平成16年2月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(須川倍行議員の質疑及び一般質問)
県議会の活動
午後一時二分再開
○議長(尾崎要二君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
質疑及び一般質問を続行いたします。
一番須川倍行君。
〔須川倍行君、登壇〕(拍手)
○須川倍行君 議長のお許しをいただきましたので、通告どおり一般質問をさしていただきます。
最初に、商店街活性化の即効性のある特効策についてです。
和歌山県は消費の県であります。小売業者が大変多い。したがって、人口が減っていけばいくほど購買力がなくなる。だから、県外からの交流人口をふやさなければいけない。
現在の県内の商業環境は、衰退の一路をたどっています。その原因はたくさんあると思いますけども、例えば、郊外型の大型店の進出、商店街の適切な駐車場整備がなされていない、空き店舗・非店舗が存在し連続性に欠けているなど、いろいろあると思うんですけど、私自身はこれの原因の多くを占める部分の一つに通信販売、それからインターネット販売、テレビショッピング、こういったものの隆盛によって消費者が直接メーカーから安くてよいものを家にいながら楽しみながら見て物が買える時代の全盛期を迎えたと、いわゆる代理店や小売店は消費者サイドで見ると不必要になってきたからなんだと思うんです。だから、全国的にどこでも今は同じ現象のはずです。
この年間の売上高なんですけども、通信販売は二兆五千億円ぐらいあるんです。それから、インターネットに至っては数字が把握できないぐらい流通しているんです。しかもこれは、毎年ずっと上昇の線を描いているといった状況です。そしてこれは、今後、在宅医療とか在宅教育の時代に突入して町の開業医とか塾にも影響が出始めてくるんです。さらに、長引く経済不況の中、個人消費の低迷という悪循環も生んでいます。だからといって、このままほうっておくわけにもいきません。もちろん、これまでにもさまざまな商店街活性化対策を講じてきたと思いますが、起死回生の切り札とはなり得ていないのが現状であります。
そこで私は、県の財政を最小限にして、しかも多大の効果を出すために、和歌山県独自の共通商品券をつくって、各市町村単位の商品券や地域通貨とタイアップして県の行事や催し物、あるいはイベントとか記念式典や表彰、そういったもので用意されている景品や記念品、贈り物などを可能な限り県の共通商品券に変えることを一つ。そして、各種委員会や審議会、協議会など非常勤の方の報酬、これも一回一万円程度以下の報酬でしたら、これも可能な限り共通商品券に置きかえていただくことを提案いたします。
共通商品券の大きなメリットは、一つ、通信販売やインターネットはもちろんのこと、大型店舗では使用できないため、商店街における経済活性化に大きな活力を与える、一つ、従来の記念品や景品ではもらう方もダブったり不要のものもあるなど、せっかくの贈り物もむだになったり苦情にもつながりかねません、一つ、共通商品券なら、もらう方も金券でありますから、たとえ五百円一枚でもいつでも自分の都合のよいときに好みの店に必要な物を買いに行ける、一つ、商品券が数多く県内に出回ることによって各商店に獲得戦略を練るといったような企業努力が芽生える、などであります。
そして、県がこれを実行することによって当然市町村も同調、協力していただけるでしょうし、また、あるいは県内の観光所や民間の事業所に出向いてこの趣旨を十分に説明してご理解とご協力をいただいて、全県挙げて不況にあえぐ商店街に活気を取り戻すように力を尽くせば大きなうねりが起こるものと信じてやまないのです。そして、これはずっと続けることで大きな力になります。継続は力なりであります。うちもうちもと商品券の利用できる加盟店に参加する店舗もふえて活気がよみがえってくると思いますが、この私の提言に対する知事の見解をお尋ねいたします。
次に、捕鯨再開と紀州人の食文化について質問させていただきます。
現在、日本は南氷洋等における商業捕鯨は全面禁止されております。現在認められているのは、北西太平洋での調査捕鯨で二百六十頭と南極海での約四百頭ほどなんです。これは、アメリカのごくわずかな青年の運動がきっかけとなって、現在はグリーンピースを初めとする環境保護団体が主となって大変非難されているんです。いわゆるジャパンバッシングでありまして、鯨の次はマグロにくるんですよね。ですから、商業捕鯨再開というか、この捕鯨を守るということは、紀南地域はもちろんのこと、日本の水産業界全体を守るということなんです。当然、この和歌山県にとりましては、鯨はもちろんマグロも大事な子孫へ伝えていかなければいけない紀州人の食文化であります。
