平成16年9月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(松坂英樹議員の質疑及び一般質問)
県議会の活動
午後一時二分再開
○議長(小川 武君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
質疑及び一般質問を続行いたします。
四十一番松坂英樹君。
〔松坂英樹君、登壇〕(拍手)
○松坂英樹君 通告に従い、一般質問を早速させていただきます。
私は、まず初めに、今月連続して発生したこの大規模地震を教訓にした東南海・南海地震に備える地震津波対策について質問をさせていただきます。
九月五日、紀伊半島沖でマグニチュード七・四を最高とする連続した地震が発生し、県内を初め震度五弱の激しい揺れが観測され、夜中の十一時五十七分の地震に対しては紀伊半島沿岸に初めて津波警報が発令をされました。
この地震が起こったとき、だれもが一体いつまで揺れが続くんだろうか、続けてより大きな地震が来るんではないか、不安と恐怖を感じたことでしょう。今回は東南海・南海地震のようなプレート型の地震ではなかったために大津波が発生するような事態にはならなかったわけですが、木村知事はあいさつの中で、厳重な警戒と初動体制に努めたが、津波避難の体制や通信などの課題を残した、これを教訓にして今後に生かしていくと表明されましたが、まさに日ごろの地震訓練でない地震本番から何を学んだかを総点検する必要があると思います。
私は、地震の後、湯浅広湾に面した湯浅町と広川町の役場を訪問し、防災担当者から直接、初動体制や住民の避難体制についてお話を伺ってきました。昨年の六月議会で私は傾いて時間どおりに閉まらない水門の問題を取り上げましたから、気になってそれぞれの水門の開閉状況もお聞きしました。昨年指摘した湯浅町の水門は改修にかかっていただいて、無事操作できたので喜んだわけですが、今度は養源寺堀水門、この水門の緊急降下装置が作動しなかったんです。
県からこの水門の管理を任されている広川町は、二回目の地震、夜中の地震で津波警報が出されたのを受けて、職員が水門操作のために駆けつけました。一回目の地震のときは通常操作で操作をしたそうですが、二回目は警報が出たので通常の三分の一の時間で閉まる緊急降下をしようとしたのですが、操作不能であったわけです。やむなく通常操作に切りかえて無事降下させたそうです。
通常、この水門というのはワイヤでつらされている状態ではなくて、両側からのフックの上に乗せて固定をしているわけです。ですから、水門を閉めるときには一たん水門を少し上げて、それでフックを外してからこの降下をさせる、そういう操作をするんですが、当日、職員の方はこうおっしゃいました。「機械が故障していたのかもしれないし、ひょっとしたら私の操作方法が間違っていたのかもしれんのです。私はフックを外してから緊急操作ボタンを押したんですが、そのフックを外す操作をせずに、いきなり緊急降下を押したら動作したのかもしれんのです。メーカーにも来てもらって、県と一緒に調査してもらうことになっています」と、気の毒なぐらい動揺した様子でした。もし私が彼の立場だったら、自分の操作ミスで壊したのじゃないか、もしこれで住民に万一のことがあったらと頭が真っ白になったことだと思うんです。後で調べたら、この職員の操作方法が規定どおりで正しくて、機械の故障だろうということでした。
私は、これは地震本番だったからこそわかった問題点として重視する必要があると思います。緊急降下装置は水門に無理な力がかかるので、訓練では使ってはならないとされていた装置なんですね。そんな一回も操作したことのない、やったことのない行動というのが、いかに本番で間に合わないのかということがわかったと思うのです。今回の地震での教訓を明らかにし、こういった防災訓練のあり方や施設の問題点をきっちり点検する大事な機会だと思います。
また一方で、地震発生時の行政側の対応としては、避難勧告の発令が二自治体しか行われなかった点が指摘をされました。私がお聞きした湯浅町、広川町ともに、地震の発生地点や津波予想が一メートル程度ということを踏まえて現場で総合的に判断をしたということでしたが、避難勧告を出す基準の精査や徹底が求められるのは当然だと思います。
しかし、地震の後、住民がどう動いたか、これがもっと大事だと思います。私はテレビの報道を見て、懐中電灯をつけて腰の曲がったおばあさんの手を引きながら家族で坂道を避難していく、その住民の姿を見たときには感動をしました。行政と住民自身が一体となった日ごろの訓練や防災啓発のたまものだ、幾ら行政が呼びかけても住民が動くところまで準備を重ねておかなければ命を守ることができない、そういうふうに再認識をしました。
また、新聞の投書欄にも、これまでは地震・津波の現実感のない人も多かったが、立て続けに起こった今回の地震を通じて、近所の寝たきりの人をどうするかなど、住民も現実的な対策を考えるようになるのではないか、そういう声が出されていましたが、まさに東南海・南海地震が現実のものとして迫ってきているし、住民の意識も飛躍的に高まっているこの時期を逃さずに、避難体制や住民自身の手によるその取り組みを発展させる必要があると考えます。
この点を踏まえて、以下、質問をさせていただきます。
避難勧告の基準など県・市町村の初動体制について、及び水門や防潮扉の操作について、この二点について今回の地震を通じて明らかになった問題点や教訓を危機管理監と県土整備部長よりお答えください。
