平成13年9月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(江上柳助議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前十時一分開議
○議長(井出益弘君) これより本日の会議を開きます。
  【日程第一 議案第百四号から議案第百二十号まで、並びに
        報第六号】
  【日程第二 一般質問】
○議長(井出益弘君) 日程第一、議案第百四号から議案第百二十号まで、並びに知事専決処分報告報第六号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 四十一番江上柳助君。
  〔江上柳助君、登壇〕(拍手)
○江上柳助君 おはようございます。ただいま議長のお許しをいただきましたので、通告に従って一般質問をさせていただきます。
 去る七月十日、不慮の事故によりご逝去されました木下秀男先生のご遺徳をしのび、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。私は、木下先生には農林水産委員会で一年間ご一緒させていただきました。大変にお世話になった一人でございます。今は亡き木下先生に、心から哀悼の誠をささげるものであります。
 また、一昨日の本会議で意見書が全会一致で採択されました、九月十一日のニューヨークの世界貿易センタービル及びワシントンの国防総省等に対する同時多発テロ攻撃は、世界じゅうを震撼させた野蛮かつ卑劣な行為であり、文明と民主主義に対する絶対に許しがたい挑戦であります。犠牲となられた多くの方々に対し深く哀悼の意を表しますとともに、米国民に対し、心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 それでは、最初に防災対策についてお尋ねいたします。
 あの忌まわしい阪神・淡路大震災から六カ年の歳月がたちました。私たちは、阪神・淡路大震災の多くの犠牲者の上に得られた教訓を決して忘れてはなりません。また、昨年十月六日には鳥取県西部地震が発生いたしました。さらに、本年三月二十四日に芸予地震がありました。
 本県においては、マグニチュード八の南海道地震から五十五年目を迎えようとしております。前回の南海道地震は昭和二十一年十二月二十一日に発生し、マグニチュード八の規模で西日本各地に津波の被害などをもたらし、千三百三十名のとうとい命が奪われました。東大地震研究所の島崎邦彦教授は、一九四六年の南海地震は規模が小さかったため次は二〇一〇年から二〇二〇年ごろと早く、大規模と予測しております。また紀の川沿いには、世界的にも大規模な活断層、中央構造線が走っております。いつ起こるかわからない地震や災害、これらの対策を初めとする危機管理に終わりはなく、さらなる対策の充実強化に努めていかなければなりません。
 内閣府は、九月十五日、「国土の将来像に関する世論調査」の結果を公表しました。それによりますと、素早く対応できる危機管理体制が六一・二%で、六割の人が危機管理体制の必要性を指摘しております。次いで、耐震性強化や防災施設整備が三一・九%、ハザードマップの作成などが三一・七%となっております。ハザードマップと申しますのは、地震が起きた場合の被害状況を示した地図でございます。
 「治にあって乱を忘れず」との中国の古諺があります。長谷川慶太郎氏の書かれた危機管理の鉄則によりますと、「日本の官僚は、第一に法律で権限が与えられている。第二に、予算が組まれている。第三に、時間のゆとりがある。この三つの条件のもとで行政を行っている。ところが災害の場合は、それが全部崩れてしまう。それを踏まえた発想にならないと、幾ら口で言っても実行できない。今度はそれを実行させるための保証として計画をつくり、その計画に沿って何度も繰り返し訓練することが必要です。それでも完全にはいかないでしょう。何年もかけなければうまく機能するようにならない」と述べております。地震や災害の危機管理については、計画をつくり、体制を整備して、何回も何回も訓練してなれ親しんでおくことが重要であります。
 鳥取西部地震で、鳥取県の片山知事は防災対策の成果として、「知事に就任してから、まず防災組織を強化するための防災監という、防災のことを専門的に考えてくれる幹部職をつくり、組織を強化した。その防災監のもとで、いざというときの訓練をやってきた。それが今回随分生かされた」と述べておられます。本県においても、本年四月から防災対策の専任スタッフとして防災監を置き、防災組織が強化されたところであります。
 そこで、知事及び関係部長にお尋ねいたします。
 第一点は、本県における南海地震などの大規模地震発生の予測をどのように立てておられるのか。また、昭和二十一年の南海道地震では、津波の被害、犠牲者が多く見られました。本県は半島に位置し、長い海岸線を有しております。地震による津波災害を初めとした防災訓練、防災対策はどのようになっているのか。
 第二点は、昨年十月に発生した鳥取県西部地震について、鳥取県の片山知事は、防災対策の成果として「防災監という幹部職をつくって組織を強化し、その防災監のもとで、いざというときの訓練をやってきた。それが今回随分生かされた」と述べております。本県における防災監の使命と役割、いざというときの訓練についてどのように考えているのか。
