平成18年6月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(松坂英樹議員の質疑及び一般質問)
県議会の活動
午後一時二分再開
○副議長(大沢広太郎君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
質疑及び一般質問を続行いたします。
四十一番松坂英樹君。
〔松坂英樹君、登壇〕(拍手)
○松坂英樹君 通告に基づき、早速一般質問に入らせていただきます。
私は、まず初めに和歌山県市町村合併推進構想について質問をさせていただきます。
県は、去る二月十四日にこの合併推進構想を発表し、和歌山県内を九つの市と四つの町の組み合わせで第二次合併を目指す考え方を示しました。その内容は、合併が行われなかった市町村を対象としながらも、合併してほやほやの市町村をも含めた、さらに大きな枠組みでの組み合わせになっています。
県は、この組み合わせによる合併を国の法律に合わせて平成二十一年度までに目指すとして、審議会答申の発表、知事構想の発表に合わせて各市町村を回り、説明の中で「合併協議にはやはり三年はかかる。だから、来年春から合併協議会を考えてほしい」と話しているようですが、説明を受けた市町村長からも「それはいかにも拙速だ。ようやく合併にこぎつけた市町村が軌道に乗るには五年、十年はかかる。とても無理な話だ」と、こういった声も出ています。
実際、この間合併をした市町村では、合併による効果やメリットが出ている部分もある一方で、住民サービスの低下や住民への負担増、これが相次ぎ、合併の効果への疑問が出されています。
私の地元、有田川町でも、改善点として、出産一時金の貸し付け制度や在宅寝たきり老人介護手当、生ごみ処理機の購入補助などが向上した反面、旧金屋や清水では、町単独の農業の支援施策の廃止を初め、国保の資格証明の安易な発行、福祉タクシー券の縮小、過疎地における結婚祝い金や地場産業振興奨励金など、これ以外にも数々の過疎定住対策が廃止をされました。吉備でも、ひとり暮らし老人への安否確認を兼ねた乳酸菌飲料の配布が廃止されました。
また、県内各地からも、防犯灯補助金の廃止、ごみ袋の値上げや粗大ごみ収集の有料化、シルバー人材センターの統廃合や各種公共料金の値上げ、人間ドックなどの自己負担額、し尿くみ取りの料金、公衆浴場使用料、水道や下水道料金の値上げなど、紹介し切れないほどさまざまな分野で住民生活に影響が出てきています。
私はまた、さきの県議会補正予算審議の中でも合併の影響を感じました。それは、農林水産委員会の審議の中で、緑の山村定住促進事業が当初予算九千四百万円から四千三百万円も減額補正しておよそ半分に、またアグリトライ支援事業でも二百三十万円の減額と、地域を元気づけて応援する事業が減額補正になっている、この要因は何かとただしたところ、市町村財政が厳しい中で市町村の財政が、予算がついてこれない、また市町村合併で体制も整わずに事業に取り組める状態ではない部分もあったと、こういう説明がされました。この話をある市町村関係者にお話をしたら、「県が予算化していても市町村がついてこられないという点では、随分市町村も合併で予算を組むのが苦しいんですね」と、こういうふうにお話をすると、「そんな、市町村のせいにせんといてくれ。県が予算をどんどん削ってくるから、市町村の財政が苦しくなって予算をつけられないんだ」と切り返されました。
国、県の予算減によって市町村の台所も大変ですが、それよりも、地域のことを考えて地域とともに計画を推進するという基礎的自治体本来の仕事が、合併によって停滞をしたり機能不全を起こしている部分があると感じました。これでは、合併による町づくりどころか、さらに次の合併を急がせることにより町壊しが進むのではないかと危惧をしています。
さて、今回の県構想に向けて意見を求めた審議会では、どんな議論がされたのでしょうか。要約しかホームページに公表されていませんが、議事録を見ても、県から市町村に対して積極的な働きかけを求める意見もある一方で、今回の合併では、市町村合併の経過から広域行政の関係の運営が非常に難しくなったところもあるんじゃないかとか、第一次の合併でさまざまな動きがあった末に最終的に壊れてしまったところが再度急いで合併するといっても、これは果たして実現可能なのか、こういった意見などが出されています。こういったさまざまな意見が出される中で、答申には、わざわざ附帯意見がこういうふうに別紙でつけられたわけなんです。
