平成14年12月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(山下直也議員の質疑及び一般質問)
県議会の活動
午前十時二分開議
○議長(宇治田栄蔵君) これより本日の会議を開きます。
【日程第一 議案第百三十六号から議案第百七十二号まで、
並びに報第十号】
【日程第二 一般質問】
○議長(宇治田栄蔵君) 日程第一、議案第百三十六号から議案第百七十二号まで、並びに知事専決処分報告報第十号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
二十番山下直也君。
〔山下直也君、登壇〕(拍手)
○山下直也君 おはようございます。
ただいま議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
なお、質問に先立ち申し上げます。昨日のテレビ、また本日の新聞は、四年前の夏、和歌山市園部で起こった毒物カレー事件の記事でいっぱいでありました。知事は、「判決の内容についてはコメントする立場にないが、ご遺族や後遺症に苦しむ被害者の皆様の傷が消えることは決してなく、今後二度とこのような忌まわしい事件が起こらないように願っている。この事件を機に県としては、和歌山県健康危機管理基本指針を作成するとともに検査機関の充実強化も図ってきた。今後も県民の皆さんの生命、健康の安全を守るため万全を期してまいりたい」と発表されております。私もここで改めて、人の命のとうとさとともに生きることの大切さをこれからも学び続けていかなければならない、そう思いました。亡くなられた四人の方々の死を悼み、改めてご冥福をお祈りするとともに、今なお肉体的、精神的に深く傷ついておられる方々の苦しみに思いをいたし、一日も早い平癒を願うものであります。
それでは、質問に入らせていただきます。
去る十二月二日、県議会開会時、木村知事より十二月定例会の知事説明がなされました。その中で、平成十五年度予算編成方針に当たり、基本的な県の考え方が次のように述べられております。我が国の経済情勢は、今後さらなる景気後退が懸念されるところであり、これに伴い、地方財政を取り巻く環境は税収の大幅な減少が見込まれるなど歳入面におき極めて厳しい状況にあり、今まさに地方行財政制度が大きな変革期を迎えようとしている中、本県の抱える喫緊の課題であります経済の活性化はもちろんのこと、防災関連、市町村合併等に対応すべく、既存事業を根底から見直し、思い切った予算の重点配分により安心で活力あふれる二十一世紀の和歌山づくりを推進してまいりたいとのことでありました。
また今議会、県は人件費に係る補正といたし、一般会計において四十二億三千八百万円の減額等、懸命の努力を続けておられることは十分承知をいたしております。しかし、まさにこれから来年度に向け新年度予算を編成していく大変重要な時期において、一つ気になることがございます。
過日、新聞報道によりますと、和歌山県土地開発公社の抱える債務約四百三十五億円を、四銀行より県に対し債務保証をしてほしい旨申し入れがあったとのことであります。これに対し県は、開発公社、また各銀行に対し今後どう対処されていくおつもりなのか、お聞かせいただきたく、企画部長にお尋ねをいたします。
次に、人権についてお尋ねをいたします。
去る十一月十四日、一人の女性が和歌山を訪れました。名前はブルナド・ファティマ・ナティサンといい、インドのダリットの女性であります。「ダリット」とは「抑圧されし人」という意味であり、インドのカースト制度のもと「不可触民」として差別を受けている人々のことであります。今なお公の場への入場拒否や劣悪な住環境の中、職業や教育、結婚などにおける差別や解放運動への弾圧などが起こっております。
彼女は、知事への表敬訪問や、和歌山市内の差別のために文字を奪われその文字を取り戻す活動をしている女性たちとの懇親会を持つなど、限られた時間をフルに使い活動されました。実は、彼女は東京で開催されます反差別・人権シンポジウムのゲストスピーカーとして来日されたわけでありますが、ここ和歌山へもお越しくださったそうであり、ここでそのことを少し紹介させていただいたわけであります。
また、シンポジウムということで考えますと、去る九月十二日、鳥取県において反差別・人権国際フォーラムが開催され、県を問わず、また国を問わず、多くの人々が鳥取県に集まりました。そして、本県も、人権先進県といたし、十一月九日、十日の両日、県民交流プラザ和歌山ビッグ愛全館を会場にして、ふれあい人権フェスタ二〇〇二を開催し、延べ五千五百人の方の参加を得、その盛り上がりは大変なものであったそうであります。講演会、映画会、各人権にかかわっての団体のブースでは展示あり、体験あり、相談事ありと、実にさまざまな創意工夫を凝らした催しでもありました。