 第三点は、阪神・淡路大震災ではボランティアの皆さんの救援活動が注目を浴びました。和歌山市の建設業で、ブルドーザーやクレーン車、掘削機を持った皆さんの有志で結成された虎伏災害救援隊──略称TRTでございます──は、救援ボランティアとして和歌山市に登録されておりますが、県では救援ボランティア団体として登録をしていただけないそうでございます。なぜ県で登録できないのか、その理由と今後の救援ボランティア団体の登録への取り組みについてお聞かせください。
 第四点は、県庁舎などの県有施設及び和歌山市にかかる紀の川河口大橋、紀の川大橋、北島橋、六十谷橋、紀州大橋などの橋梁の耐震構造は大丈夫なのか。その現状と対策についてお答えください。
 第五点は、県庁に隣接している、和歌山市が所有している雄湊公園の一角が災害時の指令拠点防災センターとして最適であるとして、雄湊公園の一角を和歌山市から譲り受けることを条件に、この土地を取得することを条件に医大跡地の一部を譲渡する交渉に入りたい、検討に入りたいと、さきの六月議会で知事が表明されております。防災センターの整備が急がれておりますが、県防災センター建設用地の取得の時期と医大跡地の一部を和歌山市に譲渡する時期はどのようになっているのか、お尋ねいたします。
 第六点は、建築物の耐震改修の促進に関する法律に基づき、建築物の地震に対する安全性の向上を図るため建築物の耐震診断を行う者に対し補助金を交付する、いわゆる和歌山県建築物耐震診断モデル事業への取り組みとその実施状況についてお答えください。
 次に、防災ヘリ運航規定の見直しとドクターヘリ導入への取り組み状況についてお尋ねいたします。
 八月十九日、県立医科大学病院のヘリポートから、一人の脳梗塞の患者と医師、家族を乗せたヘリコプターが、青々と澄み渡る青空のもと、快音を響かせて新宮病院へと向かって離陸いたしました。医大へはヘリで患者が運ばれることはあっても、患者を乗せたヘリコプターが医大を飛び立つのは医大始まって以来、初めての出来事でありました。
 医大病院は、救急医療のため、次の患者のためベッドをあけたい。患者の家族は、地元の新宮に帰りたい。しかし、酸素吸入のための酸素ボンベや医療機器のバッテリーの都合と患者を余り動かせないため、救急車で三時間半から四時間もかけて新宮まで搬送できない。そこで、医大病院から防災ヘリ出動の要請がなされました。しかしながら、本県の防災ヘリコプター緊急運航要領では、一、公共性、二、緊急性、三、非代替性があるため防災ヘリは使用できないとのことでありました。
 患者の家族は、大阪のヘリ会社に依頼しました。費用が六十万円かかると言われ、私に県の防災ヘリ運航の相談がありました。県当局は防災ヘリコプター運航管理要綱や防災ヘリコプター緊急運航要領に基づいて防災ヘリを運航させているわけで、一議員から言われても、当然運航できないわけであります。
 私は、田辺市でヘリコプターを持っておられる民間救援隊の方に相談いたしました。ちょうど八月十九日の朝、紀の川の河川敷で防災訓練があるので、快くボランティアで引き受けてくださいました。午前十一時に医大病院のヘリポート基地へ着陸、十一時三十分に患者を乗せたヘリコプターが医師、看護婦、家族の十数名の皆さんに見守られる中、医大のヘリポート基地を離陸したわけであります。医大の教授は、患者を乗せたヘリコプターを見送り、感慨深そうに「医大病院から患者がヘリで飛び立つのは初めてのことです」と言われ、丁重にお礼を述べられ、恐縮した次第でございます。
 防災ヘリコプター運航規定を見直しできないものでしょうか。確かに、緊急性という点では課題があるにせよ、他に患者の搬送手段がない場合には検討の余地があるのではないでしょうか。県の防災ヘリ、公有財産を公務で使うことはできるわけであります。しかしながら緊急的な場合には、その公務をも取りやめてその緊急に対応しなければならないと、このようになっているようでございます。
 現在、ドクターヘリ導入の検討が進められております。防災ヘリ、ドクターヘリの運航の面では類似していると思われます。この際、防災ヘリ運航規定を見直すべきだと思います。また、ドクターヘリ導入の取り組み状況とあわせ、お答えください。
 次に、県立医科大学跡地利用についてお尋ねいたします。
 九月定例会の知事説明の中で、「医大跡地利用に係る事業コンペにつきましては、去る八月二十日に説明会を開催し、三十一社の参加を得たところでございます。今後、企業からの事業計画の提案を受け、別途設置いたしました医大跡地利用事業計画提案協議審査委員会での審議を経て、年内にも施設の整備を行う事業者を決定できるよう鋭意作業を進めてまいりたいと考えております」と知事は述べられました。
 申すまでもなく、和歌山市の中心市街地、特にぶらくり丁商店街は、医大の紀三井寺移転以来、丸正百貨店の倒産、ビブレの撤退など、すっかり火が消えたようになっております。名物のパンダバスの運行も、ままならぬ状況であります。かつてのにぎわいを取り戻すため、一日も早く医大跡地利用が決定し、建設着工のつち音を強く待ち望んでおります。
 しかしながら、今日的な経済の低迷と長期的な不況の中、この時期に医大跡地での県立医科大学跡地利用に関する県の基本方針に基づいて都市型複合施設を整備することには、大変厳しい環境が容易に想像されます。コンペに応募して入選した企業が医大跡地で施設を整備する場合、工事期間中の土地の無償提供や施設整備に対する補助など、一定の配慮がなされておりますが、今後、事業コンペ入選者、事業主体者からの要望に対して公的支援を考える用意はあるのかどうか。また、昨日、一昨日の九月十七日、十八日の応募登録申し込み状況とあわせ、お答えください。
