平成17年12月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(中村裕一議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前十時二分開議
○議長(吉井和視君) これより本日の会議を開きます。
 この際、報告いたします。
 今期定例会に提出されております議員提出議案第三号及び議員提出議案第四号について、字句の訂正がありました。正誤表及び案文はお手元に配付しておりますので、御了承願います。
 日程第一、議案第二百三十五号及び議案第二百四十二号から議案第三百号まで、知事専決処分報告報第十五号から報第十九号まで、並びに議員提出議案第三号及び議員提出議案第四号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 三十二番中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕(拍手)
○中村裕一君 おはようございます。
 まず、平成十七年十二月定例会の一般質問におきましてトップを飾って質問させていただく機会をいただき、心から感謝を申し上げたいと思います。
 また、本日は、私の地元御坊市熊野地区の皆さんが傍聴に来てくれております。市会、県会通じて十八年余り私を応援してくれた父兄のような、保護者のような皆さんでございまして、きょうは参観日のような気持ちで一生懸命質問してまいりたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 それでは、通告に従い、一般質問を行います。
 まず、紀の国森づくり税について伺います。
 昨年、紀南地方の有力山林家が所有していた山林千八百ヘクタール余が売りに出されました。うち約千ヘクタールは県有林で、地上権のみの設定でありますが、伐採後の利益の二五%を地代として支払う契約でしたが、この買い手が長い間見つからず、大変心配いたしておりました。
 以前に、わずか四十ヘクタールの山林を産廃業者に買われないよう町が買収したことがありましたが、実にその四十五倍、当時の龍神村村土の約一〇%にも及ぶ山林がひっそりと売りに出され、県当局、村長や村関係者、私も及ばずながらいろいろ努力をいたしましたが、売れませんでした。結局、ことしになって関係者の努力で三重県の木材関係者が債権ごと買収してくれたと聞きましたが、今回のことで私なりにわかったことは、もう山は山持ちだけに任せておけないということ、そして、森林の公益的機能とは言ってみても大方の人は関心を持たず、他人事であるということであります。
 映画「大誘拐」でも紹介された和歌山の山持ちイコール金持ちという話は、もう昔のことです。かつて山林家は豊富な資金でほかにも事業を営み、林業が不振になった後も食いつないできましたが、バブル崩壊でそちらもお手上げの状態にあります。多くの小規模・零細所有者の惨状は推して知るべしであります。
 民有林の多い和歌山県では、山林家がうまく事業を行うことによって森林の公益的機能を守ってきたわけでありますが、もはや彼らだけに頼るわけにはいきません。また、奥山ばかりではなく里山も、特に和歌山市から海南市にかけての高速道路の沿線などは、目を覆うばかりの竹林が浸食しています。
 私たちは、この窮状を何とか県民の皆さんに知っていただくことを第一の目的に、そして従来の施策では行えなかった新しい分野への貴重な血税を充当すべく、先般、本会議におきまして、賛成者を代表して宇治田栄蔵議員が紀の国森づくり税、紀の国森づくり基金案を提案したわけでありますが、このことについて知事はどのような評価をされているのでしょうか、御所見を伺います。
 次に、三位一体改革と平成十八年度当初予算編成について伺います。
 三位一体改革につきましては、生活保護費、義務教育費、そして施設整備費の国庫補助負担金の取り扱いをめぐって国と地方が対立するなど難航していたことから私も注目していたところでありますが、去る十一月三十日、平成十八年度までの国庫補助負担金改革及び税源移譲について政府・与党で合意し、地方六団体もその受け入れを決定したところです。この結果、平成十八年度までに四兆円の国庫補助金の削減と、三兆円を国から地方へ税源を移譲する三位一体改革の数値目標を達成し、一応の決着を見たところになります。
 今回の政府・与党合意の主な内容でありますが、児童扶養手当や児童手当の地方の負担割合が引き上げられることになったものの、単なる責任転嫁だと地方が反対をしておりました生活保護費の国の負担割合の引き下げは見送られ、また、建設国債対象経費であるため移譲財源がないと財務省が反対しておりました施設整備費は、廃止・縮減分の五割にすぎませんが、地方の主張に沿って税源移譲対象に盛り込まれました。これらは、地方が結束して国に働きかけた成果だと思っております。
