平成19年1月 和歌山県議会臨時会会議録 第2号(東 幸司議員の緊急質問)


県議会の活動

 次に、東幸司君の質問を許可いたします。
 二十五番東 幸司君。
  〔東 幸司君、登壇〕(拍手)
○東 幸司君 本日の緊急質問のラストバッターとなりました。
 前出の質問者の皆さんと内容が重複するところが多々ございますけども、御容赦いただきまして、あとしばしの間、御清聴のほどよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 まずは、仁坂知事、御就任、まことにおめでとうございます。県政への信頼が失われた中での船出ということでありまして、これから先、いろいろと大変な御苦労も多いことと存じますが、県政の信頼回復と本県の活性化に向けて全力でお取り組みをいただきたいと思います。
 それでは、通告に従いまして質問に入らせていただきたいと思います。
 まずは、不正防止策についてお尋ねをいたします。
 仁坂知事は、選挙期間中より、知事就任の暁には真っ先に今回の不祥事、再発防止のためのシステムづくりについて取り組んでいく旨の御発言をされ、また県民にそのことを強く訴えてこられました。そして、就任後間もなく今月五日に、その言葉どおり、まずは公共調達検討委員会を設置され、その構成メンバーを発表し、また十日には第一回の委員会が開催されたわけでありますが、このスピーディーな動きには一定の評価をさしていただき、今後の対応に大いに期待したいと思っております。
 昨年の福島、本県、そして宮崎の一連の官製談合事件を受けまして、全国知事会でも埼玉県の上田知事を座長として公共工事の入札・契約の適正化を図るプロジェクトチームを組織し、その対応策についていろいろと議論・検討され、昨年十二月十八日に開かれました全国知事会の総会で、可能な限り早期に指名競争入札を廃止し、当面、予定価格一千万円以上の事業を原則として一般競争入札にし、また三年以内に電子入札を全面導入して、極めて談合しにくい状況をつくり出すとしております。また、談合に関し違法や不法行為にかかわった業者につきましては、最低でも十二カ月以上の入札参加停止にすることや違約金の割合を契約額の二〇%以上にすることなど、そのペナルティーを強化することと決めました。また同時に、課長級以上の職員を、退職前五年間の担当業務と密接に関係する民間企業への再就職を最低二年間制限することといたしました。そして、この指針をより実効性のあるものにしていくために、定期的にそれぞれの都道府県の取り組み状況などを調査、進捗ぐあいを点検、公表していくとのことであります。
 そうした流れの中で、知事会の指針に沿っていち早く大阪府がその対応を決め、二〇〇八年度から原則指名競争入札を廃止し、発注工事のすべてを一般競争入札とすることを年末に発表しております。しかしながら、今回の不祥事の舞台となりました本県や福島、宮崎の各県がまず率先して全国に対し談合防止システムのモデルケースを示すことが、その責任を果たす意味でも大変重要であると強く思うわけであります。
 そこで、知事にお尋ねをいたします。
 まず、ここで改めて知事の談合防止に対する意気込みといいますか、その決意のほどをお伺いいたしたいと思います。それから、知事の肝いりで設置されました公共調達検討委員会の今後の活動方針とその見通しについてもお聞かせをください。
 次に、昨年十二月議会の一般質問におきまして私は、談合問題も含めて自治体としてのすべての不祥事を防止するために、独立性を保った形で県庁内部を監視できる特別監査官なるものを提案させていただきました。今回の本県の不祥事では、前知事が改革派と称され、入札改革にも着手をしながら、他方でその入札に関して不正に手を染めていたことが最大の問題であり、たとえ県のトップが不正の意思を持ったとしても、また何人たりとも不正を働けないようなシステムをどうつくっていくかが最大のポイントであると思うわけであります。組織の内部を監視しなければならないということは、県行政にかかわる者としても非常にじくじたる思いもありますが、ここは性悪説にのっとり、その監視機能を高める以外に不正防止を確保する道はなく、また県民の皆さんの県政に対する信頼回復への道はないと思うところであります。
 そこで、このような第三者機関的な独立した組織で、内部通報などにも対応でき、県庁内部に対する調査権を付与されたような機関について、知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 次に、今ちょうど来年度の当初予算査定の最中でありますが、仁坂知事は、これからの県政運営に先立ち、この和歌山県をどのような県にされたいのか、ぜひともその青写真といいますかビジョンをお示しいただきたいと思うわけであります。もちろん、就任されたばかりでありますので、詳細についてまではなかなか難しいとは思いますが、しかし、まず最初に大きなビジョンがあって、そこからいろいろな課題が認識され、そしてどのようにその課題を解決するかという計画となり、次に具体的な行動となって物事が効果的に前進していくと思うわけであります。しかし、もしビジョンなしにさまざまな事柄に取り組まれたとしましたら、それは場当たり的なことにしかならず、結果として生まれてくるものは何とも無秩序な状況をつくり出してしまうだけとなってしまう懸念があるわけであります。
