平成18年12月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(全文)


県議会の活動

平成十八年十二月 和歌山県議会定例会会議録 第二号
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議事日程 第二号
 平成十八年十二月六日(水曜日)午前十時開議
  第一 議案第百六十六号から議案第百七十六号まで、報第九号から報第十一号まで、並びに議員提出議案第五号(質疑)
  第二 一般質問
  第三 議案等の付託
会議に付した事件
   一 議案第百六十六号から議案第百七十六号まで、報第九号から報第十一号まで、並びに議員提出議案第五号(質疑)
   二 一般質問
   三 議案等の付託
   四 休会決定の件
出席議員(四十四人)
     一  番       須   川   倍   行
     二  番       尾   崎   太   郎
     三  番       新   島       雄
     四  番       山   下   直   也
     五  番       小   川       武
     六  番       吉   井   和   視
     七  番       門       三 佐 博
     八  番       町   田       亘
     九  番       藤   山   将   材
     十  番       浅   井   修 一 郎
     十一 番       山   田   正   彦
     十二 番       坂   本       登
     十三 番       向   井   嘉 久 藏
     十四 番       大   沢   広 太 郎
     十五 番       平   越   孝   哉
     十六 番       下   川   俊   樹
     十七 番       花   田   健   吉
     十八 番       前   岡   正   男
     十九 番       小   原       泰
     二十 番       前   芝   雅   嗣
     二十一番       飯   田   敬   文
     二十二番       谷       洋   一
     二十三番       井   出   益   弘
     二十五番       東       幸   司
     二十六番       藤   本   眞 利 子
     二十八番       原       日 出 夫
     二十九番       冨   安   民   浩
     三十 番       野 見 山       海
     三十一番       尾   崎   要   二
     三十二番       中   村   裕   一
     三十三番       浦   口   高   典
     三十四番       角   田   秀   樹
     三十五番       玉   置   公   良
     三十六番       江   上   柳   助
     三十七番       森       正   樹
     三十八番       長   坂   隆   司
     三十九番       阪   部   菊   雄
     四十 番       新   田   和   弘
     四十一番       松   坂   英   樹
     四十二番       雑   賀   光   夫
     四十三番       藤   井   健 太 郎
     四十四番       村   岡   キ ミ 子
     四十五番       松   本   貞   次
     四十六番       和   田   正   人
欠席議員(なし)
 〔備考〕
     二十四番欠員
     二十七番欠員
説明のため出席した者
     知事職務代理者・副知事
                小 佐 田   昌   計
     知事公室長      野   添       勝
     危機管理監      石   橋   秀   彦
     総務部長       原       邦   彰
     企画部長       高   嶋   洋   子
     環境生活部長     楠   本       隆
     福祉保健部長     小   濱   孝   夫
     商工労働部長     下           宏
     農林水産部長     西   岡   俊   雄
     県土整備部長     宮   地   淳   夫
     教育委員会委員長   樫   畑   直   尚
     教育長        小   関   洋   治
     公安委員会委員長   大   岡   淳   人
     警察本部長      辻       義   之
     人事委員会委員長   西   浦   昭   人
     代表監査委員     垣   平   高   男
     選挙管理委員会委員長 山   本   恒   男
職務のため出席した事務局職員
     事務局長       山   本   庄   作
     次長         植   野   博   文
     議事課長       下   出   喜 久 雄
     議事課副課長     薮   上   育   男
     議事班長       土   井   敏   弘
     議事課主査      石   垣   悦   二
     議事課主査      湯   葉       努
     総務課長       島       光   正
     調査課長       辻       和   良
 (速記担当者)
     議事課主査      中   尾   祐   一
     議事課主査      保   田   良   春
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  午前十時二分開議
○議長(向井嘉久藏君) これより本日の会議を開きます。
 日程第一、議案第百六十六号から議案第百七十六号まで、知事専決処分報告報第九号から報第十一号まで、並びに議員提出議案第五号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 二十九番冨安民浩君。
  〔冨安民浩君、登壇〕(拍手)
○冨安民浩君 県政は県民や県勢振興のために機能すべきであるというその存在目的を考えますとき、前代未聞、県政史上最悪の汚点とも言うべき、このたびの知事や出納長が──厳密に言えば前知事、前出納長でありますが──競売入札妨害容疑で逮捕や起訴に至り、本県のイメージ低下を招いたことは遺憾のきわみであります。
 県政に寄せる県民感情に思いをいたすとき、県執行部をチェックすべき任にある県議会に県民の負託を受けて身を置く者として少なからざる責任を感じ、県民の皆様方や県組織のそれぞれの部署でまじめに任務遂行に励む県職員の方々に対し、自由民主党県議団を代表して心から深くおわびを申し上げるものであります。
 私たち自由民主党県議団は、こうした事態に目を背けることなく、また、いたずらに批判に終始することなく真正面から対峙し、公共事業の性格、またその発注方法や入札制度のあるべき姿等を深く広く検討し、その制度整備や運用方法等の確立を急ぎ、こうした不祥事の再発防止に万全を期すべく、考え方を同じくする会派の議員諸公と連携をとりながら、総力を挙げ取り組む所存であります。何とぞ、県民皆様方の御理解のほどをお願い申し上げます。
 政治は最高の道徳である、信なくば立たず、信なければなせず、そうした考え方のもと、自由民主党県議団は全員一丸となって、一日も早くこうした事態の収拾を図り、県民皆様方の期待や信頼にこたえ得るクリーンで元気のある和歌山創造に向け、新しい、新しい県政樹立のため、目下、県内それぞれの地域で懸命に運動を展開中であります。県民皆様方の深い御理解と温かい御指導のほどを、冒頭、心からお願い申し上げます。
 それでは、通告順に従い、質問を始めます。
 さて、予算編成に向けての第四・四半期の十月、十一月、十二月の三カ月は、一番大事な時期でもあり、期間でもあります。この大事な時期に、先述のとおりの不祥事により県政が混乱を来し、また、最高責任者である県知事が不在という異常事態に至りました。多くの県民の皆様方は、県予算が及ぼす県民生活や県経済への影響大なりにかんがみ、来年度予算編成について通年どおりの予算編成ができるのかどうか、また財政厳しい折でもあり、その規模についても大変御心配をされております。来年度予算編成に向けての現状を、県民の不安を払拭する意味からも説明を求めるものであります。
 なお、十七日には、現在知事選挙が行われておりますが、県民の厳粛な審判により新県知事が誕生いたします。選挙期間中、県内の各地で県政への思い、県政の推進方を県民に強くお訴えをされております。新県知事誕生後、事業見直しや組織の改編を含め、新年度予算に新知事色を出せる編成が時期的に、また時間的に可能かどうか、お尋ねをいたします。
 以上二点について、総務部長に答弁を求めます。
 次に、治水対策についてお尋ねをいたします。
 近年の降雨状況は、那辺に起因するか定かではありませんが、多分、地球温暖化、そうした現象がもたらしておるんだと思いますが、集中的、局地的傾向を持ち、局地的に大きな被害を生み出しております。本年七月と九月の二度にわたり紀中地域では集中豪雨に見舞われ、その都度、二百世帯を超える家屋に床上・床下浸水等の大きな被害が生じました。その被災状況の現場を目の当たりにして、「水を治めるは国を治めるなり」と言われますが、地域住民の安全・安心に向けての治水対策の重要性を再認識させられました次第であります。
 近年、毎年県内の各地で集中豪雨による多くの浸水被害が頻発している状況を踏まえ、県民の生命、財産を守る上で治水安全度の向上を図り災害防止を図るという観点からも、河川整備は近々の大きな課題であります。特に、農地の宅地化傾向が進む地域においては遊水効果が薄れ、治水安全度が著しく低下し、浸水被害の可能性が増大しつつあり、現にそうした地域では被害が頻発、増大しつつあります。
 県内の各地で浸水被害対策として、財政厳しい中、河川改修整備に県当局におかれましては取り組まれているのは承知をいたしておりますが、頻発する被害状況にかんがみ、地域防災に向けての河川整備を中心とした治水対策の現状をどのように認識されているのか。また、その認識に基づき、今後の取り組み対策を県土整備部長にお尋ねを申し上げます。
 なお、この機会に、県当局の考え、取り組みに対し要望いたしたいと思いますが、平成十年、日高川流域町村の行政関係者が中心となって、旧中津村村長、現日高川町長の笹さんが会長として、日高川環境保全協議会が設立されました。今年さらにその会を拡大して、民間人も多数加わる中でこの会が増大いたしました。その会の目的、趣旨は、日高川流域の環境保全を図り、川の持てるポテンシャルを蘇生させようという取り組みであります。
 御承知のとおり、昭和二十八年、日高川流域は、未曾有の大降雨により大きな被害をこうむりました。そうした被害の再発を防止すべく椿山ダムが建設されました。その存在、建設により洪水から守るという効果の大なるはひとしく流域住民の認めるところでありますが、そのダムの建設により、一つ、大事な川の持てる恵み、ポテンシャルが失われようとしております。
 今、そうした川のポテンシャルを蘇生させようという付近住民の願いが、社会情勢の変化により大きく起きております。県におかれましては、巨額の財政投入を必要といたしますが、いっときの財政投入でこの川の持てるポテンシャルが蘇生されるということになれば、県当局としても放置せざる問題ではない。どうか前向きにお取り組みいただきますことを要望いたしまして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございます。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) ただいまの冨安民浩君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 総務部長原 邦彰君。
  〔原 邦彰君、登壇〕
○総務部長(原 邦彰君) 来年度の予算編成についてのお尋ねがございました。
 来年度予算につきましては、歳入面で県税収入や地方交付税といった一般財源の動向が不透明であり、一方、歳出面では、社会保障関係経費あるいは退職手当といった増嵩が見込まれ、本県を取り巻く財政環境は依然厳しいものがございます。
 このような状況の中、知事が不在でありますが、財政健全化の取り組みを着実に実施するとともに、限られた財源を県勢発展につながる施策に重点的かつ効率的に配分することを基本に、粛々と作業を進めているところでございます。
 新知事が決まり次第、事業見直しや組織改編を含め、早急に新知事の判断を仰ぎながら新年度予算の編成に取り組みまして、このたびの事態により県民の皆様に不安を与えることのないよう、また県民サービスの低下につながらないよう努めてまいりたいと考えております。
○議長(向井嘉久藏君) 県土整備部長宮地淳夫君。
  〔宮地淳夫君、登壇〕
○県土整備部長(宮地淳夫君) 治水対策についてお尋ねがありました。
 議員御指摘のとおり、近年、全国的にも局地的な集中豪雨による河川のはんらん、越水、浸水などの被害が頻発しており、河川の治水対策につきましては県民の安全・安心を支える根幹をなすものであると考えておりますが、まだ課題が多々残されていると認識をしております。
 今後の取り組み方針につきましては、治水対策は一連区間の整備により効果を発現するものであり、時間と費用を要することから、流域の開発状況、上下流の流下能力のバランスや河川環境に配慮しつつ進めてまいります。また、下流からの河川改修とあわせて、必要に応じ、上流の土砂災害を防止する観点から砂防施設の整備についても推進をしてまいります。
 また、一定のハード整備を進めながら、河川・雨量情報の提供や洪水予報、ハザードマップ等のソフト対策の充実を図っているところであり、財政状況の厳しい中ではございますが、今後ともソフト・ハード一体となった総合的な治水対策に鋭意努めてまいります。
○議長(向井嘉久藏君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(向井嘉久藏君) 以上で、冨安民浩君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 二十八番原 日出夫君。
  〔原 日出夫君、登壇〕(拍手)
○原 日出夫君 議長のお許しを得ましたので、質問に入らしていただきます。
 私は、テーマで「官製談合事件について」ということで、私も、最大自民党与党ではありませんが、少なくとも木村知事を支援したという、支持してきたという立場を基本に据えながら質問をしていきたいと思います。
