平成13年12月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(阪部菊雄議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 四十番阪部菊雄君。
  〔阪部菊雄君、登壇〕(拍手)
○阪部菊雄君 議長のお許しを得ましたので、本年度最終の一般質問をいたします。
 私は、当選以来、毎年九月定例議会で質問をいたしてまいりました。しかし、平成九年以来四カ年、この壇上には立ちませんでした。それは、副議長、議長にご選任いただいていたからであります。今回は、通算十一回目であります。
 さて、二十一世紀、平成十三年は、世界にも日本にも新しい平和の道と大不況からの脱却に向かって明るい希望に満ちた世紀の幕あけであると、だれもが大いなる期待をしておりましたが、見るも聞くも無残な年となりました。今月の十一日は、アメリカ・ニューヨークの世界貿易センタービルに、突如民間飛行機がハイジャックされ、その二機が突進・爆破して無残にも三千五十二名のとうとい人命を一瞬にして消滅させ、ペンタゴンに一機が突入した日から三カ月がたちました。世界じゅうを震撼せしめたテロリスト、アフガニスタンのタリバーン勢力の最高指導者オマール師とその首謀者オサマ・ビンラディンによる恐怖のテロ集団は追撃され、近い将来、壊滅の運命をたどることでありましょう。
 去る十二月の七日、産経新聞の一面に私ども日本人にとって大変耳の痛いことが記載されておりましたので、読ませていただきたいと思います。
 「平和は絶対の善で、戦争は完全な悪というのが戦後の日本人の理念だった。しかし異なった風土文化の人間が、それと同じ考え方であるとは限らない。自爆テロで相手を殺し、自分もまた死ぬことを崇高な理想、無上の快楽と考える人たちもいる。 歴史的、宗教的風土が異なるイスラエルとパレスチナの間の戦火は広がるばかりである。(中略)ようするにこの地球には戦火が絶えたことはない。人間はなぜ戦争をするのだろう。十七世紀英国の政治思想家ホッブズは「戦争は人間にとって本性的なものである」(中略)誤解を恐れずいえば、それが霊長類ヒト科の生態である。平和ではなく戦争が地球の常態なのである。そう割り切って、さめた目でものを見た方がいい。ただ反戦平和を念仏のように唱え、「ここは話し合いを」などと呼びかけるのは偽善でしかない。その空論の典型が日本国憲法の前文にある「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して…」というくだりだろう。いとしい家族を、自分たちの国を、その大切な歴史を守るためには、他国民と空論に頼っているわけにはいかないのだ。」、まことに的を射た考えだと思います。
 さて、本論を申し上げます。小泉内閣の聖域なき構造改革の進める中、狂牛病の発生、かつて経験したことのない大不況で大小企業の倒産続出、リストラによる失業者の増加率は戦後最悪の五・七%以上となるであろう最悪の危機に直面いたしております。しかし、明るいニュースとして、皇太子と雅子様にすばらしい愛子様がご誕生あそばされ、国民ひとしくご慶祝申し上げているところであります。私も心からお祝いを申し上げたいと存じます。
 さて、木村知事、あなたは誕生以来約一年以上になりました。国・地方財政まさに大ピンチでありますが、知事が推進される改革等について私も協力を惜しまないところであります。しかし、国の構造改革の中で本県は全国的にも極めて発展がおくれておりますが、現在継続中の事業が中止または中断されることはありませんか。特に、橋本・伊都地方における土木行政について、土木部長にお伺い申し上げます。
 一つ目、府県間道路国道三百七十一号の現状と今後の見通しについて。二点目、国道三百七十一号橋本市市脇─清水間架橋の現状と今後の見通しについて。三つ目、県道花園美里線地蔵トンネルの現状と今後の見通しについて。以上、所定の計画どおり進行するのでしょうか。
 次に、二点ばかり要望がございます。
 本県は国土軸から離れているため国土軸と直結する高規格幹線道路の整備が必要不可欠であり、県勢発展のため最重要課題であります。中でも紀北地域、和泉山脈の山すそを通過し、和歌山市、奈良、京都を結ぶ京奈和自動車道の整備は、地域の発展のみならず、国道二十四号線の渋滞緩和という観点からも地域住民が待ち望んでいるところであります。国土交通省において、国道二十四号の渋滞が特に多い区間として最初に事業化されたのは橋本道路であります。この橋本道路について、既に一部の区間において工事が着手されており、用地取得もかなり進んでいるようでありますが、当局におかれては今後も早期供用が図られるよう国土交通省に強く働きかけていただきますよう要望いたします。
