平成13年2月 和歌山県議会定例会会議録 第6号(全文)
県議会の活動
平成十三年二月 和歌山県議会定例会会議録 第六号
─────────────────────
議事日程 第六号
平成十三年三月十二日(月曜日)午前十時開議
第一 議案第一号から議案第八十号まで、並びに報第一号(質疑)
第二 一般質問
第三 議案等の付託
第四 請願付託の件
会議に付した事件
一 議案第一号から議案第八十号まで、並びに報第一号(質疑)
二 一般質問
三 議案等の付託
四 請願付託の件
五 休会決定の件
出席議員(四十六人)
一 番 新 島 雄
二 番 山 田 正 彦
三 番 佐 田 頴 一
四 番 大 沢 広 太 郎
六 番 宇 治 田 栄 蔵
七 番 門 三 佐 博
八 番 西 本 長 弘
九 番 坂 本 登
十 番 小 原 泰
十一 番 木 下 善 之
十二 番 永 井 佑 治
十三 番 尾 崎 要 二
十四 番 小 川 武
十五 番 宗 正 彦
十六 番 橋 本 進
十七 番 生 駒 三 雄
十八 番 原 日 出 夫
十九 番 谷 洋 一
二十 番 山 下 直 也
二十一番 高 瀬 勝 助
二十二番 吉 井 和 視
二十三番 木 下 秀 男
二十四番 町 田 亘
二十五番 金 田 眞
二十六番 高 田 由 一
二十七番 神 出 政 巳
二十八番 玉 置 公 良
二十九番 向 井 嘉 久 藏
三十 番 野 見 山 海
三十一番 平 越 孝 哉
三十二番 下 川 俊 樹
三十三番 中 山 豊
三十四番 浜 田 真 輔
三十五番 鶴 田 至 弘
三十六番 冨 安 民 浩
三十七番 村 岡 キ ミ 子
三十八番 中 村 裕 一
三十九番 井 出 益 弘
四十 番 阪 部 菊 雄
四十一番 江 上 柳 助
四十二番 長 坂 隆 司
四十三番 森 正 樹
四十四番 飯 田 敬 文
四十五番 新 田 和 弘
四十六番 松 本 貞 次
四十七番 和 田 正 人
欠席議員(一人)
五 番 堀 本 隆 男
説明のため出席した者
知事 木 村 良 樹
副知事 中 山 次 郎
出納長 大 平 勝 之
知事公室長 小 佐 田 昌 計
総務部長 稲 山 博 司
企画部長 安 居 要
環境生活部長 道 浦 渥
福祉保健部長 白 井 保 世
商工労働部長 内 田 安 生
農林水産部長 島 本 隆 生
土木部長 大 山 耕 二
企業局長 辻 健
教育委員会委員長 目 黒 威 徳
教育長 小 関 洋 治
公安委員会委員 島 正 博
警察本部長 岩 井 良 行
人事委員会委員長 青 木 孝 祐
代表監査委員 藤 谷 茂 樹
選挙管理委員会委員長 谷 口 庄 一
職務のため出席した事務局職員
事務局長 田 村 徳 美
次長 蓮 池 康 宏
議事課長 北 垣 内 敬
議事課副課長 松 谷 秋 男
議事班長 露 詰 勤
議事課主査 井 口 好 晴
議事課主事 安 井 伸 彰
総務課長 佐 竹 欣 司
調査課長 梶 本 皓 造
(速記担当者)
議事課主任 吉 川 欽 二
議事課主任 鎌 田 繁
議事課主査 中 尾 祐 一
議事課副主査 保 田 良 春
─────────────────────
午前十時二分開議
○議長(阪部菊雄君) これより本日の会議を開きます。
【日程第一 議案第一号から議案第八十号まで、並びに報第一号】
【日程第二 一般質問】
○議長(阪部菊雄君) 日程第一、議案第一号から議案第八十号まで、並びに地方自治法第百七十九条の規定による知事専決処分報告報第一号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
三十三番中山 豊君。
〔中山 豊君、登壇〕(拍手)
○中山 豊君 議長のお許しを得たので、質問を進めさせていただきます。
「地域の問題は地域でその体制を」という課題についてでございます。
地方事務所が振興局体制に変わるときに、地域の問題はその地域でとのもとに出先機関を海南に移されました。それで事が済んだわけではなくて、残余の部分を可及的速やかに移されるよう求め続けて今日まで来ているところであります。
過日、地元の議会議員の皆さんが幾つかの課題をあわせ持って陳情された中に、この出先機関移転が取り上げられていたところであります。地元出身県議もそれに呼応して県当局に実現方を求められ、一致した要求であることは紛れのない事実であるとここでもご報告するとともに、当局の皆さんのご承知おきいただいているところだと思います。
例えば三百七十号阪井バイパスは、十年この方、前進の兆しなく来ています。いわく、地元の協力が得られないからだと言う。なれば、地元の協力が得られないならどうするかという指導、助言ないしは要請があってしかるべきところですが、このままでは、地元が何もしないからと、責任を地元にかぶせて言い逃れをしているにすぎないのではないかと思えてなりません。もちろん、地元の取り組みと協力が不可欠であることは、紀南地方の取り組みを見てもよく知っているところであります。体制を強め、早期に都計審に諮られるよう進められたいわけであります。