 また、私自身も、知事のしがらみのない、また新しい発想や地域を主体としたいろんな考え方、積極的な姿勢については、私を初め県民の皆さんも期待をしていたというふうに思うんです。しかし、このような事件の中で、私と、私だけでなく支援してきた人たちへの裏切りと信頼を失い、木村前知事だけでなく、県行政への不信と政治への不信感を多くの県民は今持たれています。その責任は重大であります。私も、その責任を受けとめ、県議会議員として、県政が県民の立場に立った清潔で公正な県政であるために議会人としての役割を果たさなければならないと、今また考えているところであります。
 そこで、質問本題に入らせていただきます。
 一つは、木村前知事の官製を含む談合事件を県幹部はどうとらえ、これをどう教訓にしてきたのか。
 二つ目は、再発防止のための取り組みについてでありますが、一つは、入札制度を今後どうしていくのか、二つ目は、談合情報の内部通報システムをつくる必要があるが、どうしていくのか、三つ目は、県幹部の関係業界への再就職の実態と、それを制限する規則をつくる必要があると思いますが、どうしていくのか、四つ目は、知事の権力を独裁化しないための県幹部の集団指導体制と、風通しのよい、県組織と業者との関係を絶つシステムをどうつくっていくのかということについて、まず再発防止のための取り組みの四点について当局にお伺いしたい。
 それから、大きい三つ目ですが、議会との約束であるこの事件の真相究明のために第三者を入れた調査機関の設定は、どんな組織で、いつから何をテーマに調査するのか、お尋ねしたい。
 四つ目に、知事だけでなくて、官製談合にかかわった職員への懲戒規定はどうなっているのか、今後どうそれに対して対応していくのか、お尋ねしたいというふうに思います。
 次に五つ目は、秘書課で管理していたという裏金について、これは事実なんですか。事実であれば、どこから入り、どのように使われたのでしょうか。裏金と言われる金の管理はどこでしていたのでしょうか。していた職員の責任はどう対応していくのでしょうか。これについてお尋ねいたします。
 次に、官製談合とIT総合センターBig・Uについてお尋ねいたします。
 IT総合センター設計及び建設と地盤沈下についてでありますが、私は、IT総合センターBig・Uについて十五年九月議会で、地盤沈下に伴う追加予算四億三千万円にかかわるその責任は県民にあるのでなく設計者である業者にあることを指摘し、追加予算に反対した立場から、再び私は、IT総合センターが官製談合、つまり木村前知事とゴルフ場経営者前社長・井山容疑者のかかわった原点と言われていることから、私も原点に戻って、IT総合センターの経過を踏まえて、その不可解さを提起し、IT総合センターが県と業者のなれ合いのツケを県民負担にしたことの問題点を質問したいと思います。
 当初、教育総合センターとして計画され、設計委託は二十社余りの指名競争入札となり、相和技術研究所が落札。ところが、木村前知事が平成十二年九月に就任後、IT総合センターに変更し、平成十二年十二月十九日に、教育総合センターを落札した設計業者を解除し、三百十五万円の損失金を県は支払っております。解除した後、わざわざプロポーザル方式を採用して、これまで受注実績のない昭和設計を選定した。建設工事の落札は、東急主体のJVで二十億一千万円、落札率九七・二%でありました。
 そこで質問したいと思いますが、第一点は、IT総合センターにプロポーザル方式を採用したのはなぜですか。
 二つ目は、教育総合センターの設計委託──指名競争入札ですけども──床面積八千平方メートル、設計委託費が千五十万円、IT総合センターは床面積九千七百平米、委託費が一億円となっております。一千七百平米の差であるんですが、いわゆる十倍の、一千五十万円から委託費が一億円になった。私、計算しまして、床面積当たりの委託費は、教育総合センターは千三百十三円、IT総合センターは一万三百十円と十倍の差があるが、これは本当に妥当だったのでしょうか。そのことをお尋ねしたいと思います。
 第三点は、東急主体のJVの工事の落札率は九七・二%、しかも井山容疑者は、東急建設から工事落札額の二十億一千万円の一%、二千万円を受け取ったとされています。これをどう認識されているのか。官製談合であったのかとの疑問を抱くのですが、どうでしょうか。
 このような経過から、IT総合センターの地盤沈下に伴う県当局の対応は、いま一度私からただし、県当局の見解をお聞きしたいというふうに思うんです。
 結論から言えば、地盤沈下の原因の裏づけは業者擁護のためにする理由づけではなかったのかというのが、私ではなく、県民の疑問であります。不信であります。県の四億三千万円の支出は、この事業の経過から見て県民が納得できるものでないことを、改めて私から苦言を申し上げたいと思います。
 十五年九月議会での私と玉置議員の見解は、地盤沈下は予測できたという結論であります。スレーキングという面もありますが、スレーキング以前に、教育総合センターで、もう既に地盤沈下のおそれを、いわゆるIT総合センター地質調査票に基づいてそれを示していたわけです。だからこそ、地盤沈下のところに建物を建てなかった。建つとしたらくい打ちをしなければならない、くいを打てば建設費が高くなるからやめたと、こういうことになっております。ところが、それでなくて、そのことがわかっていながらあえてそういうことをしなかった、予測できなかったということは、先ほど言いました業者擁護のため以外の何物でもなかったのではないかというのが一般的な疑問であります。
 そこで、お尋ねします。
 県の見解であるスレーキングの理由づけと、その理由づけする以前、地盤沈下を予測できなかったでなく、地盤沈下があるという前提の造成地であったことを隠して理由づけしているのではないか。私にとっては納得できないし、許せない問題だとしてとらえております。それは、土木技術者の一般的、初歩的見解として言われている、この地形と三十メートルに及ぶ盛り土の実情から見れば、スレーキングではなくて圧密現象としてとらえ、それによる地盤沈下は当然起こり得ることを前提にくい基礎をすることは当然であるというふうに、一般的技術者としての初歩的な技術の展開であります。
 だから、むしろ圧密現象──つまり圧密現象というのは、盛り土の中に含んでいた水が押さえられて沈没していくと。水と土で支えてたものが、結局上から押さえられていくたびに水が圧縮され、スポンジのようにぎゅっと絞められて地盤沈下していくというのは土木技術の基本であると。そのことを地質調査の結果わかっているのにあえて連続布基礎工事をやったのは、業者の安上がりの設計としか考えられない初歩的ミスであると指摘しています。少なくとも設計業者、工事関係者の責任が問われるのではないか。このことについて、改めて当局の見解をお聞きしたいと思います。
 次に、プロポーザル方式の採用の問題点についてでありますが、私は、IT総合センターも先ほど質問さしていただきましたが、私の認識では、プロポーザル方式は特殊な特別な設計に限定され、最も適切な技術力、創造力、経験などを持つ設計者を選ぶ方式と聞いております。ところが、今回は何でもありで、つまり行政と業者の癒着のために使われている嫌いが、県だけではなく、地方自治体でも、このプロポーザル方式の採用によって幾つかの疑問も起こっております。
 そこで、県当局にお尋ねします。
 第一は、プロポーザル方式を採用する場合の基準は何か。第二は、今まで県ではプロポーザル方式をどんな事業に何件採用したのか。三つ目は、その採用した事業は、プロポーザル方式を採用した理由とその特殊性はどこにあったのか。四つ目は、プロポーザル方式の選考委員の選定はどんな基準で選ぶのか。今まで、それはそれでよかったのか。五つ目は、プロポーザル方式は誤解を招く大きな要素がある。公共事業の設計者の今後の選定方法をどう考えていくのか。五つの点をお伺いしたいと思います。
 次に、大きい三つ目ですけど、「白浜の温泉は冷たかった」──これは僕が言ったわけじゃないんで誤解しないでください──に見られる木村前知事の発言と紀南地方の公共事業、とりわけ土木関連事業に影響はなかったのかという点であります。
 私は、議会一般質問においても木村前知事に、選挙結果から見て紀南の得票が少なかったことと関係して、この点について触れたことがありました。そのときは少し機嫌悪く、横を向かれたことを記憶しています。今回の捜査から出た前知事のそのことを意味するメモやノートに記載されている中身を見て――私ではないです。今いろんな活動をしてますから、その中で、いろんな人たちの声は、紀南の人たちは「やっぱりか」「いじめか」「だから事業費が大きく減ったんかなあ」とか、いろいろと今取りざたされています。
 そこで、お尋ねします。
 そういったことは現実にしていたのか、あったのか。また土木費の減少は、時間がありませんので例は挙げませんが、事実上全体として三分の一近く減っているという事実はあります。それに関係があるのか、そうでないなら何が要因か、そういうことについて、実際にそういうところの地域に対して現状の説明責任をどう果たされているのかについてお尋ねします。
 最後に、紀の国森づくり税を一年延長し、再考することは県民の声である。問題点については、会派代表、玉置議員から今議会で提案説明のとおりでありますが、一つは、県民は、いつ、どんな形で、だれの意見をまとめて決めたのか全く知らない。私ももうずっと歩いてますけど、いわゆる紀の国森づくり税についてはほとんど知りません。「一体どこで決めたんよ」「だれがしたん」「どんなことすんのよ」ということについては何にも知りません。これについての説明責任なしにやっていけるのだろうか。
 二つ目は、税の使途は、税を決める前に広く県民に聞いてつくり上げるのが常識ではないのか。決定してから、各地域でどう使ったらいいか意見を聞かせてくださいという、そういう民主主義の原点から外れている、このこともあります。しかも、今、後でも述べますが、税の負担が非常に重くなってきた。そういう中で、「今、超過税を課す場合か」「県議会や当局は今の状況を本当に十分把握しているのでしょうか」の声が多く、来年四月から実施は、官製談合による県民への損失三十数億円を含め、県税に対する不満が非常に募っております。
 そこで、お尋ねします。
 今、定率減税廃止を初め、老年者控除の廃止、公的年金控除の減少、住民税の増加で、負担が非常に多くなっています。とりわけ高齢者の負担が大変なものですし、それに伴う介護保険料の値上がりや国民健康保険の大幅増加という現実を県当局はどう踏まえているのでしょうか。それと、今このときに超過税を求めることがいかがなものなんでしょうか。県当局としての主体的な立場での見解をお聞きしたいと思います。
 また、定率減税並びに税源移譲に伴う市町村の税の徴収事務が今急がれ、非常な多忙をきわめております。加えて、森づくり税の事務処理を覆いかぶせることはいかがなもんでしょうか。このことについて当局の見解をお聞きしたいと思います。
 以上で、第一回の質問を終わらせていただきます。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) ただいまの原日出夫君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事職務代理者・副知事小佐田昌計君。
  〔小佐田昌計君、登壇〕
○知事職務代理者・副知事(小佐田昌計君) 木村前知事の教訓についてどうとらえ、その責任と再発防止はどうするかについてでございます。
 本県の最高責任者である知事の逮捕は、県民の皆様や議員各位の信頼を大きく損ない、和歌山のイメージも大きく凋落させたものでございます。副知事として責任の重さを痛感し、心から深くおわびを申し上げます。
 県政に対する一刻も早い信頼回復に向けて、私を含めた県職員全員が、県行政一つ一つについてコンプライアンスの精神で再確認し、風通しのよい組織づくりを目指すことはもちろんのこと、とりわけ事件の背景となった入札制度の改革につきましては、現行の制度を徹底検証し、より透明性、競争性の高い入札制度改革に取り組む必要があると考えております。
 また、在職中の業務と関係の深い民間企業への再就職につきましては、県民の疑惑を招かないよう自粛を徹底するなど、だれの目から見てもガラス張りと呼べる和歌山県政の構築に向けて真正面から取り組む必要があると考えてございます。
 次に、第三者を入れた調査委員会についてでございますが、これにつきましては、木村前知事が設置する意向を示しておりましたが、その後、木村前知事が辞職表明し、逮捕されるに至っておりまして、その立ち上げが困難な状況になっております。
 今後、県民の信頼回復と事件の再発防止が必要と考えておりますので、新しい知事が決まり次第、その意向を確認した上で対応してまいりたいというふうに考えています。
○議長(向井嘉久藏君) 総務部長原 邦彰君。
  〔原 邦彰君、登壇〕
○総務部長(原 邦彰君) 職員の懲戒処分と紀の国森づくり税に関するお尋ねがございました。
 まず、懲戒処分についてでございますが、本県では昨年十月に全国的にも厳しい懲戒処分の基準を作成し、入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律第二条第五項に規定する入札談合等関与行為を行った職員がいれば、その職員については免職または停職とすると定めており、厳しく対処することとしております。
 今回の談合事件につきましては、現在捜査中でございますので、その動向を見きわめながら、事実関係が明らかになれば、その時点で懲戒処分の基準に沿って適切に対処してまいりたいと考えております。
 次に、紀の国森づくり税に関してのお尋ねでございます。
 まず、議員御指摘の談合事件に対する県民の厳しい目についてですが、日々の賦課徴収活動等におきまして、県民の皆様からまことに厳しい御意見を伺っているところでございます。
 次に、市町村の事務負担の増大についてですが、税源移譲や定率減税の廃止などの制度改正について、鋭意県と市町村が連携して周知・広報の取り組みを進めるところでありまして、県民の皆様に御理解いただけるよう一生懸命取り組んでおります。
 こうした中、紀の国森づくり税につきましては、県民に対する周知・広報が特に大切でもありますので、「県民の友」での広報や県内各地で説明会を開催するなどの活動を行っております。今後も、テレビ、ホームページでの広報やパンフレットの作成・配布など、引き続き積極的な取り組みを行ってまいります。
 市町村においては、御指摘のとおり、税源移譲や定率減税の廃止などの周知・広報、あるいは課税時の住民の皆様への対応など税務に係る事務負担が増大している状況を考慮し、十月十三日に開催した県下市町村税務担当課長会議において、特に紀の国森づくり税の趣旨や賦課徴収方法等について詳しい説明をするとともに、税がスムーズに賦課徴収できるよう、今後の御協力をお願いしたところでございます。
 なお、同税の施行に伴い、市町村は税務電算システムの改修が必要となりますが、県はその経費につきまして補助を行うこととしております。
 以上でございます。
○議長(向井嘉久藏君) 知事公室長野添 勝君。
