平成13年12月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(長坂隆司議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 四十二番長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕(拍手)
○長坂隆司君 おはようございます。
 まず初めに、県民クラブを代表して、敬宮愛子内親王様のご誕生を日本人として心からお喜び申し上げます。謹んで、内親王様の健やかなご成長をお祈り申し上げます。
 それでは、通告に従いまして、順次質問をさせていただきます。
 まず、救急医療体制についてであります。
 一番目、小児医療について。
 全国的な傾向にあると言われますが、少子化の進行に伴い、小児科専門医の不足や小児科の縮小・廃止などが見られ、地域において必要なときに必要な医療を受けられる総合的な小児医療体制の整備が求められております。例えば和歌山市においては、夜間休日応急診療センターにおいて小児科医の診察は夜間十二時までであり、土日・祝日を除いて、朝六時までは内科医だけで対応し、小児科の先生はいないということであります。ちなみに、平成十二年度の当センターの受診総数の六一%が小児であり、一日平均三十三・五人にも及びます。休日診療だと、小児の診療は一日平均五十二・五人ということであります。ですから、最終的にはどうしても夜間の小児の急患は医大附属病院や日赤医療センターに集中してしまいます。
 和歌山県においては、医大、日赤、そして紀南には紀南綜合病院にしか小児科単独の当直体制をとっている病院がない状況です。このような病院でも、往々にしてNICU(新生児集中治療処置室)などにかかり切りになって、小児科当直医が小児急患に対応し切れないこともあるのではないでしょうか。和歌山市はともかく、南へ行くと小児救急医療問題はもっと深刻でありましょう。一次救急施設である田辺広域休日急患診療所では、受診総数の六三%が小児であり、一日平均四十一・五人もあります。高次救急病院の紀南綜合病院で同三六%、一日平均十・三人であります。日高病院では小児科医三人が三日に一回待機という形をとり、紀南綜合病院では地域のニーズから小児科医七名のうち二名が当直ということですが、勝浦や串本の小児の急患は時間をかけて紀南綜合病院へ連れていくしかないという状況であります。本当に、両病院ともご苦労さまであります。ちなみに、県下の病院小児科で小児科医が病院当直の日は小児診療に対応しているが、それ以外の日は受けない病院が十三病院もあります。
 子供というのは、急に発熱したりして、親や保護者としては、特に夜間の発症となると不安が殊さら強いものがあります。共働き家庭もふえている中、どうしても子供を医者に連れていくのは夜が多くなりますが、小児科の開業医も大体診察時間が夜七時過ぎまでというところが少なくない状況であります。保育園に子供さんを通園させている方々からも、子供が風邪を引いたり、発熱したり、通院中というときに保育園では一般的に預かってくれないが、医療ケアはどうにかならないのかという質問をいただくことがあります。病児保育に対するニーズはかなり大きくなっていると思われます。
 子供を対象とする医療は、一般的に診察や検査に多く時間と人手がかかり、投与する薬剤の量も大人より少ないため、現行の診療報酬制度のもとでは不採算医療とされております。厚生労働省の「健やか親子二一検討会報告書」では、小児医療の不採算性や過重労働等の問題により、小児科医を志望する医学生が減少していることが指摘されており、特に休日・夜間の救急医療の場で問題が顕在化しているのであります。今後、特に新生児医療、小児救急医療の分野や細分化された専門分野での小児科医の不足が懸念されております。小児の救急患者が特定の医療機関に集中せざるを得ない状況の中、平成十三年度に一部改正された国の医療計画指針では、都道府県の医療計画の内容として、新たに小児救急医療体制の項目が追加されたと聞きます。また、平成十一年度に開始された病院群輪番制による小児救急医療支援事業に加え、平成十四年度予算の概算要求で、新たに公的病院や大病院を拠点施設として位置づけ、県と市町村の協力体制のもと、初期及び二次の小児救急医療に集中的に対応していくための小児救急医療拠点病院方式による運営事業が打ち出されるなどの予算面での積極的な取り組みが行われていると聞きます。和歌山県においても、ぜひこの機会に前向きに検討されてはいかがでしょうか。
