平成14年2月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(山下直也議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前十時三分開議
○議長(井出益弘君) これより本日の会議を開きます。
  【日程第一 議案第一号から議案第二十号まで、議案第二十三号から議案第六十五号まで、議案第六十七号から議案第八十八号まで、並びに報第一号】
  【日程第二 一般質問】
○議長(井出益弘君) 日程第一、議案第一号から議案第二十号まで、議案第二十三号から議案第六十五号まで、議案第六十七号から議案第八十八号まで、並びに知事専決処分報告報第一号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 二十番山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕(拍手)
○山下直也君 おはようございます。ただいま議長のお許しをいただきましたので、順次、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 今、日本の朝は和歌山から始まる──先日、私の東京の友人からそんな電話がかかってまいりました。ご存じ、NHK朝の連続テレビ小説「ほんまもん」のことでありました。久々に友と語らいながら何かうれしさを感じるとともに、本県熊野の持つ偉大さに敬服をした次第であります。その「ほんまもん」の舞台となっております本宮町を昨年十月二日、地元選出の小原委員長並びに私ども県議会総務委員会一行は県の防災ヘリコプター「きしゅう」に乗り込み、視察に訪れました。台風の後であったため途中土砂崩れを起こした場所、また河川の様子等も見ながら約三十分かけて白浜空港から熊野川の河川敷におり立つまでの間、初めて乗るヘリコプターにいささかの不安と緊張を感じながらも、空から見る本県の自然の豊かさとその大きさに感動すら覚え、改めて和歌山に暮らす一県民として本県を誇りに思い、何としてでもこのすばらしさを後世に残すべくこれからも努力をしなければ、そう心の中で誓ったものであります。
 その誇るべき本県の大切な平成十四年度当初予算が発表されました。昨日、自民党県議団吉井議員、共産党県議団村岡議員よりこの予算についてそれぞれ質問がありましたが、私なりの観点に立ち、この新年度予算について幾つかお尋ねをしてまいりたいと思います。
 知事は、去る二月二十二日、今議会の冒頭におき、和歌山から日本を変えるという高い志を持って改革の方針を進めると新年度の方針を力強く表明され、緑の雇用事業等、独自の政策提言を和歌山モデルとして積極的に発信していく姿勢を示されました。その姿勢のもと、平成十四年度当初予算編成に当たりましては、既存事業の見直しや全職員に対する給与カット等の行財政改革により財政の健全化を進めながら予算の重点配分を図るとともに百事業約二十八億円の新規事業を盛り込み、県民に夢と希望を与える県政を進めるため、一般会計総額で約五千五百十二億円を計上されております。
 私は、今回の予算編成については、俗に言う「緊縮型の予算」という見方ではなく、あえて言うならば「二十一世紀の新しい和歌山予算」、つまり積極型の予算を組んだのではないかと感じております。切り詰めるところは切り詰めるが、それはあくまでも県民が将来にわたって夢と希望を持てるようにと考えた結果であり、人間の体に例えるならば余分なぜい肉をそぎ落とし筋肉質の体型に、一見やせたように見えるが、むしろ健康で活力あふれる体に変えようとする体質改善型予算ではないかと評価をしているところでございますが、知事のお考えはいかがでしょうか。
 また一方、体質改善を行い、健康体を目指す過程においてさまざまな問題が山積していることも、また事実であります。歳入面を見ますと、県税収入が百十七億円の減、対前年度比マイナス一二・三%と極めて厳しい状況のもと、三年連続のマイナス予算とならざるを得ず、しかもなお八十一億円の財源不足を生じております。調整財源である財政調整基金及び県債管理基金の平成十四年度末残高の見込みは約二百五十一億円と底をつきかけており、依然として厳しい状況下にあると言わざるを得ません。
 そのような状況を見据えたとき、この先も体質改善が進み、本当の意味で健康体になっていけるのか、リバウンドによって再びぜい肉がついてしまうのではないか、あるいは栄養不足に陥ってしまうようなことはないのかなど、基金の問題も含め、大いに心配するところであります。この懸念に関し、今後の財政運営の見通しについて、あわせて知事のご所見を賜りたいと存じます。