  〔野添 勝君、登壇〕
○知事公室長(野添 勝君) 議員御質問の秘書課での親睦会費の管理及び収支状況、使途についてでございますが、知事公室で事務局的な役割を担い、会費を管理していた知事を囲む親睦会として、二一会、翔樹会がございました。会費は、二つの会とも会員一名当たり月額三万円でありましたが、収支状況並びに使途につきましては、現在検察当局の捜査中でございまして、関係者の嫌疑にかかわることでもございますので、詳細を申し上げることは差し控えさせていただきます。
○議長(向井嘉久藏君) 県土整備部長宮地淳夫君。
  〔宮地淳夫君、登壇〕
○県土整備部長(宮地淳夫君) 談合問題について、三点お尋ねがありました。
 まず、IT総合センターの地盤沈下についてお答えをいたします。
 IT総合センターの建築工事の入札についてでございますが、今後の捜査の進展を見ながら、具体的に談合等の事実が明らかになれば、法令等にのっとり厳正に対応を図ってまいりたいと考えております。
 Big・Uの地盤沈下についてでございますが、建設に際し通常生じる地盤沈下を想定していたものの、結果としてスレーキングにより想定を超えた地盤沈下が発生し、四億三千万円の予算の補正をお願いする等大きな影響が生じましたことにつきましては、平成十五年九月議会本会議において当時の中山副知事より遺憾の意を申し述べましたとおり、重く受けとめているところでございます。
 設計に当たりましては、高盛り土の土地であることを考慮し、通常より多い十カ所のボーリング調査や二カ所の平板載荷試験などを行っております。その調査報告では、設計荷重において最大三・四センチの不同沈下、圧密沈下を予想しており、直接基礎の場合、少なくとも連続布基礎構造での対応が必要であるとされておりました。この調査結果による地盤条件や建物の形態による荷重等から、くい基礎構造と連続布基礎構造の二案について安全性や経済性等の観点から比較検討し、連続布基礎構造を選定いたしました。これらの経緯から、このことについていずれかの責任を問うことはできないと判断したもので、現在も同様に考えております。
 また、地盤沈下発生後の調査において、原因はスレーキングの発生と、そのことによる水浸沈下によるものであると報告されており、この判断については、当時、専門家として大阪大学工学部教授にも照会をし、妥当である旨の回答をいただいております。
 なお、地盤沈下に長期間気づかず工事を進めたことにより、くい基礎を施工するのに支障となった基礎部分の対策工事費約一億二千万円につきましては、施工業者等がみずから負担しております。
 次に、プロポーザル方式の採用についてお答えをいたします。
 プロポーザル方式は、設計、調査等の業務を発注する際、例えば建築物等の設計において芸術性等が求められるものや高い機能を求めるものなど標準的な実施手法が定められていない業務について、設計者からアイデア等の技術提案を受け、最適な提案者を特定する方式であります。国土交通省の通知を参考として、平成十一年二月にプロポーザル方式に基づく建設コンサルタント等の特定手続を定め、調査、設計等の業務を発注する際、その内容が技術的に高度なもの、専門的な技術を要求されるもの、または標準的な実施手法が定められていない業務において採用することとしております。
 これまでの採用件数は、建築設計業務で二件、道路網整備計画策定や河川浸水想定区域図作成業務等で十三件でございます。
 プロポーザル採用の理由等については、設計者からアイデア等の技術提案を受け、より質の高い調査、設計が期待できることから、建築設計においては技術力、芸術性等が求められる業務に、道路網整備策定計画等においては標準的な実施手法が定められていない業務に採用しております。
 選定委員については、プロポーザル方式に基づく建設コンサルタント等の特定手続において、職員から成る選定委員会を構成することとしておりますが、必要に応じ、外部の意見も求めることとしております。
 設計業務の委託に当たっては、業務の特性に応じ、指名競争入札、プロポーザル方式等、適切な方式で実施してまいりますが、いずれの方式においても、より一層の客観性、透明性の確保に努めてまいります。
 三点目として、白浜の温泉の温度に関する前知事の発言と公共事業の影響に関してお答えをいたします。
 県の財政状況が厳しい中、県土整備部の予算につきましても減少の傾向にございますが、少ない予算の中で県民ニーズに対応した予算編成に努めているところでございます。配分は公平、公正かつ重点的に実施しておりますが、例えば近年、県単独投資事業の減少が大きかったため、単独事業のシェアの高い地域にあっては他の地域よりも減少幅が大きいというようなことはございますけれども、予算編成においては各事業ごとの評価を行い、優先順位をつけておりますので、意図的に一部の地域を下げるというようなことはないと認識をしております。
 具体的に申しますと、西牟婁地区につきましては、前知事就任の平成十二年と平成十五年を比較しますと、シェアで二%程度減少しておりますが、事業の推移によって他の地域でも見られる範囲というふうに考えてございます。また、事業の箇所については、インターネットホームページ等で公開をしてございます。
 以上でございます。
○議長(向井嘉久藏君) 企画部長高嶋洋子君。
  〔高嶋洋子君、登壇〕
○企画部長(高嶋洋子君) IT総合センターに関する御質問の第一点と第二点、あわせてお答えをいたします。
 まず、プロポーザル方式とは、複数の設計者から技術提案書の提出を受け、最も適切な技術力、創造力、経験などを持つ設計者を選ぶもので、質の高い建築設計が必要とされる際に多く用いられる方式でございます。また、選定後に発注者と共同作業で具体的な設計を行うことになるため、設計者のノウハウ、アイデアと発注者のニーズをよりマッチさせることで、より質の高い設計が可能になるものでございます。
 当初予定されておりました和歌山県総合教育センター──仮称でございますが──につきましては、教職員の研修という単一の目的のための施設でありました。他方、IT総合センターにつきましては、教職員の研修施設だけではなく、図書館、そして地域のIT振興の拠点施設といった機能を複合した施設であり、また、特にIT振興の拠点施設として特殊な機能を有する施設でもあり、さらに、紀南地域の活性化と発展につなげるための象徴的な中核施設としての役割も期待していたところでございます。
 したがって、IT総合センターにつきましては、単に経済性のみを追求するのではなく、ITに係る機能性、創造性、文化性といった観点から質の高い特殊な設計が必要でありまして、その結果、先ほど県土整備部長の答弁にもありましたけれども、県土整備部が策定いたしました「プロポーザル方式に基づく建設コンサルタント等の特定手続に関する通知」を参考にプロポーザル方式を採用することとし、委託費につきましても、総合教育センターの場合と比較して高いものとなってはおりますが、妥当なものであったと認識をしております。
 以上でございます。
○議長(向井嘉久藏君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 二十八番原 日出夫君。
○原 日出夫君 答弁ありがとうございます。
 再発防止のための取り組みの中で、談合情報の内部通報システムをつくる必要があるがという部分では、総括的に答弁はされたと思うんですが、具体的にどうしていくのかという答弁がありませんでした。そういう意味で、どうこれに対して対応するのかということについて、まずお尋ねしたいと思います。
 次にプロポーザル方式、いわゆるIT総合センターBig・Uについてでありますが、私は毎週というぐらい行ってますけど、要するに、今言いました機能性、創造性、文化性によるプロポーザル方式のIT総合センターの適用と言ってますが、実際に建物そのものは、それほど機能性、創造性、文化性という建物では──一般的建物です。その三つの言葉は、あくまでも利用する上での、使っていく上での考え方でありまして、この建築設計をする上であえてプロポーザルを──今の機能性、創造性、文化性を加味するためにあえてプロポーザル方式を採用するようなものであったのかどうか僕は疑問で、今でも疑問に思っておりますし、そのような建物ではないと思っております。
 ただ、中身の問題で、ITの設備とか端末とかいろいろありますけども、会議室があるだけですよ。図書館があるだけですよ。食堂があるだけですよ。端末だけの問題です。だから、そこに何が機能性、創造性、文化性をもってプロポーザルをしたのかという問題。
 それからもう一つ、答弁の中に──そのために教育総合センターの床面積当たり一千三百十三円が、IT総合センターについては一万三百十円。これ、私、設計士の皆さんにも見てもらいましたよ、よくあそこで会議やりますから。しかし、これほど十倍もするような設計内容なんかという部分では失笑されましたよ。何でそれだけの──あの九千七百平米で一億円もの設計委託費でプロポーザル方式で競争入札もしないでやったかということについては、私は今の答弁では納得できないですね。
 その点で、やっぱりいわばなぜ納得できないかというと、いわゆる談合事件があったからこそ余計に疑問を持ってきているわけですよ。だから、(「知事おるとき言うたらよかったのに」と呼ぶ者あり)──いえいえ、みんなに言うとかなんだら。みんな責任あるんやから。連帯責任がありますから。だから、県土整備部長も言いましたように、それはもう再質問はないですけども、要するにそのような疑わしき問題の中でこういう結果を見るとどうしても疑わしくなるという県民の考え方を、認識をやっぱりきちっと受けとめていかなきゃならんのではないかと、僕はそう思うから言ってるわけです。
 それから、IT総合センターについても、くどくどと答弁を求めても、あなた方は答えられにくいと言うけども、実際の現場はあなた方がやってあるんですから、プロポーザル方式を採用し、選定委員をつくり、それからこういうふうにやったということについては、その責任の一端はあるんではないかと。全然ないという企画部長の答弁ですから、あえてここで論議をしても平行線をたどりますから。
 私は、私と地元の関係する設計士との議論の中では、余りにも差があり過ぎると。十倍もの設計の差があることについても、いわばプロポーザル方式で随契をして、そしてまだIT総合センターに至っても、三年の期限は切れてますから法的にどうするという問題ではないにしても、中身的にそこが原点になりながら問題を起こしたということがもう一般的通説ですから、そこを見たときに疑問を感じるのは当然ではないかというふうに思うんで、したんです。もし今──この点についてはもういいですわ。もう平行線たどりますからいいですけども、私の最初の、その庁内でつくる問題について、副知事、いかがですか。
○議長(向井嘉久藏君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事職務代理者・副知事小佐田昌計君。
  〔小佐田昌計君、登壇〕
○知事職務代理者・副知事(小佐田昌計君) 内部通報制度の問題につきましては、今後設置を検討していく調査委員会の中で種々検討してまいりたいというように考えております。
○議長(向井嘉久藏君) 答弁漏れはありませんか。──以上で、原日出夫君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 四十四番村岡キミ子君。
  〔村岡キミ子君、登壇〕(拍手)
○村岡キミ子君 おはようございます。
 議長のお許しをいただきましたので、早速質問に入らせていただきます。出納長と知事のいない質問というのは、政策的な問題を論議する場から考えても大変残念に思っています。
 では、早速、日本共産党県議団を代表いたしまして一般質問を行ってまいりたいと思います。
 申し上げるまでもなく、木村良樹前知事が談合疑惑で逮捕され辞職したことから今回の知事選挙となり、現在、その選挙の真っ最中であります。きょうの新聞報道では、収賄容疑で前知事が再逮捕という記事もあるところです。
 今、県民の県政を見る目は大変厳しいものがあります。出納長、県知事と三役のうち二人までもが逮捕されるという事態は、和歌山県政史上始まって以来のものでもあります。それだけに、県民の税金を使った公共事業で県の最高幹部が談合容疑で逮捕され、県政の停滞、混乱を招いていることを県民に深く謝罪すべきであります。
 ところが、最近配られました「県民の友」を見ますと、知事選挙を行われることは告知しております。十二月号ですが、なぜ知事選挙を行われることになったのかという選挙の原因も書かれていないところです。九月二十日に大阪地検が県庁に家宅捜索に入り、十月には水谷聡明出納長が逮捕されたことも、木村前知事が十一月二日に辞意を表明したことも、一切書かれておりません。また、さかのぼって「県民の友」十一月号も、県庁の家宅捜索があったことなど、談合事件に関することは何一つ書かれていません。
 そこで、公室長にお尋ねをいたします。
 談合事件に対する県民の怒りをどのように認識されておるのですか。県民の税金が談合という不法行為によって横取りされていた疑いが濃いことになったこのことについて、また県政が前代未聞の混乱状態にあることを、県行政として謝罪するのが当然だと思うところです。県内の全世帯に配布される「県民の友」で、少なくとも十二月号では県民に対する謝罪の言葉があっても当然だと私は考えるのですが、公室長の答弁を求めます。
 次に、談合事件の全容解明にかかわって質問をするところです。
 十月十六日の議員全員協議会において木村前知事は、外部の有識者、専門家を含めた調査委員会を設置する考えを表明し、その人選が進行していることも伝えられていました。それから半月後の十一月二日に辞意を表明され、十五日夜の逮捕に至りましたが、談合事件の全容解明は全県民的な課題であります。前の知事が逮捕、辞職したからといって絶対にないがしろにすべきことではありません。
 職務代理者である副知事にお聞きをいたします。
 調査委員会設置の進捗状況とともに、一刻も早く調査委員会の作業を開始することが必要だと考えますが、いかがですか。また、副知事自身の談合事件に対する認識もあわせてお示しください。
 談合問題の最後に、事件で明らかになった前知事の親睦会についてお尋ねをいたします。
 報道などによりますと、前知事の親睦会的組織は三つあったということです。一つは翔樹会という建設業者らも入った組織、また二一会という木村知事の就任以前から存在していた組織で、いずれも月の会費が三万円程度で、六年間で約五千万円の会費が集められたようであります。もう一つは若手の経営者が中心となった青樹会という組織があったようですが、これらの親睦会について公室長にお尋ねをいたします。
 まず、二一会と名づけられた会は、いつ発足し、これまでどのような活動をしてきたのでしょうか。きのうの「朝日新聞」によりますと十二人ということですが、会員は一体何人なのでしょうか。また、集められた会費がどのような使われ方をしたのかも重大な問題です。報告を求めます。