 本県は、年間平均気温十七・六度、年間日照時間二千二百八十時間と、全国平均よりもはるかに温暖な気候の中で多種多彩な農産物や海産物などの自然の恵みを受け、大変風光明媚な土地柄でもあり、世界遺産を初め、その観光資源にも事欠かない状況にあります。しかし、またその一方で、本県の人口減少やその過疎化、少子高齢化の加速、また社会インフラ整備のおくれなどなど、深刻な課題も山積しております。このような状況にあるからこそ、今、本県が持っておる優位性を生かしながら、かつ課題を解決でき得る大きな視点からのビジョンがぜひとも必要であると思うわけであります。
 そこで、知事に、この和歌山県を今後どのようにしていくのか、将来のビジョンをお伺いしたいと思います。
 次に、本県の活性化についてお尋ねをいたしますが、和歌山県をいかにして元気にするか、そのことが使命であるとも知事は県民に強く訴えてこられました。そこで、まずは本県活性化のために必要不可欠であります人口減少対策についてお尋ねをいたしたいと思います。
 皆さんも御承知のように、本県の人口は、平成十七年度国勢調査によりますと、平成十七年十月一日現在でその総数は百三万五千九百六十九人であります。平成十二年度から十七年度の間の人口増減数は三万三千九百四十三人の減少であり、その増減率はマイナス三・二%と、秋田県の増減率三・七%に次ぐ全国ワースト二位という残念な状況であります。また、本県の人口調査を見ましても、平成十七年十月一日からの一年間を見た場合、出生数から死亡数を差し引いたいわゆる自然増減数はマイナスの三千二百四十四人であり、特に本県の二三・二%という全国でも十三番目という高さの高齢化率と、さらには少子化から判断しますと、この自然増減数は改善される見込みよりも、むしろ悪化の一途をたどることは容易に予想のつくところであります。
 また、平成十七年十月一日からの一年間に県外から県内に転入してきた人数と県外へ転出していった人数の差し引きは、マイナス四千三百一人と、平成八年以来十一年間連続の転出超過であります。特に若者の県外大学、短大への進学者割合が八八・八%と十九年連続の全国一位であり、恐らくその大半が卒業後も県内に就職先がないなどの理由によりそのまま県外にとどまり、そのことが本県の人口流出の大きな一因であるとの指摘もあります。
 以上のことからいたしまして、本県の人口減少につきましては一刻の猶予もならないほどの危機的状況にあり、本県の活性化を議論する上で、その有効な解決策に向けて最も迅速に手を打たなければならない喫緊の課題であると危惧いたしております。
 言うに及ばずでありますが、資本主義の世の中である限り、人がたくさんいてこそ物やお金が活発に動き、そのことが地域の活性化につながっていくことは当たり前のことであります。人口減少に歯どめをかけられなければ、その地域の勢いは、当然のことながら先細りになっていく以外にないわけであります。
 そこで、日本全体が人口減少社会を迎えたこともあり、これからの時代は魅力のある自治体には人口が集中し、また逆に魅力に乏しい自治体からは人口の流出がとまらない状況となり、市町村も絡んだ形で各自治体による人口争奪戦のような様相を呈してくるとも言われております。
 そこで、本県としてこの大きな課題にどのように取り組んでいくべきか。もちろん、一朝一夕に解決できるような施策はなかなかあるわけではなく、さまざまな施策を複合的に用いることによってのみその効果を発揮できる可能性が出てくるわけでありますが、本県としてのこの課題に対して知事はどのようなお考えをお持ちであるのか、お聞かせをください。
 次に、経済の活性化についてお尋ねをいたします。
 この年末年始の報道等によりますと、いざなぎ景気を超えてさらに好景気が続くとの話が多く取り上げられましたが、依然として地方におきましては、まだまだその実感がつかめないのが実情であります。ちなみに、昨年末の近畿財務局和歌山事務所が発表しました県内の景況判断指数が十年ぶりにプラスに転じたとのことであります。特に中小企業の売り上げ増がその一番の理由であったということが、今後の県内景気好転への可能性を示唆しているとのことでありました。