 続きまして、総務部長にお尋ねをいたします。
 平成十二年度に作成された財政運営プログラムIIにおいては、平成十五年度までを財政健全化期間と位置づけ、収支不足を平成十五年度当初予算の段階で三十五億円まで改善するという計画が示されております。しかし、先ほど申しましたように税収の問題や基金残高の問題等不安材料を抱える中、平成十四年度当初予算編成に当たり、財政の健全化と積極的な施策展開という相反する命題の解決に向け、具体的にどのように取り組まれたのか。さらに、財政健全化期間の最終年度であります平成十五年度当初予算における収支見込みはいかがなものか、お教えをいただきたいと思います。
 また、財政運営プログラムIIの中には、健全化のための取り組みの一つとして「外郭団体の見直し」との事項がございますが、これとも関連いたし、本県の外郭団体についてお尋ねをいたします。
 現在、県が二五%以上の出資等を行い指導監督している団体は三十一団体とお聞きをいたしております。これは、全国都道府県中、奈良県と栃木県が二十七団体と一番少なく、次いで和歌山県と愛媛県が三十一団体ということであり、数の上では全国最少レベルにあると認識をしておりますが、金額について、これら外郭団体に対し、最近の実績で総額幾らぐらい出されているのか、また職員数について合計で何名おられるのか、お示しいただきたく存じます。
 また、県と密接な関係にある外郭団体中、いろいろな意味において一番大きいと思われます土地開発公社に関連をいたし、お尋ねをいたします。
 コスモパーク加太を初めとした未利用地を抱える県土地開発公社の問題は、今日の社会経済情勢の変化の中ではやむを得ない部分もあろうかとは思いますが、そうかといってこのままの状態が続けば、本県財政への圧迫の大きな一つの要因となるのみならず、県活性化を阻害する要因となるのではと、そう懸念をするものであります。
 過日、二月十九日に県未利用土地利活用方策検討委員会で提言書がまとめられ、県知事あて提出があった旨の報告をいただきました。その内容は、昨今の厳しい社会経済情勢の中、全国的に自治体及び公社等が借入金によって購入した未利用土地の利活用が重要な課題となっており、本県内においても企業局、土地開発公社及び住宅供給公社の保有する未利用地が合計二十二団地、面積にいたしまして約二百七十四ヘクタール、簿価額にして約八百九十三億円にも上り、その解消のため現下の市場動向を踏まえて柔軟に変更することを基本といたし、未成土地については穏やかな目標、ビジョンの設定、段階的活用方式の導入、また公共利用への一部転換等、公民連携方式の導入も考え、また完成土地につきましては用途変更、販売価格の再設定、リース方式の導入等を中心とした土地の付加価値増、開発リスク低減等、思い切った各種戦略をパッケージ化して提供することにより個々にプロジェクトの再生を図ることが必要と記され、加えて、長期的な整備となる場合の土地保有コストの削減方策や将来発生が予想される土地の売却損の解消方策の検討等が述べられております。
 未利用地の中でも特にコスモパーク加太は、公社の保有面積が約百七十二ヘクタール、簿価額にいたしまして五百三十八億六千七百万円という大変大きなものでございます。このコスモパーク加太についても、長期的視野に立ち、現在の市場動向や社会的ニーズに対応したプロジェクトに再生する必要があり、その再生への道しるべとして、コンセプトの再構築や部分的利用も念頭に置いた段階的活用方式への転換、また定借地権の活用等によるリース方式の導入、基盤整備への支援措置や公共利用への一部転換による公民連携の推進等を中心とした各種戦略パッケージを具体的に構築すべきなどの提言がなされておったわけでございます。
 ちなみに、コスモパーク加太の利用につきましては、これまで先輩・同僚議員からも多くの提案がなされ、私自身もナショナルトレーニングセンターの誘致やジャンクション、またインターチェンジ用地確保の必要性、人工スキー場の動向等、本会議の場で提案また質問をしてまいりました。これもひとえに、関西国際空港埋め立て用の土砂採取跡地を効果的に活用することが本県の発展活性化に大いに役立つと考えているからであります。
 知事は、さきの十二月議会において、佐田議員の質問に対し、コスモパーク加太の事業手法を見直し、多面的な思考で利用を考える必要がある旨、答弁をされました。それは、委員会の提言の社会経済情勢の変化の分析結果を見ても的を射たものでありますが、これからこのコスモパーク加太についてどう取り組まれるのか、県当局のご見解を改めてお伺いをいたします。
