもない事実であります。しかしながら、県における建設投資額は、平成8年の2121億円をピークにし、平成19年度はその約半分の1084億であるとお伺いしております。ますます雇用の場が奪われようとしております。
特に土木工事の場合、コンクリート2次製品を多用した画一的な工法になってしまっていないか。現場によっては一昔前の工法、つまり土木であれば鉄筋を組み、型枠を入れて現場のコンクリートプラントから生コンを運び、左官工が仕上げるといった工法でやれる現場があるはずであります。コスト、スピード、精度ばかり追求するのではなくて、和歌山式の工法を、県でもそうでありますが、県下に発信することがあってもいいのではないかな。それが仮に少しぐらいのコスト高になっても、現場で使う資材は地元で賄い、労働者が多く従事することになります。おなかが減ったら地元の一杯飯屋で食べてくれます。地元地域に及ぼす経済波及効果が大きくなるのは当然のことであろうと思います。和歌山方式にできる工事の研究も期待しておきます。県土整備部長、いかがでございましょうか。
3点目であります。和歌山県道路懇談会についてお尋ねいたします。
去る18日、和歌山県道路懇談会の初会合が白浜町で開催され、今後の和歌山県の道路整備のあり方、進め方について熱心な御議論が交わされたとお伺いいたしました。懇談会メンバーは、全国的にも著名な大学教授や県内のリーダー的な有識者12名の皆さんで構成されております。また、8月3日には第2回の懇談会を和歌山市で開催し、それぞれいただいた貴重な御提言を中間報告として取りまとめて和歌山県の道路整備の中期計画として策定され、国の道路計画策定スケジュールに組み込まれるよう働きかけるのがねらいであるとお伺いしてますし、新聞などでもそう報道されております。
和歌山県においては、国道の改良率では、自慢にはなりませんが全国ワースト2位、全国平均からすれば25年もおくれていると、そう言われておりますし、また住民意識調査では、道路利用者の満足度は全国最下位であると、そう報じられております。
近畿自動車道紀勢線あるいは京奈和自動車道の全線早期供用はもとより、国道42号線のあの渋滞の問題、国道424号線あるいはその他3けた国道の整備促進のためには、大いに懇談会の御論議に期待するところであります。がしかし、住民意識調査にもあるように、真に必要な地方における地域幹線道路の早期整備の促進も、これまた必要不可欠の大問題であります。
そこで、知事にお伺いいたします。
県内各地の道路問題の最前線で御苦労いただいている各市町村長などで構成されております和歌山県道路協会という組織があります。知事、この協会の存在は御存じですね。県内各地の実情を踏まえて貴重な御意見をたくさんお持ちであると思われますが、この中期計画策定に当たり、今後、道路協会の御意見をお聞きになって反映すべきだと思いますが、どのように対処されるおつもりか、知事の御所見をお伺いいたします。
第4点目でありますが、これは唐突な話でありますので今回は要望としておきますが、紀の川市へ警察署を設置してほしいと、そういうお願いであります。
旧那賀郡6町時代、人口12万余り、4万4000世帯の、和歌山市に次ぐ唯一人口がふえている大きなエリアでありました。道路整備も年々進みまして、またモータリゼーションの発達する中、大阪・関西大都市圏にも最も近い土地柄、事件事故も都市化傾向にありまして、日増しに増加しているのが現状であります。統括していただいている岩出警察署の皆さん方には大変御苦労をかけておりますことに対して、心から感謝を申し上げます。
そんな中、那賀郡6町が、御存じのように紀の川市と岩出市ということに統合され、2つの市が誕生いたしました。御承知のとおり、統括管理していただく警察署は旧岩出町に位置する岩出署1つであります。和歌山市を除けば、一番多く人口を抱えているのが岩出署であります。
現在、県下には14の警察署がありますが、それぞれの管轄内の人口については大きなばらつきがあります。当然、市にはそれぞれ警察署があります。地域的な要因もあるでしょうけれども、管轄内の人口数にも当然配慮すべきでありましょう。どんな基準で、どんな根拠でその設置基準があるんだろうなあ、そういうふうに思っております。
今後あらゆる面で発展するであろう、また発展させなければならない地域力のある紀の川市へ、ぜひ紀の川署をつくっていただきたいと思います。
私も、紀の川市内至るところ、いろんな集会で、たくさんの紀の川市民の皆さんから懇願されております。岩出署の皆さん方には従来どおり大変よく頑張っていただいておりますが、さらにきめ細やかな治安活動をお願いして、市民がなお一層の安心・安全な紀の川市での生活を切望しております。
