平成16年9月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(藤井健太郎議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 四十三番藤井健太郎君。
  〔藤井健太郎君、登壇〕(拍手)
○藤井健太郎君 議長のお許しをいただきまして、一般質問を行います。
 まず最初に、三位一体の改革と行財政運営についてであります。
 今年度当初予算は、三位一体の改革の初年度の予算でもありました。しかしその内容は、地方六団体が指摘するように国の財政再建のみを先行させたもので、地方分権改革にはほど遠い内容であり、国と地方の信頼関係を著しく損なう結果となったものでありました。全国ベースで国庫補助負担金の削減一兆円、地方交付税の削減二兆九千億円に対して、国から地方に移譲された財源は所得譲与税四千二百五十億円、税源移譲予定交付金二千三百億円というもので、単年度で地方自治体の財源が一挙に三兆円余りも減少となりました。基本的な税源移譲を先送りにして、教員の退職手当、公立保育所の運営費など教育や福祉にかかわる義務的経費である国庫負担金・補助金が廃止をされ、その上、臨時財政対策債を含む地方交付税が前年比一二%削減されたことは、自主財源に乏しい自治体ほどその影響は大きいものとなっています。本県では、臨時財政対策債を含む地方交付税が前年当初比で二百八十六億円の減少となり、人件費、事務事業や公共事業などで百六十二億円をカットし、それでも財源不足を補うため県債管理基金から九十四億円の繰り入れをしております。県内の五十市町村すべてが交付税の交付団体であるわけですが、前年比で減少し、総額でマイナス九・二%、百十三億円もの減額となっています。
 ことし七月、県は三位一体の改革が及ぼす県財政及び市町村財政への影響額の試算結果を発表しました。それによりますと、ことし六月に発表された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇四」、骨太の方針第四弾でありますが、その方針も加味して十七年度、十八年度──来年度、再来年度は、地方交付税についてはマイナス六%の減額と推定、県への影響額は十七年度でマイナス百十五億円、十八年度でマイナス百八億円、県内五十市町村では十七年度はマイナス七十五億円、十八年度でマイナス七十億円と試算、国庫支出金の廃止・縮減と税源移譲では県下全体でマイナス百二十億円、義務教育国庫負担制度の廃止により県はマイナス六十億円の影響と試算をしております。その結果、県は歳出削減努力を行っても十九年度には財政再建団体に転落、市町村は現状のまま推移すると十八年度には二十二団体、十九年度には四十二団体が財政再建団体に転落するという試算になっています。
 地方交付税額の根拠や歳出の見積もりなど試算の条件設定が違えば、当然、結果は異なってきます。県が試算したような悲観的なシナリオから楽観的なシナリオまで幅を持って描き分けることはできるものですが、景気の回復基調や現在の国、地方の持つ債務残高を見れば、決して楽観的な見通しはできません。また、県が発表した試算として、今回の試算はそれなりに重みがあります。
 県の試算を前提に考えますと、これから本格化されようとする三位一体の改革とは一体何を目指しているのか。このまま進めば地方自治体の自立と自治そのものを脅かし、地方分権の趣旨に逆行するものになるのではないでしょうか。三位一体の改革は、地方分権の理念の実現と地方自治の発展を保障するための財政基盤づくりではなかったのでしょうか。もともと脆弱であった地方税など自主財源を中心とする財政基盤をより充実させ、自治体の創意と自主性の発揮で住民生活の安定と福祉の向上を目指しつつ持続可能な財政構造をつくり上げていくことにつながらないと三位一体の改革の意味がないと思います。
 ことし六月に発表されました「経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇四」、骨太の方針第四弾で、政府として目指すところの三位一体の改革についての方向性が明らかにされています。取り組む期間とされた平成十六年度から十八年度までの全体像をことしの秋に明らかにし、十一月中ごろまでということですが、年内には決定をする、全体像では、十七年度、十八年度に行う三兆円程度の国庫補助負担金改革の工程表、税源移譲の内容及び交付税改革の方向を一体的に盛り込む、税源移譲はおおむね三兆円規模とし、地方公共団体に対して国庫補助負担金改革の具体案を取りまとめるよう要請する、としました。この政府からの要請を受けて八月に、全国知事会が中心となって地方六団体が「国庫補助負担金に関する改革案」、副題として「地方分権推進のための三位一体の改革」を提案しました。そして、地方分権改革の本旨に沿った改革を行うよう強く求めています。提案の前提条件として、税源移譲との一体的実施、確実な税源移譲、地方交付税の確実な財政措置、施設建設に対する経過的財源措置、地方への一方的な負担転嫁の禁止、地方公共団体の意見を反映させること、こういう内容を前提条件としているわけですが、実際にこの前提条件が満たされるのかどうか、満たされなければどうするのか。これからがまさに正念場でもあります。
