平成18年6月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(山田正彦議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前十時三分開議
○議長(吉井和視君) これより本日の会議を開きます。
 日程第一、議案第一号から議案第十八号まで、議案第三十六号から議案第九十号まで、議案第九十二号から議案第九十五号まで及び議案第九十七号から議案第百九号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 十一番山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕(拍手)
○山田正彦君 おはようございます。気分を落ちつけてやります。
 ただいま議長のお許しをいただきましたので、私は、京奈和自動車道の問題に限って、二点に絞り御質問をしたいと思います。
 まず、一点目の京奈和自動車道紀北西道路の促進についてであります。
 京奈和自動車道は、申すまでもなく、京都から奈良を通り和歌山を結ぶ延長百二十キロ、第一種第二級、設計速度百キロメートルの四車線の紀北地域を東西に走る高規格道路として、国土開発幹線自動車道などと連携し関西都市圏外周部の環状交通体系を形成するとともに、京都、奈良、和歌山の拠点都市間の時間短縮を図り、地域の連携を強化することで沿線地域の各種地域振興プロジェクトの支援、とりわけ一体的な近畿圏の形成に寄与し、また関西国際空港も二〇〇七年第二期工事が完成し、オープンいたしますが、大阪、神戸、大阪湾ベイエリア開発にも和歌山県北部地域が積極的に参画できる大変重要な道路でありまして、その完成、開通が一日も早く望まれるところであります。
 和歌山県側の道路進捗状況について、私の知る範囲で確認をしておきたいと思います。
 京奈和自動車道は、今申し上げました全長百二十キロメートルでありますが、和歌山県側としては四十・四キロメートルであります。そのうち、橋本道路として十一・三キロ、紀北東道路として十六・九キロ、紀北西道路として十二・二キロメートルの三つの事業区分に分かれております。十八年度も国の予算として二百億程度の予算が見込まれているとお伺いしております。県選出の国会議員を初め、知事、県当局、関係者の皆さんの大変な御労苦に対して、心から感謝を申し上げたいと思います。
 橋本道路につきましては、資料はありませんが、ちょっと頭の中に浮かべていただきたいと思うんですが、高野口インターから橋本インター、それから奈良県境の橋本東インターまでの暫定二車線で、ことしの春、供用の予定でありました。ところが、先般来御承知のように、垂井高架橋の損傷事故によりまして、高野口インター─橋本インター間、つまり五・六キロのみの供用となりそうであります。したがって、橋本道路全体の供用時期はまだ決まっていないと思います。この間、用地買収を平成四年から開始し、工事着手は平成十年から、そして現在に至っていると、そういう経過であります。
 なお、垂井高架橋の損傷に関する問題については、この後、別途質問させていただきます。よろしくお願い申し上げます。
 また紀北東道路、これは高野口インターから西へ向かい、紀の川市の神領、つまり県道泉佐野打田線のインターまでの区間ですが、現時点では、用地買収でこの進捗率が六〇%程度とお伺いしておりますし、工事は平成十八年度から着手の予定だとお伺いしております。用地の買収が完了して工事が完成、供用するのはいつのことか、今のところさっぱりわかりません。
 紀北西道路、これは打田インターから岩出インター──これは現在精力的に工事が進められております泉佐野岩出線との交差部でありますが、その岩出インターから雄ノ山にある和歌山ジャンクション──これは参考資料がありますのでお目通しいただきたいと思いますが、このジャンクションは阪和自動車道の大阪方面へ行くための接続部となっております。
 また、南進する、要するに和歌山、白浜方面へ行く乗り継ぎのジャンクションとして和歌山市弘西に予定されている、雄ノ山の向こうの和歌山ジャンクション──これは今申し上げた和歌山行きです──の間を紀北西道路として計画されております。この調査、設計あるいは関係機関との協議は今年度着手する予定とお伺いしておりますが、用地買収のめどや、あるいは工事着手のめどなど、お伺いするすべもありません。