 また、府県間国道四百八十号平道路及び梨ノ木バイパスについては、門議員より質問がありましたので、これが強力に推進方を要望いたします。
 次に、農林水産部長にお伺い申し上げます。細川内閣時代に私が強く要望し実現いたしました、現在進行中のふるさと農道緊急整備事業、上中・慈尊院地区についてであります。
 この緊急整備事業は、今は故人となられた仮谷知事と当時の野見農林水産部長が、私の一般質問による提案によって平成六年度に平成七年度からの新規事業として予算計上され、見事に実現させていただいた事業であります。また、岸本光造先生が初当選のときに懸命にご努力いただいた地方単独事業であります。紀の川地区広域農道から上中・下中工区の道路の進捗状況と、大野・慈尊院工区の紀の川にかかる橋梁の完了予定についてご説明をお願いいたします。
 さて、ことしも間もなく終わり、新しい年を迎えます。本県は交通違反・死亡事故は全国的にも多いと言われております。そこで、警察本部長にお伺いいたします。
 先般、県警交通部の発表によりますと、飲酒運転が多いとのことであります。地域的にどの地方や町村が多いのでしょう。また、シートベルトの着用も全国的に近畿地方が悪く、特に本県は二府四県の中でもよい方ではないと指摘されております。年末、何かと酒やビールを飲む機会が多いと思います。一層の取り締まりと街頭指導をお願いする次第であります。「飲んだら乗るな、飲むなら乗るな」であります。県職員、県会議員の皆さん、この六月、道交法が改正され、罰則が強化され、続いて刑法も改正され、飲酒運転の中の酒酔い運転による死亡事故は一年以上十五年以下の懲役となり、罰則が最大三倍に引き上げられました。警察本部長より詳細なご説明をお願い申し上げます。
 なお、二年前、飲酒運転で検挙された定年退職間際の地方公務員が懲戒免職となり、二千五百万円近い退職金がふいになった事例もございます。お互いに遵法精神を発揮いたすことをお誓いしようではありませんか。
 それでは、喫煙対策について発言いたしたいと思います。
 先進諸国の中で特に取り組みがおくれていると言われているのが、喫煙対策であります。この問題については、野見山議員も平成四年と平成十年に定例会で質問されておりますが、その後、国においては二十一世紀における国民健康づくり運動、いわゆる健康日本二十一が策定され、病気の予防という観点からたばこ対策の重要性が改めて確認されたことから、その後の取り組みについて質問をさせていただきます。
 たばこの問題は、喫煙者の多い日本ではこれまでともすれば重要な問題とは考えられず、そのため、対策も全くと言っていいほどありませんでした。しかし、健康日本二十一では、たばこは肺がんを初め、喉頭がん、口腔・咽頭がん、食道がん、胃がん、膀胱がんなど多くのがんや虚血性心疾患、脳血管疾患、慢性閉塞性肺疾患、歯周疾患など、多くの疾患、低出生体重児や流産、早産など妊娠に関連した異常の危険因子であると明言されております。
 また、世界保健機関の報告によれば、一九九八年の世界における死亡者の数のうち四百万人がたばこに原因があるものと推定され、その数は二〇三〇年に一千万に上ると予測されております。日本では、その数が一九九五年では九万五千人であり、全死亡者の一二%を占めているとされています。これは、実に交通事故死亡者の十倍になります。さらに、肺がんによる死亡が全国的に急増していますが、本県は男性の肺がんの死亡率が何と全国ワースト三位であることをどれだけの方がご存じでありましょうか。さらに、平均寿命も全国最低レベルであります。これらの原因のすべてがたばこであるとは申しませんが、例えば肺がんではその七割以上がたばこが原因であると言われていることからすれば、県行政としても積極的な喫煙対策が必要ではないでしょうか。
 福祉保健部では、県民の健康を守る立場から未成年者の喫煙対策やたばこを吸わない人の保護、たばこをやめたい人の禁煙支援について、和歌山県たばこ対策指針を策定し、私も読ませていただきましたが、その積極的な内容は、たばこを吸う人には少々煙たい内容かもしれませんが、健康にまさるものはなく、大いに評価すべきものであり、今後の指針実現化に期待をするものであります。ただ、県行政全体にしても、県民の健康を守る立場からさらに各方面の積極的な喫煙対策を推進する必要があると考えますが、まず知事の喫煙対策に対する基本的認識をお尋ねいたします。