太地町は、この問題について長年取り組んでまいりました。聞くところによりますと、ヨーロッパ諸国で行われたときのIWC──国際捕鯨委員会ですが──の総会でも、町を挙げて総会の方に出向いて、何とか世界の人々にこの食文化を守っていくという思いを訴えようと赴いたときには、その環境団体を初めとする方々にペンキとか投げつけられたそうです。そういった非常に残念な思いをして帰ってきたそうです。
今、この鯨、特にミンククジラは物すごくふえてきているんです。それが現状の水体系を非常に壊しているんです。最近の捕獲調査では鯨が大量の魚類を捕食していることが判明して、沿岸漁業にも大きな被害を与えているということなんです。今、日本は調査捕鯨でミンククジラは約五百五十頭ほどしかとっていませんが、科学的な調査をもとにすると南極海だけでも年間二千頭は捕獲が可能だという調査結果も出ております。
平成十四年に国際捕鯨委員会(IWC)の総会が日本の下関で開催されたとき、太地町はこの総会に向けて捕鯨再開を強く訴えることにして、我が県議会に対して捕鯨の早期再開に関する請願書を提出している経緯もございます。現在の和歌山県としてのこの問題に対する対応はどうなっているのか、あわせて私たちの子孫に伝えていく紀州人の食文化を守っていく、また日本の水産業界を守っていくという観点からこの問題に対する考えはどのような見解をお持ちなのか、お尋ねいたします。
三番目は、伝統文化の保存と継承についてでございます。
新宮市で毎年二月六日に行われている日本三大火祭りの一つ・お燈まつり、テレビでもよく紹介されますのでご存じの方もいらっしゃると思います。私も毎年参加していますが、毎年たくさんの上り子が地元はもちろん全国から参加されています。男性でしたらどなたでも参加することができますので、機会がありましたら皆さんもぜひ一度体験していただきたいと思います。
このお祭りですが、五百三十八段の石段を火のついたたいまつを持って駆けおりる千四百年という長い歴史の中で培われてきた伝統ある神事のお祭りです。他地域のお祭りなどと比べれば参加者も多く、行事そのものは継承されていますが、このお燈まつりのたいまつをつくっている職人の方の後継者がいないんです。新宮市に限らず、和歌山県のお祭りや伝統行事の後継者と行事などに必要な道具類の製作に携わっていらっしゃる双方の方が今どこでも不足していたり、あるいは後継者問題に悩んでいるのではないでしょうか。和歌山県の伝統文化を守っていく上で県においても積極的に保存・継承に取り組む必要があると思いますが、いかがでしょうか。これは教育長にお尋ねいたします。
四番目は、神宿る清流・熊野川に桜前線を、そして紅葉前線をというテーマで質問させていただきます。
長い冬が去り、やがて若葉も揺れる春が訪れようとしているこの時期に、桜前線や紅葉前線のわかる川のほとり計画を官民挙げて練り上げ完成してはどうかと、私はそのモデル地域として三県にまたがる熊野川を思いつきました。
皆様ご存じの悠久の歴史を語る熊野川は、今も太古の昔より神々しいほどの美しさと尽きせぬ水量を擁し、流域住民の生活を支え、夢をはぐくんでおります。まさしく神宿る聖なる熊野川であります。ある人は、日本の美しき青きドナウだとも表現しています。そして、何と近畿第一の長流でもあります。実に年間五十億トンという命の水を太平洋に注いでいます。
私は、春の風物詩とも言える桜前線計画をこの熊野川に取り入れたらと思うのであります。当然、この計画の実行には河川管理者の国、県の絶大なるお力とご指導が欠くことができません。かつ、この趣旨に賛同する県民や全国の桜ファンの方、また熊野がこよなく好きな方々たちに呼びかけ、夢づくりに取り組んでいければと思います。折しも、ことしは高野・熊野が世界遺産に登録されるという最高の慶事に浴する年でもあります。
桜前線計画を具体的に申しますと、桜前線が一目でわかるように位置を選定し、それにあわせて日本全国から桜を集め、植える。全国の桜が熊野川河口からさかのぼっていく桜プロムナードもできる。上流の北山川、十津川に向かって川の沿線に桜前線が進む。そのために県が主導で桜前線調査研究チームのようなものを立ち上げ、桜に夢託した事業が展開されるといったようなものであります。つまり、熊野川を日本の桜前線の地図となるようにしてはどうかということです。三重、奈良県とのつながりも深いのですから、各県の知事に相談なり提案されてはいかがでしょうか。河川環境の再認識にもつながりますし、協力が得られやすいのではないでしょうか。
