平成17年2月 和歌山県議会定例会会議録 第7号(全文)


県議会の活動

  午後一時二分再開
○議長(小川 武君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 二十三番井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕(拍手)
○井出益弘君 議長にお許しをいただきましたので、最終質問者でありますが、しばらく御清聴をお願いします。
 まず、今回、資料をちょっと配らしていただいておりますので、これ一枚ですけど、裏表ありますので、よろしくお願いします。
 中国との交流について、まずお伺いします。
 今や日本は、毎日、中国に関係したニュースが多くの新聞やテレビで報道され、何と中国との関係が急に身近に感じる時代になったなあと今さらながら驚くとともに、県会に初当選したのが和歌山県と山東省が友好都市提携をしたころだったなあと思い出をかみしめながら、この質問の原稿のワープロを打った次第です。といいますのは、ちょうどこのとき、私は和歌山市議会議員を二期五年務めさせていただき、県会選挙に初挑戦したが敗れ、三年間浪人をし、再度、県会補欠選挙に背水の陣で戦っていた時期であり、マスコミで和歌山県と山東省との友好都市提携ニュースが華々しく流れていたのを今でもはっきり覚えているからであります。山東省と友好提携後、約二十年を経過した今日、いろいろな友好交流があったと思います。中でも、和歌山県と山東省の経済交流について、その成果を検証してみる必要がある時期だと私は考えます。
 ここで、知事公室長にお尋ねします。
 中国山東省と和歌山県内の市町村はどれぐらい友好都市提携を締結していますか。また、和歌山県の市町村と山東省以外の都市との友好都市提携についての実態はいかがですか。そして、現在、和歌山県文化国際課に山東省から幹部の職員の方が派遣されて来ていただいているため、いろいろと中国語の翻訳や通訳等お世話になっていますが、山東省との経済交流の成果としてどれくらいの内容があるか、お聞かせください。
 次に、知事にお尋ねします。
 和歌山県内の企業や各種団体でも山東省以外の都市とも多くの経済交流を持って努力をしており、また最近では、和歌山県内の市町村についても同様に山東省以外の都市と友好都市提携の動きが始まっています。山東省以外の都市との友好都市交流や経済交流について県はいかに対応を考えておられるか、知事にお伺いします。
 次に、森林整備の重要性とその政策であります。
 昨年は、台風が頻繁に日本に上陸し、大きな被害が多発した年でありました。これは地球温暖化の影響の序章であり、その元凶でもある二酸化炭素等の温暖化効果ガスの削減対策が急務として必要であると言われています。一九九七年十二月に京都で開催された気候変動枠組条約第三回締約国会議(COP3京都会議)では、京都議定書として先進国及び市場経済移行国の温暖化ガス排出の削減目的を定め、日本の温室効果ガス六%削減が採択されたところであります。その目標のうち三・九%を森林の吸収量でカバーできることなど、森林整備の重要性が認識されています。日本の社会経済に大きな負担をかけることなく温暖効果ガス削減目標を達成するには、森林の整備を積極的に進め、森林吸収量を確保することが必須であります。
 県は、平成十四年度から全国をリードして緑の雇用に取り組み、荒廃した森林を対象に間伐など森林環境整備を進めるとともに、地球環境保全に貢献し、森林整備の担い手の育成を図るなど、木村知事のその取り組みは全国から高く評価されるところであります。
 森林の環境保全的な効用としては、気象条件の緩和として気温、地温、湿度、風などの条件を和らげたり、水源涵養作用として洪水、渇水の緩和や水質の保全等があります。また、自然災害防止として、水害、干害、崩壊防止、潮害、なだれ、落石等の軽減に効果があると言われていますが、特に大気浄化、鳥獣保護、騒音阻止などの多くの作用があることをいま一度確認して大切にしなければならないと考えます。
