平成17年12月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(角田秀樹議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 三十四番角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕(拍手)
○角田秀樹君 ただいま議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさしていただきます。
 まず初めに、御報告を一点申し上げたいと思います。
 去る十一月十九日土曜、和歌山市にございます男女共生推進センター六階大会議室にて、脳脊髄液減少症和歌山患者会並びに和歌山県福祉保健部健康局医務課の共催により、また、NPO法人鞭打ち症患者支援協会の後援による勉強会を無事盛会で終えることができました。当日までの当局の御協力に、この場をおかりいたしまして、患者会を代表し、厚く御礼を申し上げる次第でございます。ありがとうございました。
 当日は天候にも恵まれ、会場には医療関係者二十三名と行政関係者の方々も多数御出席いただき、本当に意義ある勉強会になったと確信をいたしております。また、患者会のメンバーも、遠くは北海道の釧路市からも駆けつけて参加されました。さらに、漫画界では有名なまつもと泉先生も神奈川県は川崎市より参加され、現在この「むち打ち症」と題した作品に取り組んでおられます。また、マスメディア関係では「いまじん」の制作部ディレクターの鈴木剛史氏ほか多くの取材者が出席される中、脳脊髄液減少症の実態について勉強会が行われました。
 勉強会冒頭、患者会を代表して和歌山市の中西さんより、「私の鞭打ち症の治療と裁判」と題して体験談発表がございました。ここで、御了解を得ましたので、当日の中西さんの原稿を少し皆さん方に御紹介を申し上げたいと思います。
 私は平成三年七月十二日、二トントラックで走行中、センターラインをオーバーして来た脇見運転の乗用車に正面衝突されました。その瞬間、首から背中にかけて電流が走ったような衝撃を受けました。救急車で病院に搬送されましたが、その時は背中に強い張りを感じた程度で、点滴を受けて楽になり、この程度なら大したことは無いと思い、タクシーで帰宅しました。
 しかし、その夜から体調が悪化し始め、翌朝には頭痛、頸の腫れ、目の奥の痛み、背中の痛みが強くなりました。すぐに角谷整形外科病院を受診し、治療を受けたのですが、症状は日に日に悪くなるばかりでした。微熱は常にあるし、自宅でもコックリコックリ寝るばかりでした。入院して、点滴、リハビリ、針治療、ホットパック、頸の牽引、マッサージなどを受け、ペインクリニックで神経ブロックを受けましたが、病状は悪くなるばかり。上半身に発作的に万力で締め付ける様な強い痛みに襲われました。左肩と首には卵大のこぶのような筋肉の固まりが出来ていました。
 毎晩、手の疼き、首の痛さで眠れず、板の間にタオルケットを敷いて、木製の圧迫器のとがった部分で首や背中を一晩中、押さえつけていました。
 リハビリ専門病院にも二カ月半入院しましたが、痛みや不快感の我慢が出来ず、入院中もスミヤ整形外科病院へ週一回神経ブロックに通いました。点滴と徹底したリハビリに取り組んだ結果、状態に少し改善が見られて退院しましたが、じきに元の木阿弥になってしまいました。
 そのような状況の中で、平塚共済病院の篠永教授の脳脊髄液減少症に関する報道番組をテレビで見たのです。放送されていた患者の症状が、私の症状とそっくりだったので、この治療法を試みてほしいと考えたのですが、なかなか実現できないでいたところ、半年ほど経過して、太田先生からこの治療が受けられるようになりました。暫くは生理食塩水を硬膜外に注入してもらい、頭の痛みが和らぎ体は少し楽になりました。
 平成十六年四月ブラッドパッチを受けるため、一回目の入院をしたのですが、そのときは急に締め付けられるような強烈な頭痛と発熱が起き、何度も吐き、水も受け付けない状態になって倒れてしまいました。部屋を暗くして、ベッドで微動だにできない、そして虫が部屋中を這いずり回り、口や鼻に入ってくる幻覚に襲われました。まさに七転八倒の苦しみを味わったのです。