 また、土地開発公社そのものについても、委員会では事業内容や組織体制の思い切った見直しに取り組むべきであると提言されております。公社の事業については、今まで道路等の公有地の先行取得による公共事業の円滑な推進や土地造成による優良な住宅地の提供等に貢献してきた事実を忘れてはならないと思いますが、土地開発公社を取り巻く状況は、バブル崩壊後、激変をいたし、その状況は全国的にも問題となっており、土地開発公社そのもののあり方の議論が各地で行われておるわけでございます。
 そこで、土地開発公社の見直しにつきまして、この提言を受けた県として今後どのように取り組まれるおつもりなのか、企画部長にお伺いをいたしたいと思います。
 なお、私はこの問題に際し、企画部もしくは土地開発公社のみの対応ではなく、例えば知事がキャップとなり、そして各部が一体となって全庁的な組織をもっての取り組みがもう必要な時期に来ているのでは、そう考えます。そういった取り組みをこの際ぜひ県にご要望させていただき、この項の質問を終わりたいと思います。
 次に、福祉の雇用についてであります。なお、このことについては昨日村岡議員より質問があり、一部重複する部分がありますが、お許しをいただき、自分なりの視点に立って質問をさせていただきたいと思います。
 知事は、国に対して緑の雇用事業を提唱し、その発想と熱意により見事制度の創設を実現され、今議会におきましても十八事業、約十七億円余の予算を計上されております。私は、今回、質問の冒頭において熊野地方の自然に触れましたが、しかし、このすばらしい自然が時として本県の発展を阻害する要因の一つとしてとらえられてきたこともあったのではないか。そういう点から考えますと、緑の雇用事業はまさに逆転の発想によってマイナスをプラスに変えるものであり、なるほどそういう手もあったのかと感心するとともに、私なりにふと考えることがございました。
 少子高齢化が全国平均を上回るペースで進展する本県にとって、高齢者の方々がますます元気に、そして生きがいを持って暮らすことのできる地域社会づくりは喫緊の課題であります。同時に、それは単にお年寄りだけの問題ではなく、若者たち、子供たちを含めた社会全体の問題であります。高齢者人口の比率が高いということは、ともすればマイナス要因として語られがちでありますが、これをただマイナス面として考えるのではなく、緑の雇用事業のように逆転の発想に結びつけることはできないものだろうか、福祉の雇用という考え方もあるのではないだろうか、そう思うわけであります。
 以下、この福祉の雇用という考え方に沿って、次の三つの観点から質問をさせていただきます。一つ目は、福祉を産業として再評価するということはできないかということであります。二つ目は、高齢者の視点からの商品開発であり、三つ目として高齢者の元気という観点からであります。
 まず、産業として福祉の再評価についてであります。
 私ごとになりますが、昨年八月、母方の祖父が九十三歳で他界をいたし、続いて年末には妻の母親が病に倒れ、入院をいたしました。このとき家族総動員の介護の毎日が続き、その中で私は介護の大切さを実感し、介護サービスの必要性、介護に携わる方々のご苦労、そしてこんなにも多くの方が介護に従事されているということに改めて気がついたわけであります。
 現在、福祉の分野では多数の若い人たちが働いており、大きな雇用の場となっております。和歌山で生まれ、育ち、和歌山で働き続けたいという人々の思いを実現させる場となっていることは、事実であります。しかし、これまで福祉を一つの産業として見ることは、何か福祉の心、奉仕の心の冒涜のようにとらえられ、タブーのようでもありました。しかし福祉は、人々の生活を支えるすべとして極めて重要であるだけでなく、和歌山の経済を支える産業の一部分としても無視できないものがあると考えます。この福祉の雇用という考え方に対し、まずは知事のご所見を賜りたいと存じます。
 また、今年度、本県において介護サービスに従事する方は約九千人、そのうち約二千人は介護保険が始まってから生まれた雇用であり、介護保険の事業費総額は五百億円を超えると聞いております。介護だけとっても九千人の雇用を生み出す五百億円産業であり、茨城県の試算によれば、福祉事業の雇用創出効果は公共事業にまさるとも劣らぬものであるとされているやに聞いております。
 そこで、福祉保健部長にお尋ねをいたします。