 さて、木材は資源としてもなお重要であります。今後は木材生産という有形的効用、環境保全という無形的効用の両方をともに活用する道を選ばなくてはならないのであります。幸か不幸か、樹木が木材として価値を持つためには、数十年以上の年月を要します。そして、木材としての価値を生み出させるための伐採は、同時にまた活力ある環境保全的にも能力の大きい森林への更新を意味するものとなります。数十年以上に及ぶ環境保全的効用の利用と数十年以上の間に一度の間隔で行われる伐採、更新、木材利用、この循環を時間的、面積的にうまく組み合わせれば二種の効用を両立させることは可能なはずであります。
 ただし、森林には所有者があります。そして、森林で生計を営んでいる所有者にしてみれば、木材は売れるが環境は売れないのが現実であります。つまり所有者にとっては、木材は収入源だが環境は収入の伴う資源ではないからであります。社会が森林に人間生活環境保全を期待するならば、環境も売れることを社会が保証しなければならないと考えます。
 緑の雇用事業により森林整備を進め、公的機能を高度に発揮させ、多様で豊かな森林整備を図ることは大変重要であります。しかし、林業経営者の現状は、木材価格の低迷のため人件費や物流コスト高を解決できず、木材が売れなく、生計維持のため木材とともに山林の土地も売ろうとしているのが実態であります。それでも売れず、倒産をしている山林経営者が少なくないのが最近の実態であります。木材を売って生計を立ててきた林業経営者に木を売るための何らかの支援ができないものかと、私も日夜考えております。今や山林は、金融の担保にもなりがたい状況であります。関係者の救済策を知事にもぜひ取り組んでいただきたく、知事の御所見をお伺いします。
 次に、紀州材の中国への販売政策についてお伺いします。
 また来年度の当初予算としても「紀州材を中国へ」として紀州材を中国に販売するための予算を計上していただいており、山林で生計を立てている県民の皆様は期待と喜びを感じているところでありましょう。
 さて、昨年末に中国江西省の貴渓市、これは有田郡清水町が友好都市提携を進めている人口約五十六万人の市でありますが、そこの副市長と、その上級市であります鷹潭市──これは人口百八万人の市であります──の筆頭副市長を団長とする訪問団が訪日し、その際には、木村知事には急な訪問客であったにもかかわらず表敬訪問に快く対応していただき、ありがとうございました。
 また、中国浙江省のじょう州市、これは空海が中国で学んでいた拠点と言われている市でありますが、ここの市長が、「空海が帰国後に真言密教を開いた高野山が世界遺産になったのを機会に訪問したい。空海の縁で高野町と友好都市の縁をいただけたら」とのことでしたので、高野町や金剛峯寺の幹部の方を紹介させていただきましたが、いずれの市長も清水町や高野山の紀州木材購入に関心を示され、清水町については本年三月一日にサンプルとして杉三本、ヒノキ三本を中国江西省に持っていっていただきました。じょう州市につきましては、空海記念堂と友好会館を高野山の材木を使って建設したいとのことで、その他多くの計画が起案中であります。
 じょう州市には、空海が中国から帰国時に天文学書、薬学書、食学書、医学書、建築学書などを可能な限りの持ち金を使って買って帰ったことの記録など、空海が日本の学術の多くの草分けになったことがわかる多くの資料もあり、空海についての強い関心を覚え、ぜひ中国の空海の第二のふるさととして和歌山の皆様と一緒に訪問をしたいものだと考えております。
 中国も、地球温暖化や京都議定書等の関係もあり、ことしより約三十年間、中国全土で木材の伐採を原則禁止と聞いております。外国に日本の木材を山の立ち木状態でできるだけ高価で買ってもらい引き取りに来てもらう方法や、緑の雇用とうまく組み合わせたりして切り出しや輸送コスト、経費を下げることに成功すれば何とか紀州材の中国への販売が可能になるのではないかと考えますが、今後、国の林業政策や入国管理法等、クリアしなければならない点があり、私も林業を多く抱えている町村の皆様と一丸となって今後、必死の取り組みをしなければと決意しております。何とか山の木が売れて出荷できる日が一日も早く来るように願うものであります。知事の考えをお尋ねします。
 三点目に、和歌山下津港の使用状況であります。
 和歌山下津港のさま変わりに最近疑問を感じていたのは、私だけでしょうか。ここ五年、十年前には輸入外材を山積みに置いてある風景や外国船からクレーンで大きな原木をおろしている場面をよく見かけたものでありましたが、最近ではいつ通っても広い空き地となっていて、万トンバース等は昔のように所狭しと積み荷を置いていた姿など昔の夢となっているようであります。
