平成16年6月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(東 幸司議員の質疑及び一般質問)
県議会の活動
午後一時二分再開
○副議長(吉井和視君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
質疑及び一般質問を続行いたします。
九番東 幸司君。
〔東 幸司君、登壇〕(拍手)
○東 幸司君 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきたいと思いますが、その前に一言申し上げたいと思います。
私も本日が初登壇でございます。昨年の統一地方選挙で初当選をさせていただいて以来、この間いろいろと温かい御支持、御支援を賜りました皆さんに、この場をおかりいたしまして厚く御礼を申し上げる次第でございます。それからまた、この一年間、公私にわたりましていろいろと御指導いただきました先輩議員、同僚議員にも深く感謝を申し上げる次第でございます。
この伝統ある和歌山県議会のこの場において登壇をさせていただくということで、改めまして気の引き締まる思いでありますと同時に、今かなり緊張しておりますんで、どうか、いろいろとお聞き苦しい点もあるかと思いますけども、先輩、同僚議員の皆さんにおかれましては温かい目で見ていただいて、御協力をいただきたいと思います。
それからまた、知事初め関係部局の皆さんにおかれましても、ぜひとも積極的な前向きなる御答弁をいただきますようにお願いを申し上げまして、早速でありますけども、質問に移らせていただきたいと思います。
まず第一点目としまして、府県間道路整備の進捗と今後の見通しについて質問をしてまいりたいと思います。
私は那賀郡より選出をさせていただいておりますので主に那賀郡の府県間道についてお尋ねをしたいと思うわけでありますが、今現在、那賀郡内においては、西より泉佐野岩出線、そして泉佐野打田線、それから那賀郡と伊都郡の間を縫うように走ります国道四百八十号のこの三本の府県間道路がございます。
その中でも泉佐野岩出線につきましては、和歌山県内の延長六・七キロメートルのうち岩出町根来から備前の間の三・四キロメートルについては既に供用済みであり、また、府県界より根来までの間、三・三キロメートルについても現在事業が進んでおり、平成十五年度に新風吹トンネルを発注済みであると聞いております。また、平成十六年度においては、トンネル北側の用地補償及びトンネル工事と、トンネル南側の現道を東側へ切りかえる工事を進めるということで、着々とその工事が進捗している現状が目に見えてわかるわけであります。
また、大阪府側につきましても、金熊寺トンネルが既に供用済みであるなど、これまた目に見えて事業が進捗しており、大阪府側の意欲の高さもまた同時に見てとることができるわけでございます。
そこで、国道四百八十号について考えてみたいわけでありますが、国道四百八十号は、大阪府泉大津市の国道二十六号を起点として、和歌山県北部地域を縦貫し、有田市の国道四十二号に至ります幹線道路であります。伊都郡かつらぎ町平から同じくかつらぎ町萩原に至る延長五・七キロメートルは平成六年度に事業着手をされており、四郷第一、第二トンネルの工事が進められてきたところであります。また、残りのかつらぎ町萩原から那賀郡那賀町穴伏の四キロメートルについても早期事業化を推進するということで、本県側の事業については着々と進捗しているわけであります。
そこで問題は、府県界をまたぎます鍋谷トンネルがどのように事業着手されるのかということであります。このトンネルは全長三・七キロメートルありますが、これについては現在国の調査が行われていると聞き及んでおります。そこで、この鍋谷トンネルの事業内容の具体的なところを県土整備部長にお尋ねをいたします。
それからもう一点、私自身この国道四百八十号を実際に何回も走ってみまして大阪府と本県を行き来したわけでありますが、車がまともに対向もできないような非常に狭い箇所が随所に存在するなど、その大阪府側のお粗末さが特に際立っているのが残念なところであります。そしてまた同時に、少なくとも国道と名のつく道路にしては何とも情けない現状であると思うわけであります。
この国道四百八十号は、大阪府から和歌山県の高野山や高野龍神スカイラインなどの観光ルートとしても大変重要な路線として位置づけができると思います。まして、この六月末に控えております高野山、熊野古道のユネスコ世界遺産登録後の観光道としての役割を考えますと、さらにその重要さが大きく増してくるわけであります。
