平成13年9月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(尾崎要二議員の質疑及び一般質問)
県議会の活動
質疑及び一般質問を続行いたします。
十三番尾崎要二君。
〔尾崎要二君、登壇〕(拍手)
○尾崎要二君 お許しをいただきましたので、一般質問を始めさせていただきます。
質問に先立ちまして、去る七月十日逝去されました先輩木下秀男議員に対しまして心から哀悼の誠をささげ、ご冥福をお祈り申し上げたいと思います。
木下議員は、全国みかん生産府県議会議員対策協議会の会長として関係府県を取りまとめられ、本県農業の柱であるミカン農業発展のために先頭に立って全力で頑張ってこられました。つい先般も東京でその総会がございました。総会と陳情を行ったわけでありますけれども、そのときに、各府県の皆さんから、大変驚きの声と同時に、惜しむ声や今日までの努力に対して数々の声が私どもに届けられました。そのことを、まず皆さんにご報告をさせていただきたいと思います。
それでは、質問の方に移らせていただきたいと思います。
今回は、道路問題、特に湾岸道路と二巡目国体の二点について質問をいたします。
第一点目の湾岸道路とは、和歌山市、海南市、下津町、有田市の港、すなわち和歌山北部臨海工業地帯を結ぶ道路のことであります。
この地域には、住友金属工業和歌山工場、花王、関西電力海南発電所、元富士興産、現在の和歌山石油精製、元丸善石油の現コスモ石油、三菱電線、東燃等、大規模な工場が立地しております。県民にとって大きな就労の場であり、県にとっても法人二税等、県税の柱として大きなウエートを占めてまいりました。最盛期には、下請関連企業を含め、従業員は三万六千人に達し、県経済の中心的な役割を担ってまいりました。観光面においても、和歌浦、片男波海水浴場、浜の宮海水浴場、紀三井寺、和歌山マリーナシティなど、年間四百五十万人にも及ぶ人たちが訪れております。税収面においても、関係の市や町、県にとっても大きな貢献をしてまいりました。しかしながら、これらの地域を結ぶ道路と言えば国道四十二号線等、昔から大きく変わらず、大変脆弱であり、海を生かし、港を整理し、その活用を図るという県政の大きな目標はかけ声ばかりとなっております。
航空貨物の華やかな時代になってまいりましたが、今後もまだまだ港は必要であります。背後地域の産業の集積状況、港の施設の問題、利用における経費の問題、陸揚げされてからの時間の問題等いろいろありますが、船の特徴である大量に、一度に安い価格での輸送は今後もどうしても必要な物流方法であります。そのことから見ても、関西地方で太平洋に一番近いというセールスポイントをフルに生かし切れていないのが現在の本県の状況であります。天然の良港に恵まれ発展をしてまいりましたが、交通アクセス、すなわち港と港を結ぶ道路、インターチェンジへの直結道路の整備については、十分であったとはとても言えないのであります。阪神・淡路大震災のときには、山陽道や神戸港の機能が停止し、多くのトラックが高速道路を利用して和歌山インターから和歌山港に向かい、県庁前通りが大きな交通麻痺を起こしたことを思い出してほしいと思うわけであります。
スピードが求められる今日、高速道路のインターから港までのアクセスが十分でないような港は、今後大きく発展していくことすら厳しいと言わざるを得ません。和歌山マリーナシティで開催された世界リゾート博の成功を見ても、県外よりの人たちの多くは、海南東インター、藤白インターを利用し、思いのほか和歌山は近かったという声をよく耳にしたことからも、港とインターとのアクセスが重要であると言えるのであります。
有田市の三菱電線、東燃、海南の住友工場、セイカ商事、和歌山市の和歌山マリーナシティ、和歌浦、和歌山港、和歌山卸売市場と花王の間を通って紀の川を渡り、住金和歌山工場等、これらの港を結ぶ道路の状況は、特定重要港湾でありながら大変お粗末なものであります。実際、この区間を車で走ってみると、十七カ所で九十度に曲がらなければならない曲がりくねった道路であります。関係地域の皆さんにとってもかけがえのない生活道路でもあり、日々の渋滞に一日も早い改善が求められております。長引く不況や競争力の強化のあおりで、いずれの産業とも大変厳しい状況が続いており、輸送時間、輸送コストなど流通面の問題、また就労面でもリストラが進み、通勤アクセスの不便等、多くの問題が発生しております。