 次に、IT施策の構築とITインフラ整備についてお尋ねいたします。
 私は、昨年、知事が就任されてから毎回の定例会の一般質問で、IT化の促進についてお尋ねいたしました。質問のたびに知事からは、本県のIT化に向けての並々ならぬ決意をお聞かせいただきました。そして本年七月、株式会社バーチャル和歌山が創立され、これからふるさと和歌山わいわい市場の構築など、バーチャル和歌山構想の事業化が進められるわけであります。
 一方、アメリカのITバブルの崩壊によって、景気牽引力として頼りにしてきたITが世界じゅうで失速しております。我が国においても、情報関連産業の在庫調整局面とはいえ、IT関連企業に課されたリストラは半端ではありません。日本経済の唯一の救世主かと思われたIT神話がもろくも崩壊し、人員削減、事業撤退、そして倒産、ネットバブル崩壊で行き場を失ったベンチャーたちが出口を求めて迷走しているとも言われております。
 IT革命からIT不況と言われるようになった今日、この事態をどのようにとらえ、バーチャル和歌山構想の事業化によって本県のIT産業の振興にどのように貢献させるお考えなのか、また来年度以降のIT戦略をどのように構築しようとするのか、お聞かせください。
 次に、ITインフラ整備についてお尋ねいたします。
 IT基本法すなわち高度情報通信ネットワーク社会形成基本法第三条では、「高度情報通信ネットワーク社会の形成は、すべての国民が、インターネットその他の高度情報通信ネットワークを容易にかつ主体的に利用する機会を有し、その利用の機会を通じて個々の能力を創造的かつ最大限に発揮することが可能となり、もって情報通信技術の恵沢をあまねく享受できる社会が実現されることを旨として、行われなければならない」としております。
 本年一月のe-Japan戦略において、五年以内に少なくとも三千万世帯が高速インターネットアクセス網に、また一千万世帯が超高速インターネットアクセス網に常時接続可能な環境の整備が、また本年三月のe-Japan重点計画において、地理的情報格差の是正が目標として掲げられております。そして総務省は、過疎地、半島、山村、特定農山村などの条件不利地域における地方公共団体等の公共ネットワークを活用した加入者系光ファイバー網を整備するための補助事業に対し、平成十四年度の概算要求で八十億円を初めて計上しております。補助率は二分の一であります。さらに総務省の補助事業として、携帯電話などの移動通信サービスが使えない地域を解消するための移動通信用鉄塔施設整備事業があります。これらの情報格差是正のための国の補助事業を積極的に活用して、本県の半島に位置した山村僻地の地理的情報格差の是正に取り組むべきだと考えます。ご見解を承りたいと思います。
 次に、和歌山市内の道路整備についてお尋ねいたします。
 私は、一昨年九月、本年二月の定例会の一般質問で、道路整備、特に和歌山市内の遅々として進まない都市計画道路の整備について質問しました。都市計画道路の整備が進まない原因は、工事費に比べて用地費、建物の補償費が多額になり、財源確保もさることながら、土地にかかわる地権者が多数となることから用地取得の難航がネックになっております。そこで、都市計画道路の用地交渉における土地収用についてお尋ねいたしました。
 当時の西口知事からは、「事業の重点化を図るとともに、用地取得を円滑に進めるためには、体制の充実あるいは土地収用法を活用し、都市計画道路の整備促進に努めてまいりたいと考えてございます」と答弁されました。大山土木部長からは、土地収用法の活用について、「都市計画法の趣旨にのっとり、また地権者間の公平性の観点から、主要裁決申請の書類作成の開始時期を用地取得率がおおむね八〇%程度を目安とする方向で検討してまいりたいと考えております」と答弁されました。
 公共事業の用地取得は地権者の権利にかかわることでありますから、できるだけ任意交渉により土地所有者や関係者らの理解を得てこれを取得することが望ましいということは、申すまでもございません。しかしながら、任意交渉による用地取得に固執する余り、裁決申請がおくれ、道路の大部分の工事が終わっているのに一部の土地の取得ができないため道路工事が進まない、道路の開通ができないなどの例を見ることがあります。任意交渉における土地所有者らの主張の内容、あるいは交渉態度等により任意交渉による解決が望めない蓋然性が高い場合は、早目に土地収用法による裁決申請をすることも必要でないかと思います。裁決申請への取り組みについて、知事のご所見をお聞きします。
 また、都市計画道路における土地収用制度は、道路という公共性の極めて高い公共事業のため、国民、県民の私権を制限するものであります。それだけに、土地収用法における裁決申請手続に移行する時期について、公平を期す観点から、具体的な対応方針、ルールを定める必要があります。そして、土地収用委員会に裁決申請をする前の段階で、土地収用委員会にかけるかどうかを検討する仮称「裁決申請検討委員会」なるものを設置したらどうかと考えます。知事のご見解を承りたいと思います。
 次に、都市計画道路整備のための財源と予算確保についてお尋ねいたします。
