平成15年2月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(森 正樹議員の質疑及び一般質問)
県議会の活動
午前十時二分開議
○議長(宇治田栄蔵君) これより本日の会議を開きます。
【日程第一 議案第一号から議案第十九号まで、議案第二十二号から議案第六十六号まで、及び議案第六十八号から議案第九十五号まで】
【日程第二 一般質問】
○議長(宇治田栄蔵君) 日程第一、議案第一号から議案第十九号まで、議案第二十二号から議案第六十六号まで、及び議案第六十八号から議案第九十五号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
四十三番森 正樹君。
〔森 正樹君、登壇〕(拍手)
○森 正樹君 皆さん、おはようございます。ただいま議長のお許しを賜りましたので、通告に従いまして一般質問を行わさせていただきます。
昨年十二月定例会における一般質問以来本日まで七十五日、この間、休刊日を除いて毎日発行されますマスコミ各紙に関西国際空港に関する記事が掲載されない日はないと言ってもいいほど、連日のように関西国際空港をめぐる話題が紙面をにぎわしてまいりました。ここにこの切り抜きをまとめたものがございますが、実に五十七回、このように掲載をされているわけでございます。しかも、その記事のほとんどは、有利子負債が一兆円を超え、一年間の支払い利息は三百六十三億円に上るとか、関空民営化なお多難とか、二期滑走路延期もとか、低収益の地方五路線休止などなど、暗い話題が極めて多かったのであります。
今回、私は実のところ一般質問を行う予定ではございませんでしたが、和歌山県にとって県益向上に欠くべからざる問題として関西国際空港の二期、平行滑走路の二〇〇七年供用開始とその後に続く全体構想の実現という、国益、県益にかなう重大事であることにかんがみ、急遽質問をいたすことと相なったのであります。
以下五点にわたり、関西国際空港を取り巻く諸懸案について、木村知事並びに垣平企画部長のご所見をお伺いいたします。
第一に、伊丹空港に関する問題についてであります。
昨年末、国土交通大臣の諮問機関である交通政策審議会航空分科会の答申の中で、伊丹空港の騒音対策費について負担の適正化が必要として、受益者負担に変更することを打ち出したと報じられておりました。本来、伊丹空港は欠陥空港でありますし、そのために時間をかけて議論を尽くして調査を重ねた結果、泉州沖に伊丹にかわる新空港を建設することとなり、地元や周辺の多大の犠牲の上に関西国際空港が建設され、その完成と同時に廃止されることになっていたのであります。それが、関西国際空港の完成が近づくにつれ、十一市協を初めとする伊丹空港の地元のエゴにより、一転して存続することとなってしまった経緯は皆さんよくご存じのとおりであります。廃止されることになっていたそんな欠陥空港に毎年約百億円、これまでに一兆円になんなんとする巨費が国費で投入され続けてきたという事実は、どう理解すればいいのか。しかも、この巨額な金は何の事業効果も生まない非投資的経費であるという点をすべての関係者は直視しなければならないと思います。しかも一兆円という巨費、関西国際空港が抱える有利子負債とほぼ匹敵するとは何たる皮肉でありましょうか。さっさと伊丹空港を廃止しておけば関西国際空港の負債がこれほど巨額に膨らむこともなかったし、二期工事ももっと早く完成できたかもしれません。さらには、着陸料や駐機料、空港利用料などももっと下げることも可能であっただろうし、アジアのハブ空港をめぐるライバル空港との競争にも悠々と勝つことができたと私は断言したいのであります。
まだまだ申し上げたき点が多々ございますが、この問題につきましてはさきの十二月議会においても質問しておりますし、その際、木村知事からも答弁をいただいておりますので、この点に関しては今回は要望ということにしておきたいと存じます。
第二に、関西─羽田間のシャトル便が近く減便され、しかも時間帯に大きな偏りが出ることが明確になりました。
