平成17年12月 和歌山県議会定例会会議録 第8号(全文)
県議会の活動
平成十七年十二月 和歌山県議会定例会会議録 第八号
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議事日程 第八号
平成十七年十二月十五日(木曜日)午前十時開議
第一 議案第二百三十五号及び議案第二百四十二号から議案第三百号まで、報第十五号から報第十九号まで、議員提出議案第三号及び議員提出議案第四号、並びに請願四件(委員長報告・同質疑・討論・表決)
第二 常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件
第三 特別委員会閉会中継続審査の件
第四 意見書・決議案
会議に付した事件
一 議案第二百三十五号及び議案第二百四十二号から議案第三百号まで、報第十五号から報第十九号まで、議員提出議案第三号及び議員提出議案第四号、並びに請願四件(委員長報告・同質疑・討論・表決)
二 常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件
三 特別委員会閉会中継続審査の件
四 意見書案
出席議員(四十五人)
一 番 須 川 倍 行
二 番 尾 崎 太 郎
三 番 新 島 雄
四 番 山 下 直 也
五 番 小 川 武
六 番 吉 井 和 視
七 番 門 三 佐 博
八 番 町 田 亘
九 番 前 川 勝 久
十 番 浅 井 修 一 郎
十一 番 山 田 正 彦
十二 番 坂 本 登
十三 番 向 井 嘉 久 藏
十四 番 大 沢 広 太 郎
十五 番 平 越 孝 哉
十六 番 下 川 俊 樹
十七 番 花 田 健 吉
十八 番 藤 山 将 材
十九 番 小 原 泰
二十 番 前 芝 雅 嗣
二十一番 飯 田 敬 文
二十二番 谷 洋 一
二十三番 井 出 益 弘
二十四番 宇 治 田 栄 蔵
二十五番 東 幸 司
二十六番 山 下 大 輔
二十八番 原 日 出 夫
二十九番 冨 安 民 浩
三十 番 野 見 山 海
三十一番 尾 崎 要 二
三十二番 中 村 裕 一
三十三番 浦 口 高 典
三十四番 角 田 秀 樹
三十五番 玉 置 公 良
三十六番 江 上 柳 助
三十七番 森 正 樹
三十八番 長 坂 隆 司
三十九番 阪 部 菊 雄
四十 番 新 田 和 弘
四十一番 松 坂 英 樹
四十二番 雑 賀 光 夫
四十三番 藤 井 健 太 郎
四十四番 村 岡 キ ミ 子
四十五番 松 本 貞 次
四十六番 和 田 正 人
欠席議員(なし)
〔備考〕
二十七番欠員
説明のため出席した者
知事 木 村 良 樹
副知事 小 佐 田 昌 計
出納長 水 谷 聡 明
知事公室長 野 添 勝
危機管理監 石 橋 秀 彦
総務部長 原 邦 彰
企画部長 高 嶋 洋 子
環境生活部長 楠 本 隆
福祉保健部長 嶋 田 正 巳
商工労働部長 下 宏
農林水産部長 西 岡 俊 雄
県土整備部長 宮 地 淳 夫
教育委員会委員長 樫 畑 直 尚
教育長 小 関 洋 治
公安委員会委員長 大 岡 淳 人
警察本部長 辻 義 之
人事委員会委員 守 屋 駿 二
代表監査委員 垣 平 高 男
選挙管理委員会委員長 山 本 恒 男
職務のため出席した事務局職員
事務局長 小 住 博 章
次長 土 井 陽 義
議事課長 下 出 喜 久 雄
議事課副課長 薮 上 育 男
議事班長 山 本 保 誠
議事課主査 湯 葉 努
議事課主査 楠 見 直 博
総務課長 島 光 正
調査課長 辻 和 良
(速記担当者)
議事課主査 中 尾 祐 一
議事課主査 保 田 良 春
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午前十時二分開議
○議長(吉井和視君) これより本日の会議を開きます。
この際、暫時休憩いたします。
午前十時二分休憩
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午後一時三十一分再開
○議長(吉井和視君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
日程第一、議案第二百三十五号及び議案第二百四十二号から議案第三百号まで、知事専決処分報告報第十五号から報第十九号まで、議員提出議案第三号及び議員提出議案第四号、並びに今期定例会の請願一件及び継続審査中の請願三件、計四件を一括して議題とし、順次、常任委員会委員長の報告を求めます。
経済警察委員会委員長森 正樹君。
〔森 正樹君、登壇〕(拍手)
○経済警察委員会委員長(森 正樹君) 経済警察委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案五件でございます。
