平成18年12月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(原 日出夫議員の質疑及び一般質問)
県議会の活動
質疑及び一般質問を続行いたします。
二十八番原 日出夫君。
〔原 日出夫君、登壇〕(拍手)
○原 日出夫君 議長のお許しを得ましたので、質問に入らしていただきます。
私は、テーマで「官製談合事件について」ということで、私も、最大自民党与党ではありませんが、少なくとも木村知事を支援したという、支持してきたという立場を基本に据えながら質問をしていきたいと思います。
また、私自身も、知事のしがらみのない、また新しい発想や地域を主体としたいろんな考え方、積極的な姿勢については、私を初め県民の皆さんも期待をしていたというふうに思うんです。しかし、このような事件の中で、私と、私だけでなく支援してきた人たちへの裏切りと信頼を失い、木村前知事だけでなく、県行政への不信と政治への不信感を多くの県民は今持たれています。その責任は重大であります。私も、その責任を受けとめ、県議会議員として、県政が県民の立場に立った清潔で公正な県政であるために議会人としての役割を果たさなければならないと、今また考えているところであります。
そこで、質問本題に入らせていただきます。
一つは、木村前知事の官製を含む談合事件を県幹部はどうとらえ、これをどう教訓にしてきたのか。
二つ目は、再発防止のための取り組みについてでありますが、一つは、入札制度を今後どうしていくのか、二つ目は、談合情報の内部通報システムをつくる必要があるが、どうしていくのか、三つ目は、県幹部の関係業界への再就職の実態と、それを制限する規則をつくる必要があると思いますが、どうしていくのか、四つ目は、知事の権力を独裁化しないための県幹部の集団指導体制と、風通しのよい、県組織と業者との関係を絶つシステムをどうつくっていくのかということについて、まず再発防止のための取り組みの四点について当局にお伺いしたい。
それから、大きい三つ目ですが、議会との約束であるこの事件の真相究明のために第三者を入れた調査機関の設定は、どんな組織で、いつから何をテーマに調査するのか、お尋ねしたい。
四つ目に、知事だけでなくて、官製談合にかかわった職員への懲戒規定はどうなっているのか、今後どうそれに対して対応していくのか、お尋ねしたいというふうに思います。
次に五つ目は、秘書課で管理していたという裏金について、これは事実なんですか。事実であれば、どこから入り、どのように使われたのでしょうか。裏金と言われる金の管理はどこでしていたのでしょうか。していた職員の責任はどう対応していくのでしょうか。これについてお尋ねいたします。
次に、官製談合とIT総合センターBig・Uについてお尋ねいたします。
IT総合センター設計及び建設と地盤沈下についてでありますが、私は、IT総合センターBig・Uについて十五年九月議会で、地盤沈下に伴う追加予算四億三千万円にかかわるその責任は県民にあるのでなく設計者である業者にあることを指摘し、追加予算に反対した立場から、再び私は、IT総合センターが官製談合、つまり木村前知事とゴルフ場経営者前社長・井山容疑者のかかわった原点と言われていることから、私も原点に戻って、IT総合センターの経過を踏まえて、その不可解さを提起し、IT総合センターが県と業者のなれ合いのツケを県民負担にしたことの問題点を質問したいと思います。
当初、教育総合センターとして計画され、設計委託は二十社余りの指名競争入札となり、相和技術研究所が落札。ところが、木村前知事が平成十二年九月に就任後、IT総合センターに変更し、平成十二年十二月十九日に、教育総合センターを落札した設計業者を解除し、三百十五万円の損失金を県は支払っております。解除した後、わざわざプロポーザル方式を採用して、これまで受注実績のない昭和設計を選定した。建設工事の落札は、東急主体のJVで二十億一千万円、落札率九七・二%でありました。
そこで質問したいと思いますが、第一点は、IT総合センターにプロポーザル方式を採用したのはなぜですか。
二つ目は、教育総合センターの設計委託──指名競争入札ですけども──床面積八千平方メートル、設計委託費が千五十万円、IT総合センターは床面積九千七百平米、委託費が一億円となっております。一千七百平米の差であるんですが、いわゆる十倍の、一千五十万円から委託費が一億円になった。私、計算しまして、床面積当たりの委託費は、教育総合センターは千三百十三円、IT総合センターは一万三百十円と十倍の差があるが、これは本当に妥当だったのでしょうか。そのことをお尋ねしたいと思います。