そこで、本県として大阪府へどのような働きかけをしてきたのかということの経緯と、今後、例えば、これはあくまで一例でありますけども、大阪府側がいつまでも消極的であるならば、大阪府側の道路予算についても本県の予算を多少なりとも充当するくらいの、そのぐらいの気持ちの今までにないような抜本的な解決に向けた提案をするような考えがあるのかどうかを含めて、その見通しや見解を県土整備部長にお伺いをしたいと思います。
次に、泉佐野打田線であります。府県界付近の百メートルを残して本県側につきましては全線が改良済みであり、その整備はほぼ完了しているということであります。
一方、私自身の実感としてもそうでありますし、また日ごろ地元県民の話題となるところも多いわけでありますけども、やはりこの道路につきましても、大阪府側の犬鳴温泉付近の状況など極めて狭く、また急カーブ箇所も多いなど、非常に走りにくい道としまして、多少時間に余裕があればわざわざ大きく迂回をして泉佐野岩出線を使う地元の女性ドライバーも多いと聞いております。
そこで、本県としてこの泉佐野打田線につきましても、大阪府側への改良や改善に向けた取り組みに対しまして今後どうするのか、こういったことを県土整備部長にあわせてお伺いをしたいと思います。
次に、二点目といたしまして、市町村合併にかかわる県の指導力と調整力の発揮について質問をしてまいりたいと思います。
御存じのとおり、市町村合併は、小泉首相の諮問機関、経済財政諮問会議のいわゆる骨太の方針と言われている「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」の中で、「市町村合併や広域行政をより強力に推進し、目途を立てすみやかな市町村の再編を促す」と明確に述べられております。つまり、小泉内閣の構造改革の一環として合併を強力に推進するということであります。
現在の地方行政体制は、昭和三十年前後のいわゆる昭和の大合併と言われる際に決まったものが約五十年もの間そのまま維持されてきたわけでありますが、今や地域住民の生活圏も拡大し、またインターネットなどに代表されるような社会の高度情報化がなされ、日本社会も大きく変貌してまいりました。こうした世の中の新しい流れに、今までのいろいろな制度や仕組み、枠組みなどが制度疲労を起こし、社会の至るところでそのひずみが表面化してきているわけであります。
こういった中で、行政の枠組みも見直し、現在三千二百ほどある市町村を千くらいにして地方分権をより強固なものとし、行政の効率化とよりスピーディーな施策の実行を実現するために広域行政を目指したのが今回の合併の目標でもあるわけであります。
本県におきましても、この一、二年の間に各地でさまざまな合併の動きが出てきたわけであります。しかしながら、この間の動きを見る限り、一度できた合併協議会が、その後、市町村間の主張のぶつかり合いや見解の相違により解散する例が多発しております。それからまた、住民投票により合併の方針転換を余儀なくされるケースも数例出てまいったわけであります。こういった例は、本県のみならず全国的な現象でもあるわけであります。
私が思いますには、ある程度の、これは語弊があるかもしれませんけども、上意下達的な指導力あるいは調整力に基づかなければ市町村合併はなし得ないと思います。結論として賛成であっても、具体的な細かい協議においてはおのおのの主張がぶつかり合い、各論反対のような状況になることは当然の成り行きであります。各自治体の自主性に任せた結果として今のような事態が起こってきたわけでありますから、今後、政府としても各都道府県の指導力を強化していく方向でしか当初の目的を果たせるような結果は望めないと思います。このままでは、いたずらに小規模の合併にとどまったものがふえるか、あるいは合併そのもの自体に挫折をする市町村が数多く出てくるだけであると考えるからであります。
それからまた、本来、これはまあ理想論かもしれませんけども、市町村合併とは、その県が将来的にその県をどのようにしたいのかといったグランドデザインに基づいて行われるべきものだと考えております。観光立県を目指すのか、あるいは違う別の道を目指すのかとでは、まるで青写真が違ったものになるのは当然であり、その青写真に基づいてどことどの市町村がくっつくのがベストなのかといった議論が当然出てくるはずだと思うからであります。
そこで、本県のこういった合併協議会の離合集散的な動きが結果的に合併そのものを挫折させる方向へ向かっている現在の傾向についての当局の見解と対策について、知事に御所見をお伺いしたいと思います。
また、合併新法におきましては知事権限強化が盛り込まれておりますが、このことにつきましても、あわせまして知事に御見解をお伺いいたしたいと思います。
続きまして、三番目といたしまして対中国ビジネス活動の現状と展望について質問してまいります。
