平成15年12月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(井出益弘議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 二十三番井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕(拍手)
○井出益弘君 久しぶりの一般質問をやらせていただきます。本日、四人目でありましてラストですので、皆さんもお疲れかと思いますけれども、しばらくご清聴をお願いします。
 今回は六つの項目に分けて質問をするわけですけれども、まず一つ目に挙げております森林環境保全と整備について。
 和歌山県は、自然環境としては、水や大気、そして海に、緑に恵まれた日本一の自然環境の県だと私は思い、県外の人には自慢をしています。そして、果樹等は、梅、スイカ、桃、ミカン、ユズ、カキ、ハッサク、挙げればおいしい果樹ばかり、一年じゅう県内のどこかで生産、出荷されている南国のような本州最南端に位置する和歌山県であります。
 さて最近は、全世界が地球環境の保全について深刻な問題の事態になっていることに気づき始め、オゾン層の破壊、ダイオキシン問題、NOX やSOX 、CO2初め自然破壊を考えずに地球を開発して今日まで来た結果、地球の温暖化現象を初め、異常気象、世界の各地でいろいろな形で自然破壊現象があらわれ、農業、漁業、林業はもとより、生きているものすべてが呼吸器系や皮膚の病気、奇形障害、そして自覚症状が出なくとも何らかの形で被災しているものと思われます。飲料水についても、昔は飲めていた川や谷の水が飲めなくなったり、わき水もかれたり濁ったりで、水道事業にて安定適切に処理をしているのが実態であります。
 そこで、和歌山県地図を広げてみますと、森林整備の中でも水源地地域に当たる地域であるのに、まだ水源涵養機能の整備ができていない山林部分が多く見受けられます。また、その多くの山林は民間所有者の持ち物であります。しかし、現在の山林所有者の経営状況は余りにも厳しい運営実態となっています。約四十年前には、五十年以上の杉やヒノキは、一町歩当たりを切り出すと一千万円以上の収益があったと聞きますが、今では八十年以上のものでないと採算が合わないそうであります。太い外材等が、希望寸法に加工されて、高級輸入材として内地材より安く大量に流通しているようです。今では、五十年物の杉やヒノキは切り出しをすると大赤字になるため、民間の山林経営者は手入ればかりで収入がない期間が五十年から八十年に、約三十年も延長をやむなくしているようであります。ところが、こんな時代でも五十年サイクルで杉やヒノキを切り出している現場が県内であると聞き、私はその現地方面に向かいました。
 その山は、来年夏には待望の高野・熊野世界遺産の認定がされようとしている高野町の高野龍神スカイライン沿いにありました。道沿いに山頂まで五十年物の杉が切り取られ、小さな杉の四年物ぐらいの苗が植えられ、周りの雑草に負けそうに植林されていました。案内してくれた関係者によると、国有林や公有林はいまだに昔の周期の伐採契約のままでやっているみたいです。去年切った山はあそこで、来年切る予定の山はあそこでと教えてくれ、最後に「お上の仕事やなあ」と言い、「緑の森林整備で有名な木村知事さんが、このはげ山を赤字やのに無理に切っていると知ったら泣くんと違うか」と、暗い表情で話しました。これは、泣くんか、怒るんか、本当にびっくりするじゃないかと思います。
 環境税や水源税の研究、京都議定書のきれいな空気の権利売買の話も必要な研究と思いますが、きれいな空気、きれいな水、それらを生み出すそのもととなる山林や森林は、今まさに経営難に苦しんでいる山を愛する山林所有者の財産であります。山林所有者は山を愛しています。しかし、県内でも多くの山林所有者、山林業者が倒産状態にあります。今や林業は、収益性の低下から放置森林や手入れ不足の森林が増加し、河川上流の森林も水源地として適切に整備がなされていない現状にあります。しかしながら、森林所有者の努力だけでは森林の適切な整備は困難となっています。また、森林は防災、環境、観光などの面で幅広い役割を持っているので、民間に任せるだけではなく、公がその役割を担うべきであります。国においても、平成十三年の森林・林業基本法の改正に伴い、政策の理念を木材生産主体から森林機能の保全へと大きく転換したところであります。