二月一日の航空各社の発表によりますと、本年四月から関西発羽田行きのシャトル便、午前十時発JAS便、同十一時四十分JAL便、午後一時四十分発ANA便の三便がなくなり、関西発羽田行きの便は午前七時五十分から午後三時の間、約七時間以上にわたって空白が生じることになってしまうのであります。
午前十時発のJAS便などは、私も何度も利用させていただきましたし、まことに利便性が高く、常に満席に近い状態であったことを記憶しております。また、シャトル便というのは、等間隔で定期的に飛ぶからこそ「シャトル」と言うのであって、七時間以上も空白があるようでは、もはやシャトル便とは言いがたいのであります。このままでは利便性の低下は避けられませんが、一体何ゆえにこういう変更が起こるのか。また、もとに戻させるべく関係各方面への働きかけが必要と考えるが、いかがでありましょうか。知事のご所見をお尋ねいたすところであります。
第三に、関西国際空港をめぐって常に航空各社から苦情が絶えない着陸料や駐機料の問題であります。
例えば、国内線のジャンボ機・ボーイング747─400D型の着陸料は、関西国際空港が五十一万八千七百円であるのに対し、カナダバンクーバー空港は九万三千八百八十三円、韓国金浦空港が四万八千九百七十円であり、関西国際空港は金浦空港に比べて実に四十六万九千七百三十円も高いことになります。というよりも、もっとわかりやすく言えば、関西国際空港は金浦空港の十倍以上も高い着陸料ということになるのであります。これでは航空各社から不平不満が出るのは当たり前ではないでしょうか。
一方、国際線のジャンボ機・ボーイング747─400型の着陸料は、関西国際空港が八十二万五千五百五十円であるのに対し、シンガポールチャンギ空港が二十四万六千三百九十七円、韓国仁川国際空港が三十一万九千四百四十円となっているのであります。関西と仁川の差は、実に五十万六千百十円。もし一年間毎日定期便を飛ばし、着陸料を払い続けるとすると、年間で実に一億八千四百七十三万百五十円もの巨額の差が生まれることになるのであります。当然、航空会社の中にアジアの到着地を高い関西国際空港を避けて仁川にしようというところがあらわれたとしても何の不思議でもありませんし、現にそういう動きがあります。国際競争力に打ち勝つために速やかに着陸料や駐機料の値下げを行うよう関係各方面への働きかけを強めるべきであると思いますが、企画部長、いかがでございましょうか。
第四に、同じ論点で、空港利用者の不満が強い空港利用料や駐車料金、通行料などの値下げについて、企画部長にお尋ねをいたします。
第五に、平成六年九月四日の開港以来ほぼ順調に業績を伸ばし続けてきました関西国際空港でしたが、平成十四年、初めて大きく前年実績を割り込みました。発着回数で見てみますと、国内線で過去最高だった平成十三年の五万三千八百六十五回に対して四万七千八百五十一回、対前年比八八・八%と落ち込み、国際線で過去最高だった平成十二年の六万九千七百三十七回に対し六万三千三百四十五回と、九〇・八%に下落してしまったのであります。このような業績悪化は一体何に起因するのか、またその業績回復の手だてはあるのか、あるとすればそれは何か、企画部長にお聞きをいたしたい。
この項の最後に、関西国際空港株式会社の経営姿勢、体質について言及したいと思います。
同社の経営陣、代表取締役社長から常務取締役までの八人のうち、実に七人が運輸省、自治省、国土庁、国税庁などの高級官僚で占められ、また同社職員四百七十人中、新聞報道によりますと六〇%が国や地方公共団体からの出向者で占められているのであります。全資本金の六六・七%を国が出資しているから当然と言ってしまえばそれまででありますが、これで現下の厳しい社会経済情勢の中で経営手腕を発揮できるのか、甚だ疑問であります。もちろん、高級官僚だからと言って経営手腕がないとは私は申しません。しかし、いずれにしても、これだけの状況の中でこんなに官僚が多過ぎるというのも、やはり問題だろうと、そのように思います。
情報筋の話によれば、多額の負債を抱えているといった危機意識はゼロに近いとのことであります。そういう表現でありました。もっと大胆に、有能で経営手腕にすぐれた民間人の参画を進めるべきではないのか。企画部長に所見をお伺いしたいと思います。
次に、県立医大跡地利用問題に入ります。