委員会は、十二月十二日、第三委員会室において開催し、公安委員会、商工労働部・労働委員会の順に当局から付託議案についての説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第二百三十五号、議案第二百四十九号、議案第二百五十三号、議案第二百七十九号及び議案第二百八十号は、いずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
以下、各委員の主な質問項目を申し上げます。
公安委員会関係では、犯罪防止活動を行う民間等への補助、子供の安全対策、都市型フルマラソンの開催時の対応について、商工労働部関係では、本県における雇用状況、高等技術専門校の運営、観光パンフレットの活用、白浜町への企業進出、白浜の観光資源の年間を通した活用、わかやま喜集館の運営、観光客の動態調査についてただされました。
以上をもちまして、経済警察委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。
○議長(吉井和視君) 農林水産委員会委員長藤山将材君。
〔藤山将材君、登壇〕(拍手)
○農林水産委員会委員長(藤山将材君) 農林水産委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案五件であります。
委員会は、十二月十二日、第四・第六委員会室において開催し、農林水産部から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第二百三十五号、議案第二百八十一号、議案第二百八十二号及び議案第二百九十六号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。また、議員提出議案第四号につきましては、十二日、第四・第五委員会室において、関係当局の出席を求め、総務委員会との連合審査会を開催、議案提出者から説明を聴取し、審査したところ、委員から修正案の提議があり、慎重に審査いたしました結果、賛成多数をもって修正可決すべきものと決しました。修正の内容につきましては、お手元に配付させていただいておりますとおりであります。
なお、当委員会から、「違法伐採問題に対する取り組み強化を求める意見書(案)」を提出されるよう要望いたしました。
次に、所管に係る各委員の主な質問項目を申し上げますと、試験研究、普及の今後のあり方について、林業関係予算について、間伐材等の利用について、農林水産部の予算編成について、梅産業への行政支援について、農林水産業における団塊の世代への情報提供について、ミカン対策について、漁協合併について、護摩壇山森林公園の指定管理者についてただされました。
以上をもちまして、農林水産委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。
○議長(吉井和視君) 建設委員会委員長花田健吉君。
〔花田健吉君、登壇〕(拍手)
○建設委員会委員長(花田健吉君) 建設委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案十九件、知事専決処分報告三件、請願は前会からの継続審査分一件であります。
委員会は、十二月十二日、第五委員会室において開催し、県土整備部から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第二百三十五号、議案第二百五十号から議案第二百五十二号、議案第二百五十七号、議案第二百八十三号から議案第二百九十二号及び議案第二百九十七号から議案第三百号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決し、知事専決処分報告報第十五号、報第十七号及び報第十九号についても原案のとおり承認すべきものと決しました。また、請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、議請第二号は継続審査とすべきものと決しました。
次に、所管に係る各委員の主な質問項目を申し上げますと、道路特定財源の見直しについて、国道四十二号の越波対策について、構造計算書偽造問題について、耐震診断と耐震改修について、アスベスト対策について、国道四百八十号府県間トンネルの取り組み状況について、紀の川流域下水道事業の現状について、京奈和自動車道橋本道路について、御坊第二火力発電所の建設中止に伴う公有水面埋め立て免許の動向について、指定管理者制度導入に伴う県の組織体制についてただされました。
以上をもちまして、建設委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。
○議長(吉井和視君) 文教委員会委員長浅井修一郎君。
〔浅井修一郎君、登壇〕(拍手)