 そこで、水源林の整備のため、保安林などの規制や造林補助事業などの行政施策に加え、所有者負担を求めず森林整備を進める施策なども必要ではないかと考えます。県では、緑の雇用事業を推進し、森林環境の保全を図っているが、より水源涵養機能に着目した水源地の森林整備について、モデル地区を設定して行ってはどうかと提案するものであります。知事、そして農林水産部長の答弁を求めます。
 次に、一部重複しますが、きのうもきょうも先輩・同僚の議員が話をされましたコスモパーク加太跡地利用について。
 防災危機管理訓練、研修訓練基地として整備してはどうかということであります。これは一部重複しますが、私は、消防、警察、自衛隊、海上保安庁、自治体等の合同訓練基地及び近い将来必ず発生すると言われている南海地震発生時の救援基地や仮設住居設置訓練等の場所として、今から準備、取り組みをするのに最適地であると考えるわけであります。訓練して備えておけば、実際に県民が救援、実践訓練をしたことが、本当によかったという結果になることは目に見えております。露天部分だけではなくて、こういう合同訓練基地となりますと、やはり一部は研修所のような施設も建てて、そしてまたいろいろな日程を組んで定期的にやるということをしなかったら、「備えあれば憂いなし」の言葉が実践されないと思います。ぜひそのようなことを──箱物を建てるということはお金が要ることですけれども、やはり拠点になるようなものについては、そのような箱物をつくっていただきたいというのを提案したいわけです。知事にお聞きします。
 次に、コスモパーク加太の売却先や誘致企業等の条件に制約はあるのか、そのようなことを企画部長にお尋ねしたい。
 三番目に、コスモパーク加太開発推進機構についてであります。
 「十年一昔」と言いますが、今では五年一昔のような気がします。大昔にコスモパーク加太開発推進機構とかがあったかと思いますが、構成関連企業十四社もがたしかあったように思います。この十四社について、最近は昔とは名実ともに実態が変わってきており、今後のためには後送りせずに、一たんこの時期にコスモパーク加太開発推進機構を清算なり、何らかの整理をしておく方がよいのではないかと考えるわけであります。現状と今後の対応について企画部長にご答弁願います。
 三番目の、第二阪和国道及び都市計画道路西脇山口線の早期開通について質問をいたします。
 まず、第二阪和国道の全線開通について。
 私は、第二阪和国道があと十キロメートル余り先まで、大阪府県間の山の向こうまで、最近は大阪の方もどんどん工事が進んできている。和歌山からは平井峠というところにトンネルを抜かなかったらだめ。それで後、開通ということになるわけですけれども。ここまで紀の国大橋がかかって、地元では大阪へ一年でも半年でも早く開通させてほしい。今、和歌山市民の道路に関しての一番高い要望と、私は市議会からも聞いております。国の方の予算の都合では、京奈和自動車道、それから府県間道路についても今三つほど要望があると聞き、なかなか財源のことを考えますと、どれも重要な道路であると思いますが、あと三十キロ、四十キロというのが着々と整備されてきているのが、それももちろん早く開通したいですけれども、やはりこのあとわずかとなった第二阪和の府県間を開通さすことによって、和歌山市、和歌山県の経済波及効果は本当に大きなものがあると。そしてまたいろいろ総合的に考えますと、やはり今一番私は和歌山県内では第二阪和国道を全力でもって開通さすことに力を傾注するのがいいんじゃないかと思うわけであります。第二阪和国道、泉南までの全線開通に向かって、県として最重点部分の取り組みをしていただきたいと考え、最優先の取り組みをしていただけるか、知事に要望しながら答弁を求めるものであります。
 次に、西脇山口線についてであります。
 都市計画道路西脇山口線について、県道粉河加太線の多くの箇所で朝夕の交通停滞が発生しており、JR紀伊駅周辺は常時混雑をしております。これは、やはり県民にとっての大変な損失であります。西脇山口線の早期全線開通を市民、県民は待ち望んでおります。進捗状況と着工や部分開通の時期をできるだけ努力目標としてでも、年月を示して答えていただきたい。先ほど、浦口高典君もマニフェストのことを話しておられましたけれども、やはりいろんなことについては、県の幹部の皆さんも、知事を先頭に時期というのを、努力目標としてでも結構ですから、今までのように努力目標というか数値を示さないというのはこれからの時代としては知事の考え方にも沿わないんじゃないかと思います。これは、県土整備部長に答弁をお願いします。
 次に、港湾の整備と振興策について。
 和歌山下津港臨港道路──これは紀の川右岸線と言うんですけれども──の整備についてであります。