 本年二月定例会の一般質問で、和歌山市の北部、紀の川右岸地域の人口がこの三十五年間で倍増した人口急増地帯の朝夕の交通渋滞を解消するため、都市計画道路西脇山口線の道路整備についてお尋ねいたしました。また、私たちは、県道西脇山口線の建設促進と近畿自動車道に北インターチェンジの新設等を求める陳情署名活動で、短期間ではありましたが、五万人を超える地域住民の署名をいただきました。県道西脇山口線の都市計画路線に位置する住民のほとんどが賛同し、署名に協力をしていただきました。道路整備への関心の高さがうかがえます。その署名簿を携え、六月二十八日、住民代表の皆さんとともに知事に陳情させていただきました。その節は、知事並びに土木部長を初めとする関係者の皆さん、大変お世話になり、ありがとうございました。そして九月定例会、知事の説明の中で、「和歌山市北部における東西主要幹線軸である西脇山口線の整備についてでございますが、園部地区における慢性的な渋滞解消を図るため所要の措置を講じることとしております」と述べられました。知事は、和歌山市域の道路整備のおくれに認識を新たにされ、取り組む意欲を示されたことに、心から敬意を表したいと思います。
 しかしながら、和歌山市域の都市整備局事業は、一律マイナスシーリングの影響で平成十三年度は前年度より約三億円減額され、三十一億五千五百万円となっております。今後の道路財源の確保について、知事のご所見をお伺いします。また、都市計画道路事業予算をどのように確保するお考えか、土木部長にお尋ねいたします。
 次に、南海電鉄和歌山港支線の廃線についてお尋ねいたします。
 西脇山口線の園部地区の事業化、湊神前線の宮前駅付近の跨線橋が九月二十八日の供用開始、第二阪和国道新南海橋の和歌山市大谷から元寺町二・二キロが平成十四年度中の供用開始予定になるわけであります。しかしながら、和歌山市域の都市計画道路は、昭和四十年に三十五カ所が都市計画決定されたものであります。計画総延長百八十四キロで、改良済み延長は七十四・五二キロ、改良率四〇・三九%で、進捗率はまだまだであります。三十六年たって改良率四〇・数%でありますから、全線開通するにはあと四十年、五十年とかかるわけであります。気の遠くなる話であります。
 私は、今すぐ都市計画道路の全線の道路整備をするようにと言っているのではありません。財源、予算の関係で、無理な話であります。主要な部分、交通が渋滞する、車の流れが悪い箇所を抜いていただきたい。朝夕の渋滞解消のため、重点的に道路整備に取り組んでいただきたい。都市計画決定をされた道路ごとに、わずか二キロ、三キロの道路を整備する話であります。湊神前線の宮前駅付近の跨線橋が九月二十八日の供用開始となります。次は、今でも渋滞している国体道路が大きく渋滞をしていくわけであります。国体道路の渋滞を解消するためには、南港山東線の事業化を進めなければなりません。
 現在、和歌山港の臨港道路と接する部分が非常に狭く、改良されておりません。交通事故も、たびたびあるようでございます。南海電鉄和歌山港支線が障害になっていると聞き及んでおります。この際、余り利用されていない南海電鉄和歌山港支線を南海電鉄、和歌山市、地元と協議の上、廃線にしたらどうかと考えます。ご見解を承りたいと思います。
 最後に、大雨による道路の冠水対策についてお尋ねいたします。
 九月七日、台風十六号接近に伴う秋雨前線の影響で、交通機関の乱れや道路の冠水、床上・床下浸水などの被害が出ました。特に和歌山市の県道鳴神木広線の田中町アンダーでは、冠水のため、現場付近で昼過ぎから約三時間通行どめ、国体道路は約一キロ渋滞しました。ちょうどこのとき、私ども農林水産委員会は六日、七日と御坊、南部、田辺へ県内視察に行っておりまして、この七日にこの田中町アンダーの下をくぐろうとしたわけでありますけれども、パトカーがあり、消防車がありで、通行できませんでした。三時間もこの和歌山市内の幹線道路が通行どめということは、私は大変な事態であると思うわけです。県では水防二を発動、関係職員の半数がその対応に当たられました。大変ご苦労さまでした。
 私は、昨年の九月定例会でも道路の冠水問題を取り上げました。土木部長は、「国、市に働きかけて浸水対策に関する協議会を設立し、各種事業間の調整を図り、効率的な整備について積極的に検討してまいります」と答弁されました。私は、浸水対策に関する協議会を立ち上げたという報告もいただいておりました。また、県道鳴神木広線の田中町アンダーの冠水対策についても、四十センチの管を入れるという話も聞いておりました。しかしながら、いまだに工事に着手した形跡がありません。どのようになっているのでしょうか。
 建設委員会等でも、この問題は議論になったそうでございます。九月定例会になったら、毎回道路の冠水問題を質問しなければならないのでしょうか。田中町アンダーを含む道路の冠水対策について、事業の整備の検討から一年経過しております。検討していただくのは大いに結構でございますが、事業に入っていただかないと、いつまでたってもこの道路の冠水問題は解消しないわけであります。一日も早く具体的に道路の冠水対策事業に着手し、大雨のときはいつも水浸しになるという汚名を返上していただきたい。決意のほどをお伺いいたしまして、私の第一回目の質問とさせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。
○議長(井出益弘君) ただいまの江上柳助君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) まず、大地震対策ということでございます。
