平成18年9月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(野見山 海議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 三十番野見山 海君。
  〔野見山 海君、登壇〕(拍手)
○野見山 海君 通告に従いまして、四点質問をさせていただきます。
 最初に、防災拠点と仮設住宅用地の確保についてお伺いいたします。
 去る五月末に、県は独自に三つのケースを想定した巨大地震の被害想定書を作成いたしました。東海・東南海・南海地震が同時に発生し、マグニチュード八・六の巨大地震を起こした場合、中央構造線による地震、マグニチュード八・六の場合、田辺市内陸直下型地震、マグニチュード六・九の場合を想定したものですが、グラフや地図を使った比較的わかりやすい報告書にでき上がっており、私もざっと目を通させていただきました。
 特に最大の被害が予想される東海・東南海・南海地震が同時に発生する事態を想定した場合を読んで、驚きました。それは、県内の死者数予測が五千人になっているのに対し、田辺市の死者数はその二五%に当たる千二百六十人と想定され、県内の各市町村別死者数では最大の数字となっているのであります。死者数に限らず、負傷者、要救助者数予測、建物全壊・焼失予測数のいずれをとりましても、田辺市、とりわけ旧田辺市の被害が大きいことがわかりました。
 確かに、震源地に近い串本町など、紀南地方の市町村の全人口、全家屋数に対する被害比率は高いものがございますが、人口が集中している田辺市の被害総数が飛び抜けて高く、その予測に田辺市に住む者として愕然としたわけでございます。
 さて、この被害想定書の中で木村知事は、「この結果は、あくまでも現在の地震に関する知見や過去のデータから最悪の状況を想定し、導き出された予測であり、発生する地域の規模や震源の位置等により実際の被害は違ったものになるかもしれません」と述べた後、「しかしながら、こうした予測結果に基づき地震対策を進めていくことが肝要であると認識しております」と述べられているのであります。
 また、さきの二月の予算委員会で知事は、「防災拠点の必要性を十分に認識し、被害想定を策定中であり、それを受けてどのような防災拠点をつくればよいのか、どういうふうな内容にしていくのかということの検討に入りたい」と答えておられます。五月末に被害想定書が出されたわけでありますから、ここで改めて紀南地方での防災拠点の整備について知事の基本的な考えをお伺いいたしたいと思います。
 防災拠点については幾つかの候補地が考えられますが、最も大きな被害が予想される旧田辺市の南紀スポーツセンター付近が適地と私は思っております。それは、田辺市を中心とした被害地での迅速な救援活動ができる場所で、高速道路が間近にある、またヘリコプターの発着が可能な広場であるなど、救援物資の搬入に大変便利であるという観点から最適地であると思われます。
 また、災害後に必要なのは仮設住宅ではないでしょうか。田辺市の場合、特に三つの地震が同時に冬の午後六時に発生した場合には、全家屋数の五五%に当たる二万九千戸余りが地震で倒壊し、さらに津波や火災で流出、焼失する予測がされておるのであります。こうなりますと、一時的に学校の体育館や公民館などで避難生活をした後、各種の復旧が進むまでの間、仮設住宅での生活が避けられないと思います。このため、仮設住宅予定地の場所を確保しておくことも重要な課題ではないかと思います。
 阪神大震災の場合、仮設住宅地がもとに住んでいた場所から遠く離れた不便な場所であったり、各地の被害者を寄せ集め住ませたことから、孤独でストレスの多い仮設住宅生活を余儀なくされたケースもあったと伺っております。仮設住宅の建設については、あらかじめ設置場所を想定し、用地を確保しておくことが大切ではないかと思います。
 大規模地震に限らず、近年は、地球温暖化傾向の中で、巨大台風や梅雨末期の豪雨による洪水や土石流で家を失うケースがふえておるのは事実であります。ことしも、長野県や九州地方で洪水や土石流による被害が相次ぎました。防災と同時に仮設住宅建設を含めた復旧対策も十分考えておかないと、いざというときに対応できないんではないかと心配するものであります。
 今回出された被害想定をもとに、今後どのような仮設住宅用地の確保をどう進めていくのか。また、防災拠点整備の取り組み状況とあわせて危機管理監にお伺いしたいと思います。
 次に、スポーツ振興のためのサポートシステムと南紀スポーツセンターの整備についてお伺いいたします。