次に、震災津波防災マップの作成と活用状況についてお尋ねをいたします。
津波被害の想定される沿岸市町村では、浸水予想図や避難場所、避難経路を徹底するための防災マップづくりが進められています。これは湯浅町と広川町の防災マップです。行政からこうした避難のための情報を徹底するとともに、これだけで終わらせるのではなく、住民自身がだれとどの道を通ってどこに避難をするのか、そういう具体的な行動計画や訓練を地域で練り上げることなしには役に立ちません。この取り組みの状況についても危機管理監より御答弁を願います。
地震津波対策の最後に、避難所でもある公立学校施設の耐震化についてお尋ねをいたします。
先ほど公立学校施設の耐震化状況について全国の進捗状況表が発表され、和歌山県の耐震化率は昨年に引き続いて全国第四十五位という不名誉な状況でした。耐震診断は随分進んだと思うのですが、来年度末までの三カ年計画で全校の耐震診断を完了させるというその計画から見てどうなのか、耐震補強をどうスピードアップしていくのか、教育長の答弁をお願いいたします。
この際、あわせて今回の補正予算で広川町の津波防災教育センター(仮称)整備の予算を計上いただきましたことにお礼を申し上げますとともに、十月十六日には第二回稲むらの火祭りとして、たいまつを持って歩いて最後に稲むらに火をつけるという物語さながらのイベントが計画されています。ぜひ知事にもお越しいただけたらと、御案内をさせていただきます。
次に、二つ目の柱である県営水力発電所売却計画と有田川の災害対策について質問をさせていただきます。
県は、今年度末で企業局廃止の方針を打ち出し、県内に三カ所あるダムによる水力発電所を関西電力に売却する計画だということを明らかにしました。この発電所売却計画は、県民から見れば本当に突然だったわけで、新聞報道で初めて知った、大変なことだと声が上がっています。
二川ダムを初め発電所を持つ県営の三つのダムは、洪水対策と利水、主に発電の目的を持つ多目的ダムです。しかし、ダムは洪水対策のためにはできるだけ水位を下げて大雨に備えたい。しかし、発電のためにはできるだけ水を多くためて多くの発電をしたいわけです。水力発電は水の位置エネルギーでこのタービンを回す仕掛けですから、同じだけの量を使っても、ダムに水をためていればためているほど、水圧によってより多くの発電が可能になるんです。ですからできるだけ、たとえ一メートルでも、十センチでも水を多くためた方が利益が上がる仕組みになっているわけです。片方は水位を下げたい、もう片方は水位を上げたい、多目的ダムというのはこういう矛盾した操作が求められる宿命、これを初めから持っているダムなんです。
ですから、多目的ダムはふだんはいっぱいに水をためて発電し、大雨が予想されるときには予備放流をして水位を下げて大雨に備えると、こういう設計をするわけですが、ところが実際には、大雨の予想は辛うじて予想できるのも台風の雨ぐらいで、最近問題になっている集中豪雨や梅雨前線の大雨などは予想できずに、実際に大雨が降り始めてから気象庁も警報を出す。ダムの水位がうんと上がり過ぎてから、がばっと放流する。そのころには下流も水位が上がっているのに、余計に洪水がひどくなる。これがこれまでの現実の姿なんですね。
そんな不安を抱えながらも、発電が営利目的にやられたらどうなるのでしょうか。安全性よりも経済効率の方が結果として優先されるのではないでしょうか。実際に日高川の流域でお話を伺いますと、日高川には関西電力の流れ込み式の発電所が五カ所あるわけです。夏の渇水期、水の減ったころには堰の下流の川の水が減って、アユが酸欠であっぷあっぷし出すというんですね。そのときに発電所の堰を少しあけてくれないか、こういうふうにお願いをしても、電力需要の最盛期なので御理解願いますと、取り合ってくれないというんですね。
安全性の問題では、この間、関西電力美浜原発の事故がありました。これも安全性よりも経済性を優先させて、検査をコストダウンのために下請に切りかえたり、検査期間を延ばしたり、原発の運転をとめずに無理に検査を準備させたりという、関西電力の安全軽視の姿勢が招いた事故だと指摘をされています。
また、洪水や濁り水の問題では、日置川の殿山ダムは関西電力が経営する発電専用のダムですが、このダムの異常放流による被害については、御存じのように裁判で住民が争っています。そして、県営の多目的ダムでは、けさの朝刊でも報道されておりましたように、日高川では濁水問題で漁協から公害調停が出されていますし、古座川でも濁水被害で漁協から抗議文、異常放流による洪水被害では住民が八月に訴訟に踏み切ったところです。
有田川流域でも七・一八水害のような惨事を二度と繰り返すまい、こういう強い思いがあります。これは去年、吉備町が水害五十周年で発行した記念誌です。
こういった問題や背景の上に加えて、発電所売却によって電力会社の電力需要や採算性が優先させられて、洪水対策、安全性、河川環境などが二の次にどうしてもなってしまうんじゃないか、そういう率直な心配の声が寄せられているわけです。
また一方で、発電所を売却するということは、水利権も関電の手に売り渡すことになります。現在の発電用の水利権は、申請者の発電所も和歌山県知事、許可権者も和歌山県知事です。ダムも発電所も県のものだからこそ一体のものとして運用できたことが、片方が人の手に渡ってしまってからでは、住民の声やダムと発電所の調整は非常に困難になる可能性があると言わなければなりません。