 一方で、今回の国庫補助負担金の削減とは別に、暫定措置とされていた義務教育費国庫負担金の取り扱いについては、地方は中学校分の一般財源化を求めていましたが、小中学校を通じて国庫負担率を現行の二分の一から三分の一への引き下げが採用されました。このような国庫負担割合の単なる引き下げでは、地方の自由度が高まるわけでもなく、地方分権の推進につながるものではないと思います。
 また、今回の政府・与党合意では、地方交付税の取り扱いについて、国の予算編成にゆだねることとして具体的に触れられていませんが、今後、地方交付税などの一般財源が十分確保されなければ、本県や本県市町村のように財政力が弱く、その財源の多くを地方交付税に依存している地方自治体は立ち行かなくなってしまうのではないかと大変危惧しているところであります。
 そこで、知事にお尋ねします。
 知事は、今回の三位一体改革について、政府・与党合意を何と評価されているんでしょうか。また、こうした三位一体改革を受けて平成十八年度予算編成をどのように行うつもりなのか、基本的な考え方をお聞きしたいと思います。
 三番目は、指定管理者制度導入についてお尋ねします。
 指定管理者制度については、六月定例会での各施設関係の条例改正、債務負担行為の設定の後、募集、選定委員会での審議等を経て、今議会に四十一施設の指定管理者の指定に係る三十八議案が提案されており、これらの議案が可決されれば、いよいよ来年四月から本格的に指定管理者による県の公の施設の運営が始まるわけであります。
 そこで、総務部長にお伺いしますが、さきに、調査の結果では指定管理者として民間やNPOが選定されたのは一割程度との新聞報道もありましたが、県の発表による今回の候補者選定の結果では、対象四十一施設の中で、公募された二十五施設中、十三施設において新たに民間やNPOが指定管理候補者に選定され、その他の十二施設では、従前の管理運営者である外郭団体が引き続き指定管理候補者となっております。つまり、新たな管理運営団体に変更するケースが対象全施設中の三割、公募施設中では半数を超えておりますが、この結果をどのように評価されているのでしょうか。
 また、今回の指定管理候補者の提案の成果として十七年度と比較して十五億円程度のコスト縮減が見込まれているとのことでありますが、この点についてはどのように評価されているのでしょうか。特に、この十五億円の中には、非公募施設を初め、従前の管理運営団体が引き続き指定管理候補者となっている施設も含まれていますが、指定管理者として応募するに当たってコスト縮減を優先したため県民サービスの低下につながるような心配はないのか、伺いたいと思います。
 さらに、今回の指定の結果、有功ケ丘学園など二施設が直営から指定管理者による管理運営に移行することとなっていますが、その他の直営施設について、今後の導入意向についても考えを伺いたいと思います。
 四番目は、公務員制度改革について伺います。
 さきの総選挙において小泉自民党は、郵政民営化、さらに小さい政府といった公約が国民に支持され、圧勝したわけでありますが、その後、本格的な人口減少、超高齢化社会の到来やグローバル化の進展など、時代の潮流に適切に対応していくため、国においては、官から民へ、国から地方へとの方針のもと、小さくて効率的な政府への取り組みが進められています。最近では、郵政民営化の着実な実施、三位一体改革、政策金融改革の議論とともに、公務員の総人件費を抑制する議論も活発に行われています。
 一方、景気はようやく踊り場を脱し、緩やかな回復基調にあるとはいうものの、民間企業においては引き続き人事・賃金制度の改革に精力的に取り組んでいます。
 日本経済新聞社が実施した賃金動向調査、平成十七年五月二十日付でありますが、それでは、職務給など成果主義の賃金制度を取り入れている企業が回答企業の八六・七%に上り、プロセス評価を加味するなどの必要な修正を行いつつも、全体として成果重視の人事管理体系が浸透しつつあります。このような社会経済動向のもとで、公務員の人事管理等について、経済財政諮問会議、経済同友会等から種々の提言がなされております。
 こうした公務や公務員を取り巻く厳しい環境の中、県職員が県民本位のより良質で効率的な行政を支える専門集団となり、二十一世紀の和歌山県政を担っていく必要があると考えますが、知事は県における公務員制度改革をどのように進めていこうと考えておられるのか、以下二点に絞ってお考えを伺います。
 まず、能力、実績に基づく人事管理についてであります。