 冒頭申し上げましたように、京奈和自動車道は紀北地域、紀の川流域を東西に走ります。一般国道二十四号線は、沿線の市街化などによりまして交通が大変集中し、日常的に渋滞が発生し、主要幹線道路としての機能を十分果たしていないのが現実であります。地域の皆様方は、一日も早く、ただ単に走る通過交通を排除して地域内の道路機能を回復し、他の主要幹線道路と連携して広域的な道路ネットワークの形成がなされることを強く望んでおられます。
 一方、大阪府と接している地域として、南北道路の整備もまた大変重要であり、その整備も急がれているところであります。
 紀北地域と大阪府間の南北にある連絡道路には、大きくは、泉佐野岩出線、泉佐野打田線、国道四百八十号線、それから橋本を通っております国道三百七十一号線などがあります。それらの主要道路におけるすべての道路で、和歌山県側としては最大限の資本を投入し整備がなされており、大変ありがたいことだと感謝しておりますが、肝心の相手側、つまり大阪府側の対応には歯がゆさを禁じ得ません。逼迫する厳しい大阪府財政の中、南の外れ──和歌山県は玄関だと思っていても、向こうはひょっとしたら通用口か勝手口ぐらいのことしか思ってくれていないかもわかりません。その南の外れの和歌山県境のことまで手が回らないのが実情で、無理からぬところもあるかもしれませんが、府県間道路の整備を強く期待したいものであります。
 いろいろ申し上げましたが、これから私の申し上げるのが本番でございますので、特に御清聴いただきたいと思います。
 京奈和自動車道の橋本道路は、先ほどの垂井高架橋のトラブルがあって供用開始がおくれるものの、渋滞が激しい国道二十四号線のバイパスとしての先行整備は大いに期待されるところでありましょうが、一方で、和歌山県の浮揚、発展については、開発の可能性を有する紀の川流域、特に岩出、紀の川市を中心とした紀北地域のポテンシャルを高めることが不可欠であると、私は確信を持っております。
 幸いにも、泉佐野岩出線については、格段の県のお取り組みをいただき、国道二十四号バイパスの備前というところから峠を越えて府県境の国界橋までは和歌山県側として、お伺いしますと約三百億余りの巨費を投じていただき、完全四車線化の供用のめども十九年度中にはかなうものとお伺いしております。ただし、今、行きのトンネル一本で、帰りのトンネルについては次の段階であります。特にこれに関して、県土整備部あるいは地元那賀振興局の、いろんな難しい問題があったにもかかわらず職員の一丸とした御努力に感謝を申し上げたいと思います。
 知事、次はぜひこの整備された泉佐野岩出線と京奈和自動車道の雄ノ山から岩出間のその紀北西道路の、しかも西からの早期着工を国に対して強力に働きかけをしていただきたいと思います。議会としてもまた、京奈和自動車道建設促進議員連盟の門会長以下、皆様方にも格段のお力添えをお願い申し上げるのは当然のことであります。
 申すまでもなく、道路整備の地域に与える開発効果は、幹線高速道路との接続、一体化してこそ機能は何倍にも拡大いたします。高速道路は、県民生活にも深く密着、定着しています。和歌山県北部にあって、阪和自動車道を目と鼻の先に眺めながら和歌山ジャンクションに乗り込みがたい地域の人口を見ますと、和歌山市河北部、岩出町、紀の川市、伊都郡、橋本市、海南市東北部、紀美野町など、大方二十五万に近い県民が岩出インターからの乗り入れを待望していると思われます。また、岩出、打田、粉河、桃山、貴志川、あるいは近隣地域には、多くの企業も進出されてきています。それらの多くの企業の方々も、幹線高速道路への接続を熱望されていることと思います。
 関西国際空港の第二期工事も順調に進み、二〇〇七年度から供用も開始されます。関西の将来、特に空港三十分圏内に位置する和歌山県の将来は、中国を初めとするアジア諸国との関係が大きく影響することは明白であります。
 こうした視点に立てば、時間、距離、土地利用の可能性、人、物の流動など、関西国際空港に近接した和歌山県北部の県勢浮揚、発展のかぎを秘めた紀の川流域への高速道路の導入、つまり雄ノ山ジャンクションから岩出インターチェンジ方面への先行整備が急がれるゆえんであります。