平成七年の一般質問で、私は県議会で初めてこの問題を取り上げ、将来医大が移転した跡には和歌山市のランドマークとなるようなシティーホテルと国際会議場等の設置が望ましいと提言をさせていただきました。また後に、知事の諮問機関である和歌山県立医科大学跡地利用懇話会にも、和歌山市選出県議会議員の世話人というゆえをもって委員として参加させていただき、毎回の会議で積極的に発言をさせていただきました。
この場所は中心市街地として最後のまとまった土地であり、大きな駐車スペースを有し、和歌山市のシンボルとなりランドマークとなる一流のシティーホテルと国際会議場、商業施設等がふさわしいと再三申し上げました。さまざまな議論の末に答申の内容は、皆さんご承知のとおり、都市型ホテル、国際会議場、商業施設、文化スタジオ、駐車場の五つの機能が望ましいということと民間活力を最大限に尊重することという答申が駒井会長から知事に手渡されたのであります。
なぜ私が強くこれらの機能の立地を申し上げたかと言うと、当時既にぶらくり丁を初めとする商店街の地盤沈下の兆しがあり、その活性化の必要があったこと、和歌山市内には都市型ホテルは皆無に近かったこと、JC全国大会が開かれ、全国から八千人もの青年実業家が集まったのに九割の人たちが白浜や大阪市内などに宿泊したと聞いておりますし、和歌山市の経済波及効果につながらなかったこと、大阪市内中心部で同様のケースがあったこと等々が理由であります。
大阪市内中心部で同様のケースと言いますのは、当時大阪の人の流れというのは、御堂筋を挟んで東側の心斎橋筋商店街、そして戎橋筋商店街にしか人は行きませんでした。御堂筋線の地下鉄をおりた人はみんな東側へ流れたのであります。当時、美人座というキャバレーが西側にございましたが、そこに行く人だけが西側へ行くと言われるぐらい西側には人が行かなかった。ところがこの西側に、ご承知のとおり日航ホテルがオープンをいたしました。これによって大きく人の流れが変わったのであります。そして、やがてその後背地の部分にアメリカ村が出現をいたしました。今や、若い人を中心に、東側ではなく西側に人がすべて行ってしまう。それほど、一つの建物が核になって人の流れは変わるのであります。
今、ぶらくり丁等の商店街の地盤沈下はますます激しくなり、大丸の撤退や丸正の倒産など、空洞化が進行しております。この流れに歯どめをかけ、中心市街地の活性化の起爆剤として一日も早い実現が待ち望まれているのであります。
ダイワロイヤルホテルの完成までのタイムスケジュールについて、企画部長からご報告をいただきたい。
あわせて、以下三点にわたりまして幾つかの問題点を申し上げたいと思います。
一つは、跡地利用懇話会答申から跡地利用基本計画に至る過程で国際会議場と文化スタジオが抜け落ちたのは一体なぜなのか。
二つ目に、B用地に隣接する神人医院等の民間施設とD用地の等価交換によって長方形の良好な土地となり、開発が容易となりますが、何ゆえ今に至るも等価交換が行われないのか、その理由を示していただきたい。
三つ目に、西側に伏虎中学校がありますが、これの統合移転を進め、医大跡地と連動して市街地再開発を進めるべきであると思うが、いかがか。
以上、企画部長から答弁をお願いいたします。
三点目、県勢活性化の柱として観光立県という観点から、「観光振興に全力を」と題してお尋ねをいたします。
まず一つ目、今議会冒頭の知事説明の中で観光振興について、「新しい観光戦略の展開」と題してるる述べておられますが、ここで知事、再度そのコンセプトについてぜひとも聞かせていただきたい。
二点目、本県は温泉や豊かな山の幸、海の幸、圧倒的な自然、他に類を見ない歴史文化遺産等々、実に豊かな観光資源に恵まれております。しかし問題は、そのすぐれて豊富な観光資源を全国に、そして世界にどう発信、PRしていくかであります。当初予算の中で、観光キャンペーンやミニアンテナショップについて盛り込まれておりますが、内外へのPR、宣伝、情報発信について、またどのような考え方に基づいて実施されるのか、石橋商工労働部長にお尋ねをいたします。