また、タイワンザルの農産物被害対策への取り組みも、県は駆除対策を打ち出したけれども、一向に前に進んでいないところであります。その後、桃生産者は、サル被害からやる気をなくして放棄してしまったという話もあります。農産物の被害により農業者がやる気をなくしているところは大きいわけであります。これらに対し、どんな取り組みが期待されるのでしょうか。
一方、目を他に転じてみますと、滋賀県では、琵琶湖のブラックバス被害拡大でアユやフナ、カワサギ、さらにそこにすんでいるゲンゴロウなどの水生昆虫を危機的状態に追い込んでいるとして、ブラックバスの根絶対策を進めようとしています。石垣島のマングースも、ハブ対策で投入したけれども、結果として、ハブを退治するというよりも既存のいろんな動物を襲って生態系を崩壊させてしまっているという形になり、いろいろ考えられているところです。
外から人為的に投入され、地域の生態系が崩されていく。これは、地域住民への被害というのははかり知れないものがあると指摘せざるを得ないわけであります。
この地域では、タイワンザル、ジャンボタニシなどの農業被害により、農業者にははかり知れない悩みがあるところであります。海南・海草地区は和歌山地区に組み入れられましたが、この体制がにべもなく見過ごされているという状態から早く脱却して、かゆいところへ手の届くような施策が望まれてならないから、この問題を取り上げたわけであります。
議会棟の一階でしたか、振興局が入っている階の廊下を見ますと、「和歌山地域農業普及センター」という大きな看板がかかっています。和歌山地域農業普及センターという言い方で、海南・海草地区も一くくりにされて面倒を見ていただいていることになっているのですが、あの看板を見るたびに、海南・海草が和歌山地域農業普及センターの中に包含されたままでいいものなのか、こういう状態で長く放置されていることによって、タイワンザルにしてもジャンボタニシにしても的確な体制がとり得ていないのではないかという、やるせない気持ちに追いやられるのであります。こういうことなどを考えてみるのに、これは組織及び機構の問題にかかわるお話ですから知事の決断を求めざるを得ないのではないかと申し上げて、この質問を終わりたいと思います。
次に、生石高原ススキ原の復元についてであります。
アカトンボがさおの先でしっぽを突っ立ててとまっている姿を見ました。何でもないことのようですが、これがここで取り上げようとする生石高原ススキ原の復元についての質問のきっかけであります。
ある山合いの一番奥にかなり大きいため池があり、そこから一本の水路があって、その水路にそれぞれがしがみつくように水田が一枚一枚と連なり、両側に里山があります。昭和三十年代の中ごろまで、春になると余すことなく水田に水を張り、田植えがされ、秋となると稲穂が実って黄金波打ち、里山がもみじし、山村の原風景が創出されていったのであります。こんな風景は、県下いや日本の至るところにあったはずであります。ところが今は、その谷間の中ほどから奥は、生産調整とかやらで減反や耕作放棄がされて久しく、荒れ放題であります。「国破れて山河あり」という姿では全くありません。当初は、米をつくるなと言われるままに水田を桃畑にし、桃つくりに精を出していたけれども、収穫間際になると例のタイワンザルが集団で来襲し、十年この方、桃一つ収穫したことなくいかんともしがたいと、このような気持ちでやる気をなくし、放棄してしまったところであります。その後の荒れの次第が、いわゆる植生遷移そのものであります。
植生遷移とは、山地であれ平地であれ、それぞれの遅い早いの違いはあるけれども、裸地に雑草が生え、次にススキからイタドリ、そして低木、やがてアカマツへと自然の植生が移っていく状態のことを言われるようであります。放置された当初はヨモギなどの軟弱な野草、次にススキ、そしてイタドリ、続いてウツギのような低木、そしてネムノキ、アカメガシワのような灌木へと進んで、そこのところに苗代のように水をためて水生小動物を発生させ、自然回復をさせようと試み始めて三年が過ぎようとしているところです。
幼少のころ、顧みれば、中でも水生小動物を小川や田の溝ですくい上げて遊び、トンボやカエル、メダカの命の代償に生命の大切さをおのずから身に覚えていきました。今日のいじめが人間の命を奪いかねないところまでいく深手を避け、命の大切さを覚えていったものだと顧みるのであります。
事ほどさように、自然との共生の大切さを思うにつけ、荒れ地を借りて水をため、自然回復を試みる取り組みをする中で、トンボの出現を確かめるところとなったわけです。アカトンボ、中でもアキアカネがさおの先に突っ立つようにとまっている姿は一様でないことを知るにつけ、これは何ゆえかと不思議に思うところからこの道に関心を抱き始めました。それは、太陽の光の照射を加減し、すなわち直達日射──垂直に受ける太陽光線のことを申すらしいですが──を避けて体温を適温に保持するためだとわかりました。そしてトンボは、夏には山に登り、避暑をするということも知りました。生石山の高原は、アカトンボにとって不可欠な存在だと知るに至ったわけです。──ようやく生石山のススキにかかっていくお話に戻るわけです。