 輸入原木は、和歌山県が日本の外材輸入の草分けとしても有名なことであります。二十年余り以前には国内消費木材量については三分の二も輸入に頼っていて、輸入額は石油に次ぎ鉄鉱と二位を競っていたようであります。その外材原木が和歌山下津港に入荷していたからであります。
 県土整備部長にお尋ねします。
 和歌山下津港の外材原木取り扱いの実態について、近況はいかなる状態でしょうか。
 そしてまた、過去と現状、衰退の原因、今後の取り組みについてでありますが、港湾の統計資料を見ますと──これはちょっと配付資料を見ていただきたいんですけど、約十年前は輸入分として和歌山下津港の原木取扱量が四十八万トンでありました。平成十五年は輸入量はただの八万トンになっております。和歌山下津港の原木取扱量がここ十年間ぐらいで大きく減少しているようですが、和歌山下津港の衰退の理由として荷役料金や港湾施設利用料が高いため企業は和歌山下津港を離れて阪南港を利用していると聞いているが、県の見解はいかがですか。
 私は、この十年ほど前といいますか、十年以前からも、和歌山以外の港が、大阪や全国的にもバブル崩壊後は料金を下げてきていると。それで、和歌山港も料金を下げなかったら、随分そういう相談をされるということで、港湾課にも私は再三、本当に──港湾のことは私、何かどうも相性が悪いというか、言っても本当に、なかなかその場だけの対応に終わってしまって。私も県政与党の自民党の一員として、このようなことをここで言わなあかんのは本当に辛いんですけども。
 和歌山下津港の振興を図るためには、現在和歌山下津港を利用している企業を大事にするとともに、従来和歌山下津港を利用していた地元県内企業を和歌山に引き戻す努力が必要と考えます。料金の引き下げなど、やはりどうしても考えなかったらいかんと思いますが、遅きに失したかわかりませんが、答弁を求めます。
 私も、言うばかりでなく、平成十三年度軽油引取税、これは十三年度の年度末に近かったころだと思うんですけど、一億円減額補正というのが載っていまして、軽油引取税、本当に最近少なくなってきたなと。年間九十億ぐらいあったのが最近は多分六十億ぐらいになってると思うんですけど、どんどん下がってきていると。
 それで、私はある企業の社長にお願いして──これは滋賀県の石油会社ですけど──そしたら九州の方の本社の了解をとらなかったらということで、私これまた九州までお願いに行って、輸入の軽油引き取りを和歌山県で、引き取り支店をつくってもろて引き取ってほしいと随分お願いをしたところ、最後に「じゃ、和歌山へ営業所を持っていって和歌山県で引き取りましょう」ということになりまして、平成十三年度の──十四年のかかりですか──三億何千万か、三億強の輸入軽油税を企業誘致として県税収入の方にプラスをしてもらってというようなことも私もやっておるわけですよ。余り──嫌うかわからんけどね。
 また、県財政確保に全力で取り組んでおります。私が議長在任中、企業局廃止問題についても、県職の人に発電所や工業用水の工場で運転をして働いてもらっているより、民間の専門の企業の方にそういう仕事をやってもらったらどうか、県の職員の方は県の適所でさらに活躍をしてもらったらどうかと知事に話をしました。その数日後、私のところに企業局幹部の方が見えました。「後で行くから」ということで知事からもお話を聞いていたので、廃止方法の話を聞きに来たのかなと思ったら、幹部の人は話を聞きに来たのでなく、「そのようなことを言わんとってよ」とのお願いに来たと聞いて、私はその話をまた知事にしましたら、知事は笑って頭をかいていたのを覚えています。本当に私は、知事も大変やなと思いました。その元幹部の人と、よくお会いします。その元幹部の方は、「部下もいない今となって当時のことを考えると、木村知事のような知事が和歌山に必要な知事やと思う」ということを大変話されているんで、一言つけ加えておきます。
 しかし、和歌山港の荷物、しっかり営業しなければ、紀州材を岸和田の阪南港から出荷しなければならなくなるんではないでしょうか。県土整備部長に、和歌山下津港の取り組みについてお伺いします。
 四番目に、有害鳥獣対策についてであります。
