平成19年2月 和歌山県議会定例会会議録 第7号(門 三佐博議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前十時二分開議
○議長(向井嘉久藏君) これより本日の会議を開きます。
 日程第一、議案第四号から議案第十九号まで、議案第三十四号から議案第五十二号まで、議案第五十四号から議案第七十七号まで、及び議案第七十九号から議案第九十一号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 七番門 三佐博君。
  〔門 三佐博君、登壇〕(拍手)
○門 三佐博君 皆様、おはようございます。
 ただいま議長のお許しを得ましたので、今期定例議会におきまして一般質問の機会をお与えいただきましたことを心からお礼申し上げます。
 私は、昭和五十年の春に県議会議員選挙に出馬させていただき、伊都郡の選挙区からは定数が三名に対しまして七名が立候補するという、県下一の激戦区でありました。当時、妙中正一先生という立派な、知事が二人いるんじゃないかと言われるぐらいの大実力者と一緒に当選させていただいたのが県議会議員としてのスタートのときでございまして、いつの間にか八期の任期満了、あとわずかとなってまいりました。
 おかげさまで、大橋正雄知事、仮谷志良知事、西口勇知事、木村良樹知事、そして昨年多くの県民の支持を得て就任されました仁坂吉伸知事と、五人の知事と県勢進展について一緒に取り組むことができましたことは大変幸せであり、感激ひとしおでございます。
 例外の方を除きまして、それぞれ知事には大きな実績を残され、また個性豊かな方ばかりでございまして、数多くの思い出があり、懐かしい限りでございます。仁坂知事には、県民の信頼にこたえ、県勢伸展のために一層の御尽力をお願い申し上げます。
 初質問は、当選直後、大橋知事にさせていただきましたが、この壇上で足が震えたことを今も思い出しております。二月二十一日以来の本会議におきまして、各会派、各地域代表の議員の方々から熱心な質問や提言がなされまして、大変勉強になると同時に、県下各地域には重要な課題が山積していることを痛感いたしました。
 さて、私も当面しております諸課題について仁坂知事を初め関係部長に通告に従い質問させていただきますので、適切な御答弁をお願い申し上げます。
 最初に、県立医大附属分院の改築による充実についてでございますが、まず初めに仁坂知事にお礼申し上げます。
 初日の知事説明にもございましたが、「質の高い医療体制の整備を目指して、老朽化いたしました紀北分院の施設を更新し、診療機能の充実や近隣の医療機関との連携、機能分担により、県民サービスを強化するための基本・実施計画に着手する」と力強い説明がありました。いよいよ長年の願いでありました紀北分院の改築が確実になったのであります。この場をおかりいたしまして、地元住民を代表して改めてお礼を申し上げたいと思います。財政が大変厳しい中で英断されましたことに敬意を表したいと思います。
 私の議員生活の中で、紀北分院の充実についての最初の質問は、たしか昭和六十三年の二月定例会であったと思います。それから二十年の歳月が流れまして、この間、多くの議論がなされました。浮き沈みもございましたが、やっとのことで紀北分院の建てかえが緒につきました。
 先般公表されました紀北分院整備基本計画におきましては、病床数の縮小や一部診療科の廃止が計画されてございます。この理由として、現在の入院患者数の状況を踏まえ、近隣病院と機能分担を、またネットワークの構築を図るなどを挙げられています。また一方では、特色として、専門的医療を提供する脊椎・脊髄いわゆるスパインセンターや緩和ケア病棟の設置、総合診療など、地域と密着した地域医療の実施と質の高い医療体制の確立などが盛り込まれてございます。
 地元におきましては、将来の病院機能の充実をも考え、この新病院を地域の中核施設として最大限の波及効果を得るために支援を行うことにしてございます。また、私も微力ながらでき得る限りの協力をして、建てかえ推進とさらなる充実も含め、盛り上げてまいりたいとの考えでございますので、紀北分院の充実に対する今後の方針などにつきまして知事の御見解、所見をお尋ねいたします。
 次に、道路整備充実のことについてお尋ねいたします。