 なお、蛇足ですが、図面でもごらんのように、岩出インター─雄ノ山はすべて和歌山県領であって、たったわずか三・二キロの至近距離にあります。
 知事、この件に関して、従来どおりの東からの全線早期完成への働きかけも大変重要でありますが、この際、紀北西道路、特に雄ノ山の和歌山ジャンクションから岩出方面への西から東への先行整備への取り組みも大変重要だと考えますが、その重要性についての御認識と、また、今後どのようにお取り組みいただけるか、特段の御配慮をいただけないものか、御所見をお伺いいたします。
 二問目の問題に入ります。
 垂井高架橋損傷事故から波及した和歌山県産の和泉砂岩の風評被害についてであります。
 ことし一月十一日、京奈和自動車道建設促進議員連盟、門会長以下所属議員、県側から宮地県土整備部長以下関係者多数で、問題の橋本東部にかかっております京奈和自動車道垂井高架橋の現場の視察に行ってまいりました。
 当日、国土交通省和歌山河川工事事務所の大槻所長から、垂井高架橋の概要書と、平成十七年九月十二日に作成されました、ここにありますが、垂井高架橋損傷対策特別委員会の中間報告書をいただき、橋脚間の箱げたのたわみや、あるいは両端のアバット──両端のあの部分はアバットと言うんですが、アバット部のシュー部分にある耐震ゴム、ごらんいただいたと思うんですが、橋の中心に、この報告では数十ミリとなっていますが、現在は七十ミリほどあるそうですが、引き寄せられているあの様子を見て、びっくりいたしました。皆さんも大変驚いたことだろうと思います。
 その後、私は私なりに、この中間報告書を何度も読み直しました。報告書の至るところで、コンクリートのひび割れが極端に多いこと。このことについては、ある意味では、後で御説明申し上げますが、PRC構造ということになっていますので、箱げたの鉄筋量が大変多い。というのは、耐震性確保の視点から、多量の鉄筋を使用している。通常の仮枠との体積比では、〇・五%ぐらいのところらしいんですが、この場合は五%を超えているほど、つまりふだんの約十倍ほどの鉄筋量を使用しているために、コンクリートの乾燥収縮が鉄筋の収縮の係数と異なりますので、鉄筋によって拘束されてひび割れが発生したと。そのひび割れがたくさん各所に分散していると考えられると、そういうふうに報告書ではなっております。
 一例を挙げまして、この対策はどうしたらいいんだということになりますが、このひび割れのことについては注入工法というのがありまして、可能なひび割れについてはエポキシ樹脂などによって注入すれば──高架橋本体の設計耐用年数というのは五十年というふうにうたわれていますので、その間、ひび割れについてはこういうことで対応できますよと、一例ですが、こう書いています。
 問題は、橋脚間の箱げたがなぜ垂れたかという問題なんです。この報告書には、コンクリートの自己収縮、乾燥収縮が予想値をはるかに超えていたと。そのコンクリートに使用している粗骨材、つまりグリ、これ「和泉砂岩」という表現はないんですが、当然和泉砂岩を指摘しているんですが、その石に自己収縮、乾燥収縮を大きくする特性があったと推定されるとあります。この報告書の至るところにそういうことが書かれております。
 私は、この中間報告書を作成されました委員長、長岡技術大学の丸山先生を初め、東京工業大学、東京大学、京都大学のいわばその道のエキスパートである大先生と論議するつもりは、そんな知識も能力もありませんから全く思ってませんし、まして国交省とも渡り合うつもりも毛頭考えておりませんが、予想以上に収縮した、縮かんだはずのコンクリートが何で垂れるんやということが私にはどうしてもわかりません。
 中間報告の資料をちょっと添付さしていただいています。ごらんください。──「収縮による桁の変形」とありますが、橋脚間の箱げたの自重で、そのしわ寄せとして引き寄せられて、先ほど申し上げました両端のアバットのシュー部分のゴムパッキンが中心に引き寄せられたと、私は思うんですね。