 十二月二日の新聞で、和歌山市が環境保全と経済活性化を両立させる事業、エコタウン事業として、経済産業省の補助を受けて廃プラスチック超臨界水ガス化リサイクル事業──これは家庭から出るチューブ容器やトレーなどの廃プラスチックに圧力をかけて高圧で溶かし、乗用車のガス燃料に転化するという内容の事業であります。これをする企業を住友金属和歌山製鉄所内に誘致することとなっていたが、誘致企業の撤退で事業を断念した、今年度中に十六億円の補助金が出ることが内定していたのに何がしという記事が載っておりました。
 私は、働く場所をつくるには、県内、市内のいろいろなところに企業誘致の努力は必要と考えますが、工業的な事業なら、何といっても住金の中に誘致を考えるのが一番成功率が高いと考えます。そして、場所的にも住金構内ならどのような工場でも条件は整うと言っても過言ではないと思います。しかし、関係者からよく聞く言葉に、住金構内に工場を設けた場合、企業が来た場合、物の搬入、搬出等、運搬機能として目的地に向かって住金構内を通り抜けていかなければならないのが非常に不都合である。紀の川右岸堤防を下って、紀の川河口周辺から住金に出入りすべく和歌山下津港臨港道路、紀の川右岸線の必要性は本当に不可欠で、早期に開通しなければならないものだと私は考えます。今後の企業誘致の条件にも大きく関係があると聞いております。進捗状況と今後の取り組みについて、県土整備部長にお尋ねいたします。
 次に、時代のニーズに対応した港湾整備とその利活用について。
 県が四十年前に企業誘致した青岸というところ、危険物や化学物質、そのような関係の企業のために和歌山県が埋め立てをして、企業を誘致した港湾があります。この県が企業誘致した港湾は、最近のようにどんどんとタンカーが大型化している中で、岸壁が水深三メートルの四十年前のままです。それで、私この話、県会へ一期目に来たときに演説させてもらって、二期目にもやらせてもらって、議事録に残っていると思います。今、六期目です。
 これは、小野真次さんの当時のパンフレットを見せてもらったんですが、県が将来、危険物の基地、化学製品の供給基地として企業に来てもらって、県民のためにこの地域で頑張ってほしいと。ある社長さんの話によると、始めはなかなか買うてくれるところがなくて、随分頼まれたので、せっかくそんなところつくってもらって、わしらそこへ行かなんだら、断ったら何か後で意地悪されたら悪いんでというぐらいの、お上に逆らったらいかん、協力せないかんということで、そこへの企業誘致に応じさせてもらった。ところが、大型タンカー化しているために、水深三メートルといいますと、三百トンタンカーであれば満潮時とか、潮を見計らってこなかったら底をする。百トンタンカーであればいける。ところが、沖へ海外から持ってくるのは千トンタンカー以上、三千トン、五千トン、そういうようなもので持ってくる。そうしますと、小さい船に小出しをして、そこの岸壁へ持ってこなあかんというようなことで、企業採算性を考えると大変困っているというような実態でありまして、それで私は十何年か前にもこのことを提案した。そのころは景気もまだよくて、私とこで金出しますから、この岸壁の水深を深くする改修、改善をやらせてくださいと言ったら、公共岸壁だからさわったらあかん、民間でさわってもらったら困ると。それで、二社以上あったら民間じゃなくて公として扱ってもらえるんですかと言うと、そういうことになるなと。それで、隣の会社といろいろ相談して、皆さんで公共岸壁として改修してほしいというようなことでお願いしたら、実態は一番前に接岸している、一番よく使っている会社が占用使用状態にあるから公共で直すわけにはいかんと。それで、私も間に入って困ったんです。占用状態にあるから、公共では直せない。ところが、それでは占用と言われるところが二社ぐらいで金出して直させてもらうと言ったら、公共やからさわったらあかんと。それで、ここでもそういう話をさせてもらったけれども、結局は何らかの対応をということで来たんですが、私も県会議員やめるか、やってくれるかどっちかと、とにかく粘っておるわけですけれども、これはやっぱりちゃんとやってもらうまではやめられやんなあと思っています。後々ちょっと話をするんですけれども、この一件についても、やはり県の企業局なりが埋めて誘致している岸壁とか港については、他府県の企業の競争に打ち勝っていけるような対応というか、改善、改修ということも、県がしてあげなかったら難しいんじゃないかと思う。県も金がないということもわかるんで、ある程度応分の負担とか、そういうようなことも考えて取り組まなかったら、そんなことばかりしておってもちょっと無責任な話じゃないかと思うわけであります。