○文教委員会委員長(浅井修一郎君) 文教委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案三件、知事専決処分報告二件、請願、新規受理分一件、前会からの継続審査分一件であります。
委員会は、十二月十二日、第六委員会室において開催し、当局から付託案件等について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第二百九十三号から議案第二百九十五号までは全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。知事専決処分報告報第十五号及び報第十八号につきましては、全会一致で承認されました。また、請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、議請第十六号及び議請第十七号は継続審査すべきものと決しました。
次に、所管に係る各委員の主な質問項目を申し上げますと、南紀高等学校看護科の移設について、子供の登下校時の安全対策について、三位一体改革について、学校における防犯訓練等について、通学校区の弾力化について、少人数学級について、ニート対策並びに中途退学や原級留置の進路指導等について、職場体験学習についてただされました。
以上をもちまして、文教委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。
○議長(吉井和視君) 総務委員会委員長前川勝久君。
〔前川勝久君、登壇〕(拍手)
○総務委員会委員長(前川勝久君) 総務委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案十一件、知事専決処分報告一件であります。
委員会は、十二月十二日、第一委員会室において開催し、医科大学、看護短期大学部、出納室、人事委員会事務局、監査委員事務局、選挙管理委員会、知事公室、企画部、総務部の順に当局から付託案件等について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第二百三十五号、議案第二百四十二号から議案第二百四十六号まで、議案第二百五十四号、議案第二百五十五号、議案第二百五十八号及び議案第二百五十九号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。また、議員提出議案第三号につきましては、十二月九日、第四委員会室において総務委員会を開催し、農林水産委員会との連合審査会の開催を決議した後、農林水産委員会の同意を得て、十二日、第四・第五委員会室において、関係当局の出席を求め、連合審査会を開催、議案提出者から説明を聴取し審査したところ、委員から修正案の提議があり、慎重に審査いたしました結果、賛成多数をもって修正可決すべきものと決しました。修正の内容につきましては、お手元に配付させていただいておりますとおりであります。知事専決処分報告報第十五号は、全会一致で承認されました。
次に、所管に係る各委員の主な質問項目を申し上げますと、知事公室関係では、木村県政の長期計画について、和歌山県民文化会館の指定管理者の選定について、わかやま県民意識調査の活用について、企画部関係では、大辺路リレーウオーク及び人権フェスタの参加状況について、二〇〇五年国勢調査の結果について、紀州藩牢番頭家文書編さん事業への支援に関する調査結果について、総務部関係では、今後の市町村合併の推進について、県税組織の再編について、議員提出議案では、税負担の意義、具体的な事業内容、県民への周知並びに合意について、国策としての林業・森林整備の現在までの経緯とその問題点について、税負担に関する県議会としての取り組み期間とその蓄積度について、反対決議の意義とその扱いについて、県下市町村との協議とその合意に向けての努力についてただされました。
以上をもちまして、総務委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。
○議長(吉井和視君) 福祉環境委員会委員長玉置公良君。
〔玉置公良君、登壇〕(拍手)
○福祉環境委員会委員長(玉置公良君) 福祉環境委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案二十三件、知事専決処分報告一件、請願は前会からの継続審査分一件であります。
委員会は、十二月十二日、第二委員会室において開催し、福祉保健部、環境生活部の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第二百三十五号、議案第二百四十七号、議案第二百四十八号、議案第二百五十六号及び議案第二百六十号から議案第二百七十八号までは全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決し、知事専決処分報告報第十六号についても原案のとおり承認すべきものと決しました。また、請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、議請第九号は継続審査すべきものと決しました。