里で出現したアカトンボは、夏には生石高原で避暑をし、秋には里に帰って産卵し、世代をつないでいく。この小さな体をそれほど巧みにうまくこなして生命活動をしているのか、なればその観点から生石を四十年ぶりに見たいと思って、夏の終わりに登ってみたところです。驚くことに、ススキの原が著しく狭くなっているではありませんか。自然回復を試みようとしている谷間の農地が放置され、植生遷移していくのと同じ現象が生石山でも進んでいるわけであります。松、イヌツゲなどがススキの原を侵食してきているのであります。
当局にお聞きすると、約二十六ヘクタールあったところ、三十年もたたないうちに八・四ヘクタールに狭められていっているということです。およそ三十年足らずの間に三分の一弱になっていたということであります。消滅しかねないところであります。県立自然公園とは何なのかと、自然と口に出るのも禁じ得ないところであります。
ところで、県は三年計画でススキ草原の復元のための取り組みをされてきたとのことであります。幾つか考えるところを提起し、以下、お考えをお聞きしたいところです。
一つ目、生石高原の県立自然公園維持管理の基本的な観点をしっかり持つこと。二つ目、関係する自治体との協力共同の体制を強化すること。三つ目、ススキの原を最も効果的に維持する手法で対応する体制を検討し、実施すること。例えば刈り取り、火入れ──野焼きです──等。四つ目、貴重な植物の宝庫でもあるところから、監視体制が弱いためか、とる人が多く、絶滅に追いやられかねないという。ササユリは既に沿道にはなく、オミナエシなど、季節になればコンテナに入れ、根こそぎ荷物車に積んで下山していくところも見かけるというお話であります。アケボノソウ、ハバヤマボクチ、ホソバノヤマハハコ、ナンバンギセル、キイシモツケ、ムラサキセンプリ、ホソバヒメトラノオなど、忘れられない草であります。そこで、多くの理解者を組織して、季節にはパトロール監視活動及び教育活動を強化すること。五つ目に、県立自然公園との看板・標識等を立て、野草・野鳥などの採取禁止を呼びかけて意識を高めること。看板・標識など、ほとんど見かけないところであります。六つ目、特定の植物の採取禁止の条例化をすること。これは、直ちに手がけられてよろしいのではないか。七つ目、適切な案内図及びハイキングコースの地図などとともに、禁止事項や留意点など、広く利用されるものをつくること。八つ目、侵略樹木の伐採及びススキの刈り取りについて特別の手だてをする。特に火入れについては、関係市町村の消防、警察、住民等、大がかりな体制で試みる検討をすること。自然との共生、環境への認識を深め合う好機として、生石高原の自然回復は国民の環境問題への関心のバロメーターと位置づけて取り組むこと。九つ目、生石高原ススキ原の復元など、県立自然公園として常に守られ、好条件のもとで県民に親しまれる対策会議のようなものを常設すること。十番目、その会議で常に検討されて内容を県政に反映され、県民の共通の課題とすべきことは広報すること。十一番目、関連県道野上清水線、県道生石公園線を早期整備されること。
ここに、大阪市生野市勝山北一─三─十二に住む男性からの便りがあります。生石山への登山口がわからないで、偶然に出会った地域の親子連れの人に道を尋ねたところ、非常に親切に教えていただき、小冊子を添えて答えていただきました。その小冊子というのは、これであります。(資料を示す)「大好き生石山」であった。地元の小学校六年生の総合学習のまとめとして「大好き生石山」と題した、生石山のPR誌とも言えるものであります。教育長、教育委員会、皆さんよく見ておいてください。これは、地元の小さな小学校の六年生五、六人の生徒の総合学習のまとめだというんです。立派なものです。
これを見ますと、先ほど僕が申し上げた生石のススキの原などが、極めて短い年限の間にもう消えてしまうのではないかということもちゃんと書かれているんです。二十五年の間に二十六ヘクタールが八・四ヘクタールに減ってしまっている、物すごいスピードで草原が減っている、このままいったら消滅しかねないということまでも、この本にちゃんと書いているんです。子供たちは、ススキを刈ってしまったら草原が守られないんではないかと当初考えたけれども、学習している間に、刈ったらススキの原が守られるんだという認識に至ったことも、ちゃんと書かれているんです。そして、ごみ拾いもした、大変なごみだったという驚きも、この中に記録にされているんですね。
これらを見ていくうちに、熊野体験博だと言ってうつつを抜かして我々が頑張ってきたその何年かの間に地元の生石山が枯れてしまっているという事実が、子供たちの総合学習の資料として提起されております。もちろん三年間かかっているのですが、これが県当局の調査結果と全く符合するんですね。