 また、問題点として、最近、男性の小児科医が少なくなり、全国的に小児科では女医さんが多くなっているということであります。小児科医はどうしても公立の病院でしか雇ってくれないといった事情もあり、小児科医としては開業医の道を選択する人が多いようです。そんな状況を踏まえて、以下の質問を行います。
 一番目、開業医も含めた輪番制による小児救急医療体制について、和歌山県の実施状況はいかがですか。
 二番目、近畿各府県でも、滋賀県二カ所、京都府四カ所、大阪府十一カ所、兵庫県五カ所、計二十二カ所で病児保育が実施されております。そのうち、医療機関併設が十七カ所、保育所等児童福祉施設が五カ所となっております。そこで、保育所等の幼児保育について、和歌山県としてどのように考えておられますか。
 三番目、和歌山県立医大救命救急センターにおいても、平成十二年度の受診総数の二八%が小児で、一日平均十一・四人もあると聞きます。和歌山県立医大においても、当面する小児科医の不足への対策として、小児救急医療に対応できる人材づくりが今こそ必要であると思いますが、医大学長のご意見をお伺いいたします。
 四番目、和歌山県における小児救急医療体制についても、前述のとおり、北高南低の状況、小児科医のマンパワー不足が挙げられると思います。地域の小児救急医療体制を確立するためには、どうしても小児救急に当直も多くなり、他科より夜間の受診数、入院数も多くなっている中、今後どのような対策を講じていかれますか。
 二番目、ドクターヘリ導入についてであります。
 ドクターヘリについては、平成十三年六月議会での一般質問以降、知事におかれましても前向きに検討いただき、消防、医師会及び病院協会、警察等、関係機関の中で検討委員会を設置し鋭意協議いただいていると思いますが、来年度の導入についての見通しをお聞かせいただきたい。
 三重県や奈良県との共同という話も九月議会で出ておりましたが、心臓病や脳卒中などの緊急を要する重篤救急患者が増加している昨今、防災ヘリとドクターヘリとの性格も異なるものですし、ドクターヘリについて、ぜひ早期の導入をお願いしたいと思いますが、いかがですか。
 三番、救急医療における地域格差についてであります。東京都においては、石原知事も二十四時間体制の都立病院づくりに熱心であると聞いております。和歌山県の救急医療体制の地域格差について以前質問させていただいたことがありましたが、医大附属病院、日赤医療センター、紀南綜合病院を除いて、ほかの公立病院ではすべて一人の医師の当直体制と聞いております。さらに、入院できる病院施設がない町村も少なくない和歌山県であります。ドクターヘリがなく、防災ヘリの随意の使用もままならない中、二次、三次救急病院へ運ぶのが間に合わなかった救急患者というのが高齢者を中心に多いのが現況です。十七時以降の勤務時間外の診察体制が過疎地で特に手薄な中、この救急医療における地域格差の解消は急務であります。和歌山県下の救急医療体制の地域格差是正について、今後の対応策を知事にお尋ねします。
 二つ目に、都市計画道路南港山東線についてであります。
 幼少のころ、東洋一とうたわれた遠浅の海水浴場水軒の浜へ行くのに必ず通った通称水軒の通り、すなわち和歌山港駅と水軒駅を結ぶ臨港鉄道の踏切のところを西の端として、西浜、水軒口各交差点から、塩屋、和歌川大橋、国体道路小雑賀交差点を越えて、JRの鉄道高架をくぐって和田川を渡り、三田、山東へと通す予定の南港山東線についてお尋ねしたいと思います。