 次に、県庁内の喫煙対策でありますが、既に幾つかの課室においては禁煙が実施されており、福祉保健部では、保健所なども含め、部内の全執務室内を禁煙にするなどの取り組みがなされておりますが、まだまだ全庁的な取り組みについては、どうも熱意が感じられません。他人の煙に悩まされ、頭痛や吐き気、職員がその能力を十分発揮できないとしたら、県勢の発展にも影響するでしょう。また、たばこを吸う本人の健康にもよくないでしょう。
 総務部長、幹部職員に喫煙者が極めて多いと感じますが、そのことは庁内の喫煙対策への取り組みを阻んでいるのではありませんか。他人のたばこの煙を吸わされる、いわゆる受動喫煙については、健康日本二十一でも受動喫煙も肺がんや虚血性心疾患、呼吸器疾患、乳幼児突然死症候群などの危険因子であると明記されています。
 県庁というのは県民の模範であり、県庁で喫煙対策が進まないと民間の職場でもなかなか対策が進まないと考えられます。大体、公務員たる者がこの時代に嗜好品と言われるたばこを吸いながら仕事をするなどというのは、私には性根が入ってないと思えてなりません。私ごとを言わせてもらえば、十四年前、それまで私も四十本吸っていたたばこをぴったりやめました。禁煙は、やる気があればやめられます。ニコチン中毒がきつくてやめられない人は、今、医療機関ではニコチンパッチを処方してもらう方法もあると言っております。公務員には職務専念義務というものがあることをよくお考えいただきたいと存じます。
 そこで、この際、一定の準備期間を置いて、例えば来年の三月一日から県庁内は全面禁煙するというぐらいのお考えはないか、総務部長にお尋ねいたします。県民の模範たる県庁職員が模範を示すことで、ひいては県民全体の健康増進にも大いに役立ち、いつの日か平均寿命も最下位クラスからトップランナーになると私は信じますので、どうか真摯なお答えをお願いいたします。
 次に、未成年者の喫煙対策についてであります。
 たばこの問題で、特に今早急に取り組まなければならないのは未成年者の喫煙問題ではないでしょうか。高校三年生では、毎日喫煙する、すなわち常習化している者が男子で四人に一人以上という全国調査もございます。平成九年の「厚生白書」でも、「青少年期に喫煙を開始すると、成人後に喫煙を開始した場合に比べてがんや心臓病などの危険性がより高くなる。そのうち、肺がんでは、二十歳未満で喫煙を開始した場合の死亡率は非喫煙者と比べて五・七倍となっている」と明記されております。また、未成年者の喫煙は他の薬物の入り口でもあると言われております。
 こういったことから、県教育委員会は先月二十日、来年度からすべての公立学校をノースモーキングエリアにする決定をいたしました。たばこは、大人にも健康上よくないのに、たばこ臭いにおいをさせながら生徒に禁煙指導するのでは全く説得力がないことは自明の理であります。学校の禁煙は本来当然のことだと思うのでありますが、学校単位での取り組みを除いては恐らく全国初で、和歌山県教育委員会の英断を高く評価いたしたいと思います。教育長、高く評価いたしております。
 また、たばこの自動販売機もどんどんふえ、今や六十二万台を超えているそうです。平成元年度以降、管理監督できない場所には許可がおりないそうですが、ご承知のように、管理監督しているような自販機を探す方が難しいのが現実であります。制服姿の高校生が自動販売機からたばこを購入し、自転車に乗りながら堂々と吸っている姿は、もはや珍しいものではなくなりました。将来の日本を担う青少年の将来の健康が確実に脅かされているのであります。
 たばこ屋さんというのは、もともと対面販売で売っておりました。昔は、電話を借りたり、今で言うコンビニであって、地域に最も親しまれた店であったように思います。いつの間にやら、たばこ屋さんとは名ばかりで、もっぱら自動販売機にたばこの販売を任せ、この国は未成年者でもたばこを自由に買える国になってしまいました。本当にこんな状況でいいのでしょうか。この危機的な状況を的確に認識し早急に効果的な未成年者の喫煙対策をとらないと、取り返しのつかないことになるでしょう。というのは、肺がんは発生するまで三十年ほどかかる、言いかえれば今早急な対策をとるかが将来の和歌山県民の健康を左右するのです。戦後、たばこの消費量が急増し、おくれて肺がん患者もそれに増して急増していることからも明らかであります。
 青森県の深浦町では、たばこなど未成年者に有害なものを扱う自動販売機の屋外での設置を規制する条例ができましたが、これほど未成年者の喫煙が顕著になり、違法行為を助長するたばこの自動販売機の設置には県でも何らかの規制が必要ではないかと考えます。もしそれが無理なら、たばこの自動販売機の設置者にたばこ自動販売機設置税をかけ、取り締まりの費用に充てることも考えてみてはどうかと思いますが、当局のお考えをお聞かせいただきたい。