 この事案があって、私はあることを思い出しました。話は少し横道にそれますが、私は東京オリンピックのときに東京に住んでおりました。昭和三十八年ごろだったと思います。ちょうどオリンピックの前の年です。神宮外苑のそばにある高速道路の建設現場でのこと。今まで通っている現道の上に十メーターぐらいの立体の高架橋を新設する工事で、橋脚間の一スパンがコンクリートを打っている最中に陥落したんです。普通では考えられない事故がありました。これは、有名なスーパーゼネコンの施工でありました。不幸中の幸いでしたが──ちょうどその下を宮内庁の車が通りかかったとこだったんで問題が大きくなったかもしれませんが、ただ人命には関係なかったような記憶であります。だから、波及事故というのはなかったと思います。たかが十メーター上の、しかも足場のしっかりしたとこでポストを立てて、その上のコンクリートを打っている最中にスパンが落ちたということが頭をよぎりました。
 話をもとに戻します。橋脚間の箱げたのコンクリートを打設する場合は、その足場、それを支保工と言いますが、垂井高架橋の高いところでは地上三十二メーターあるんです。その上に何百トンもの生コンが乗ります。聞いた話では、一日に大型生コン車五十車ぐらい行ったということでありますから、あれは五立米は入っていますから、一日に二百五十立米ぐらい打ったと仮定しますと、立米二・五トンですから六百二十五トン、生コンだけでも六百トンから七百トンある。そこに、先ほどから申し上げました多重鉄筋構造ですから、鉄筋がたくさんある。恐らく七百トン、八百トンという、そういう重量がいっときに乗るはずなんです。そのサポートする支保工が三十二メートルありますから、支保工自身の重量で下がることもあるでしょうし、つまりたわんだり沈んだりすることは当然なんですが、それを見越して、その分と、それから、箱げたが打った後垂れますから、その分を少し上へ乗せとかなあかん。これを専門用語では「上げ越し」と言うらしいんです。つまり、かまぼこの背中みたいにむくらしとくわけですね。そういうことをして打って落ちついて水平になると、そういうことになってるんですが、この報告書には、その上げ越し量をどんだけにしたとか、支保工の、鋼材を使っていますが鋼材の強さとか、あるいは出来形、よかったとか悪かったとかというような施工的な要因に影響することについては、施工状態が全く計測されたり記録されていないと、こういうことなんです。だから、この橋の結果に対する影響については、その影響があったかなかったかというのは確認できなかった、こういうことなんです。
 それとまた、今申し上げたコンクリートを打つときには、コンクリートの強度は全くゼロでありますから、べたあっと七百トン、八百トン、もっとかもしれません、その重量がまるっきりかかるわけです。その初歩の初歩と私は思いたいんですが、施工現場で最重要視されるべき肝心の支保工のデータが全くないとは、本当に私には理解できません。
 それから、またさらには、生コン業者さんが現場へ行くときには必ず提出書類があるはずなんですが、そのコンクリートの配合記録さえ工事請負企業にはないため確認できなかったと、この本には明記されております。一ページから終わりまで、不信感いっぱいであります。
 打った後、橋の上部から抜き取ったコンクリートの試験片を用いた結果も、あわせて記載されております。これについては、試験をした限りでは設計強度よりはるかに強いコンクリートが打たれてあると、こう書いているんです。設計予定値より五割も九割も強いコンクリートであったというふうに一方では書いてくれている。また、コンクリートというのは圧縮に強いのがすべてなんですが、引っ張り強度もしたけども、これも予測値より七割も十二割も強かった、だからコンクリートについては全く問題なかったと、こっちはこうやって書いているんです。
 しかし、垂井橋のこの損傷には、何らかの原因があったから、こういう結果になったはずなんです。その事故を受けて、先ほど申し上げました大学の教授など、そうそうたるメンバーで特別委員会をつくったんやから、何らかの結論を出さないといけない。そういうときに、やっぱりどうしても弱い立場のところへ結論を誘導しようとしているようにしか、私には思えません。
 和泉砂岩は、立派な県産品です。JIS規格も、ここに資料がありますが、高い数値でパスしておりますし、またさらには生コン出荷工場も、当然、JIS規格でありますから、その厳しいJISにのっている以上のいろんな厳しい試験をパスしなければ出荷できません。今日まで県内はもとより至るところで何十年もの間、あらゆる地域で数多くの公共建物や橋梁が、この和泉砂岩を使ってつくった生コンクリートでつくり上げてこられました。どこか曲がったり縮かんだり折れたりしたというような問題を聞いたことが、皆さん、あるでしょうか。ありません。