県議会においても、この状況に危機感を持ち、平成十二年七月、関係する地域の議員が集まり、有田市、海草郡、海南市、和歌山市選出の十八人の議員をもって和歌山下津港湾岸道路建設促進議員連盟が結成され、湾岸道路実現のために今日まで活動を続けてまいりました。県経済に大きな貢献をしている地域でありながら、今までまともな湾岸道路さえ整備がされず、高速道路とのアクセスも十分でない姿を一日も早く改善し、停滞する県経済の起爆剤にしていきたいと考えております。それを実現するためには、有田市─海南市間の国道四十二号線のバイパス一部四車線化、海南市と下津町の境からマリーナシティに橋をかけ、毛見一号線を通り、シーサイドロードの途中から片男波へは、景観に配慮するため沈埋トンネルで結び、都市計画道路和歌浦廻線を整備し、大浦街道から和歌山港へ結ぶ道路が必要であります。私見でありますが、紀の川河口大橋を渡り、北港から将来の紀淡道路へと続く道路がベストであると思います。そうすれば、現在、北部臨海工業地帯に一番近いインター、すなわち海南藤白インターと和歌山市の陸の玄関口でもある和歌山インターが湾岸道路で結ばれ、陸と海がスムーズに利用できる理想の形が生まれてくると信じております。
この湾岸道路を取り上げるに当たり、国並びに県の財政も大変厳しいことを承知しております。しかし、前向きに取り組んでいかなければ人口減少に歯どめがかからず、停滞する県経済を立て直すことがさらに難しくなっていくと考えております。行財政改革の中で、道路整備は十分であり、これ以上の整備は必要がないといったような不見識な意見もマスコミで取り上げられ、その財源を都市再生に生かそうなど、地方の実情を全く理解しない大都市の論理が平気で幅をきかせようとしております。しかし、県民の県政への各種アンケートを見てもわかるように、いつもトップに来るのが道路網の整備であります。本県の将来を考えるとき、産業、経済の発展、観光、福祉、医療やスポーツ、文化振興など、どれをとってもその基本となるのが道路網の整備であります。その促進が県政の最も重要な施策であると言っても過言ではありません。木村知事も、そのことを知事就任以来、身をもって感じてこられたと思います。
七月に、大都市で生まれ育った石原行政改革担当大臣が下津町に来られたとき、国道四十二号線の余りにもひどい渋滞を目の当たりに見て、このような道路ならば堂々と国に対して話をし、予算を獲得すべきであると、陳情する前にかえってハッパをかけられたことをこの場で紹介しておきたいと思います。八月九日、東京において、地方における道路整備の必要性を訴える東京集会が、県内の市町村長さんや議長さん、県議会よりも先輩同僚の皆さん、県選出の国会議員を初め、県民の声を代表されるスピーチもあり、多くの来賓を招いて盛大に開催されました。そのときには知事自身、有楽町交通会館で通行される都民に道路の重要性を呼びかけられ、その姿が九月四日のNHK「クローズアップ現代」で取り上げられておりました。知事の熱のこもった姿を思い浮かべ、先頭に立って行動された知事に、湾岸道路に対するお考えを承りたいと思います。あわせて、関係部長の答弁を求めます。
これで、一点目の湾岸道路の質問を終わります。
二点目の、二巡目国体とスポーツ施設整備について質問をさせていただきます。
昭和四十六年に開催された黒潮国体は、多くの県民の参加のもとで盛大に開催されました。そして、この国体を通じて県内のスポーツ施設も立派に整備され、同時に県民のスポーツ熱も盛り上がり、多くの成果を残してまいりました。多くの県民の参加のもと、力を合わせて国体を成功させたことにより、大きな自信が県民に生まれたことも忘れてはならないことであると思います。当時、私も高校三年生で競泳の部に出場させていただき、多くの楽しい思い出を持ってございます。
あれから三十年、八月一日に行われた県選手権のために、久しぶりに秋葉山プールへ先輩の橋本進議員とともに行ってまいりました。そして、強く感じたのは施設の老朽化であります。二人とも唖然としたわけであります。プールサイドの周りにはロープが張られ、危険・立入禁止の看板が至るところにあり、よく見てみると天井がはがれ落ち、ひびが入り、鉄筋がさびて見えている状態であります。プール本体の水温についても、水温調整機能がないため、そのままにしておくと水温が上昇して競技には使えず、まるで風呂のようになるということでありました。水球競技ができる大新プールについては、いつスタンドが崩壊するかもしれないような状況であると聞いております。