私は、この国際版といたし、すぐの実現は無理でありましても、またクリアすべき問題もあるでしょうが、さきに述べましたとおり、こういった国際的な視野に立った人権フォーラムの開催に向けて本県も取り組みを考えてみてはいかがと考えます。このことに対し、企画部長のご所見をお聞かせいただきたく存じます。
次に、青少年育成問題についてお伺いをいたします。
実は、この問題はさきに述べました人権についてのことと強くつながった部分があるのではないか、そう思うわけであり、続いて質問させていただくわけであります。
と申しますのも、本年十一月二十八日、県議会人権問題等対策特別委員会において、橋本委員長のもと本県の人権啓発センターを視察したときのことでありました。ひときわ私の印象に残ったのが、全国水平社創立八十周年、西光万吉特別展でありました。そしてその中に、次のように書かれたパネルが展示されてありました。
「差別のくさりをうち破れ、魂の叫びに多くの魂が共鳴した。「おい、兄弟よ」と一言呼んでくれれば、それで全てが解決だ…」とありました。私は、胸が打たれる思いがいたしました。一九二二年、西光万吉氏が起草し「人の世に熱あれ、人間に光あれ」と結ばれた水平社宣言。八十年たった今も色あせることなく、人々の心を打つものだと感じます。水平社宣言の行間から、あの時代の部落解放へのエネルギーや人々の息遣いまでが伝わってくる気がいたします。当時、西光万吉さん二十七歳、阪本清一郎さんが三十歳。あの水平社創立に奔走したのは、まさに当時の青年たちでありました。そして、本県においても青年たちの熱い思いが各地で水平社を結成していきました。まさしく青年のエネルギーが当時の社会を動かしたのであります。
さて、ここで知事に質問させていただきます。
先般、知事は、那賀郡打田町にて開催されました平成十四年度青少年健全育成強調月間県民大会の中、紀の国きらきら子どもフォーラムにおき、県内の青少年と親しく意見交換をされました。子供たちの意見はいかがでしたでしょうか。時間の制限もあり十分な意見交換とはならなかったかもしれませんが、子供たちにとっては恐らく知事とのフォーラムが生涯の思い出として心に残っていくのではないでしょうか。
今の青少年は夢がない、意欲がない、すぐキレるなどと言われます。確かに、そういう青少年がいることも事実であります。しかし、知事と語り合った子供たちのように、自分の意見を、夢をしっかり持っている子供たちもいるのであります。本来、子供は何かに夢中になって体や頭を動かすことが好きなのであります。ただ、それをどこで表現すればいいのかわからない子供たちが多いのではないかと考えます。かつて時代を動かした青年たちが持っていたエネルギーは、実は今の青少年も持っているのだと思います。何かをしたい、自分の足跡がたとえ小さくても何かに残っていくようなそういう活動がしたいと。例えば、阪神・淡路の震災の際に見せた青年たちの活躍がありましたが、そう思っているのではないでしょうか。もしかしたらただ漠然と思っているだけかもわかりませんが、その何かもやっとした思いを具体化するためのちょっとした手助けが必要なのではないか、そう思います。青少年のエネルギーをしっかりと受けとめるための何か、個々の青少年たちが持っている点としてのエネルギーを線にし面にしていくための何か、ガイダンスとでもいうのでしょうか、そういうものが必要なのではないでしょうか。知事のお考えをお伺いいたしたく存じます。
青少年が健やかに成長してほしいと願うのは、県民すべての思いであります。青少年の育成というのは、きょうあすに結果の出るものではありません。しかも、すべての青少年の要求にこたえるものでもないかもしれません。でも、次代を担う、いや今も地域社会の構成員として地域を担う青少年が何を考え、何を求め、将来の設計図をどう描いているのか、その自己実現のため県として何ができるのか、何をしていかなくてはならないのかを、私もともに考えてまいりたいと思います。
まず、青少年たちの現状はどうでありましょうか。少年非行の低年齢化も言われて久しいわけでありますが、一番気になることは、青少年の他人に対する無関心さであります。人から物をおどし取るとか万引きをするなどについて「絶対にだめ」とする青少年がそれぞれ六〇・五%、五九・五%だということが青少年の意識と行動に関する調査に出ております。犯罪であるにもかかわらず、消極的ではあっても容認するという青少年が結構いるということに改めて驚く思いがするわけであります。「自分とは関係ないから」とか、また「本人の自由やん」とかいう、そういう無関心な子供像が浮かびます。