私は、この間、県内の三つの発電所を実際に視察してまいりました。古座川七川ダムと佐田発電所、そして有田川二川ダムと岩倉発電所、日高川の椿山ダムと美山発電所。岩倉と美山では実際に中まで入らせていただいて、見せていただいてきました。現在、発電所は遠隔操作をされていますけれども、週一回の発電機の定期点検に始まって、水をダムから送ってくる導水管の定期検査など、保守点検や安全点検の苦労も職員の方から聞かせていただきました。この保守点検や安全点検のコストを安く上げるために民間委託するわけですから、これらが民間委託でどうなっていくのかも心配な点です。
また、海南のインテリジェントパークにある発電所遠隔操作のための管理センターにも伺ってきました。県内三つの発電所を一カ所から遠隔操作できるようにと、コンピューターに六億円、建物全部で十三億円かけて、この四月にオープンさせたばかりではないですか。売却すればたった一年でここから遠隔操作をする必要がなくなるわけで、何のために新築をしたのかということになります。
その一方で、売却先の関西電力から見ればどうでしょうか。建設から四十年も五十年もたったそんな水力発電所を引き受けても関電としては得をするはずがない、こんな古い小さな発電所を関電は本気で買うのだろうかという声もお聞きします。県内の三つの発電所はそれぞれ一万キロワット程度の出力です。関西電力海南火力の発電所は二百十万キロワット、御坊火力発電所は百八十万キロワットです。電力需要の低迷で、現在、海南火力は四つある発電施設のうち一つしか稼働していませんし、御坊では稼働率が何と三%を切っており、年間六日か七日しか動いていないという状況です。自分とこの巨大発電施設を遊ばせておきながら、火力発電と比べるともう出力計の針の誤差の範囲かと言われるような、そんな施設はお荷物ではないでしょうか。施設の買い取り費用に加えてダム建設時の借金払いの残り、これも一括で国に返済をする必要がありますから、莫大な費用もかかります。関電にそんなお荷物を買ってもらうんだから、大きな借りをつくるのではないかと勘ぐる声が出るのも不思議ではありません。
一方で、国全体の電力政策を歴史的に見てみると、電力需要急増期には国策として多目的ダムが一斉に計画をされました。普通、電力事業者が水力発電をやろうと思えば、ダムをつくるための土地の買収、補償、ダムと発電所の建設費用が全部かかります。それを全部、国と地方のお金で賄って建設をし、発電所の維持管理は行政がやって、できた電気だけ買い上げて利益を上乗せして消費者に売るという、電力会社にとっては結構な仕組みだったわけですね。そして、時代が過ぎて、県が維持できなくなって、その発電施設をただ同然で電力会社が引き取るというようなことであれば、トータルで見ると得をするのは電力会社でしょう。大きな台風や水害の悲惨な歴史を繰り返したくないというその住民の願いを盾に、自治体としても財政面で有利な発電所つきの多目的ダム、こういう形が全国的に広がってしまったわけです。
さて、この発電所売却問題で地元はどう反応しているでしょうか。三つの多目的ダム、特に容量の小さい二川ダムと七川ダムへの住民の願いは、洪水対策として、濁りの長期化対策の上でも、ダムの水位をもっと下げよというのが住民の声です。しかし、今のダムの現状は、洪水対策が第一で発電は二の次と口では言いながら、実際は発電のための大量の貯水がされているというのが実態です。県が発電所を売却することによりこれが一層悪化するのではないかというのが最大の心配事です。
新聞報道で県のこの計画を知った関係者からは、すぐさま不安と怒りの声が起こりました。有田地方でも有田川流域の清水町、金屋町、吉備町、有田市の一市三町の首長がそろって本庁までおいでになり、計画と経過の説明を求めました。加えて清水町議会では全会一致で抗議の文書を採択し、議会代表が県庁においでになりました。これがその文書です。
それぞれの地元の自治体関係者は、発電が採算重視でやられたらダムへ水をため過ぎて怖くていてられやん、幾ら県の施設だからといっても、地元自治体に相談もし、情報も公開してやってもらわんと、県だけの都合で勝手にやってもらっては困ると、怒りを隠せません。
また、私は清水町の二川地区、金屋町の岩野川地区、吉備町の田殿地区などで、このダムと発電所の問題で住民団体の報告会に招かれ、住民の皆さんの意見を伺ってまいりました。ダム直下の二川地区では、区長さん初め多くの区民の方が集まり、次々に怒りを表明されました。二川地区はダム建設には反対だった。当時、ダム反対町長まで誕生した。しかし、洪水対策のためにと言われて泣く泣く同意をしたんですと。発電所を売り渡すのであったら、ダム建設時の約束違反だ。一からやり直しをせんなんことになる。発電がもうからんのやったら、もう発電やめて、どうか防災ダム一本にしてほしい。これが圧倒的な声でした。
熊本県では、濁水問題などで問題を抱えていた発電用の県営荒瀬ダムをこの二〇一〇年で撤去する、そういう全国初の方針を決定しました。新聞報道によると潮谷知事は、発電機など機材の耐用年数が近づく一方でダムによる電力供給の割合は低下しているという費用対効果の問題や、地元の反対、九州電力との契約などを多角的、総体的に検証してたどり着いた結果だ、こういうふうにおっしゃっていますが、発電のためにダムで川の水をせきとめ大量の水をためる、このことのデメリットが各地で明らかになってきたんだと思うんです。