後日、早速、管理をする都市計画課や公園管理事務所の皆さんにも来てもらって、詳しく秋葉山プールを見てもらいました。至るところで傷みがひどく、これまでにも飛び込みプールの飛び込み台の補修や手すりの一部を設置したり、管理事務所の人たちで毎年ペンキを塗りかえるなどの努力はしてくれているようでありますが、老朽化の進みが激しく、本格的な手直しが一刻も早く望まれております。
紀三井寺総合運動公園においても、高校野球夏の大会で、平成十年度において、智弁学園和歌山対橋本高校、海南高校対日高中津分校の試合が日没再試合になり、せっかくの好試合に水が差され、試合を見に行っておりました私も大変がっかりしたことがございます。ナイター設備を設置できず、日没再試合になるなど、現在では全国に例のないところであります。
これらのことから、現在の県有施設は大半が昭和四十六年の国体前に整備され、老朽化が進んでおります。施設の老朽化が進むのと比例して、各種目において全国大会の本県の成績が下降線をたどっております。中には、全国で初めてという日高中津分校の甲子園初出場や智弁学園和歌山高校の夏の甲子園での記録的な優勝などもありますが、やはりスポーツ全体のレベル低下は認めざるを得ません。多くの県民が和歌山県の選手の活躍を願っているのであります。この本会議においても、何度となく取り上げられております。平成九年六月議会において新島議員、また高瀬議員の質問に対しても、当時の西口知事は、二巡目国体については平成二十七年の第七十回国民体育大会を本県に誘致したいと答弁されております。あと十四年であります。
スポーツ施設については、県において教育委員会と土木部都市計画課がそれぞれ担当されているわけでありますが、スポーツ振興と施設の整備については一体のものであります。県体育協会を含め、教育委員会と土木部がもう少しスポーツ施設整備について連携を密にする必要があると思いますので、そのことを指摘しておきたいと思います。国体のメーン会場となる総合運動公園についても、過去十年、国体が開催された府県の平均面積は五十ヘクタール以上になり、紀三井寺総合運動公園の十二ヘクタールが現在ではいかに手狭であるかということがよくわかるわけであります。財政の厳しい時期であるがゆえに余計に整備計画を立て、市町村の施設も見ながら必要な整備を今から進めていくことが大切であると考えます。和歌山県における競技スポーツ、生涯スポーツ環境の整備について考えてみると、新たな機能を持つスポーツ施設の整備が必要であり、早急に着手することが大切であると考えます。
そこで県内を見渡してみますと、県勢活性化の貴重な財産であるコスモパーク加太の活用が考えられます。コスモパーク加太計画は、関西国際空港一期埋め立て用土砂採取跡地二百五十一ヘクタールの広大な土地に新たな都市を整備しようとするものであり、現在、県では未利用地利活用検討委員会を設置し、その活用方策を検討しているところでありますが、何らまだ聞こえてきてございません。私は、近年の社会経済状況を考え、その将来に大きな懸念を持つものであります。毎年、一般財源からの利子負担も大変な金額であります。先ほど申し上げましたが、広大な敷地はうまく利用することができれば県勢活性化の貴重な財産であり、その利活用は大変重要なことであります。
そこで、提案いたします。
コスモパーク加太に、当地区の豊かな自然環境に溶け込むような総合運動公園を設置することはいかがでしょうか。二百五十一ヘクタールの中でまず五十ヘクタールを買収し、時間をかけて整備を始め、最初は簡単なグラウンドだけでもつくっておけば県民も利用することができます。今のように、ただ草ばかりが生え、何ら利用することもできないような土地に対して税金で利子負担を続けていくならば、県民の理解が得にくくなっていくと思われます。そして、必要なスポーツ施設を計画的に整備をしていくことで、県民の生涯スポーツセンターとしての機能はもちろんのこと、次期の国体のメーン会場としての機能も十分果たせる施設となり、スポーツ振興にとってはもちろんのこと、懸案であるコスモパーク加太計画全体の推進に不可欠な施設となっていくと考えます。これらのことについて、当局の答弁を求めます。
これで、一回目の質問を終わらせていただきます。
○議長(井出益弘君) ただいまの尾崎要二君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事木村良樹君。
〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) ただいまの湾岸道路についてのご提言でございます。