 南港山東線は、昭和五十九年十月二十七日に和歌山県において都市計画決定され、延長約一万四百四十メートルあり、平成十三年二月現在で改良済みが千三百四十メートルとなっております。和歌山市の東西を結ぶ重要幹線道路でありますが、現在のところ本町和歌浦線、通称塩屋バイパスより西三百五十メートルの区間が今年度事業認可を受け、和歌山市の事業として、地元自治会の協力のもと用地測量が終わって、約五十軒の方々と用地交渉に入っております。また、新和歌浦中之島紀三井寺線、通称国体道路以東については、小雑賀交差点からJR紀勢線の下をくぐって県道和歌山海南線までの延長二百七十一メートル区間が県の街路事業中であり、数年以内にJRの高架部分が完成予定と聞いております。和歌山海南線以東、和田川を越えて延長六百二十四メートル区間が県の街路事業、県道三田三葛線から竃山神社の北を通って、県道三田海南線までの延長約一千メートルが県の道路事業と聞き及んでいます。現在、用地交渉中の塩屋地区においては、小高い峠を越えるような狭い見通しのよくない道路状況で工事も難しいと聞きますが、鋭意推進をお願いいたします。また、国道四十二号線の水軒口交差点までの三百五十メートル区間についても一部反対があり、地元連合自治会からも要望していただいているところであります。
 さらに、問題箇所として、水軒口交差点から県道新和歌浦梅原線、通称大浦街道と交差する西浜交差点までの延長約一千メートル区間があります。和歌山市の事業と聞いておりますが、事業着手のめどは立っていないということであります。ここは対向二車線の道路でありまして、道路に沿って商店、住宅などが建ち並び、十分な歩道幅もなく、西浜中学校、和歌山工業高校、星林高校、雑賀小学校と学校が集中しており、登下校時間には、歩行者、自転車通学者、そして通勤用の自動車、バイク、さらには貨物トラック、トレーラーでごった返す、交通渋滞はもちろんのこと、大変危険な区間であります。付近の生活道路でもあり、和歌山下津港や工業団地、それに中央市場という臨港地域とつながる産業道路でもあります。さらに、通学路でもあります。危ない、危ないと言われて、そのまま四十年も経過しております。折しも、九月議会で江上議員より指摘のありました南港山東線の臨港道路と接する部分である臨港鉄道(和歌山港駅から水軒駅)の踏切地点の交差点改良が、近隣の三自治会からも同意を受け、地元連合自治会からも要望があり、臨港鉄道の廃止について、去る十月十日、和歌山市も同意をされております。臨港鉄道の線路を利用して、地下鉄で雑賀崎、新和歌浦、和歌浦東、医大下、JR紀三井寺駅をつなぎ、さらにJR和歌山駅と南海和歌山市駅、和歌山港駅、そして水軒駅とつないだ和歌山市環状鉄道構想を提唱する私どもにとって断腸の思いではありますが、踏切部分の拡幅は交通事故、渋滞の解消のためにはどうしても必要と思いますし、和歌山市の主要な幹線道路のポイントの改良は鋭意進めていくべきだと考えます。踏切部分の拡張が完成すれば、いよいよ問題区間である西浜と水軒口間の交通量は大きくアップし、現状の交通における危険率と渋滞は倍加することが予想されます。早急に本格的な事業着手にかかるべきであります。
 それでは、質問に入ります。
 一番目、国体道路以東の事業、さらには塩屋から水軒口までの事業の進捗状況についてお聞かせいただきたい。
 二番目、臨港道路と接する臨港鉄道の踏切部分の道路拡幅工事の予定を聞かせてください。
 三番目、河北地区の西脇山口線とともに、紀の川以南での東西幹線道路である南港山東線の全線開通は、和歌山の道路行政にとって極めて大きな重点課題であります。塩屋、秋葉地区の完成を待ってからなどと言っている場合ではないと思います。ぜひ水軒口交差点から西浜交差点までの事業着手に速やかにかかっていただきたいが、どうお考えですか。
 三つ目に、紅葉の山林づくりについてであります。
 厳しい財政状況の折、国はもちろん、地方においても公共事業の縮減を進めざるを得ない現況のもと、特に人件費コストの高い中高年者の失業が急増しております。そんな中、個人の適性を重視して、地方の実情に即した雇用対策として、森林や河川といった自然環境の回復や再生とともに、新しい雇用を創出するため、木村知事は緑の雇用事業を提唱され、小泉首相にも理解を得られたということであります。まさに、自然環境に恵まれた和歌山県ならではの発想であり、単に環境保全だけでなく、失われつつある人間的な精神的充足を生み出し、地方におけるコミュニティーの再生につながるものとして注目しております。