第三点は、東急主体のJVの工事の落札率は九七・二%、しかも井山容疑者は、東急建設から工事落札額の二十億一千万円の一%、二千万円を受け取ったとされています。これをどう認識されているのか。官製談合であったのかとの疑問を抱くのですが、どうでしょうか。
このような経過から、IT総合センターの地盤沈下に伴う県当局の対応は、いま一度私からただし、県当局の見解をお聞きしたいというふうに思うんです。
結論から言えば、地盤沈下の原因の裏づけは業者擁護のためにする理由づけではなかったのかというのが、私ではなく、県民の疑問であります。不信であります。県の四億三千万円の支出は、この事業の経過から見て県民が納得できるものでないことを、改めて私から苦言を申し上げたいと思います。
十五年九月議会での私と玉置議員の見解は、地盤沈下は予測できたという結論であります。スレーキングという面もありますが、スレーキング以前に、教育総合センターで、もう既に地盤沈下のおそれを、いわゆるIT総合センター地質調査票に基づいてそれを示していたわけです。だからこそ、地盤沈下のところに建物を建てなかった。建つとしたらくい打ちをしなければならない、くいを打てば建設費が高くなるからやめたと、こういうことになっております。ところが、それでなくて、そのことがわかっていながらあえてそういうことをしなかった、予測できなかったということは、先ほど言いました業者擁護のため以外の何物でもなかったのではないかというのが一般的な疑問であります。
そこで、お尋ねします。
県の見解であるスレーキングの理由づけと、その理由づけする以前、地盤沈下を予測できなかったでなく、地盤沈下があるという前提の造成地であったことを隠して理由づけしているのではないか。私にとっては納得できないし、許せない問題だとしてとらえております。それは、土木技術者の一般的、初歩的見解として言われている、この地形と三十メートルに及ぶ盛り土の実情から見れば、スレーキングではなくて圧密現象としてとらえ、それによる地盤沈下は当然起こり得ることを前提にくい基礎をすることは当然であるというふうに、一般的技術者としての初歩的な技術の展開であります。
だから、むしろ圧密現象──つまり圧密現象というのは、盛り土の中に含んでいた水が押さえられて沈没していくと。水と土で支えてたものが、結局上から押さえられていくたびに水が圧縮され、スポンジのようにぎゅっと絞められて地盤沈下していくというのは土木技術の基本であると。そのことを地質調査の結果わかっているのにあえて連続布基礎工事をやったのは、業者の安上がりの設計としか考えられない初歩的ミスであると指摘しています。少なくとも設計業者、工事関係者の責任が問われるのではないか。このことについて、改めて当局の見解をお聞きしたいと思います。
次に、プロポーザル方式の採用の問題点についてでありますが、私は、IT総合センターも先ほど質問さしていただきましたが、私の認識では、プロポーザル方式は特殊な特別な設計に限定され、最も適切な技術力、創造力、経験などを持つ設計者を選ぶ方式と聞いております。ところが、今回は何でもありで、つまり行政と業者の癒着のために使われている嫌いが、県だけではなく、地方自治体でも、このプロポーザル方式の採用によって幾つかの疑問も起こっております。
そこで、県当局にお尋ねします。
第一は、プロポーザル方式を採用する場合の基準は何か。第二は、今まで県ではプロポーザル方式をどんな事業に何件採用したのか。三つ目は、その採用した事業は、プロポーザル方式を採用した理由とその特殊性はどこにあったのか。四つ目は、プロポーザル方式の選考委員の選定はどんな基準で選ぶのか。今まで、それはそれでよかったのか。五つ目は、プロポーザル方式は誤解を招く大きな要素がある。公共事業の設計者の今後の選定方法をどう考えていくのか。五つの点をお伺いしたいと思います。
次に、大きい三つ目ですけど、「白浜の温泉は冷たかった」──これは僕が言ったわけじゃないんで誤解しないでください──に見られる木村前知事の発言と紀南地方の公共事業、とりわけ土木関連事業に影響はなかったのかという点であります。