 九千人も直接雇用を生んでいる介護保険でありますが、波及効果も含めた経済効果、雇用創出効果は一体どれぐらいになるとお考えになられますでしょうか。概算でも結構ですので、お教えください。
 また福祉事業も、税金等の交付金を使う以上、むだがあってはならないわけであります。さらに、産業の側面からも費用対効果を高めていく必要があります。介護サービスの質の向上という点についてどのようにお考えか、あわせてお尋ねをいたします。
 次に、二つ目の観点について申し上げます。
 少子高齢社会において忘れてならないのは、高齢者イコール要介護老人ではないということであります。私の周囲を見渡しましても元気なお年寄りが大勢いらっしゃいますし、お金もたくさん持っていらっしゃいます。しかしながら、このお年寄りたちにとって、お金を払ってでも受けたくなるようなサービスや買いたくなるような商品が余りにも少ないのではないでしょうか。
 東京の新宿にある京王デパートで、洋服コーナーに高齢者をターゲットにした売り場を設けたところ、かなりのにぎわいを見せていると聞き及んでおります。その理由は、四十歳代の比較的若い女性が着るようなデザインの洋服をゆったりしたサイズでつくったことにあるようでございます。高齢者の方もすてきな色やデザインの服を着たかったのに、そういったものが余りなかったのではないかと考えるところであります。企業が、高齢者が買いたくなるような洋服や電気器具等の商品を開発して、そしてそれを県内のみならずインターネット等を通じて全国に発売できたら、あるいは高齢者向けの観光等のサービスを充実することができたら、それこそ高齢化先進県たる和歌山県が高齢化を逆手にとって売り出せることになるのではないでしょうか。さらに、高齢者の方々の消費を高めることができれば景気浮揚の一助につながる可能性があると考えます。
 このような観点から、県といたしましても、各企業に対し、高齢者をターゲットにした商品やサービスの開発を強く働きかけるべきと考えますが、いかがでしょうか。商工労働部長にお伺いをいたします。
 三つ目は、高齢者の元気づくりという観点であります。
 だれしも、自分が必要とされていると思えることは本当にうれしいことであり、生きがいに結びつくものであります。さきに述べました産業としての福祉の再評価、高齢者向け商品の開発という側面からも、お年寄りが元気に活躍できる社会が必要であります。豊富な人生経験と知識を持つお年寄りは、まさに地域の宝、県の宝であり、この宝を生かさない手はありません。
 新年度予算案におきましても、シニアマイスター登録・活用事業といった新しい施策が盛り込まれておりますが、高齢者雇用というだけでなく、広く高齢者の知恵と知識を生かすという考え方が重要であります。この点に関して、県の取り組みについて福祉保健部長にお伺いをいたします。
 また、これに関連し、最近、高齢者の虐待という問題が浮かび上がってきております。この問題については、虐待する側の介護疲れということも大きな原因となっているように思われますが、子供にとっての児童虐待防止法、女性を中心としたDV防止法が立て続けに整備されたことと比較いたしますと、高齢者に対する虐待防止については法的手だてがないのが現状であります。「高齢者の元気」という観点からもこの問題は非常に切実な問題でありますので、県として今後どのような対策を考えておられるか、あわせてお答えを願います。
 何となく重苦しい、難しい問題が続いてしまいました。最後は明るく、すがすがしいスポーツの話題二つで私の質問を締めくくりたいと思います。
 開幕まであと八十五日となりました二〇〇二年FIFAワールドカップについてであります。
 本年五月三十一日、いよいよ開幕されるサッカーワールドカップの出場国でありますデンマーク代表チームの準備キャンプ地として本県が決定をいたし、これに伴い県キャンプ実行委員会が発足するなど、その準備が着々と進められております。そんな中、一月三十一日、デンマークコペンハーゲンのサッカー協会に向け、社団法人和歌山青年会議所──通称JCと申しますが──本年度理事長西平氏を含む五名のメンバーが地元の歓迎の気持ちを伝えようと渡航をいたしました。そして、デンマーク訪問の際、和歌山市内の幼稚園や少年サッカーチームの子供たちによりつくられた、赤に白の十字が入ったデンマーク国旗のデザインに仕上げられた千羽ヅルを寄贈いたし、その折りヅル一羽一羽に子供たちの歓迎の気持ちを書き込んだそうであります。