 一方、骨太の方針第四弾は、「地方行革を一層推進させること」として、事務事業のアウトソーシング、指定管理者制度の積極活用、公営企業の民営化や民間譲渡、公務員給与の適正化の推進など、地方財政のさらなる歳出削減を求めるとしています。また、政府の平成十七年度予算の概算要求に当たっての基本的方針でも地方財政計画の歳出規模の抑制が掲げられ、地方交付税総額を抑制することが明記をされています。一層の地方財政へのしわ寄せとなり、県民の暮らしにとってもより厳しいものになるのではないか、大いに危惧をするところです。
 近年、政府によって市町村合併に対する知事権限の法定化や都道府県の合併も特別立法から議会議決へと簡素化し、より広域な地方行政を目指す地方自治制度の改革や地方独立行政法人法、指定管理者制度や構造改革特区による規制緩和など、行政のシステム、また地方公務員制度の改革、そして地方財政制度の改革が同時に、しかも一気に矢継ぎ早に進められています。こういった改革を、好むと好まざるにかかわらず住民の利益、福祉の向上に結びつけられるように使いこなしていくことが求められています。地方財政が一層の厳しさを増すもとで、よほど明確な地方自治の理念とビジョンを持ち、県民に働きかけ続けない限り、自治体の存在意義、公共性そのものが問われることになってくると思うところです。
 そこで、知事、関係部長にお尋ねをいたします。
 一つは、三位一体の改革の初年度は、国庫補助負担金の大幅カットと不十分な財源の移転、一方的な地方交付税等の削減が進められ、事務事業の大幅な削減と基金からの財源を取り崩して予算収支の帳じり合わせを強いられました。到底、地方分権型の予算と呼べるものではなかったと思うんです。そこで、来年度予算編成の基本的な考え方を知事にお尋ねをいたします。
 歳入予測の未定要素が随分と多くあります。緊縮型になるのではないかと思うわけですが、しかし雇用や産業振興、少子高齢化や社会保障福祉関係予算の自然増への対応など、県民生活向け予算は確実に確保しなくてはなりません。起債残高をふやしたり基金からの多額の取り崩しは、後年度に財政負担を強いることになります。国庫補助負担金はカットされる一方で、税源移譲がおくれ、地方交付税も削減されては今年度より大変なことになってまいります。今後の予算編成のスケジュールも含めてどのように考えているのか、知事の見解をお尋ねいたします。
 次に全国知事会の提言について、三点にわたって知事にお尋ねをいたします。
 一つは、国庫補助負担金の廃止・縮減の具体的メニューを地方から国に示したわけですが、事は全国の地方財政全体にかかわる問題でもあります。これまで知事会は満場一致、一致点で進めることが慣例であった、そういうふうにも聞いておりますが、今回、反対意見の知事も一定あるように聞いております。それが多数決で決められましたが、その経緯、その点はどのように考えているのか。
 二点目に、国の要請に従って国庫補助負担金削減のメニューづくりを先行させたわけですが、国からの税源移譲の規模と内容を先に決定し、それに見合った国庫補助負担金を廃止・縮減してこそ自治体の自主的行政運営の拡大が図られるのではないでしょうか。やり方が逆ではないかと思えるわけですが、いかがでしょうか。とりわけ財政力の弱い本県にとって、県の試算にあるように国庫補助負担金のカット額と税源移譲額とが乖離をし、一般財源をより義務的経費に当てなくてはならなくなります。ひいては財政の硬直化を招くことになりはしないのでしょうか。商品は先に渡したものの値段は先方がつける、こういうことになりはしないのでしょうか、お尋ねをいたします。
 三点目に、義務教育費国庫負担金制度の廃止が自治体側から提案をされました。知事は、人件費は自治体で持つべきとの見解のようですが、義務教育は憲法において保障されているように、全国どの地域でもすべての子供たちに無償で公平に与えられるものであり、教育の機会均等と教育水準を維持するために国の責任を明確にするための負担金制度でもあると理解をするものです。生活保護や保育所など、国の責任で全国的に標準行政水準を維持すべきものと思うわけですが、今回の全国知事会の提案で国と自治体の役割分担がどのように明確にされたのでしょうか。
 以上三点、第一問とあわせて知事にお答えを願います。
 次に、今後の三位一体改革の見通しについて総務部長にお尋ねをいたします。
 どう進めていくのかということです。確たる財源保障の見通しはあるのでしょうか。本県の財政力指数の低さから見て、税源移譲の見込みと財政に与える影響、地方交付税の見通しなど、どういう見解を持っておられるのでしょうか。
 特に、地方交付税の縮小案が国庫補助負担金の廃止案と別個に国で議論がされています。地方交付税の削減を突出させ、地方財源を大幅に削減させることにつながらないか、危惧をするところです。財政制度審議会や経済財政諮問会議の民間議員が、地方交付税は地方財政の肥大化をもたらし、モラルハザードを招いたと攻撃を集中させています。しかし問題は、地方交付税制度にあるのではなく、主には国によって起債を事業費の九〇%から一〇〇%認め、その元利償還は後年度全額交付税措置するからということで建設事業拡大の補助金のように財政誘導に使われたところにあります。それに乗った行政当局の責任も、もちろんあります。地方交付税は自治体間の財源格差を調整する役割もありますが、基本的には、自治体が全国の標準的な行政水準を維持するための国税から地方への財源移転という自治体固有の財源でもあります。交付税総額について、十六年度の大幅削減前の水準を確保できるよう特別な働きかけを行うべきではないでしょうか。これも、総務部長から答弁をお願いします。