今回は、公式の場でこの件についてお願いするのは初めてであります。したがって、警察本部長も多分初耳であろうかと存じ上げますので今回は要望としておきますが、今回はこの予告編を申し上げておきますので、今後、機会があるたびにお願いいたすことになろうかと思いますので、心の準備をしといていただきたい、そう思います。
以上、要望をもって私の質問を終わります。御清聴、ありがとうございました。(拍手)
○議長(中村裕一君) ただいまの山田正彦君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事仁坂吉伸君。
〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 知事に対する御質問が2点あったかと思いますので、順番に御回答申し上げたいと思います。
第1番目に、建設業者の保護、特に地元に根差した建設業者の保護という点でございます。
この点については、もともと公共調達検討委員会にお願いをするときに、4番目の目標でありましたけれども、県内企業の健全な発展に資するような制度にしてくださいということをお願いしたところでございます。また、この考え方に多分沿ってくださったんだろうと思いますが、県内の建設業者、多数の方々から公共調達検討委員会は非常に熱心なヒアリングをしてくれました。そのヒアリングを踏まえて、私は5月10日の報告書ができていると思います。
さらに、これを肉づけといいますか具体化していかないといけないわけですが、その際に県といたしましては、報告書に対する意見あるいは御批判その他、そういうものを募集いたしました。そういたしますと、36の企業や個人から意見をいただきまして、これは公表しましたけれども、これを踏まえて公共調達の制度設計を行ったところでございます。
今の御質問の趣旨にかんがみると、大事なところが2つあると思っております。1つは、公共調達検討委員会の中では時間軸を考えて、それで対策をとれというようなことを原則論として掲げてもらいました。2つ目は、特に災害への対応とか地元企業、これに対する配慮というものをやりなさいというようなことも言ってもらっております。そういうことを踏まえまして、またそれぞれの意見を踏まえまして、あのような制度をつくった次第でございます。
まず、具体的にどういう点が配慮されたかといいますと、例えば地域要件につきましては、効率性の観点からすれば、競争を盛んにするという点で、これは地域要件を最終的にはなしにしろというようなことも書かれています。しかしながら、時間軸の観点を入れて考えろということでございましたので、県の案といたしましては、これは一挙にやるというんではなくて徐々にやっていくと、業界の発展に従って徐々にやっていくということを配慮いたしました。例えば小規模工事につきましては、現在の9つの地域区分というのをそのまま残して、地元の雇用とかあるいは災害対応とかそういうものに備える、あるいはそういうことをやっていただけるような企業が一挙になくなるというようなことはなしにしようということを配慮したところであります。
また、多少細かい話になりますけれども、基本的にはその業界の成長を図るために、上位ランク業者が下位ランクの工事へ参入してもいいということにしようということになっております。しかしながら、第1に、急にそういうことを言われて、例えば和歌山市の中堅といいますか、和歌山市の中では大きな業者、これが全部仕事をとってしまうというのは困るというような議論がありましたので、したがって、大きな業者が下位に行くということについては、2年間については特例措置を置こうと、それで、上に上がった企業については下のものもとれるけれども、いきなり一番上のが下の仕事をとりに来ることは2年間だけは猶予しようと、その間に備えてくださいということをいたしました。
また、経過措置として、これまでのそれぞれ認められていた受注実績等々のランキング、こういうものを一定程度加味して新しいランキングに入ってもらうということもいたしました。
以上のようなきめ細かい配慮を通じて、地元の雇用も図りながら、それから我が県の建設企業が少しずつ伸びて発展していけるようなそういう制度にしていきたいと考えている次第でございます。
第2番目に、和歌山県の道路懇談会についてでございます。