 前知事が個人的な使い方をしたのであれば、前知事の収入として課税の対象にもなってくるでしょうし、秘書課を私物化していたことになります。知事としての政治活動に使われていたとしたら、政治資金規正法上の問題も出てきます。
 報道によりますと、二一会の運営については、秘書課に事務担当者が置かれていて、大阪地検が秘書課を捜索したときに課の棚から百万円単位の現金が押収されたとのことでありますが、事実、現金は幾らあったのでしょうか、お答えいただきたい。
 翔樹会についてであります。いつ発足し、事務局はどこが担当していたのでしょうか。十一人という報道があります。会員は何人なのでしょうか。どのような活動をこれまで行ってきたのでしょうか。また、二一会と同じように、会費として集まったお金はどのような使われ方をして、幾ら残されていたのでしょうか。また、親睦会行事以外に使われたお金はどのように使われたのでしょうか。お答えいただきたいと思います。
 知事の職務代理者である副知事は、親睦会費のこうした問題についてどのような認識を持たれていたのか、また事件が発覚して認識に変化があったのか、お答えを願います。
 また、木村前知事が就任した二〇〇〇年九月以降の県の公安委員会や教育委員、監査委員、収用委員など行政委員会委員の民間人で、これらの三つの親睦会に所属した会員は何人いらっしゃいますか。公室長からお答えください。仮にも公安委員会などの公職に知事の親睦会会員が入るということがあっては、県政の私物化以外の何物でもありません。このことを強く指摘したいと思います。
 次に、紀の国森づくり税についてお尋ねをいたします。
 これまで日本共産党県議団は、今議会に紀の国森づくり税条例の一部改正する条例案を五会派十六名の議員と御一緒に共同提案をいたしております。私どもは、これまでも、和歌山県の森林の荒廃と森林の公益的機能に注目した施策の強化を求めると同時に、森林荒廃の主たる原因は無理に人工林をふやしながら外材輸入を野放しにした国の林業政策にあるとして、森林整備と自然環境の再生のために国の責任による財源措置を求めてまいりました。一方で、地方独自の税財源を否定するものではありませんが、その場合は県民の中での十分な議論と理解、納得が必要だという点を指摘し、使途も示さず県民の理解も納得もない森づくり税導入強行は拙速だと批判をしてまいりました。
 去る十一月二十九日に、紀の国森づくり税の使途について、紀の国森づくり基金活用検討会の検討結果が提出されました。森づくり税の使途については、県が実施している森林・林業施策の不足分を補完するものではなく、公益性、透明性の確保と効果の検証ができるものであるべきだとしております。その上で、シンポジウムや森林体験などの「森とあそぶ・まなぶ」事業に二〇%、荒廃森林の整備など「森をつくる・まもる」ハード事業に六〇%、木製品活用など「森をいかす」事業に一〇%、県民からの事業提起型の事業に一〇%という枠組みが提案されているところです。全国的な例を見ても、ソフト事業に重きを置くべきかハード事業に重きを置くべきなのかというような議論も森林の状況や県民の意識によって大きく違っていますが、和歌山県民挙げての議論がされたとは到底言えない状況だと思います。
 この間、検討委員会答申案に対するパブリックコメントがとられ、県民向けの二巡目の説明会が七カ所で開かれたところです。一巡目の参加者も九カ所で合計二百二十八人であり、一会場平均二十五名と大変少なかったわけですが、今回も東牟婁会場で三十三名、西牟婁会場で五十名、日高会場で二十四名、有田会場では十八名、那賀会場で二十七名、和歌山市会場でわずかに二十二名、伊都会場で十八名という状況でした。全体でも四百二十人の参加しかなく、しかも参加者の大部分は行政関係者ということであり、この説明会をもって県民に説明責任を果たしたとは到底言えるものではありません。
 また、和歌山市議会からは、この条例を各市町村との協議、検討もしないままに施行することは県民不在、市民不在の暴挙であり、紀の国森づくり税条例、紀の国森づくり基金条例の廃止を求める決議も可決されています。御坊市議会も同様の決議を上げているところです。そして本日、和歌山市長からじきじきに、この森づくり税そのものについて、目的、使途が明確でないことを、そして市民にも十分な説明がなされるようというような申し入れもされているところであります。
 そこで、総務部長に二点お尋ねをいたします。
 まず第一点目に、これまで県は「県民の理解と納得を得て実施していきたい」と答弁をしてこられました。私たち日本共産党県議団は、和歌山市議会議員団と共同で和歌山市内で県政・市政アンケートを行いました。その回答が九百十六通ありました。紀の国森づくり税について、「よく知っている」と答えた方はわずかに一二%でした。「名前だけ知っている」という人が三六%。これに対し、「知らない」と答えた方が五二%に上っています。そして、四月からの新税徴収について、「反対である」と答えた方が六〇%、「賛成」はわずかに六%、「凍結すべき」が一一%、「わからない」が二〇%という状況でありました。また、有田地方で行ったアンケート調査でも、全体の回答数四百八名の中で、「県民の理解と協力を得るための努力が不足している」というのが四四%、「事業計画もない中で拙速」というのが三九%で、批判的な声が八割以上を占めていたということを申し添えておきたいと思います。
 このことからも、紀の国森づくり税は、現段階において広範な県民の理解も納得も得られていない現状であると考えます。県は、この税導入についての県民合意をどう考えているのか、お答えをいただきたいと思います。また、説明会に参加した人の中で行政関係者がどれぐらいを占めていたのかもお示しください。
 二点目に、このような状況の中で実施を強行すれば、県民の県政と県民税に対する信頼関係を損なうことになりかねません。加えて、今回の談合事件での税金横取りに対する県民の怒りが加わっている中で、県民の理解も納得も得ずに新税を押しつけることは看過することはできません。
 以上の点から、紀の国森づくり税の来年四月実施は拙速であり、税導入は見送るべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、お答え願いたいと思います。
 第一回の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) ただいまの村岡キミ子君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事職務代理者・副知事小佐田昌計君。
  〔小佐田昌計君、登壇〕
○知事職務代理者・副知事(小佐田昌計君) まず、調査委員会の進捗でございますけれども、先ほど原議員にもお答えをいたしましたように、木村前知事が設置する意向を示しておりましたが、その後、木村前知事が辞職表明、逮捕されるに至っておりまして、その立ち上げが非常に困難な状況になっております。今後、県民の信頼回復と事件の再発防止が必要と考えておりますので、新しい知事が決まり次第、その意向を確認した上で対応してまいりたいというように思います。
 次に、事件に対する認識でございます。
 県発注工事をめぐる談合事件に関し、出納長の逮捕及び起訴に続き、先月十五日には知事が逮捕されるという県政史上未曾有の不祥事に至りましたことは、県民の皆様並びに県議会議員各位の信頼を大きく損なうものでございます。副知事として責任の重さを痛感し、心から深くおわびを申し上げます。
 先日の開会の日にも申し述べましたように、失われた県政への信頼を取り戻す道は険しいものになると考えておりますが、県政に停滞や空白を生じさせることは許されません。粛々と行政をとり行い、県民生活の向上を図るとともに、県職員全員が公務員の精神に立ち返って県民の皆様の厳しい御意見を真摯に受けとめ、事件の原因究明や入札制度を含めた県行政全体の透明性の確保に真正面から取り組み、県政の再生に向かって誠心誠意努力してまいりたいと考えております。
 また、二一会、翔樹会の件でございますが、これは存在したことは承知しておりまして、両会とも知事を囲む親睦会、情報交換の場であるというように認識をしておりまして、現在もそう考えております。
○議長(向井嘉久藏君) 知事公室長野添 勝君。
  〔野添 勝君、登壇〕
○知事公室長(野添 勝君) 御質問三点についてお答えいたします。
 まず一点目、「県民の友」の件ですけども、今回の事件につきましては、県民の皆様の怒りや県政への不信感等、その影響の大きさを、私自身、重く受けとめてございます。広報媒体を使った県民の皆様へのおわびや御説明をできる限り早くいたしたいと考えていましたが、「県民の友」の場合、その性質上、原稿作成から各戸配布までに一カ月を要し、例えば十二月号では、十一月二日が文字校正の締め切りでございました。こうした時間的制約とあわせて、捜査が進展し、事態が大きく推移する中、「県民の友」でのおわび掲載がどうしてもかないませんでした。
 なお、この間、記者会見等の機会を通じて県民の皆様にはおわび申し上げ、その内容をすべて県ホームページに掲載したほか、今議会冒頭の知事職務代理者による陳謝を十二月十日の県広報番組「きのくに21」で放映する予定としてございます。
 次に、親睦会の件、それからまた会員で行政委員に選任された人はいないかについてでございます。
 知事公室で事務局的な役割を担い、会費を管理していた知事を囲む親睦会として、民間の方々十二名から成る二一会と十一名から成る翔樹会がございました。それぞれ親睦会の活動内容としましては、懇親会等を開催し、知事の県政報告やお互いの親睦交流を行っていました。なお、会費は会員一名当たり月額三万円でありましたが、これら親睦会につきましては、会費の使途等を含め、現在、検察当局の捜査中でございまして、関係者の嫌疑にかかわることでもありますので、詳細を申し上げることは差し控えさせていただきます。
 また、行政委員についてでございますが、現在三名選任されております。
○議長(向井嘉久藏君) 総務部長原 邦彰君。
  〔原 邦彰君、登壇〕
○総務部長(原 邦彰君) 紀の国森づくり税に関して、県民理解、それから実施時期に関するお尋ねがございました。
 まず、県民理解についてでございますが、「県民の友」などによるPR、使い道についてのアンケートの調査を実施するとともに、八月二十一日から九月四日までの間、まず一巡目として県内九カ所において、税の趣旨の理解を得ること、使い道の意見をいただくことを目的とした説明会を開催したところであります。
 さらに、議会の御指摘も踏まえ、紀の国森づくり税基金活用検討会が示した検討結果案を紹介するとともに税の趣旨の理解を得るため、二巡目として十一月十七日から現在まで、県内七カ所での定時説明会及び要望があった場合の三カ所での随時説明会を開催してまいりました。
 また、県内税務署の御協力を得ながら、県内十五カ所すべての年末調整説明会においても職員が赴き、二千六百名余りの方に対しても説明を行っているところであります。この年末調整説明会には企業の給与担当者の方もお越しでありますので、その方々を通じた幅広い周知もお願いしたところであります。
 これらのうち、年末調整説明会を除く説明会におきまして、三百九十一名の方にアンケートの御協力を得ております。回答者の職業別内訳は、会社員の方が四十八名、自営業者の方が三十名、公務員の方が百八十二名、農林水産業の方が四十六名、専業主婦、無職を含むその他の方が八十五名でありますが、これによりますと、七割以上の方がこの税について理解できたと回答いただいております。
 次に実施時期についてでございますが、本議会において提出されております紀の国森づくり税条例の施行期日を延期する議案については、本条例が議員提案でもございますので議会で慎重に御審議いただくべきものと考えております。県といたしましては、既に公布されております本条例の円滑な施行に備え、県民の皆様の一層の御理解と御協力を得るため、周知啓発活動に取り組んでまいります。
 以上でございます。
○議長(向井嘉久藏君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 四十四番村岡キミ子君。
○村岡キミ子君 答弁をいただきました。
 「県民の友」ですがね、大変苦慮されたというのは担当課からも話は聞いているところですが、しかし、三カ月たった後もね。九月でしょう。十、十一、十二、もう三カ月経過してるわけですよね、事が起こってから。やっぱり節目節目でね。県民は随分とこれで、どんどん怒ってるわけですよね。何や何やというようなことで怒りがどんどん起こっている状況のもとで、新聞報道の方がどんどん先へ進んでいきますから。
 そういう点で見ると、これはもうけしからん、犯罪行為を何でやってんのやというようなことを県民が思っているときに、行政側が本当に責任を持って、節目節目でやっぱりテレビを通すとか、そういうところで──やっていると言うけれども、しかし、インターネットを見る人は見るけれども、見れない人って圧倒的なんですよね。みんなの目の前で初めてできるのは、テレビの一定の時間をとって、ちゃんと責任ある人がおわびをする、経過をお話しするということは必要なことだというふうに思うんですけども、とりわけ「県民の友」そのものには、選挙だけは、ありますよというだけの話であって、何のために知事選挙が行われるんやということすらもわからない人だっているわけですから。そういうのは、広報紙である「県民の友」というのは一番県民の目につく部分ですよね。
 そういう点でやはり、苦慮されたと言うけれども、最低限のことは言えるというふうに思うわけです。そういう点でもきちっとしていただきたいというふうに思いますし、節目節目では──テレ和歌にぎょうさん金出してるわけでしょう。だから、「県民チャンネル」というのはしょっちゅうやってるわけですから、そこの場でテレ和歌と和歌山放送にちゃんと話をして、放送のやり方を、ここに重きを置いてということですればできるわけでしょう。それすらもやらないというのは、やっぱりこれは、そちら側の苦慮はあるけれども、一定の責任を果たすということは必要なことだと思うんです。そういう点では厳しく指摘をしておきたいと思います。
 それから、今、二一会、翔樹会というのはあるというような御報告をされたわけですけれども、しかしこれ、知事の個人的な交際費というんですか、公式に税金で使える部分というのはちゃんとあるわけですけど、それ以外のお金が業者、団体、経営者団体とかそういうところで──任意の情報交換の場の会だと、こういうふうに副知事は答弁されたわけです。今でもそうだと。ならば、知事の秘書課で何でこんな会費を責任を持って預からなあかんのということですよ。だから、二つの会があるのを二つとも秘書課で何で運営の責任を持たなあかんのということですよ。
 綱紀粛正の場では、職員に対しては随分と厳しいおしかりをしてますよね、注意しなさいって。そやけれども、実際には秘書課は知事の命を受けて仕事をするところですけれども、しかし、こういう裏金と言われてるようなお金を何で秘書課が預からなあかんのと。こういうことがいわゆる公務員法の中でも私はこれは問題だと思うんです。このところについて、知っていたと言うならばなおさら問題、知らなかったと言うんであれば、まあ少しは勘弁できるかもしれないけれども、しかし、こういう経営者団体、業界ですよね、これは。