 次に、十六年度から二十年度までの五年間を財政改革期間とし、財政構造改革プログラムを早急に策定するということです。その理念は何か。選択と集中による事業の再構築や公共事業改革に取り組み、財政的な自立を目指すと言われていますが、その内容を具体的にお示しください。単なる経費削減の計画になることはないのか、地域づくりや町づくりの理念やビジョン、方向性が示せるのか、県民にとって希望の持てる財政構造改革プログラムとなるのか、住民の声や職員の現場の声がどのように反映されるのか、あわせて総務部長にお尋ねをいたします。
 この問題の最後に、三位一体の改革と市町村財政についてお尋ねをいたします。
 三位一体改革による市町村財政への影響額を試算し、発表したその目的は何か。各市町村と発表することについての調整はされているのか。三位一体の改革の全体像が明らかになった時点で再度試算をするのでしょうか。これも総務部長から答弁をお願いします。
 そして、今後の市町村への対応をどのようにしていくのかということです。市町村財政への影響試算のまとめで、市町村に歳入歳出の徹底的な見直しや行政の責任領域の見直し、市町村合併の推進を強調しております。すべて市町村に向けてのアピールとなっていますが、県として、じゃどれぐらい汗をかくのか。県として市町村と一緒になって財源確保のための国への働きかけはしないのでしょうか。これは総務部長からお聞きをします。
 次に知事に、この市町村への対応について二点お尋ねをいたします。
 合併するしないにかかわらず、やはり市町村への財政的支援が必要だと考えます。市町村あっての県でもあります。市町村への県補助金などの財政支援策の充実を考えておられるのでしょうか。ここで言う補助金は、決して財源補てん的な経常収支の赤字を埋める、そういう支援ではありません。市町村がこれから厳しい財政状況の中で特色ある施策、独自性を打ち出して自立を目指していくための支援策という積極的な支援策を指します。合併する自治体に対しては一億円の特例支援交付金が地域振興基金で準備をされています。合併せずに自立を目指す自治体でも、合併した自治体以上に独自性の発揮が求められるのは当然のことです。そこでも、同じように県民の生活があるわけです。同じように支援が必要なのではないでしょうか。知事に考えをお尋ねいたします。
 次に、これも知事に考えをお聞きしたいわけですが、市町村に対して、県が施行する土木事業など建設事業に伴う負担金が工事による受益を理由に徴収されています。今年度当初予算を見てみますと、五十市町村すべてに四十二億八千万円の負担金が課せられています。全国知事会は国直轄事業について、地方公共団体に個別に負担金を課すことは不合理として廃止を提案しています。県の負担額は本年度当初で約百三十億円、維持管理費についても管理主体が負担すべきとして、これも全国知事会は廃止を提案しています。県の建設事業も、県土保全という県が主体となる施策について市町村に負担金を課すことは財政負担の市町村への転嫁とならないでしょうか。縮減・廃止の方向が当然考えられるべきだと思うわけですが、いかがでしょうか。
 ちなみに、平成十六年度市町村向け県単独補助金は、百十八事業で七十五億二千万円です。その多くは、福祉、教育などソフト関係の補助金です。ハード面での建設事業関係の補助金は二十五億円から三十億円ぐらい、このように試算ができるわけですが、これでは県の市町村への単独補助より市町村が県に負担する金額の方が多くなっています。それに、負担金の多くが市町村の財政力にかかわりなく一律の負担率となっていることも問題です。財政力に応じた負担率にするなど、工夫することもできると思われます。あわせて知事の考えをお尋ねいたします。
 通告の二番目に、南海貴志川線の廃線問題についてお尋ねをいたします。私は、この問題は鉄道の存続を求める立場から質問を行います。
 南海電鉄がことし八月十日に貴志川線の事業から撤退を表明しました。事業廃止届を十月一日に国に提出し、来年九月末に事業から手を引くということ、また南海和歌山市駅から和歌山港駅までの途中三駅も来年度中に廃止することを明らかにしました。和歌山港駅から水軒口までは既に廃線となっています。
 本県における鉄道網は、紀の川流域に沿って東西を結ぶ幹線としてJR和歌山線が、海岸沿いに南北を結ぶ幹線としてJR紀勢線が、大阪都市圏との間を結ぶ幹線としてJR阪和線があり、南海本線が和歌山市駅と難波間、南海高野線が極楽橋から橋本市を経て難波間をそれぞれ結んでいます。このほか、和歌山市には南海電鉄の加太線、和歌山港線、貴志川線が、御坊市内には紀州鉄道が、それぞれ幹線から枝分かれして市街地内の鉄道網を担っています。内陸部に向かっての鉄道網はなく、民営の乗り合いバスが公共交通機関の主役となっています。
 大正五年開業の野上電鉄は平成六年三月末に廃止、大正四年開業の有田鉄道は平成十五年一月に廃止、それぞれ九十年近い鉄道の歴史を閉じてしまいました。