中国は、御存じのとおり、世界第一位の約十三億の人口を有し、実に世界人口の約二割以上を占めるほどであります。また、一九九二年の第十四回党大会で、改革開放路線の百年間堅持、社会主義市場経済確立の宣言をして以来、経済特区の設置や沿海都市の開放、租税優遇措置の実施など、積極的な外資導入政策を図り、その改革開放を進め、ついに二〇〇一年の十二月にはWTOに正規加盟をして、世界の貿易ルールに従う意思表示をしたわけであります。また、二〇〇八年には北京オリンピック、そして二〇一〇年には上海万博を控え、中国政府はこれらの大型イベントを経済成長の大きな起爆剤として位置づけております。我が日本におきましても、一九六〇年に当時の池田勇人内閣が所得倍増計画を打ち出し、東京オリンピックと大阪万博をてこにして、その後約二十年間で経済規模を四倍に伸ばした経緯があるわけであります。まさに中国においてもこうした歴史が繰り返される可能性も非常に高いわけであります。
しかし、その反面、このような激しい市場経済化のスピードに中国社会自体がなかなかついていけない状況があり、例えば汚職の横行や貧富の格差の増大、法治国家としての統制の不備、そして行政手続の煩雑さや行政管理基準のあいまいさなど、まだまだその課題が大きいのも事実であります。
このようなことから、対中国ビジネスを成功に導くためには、中国国内における党や政府の方針、決定事項を十分に把握することはもちろんのこと、たび重なるさまざまな制度改革や産業政策の変化にもついていかなければならず、対中国ビジネスの難しさがまさにこのようなところにあるわけであります。
そこで、本県においては、岩手県、宮城県、福岡県と共同で中国ビジネスコーディネーターを設置して、福岡県上海事務所をその活動基盤として各県内企業の中国ビジネスサポートをしているというわけであります。私は、やる気のある、そしてリスクにも果敢に挑戦していく気概のある経営者や県内企業にはどんどん伸びていってもらうためにも、このようなシステムをもっともっと充実させ、発展させていくべきだと考えております。
そこで、まず第一点として、これまでの中国人ビジネスコーディネーターの活用状況と、今後このシステムをどのように発展・展開していくおつもりかを商工労働部長にお伺いをいたします。
次に、二点目といたしまして、中国はその人口の多さゆえに、これまで生産拠点としての中国という位置づけもさることながら、今後は巨大消費マーケットとしての位置づけが大きくクローズアップをされてきているところであります。特に、改革開放が進む中、沿海大都市部では金融資産が日本円にして一千万円を超える富裕層が実に世帯数で二千万世帯以上、人口にして八千万人に近い規模に達しているという驚くべきデータもあるほどであります。また、上海における生活レベルは、既に日本の一九八〇年代後半に相当しているか、あるいはそれ以上であるとしたデータもあり、中国大都市住民の消費者意識もかなり日本に近づきつつあるということであります。また、こうした高額所得層の消費性向の特徴として、ブランド製品や外国製品など高級品への強いこだわりやあこがれがあるということも見逃せない大きな点であると思います。
このようなことを踏まえて、農産物についても、日本産の品質の高い農産物を高級品として、あるいはブランド農産物として何とかして中国市場をターゲットにできないものかという議論が、最近全国各地で起こってきているわけであります。もちろん、外国が対象である以上、農産品の対外輸出等については当然国の所管であることは承知しておりますし、また、検疫の問題や日本との大きな物価の差など、クリアしなければいけないことが相当あるということもまた十分に理解した上でお尋ねをしたいと思います。
本県農産品の対中国輸出状況が今現在どうなっているのか。そしてまた、今後そのことに対して本県としてどのように取り組んでいくのか。他の都道府県と協力するなどして、緑の雇用事業で国を動かしたような国に対しての強い働きかけをしていくつもりがあるのかどうかといったことも含めて農林水産部長にお尋ねをしたいと思います。
続きまして、カジノ構想について質問をしてまいります。
戦後最悪と言われている不況の中で深刻な財政難に苦しんでいる各自治体にとりまして、カジノ建設は経済の活性化への大きな起爆剤として非常に期待されているところであります。世界に目を向けますと、カジノを合法化している国は百十二カ国に上り、人口百万人を超える都市を持っている先進国ではすべてがカジノを開設しております。
我が国はと申しますと、刑法百八十五条、賭博行為の禁止という大きな法律の壁が立ちはだかっており、その実現が難しいわけであります。しかしながら、また一方で、競輪、競馬、競艇、宝くじ、サッカーくじなど、特別法によって認められているものがあるのもまた事実であります。こうした中で、カジノも合法化へ向けて、その刑法改正への動きが全国各地で活発になってきており、改正されるのも時間の問題とも言われております。