三点目、私は平成十年二月定例会でエコツーリズム、グリーンツーリズムに触れ、その必要性を訴えたところでございますが、今回、エコツーリズムの実施を決めていただきました。そこで、具体的にどのような考え方に基づいてどのように進めていくおつもりか、商工労働部長のご所見をお伺いします。
四点目、諸外国からの観光客を受け入れるに当たりまして、観光パンフレットや観光案内板などについて各国語での対応が必要となってくるほか、観光従事者の簡単な日常会話等について、英語以外に例えば中国語、韓国語による語学講座を実施する必要があると考えますが、いかがでありましょうか。商工労働部長にお尋ねをいたします。
観光振興という観点で考えます場合、初めて和歌山県へお見えになった人々に二度、三度とリピーターとして来ていただけるかどうかが極めて重要な点となります。そのためには、いかに本県に対しいい印象を持ってもらうかが大切であります。
そこで五点目として、観光客へのもてなし、ホスピタリティーの向上について、あわせて六点目として観光地や道の駅などの公衆トイレの改善と増設について、それぞれ関係部長からご答弁を賜りたいと思います。
最後に、海洋レジャー・プロモーション事業についてお尋ねをいたします。
私はかねてから、スポーツのメッカづくりという観点から二十年来主張し続けてまいりました。特に本県が置かれております地理的位置からしてマリンスポーツのメッカづくりを進めるよう申し上げてきたところであり、その候補種目としてヨットやトライアスロンなどが最適であることも訴えてまいりました。今回新たな試みとして、アメリカズカップで有名なラッセル・クーツ氏を招いてヨットレースやヨットクルーズが行われると聞いておりますが、具体的な計画について、あわせてこうしたイベントは一過性のものとして終わらせることなく、毎年恒例の行事として継続して開催していくことが重要だと考えますが、企画部長から答弁をいただきたい。
以上で、第一回目の質問を終わらせていただきます。ご清聴、ありがとうございました。
○議長(宇治田栄蔵君) ただいまの森正樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事木村良樹君。
〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) シャトル便の関係のご質問でございます。
このところ寝耳に水のことが少し多くて、私もはっきり言ってもうびっくりしているんですけれども、実はこのシャトル便の開設に関しては、私が大阪府で副知事をしているときに何とかしようという話が東京の方からありまして、それで関与した経緯がありまして、非常に思い入れも深いものがございます。
そしてまた、私自身は、この関西の三空港のいろんな見直しの過程の中で、むしろシャトル便というのが本当の意味のシャトル便になるような形で、便数がふえるんじゃないかというふうに期待をしていたところ、突然、朝の十時台から夕方ぐらいまでなくなってしまうと。これはもうシャトルじゃなくて昔に逆戻りということで、これは大変というふうに思いましてすぐに関係方面へ、もうとにかく和歌山県だけでも構わないから文句を言いに行くというか、話をしに行くべきだということで、実は既に行動を起こしております。国の方でも関係議員の連盟が会議を開くような形で事が進んでおりますし、いろいろ言っているんですけれども、やはりこの問題に対する基本的な問題意識というものは、和歌山県は非常に強いんですけれども、よそがさほどでもないということがあるわけです。しかしこれが、本当の意味でこういうふうな協力のなさということがこの関空の足を引っ張っているというふうに思っておりますので、私はこの問題は大変大事な問題だと。四、五月、そしてこれが次から六月以降も同じようなことが続くことになりますと、和歌山県にとってもゆゆしきことだというふうに思っております。これは、一和歌山県のことじゃなくて、関西全体にとって関空をどうするのかということの問題においても非常に重大な問題というふうな認識を持っておりますので、県としても精いっぱい、復活し、さらにはふえるような形へ努力をしていきたい、このように思っております。