 県企画部交通政策課が発行している資料集で、県内旅客流動量の交通機関別分担率を見てみますと、昭和五十五年、今から二十四年前ですが、鉄道が県内の全旅客数のうち担っている割合は二〇%でした。ところが、平成十二年度では六%に、乗り合いバスは一二%が二%に、一方自家用車は五五%が八八%へと、とりわけ六十年代に一気にモータリゼーション化が進んだことがわかります。タクシー、乗り合いバスを含めた自動車総計では九三%と、圧倒的に県内の交通機関を制することになっています。
 モータリゼーションは、確かに生活の自由度や利便性を高めました。しかし一方では、高速道路網を初め幹線道路の整備に莫大な費用を費やし、交通渋滞、交通事故、駐車場問題や排気ガスによる大気汚染、地球温暖化など、社会問題を引き起こしています。本県でも、地球温暖化防止対策の一つとしてノーマイカーデー運動が取り組まれたところでもあります。さらに、モータリゼーションは、鉄道、乗り合いバスなどの公共交通機関の衰退をもたらし、高齢者や子供の移動手段に大きな影響を与えることにもなっています。モータリゼーション社会が進む中で今回の南海貴志川線の廃線問題は、都市での公共交通のあり方について、自治体の役割は何なのか、改めて考えさせられることとなりました。
 南海貴志川線が廃線になると一番困るのが、通学手段、交通手段を奪われる学生や高齢者など、みずからの移動手段を持たない交通弱者と言われる人々であります。職場と住居の分離が徹底し、郊外に公営住宅や民間住宅の開発が進み、学区制の撤廃など通学圏の広域化もあわせ、生活空間が膨張してきた今日、交通は市民の基本的な生活条件の一つともなっています。
 県の交通関係の財政支出の中で中心となっているのが、京奈和自動車道などの高規格道路から、国道、県道を初め港湾、空港などの幹線網整備とその維持費、環境保全のための対策費などです。
 鉄道については、直接的な予算措置は駅舎のバリアフリー化や紀勢線へのトイレの設置などが近年見受けられる程度です。鉄道についても、生活交通の手段として、また良好な社会資本として町づくりを進める上での鉄道の価値を見出し、交通ネットワークづくりの動脈として位置づけていくことが必要ではないでしょうか。
 廃止されようとする南海貴志川線についても、一たん廃止されて放置されると、新規開業には莫大な費用が必要となります。貴志川線は、九十年という歴史の中で、地域の努力によって守られてきた財産でもあります。失ってしまうことは地域社会にとって大きな損失でもあります。良好な社会資本として残していくことを求めるものです。
 貴志川線は、利用客が減ったとはいえ、年間二百万人近い人が利用し、輸送密度──一キロメートル当たり一日の平均輸送人員のことですが──平成十四年度で三千百二十九人となっています。中小鉄道の全国平均での収支バランスのとれる点は輸送密度二千人以上が目安となっていることから、存続は十分可能な路線と言えます。
 貴志川線と並行して走る県道秋月海南線、ピーク時の通行台数は時間当たり六百八十六台、走行速度時速十三キロ、県道和歌山橋本線はピーク時八百十台、走行速度二十三キロと、大変な混雑ぶりです。バス転換はおよそ非現実的なものではないでしょうか。鉄道を存続させ、最寄りの駅への駐車場整備や駅を中心とした町づくりが進めば貴志川線利用者もふえることは間違いがありません。
 そこで、知事並びに企画部長にお尋ねをいたします。
 一つは、県の交通政策の基本方針はどういうものでしょうか。高速道路を軸とする幹線整備に重点が置かれているように見受けられますが、高齢化社会への対応や地震など災害に強い町づくりを進めるためにも、都市計画街路、バイパス道路、踏切の改良、歩行者・自転車のための段差の解消や歩道整備、地方道の整備など、日常生活を重視した日常生活重点型の交通政策がより求められてきていると思うところですが、知事の見解についてお尋ねをいたします。
 また、交通弱者と言われる高齢者、障害者、学生や子供などの交通権確保に対する県の責任をどう考えているのか、あわせてお答え願います。
 二番目に、南海貴志川線のこれまで果たしてきた地域での役割、位置づけをどのように考えているのか、企画部長にお尋ねをいたします。
 また、貴志川線廃線問題への対応で県の果たす役割をどのように考えているのか。環境問題や福祉の問題、町づくり等の観点から鉄道社会資本として残し位置づけていくこと、そしてそのために県の役割、これを明確にすることが今求められているのではないでしょうか。企画部長の答弁を求めます。
 次に鉄道の政策的優位性について、鉄道の果たす便益性──便利で利益があるということですが、これについてどのように評価をされておられるのか。地域における社会基盤としての鉄道の価値をどのようにして、一般的にではなく具体的に認識をしていくのかという問題です。
 自治体が鉄道に対して前向きの対応をしていくためにもぜひ必要なことだと思います。安全かつ確実な輸送サービスの提供を受けるという利用者が享受をする便益、環境、エネルギー消費での優位性、駅周辺の土地利用計画、道路混雑の緩和など、社会にもたらす便益性を明らかにしていくことが必要です。また、鉄道からバスに転換することによる経済的損失、これも測定をすることが必要だと思います。便益性評価の手法については、既に国土交通省運輸局の鉄道プロジェクトの費用対効果分析マニュアルを初め、定量的手法が既に幾つか確立をしています。金額にあらわしていくことができるものです。