このような状況の中、本県も地方自治体カジノ研究会のメンバーとして、東京都や静岡県、大阪府、宮崎県、そして神奈川県とともにカジノ推進に賛同する都府県が連携して、国に対し、カジノにかかわる法案や税制等の研究やその具体的な提言をしていくということで、昨年二月より本年三月までに既に八回の研究会を開催していると聞き及んでおります。またこの研究会では、先ほど申し上げました本県を含む六都府県の正式メンバー以外に、北海道、山形、茨城、栃木、群馬、石川、福井、岐阜、愛知、京都、奈良、広島、香川、愛媛、大分の実に十五道府県がオブザーバーとして参加をしており、各都道府県のカジノに対する関心の高さをうかがい知ることができるわけであります。
そして、正式メンバーでは、東京都の場合はお台場の臨海副都心に、また大阪府はりんくうタウンに、そして神奈川県は京浜臨海部にと、それぞれカジノを特区構想などに基づいて具体的に想定しながら研究をしているわけであります。また、オブザーバーの中でも愛知県では中部国際空港対岸の前島にと、具体的に想定をしながら参加していると聞いております。
また一方では、カジノを開設するに当たっては、経済の活性化や雇用創出といったメリットだけでなく、ギャンブルへの抵抗感や青少年あるいは住環境への影響などの懸念材料もあり、県民のコンセンサスを形成すべき課題もまた少なくないわけでもあります。
そこで、仮に特別法が制定されたとして、今現在カジノに関心を示している都道府県のほとんどがカジノを開設したと仮定しますと、全国に十から二十のカジノが一斉に生まれることも予想され、十年ほど前にテーマパークが全国あちこちで破綻したことをほうふつとさせる事態が起こらないとも限らないわけであります。そういうことから考えますと、やはり国内ではせいぜい二、三カ所が妥当ではないかという議論が起こり、国がごく少数の地域に限ってのみ許可をするというような可能性も非常に大きいとも思われます。
そこで、個人的な考え方を申しますと、先ほど述べました大阪府が想定をしておりますりんくうタウンへの開設誘致に本県も共同で取り組んでいってはどうかと考えます。そうなれば、実質和歌山空港的な存在でもあります関西国際空港の活性化にも飛躍的な弾みがつくことは言うまでもありません。
そこで、二点についてお尋ねをいたします。
まずは、この八回にわたります地方自治体カジノ研究会での研究内容について、企画部長にお尋ねをいたします。
そしてもう一点は、本県としてのカジノについての認識と今後の展望について、例えば先ほど申し上げた大阪府との連携の可能性なども含めて、知事にその御所見をお伺いしたいと存じます。
最後になりましたが、根来寺坊院跡の発掘調査について質問をしてまいります。
覚鑁上人によって開かれました根来寺は、新義真言宗の総本山であり、戦国時代の最盛期には附属する寺院の数が二千とも言われるほどの大寺院でありました。当時のヨーロッパ人が作成した世界地図には根来の地名が記載されるほどの国際的に有名な存在でありました。その根来寺が、一五八五年(天正十三年)、羽柴秀吉の紀州攻めによって、現存する大塔、大師堂などと解体・移築された一部の建物を除いて、そのほかすべては一瞬にして灰じんに帰しました。まさに根来寺内の遺跡は、タイムカプセルに入った中世都市と言われるゆえんであります。
過日の新聞報道によれば、岩出町が建設を進めている岩出都市計画墓園、根来公園墓地の西駐車場予定地におきまして、岩出町教育委員会が事前発掘調査を行ったところ、僧侶たちが斎戒沐浴したと見られる室町末期の湯屋遺構と子院跡がいずれも良好な状態で出土したとのことでありました。湯屋とは、新義真言宗の宗派のシンボル的遺構として貴重なものであると同時に、その構造は中世の絵巻物「慕帰絵詞」などに出てくるいわゆる蒸しぶろだったと見られ、中世の蒸しぶろの発掘例としては全国で二番目、近畿では初めてということであります。子院跡も、附属する倉や庭園が残り、書院づくりの建物の間取りがわかる状態であり、全国的にも大変珍しいと言われているわけであります。
また、岩出町は根来寺坊院遺跡内にある大門池を一部埋め立てて図書館の建設を進めようとしているとのことでありますが、この大門池についても、「石山本願寺日記」にある天正十三年三月のくだりに、秀吉による大伝法院解体に抗議して僧侶三十五人が身を投じたとの記録があり、根来寺を考える上でも貴重なものと言わざるを得ません。