私も、和歌山県の経済が発展してきたのは臨海地域のコンビナートの影響が非常に大きいとかねてから思っております。今は非常に厳しい状況にありますが、全体的に見て、そういうコンビナートが山陰に点在していて、それをつなぐ道路が四十二号線ぐらいしかないという状況は非常に変わった状況だという感じを思っております。今、景気の状況も非常に厳しい中でのご提言ではございますけれども、こういう地域を海に張り出してつなぐような道、そしてまた沈埋トンネルで大きな国土幹線軸につないでいこうというふうな発想は、地域経営という観点から非常に夢のある話ではないかと思っております。そういうこともありまして今年度調査費を計上したところでございますけれども、こういう大きな問題について議会ともまたいろいろ相談し合いながら、どういうふうに持っていくかということを検討していかないといけないと思っております。それにつけても、道路財源がなくなってしまうとこういうこともできませんので、今後とも道路財源の確保に議会と一体となって努力していきたいと思っております。
次に、体育施設と国体の件でございます。
今、国体のあり方についてどんどん見直しが来ております。地域の振興、県の振興のためにはスポーツが非常に大きな役割を果たす、そしてまたスポーツで頑張ることが県民の活力につながるということは、そのとおりだと思います。ただ、今の国体のように、大きな施設をどんどんつくって、それで主催県が必ず一位になるという仕組みはだんだん変わってくるだろうと思いますし、現にもう変化の兆しが出てきております。そういう大きな変化の中で、和歌山県が新しい形の国体のパイオニアというか、先陣を切れるような名誉ある立場になれるような形での国体の誘致を考えていきたいと思っている次第です。
ただ、そうは言いましても、和歌山県内の体育施設を見ると、今お話にもありましたように、プール一つをとっても非常に厳しい状況です。国体云々はともかくとしても、基本的な施設を計画的に整備していくということ、そういう中で先ほどのコスモパーク加太、これは不良債権処理的な問題で、今全国的に大きな問題になってきております。和歌山県もこの対策を鋭意考えているんですけれども、そういう中で必要なものをある程度買い取って──広い土地ですから全部というわけにはいきませんけれども、使っていく、それに税金をつぎ込んでいくことに対して県民の方にも理解を求める一つの方策ではないかと思っておりますので、ただいまのご提言も含めて真剣に検討していきたいと、このように思っております。
○議長(井出益弘君) 土木部長大山耕二君。
〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) まず、湾岸道路についてでございます。
有田市から和歌山市北部が発展し、ひいては県勢が発展するためには、和歌山下津港の整備とあわせ、湾岸に沿った陸上交通を円滑に処理することが重要であると考えてございます。この湾岸道路の構想を進めるためには、道路ネットワーク上の位置づけが大切であり、本年度より道路部門が中心となって調査を進めてございます。本年度調査では、高速道路インターチェンジへのアクセス道路も含め、和歌山都市圏における位置づけやルートなどについて検討してまいります。また、この道路は多大な事業費が必要となることや片男波の環境の問題等課題も多いため、本年度調査では類似事例や沈埋トンネルの調査研究等もあわせて進めてまいりたいと考えてございます。
なお、議員ご提言の湾岸道路構想のうち海南─有田間については、国道四十二号の渋滞緩和のため、国、県及び沿線の二市一町が連携をとりながら、バイパス計画の検討を進めているところでございます。
次に公園内の県有スポーツ施設の老朽化対策につきましては、教育委員会と連携の上、厳しい財政状況の中、必要性及び緊急性について検討の上、取り組んでまいりたいと考えております。
特にご指摘の秋葉山プールについては、公認施設であることを踏まえ、スポーツ関係団体と協議し、優先順位をつけて施設の改善に取り組んでまいりたいと考えております。
また紀三井寺公園野球場のナイター設備については、第一種低層住居専用地域に指定されておりまして、困難であると考えております。ナイター設備を備えた新しい野球場の整備につきましては、スポーツ施策としての位置づけがなされる中で、土木部として対処してまいりたいと存じます。
以上でございます。
○議長(井出益弘君) 教育長小関洋治君。
〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) スポーツの振興に関してお答えいたします。