また、この間、既に合併した市町村の首長さんからは、まだ合併の生々しい傷を抱えながら、さあ次の合併だとせかされても、住民はそんな気になれないとか、大きな合併は将来的に必要だと思うが、これから新町のスタートだというのに、十年間は無理だと県の職員に伝えたなどの意見をお聞きいたしました。
木村知事は、県構想を発表するに当たって、さまざまな地域の実情が出され、附帯意見までつけられた審議会の議論の経過をどういうふうに踏まえておられるのか。また、既に合併をした市町村や住民の声には二十一年度末までに合併を目指すのは拙速ではないかという声があるが、どうお考えになっているのか、答弁をお願いいたします。
次に、安全で自然環境豊かな有田川を目指しての質問に移らせていただきます。
私は、これまでも有田川の洪水対策や自然環境を守る問題で質問を重ねてきました。この間のまとまった雨により、今、有田川の水はささ濁りですが、二川ダムは濁水をできるだけため込まないように低い水位で運用しており、住民の願いにこたえたダム運用の改善に感謝を申し上げるものです。
また、一昨日、三月五日の日曜日には第一回有田川駅伝の大会が新しく誕生した有田川町の記念行事として開かれ、私も応援に行かせていただきました。この有田川の清流は、地元有田川町の住民はもとより、広く県民の誇りであり財産です。この有田川が清流をたたえ、美しい河原を持つ川へと守り育てられるよう、住民と県行政が力を合わせて取り組んでいきたいという思いを持って質問に入らせていただきます。
昨年のかつらぎ町十二月町議会で、有田川の上流部に当たるかつらぎ町旧花園村での不法砂利採取の問題が取り上げられ、新聞各紙にも「許可申請に虚偽記載」「村が生コン業者に砂利採取を丸投げ」と記事が掲載されました。
旧花園村では、昭和の大水害以降、山崩れや天然ダムの出現による有田川への土砂の堆積に対し、災害対策や災害復旧・雇用対策として、村直営で機材もそろえて砂利採取事業に取り組んでこられました。村民の命と財産を守り、また村の貴重な収入源としても、重要な役割を果たしてきたものであります。
ところが、この間の調査により、村直営の砂利採取事業がある時期から民間事業者に丸投げをされ、県への砂利採取許可申請書の記載から外れた砂利採取を行っていた問題が明らかになったのです。町議会では、当局が「不適切な運営であったということについては陳謝をします」と、問題を一部認める答弁をしています。ずさんな事業実態については、当該自治体であるかつらぎ町自身による調査や総括が行われるべきものであります。しかし、県が管理する有田川の土砂を許可申請から外れて採取していたという指摘に対しては、管理者であり砂利採取法の許認可権者として調査権限がある県として、看過できない重大な問題として調査すべきだと思います。
配付資料の旧花園村の地図をごらんください。旧花園村から県に対し、この十年間の間に四回の砂利採取の申請が行われており、書類が保管されている直近の二回は、青くマークをした小さな三角形の場所でのみ砂利を採取することが申請をされています。しかし、関係者の証言によりますと、村から砂利採取事業を任された有田川砕石、イコール、スカイコンクリートという生コン業者は、村の事業を隠れみのに、川沿いのあちこちで砂利を採取していたと言われています。私は、砂利採取がされていたという場所のうち、赤い丸印の四カ所に出向き、関係者や地元住民の皆さん、また生コン業者とも直接お会いしてお話を伺い、調査を進めてまいりました。
