平成15年6月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(新島 雄議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後一時三分再開
○副議長(吉井和視君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 四番新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕(拍手)
○新島 雄君 お許しをいただきました。早速、質問に入らせていただきます。
 まず初めに、知事にお尋ねをいたします。
 昨年の九月、五人の日本人が二十数年ぶりにふるさと日本の土を踏み締めました。この人たちは、自分の意志で異国の地に渡ったのではなく、拉致というテロによって連れ去られた人たちです。飛行機からおりてくるあの姿を、日本じゅうの何人の人が手をたたき、涙を流してテレビを見ていたのでしょうか。帰りたくても帰れない。多感な青春時代を、母国ではない肉親のいない地で、厳しく、つらい生活を余儀なくされてきたのです。今なお子供を残したまま。多くは語りません。拉致関係の被害者やご家族の方々のことを思うと、同じ国民として何かできることはないかと考えておられる方も多いと思います。この事件に関して、知事の所見を伺います。
 次に、移ります。
 知事は、常々、和歌山には和歌山スタイルの道づくりがあってもよいというふうに提案をしています。何事にも和歌山らしさや地域の状況に合った町づくりが望まれていますし、私もそれには賛成をいたします。全国同じ金太郎あめでは特色や個性は出てきません。高速道路にも、私は和歌山らしさがあってもよいと考えますし、今まで多くの先輩・同僚議員が提案をしてまいりました阪和自動車道の北インター(ハーフインター)の設置を強く要望し、質問をいたします。
 私は、和歌山市の河西地区に住んでいます。この地区に住む人たちは、前から高速道路ができてもインターまで時間がかかるというふうに言っておられます。例えば、私が家を出て京都に向かうとします。まず、紀の川大橋を南へ渡ります。そして、和歌山インターで阪和自動車道に乗りまして、もう一度紀の川を今度は北に渡ります。何か遠回りをしているようであります。間違いなく遠回りです。何度か、今度は家から白浜の方に走る機会がありました。私は、医大の前を通って海南のインターで乗ります。何と、ここには二つのインターチェンジがあるのであります。何とうらやましいことか、これが知事の言う和歌山らしい道づくりなのかと思ってしまうわけですが、そうではないと思います。
 今、担当部局では、県道粉河加太線、西脇山口線の改良工事を一生懸命頑張ってくれています。このすぐ近くに阪和自動車道が通っています。ここにおりるのはそう難しい話ではないと考えますが、部長いかがですか。今まで、どれだけの先輩・同僚議員が本会議や委員会で質問をしてきましたか。部長も和歌山が長いので理解をしてくれていると思いますが、どうしても和歌山北インターをつくるべきと考えての質問であります。そこのところを十分考えていただき、答弁を期待いたします。
 また、この四月に紀の国大橋が開通をいたしました。何度かすばらしい橋を渡り、便利さを享受いたしておりますが、そのおかげで頻繁に利用する紀の川大橋の交通停滞が十分と緩和をされました。これは、交通量の数字にあらわれるとともに、毎日利用する者の実感としても走りやすくなっております。大きな道ができることの効果は大変大きなものがあります。
 そこで私は、これは北島橋をかけかえる提案をするよいチャンスと考えました。前々から、北島橋は大丈夫なのか、東南海・南海地震に耐えられるのかということを考えていました。行政の使命の一つに、安全で安心できる町づくりがあると考えます。十年、二十年、いや、あす来るかもしれない地震に備えて、今から準備に入ってほしいと願うものです。
 しかし、北島橋には大きな欠点があるように思えます。それは、かけかえをする場合に仮橋がつくれないのではないかという技術的な疑問であります。それを可能にするのが紀の国大橋であり、紀の川河口にかかるみなと大橋であるようにも考えます。そしてもう一つ、紀の川大堰の上部がもうすぐ通行できるようになるだろうと思うと、北島橋を通行どめにしても、河口のみなと大橋をその期間だけ、現在は有料でありますが、これを無料にする。そういう手法を用いることによって交通停滞の緩和にも役立つように考えます。ぜひとも、防災意識を持ち、安全で安心できる町づくりのため北島橋のかけかえを提案するものです。部長の前向きの答弁をお願いいたします。
 ただし、北島橋のかけかえが終われば、次に古い橋として六十谷橋があります。これも順次そのようにしていかなくてはと思います。
 三番目の質問として、県民の健康について取り上げます。
 私も五十歳を過ぎました。健康に注意をする年齢だと思います。特に最近、周りからがんという病名について随分聞くようになりました。とても嫌な言葉です。何とかこのがんをやっつけられないか、がんを殺す薬はできないのか、そんなことを思います。病気になって、初めて健康のありがたさを知ります。