 過日、和歌山県議会スポーツ振興議員連盟の総会があり、二巡目の国体が平成二十七年度に和歌山県で開催予定になっているとの話を伺いました。平成二十七年と言えば九年後であります。意義ある国体にするためには、今から次の国体をどう迎えるかを真剣に考える必要があろうかと思います。あと九年しかないという考えに立って、次期国体に向け早急に対応方針をまとめられ、今からその準備を進められるように願う一人であります。
 昨今の和歌山県のスポーツ界の成績は低迷を続けております。御存じのように、平成十五年度の国体成績は四十三位、平成十六年度は四十七位、平成十七年度は四十三位という成績でありました。同じく、都道府県別駅伝大会の成績も芳しくありません。参加することに意義があるとはいえ、これでは青少年のスポーツ意欲を刺激することにはならないと思います。
 次期和歌山国体を担う選手は、現在の小学生から中学生です。県は、ことしから新規事業として小中学生のスポーツ選手発掘、競技力向上に取り組むため、ゴールデンキッズ発掘プロジェクトを立ち上げました。その前向きな姿勢は大いに評価するものでありますが、それだけでは不十分ではないかと思います。具体的には、スポーツ選手の発掘のためのサポートシステムをどうつくるかが課題ではないでしょうか。
 学校のスポーツ振興だけに頼ることなく、民間でのスポーツ指導者の力をどう生かすのか。本県には前回の国体で赴任していただいた元国体選手も大勢おられます。そろそろ退職されると思いますが、こうした方々の力をかりて本県のスポーツ振興を図るのも一つの方法かと思いますが、いかがでしょうか。
 また、国体開催に当たって大切なことは、すぐれた選手の発掘や選手養成ということにとどまらず、国体を通じ、各種競技人口のすそ野を広げることも大事なことではないでしょうか。
 ことし三月に教育委員会は、二〇〇五年度の小中高生の体力テストの調査結果を発表されました。それによりますと、県内の中学生と高校生の体力、運動能力は、七割近い種目で全国平均より劣っていたことが判明いたしております。例えば、中学一年男子の千五百メートルは過去最低の結果で、最も成績のよかった一九八四年度に比べると五十秒余り遅くなっていると言われております。つまり、一九八四年度の中学一年生と二〇〇五年度の中学一年生が千五百メートル競争したとき、百五十メートルから二百メートルぐらいの差がつくと言われております。こうした中学・高校生の運動能力の実態について、教育委員会も「危機的な状況」と言うほど県内の中高生の体力は低位にあると言えます。
 子供たちが外で遊ばなくなったことや食生活の変化など、原因はいろいろあると思いますが、私は国体を、一部の選手養成に終わることなく、子供たちにスポーツへの興味を取り戻し、体力を回復させる最高の機会ではないかと思うものであります。単に勝てばいいということではなく、勝つことを通じながら子供たちの体力向上を図るという広い視野が必要かと思いますが、いかがでしょうか。
 また、そのためには、各種スポーツ施設の充実など、ハード面の対策も必要ではないかと思います。南紀スポーツセンターの整備は紀南地方にとっては必要不可欠で、ぜひ実現していただきたいと願うところであります。特に、南紀スポーツセンターが整備されますと、地域の青少年のスポーツ振興のみならず、各種スポーツの近畿大会、全国大会の誘致も可能になり、そうなれば全国から大勢の方々が紀南にやってくることになります。来ていただいた方々には、あわせて世界遺産の熊野古道を散策していただければスポーツと観光による地域振興に大きく貢献でき、地域の活性化に寄与するものと思います。
 これまで、南紀スポーツセンターの整備要望に対し県当局の答弁は「二巡目の国体をにらんで総合的に検討したい」ということでございますが、今後どのような計画をお持ちなのか、教育長にお伺いしたいと思います。
 次に、温暖化防止施策についてお伺いいたします。
 現在、我が国では、さきの京都議定書にのっとり、官民一体となって地球温暖化防止に取り組んでおります。本県でも炭酸ガスなど温室効果ガスの削減計画を立て地球温暖化防止に取り組んでおり、八月九日に発表された内容によれば、県の二〇〇五年度の温室ガス排出量は一九九九年度の基準年度から一四%削減され、目標が達成されたとされています。その取り組みと努力を大いに評価したいと思います。
 しかし、地球温暖化現象は、我々の温暖化防止の努力をはるかに超え、進行しているように思います。例えば、新聞等では、北極海の氷の面積が過去最小となってホッキョクグマがすめなくなり、ことし五月に国際自然保護連合が絶滅危惧種に指定したと報道されております。また、ツンドラ地帯の氷が解け、多くの小さな沼や湖が出現したとも伝えられております。テレビでも、温暖化による海面上昇で南太平洋の島々の水没が始まり、海岸のヤシの木が波に洗われ、海中に沈んでいく様子が伝えられております。