砂利採取をした後は、幾つかの写真にも見られますように、もともと堆積していた河原の痕跡というのが残っているものです。写真一は、この申請位置よりも上流部数百メートルの区間のものです。写真二は、有田川から分かれて、中南から箕峠へ入っていったところの堰堤から堰堤までの区間のものです。この一つ上の堰堤のところは、河原は草や木が生い茂った状態なんですけれども、その上の状態とは明らかに不連続な、整地した後のようなフラットな状態でした。ここでは、関係者からの証言とともに、住民の方からも、確かに生コン業者が道を通らせてくれと頼みに来て、約一カ月間、砂利を採取していたと証言が寄せられました。写真三は、生コンプラントの上流部の写真です。写真四は、花園中学校より少し上流部ですが、ここには砂利採取を途中で中断した痕跡が今もはっきりと残っています。ここは、河原での砂利採取に加えて、ヒューム管を川に沈めて対岸に渡る仮設の橋までつくって砂利採取をしていたと、これは関係者からも地元住民からも重ねて証言が得られているところですが、この採取が行われていた十五年夏は村が既に砂利採取事業を廃止していた時期でもあり、生コン業者の無法ぶりを示すものとなっています。
この生コン業者は、村の直営事業としてこの十年間、四回の申請で約五万五千立方メートルの川砂利を採取し、それを精製して二万二千立方メートルの砂利、砂、栗石などの骨材を生産し、それぞれ一立方メートル当たり砂は二千六百円、砂利は二千七百円、栗石は二千六百円で村から購入した、こういう記録になっています。
しかし、この四回の許可申請と実績報告を調べてみますと、不思議なことに、精製された砂利などの割合が毎回毎回すべてこの許可数量の四〇%にそろっており、砂、砂利、栗石の精製の割合も全く同じ数値となっています。実際にこんなことはあり得ないし、これらの実績報告は机の上での計算でしかなく、以前からの実績に基づく定量だという、信じられない説明がされています。
また、驚いたことに、私、伊都振興局に出向いて花園村からの申請書類を見せていただいたんですが、申請書類のつづりは、大量の書類や図面までついていたんですけども、「県は実際の砂利採取を見に行っているんですか」と尋ねると、「砂利採取前と途中、そして終わった後に検査に入っているはずです」、こういう答えなんですが、一枚の報告書も、写真も一枚も残っていないという状態だったんですね。これでは、どれだけ砂利を採取していてもわからない。村の机上の計算報告をうのみにしていたとして、県の姿勢も厳しく問われる問題ではないでしょうか。
ところが、この生コン業者は、地元花園村を初め、高野町、野迫川村、十津川村などへ生コン納入をほぼ一手に引き受けていたと言われています。これは地理的な条件があってのことで、JIS規格によるとつくってから一時間半以内に生コンを打たなければならないということがあり、これにこたえることができる生コンプラントはここしかないという現状があるんです。
県土整備部の資料によりますと、県道花園美里線地蔵トンネルの工事だけでも、五千三百立方メートルの砂と砂利が使用されたということになっています。この生コン業者がこの間に製造販売した生コン量と県に許可を得て採取した砂利の量を比べてみれば、恐らく許可された量を大幅に超え、それによって多額の利益を得たのではないかという指摘がされているところです。
これら調査で得た証言が事実であるとするならば、砂利採取業の免許を持たない業者が、手続もなしに国民、県民の財産でもある川砂利を自在にとって利益を得ていたということになりはしないでしょうか。そして、それに対し、村や県はどういう態度をとってきたのでしょうか。
私は、この問題は、県として重大に受けとめ、その全容を解明すべく、地元自治体、業者、作業員、地元住民などへ徹底した調査が必要だと考えますが、県としてのこの問題への認識、そして厳重な調査の必要性についてどう考えるか、県土整備部長よりお答えを願いたいと思います。
次に、今回の砂利採取問題が指摘されている生コン業者の排水・廃棄物処理の問題についてもお伺いをします。
かつらぎ町議会では、この業者の生コンプラントからセメント交じりの濁った排水が有田川に流されているという問題が、写真も示されて指摘をされました。有田川の環境問題として、無関心ではいられません。二年前の冬には右翼が騒ぎ、また住民からの情報提供もあって、生コンプラントの排水管理と産業廃棄物でもあるコンクリートかすの処理について問題提起がされました。私も現場のプラントに調査に出向いて実際に見てまいりましたが、この間、何が問題とされ、事業者にどういう指導をしてきたのか、また今後どう指導していくのかという方向性について、環境生活部長より答弁をお願いいたします。