今回、和歌山県では、企業局は売却理由として、県内三発電所について、電力不足の時代にはそれなりの意義があったが、将来的にリスクが大き過ぎると言っているわけですから、歴史的な役割を終え、洪水被害や濁りの長期化で問題ある発電施設については、そのあり方そのものを問うことこそが必要とされているんではないでしょうか。
私は、そういう決して遠くない将来の展望を探りながらも、当面の課題となっている拙速な発電所売却計画には反対であり、県は慎重な態度をとるべきだと主張をするものです。
以下、七点について質問をさせていただきます。
まず、今回の発電所売却計画に至った理由について、そして売却契約の概要とともに、発電施設の資産価値、売却時に国に返さなければならない起債残高をお示しいただきたいと思います。加えて、水利権や発電放流の操作方法など売却条件については、情報公開して地元合意を事前に得るつもりはあるのかどうか。以上、三点について企業局長より御答弁を願います。
次に、売却計画が起こる以前から指摘をされてきた有田川の災害対策についてですが、二川ダムの操作規則の改定はいつまでにするのか、河床が上がり危険な有田川下流の堆積土砂問題はその後どうなっているのか、この二点についても県土整備部長から答弁をお願いします。
発電所問題の最後に、木村知事にお伺いします。
御紹介したような、発電所が採算重視になるとダムに一層水をためるようになるので困る、こういう声が住民、地元市町村長、町議会からも出されていますが、この災害面や河川環境面での不安、疑問、怒りを知事はどう受けとめていらっしゃるのか。そして、その上に立って、来年三月末までに結論を出すという性急な発電所売却計画は白紙撤回し、住民や地元自治体と十分に議論して方向を出すべきではないでしょうか。御答弁をお願いいたします。
引き続き、三つ目の柱である公共事業における県の信頼回復についてお尋ねをいたします。
国道四百八十号清水町内三田バイパスでの橋の設計ミスの問題では、さきの六月議会で四千百六十六万円の補正予算を組んで、手直し工事の準備を進めていました。このほど工事の状況や訴訟に関する状況が説明されましたが、それによると手直し工事の概算工事費が補正予算を組んだ額の二倍以上である一億五百万円になると説明を受けました。六月議会の時点ではわからなかった工事が膨らんだとのことですが、私は二月議会で設計業者の数十カ所に及ぶ設計ミスと、それを県の検査で見抜けなかった問題や今後の信頼回復に向けた対応を取り上げてきましたが、わざわざ補正予算まで組んで手直し工事を始めたにもかかわらず、今になって金額が倍に膨らみました、新たな手直しが必要になりましたというのでは、余りにも見通しが甘いのではないでしょうか。一体どんな積算をしているのかと批判をされても仕方がないと思います。手直し工事の見通しが甘かったのではないかという点、手直し工事の修正はどのようなものか、また完成予定期日に影響はないのか、この三点について県土整備部長よりお答えください。
次に、旅費肩がわりという業者との癒着問題が六月末に問題になりました。これは県土整備部の職員が出張した際、宿泊費などを請負業者に肩がわりさせたというもので、同行した業者は昨年末に県を定年退職した元幹部職員でした。知事は記者会見で、県土整備部内の構造的な問題があるのかどうか徹底的に解明するよう指示したと述べ、部内で業務改善委員会を立ち上げて解明と再発防止に取り組んできたと報告されています。
県土整備部長より、業務改善委員会ではこの点どう解明してきたのか、再発防止の取り組みはどうなのか、この二点をお答えください。
加えて、この例でも問題になったように、定年や中途退職した職員が県の仕事を受ける業者にすぐ再就職するケースが多いわけですが、行政と業者の癒着につながるとの批判があります。国会でも国家公務員法の法改正も議論されています。県としてもこのような方向に沿って、離職後一定期間は密接な関係にある営利企業への再就職を原則禁止にするなどを検討すべきではないでしょうか。総務部長よりこれは御答弁を願います。
以上をもって、第一回目の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。
○議長(小川 武君) ただいまの松坂英樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事木村良樹君。
〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 県営の水力発電所の売却の問題でございますけれども、これは後ほど説明があると思いますが、もうこのままほうっておくとなかなか採算がとれなくなる。これは地方公営企業ということで、商売という言葉を使うのはぐあい悪いんですけども、一応収支が合わないといけないというふうな方針でずっと県がやってきたんですが、今ならば電力会社が買ってくれる可能性もあるというふうなことの中で検討を進めてきたところでございます。
そして、ややもするとダムの問題とそれから発電所の問題が少し混同される嫌いがあるんですけども、発電所を売るということはダムを売るということとは全く当然のことながら違うことでございまして、ダムはこれからもずっと県営ダムとして県が責任を持って管理をしていくということです。当然のことながら、その際、何が一番問題になるかというと治水面ということで、沿岸というか、川の下流の住民の人の命と安全ということが一番の大切なこととなるということは当然のことで、そういうことにあわせて今、二川ダムの管理規程もより厳しい内容に見直しを行ってきているということです。