ずっと以前になりますが、授業中、国語の本読みを指名され、大きな声できちっと読むと冷やかされたり、ワイシャツのすそをきちんとズボンの中に入れていると「ええ格好しいや」と言われる。そういった空気が学校のクラスにあり、決められたこと、正しいと思うことをしようとする気持ちにふたをしてしまうといった少年の主張を聞いたことがあります。すなわち、子供の中での正義感は「ええ格好しい」という言葉で封印されてしまっているのではないでしょうか。
また一方、親との関係も気になるところです。かつて親は、子供の世界から大人の世界への窓口でありました。親を含めた周りの大人から社会についてのさまざまなことを教えていただいた。親や周辺の大人は、子供たちにとって、よくも悪くも最も身近な大人像としてのモデルなのであります。ところが今、子供は親から一番よく言われることは勉強のことだと答えています。そんな中で、親にありのままの自分を出している高校生は、女子では約六割、男子では約四割であり、親のことを尊敬している高校生は男女とも四割前後しかないという実態もあります。勉強ばかり言う親に対して尊敬ができなくて心を開けない青少年像がここにもまた一つ見えてくるのではと、そう考えるのは私の思い込みなのでしょうか。
本県において、多岐にわたる青少年関係部局を一本化した青少年局を設置し、知事を本部長といたし青少年総合対策本部が設置されましたのは昭和三十九年でありました。県はそれ以来、青少年行政に精力的に取り組んでこられたことは理解をいたしますが、今日、青少年を取り巻く環境の変化やそれに伴う青少年の姿も随分変化してきたのも事実であります。子供の心が見えてこないとも言われています。したがいまして、こういった時代に対応する青少年行政とはいかにあるべきか。特効薬はないにしても、青少年をみんなで育てていくことが大人の宿題だと位置づけた青少年プランが昨年三月にまとめられ、行政による総合的なアクションプランが提案されました。その具現化のためどのような方法をとっているのでありましょうか。私の認識不足かもしれませんが、どうもいま一つ、青少年への働きかけが見えてまいりません。
そこで、環境生活部長にお答えいただきたく存じます。
私が小学生のころ、学校からの帰り道は、少し大げさな言い方かもしれませんが、小さな冒険への旅でありました。そして今、学校週五日制、ゆとりの時間の導入等々で、地域や学校が自然体験に取り組んでいるところが多くなりました。自然は子供たちの友であり、師でもあります。子供たちは自然と触れ合うことによって命の営みを知り、そのとうとさを学ぶものだと考えます。人はひとりぼっちでは生きていけない、支え合って生きているのだということも学びます。学校の教室では学び得ない豊かな経験をということで、教育委員会は学社連携をうたっていることもそういった観点からであるというふうに考えますが、そこに一つ、青少年の家というものの役割があるのではないでしょうか。カリキュラムに組み入れるなど、学校との連携は今日うまくいっているのでしょうか。各青少年の家はさまざまな工夫を凝らし、夏休みには「地球と語ろう」と題して環境についての学習やカヌー体験、地びき網体験等の学習の場を提供しています。青少年たちが楽しめるプログラムをいろいろと考えている各青少年の家に、もっと多くの人たちが参加してほしいものであります。このことについて、環境生活部長のお考えをお尋ねいたしたく存じます。
次に、青少年の提言による豊かなふるさとづくりという観点からお尋ねをいたします。
少年メッセージという事業があります。ここに参加する中学生たちは、家庭のこと、将来のこと、障害があろうとなかろうとともに生きていける地域のことなど、実にさまざまなことを真剣に考えています。意見を述べるということは自分の考えを持っているということであり、自分の考えを持っているということは真剣に物事を見、考えているということであります。そんな子供たちのことを思うとき、この和歌山も結構いいもんだななどと、うれしく思うものであります。
中学生たちの意見表明の場はこの少年メッセージでありますが、彼らが高校生世代になったとき、その意見をどう聞いていくのかが必要であります。高校生世代は、将来だけでなく今も地域の担い手であります。彼らが何を考え、何に悩み、自分の住んでいるところをどうしたいのか、その意見に私たち大人は耳を傾ける必要があるのではないでしょうか。その中で彼らもまた、地域社会の一員であることを再認識するかもしれません。例えば、教育委員会の協力を得ながら、仮称ではありますが、高校生百人委員会みたいなものを立ち上げ、また設置してはいただけないでしょうか。あわせて環境生活部長にお尋ねをいたします。