三つ目の質問として、生コン業者の育成・指導という点についてお尋ねをいたします。
私は砂利採取と生コン業者の問題点を指摘してまいりましたが、旧花園地区の山間過疎地においてこの生コン業者は大きな雇用の場でもあり、県を初め公共事業にとっても、この地域で一時間半以内に生コンを納入できる事業者として大事な役割を果たしている存在でもあります。
一方で、公共事業に使う生コンですけれども、県は昨年九月に通達を出していまして、県工事に使う生コンの品質確保のために、全国生コンクリート品質管理監査会議の基準、一般にマル適マークと呼ばれていますが、そのマル適マークの工場等から選定することを示して、昨年十月からの適用を決めています。ところが、この生コン業者はマル適マークを取得しておらず、取得する方向も持っていないと県の聞き取り調査に答えているようです。
産・官・学の共同による業界の自主基準ではありますが、このマル適マークの中身を見ると、大変厳しく、進歩的なものです。製品としての生コンの厳しい品質管理はもちろん、問題発生時の対応やマニュアルなどのソフト面、また環境保全についての排水や廃棄物処理など、時代の要請にこたえたものとなっています。
私は、今回、生コン業界の関係者の方々とも、このマル適マークについてお話を聞かせてもらいました。公共事業の量が減り、また信頼性が問われる中、生コン業界としても公共事業に納める生コンの品質向上にみずから取り組もうと全国的に進めてきたということ、また、厳しい経営状況の中でもレベルアップのための設備投資をしながら進めてきたことなどをお聞きしました。品質や環境、労働条件等の関係法令の遵守はもちろんのこと、企業としての社会的責任を果たすレベルアップが求められていると感じました。
県担当者によると、県内にはJIS規格を取得して稼働している生コン工場が約六十社あり、そのほとんどが今マル適マークを取ってきており、取得していないのはあと三社程度だと聞いています。県として、公共事業に納入する生コンの品質基準を示して信頼性を上げようというのなら、それだけじゃなくて、それにこたえられる県内業者の育成・指導と、こういう仕事も同時にやっていかなければならないと思うんですが、いかがでしょうか。県土整備部長より答弁を願います。
次に、有田川下流の問題に移らせていただきます。
有田市の安諦橋下流左岸の不法占拠問題についてお伺いをいたします。
この河原の不法占用は根が深く、大変時間のかかっている問題です。これを解決すべく、県と地元が編み出した苦心の末の解決方法がマリーナ建設計画でありました。しかし、この計画地が環境省の日本の重要湿地五百に選ばれ、貴重な生物種の存在する場所であることがわかり、県の対応については、私からも質問をさせていただきました。また、さきの十二月議会では浅井議員からその後の計画の進展について質問がされ、マリーナ計画は場所を変更して調査中だと、そういう答弁がありました。私、今回は、マリーナ計画の位置変更という状況を受けて、この不法占用問題の解決について質問をさせていただきます。
この場所は、配付資料の写真の五、六を見ていただくとおわかりのように、プレジャーボートを係留するために河原を人工的に入り江に掘り返して、多くの船が係留をされています。また、廃船も多く放置されています。そして、ナンバープレートのない廃車となった自動車も放置されています。その数は、船については最高時には八十三隻、現在五十七隻、放置自動車は最高時四十一台、現状は数台、ユンボなど建設機械は最高時六台、現状四台という状況です。建設機械で河原を入り江状に掘られるとともに、隣にあった地元老人クラブのゲートボール場までもユンボでつぶされて占拠されてしまいました。また、堤防を通る県道から河原に向けて堤防ののり面に盛り土がされて、駐車場と船置き場までつくられています。
こういう不法占拠に対して解決を求める地元の声が、有田市議会でも多くの議員によって毎回のように取り上げられてきました。河川管理者の県は粘り強く指導を続け、少しずつ改善されてきたことは承知しております。しかし、根本的な解決にはなってこなかった。そこで、マリーナ等で環境整備することによって不法占拠を排除しようと考えたわけですが、そのマリーナ計画が位置を変更してしまったわけで、じゃ、この肝心の不法占拠対策はどうなるのか、このことが心配をされているわけです。