仮にこの発電の部分を民間会社にゆだねるということになっても、当然のことながらその部分、いわゆるダムとしての管理の部分は、これは県が責任を持って管理規程に基づいて行うということになりますので、ここは確かに地元の方が心配なさる面もあろうかと思いますけれども、決してそういうふうなことの混同がないような形で対応していこうというふうなことで進めていることでございますので御理解をいただきたい、このように思っております。
○議長(小川 武君) 危機管理監白原勝文君。
〔白原勝文君、登壇〕
○危機管理監(白原勝文君) 地震津波対策についてお答えいたします。
まず、今回の地震を通じて明らかになった問題点、教訓についてでございますが、今回の体験で、今までわからなかった問題点や課題が出てきております。とりわけ市町村の初動体制については、対応等にばらつきがありました。このため、九月七日に危機管理監名の文書で、地震防災対策や地震発生時に市町村長がとるべき対応等について点検・見直しを行い、早急に対処するよう依頼するとともに、住民への避難勧告につきましては、消防庁から通知されている「津波警報が発令された場合は、海岸付近の住民等に直ちに海浜から退避し、安全な場所に避難する勧告・指示を行うこと」の趣旨を踏まえ、適切に対処するよう重ねて依頼しました。
県も地震発生後、直ちに知事を本部長とする災害対策本部を設置し、出先機関等を含め五百名の職員が参集し、被害情報の収集や関係機関との連絡調整等に当たりましたが、職員の参集や連絡体制、初動マニュアルの整備・活用状況などを検証し、今後改善してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、今回の教訓をもとに東南海・南海地震対策等を推進してまいりたいと存じます。
次に、震災津波防災マップの作成と活用状況についてお答えいたします。
津波防災マップまたは津波ハザードマップとも呼んでおりますが、この作成状況ですが、沿岸二十一市町のうち七市町が作成済みとなっております。現在、県は津波ハザードマップの基礎となる浸水区域図を作成するためシミュレーションを行っており、その結果が出次第、順次、沿岸市町に提出する予定にしております。
なお、ハザードマップ作成に当たり、避難の経路や場所、災害時要援護者への対応なども周知するためには住民参加で作成する手法も有効で、そうした作成マニュアルも市町村に提示しております。また、本年度新設した地震防災対策総合補助金でも、津波ハザードマップの作成を対象としております。
ハザードマップの活用につきましては、今後の防災津波対策でも大きな役割を果たすとともに、津波避難訓練に際しても、住民の皆さんに事前に避難計画を周知できることや訓練後の検証などにも活用できることから、未整備市町に対しても早急な整備を呼びかけております。
なお、津波避難訓練につきましては、一昨年から沿岸二十一市町と県で、また三重県等隣接県との連携を図り、約一万人を超える住民等の参加を得て実施しておりますが、本年も十二月二十一日の実施に向け、準備を行っております。
以上でございます。
○議長(小川 武君) 県土整備部長酒井利夫君。
〔酒井利夫君、登壇〕
○県土整備部長(酒井利夫君) まず、水門・防潮扉の操作についてでございます。
ただいま御紹介をいただいた例も含め、今回の経験を教訓として関係市町と連携をとりながら、現地での施設の再点検を行うとともに緊急時の操作訓練を実施して、津波時に適切な対応ができるよう取り組んでまいります。
次に有田川の安全対策に関してでございますが、まず二川ダム操作規則につきましては、関係自治体等の意向も踏まえ、現在見直し作業を進めているところでございますが、原案作成後、関係部局と調整を図り、遅くとも平成十七年度の出水期に間に合うように改定したいと考えております。
有田川下流の堆積土砂問題についてでございますが、有田川の土砂の堆積状況について調査したところ、前回調査した平成十二年から大きな変化は認められておりませんが、低水流路が蛇行している区間や堆積、洗掘などの局所的な河床の状況も踏まえ、対応について関係機関とも協議し、検討してまいりたいと考えてございます。
次に、公共事業における県の信頼回復についてでございます。
まず、国道四百八十号三田バイパスの件でございます。本年四月から設計の見直し作業にかかるとともに、耐震性の確認や公的機関における橋脚の強度試験など詳細に見直しを行った結果、想定した以上に橋脚の地中基礎部の補強などが必要となったものでございます。設計見直し途中での見込みだったとはいえ、増額となったことについてはまことに遺憾でございます。
既にできている有田川の橋台につきましては、橋台の上部を一部取り壊し、再構築することにしております。また川の中に立つ橋脚につきましても、上から約五メートル取り壊し、再構築するとともに、地中基礎部につきましても二・五メートルの拡幅を行うこととしております。
なお、今後の工事といたしましては、これらの手直し工事のほか、未着手の高野側の橋台の工事、上部工の工事などにつきましても十月から再開する予定であり、平成十八年度供用への影響がないように最善の努力をしてまいります。