 昭和五十年に県議会議員に当選させていただき、はや八期三十二年の歳月がたちました。振り返ってみますと、私とは県議会議員当選同期で、ただいま国政の場で大変御活躍中の二階俊博先生の熱心な取り組みによりまして、近畿自動車道和歌山線について促進議員連盟の結成や、当時の建設省のたび重なる勉強会などでは、当時、道路局企画課道路経済調査室長でした本山蓊氏や現国土交通省の技術者ではトップの地位にあります本県出身の谷口博昭技監が、まだ東大を出て入省早々でございましたが、側面から大変力強い応援をしていただきましたことを鮮明に覚えております。今日、ほぼ田辺市まで開通することになりましたことは、まことに喜ばしいことでございます。そうしたお力もありまして、当時としては夢物語でありました近畿自動車道の南伸や、さらには京奈和自動車道の進展など、道路事情は格段によくなってきております。
 しかし、和歌山県におきましては、モータリゼーションの進展により生活のほとんどが道路に依存するようになった反面、いまだに狭隘な箇所やがけ崩れなど危険な箇所が多く存在し、道路の改良率は全国で低位になっておると聞いております。
 まず第一点といたしまして、国道四百八十号の府県間部の促進についてお伺いします。
 今年度の予算でも、仁坂知事の重点施策となっている府県間道路のうち、かつらぎ町から和泉市に至る国道四百八十号については、大阪へ通じる幹線道路として新年度の予算にも多く計上していただいておりまして、府県間部の仮称・鍋谷トンネルについても国の方で調査がされておりますが、しかし、大阪府側の整備はまだまだ多く残っておると聞いております。そのために、大阪側へ整備の促進について強い働きかけと、府県間部の仮称・鍋谷トンネル、約三千七百メーターありますが、これの直轄代行事業での早期事業着手に向けた取り組みにつきまして仁坂知事の考え方をお伺いいたします。
 二点目といたしまして、かつらぎ町笠田付近でのミニインター設置についてお伺いいたします。
 最近、高速道路のサービスエリアにスマートインターという簡易なインターを設置しているという話を聞きますが、昨年四月に供用されました国道四百八十号の平道路から国道二十四号までの最短ルートである県道那賀かつらぎ線と京奈和自動車道の交差するかつらぎ町笠田付近にパーキングエリアを設置する計画があるので、ぜひこれを活用して簡易なミニインターを設置していただけないものか。安い費用で大きな効果があると思いますが、いかがなものか、お尋ねいたします。
 第三点、国道四百八十号より高野山への線形改良についてお尋ねいたします。
 国道四百八十号の河南側の改修も着々と進み、国道二十四号と高野山を結ぶ最短コースであります志賀高野山トンネル約一千メートル余りが県当局や地元の熱意によりましてこのほど完成いたし、来る三月十八日に開通式が開催される運びとなったと伺っていますが、私も生まれ育った土地の方々の悲願が実現したことを大変喜んでおります。同時に、完成に御尽力いただいた方々に心から厚く御礼申し上げます。
 しかしながら、世界遺産の高野山への玄関口となる花坂峠から高野山までの国道四百八十号は、二車線改良はされているもののカーブがきつく、参詣者からは、車酔いが多く困っているとの声があります。
 大型バス同士の対向も困難となっている箇所について、現在、県の方で線形改良をしていただいておりますが、この改良の進捗の状況についてお伺いいたします。
 第四点といたしまして、紀の川左岸広域農道建設促進の見通しについてお伺いいたします。
 紀の川の左岸地域は全国シェアの二割以上を占める柿の有数の産地であり、全国の産地間競争に勝つためにも、生産性のさらなる向上が必要であります。このためにも、現在事業をやっていただいている紀の川左岸広域農道の一日も早い整備が欠かせません。一部でも工事が完了したところは早く供用し、早く効果を出してほしいと考えております。
 そこで、紀の川左岸広域農道の現在の状況と今後の対応につきましてお聞きいたします。
 以上三点につきましては、県土整備部長からお答えいただきたいと思います。
 次に、農業の振興についてお尋ねします。
 日本経済については、景気は低迷期を脱出し、確かなものになってきていると言われておりますが、個人消費については依然として購買力が弱いという状況にあります。こうした中で、和歌山県の基幹産業であるその農業の状況を見たとき、地域の活性化にどのようにつなげていけばいいのでしょうか。
 私の地元かつらぎ町や紀北地域では、時代の移り変わりの中で、柿やミカンを初めとするかんきつ類、梅など、現在、多様な果樹が栽培される状況となっています。
 果樹生産を軌道に乗せていくためには数年を要しますし、生産構造を変えていくこともままならない状況の中で、生産、販売等に大変な努力をしても満足する価格が得られないような状況が、今日、数年続いてきております。
 農業を担っておられます方々がほとんど六十歳以上となり、地元の集会などに行きましても、本当に高齢者の方々が多いなというような感じがいたします。また、今後五年先、十年先を考えたとき、このままではいけないなと危機的な状況を憂うのは私一人ではないと思います。