 鉄道を残すかどうか、その判断基準の一つに採算性が強調されがちですが、それももちろん大事な問題ではありますが、自治体が判断をする上で鉄道のもたらす社会的、経済的便益性もきちんと評価をしておく必要があると、そのように考えるからであります。
 この問題の最後に、知事にお尋ねをいたします。鉄道の存続を求める二十五万筆を超える声からしても、存続を前提にした協議を急ぐべきではないでしょうか。貴志川線を鉄道として存続させるための方策を検討していくための庁内組織づくりについてどう考えておられるのか、知事の所見をお尋ねをいたしまして、私の第一問を終わります。
 ありがとうございました。
○副議長(向井嘉久藏君) ただいまの藤井健太郎君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 三位一体の改革についての御質問でございます。
 まず第一点、新年度の予算編成方針についてでございますが、新年度の予算編成方針については例年十月をめどに出しておりますが、平成十七年度は、三位一体の改革の動向が不透明であり、老人医療や介護保険等の社会保障関係費も増加することが予想されるため、県財政はますます厳しくなると考えられます。したがって、平成十七年度予算においては徹底したスクラップ・アンド・ビルドによる行財政改革を進める必要があると考えておりますが、一方で県内経済や雇用への配慮を行いながら県民が安心して暮らせる和歌山県づくりに取り組んでいく必要があると考えております。さらに、三位一体の改革が進む中で、地域の自立につながる地域活性化策にも積極的に取り組んでいきたいと考えております。
 次に全国知事会の提言についてでございますが、三位一体の改革は、地方分権を推進するために地方財政の自立度を高める改革であると考えております。国庫補助負担金については各知事によっていろいろな考え方があり、白熱した論議がなされました。結果として多数決で決めることになりましたが、全国知事会として初めて夜十二時を回るまで議論をしており、また改革案には少数意見も付記するなど、議論を尽くした上での非常に民主的な決定であったと考えております。
 次に税源移譲と国庫負担金の廃止・縮減の順序ですが、そもそも今回の三位一体の改革は、骨太の方針二〇〇四に「税源移譲は概ね三兆円規模を目指す。その前提として地方公共団体に対して、国庫補助負担金改革の具体案を取りまとめるよう要請し、これを踏まえ検討する」とされており、さきに税源移譲が決定していることから、それに基づいて改革案を提出したものでございます。
 次に国と自治体との役割分担ですが、国が今後も引き続きどのような経費を負担すべきかについては、地方六団体の改革案では移譲対象補助金から除外すべきものとして、社会保障関係の負担金のうち格差なく国による統一的な措置が望まれるもの、例えば生活保護、児童扶養手当や、制度全般の見直しの中で検討すべきもの、例えば老人医療、介護保険のほか、国家補償的性格を有するものなど本来国で実施すべきもの、電源立地や災害復旧等を挙げており、これ以外は地方に税源移譲をするように求めているところでございます。
 次に三位一体の改革と市町村財政についてでございますが、合併の有無にかかわらない市町村への財政的支援についてでございますが、市町村については厳しい社会経済情勢が続く中で分権型社会を担う主体としての責務が増加してくることは確実でございます。こうした観点から市町村合併によるスケールメリットを生かして行財政能力を高めるということが非常に有意義であると考えており、県としては、市町村合併支援プランに基づき、合併への取り組みや合併した市町村に対し支援を行ってまいりたいと考えております。
 また、合併しなかった市町村については、従来と同様に、国の制度や地方財政措置に沿いながら適切に支援を行ってまいりたいと考えております。
 県工事の市町村負担金につきましては、これまで数次にわたり三十事業について廃止または軽減を行ってまいりましたが、近年の厳しい財政状況のもと、県民の皆様方からの強い要望のある建設事業等の重点的かつ早期実現を図るためには引き続き御協力をお願いしたく、軽減についても当面は困難であると申し上げざるを得ません。しかしながら、三位一体の改革において国と地方の役割分担に関する議論がなされているように、今後、県と市町村の役割分担や経費負担のあり方を総合的に検討する中で県工事町村負担金についても検討してまいりたいと考えております。
 次に、南海貴志川線廃線問題についてでございます。
 交通政策の基本方針についての御質問でございますが、交通政策については、人・町・環境に優しい交通の実現を目指し、交通弱者に配慮した交通環境のユニバーサルデザイン化、環境に優しい環境負荷軽減の推進、安全性、利便性、快適性を高めるITの活用を基本としております。このため、これからの交通施策は、従来からのハード施策にノーマイカーデー、パーク・アンド・ライドなど、さまざまなソフト施策を連係させ、既存交通基盤の効率的な利用と環境問題への対応や町づくりとの調和など、交通分野に求められる社会的要請への対応を図らなければならないものと考えております。