昨今の経済不況や混沌とした世の中にこうしたソフト面の事業展開がなされるならば、熊野川に映える華麗なる桜の姿が人々に安らぎといやしをもたらすものと考えます。植物の季節による変化をあらわしたものが桜前線ですが、これ以外にも紅葉前線があります。もし桜前線事業を展開するならば、ぜひこの紅葉前線も加えてほしいと思います。川を使っての前線事業なんて、どこにもありません。何とかこの夢をかなえてほしいものです。
もしこの事業が完成したら、次のようなイベントとか経済投資による効果が予想されます。都会の喧騒から離れ、一時を熊野でいやしていただく。かつて熊野川が熊野もうでの川の道だったことからも、屋形船で悠々と川を下るというみやびで華やかな現代版の熊野もうでが再現できると思います。川の両岸に桜の並木があるようになると、例えば鎌倉・平安時代に使われていた川舟を復元して北山、本宮あたりから新宮まで観光ツアーを組んでお客を乗せることもできるし、川でのなりわいの方も盛んになるでしょう。四季に応じた食事も出せるし、その地域独自の旬の食べ物と桜見物、味わい深い景色、旅の疲れをいやす温泉地、山海の珍味に舌打ちし、あすへの英気を養う。また、親子連れでの桜や紅葉の観察旅行、あるいは学校での桜についての歴史や文化などを共同して調査研究し、その成果を発表させる野外授業など、企画次第では無限の楽しさが演出できます。
また、観光士の活躍のチャンスもあります。そして、桜前線気象台や紅葉前線気象台を設置し、民間公募し嘱託で運営させる。さらに、桜気象士や紅葉気象士といったユニークな資格をつくってリアルタイムな情報発信をさせることも可能ではないでしょうか。また、十津川、北山川を経て形成される熊野川を大きな地図にして、各地点での桜や紅葉の定点観測を行いインターネット上のマップに掲載する。そうしたホームページもつくれば、全国に観測地点のご案内ができる。花の見ごろも瞬時にご案内が可能です。
思いつくまま挙げてみましたが、ほかにもたくさんのアイデアが考えられるのではないでしょうか。どうでしょう、これは知事にお尋ねいたします。
最後に、新宮市立医療センターに県の助成をという項目で質問させていただきます。
新宮医療圏の基幹病院である新宮市立医療センターは、平成十三年五月に新築移転し、間もなく三年になろうとしています。心配されていた外来・入院患者の利用は盛況をきわめています。入院の利用率は開院以来上昇を続け、実に九五%に達するという状況です。しかし、これほど高い利用率を占めているにもかかわらず、平成十四年度の決算状況は、初期投資が大きいために収支が六億円ほどマイナスという結果になっています。この費用の中で、金銭支出は伴わないが費用として計上しなければならない病院施設や医療機器などの減価償却費の割合が高く、経営を圧迫する形となっています。これは企業会計制度上やむを得ないわけでありますが、一方、医業収益は前年度よりも九億円余りアップしています。つまり、患者を優しく受け入れ、的確な医療を施すというごく当たり前のことですが、常日ごろから病院の基本理念である「私たちはすべての患者様の安全と権利を守り、良質な医療環境のもとに安心して適切な医療が受けられる病院を目指します」、これを忘れず経営努力を続けてきたたまものではないかと思います。市民の間では、あんなにはやっているいい病院なのに赤字なんてどういうわけだろうと、不思議がられています。
さて、振り返ってみますと、今、新宮市立医療センターという名称に変わっておりますが、旧市民病院は昭和二十二年四月一日に開設されました。その後、ふえ続ける地域の医療ニーズにこたえ、施設の充実強化、医療スタッフの増員を図るとともに、診療機能や看護水準の向上を目指してきたところであります。時代の経過とともに老朽化と手狭になったことと、平成七年の阪神・淡路大震災の教訓から、移転・新築となったわけであります。
現在の医療センターは、非常に療養環境のすぐれた場所にあります。敷地三万平米、この用地はすべて和歌山県土地開発公社所有地でありました。当時、県の温かい理解とご指導をいただき、適正な価格で取得したわけであります。広大な敷地にゆったりと近代的な総合病院として鮮やかに生まれ変わったのであります。一般病床三百床、鉄筋コンクリート六階建て、地下一階、延べ約二万平米であります。そして、五百台の駐車スペースもでき、県外の患者にも大変喜ばれております。