 平成十六年十二月二十四日に、平成十三年の公務員制度改革大綱の趣旨を踏まえ、今後の行政改革の方針が閣議決定され、その中の地方行革の推進項目において、地方公務員の人事制度については、地方分権の進展、住民の行政に対するニーズの高度化、複雑化等に対応して公務の能率的かつ適正な運営を確保するため、より客観的な評価制度の導入を通じた能力・実績重視の人事制度の確立がうたわれておりますが、このことについての県の方針を伺います。
 次は、能力・実績主義の確立に伴う勤務実績の給与への反映についてであります。
 人事院勧告では、五十年ぶりに給与構造を抜本的に改革し、勤務実績を給与に反映することも勧告しており、県人事委員会勧告でも国に準じるよう報告がされています。知事はことしの六月からボーナスを職員の勤務実績によって差をつけているということですが、都道府県レベルではなかなかできなかったことを思い切って実施したもので、全く画期的なことであると思います。
 公務員の給与については、横並び意識が強く、年をとれば給与が順番に上がっていくという年功序列型の給与がある意味では常識だったわけですが、職員のボーナスだけではなく、この際、一歩進んで、勤務実績を評価して給料の昇給にも反映させるようなことを先駆けてやっていくおつもりがあるのか、御所見を伺いたいと思います。
 五番目は、企業誘致の強化について伺います。
 東京株式市場では、先週、日経平均株価がほぼ五年ぶりに一万五千円台を回復したのをきっかけに続伸し、時価総額が五百兆円を突破し、大盛況であります。株価の上昇の原因は、外国人投資家の日本買いやインターネットを利用した個人投資家の参入などに加え、過去最高の利益を上げている企業業績によることが報道されています。大企業でなくても、企業誘致で御坊へ進出した企業の経営者や印南町の自動車関連部品を製造しているメーカーの創業者の話でも、いよいよ景気回復に力強さが見えてきたとの話であります。そして、景気が回復するのにあわせて企業の設備投資が加速しているとも言われています。かつて海外に向かっていた設備投資も、シャープの亀山工場以来、国内に戻ってきつつあります。まさに企業誘致の絶好機会が到来したと思います。
 自治体の産業政策のうちで企業誘致は、投資経済効果、雇用、税収、どれをとっても大きな即効性のある政策で、予算的にも人件費と旅費だけの最も効率のよい政策と聞いております。ぜひこの好機に合わせて、スタッフや旅費などの予算を大幅に、それこそ局を設置するぐらいの勢いで強化をすべきであると思います。
 また、三重県のシャープ亀山工場誘致の際の巨額補助金とは言わないまでも補助金枠の増額を、そのほか和歌山県特有の問題点として、来るべき東南海・南海道地震対策に要する経費、おくれている下水道対策として合併浄化槽の補助対象となっていない五十人槽以上についても繰り入れるなど、他の部局が所管する政策についてもさらに企業誘致の条件として充実させるべきであると思いますが、どのようにお考えでしょうか。あわせて商工労働部長から御答弁願います。
 最後に、和歌山大学の観光系学部の設置についてお尋ねします。
 和歌山大学の観光学部設置につきましては、本年六月定例会におきまして学部設置を求める意見書を全会派賛成で採択し、七月に文部科学省などに要望を行いました。その後、九月定例会において、山下直也議員の質問に対し、県も観光系学部設置促進協議会を通じて積極的に応援していく旨の答弁を企画部長がされました。また、和歌山大学の小田学長からは、二十一世紀は観光の時代であること、本県の恵まれた地域資源を生かした地域貢献を行うという時代潮流を見据えて観光学部の設置に向けて取り組んでいるということを伺いました。
 そういった中、去る十一月八日に、本県の串本沿岸地域がラムサール条約に基づき登録されました。これは、昨年の「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されたことに続く快挙であり、観光立県を目指す本県にとって世界に誇れるものがふえることは大変心強く、今ちょうど和歌山に向かってフォローの風が吹いているように思います。
 そこで、企画部長にお尋ねします。
 九月定例会以降、県や大学ではどのように取り組みをされているんでしょうか。また、今後の見通しについてもお答えを願いたいと思います。
 以上六点、私の一般質問を終わらしていただきますが、ぜひ県当局の力強い御答弁を期待いたしまして、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
○議長(吉井和視君) ただいまの中村裕一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) まず、今議会に議員提案されている紀の国森づくり税についての所見ということでございますが、御案内のように、和歌山県は県土の八割近くが山というふうなことがありまして、私も就任以来、緑の雇用事業でありますとか、企業の森でありますとか、何とか環境ということに着目してこの和歌山県の林業、そしてまた森林というものを守っていく必要があるということで、殊のほかこの分野については力を入れて政策を進めてきているところでございます。