 阪神・淡路大地震、そして鳥取西部地震、芸予地震と、このところ西日本が地震の活動期に入っていると聞いているところでございます。一九四六年の南海道地震から既に五十四年たちまして、大体百年から百五十年の周期で起こると言われておりますので、今後数十年の間に発生する可能性が高くなってきているということだろうと思います。そしてまた、近々、国の地震調査委員会もこの南海道地震の発生確率を発表することになっておりまして、いずれにいたしましても、この問題に対して非常に真剣に取り組まなければならない時期が来ているということでございます。私は、防災センターの問題も含めて、今、この問題に真剣に取り組んでいこうと思っております。
 特に和歌山県は、地形上、津波の影響を受ける可能性が非常に高いということでございます。これまでにも津波についてはいろいろな施策を考えてきたわけですけれども、この点についても、さらに今まで以上に対応策の充実を図っていきたいと思っているところでございます。
 それから、防火監の設置についてでございます。
 実は、私が知事になったときに、鳥取県の知事と私は役所で同期なものですから話をしたら、彼は鳥取西部地震の経験から防災問題ということが何よりも大事だということを私に言っておりました。そういうこともありまして、特に南海道地震の関係もありますので、和歌山県の防災体制を充実しようという観点から防災監を置いたと。今後、防災監には、和歌山県の防災のかなめになってもらうことはもちろんですが、今進めている防災センターのあり方の検討などについても中心的な役割を果たしてもらうように考えているところでございます。
 それから、医大跡地のコンペの状況でございます。
 アメリカの同時多発テロ事件があったり、景気がどんどん冷え込んでいく中で、実は私も、当てはあったんですけれども非常に危惧はしていたところでございますが、幸いなことに、きのう締め切ったら六つのグループから出てきまして、これは予想以上の成果ということで安堵の胸をなでおろしているところでございます。
 当然、こういう厳しい時期に応募してきてもらったということもありますので、県としても、やるところが決まったら相応の支援はしていかなければなりません。例えば、駐車場をつくるときの整備の補助であるとか、公開空地の無償貸与、そして工事中にいろいろ土地がいるときの無償貸与とか、いろんなことが考えられると思うんですけれども、いずれにせよ、事業者が決まれば、そこが円滑に進んで何とか早くいいものができて和歌山県の経済の活性化に役に立つような形で頑張っていきたいと考えているところでございます。
 それから、バーチャル和歌山と今後のIT戦略ということでございます。
 バーチャル関係は、先ほどのご質問にもありましたように、非常に厳しい状況です。県が関与しているからといってうまくいく保証があるわけではございません。そういうこともありますので、私の方からも、この厳しい状況の中でうまくやっていけるようにということを口を酸っぱくしてお話をしたりしているところでございますが、幸い、その中の、わいわい市場ということをやることになっているんですけれども、これについてはほとんどの県下の市町村から優良な物産について登録の申請があったと聞いております。今後ともさまざまな工夫を凝らして、このバーチャル和歌山の会社がうまく和歌山県のIT化に貢献できるような会社になるようにいろんな形で協力してもらいたいと思っております。
 それから、今後の和歌山県のIT戦略ということでございます。
 ことしの四月にIT戦略本部を設置し、この秋に中間報告を出すことになっております。その柱としては、一つは過疎地域のIT化の格差是正、それから今インターネットが非常に活用されるようになってきておりますけれども、この利用策の拡充、そして福祉、防災、病院、教育といった分野へのITの活用方策、EコマースとかSOHOなんかを活用してどういうふうに進めていくかという方策、それから県庁の電子県庁化というふうな事柄について中間報告を受けることになろうかと思いますので、それを受けて来年度以降、また新たなIT化に向けて頑張ってまいりたいと思います。
 そしてもう一つ、田辺の方でやっているIT総合センターですけれども、これも着実にいろいろ進んできておりまして、特に今期待しているのは、国立大学のあり方がいろいろ大きな問題になってきておりますけれども、この和歌山大学も田辺の方へ進出していくことに非常に熱心に取り組んでいただいておりまして、何とか同じ場所で、和歌山大学のサテライト版みたいなものを持ってくるということも今進んできております。いずれにせよ、これも建物をつくることが目的ではありませんので、大いに活用されるような方策を考えていきたいと思っております。
 それから、ITとあわせて、来年度の予算で総務省が光ファイバー敷設について格差是正的な観点から事業を考えているようでございますけれども、この事業にも積極的に対応していきたいと思います。それから、大分進んできたんですけれども、携帯電話について、県内でまだ通じないところがありますので、こういうところも移動通信鉄塔の補助制度の積極的な活用によって、ますますそういうふうな地域がなくなるように頑張っていきたいと思います。
 六点目といたしまして、土地収用の活用ということでございます。
 むしろ都市計画街路なんかを利用する時期から考えて用地の買収の時期をちゃんと決めていくという考え方が必要じゃないかというご質問です。
 これはもう全く、私もそのとおりだと思います。そして、私権の制限ということは非常に問題があるわけですけれども、こういうふうな地価が下落している時期でもあり、そしてまた日本の国がある程度公共のことから発展していくような仕組みを考えていかないといかん時期でもありますので、私は、ご指摘にもあったような適正な手続のもとにこの土地収用の制度も活用して、何とか一番適切な時期に道路が利用できる状況に持っていくような工事の仕組みを組み立てていきたいと考えております。