それから、観光についての基本的な考え方ということですけれども、私は、一つは世界遺産の指定のめどが大体立ってきたということから、これに合わせて、和歌山県のすばらしい歴史とか自然というものを体験型観光というようなことを売っていきたいというふうに思っております。
この体験型観光を二年ほど進めてきましたら、実は先日、日置川に住んでいる、そういうことをやっている人から話を聞いたんですけれども、日置川へ日本三景のところの協議会からどんなことをやっているのかと見に来たというふうなことで、やはり徐々にこういうふうな和歌山のよさということが全国的にも認識されるようになってきているということで非常に喜んだわけですけれども、こういうことがもっともっと広がっていくように努力をしていきたい。
それからもう一つは、和歌山県には、和歌山市から橋本に至る紀の川の流域というのが割と手近な形での観光資源として僕はあると思います。すごい歴史があります。そしてまた、農林水産物を中心として非常にいい産品が出ると。こういうふうなものを活用して、都会から泊まりがけでないような形での観光というものを呼び込みたいというふうに思っております。
昨日も打田町の紀伊国分寺跡というところへ行ってきたんですけれども、これなんかも余り人が来ていないけど非常にすばらしいもので、こういうものを連係させていくといい観光地になるんじゃないかというふうに思っております。
そしてまた、最後の全国への発信ということですけれども、来年度、東京に観光と物産のセンターを開設すると。そしてまたデスティネーションキャンペーンということで、これは全国のJRと組んで大々的に世界遺産と合わせて和歌山県を売り出していくと。いろんな形で和歌山県の主要産業である観光というものを売り出していきたい。このように思っております。
○議長(宇治田栄蔵君) 企画部長垣平高男君。
〔垣平高男君、登壇〕
○企画部長(垣平高男君) まず、関西国際空港に関する諸問題四点についてお答えを申し上げます。
関空会社では、ご指摘のような背景を踏まえまして、可能な範囲ではございますが、国際線の着陸料の引き下げ及び新規就航等に対する着陸料営業割引を行い、平成十五年度においても継続することとなってございます。
県といたしましては、関西国際空港の国際競争力を強化し、利用者にとって真に利便性の高い空港にすることこそが重要でございまして、本年度末までに策定される経営改善計画に沿って抜本的に経営改善を進め、さらに着陸料等の引き下げが行われるよう関空会社に対し働きかけを行ってまいります。
次に、空港利用料、駐車料金、通行料などの値下げについてでございます。
関空会社では、関空連絡橋通行料の時間帯割引や連絡橋・駐車場セット割引クーポンの発売など、関空利用者へのサービス向上のため、連絡橋の通行料、駐車料金の一部引き下げが行われております。これらの料金につきましても、着陸料等と同様の趣旨で関空会社に対し働きかけを行ってまいります。
次に、関西国際空港の平成十四年の発着回数が過去最低になっている、この原因はというご質問でございます。
平成十四年の年間総発着回数は平成八年以降最も少なく、そのうち国際線では平成九年以降、国内線では開港以来、最も少なくなってございます。一昨年九月の米国テロ事件の影響や日本経済の回復のおくれなどの要因が重なり、それまで順調であった航空需要が低迷する事態になり、さらに昨年四月に成田空港の暫定滑走路が供用開始されたことなどがその大きな原因であると考えてございます。
関空会社におきましては、トップセールスや国際線着陸料の引き下げ及び着陸料営業割引の継続などにより需要喚起に取り組んでございます。県といたしましても、昨年に引き続き、関係自治体及び経済界とともにエアポートプロモーション活動を実施するなど、積極的な支援活動を行ってまいりたいと考えてございます。
次に、関西国際空港株式会社の経営に民間人の参画をというご指摘でございます。
関西国際空港株式会社の経営形態につきましては、昨年十二月十七日の閣議決定では、現在の特殊会社の経営形態を維持しつつ、将来の完全民営化に向けて安定的な経営基盤を確立するため経営改善を進め、有利子債務の確実な償還を期すとともに、当面の資金調達の円滑化を図ることとするとされてございます。将来の完全民営化に向け、さらに厳しい経営が求められることから、当然のことながら民間の経営感覚を取り入れた空港運営を行っていくことが最も重要であると考えてございます。