 そんな中、土砂を採取して地面が露出した山や樹木の無軌道な伐採により自然のバランスを失った山並みなどが県下に点在しております。最近、和歌浦の方から国道四十二号線の旭橋を渡ろうと車を走らせておりますと、目前に紀三井寺を擁する名草山の眺望が開けてまいりました。私の少年時代に火災に遭い、長い間はげ山になっていたこの山にも、今では随分と木々もよみがえり、ところどころ紅葉もあって、美しい景観を回復しつつあるなと感じました。ことしの秋は、県議会の県外視察で熊本県や山形県で山々を眺めることができ、また個人的にも奈良県、南信州、京都嵐山などを研修等でお邪魔する機会に恵まれまして、各地の紅葉を楽しませていただきました。日本人は、殊に万葉の昔から紅葉を観賞することに独特の美意識を持っております。
 森林地域が大半を占める和歌山県においても、前述のように、地面が露出した、あるいは岩肌が痛々しく、また手入れがされていない雑木の山がたくさんあります。各市町村で、殊に過疎に悩むところで、もみじ、ナンテン、ナナカマド、ハゼの木などの赤系統の紅葉樹、あるいはクロモジカツラ、ブナなどの黄葉樹の苗を何層かに植林して、紅葉の山として新しい名所をつくってみてはいかがでしょうか。
 広島県初め各地の森林公園などで紅葉の森づくり体験を行っていると伺っております。和歌山県出身の県外在住の方にも理解を得て帰ってきてもらって、ふるさとの仕事に従事してもらうとか、あるいは大都市からのIターンを促進できるように、中高年に限らず雇用を求める方々が木の苗を地元の林業従事者から一本幾らでできるだけ安価で購入し、それを県や市町村といった行政が受け皿をつくって紅葉の山づくりに従事してもらうといった紅葉の雇用事業によって新しい自然環境、ひいては観光名所を創出しながら雇用を生み出すことも一案かと思いますが、いかがでしょうか。
 最後に、青木建設の破綻、加太第二期土取り事業に関連してであります。
 去る十二月六日、株式会社青木建設が東京地裁に民事再生法の適用を申請し、受理されました。負債総額は三千七百二十一億円とのことであります。同社は、和歌山加太地区において関西国際空港第二期工事用の埋め立て土砂を鹿島建設との共同企業体で供給することとし、昨年十一月二十七日から搬出を開始しております。二〇〇五年十一月までの五年間に、関空二期工事に用いる埋め立て用土砂の約三分の一に当たる八千五百万立方メートルを供給する予定で、十一月末で約一千七百万立方メートル、供給予定量の二〇%を搬出していると聞いております。青木建設と鹿島建設の本事業における共同企業体の構成比は七対三で事業を推進しているわけでありますが、そもそも加太の第二期土取り事業は、民間業者を主体とするものの、その事業進行に当たっては県が指導責任を持つ立場にあることは明言されているところでありますので、今回の事態を受けて和歌山県としての姿勢、青木建設と県の立場、さらには今後の推移について、県議会に対し当局の説明があってしかるべきではないかと考えるものであります。
 そこで、県のとるべき措置と対応策について、以下の点について質問いたします。
 一番目、折しも一昨日、東京において与党関西国際空港推進議員連盟が結成され、総会並びに決起大会が開催されたところであります。我が県からも、十二月定例会の開催中でありますが、大平出納長、尾崎関西国際空港対策特別委員会委員長が出席され、和歌山県の立場を主張されたところであります。関空二期事業を推進する和歌山県において、青木建設の今回の問題で工事の遅延、後退は許されませんが、加太土取り事業への影響はいかがなものでしょうか、知事の見解をお伺いします。
 二番目、青木建設が破綻したことで、県内の下請業者への影響と倒産、失業、雇用問題等懸念される問題について関係部長の取り組みをお伺いいたします。