公のものである河川、その河川を管理している県が、いわばこの持ち主が、私とこの土地を勝手にそんなことされたら困る、どけてもらってもとどおりにさせていただきますと、なぜ行動できないのかというふうに疑問に思うわけです。
さらに、今回、重要湿地五百選に選ばれ、希少生物も確認されたわけですから、大変名誉なことだと。この貴重な自然環境を大切にするためにも、この際、環境保全のための整備をしてもとどおりの河原にさせていただきますと、なぜできないのでしょうか。これまでの延長線の指導ばかり続けていてはだめだと思うんです。河川管理者として毅然とした態度で臨むことが求められているのではないでしょうか。
県土整備部長には、不法占拠是正と環境整備について、これまでの対応から一歩進んだ対応ができないのかどうかお答えください。
また環境生活部長には、貴重な生態系保護の点からも現状放置すべきでないと思いますが、答弁を願います。
さて、最後に、森づくり税と森林整備について質問をさせていただきます。
今当初議会に当たって、私は、条例の成立で、この税と事業の具体化を図る県当局に対してその姿勢を質問するものです。
まず木村知事に、県民への説明と意見交換についてお伺いをいたします。
この森づくり税については、早期導入を求める声もある一方で、各界各層から、市町村や議会からも反対意見や慎重な対応を求める意見が寄せられました。一点目にはこういった成立までの経過を踏まえ、二点目には県民の意見を聞きながら税の使途を決めていくという性格からも、また三点目には市町村の理解と納得を得てこそ税の徴収ができるという点からも、広く県民と、また県内市町村や議会、担当課に対し説明責任を果たすとともに、疑問や意見、批判を初め、使途についてもさまざまな角度から意見交換するなど、丁寧な対応が必要ではないかと思います。
さきの「県民の友」にも意見募集の記事が載っていたわけですが、広く県民に対し、都市部にも山間部にも出かけ、地域での説明会を数多く持つべきですし、県内市町村に対しても十分に対話と説明をすべきであると考えますが、いかがでしょうか。御答弁をお願いいたします。
最後に、農林水産部長にお尋ねいたします。
私は、さきの議会の質問で、県の森林関係の予算の内訳について、森林整備の予算に一層シフトすることを求めました。また、林業家のグループへの補助金や林業教室のような啓発の予算がカットされてきている実態を示しながら、片や県民にさらなる税負担を押しつけながら片や県の予算を削るというのでは、これは本末転倒だと指摘をいたしました。
森づくり税成立を受けた当初予算議会ですから、この十八年度予算における森林整備と啓発予算はどう変化したのか、その特徴についてお答えをください。
以上で、第一回目の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。
○副議長(大沢広太郎君) ただいまの松坂英樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事木村良樹君。
〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) まず、市町村合併の推進構想についての御質問でございますが、これについては、審議会で非常に熱心な議論をいただいて、先般答申をいただいたところでございます。
先ほどの質問にもございましたが、その考え方は、原則として未合併の市町村を対象にするということですが、一部、今回合併したところも入っているということですが、これは地元の意向であるとか、それから旧法のときの経緯というふうなことを反映したというふうなことになっているわけでございます。いずれにいたしましても、ここで示したものをもとに地元で十分議論をしていただいて今後の方策を出していただきたいと思うわけでございます。
そして、この法律自身は二十一年度までの時限立法ということですので、この法律に即して県の方も対応をしていくということですが、何といっても、地元での議論ということが一番大事だというふうに認識をいたしております。