今議会の冒頭、県政の最近の主な動きとして御報告申し上げましたとおり、国の道路特定財源の動きを受けまして県版の道路整備の中期計画を策定するということにいたしまして、議員御指摘のように、その過程で地方の道路整備の必要性について県外にも発信し、都市住民の批判にも十分耐えられるような理論武装をするために、県内外の有識者、オピニオンリーダーで構成する和歌山県道路懇談会を設置し、先日18日、白浜で第1回懇談会を開催したところでございます。
これにつきましては、和歌山県だけでこう考えて自分たちの都合で言ってるんだろうということをほかの県の人たちに言われると大変困りますから、したがって、だれが見ても尊敬されるような、そういう方々がちゃんと納得してもらえるようなそういう計画をつくれるのではないか、つくってみようということで県外の人も入れたわけであります。そういう方はオピニオンリーダーとして有名な方ですから、どこかでまた和歌山県のために発信してくれるんじゃないかということも期待しております。
一方、議員御指摘のように、和歌山県道路協会を構成する各市町村長とは、常日ごろから要望をお聞きしたり情報交換をする中で、これまでも道路整備に対する意見把握に努めてきたところでございます。
今後、県民の皆様や各市町村長あるいは議員各位の御意見をお聞きしながら、年内を目途に道路整備の中期計画を作成したいと考えております。その中で、議員御指摘のように、道路協会というのは一番中心的なそういう意見聴取の機関になると思っておりまして、実はその意見交換の準備を進めているところでございます。
○議長(中村裕一君) 農林水産部長下林茂文君。
〔下林茂文君、登壇〕
○農林水産部長(下林茂文君) 内陸部に点在する危険ため池に対する対策についてでございますが、近い将来に予想されます東南海・南海地震による被害の未然防止、また安心・安全の確保という観点から、ため池の耐震対策が必要と考えてございます。このため、県では、お話にございましたように、5566カ所あるそのため池のうち、県の地域防災計画に位置づけてございますため池や規模の大きなため池、合わせまして420カ所を対象にいたしまして、平成16年度からため池耐震診断ガイドラインというのに基づきまして現地調査、また土質調査を実施いたしております。そうした中で耐震性などの安全性の確認を行ってございまして、本年度中に調査を終えるということになってございます。
今後につきましては、この調査結果を踏まえまして関係市町村また地域の住民の方々と十分協議をいたしまして、ため池整備の推進を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
なお、ため池の整備事業の取り組み状況についてでございますけれども、本年度は継続5地区、それから新規に3地区の合わせて8地区で実施中でございまして、平成20年度には新たに5地区の採択に向けて作業を進めているところでございます。
以上でございます。
○議長(中村裕一君) 県土整備部長宮地淳夫君。
〔宮地淳夫君、登壇〕
○県土整備部長(宮地淳夫君) 和歌山県の公共工事発注のあり方についての4点のお尋ねのうち、3点についてお答えをいたします。
まず、調査基準価格、最低制限価格につきましては、県では公共工事で低価格による受注が行われた場合、工事の品質確保への支障、下請へのしわ寄せなど、そういった弊害が懸念されることから、地方自治法に定められた調査基準価格及び最低制限価格を設けております。
現在、予定価格5000万円以上の工事について調査基準価格を設け、これを下回った場合は、工事の内容に適合した履行が確保できるかどうかについて低入札の調査を行うこととしております。
また、低入札の調査には多大な労力を要することから、予定価格5000万未満の工事については最低制限価格を採用しており、この価格未満の入札は失格としております。
次に、技術者の育成、技術力向上につきましては、大変重要な問題と認識をしております。現在、技術職員の業務のうち、地元説明や用地買収等の調整業務の比重が高くなり、現場で養われる技術や知識を習得する機会が減少しているため、平成16年4月に県土整備部職員能力向上アクションプログラムを策定し、専門知識を習得するための研修を実施しております。また、各職場においても研修責任者を定め年間研修計画を組み、現地研修を行うなど、技術力向上に努めております。
今後とも、職員の現場技術能力向上に向けて取り組んでまいります。
最後に、コンクリート工事の工法選定についてでございますが、樋管や側溝等の施工に当たりましては、コンクリート2次製品と現場打ちの両工法を比較し、施工可能でより安価な工法を選定することとしております。