これで、青少年育成問題を終わります。
最後の質問となりましたが、土木部長にお尋ねをいたします。プレジャーボートを含む放置艇の現状と対策、今後の計画についてであります。
今議会中、議案第百四十二号、和歌山下津港本港区において新たに供用を開始する小型船舶係留施設の使用料の額を定めるとともに規定の整備を行うものとして条例案が上程されております。私はこれに賛同するものではありますが、幾つかの気になる点があり、質問させていただくものであります。
過去この問題に対しましては多くの先輩・同僚議員からも質問があり、また本年六月議会において江上議員から一般質問があったところであります。しかし、去る十一月二十八日付「朝日新聞」に、「和歌山港の遊漁船放置対策 整備中の「浮桟橋」(約二億円)収容七十四隻 ほど遠い抜本解決」という本県にとって余りありがたくない見出しのもと、「「放置艇」ただ今二千五百隻」との記事が掲載されておりました。この問題については、平成八年度に当時の建設省近畿地方建設局及び和歌山県により調査を実施し、その結果、県内のプレジャーボート保有隻数六千四百五十二隻のうち放置艇が五千四百十六隻を確認、放置艇割合八三・九%、また艇種別に見ますと六六%が七・五メーター以下の小型モーターボートとなっております。
その後、今日まで県も努力され、平成十一年十一月にプレジャーボート対策協議会を設置し、平成十三年六月に提言書であります「プレジャーボート対策の考え方」を示され、またこの間、国におきましても平成十二年度の港湾法改正により、各都道府県が車の駐車禁止に当たる係留禁止区域を設定できる条項が設けられました。しかし、残念ながら、本県を含めほとんどの県では今も実施されていないのが現状と聞いております。
ちなみに、県管理整備課は、規制する以上は取り締まらなければならないが、現状の体制ではとても追いつかず、まず放置艇を減らすことが先決との考え方を示されており、無料係留が当たり前との認識が根強い遊漁船のユーザーとの間にかなりの意識のずれがあるのを感じております。加えて、これら放置艇によって発生する問題といたし、洪水時河川の流水の阻害や利用者によるごみの投棄、係留場所近くの違法駐車や早朝エンジン作動音に対する苦情、加えましてボートの材質がFRPであることから、使われなくなった船の廃棄に係る環境への悪影響等、各地域社会で多くの問題を抱えており、そういう点において大変心配されるところであります。
今後、この問題解決についてどう進めていかれるのか。海洋立県・和歌山の確立に向け、また海洋性レクリエーション基地の整備に向け、今本県は大変重要な時期を迎えていると感じます。したがいまして、今回、和歌山市築港一丁目にできました浮き桟橋を含め、施設面での整備いわゆるハード面の問題と係留地域の指定、また適正な占有料の額、違法係留船へのペナルティーをも含んだ法整備いわゆるソフト面の充実の二面をきちんと詰めていかなければ問題解決には至らないと考えます。これらの点につき、土木部長の見解をお示しいただきたく存じます。
以上、少し長くなりましたが、私の一回目の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(宇治田栄蔵君) ただいまの山下直也君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事木村良樹君。
〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) ただいまの青少年問題、青少年の育成に対するご質問でございます。
先般、十一月に打田町で開かれました紀の国子どもフォーラム、これには私もシンポジウムのパネラーとして呼ばれて行きまして、県下の青少年の人と意見交換をしたんですけれども、実はこの人たちが、選ばれた人だからかもしれませんけれども、非常にしっかりした意見を持っており、そしてまたそれを正確に表現する能力を持っているということについて私は非常に感心もしましたし、そのことで、いろいろ青少年どうのこうのと言われているけど、まんざら捨てたもんでもないなというふうな安堵感を持ったのも私の感想でございます。
しかしながら、この青少年問題、非常に非行の問題とかいろんなことが社会問題化してきておりますし、それからまた、今の社会が非常に混迷してきているので、青少年が将来に向かって何となく自分の方針を持ちがたいというふうな時代になってきているということもこれ否めないことで、非常に難しい時代になってきているというふうに思っております。