ともあれ、近年の医療技術の進歩は目をみはるものがあります。これまで先進的な特殊治療であった手術などでも、現在は一般的な治療技術ということになっています。また、不採算性のものであっても、自治体病院としては住民のために無理をしてでも高度医療に対応するための選択をとらざるを得ないため、可能な限り医療機器を整備したり専門化した診療科、専門外来を設置することにより病院全体の高機能化を図るとともに、救急医療の充実、新宮医療圏における災害拠点病院としての整備、そして何よりも患者さんにとって少しでも過ごしやすい環境を整えることをいつも考えているようです。このことは、昭和二十二年に開設以来、新宮周辺の住民の要請にもこたえ、あらゆる努力を重ねながら新宮医療圏の基幹病院としての使命を果たしてきていますが、何といっても人口三万余りの弱小自治体では、だれの目から見てもいささか無理なところもあるのではないでしょうか。
今や、超高齢化社会となりつつある現況ではありますが、真に心豊かで健康長寿の喜びが県民ひとしく享受でき、紀南地方の中核医療機関としてより信頼できる医療への期待は日増しに高まってきております。県の南部地方、とりわけ山間僻地の多い地理的条件にあっても、辺境の地の医療需要にこたえんとする姿勢は崩してございません。
とは申せ、広域的な県民医療充実の観点から、医療センターの財政状況にも心いたし、この際、県としても大胆な対応策を樹立する必要性があろうかと思います。つまり、広域県民の命の重要性にかんがみ、二十四時間対応の救急医療を行う能力のある県立の救急医療センターを医療センターに併設していく必要、これもあるのではないかと思うのであります。
また、現在、紀北には県立病院の分院があります。人口規模にもよるでしょうが、人命は人口の多い・少ないによって格差がつけられるものではありません。県の財政逼迫の折ではありますが、一度県民医療の観点から、そしてこれまで半世紀以上にわたって紀南におけるポジションをかたくなに守備してきている医療センターが県民医療の一翼を担うという理想を貫徹してきて多大の貢献をしてきた現新宮医療センターを、県民である新宮市民の頑張りを多としてその労に報いる意味からも、温かい県政の光を当てるに値すると思いますが、どうでしょうか。
医療センターを県立紀南分院に移管できれば申し分ございませんが、現実、厳しい問題が多くございましょう。しかしながら、ただいま医療センターに対する県からの助成金は、平成十四年度は五百万円、平成十五年度に至ってはゼロであります。県としての医療政策のバランスを世に示す意味からも県政としての大義、威力を発揮してほしいと考えますが、いかがでしょうか。答弁をお願いいたします。
以上で、私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(尾崎要二君) ただいまの須川倍行君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事木村良樹君。
〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 県では、商店街振興対策として地元自治体や県中小企業振興公社と協調しながら、商店街振興組合などが行うアーケード等の集客施設整備やイベント等のソフト事業に対し支援を行ってきておりますが、現状は非常に厳しい状況にあるという認識を持っております。
このため、平成十五年度から個々のやる気のある小売商業者に対し、商業者ニーズに対応した店づくり等のアドバイスを行う小売商業コンサルティング特別対策事業を開始し、予定を上回る百八十一店舗の派遣希望があり、大変好評を得ているところでございます。また、平成十六年度にはあきんどインキュベータ事業を創設し、新たに小売商業に乗り出そうとされる方々に商売のノウハウを身につけていただく場を提供するなど、一歩踏み出した施策を展開することとしております。
今後もより効果的な施策を実施してまいりたいと考えておりますので、ご提言のような従来の枠組みにとらわれない新たな考え方も十分参考にしながら施策展開を図っていきたいと思っているところでございます。
それから、熊野川に桜前線やもみじ前線を整備し、地域活性化に向けての事業を展開しようという大変夢のあるご提言でございますが、世界遺産登録予定資産にもなっている熊野川沿いは、現在においても四季の自然を楽しめる絶好のポイントであり、地形的な制約、河川管理、道路管理上の問題などありますが、今後、桜前線、もみじ前線の整備が進むこととなれば、春秋の季節の彩りが増し、地域の魅力がさらに高まり、熊野川を活用しての新たな地域振興の可能性が広がるものと考えております。