 次に、もう一つちょっと耳の痛い話を続けさせていただくんですけれども、五番目の項目でありますが公有土地等の公図訂正等について。
 これも、私が県会で最初に当選させていただいたときに、関係のある町村長さんが相談にお見えになったことであります。林道として、それぞれ山主の皆さんが工事を無償提供して、県が道路をつけた。高野龍神スカイラインをつくるための建設用道路やったと聞いております。林道として初めつけた。山に道つくということで協力してくれと村長さん、町長さんに言われて、皆さんが協力がした。それが、林道から県道になって、今、国道になっている。ところが、登記簿に載ってない。公図にも載ってない。それで、山主さんが非常に困っている。売買する、あるいは何かの開発とかいろいろなことをする。そんなときの計画を出すにも、山に道が通っているがゆえに、それが登記簿、公図に載っていないために、山の谷底の二、三町のところの測量をして公図訂正をして届けたいわけですけれども、何十町という山の下の一筆の山を皆測量しなかったらそれができない。それで、私も法務局とかいろんなところへ行きますと、そうでもない。民間では全部測量してそういうことにせんと無理やけれども、代位登記という制度があって、県が責任持ってその部分、上からそこまで、あるいはそこから下までというような形で根拠になる道と残りの土地を片側だけでも測量すれば代位登記として受けますよと。これも、私は説明して、そこまで来るのに大分時間かかるのやけれども、やっと県の人がわかってくれたと。それでやってくれるのかなと思ったら、人事異動でかわっておる。本当に引き継ぎとかちゃんとやってほしいし、勉強もやってほしい。やはり、県民の世話をするというか、行政に働く職員の人は、そういうようなことをやろうと思って職員採用に応募してきたと思うんですよ。それで担当者、そして上司も勉強してくれやんとなかなか決裁をしない。相談していっても、なかなかやろうと言わない。それで人事異動。こういうことは僕は非常に残念に思う。知事も一生懸命やっておるのに、こんなこと言うて悪いんですけれども。
 あと、海浜地とか瀬戸内海国立公園区域の一部というような雑賀崎、あそこでも金属団地を埋めるときに、民間と官民境界ができなかったから、海の方へわざわざダンプカーで土砂を積んで、海へずっと持っていって、海から陸の方へ向いてきた。そして、最近までずっと運河にして置いておいた。その一部がまだ運河状態というか、池のような状態というか、ごみ捨て場のような状態になっている。これも、公の方も、隣接の民間の者にそこをきれいにせえとか、ごみをほってもらって、おおきによとか、協力してよと言うているようなことだけじゃなくてね、やはり公としてももうちょっとそこをちゃんとするような、民間でちゃんとしたいし、我々もそういうようにお願いしたい、協力もすると言うてきているのやけれども、なかなか仕事がはかどらないというか、着手しないし、着手したころには人事異動。それで、またもとに戻ってしまうんです。そして、聞いてないと。勉強する気がないんかと思うけどね、本当に。やればできるのにやらない。
 確実にできる話ということで、一つだけ。昭和二十八年、二八水害と言われているあの水害のときに、私が小さいころ金屋町におりました。そのころ、清水や花園、有田川の上流が大洪水で、段々畑のようになっていた田んぼが、ざあっと川底が上がりまして田んぼが皆埋まってしまって、上が広い川になって、そのうちの半分ぐらいのところを県が復旧田をつくってくれた。そして、村の人や町の人が田んぼを買った。当時、一反三十万円で、何十年かの月賦で買うた。それが、もう五十年たちました。ちょうど五十年ですから言うんですけれども。五十年たった今、領収書というか、県から亡くなった親への、先代への売り渡し証書があります。だけれども、名前はもう亡くなった人の名前。それは奥さんとか子供とか相続権者の権利があるかと思うんですけれども、地番がつかんままなんですよ。権利書もないんですよ。それで、私はこれも随分、自分の職業としても行政書士の職業もやっていますから、一生懸命何とかしたいということでお願いに行ったんですけれども、法務局の方も、これは流失とか滅失登記、登記の中にそういうような項目がありますが、そういうようなことをしなかったら、五十メートル、三十メートル下の田んぼの人に判こをもらって復旧田にしたのでもない。そういう災害として流失、消滅したから復旧田にしたわけでありまして、やはり県が復旧田をした公の立場で代位登記を法務局へ求めてくればできる。また、そういうためにそういう項目があるということを聞いておるんですけれども、これも高野山の法務局へ出してきてくださいというところまでいったのに、人事異動等でもとへ戻ってしまう。