こういうふうなことから考えても、南の話はよくされるけれども、生石や北の話は余りされない。振り返って、生石の山、ススキ草原をどう守るかという観点で、今提起したようなことなどを含め合わせて当局の答弁をお願い申し上げたいわけであります。
次に、サッカーくじについてであります。
三月三日から、第三回目が全国で一斉に売り出されました。一回、二回は静岡で試販のためにやられたということから数えて、三月三日からの販売は三回目になるらしいです。その結果、けさのスポーツ各紙などを見ますと、何と一億円当たったのが二口も出たというわけですね。──新聞を届けてくれて人があったので、持ってまいりました。十日から第四回目が売り出されて、十七日からの試合にくじが販売され出しているらしいのですが、昨秋に静岡県でテスト販売された際にも、関係する法律で禁止されている十九歳未満の青少年に売ったり、大人がかわって買ったりする実態が明らかにされてきました。テスト販売の教訓も生かされないままに子供への販売など、目もくれないまま全国販売となっているようですが、和歌山県はどうなっているのでしょうか。これらを明らかにしながら皆さんと検討してみたい、こういう立場から取り上げました。
ちなみに、県内の販売店は、和歌山市で十七カ所、御坊二カ所、新宮二カ所、橋本二カ所、田辺二カ所、有田三カ所、海南二カ所、岩出町四カ所、高野口町一カ所の三十五カ所だが、販売店の設定に県は何のかかわりもなしに決められて始まったというお話のようであります。販売店が学校の近くにあったりして、教育的配慮などが十分になされたという様子は一向にうかがえないわけであります。
ちなみに、ボードをつくってまいりました。(資料を示す)学校の近くに販売所──赤で記したのが学校の位置、黒で記したのが販売所です。これと全く同じものを用意してきておりますが、議場で配付する手続がちゃんとされていなかったので、議長から後で皆さんにお配りしていただくということで、お届けしておきます。一回、お目通しください。
販売が開始される前に、こういうふうな巨大広告が出されました。皆さんもご存じだと思います。(資料を示す)そして、販売されるその日に、これが出ました。これも同じ巨大広告です。これを見ると、売りさえすればよいという感じがしてなりません。これについて、日本弁護士連合会久保井会長の声明として次の見解が述べられているのを見ました。「サッカーくじは刑法が禁じている賭博行為であり、しかも青少年に人気の高いJリーグを対象にする点で子供社会に重大な影響を与える」と指摘しながら、「一つ目に、くじの提案者は、一等の当たる確率が百六十万分の一程度であるから寄附に近く、ギャンブルとは言えないと弁明しているが、勝敗の結果を予想して当てれば金が得られるという制度は賭博そのもので、何物でもない。そして、テスト販売の結果、第一回目の一等当選確率が二十五万分の一で、一口百円が約六百万円の払い戻し金となり、第二回目に至っては一等の当選確率が一万分の一で、百円が二十四万円の払い戻し金となっている。くじのギャンブル性は明白だ」と指摘されております。さらに、法は十九歳未満の子供にくじを売ることを禁じているけれども、テスト販売での販売店の年齢確認率は、第一回目が四六・三%、年齢確認の徹底を図った第二回目でも七五・七%。年齢確認を徹底しようとして販売した第二回目でさえ年齢確認をされた率は七五・七%だと言われる。四分の一の販売店は、年齢確認をせずにくじを販売しているのが実態である。売りさえすればよいと、こういうふうな状態であります。これによれば、Jリーグを対象とするギャンブルが子供社会に持ち込まれるであろうことは明確であります。
さらに、プロ野球コミッショナーの川島さんは、サッカーくじはかけごと、ギャンブルだとして、「スポーツとサッカーくじと結びつけば失うものは極めて大きい」と前置きして、次のように述べています。「フェアネス(公平性)を失った痛恨の経験を過去に我々は持っている。大リーグは八十年前のブラックソックス事件という八百長事件が起こり、日本でも一九七〇年に黒い霧事件があり、ともに賭博、ギャンブル絡みで、選手に魔の手が伸びてきたものだ。台湾では、リーグが一つつぶれるぐらいの多くの選手が賭博集団に巻き込まれ、八百長に手を染めてしまったことがある」と指摘しています。また、「真剣で真摯な戦い、その中から生まれるさわやかな明るさ、美しさ、その中心にあるのがフェアプレーの精神だ。スポーツ固有の大事な価値で、青少年の心がはぐくまれるものがある。これが壊される。子供に射幸心をあおり、選手にフェアネスを欠如させるものである」と、こう指摘されております。
かつて、和歌山市で舟券売り場が設けられようとしたときに、西川教育長が、賭博的性格を有する施設は教育的に好ましくないと申されました。サッカーくじは、基本的に舟券と同質のものではないかと申し上げたいわけであります。