 だから、報道によれば、この談合事件の中にかかわっている人たちがこの会員にいるということですから、そういう点で見れば、裏金で知事との癒着を平気でやってたということになるわけですよね。そういう点で、このいわゆる会の金を何でそこが預からなあかんかったとかいうのをちゃんと説明してくださいよ。
 それから、公務員としての役割というのはそういうところにあるのかどうか、そこらについてもちょっと答弁してください。
 それから、行政委員に三人ほどこの翔樹会、二一会に所属している人があるというわけですけれども、これは好ましい姿だとお思いになりますか。それについても、これは副知事にお答えしてもらいましょうか。
 その点だけをまず答弁いただきたいということと、それから森づくり税については、議会が決めたことだから議会で論議してよと言うんですけども、もう既にこれは決まって条例化されているわけですから、それを守るということは大事なことですけれども、しかし、県民が上から押しつけられたものに対して本当に県民の合意や、あるいはその納得、理解というものが得られていない段階の中で、行政側として、これはいかがなものかという意見は出せると思うんですけどもね。それはいかがなんですか。総務部長、お答えください。
 いずれにしても、これはどう考えても、ここへ参加された人、それからいわゆるアンケートをとった人たちの中でもう七割方賛成してるよと言ったって、それはそこへ参加した人でしょう。圧倒的多数の人たちはこの中身について、先ほども言いましたように、和歌山市民だって、私どもがとりました千人近い方々の意見はこういう状況ですから、これはやっぱり納得できないというのは当然の答えだと思うんですけれども、そういう点でも本当に県民の合意が得られているというふうに考えていらっしゃるのかどうか。その点をもう一回お答えください。アンケートや参加した人がこうだから県民が全部納得しているというふうに考えているのならば大間違いだと思いますよ。そこの点を明確にお答えください。
 以上です。
○議長(向井嘉久藏君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事職務代理者・副知事小佐田昌計君。
  〔小佐田昌計君、登壇〕
○知事職務代理者・副知事(小佐田昌計君) 一点目の事務局が秘書課という問題であります。
 先ほども申し上げましたように、あくまでもこの二一会、翔樹会は知事を囲む純然たる親睦会というような認識でおります。そういうことで、会費を月三万円いただいてやっておりますが、その事務につきましては、どうしても個人個人のメンバーといいますか、組織じゃなしに個人個人が入っておるそういう組織でありますので、事務局がさてどこかということであれば、その事務にたけたといいますか、行政の方でという、まあそういうようなことになったんだろうと推測をいたしますが、しかし、今考えれば適切ではなかったかなというように反省をしております。
 それから、公務員の役割とおっしゃられましたでしょうか、二点目。それにつきましても、この事件がどういうように収束するか、その結果を見て、適切な県としての対応をとっていきたいというように考えております。
 それから、行政委員につきましては、これも繰り返しになりますが、あくまでも利害関係を伴わない単なる親睦会というようなことでのメンバーということで考えておりまして、知事の交友関係を広めるというようなことでの一つの意味合いがありまして、その行政委員を選任する場合、おのずからそういう知り合いといいますか、そういうふさわしい方を選任するということもあり得るんではないかなというように考えておりまして、行政委員とこのメンバーとは別な考え方に基づくものというように、あくまでも行政委員の選任は、その人の品格、識見に基づいて選任をされたというように考えてございます。
 以上でございます。
○議長(向井嘉久藏君) 総務部長原 邦彰君。
  〔原 邦彰君、登壇〕
○総務部長(原 邦彰君) 紀の国森づくり税についての再質問がございました。
 一つ目が県民理解の点でございましたけども、それにつきましては、前回も御指摘いただいて、一巡目の説明会の後にさらに二巡目の説明会を行い、今申し上げましたとおり年末調整の説明会にも行って普及啓発に努めているところでありまして、引き続きそのようなことで努力してまいりたいというふうに思ってございます。
 それから、もう一点が施行時期についてでございますが、我々としては、既に公布されたる条例でございますので、粛々とできる限り広く県民の方に御理解いただくような努力をしてまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
○議長(向井嘉久藏君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
 四十四番村岡キミ子君。
○村岡キミ子君 副知事ね、今考えれば適切でなかっただろうというふうに、その事務処理にたけたと言えば秘書課でしょうかという言い方なんですがね。でも、親睦会というのはそれぞれ自分たちでやる会ですから。
 それじゃお聞きしますけれども、その親睦会に副知事も呼ばれただろうし公室長も呼ばれただろうし、秘書課の職員も呼ばれてるかもわかりませんわね。県政懇談会ということで、あるいは情報公開と。あるいはほかのいわゆる県の職員も恐らく呼ばれて、そこでの情報交換会はやられているというふうに思うんですけども。でも、そのときに懇親会もやってますよね。やってるって聞いてるし、マスコミの情報もそうですよね。お食事会も、もちろんそれは自然の流れとしてあるかもわかりません。
 しかし、その場合に、先日のマスコミの情報では、知事はそういうお食事会とか懇親会のときの会費を払ってなかったんで、後で秘書課の職員を通して、これぐらいは出したらいいでしょうということで持っていったという情報もあるわけですよね。新聞に載ってました。
 じゃ、実際に、副知事も含めて秘書課やあるいは公室長──秘書課も恐らく行ってるでしょうけど、こういう場合に、会費を三万円取ってるということですから、そういうときに、その会議の情報交換の後にお酒の場もあるでしょうし、食事会の場合もあるんですが、このときには会費は、公室長も、そういう参加された職員はちゃんと一人前として出してるんですか。そこをちょっとお答えください。
○議長(向井嘉久藏君) 以上の再々質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事職務代理者・副知事小佐田昌計君。
  〔小佐田昌計君、登壇〕
○知事職務代理者・副知事(小佐田昌計君) 出してございません。
○議長(向井嘉久藏君) 答弁漏れはありませんか。──以上で、村岡キミ子君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時二十九分休憩
────────────────────
  午後一時三分再開
○議長(向井嘉久藏君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 三十四番角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕(拍手)
○角田秀樹君 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 まず初めに、今回起こりました県政史上初めての、官製談合により現職知事が逮捕されたということは、まことに遺憾であり、また県民に対する背信行為であると、こういうことを改めて思う次第でございます。また、議会人の一人といたしまして、こういった事件を未然に防ぐことができなかった、また調査、チェックができなかったということに対しては、県民の皆さんに深く心からおわびを申し上げるとともに、今後は信頼回復に向かいまして全力で取り組んでまいる決意でございます。
 また、午前中にも一般質問にるる御質問がございました。私は、県民の代弁者といたしまして、今回のこの事件につきまして何点かお尋ねしたいと、こういうふうに思っております。
 事件の全容につきましては、現在、大阪地検特捜部の今後の取り調べを見守りたい。一方、今年度、通常国会におきましても、こういった今現在の日本各地における相次ぐ官製談合への規制強化という、こういう目的で官製談合防止法が改正されたところでもあります。しかしながら、残念ながら新聞報道にまた一千万円、前知事に対して井山容疑者の方からわいろが渡ったというふうな報道も報じられております。当局におかれましては、県政の遅滞なく、県民の信頼に全力を挙げていただきたいということを重ねて願うものであります。
 また、我々は、今県民の方々からのたくさんの御意見の中に、今回の事件のその背景にあるものは一体何であったのかと、こういう素朴な疑問が投げかけられるところでございます。
 そこで、お尋ねいたします。
 第一点目は、県当局として、外部の調査機関を設置し、県みずから解明に努力をすべきであるというふうに思いますが、知事職務代理者・副知事にお伺いいたします。
 第二点目は、県土木工事に関して談合があり、今回の事件に発展しました。今後の対応として、損害賠償請求についてどうなされるのか。また、新聞報道にもありますが、天の声と言われる事実の有無についてどうであったのか。これは県土整備部長にお伺いいたします。
 第三点目は、秘書課において知事の私的な、先ほど午前中にも質問が出ました親睦会等々そういった業務に携わっていた職員について、今後どのような処分を行うのか。これは総務部長にお伺いしたいと思います。
 第四点目は、マスコミ報道によりますと、今回の談合については、この事件、発覚いたしましたが、以前より慣習的にこういったことが行われていたんではないかといったような話もございますが、その事実について知事職務代理者・副知事にお伺いをいたします。
 談合関係の質問はこの程度におきまして、次に生活関連の質問をさしていただきます。
 以前にも、この本会議場にて一般質問をさしていただきました、紀の川に接する県管理河川鳴滝川河口付近の交通安全対策上、水道橋のかけかえ工事というものがございますが、今後の見通しについて、何年に工事着工になるのか。現在、河川管理道路の拡幅改修工事も園部側におきましては進み、あとはもう橋のつけかえ工事が完成すれば、交通渋滞はもとより学校への通学時の安全確保も図られ、安心して通行できます。これは県土整備部長にお伺いいたしまして、第一問を終わりたいと思います。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) ただいまの角田秀樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事職務代理者・副知事小佐田昌計君。
  〔小佐田昌計君、登壇〕
○知事職務代理者・副知事(小佐田昌計君) まず、外部調査機関の設置についてでございますが、先ほどもお答えをいたしましたように、新しい知事が決まり次第、その意向を確認した上で適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
 それから、談合問題についての慣習はあったのかということでございますが、今回報道されているような以前からの慣習につきましては、今後の事実解明を待たなければなりませんが、私といたしましては、いわゆる官が関与するという慣習があったという認識はございませんでした。
○議長(向井嘉久藏君) 県土整備部長宮地淳夫君。
  〔宮地淳夫君、登壇〕
○県土整備部長(宮地淳夫君) 官製談合事件について二点、生活関連について一点、お尋ねがありました。
 まず、談合事件に係る損害賠償請求については、建設工事請負契約条項に定めており、競売入札妨害罪の刑が確定した時点で支払いを求めることとなっております。その額は、平成十七年六月以前は契約額の十分の一、それ以降は十分の二となっております。
 なお、天の声といったことにつきましては、今後の事実解明を待たなければなりませんが、私としましては、そのような事実があったと認識はしておりませんでした。
 次に、生活関連についてお尋ねがございました。
 県道小豆島船所線の鳴滝川にかかる水道橋のかけかえにつきましては、河川管理者である国と県で進めている鳴滝川の改修事業に合わせてかけかえる予定で、現在、詳細な計画について調整を行っているところでございます。今後とも早期整備に向け努力してまいります。
○議長(向井嘉久藏君) 総務部長原 邦彰君。
  〔原 邦彰君、登壇〕
○総務部長(原 邦彰君) 県職員の処分についてのお尋ねがございました。
 秘書課において知事の私的と思われる業務に携わった職員がいるとの件でございますが、現在捜査中でございますので、その動向を見きわめながら、事実関係が明らかになった時点で適切に対応してまいりたいと考えております。
○議長(向井嘉久藏君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(向井嘉久藏君) 以上で、角田秀樹君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 二十五番東 幸司君。
  〔東 幸司君、登壇〕(拍手)
○東 幸司君 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問に入らせていただきたいと思いますが、まずは、その前に一言だけ申し上げさせていただきたいと思います。
 このたびの官製談合容疑で本県の現職知事が逮捕され、また出納長が逮捕、起訴されましたことは和歌山県政史上最悪のことであり、またこのような事態に陥りましたことは、議会議員として不正の体質をチェックできなかったというその不明を恥じるとともに、その責任の一端を痛感する思いであり、民主党県議団を代表いたしまして県民の皆様に深くおわびを申し上げる次第でございます。議員としての責任を全うするためにも、今回の事件の真相究明はもとより、談合防止策についても徹底的に議論をして、不正の一掃に向けて全力で取り組んでまいる所存でございます。
 以上のことを踏まえまして、質問に移らせていただきたいと思います。
 前知事は、改革派知事としてその名をはせ、入札制度の透明化に向けてその制度改革にも精力的に取り組んでいたように一見見受けられたわけでありますが、みずからが知事就任当初より官製談合に深く関与してきたことを大筋で捜査当局に認めていると報道されております。私どもも、こうした前知事の入札制度改革の取り組みを評価し、前知事を信じてきたわけでありますが、その思いを大きく裏切られた気持ちになりましたことは、多くの県民の皆さんも同じことであろうと思います。