 最後に、鉄道存続に向けての県の体制づくりについての御質問でございます。
 貴志川線対策協議会におきまして、貴志川線存続のため約二十五万六千人の署名を集め、南海電鉄に提出されましたが、ことしになっても利用者の減少に歯どめがかからないのが現状でございます。
 先ほど山田議員にもお答えいたしましたとおり、南海貴志川線は通勤・通学等の利用の多い生活に密着した路線であり、また鉄道は定時性、安全性に優れ、環境に優しい交通機関と認識しております。こういう認識のもとに、県としては地元の意向を十分に踏まえながら地域住民の生活交通確保のため適切な対応を図ってまいります。
○副議長(向井嘉久藏君) 総務部長宮地 毅君。
  〔宮地 毅君、登壇〕
○総務部長(宮地 毅君) 三位一体の改革と行財政運営についてお答えを申し上げます。
 まず、三位一体の改革に関しての財源保障の見通しについてでありますが、本県のように財政力が弱い自治体では、国庫補助負担金の削減額に比べ税源移譲額が少ないと見込まれますので、その場合には地方交付税による調整が必要になってくると考えております。
 地方六団体の改革案では、地方の意見が確実に反映されることを担保するため国と地方六団体との協議機関を設けることを求めており、さらに税源移譲との一体的実施、確実な税源移譲、地方交付税による確実な財政措置などを前提条件としており、特に地方交付税については、改革を行っている間は昨年のような不合理な地方交付税等の一般財源を削減しないように求めております。県としても、そうした点を訴えていきたいと考えております。
 次に、財政構造改革プログラムについてでございます。
 仮称・財政構造改革プログラムは、財政再建団体への転落を回避しつつ持続可能な財政構造への転換を図ろうとするもので、平成二十年度までを財政改革実施期間と位置づけ、具体的な内容については現在検討中でございますが、例えば県行政の責任領域の見直しやNPOとの協働による事業の再構築や、公共事業におけるコスト縮減なども含めた今後とるべき財政健全化のための取り組みと歳入歳出両面にわたって目標額を示すものを策定したいと考えております。県民などの御意見も伺いながらこのプログラムを実施することにより財源を捻出して、福祉、治安、教育、地域活性化など必要な施策に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、市町村財政への影響試算などについてお答えを申し上げます。
 この試算を作成いたしました趣旨は、県及び市町村双方に大きな影響のある三位一体の改革について、骨太の方針二〇〇四に従い試算をし、県、市町村を合わせた和歌山県全体にとって具体的にどのような影響があるかを見定めることにあります。これにより、今後地方分権の趣旨に沿った三位一体改革がなされるよう国に強く訴えていく際の材料とするとともに、県及び各市町村において財政構造の転換を図っていく際の重要な基礎資料となるものと考えております。
 また、本試算はあくまで三位一体改革の県、市町村への影響の全体像をとらえるために一定の前提のもと、そのことを明らかにしながら行いまして、参考資料としてお示しをしたものであり、個別の歳出内容について個々の市町村との協議・調整を要する性格のものではないと考えております。
 なお、今後、三位一体の改革の全体像が明らかになった時点で再度試算内容を見直すことも検討してまいりたいと考えております。
 次に、今後の市町村財政への対応についてお答えをいたします。
 議員御指摘のとおり、まずは県、市町村が連携し、国に対し分権の趣旨に沿った三位一体改革がなされるよう、今回の試算等も活用しつつ引き続き強く訴えていくことが重要と考えております。
 また、今後、市町村に対しては、歳入歳出の徹底的な見直しや住民やNPO等との協働、民間活力の活用などによる行財政改革、市町村合併の推進などについて積極的に助言をしてまいりたいと考えております。
 さらに、県と市町村間につきましても、自己責任、自己決定に基づく行財政関係を構築しつつ、お互いがコスト縮減等の共通課題に連携して対処できるよう検討してまいりたいと考えております。
○副議長(向井嘉久藏君) 企画部長野添 勝君。
  〔野添 勝君、登壇〕
○企画部長(野添 勝君) 南海貴志川線廃線問題の三点についてお答えいたします。
 南海貴志川線の役割についてでございますが、南海貴志川線は和歌山市東部や貴志川町とJR和歌山駅を結ぶ重要な路線であり、通勤・通学・通院など多くの人に利用されており、地域に密着した生活交通路線でございます。鉄道の持つ定時性や大量輸送というメリットを発揮するという点では、貴志川線の存在は大きなものと認識してございます。
 次に、廃線問題に対応する県の役割についてでございます。
 鉄道の特性は、大量輸送機関であること、時間に正確であること、地域の発展に寄与していることなどが挙げられ、議員御指摘の環境や福祉、地域の社会資本、町づくりなど、いずれの観点においても鉄道が果たす役割は大きいものと認識してございます。
 県の役割でございますが、現在、県は国、和歌山市、貴志川町及び南海電鉄を交え、貴志川線存続問題について協議を重ねているところであり、県としては今後地元の意向を十分に踏まえながら、地域住民の生活交通確保のため、できる限りの協力を行ってまいりたいと考えております。