次に、所管に係る各委員の主な質問項目を申し上げますと、福祉保健部関係では、指定管理者制度について、少子化対策について、民間社会福祉施設等のアスベスト対策について、高齢者の肺炎対策について、看護師確保対策について、年金制度と生活保護制度の関係についてただされました。次に、環境生活部関係では、リサイクル製品の認定及び利用の促進に関する条例案について、男女共同参画推進事業者登録事業についてただされました。
以上をもちまして、福祉環境委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。
○議長(吉井和視君) 以上で、常任委員会委員長の報告が終わりました。
これより委員長の報告に対する質疑に入ります。質疑はありませんか。──質疑なしと認めます。
次に、討論に入ります。
まず、浦口高典君から反対討論の通告がありますので、これを許可いたします。
三十三番浦口高典君。
〔浦口高典君、登壇〕(拍手)
○浦口高典君 新生わかやま県議団を代表して、本議会に議員提案条例として提出されております議案第三号紀の国森づくり税条例並びに議案第四号紀の国森づくり基金条例に対し、撤回を求め、反対討論をいたします。
私ども新生わかやま県議団は、地球環境問題、中でも森林環境を守ることの重要性は十分理解するものの、今回提案された条例については、その条例の趣旨や財源等にかなりの問題があるということと、その上、余りに拙速な条例の提案の仕方に再考を求め、本会議、委員会でただしてきました。
また、和歌山市議会、御坊市議会、経営者協会、連合和歌山などからも反対の決議と慎重審議を求める意見が表明されています。しかしながら、修正案は、単に導入時期を一年先延ばししたにすぎず、今回の提案は到底県民の理解を得られるものではありません。
二つ目は、今回のように税として県民から一律に徴収するということは森林や環境に対する造詣や愛着というものに県民が向かなくなってしまうのではないかという危惧に対しては、税金を払うことで山の危機的状況に気づいてもらうとの答弁を聞かされてきましたが、これではかえって県民の反発や森林環境に対する理解を遠ざける結果になり、つまるところ、先に税金の徴収ありきという姿勢が明らかになったわけであります。
さらに、基金の使途は、知事が任命する同基金運営委員会にゆだねるなど、不明確であります。また、修正案のように、新税の導入日を決議し、後から県民に説明、理解を求めるような進め方は、反発はあっても、決して県民の理解を得ることはできません。
三つ目は、県議会そのものの見識にかかわる問題についてであります。
本年十月四日に第一回の森林環境税の勉強会をするということで、私も新生わかやま県議団を代表して参加いたしました。そのこと自体は、我々は評価こそすれ、決して否定するものではありませんでした。むしろ、地方分権が進む中で、二元代表制における地方議会の役割として、これからは知事、執行部に対して、より県民に近い立場から、県民の幸福を願い、立法機能を発揮していかなければいけないというのが我々新生わかやま県議団の主張であり、それだけに勉強会に積極的に毎回出席し、会派として議論を重ねてまいりました。
ところが、途中から、これはちょっとおかしいなと思い出したことがあります。まだ森林保全に対する認識を深めつつある段階にもかかわらず、この十二月議会に提出、可決して、来年四月から県民の皆さんから税金を取っていこうという、まさに最初に徴税ありきということを感じたときからであります。議員提案条例がこのような形でもし可決・成立したとすれば、後世つまり後の世の人たちに我々は一体何と説明をしたらよいのでしょうか。
本来、ここでいう議員提案条例は、我々は、全会派でもって議論し、全会派一致のもとに提出されるべきものであると考えます。例えば、ここに議員提案条例の先進県で数多く成立されている岩手県、宮城県、三重県、鳥取県、高知県の各県議会の資料がありますが、各県とも、議案提出者は会派や常任委員会、さらには議員有志であったりしますが、議会内にきちっとした条例検討委員会等の機関を設置、徹底的な議論をし、最終的にほぼ全会派一致によって議決されております。まして、税という十分に県民の理解と協力を得なければならない条例については全会派の一致をもって提出すべきと考えております。
最後になりますが、今回のように十分な議論がなされず、しかも多数決で強行するという状況が予想される中で、さらに和歌山市議会から再度の条例の撤回を求める決議が出されるという異常事態の中で、万が一可決された場合は、当局の行政執行に大きく支障を来すことに危惧するものであります。どうぞ、この点をもう一度御賢察の上、議員の皆さんお一人お一人の御判断を切にお願いを申し上げまして、私の反対討論といたします。