 この調査結果からしますと、確かに本県におきましても、ようやく景気回復の足音がかすかに聞こえてきたような状況にあると思われます。しかし、またその一方で、先ほどの人口減少問題とも大きく関連いたしますが、県内の有効求人倍率は昨年の十月現在で全国平均の一・〇六倍を大きく下回る〇・八二倍というのが実情であるとの報道もあり、県内の景気回復にはまだまだ予断を許さない状況であるとも言えるわけであります。
 こうした状況を打開するための一つの有効な手段として、まずは雇用をふやすための企業誘致があり、当局にも積極的に取り組んでいただいておりますが、社会インフラの整備や情報通信網の整備など、まだまだほかの地域に比べておくれている面もあり、また本県の地理的条件など、その条件面でなかなか苦戦を強いられているのが現状であると聞いております。
 そこで、知事にお尋ねいたしますが、今後企業誘致をどのように促進していかれるのか。また、県内の中小企業の活性化など、本県経済を活性化するためにどのような施策が必要であると考えておられるのでしょうか。あわせてお聞かせをください。
 最後になりますが、本県の産品の輸出、特に農産品についてお尋ねをいたします。
 仁坂知事の御経歴の中で、社団法人日本貿易会の専務理事をされておられたことがあると聞いておりますので、このテーマはまさしく知事の得意分野の一つであると御推察をいたしますので、個別的な案件になりますが、ぜひとも知事のお考えをお聞かせいただきたいと思うわけであります。
 この件に関しましては、以前にも質問させていただいたわけでありますが、本県の最大の産業の一つが農業でありますことは言うまでもないことであります。その農産品の巨大消費地ということで、国内だけではなく、アジアの市場にももっと積極的に打って出るべきであるということは以前にも申し上げたところであります。特に十三億という圧倒的なその人口を誇る中国の市場が日本のすぐ目の前に大きく広がり、存在しているわけであります。中国は、WTOに加盟してからのこの五年間を経て、昨年の貿易総額が三倍以上の一兆七千億ドル、日本円に換算して約百九十六兆八千億円以上にもなるとのことで、今や世界第三位の貿易大国に躍進いたしました。恐らく今年度末には、ドイツを抜いてアメリカに次ぐ第二位に踊り出るとも言われております。また、中国国内の経済成長率を見ましても、一九九五年から二〇〇五年の十年間の年平均で一三%の成長があり、名目GDPは推定で世界第五位となり、既に日本の五〇%程度の水準に達しているとのデータもあります。このペースで成長が続けば、最も遅くとも今後十年前後で日本の経済規模を抜き去ることが確実視されてもおります。このような状況に比例して中国国民の所得水準も年々向上し、富裕層も確実に拡大してきていると言われております。
 また、東アジア諸国に関しても近年成長が著しく、昨年までの五年間連続で力強い成長を記録しており、もちろん中国が東アジア全体のGDP成長を支えている感はあるものの、東アジア地域の一日二ドル未満で生活をしているいわゆる貧困層とされる人口も、この経済成長に伴い、二〇〇五年以降、約二千五百万人以上の人々が貧困から脱したというデータもあるわけです。さらには、今後、早ければ二〇一〇年ころには東アジア地域全体で九〇%近い人々が貧困から脱して、いわゆる中所得者層に変わるとする調査見通しもあるほどであります。したがって、当然のことながら、所得水準の向上に伴って消費市場としての魅力も大きく高まってくることは容易に想像できるわけであります。
 次に、中国や東アジア諸国と比べますと少し日本からの距離はありますが、もう一つの有望な巨大市場がインドであることは言うまでもありません。インドの人口も既に十億人を超え、中国に次ぐ世界第二位の人口を有し、その経済成長率でも、ここ数年は一〇%前後の成長を遂げ、成長率では今年度中に中国を抜く可能性も出てきました。また、インドと日本の関係は、中国と比較した場合、政治的にも安定しており、また歴史的な問題もないということでは、中国よりもむしろインドの方が、検疫の問題なども含めてその交渉がしやすいということも言えるかもしれません。
 いずれにしましても、同じアジア圏に世界の一、二を誇る巨大市場があり、また勢いのある東アジア諸国の市場があることは間違いなく、何としてもこうした市場に本県産の農産品をもっと果敢に売り込んでいくべきであると考えますが、そこで、知事にこうした国々への輸出に関するお考えをお尋ねいたしたいと思います。
 以上で、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) ただいまの東幸司君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) ただいまの東議員の御質問に対しましてお答え申し上げます。
 まず、談合防止及び公共調達検討委員会の活動見通しについて御質問がありました。