 次に、鉄道の果たす便益性評価についてでございます。
 議員お話しのとおり、鉄道は定時性、安全性の面で優位な交通機関であり、また環境面、エネルギー消費面においても、二酸化炭素排出量は鉄道が自家用自動車の九分の一と地球環境にも優しい交通機関であります。そういう意味から県ではノーマイカーデーの普及に努め、公共交通機関の利用促進を図っているところであります。
 鉄道のもたらす社会的、経済的便益性について十分認識しながら、単に採算面だけでなく、あらゆる角度から総合的に判断する必要があると考えております。
○副議長(向井嘉久藏君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 四十三番藤井健太郎君。
○藤井健太郎君 再質問をさせていただきます。
 知事にお尋ねをしたいと思うんですが、やはり三位一体の改革の中で、私、一番ポイントは地方交付税の問題じゃないかと思うんです。これまで経済対策ということで、公共事業を随分増発して進めてまいりました。しかし、その財源の多くが地方単独事業ということで、起債に頼ってきたわけですね。それの元利償還については交付税で措置をするからということで、随分全国で行われてまいりました。それが今、交付税総額を縮小するという話になってきておりまして、それでは、二階に持ち上げてはしごを外してしまうと、後はもう地方自治体で何とかやってよということで行財政改革を一生懸命しなさいということを国が言っているわけですから、これを、ああそうですかということで済ませるのかという問題、そこのところをはっきりしないと国と地方の信頼関係は損なわれたままだと思うんですね。そこのところをまず第一点、はっきりさせなくてはいけない。その上で、これまで国、地方の一般行政経費を見てみましても、ほとんど七割近くが地方自治体が仕事をしているんです。しかし財源は三割程度しか移転されないという問題で、これまで随分地方財政の問題になってきました。
 それが、過去をさかのぼってみますと、昭和五十年代後半に国庫補助負担金というのが八割から一気に五割にカットされるとか、一連の国が言う地方行革というのはもう二十年近く続いてきておるわけなんですよ。ここへ来て地方交付税そのものを削減するということですから、これははっきりと、これまでの国の財政運営のあり方はどうであったのか、このことをまずしっかりと反省をしてもらわなくてはいけない。その上に立って今後地方交付税をどうするのかということで交付税そのものがモラルハザード──地方財政を破綻させたという、そういう、本当に言うことを許してはならないと思うんですよね。そういう意味での交付税措置というのは必要だと私は思うんですが、その点を聞かしてほしいのと。
 それからもう一つは、今、総務部長が財政構造改革プログラムの中で、このプログラムを作成して、それで福祉、環境等々の県民生活向けの財源を捻出していくんだというお話がありましたが、いま一方で、議会では公立高校の統廃合問題が議論されておりますよね。大成高校も海南高校へということなんですが、これ、私、話を聞いていて、財政的な視点から、財政問題も絡んで高校教育に関する財源、それを統合させることによって縮小させていくというような考え方が働いているのかどうか。その点もちょっと知事に、あわせてお聞かせを願いたいと思うんです。
 それともう一点は、市町村財政、大変な状況が今から予測されるわけですが、県ももちろん市町村どころではないというお話があったと思うんですけど、しかし市町村があってこその県だと思うんですね。それを考えていく上で、今合併する市町村に対しては一億円補助金を出すと。これは、合併による需要が生まれることによっての県の財政支援ということでの補助金だと、私、理解するんですが。合併を促進するための補助金ではないと思うんですけど。もしそうだとしたら、今後一層市町村財政が厳しくなる中で、合併するしないというのはその自治体の自主的判断です。県が判断することではありません。だから、合併しない市町村があったとしても、自立を目指して頑張っていこうという決断を下した市町村があっても、県としては同じように、どの子もかわいい、こういうことで、その特色を出して頑張っていこうという市町村に対して支援をしますよという姿勢を示すべきではないでしょうか。
 その三点について知事の答弁を求めたいと思うんです。
 南海の貴志川線についてでありますが、今、知事も企画部長も、地元の意向を十分尊重してとおっしっゃたんですか、地元の意向を酌んでというお話がありましたが、地元の意向は貴志川線を残してほしいと、こういうことだと思うんですよ。そして、できる限りの協力をする、適切な対応を図ると、こういうことでありますが、そうしたら県が、やっぱり鉄道を残しておこうという決断をすることがまず必要じゃないでしょうか。その上で鉄道が果たす便益性、地域にどれだけの社会的、経済的社会資本としてこれからの町づくりにとっても期待ができるのかと、そういうところを明らかにして地元市町村にも働きかけをしていくと。そして、住民がコミュニティー鉄道としての、住民の燃え上がるような残してほしいという運動、熱意がなければという話をされましたけども、地元の住民として単純に率直に考えれば、鉄道を残してほしい、しかし私は一体何ができるんだろう、どうしたらいいんだろう、こういうところに今思いがあります。