 そのような中、十八年産のミカン、柿の価格は近年にない高価格で取引され、生産農家の皆様方はほっと一息ついたところだと思います。久しぶりに地方にもお金が回ってきたなと思いましたが、十八年度産は生産量が少ない中での高価格であり、本当に心から喜べる状況ではございません。
 今後の農産物消費を考えたとき、人口の減少という問題があり、これまでのような全体的な消費の拡大を期待するのは大変難しいのではないかと考えております。しかし、消費のパイはふえなくとも、消費の内容は大きく変わってきております。
 これまでの消費の中心を担ってきた団塊世代は退職を迎え、新たな消費階層となる可能性があり、一方、これからの消費の中心となる二十歳から三十歳代の若者の消費に対する価値観は多様でございます。つまり、これまでとは異なった需要や個性化への対応が農産物にも求められていると思うのであります。
 これまでも、地元や県では、新たな需要の創造や農業に新たな展望を開こうと柿酢、あんぽ柿などの商品開発や地産地消の推進、さらには直売所を中心とした地域づくりなど、さまざまな取り組みをしていただいているわけでございますが、それぞれの取り組みを、地域を発展させていく上で戦略的な視点を持って対応していくことが必要じゃないかと思うのであります。
 仁坂知事は、新春の記者会見やさまざまなところで、農業を初めとした一次産業の活性化を訴え、地域資源としての農産物の販売促進や加工産業への広がりを視野に戦略を構築していきたいと述べておられました。
 そこで、農林水産部長にお伺いいたします。
 こうした知事の考えのもと、今後どのようにこの農業振興について取り組まれていかれるのか、お示しいただきたいと思います。
 次に、安全・安心な住民生活維持のための警察基盤の整備と空き交番解消対策についてであります。
 まず、安全・安心な住民生活維持のために警察基盤の整備を進めていくに当たっては、拠点となる警察署、交番などの整備と充実が必要であります。これが県民の安全・安心のよりどころとなっていることは言うまでもございません。
 この対策の一つとして警察署の新築整備などが進められてきたところでございますが、平成二十年の春には妙寺警察署が新築完成される予定でございます。警察署の名前も「妙寺警察署」から「かつらぎ警察署」と変更して、充実した施設のもと、紀北地域を中心として地域に密着した警察活動が展開されることは、私自身も非常に喜ばしく思っており、地域の住民からは「これで心強いなあ」という話をよく聞いております。
 また、交番活動の充実等につきましては、いわゆる空き交番の解消など総合的に進められていると聞いておりますが、県民にとりましては、警察署、交番などが近くにあって警察官がそこに常にいてくれるということだけで十分に心強く感じるものでありますので、今後も県下の治安情勢を踏まえて順次整備と充実に努めていってもらえることを願っておる一人でございます。
 さて、二月十日付の「朝日新聞」によりますと、県内の刑法犯の認知件数は一万六千二十六件で、過去十年で最低、しかも五年連続の減少との記事が掲載されておりました。また、二月三日付の「朝日新聞」には、本県の交通事故死者数が六十九人で、昭和二十九年以降最少という記事も見出しで出ておりました。県民の防犯意識の向上と具体的な事件・事故抑止に向けた活動と警察官の昼夜を問わない活動の成果と、感謝しているところでございます。
 ただ、ことしに入りましてから、全国では殺人事件など凶悪事件の発生が毎日のようにニュースで流れておりますし、先日には東京都内で暴力団員によります連続発砲事件が発生しております。
 県内では、大きな事件の発生もなく比較的平穏に推移していると認識はしております。しかし、過日には複数の少年による多額の恐喝事件や私の地元・伊都郡内で凶器を使用した強盗事件が発生し、子供や住民の方々は不安に思い、日常生活におびえを来しております。このような治安情勢から見ますと、安全・安心な住民生活の維持を実現するためには警察活動に期待することが多く、警察力の維持とさらなる強化を県民は期待していると考えております。
 このように非常に厳しい情勢でありますが、先ほど申し上げましたように、警察署や交番などは、県民から見れば安心・安全のよりどころであります。警察当局におきましても、警察官OBを交番相談員として交番に配置するなど、不在となる交番をなくす対策に力を入れてくれていることは認識しておるところでもありますが、県民の一部では、交番へ行っても、前を通りかかってもだれもいない交番が多いという不安を感じている声をよく聞くこともあります。