 このような状況も少しずつ治まり、ブラッドパッチを受けたのです。施術後三十分位たって、全身が温かくなってきて、汗が出てきました。それまでは下半身が氷水にでも入っているように冷たく、真夏でも長ズボン下をはいて懐炉を手放せなかったので、この治療効果には本当に感激しました。
 十六年六月には、二回目のブラッドパッチを受けましたが、このときも同じく体が温かくなり、発汗もありました。
 十七年八月一日には三回目の、八月八日には四回目のブラッドパッチを首から受け、頭と首が楽になりました。術後の状態は少しずつではありますが、着実に改善されつつあると思います。
 何分にも、事故後十四年の長い年月が経過しています。劇的な改善は無理かもしれません。今日までスミヤ整形外科の太田先生、看護師さん達の懸命な治療と根気強く私の訴えに耳を傾けて頂いたことには、どれ程精神的に支えられたか知れません。
 まだ、右半身の強い冷えと痛み、右肩から腕にかけての、あたかも脱臼したかのような痛み、倦怠感、頭痛、睡眠障害などがあります。これからも各先生には全幅の信頼を寄せつつ、希望を持って前向きに治療を続けていきたいと思います。
 云々という、こういう体験談でございました。あとは、保険会社、また裁判の模様がありますので、本日につきましては割愛をさせていただきます。ただ、この十四年間の苦悩の日々を送った、しかし、このブラッドパッチに出会うことによりまして今日通常の暮らしを取り戻すことができたという、こういううれしさを体全体であらわされておりました。
 続いて、医師側からは太田麻酔科医、そして中川脳外科医、山口整形外科医の三名が受診例を披瀝されました。続いて来賓のあいさつ、順次式次第が進み、講演に入りました。講師には、現在、国際医療福祉大学附属熱海病院の脳神経外科教授の篠永正道ドクターが約一時間行い、引き続き質疑応答が出席されました複数の医師よりございました。
 以上が勉強会の報告でございます。
 そして、私自身の所感といたしまして、皆様も御存じのとおり、昨年の交通事故の負傷者数は過去最悪の百十八万人、過去交通事故に遭われ、むち打ち症で苦しんでおられる方の心中を察しますと、一日も早くこの治療について広く認知され、後遺症が改善されることを願うものであります。
 実例といたしまして、一回の血液注射、約二十ミリから三十ミリリットルで、寝たきり状態だった後遺症者が元気で歩けるぐらいまで急回復したケースもございます。今までの受診を受けた患者の約八〇%は症状が好転していることも事実であります。
 今回、県当局の御尽力で開催できた勉強会は、過去、千葉県、長野県での開催内容から見れば本県での勉強会が一番中身の濃い内容であったと、参加された皆さんの感想であったことを申し添え、改めて心から御礼を申し上げる次第でございます。
 さらに、私たちNPO法人鞭打ち症患者支援協会もこの運動を推し進めてまいりますと同時に、県当局におかれましても、今後とも積極的にこの治療法に対しての御理解と御協力をいただきますよう強く要望をいたします。
 なお、関東方面においてですが、本日のフジテレビ、夜八時から「インサイド・ウオッチ」という番組がございますが、先日一月十九日に和歌山で行われましたこの勉強会の模様が十分間程度放映されると先ほど連絡が入りましたことをあわせて御報告を申し上げたいと思います。
 次に、アスベスト問題についてお伺いをいたしたいと思います。
 現在、県当局において、第一次に続いて第二次調査も完了し、必要な措置を講じられている中、今後の県民の健康保全対策の観点からお尋ねいたします。
 一九七二年にWHOが石綿の発がん性を指摘して以来、三十三年間、石綿への依存は、燃えず、加工しやすく、しかも安価として「夢の物資」とまで言われ、日本でもアスベストを大量に使い始めたのは一九六〇年代からであります。特に六九年から九三年にかけては年間二十万トンを超すアスベストが輸入され、ピークとなった七四年には三十五万トンを超え、日本国内への輸入総量は約一千万トンにも上ると言われております。その結果、産業品から日用品まで約三千種以上の用途に使用されてきました。