 有害鳥獣の被害状況についての推移は、農産物の被害だけを見ても十三年度二億三千二百五十六万九千円、十四年度三億二千四百二十九万五千円、十五年度三億六千四百六十四万一千円と最近ふえてきておりますが、片や有害駆除等に関係ある狩猟人口は減る一方と聞いております。私が昨年の予算委員会で、猟友会の会員数が二千九百五十八名、三千名を切ったと。それで、猟友関係の手数料並びに狩猟者登録税、入猟税等を合わせて平成十四年度では約六千三百万円程度の収入があると答弁をいただきましたが、近年の狩猟者の推移はいかがか、環境生活部長にお尋ねします。
 「動物を守るのか、県民を守るのか、どっちが大事と考えておるんやろう」というような話を農家の方からもしばしば聞きます。また、林業の方からも「随分木を傷められる」というようなことを聞きます。ちなみに、鉄砲も、種子島伝来をして以来、日本の本土には和歌山に根来寺のお坊さんが根来──現在は根来の鉄砲衆として私らもよく聞くんですけど、根来の方へ鉄砲が入ってきたのが全土での一番最初だと聞かされます。和歌山が鉄砲を広めた草分けなのであります。
 その和歌山が、国体のクレー射撃の成績はとうとう四十六位となってしまいました。有害鳥獣対策も、和歌山県民のスポーツ対策も、まして銃の取り扱い研修・練習場は今こそ必要に迫られていると考えます。射撃及び狩猟者の研修場、練習場について知事の御所見をお尋ねします。
 五番目です。来るべき東南海・南海地震に備えてお尋ねします。
 昨年は、異常気象と言えるほど、十回にわたる日本列島への台風の上陸やたび重なる局地的豪雨がありました。また、九月五日の紀伊半島南東沖地震、十月二十三日の新潟県中越地震、十二月二十六日にはスマトラ島沖地震によるインド洋大津波などがありました。特にこのインド洋大津波では約三十万人の人々が死亡し、今なお行方不明者の確認作業が行われており、改めて津波の恐ろしさを痛感したところであります。被災された皆さんには心からお見舞い申し上げますとともに、犠牲になられた方々の御冥福をお祈り申し上げます。
 さて、東南海・南海地震の今後三十年以内の発生確率が、平成十三年九月に政府の地震調査委員会により四〇%から五〇%と発表され、昨年九月には五〇%から六〇%と上方修正され、いつ起こってもおかしくないと言われているような状態に来ております。
 私は、この地震防災は大変難しいことだと思います。きょう地震が起こって津波が来たと。だけど、それはなかなか本当に皆が「仕方なかったかな」と。だけど、来年になって起こった、あるいは三年先に起こった。そのときにやっぱり「仕方なかった」ではなかなか済まないと思うんでね。そういうようなことを、今来たら、できることとしても本当に少ないことしかできない。だけど、一年先、三年先、五年先ということを考えたら、本当に今から着々と。一〇〇%とか百点とかいうようなことは不可能だと思います。だけど、やはり早急を要することではないかと思います。
 昨年の九月五日の紀伊半島沖地震が発生したとき、一瞬、東南海・南海地震が起こったのではと心配しました。幸い、大きな津波は発生せず、人的被害はなかったものの、漁船が転覆するなど、改めて津波の破壊力を見せつけられたと思います。もし今、東南海・南海地震が起こり大津波が和歌山県沿岸を襲ったときはどうなるか。高速道路は被害を受けるか、被害がなくても地震後はすぐに通行できず、一般道も至るところで寸断などの被害を受けるのか。そうでなくても大停滞が起きて救急車や消防車、緊急輸送車両が容易に走行できなくなるのではないだろうか。道路の通行が遮断されて、沿岸市町村はもとより、がけ崩れなどにより山間部の市町村も孤立状態となると思われます。
 そこで、危機管理監にお尋ねします。
 「津波が来たら逃げろ」と言われていますが、まさにそのとおりでありまして、私は一般住民参加による津波避難訓練を繰り返し繰り返し行い、避難になれることが非常に重要と考えております。速いところでは津波発生後十分で到達する地域もあるようですが、避難訓練のその実施状況はいかがか。また、今できることとしていかに現実対応をされているか、お伺いします。
 近隣に高台などの避難場所がない場合、鉄筋の建物の屋上へ逃げさしてもらうとか──これは本当に民家とか、もちろん民有の会社とかいろんなことになってくると思うんですけど、近くに鉄筋の高層の建物があればそこへ逃げさしてほしいというようなことも、やはりこれはもう緊急に詰めていったらいいと思うんですよ。