 そこで、警察本部長にお尋ねいたしますが、申し上げましたような情勢の中で、安全・安心な住民生活を維持していくための警察基盤の整備、空き交番解消対策、この二点につきまして今後どのように取り組んでいくのか、お考えをお答えいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 以上で、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) ただいまの門三佐博君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 県立医大紀北分院につきましては、主な建物の老朽化が著しいこと、それから収支状況が近年悪化していることなどの課題がございまして、一方では、同一医療圏にある橋本市民病院、あるいは隣接する医療圏にある公立那賀病院が近年充実したことなど周辺環境の変化もございましたので、県立医科大学において大学内や地域医療の中で役割分担が果たせるよう、また安定した経営にもつながるような医療環境の整備について検討してまいったところでございます。
 先般、県立医科大学が公表いたしました紀北分院整備基本計画におきましては、附属病院本院との機能分担を図る、大学附属病院としての特色を保有する、近隣の医療機関との連携、機能分担を図ることなどを整備の基本方針といたしまして、一部の診療科を廃止し、病床数を縮小しておりまして、一方、新たな診療科、脊椎・脊髄センターや緩和ケアなどの専門センターあるいは地域医療支援センターの設置など、新機能を充実した計画となってございます。
 県といたしましては、この計画を踏まえまして、現地で紀北分院の建てかえを進めるため、基本・実施設計等の予算を今議会にお願いしているところでありますので、地元や関係者の皆様の御理解と御支援、御協力を賜りたいと考えております。
 道路の整備充実について、特に国道四百八十号府県間部の促進につきまして御質問がございました。
 府県間道路国道四百八十号は、大阪府との交流・連携を強化し、企業誘致や世界遺産高野山への観光ルートの一つとして非常に重要な路線と考えております。
 和歌山県側の整備状況は、昨年四月に平道路が部分供用し、平成十九年度には府県間トンネルを残しましてほぼ全線完成する予定であります。
 一方、大阪府側の整備状況につきましては、和歌山県側に比べておくれておりますために、これまでも阪和開発連絡協議会などの場で協議を進めてきたところでございますけれども、さらに今後、事業促進を大阪府に強く進めてまいりたいと考えております。
 また、国においても、府県境部の鍋谷トンネル、これにつきましては平成十五年度より調査が実施されております。今後とも、府県間トンネルの調査推進及び直轄代行事業として早期事業着手を大阪府とともに国に強く働きかけてまいりたいと考えております。
○議長(向井嘉久藏君) 県土整備部長宮地淳夫君。
  〔宮地淳夫君、登壇〕
○県土整備部長(宮地淳夫君) 道路の整備充実について三点、私からお答えをいたします。
 まず、かつらぎ町笠田付近でのミニインター設置についてお答えをいたします。
 現在、国において、地域の生活の充実、経済の活性化を目的に、長いインターチェンジ間隔の短縮を図り、高速道路をより有効活用する施策が打ち出されております。
 こうした中で、京奈和自動車道かつらぎインターと粉河・那賀インターの間隔は約八・四キロと距離があるため、県道那賀かつらぎ線と交差するパーキングエリア付近にインターを設置することは地域の利便性向上に有効であると思われます。このため、ミニインター設置の可能性について現在国と協議を行っており、今後とも国に強く働きかけてまいります。
 次に、国道四百八十号の花坂から大門間の線形改良につきましては、平成十八年度新規事業化したところであり、現在、改良対象の六区間の中で大門から約一・〇キロ下った大門工区について現地測量、詳細設計を進めております。平成十九年度には、保安林解除の手続が整い次第、工事の着工を予定しております。
 次に、広域農道紀の川左岸地区につきましては、平成三年度より計画延長十八キロメートルのうち十一・六キロメートルについて事業を実施しており、平成十八年度末には、事業着手区間のうち七・四キロメートルの整備を完了することとしております。
 さらに、平成十九年度末には、九度山町九度山地区から県道志賀三谷線までの四・六キロメーターの区間において、未供用であった〇・六キロの橋梁を整備する予定であり、本区間が連続して完成することとなります。これにより、一般車両を含めたより有効な活用が可能と考えてございます。