 現在、大きな社会問題となっている事案は、アスベスト繊維を吸い込むことにより体内において、「静かな時限爆弾」と指摘され、肺がんや中皮腫の発症まで長期間──約二十年間から長い方で五十年と言われておりますが、ピークは四十年と言われ、発症後は進行が速く、診断されてからの生存期間は大体一年から二年で、五年後の生存率は一〇%未満と言われております。
 全国的に被害が拡大しているアスベストの対策については、国においても石綿健康被害救済基金の新設など、被害者救済に対する措置が講じられようとされております。また、被害はむしろこれから増加し、長い潜伏期間があるため、特定に対する困難な状況になるのではないかと危惧されております。早稲田大学の村山武彦教授は、二〇四〇年までに十万人が中皮腫で死亡すると推計されております。
 非常に危険なアスベストが使用された品目の中で、水道管がございます。これまでさまざまな材質の水道管が使われておりましたが、これはアスベストをセメントで固めて管状にしたものであります。当時は結構広く使われてきたと言われておりますが、実は衝撃に弱く、自動車の交通量の多いところでは、その重みでつぶれてしまったようであります。
 過去の新潟地震では、特にアスベスト水道管が破裂し、断水を起こしたこともございました。また、アスベスト水道管が劣化しますと、アスベスト繊維がはがれ落ちるとされております。さらに、モルタル塗装鋼管のモルタルもぼろぼろとはがれ落ち、このモルタルにアスベストが含まれていると指摘されております。
 現在、動物実験では、口から入ったアスベストが体中に移動することがわかっています。アメリカのセリコフ教授等は、一万人以上のアスベスト断熱材労働者を調査し、一般人に比べ、肺がんのほか、胃がん、結腸・直腸がんにもなりやすいことを明らかにしていますが、なお引き続きアスベスト濃度が高い地域の疫学調査が行われております。
 以上のことからお伺いをいたします。
 県下の布設されている上水道、簡易水道について、アスベストを使用した水道管の安全性はどうか。また、布設がえの際に対する指導徹底については万全か。環境生活部長にお伺いをいたします。
 次に、木造住宅の耐震診断及び改修の実施状況についてお伺いをいたします。
 私の地域では、将来必ず起こると言われている巨大地震に備え、先月十一月二十七日に県総合防災課の職員に出席していただき、講習会を小学校にて行いました。昨年も同様時期に市消防局職員による防火訓練や婦人会による炊き出しを行い、住民の意識向上に積極的に役員の方々も取り組んでおられます。
 今後も、地域防災や講習会を開催し、いざというときに少しでも被害の縮小に努めたいと思うと同時に、十年前の一九九五年の阪神・淡路大震災での教訓は、多くの犠牲者の約九割が家屋や家具類などの倒壊による圧迫死であり、また、焼死した人の多くも住宅の下敷きとなり、逃げ出すことができなかったと見られております。したがって、住宅や建築物の耐震化が地震に負けない国づくりの大きな柱であります。これからも、訓練を重ねることにより一人一人が再確認するきっかけになればと思う次第であります。
 一方、国においても、地震に負けない町づくりとして、大規模地震に見舞われた際、被害を最小限に抑えるのは日ごろからの減災への取り組みが欠かせないとし、その中で最も有効な対策が住宅や建築物の耐震化が急務であるとし、建築物耐震改修促進法の改正が公布されました。内容は、病院や百貨店、ホテルなど多くの人が利用する建築物について、大地震で倒壊する危険性が高く、所有者が改修指示に従わなければ自治体が施設名を公表したり改修命令を出せるというものであります。さらに、耐震改修を促進するため全国の自治体などに支援センターを設置し、一には建築物の耐震改修に必要な費用を所有者が借り入れる際の債務保証、二には耐震工事に関する情報提供などとされております。
 以上のことから、災害に強い町づくりが急務の中、昨年より実施されました旧耐震基準木造住宅の耐震診断の実施状況、また耐震性の劣る木造住宅の耐震改修の状況について、県土整備部長にお伺いをいたします。
 最後に、緑の雇用及び森林整備事業についてお伺いいたします。