サッカーそれ自体は、すばらしい教育文化の内容を保有しているスポーツだと、私はかたく信じているところです。それは、次の内容が強く求められるからであります。自主性、創意性、献身性、決断力、自己責任、瞬発力、連帯感等々、今日の青少年にともすると欠落しかねない教育的内容がサッカーというスポーツの中に用意されているからであります。さらに、青少年に魅力あるスポーツとして受けとめられているわけであります。
例えば、ハンドリングという罰則ルールがあります。手でボールを扱ってはならないという罰則です。人間が最も得手とする手をもってボールを扱ってはならない。これが、今の子供たちにとってみれば受け入れがたいように思えるけれども、逆なんですね。これがまた、子供にとって実に魅力的なのであります。それは、得手のよい手をあえて使わないことによって他の機能の発達を促す快さとおもしろみがあるからであります。やれば、他の機能が発達するのを自覚し、体得することが実感できるからであります。余計おもしろいと思えるのであります。
得手のよい手を使わないで、それ以外の機能のすべてを駆使してボールを扱えという課題に、子供は一生懸命やり始めます。得手の得を使っていたら他の機能の発達が促されないけれども、得手のよい手を使ってはならないというルールが決められてそれを守ろうとしたら、おのずからにしてボディ全体や足などを使ってボールを巧みに扱おうとする、その営みが始まるわけです。このことによって頭脳が発育し、それによって足、体のすべての機能が発達を促されるわけであります。このように見てくると、子供たちは全面発達をすることに快さを覚えるからではないでしょうか。
せんだって、鶴田議員が教育の問題で子供たちの問題を取り上げられてましたけれども、発達することによって真に子供が快さを覚えるような教育内容がサッカーそれ自身の中に用意されているということであります。これは、人間の諸機能の全面発達を促すからであり、また子供は本来、知力の発達を望んでいる証拠でもあります。
また、パスを送ります。ゴール前で、頭にせよ足にせよ、うまく合わせてシュートする。そしてインゴールになる。そこに、はかり知れない連帯が生まれてくるわけであります。サッカーは、大量得点にならないことが多いから、はかり知れない連帯感と強い責任感が求められていくわけであります。また、試合が始まると、選手は監督や指導者から全く独立した人間として立ち働かなければなりません。自己判断、自己責任が限りなく求められ、自覚させられ、まさに自立した人間として自己判断が極度に求められる教育内容が用意されているわけであります。
いずれにしても、今日的な子供の置かれている、満ち足りた、ともすると受け身の生活にならされているのに比べると、かけがえもない厳しい境遇に置かれるのであります。それでも、子供はサッカーを好むのであります。それは、サッカーを通じて自己が成長することを自覚できるからであります。
こう見てくると、サッカーは子育ての上で極めてすぐれたスポーツであり文化であると、私は確信するわけであります。また、厳しいプレーの相克のために、殊のほかフェアプレーの精神が求められるわけであります。ゆえに、発生の国イギリスではジェントルマンのスポーツとさえ言われたりしているわけであります。それをサッカーくじなどとしてかけごとの対象にしようとするのは、日本人の文化の程度がうかがわれ、サッカーそのものを冒涜するものだと私は思えてなりません。
サッカーくじを提唱し、それを推し進めようとした日本の文部科学省に、真に子供たちや国民の文化の振興を考えてのことなのでしょうかと、逆に尋ねたいわけであります。こんなことをするものだから、仕方もないような文化状況がはびこっていくという、こういうふうに見てもはばからないでしょう。
また、二〇〇二年ワールドカップの日韓共催を世界サッカーFIFAが決定しました。この共同開催の決定は、ワールドカップの歴史上初めてのことであります。画期的な決定だと私は見ているわけです。また、朝鮮半島の南北合意を促し、日韓のみならず世界の平和への貢献は大きいものがあると見ているわけです。この観点に立ち得ずして、開催の呼称は「日韓ワールドカップ」でなくてはなど、それを譲ろうとしないで、次元の低いところで「韓日」ではなく「日韓」でなくてはならないとする日本の関係者は、ワールドカップに水を差し、日本サッカーの国際的レベルへの到達に努力する取り組みを阻害するものだと、私は思っているわけです。
東京山手線のある駅で、ホームから落ちた日本人を身をもって助けようとした韓国の留学生が電車にひかれて死亡する事件が大きく取り上げられました。両国の人々の心を揺るがしました。国を超え、民族を超えた人道と正義の行為と、高く評価されるところであります。「日韓」でなくてはならないとする日本側の態度は、これに比べていかがなものかと、お尋ねしたいところであります。