 また、道路の寸断や大規模広域災害を想定し、他府県との連携により船舶を活用した海からの物資輸送や医薬品輸送など、広域的な防災訓練も必要と考えますが、いかがお考えでしょうか。
 次に、津波の被害を軽減する対策として、海岸沿いへの防潮林、防災林を整備してはどうかと考えます。
 津波のときの漂流物には、海岸における建物の破壊された流材、船、貯木場の流木、カキやノリの養殖いかだの資材などが挙げられますが、これらの流入激突による被害は極めて大きく、災害が倍加されたと見られる例が多く報告されています。例えば、伊勢湾台風来襲時の高潮では、名古屋港の貯木場の木材が市街地に流れ込んで大きな被害を起こした。また、チリ地震津波でも漂流物による被害の大きかったことが報告されています。
 一方、防潮林の存在がこれらの漂流物の阻止に大きな力を発揮した事例も多数報告されております。例えば、チリ地震津波では流材、小舟、カキ・ノリ養殖資材、小型の漂流物等が林帯の前縁で阻止をされ、十トン前後の漁船が六隻阻止された例、それから宮古市の津軽石字赤前海岸では、林帯幅二十五メートル──二十五メートルといったら、ぱっと見たら余り大した幅でもないです──樹高十ないし十五メートル、枝下高五メートル、胸高直径が十ないし十五センチというから、そう太くもない。そしてまた立ち木密度がヘクタール当たり五千五百本の松林で、宮古市の津波のときですけど、そういう樹木帯の八〇%ぐらいまで波が来て木が倒れてしまったと。だけど最後の数列で、樹木があったおかげで船が六隻も、十トン前後の船がこう来たのが六隻も阻止された。だから、私は本当に樹木の防災林というのは非常に機能があるんじゃないかと考えるわけです。
 このように、漂流物阻止効果は林帯幅が相当少なくても効果があると報告されております。さきのインド洋大津波でも被害軽減の効果が指摘されていますが、防災林、防潮林についてはどのようにお考えか、危機管理監並びに、これは県土整備部長にも関係があるということでしたので、両者にお尋ねします。
 私も、一般質問のいろいろ通告をさしてもらって以来、庁内で──やはり本来なら私は部長から一つ一つ答弁をもらいたいというようなこともたくさんあったんですけど、なかなか部と部との調整が、それは林と違って──例えば、とにかく木をたくさん売りたい、和歌山の紀州材を売りたいと。そしたら、売るためにはやっぱりコストを下げなかったら売れないということがまず。そうなると、林の問題でもあるし、輸送や販売といったら商工の問題やと。そしたら、和歌山港の港を安くしてやってほしいとか荷役とかと言い出したら県土整備やとかね。そんなことを言うとなかなか本当に話がまとまらない。そして、最後、知事に答弁もらわなしようないなと。
 だけど、本来なら、そういうことじゃなくて、本当にみんなが連携して目的に向かって、各部長らが勉強して詰めてもらって答弁をしてもらえるぐらいの時代が来んとあかんのじゃないかなと本当に今回も思ったわけですが。まあこれ以上はもう余り申しませんが。
 以上で終わります。
○議長(小川 武君) ただいまの井出益弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) まず、中国と最近非常に交流が盛んになっていると。和歌山県は山東省と交流をしているわけですけども、県としてそれ以外の提携を考えていくのかということなんですけども、県としては、とりあえず山東省との提携を重視して考えていくということですけども、今のダイナミックな中国との関係というふうなことを考えていくと、山東省とだけというふうなことが決して好ましいことではないので、広い範囲でいろんな対応を考えていきたいと思いますし、それから、県内の市町村が独自に山東省以外のところと交流を進めていくという動きがあれば、県の方としても積極的に応援をしていきたいというふうに思っております。
 現在、中国との間は去年、観光ビザの発給地が拡大したということもあって中国からの観光客が激増しているというふうなこともございますので、現在、和歌山県では中国経済交流推進会議というのを設けまして、新たな市場開拓でありますとか、県産材の輸出でありますとか、観光客の呼び込みでありますとか、人材交流等々、多面にわたってどういうような形でやっていけばいいかということを研究しているというふうなことでございます。今後、ますます中国との間で多様な、そしてまた実のある交流が進んでいくように努力をしていきたいと、このように考えております。