 本県は、昨年七月、世界遺産に登録され、観光振興へ向け県民の意識も向上され、私どもも他府県を訪れた際には、必ずといったように、機会があればぜひとも和歌山にお越しいただくようお話をさせていただいております。そういった話の中で、和歌山県の話題となるのは、やはり山村の自然の豊かさであります。
 以前に棚田の保全について質問をさせていただきましたが、その際、案内をしていただいた農林業に携わっている方々より、私に対し幾つかの要望がございました。再び先日、これから申し述べます要望をいただきましたので、本会議で取り上げさしていただくことにいたしました。
 その方々は、山林を守り、棚田を守り、一生懸命汗水垂らし、里山を愛し、重労働を苦になく毎日働いておられます。その労働は、間伐、除伐、植林、枝打ちの職人でなければできない重要な労働であり、誇りに思っていると言っておられました。
 そのことは、山村振興法の目的である「国土の保全、水源のかん養、自然環境の保全等に重要な役割を担っている山村が産業基盤及び生活環境の整備等について他の地域に比較して低位にある実情にかんがみ、山村振興の目標を明らかにするとともに、山村振興に関する計画の作成及びこれに基づく事業の円滑な実施に関し必要な措置を講ずることにより、山村における経済力の培養と住民の福祉の向上を図り、併せて地域格差の是正と国民経済の発展に寄与することを目的とする」とあります。そういった人々の働きこそ、そのものであると思います。
 一方、環境省は、十二月二日、きれいな緑や空気などを自然資本としてとらえ、森林整備などによる国土づくりを目指す百年構想をまとめ、発表いたしました。同省は、構想実現には年間数兆円規模の息の長い取り組みが必要とし、環境税導入や道路特定財源の活用も視野に入れ、計画を進めようとするものであります。その構想では、森林の十分な手入れには一ヘクタール当たり一日四・四人の人手が必要とした上で、現在、全国に八十四万人いるとされるニートの活用を提言されております。
 それに先駆けて、本県におきましては、木村知事が平成十三年に提唱された、また平成十四年から本格的に取り組みをされております緑の雇用は、全国的にも大変評価されている事業であります。昨年は小泉総理も視察され、また本年五月、我が党首である神崎代表も視察をさせていただいたところであります。本格的に取り組みを始めて三年が経過いたしました緑の雇用について、知事の所感をお伺いしたいと思います。
 次に、先ほど述べました要望を申し出た清水町の人たちの実情について、関係部長にお伺いをいたします。
 清水町で現在作業をされている人たちの労働に対する賃金が遅延して支払われているとお聞きいたしましたが、県の行っている森林整備事業に係る県からの補助金の支出はどのようになっているのでしょうか。農林水産部長にお伺いいたしまして、第一問を終わります。御清聴ありがとうございました。
○議長(吉井和視君) ただいまの角田秀樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 御質問の緑の雇用ですけれども、平成十三年から始めて四年を経過したところでございます。今、和歌山県内に都市等から家族も含めて五百数十人の人が来て活躍をしてくれています。
 山の整備では、強度の間伐とか、こういうふうな仕事に従事して、徐々に和歌山の山もよくなってきているということを言われていますし、最近うれしかったのは、山持ちの人が、初めにこの事業を始めたころには、実は都会から来た人なんかもう役に立たないと、なかなか教えたりするのに大変だというような感じだったのが、四年たってきて、この山の整備でもう本当に欠くことのできない労働力になっているんで、本当に今になって私どもはこの緑の雇用事業に感謝しているんですという話をつい最近聞いたんですけど、これは非常にうれしかったというふうなことです。
 それからまた、家族と一緒に来られたり、また結婚されたりしているんで、だんだんと、高齢化が進んでいる地域の文化の担い手というふうな役割も徐々に果たすようになってきているということで、緑を守りながら地域文化も守るというふうな役割を果たすようになってきているのではないかというふうに思っております。