 以下は、あくまで参考の指標でありまして、ざっくりしたものでありますけども、二〇〇五年度の都道府県別入札結果のある分析データによりますと、一億円以上の入札予定価格における落札率の分布におきまして、和歌山県では、落札率九五%以上が全体に占める割合は三四・五%、落札率九〇%から九五%が全体の三二・三%、落札率九〇%未満が全体の三三・八%と、全国的に見ましてもこれは上位に属しておりまして、ほかの都道府県と比較しましても引けをとっているというところまでは言えないという状況でございます。また、一億円以上の入札予定価格に対します平均落札率をとってみましても、本県は九〇・七%であり、この率が適正であるかどうかの議論は別といたしましても、四十七都道府県中十九位と、まだまだ改善の余地はありますが、しかし、とりたてて大きな問題があるとまでは言えないのが現状であるというふうに思います。
 ちなみに、主な他の都道府県の平均落札率を参考までに挙げてみますと、特に上位三県が突出しておるわけでありますが、一位の長野県が七四・八%、二位宮城県七四・九%、三位富山県七六・九%、四位神奈川県八四・八%、五位京都府八五・一%であります。また、下位を挙げてみますと──これは下の方ということですが──四十二位が三県ありまして、島根、福井、鹿児島県で九四・六%、四十五位が北海道の九四・七%、四十六位、熊本県九五・四%、そして四十七位、宮崎県の九五・八%でありました。
 前知事の入札制度改革がある程度の成果を出してきていたということもこのようなデータから多少うかがい知ることができるわけでありまして、これは非常に皮肉なことであろうかと思います。逆に申し上げますと、さまざまな不正防止策が施されたといたしましても、悪意を持って談合しようとすればそれができてしまうということが、まさしくこの点が最大の問題であると強く思うわけであります。
 そもそも、これは言うまでもないことでありますが、談合とは、必要悪として長年日本の社会において、いわゆる調整システムのような形で古きよき時代のあしき慣習として、程度の差こそあれ、全国のすべてとは申しませんが、多くの地域や自治体に蔓延してきた可能性が高いこともまた否定できないわけであります。そのような状況に対しまして、独占禁止法の改正や官製談合防止法の改正、特に課徴金算定率の大幅な引き上げやその減免制度の導入など、制度的にもますます強化され、またそのことにより予想を超える効果が発揮されてきた現状におきまして、今回、福島県や宮崎県など、和歌山県と非常に酷似した例がほぼ同時期に明るみになってきたわけであります。この流れがさらに他の多くの地域にも波及することは容易に予想されることと思います。
 このたびの事件は、我が県政にとりまして最大最悪のピンチでありますが、また同時に、談合を含めた不正の一掃、長年のうみを出し切る大きなチャンスでもあるわけであります。このことを、議会のみならず県当局、そしてまた県民の皆さんが現状認識を一つにして改革に突き進まなければならないと強く考えるところであります。
 そこで、本日は、県政トップの不在という異例中の異例の事態での一般質問ではありますが、今回の官製談合事件を生んでしまったその現状をもう一度認識してみる必要性があるとの思いで、あえて本県の入札制度について、ここで改めて質問をさせていただきたいと思います。
 以下の質問は、答弁はすべて県土整備部長にお願いをしたいと思います。
 まずは、本県の談合防止策として今までに取り組んできた具体的な施策や経緯についてお聞かせをいただきたいと思います。
 次に、これはあくまでも一般論としてでありますが、一般競争入札よりは指名競争入札、指名競争入札よりは随意契約と不正の起こり得る可能性の高さが指摘をされておりますが、その観点からお尋ねをいたします。随意契約、指名競争入札、一般競争入札、そして総合評価落札方式の当局の考え方を改めてお答えください。
 ところで、これはもちろん談合を容認するわけでは決してありませんが、公共工事の大幅な削減に伴い、中小零細企業が瀕死に窮する厳しい現実の中で業を営んでいることも、また一方で事実としてあるわけであります。アメリカなどでも中小零細企業救済は大きな課題であり、こうした現状にかんがみ、地元中小零細企業育成のための予算を特別に組んでいると聞いております。ただし、その透明性と客観性を確保するために、業者選定のプロセスを徹底的にオープンにした上で、議会の場で決定をしているとのことであります。本県におきましてもこのようなシステムが可能にならないのかどうか、検討の余地は十分にあると考えます。
 以上の点から、不正防止のための競争を促進させた結果として地元の中小零細企業が立ち行かなくなる可能性もまた一方であるわけでありますので、そこで、こうした中小零細業者の行く末とその育成について当局はどのような見解をお持ちでおられるのか、あわせてお聞かせをいただきたいと思います。
 三番目といたしまして、入札監視委員会についてお尋ねをいたします。
 入札監視委員会は、公共工事及び契約の適正化の促進に関する法律にのっとり、各自治体が入札に際し、その客観性を図り、不正を未然に防ぐ目的で設置をされているわけであります。
 ある他の自治体での入札監視委員会経験者からのお話を伺いますと、その方がおられた入札監視委員会では、一つの入札案件について一度か二度しか行われないことが多く、行われる会議の内容におきましても、その現場で初めて分厚い書類を目の前にどんと積まれて、その膨大な資料の中から限られた時間内で不正や疑問点を指摘しなければならず、せいぜい落札率の高さや限られた少数の指名業者についての指名理由などの説明を求めるにすぎないということが実情であったということでありました。
 そこで、お尋ねをいたします。
 今回の談合容疑の事案については残念ながらその責務を果たせなかったということになりますが、本県の入札監視委員会が本来の機能を果たせる状況にあったのかどうか。現在までのその活動状況等についてお聞かせをください。
 まず、監視委員会委員の構成についてであります。委員はだれがどのように選任をして、どのような資格をお持ちの方々で構成されているのかを改めてお聞かせいただきたいと思います。
 次に、過去に不正の可能性を指摘する事例があったのかどうか、あったとすれば、具体的にどのような内容だったのかも含めてお尋ねをしたいと思います。また、入札に当たり過去に具体的な提言の事例があれば、その一例を挙げてみてください。
 次に、入札における不服申し立て制度についてお伺いをいたします。
 欧米などにおきましては、入札結果に納得がいかない業者が当局に対して何ゆえにその落札業者に選定されたのか客観的理由を開示することを求めることができる、いわゆる不服申し立てのシステムが定着をして頻繁に申し立てが行われており、そのことが不正防止の一つとして機能していると聞き及びますが、本県におきましてはそのような仕組みはどのようになっておりますでしょうか。過去の事例を挙げてみてください。また、その制度についての当局の考え方もお尋ねをいたします。
 談合防止策につきましては、日本ではアメリカの二十年、イギリスの十年程度のおくれをとっているとよく言われます。残念ながら、談合などの不正防止策の決定打となるものは、その欧米においてさえも存在しないというのが実情のようであります。したがって、我々にできることは、一つ一つの防止策を複合的に運用して、少しでも不正の可能性を排除していく以外にないわけであります。
 そこで、さまざまな防止策にのっとり不正を監視できる機関が必要であると考えます。飛躍し過ぎた話だと御指摘を受けるかもわかりませんが、しかし、たとえ県政のトップがよこしまな意思を持ったとしても不正を働けないような仕組みづくりが急務であるとの観点から、県庁内の捜査権を付与された知事直属の県庁内部特別監査官の設置について検討をするべきであると思います。
 構成メンバーは、弁護士や公認会計士、外部の有識者、またオンブズマンのメンバーなども一考に値すると思いますが、その客観性と透明性、独立性を高め得る資格の持ち主で構成されるべきであるというふうに考えております。このことは要望とさせていただきます。
 次の質問に移りたいと思います。
 続きまして、情報通信基盤の整備状況について質問をさせていただきます。
 ここ数年の情報通信分野の技術革新には目覚ましいものがあり、民間事業者による積極的な投資の結果、高速インターネット、携帯電話等のサービスが日常の生活に深く浸透し、企業活動においてもなくてはならないものとなってきました。
 御承知のとおり、インターネットでは、観光情報やニュースなどを単に情報として検索するということだけではなく、最近ではブロードバンド化に伴って写真や動画などをスムーズに利用できるようになったことにより各種チケットの予約や商品の購入ができ、また音楽や映画をダウンロードして楽しんだり、ブログなどにおきましては、みずからの情報を発信したりすることもできるようになってきたわけであります。
 携帯電話につきましても、その進化は著しく、単に電話をかけるだけの道具ではなく、メールや写真を送信したりテレビを見たり、買い物の支払いまですることが可能になり、さまざまな機能を有するようになってまいりました。
 しかしながら、その反面では、民間事業者の投資が期待できないような地域におきましてはこのような恩恵を受けることができず、情報格差、いわゆるデジタルデバイドの問題が生じてきているわけであります。つまり、この問題は、ある町に道路がないとか、あるいはスーパーがないとかというのと同じくらいのことでありまして、今や生活水準の格差につながりかねないような状況が生じてきております。
 このことに関しまして、国においては、ことし一月にIT新改革戦略を公表して、二〇一〇年度までに光ファイバー等の整備を推進し、ブロードバンド・ゼロ地域を解消するとの目標を掲げて、官民が一体となって推進するとしております。
 そこで企画部長にお尋ねをしたいと思いますが、本県におきます情報格差について、他府県との比較も含めてどのように認識をされているのか、お尋ねをしたいと思います。また、そのことを踏まえて、本県として今後どのような方針に基づいて取り組んでいかれるのか。それからまた、本県においてどの程度の整備が進んでいるのか。現状認識をお聞かせいただきたいと思います。
 以上をもちまして、私の第一問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) ただいまの東幸司君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 県土整備部長宮地淳夫君。
  〔宮地淳夫君、登壇〕
○県土整備部長(宮地淳夫君) 談合防止策について、四点お尋ねがございました。
 まず、現在までの取り組み状況についてお答えをいたします。
 県では従来から、談合や不良不適格業者の排除をし、品質を確保するとともに、適切な競争を促すため、入札制度改革に取り組んだところでございます。平成十四年八月には予定価格、最低制限価格などの事前公表、同年十月には入札監視委員会の設置、平成十七年六月には郵便制度を利用した事後審査型の条件つき一般競争入札の導入や談合情報対応マニュアルの改正強化、平成十八年六月には条件つき一般競争入札の運用拡大やJV制度の見直しなどを行ってきたところであります。
 次に、談合防止の観点からの入札制度についてお答えをいたします。
 まず随意契約は、競争を行わず特定の業者と契約をするもので、地方自治法に定められた要件を満たし、やむを得ない場合に限って実施しております。指名競争入札は、発注者が工事の規模、難易度等を勘案して指名するものであり、発注者の意向が反映されます。このため、応札者を公告で募集し、開札時まで発注者、応札者ともだれが応札したかわからない条件つき一般競争入札を導入してまいりました。この結果、条件つき一般競争入札を導入した工事では平均落札率は低下しましたが、JV工事については高どまりのままであったため、本年六月の入札制度改革において、五億円以上の工事はすべてJV工事としていたものを単体でも参加可能とすることや、技術移転を要する工事などに限定運用したところであります。また、価格と価格以外の要素を総合的に評価し、落札者を決定する総合評価落札方式もあわせて試行導入したところであります。
 地元中小零細企業の育成につきましては、県内業者発注を基本とし、県内業者に技術移転が必要な工事は県外業者と県内業者とのJV工事としているほか、下請等は県内業者とするよう努力義務を付しております。また、県内建設業者の経営多角化を支援するため、建設業相談窓口の設置、新分野進出アドバイザー派遣事業なども実施しております。
 次に、入札監視委員会の活動実績についてお答えをいたします。
 平成十四年十月に設置した入札監視委員会の委員は学識経験者の中から知事が選任することとなっており、最大六名でありますが、現在は、弁護士二名、大学教授一名、中小企業診断士一名の四名で構成されております。この委員会は、設置された当時、指名競争入札が主体であったため、主として発注者の指名が適正であるかどうかチェックするため、抽出した工事の入札経緯等を審議してきたもので、発注者に対して一定の抑止効果があるものと考えております。
 これまでおおむね三カ月に一度開催されており、抽出した工事については委員会等においてさまざまな議論がなされておりますが、特に不適切な点または改善すべき点があると指摘された事例はございません。また、提言につきましては、平成十七年五月に条件つき一般競争入札の導入、談合等不正行為の徹底防止などの提言をいただきました。
 また、十一月三十日に新委員による入札監視委員会が開催され、より談合の行いにくい制度の検討に向け、現在、入札制度とそれに至る過程を検証していただいており、あわせて条件つき一般競争入札に移行しつつある現在、新たな入札監視委員会のあり方についても検討をお願いしたいと考えております。
 なお、個別入札に関連した談合情報などの対応は、県公正入札調査委員会で審議を行っており、厳正に対応することとしております。
 次に、入札不服申し立て制度についてお答えをいたします。
 入札における不服などにつきましては、工事を発注する機関でまず対応しておりますが、その回答に不服がある場合には入札監視委員会に対して再苦情を申し立て、入札監視委員会において審議の上、知事に報告する制度となっております。現在のところ、再苦情の申し立てはございません。
 以上でございます。
○議長(向井嘉久藏君) 企画部長高嶋洋子君。
  〔高嶋洋子君、登壇〕
○企画部長(高嶋洋子君) 情報通信基盤の整備の現状と、そして今後の取り組みの方針についてお答えをいたします。
 情報通信サービスにつきましては、御指摘のとおり、近年、日常生活、企業活動において、その必要性が急速に高まってきております。県といたしましても、県内あまねく利用可能な、いわゆるユニバーサルな状況とすることが重要であると認識しているところでございます。
 まず、本県における情報格差の状況については、地形的に山間地域が多く、これらの地域を中心に不採算地域では情報格差が存在し、その解消が喫緊の課題であると認識をしております。例えば、光ファイバーによる超高速インターネットサービスの利用可能世帯比率に関しましては、本県は八六%でありまして、残りの一四%の県民がその恩恵を享受できない、そういうふうな状況にございます。この八六%という比率は、全国的には上位でございますけれども、近畿二府四県では最下位となっております。
 携帯電話につきましても、同様に山間地域を中心に通話ができない地区が数多く、要望があるところだけでも百カ所を超える集落が存在しております。