 次いで、学校禁煙化について教育長にお尋ねいたします。
 まず、新聞報道で大きく取り上げられ、学校の禁煙化についてご尽力を賜ったことは心から敬意を表したいと存じます。新聞報道では、未成年者の喫煙問題について理解の足りない教師もいるようですが、学校というところは児童生徒のためにある場所ということからすれば、その深刻な未成年者の喫煙をなくするため、できることは精いっぱいやってもらいたいと存じます。一部の愛煙家のために学校はあるのではないということを私も強調いたしたいと思います。教育長には、今後、四月一日の学校禁煙化実施に向かってのプログラムについてお伺いいたしたいと思います。
 続きまして、警察本部長にお尋ねいたします。
 未成年者禁煙禁止法ができて百年が過ぎます。この法律は、未成年者の喫煙を禁止するとともに、未成年者がたばこを吸うことを知りながら販売した業者や、未成年の子がたばこを吸うのをやめなかったときに親権者を罰する法律です。昨年末にこの未成年者喫煙禁止法が改正・強化されましたが、この法律による最近の検挙件数があったら教えていただきたいと思います。
 また、たばこを吸う未成年者の約七割が自動販売機からたばこを買っているという調査結果もありますが、未成年者が自動販売機からたばこを買ってもそれは機械が売ったので自動販売機の設置者は罪にならないというのでは、未成年者喫煙禁止法は有名無実になってしまいます。未成年者も自由に購入できるような場所に自動販売機を設置し、監視・監督をしないで未成年者が現実にそこから買えばそれは違法であり、その設置者は処罰されるということは警察当局としても明確にするとともに厳格な運用をすべきであると考えますが、いかがお考えでしょうか。日本の未来を担う青少年のことを念頭に置き、たばこの自動販売機対策を真剣に考えた具体策を警察本部長からご答弁願います。
 健康第一、健康にまさるものはないと言われ、県民は健康ということにとても関心を持っております。県民の危機的な健康状況をもっと深く認識し、たばこぐらいというのではなく、県民の健康を守るという観点からご答弁をお願いいたします。
 なお、このように、たばこの質問をすると県や市町村の税収が減るのではないかと心配されるかもしれませんが、専門家の試算によると、たばこによるコストが税収や雇用の経済効果を上回る、すなわち、たばこをやめた方が経済的にもプラスであるというデータもあることをつけ加えさせていただきます。
 これは、最後の要望、お願いでございます。
 その一つは、議長並びに議員の皆さんに対してであります。それは、定例会会期中の各委員会におきまして、わずか二時間でございますので、禁煙にしてはいかがでしょうか。当局側は、禁煙をいたしております。今、私たちは本会議中の二時間はだれも、禁煙中であることは事実であります。万一、喫煙の必要ある議員は外の喫煙コーナーでご自由に存分に吸っていただきたいと思います。
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━第一回目の質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。
○議長(井出益弘君) ただいまの阪部菊雄君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) ただいま喫煙に対するご質問がございました。たばこにつきましては、先ほどもお話にありましたけれども、これが貴重な税源になっているということから内心じくじたる面はあるわけでございますけれども、ご質問の中にもありましたように、世界的に喫煙と健康の関係を問題にすることが多くなっておりまして、公共的な場所でも禁煙が広がっていることがございます。そしてまた、肺がんの死亡率が和歌山県は高い、そして平均寿命が──割とお年寄りの方が多いと思うんですけれども──統計的に見ると最下位クラスと、こういうふうなことを考えますと、やはりこの問題に関して私といたしましても無関心でいるわけにはまいりません。
 そういうふうな中で、ことしの三月に県としてもたばこ対策指針を決めました。それを受けて新年度から、教育委員会の方で公立学校をノースモーキングエリアとすることを決めたわけでございます。これについては、これは教育委員会で決めたことでございますけれども、私の方へもインターネットのメールを通じてたくさんの投書というものが寄せられておりまして、一つはこういうことを全国に先駆けて決めた和歌山県を私は誇らしく思うというふうなもの、そしてまたよその県の人からは、和歌山県がこういうふうなことをされたことはすばらしい、和歌山県万歳というふうなメールがたくさん届いております。ただ、反対の人はなかなか言いにくいので、これがすべてというわけではございませんけれども、そういうふうな意見もたくさん来ているということで、今回の措置によって和歌山県がこのたばこの問題での先進県になってきているということはあろうかと思います。