 次に、森林環境整備の必要性と、それからまた森林経営者の人への支援というふうなことでございます。
 緑の雇用事業でありますとか企業の森でありますとか、こういうふうなものによって環境林としての面に着目していろいろな政策を行ってきて、これはある意味では林業経営者の人を間接的に支援するということにはなっているわけですけども、しかしながら、やはり最終的にはその木材が売れていくというふうなことにならないと本来的な目的の達成ということは期しがたいというふうなこともありまして、来年度、和歌山県ではこの木材の搬出コストを下げようということで、御質問にもありましたけども、間伐材搬出支援事業というふうなものを新規に行うとか、それからもう一つは中国への販売。これはなかなか言うは易くして行うはかたいんですけども、他の県でも非常に前向きに取り組んでいるところがありますし、中国国内のそういうような木材不足という状況もありますので、何とか紀州材をうまくそういうふうな形の中へ乗せていこうということで、新年度「紀州材を中国へ」という事業名で市場調査を行うというふうなことにしております。調査だけにとどまっていては、これは何も生み出さないので、その調査から本当に県産材が中国へ、いろんな形があると思うんですけども、売れていくような方策を考えていきたいというふうに思っております。
 それから、第三番目の射撃場の問題でございます。
 射撃場の問題については、以前も御質問があって、私は、一つは今度国体に立候補するというようなこともあって、そういうふうな面での競技の振興という面もありますし、それからもう一つは、和歌山の場合、有害獣がふえてきていて、ところがその狩猟人口が減ってきているというふうなことがあって、それも和歌山独自の大きな問題だというふうなことからこの必要性を強く認識しているところなんですけれども。ただ、近年、鉛による水質及び土壌の汚染というのが全国的に問題になってきておりまして、国の方で平成十七年度から二カ年にわたって射撃場に係る土壌及び水質汚染の防止対策を考えると、そしてまたガイドラインを示すというふうなことになっておりまして、これが出てこないとなかなか、和歌山県でつくるとしても、どの程度のお金がかかってどういうふうな規模になるのかということが少しはっきりしない面がありますので、こういうことも踏まえて対応をしていきたい、このように思っております。
○議長(小川 武君) 知事公室長野添 勝君。
  〔野添 勝君、登壇〕
○知事公室長(野添 勝君) 中国との交流についての御質問、三点について一括してお答えいたします。
 和歌山県と山東省が友好提携を締結して二十年が経過しましたが、この間、経済、文化、観光、教育等、さまざまな分野で派遣が約七十団六百人、受け入れが約九十団八百人が交流を積み重ねてまいりました。また、こうした交流を重ねることによりまして、県内市町村におきましては、和歌山市と済南市、橋本市と泰安市、かつらぎ町と莱西市の二市一町で友好提携が締結されております。また、それぞれが交流を図っているところでございます。なお、山東省以外の都市と友好提携を結んでいる市町村は現在ございません。
 次に、経済交流の成果につきましては、平成十四年に県内企業を対象に中国貿易投資セミナーを開催したのを初め、平成十五年十月には山東省から十八企業を迎え、山東省投資セミナーを開催し、県内企業二十六社に参加をいただきました。その際、個別商談会を開催するとともに、観光、海運、行政の分野での個別協議を行いました。さらに、平成十六年二月には県内企業十二社の参加を得て山東省において商談会と企業訪問を実施するなど、経済面での交流を積極的に推進しているところでございます。
 現在、山東省への県内企業の進出は四社と聞いておりますが、昨年、青島市に県内企業四社合同による服飾関係のアンテナショップが開設されるなど、今後のビジネス拡大が大いに期待されるところでございます。
○議長(小川 武君) 県土整備部長酒井利夫君。
  〔酒井利夫君、登壇〕
○県土整備部長(酒井利夫君) 和歌山下津港の関係についてお答え申し上げます。
 まず、和歌山下津港の平成十五年の原木取扱量につきましては、全体で十四万四千トン、うち輸入が、先ほど御指摘のありましたように七万七千トン、移出が三万五千トン、移入が三万二千トンでございました。