 あわせて、道路財源の確保について努力するようにということでございます。
 これはもうそのとおりでございまして、先般も東京で道路財源の確保の大会──議会と一緒になって行いましたところ、非常に注目を浴びまして、和歌山県は、昨日も申しましたが、今、道路財源の確保に熱心な県の筆頭というような感じになってきております。こういう評価をますます高めて、何とか和歌山県の道路がよくなるようにしないといけませんし、それからまた県内の道路についても重点化していかなければならないと考えているところでございます。
 それから、最後にありました田中町のアンダーでございます。
 この間、雨につかってまた大変なことになったと。この事実は私も重々承知しておりまして、あそこは高速道路からの和歌山市の入り口になっているんで、雨につかって通れないなんていうのはしゃれにもならない話でございますので、これはもう本当に真剣に、早く対応しなければいかんと思っておりますし、そのような指示を行っております。
 以上でございます。
○議長(井出益弘君) 総務部長稲山博司君。
  〔稲山博司君、登壇〕
○総務部長(稲山博司君) 防災対策のうち、まず救援ボランティア団体の登録についてのご質問にお答えいたします。
 阪神・淡路大震災を契機に平成七年十二月に災害対策基本法が改正され、ボランティア活動の環境整備に配慮することとされたところでございます。本県におきましても、地域防災計画の見直しの中でボランティア活動環境整備計画を作成し、防災ボランティア登録制度を設けたところでございます。
 現在、専門的な知識あるいは技能を有する個人、団体、あるいはリーダー指揮のもとに統一されたグループとして、救援活動に従事する団体の登録をいたしております。
 ご指摘の建設業者の救援ボランティア登録につきましては、一つの有意義なものと考えておりますが、大規模災害時における建設機械等を用いた救援活動のあり方などの課題もございますので、今後、鋭意検討してまいりたいと考えております。
 次に、県庁舎などの県有施設の震災の取り組みについてでございます。
 まず、県庁舎並びに警察施設におきましては、平成七年度から八年度にかけて耐震診断を行い、耐震改修の必要性を指摘されております。この耐震改修には多額の経費を必要とし、また長期間の工期を必要とするため、県庁舎等の建てかえも考慮に入れながら、最も経済的で合理的な対応策を検討してまいりたいと考えております。
 次に、県立学校におきましては七年度より順次耐震調査を行い、調査済みのうち補強が必要な施設につきましては、現在約五割強の補強工事を完了しているところでございます。
 防災の安全度をより高めることは重要でございまして、今後、県有施設の未調査の施設については耐震調査を計画的に行うよう検討してまいりたいと考えております。
 次に、防災ヘリの運行規定の見直しについてでございます。
 県の防災ヘリコプターの救急業務につきましては、消防法に基づいて救急システム実施要領を定め、運用を行っているところでございます。
 救急業務とは、基本的には、救急に搬送する必要がある災害・事故等の傷病者を医療機関に搬送することでございます。一たん医療機関に収容された傷病者の転院搬送につきましては、原則として医療機関が行うべきものでございますが、より高次または専門の医療機関に搬送する必要があり、かつ医療機関等に輸送手段がない場合に限って救急業務の対象となるとされておるところでございます。
 今回の事案につきましては、より高次な医療を受けるために防災ヘリにより県立医科大学に転院搬送された疾病者でございまして、既に高度救命治療がなされていたところでございまして、患者家族の負担など特別な事情があったことはよく承知しておりますが、現行の消防法に基づく救急制度上は、このような事案に対応することは難しいものと考えております。
 今回のようなケースの取り扱いにつきましては、ある意味では救急制度の基本にかかわる重要な問題提起でございまして、高齢化社会の進展等、社会経済の変化による国民の救急業務に対するニーズの変化などを踏まえながら、救急業務の範囲はどうあるべきかについての幅広い議論がまずは必要ではないかと考えております。
○議長(井出益弘君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 防災対策についてお答えいたします。
 まず、ご質問の橋梁の耐震構造につきましては、各橋とも従来の横揺れを主体とした地震に対する対策は実施済みでございます。さらに直下型地震に対応するため、紀州大橋等において縦揺れ対策を進めているところでございます。今後は、直下型地震対策を進めるため、紀の川大橋の早期対策を国に働きかけるとともに、県の橋梁についても優先順位に基づいて実施してまいります。
 次に、建築物耐震診断モデル事業についてでございます。
 この事業は平成十年度から実施しておりまして、民間建築物の耐震対策を促進するため、その経費の一部を県が補助する事業でありまして、これまで十九件の実績がございます。引き続き、民間建築物の地震対策の広報・啓発に努めてまいります。
 次に、都市計画道路の整備のための予算確保についてでございます。