以上です。
○議長(吉井和視君) 次に、村岡キミ子君から反対討論の通告がありますので、これを許可いたします。
四十四番村岡キミ子君。
〔村岡キミ子君、登壇〕(拍手)
○村岡キミ子君 日本共産党県議団を代表いたしまして、議員提出議案第三号及び第四号、専決処分報告報第十九号に対する反対討論を行うものです。
紀の国森づくり税では、県議会に対し導入を求める意見もある一方で、反対意見や慎重意見が相次ぎました。和歌山市議会からは、現時点においては和歌山市民のコンセンサスが得られたものとは認められないとして、全会一致の反対決議が県議会議長と知事あてに提出されたところです。加えて昨日、修正案に対して和歌山市議会は、単に導入時期を一年間先延ばしにしたものにすぎず、どのような和歌山県民、市民のコンセンサスを得たのか全く不明であり、基金の使途についても無責任であると、強い口調で撤回を求めています。
また、御坊市議会は、本来、国がすべき森林整備、県が検討すべき課税を議員提案とすることについてはより慎重に、かつ丁寧に進めるべきであり、県民に十分な説明責任を果たすことはもとより、各市町村との協議、検討がなされるべきであり、今回の議案は実質的な県民税の増税であるとして、反対決議が送られてきたところであります。
また、県民各界各層からも意見が続出し、和歌山県経営者協会を初め、連合和歌山や和歌山県地評などからも慎重審議を求める意見書等が相次いだところです。
これらの意見が、県内の首長から、議会から、県民各層の団体から出されたということは、提出者が「県民の理解と協力のもと」としながらも、県民の合意を求める手続も、合意そのものも成立していないことの証明でもあります。
今回の修正案は施行時期を一年先延ばしするだけのものであり、附帯決議などでどんなに取り繕うとしても、税の使途を初め、説明責任や県民合意、市町村との協議など、今回指摘されたさまざまな問題点が何ら解決されるわけではありません。税を取ってから県民意識を高めるという逆立ちした考え方は、まず税ありきの結論を県民に押しつけるものでしかありません。
日本共産党県議団は、これまでも、森林の荒廃の主たる原因は、無理に人工林をふやしながら外材輸入を野放しにした国の林業政策にあるとして、国の責任による財源措置を求めてきました。その上で、我が県の危機的な状況にある森林・林業を救うため、森林整備の予算配分を高め、豊かな自然環境の再生を図れと求めてきました。
和歌山の森林整備のためにどんな施策が必要か、そのために新たな税負担を求めるべきかどうか、県民の中での十分な議論がなされたとは到底言えません。したがって、税条例提案は継続審議して十分な論議を保障すべきであります。今議会で採決すべきではありません。
次に、報第十九号の市町村負担金についてであります。
今議会への陳情書の中でもその負担軽減が要望されているところですから、その声に耳を十分傾けるべきではありませんか。
最後に、一言申し上げたいと思います。
指定管理者制度の導入に当たって、県民サービスの低下を招くことなく、一層の向上に努めるよう強く求めておきたいと思います。
以上で、反対討論を終わります。ありがとうございました。
○議長(吉井和視君) 次に、松本貞次君から賛成討論の通告がありますので、これを許可いたします。
四十五番松本貞次君
〔松本貞次君、登壇〕(拍手)
○松本貞次君 私は、提案されている議員提出議案第三号、第四号について、賛成の立場で討論に参加をさせていただきます。
今回の紀の国森づくり税条例と同基金条例について、多くの皆さんに、水源の大切さ、県土保全の大切さ、森林の大切さや森林の持つ公共的機能の大切さについて御賛同を賜るものと思っております。
県民の理解と協力について問題点を指摘され、私は私の立場で、今どうしても県民の皆さんに本県の森林整備に応分の負担を賜りたいと、議員諸兄に協力をお願いするものであります。
私の選挙区、有田郡清水町があります。県会議員として五期十九年、極力農林水産委員にとどまり、林業活性化に向け、日々取り組んでまいりました。しかし、二十年前の清水町、現在の清水町を比べますと、林業の不振に歯どめがかからず森林は荒廃し、まさに自分自身の力のなさを痛感する一人であります。
皆さんは、森林の持つ公益的機能の大切さは十分わかっていることと思います。水道の蛇口をひねれば水が出る、それが飲める、それが当たり前のこととなっていないでしょうか。今、漁業に携わる人々が海を守るため、自分たちで応分の負担をして山に木を植えています。私たちも、森林から受けている恵みを当たり前のこととせずに、自分たちで応分の負担をして、この恵みを与えてくれる森林を守らなければならないのではないでしょうか。