 こういうことの中で、御提案の紀の国森づくり税ということでございますが、三年前に県が設置いたしました県税検討委員会の中では、こういうふうなものは重要なものであるというふうな答申をいただいているところでございます。さらに、二年前にも超過課税というふうなやり方も有力な方式であるということを提言してもらっているというふうなことでございまして、また、同様の税については全国で既に十四の県が導入している、近畿でも多くの県が導入しているというふうなことがあるわけです。
 ただ、いずれにせよ、税金というものは、これは強制的に賦課していくというふうなものでございますし、また議員提案ということもございますので、議員各派、議会各派の中で十分御検討をいただいたらというふうに考えているところでございます。
 次に、三位一体の改革に対する評価ということでございます。
 まず、今回の三位一体の改革については、最終段階で官房長官を中心として各省への割り当てという方式がとられたというふうなことの中で、大きな進展を見たというふうに見ております。
 ただ、その中で、一つは例えば義務教育費、中学校の人件費については補助金ゼロにしようということだったのが小・中合わせて補助率を下げるというふうなことになったことや、それから児童手当の補助率を下げるというふうなことになったことについては、これは残念な結果だと思っておりますが、一方、生活保護は地方六団体が一緒になって運動した結果、手つかずに終わったということ、そして、建設国債を財源とする施設整備費の一部についても税源移譲が行われること、それから、私がかねてから主張しておりました、金額的には小さいかもしれないけど、各種の奨励的補助金、これも割り当ての中で相当部分が整理されるというふうなことになってきたので、この三兆円ということで考えれば小泉改革の中で一つの成果があったと。今後、これをどういうふうにさらに大輪の花を咲かせていくかということがこれからの問題であろうというふうに思っているところであります。
 そういう中で、来年度の予算編成についてどういうふうに考えるかということですが、三位一体の交付税の方が今物すごく大きな争点になってきていて、財務省なんかは二兆円ぐらい去年から減らそうというふうなこと。だけど、二兆円減らしたら大変なことになるというようなことで今攻防が行われているということで、この交付税の額もまだわからない。
 それから、非常に景気が──和歌山でもある程度は回復してきています。ただ、それがどれぐらい税収増ということに結びつくのか、これもまだはっきりしないというふうな状況で、そして一方には、国の方でも、唯一こういうふうな改革のおくれている分野である公務部門というものに対する削減ということが来年度の国会でも中心的な課題になってくるということのようでございますので、県もそういうことを前向きに取り組んでいく。
 そういうふうな不確定な要素がある中で、しかしながら、必要なところは積極的に伸ばす。特に先ほど言われていたような企業の誘致なんかについては、ようやく景気がトンネルから脱出したときですので、こういうときにこそやっぱり攻めの姿勢に転じるということは私は非常に大事なことだろうと思っておりますし、めり張りのきいた予算編成というふうなことを行っていきたいと思っております。
 最後に、公務員制度の改革ですけども、公務員制度については、私は就任以来、出るくいを伸ばすということで能力主義、やらないでほっておいた人より、やって失敗した人の方がいいというふうな感覚でいろいろなことを行ってきました。そういう中で抜てき人事とかいろんなことを行ってきたわけですけれども、これから国の方でも大きな公務員制度の改革が予定されている中で、国から言われて地方が追随したということにならないように、和歌山県から先行するような形でいろいろなことを発信していきたいというふうに思っているわけです。
 そういう中で、例えば、今までほとんど発令されることのなかった分限免職であるとか分限降任というふうな制度をまた生かしていくということや、そしてまたボーナス。これはもう、働いた人も働いてない人もほとんど同じような状況になっていたのを、これに差をつけていく。特にこの十二月のボーナスからはチャレンジ加算ということで、思い切ったことで頑張ったような人にボーナスをふやすような制度。そして、これが一番大きいことだと思いますけども、国は来年度から管理職について昇給を実績評価に基づいて行うという制度を導入することにしております。和歌山県では、これは全国で初めてだと思いますけれども、一般の職員からすべてこの実績評価の昇給ということを行っていくというふうなことで、先ほど御質問にもありましたように、全国に先駆けてこの公務員制度の適正化ということに努めてまいりたいと、このように考えております。