 次に、本県における取り組みにつきましては、今申し上げたような状況を踏まえまして、県としまして本年五月に和歌山県ブロードバンド基盤整備五カ年計画を策定しまして、格差が多く存在する十市町を重点整備地域と位置づけ、平成二十二年度までの五カ年で基盤整備を行い、格差を解消する方針でございます。これによって、各家庭まで光ファイバーを引き込む最先端の方式を導入し、インターネットや地上デジタル放送、携帯電話等に係る情報格差を一度に解決してまいりたいというふうに考えております。
 また、重点十市町のうち田辺市、白浜町、美浜町におきましては既に整備に着手しておりまして、着実に成果を上げつつあると認識をしているところでございます。
○議長(向井嘉久藏君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 二十五番東 幸司君。
○東 幸司君 御答弁、ありがとうございました。
 まず入札制度についてでありますが、いろいろとお聞きをしたわけでありますけども、部長の答弁の中でもう少し突っ込んで聞いてみたいなというところもありますけども、きょうはトップ不在という状況の中でもありますんで、これは新知事が誕生した後に議論をしていきたいというふうに思いますが。
 ただ、今回の事件で、やっぱりその県民の信頼というのは、これはもう本当に失墜してしまったわけであります。この和歌山県としても、先ほどからのお話を聞きますと、いろんな、それなりにこの談合防止策というものは取り組んでこられたということは、これはもう事実であります。しかし、トップがそういう悪意を持ってしまったら、報道されているように、やりたいようにやられてしまう、そういう状況でも、逆に言えばあったわけであります。
 そういうことからして、県民は、これからこの和歌山県はどうするんだということをやっぱりかたずをのんで見てるというふうに思いますんで、信頼を回復するということも含めて、やっぱりだれが見ても、これであれば信頼に足りる行政機関として再生できるだろうなあという姿勢をやっぱり示さなければいけないということで、最後、要望という形で申し上げましたけども、県庁内の特別監視官というものの設置を検討していただきたいなというふうに思います。
 和歌山県がこういうことになって、全国に先駆けて和歌山県が不正防止のモデルをいち早くつくるんだという、やっぱりこの姿勢を示すということが重要であるという思いで、あえて新知事が誕生する前に申し上げたわけでありますけども、これは誕生後にまた改めて強く要請をしていきたいというふうに思います。
 それから、情報通信基盤についてでありますが、部長、御答弁いただきまして、私は、本県のこの担当部局は非常に御努力をいただいてるというふうに評価したいというふうに思います。
 実は、私、九月議会で総務委員会で申し上げたんですが、これも九月の前ぐらいだったと思うんですけども、ある岩出市に住まわれている方が、光ファイバーを使いたいんだということでNTTさんに申し込んだと。そうしますと、申し込んでから使えるようになるまで一年間かかると。一年後にやっと使えるようになると。これはどういうことですかということでお問い合わせをいただきまして、私も実際、NTTに電話をして聞いてみました。そしたら、やはりそういう状況であると。しかも、岩出市だけではなくて、県庁所在地である和歌山市内でも一戸建てについては──集合住宅は別らしいですが、一戸建てについては同じような状況であるということを聞いて、大変驚いたわけであります。申し込んでから使えるようになるまで一年かかるというのは、これはもう整備されてるとは、とてもじゃないですけど言えないわけでありまして。
 これを総務委員会で言わせていただきましたときに、その後、素早く担当部局が行動を起こしていただいて、NTTにかけ合ってくれたみたいであります。その結果として、紀北地区ですけど、岩出、和歌山市内を含めてですが、四千人近い人が同じ時期に申し込んで一年以上待たされるはずであったわけでありますが、その担当部局がNTTにかけ合っていただいた結果として、それが引き金になったということで、年内もしくは来年の一月か二月ぐらいに使えるようになるということで大幅に短縮ができるようになったということで、こういうことで、やる気になればこういうドラスチックなことができるという一例だというふうに思いますんで、それは本当に評価したいと思いますし。
 本県のような地理的な条件といいますと、他府県と比べて、これは決して有利な条件ではないわけでありまして、それを何とか打破するために最良の方法というのは、私は、やっぱりこういった情報通信網の整備だということを強く思います。
 県として、人口流出に何とか歯どめをかけたいと、もしくは、うまくいけば人口流入に持ち込んでいきたいという話でありますけども、来年から団塊の世代の皆さんが定年を迎えると。そういった方々の中には、スローライフを地方で送りたいと。そういった人たちを見越して和歌山県も取り組んでいきたいという状況の中で、こういったものが整備されてなければ、これはもう話はそれ以前のことになってくるわけでありまして、そういったことを含めて、これはもう担当部局はわかっていただいてますけども、これもやっぱり県庁全体として、そしてまた議会としても、こういう状況であるということをもう一度認識していただきたいという問題提起の意味できょうはあえて、トップは不在ですけども、取り上げさせていただきましたんで、部局によっては、これはどんどんこの調子で突き進んでいっていただきたいというふうに思います。
 以上で、私の質問を終わります。
○議長(向井嘉久藏君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で東幸司君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 十八番前岡正男君。
  〔前岡正男君、登壇〕(拍手)
○前岡正男君 質問の前に、議会と県民の皆様に報告をさせていただきます。
 去る十月十三日から二十日にかけて、ペルー和歌山県人会設立十五周年記念式典に参加するため、谷副議長を団長とする派遣団に参加し、ペルーを訪問してまいりました。県からは知事代理として福本審議監を初め文化国際課長などが参加し、議会側と合わせて総員七名の派遣団でありました。
 リマ到着の十月十四日、ペルー大使公邸に招かれ、和歌山県人会の方々を交えた昼さん会が開かれ、石田大使と日秘友好について意義深い懇談をすることができました。翌十五日、ペルー和歌山県人会設立十五周年記念式典が日秘文化会館大ホールで盛大に開催されました。
 和歌山県人の最初のペルー移民は明治四十一年と言われており、以来、ペルー社会に根をおろし、各界で活躍する多くの人材を生み出しております。ペルー和歌山県人会は一九九一年に創立されましたが、現在は一世から四世に至る四百数十人の会員を擁する大組織であります。式典にはそのうち百数十名の会員が参加し、会の発展を祝い、ふるさと和歌山県との友好を確かめました。ここでは谷団長が祝辞を述べ、県知事表彰の伝達をいたしました。
 早朝四時のリマ空港での出迎えに始まり、帰国の日まで続くルイサ森崎会長を初めとする県人会の皆様の大歓迎に触れ、ふるさとを思うペルー和歌山県人の心を感じることができました。十数年前に比べてペルー国内の治安は随分よくなり、海外からの投資もふえているようであります。また、ペルーから日本へ来る方もふえております。日秘友好の発展、和歌山とペルーの発展のためにも、県人会とのきずなを今後も大切にしていきたいと考えております。
 なお、今回はペルー訪問の機会をとらえて、日本人にとっては遠い遠い観光地である世界遺産、クスコとマチュピチュ遺跡を見学してまいりました。両地ともすばらしい観光地であり、聖地でありましたが、景観と文化財の保護のために開発と過剰な観光客の流入に厳しい制限を課していることを知りました。世界遺産として次の世代に残していくためには、節度を持った観光開発が重要であることを痛感した次第であります。この見聞を今後、高野・熊野の世界遺産の保存と活用に関しても生かしていきたいと考えております。
 次に、質問に移りたいと思います。
 まず、児童虐待についてであります。
 近年、児童虐待に関するニュースを頻繁に見聞きし、世論の関心が集まるようになってまいりました。特にこの十月以降、京都府長岡京市で三歳の男児が餓死した事件、秋田県大仙市で四歳の男児が母親とその愛人から暴行を受けた上に遺棄され死亡した事件等、児童虐待の記事が新聞に載らない日がないほど事件が続発しております。
 本県においても、和歌山市で先月、継母による九歳児初め兄弟への暴行傷害事件が発生し、耳目を集めました。後ほど取り上げますいじめ自殺の問題とあわせて、行政として緊急に手を打っていかなければならない問題であると思い、あえて本定例会で取り上げようと思います。
 子供たちが死ぬということは、この社会の未来がなくなるということであります。万に一つも起こってはならないことが毎日のように日本のどこかで起こっているわけであり、今日ただいま打てる限りの手を打って事件を未然に防ぐのが大人の責任であると思います。また、今日多発しているさまざまな問題、教育現場での問題、社会での暴力や犯罪の問題の根が、それを引き起こす人間の幼少時の被虐待体験に関連することが多いという指摘もなされております。社会の平和と福祉のためにも、児童虐待の事例を一件でもなくし、負の連鎖を断ち切ることが重要であると思うのです。
 そこで、福祉保健部長にお伺いいたします。
 まず、本県における児童虐待の報告件数は最近に至るまでどのように変化しておりますでしょうか。その傾向をお聞かせください。そして、緊急に着手すべき対策をお聞かせください。
 先日、私は、和歌山県の中央児童相談所の見学をさせていただきました。前夜、緊急保護の要請があって、徹夜で対応していた職員が何人かおりました。日中、机に座っている職員はおりません。すべて外へ出ているか、相談室で相談に応じております。幾つもある相談室はフル稼働の状態でありました。また、一時保護の施設も満員でした。とにかく仕事の厳しさを実感いたしました。
 「毎日新聞」、本年の十一月二十二日号に、大阪市の元児童相談所長で花園大学教授の津崎哲郎さんが、このようなことをインタビューで述べられております。「虐待対応は、介入時の親の暴力的な抵抗だけでなく判断の難しさもあり、以前は一人で動いていたものが複数対応になった。休日夜間の対応も当たり前になり、実感としては仕事量は五倍くらいになった。しかし、児相──児童相談所のことですが──の職員の増加はせいぜい一~二割だ」というふうに述べております。児童虐待の要因はさまざまにあり、その背景には社会全体の問題があると思います。当然その対策も多角的にならざるを得ませんし、長期の粘り強い取り組みが必要でありましょう。
 しかしながら、今すぐに手が打てることとしては、問題に直接立ち向かう児童相談所、我が県においては県だけが設置しております児童相談所、中央と紀南の二カ所がありますが、それが広い全県下をカバーしているわけです。その児童相談所に必要な人員を配置していくことが最も重要であると思うのです。その点について福祉保健部長はどうお考えであるか、伺いたいと思います。
 また、児童相談所の体制の増強のほかに、地域での諸機関の連携はどうなっているか、また市町村の取り組みをどう引き上げていくか、お示し願いたいと思います。
 次に、いじめ自殺についてであります。
 時期を同じくして、北海道滝川市におけるいじめが原因と見られる小学六年生女児の自殺を契機に、各地で学校児童生徒の自殺、いじめの告発が連鎖的に広がっております。これもまた、万が一にでも起こってはならない悲惨な事件であります。そして、その背景にはさまざまな問題はあるでしょうが、緊急の対策を県としては講じているのかどうか。いじめの発見件数など、現状とともに御説明いただきたいと思います。
 特にいじめ問題については、小中学校においては国の制度としてスクールカウンセラーの配置がその対策としてなされておりますが、その現状はどうなのか。配置に不足はないのか、伺いたい。もしも配置に不足があるのであれば、県の単独事業としてでも、また、臨床心理士等資格を有した人の配置が無理であれば、地域における子供たちのよき理解者をスクールカウンセラーに準ずる者としてこの問題の対策にかかわってもらうようにすればいいと思いますが、いかがでしょうか。教育長にお答え願いたいと思います。
 次に、談合問題についてでございます。
 知事の逮捕にまで至った談合問題でありますが、その事実、原因と再発防止について調査研究することは、和歌山県として当然の課題であります。十月十六日に本議会の全員協議会で木村知事が表明した事件の調査委員会の取り組みはどうなっているでしょうか。知事職務代理者・副知事、お聞かせください。
 また、県土整備部長にお伺いいたします。
 今回の談合事件、平成十六年十一月の入札時に起こったわけですけれども、このときの入札制度にいかなる問題があったのか。また、その後の本県の入札制度改革でそれがどのように改善されてきたのか。県民の皆様にわかるように説明願いたいと思います。そして、二度と県の事業が談合によって汚され、県民のお金が不正な業者や仕切り役と言われるような人たち、汚れた政治家や官僚にむしり取られないようにするために、どのような方向の制度改革をしていくのか、構想をお示し願いたいと思います。
 次に、知事公室長にお伺いいたします。
 今回の談合事件に際しては、従来から不祥事の多い和歌山市とあわせて、「また和歌山か」というような声が聞こえてまいります。知事と出納長の逮捕や起訴という前代未聞の事態で我が和歌山県の対外的イメージはさらに失墜し、また行政に対する県民の信頼も大きく揺らいでいると思います。この事件による和歌山県のイメージ低下が県政に与える影響についてどうお考えですか。また、県民の行政への信頼という点に関して、県庁への批判の手紙や電話等はどのくらいありましたでしょうか。教えていただきたいと思います。そして、このような非常事態に県の広報事業としてどのような手を打ってきたか、また長期的にイメージの回復のためにどのような取り組みをすべきと考えているのか、伺いたいと思います。
 以上で、私の第一問を終わります。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) ただいまの前岡正男君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事職務代理者・副知事小佐田昌計君。
  〔小佐田昌計君、登壇〕
○知事職務代理者・副知事(小佐田昌計君) 事件調査の進展についてでございますけども、新しい知事が決定次第、その意向を確認して対応したいと考えております。
○議長(向井嘉久藏君) 福祉保健部長小濱孝夫君。
  〔小濱孝夫君、登壇〕
○福祉保健部長(小濱孝夫君) 児童虐待について、三点の御質問にお答えいたします。