 いずれにせよ、喫煙──たばこを愛されている方にとっては非常に厳しい問題でございますので、いろんな対応をこれからも考えていかなければならないと思いますけれども、現況はまあそういうふうな状況。そしてまた、公共施設内でたばこを吸う人の──たばこを嫌いな人が一緒に吸わざるを得ないという受動喫煙というものがあるわけでございますけれども、こういうものについてはやはり、たばこを吸わない人にとっては大変耐えがたいものだと思いますので、こういうことについての対応策ということについて今後一生懸命県としても対応を考えていきたい、このように思っております。
○議長(井出益弘君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 道路の進捗状況についてのご質問に順次お答えいたします。
 まず、府県間道路国道三百七十一号についてでありますが、国道二十四号から京奈和自動車道橋本インターまでの区間につきましては、用地買収の難航している箇所に対する収用法の適用も視野に入れて、京奈和自動車道橋本インターとの同時供用を目指してまいります。また、橋本インターから府県境までの区間につきましては、用地買収が難航しておりますので、今後とも地元関係者のご協力をいただきながら地権者のご理解を得てまいります。
 なお、大阪側につきましては、厳しい財政状況の中にあると聞いてございますが、事業促進を積極的に働きかけてまいります。
 次に、国道三百七十一号橋本市市脇─清水間の架橋につきましては、本年度までに橋脚三基を完成してございます。今後、地元関係者のご協力をいただいて、残っている用地買収を終え、橋本インターとの同時供用を目指して努力してまいります。
 次に、県道花園美里線地蔵トンネルにつきましては、本年度、花園側からのトンネル工事に着手することとしてございます。また、整備を促進するため、美里側からも早期に工事着手してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(井出益弘君) 農林水産部長辻  健君。
  〔辻  健君、登壇〕
○農林水産部長(辻  健君) ふるさと農道緊急整備事業について、紀の川地区広域農道からの上中・下中工区道路工の進捗状況と架橋の完了日程についてのご質問でございますが、本事業は、紀の川右岸の広域農道紀の川地区から高野口町内の町道八号線を経て京奈和自動車道高野口インターへ通じる上中・下中工区七百二十四メートルと、高野口町の町道大野向島線と九度山町の県道和歌山橋本線を結ぶ大野・慈尊院工区五百七十八メートルを実施する事業でございます。平成七年度から総事業費三十一億円、総延長千三百二メートルを地元関係者のご協力を得ながら平成十四年度完成に向けて進めてございます。平成十三年度には大野・慈尊院工区のうち紀の川にかかる橋梁二百九十一メートルが完成し、平成十四年度に舗装工事と道路工の一部を実施することにより全線完成の予定でございます。
 以上でございます。
○議長(井出益弘君) 総務部長稲山博司君。
  〔稲山博司君、登壇〕
○総務部長(稲山博司君) まず、県庁内の全面禁煙についてでございますが、喫煙対策は職員の健康を守る観点からも非常に大事なことだと認識をいたしております。しかしながら、県庁内の全面禁煙につきましては、来庁者を初めとする喫煙者に対する配慮などから難しい面があると考えております。このため、全庁的な喫煙対策として庁内に喫煙場所を整備し、職員の執務室内の禁煙をする、いわゆる空間分煙を行う方向で、今後、来庁者を初めとする県民の皆様方のご理解も得ながら、その実施を具体的に検討していきたいというふうに考えております。
 次に、たばこの自動販売機対策のうち、たばこ自動販売機設置税についてお答えをいたします。
 未成年者の喫煙防止につきましては、県たばこ商業協同組合においても対策委員会を創設し、啓発活動や自動販売機の夜の十一時以降の販売自主規制等に取り組まれているところでございます。たばこには、既に国と地方を合わせまして、消費税も含めますと六種類もの税が課されておりますが、未成年者の喫煙取り締まりのために自動販売機設置者のみに法定外目的税を導入することにつきましては、自動販売機設置者以外のたばこ販売者との公平性の観点等から難しいものと考えております。