また、この訪問団には、一九八九年度和歌山JC理事長を務め、日本青年会議所第四十五代の会頭であり、本県教育委員であります樫畑氏初め本県関係者も同行いたし、キャンプの具体的内容の詰めを行ったり、必勝祈願の八咫烏のお札を寄贈されたりしたとのことであります。そして昨年十二月、仮契約時に和歌山を訪問されたスティーン・ダラップ氏がその千羽ヅルを受け取り、「私たちは、勝てる環境を提供してくれる場所として和歌山を選びました。そのとき、地元の反響というものは余り意識していませんでしたが、今改めて和歌山の人々の温かい気持ちがよくわかり、大変うれしく思います」、そう笑顔で話されたそうであります。JCメンバーの一人は、「今回の渡航においてさまざまな出会いがあり、ワールドカップをきっかけにまた一つ新しいドラマが始まろうとしています」と語っておられました。この件に関し、JCのみならず諸団体並びに県民挙げて支援をされており、このことに対し大いに敬意を表するものでありますし、加えて今後開催まであとわずかの期間しかございませんが、県内においてこの輪が一層広がってくれるよう切に望むものであります。
 そこで、お尋ねをいたします。
 新年度予算中、ビッグスポーツイベント招致事業といたし六千万円が計上されておるところでございますが、今後の取り組みについて、またこれを契機といたし、大会終了後も本県とデンマークとの交流についてどうされていくおつもりなのか、県のお考えをお示しいただきたいと存じます。私のみならず、本議場におられます県下各JCのOBであられます谷議員、新島議員、神出議員も皆同じ気持ちであるというふうに拝察をいたします。
 次に、ジュニア駅伝についてであります。
 過日、二月十七日日曜日、第一回和歌山県市町村対抗ジュニア駅伝競走大会が和歌山市において開催されました。まず、当日大会を支えていただきました和歌山県警並びに和歌山陸上競技協会、また交通指導員協会等、その他ボランティアの方々のご協力に感謝を申し上げる次第であります。
 県下五十市町村代表の小中学生が寒さと雨の中、伝統ある町並みを縫い、海からの風を受け、ほっぺを真っ赤にしながら力いっぱいゴールのマリーナシティを目指し駆け抜けていくその姿に感動を覚えたのは、私だけではなかったと思うのであります。感動は人の心を動かし、子供たちから改めて何か大切なものを教えていただいた、そんな気持ちになりました。
 知事は、表彰式において「来年も」とおっしゃいましたし、事実、第二回ジュニア駅伝ということで二百万円の予算が計上されております。何とぞこの大会が毎年続いていきますよう、この場よりお願いをいたすものであります。
 また、子供たちが順位に関係なく、一本のたすきをバトンタッチしながら懸命に走り続けたこの大会。それだけに、最終走者が走るコース設定に工夫が必要であったのではないか、そう感じました。次回からはこの点に留意され、走者と応援者が一体となった感動が得られますよう、そんなコース設定をしてあげてくださいますよう、要望をいたします。
 以上、大きく四点にわたり質問をしてまいりました。何とぞ県当局におかれましては意のあるところをお酌み取りいただき、誠意あるご答弁をお願いいたし、私の質問を終了させていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。
○議長(井出益弘君) ただいまの山下直也君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) ただいまの山下議員のご質問にお答えいたします。
 朝の連続ドラマの「ほんまもん」ですけれども、けさのを見ていましたら、和歌山の熊野では受けなかったけれども、大根の料理のフルコースが大阪では非常に受けたということがあります。こういうふうに、私は、和歌山県というのはほんまもんを全国へアピールしていけば、これからますます発展していくことが可能なんだなと自信を深め、そういう方向に向かっていろいろな県政を進めていかないといかんなということを朝から思ったところでございます。
 そういう中で来年度の予算でございますけれども、今、議員のご質問の中にもありましたように、財政再建ということと和歌山県に元気をつけるということと両方が違う方向を向いたベクトルを一つにしていかなければならないという非常に難しい作業を強いられたわけでございますけれども、これは一つにはすべての事業──今まで当たり前だと思っていた事業を全部見直すことによって財源をつくり出す。そして、厳しいことでしたけれども、給与のカット等によって財源を見出すと。こういうふうなことでお金をつくり出して、そのお金で百と言っておりますけれども、緑の雇用事業もそうなんですが、いろいろ和歌山の独創性あふれる事業に予算を振り向けることができたというふうに考えているところでございます。