 以上四点、一回目の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(井出益弘君) ただいまの長坂隆司君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 救急医療における地域格差についてのご質問でございますが、県では、県民の皆様に適切な保健医療サービスを提供するため、県内を七つの二次保健医療圏に区分して、病床数を初めとする医療資源の適正配置を促進しているところでございます。救急医療体制につきましても、圏域単位で迅速かつ適切な医療を行うため、傷病の程度により初期から第三次までの体系的な整備を進めてきたところでございます。しかしながら、本県の地理的条件などから、ご指摘のように、地域においては休日・夜間の診療体制が未整備な地域もあり、その拡充を図る必要があると考えております。県といたしましては、初期から二次の救急医療体制の充実については市町村や医療機関等との連携を図りながら体制の整備を進め、また三次救急医療については日赤和歌山医療センター及び県立医科大学附属病院に救命救急センターを設置し、二十四時間体制で重篤な救急患者に対応しておりますが、さらに診療機能の充実を図ってまいりたいと考えております。
 なお、本県の地理的ハンディを補うため、防災ヘリの広域救急患者搬送への利活用を推進するとともに、ドクターヘリの導入についても検討を行っているところでございます。
 次に紅葉の山林づくりについてでございますが、豊かな森林づくりへの期待が高まっている中、広葉樹の植栽等による彩りある環境づくりが一層重要になってきております。私が提唱いたしました緑の雇用事業は、Iターン者等を受け入れ、広葉樹の植栽などによる森林の整備を通じて環境保全を図る総合的な活性化施策でございます。今回、緊急地域雇用創出特別基金を活用し、緑の雇用事業の一環として、イロハモミジや山桜、またケヤキやコナラなど彩りのある広葉樹の植栽等を行い、雇用の創出を図ることといたしております。今後とも、ご提言の趣旨を踏まえ、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に青木建設の破綻と加太の土取り事業への影響についてでございますが、関西国際空港は本県の至近に位置し、本県の発展に不可欠な空港であり、いわば和歌山空港と言っても過言ではないと認識をいたしております。現在、二期事業については鋭意作業が進められており、先月には護岸の概成を見たところでございますが、二〇〇七年供用開始に向けさらに積極的に取り組む必要がございます。
 また、その一環をなす土砂供給事業は、いかなる事態にありましても堅持していかなければならないと考えております。当事業の事業主体たる共同企業体の構成企業である青木建設が去る十二月六日に民事再生法に基づく再生手続開始の申し立てを行い、再生手続開始の決定がなされ、同社からは今後とも責任を持って事業を継続をしていく旨の報告を受けており、現にその後も休止することなく土砂の搬出が行われているところから、事業への影響はほとんどないものと考えております。今後は、民事再生法に基づく手続の状況にも注意を払いつつ二期事業を推進してまいります。
○議長(井出益弘君) 福祉保健部長白井保世君。
  〔白井保世君、登壇〕
○福祉保健部長(白井保世君) まず小児救急医療体制の状況でございますが、一般的な救急医療体制の中で対応を図っているところでございます。ご指摘のように、小児科医の不足などいろいろな問題点がありますが、休日の昼間の小児救急につきましては、在宅当番医制と休日急患センターにおいて開業医の医師が対応してございます。このうち、毎休日に小児科医が配置されているのは和歌山市でございます。また、一部の圏域では小児の二次救急医療を担っている公的病院など中核医療機関においては、休日や夜間に小児科医の呼び出しができるオンコール体制がとられております。小児輪番制は、二次医療圏単位で小児科を有する病院が当番制により休日・夜間の小児救急患者を受け入れる制度で、市町村が主体となって実施するものでございますが、本県におきましては現在のところ実施されていないのが現状でございます。