根来寺の遺跡は、これまで福井県の一乗谷朝倉氏遺跡や広島県の草戸千軒遺跡とともに日本の中世三大遺跡と呼ばれてきました。しかしながら、今日では、根来寺の遺跡はこれらを質、量ともに凌駕し、中世最大の宗教都市遺跡であるとともに、当時の建物が一部現存している点でも比類のない価値を有すると評価する学者もいるところであります。こうした文化遺産は、本県のみならず、我が国の歴史や文化を正しく理解する上でも欠くことのできないものであり、将来の文化向上、発展の基礎をなすものでもあります。また、文化遺産を大切にする町づくりは個性ある町づくりにつながり、観光面等での積極的な活用にも大いに期待が持て、まさしく観光立県を目指す和歌山県にとりましては最も貴重な財産と言わざるを得ません。
そこで、教育長にお伺いをいたします。
根来公園墓地の西駐車場予定地から見つかった湯屋、子院跡や大門池についてどのようにお考えになっているのか。また、もし根来坊院跡全体の保存を進めることになれば今後国による史跡指定が当然必要であるとも考えますが、教育長の御所見をお伺いしたいと思います。
以上五点をもちまして、私の一般質問といたします。御清聴、本当にありがとうございました。
○副議長(吉井和視君) ただいまの東幸司君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事木村良樹君。
〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 市町村合併についてお答えをいたします。
御指摘のとおり、合併協議会の解散や再編などが県内各地で見られますが、これは和歌山だけではなく全国的な傾向でもあり、ある意味では合併協議が成熟化してきた証拠とも言えるのではないかというふうに思っております。各地域においてはそれぞれ難しい個別の問題があるとは思いますが、住民の福祉と地域の発展という合併の大局を見据えた議論が重要と考えております。
県としては、国の動向や今後の財政状況、全国の調整事例などを情報提供するとともに、できる限りの調整やさまざまな支援を行ってきたところであり、今後ともこの方向で努力をしていきたいと考えております。
次に、合併新法においては、合併推進に係る勧告を含め、県の役割が強化されております。広域行政を担う県としては、現行特例法での合併の状況を勘案した上で、住民福祉の維持向上や地域全体の発展を考えながら、新たな県の役割も踏まえ、市町村と一緒に合併推進の方策について真剣に考えていきたいと考えております。
次に、カジノについての認識ですが、カジノにつきましては、実は私が積極的にこの研究会に入った経緯もあるわけですけども、いろいろ難しい問題があって、なかなか一挙に進むというふうな状況にはありません。ただ、これは世界的にはあるということがあるわけです。それからまた、観光振興というふうな面でも、ある意味では宝の山的な面があるので、和歌山県がよそにおくれることなく積極的にということで、最初の創立メンバーに入って研究を続けているというところです。
私自身は、和歌山では地方型のカジノといいますか、例えば白浜であるとか、勝浦であるとか、こういうふうなところでカジノができて、そこへ泊まりがけで来てもらえるというふうな仕組みがいいだろうというふうに思うわけですけども、その全国で何カ所というふうなことにもなればまた合従連衡ということもあるので、御質問にあったような大阪とまた組んでやるというふうなことも、これは全く考えられないわけではありませんけども、今はとりあえず、せっかく和歌山も手を挙げているんですから、和歌山でやっていくというふうな方向で考えていきたいなというふうに思っています。
○副議長(吉井和視君) 県土整備部長酒井利夫君。
〔酒井利夫君、登壇〕
○県土整備部長(酒井利夫君) 府県間道路整備の進捗と今後の見通しについてでございます。
まず、国道四百八十号の鍋谷トンネルの事業概要につきましては、延長三・七キロのうち大阪側二・三キロ、和歌山側一・四キロ、事業費約百二十億円と想定しております。大阪府側への働きかけにつきましては、従前から阪和開発連絡協議会等あらゆる機会に大阪府に整備促進を働きかけてきたところであり、今後とも強く働きかけるとともに、府県間部のトンネルにつきまして、直轄代行事業の早期採択と、和歌山県側の進捗に対し大阪府側の進捗がおくれないよう、事業進度の調整を国へ要望してまいります。
次に、泉佐野打田線についてですが、大阪府側では、泉佐野市内で大木工区と犬鳴工区、熊取町から泉佐野市に至る朝代工区でそれぞれ事業が進められております。大木工区では公図訂正を、また犬鳴工区ではルートについて地元調整を、さらに、朝代工区では用地買収が進められております。特に府県境部の大木工区では、公図訂正に伴う権利者が約六百名存在するため、作業が難航していると聞いております。