 例えば、ドクターヘリといって、お医者さんにヘリコプターに乗ってもらって中山間へも行ってもらって人の命を救うとかいうふうな仕組み、そしてまた、観光も和歌山の大事な産業なんですけれども、体験型ということで、単なるスポット的な観光地だけじゃなくて、和歌山県全体が観光としての資源になっていくような仕組みとかいうふうなもの、いろんなことをその予算の中に取り入れていく。そういう意味では、ご質問にもありました、筋肉質の予算になったというふうに自負しているところでございます。
 しかしながら、今後ますます地方行財政が厳しい状況、大変革の時代に向かってくると考えておりますので、今予算化したいろんな事業をどういうふうに──本当に和歌山のために血となり肉となるように進めていくかということを研究していくとともに、さらには引き続き不断に見直しを行う。例えば百の事業というのをことし予算化して議会にお諮りしているわけでございますけれども、こういう事業の中でも役に立たなかった、余りよくなかったというものがあれば、当然のことながらすぐに見直していく。こういうふうな不断の見直しの中で勢いある県政をつくっていくことが必要であろうと思っているところでございます。
 それから、福祉の雇用についてのご質問でございます。
 これについては、私に対するご質問でない部分についても大いに参考になり、力を得たところがございます。
 まず一つ、福祉を産業面から見ていくということでございます。
 これは、今までの考え方からすると、福祉を商売の種にするということについては非常に抵抗が多かったことも、これは事実でございます。しかしながら、やはり経済原則に合った形でなければうまい福祉とか介護とかいうことがなかなか進んでこないということも、これまた事実であろうと思っておりますので、県とか市町村が十分考えていきながら、本当にお年寄りに質の高い、そして経済原則にも合い、和歌山県の若い人たちの雇用の場にもつながるというふうな形での福祉産業というものを目指していく必要が大いにあると考えております。
 それから、高齢者向きの商品開発ということですけれども、今、贈与税を下げたらいいとかいうようなことが大いに言われています。贈与税を下げるのもいいんだけれども、まずはお年寄りが買いたいものを開発したら──お年寄りが一番お金を持たれているけれども余り使わないということが今のデフレの一つの原因にはなっているわけですので、そういうふうな発想、そしてそれをまた和歌山県から発していくという考え方というのは、私は物すごく大事なことだろうと思っております。
 それから、高齢者の元気づくりということ。白浜に「あぜみち」という、農家の女性の方々がいろんなものを持ち寄って売っている店があるんですけれども、これなども大変な繁盛ぶりです。そして、これは別にお金のことじゃなくて、そういう品物をつくっているお年寄りの方とかが朝の四時から起きて品物をつくるという過程で非常に元気が出ているということがあると聞いております。これから、和歌山県でこういうふうな面でのお年寄りの元気づくりということも積極的に進めていきたい。これは私に対する質問じゃございませんので、ちょっと蛇足でございますけれども、考えさせられたところでございます。
 以上でございます。
○議長(井出益弘君) 総務部長稲山博司君。
  〔稲山博司君、登壇〕
○総務部長(稲山博司君) 財政運営に関するご質問にお答えを申し上げます。
 まず初めに財政健全化に向けた取り組みについてでございますが、平成十四年度の当初予算の編成に当たりましては、財政運営プログラムに基づき、収支不均衡の改善による財政健全化を推進するため、人件費の抑制あるいは既存事業の徹底した見直しによって歳出の削減に努めたところでございます。
 人件費につきましては、職員定数の削減に努めますとともに、今年度より実施しております給与カットの対象を全職員に拡大することによりその縮減を図ったところでございます。
 また既存事業につきましても、予算査定等を通じまして、それぞれの事業に対して所期の目的の達成状況あるいは費用対効果等について徹底した見直しに取り組みました。特に県単独補助金では、総額で約四十四億円の縮減を図るなど、思い切った事業費の削減に努めたところでございます。この結果、税収が大きく落ち込む見通しの中で、収支の不均衡額を前年度に比べまして十二億円縮減することができました。財政健全化に向け、着実に前進することができたものと考えております。