○議長(井出益弘君) 福祉保健部長白井保世君。
  〔白井保世君、登壇〕
○福祉保健部長(白井保世君) たばこの自動販売機対策でございますが、旧の総務庁青少年対策本部が平成十二年にまとめました青少年とたばこ等に関する調査研究報告書によりますと、中学生、高校生のたばこの購入先は、第一位が自動販売機であります。至るところにありますたばこの自動販売機が違法である未成年者の喫煙を容易にしているということが言えると思います。自動販売機の設置許可は国の財務局の管轄でもありますが、県としてもどのようなことが可能なのか、研究をしてまいります。
○議長(井出益弘君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 未成年者の喫煙対策に関連いたしまして、学校における禁煙化の問題についてお答えいたします。
 阪部議員ご指摘のとおり、学校は喫煙防止教育を行う教育機関であり、また児童生徒や非喫煙者等のたばこによる健康被害の防止などの観点から、さらに県たばこ対策指針における重要な提言を受けまして、公立学校敷地内をノースモーキングエリアとして設定することとしたものでございます。来年四月からの実施に向けまして、市町村の教育委員会、学校並びに保護者等の理解と協力をお願いしているところでございます。
 現実には、喫煙の習慣のある教職員もおりますことから、今後、たばこや喫煙防止教育に対する資料等を市町村教育委員会や県立学校に提供するとともに、各種の研修会、講習会の開催や標語の募集、さらには禁煙希望者のために専門の医療機関やインターネットを使った禁煙カウンセリングの紹介を行ってまいりたいと考えております。あわせて、未成年の喫煙防止のための学校における指導、並びに自動販売機設置者に対する協力要請も考えていかなければならないと思っております。
○議長(井出益弘君) 警察本部長岩井良行君。
  〔岩井良行君、登壇〕
○警察本部長(岩井良行君) 最初に、交通安全対策についてお答え申し上げます。
 まず、県内における交通事故の発生状況についてご説明いたします。
 十一月末現在では、発生件数八千四百五十二件、死者八十五名、傷者一万四百八十八名であり、昨年の同期と比較いたしますと、死者につきましては減少しておりますものの、発生件数と傷者は平成四年から九年連続増加をしており、大変厳しい情勢になっております。
 死亡事故の特徴を見ますと、飲酒運転の割合が約二〇%と高いこと、シートベルトの着用率が約一〇%と低いことなどが挙げられます。この情勢は、昨年の交通事故死者のシートベルトの着用率が全国ワースト一位であったこと、飲酒運転率は全国ワースト二位であったという不名誉な結果となった傾向とほぼ同様であり、決して本県の交通マナーがよいとは言えない状況にあると認識しております。
 このため、特に交通マナーの欠如に起因していると見られる飲酒運転やシートベルト非着用の事故などについて、過去三年間に県内で発生した人身交通事故をもとにその率をランクづけした指標「市町村別交通マナーワーストランキング」を公表させていただいたところであります。
 ご質問の飲酒運転についてでありますが、このランキングにおいてワースト一位から六位までを見ますと、すべて山間部の町村が占めるという特徴が見られます。しかしながら、飲酒運転事故者の絶対数で見れば、やはり和歌山市や田辺市などの都市部で多く、飲酒運転についての意識は地域を問わず、残念ながら低いと言わざるを得ない状況にあるものと考えております。
 県警察といたしましては、こうした情勢を踏まえ、自治体や交通関係機関、団体等との連携を密にし、県民の交通安全意識の高揚に努めるとともに、今後、飲酒の機会がふえる年末に向けてさらに飲酒運転に対する重点的、集中的な取り締まりを実施することとしております。
 次に、道路交通法の一部を改正する法律と刑法の一部を改正する法律についてご説明申し上げます。
 道路交通法の改正では、ひき逃げ事故、酒酔い運転、無免許運転、暴走族の悪質・危険違反については、罰則が最大六倍に引き上げられました。例えば、酒酔い運転の罰則は、これまでであれば二年以下の懲役または十万円以下の罰金でありましたが、これが三年以下の懲役または五十万円以下の罰金に引き上げられました。酒気帯び運転では、三月以下の懲役または五万円以下の罰金でありましたが、一年以下の懲役または三十万円以下の罰金に引き上げられました。この法律は来年の六月二十日までに施行されることとなっております。