女性団体、法曹界、教育団体等が、販売中止、制度見直しを求めて声を上げています。テスト販売をしてこの内容を一番よくわかっている静岡県は、県議会で実施見直し、延期の決議を上げられました。
ワールドカップ参加チームの公認キャンプ地の誘致について、和歌山県の適地性をアピールし、誘致実現に向けて取り組んでいるけれども、和歌山県の適地性とは、地理的な面だけでなく、教育・文化の面からも考察し合ってほしいものだと強く求めるところであります。
今までのところ、この面からの指摘は決して強いとは言えないのではないかと申し上げたいわけであります。公認キャンプ地に要請される幾つかのハードルはあるでありましょう。それらのハードルを超えるようになっているのでしょうか。公認キャンプ地の誘致のための取り組みにはいろいろあろうけれども、そのために県民に多くの犠牲を負わせてはならないと思います。どんな取り組みをされているのか、お尋ね申し上げます。
諸外国のサッカーにかかわる認識と大きくずれたところへ引きおろすようなことのないような取り組みをしなければならないのではないでしょうか。他県はどうであれ、和歌山県から好ましい情報を発信しながらワールドカップ参加チームの公認キャンプを誘致されたいわけであります。公認キャンプ場としての条件が整っているような状態に持ち上げるまでの努力は並大抵なことではないと思うけれども、そのあたりの様子も少しお聞かせください。和歌山県下で四十近くの販売店でくじが売り出されていることにかかわって、るる述べてきた観点からの厳しい取り組みを求めたいわけであります。
スポーツ振興くじいわゆるサッカーくじは、スポーツ振興くじ株式会社に委託され、大和銀行、そして販売店にと、このようなルートを伝って国民に売り出されているわけですけれども、県及び県の教育委員会、いわゆる行政機関が何の関与もなしに売り出されてきているわけであります。子供たちの間に法律を犯すような行為が起こると、あるいはまたチェックするように求められている販売店自身がチェックしないような事態が起こると、その責任は行政、すなわち県は何をしていたかという形で尋ねられるわけであります。県もあったものではないというふうに申し上げなくちゃならないのかもわかりませんけれども、因果なものだと思います。このようなことを許してそのままサッカーくじが通される、販売される、県民の間、子供たちの前に登場するという。登場させてはならないのではないかと思うけれども、現実にもう目の前に売り出されているわけであります。
県の教育委員会及び県当局、これらについて後始末だけ求められて、そういう賭博行為がまかり通っていく事態の中でしなくちゃならないのは、せめて子供だけでも法律に求められている行為だけはさせないように努力すると、こういうことだけが残っているのではないかという気がします。こういうことなどをお考え合わせながら、いかなる手だてをとろうとしているのか、またとってきたのか。こういうふうなことなどに触れてご答弁をお願い申し上げたいわけです。
シルバー人材センター設置の問題であります。時間をとり過ぎたので、あと残すところ少しです。
これは、実施しようとする自治体が立ち上がりを求めなくちゃなりません。調べてみますと、県下でも余り普及されていないようであります。この機会に、県下でシルバー人材センターなるものを設置させて、まだ知力もやる気も十分に持ち合わせている人たちの働く場所を保障する環境をおつくりいただきたい。これをやらないと、知力も能力も体力も兼ね備えている人が二年も三年も家でぶらぶらしているということになってくると、ろくなことがない。まず、家庭不和が起こり始める。その人たちは、かつて日本が経済成長して今日の日本の国を築いてきた労働戦士だったという自覚が非常に強いものがあります。こういう人たちにどうこたえていくかということが社会の責務でもあろうと申し上げて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○議長(阪部菊雄君) ただいまの中山豊君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事木村良樹君。
〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 振興局を含めた地方機関のあり方につきましては、情報化の進展や分権型社会の到来など、地域を取り巻く環境が大きく変化する中で十分議論していかなければならない重要な問題であると認識をしております。
地域の諸問題に迅速に対応する体制づくりは今後とも図ってまいらなければならないものと考えておりますが、一方、現在、これまでにも増して行政の効率化が求められており、建設部の設置のほか、海南市への地方機関の移転については、業務の効率性等もあわせて検討する必要があると考えております。
なお、農業改良普及センターの名前の問題につきましては検討させていただきます。
○議長(阪部菊雄君) 環境生活部長道浦 渥君。
〔道浦 渥君、登壇〕