 私は、先ほどからるる申し上げておりますように、談合の再発防止と清潔な県政の実現を目指すということを公約の大きな一つと掲げておりました。そこで、今回の不祥事の再発を断固防止するために、ルールの見直しを早急に検討していただくために公共調達検討委員会を設置いたしまして、去る十日に第一回の委員会を開催したところであります。この委員会では、効率性の向上、公共工事の質の確保、いわゆる天の声の徹底排除と県庁の規律の確保、和歌山県の建設業界の健全な発展という四つの観点から御検討していただきたいと私はお願いをしたところであります。
 先ほど、全国知事会のお話もございました。全国知事会におきましては、一つの提言をいたしました。この提言の内容の幾つかは、実は和歌山県においても全く無縁ではなくて、既に採用しているものも結構あるわけであります。しかしながら、それに対してあの事件が起こってしまったということをもう一度肝に銘じて、制度全体を見直して、それで全国のまさにモデルケースとなるような制度をつくって、和歌山県を今度は名声の和歌山県ということにしたいというふうに思っております。県議会を初めとする県民の皆様の意見もお聞きしながら、検討委員会の結果が出ましたら、それを早速実施して、先ほどのような名声を和歌山に取り戻したいというふうに思っております。
 それから、県庁の内部特別監査官というお話がございました。
 実は、談合を初めとするようなこうした不正を防止すると、そのためにコンプライアンスの徹底をするということは、とても大事なことであります。そのために、私は就任早々、「内部監察査察制度」という自分の名前をつけましたが、そういう制度を、徹底的にいい制度をつくりたいということで、前例も調べながら、今、内部で検討をしているところであります。
 これにつきましては、先ほども申し上げましたとおり、不正の防止というだけではなくて非効率な行政の是正という面もあわせてやっていただくような、そういう制度をつくりたいと思っております。例えば、不正だけが県庁の行政の問題点ではありません。例えば、いろいろな意見を言われた、それが十分県庁の中に届いてなかった、そういうことがあっては県民の皆さんに申しわけない。あるいは約束したことが実施されていなかった、あるいは、怠業と言ったらおかしいんですが、非効率なために仕事が進んでいないところがないかどうか、態度の悪い職員はいないかどうか、そういうことも含めて、全部県庁の規律を高め、効率を高め、効果的な行政をするためのそういう制度をつくっていきたいと思っております。
 和歌山県の将来ビジョンについてお話がありました。
 多分、二つの御質問の意味があったと思います。一つは和歌山県をどういうふうにしたいかという問題と、それから、私が所信表明演説で申し上げましたような県の長期総合計画という問題と、二つあったように私は思いました。二つについて申し上げます。
 前半の方の問題点につきましては、私は和歌山を元気にしたいとずっと申し上げております。そのために五つの政策目標を具体化して、それによって和歌山を元気にするんだ、そういう和歌山にしたいということを申し上げました。そのために具体的な政策を積み重ねていくんですが、県の長期総合計画においては、そのような和歌山が元気になっていく姿と、それから、元気になったときのある一点を切ったときのあり方、そういう目標みたいなもの、それからそのための基本的な政策のあり方、そういうことをぜひ描いていきたいと思っております。なぜならば、私がこうやって口で申し上げているのはやっぱり限度がありますので、したがって、もっと具体的な姿を県民の皆様に提示して、それでこういう方向に和歌山を持っていこうではないかということを語りかけていくということが大事だからだと思っております。このために、県議会の皆様初め県民の皆様の御意見を聞きながら、将来に向けて県として責任を持って取り組んでいくべき施策の基本的方向を、繰り返しになりますが、県議会の御意見も聞きながら各分野の基本構想を盛り込んで策定したいと考えております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 和歌山県の活性化、特に人口減少対策についてお話がありました。
 ティブーの「足による投票」というのが理論であるんですけれども、そんなものはまあなかなか起こらないなあというふうに昔は実感しておりました。ただ、まさに長い時間をかけてこういう問題も起こり得るというのが現実の事態になってきております。それによって人口が減るところ、ふえるところができて、地域間競争、あるいは別の言葉で言えば地方公共団体間の競争というのがこれから盛んになってくる時代だというふうに実は思っております。和歌山も負けてはいけない。そういう意味で、これから心を引き締めて政策をつくっていかないといけないと思っております。