私は、議会一般質問においても木村前知事に、選挙結果から見て紀南の得票が少なかったことと関係して、この点について触れたことがありました。そのときは少し機嫌悪く、横を向かれたことを記憶しています。今回の捜査から出た前知事のそのことを意味するメモやノートに記載されている中身を見て――私ではないです。今いろんな活動をしてますから、その中で、いろんな人たちの声は、紀南の人たちは「やっぱりか」「いじめか」「だから事業費が大きく減ったんかなあ」とか、いろいろと今取りざたされています。
そこで、お尋ねします。
そういったことは現実にしていたのか、あったのか。また土木費の減少は、時間がありませんので例は挙げませんが、事実上全体として三分の一近く減っているという事実はあります。それに関係があるのか、そうでないなら何が要因か、そういうことについて、実際にそういうところの地域に対して現状の説明責任をどう果たされているのかについてお尋ねします。
最後に、紀の国森づくり税を一年延長し、再考することは県民の声である。問題点については、会派代表、玉置議員から今議会で提案説明のとおりでありますが、一つは、県民は、いつ、どんな形で、だれの意見をまとめて決めたのか全く知らない。私ももうずっと歩いてますけど、いわゆる紀の国森づくり税についてはほとんど知りません。「一体どこで決めたんよ」「だれがしたん」「どんなことすんのよ」ということについては何にも知りません。これについての説明責任なしにやっていけるのだろうか。
二つ目は、税の使途は、税を決める前に広く県民に聞いてつくり上げるのが常識ではないのか。決定してから、各地域でどう使ったらいいか意見を聞かせてくださいという、そういう民主主義の原点から外れている、このこともあります。しかも、今、後でも述べますが、税の負担が非常に重くなってきた。そういう中で、「今、超過税を課す場合か」「県議会や当局は今の状況を本当に十分把握しているのでしょうか」の声が多く、来年四月から実施は、官製談合による県民への損失三十数億円を含め、県税に対する不満が非常に募っております。
そこで、お尋ねします。
今、定率減税廃止を初め、老年者控除の廃止、公的年金控除の減少、住民税の増加で、負担が非常に多くなっています。とりわけ高齢者の負担が大変なものですし、それに伴う介護保険料の値上がりや国民健康保険の大幅増加という現実を県当局はどう踏まえているのでしょうか。それと、今このときに超過税を求めることがいかがなものなんでしょうか。県当局としての主体的な立場での見解をお聞きしたいと思います。
また、定率減税並びに税源移譲に伴う市町村の税の徴収事務が今急がれ、非常な多忙をきわめております。加えて、森づくり税の事務処理を覆いかぶせることはいかがなもんでしょうか。このことについて当局の見解をお聞きしたいと思います。
以上で、第一回の質問を終わらせていただきます。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) ただいまの原日出夫君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事職務代理者・副知事小佐田昌計君。
〔小佐田昌計君、登壇〕
○知事職務代理者・副知事(小佐田昌計君) 木村前知事の教訓についてどうとらえ、その責任と再発防止はどうするかについてでございます。
本県の最高責任者である知事の逮捕は、県民の皆様や議員各位の信頼を大きく損ない、和歌山のイメージも大きく凋落させたものでございます。副知事として責任の重さを痛感し、心から深くおわびを申し上げます。
県政に対する一刻も早い信頼回復に向けて、私を含めた県職員全員が、県行政一つ一つについてコンプライアンスの精神で再確認し、風通しのよい組織づくりを目指すことはもちろんのこと、とりわけ事件の背景となった入札制度の改革につきましては、現行の制度を徹底検証し、より透明性、競争性の高い入札制度改革に取り組む必要があると考えております。
また、在職中の業務と関係の深い民間企業への再就職につきましては、県民の疑惑を招かないよう自粛を徹底するなど、だれの目から見てもガラス張りと呼べる和歌山県政の構築に向けて真正面から取り組む必要があると考えてございます。
次に、第三者を入れた調査委員会についてでございますが、これにつきましては、木村前知事が設置する意向を示しておりましたが、その後、木村前知事が辞職表明し、逮捕されるに至っておりまして、その立ち上げが困難な状況になっております。
今後、県民の信頼回復と事件の再発防止が必要と考えておりますので、新しい知事が決まり次第、その意向を確認した上で対応してまいりたいというふうに考えています。
○議長(向井嘉久藏君) 総務部長原 邦彰君。
〔原 邦彰君、登壇〕