大阪府においても鋭意努力していただいておりますが、犬鳴工区の地元調整、大木工区の公図訂正を早期に完了し、本格的に事業が進められるよう、今後ともあらゆる機会をとらえて国や大阪府に対し強く働きかけてまいります。
以上です。
○副議長(吉井和視君) 商工労働部長石橋秀彦君。
〔石橋秀彦君、登壇〕
○商工労働部長(石橋秀彦君) 上海の中国人ビジネスコーディネーターの利用状況と今後の展開についてお答え申し上げます。
昨年九月より展開しております中国人ビジネスコーディネーターによる企業活動への支援につきましては、繊維、日用雑貨、機械業界など延べ三十二社に御利用いただき、中国ビジネス事情に精通した的確なアドバイスとの好評をいただいております。中でも、繊維関係の組合が昨年十月に出展したインターテキスタイル上海では、出展企業の商談サポートを行い、現在継続中の商談が数件あるなど、県内企業の中国市場開拓へつながる支援を行ったところであります。
これからも議員御提案の趣旨を踏まえ、引き続き展示会への出展支援や商談会の開催、あるいは中国国内での制度改正に関する迅速な情報提供などに活用し、対中国ビジネスに取り組む県内企業をさらに積極的に支援してまいりたいと考えてございます。
以上です。
○副議長(吉井和視君) 農林水産部長阪口裕之君。
〔阪口裕之君、登壇〕
○農林水産部長(阪口裕之君) 本県農産品の対中国輸出の現状と今後の取り組みについてでございますが、中国の国内の流通システムが不明瞭なことや国産品との価格差が大きいことなど課題も多く、現在のところ中国本土への農産物の輸出は行われておりません。しかしながら、県といたしましては、攻めの農政の展開を図る上で東アジアの富裕層をターゲットとした輸出振興は重要であり、中でも中国は非常に可能性を秘めた市場であると考えてございます。
今後、県といたしましても、全国三十道府県が参加して昨年五月に設立いたしました農林水産物ニッポンブランド輸出促進都道府県協議会や国を通じ各種の情報収集に努めるとともに、ジェトロが十月に北京で開催する海外見本市に県農協連合会がカキの出展を予定するなど、関係団体等との連携を図りながら積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
なお、本年も引き続き、香港へのカキの輸出が行われることとなってございます。
○副議長(吉井和視君) 企画部長野添 勝君。
〔野添 勝君、登壇〕
○企画部長(野添 勝君) 地方自治体カジノ研究会での活動内容についてでございますが、議員御指摘のとおり、地方自治体カジノ研究会は、地方自治体の実務担当レベルでカジノのあり方、意義、制度、課題等について具体的な研究を行い、その結果を踏まえ、国に提言を行うことを目的に、平成十五年二月に発足したものでございます。
活動内容は、本年二月に本県で開催しました研究会を含め八回の研究会が開催され、カジノのあり方、意義等について具体的な研究を重ねたところでございます。去る三月にはその成果、例えば、収益は基本的に地方自治体の地域振興財源にすること、カジノが公正・透明に行われることを確保するため厳格な資格審査、監視機関を設置することなどを盛り込んだ地方自治体カジノ研究会研究報告書として取りまとめ、公表したところでございます。
以上でございます。
○副議長(吉井和視君) 教育長小関洋治君。
〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 文化遺産に関してお答えいたします。
根来寺坊院跡は、本県のみならず、我が国中世の歴史の中でも極めて重要な位置を占める貴重なものであると認識しているところでございます。このたび岩出町の根来公園墓地の西駐車場予定地から見つかった湯屋及び子院跡の遺構につきましては、保存の状態もよく、全国的に見て大変価値の高いものと判断しております。過日、文化庁の調査官が現地を視察しました際にも同様の認識を示しております。
大門池につきましては、現在、岩出町教育委員会が図書館建設予定地として発掘調査を行っており、その調査結果の報告に注目しているところでありますが、いずれにいたしましても、根来寺旧境内の遺跡保存や景観保存の観点から慎重な対応が必要ではないかと考えております。
今後、文化庁の指導、支援のもと、新義真言宗総本山根来寺及び岩出町と連携を密にしながら、まずは寺や町の所有地から国の史跡指定を進めるのが妥当であると考えており、より広域的な遺跡の保存と活用に向けて努力をしてまいります。
○副議長(吉井和視君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(吉井和視君) 以上で、東幸司君の質問が終了いたしました。