そういうふうな中で、和歌山県では、一つは教育の問題で、これは教育委員会なんかを中心に非常に和歌山型の新しい教育制度というふうなものを生み出していっておりまして、これはやはり地域に合った教育と、やっぱり地方主権ということから、私はこの方向は非常にいいことだと思いますけれども、そういう形の中で青少年のよりよい姿というものを求めていくということもしているわけでございます。
しかしながら、今そういうふうな教育委員会で教育の問題、そして知事部局で青少年対策の課があるとか、それから学事課はまた別にあるとか、それぞれが別々にやっている。そしてまた補導とかそういうことに関しては県警がまた別にやると、こういうふうな形で、それぞれは非常に力を入れてやっているんだけれども、なかなか全体として和歌山県の青少年の人たちをこういうふうによくしていこうというふうな形の統一的な、プランはあっても仕事ということがなかなかしにくい面があるので、ちょっと今後はそういうところを考え方を変えて、本当の意味での連携をしながら、和歌山県の青少年育成がうまく進むように頑張っていきたい、このように思っています。
○議長(宇治田栄蔵君) 企画部長垣平高男君。
〔垣平高男君、登壇〕
○企画部長(垣平高男君) コスモパーク加太に係る県土地開発公社の借入金につきましては、償還期限が今年度末に参りますが、公社の厳しい経営の状況から一括返済は困難であり、金融機関に対し借りかえをお願いしているところでございます。
県としましても、公社の借入金返済の支援方策につきまして種々検討してきているところでありますが、構造改革に伴う国全体の金融を取り巻く諸情勢が大きく揺れ動いている状況にかんがみ、こうした情勢の動向も参考にしながら、金融機関に対し借りかえを要請するとともに、引き続き公社に対する支援策の検討を行ってまいります。
次に、国際的な視点に立った人権フォーラムを開催してはどうかというご質問でございます。
人権問題を考える際に、世界の潮流、国際的な視点を持つことは非常に重要なことであります。去る十一月九日、十日の両日にわたって開催しましたふれあい人権フェスタ二〇〇二におきましても、さまざまな人権にかかわるNPOを初め七十三もの団体等の参加をいただく中、紀北ユネスコ協会、国際理解研究会、在日本大韓民国民団和歌山県地方本部等、国際的な取り組みを行っている団体にもご協力をいただきました。このフェスティバルは本年度から新たに提唱した人権を考える強調月間のオープニングイベントとして、県人権啓発センターをコーディネート役に民間主導で開催し、大変盛況のうちに終えることができました。今後も各種民間団体とのネットワークをさらに拡大強化し、より多数の理解と関心をいただける県民主役のイベントとして支援をしてまいりたい。こうした中で、ご提案の国際的な視点も盛り込みながら、ぜひ充実させてまいりたいと考える次第でございます。
以上でございます。
○議長(宇治田栄蔵君) 環境生活部長秋月成夫君。
〔秋月成夫君、登壇〕
○環境生活部長(秋月成夫君) 青少年育成についての三点にお答えします。
青少年プランにつきましては、平成十三年度から五年間の指針として、大人の意識と行動改革、大人が変わり青少年を育てることに重点を置いたわかやま青少年プランを策定し、事業の推進に取り組んでございます。
本年度におきましては、地域ぐるみで青少年育成を図るため、新規事業として大人と青少年のディスカッションを初めとした実践事業や、大人から青少年に積極的に声をかけていくふれあい地域の声かけ運動を県内一斉に実施したほか、既存事業を含め県庁全体では三十の関係課室において計百六十四の施策を推進してございます。また、来年十一月には、海外からのパネリストを含め県内外から約六百名が参加する青少年健全育成中央フォーラムを和歌山市で開催する予定であり、多くの県民の皆さんに参加していただき、青少年健全育成の機運を盛り上げるとともに実践活動の促進につなげてまいりたいと考えてございます。今後とも、県教育委員会や警察本部ともさらなる連携を深め、プランに掲げた施策の推進に取り組んでまいります。
次に、青少年施設の活用についてでございますが、二十一世紀を迎え、学校完全週五日制や総合学習の導入により、子供の居場所づくりや体験学習の重要性が叫ばれている中、時代に対応した青少年の家のあり方が求められています。