 次に、和歌山下津港の原木取扱量の推移でございますが、その取扱量は御指摘のとおり年々減少しており、現在、十年前の二五%、輸入原木量につきましては一六%の水準まで落ち込んでおります。
 この減少につきましては、そもそも県内の製材所の数が六割に、外材のみを取り扱う製材所につきましては四割にまで減少するなど、産業構造の変化がその背景にあると考えられます。一方、港湾施設使用料や荷役料金など、いわゆるポートチャージ料が他港に比べて相対的に高くなっている部分もあり、このことがどの程度影響したかについてはよく分析したいと思います。
 このため、木材について見れば、背後にある木材関連産業が今後発展できるよう、関係部局、関係業界等と十分連携を図りながら、港湾サイドといたしましても、他港と競争できるような使用料、荷役料金、各種サービスのあり方など、官民一体となって総合的に検討し、港の魅力向上に努めてまいります。
 次に、防災林の関係でございます。
 津波対策は、まずは逃げるということを第一として、地元自治体等と連携を図りつつ、ハード、ソフトを組み合わせて総合的に対策を構ずべく関係部局と連携して対応しているところでございます。
 御提案の防災林につきましては、その効果も報告されているようでございます。一方で、効果を発揮するために必要な一定の面積の確保やその後の維持管理の問題など、さまざまな課題もあろうかと存じます。
 今後、既存施設の有効活用などを含め、その効果的な対策について関係部局とも連携して検討してまいります。
○議長(小川 武君) 環境生活部長津本 清君。
  〔津本 清君、登壇〕
○環境生活部長(津本 清君) 有害鳥獣対策につきまして、狩猟人員の推移についてでございますが、県内の狩猟者登録人員は、十年前の平成六年度では三千九百十四人、五年前の平成十一年度では三千五百四十九人、直近の平成十五年度では三千四百十二人でございます。また猟友会の会員につきましては、平成六年度では三千七百二十九人、平成十五年度では二千九百五十五人と、いずれも減少傾向にあります。
 このような状況を危惧しておりまして、有害鳥獣捕獲をしていく上でも支障が生じるおそれがございますので、平成十六年度からは狩猟人員の安定的な確保を図るため、狩猟試験の回数をふやすなど、対策を講じているところでございます。
○議長(小川 武君) 危機管理監白原勝文君。
  〔白原勝文君、登壇〕
○危機管理監(白原勝文君) まず、避難訓練についてお答えいたします。
 さきのインド洋大津波でもおわかりのように、津波から生命を守るためには高台等への避難が最も有効であります。このため、県では平成十四年度から沿岸市町による一斉の津波避難訓練を実施し、毎年一万人以上の方に御参加いただいております。また、本年度から夜間訓練も取り入れる地域もあり、訓練内容にも工夫をいただいております。このほか、県総合防災訓練や他府県との連携による防災訓練等も実施しております。
 なお、市街地等で高台のない地域の避難につきましては、三階建て以上の鉄筋コンクリートの建物等を避難ビルとして使用することも有効であるため、平成十五年につくった和歌山県津波避難計画策定指針の中で避難所としての指定の考え方等も市町に提示しております。
 また、議員御指摘のように、本県において大規模災害が発生した際、船舶を活用した物資輸送等が有効な手段と考えられます。現在、海上保安庁や漁船による訓練等も実施していただいておるほか、フェリー会社との間で船舶による災害時の輸送等に関する支援協定も締結しております。今後、こうした関係機関の協力をいただく中で実効性のある訓練等を検討してまいりたいと考えます。
 次に、防災林等の設置についてでございますが、防災林等は津波被害の軽減に効果的で、インド洋大津波でも植生による被害軽減効果が指摘されております。防災林の設置や植栽方法については、関係機関での研究の動向を注視するとともに、関係部局とも連携を図り、整備手法等、検討してまいりたいと考えます。
○議長(小川 武君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 二十三番井出益弘君。
○井出益弘君 知事に再質問といいますか、要望のような形にせないかんのかと思うんですけど、やはりちょっと一応確認さしてもらおうと思うんで、質問ということで。