 ですから、この花園村の二八水害後の復旧水田の権利書なり地番をつけることを、ぜひ県でやってあげてもらいたい。県しかできないです。民間では。いろいろ忙しくても、これは民間の調査士会とかへの委託とかもできますから、ぜひやっていただくように県が進めてほしいと思います。
 最後に六項目め。県立高校の専門学科(職業科)の募集定員についてお尋ねいたします。
 近年、和歌山県の高等学校卒業生が就職難に面して、就職の世話を頼まれて苦労しているのは私だけはなく、多くの関係者が苦労されていると思います。この時期の学生、また親御さんが最もつらい思いをし、高校を卒業する時点で就職先がないので専門学校や大学へ進学した話も日常茶飯事であります。
 ところが最近、私が定期的に情報交換というか勉強会というか、集まっていろいろ意見を出し合っているグループの会合で、工業高校の定員を決めるのに、和歌山県教育委員会は、就職先の企業がどうとか、世の中の現状のことがわかっていない人ばっかりかというような話が出ました。企業が求めている、また学生が働きたい、学びたい学科を開設したらなあかんのと違うかえということでありました。
 例えば和歌山工業高校四百八十人の募集定員も、ことしも機械八十名、電気八十名、電子機械八十名、工業化学四十名、土木四十名、建築四十名、インテリア四十名、色染化学四十名、繊維工学四十名でありましたが、これは平成十四年度も平成十三年度も全く同じで、いつからこの定員配分なのか、卒業生をどこの府県のどのような企業へ就職を考えての配分なのか、それとも当てなどないものか。それと、自動車整備学科をつくってほしいとの話もよく聞かれます。早急に、社会のニーズや将来展望を考えた学科の編成と定員の見直しが必要と思われます。
 次に、県民として自信、誇りを持って学べる教育を。
 高校生と社会人に、東京等、県外にて自分の出身地、住所などを聞かれたら、「和歌山」と答えられない人が多いようであります。特に近年、その傾向がふえたと聞きます。我々も、努力をして郷土和歌山に住んでいることに誇りを持てるようにしないと、企業も進出、誘致などますます困難になるばかりだと考えます。教員が生徒に指導教育するときに、やはりプラス思考の発言、指導に取り組んでいただきたいと思うわけであります。
 最後に、不適格教員の実態と対応策について。
 不適格教員の話もいろいろな機会に聞かされますが、その実態の把握について、六カ月以上三年未満の俗に休職と言われる、学校に来ていない教員はどれくらいありますか。
 教員採用時の問題か、採用後の研修指導等が問題なのか、またその他に原因があるのか、生徒や父兄は教育委員会に適切な対応を強く望んでおられます。
 先日、大阪府では、問題教員が三百五十名から四百名ぐらいいるとの報道を新聞で見ましたが、県民からも教育委員会の指導力を問われているものであります。本県での実態と今後の方策についてお示しをいただきたいと思います。
 以上で、一回目の質問を終わります。
○副議長(吉井和視君) ただいまの井出益弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) まず水源地の森林環境の問題ですけれども、和歌山県の場合、私はよくヘリコプターに乗るんですが、ヘリコプターから見てもほとんど山ばかりと、こういうふうな状況でございます。そういうふうな中で、昔は材木が物すごく値段がよかったということで山がプラスだったと。それから山が重荷になって、今ようやくまたこういうふうな環境という観点から山が値打ちが出だしている。これは経済的にではありませんけれども、社会的に値打ちが出だしているという時代が来ていると思っております。緑の雇用の人たちの仕事をつくっていくという観点からも、この水源地の森林の環境保全ということは非常に大事なことだと思っておりますので、前向きに取り組んでいきたいと、このように考えています。