続いて、旅費問題など業者との不祥事、再発防止についてでございますが、県土整備部では、さきの工場検査出張問題を契機として、本年七月二十七日に当部の局長クラスで構成する県土整備部関係業務改善委員会を立ち上げて、再発防止の観点から問題点や対策の検討を行っているところでございます。
今回の事案の検討結果といたしましては、利害関係者との節度ある応対など公務員として求められるモラルが欠けていたことがまず第一の原因であり、検査のあり方や組織におけるチェック体制にも改善すべき点があったものと認識してございます。
次に、再発防止に向けた取り組みといたしましては、検査出張時における留意事項を定めてチェック体制を確立し、工場検査のあり方の検討を進めるとともに、職場研修などを通じ、引き続き職員の意識改革を図ることとしてございます。
いずれにいたしましても、これらの問題に関しまして、公共事業を担う県土整備部といたしましては、県民の信用を失墜することのないよう努めてまいります。
○議長(小川 武君) 企業局長西 芳男君。
〔西 芳男君、登壇〕
○企業局長(西 芳男君) まず、発電所売却計画に至った理由についてでございますけれども、先ほど木下議員の御質問に対し答弁いたしましたとおり、県営で電気の卸売を続けるには、電力の自由化が進展する中、採算性の面で将来に大きな不安があるということが主な理由でございます。
また、「民間でできることは民間に」の言葉どおり、数多くの水力発電所を有し豊富な管理の経験がある民間電気事業者へ任せることができればより信頼性を保つことができるものと考え、取り組んでいるところでございます。
次に売却計画の概要についてでございますが、今回、企業局が計画しておりますのは、発電機や受変電設備を設置している発電所を初め、ダムから水を取り入れるための設備や水を河川に戻すための設備など、水力発電に必要な一連の設備を対象としております。
なお、治水上大きな役割を果たしているダムそのものについては、今までどおり県が保有、管理していくことにいささかの変わりもないものでございます。
また、発電施設の資産価値、返済すべき起債残高についてでございますが、現在お諮りいたしております平成十五年度決算におきましては、電気事業会計の固定資産は八十四億七千九百三十八万円、企業債の未償還残高は四十六億四千五百四十万円でございます。
最後に、水利権や発電放流の操作方法など売却条件についてでございますが、企業局がこれまで関係者の皆様方と話し合い、取り決めてきた事項につきましては、そのまま引き継ぐことを基本に具体的に関西電力と協議を行っているところでございます。また、関係者の皆様方にはその旨お伝えをしてございます。
今回、御心配をおかけしておりますのは、ダムと発電所それぞれの機能についての理解が十分になされていなかったことが原因ではないかと考えております。この点に関しまして関係者の皆様方の御理解が得られますよう、引き続き今後取り組んでまいります。
○議長(小川 武君) 総務部長宮地 毅君。
〔宮地 毅君、登壇〕
○総務部長(宮地 毅君) 職員の再就職につきましてお答えを申し上げます。
現在、国家公務員の場合は、国家公務員法の規定によりまして、離職後二年間、人事院の承認を受けなければ、離職前五年間に在職していた国の機関等と密接な関係にある営利企業に再就職できないことになっておりますが、地方公務員についてはそういった規定はございません。
そうした中、本県では自身で再就職をした者に対しては、県民の不信を招かないよう退職後二年間は退職前の業務に関連した営業活動を自粛するよう指導しているところでございます。
密接な関係にある営利企業への再就職につきましては、職員の生活権や人材の活用等の問題もある中で、法律改正の動きや他府県の動向等を注視して、今後そのあり方について検討してまいりたいと考えております。
○議長(小川 武君) 教育長小関洋治君。
〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 本県の公立学校施設の耐震化の状況についてお答えします。
まず小中学校では、平成十五年度から十七年度までの三年間ですべての市町村において耐震診断を実施する計画となっており、現在その達成に向けて鋭意努力しているところです。耐震診断の実施率は、昨年四月に五・六%であったのに対し、本年七月には五五・六%となっております。耐震化工事につきましても、昨年七月に文部科学省が策定した「学校施設耐震化推進指針」に基づいた円滑な実施を各市町村に指導しているところです。
また県立学校では、耐震診断を本年度中に完了させるとともに、耐震化工事についても順次進めてまいります。
学校施設は児童生徒が一日の大半を過ごす生活の場であると同時に非常災害時の応急避難場所ともなり、安全性が確保されていることが重要であります。耐震化率の低い市町村に対しては、早急に耐震診断を実施し、必要となる耐震化工事を着実に行うよう、関係部局と一体となって働きかけてまいります。
○議長(小川 武君) 傍聴の方々に申し上げます。私語、拍手等は禁止されております。厳粛に願います。
答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
四十一番松坂英樹君。
○松坂英樹君 答弁をいただきましたので、再質問をさせていただきます。