 県都和歌山市の都市計画道路の整備は、県勢発展の上からも重要な課題と認識しております。和歌山市の道路は紀の川やJR紀勢線で分断されており、市街地の周辺部で特に渋滞が厳しく、その解消が急務となっております。そのため、国、県、市から成る和歌山市域道路整備推進協議会を設置し、役割分担して重点的かつ計画的な整備に取り組んでいるところであります。県としては、厳しい財政状況にありますが、優先順位をつけ、予算確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に、ご質問の臨港鉄道和歌山港一号踏切交差点は、大変幅員が狭く、交差点改良が必要と考えております。そのため、今後、議員ご指摘の鉄道廃線も選択肢の一つとして、和歌山市を初め、関係機関や地元と十分協議しながら交差点改良を進めてまいりたいと考えてございます。
 次に、ご質問の田中町アンダー冠水対策の暫定措置としての管径四十センチの計画につきましては、地下埋設物の調査を行った結果、支障となる構造物や埋設物があることが判明し、断念せざるを得ませんでした。この代替措置としまして、田中町アンダー東側に、排水路の新設工事をこの十月に発注する予定としております。さらに、下水道事業者としての和歌山市の全面的な協力を得て抜本対策に取り組みたいと考えております。知事からも強い指示をいただいておりますので、早期解消に向けて努力してまいる所存であります。
 以上でございます。
○議長(井出益弘君) 企画部長垣平高男君。
  〔垣平高男君、登壇〕
○企画部長(垣平高男君) 防災センター建設用地取得と医大跡地譲渡の時期についてお答えを申し上げます。
 防災センター建設用地取得と医大跡地譲渡の時期についてでございますが、六月議会で知事が答弁したとおりの方針に従いまして、現在、県市双方が医大跡地整備事業の推進、あるいは用地売買に伴う条件整備などを内容とする協定書の締結に向けて協議を重ねているところでございます。
 県といたしましては、県防災センター整備の緊急かつ重要性にかんがみ、その前提となる用地問題については、平成十四年度当初予算編成のタイミングを視野に入れて協議を進めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(井出益弘君) 福祉保健部長白井保世君。
  〔白井保世君、登壇〕
○福祉保健部長(白井保世君) ご質問の、ドクターヘリの導入への取り組みでございます。
 ヘリコプターを救急活動に有効活用するためには、救急現場での離発着場の確保、地域の状況に応じた運航体制のあり方、また消防機関が患者の状態からヘリを要請するための基準づくりと、課題がございます。
 ドクターヘリ導入に係るこうした検討課題について、現在、消防機関、医師会及び病院協会等、関係機関の参画を得てヘリコプター救急システム推進検討委員会を設置し、出動要請基準、連絡体制、ヘリポート候補地、患者受け入れ体制、安全対策等、いろいろな角度から検討を進めているところでございます。また、ヘリの特性を生かし、紀伊半島三県での活用を図るため、三重県や奈良県に対しても共同で利用できるよう協議をしているところであります。
 県といたしましては、円滑な導入に向けて、引き続き関係機関との協議を進めてまいりたいと考えてございます。
○議長(井出益弘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 四十一番江上柳助君。
○江上柳助君 知事並びに関係部長からご答弁いただきまして、ありがとうございました。
 まず、防災対策についてでございます。
 ただいま知事より、南海道地震を初めとする大規模地震の予測について、西日本は地震の活動期に入ったと言われている、今後数十年に発生する確率がかなり高いと答弁されました。これは、学者の先生や地震研究所の皆さんの一つの説でもあります。何分、二十一年の南海道地震というのは規模が少し小さかったということで、次の地震は早く来るだろうという説もあるわけでございます。
 いろんな先生方の説の中にも、例えば名古屋大の安藤教授なんかは、南海地震は巨大地震の中では規模が小さく、未解放のエネルギーが残っている、そのため次は二〇四〇年より前に起きるだろうと予測している。前ですから、いつ起きるかわからんわけですね。自然は待ったなしというか、待ってくれません。いつ地震災害が起こるかわからないわけでありますから、県民の生命と財産を守るため、万全の対策、体制をとっていただきたい。お願いいたします。
 問題は、知事も先ほど述べられましたが、長い海岸線を持つ本県においては津波対策なんですね。津波の県民への伝達については、現在、防災行政無線を通じて、音声で一斉に伝えるシステムを構築しています。県の気象台の方から通報が入ると、県の防災課の職員の方が音声で各市町の防災行政無線に伝達をする。二十四時間体制でやっていただいているわけでございます。本当にご苦労さまでございます。
 津波というのは、大体秒速二百メーターです。ですから、時速にすると普通は五百キロと言われておりますけれども、昭和三十五年に起きたチリ地震は、我が国から一万七千キロ離れておりますが、二十四時間で津波が来たわけですね。それをずっと計算していきますと、時速七百キロ。海面の深さ、水深が深いほど速いと、こう言われているわけです。ですから、時速五百キロ、七百キロ──沿岸に近づくほど、陸に近づくほど速さは弱まりますけれども、それでも新幹線並みです。とても人間の足では逃げることはできません。これはいち早く通報するというのが一番大事だと思うんです。