森林からの恩恵を享受している県民全体が森林を県民共通の財産であると認識し、森林づくりを県民全体で取り組んでいくことが必要であり、広く薄い負担で県民の皆さんの関与や参加をお願いする意味で、今般、紀の国森づくり税を導入するとした紀の国森づくり税の提案趣旨は時宜を得たものであり、反対は少ないと思います。
県当局も、森林整備には緑の雇用事業などにより積極的に取り組んでいるとの答弁もありました。清水町の例を挙げるまでもなく、まだまだ間伐等の手入れがなされていないままの真っ暗な森林が数多く見受けられます。
森林の保全は国が責任を持って政策展開を図るべきだとの意見もありますが、管理を放棄した荒廃森林に起因する水資源の渇水や洪水、土砂災害の問題は、台風被災地に見られたように、下流域の住民の生活、時として生命・財産に多大な影響を与えるものであります。本県での昭和二十八年の大水害を想起する人も多いのではないでしょうか。
また、奥山の人工林だけではなく、集落周辺の森林の管理放棄や竹林の荒廃が進み、里山の農地での鳥獣被害の拡大、竹林拡大による農地荒廃など、里山林の荒廃も大きな問題となっております。
森林の管理を所有者に義務づけよという意見があります。国産材需用の低迷と木材価格の下落は所有者の林業意欲を減退させ、なかなか将来を見据えた育林等の森林管理には手が回らないのはやむを得ないと思います。
森林環境税については、林野庁の調べで現在三十八の都道府県において議論が進められ、その中で、既に高知県を初めとして全国で十四県での導入決定がなされています。奈良県では平成十八年度から導入を決定しており、紀の川流域の水源地の森林整備を図ろうとしています。本県も、奈良県とともに紀の川流域の森林環境の整備に努める必要があろうかと存じます。
今日、地方分権の流れの中で、自己決定や自己責任の観点から、地域の課題は地域でと、そういうスタンスが求められております。その意味で、紀の国森づくり税は、森林に関するものではありますが、県民一人一人が身近な問題を解決することに対するきっかけとなるもので、県民の関与と社会の仕組みができれば、新しい自治の実現という意味からも紀の国森づくり税の導入は大きな意義があるものと考えます。ぜひ皆様の御賛同を賜りますよう、心からお願いをいたします。
最後に、自由民主党県議団や提出者におきましては、県民各界層への説明を実施し、御意見を聞いてきたところですが、条例の可決・推進に対しては、数多くの御意見、御期待をいただいていることも事実であります。特に、県下でも人口規模の小さな山間地域からの切実な願いが込められた声であります。同僚議員各位には、ぜひともその小さな声にも耳を傾け、しかも、それが将来には大きな県益につながるものと思っておりますので、どうか御賛同賜りますよう心から伏してお願いして、私の賛成討論といたします。どうもありがとうございました。
○議長(吉井和視君) これをもって、討論を終結いたします。
これより採決に入ります。
まず、議案第二百三十五号及び議案第二百四十二号から議案第三百号までを一括して採決いたします。
本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。
本案を委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(吉井和視君) 起立全員であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
次に、知事専決処分報告報第十九号を採決いたします。
本件に対する委員長の報告は、承認であります。
本件を委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(吉井和視君) 起立多数であります。よって、本件はこれを承認することに決定いたしました。
次に、知事専決処分報告報第十五号から報第十八号までを一括して採決いたします。
本件に対する委員長の報告は、いずれも承認であります。
本件を委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(吉井和視君) 起立全員であります。よって、本件はいずれもこれを承認することに決定いたしました。
次に、議員提出議案第三号を採決いたします。
まず、議員提出議案第三号に対する修正案を採決いたします。
本修正案に賛成の諸君は、御起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(吉井和視君) 起立多数であります。よって、本修正案は可決されました。
次に、ただいま修正議決した部分を除く原案について採決いたします。
修正部分を除く部分について原案のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(吉井和視君) 起立多数であります。よって、修正議決した部分を除く部分は原案のとおり可決されました。