現在、県と青少年の家を管理運営している青少年育成協会が一体となって今後のあり方を検討し、本年度より土曜日に施設を開放し、子供たちにクラフトや野外クッキングなどで利用いただいているほか、施設主催事業の充実、さらには学校との連携を深めるため指導員が学校に出向く出前講座なども行っているところでございます。今後とも学校や青少年団体との連携を図り、青少年の宿泊研修施設として、あるいは地域コミュニティーの中核施設として幅広く利用いただけるよう取り組んでまいります。
最後に、高校生百人委員会等についてでございますが、本年度に青少年を育てる地域づくり事業の一つとして県内各地で大人と高校生、中学生によるディスカッションを実施し、子供たちが今考えていること、大人に言いたいことなどをテーマに活発な討議がなされているところでございます。今後とも機会あるごとに大人が青少年の意見を聞く場を設けるとともに、高校生年代が積極的にボランティアや郷土文化の継承などの地域づくり事業にかかわれる施策の検討を行い、教育委員会や地域の指導者等と連携しながら、ふるさとづくりのための実践活動ができるように考えてまいりたいと思います。
以上です。
○議長(宇治田栄蔵君) 土木部長大山耕二君。
〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 放置艇対策に関するご質問でございますが、県全体の放置艇の約半数を占める和歌山下津港エリアを最重点地区として位置づけ、ハード対策については、平成十二年に実施した放置艇実態調査に基づき和歌山下津港エリアを三つのゾーンに分け収容可能な候補地を絞り込むなど、施設整備計画を立案しているところであります。今後は、これに基づいて施設整備を進めるとともに、ソフト対策として放置艇収容のルールづくりや係留禁止区域の指定といった規制措置について取り組んでまいります。
なお、これらの実施に向けては多くの関係者の理解と協力が必要なことから、プレジャーボート対策協議会を活用して合意形成を図ってまいります。
マリンリゾートを進める立場からも、放置艇対策を積極的に進めてまいります。
以上です。
○議長(宇治田栄蔵君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
二十番山下直也君。
○山下直也君 ただいま、知事初め担当部長さんよりそれぞれご答弁をいただきました。ありがとうございます。
一点だけ青少年問題について申し上げたいことがございますので、若干お聞きいただきたいと思います。
私はかつて二十七歳のときから四十歳まで十三年間、青年会議所活動に身を置いてまいりました。その関係から、当時、和歌山県青年団体連絡協議会、通称「和青連」と呼ばれておると思いますけれども、そこの方に出向していたころがございます。そのときのことなんですけれども、当時、和歌山市さんのご協力をいただいて、市立青年の家を無償で提供していただき、青年たちによる、自分たちで企画して立案して、参加者もすべて青年という形で朝まで討論会というのをやったことがあります。これは大体夜八時ぐらいから翌朝の五時、六時ぐらいまでやったと思うんですけれども、テーマを大きく三つぐらいに分けて、そしてそれぞれ、青年団活動でありますとか、青少年問題についていろいろと話し合ったということがございました。もちろん、意見の対立もそのときにはたくさんあったわけでございますけれども、時間も気にせずに、そしてお互い本音で語り合っていくという場がそこにはありました。そのときに私は、青年たちのそういう、何と言うんですか、熱い思いに対して、勇気というんですか、そういうものをいただいたんではなかったかなと、今ふと懐かしい思い出として残っております。
人生の先輩方のお知恵をかりながら、またご意見を賜りながら、ある意味で時代をつくっていくのは、これいつの世も青年の務めの一つではないかなと思うわけであります。その青年たちの熱い思いであるということをぜひわかっていただきたいなというふうに思うわけであります。青年たちのそのパワーといいますか、エネルギーを真っ正面から受けとめていくことが、すなわち将来の豊かなふるさとづくりというものにつながっていくんではないかなというふうに考えるわけでございます。
子供は国の宝でありますとか、また人づくりは国づくりだというふうに申されてまいりました。確かにそのとおりだというふうに思います。どうか、私のそういう意のあるところをお酌み取りいただいて、今後の青少年問題という大きなテーマでありますけれども、ぜひ今回提案させていただいたような機会を取り入れていただいて頑張っていただきたいというふうに思います。
以上、私の要望とさせていただきます。以上です。
○議長(宇治田栄蔵君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で山下直也君の質問が終了いたしました。