 環境庁の指導がどのように出るかとか、そういうガイドラインが出るというのは、二年間にガイドラインをつくるということであります。それで、知事が今そのようなお話をされて、私は多分、知事はそのようなお話をされたけども、必要性については、国体の開催とかいろんな話も含めてしてくれているから──ですけども、私は担当の部や課が、ああ、これでもう二年間、そしたらもう人事異動でまたと。本当に僕、こんなこと言いたくないんやけどね。二年間でこれ、今から勉強にも行ってもらって、環境庁とともに地方の声も、あるいはその必要性とか。
 そして、鉛の弾も、問題になっておるのは、鳥とかけものに撃った弾が、鉛が残っておったやつを、その鳥をまた何かが食べてとか、砂袋へ入っておったとか、そういうのでいろんな害が出てきたとか、そういう猟のは非常に問題になっておっても、射撃場の鉛はその点また違う意味のこともあって、やっぱり射場というのは、世界的にも、オリンピックもあるし、いろんな大会もあるし、日本の国内でも国体でも取り上げておる種目やし、必ず僕はつくっていただけると思っておるんですけど。
 また、二年先から、そしたらどんなんつくったらええよとか、どんなことをというスタートされたら、本当に緊迫しているこの銃の取り扱いというのが非常に──大阪へ行って練習せなあかんのですよ。新家、岸和田、茨木とか、だんだん遠くへ行かなならんのでね。それも、あいてる日とかしかやらしてもらえやんとか、いろんな支障を来しておるんで、ぜひ二年の間ガイドラインのことについての勉強もしながら、二年後とかにガイドラインが出たらもうすぐいける、こんなもんつくれるというようなことをできるぐらいの方向で僕はやってほしいと思うんで。二年間休憩というか凍結というんではないと思うんですけど、その点ちょっと知事に答弁いただけたらと思います。
○議長(小川 武君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 射撃場については、別に凍結というふうなことではなくて、そういうふうなことで検討をしてきた過程の中で、その鉛の問題──この鉛の問題は実は非常に大きな問題でして、空気銃のやつのところでも大変その処理のことで苦慮した経緯がございまして、これはやっぱりなかなかおろそかにはできない問題だというふうに考えておりますので、こういうふうなことの経緯も見ながら対応していこうということで、凍結とかやめてしまうとかいうような話ではもちろんございません。
○議長(小川 武君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(小川 武君) 以上で、井出益弘君の質問が終了いたしました。
 お諮りいたします。質疑及び一般質問は、これをもって終結することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(小川 武君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問はこれをもって終結いたします。
 次に日程第三、議案等の付託について申し上げます。
 ただいま議題となっております全案件は、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会及び予算特別委員会にこれを付託いたします。
 次に日程第四、請願付託の件について報告いたします。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
 なお、委員会の会場はお手元に配付しておりますので、御了承願います。
 お諮りいたします。三月十一日及び十四日から十六日までは委員会審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(小川 武君) 御異議なしと認めます。よって、三月十一日及び十四日から十六日までは休会とすることに決定いたしました。
 次会は、三月十七日定刻より再開いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後一時五十八分散会

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