 少子高齢化の進展によって、日本全体としても、もちろん人口が減少傾向にあるわけですけれども、本県の人口減少は、より急速に進んでおります。活力の低下にこれはつながるということを懸念するところであります。少子高齢化の進展という全国共通の自然減の要因に加えて、これは、和歌山県が以前に比べて働く場を求める勤労世代を中心とした本県の人口の県外への急速な流出という社会減に起因するところもあると認識しております。もちろん、自然減もあるわけですが、こういう社会減にも対応しなければいけない。
 こういう傾向に少しでも歯どめをかけるためには、まず社会減につきましては経済を活性化すること自体に尽きる。企業誘致、観光振興、農産物の振興、それから企業の成長を支えること、そういうことによって働く場を確保して、そこから人口を吸収していくというようなことを一生懸命やらないといけないということだと思っております。
 それから、自然減につきましては、安心して子供を産み育てるということができるような政策を提供して和歌山県民に示すということが一番の近道だと思っております。そのために、新田議員の御質問にお答えしましたように、特に来年度予算でもそういう問題を正面から受けとめるような政策をできるだけ盛り込んでいきたい、それによって、県内それぞれの地域特性をもちろん踏まえながらでございますけれども、効果的な対策を展開してまいりたいと思っております。
 それから、経済活性化、特に企業誘致についてのお話がございました。
 戦略性を高めながら、より効果的な活動を展開していかなければいけないと思っております。それから、市町村との連携によって、企業ニーズに対応した用地あるいはオフィス、あるいは人材確保に努めていきたいと考えております。また、企業誘致にとどまりませず、県内企業の育成並びに活性化につきましては、県内には、今後いわゆるオンリーワン企業に成長していくような可能性のある、すぐれた技術を持っている中小企業が数多くあります。その芽を伸ばすべく地場産業の振興あるいは企業の経営革新、技術開発、海外との商取引の拡大などにつきまして、きめ細かな支援を行ってまいりたいと思います。例えば、技術開発プロジェクトをつくって県内の企業に多く参加してもらって、その中から世界に通用するようなオンリーワン技術を確保して成長してもらうというようなことはとても大事なことだと思っております。そういうような政策をたゆまなく進めていくというのが私どもの使命だと思っております。
 今後とも、誘致企業も含め県内企業のニーズを酌み取りながら迅速、的確な施策の推進に努めてまいり、活力ある和歌山、元気な和歌山経済を目指してまいりたいと思っております。
 また、県農産品の輸出についてのお話がございました。
 議員お話しのとおり、中国、東アジアあるいはインド、そういう世界の経済成長の中で和歌山の産品を売っていくということは大事なことだと思っております。富裕層がふえていく、購買力のある層がそういう国でもふえていくというのは、全くそのとおりだと思っております。
 私は、経済産業省で働いておりましたときに中国と経済交渉をしておりました。そのときに、夜、暇なものですからマーケットを見に参りました。そしたら、和歌山ではもちろんのこと、日本で、どこへ行っても「そんなに高く売ってるか」というような高い果物が、もちろん立派なものでありましたが、高く売られていたというのを発見しました。中国にはそういう購買層が既に存在しています。これは五年前のことであります。そういう層がもっともっとふえていっているというのが事実でありますから、これに適応して我が方も農産物の輸出振興に努めていく必要があると思っております。とりわけ和歌山県は、高品質なミカン、柿、桃、梅など、果実生産を基幹とする県であります。輸出振興はまさに攻めの農政を展開していく上で重要な柱でございますので、生産者団体はもちろんのこと、産地の皆さんと一体となって、あるいは全国的な貿易企業の力もかりながら県産品の輸出拡大に積極的に取り組んでまいりたいと思います。
 もちろん、植物防疫上の問題などから輸出が難しい国もあることも承知しております。そういう点につきましては、これは国で交渉するしかないわけですから、政府に対して一日も早く輸出ができるような、そういう素地をつくってくれということもまたお願いをしながら政策を進めていかないといけないと思っております。
○議長(向井嘉久藏君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(向井嘉久藏君) 以上で、東幸司君の質問が終了いたしました。
 この際、暫時休憩いたします。
  午後二時七分休憩
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