 それからコスモパーク加太の跡地ですが、この土地については議員諸氏のいろいろなご協力を得て検討を進めてきたわけでございますけれども、いずれにせよ借金の問題だけではなくて、これからあそこをどういうふうに活用していくかということが非常に大きな問題になってくるわけでございます。そういう中で東南海・南海地震対策ということが焦眉の急というふうになってきておりますので、ご質問の中にもありましたような、例えば地震があったときの応援要員の集結場所でありますとか、物資の集積地、仮設住宅の用地、災害の訓練、研修の場と、こういうふうなものはもう絶対に必要なものとなってきますし、それから災害が起こったときに適地を求めてもすぐにあるというわけではございませんので、そういう面での多面的な活用、あわせて施設の話も出ておりましたけれども、そういう過程の中でどういうふうなものを整備していけばいいのか、これから前向きに検討していきたいと、このように思っています。
 それから、第二阪和の問題でございます。
 私も、車を運転するので、よく今の阪和道路を走るんですけれども、和歌山の場合、大阪との間に和泉山脈があるので、これがほかの府県間道路もそうですけれども、目の壁になっているというふうな面があります。これが抜けていくということによって、この地域の活性化ということは大いに図られるという観点は私も持っております。いろいろお金の問題もあります。これは国の直轄事業ですので、県がどうというわけにはいかない面もあるんですけれども、積極的に働きかけていきたい。
 それから、その他いろいろ具体に起こったようなことについて、職員の人事異動なんかとの絡みでお話がありました。私自身も、前からともかく後送りすることはだれでもできるんだと、今そのことを自分の任期中に解決するということの中に公務員の仕事があるんだということは、かねてから口を酸っぱくして言っているんです。そして、そのときに申し送りだけちゃんとやってもだめだという話ですけれども、さっきの話では申し送りもしていないということなんで、それ以前の話になってまいりますので、具体の話はわかりませんけれども、真剣に対応していきたいと、このように思っています。
○副議長(吉井和視君) 農林水産部長阪口裕之君。
  〔阪口裕之君、登壇〕
○農林水産部長(阪口裕之君) 水源地の環境保全と整備についての中の二項目め、森林整備の現状と将来展望についてお答えいたします。
 非常に厳しい林業情勢の中で、間伐などの森林整備がおくれ、水源涵養機能の低下した森林が増加の傾向にあり、県民生活への影響も危惧されるところです。県では、適切な森林施業を促進するため、造林補助事業や治山事業等を中心に、緊急間伐五カ年対策などの施策を講じるとともに、水源涵養などの環境機能に着目し、森林所有者と市町村とが環境保全協定を結んだ荒廃した森林については、緑の雇用事業による環境林として整備を図っているところです。特に水源地として重要な地域につきましては、水源森林総合整備事業などの治山事業による森林整備を積極的に実施し、水源涵養機能の高い森林の整備に努めてまいりたいと考えております。議員ご提案のモデル地区の設定の趣旨につきましても、今後、環境林等の整備を進める上で参考とさせていただきたいと思います。
 昭和二十八年の災害における災害復旧についてお答えいたします。
 昭和二十八年の七・一八水害は、農業関係においても、農地の流失、埋没など甚大な被害がございました。当時、被災地の早期の復旧を図るため、花園村においても県営災害復旧事業として区画整理を実施いたしましたが、約二十六ヘクタールのうち一部を除き換地処分が未了となっております。早急に現状を調査し、花園村と協議してまいりたいと考えてございます。
○副議長(吉井和視君) 企画部長野添 勝君。
  〔野添 勝君、登壇〕
○企画部長(野添 勝君) コスモパーク加太の土地の売却先や誘致企業等における条件制約についてでございますが、コスモパーク加太には当然のことではございますが、公害発生の危険性や地域社会に有害な影響を及ぼすおそれのあるような企業の誘致は想定いたしておりませんで、雇用の創出など経済波及効果が期待でき、地域と共生し、地域の活性化につながる企業の誘致を行ってまいりたいと考えてございます。
 次にコスモパーク加太開発推進機構についてでございますが、平成二年十一月に民間十四社、県、和歌山市、県公社で設立しまして、土地利用計画の策定等を行い、民間活力の導入によりコスモパーク加太の開発を促進し、和歌山県の発展と地域経済の活性化を目的としたものでございます。しかしながら、バブル経済の崩壊による社会経済情勢の変化もあり、現在は推進機構としての具体的な活動をいたしてございませんが、県としましては、構成企業に対し、民間企業の移転等、企業誘致につながる情報提供をお願いし、これまでに数社から情報をいただいてございます。今後も、民間からの情報収集窓口としての活用も考えてございますが、設立当時とは社会経済状況も大きく変化していることから、議員のご意見も踏まえまして推進機構のあり方について検討を行ってまいります。