 外国のニュースを聞くまでもなく、この和歌山県に暮らしてことしの暑さは地球温暖化を肌で感じた一つの例ではないでしょうか。このような現実に直面すると、和歌山県のみが頑張ってもという無気力感に陥りますが、小さな努力を積み重ねない限り事態は悪化するばかりではないでしょうか。
 そこで、一つの方法でありますが、学校内の緑化を進めてはいかがでしょうか。
 昔と違い、鉄筋コンクリートの校舎が多くなりましたが、その屋上などに小さな木や芝生を植えて学校の気温を和らげる試みはどうでしょうか。また、校庭やグラウンドに芝生を植える取り組みも他府県では進んでいます。文部科学省の調査によると、校庭の三百平方メートルを芝生化した公立学校は年間百校ずつふえ、全国で千二百九十一校に上ると言われております。芝生化は、温暖化防止に役立つばかりか、子供たちのけがを減らし、ストレスを解消するといった教育効果もあるそうです。このため、文部科学省では、小・中・特殊教育学校に対して、一校につき一千万から六千万円の芝生化に対し三分の一の補助をしており、芝生化を奨励しております。大学の農学部と提携し費用を抑える学校もあると聞いておりますが、財政難の折でありますが、一度試験的に芝生化に取り組んでみてはいかがでしょうか。教育長のお考えをお聞きいたしたいと思います。
 最後に、高齢者対策と企業誘致についてお伺いいたします。
 県は、ことし三月末の県内の高齢化状況をまとめられました。それによりますと、本県の六十五歳以上の高齢化比率が近畿府県でトップで、全国では十四位になったと公表されました。県全体では二三・八%ですが、特に紀南地方の高齢化比率は高く、新宮・東牟婁地方は三〇・九%、次いで御坊・日高地方は二六%、田辺・西牟婁地方が二五・四%と続いております。高齢化比率が五〇%を超えますと「限界集落」と言われ、交通、医療、消防、教育などの村落機能が一気に崩壊し、廃村に至ると言われていますが、その限界集落は紀南の山間部に数多く存在しているのであります。
 私の住む田辺市も、平成の大合併によって近畿一広い市として生まれ変わりましたが、先ごろ、その山間部を回らせていただきました。改めて田辺市の広さに驚くとともに、お年寄りの悩みに直接触れる機会を得まして、その悩みの大きさに大変驚いております。単なる高齢者でなく、子供たちは都会に出てしまい、ひとり暮らしや高齢者夫婦で生活されてる方々が多いというところにその悩みの深刻さがありました。多くのお年寄りは、将来介護を要するようになったとき、子供と都会で同居するより住みなれたこの地で生活を終えたいと望んでおられます。動けなくなったときには、地元でいつでも入居できる福祉施設が欲しいというのが高齢者の願いであります。現実的には厳しいものがあります。
 ことし三月末現在で県が調査した特別養護老人ホームの待機者数の調査でも、待機者が県全体で二千四百六十人、そのうち田辺・西牟婁地方では約二〇%に当たる五百二十一人の人々が待機中であるという報告が出されております。財政難の中、不足する老人福祉施設をどうするか、大きな課題であると思います。
 一方、山間部では、小中学校で廃校となったところもあります。こういった施設を福祉施設として有効に活用するのも一つのアイデアではないかと考えますが、いかがでしょうか。高齢者対策をどう進めていくのか、基本的な考え方を福祉保健部長にお伺いいたします。
 また、過疎地でのお年寄りは、こうも言っておられます。「子供たち、孫たちが帰ってくれば、老人ホームに入らなくても一緒に暮らせる。そのためには、働ける場所が紀南地方に欲しい。ぜひ企業誘致に努力してほしい」と訴えておられます。私は、この言葉をそのまま知事にお届けしたいと思います。
 確かに県としては、地域活性化、雇用創出のためのモデルとなるコミュニティービジネス支援事業を募り、補助金を出すなど、それなりの努力を積み上げられておりますが、こうした事業の実態と紀南地方への企業誘致の状況について商工労働部長にお伺いいたしたいと思います。
 第一回目の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) ただいまの野見山海君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 防災拠点と仮設住宅用地の確保についての御質問にお答えをいたします。
 東海・東南海・南海地震が同時発生した場合、紀南地域では震度六弱以上の揺れが発生し、県下全域で大きな被害が予想されます。この状況下で災害応急活動を迅速、的確に実施するため、県全体の広域防災拠点のあり方について、現在検討を進めているところでございます。