 次に平成十五年度に向けての収支の見通しについてでございますが、現下の我が国の経済状況あるいは本県の財政状況、さらには国で検討されている地方財政制度改革の動向などを踏まえますと、平成十五年度の当初予算における収支につきましても一段と厳しい状況が予想されるところでございまして、収支不均衡の改善に一層取り組んでいくことが肝要であると考えております。
 最後に、お尋ねの三十一の外郭団体の職員数及び団体への県からの支出の状況についてでございますが、職員数としては平成十三年七月現在で、全体で八百三名という状況でございます。また、県からの支出につきましては、これは施設の管理委託などさまざまな業務の委託などを実施しておりまして、十二年度の決算で見ますと、委託料、貸付金などすべて合わせまして総額で約百億円といった状況でございます。
○議長(井出益弘君) 企画部長垣平高男君。
  〔垣平高男君、登壇〕
○企画部長(垣平高男君) まず、コスモパーク加太の今後の取り組みについてお答えを申し上げます。
 コスモパーク加太につきましては、県未利用土地利活用方策検討委員会の報告書の中でも、長期的視野に立ち、市場動向や社会的ニーズに対応したプロジェクト再生の必要性ということが提言されたところでございます。
 議員ご指摘のとおり、社会経済情勢が急激に変化する中で、土地価格の下落ですとか土地所有に対する意識の変化等、コスモパーク加太を取り巻く環境は大変厳しいものがございます。これら状況の変化を受けまして、コスモパーク加太の事業手法を従来の一括整備から段階的活用方式に転換することとし、具体的にはリース方式の導入ですとか分割販売等、企業からの要望にこたえられる条件整備を初め、企業が進出しやすい状況づくりの検討を進めてまいります。
 また、このような事業手法の転換に伴い、長期にわたる整備を円滑に推進する観点から、金融機関等関係機関とも協議しながら、金利コストなど土地保有コストの低減方策など、将来にわたる諸課題についても検討してまいります。
 あわせて、コスモパーク加太を国内外に積極的にPRし、その利活用を強力に推進してまいりたいと考えてございます。
 次に土地開発公社の見直しに伴う県の見解についてでございますが、土地開発公社の見直しにつきましては、昨年十二月に土地開発公社において当面のスリム化方針を策定したところでございます。その内容は、第一点、新規のプロパー事業については当面その規模にかかわらず凍結する、第二点、現在の保有土地については完成、未成を問わず早期売却に努める、第三点、県内各地での県の用地交渉業務の円滑な推進に資する観点からあっせん事業の確保に努める、第四点、事業内容の見直しに伴い組織機構等を縮小し、必要最小限の体制とするといったものでございます。これらの方針に基づき、県土地開発公社としましては、来年度から業務を従来のプロパー事業から公有地取得に係るあっせん事業中心にシフトすることとしてございます。県といたしましても、議員ご提言も踏まえ、土地開発公社の位置づけ、あり方について抜本的な検討を進めるとともに、当面の経営スリム化方針の実現に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(井出益弘君) 福祉保健部長白井保世君。
  〔白井保世君、登壇〕
○福祉保健部長(白井保世君) 福祉の雇用につきましては、先ほど知事からもお答えがございましたが、私からは、まず介護サービスについてお答えを申し上げます。
 介護サービスの経済効果、雇用創出効果についてでございますが、現在、五百二十億の事業費で九千人の雇用がございます。保健医療福祉サービスの場合に、波及増分も含めまして投入した費用の約二倍の雇用創出効果があると言われてございます。あくまで概算でございますが、全体としましては一万八千人程度の雇用を生んでいるものと考えてございます。
 次に介護サービスの質の向上についてでございますが、県といたしましては介護保険の最大の課題の一つと認識しております。県民の皆さんがだれもが安心して良質なサービスを受けられるようにすることが大変重要であると考えてございます。特に平成十四年度におきましては、介護保険制度の中核であります介護支援専門員の資質の向上や活動支援を図るために新たにケアマネジメントリーダーの養成、相談窓口の設置、専門研修を行うとともに、より質の高いケアを実現するために重要な医療と介護の連携を推進してまいりたいと考えてございます。また訪問介護員等に対しましては、テーマ別の技術向上研修や痴呆介護技術の向上を図るための痴呆介護実務者研修の充実等、介護現場の状況とニーズに応じた研修を実施してまいります。