 今年の一月、天皇陛下が前立腺がんの摘出手術を受けました。日本のがん患者の一位は胃がんであります。アメリカでは、この前立腺がんが一位を占めています。前立腺がんは、男性だけの病気であります。それも、五十歳を過ぎてからの発症がほとんどであります。死亡者数でも、アメリカでは二位となっております。一方我が国では、まだそれほど多くはないのですが、着実に増加傾向を示しています。統計によると、一九九〇年、前立腺がんでの死亡者数は約三千五百人、二〇〇〇年では約七千人となっており、二〇一五年には一万四千人と予測されています。この増加率はすべてのがんにおいて一番高い伸び率を示していますし、世界でも二番目の伸び率を統計が示しています。県立医大の患者数でも、一九九〇年には十名でありました。二〇〇〇年の数字を見てみますと六十一名となっており、六倍の増加であります。日本人の食生活や生活様式が欧米に近づくにつれ、同じようにふえているのが読み取れます。
 前立腺がんによる検査はPSA検査と呼ばれ、この検査によって診断能力が飛躍的に進歩をしています。早期発見が大変可能となってまいりました。今、がん検診では、胃がん、子宮がん、乳がん、肺がん、大腸がんの五項目で、この前立腺がんの検査が含まれていません。中高年の男性が検診を受ける機会をふやすことにより早期発見ができたなら、治療費の軽減はもとより、経済的な側面からも大変重要と考えます。前立腺がんによる死亡例の急増が予想される中、啓発も含め、前立腺がんの検診を普及させることが急務と考えます。各市町村と県が連携をして、県民の健康管理に取り組んでほしいと思いますし、大いなるバックアップを期待し、福祉保健部長の答弁を求め、一回目の質問を終わります。ありがとうございました。
○副議長(吉井和視君) ただいまの新島雄君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 拉致問題につきましては、五名の方の帰国の後も、家族離散という耐えがたい状態が続き、いまだ安否のほどが確認されていない拉致被害者の方の事実解明も進まない現状の中、被害者やご家族のご心境は察するに余りあるものがあります。そのような状況のもと、拉致被害者家族の会の皆様方の国内外での理解、支援に向けた連日のご活動が、日本のみならず世界の世論を揺り動かし、四月の国連人権委員会や先日のエビアンサミットにおいて各国の共感と支持を得るようになったところでございます。ご家族の皆様方の昼夜を分かたぬご努力には本当に頭が下がる思いでございます。
 私も、行政に携わる者として、拉致問題の一刻も早い解決を願い、今後の国におけるさらなる対応を望むとともに、県民の理解や県内における機運の醸成に向けた取り組みにはできる限り協力してまいりたいと考えております。
○副議長(吉井和視君) 県土整備部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○県土整備部長(大山耕二君) まず、北インターの設置についてのご質問にお答えいたします。
 高速道路に新たにインターチェンジを追加する制度としましては、開発インターチェンジ制度と地域活性化インターチェンジ制度があります。このいずれの制度におきましても、町づくりに資することがその要件となっております。このため、和歌山北インターチェンジの設置につきましては、今後、和歌山市が主体的に取り組む町づくりを前提に、広域的な交通体系の中で必要性、可能性について検討を行ってまいります。
 次に、北島橋のかけかえについてのご質問にお答えいたします。
 一般的に橋梁のかけかえは、耐震対策よりも老朽化対策や狭小幅員の拡幅の観点から実施しております。北島橋のかけかえについては、多大な事業費と施工方法に課題があり、当面の老朽化対策としまして、来年度から橋脚とけたの補強を行う予定でございます。
 なお、本橋の耐震対策については、主に横揺れに対するけたの連結工事が実施してあります。
 以上であります。
○副議長(吉井和視君) 福祉保健部長白原勝文君。
  〔白原勝文君、登壇〕
○福祉保健部長(白原勝文君) 前立腺がん検診につきましてお答えいたします。
 前立腺がんにつきましては、議員ご指摘のとおり、近年高い伸びを示しており、またこれから二十年間に三倍近く増加するとの予想もされております。このため、前立腺がん検診の普及による早期発見や対応が課題となっております。現在、県内では有田市と吉備町が前立腺がん検診を検診のメニューとして希望者に実施しておりますが、これらは研究事業として実施しているものでございます。
 前立腺がんに関する検診と治療については、今も各種研究がなされており、専門家の間でもいろいろな意見や見解がありますが、県といたしましては、各種情報を収集し、市町村に提供するとともに、関係機関や専門家の意見等もお聞きする中で、検診の普及や市町村での検診の導入等について検討してまいりたいと考えます。
○副議長(吉井和視君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 四番新島 雄君。
○新島 雄君 まず、拉致関係です。
 この拉致に関しては、きょうもニュースで見ましたが、被害者、ご家族の方たちが韓国の方へ行ってお話をしてくるというふうにきょう旅立たれたようであります。そんな中で、私たち自由民主党県議団も何らかの支援をしていきたい、そのようにも考えておりますので、その節は、県当局並びに皆さん方にご支援、ご協力をお願いしたいな、そのように思います。
 また、福祉保健部長から答弁をいただきました前立腺がんであります。