 次に保育所等の病児保育でございますが、保育所へ通所中の児童等がおたふく風邪やはしかなどの病気回復期のため集団保育ができない期間で、保護者が勤務の都合や傷病等、社会的にやむを得ない事由により家庭で育児を行うことが困難な場合、保育所や病院等に付設された専用スペースで一時的にお預かりをする乳幼児健康支援一時預かり制度があります。県では、平成九年三月に策定いたしました喜の国エンゼルプランで、平成十三年度までに一カ所の設置を目標として実施主体である市町村に対し促進を促してまいりましたが、議員ご指摘のように現時点では実施に至っておりません。今後も、ニーズの多い市町に対し、医療機関や保育所等での設置に向けて強くお願いをしてまいりたいと思います。
 次に小児救急医療の今後の対策でございますが、小児救急医療体制の整備は、その圏域の小児人口、医療資源等に制約されることから、地域の実情に応じた体制が整備できるよう市町村や医師会などの関係機関と各保健所単位で協議をしながら、小児救急医療支援事業等、国の制度活用も含めて検討を進めていくこととしてございます。少子化が一段と進む中で、県といたしましても今後の少子化対策の重要な課題であると認識しておりまして、十五年度からの次期医療計画で位置づけをしてまいりたいと考えてございます。
 最後にドクターヘリ導入についてでございますが、本年度、消防機関、医師会及び病院協会等関係機関の参画を得まして、ヘリコプター救急システム推進検討委員会を設け、活用するための諸課題について検討を進めてございます。現在、消防機関が取り扱った平成十二年救急搬送事例をもとに、導入した場合の需要予測や効果予測について詳細に調査検討を行ってございます。国の試行事業でその有効性が示されており、本県におきましても有効性が期待できることから、ドクターヘリ事業の導入に向けて引き続き検討してまいりたいと考えております。
 なお、三重県や奈良県との共同利用につきましても、対象となる紀伊半島南部地域は三県共通の課題を抱えておりますので、ドクターヘリを有効活用することにより医療連携を図るべく、両県と協議を行っているところでございます。
 以上でございます。
○議長(井出益弘君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) まず都市計画道路南港山東線の進捗状況についてでございますが、この路線についても県市で分担して整備をしております。
 まず国体道路から東へ県道和歌山海南線までは、鉄道交差部の通行規制の解消に向けましてJR紀勢線の下越し工事を促進し、平成十五年度中に供用開始できるよう努力してまいります。
 続く、県道和歌山海南線から和田川を越えて県道三田三葛線までは昨年度事業着手しておりまして、本工事に着手できるよう計画的な用地取得に努めてまいります。さらに、県道三田三葛線から竃山神社付近までのうち約五百メートルについては測量調査を行っております。また塩屋から水軒口までは、市の事業として昨年度事業化しておりまして、そのうち特に狭隘な塩屋交差点から三百五十メートルの区間について用地買収に着手しております。
 次に踏切部分の道路拡幅工事の予定についてでございますが、道路拡幅工事に伴い、臨港鉄道につきまして、県市の交通政策部門等関係機関と協議を重ねた結果、廃止することとし、平成十四年度中の着工を目途に諸手続を進める予定でございます。
 次に水軒口交差点から西浜交差点までの区間につきましては、特に朝夕の通学時に交通がふくそうしていることは認識しております。当該区間の整備は市の事業として取り組むことになっておりまして、今後、和歌山市域の道路網の整備状況を見ながら着手時期について市と協議してまいります。
 次に青木建設の破綻の県下下請業者への影響についてのお尋ねですが、現在、県が青木建設に発注している工事はございません。県内の公共工事では上富田町発注の下水道工事が一件ございますが、十二月十日に民事再生手続開始決定がなされたところでありまして、工事は継続施工されております。今後、下請業者や資材業者等に対する代金につきましても現金で支払うと聞いておりまして、県内下請業者等への影響は少ないと考えております。
 以上でございます。
○議長(井出益弘君) 商工労働部長内田安生君。
  〔内田安生君、登壇〕