三重県、奈良県との連携も必要となってまいりますが、地域主導のこのような夢のあるプロジェクトの実現に向け、県としても地域の皆様方の取り組みに積極的に参加してまいりたいと、このように考えております。
○議長(尾崎要二君) 農林水産部長阪口裕之君。
〔阪口裕之君、登壇〕
○農林水産部長(阪口裕之君) 捕鯨再開と紀州人の食文化についてでございますが、東牟婁郡太地町は我が国の古式捕鯨発祥の地として四百年にわたる捕鯨の歴史があり、捕鯨の町ならではの個性豊かな食文化、鯨文化が形成されています。現在、捕鯨に反対する国々もございますが、食べ物は各地域の歴史と伝統に裏打ちされた地域特有の民族文化であり、一定の条件のもとで保護されるべきものであると考えております。
県といたしましても、こういった紀南地域に根づく鯨文化を守るため、平成十四年二月定例会におきまして捕鯨の早期再開に関する意見書を採択していただくなど県議会並びに議員各位のお力沿えをいただきながら、国及び関係県との協力のもと、地域伝統捕鯨としての沿岸捕鯨を含む商業捕鯨の再開に向けた取り組みを行ってまいりました。また、水産試験場による小型鯨類の資源量調査を初め、昨年五月には捕鯨関係四県の共催による第二回地域社会と捕鯨に関する全国自治体サミットを開催し、鯨の多面的利用への正しい理解や鯨資源の持続的利用などを訴えたサミット宣言を発表するとともに、IWC総会の場においても本宣言に関するプレゼンテーションを行うなど、捕鯨に関する文化、伝統を各地域、自治体の声として広く内外にアピールしたところでございます。
今後も、今日まで脈々と受け継がれてきたこの鯨文化を確実に次代へと引き継いでいくために、国の動向に注視し、関係県との連携を図りながら、科学的調査結果に基づいた鯨資源の持続的利用、捕鯨の早期再開を訴えてまいりたいと考えております。
○議長(尾崎要二君) 福祉保健部長白原勝文君。
〔白原勝文君、登壇〕
○福祉保健部長(白原勝文君) 新宮市立医療センターについてお答えいたします。
新宮医療圏域につきましては、ドクターヘリの導入により救急医療等で相当な成果を上げてまいりましたが、僻地医療や小児医療の対応など、課題を抱えております。
議員ご指摘のとおり、新宮市立医療センターは新宮医療圏の高度な診療機能を有する基幹病院としてこれらの課題に取り組んでいただいているほか、民間の医療機関では対応できない不採算医療を確保するなど、大きな役割を果たされております。県もこれまで新宮市になぎ看護学院を開設し新宮医療圏域の看護師や医療従事者の確保を図るなど、当センターを中心とした広域的な取り組みを支援してまいりましたが、今後も自治体病院の機能向上と経営の安定を図るため、高度医療機器の設備や地方交付税の拡充強化等を国に対し働きかけてまいりたいと考えております。
また、議員ご提言の当センターのあり方につきましては、振興局を中心に管内の市町村や公立病院、医療関係者等で当地域の医療に関する課題や対応、将来のあり方等とあわせて総合的に検討してまいりたいと考えております。
○議長(尾崎要二君) 教育長小関洋治君。
〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 伝統文化の保存と継承についてお答えします。
本県の無形民俗文化財は、国指定、県指定合わせて七十四件あり、全国では第四位という多くの民俗芸能や祭礼などの行事が残されております。このため、昭和五十年に和歌山県民俗芸能保存協会を設立して保存団体の育成に取り組むとともに、約四十年にわたって民俗芸能大会を開催するなど、その普及と啓発に努めているところです。
しかしながら、近年、伝統文化を受け継ぐ者や用具類を製作する技術者が少なくなりつつあることは議員ご指摘のとおりであります。このような状況を踏まえ、県教育委員会では新宮市の熊野速玉祭に使用する早船の製作や古座町、古座川町にまたがる河内祭の御舟行事などに対し助成や指導を行うとともに、映像記録の作成や技術者の顕彰を行ってきております。
今後とも市町村教育委員会や保存団体とより一層連携を密にし、伝統文化とそれを支える技術の保存・継承に努めてまいる所存であります。
○議長(尾崎要二君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(尾崎要二君) 以上で、須川倍行君の質問が終了いたしました。
これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後一時三十五分散会