 特に田辺市周辺においては津波等による甚大な被害が予想されますので、以前申し上げたとおり、南紀スポーツセンター周辺なども候補地の一つとして検討してまいりたいと、このように考えております。
○議長(向井嘉久藏君) 危機管理監石橋秀彦君。
  〔石橋秀彦君、登壇〕
○危機管理監(石橋秀彦君) 防災拠点と仮設住宅用地の確保についてお答えを申し上げます。
 広域防災拠点につきましては、被害想定結果を踏まえ、庁内ワーキンググループにおいて検討を始めたところでございますが、現在、基本的な機能、配置、整備方法等を盛り込んだ基本構想を平成十九年度末までに策定すべく取り組んでいるところでございます。
 また、災害時における応急仮設住宅対策につきましては、県内調査を実施した結果、面積など一定条件を満たす候補地を把握しておりますが、今後とも関係課室並びに市町村と連携し、取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上です。
○議長(向井嘉久藏君) 福祉保健部長小濱孝夫君。
  〔小濱孝夫君、登壇〕
○福祉保健部長(小濱孝夫君) 高齢者対策と企業誘致についてのうち、高齢者対策についてでございますが、急速な高齢化が進む中で、高齢者の自助とそれを支える行政の公助並びにともに支え合う地域の共助のもと、高齢者が社会を構成する一員としてその能力を発揮して、安心で快適に暮らしていけるような地域づくりを進めていくことが必要であると考えております。そのためには、まず高齢者が元気で生き生きと暮らしていけるよう、青壮年期からの健康づくりや介護予防の推進を積極的に進めてまいります。
 また、たとえ介護が必要になった場合にでも、できる限り住みなれた地域で安心して暮らしていけるよう、地域全体で高齢者を支えるケア体制の整備を促進するとともに、二十四時間体制の地域密着型サービスの導入等介護サービス基盤の整備に努め、切れ目のない在宅サービスを推進してまいりたいと考えてございます。
 一方、より重度で在宅介護が困難な高齢者にとっては、特別養護老人ホーム等の施設サービスも欠くことのできないものでございますので、引き続き市町村と十分調整しながら介護保険施設の計画的な整備を図ってまいります。
 なお、廃校の活用方法については、設置者である市町村が主体的に判断して地域の合意を形成しながら決定していくものであろうかとは思いますが、市町村から地域資源を有効に活用するための相談があれば協議をしてまいりたいと考えております。
○議長(向井嘉久藏君) 商工労働部長下  宏君。
  〔下  宏君、登壇〕
○商工労働部長(下  宏君) 企業誘致の状況についてでございますが、トップセールスを実施するなど、既に約四百五十社の企業と接触をしており、うち約四十社については将来新規立地の可能性があるものであり、さらに十数社については現在誘致に向け交渉中でございます。
 紀南地方への企業誘致については、ベアリング製造業一社が上富田町に進出することが決定しているところでございますが、これは現工場への近接性ということが大きな要因となったもので、全体的には、企業向け用地やオフィスの不足、インフラの整備状況、用地の価格、物流コスト等の要因により誘致が進まないのが現状であります。
 県では、企業向け奨励制度の拡充や県所管用地を不動産鑑定価格で売却するなど、課題を解決することで企業誘致を推進しているところですが、特に紀南地方への誘致については、豊富な農林水産資源や観光資源を活用できるなど、地域や用地の特性に合った企業へのアプローチを実施しているところでございます。
 また、進出の候補地となる市町村の企業誘致に関するビジョンの有無や積極性についても誘致をする上での大きな要因であり、今後につきましては、市町村と協働、連携しながら積極的な誘致活動を展開してまいりたいと考えております。
 次に、コミュニティービジネスの振興についてですが、平成十七年度より、ビジネスモデルの創出や普及啓発、ビジネスの創業に関する相談、指導などを実施しているところであります。モデル事業につきましては、平成十七年度並びに十八年度において、合わせて十六件が選ばれております。その中で紀南地域は八件で、いずれの事業も高齢者支援や地域資源を生かした観光振興、過疎地域の後継者育成、新たな特産品の開発など、地域の活性化や雇用創出を目指したものとなっております。
 今後とも積極的な企業誘致活動を進めるとともに、コミュニティービジネスを初めとした地域に密着した地域活性化の取り組みを支援してまいりたいと考えております。