 調べていきますと、資料や統計的な判断基準がまだまだ少ないのかな、そうも考えます。その辺は私も十分理解をしているつもりです。しかし現在、和歌山市では基本健康調査というのが行われております。その中でC型肝炎が、五年区切りですが、四十歳から診断をしていただける、そのようにも聞いております。まあ、前立腺がんだけを取り上げれば、私は五十五歳からの検診でもいいのかな、そのようにも考えております。五年刻みでも、何らかの形で早期発見、また県民の福祉、健康ということを考えていく中で必要になってくるのではないか、そのように考えておりますので、これからの研究をお願いし、要望としておきます。
 そして、道についてであります。
 部長から答弁をいただきました。今まで、先輩・同僚議員が何度となく提案もしてきたと思います。今回の答弁を聞いておりますと、県の問題ではない、これは市の問題なんだ、そのように受け取ってしまいます。それでは、県として、今まで委員会や議会でその質問があった折、和歌山市に対して、こういう要望があるよ、こういう質問があったよということは和歌山市の方に伝わっているのかどうか、そして伝わっているのであれば和歌山市の姿勢はどうなのか、お答えをいただきたいと思います。
 そして、北島橋に関することであります。
 この橋は、昭和十一年につくられております。六十七年前になりますか、もうそれだけたった古い橋であります。知事も一生懸命、東南海・南海地震について、安全な和歌山県をつくりたい、安心できて、誇れる町をつくりたい、そんな中で活動もしております。老朽化であることは明白だと思います。では、補修をしていく、修理をしていく、そんな答弁がありましたが、いつまでこれを続けるおつもりなのか。来年度から補強をするんだ、そういう答弁でありましたが、では地震に耐えられる補強をするのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
○副議長(吉井和視君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 県土整備部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○県土整備部長(大山耕二君) まず北インターの設置についての再質問でございますけれども、先ほどお答え申し上げましたように、インターチェンジができますと、それが町づくりに対して相当なインパクトがあると、逆に言うと、町づくりの中にきちっとそれが位置づけられていないと、そのインパクトを受けとめることがなかなかできないというところもありまして、そういう意味においては、北インターチェンジの設置が予想される周辺におきましてどういった町づくりがなされるかと、この辺を見守っているというところでございます。
 次に北島橋のかけかえについてのご質問ですが、先ほどご答弁申し上げたとおり、老朽化という点からは、来年度から橋脚とけたの補強を行う予定でございます。これによって、ある程度の地震に対する耐荷力の向上というところも見込めるところでございます。また、主に横揺れ対策でございますけれども、東南海・南海地震につきましては横揺れというものが主なものと考えておりまして、それに対してはけたの連結工事が既に実施してあるというところでございます。
○副議長(吉井和視君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「答弁の内容が違いますが、なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(吉井和視君) 再々質問を許します。
 四番新島 雄君。
○新島 雄君 ちょっと質問の趣旨とは違う答弁であったと思います。もう一度質問をいたします。
 本会議や委員会で、北インターの要望や質問が今まであったと思います。その要望や質問に対して、和歌山市がすることであれば、県議会でこういう質問がありました、こういう要望がありますよ、和歌山市さんはどう考えていますかというのが市へ伝わっているのかどうかが一点です。
 そしてもう一つは、伝わっているのであれば、和歌山市はどう考えているか、県はそれに対してどうお話をしているのかお答えをいただきたいというのが北インターに対する再質問でありました。もう一度答弁をお願いいたします。
 そして、北島橋に関する地震に対してですが、横揺れが主であるという判断をされたようでありますけれども、それはもう十分やっておるんだというふうにお答えをいただきました。ということは、地震に対応できるというふうに理解していいんですね。それは十分なされているというふうに受け取っていいんですね、お答えをいただきたいと思います。
○副議長(吉井和視君) 以上の再々質問に対する当局の答弁を求めます。
 県土整備部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○県土整備部長(大山耕二君) 先ほどもご答弁申しましたように、北インターの設置というもの、インターチェンジは町づくりの中のかなめであるという点から、市の方での町づくりの構想というものを注視しているというところでございます。都市計画の前提でマスタープランというものも市の方で検討中というところでございますので、そういったものを注視していくということで考えてございます。
 それから北島橋のかけかえについて、耐震上どうか、十分かという点につきましては、横揺れ対策はさせていただいているわけですけれども、縦揺れというところも可能性があるわけですので、それについては今後も検討していきたいと考えてございます。
 以上です。
○副議長(吉井和視君) 答弁漏れはありませんか。──以上で、新島雄君の質問が終了いたしました。

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