次に、県立医科大学跡地問題に関する四点でございます。
ダイワホテルの供用開始のめどというご指摘でございます。
県立医科大学の跡地につきましては、平成十年に、その利用方策を検討するために議員にもご参加をいただいて県立医科大学跡地利用懇話会を設置して以来、多くの方々からご意見を賜り、また多大なるご協力をいただきながら検討を進めてまいったところでございます。去る二月七日に事業者と協定を締結したところでございます。
議員ご指摘のとおり、近年における大型店舗の相次ぐ撤退が中心市街地の活力低下を招いており、県立医科大学跡地利用事業は中心市街地の活性化を図る上で重要な役割を担うものと考えてございます。
今後、来年度早々にも着工をし、平成十七年秋にオープンの予定となってございますが、本事業の目的であります、多くの人々が訪れ、中心市街地がにぎわいのある町になるように着実に事業を推進してまいりたいと考えてございます。
医大跡地の二点目でございます。懇話会の答申にありました国際会議場、文化スタジオがなぜ抜けているのかということでございます。
医大跡地利用事業につきましては、地元和歌山市、関係団体等との協議を行い、中心市街地の活性化を図るためには消費者を呼び戻すための集客力のある商業施設、多くの人々の交流空間としての宿泊施設、交通の利便性の向上のための駐車場の三施設に集約した都市型複合施設が必要であるという考え方のもと、平成十二年二月に基本方針を策定したところでございます。
なお、跡地利用懇話会から提言のありました国際会議機能につきましては、県内最大規模の会議場を設置することにより対処するとともに、同時通訳等の附帯設備につきましては、具体的な会議室運営の中で取り組んでまいりたいと考えてございます。
また、文化支援活動施設につきましては、和歌山市内の同種施設等と緊密な連携が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
医科大学の三点、四点目でございます。いわゆるB用地の民間施設とD用地の等価交換を行ってはということと、さらに伏虎中学校の移転とその跡地利用を図ってはどうかということのご指摘でございます。
医大跡地B用地の民間施設とD用地の等価交換及び伏虎中学校の移転とその跡地利用についてでございますが、最近における和歌山市の中心市街地を取り巻く経済状況は、大型店舗の相次ぐ撤退や破綻など非常に厳しく、医大跡地をできる限り早期に整備・推進する必要があると考えてございます。このため、現行の敷地の範囲内で整備を進めることにしたところでございまして、ご理解を賜りたいと思います。
最後に海洋レジャー・プロモーション事業につきまして、このイベントを一過性ではなくて恒例の行事にしてはどうだというご指摘でございます。
本事業は、本県の海を中心とした自然のすばらしさを国内はもとより世界に情報発信し、もって観光や地域振興を図ることを目的に、ヨットレース等、さまざまな海洋イベントを展開するものでございます。
ラッセル・クーツ氏はヨットのアメリカズカップ連続優勝キャプテンであるとともに、現在行われておりますアメリカズカップにおきましても順調に勝利を重ねておりまして、まさにヨット界を代表する選手でございます。こうした世界的に有名なラッセル・クーツ氏を招聘し、記念ヨットレースや将来を担う子供たちのヨット、ゴムボートなどの体験乗船会などを開催することは、和歌山を海洋スポーツのメッカとすることに大きく貢献するものと考えてございます。
次年度以降につきましても、ラッセル・クーツ氏の写真入り航海記を発行するとともに、今回協力をいただく和歌山県セーリング連盟、協賛企業等との連帯感を生かしながら、海に関連したイベントを継続して実施してまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○議長(宇治田栄蔵君) 商工労働部長石橋秀彦君。
〔石橋秀彦君、登壇〕
○商工労働部長(石橋秀彦君) 観光振興の五点についてお答え申し上げます。