○総務部長(原 邦彰君) 職員の懲戒処分と紀の国森づくり税に関するお尋ねがございました。
まず、懲戒処分についてでございますが、本県では昨年十月に全国的にも厳しい懲戒処分の基準を作成し、入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律第二条第五項に規定する入札談合等関与行為を行った職員がいれば、その職員については免職または停職とすると定めており、厳しく対処することとしております。
今回の談合事件につきましては、現在捜査中でございますので、その動向を見きわめながら、事実関係が明らかになれば、その時点で懲戒処分の基準に沿って適切に対処してまいりたいと考えております。
次に、紀の国森づくり税に関してのお尋ねでございます。
まず、議員御指摘の談合事件に対する県民の厳しい目についてですが、日々の賦課徴収活動等におきまして、県民の皆様からまことに厳しい御意見を伺っているところでございます。
次に、市町村の事務負担の増大についてですが、税源移譲や定率減税の廃止などの制度改正について、鋭意県と市町村が連携して周知・広報の取り組みを進めるところでありまして、県民の皆様に御理解いただけるよう一生懸命取り組んでおります。
こうした中、紀の国森づくり税につきましては、県民に対する周知・広報が特に大切でもありますので、「県民の友」での広報や県内各地で説明会を開催するなどの活動を行っております。今後も、テレビ、ホームページでの広報やパンフレットの作成・配布など、引き続き積極的な取り組みを行ってまいります。
市町村においては、御指摘のとおり、税源移譲や定率減税の廃止などの周知・広報、あるいは課税時の住民の皆様への対応など税務に係る事務負担が増大している状況を考慮し、十月十三日に開催した県下市町村税務担当課長会議において、特に紀の国森づくり税の趣旨や賦課徴収方法等について詳しい説明をするとともに、税がスムーズに賦課徴収できるよう、今後の御協力をお願いしたところでございます。
なお、同税の施行に伴い、市町村は税務電算システムの改修が必要となりますが、県はその経費につきまして補助を行うこととしております。
以上でございます。
○議長(向井嘉久藏君) 知事公室長野添 勝君。
〔野添 勝君、登壇〕
○知事公室長(野添 勝君) 議員御質問の秘書課での親睦会費の管理及び収支状況、使途についてでございますが、知事公室で事務局的な役割を担い、会費を管理していた知事を囲む親睦会として、二一会、翔樹会がございました。会費は、二つの会とも会員一名当たり月額三万円でありましたが、収支状況並びに使途につきましては、現在検察当局の捜査中でございまして、関係者の嫌疑にかかわることでもございますので、詳細を申し上げることは差し控えさせていただきます。
○議長(向井嘉久藏君) 県土整備部長宮地淳夫君。
〔宮地淳夫君、登壇〕
○県土整備部長(宮地淳夫君) 談合問題について、三点お尋ねがありました。
まず、IT総合センターの地盤沈下についてお答えをいたします。
IT総合センターの建築工事の入札についてでございますが、今後の捜査の進展を見ながら、具体的に談合等の事実が明らかになれば、法令等にのっとり厳正に対応を図ってまいりたいと考えております。
Big・Uの地盤沈下についてでございますが、建設に際し通常生じる地盤沈下を想定していたものの、結果としてスレーキングにより想定を超えた地盤沈下が発生し、四億三千万円の予算の補正をお願いする等大きな影響が生じましたことにつきましては、平成十五年九月議会本会議において当時の中山副知事より遺憾の意を申し述べましたとおり、重く受けとめているところでございます。
設計に当たりましては、高盛り土の土地であることを考慮し、通常より多い十カ所のボーリング調査や二カ所の平板載荷試験などを行っております。その調査報告では、設計荷重において最大三・四センチの不同沈下、圧密沈下を予想しており、直接基礎の場合、少なくとも連続布基礎構造での対応が必要であるとされておりました。この調査結果による地盤条件や建物の形態による荷重等から、くい基礎構造と連続布基礎構造の二案について安全性や経済性等の観点から比較検討し、連続布基礎構造を選定いたしました。これらの経緯から、このことについていずれかの責任を問うことはできないと判断したもので、現在も同様に考えております。
また、地盤沈下発生後の調査において、原因はスレーキングの発生と、そのことによる水浸沈下によるものであると報告されており、この判断については、当時、専門家として大阪大学工学部教授にも照会をし、妥当である旨の回答をいただいております。