次に、議員提出議案第四号を採決いたします。
まず、議員提出議案第四号に対する修正案を採決いたします。
本修正案に賛成の諸君は、御起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(吉井和視君) 起立多数であります。よって、本修正案は可決されました。
次に、ただいま修正議決した部分を除く原案について採決いたします。
修正部分を除く部分について原案のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(吉井和視君) 起立多数であります。よって、修正議決した部分を除く部分は原案のとおり可決されました。
この際、報告いたします。
お手元に配付のとおり、和議第四十六号「紀の国森づくり税条例案及び紀の国森づくり基金条例案に対する附帯決議(案)」の提出がありました。
お諮りいたします。これを本日の日程に追加し、これより直ちに議題といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(吉井和視君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
お諮りいたします。本案については、提出者の説明等を省略し、これより直ちに採決したいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(吉井和視君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
これより採決に入ります。
和議第四十六号を採決いたします。
本案を原案のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(吉井和視君) 起立多数であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
次に、請願四件を一括して採決いたします。
お諮りいたします。本請願は、いずれも委員長の報告のとおり決することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(吉井和視君) 御異議なしと認めます。よって、本請願はいずれも委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に日程第二、常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件を議題といたします。
お諮りいたします。お手元に配付しております「継続審査を要する所管事務調査件名表」及び「継続審査を要する担任事務調査件名表」のとおり、それぞれ閉会中の継続審査として付議することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(吉井和視君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
次に日程第三、特別委員会閉会中継続審査の件を議題といたします。
お諮りいたします。人権問題等対策、関西国際空港対策、防災等対策、半島振興過疎対策及び予算の特別委員会に付議されたそれぞれの問題について、さらに閉会中の継続審査とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(吉井和視君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
次に、日程第四に入ります。
和議第四十七号「違法伐採問題に対する取り組み強化を求める意見書(案)」を議題といたします。
案文は、お手元に配付いたしております。
お諮りいたします。本案については、提出者の説明等を省略し、これより直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(吉井和視君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
和議第四十七号を採決いたします。
お諮りいたします。本案を原案のとおり決することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(吉井和視君) 御異議なしと認めます。よって、本案は原案のとおり可決されました。
以上で、今期定例会に付議された諸案件の審議はすべて終了いたしました。
年末多端の折、各位の連日の御精励を深く感謝申し上げます。
どうか健康に留意され、来る年も県勢発展のためますます御活躍されますことを心からお祈り申し上げます。
これをもって、平成十七年十二月定例会を閉会いたします。
午後二時十二分閉会