お話ありましたように、スポーツの振興は、県民の夢と希望や県の活性化に大きな影響を持つものと考えております。このため、県民の期待にこたえられるような競技力を持った選手の育成を目指し、これまでハイスクール強化指定校やジュニア一貫指導体制構築事業など、各種の強化策を実施してまいりました。その結果、インターハイや国体などで活躍する選手がふえてきており、徐々にではありますが、成績は向上いたしております。議員お話のありました、水泳競技を中心とした夏季国体においても、ことしの宮城国体では黒潮国体以来の成績を上げることができました。
また、スポーツ施設の整備は、競技スポーツあるいは生涯スポーツを振興する上で大きな役割を果たすものであり、議員のご指摘を踏まえ、今後とも土木部を初めとする関係部局と連携を密にして取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(井出益弘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
十三番尾崎要二君。
○尾崎要二君 まず二巡目国体について、それぞれ答弁を賜りました。
これに向けていろんな形の考え方があろうと思いますけれども、ひとつ前向いて進めてほしい、姿として見えてくるようなスポーツ施設の整備なども必ず見せていただきたいということを要望させていただきたいと思います。
引き続き、湾岸道路についてであります。
海南市から有田市にかけての唯一の道路である国道四十二号線について、昭和三十年代に二車線整備をされて以降、何ら対応ができていなかった。ただ、その間にどんどん利用する車がふえてきたということで、地域の県民の皆さんの生活に大変な悪影響を及ぼしておりましたが、やっと一つのバイパス化ということで前向いていこうというような答弁をいただきましたけれども、そういう動きにもなりつつあるようなわけであります。ただ、大変財政も厳しいので、一刻も早い事業着手について、この点はなお要望させていただきたいと思います。
それから和歌浦廻線の件でありますけれども、昭和二十一年に都市計画決定がされたわけであります。それから五十五年、全く何にもしていないという立派な計画がなされてございます。これも、ちょっと何とかしてほしいという思いであります。私も、県庁より自宅のある下津町まで帰る際に、特に紀三井寺の交差点で大変な渋滞があるとき、県立医科大学の手前で旭橋を渡って九十度に曲がって、そしてシーサイドロードから毛見一号線、マリーナシティを通って帰ります。ところが、マリーナシティまで行きますと、目の前の南の対岸にもう下津町があり、国道四十二号線が走っているわけであります。石を持って投げたら当たりそうなところにあるような感じすらいたします。それを、わざわざ東に大回りして走っていかねばならん。大変な道路整備の不備を感じております。
それから、シーサイドロードから片男波の先端、これの距離といえば、今の私ですら泳いで一分以内でいけるぐらいの距離しかないようなところです。これぐらいの距離、何とか沈埋トンネルで──なぜ沈埋と申すかと言いますと、先ほどの答弁の中にもありましたが、やはり景勝地でもございます。下へ潜らせていけば、先ほどの五十五年間さわっていない和歌浦廻線にすぐつながるわけであります。そして、それを大浦トンネルを通って大浦街道、和歌浦港とつなげば、本当に最短の距離であります。これらについても整備がされておりませんので、ぜひひとつ考えていただきたいなという思いでございます。
もう一度申し上げます。和歌山下津港湾岸道路とは、有田市─下津町─海南市間の国道四十二号線をバイパス一部四車線化で整備し、海南市冷水の西よりマリーナシティに橋をかけ、毛見一号線、シーサイドロードから沈埋トンネルで片男波に渡り、和歌浦廻線を整備し、大浦トンネルから和歌山港へ向かい、紀の川河口大橋から北港へのルートをたどる道路であります。本年度において調査費を計上していただいていろいろと調査をする、またしているということであります。大変期待をしてございます。また、県議会の中にある湾岸の議連の方も、近く類似県である広島市の湾岸道路の方へも現地視察に行ってこようということで、今その計画の準備をしているところであります。これらについても、どうか一刻も早く現実のものとなるよう努力していただきたいことを要望して、質問を終わります。
○議長(井出益弘君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で尾崎要二君の質問が終了いたしました。