なお、地盤沈下に長期間気づかず工事を進めたことにより、くい基礎を施工するのに支障となった基礎部分の対策工事費約一億二千万円につきましては、施工業者等がみずから負担しております。
次に、プロポーザル方式の採用についてお答えをいたします。
プロポーザル方式は、設計、調査等の業務を発注する際、例えば建築物等の設計において芸術性等が求められるものや高い機能を求めるものなど標準的な実施手法が定められていない業務について、設計者からアイデア等の技術提案を受け、最適な提案者を特定する方式であります。国土交通省の通知を参考として、平成十一年二月にプロポーザル方式に基づく建設コンサルタント等の特定手続を定め、調査、設計等の業務を発注する際、その内容が技術的に高度なもの、専門的な技術を要求されるもの、または標準的な実施手法が定められていない業務において採用することとしております。
これまでの採用件数は、建築設計業務で二件、道路網整備計画策定や河川浸水想定区域図作成業務等で十三件でございます。
プロポーザル採用の理由等については、設計者からアイデア等の技術提案を受け、より質の高い調査、設計が期待できることから、建築設計においては技術力、芸術性等が求められる業務に、道路網整備策定計画等においては標準的な実施手法が定められていない業務に採用しております。
選定委員については、プロポーザル方式に基づく建設コンサルタント等の特定手続において、職員から成る選定委員会を構成することとしておりますが、必要に応じ、外部の意見も求めることとしております。
設計業務の委託に当たっては、業務の特性に応じ、指名競争入札、プロポーザル方式等、適切な方式で実施してまいりますが、いずれの方式においても、より一層の客観性、透明性の確保に努めてまいります。
三点目として、白浜の温泉の温度に関する前知事の発言と公共事業の影響に関してお答えをいたします。
県の財政状況が厳しい中、県土整備部の予算につきましても減少の傾向にございますが、少ない予算の中で県民ニーズに対応した予算編成に努めているところでございます。配分は公平、公正かつ重点的に実施しておりますが、例えば近年、県単独投資事業の減少が大きかったため、単独事業のシェアの高い地域にあっては他の地域よりも減少幅が大きいというようなことはございますけれども、予算編成においては各事業ごとの評価を行い、優先順位をつけておりますので、意図的に一部の地域を下げるというようなことはないと認識をしております。
具体的に申しますと、西牟婁地区につきましては、前知事就任の平成十二年と平成十五年を比較しますと、シェアで二%程度減少しておりますが、事業の推移によって他の地域でも見られる範囲というふうに考えてございます。また、事業の箇所については、インターネットホームページ等で公開をしてございます。
以上でございます。
○議長(向井嘉久藏君) 企画部長高嶋洋子君。
〔高嶋洋子君、登壇〕
○企画部長(高嶋洋子君) IT総合センターに関する御質問の第一点と第二点、あわせてお答えをいたします。
まず、プロポーザル方式とは、複数の設計者から技術提案書の提出を受け、最も適切な技術力、創造力、経験などを持つ設計者を選ぶもので、質の高い建築設計が必要とされる際に多く用いられる方式でございます。また、選定後に発注者と共同作業で具体的な設計を行うことになるため、設計者のノウハウ、アイデアと発注者のニーズをよりマッチさせることで、より質の高い設計が可能になるものでございます。
当初予定されておりました和歌山県総合教育センター──仮称でございますが──につきましては、教職員の研修という単一の目的のための施設でありました。他方、IT総合センターにつきましては、教職員の研修施設だけではなく、図書館、そして地域のIT振興の拠点施設といった機能を複合した施設であり、また、特にIT振興の拠点施設として特殊な機能を有する施設でもあり、さらに、紀南地域の活性化と発展につなげるための象徴的な中核施設としての役割も期待していたところでございます。
したがって、IT総合センターにつきましては、単に経済性のみを追求するのではなく、ITに係る機能性、創造性、文化性といった観点から質の高い特殊な設計が必要でありまして、その結果、先ほど県土整備部長の答弁にもありましたけれども、県土整備部が策定いたしました「プロポーザル方式に基づく建設コンサルタント等の特定手続に関する通知」を参考にプロポーザル方式を採用することとし、委託費につきましても、総合教育センターの場合と比較して高いものとなってはおりますが、妥当なものであったと認識をしております。