それから、森づくり税についての対応ということですが、これは、先般条例が成立したということで、成立のときに、やはり住民の方が余り知らないんではないかというような議論もあったところですので、県としてもこの条例の周知、そして啓発ということを徹底していきたいと、このように思っております。
○副議長(大沢広太郎君) 県土整備部長宮地淳夫君。
〔宮地淳夫君、登壇〕
○県土整備部長(宮地淳夫君) まず、かつらぎ町旧花園村の砂利採取につきましては、平成九年度から平成十三年度にかけて四回の申請があり、合計五万五千五百三十五立方メートルの砂利採取を認可いたしました。
昨年のかつらぎ町十二月議会でこの問題が審議されたことから、現在、現地の状況確認や関係者への事情聴取を行うなど、事実関係の確認を進めているところです。
県では、平成十五年から実施要領を定めるなど、砂利採取の着手や完了時等の検査の徹底を行うとともに、河川区域については平成十六年度から河川パトロールの充実を行うなど、砂利採取法の遵守に努めてきたところです。また、河川区域内外にかかわらず、無許可採取が明らかになった際には厳正に対応すべきものと認識しているところです。
次に、生コン業者の育成・指導についてお答えいたします。
公共工事を進めていく上で、生コン業者が品質を確保し、使用者の信頼を高めていくことは重要であると考えております。今後とも、JISや品質管理監査制度等を活用し、公共工事の品質確保に向け、適切に指導してまいります。
また、有田川安諦橋下流における不法占用につきましては、船舶を適正に保管する施設の確保が課題となっていると認識しております。このため、地元自治会を初めとする関係者で構成する有田川プレジャーボート対策等協議会で検討を行っており、左岸側に数多くの貴重な干潟底生動物の生息を確認したことを踏まえ、右岸側をマリーナ施設整備の候補地として選定し、検討を進めているところです。
なお、左岸側の環境保全については、協議会等の御意見を聞きながら検討を行ってまいります。
今後も、不正占用の是正に向け取り組むとともに、適正な河川の利用と河川環境の保全に努めてまいります。
以上でございます。
○副議長(大沢広太郎君) 環境生活部長楠本 隆君。
〔楠本 隆君、登壇〕
○環境生活部長(楠本 隆君) 砂利採取問題のうち、排水・廃棄物処理についてお答えを申し上げます。
議員御指摘の事業場につきましては、一日の排水量が五十立方メートル未満のため水質汚濁防止法に基づく排水基準は適用されませんが、平成十六年五月十八日付で、特定施設の汚水等処理方法の変更届が提出をされております。届け出によりますと、特定施設からの排水につきましては循環使用で、雨水のみが事業場外へ排水されることとなっております。しかしながら、排水処理施設が未設置であったため、保健所から変更届の内容に合致するよう指導をいたしたところでございます。本年二月二十四日付で、保健所に排水処理施設建設計画書が提出をされております。この計画書によりますと、本年の五月一日から着工予定となっており、排水処理施設建設の進捗状況を見きわめながら施設の維持管理の適正指導を行ってまいります。
次に、当該事業場から発生するコンクリート滓の廃棄物処理についてでございます。
昨年度に、当該事業場で不法な埋め立て処理をしているとの情報がございました。指摘のあった現場の掘削を行いましたが、当該事実は認められませんでした。
なお、コンクリート滓の保管方法につきましては、置き場の区域が明確にされていないなど不適切な面が見られたため、改善指導を行ったところでございます。
県といたしましては、今後とも引き続き適切に指導を行ってまいります。
次に、安諦橋下流左岸の不法占拠問題のうち、貴重な生態系保護の観点からの御質問にお答えを申し上げます。
有田川の河口干潟は、絶滅が危ぶまれております巻き貝やカニ等が生息していることから、環境省の日本の重要湿地五百に選ばれた貴重な自然であると認識をしております。現在の状況が良好な環境にあるとは思われません。