 このほかに、グループホームにつきましては、今年度は自己評価を実施しておりますが、来年度からは第三者評価を実施することとしてございます。
 今後とも、利用者の皆さんに満足していただける、よりよい介護サービスの提供に向けて取り組んでまいります。
 次に、高齢者の元気づくりについてお答えをいたします。
 高齢者の豊富な人生経験、知恵、知識を地域の活動に生かしていただくことは、高齢者と地域社会の双方にとって大変重要なことでございます。このため、十四年度新規事業といたしまして、長い人生経験から培い、秀でた知識、技能、生活の知恵、伝統芸能を持っておられる高齢者の方をシニアマイスターとして認定し、登録をしていただき、例えば農山村地域での都市住民との交流事業、地域の祭り等の伝統行事の指導、伝承など、実際に活動していただくシニアマイスター登録・活用事業を計画してございます。高齢者の知識、技能等を地域社会へ貢献していただくことにより、高齢者自身の生きがいづくりになるだけでなく、新しい元気な高齢者像を示すこともできると考えてございます。
 また、高齢者の虐待についてでございますが、これは、一般的には介護する側のストレスや閉鎖的な人間関係による介護疲れが大きな要因で、多くは家庭内で起こり、外に出てきにくい面がございます。県としましては、まず生きがい活動や高齢者の行き場づくりなど介護予防を推進することにより、高齢者自身が元気なうちから地域とかかわりを持てるようにすることが重要と考えてございます。仮に介護を要する状態になったといたしましても、早い段階からサービスをご利用いただくことが介護疲れの予防に有効であると考えてございます。
 いずれにいたしましても、高齢者が地域と積極的にかかわりを持って暮らし、和歌山で生まれ、育ち、長生きして本当によかったと思えるような元気高齢者創造支援施策の積極的な推進を図ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(井出益弘君) 商工労働部長内田安生君。
  〔内田安生君、登壇〕
○商工労働部長(内田安生君) 高齢者向きの商品開発についてでございます。
 高齢化社会の進展する中での商品開発につきましては、福祉、ユニバーサルデザイン、健康といった社会ニーズに対応した視点が重要になってまいります。また、県が作成する産地の集積活性化計画の中でも、産地内企業の目指すべき方向の柱の一つとして位置づけているところでございます。
 具体的な取り組みといたしましては、高齢者の方々が使いやすいコップや皿などの食器類の開発や繊維素材を活用したユニバーサルデザインの商品開発に積極的な産地組合や企業もあり、そのような活動に対する支援を行ってございます。
 議員ご指摘のとおり、高齢者の方々をターゲットにした商品やサービスは今後さらに有望なビジネスになると考えられ、産地組合等が取り組む新事業の展開や新分野への進出、また観光面においても本県の魅力ある地域資源を活用した高齢者の誘客活動などを積極的にバックアップしてまいります。
○議長(井出益弘君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) ワールドカップサッカーのキャンプについてお答えいたします。
 まず、キャンプ開始までの取り組みについてでありますが、現在行っておりますボランティアの募集を初め、デンマークを紹介する講演会の開催、さらにデンマーク代表チームのOBによって構成されているシニアチームを招いての親善試合やサッカースクール等の開催を予定しております。
 また、キャンプの期間中には公開練習を実施していただくとともに、ワールドカップで日本と対戦するチュニジアとの試合がこのほど決定したところであり、県サッカー協会や青年会議所など関係団体と協力して準備を進めております。
 次に、今後のデンマークとの交流については、このキャンプをきっかけにしてスポーツ、文化など幅広い分野で交流が図れるよう、関係団体等とその方策について現在検討を行っているところでございます。
○議長(井出益弘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(井出益弘君) 以上で、山下直也君の質問が終了いたしました。

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