 まず、児童虐待の現状についてでございますが、平成十二年度の児童相談所への相談件数は百五十九件で、以後、年々増加傾向にありまして、十七年度は二百八十九件でございました。十七年度は、十六年度に比べ約二〇%の増加となっております。種類別では、ネグレクトと身体的虐待がそれぞれ約四〇%を占めております。また、市町村における十七年度の相談件数は二百二十九件でありました。
 今年度の上半期では、児童相談所は百七十件、昨年同時期とほぼ同件数でございますが、市町村は百六十七件と、昨年同時期より約四〇%の増加となっております。これは、児童相談に関する市町村の役割が児童福祉法で明確化されたことなどに伴い、住民からの虐待相談が市町村にも寄せられるようになってきているためと考えております。
 次に、児童相談所の体制の強化についてでございますが、議員御指摘のとおり、いち早く児童の安全確保を図るために、緊急時において迅速に対応できる体制、また処遇の困難な事例等への的確な対応ができる体制が重要であると考えております。
 平成十八年度は児童福祉司の三人の増を図ったところでございますが、児童相談所の機能の充実等について、さらに検討してまいります。
 次に、地域での諸機関の連携についてでございますが、警察、教育、医療等関係機関並びに民生・児童委員等で構成する要保護児童対策地域協議会を平成十九年度中に県内全市町村で設置されるよう取り組んでいるところであります。これにより、市町村域における関係機関が連携し、虐待の早期発見や未然防止等に努めていくこととしております。
 また、市町村に対する技術的な支援や専門性強化のための研修の実施により虐待防止能力の向上を図るとともに、子供の人権について実効性のある条例の制定に取り組むこと等も含め、一層の総合的な取り組みを進めてまいります。
 以上です。
○議長(向井嘉久藏君) 県土整備部長宮地淳夫君。
  〔宮地淳夫君、登壇〕
○県土整備部長(宮地淳夫君) 談合防止対策についてお尋ねがありました。
 今回、談合で摘発を受けた工事の発注方式は、公募型指名競争入札であります。この制度は、特定建設工事共同企業体、いわゆるJVを組み入札に参加しようとする有資格者を公募により募集し、資格審査により資格要件を満たすすべての入札参加業者を指名するものであります。また、予定価格、調査基準価格は公募時に公表しており、設計に係る仕様書・図面と指名業者名は指名通知時に公表しております。
 平成十七年六月からは、さらなる透明性、競争性を確保するため、郵便制度を利用した事後審査型の条件つき一般競争入札に移行しており、この制度では、公募時に予定価格、調査基準価格、仕様書・図面を公表しておりますが、開札時まで事前に発注者、応札者ともだれが応札したかわからない仕組みとなっております。
 平成十八年六月からは条件つき一般競争入札の拡大や指名業者数の増などの改革を行ったところでありますが、特にこれまでこのような制度改革を行っても落札率が高どまりであるJV工事については、限定的に運用することといたしました。
 県では、一般競争入札の拡大、総合評価方式の施行など、入札制度改革に取り組んでいるところでございますが、現在、学識経験者などで構成される第三者機関である入札監視委員会におきまして、より談合の行いにくい制度の検討に向け、現在の入札制度とそれに至る過程を検証していただくところであり、これらの結果を踏まえ、より透明性、競争性の高い入札制度改革に取り組んでまいる所存でございます。
○議長(向井嘉久藏君) 知事公室長野添 勝君。
  〔野添 勝君、登壇〕
○知事公室長(野添 勝君) 和歌山県のイメージダウンとその対策についてお答えいたします。
 今回の事件の影響等につきましては、直接・間接的な影響の広さ、また各方面において御心配をおかけしていることを重く受けとめているところでございます。
 知事公室において把握している範囲で申し上げますと、電話や県政ポストなどさまざまな形でちょうだいした県民の皆様からの御意見は、十一月末現在で四百四十九件となっております。内容としましては、事件の徹底調査による全貌解明の要望、県行政への不信感や批判等が大部分でしたが、最近では、少数ながら、和歌山再生のために頑張ってほしいという期待の声もいただいているところでございます。
 今回の事件に関する当面の広報対応としては、去る十一月十五日の緊急記者会見を通じて副知事から県民の皆様におわび申し上げ、その内容をすぐに県ホームページにも掲載いたしました。また、今議会冒頭における知事職務代理者の陳謝を、ホームページ掲載とあわせて十二月十日の県広報番組「きのくに21」で放送する予定です。さらに、「県民の友」一月号には、おわびの言葉とともに、県行政への信頼回復のため誠心誠意努力してまいりたい旨、掲載させていただきます。
 今後は、十二月十七日の投票で新たに県民の負託を受ける新知事のもと、職員が一丸となり、県民の皆様への説明責任を果たしつつ、より透明性の高い行政の着実な推進を基本としながら、ホームページ、テレビ、ラジオ、「県民の友」等の自主媒体はもとより、各種メディアへの積極的な働きかけを通じて県内外への和歌山県のイメージアップに向けて取り組んでまいる所存です。
○議長(向井嘉久藏君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 学校におけるいじめ問題についてお答えいたします。
 最近、全国的に、いじめを受けたことを苦にしてみずから命を絶つという非常に痛ましい事件が発生していることは、まことに心の痛む思いでございます。本県におきましては、平成十七年度、児童生徒千人当たりの発生件数は〇・七件であり、全国的に見れば少ない状況にはございます。自殺もございません。ただ、昨年一年間で八十六件のいじめが実際にあったということ自体は非常に深刻なものであるというふうに思っておりまして、このための解決は緊急かつ重要な課題であると思っております。
 先日、文部科学省の緊急会議を受け、いじめはどの学校でも起こり得る問題であるという認識のもとに、直ちに市町村教育委員会の担当者や県立学校の教頭を招集いたしました。そうした会合において、いじめの実態把握により正確に努めるとともに、その未然防止に対する取り組みの徹底、スクールカウンセラーなどの活用など相談体制の充実、学校と保護者、関係機関との緊密な連携等について指導を行ったところでございます。
 また、県教育委員会として、いじめの早期発見、早期解決のための指導の手引を作成・配布するとともに、不登校いじめ問題等関係機関連携推進会議を開催することとしております。
 本県は、教職員一人当たりの児童生徒数が少ないという状況にあり、きめ細かな指導が可能であるということを十分に生かすことが大事であり、県並びに市町村教育委員会に配置された百五十人余りの指導主事が専門性を発揮して、総力を挙げてこれに対応いたしております。
 また、お尋ねの相談体制に関しては、小学校において子供と親の相談員を十六人、中学校及び高等学校に国の制度であるスクールカウンセラーを合計八十五人、このほか県独自のものとして、三十五人の高等学校におけるハイスクールサポートカウンセラーを配置いたしております。
 今後も、こうしたすべての人材を活用して、さらに学校におけるきめ細かな取り組みを通していじめ問題の解決に努めてまいります。
○議長(向井嘉久藏君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 十八番前岡正男君。
○前岡正男君 御答弁ありがとうございました。
 まず、児童虐待についてでございますけれども、事件が起こるたびにマスコミは児童相談所の対応を非難します。通報があったのに動かなかったとか、一たん保護した児童を親元に帰して再び事件が起こったとか、そのたびにたたかれております。
 児童相談所には、親子を無理にでも引き離して児童を保護する責任と、その児童を家庭に帰し家族の再統合を助けるという、時に矛盾する二つの責任が課されているところを指摘される方もあります。その辺の体制的な仕分けを今後は図らなければならないことはもちろんでありますけれども、緊急にということになりますと、児童相談所の増員ということにしかならないのではないかと私は考えます。
 当局として、行財政再建のさなか、児相だけが特別にということはなかなか難しいということもわかるのですが、児相の職員は、増加する、また深刻化する児童虐待の状況の中で、連日限界近い状況で頑張っているように思います。そんな中で、特に緊急に対応を要する事件が起こった場合、マスコミからのプレッシャーの中で的確な判断を下すというのは大変困難であると想像いたします。それゆえに、いま少し人員に余裕を与える必要があるのではないかと考え、質問させていただきました。それは、職員のためではなくて、人知れず苦しんで虐待を受けている子供たちのためであり、我々の未来のためであります。ぜひ特別の配慮を人事、財政等県当局の方にお願いするものです。これは要望でございます。
 次に、いじめであります。
 いじめへの対応は、まず現場の教師の責任であろうと思いますけれども、子供の立場としては教師になかなか言いにくい場面もあるでありましょうし、また教師が適切な対応をとってくれない場合も多いと思うのです。学校の中でスクールカウンセラーは、そういった場合の相談の相手ということになると思います。それが中学校の一部に配置されているだけで小学校には配置されていない、そのような状況で不足はないでしょうか。
 もし国の予算づけ等の理由で配置できないのであれば、あるいは資格者が少ないということで配置できないのであれば、県単独ででも、あるいは資格のない人でも適切な人を探してでも配置すべきではないですかという質問を私はいたしました。それに対するお答えをいただけていないのではないかと思い、それに関して再質問させていただきます。
 また、談合についてですけれども、結局、事件に関する調査は当局としては何にも手をつけていないということであろうかと思います。すべて次の知事待ちだということですね。もうあと十日もすれば新しい知事がやってきますから、今からすぐ調査委員会をつくれということは言いませんけれども、県民の信頼回復という点からすれば、事件の調査を始めることが一番効果があるんだということをわかっていないのではないかと考えます。
 おわびをして、職員一丸となって粛々と仕事をする、これだけでは到底、信頼回復はできないと思います。どうして副知事が先頭に立って調査をどこかの部局に命じ、職員からのヒアリングくらいは始めなかったのか、不思議であります。やっていけないことではないと思います。知事職務代理者であるわけです。前の知事が約束したわけでありますから、それぐらいはしていただきたかったと思います。
 それと、談合防止の件ですが、本県の入札制度改革は、実は他県に比べて進んでおります、木村知事のもとで。改革の方向性というのは全国ほぼ一緒でして、答弁にありましたように、一般競争入札の拡大と指名業者数の増加で談合しにくい入札にしましょう、そういうところであると思います。これについてはある程度やっている。しかし、今回のような事件が起こった。
 そういう意味で、私は質問に「これからの構想」という大きな言葉を使わせていただきました。単に狭い意味での入札制度の改革だけでは談合防止は実現されないと思います。答弁にありましたような入札監視委員会が今のような機能でいいのか、組織的な位置でいいのか、あるいは発注仕様書の作成の体制もこれでいいのか、こういうふうに、入札事務だけでなく県の公共事業にかかわる制度そのものの改革が必要ではないかと思います。ぜひこの検討を始めていただきたいと思います。そのためにも、今回の事件の原因の徹底究明が必要だと思います。新知事のもとでこのことに取り組まれるよう要望して、第二問を終わります。
○議長(向井嘉久藏君) 教育長に対する答弁漏れでございますか。(「はい、要望であります」と呼ぶ者あり)はい。
 教育長、答弁漏れがあったようでございますので(「再質問です」と呼ぶ者あり)──再質問でいいの。(「はい」と呼ぶ者あり)
 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) いじめの問題というのは非常に複雑であり、ケース・バイ・ケース、判断が難しいというケースがございます。したがって、きめの細かい日ごろからの教職員と子供あるいは子供同士のつながりというものがないと、発見そのものも、解決に向けても、なかなか難しいということがあるわけです。
 そうした中で、先ほどの答弁で私が申し上げたのは、和歌山県の学校では学校の環境そのものがいじめが発生しにくいような面があるということのよさを生かしていきたいという──教職員一人当たりの子供の数は、全国で少ない方から数えて六番目ぐらいなんです。それぐらい教職員の目が行き届きやすいという環境をまず大事にしながら、日ごろそれを未然に防ぐことがまず大事であるという考え方がまず一つございます。さらに、その上に、前岡議員もおっしゃったように、先生にも言いにくいという場合も、それはあるかもしれません。それから、いろんな悩みがあったりしますから、それによっては専門的な対応が必要になってくるケースがあると。そういうことに対処できるように、先ほど申し上げたようなさまざまな役職の専門家を配置してるわけでございますけれども、それでも、これで十分だということは必ずしも言えないかもしれない。
 今後どういう複雑であり深刻ないじめ問題なり不登校なりというのが起こってくる可能性もないわけではありませんから、スクールカウンセラーについては、臨床心理士とそれに準ずる者約半々で、今八十五人ございますけども、これをさらにふやすような努力は当然我々もしていきたいということもございますし、先ほどの答弁で申し上げたように、県独自に既に三十数人のスクールカウンセラー的な仕事をする人も配置しているという、この点も御理解いただきたいということでございます。
○議長(向井嘉久藏君) 再々質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(向井嘉久藏君) 以上で、前岡正男君の質問が終了いたしました。
 お諮りいたします。質疑及び一般質問は、これをもって終結することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(向井嘉久藏君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問はこれをもって終結いたします。
 次に日程第三、議案等の付託について申し上げます。
 ただいま議題となっております全案件は、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
 なお、常任委員会の会場はお手元に配付しておりますので、御了承願います。
 お諮りいたします。十二月七日は常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(向井嘉久藏君) 御異議なしと認めます。よって、十二月七日は休会とすることに決定いたしました。
 次会は、十二月八日定刻より再開いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時十三分散会

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