 昨年の八月十二日付の「日経コンストラクション」という建築雑誌があるんですが、そこにもこう載っています。垂井高架橋の件が載り、国交省の関東地方整備局では、この事故以来、PRC構造を本格的に採用する段階に至っていなかったということもあって、去年三月からPRC構造の採用を控えている、たまたま工事の発注が終わった段階であっても、施工前であればPC構造へと設計を見直すことにした、こう書かれている。
 また、ことしの二月十三日、日本テレビのNEWSPLUS1、「大注目 憤激レポート」という番組で、夜六時十七分から約二十分間、垂井高架橋のことについて関東エリアだけで放映されました。なぜ問題の関西エリアに放送しないのかという意味はよくわかりません。私も、後日、ビデオを見せていただきました。放映された番組では、砂利を批判するような内容は一つもありません。高架橋の欠陥については、その原因としては工事の発注方法に問題があるという結論にその放送ではなっております。幸い、県土整備部長も現場へ同行していただき、あるいはまたこの報告書もごらんいただき、吟味していただいたことと思います。
 こんなに多くの問題を含んだPRC構造の橋梁工事のために疑いをかけられ、あらぬ風評が流れ、前年度とことしの対比を見ても現時点で約十万トンもの出荷量が極端に落ち込み苦しんでいる和泉砂岩を生産している県内事業者のためにも、和歌山県として、今後、県発注の公共事業において影響が出ないようにどのように対応していただけるものか県土整備部長にお伺いして、第一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
○議長(吉井和視君) ただいまの山田正彦君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 京奈和自動車道の整備促進についての御質問でございます。
 京奈和自動車道は和歌山県にとっても非常に大切な道路で、幸いなことに、ここ四、五年、非常に多くの予算がついて、橋本道路、そしてまた紀北東道路とだんだんと整備が進んだり用地の買収が進んできているところでございます。
 ただ、御質問にもありましたように、道路というのは物すごい時間がかかるというふうなことがあるんで、百年河清を待つということでは困るわけで、実際に住民の人の役に立つ部分から早期に着工し、そして供用開始していくということも、私は物をつくる上での非常な知恵だろうというふうに思っております。
 そういう中で、紀北西道路、特に岩出と雄ノ山の間は高速道路とそしてまた泉佐野岩出線、これの整備が非常に進んできているんで、ここがうまくつながれば──京都まで行けば一番いいんだけど、そういうことじゃなくて、非常に地元に有益なものになるという認識は私も持っておりまして、かねてから国の方へもこの西の方、必ず東から全部やらないといかんということじゃなくて、西の方からの着工ということも要請してきたところですけども、ただいまの御質問の趣旨も踏まえて、これからもそういうふうな方向で、しかもその有用性というようなことを具体的に示しながら要求していきたいと、このように思っております。
○議長(吉井和視君) 県土整備部長宮地淳夫君。
  〔宮地淳夫君、登壇〕
○県土整備部長(宮地淳夫君) 和泉砂岩の問題についてお答えをいたします。
 県発注工事においては、設計書に計上する材料のうち、品質規格を満たすものが和歌山県産品で確保できる場合にはそれを優先的に使用するよう請負者に対する努力義務規定を設け、県産品の活用促進に努めております。
 また、生コンクリートにつきましてはJIS規格が設けられており、この規格の中では骨材の品質についても規定されております。県が発注する工事においてはJIS規格に適合した生コンクリートであれば使用を承認しており、今後ともJIS規格に適合すれば使用を承認してまいります。
○議長(吉井和視君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 十一番山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 京奈和自動車道については、知事の力強い取り組みの姿勢を感じました。よろしくお願い申し上げたいと思います。