今後とも、より効率的で経済的な工法の選定に努めてまいります。
なお、2次製品の使用に当たりましては、県内製品の利用推奨を行っているところであり、地元経済への波及効果にも配慮しているところでございます。
以上でございます。
○議長(中村裕一君) 答弁漏れはありませんか。
〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 再質問を許します。
29番山田正彦君。
○山田正彦君 要望になろうかと思うんですが、2~3申し上げたいと思います。
このため池並びにいろんな防災のことに関して危機管理局といろいろお話し合いをする中で、思ったというんですか、こうあるべきではないかなあと思うのが、危機管理局が今、総務部の下にあるんですね、組織的には。危機管理監は偉いからそこへ座っておられるんやけど、危機管理局自身は総務部の下部というんか、部の中にある。そうしますと、例えば県土整備部が担当する急傾斜の、あるいは崩壊危険の感覚というんか、現場を含めた認知とか、あるいはため池についての的確なアドバイスとかというのは、どうも、できにくいと言ったらおかしいんですけど、私の思うのは知事直轄の部局であるべきではないかなあと、そう思うんです。
ということは、今どうしても縦系統の、例えば農林水産部、県土整備部という縦系統の皆さん方が、まあ一番よく知ってるのはその方々であろうから当然のことなんですが、それを縦断的に網羅するようなことに組織的にはまだ──もちろん、内部のスタッフのこともあるでしょうし、専門的な技術を持った方もどんだけいらっしゃるかよくわからないんですが、もうちょっと知事あるいは副知事の直轄の部局に格上げというんか、内容を充実して──もちろんスタッフも用意しないといけませんけど、それぐらい、格の上と言ったらよその部には失礼かもわかりませんけど、もうちょっと大所高所から見おろすというんか、全般を見られるような組織に充実──まあ今後のことですけれども──するべきではないかなと、そういうふうに私は思いました。一遍そういうふうな目で御検討いただけたらありがたいなあと、そう思います。
それと、どうしても、我々内陸部におりますから、多少ひがんでるわけではありませんが、今度の20年度の国の政策及び予算に関する提案・要望の中ででも、ため池の耐震化というのは虫眼鏡で見ないといけないような小さな字であるので、もちろん、先ほど申し上げました海岸部の津波に対しては最大限の配慮をしないといけないのは当然なんですが、同じほどやっぱり内陸部に人口たくさんいるしということで、もうちょっと大きな字にしていただけたらありがたいなあと。ちょっと虫眼鏡がないとわかりません。そういうことでございます。
それと、公共工事についての件ですが、知事も地元のことについては最大の、細心の御注意を払っていただいてるとは思うんですが、その、今俗に言う地域に対する貢献度を点数にするとかというような文言の中で、どうしてもやっぱり主観点数に重きを置いて、客観的なそういう点数に、現時点では92~93%と5~6%ぐらいのウエートしかないと思うんですね、その能力審査する点数的には。もうちょっとやっぱり和歌山に即した客観点数を重要視したような、そういう能力審査を進めていただきたいなあと思います。
それと、いろんな施策を盛り込まれておりますが、要するに「牛の角を矯めて牛を殺す」ということわざもありますが、余りに、先ほど冒頭に申し上げた入札費が高い、即談合だというような世間の風潮にやっぱり流されることなく、和歌山県の公共事業はこうあるべきだ、和歌山県に従事する建設業界の将来はこうあるべきだという、もうちょっと──余りにも神経をとがらせ過ぎというんか、ということで、先ほど申し上げました牛の角を矯めて牛を殺すようなことにならないように、本当に長い間営々と積んだそういう実績がありますもんですから、本当に一部の、新聞なんかで騒がれてるようなあの大型の業者、スーパーゼネコンなんかのことはもうとにかく抹殺するぐらいのつもりでもいいですけれども、やっぱり地元業者、私たちの和歌山県に住む業者を育成すべきであろうと思いますので、細心の上にも細心の御配慮をいただきたいなあ、そういうふうに特にお願い申し上げて質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(中村裕一君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で山田正彦君の質問が終了いたしました。