○環境生活部長(道浦 渥君) 生石高原ススキ原の復元についてお答えいたします。
ススキ草原は、生石高原県立自然公園を代表する景観であり、また草原性の豊かな生態系をはぐくむ貴重な環境となっております。しかしながら、生活形態の変化等により放置され、植生遷移が進んだ結果、草原の面積が著しく減少しております。県といたしましても、ススキ草原を維持・復元していくために、平成十年度からの三カ年で動植物の状況等を調査し、ススキ草原復元実施計画等を策定いたしました。また、保全・復元実践運動の中心的役割を担うボランティア組織の立ち上げを支援し、平成十三年度から、刈り取りのほか、雑木の処理、草原性の貴重な植物の増殖及び保護啓発等の活動が展開される運びとなっております。
この三年間実施してまいりましたススキ刈り取り会が多くの方々の参加を得て定着しつつあることから、関係一市四町、県及び生態系の専門家を含むボランティア組織で構成する協議会を設置し、連携・協力体制をより深めてまいります。協議会では、刈り取り作業を草原保全のための中心的な活動に発展させるとともに、草原性の貴重な草花を保護育成し、乱獲防止策の検討や啓発活動、また看板の設置、公園利用のための標識等の整備を図ってまいります。
また、火入れにつきましては、消火用水の確保や民有地の混在等、種々の課題もございますが、草原維持の効果的な手法の一つでありますので、今後も検討してまいりたいと考えております。
また、県立自然公園の保全対策会議の常設につきましては、自然公園所在市町村で構成している県自然公園協議会を有効に活用しながら、自然公園の保全対策の検討や県民への広報に努めてまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(阪部菊雄君) 商工労働部長内田安生君。
〔内田安生君、登壇〕
○商工労働部長(内田安生君) シルバー人材センターの設置についてお答えをいたします。
シルバー人材センターは、昭和五十六年に本県で初めて和歌山市に設置されて以来、平成七年までに田辺市、橋本市、新宮市の四市で設置されました。
少子高齢化を迎え、高年齢者の高い労働意識や豊かな経験、知識を生かすことで生きがいの充実等を図るためにも県下全域でのシルバー人材センターの設置促進が必要であることから、平成十年には社団法人和歌山県シルバー人材センター連合会が設立され、多くの市町村に設置されるよう、県と連合会が連携したセミナーの開催や巡回指導等を行うとともに、県独自の施策として小規模シルバー育成事業により補助を行うなど、設置促進を図ってきたところでございます。このことから、平成十二年三月に高野口町、同年四月に岩出町で設立され、本年四月には貴志川町、かつらぎ町でも立ち上げるべく準備を行っているところでございます。他の自治体につきましては、具体的に検討している市町村も数カ所ございますが、センター運営に係る経費、会員に提供できる仕事量の確保等のことから、設立準備に踏み切れない市町村も多くございます。
今後とも、シルバー人材センター連合会とともに、設置促進に向け、積極的に働きかけてまいりたいと考えてございます。
以上です。
○議長(阪部菊雄君) 教育長小関洋治君。
〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) サッカーくじに関してお答えいたします。
このほど販売が開始されましたいわゆるサッカーくじは、子供たちの射幸心をあおるなどの影響が危惧されることから、十九歳未満の者への販売が禁止されております。こうしたことから、このたび各学校へ生徒指導に係る通知文を出し、その中で、不健全な娯楽施設での遊戯やそのような場所への立ち入りの問題に加えて、児童生徒がくじを購入することのないよう、指導の徹底を指示したところでございます。
今後とも、校長会や生徒指導担当者会などを通じて指導をより一層進めるとともに、家庭や地域社会及び関係機関との連携を強め、児童生徒の健全育成に努めてまいります。
次に、ワールドカップサッカーの公認キャンプ地についてであります。
JAWOC(二〇〇二年FIFAワールドカップ日本組織委員会)から詳細な条件が示されております。特に練習場については、夜間照明施設や非公開練習のためのフェンスなどが必要であり、県では紀三井寺競技場の改修及び仮設などで対応することとして申請を行い、昨年十一月二十二日に公認キャンプ候補地として認定されたところであります。
誘致活動につきましては、県サッカー協会や青年会議所などの民間団体と行政が一体となった委員会を組織し、出場の可能性が高い国に対して働きかけを行っているところであります。
なお、ハード面とあわせて、このキャンプ誘致の機運を盛り上げるため、既にJリーグのプレシーズンマッチの開催やメキシコとのマラソン交流などを実施したところであり、今後とも、少年サッカー大会を初め、青少年に夢と希望を与えるようなスポーツイベントを開催してまいりたいと考えております。