 最近では、企業の森というような事業も相当進んできておりますので、こういうふうな事業とあわせて、この緑の雇用で来られた方、さらにこれから来られる方が仕事がしやすいように、そして、ひいては和歌山県の山、森林というものが守られるようにいろいろ努力をしていきたい、このように思っております。
○議長(吉井和視君) 環境生活部長楠本 隆君。
  〔楠本 隆君、登壇〕
○環境生活部長(楠本 隆君) アスベストを使用した水道管の安全性についてでございます。
 厚生労働省の見解では、平成四年に改正をいたしました水道水質基準の検討時にアスベストの毒性を評価した経緯がございます。その際、アスベストは呼吸器からの吸入に比べまして経口摂取に伴う毒性は極めて小さく、また、水道水中のアスベストの存在量は問題となるレベルにはないことから、水質基準の設定を行わないこととされております。また、WHO(世界保健機関)が策定・公表しております「飲料水水質ガイドライン」におきましても、飲料水中のアスベストについては、健康影響の観点からガイドライン値を定める必要はないというふうに結論できるとされております。
 次に、布設がえにおける指導についてでございます。
 平成十七年三月末現在の県内の上水道、簡易水道におけるアスベストを使用した水道管の延長は百三十五キロメートルありますが、総延長六千四百二十キロメートルに占める割合は二・一%となっております。
 なお、アスベストを使用した水道管の製造につきましては、既に昭和六十年に製造が中止をされており、事業体において老朽化や漏水対策等で順次布設がえを行っているところでございます。
 石綿セメント管の撤去等を行う場合、石綿の飛散による健康障害防止を図る必要がございます。厚生労働省からの石綿障害予防規則、あるいは水道事業における「石綿による健康障害防止対策への適切な対応について」等の国からの通知がございまして、県内の水道事業者や水道用水供給事業者に対し既に周知を図ったところでございますが、今後とも機会あるごとに指導してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(吉井和視君) 県土整備部長宮地淳夫君。
  〔宮地淳夫君、登壇〕
○県土整備部長(宮地淳夫君) 木造住宅の耐震診断及び改修についてお答えをいたします。
 旧耐震基準木造住宅の耐震診断及び耐震改修につきましては、きのくに木造住宅耐震化促進事業において、平成十六年度から平成二十年度までに耐震診断二万戸、耐震改修三千戸を計画しております。この事業は、昭和五十六年五月以前に建築された旧耐震基準木造住宅の耐震診断を実施する市町村に対し国と県が支援をするもので、耐震診断の結果、耐震性の劣る木造住宅の耐震改修を行う場合に、改修費を補助する市町村に対し県が支援をしております。
 平成十七年度十一月現在の申し込み受け付け状況は、耐震診断一千四百八十四戸、耐震改修五十八戸となっております。募集戸数に対し申し込みが少ないことから、実施市町村と連携し、広報や説明会を通じ、住民に耐震化促進の重要性を啓発しております。
 なお、建築物耐震改修促進法の改正につきましては、所有者に耐震改修を行う努力義務を課せられる不特定多数の人が利用する特定建築物の範囲を拡大するなど、地震に対する安全性の向上を図るものであります。今後、この法律が施行されることから、市町村や関係部局と連携を図りながら、一層の安全性の向上に努めてまいります。
○議長(吉井和視君) 農林水産部長西岡俊雄君。
  〔西岡俊雄君、登壇〕
○農林水産部長(西岡俊雄君) 森林整備事業についてでございますが、いわゆる造林補助事業につきましては、あらかじめ市町村が定めた森林整備事業計画にのっとり、森林所有者から委託を受けました森林組合が事業主体となって実施することとなってございます。事業完了後におきまして、森林組合が市町村を通じて県に対しまして補助金の交付申請を行うところでございます。県は、その交付申請書を受理次第、速やかに検査を行い、補助金を交付いたしているところでございます。
 議員お尋ねの賃金の件につきましては、雇用主であります森林組合と当該山林作業をされた方々の間で十分な意思疎通を図っていただくことが大切かなと思ってございます。
 以上でございます。