○商工労働部長(内田安生君) 青木建設の破綻に伴う県内での取引先等の状況につきましては、現在詳細を調査中でありますが、国におきましても、連鎖倒産防止の観点から、信用保険の特例を適用するため、中小企業信用保険法の指定に向け事務手続を進めているところであります。県におきましても、必要に応じて県制度融資の活用等金融面での相談に応じるとともに、倒産等による失業者の雇用を少しでも促進するために、再就職のための職業訓練等の支援、事業主に対する各種助成金制度を活用されるよう周知に努めてまいります。
○議長(井出益弘君) 医科大学学長山本博之君。
  〔山本博之君、登壇〕
○医科大学学長(山本博之君) 県立医科大学における小児救急医療に対応できる人材づくりについてのご質問でございます。
 本県の保健医療ニーズに対応できる人材の育成は、本学の大きな使命の一つでございます。議員ご指摘のように、全国的でございますが、小児科医の増加は他の診療科医師の増加に比べますと少ない状況にございます。その分、小児科医の高齢化も進むことになりまして、今後の小児科医療が懸念されるところでもございます。本学におきましても、昨今の小児の保健医療ニーズ及び小児科医の派遣要請等からいたしますと足りないなと感じてございます。
 本学では、小児科に加えまして、救急・集中治療部並びにリスクの高い妊産婦と新生児に適切な医療を提供するための周産期部に小児科医のための定員を配置して小児科の定員増を図っているところでございます。さらには、小児科担当教授には小児科を専攻する大学院生の増加に頑張っていただくなどいたしまして、小児科医の育成、確保に努めているところでございます。また、学部教育及び卒後の研修カリキュラムでは、小児科以外にも救急及び周産期部において小児医療を学ぶことになっておりまして、このことは小児医療へのやりがいと申しますか、関心を高めることになっているものと考えてございます。
 今後とも、小児救急医療、新生児医療を含めた小児医療の一層の充実を図りまして、その魅力を若い人に知っていただき、人材を育成し確保して小児の保健医療ニーズにこたえられるように努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(井出益弘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 四十二番長坂隆司君。
○長坂隆司君 ご答弁ありがとうございました。
 和歌山県の小児救急医療体制の整備は、他府県と同様に、少子化の時代にあって、重要かつ緊急課題であります。小児科勤務医が中心の日本小児科学会和歌山地方会と開業小児科医が中心の和歌山小児科医会が、それこそ県の両腕として一致団結して、県下の小児医療、特に小児救急医療の整備充実に努めていただきたいと思います。その調整役として県行政の果たす役割は大きいと思います。どうか、よろしくお願いしておきます。
 南港山東線についてでありますが、やはり課題は水軒口から西浜交差点までの水軒の通り区間であります。産業道路であり、生活道路であり、特に通学道路であるという、地域住民だけでなく県民のための重要路線区間であります。産業道路と生活道路のすみ分け、これも視野に入れながら、子供や孫の代にはだれもが安心して通行できる道路となるように、今から具体的な早期事業着手に努めていただきたいと思います。
 紅葉の山づくりについては、過疎地の振興、観光振興、この二つのためにもご一考願えたらと思います。
 また、青木建設の破綻にとどまらず、金融機関から債権放棄を受けている中堅ゼネコンは、同社を含めて十社に上ると言われております。今回のように銀行の支援がなくなりますと自主再建はほとんど困難になります。第二、第三の青木建設が出てこないとも言えないという昨今、県当局におかれましても、県内の建設労働者の意に反する倒産、失業対策について、さらなる県としての雇用のセーフティーネットの充実を要望いたします。
 以上、要望として終わります。
○議長(井出益弘君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で長坂隆司君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時二十六分休憩
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