 また、刑法の一部改正として、危険運転致死傷罪が創設されました。これは、四輪以上の自動車を運転して、酒酔い運転等で走行する行為、猛スピードで走行する行為、車を接近させ他人の通行を妨害する行為、ことさらに信号を無視する行為によって人を死亡させた場合には一年以上十五年以下の懲役に、人を負傷させた場合には十年以下の懲役を科すこととなっております。従来であれば業務上過失致死傷罪が適用され、その罰則は五年以下の懲役であったのに比べまして大変重い罰則が科されることとなっております。この法律は本年十二月二十五日からの施行となりますので、県警察といたしましては厳正な運用に努めてまいる所存でございます。
 次に、喫煙対策についてのうち未成年者喫煙禁止法の厳格な運用についてお答え申し上げます。
 議員ご指摘のとおり、昨年末に未成年者喫煙禁止法の一部が改正され、未成年者に対するたばこなどの販売禁止違反の罰則強化が図られたところであります。さらに、今臨時国会におきましてさらなる改正が加えられ、販売者に年齢の確認等の措置を講ずるような改正が昨日公布・施行されたところであります。
 県警察といたしましては、未成年者の喫煙につきましては毎年数千件ずつの補導を続けてまいっておりますけれども、お尋ねの未成年者喫煙禁止法による検挙につきましては、本県では平成二年に八件、平成三年に三件検挙しておりまして、その後、検挙が途絶えているという状況でございます。全国では年間十件程度の検挙状況となっておると聞いております。
 自動販売機でたばこを販売した場合の法の適用についてでありますが、個別の個々具体的なケースで販売者が未成年者がみずからの用に供するということを知りながら売るという場合のみ検挙できるという法体系になっておりますので、自動販売機でたばこを販売した、あるいは自動販売機の監視を怠ったということだけをもって直ちに法に違反するということにはならないわけでございます。これまで、本県はもちろん全国でも自動販売機でたばこを販売した事案をこの法律違反としてとらえた検挙実績は出ておりません。
 しかしながら、この問題の重要性にかんがみまして、適切な対応がとられるよう、近畿財務局、JT大阪支店、和歌山たばこ商業組合、そして私ども警察などによる未成年者喫煙防止協議会を結成しておりまして、これまでに自動販売機の設置場所を店舗に併設することや、平成八年以降には午後十一時以降午前五時までの間の販売が自主的に規制されるなどの対策がとられてきております。また、あわせて、県警察といたしましては、学校と連携して開催している小中高校生等の少年を対象とした薬物乱用防止教室において喫煙の有害性について教えるなどの対策を進めております。
 今後、未成年者と知りながら公然とたばこを販売する悪質な業者の取り締まりに努めるとともに、今次法改正を踏まえ、販売店に対し年齢の確認等の措置をとるよう指導を強化していくほか、広報啓発活動等の諸対策を推進してまいる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(井出益弘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(井出益弘君) 以上で、阪部菊雄君の質問が終了いたしました。
 お諮りいたします。質疑及び一般質問は、これをもって終結することにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(井出益弘君) ご異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問はこれをもって終結いたします。
  【日程第三 議案等の付託】
○議長(井出益弘君) 次に日程第三、議案等の付託について申し上げます。
 ただいま議題となっております全案件は、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
  【日程第四 請願付託の件】
○議長(井出益弘君) 次に日程第四、請願付託の件について報告いたします。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
 お諮りいたします。十二月十四日及び十七日は、常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(井出益弘君) ご異議なしと認めます。よって、十二月十四日及び十七日は休会とすることに決定いたしました。
 なお、常任委員会の会場はお手元に配付しておりますので、ご了承願います。
 次会は、十二月十八日、定刻より再開いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時四十分散会

このページの先頭へ