○議長(吉井和視君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 三十四番角田秀樹君。
○角田秀樹君 ただいま知事並びに関係部長に御答弁いただきまして、ありがとうございました。二問は一応すべて要望という形にさしていただきますが。
 まず初めに、先ほど報告さしていただきました脳脊髄液減少症のこの患者の会の各マスメディアの反応は、非常に驚愕をするような、そういう反応でございまして、本年中にNHKの和歌山、そしてまた、明年一月中にはテレ和歌さんの方でも当時の模様を放映していただくという、こういう内容になっております。
 ただ、今回、和歌山で県当局にも大変御協力いただきまして開催できたということは、西日本では初めてなんですね。いわゆる西高東低じゃなしに、逆なんで。今後、和歌山が中心となりながら西日本へのいわゆる啓発活動も我々もやっていきたいと、こういうふうに考えておりますので、またぜひとも御協力のほどよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 そして、アスベストの水道管につきまして、確かに問題はないということがわかったわけなんですけれども、ただ、延長百三十五キロメートル、これは和歌山県下に今現在現存されているアスベストの水道管でございます。本来、問題ないものについては布設がえをすることは必要はないというふうに思いますけれども、水道事業における云々という御答弁をいただきました。健康障害防止対策への適切な対応についてということで、アスベストの水道管を使うより、それ以外の水道管の方がいいというふうに我々も解釈をさしてもらっていますので、速やかに撤去していただきたいということの啓発をお願いしておきたいと思います。
 次に、木造住宅の耐震の関係でございますが、和歌山県は非常に瞻望にたけた海岸線を持ち、津波とかそういったものにいわゆる注目をされつつございますが、やはり内陸部におきましては家屋の倒壊というのは非常に心配をします。
 「転ばぬ先のつえ」という言葉も申し上げるとおりで、昨年の十六年から五年間にかけまして目標値が掲げられております。先ほど県土整備部長からの御答弁がございましたが、なかなか進捗状況も芳しくないように思われますので、できる限り啓発活動と、そしてあと住宅改修に伴うこのことにつきまして、お金とか地形の問題とか、そういったいろんな問題の絡みもあるとは思いますけれども、今後とも積極的に周知徹底と鋭意努力をしていただくことを重ねて強く要望をしておきたいと思います。
 最後に、緑の雇用につきましては、先ほど知事の御答弁もございました。その地域の新たな文化の担い手ということで、今後とも積極的に推し進めていただきたいということを要望さしてもらっておきます。
 あと、清水町の作業員の分なんですけど、周りの各町においては、それぞれやはり作業をされたその労働に対価する賃金というのは支払われると、そこに森林組合と──県のこの補助事業という整備事業の補助金が支払われている、その先の話やから民民で解決しなさいよという、こういう内容だという答弁というふうに理解をさしていただきましたが、ただ、やはり森林を愛し、この山村振興という観点でされているということを肌身で感じました。
 昨年も、棚田のことにつきまして、私、質問もさしていただきましたが、その人たちのいろんな思いというのを聞いた上で、やはりしっかりとその森林組合の組合員さんとその作業をされてる方とのいろんな意見調整の中で、できる限りスムーズに、なおかつまた円滑に賃金を支払いされるように御指導をいただきたいと。それでなければ、県が今現在行っている造林のこの補助事業制度そのものの見直しということを指摘せざるを得ないという、こういう状況になりますので、そこは適切に担当部局におきましては検討と努力を今後ともよろしくお願いを申し上げまして、終わります。
○議長(吉井和視君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で角田秀樹君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時三十分休憩
────────────────────

このページの先頭へ