しかしながら、重要湿地に選定されたことによる法的な保護は加えられておらず、また自然公園区域にも含まれておりませんので、湿地の現状に関し自然環境関係の法令により対応することは困難でありますが、しかしながら、環境生活部といたしましては、貴重な生態系を大切にする観点から、重要湿地を初めとする貴重な自然環境を有する区域の情報提供、あるいは普及啓発、あるいは事業実施時における環境保全上の配慮の要請を行うなど、環境保全のための方策をさまざまな視点から検討し、関係部局や関係機関と連携を図りながら取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(大沢広太郎君) 農林水産部長西岡俊雄君。
〔西岡俊雄君、登壇〕
○農林水産部長(西岡俊雄君) 十八年度予算における森林整備と啓発予算の特徴についてでございますが、森林整備に係る予算につきましては、十七年度予算と比較いたしまして一八%増の約二十四億円を計上いたしてございまして、新たに里山エリア再生事業に取り組むなど、健全な森林の育成整備を一層進めることといたしてございます。
次に、森林・林業に係る普及啓発につきましては一千万円余りの予算を計上いたしまして、引き続き、小学生等を対象とした森林・林業教室の開催、また森林ボランティア活動への支援などを行うとともに、普及指導活動を通じまして森林の持つ多様な機能、役割について広く県民に理解していただくことを重点に取り組むことといたしてございます。
以上でございます。
○副議長(大沢広太郎君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
四十一番松坂英樹君。
○松坂英樹君 知事並びに関係部長から御答弁をいただきました。
合併問題では、知事から、法律に沿って構想を出した、地元で十分議論をしてほしい、こういう趣旨の答弁であったかと思います。実際、今、合併の作業の中で自治体は大変な苦労を重ねているわけで、そして何よりも、住民が我がふるさと、我が町にどういう思いを今持っているのかということをやっぱり踏まえなければならないと思うんですね。そして、合併をしなかった市町村も、これまた自立を基礎にした広域連携を探る、そういった動きも全国的にあるわけですし、こういったものをきちんと県としても見る必要があると思います。
合併を選択したところ、また選択しなかったところ、その一つ一つは、やっぱり皆ケース、ケース違うわけで、違った結果が出てきていると思うんですね。ですから、それをしっかりと踏まえて、特例法がこの基準で考えるんじゃなくて、住民の暮らしにやっぱり軸足を置いて、それらを踏まえた県としての対応をしっかりときょうの質問では強く要望しておきたいというふうに思います。
それから、旧花園村での不法な砂利採取の問題。これは、しっかりと調査すると部長から約束をいただきました。
また、有田市での不法占拠問題では、左岸側の環境保全について、地元と、そして協議会と検討に入っていくと、こういう答弁であったかと思います。答弁どおりしっかりと取り組んでいただきたいと思うんです。
知事、今回、私、この川にかかわる二つの問題で共通して県の姿勢をただしたかったのは、無法な行為に対しては、やっぱり県は毅然とした態度で臨むべきだなと思っているんですね。どうしても役所の仕事というのは、まじめな県民、よく言うことを聞く県民には、こんな書類を用意してもらわないかんとか、これしてもらわんなんとか、あれあかん、これあかんという、法や条例を盾にしゃくし定規な対応をする場合が多いんですが、翻って、開き直ってむちゃを通してくる相手には、繰り返し指導はしているのですがとか、指導の限界とか、解決どころかぐるぐる回りになって、だれのための行政なのかと思うことが間々あるわけなんですよね。
ですから、今回指摘をさせていただいた点については、県民、住民の生活、常識や秩序を守るために法や条例というのはあるわけですから、県民の立場に立った行政を心がけて、必要な場合には県としてしっかりと対応していただきたい。このことを重ねて要望しておきたいと思います。
以上で、私の質問を終わります。
○副議長(大沢広太郎君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で松坂英樹君の質問が終了いたしました。