以上でございます。
○議長(向井嘉久藏君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
二十八番原 日出夫君。
○原 日出夫君 答弁ありがとうございます。
再発防止のための取り組みの中で、談合情報の内部通報システムをつくる必要があるがという部分では、総括的に答弁はされたと思うんですが、具体的にどうしていくのかという答弁がありませんでした。そういう意味で、どうこれに対して対応するのかということについて、まずお尋ねしたいと思います。
次にプロポーザル方式、いわゆるIT総合センターBig・Uについてでありますが、私は毎週というぐらい行ってますけど、要するに、今言いました機能性、創造性、文化性によるプロポーザル方式のIT総合センターの適用と言ってますが、実際に建物そのものは、それほど機能性、創造性、文化性という建物では──一般的建物です。その三つの言葉は、あくまでも利用する上での、使っていく上での考え方でありまして、この建築設計をする上であえてプロポーザルを──今の機能性、創造性、文化性を加味するためにあえてプロポーザル方式を採用するようなものであったのかどうか僕は疑問で、今でも疑問に思っておりますし、そのような建物ではないと思っております。
ただ、中身の問題で、ITの設備とか端末とかいろいろありますけども、会議室があるだけですよ。図書館があるだけですよ。食堂があるだけですよ。端末だけの問題です。だから、そこに何が機能性、創造性、文化性をもってプロポーザルをしたのかという問題。
それからもう一つ、答弁の中に──そのために教育総合センターの床面積当たり一千三百十三円が、IT総合センターについては一万三百十円。これ、私、設計士の皆さんにも見てもらいましたよ、よくあそこで会議やりますから。しかし、これほど十倍もするような設計内容なんかという部分では失笑されましたよ。何でそれだけの──あの九千七百平米で一億円もの設計委託費でプロポーザル方式で競争入札もしないでやったかということについては、私は今の答弁では納得できないですね。
その点で、やっぱりいわばなぜ納得できないかというと、いわゆる談合事件があったからこそ余計に疑問を持ってきているわけですよ。だから、(「知事おるとき言うたらよかったのに」と呼ぶ者あり)──いえいえ、みんなに言うとかなんだら。みんな責任あるんやから。連帯責任がありますから。だから、県土整備部長も言いましたように、それはもう再質問はないですけども、要するにそのような疑わしき問題の中でこういう結果を見るとどうしても疑わしくなるという県民の考え方を、認識をやっぱりきちっと受けとめていかなきゃならんのではないかと、僕はそう思うから言ってるわけです。
それから、IT総合センターについても、くどくどと答弁を求めても、あなた方は答えられにくいと言うけども、実際の現場はあなた方がやってあるんですから、プロポーザル方式を採用し、選定委員をつくり、それからこういうふうにやったということについては、その責任の一端はあるんではないかと。全然ないという企画部長の答弁ですから、あえてここで論議をしても平行線をたどりますから。
私は、私と地元の関係する設計士との議論の中では、余りにも差があり過ぎると。十倍もの設計の差があることについても、いわばプロポーザル方式で随契をして、そしてまだIT総合センターに至っても、三年の期限は切れてますから法的にどうするという問題ではないにしても、中身的にそこが原点になりながら問題を起こしたということがもう一般的通説ですから、そこを見たときに疑問を感じるのは当然ではないかというふうに思うんで、したんです。もし今──この点についてはもういいですわ。もう平行線たどりますからいいですけども、私の最初の、その庁内でつくる問題について、副知事、いかがですか。
○議長(向井嘉久藏君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
知事職務代理者・副知事小佐田昌計君。
〔小佐田昌計君、登壇〕
○知事職務代理者・副知事(小佐田昌計君) 内部通報制度の問題につきましては、今後設置を検討していく調査委員会の中で種々検討してまいりたいというように考えております。
○議長(向井嘉久藏君) 答弁漏れはありませんか。──以上で、原日出夫君の質問が終了いたしました。