 今、こういう、自分たちでできるところからまずやろうということで、毎月貴志川線を利用してハイキングを計画しているグループがあります。鉄道沿線の史跡を全部調べ上げて、それを廃線になるまで、来年の九月まで毎月貴志川線を利用してその史跡を訪ねて、それの内容をまた住民に返していってという運動をしているグループも出てきているわけですね。ですから、そういう本当に一人一人の市民が何をしたらいいのかというときに自治体として市民に対して働きかけをする、自治体としては残していきたい、そのためにもこういう活用の方法、こういう利用の方法ということを住民の皆さんでもというような、そういうやっぱり発信があって、ただ乗ってくれ、乗ってくれというだけではなかなか難しいんじゃないかと思うんです。そういう点もぜひ検討していただきたいと。
 時間は余りありません。この点については、朝のやりとり、議論でもありましたけど、知事の英断に期待をしたい、そういうふうに思います。
 で、三位一体の改革について知事の答弁をお願いいたします。
○副議長(向井嘉久藏君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) まず、地方交付税についての御質問ですけれども、おっしゃるように、現在、交付税特会等々の赤字が物すごくあるのは、経済復興のために公共事業を増発して、それを交付税で元利償還を見ていくという仕組みでどんどんやったということが僕は大きな理由だと思います。
 そういうふうな中で、一応の理屈は立てながらも交付税総額を減らしてきていると、そしてそれで県も、そしてまた市町村も非常に厳しい状況になってきているというのが昨今の情勢だと思いますので、これはこの今の三位一体の改革とは別の話ですから、こういうふうなことのないように、ちゃんと約束したものは地方へ来るような形、必要な交付税総額というふうなことは確保するというふうなことを、これはもう徹底的に国に対して主張していかなければならない、このように考えております。そうしないと、財政的に弱い県とか市町村ではもうやっていけなくなってきているというふうなことが根底にありますので、このことはまあ三位一体の改革とは切り離してちゃんと要望をしていかないといかん。ともすれば、この交付税総額を減らすというふうな目的のために三位一体の改革が逆に使われるというふうなことがありますので、このようなことにならないようにしていきたいと思います。
 それから、今回の高等学校の統合の問題について財政的な問題があるのかということですけれども、この問題については教育委員会の方で教育的な配慮、それから他県の状況等々の中でこの今回の案をまとめて、そして今県民の方に諮っているというふうなことでございまして、第一義的には、派生的には、それは当然のことながら財政の問題も出てくる可能性がありますけれども、財政の問題からこういうふうな問題が起こっているということではございません。
 それから三番目の市町村財政、合併しないところについてもちゃんと考えるのが必要じゃないかと。これはもう当然のことでありまして、ただ県としては、今市町村合併をしようというふうなところについて自主的な合併を支援していくということでいろいろな措置をしているということで、まあいろんな施策があると。そして、しないところについても、当然のことながら今までどおりちゃんとやっていけるようなことはしていく、だけどやっぱり根本には今してほしいなと。してほしいけれども、これは自治体の住民が決めることだという根本の中で県は支援施策をとっているということで、合併しなかったところをいじめるとか、そこに何もしないとか、そういうふうな気持ちはもう毛頭ありませんので、この点は十分御理解いただきたいと思います。
○副議長(向井嘉久藏君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
 四十三番藤井健太郎君。
○藤井健太郎君 今、答弁いただきましたけど、確かに財政は非常にこれから厳しさが予測をされます。国に交付税を何とかせえと言ったって相手があることですから、こっちの思惑どおりで進まないというのは当然なんです。そうした場合に、今後どういうふうに行財政運営を進めていくのか。この問題なんですが、かなりの厳しさが予測をされます。そういうときに、やっぱり情報をきちんと開示をして、県民の声も十分に聞いて、その上で、独断専行ではなしにコンセンサスをとりながら進めていくということが大事なプロセスであろうと思うんです。そういう点で、これから新年度の予算編成方針等が示されて議論が進められていくだろうと思うんですが、またぜひ議論をしていきたいと思いますので、期待を損なうことのないようにしていただきたいと思います。
 終わります。
○副議長(向井嘉久藏君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で藤井健太郎君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時五十四分散会

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