まず初めに、発電所の売却問題です。
この問題では答弁いただいたわけですが、住民や地元自治体から出されている声とは随分ずれがあるというふうに思うんですね。答弁では、住民の側に誤解があると。発電所とダムをごっちゃにされているところがあって、発電所を売っても変わりませんよ、理解してもらってないので理解してもらえるように頑張ります、そういうトーンに感じるんですね。私は、これは納得できません。
しかし、県民から見れば発電所もダムもどちらも県のものであって、一体のものとして見ているのは、これは当たり前のことだと思うんです。そういう住民の側の心配に耳をかさずに進んでしまってはだめだと思うんです。住民が心配しているのは、売ってしまってからでは遅いという問題がたくさんあると思うんですね。
例えばこの売却条件、具体的に詰めているということですけれども、例えばダムの発電用の貯水容量を考えてみてください。住民の求めにより今その操作規則を見直していただいているということでした。これでうんと発電容量を制限しようということになれば、水利権者の同意がこれまた必要になると思うんですね。一たん水利権を売り渡したら、それを制限するとなったら補償問題も出てくると思うんです。だから、いささかも変わらないとおっしゃいますけども、発電所にもダムにも変えてもらいたいことは山ほどあるわけなんです。売った後では遅いんだということを私は指摘したいと思うんです。
それともう一つ、もう発電やめよという声とともに、水力発電もうまく活用すればという意見も私は別に聞いてきました。企業局の説明では、岩倉発電所もクリーンな発電所だというふうに胸を張ります。調べてみたら県の電気代、予算の中で払っている電気代、結構要るんですね。びっくりしました。知事部局の県庁や出先機関で年間二億三千万円、教育委員会の県立学校四十七校で年間三億四千万円、警察・駐在・信号機、これ全部で二億三千万円、合計八億円のお金が毎年毎年県財政から支出をされているわけなんです。
そこで、いっそ売らずに県の自家発電所にして、無理にせず、安全第一で、環境重視で動かして県の電気代を安くする、足らないときは電気を買うし、余れば売ればいいんじゃないかというんですね。それもおもしろいと思って企業局に聞くと、そんな簡単にいかんのですよということだったんです。できた電気は自分で使うよりも売った方が得をする、そういう仕組みだって言うんですね。しかし、その制度の方が変だと思うんです。これまでも企業局が県営発電所で発電事業をして上げた利益、この財源は県民の福祉や道路整備などの予算には使えなくて発電事業だけにしか使えない、こういう仕組みだったわけですね。おかしいです。制度が変なんですから、それを変えていこうと全国に先駆けて地方から提案するのもいいんじゃないかと思うんです。
私、企業局の説明を聞きますと、今回の問題、売却という選択肢、事業委託という選択肢は持っているんですけど、公営企業とは形を変えた活用というような選択肢とか、環境面、災害面でマイナスの大きいそういう発電所はやめる、そういう選択肢、これ持ってないというのが私は問題だというふうに思うんです。
何度も繰り返しますが、もう発電所をやめろという意見もあるし、知恵を出せという意見もありますが、売り飛ばしてくださいという意見はありません。それだけはやめてくれというのが住民の声なんですね。知事は民間にゆだねてもダム管理は責任を持ちますと答弁をなさいましたけれども、地元議会の一致した意見というのは、これ重いですよ。防災ダム一本にしてくれというその住民の思い、ぜひ受けとめていただきたいというふうに思うんですね。
このダム問題では、ちょっとまとめて知事の方に再質問をさせていただきます。二点、質問させてもらいます。
私の質問の七番目の項目の三月末までの期限の問題ですが、三月末までに売却という期限にどうしてもこだわるおつもりですか。三月末という期限にこだわるおつもりかどうかをもう一度御答弁ください。
そして、三つ目の項目、地元合意の項目ですが、意見に耳を傾けるという答弁をずっとされていらっしゃいますけども、地元合意もなしに売ることはしないと明言をできますか。この二点についてお答えをいただきたいというふうに思います。
次の癒着と再就職の問題、再質問をさせていただきたいと思うんです。
業者との癒着と再就職の問題では、県土整備部長と総務部長のお二人から答弁いただきました。原因や再発防止ではモラルとか意識の問題を強調されましたし、天下りや癒着と見られるような再就職の規制、こうなったら人事課の仕事のようで、国家公務員は法律で規制されているが県としては自粛を指導している、そういうお話だったですね。営業を自粛するよう指導している、こういうことだったですね。
では、実態はどうでしょうか。これ大変ゆゆしき事態です。県土整備部がまとめた資料を見て私びっくりしたんですが、これがその資料ですけども、十五年三月末と十六年三月末、この二年間分の定年退職、中途退職をした土木技術職員の再就職先の一覧表です。結果を申し上げますと、十六年三月の方は、退職してすぐ再就職した十九名のうち何と十七名が法律で言う密接な関係のある営利企業に再就職しています。十五年三月の分では十五名中十四名です。国家公務員ならアウトです。
総務部長はその指導をしているとの答弁でしたけども、どうでしょうか。県土整備部長の答弁のモラルとか意識の問題をこれは超えているんじゃないでしょうか。再就職はとめられない、営業は自粛してくださいと口で言うだけでは、普通の感覚としては今の時代通らない、こういうふうに思うんです。