 以上でございます。
○副議長(吉井和視君) 県土整備部長酒井利夫君。
  〔酒井利夫君、登壇〕
○県土整備部長(酒井利夫君) まず、西脇山口線についてでございます。
 西脇山口線の整備につきましては、和歌山北バイパスの効果を最大限に発揮させるためにも重要であると認識しており、県、市で役割分担し整備を進めております。県事業としましては、西庄から磯ノ浦間の二千六百メートルのうち、本年供用開始した約千二百メートルを含む二千百メートルが供用済みであり、残る約五百メートルの区間につきましても鋭意整備を進めております。また、平井から六十谷間につきましては、特に渋滞の著しい千七百メートル間について事業を行っており、整備効果を早期に発現するため、混雑の要因となっている交差点の優先的な整備に取り組んでおります。さらに、JR阪和線紀伊駅前の渋滞対策といたしまして、紀伊駅南側の宇田森工区約千二百メートルを平成十六年度補助事業化に向け要望しているところでございます。
 次に、和歌山下津港臨港道路(紀の川右岸線)の整備についてでございます。
 この道路につきましては、平成十一年度に事業を開始して以来、地元説明会を開催するなど、地元のご協力を得ながら用地買収を進めておりまして、本年十一月末現在で用地買収率が九五%となっております。さらに、今年度内に一部工区区間の工事に着手したいと考えており、平成二十年ごろの供用を目指すものであります。
 次に、時代のニーズに対応した港湾整備とその利活用についてでございます。
 地域経済の活性化等のため、港湾に求められている役割は非常に大きいものと認識しております。このため、官民一体となったポートセールスにより港湾振興を図るとともに、船舶の大型化などにより機能が低下した施設等につきましては、利用状況などを十分に考慮した上で、官民協力して使いやすい港を目指して努力してまいりたいと考えております。
○副議長(吉井和視君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 学校教育三点についてお答えいたします。
 まず、高等学校の職業系の専門学科については、即戦力としての職業人の育成だけでなく、将来のスペシャリストとしての基礎、基本を身につけさせることを重視し、関連企業への就職を初め、大学、専門学校への進学など幅広い進路にこたえることができる教育を進めているところでございます。
 議員ご指摘の和歌山工業高校の各学科においても、こうした取り組みを進め、厳しい雇用情勢の中でありますが、堅実な就職実績を上げております。今後、産業、雇用の構造的変化に対応した学科改編や募集定員の見直しが必要と認識しており、研究を重ねてまいります。
 次に郷土愛の育成についてでありますが、生まれ育ったふるさとへの愛着や誇りは生涯にわたって精神的な支えとなるとともに、自己形成に大きな役割を果たすものであります。そのためには、教員自身が和歌山に愛着と誇りを持って生徒を指導することが大切であると考えております。
 和歌山市内のある小学校では、「地域すてき発見」をテーマに、子供たちが地元に伝わる民話を発掘して劇をつくるなど、ふるさとの自然や文化を守り、伝承する取り組みを行っております。また和歌山東高校においては、地域の調査活動やふるさと和歌山の写真展などが実施されています。地域をより深く知るために、このような特色ある活動は県内各地でさまざまな形で展開されております。今後とも、学校が保護者や地域と一体になって、より充実した実践を幅広く進めていくよう指導してまいります。
 最後に、児童生徒を適切に指導できないなど適格性に欠ける教員につきましては、有識者や教育関係者から成る指導力向上調査研究委員会の提言に基づき、研修や人事管理に係る具体的なシステムを構築しているところでございます。
 なお、平成十四年度において、県内の学校で病気のため休職した者は七十一名でありますが、これらの教員に対しては、教職員特別健康管理審査会と連携し、復帰に向けた指導を行ってきたところでございます。今後とも、教職員の資質向上及び評価のあり方について検討を進めてまいります。
 以上でございます。
○副議長(吉井和視君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(吉井和視君) 以上で、井出益弘君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時四十八分散会

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