 そういった意味で、県が今とっておられる伝達方式というのは、全国的にも大変すばらしい、どこもまだ例がないようなシステムだそうですね。ただ一般的には、県から市町村へ行きまして、それから音声で伝達すると、こうなっております。そこに人間が入りますと、どうしても、例えばテレビのテロップなどが出ても即伝達できるかというのが課題になります。したがいまして、気象台等から連絡が入ると。また放送局等とも連携をとってもいいと思うんですけれども、その情報が即自動的に音声にかわる自動音声伝達方式なるものをぜひ和歌山から考えていただきたい。IT技術を駆使すれば、そんなに難しい話じゃないと思うんですね。津波の場合は、もう一秒を争うわけです。これは決意を聞きたいなと思ったんですけれども、ぜひ検討していただきたいと思います。
 次に、防災ボランティアの登録であります。
 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、救援ボランティアの掘削とか、ブルドーザーをお持ちの方がお願いに行っても県では登録していただけないんですね。県に登録しておけば、岩出や那賀郡などの方面、また海南、有田方面でもすぐ対応していただけるわけです。
 私、この県の地域防災計画を全部読ませていただきますと、いろんなことが書かれております。立派に書かれております。しかし、これを一つ一つ見ていきますと、例えば建設機械の主要調達先ですが、幾つか書かれております。ここに、こういうご時世ですから、もう倒産している会社もあるんですね。
 それから、例えば河西地域。交通量一日六万台の紀の川大橋は、まだ耐震対策がなされていないんですね。もしこの橋が決壊というか落ちたら、どうなりますか。河西地域に一社だけです。河西地域には、こういう機械がないわけです。ちょっと細かい議論かもわかりませんけれども、そういったことも考えていただきたい。そして、業者の方に聞きましたら、そんなん知りません、そんなんいつ決まりましたんかと、こんなことを言いますし、一度総点検をしていただきたい。
 まあ、ありがたい話じゃないかと思うんですね。みずからがクレーンとか掘削機とかブルドーザーを持って県で登録をお願いしたいと言っているんです。何か難しい話をされているようですが、ぜひ登録をしていただきたいと思います。
 次に、防災監の使命についてお話しいただきました。
 鳥取県の片山知事のもとにある防災監は、防災監に就任されましたら、すぐに阪神・淡路大震災の模様を調査に行ったそうですね。そこでいろんなことを学んできたと言われているんです。ですから、ぜひ防災監──鳥取県では十月六日に鳥取西部地震のシンポジウムを行うそうですし、また芸予地震などもしっかり勉強していただいて万全の対策をとっていただきたいと思います。
 それから、防災センターの建設用地の確保について。
 私は、県民の生命と財産を守るための防災センターだけでも、公益性、公共性が非常に高いものだと思うんです。県は用地確保を条件に医大跡地の一部を和歌山市の公共用地として譲渡することを、知事は表明されております。和歌山市は、今でも都市公園が少ないわけです。都市公園の一部譲渡を都市計画審議会にかけなければなりません。その手続が必要なんですけれども、いまだに都市計画審議会が開かれていないんですね。職員の皆さんも、窓口に行っておられるようですけれども、なかなかうまく対応がなされない。どうか、強く和歌山市に申し入れてこの防災センター建設用地の取得を一日も早く進めていただきたいと、これも要望させていただきます。
 それから、先ほど医大跡地利用の事業コンペに六企業から申し込みがあったと。私も、うれしく思います。十七日に一社でしたので、一社だったら大変だなと思っておりましたが、六社になったそうです。しかし、三十一社の方が八月二十日の説明会に来られているわけですね。三十一社から六社。やっぱり環境が大変厳しいんだなということがうかがえるわけです。ですから、できるだけの支援をぜひしていただきたいと思います。
 それと、ふるさと和歌山わいわい市場いわゆるネット販売です。
 ぜひいいものをつくっていただきたいと思います。高くて悪いのじゃなく、いいものを安く、また特色ある産品をぜひネット上で取り上げていただいたらと思います。特に私は、物を運ぶとなると物流コストがかかりますから、物流コストを下げる努力にも取り組んでいただきたいなと思います。
 それから特に観光サービス、これはネットで全国、全世界にアピールするのは非常にいいことだと思います。お客さんは運賃をかけて足を運んで来てくださるわけです。物を売る場合、こっちからこん包して運賃をかけて送らんといかん。運賃代高いなとなるわけですね。ところが、足を運んで来てくださる。観光産業というのはすそ野が非常に広いわけでありますから、お土産、飲食業、ホテル・旅館などの雇用の場ともなります。本県に観光局もできたことでございますから、どうかひとつ観光という面をアピールできるような体制をぜひお願いしたいと思います。
 そろそろ時間も来たようでございます。まだあるんですけれども、ちょっと時間というような声も出ておりますから、この辺にさせていただきます。
 以上、要望させていただきまして、私の質問とさせていただきます。
 以上です。
○議長(井出益弘君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で江上柳助君の質問が終了いたしました。

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