○議長(向井嘉久藏君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) スポーツと環境問題に関する二点の御質問にお答えいたします。
 まず、スポーツ振興については、競技力向上対策関連の予算として、昨年度の二・五倍となる一億円を計上し、お話のありましたゴールデンキッズ発掘プロジェクトを初め、きのくにジュニアトレーニングセンター事業や重点競技への支援拡充など、トップアスリートの育成に取り組んでおります。これらを通して各種競技団体や学校等における指導者の一層幅広い緊密な連携を進め、一貫した指導体制を確立していく考えであります。
 本年度は、その一環として、すぐれた指導力を有する教職員や退職した指導者をきのくにエクセレントコーチとして中学校、高等学校へ派遣する制度を創設したところであります。
 国体の開催に当たっては、スポーツ施設の整備や競技力の向上だけでなく、さまざまな競技に対する県民の関心や意欲、さらには積極的に取り組む機運を高めることが大切であり、このことが子供たちの体力向上にもつながっていくものと考えております。
 次に、南紀スポーツセンターについては、紀南地方における拠点施設としてスポーツ振興に大きく貢献してまいりました。平成十七年度の利用者の実績は、県内外合わせて七万五千人に上っております。ただし、昭和四十四年の開設から三十七年経過し、老朽化してきておりますので、最近では宿泊棟の空調設備工事、屋外プールや体育館の改修工事などを行っており、本年度もボイラーの改修を予定しております。国体が開催される際には紀南地方の競技会場の一つとなることが想定されますので、全県的なスポーツ施設整備の中で、リニューアルを含め、検討してまいります。
 次に、環境保全対策や児童生徒の安全性の向上等につながる屋外教育環境整備についてであります。
 小中学校では、国の補助を受けて校内に樹木を植えるなどして教育環境を整えている学校はここ十年で八校、グラウンドを芝生化している学校は、単独設置も含め小学校で三校でございます。また、県立学校においては、平成十五年度からエコスクールの取り組みとして植樹等を推進するとともに、校地内の余裕空間を利用して三百平方メートル以上の芝生化を行っている学校は十校に上っております。
 学校における構内の植樹やグラウンド等の芝生化については、温暖化防止対策のみならず、児童生徒の体力の向上、けがの防止等の効果があることから、地域住民やPTAの協力を得るなどの体制づくりを含め、これを一層推進してまいりたいと考えております。
○議長(向井嘉久藏君) 答弁漏れはありませんか。――再質問を許します。
 三十番野見山 海君。
○野見山 海君 御答弁、ありがとうございました。
 第一点の防災拠点については、平成十九年度中に基本計画を策定し、被害想定結果を踏まえながら、他府県の設置状況も参考にしながら取り組んでいくと言われておりますが、いつどこで起きるかわからない地震、津波あるいは地球温暖化による災害は、海岸線に住む住民にとっては大きな関心の一つになっているわけでございます。
 この被害想定の中にもありますように、紀南地方に集中することが言われております。それだけに、防災拠点整備と防災拠点の用地をできるだけ早く選定されますことを心から願うものであります。
 また、仮設住宅対策の用地については、やっぱりまた多目的活用も視野に入れた取り組みをぜひともしていただきたい。この仮設住宅の用地を広く求めておくとすれば、そこで防災の訓練もでき、あるいはまた仮設住宅の建設もでき、いろんなスポーツの施設もできるんではないだろうかというふうな感じがいたしますんで、ぜひその辺も頭に入れて考えていただければありがたいと思います。
 もう一つは南紀スポーツセンターの整備ですが、もう何回も質問して申しわけございませんが、このたびリニューアルな含めの中で検討していくということなんですが、紀南の住民にとっては、スポーツ振興と観光をどうしても結びつけたい、このようなお考えの方々がおられますので、ぜひこの南紀スポーツセンターの整備に当たっては、地域住民の意見を十分取り入れながら一日も早く整備をしていただくことを心から願います。そしてこの施設が、目玉として、これは他府県にないんだというようなものをひとつつくっていただければありがたいということをお願いして、要望といたします。
○議長(向井嘉久藏君) ただいまの発言は要望でございますので、以上で野見山海君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十時五十八分休憩
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