 知事は本会議で、冒頭の所信表明の中で、地域自体の力、地域力を高めたいというふうに申されました。私も、性格上ちょっとくどいんかもわかりませんが、重ねて申し上げたいのは、雄ノ山ジャンクションからのアクセスが早期に実現すれば、紀の川エリアから近畿エリアへの内から外への出向きばかりではなく外から紀の川エリアへの企業誘致の大きなセールスポイントにもなりますでしょうし、また歴史・文化の薫りの高い根来、粉河あるいは華岡青洲の里初め、世界遺産の高野・熊野、あるいはまた自然環境、いやしを求めて訪れる観光の誘客効果にもはかり知れないほどの経済効果をもたらすと思います。これこそ紀の川エリアの地域力を高めるための起爆剤になること、間違いありません。
 東からの工事進捗が今の状況であれば、まことに残念ながら、岩出、雄ノ山へ来るのは二十年ぐらい先になるかもしれません。ただただ手をこまねいて見てばっかりはいられません。
 知事、重ねて申し上げますが、特段のお取り組みをいただきますよう、心から強く要望いたします。
 垂井高架橋の報告書の例の件でありますが、先ほども申し上げましたが、私なりに──これはどこからもメールをいただいていません──私なりに勉強する限り、見れば見るほど、読めば読むほど不可解さが募ります。損傷事故の発覚は、ひびがあちこちにあるからおかしいぞということで、調査する過程でたわんだのがわかったと。そんなばかな話はないんですが、現実はそうだと、そう書かれています。そのたわみの発生した時期を特定するデータも、例によってありません。施工中も工事完成した後も計測されていないと明記されているんです。だから、何にもしてない。こういうほんとに歯がゆい思いがします。
 ひび割れが多数発生したという原因は、先ほど申し上げました。過密鉄筋と型枠、いずれの部材にも見合ったコンクリートを使用していなかったため、十分コンクリートが回ってないんです。だから、テレビの放送でもありました空洞、コツコツと音するんです。そういうような組み合わせができてなかった。それから、垂れたもう一つの原因は、プレストレスと言いまして、あの中にピアノ線をよった線を引っ張って、それで垂れる橋を持ち上げてるわけ。そのプレスト量の見積もり、どんだけあるかというような、要するにトータル的な設計としての整合性が必ずしも一致していなかったということを要所要所に記述されております。
 また、先ほど来申し上げています施工の工程上、その都度その都度の大変重要であるはずの計測上のデータが確認されていない。したがって、本工事への影響を推定できるものはありません。私も多少なりとも現場を知っている者の一人として、工事の着手前には工事予定あるいは施工要領書、計画書というのが必ず出てるはずなんです。
 また、慎重な施工管理をしていれば健全な構造物を建造することが十分可能であったとも記述されているんです。これは私なりの調査ですからどっかからクレームがつくかもしれませんが、たまたまこの施工された業者さんにおいてはPCというプレストレス専門の橋のメーカーですが、RCと鉄筋とマッチングした橋のPRC構造の施工実績を調べましたが、私の知る限りの中には確認できませんでした。
 いろいろ申し上げましたが、私には余りにもたくさんの問題点がある、と思われているんですよ。そういう報告書のために苦境に立たされている、先ほども申し上げました弱い立場にある砂利砕石生産協同組合の皆さん、それから、そのまた和泉砂岩を共同購入して──生コンのプラントの中に入れ物があるんですが、ビンというらしいです、そのビンいっぱいに和泉砂岩を詰め込んでいる紀北生コン共同組合の皆さん方のやんどころないこの悩み、不満を払拭するためにも、また県産品の販路拡幅、従業員の雇用確保や、あるいは地域経済の活性化を図るためにも、外に向かって、特に国交省あたりに向かって知事にトップセールスでもしていただけたらなと思うんですが、これは立場上いろいろ問題あるでしょうが、そのことを知事に強くお願い申し上げて、御清聴いただきましたが、私の発表を終わります。ありがとうございました。
○議長(吉井和視君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で山田正彦君の質問が終了いたしました。

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