まず、本県の観光資源をいかに発信、PRするかがかぎと思うがにつきましては、地域資源を活用したほんまもん体験や新規に取り組むエコツアーなど新たな観光展開とともに、本県の観光振興にとって大きなインパクトのある高野・熊野の世界遺産登録を柱に、個性的な切り口で国内外に向け発信、PRを行ってまいりたいと考えております。
観光キャンペーンにつきましては、平成十六年の世界遺産登録を見据え、十五年度も首都圏を初めとした全国主要都市において祈りの道キャンペーンを実施し、段階的にイメージを浸透させることとしてございます。
また、ミニアンテナショップでございますが、首都圏での情報発信拠点である東京観光センターの移設に伴い機能強化を図るものでございまして、県内に埋もれた和歌山らしい物産を展示販売することにより、その販売効果とともに和歌山のイメージアップの一助にしたいと考えてございます。
海外への宣伝、情報発信につきましては、東アジアを重点地域として、マスコミや旅行会社の招致、現地での観光展や商談会等に工夫を凝らしながら取り組んでまいりたいと考えてございます。
次にエコツーリズムにつきましては、平成十年二月議会においても議員にご提案いただいたところでございますが、本県の豊かな地域資源を守りつつ生かすという理念のもとに、旅行者が自然に触れ、歴史や暮らしにも理解を深める自然体験ツアーを推進してまいります。
具体的な取り組みといたしましては、現在進めています体験観光のメニューを活用した自然体験プログラムづくり、インストラクター用マニュアルの作成、観光客のマナーの向上も取り入れたルートマップの作成等を予定しています。その推進においては関係部局とも連携し、地元関係者の参画を得ながら取り組んでまいります。
次に、観光パンフレットや案内板等の各国語対応についてでございますが、ご提言のとおり、国際観光推進においては必要不可欠なものであると考えております。県では、英語、韓国語、中国語のパンフレットやホームページの作成、また宿泊施設等に外国人接客基本マニュアルを送付するなど、充実に努めているところです。今後さらに市町村と協議をしながら観光従事者の語学力向上の方法についても検討し、海外観光客への対応を一層促進してまいりたいと考えてございます。
次に、観光客へのもてなし、ホスピタリティーの向上についてでございますが、観光振興を図る上で、ご指摘のように観光客へのもてなし、ホスピタリティーの向上は重要な課題であると認識してございます。このため、これまでも観光業務に携わる方々を対象に毎年研修会等を通じて啓発に努めてきたところでございます。今後も、世界遺産登録に合わせて実施する大規模キャンペーンに向け、市町村、観光関係者等との連携を図り、ホスピタリティー向上のための観光セミナーを開催するなど、おもてなしの心の向上に積極的に取り組んでまいります。
次に観光地における公衆トイレにつきましては、和歌山県に訪れたお客様に気持ちよく使っていただくため、清潔感のある美しい公衆トイレは大変重要であると考え、整備を進めているところでございます。また、平成十四年度から新たに高齢者や障害のある方々が安全で安心して旅行ができる環境を整えるため、公衆トイレのバリアフリー化を図っているところでございます。
今後とも関係部局と連携の上、より一層整備を図り、適正な配置に努めてまいります。
以上でございます。
○議長(宇治田栄蔵君) 土木部長大山耕二君。
〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 観光振興の観点から公衆トイレの改善と増設についてのお尋ねですが、道路行政の面からお答え申し上げます。
観光客を温かく迎え、観光振興を図る観点からも、国、市町村、さらには三重県、奈良県と連携し、紀伊半島全体での道の駅の整備を進め、公衆トイレの充実に努めてまいります。また、その管理におきましては、清潔で心のこもったトイレとなるよう管理者に要請してまいります。
以上でございます。
○議長(宇治田栄蔵君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宇治田栄蔵君) 以上で、森正樹君の質問が終了いたしました。