 残る未採択区間六・四キロメートルにつきましては、現在、採択済み区間の完成時期を見きわめながら国への採択申請準備を進めてまいります。
○議長(向井嘉久藏君) 農林水産部長西岡俊雄君。
  〔西岡俊雄君、登壇〕
○農林水産部長(西岡俊雄君) 農業の振興についてでございますが、県内各地においてファーマーズマーケットを活用した地産地消の推進や地域の特産物を生かした新商品の開発などに取り組まれてございまして、まことに力強いものを感じているところでございます。
 しかしながら、農業の将来を考えたとき、議員御指摘のとおり厳しいものが予想され、新たな活路を切り開いていくためには、地域の特性を生かし、農業を核として産地みずからが地域づくりに取り組むこと、こういったことが重要であると考えてございます。このため、特色ある農産物の販売促進や付加価値をつけた加工品づくりについて、地元生産者やJAを初め市町村、商工会の方々と一体となった体制づくりを進めることといたしてございまして、既に振興局単位でそのための作業に入ってございます。
 今後、こうした取り組みをより一層促進するとともに、流通分野に精通した方々の御意見も聞きながら、生産者と加工業者とが連携した新たな加工品開発にチャレンジしてまいります。
 いずれにいたしましても、農業は本県の基幹産業でございます。高品質生産はもちろんのこと、加工分野を含めた地域産業として推進してまいりたい、このように考えてございます。
 以上でございます。
○議長(向井嘉久藏君) 警察本部長辻 義之君。
  〔辻 義之君、登壇〕
○警察本部長(辻 義之君) 安全・安心な住民生活維持のための警察基盤の整備、空き交番解消対策についてお答えいたします。
 まず、警察基盤の整備についてであります。
 県警察といたしましては、県民が安全で安心して暮らせる社会を実現するため、本年も悪質・重要な犯罪の徹底検挙などの諸対策に取り組んでまいりますが、これらを推進するためには、警察官の増員や活動拠点となります警察署の整備など、人的・物的基盤の強化が必要であると考えております。
 まず、人的基盤の整備ですが、警察力強化のかなめであります警察官の増員につきましては、厳しい財政事情の中、議会の御理解によりまして平成十四年から五年間で百三十五人の増員をいただき、業務の合理化、省力化により捻出した人員を合わせて警察事案の多発地域への重点配備などを行いました結果、刑法犯認知件数や交通事故件数が五年連続して減少するなど、その効果が着実にあらわれてきております。
 県警察といたしましては、さらなる治安の回復のため、平成十九年度予算案におきましても警察官の増員をお願いしているところでございます。
 また、物的基盤の整備ですが、警察署や交番などは、警察活動の拠点となる施設であるとともに、災害発生時には防災拠点となる重要な施設であります。
 現在、妙寺警察署の建てかえ工事を実施していますが、平成十九年度予算案におきましては、その完成とともに、老朽化いたしました白浜警察署の建てかえに向け、必要な経費などを計上させていただいているところでございます。
 県警察といたしましては、引き続き警察基盤の充実を図り、県民の安全・安心の確保に努めてまいりたいと考えております。
 続きまして、空き交番解消対策についてでありますが、交番は地域住民にとりまして最も身近で安心感を与える施設であり、地域に根差した警察活動を行う上において最も重要な位置づけをしております。一方、対応を要する事件・事故等が多いこと、パトロール等を強化していることなどから、交番に警察官が不在になることが常態化している交番も見られたところであります。
 そこで、全国的に平成十九年春を目途にいわゆる空き交番を解消すべく取り組んでまいりましたが、本県におきましても、本年四月には、増員をいただきました警察官等の交番への配置、交番の配置の見直しなどによりまして空き交番を解消するとともに、交番相談員を全交番に配置することによって、パトロールや事件・事故の取り扱いのため警察官が不在となった場合でも交番において被害届の受理等ができる体制を整備したいと考えております。
 県警察といたしましては、空き交番の解消は、単なる体制の整備にとどまらず、真に地域住民の皆さんが安全・安心感を持っていただけるような活動を推進していくことが重要だと考えており、今後とも県民の期待にこたえるため、活動の充実に努めてまいりたいと考えております。
○議長(向井嘉久藏君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(向井嘉久藏君) 以上で、門三佐博君の質問が終了いたしました。

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