○議長(吉井和視君) 総務部長原 邦彰君。
  〔原 邦彰君、登壇〕
○総務部長(原 邦彰君) 指定管理者制度に関するお尋ねがございました。
 今回、四十一施設について指定管理候補者の選定を行いました。うち二十五の施設については、公募という形で多数の提案をいただき、その半数を超える十三施設にNPOを初めとした民間事業者が選定されたことは、指定管理者制度導入の目的である県民サービスの向上と行政コストの削減ということを達成するための第一歩を踏み出せたのではないかというふうに思っております。
 御指摘にもありました新聞の全国調査によりますと民間指定は一割程度ということでございますので、和歌山の場合は、ほかの自治体と比較しても比較的高い割合で民間事業者が選定されたものというふうに考えております。
 また、従前の管理運営団体が引き続き指定管理候補者となった十二施設についても、これまでの実績を生かしながら、それぞれ民間事業者との競合に備えて経営改善を重ね、それぞれの施設に応じた有意義な提案をいただき、ひいては行政コスト縮減の一つの要因になったというふうに理解しております。
 さらに、非公募となった、特に福祉施設につきましては、引き続き入所者の方が安心して利用いただける運営ができるものと考えており、今回の指定管理候補者の選定については、全体としては評価できるのではないかというふうに思っております。
 今後は、御指摘にもありましたが、利用者により満足していただけるよう各指定管理者の手腕に期待する一方、県もコストの縮減等が利用者の不利益にならないように設置者としての責任を十分果たしていきたいというふうに考えております。
 また、現在直営としている公の施設への制度の導入につきましても、制度導入済み施設の管理運営に対する県民の評価等も踏まえまして今後検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(吉井和視君) 商工労働部長下  宏君。
  〔下  宏君、登壇〕
○商工労働部長(下  宏君) 企業誘致の強化についてでございます。
 企業誘致は、地域経済の活性化や雇用の創出、税収の確保等に大きな効果がございます。そのため、企業立地室の設置、人員の配置等、誘致体制の整備充実に努めてきたところでございます。
 議員御指摘のとおり、製造業等の旺盛な設備投資や国内回帰が多く見られる今が企業誘致の絶好の時期であり、関西圏、中部圏、首都圏を中心に誘致活動を展開することとしております。このため、企業誘致対策本部を中心とした庁内関係各課との連携を一層強化し、ワンストップサービスの推進等、誘致体制の一体化を図ってまいりたいと考えてございます。
 支援策につきましても、可能な限り充実に努め、市町村や企業誘致サーチャー等民間の方々にも御協力をいただき、官民一体となった誘致活動に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(吉井和視君) 企画部長高嶋洋子君。
  〔高嶋洋子君、登壇〕
○企画部長(高嶋洋子君) 和歌山大学観光系学部の設置に関する二点の御質問にお答えをいたします。
 和歌山大学では、十月に全学を挙げて新学部設置準備委員会を設け、そのもとにカリキュラム等検討委員会を置いて具体的な内容を検討するなど、新学部構想の実現に向けて本格的な取り組みを進めております。
 去る十一月二十八日に和歌山大学が文部科学省と四回目の協議を行った結果、観光に関する新たな教育研究組織を設置することについて、文部科学省からは、教育体制のあり方等、今後早急に検討すべき課題はあるものの、一定の理解を得られたと聞いております。
 県といたしましては、十二月一日に文部科学省に対しまして設置についての要望活動を行ったほか、和歌山大学観光系学部設置促進協議会を通じましてホームページやリーフレットの活用による啓発を進めているところであり、さらに、来月からは公開講座の開催などによる一層の機運の盛り上げに努めてまいります。
 今後とも、平成十九年四月の設置に向けまして、関係団体とも連携を一層密にし、その実現に向けて積極的に取り組んでまいります。
 以上でございます。
○議長(吉井和視君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(吉井和視君) 以上で、中村裕一君の質問が終了いたしました。

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