この問題は、これもまたまとめて知事に再質問をさせていただきますが、知事は構造的な問題があるなら徹底的に解明するように指示をされたわけですから、この再就職問題の実態を知事はどうお考えになるのか、そして県行政の根幹である信頼回復に向けた知事の決意をお聞かせいただきたいというふうに思います。
以上です。
○議長(小川 武君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
知事木村良樹君。
〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 水力発電所の廃止の問題ですけれども、これはもう相手のあることですので、三月三十一日までに話がついてうまくいくかどうかと、これはこれからの話し合いの中に入ってくると思います。だけど、先ほどの答弁でも申しましたように、この公営企業としての発電事業というのはそもそも、自治体が行うものだと、もともとは電力が少なかった時代に必要性があってみんな始めたんだけども、今ではもうそういうふうな実態ではなくなってきていると。そういうふうな中で県としてこれからどういうふうにしていくかというふうなときに、関西電力が僕はそんなに信頼できない会社だとは思わないけれども、そこが適正な価格で買って引き継いでやっていきますというふうなことを言ってくれるのは、これは僕はそれなりの合理性のあることだと思うし、それでそのときに安全面というふうなことについて絶対におろそかになることがないようにということを県の方が管理者としてこれからも続けていくということも、これまた当然のことなんで、いずれにせよ細部について詰めないといかんようなことについては、今御指摘もあったような点も含めてこれから鋭意詰めていってお互い交渉していくというふうな話になってくることだと思いますので、御理解をいただきたいと思います。
それから、技術の職員の人の再就職の問題ですけども、これは正直言いまして、国の場合は非常に広い範囲でいろいろな就職先を探すことができるというふうなことがあるわけですけども、これは和歌山県に限らず地方公共団体の場合は、そんなにたくさんの就職先があるわけではありません。そしてまた年金の問題とか、いろんな問題がある中で、やはり公務員の人も退職した後、生活していかなければならないというふうな問題もあります。そういうふうな中で、今言いましたような癒着というようなことが絶対に起こらないように、営業活動というふうなものについて当面二年間ぐらいは自粛するようにというふうなことを徹底していこうというふうなことを言っているわけで、これはやはりいろいろその人の生活の問題もありますので、そういうふうなことで御理解いただきたいと思うんですが、ただ、このことについては、これはもう和歌山県だけの現象ではなくて、日本全国どこでもそういうふうな状況になっておりますので、そういう中でまた大きな動きが出てくればそれに合わせて和歌山県も積極的に対応していきたい、こういうふうに思っております。
○議長(小川 武君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
四十一番松坂英樹君。
○松坂英樹君 ありがとうございました。
関電との交渉は相手のあることで、地元とも細部をこれから詰めていきたいんだという御答弁の趣旨であったかと思うんですけども、何しろ帳簿価格でも百三十億円のものですから、これ幾らでという話し合いになるのかということも含めて、地元との話し合いをきっちりされるかどうか私は見ていきたいと思っていますし、私がお聞きした地元の合意なしに売るということはしない、これ明言できるかどうかということについては、はっきりしたお答えがなかったので、その点についてもう一度お答えを願いたいというふうに思うんです。
それから、先ほどの癒着の問題、そういうふうな不信を抱かないように信頼を回復するためにどうするかということですが、もちろん国民一人一人には、公務員である以前に憲法で保障された権利があるわけで、それは大事なんですけども、それが公務員としてのその地位を利用したことにならないか、癒着の温床にならないかという点は、これはシビアに今の時代見られている問題だというふうに思っています。ですから、このままの今のままでいいというふうには私は思っていませんし、これからも厳しくやっぱりその姿勢を改めていきたいというふうに思っています。
一点だけ、答えをお願いいたします。
○議長(小川 武君) 以上の再々質問に対する当局の答弁を求めます。
知事木村良樹君。
〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 当然、県の方は行政の責任を持つ者として、住民の人にいろいろな情報の開示とかをしていく義務はありますし、当然このことについてもそういうふうなことは行っていこうと思っておりますけれども、しかしながら、いろんなことを終わった後で最終的な決断をするのはやはり県の責任でありますし、また企業局としての──企業局というのは経営の採算性を考えないといかんところでございますので、そういうふうな判断のもとに行っていこうというふうなことでございます。
○議長(小川 武君) 答弁漏れはありませんか。──以上で松坂英樹君の質問が終了いたしました。