○議長(阪部菊雄君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
三十三番中山 豊君。
○中山 豊君 地方機関の移転については、知事から、業務の効率性を十分勘案しとお述べいただきました。それほどに効率性をお考えいただけるとするならば、今直ちにとは言わないにしても、可及的速やかに地方機関を地元へ移していくことこそが効率性を実現することになるのではないかというご意見を申し上げて、またお取り組みをさらに強めていただくようお願い申し上げて、終わります。
○議長(阪部菊雄君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で中山豊君の質問が終了いたしました。
質疑及び一般質問を続行いたします。
二十一番高瀬勝助君。
〔高瀬勝助君、登壇〕(拍手)
○高瀬勝助君 今議会も、私が最後の質問者となりました。
私は、高野・熊野の世界遺産登録、スポーツ振興、喜の国エンゼルプランの三点についてお尋ねをいたします。
まず一点目として、世界遺産登録についてであります。
昨年十一月十七日、文化庁より、高野・熊野が奈良県の吉野・大峰や三重県の熊野古道伊勢路とともに「紀伊山地の霊場と参詣道」としてユネスコの世界遺産暫定リストに追加することが決定されたとの発表がありました。新聞報道によりますと、知事は、高野・熊野地域の歴史的重みをかみしめながら県づくりのよりどころとすべく正式登録を目指して頑張っていきたいとコメントされています。ユネスコの世界遺産暫定リストというのは、ユネスコ世界遺産条約の加盟国が、将来その国から世界遺産に推薦する予定の物件をリストにして、あらかじめユネスコ世界遺産センターに提出するものと聞いています。
今議会で質問された下川議員は、いやしの里熊野が世界遺産に登録されることは途方もない宝物と表現されました。私も、以前から世界遺産について大きな関心を持ち、議会で質問もさせていただきました。今回、高野・熊野が暫定リストに追加されたことは、世界遺産登録を積極的に応援する立場の私にとりましても非常にうれしいことと思っています。しかしながら我が国では、世界遺産条約に加盟後、平成四年に第一次の世界遺産暫定リストを作成し、ユネスコ世界遺産センターに提出していますが、そのリストに含まれた物件のうち彦根城と古都鎌倉の文化財の二件は、いまだ世界遺産に登録されていません。なぜこの二件が登録されていないか承知はしていませんが、このことは、暫定リストに追加されたからといって直ちに世界遺産に登録されるというわけではなく、さまざまな条件をクリアしなければならないということを示唆しているように思います。しかも今回の世界遺産登録は、文化遺産としては日本で最大規模のものになるはずであり、また奈良県の吉野・大峰、三重県の熊野古道伊勢路を含めたものでありますから、両県との協調が必要不可欠になると思います。
そこでまず、高野・熊野の世界遺産登録の実現に至る道筋とでもいいますか、どのような条件をクリアしなければならないのか、三重県、奈良県とはどのように協調していくのか。
ご存じのように高野山は、空海による開山以来、真言密教の聖地として伝統を誇り、高野山の末寺は、日本全国は言うに及ばず海外にまで四千以上もあり、高野山が日本の宗教や文化の発展に与えた影響ははかり知れないものがあります。また熊野は、古来聖なる地としてあがめられ、こちらも三千六百以上の末寺が全国に広がるなど、高野山と同じく、日本の宗教と文化の発展に大きな影響を与えました。しかも、高野・熊野の文化は消滅してしまったものではなく、今なお日本人の心のふるさととして確固たる位置を占めています。また、かつて高野山と熊野を目指した巡礼が踏み占めた信仰の道である高野山町石道と熊野古道が、今でも往時の雰囲気を残す状態で保存されています。このような地域は全国でも他に例を見ないばかりか、世界じゅうを探しても比類のない、非常にユニークなものであります。
このように和歌山県、特に高野と熊野は、伝統、歴史、文化あふるる地であります。世界遺産登録は、もちろんすばらしいことではありますが、私は、高野と熊野が持つ伝統、歴史、文化を世界に発信していくことこそ重要ではないかと思っています。
そこで、県では世界遺産登録のプロジェクトをどのように位置づけているのか、高野と熊野からの情報発信もあわせてどのように考えておられるのか、教育長にお尋ねいたします。
また、地域経済について考えるとき、高野・熊野の世界遺産登録が観光産業に与える影響には非常に大きいものがあると思います。もちろん、世界遺産とは文化や文化財、自然などを保護していこうとするものであることは理解していますが、それでも今、世界遺産が旅行地として大変人気があるということは紛れもない事実であり、県内の観光業界等では高野・熊野の世界遺産登録に期待する声も大きいものがあります。この声にどのようにこたえていくのか、観光面での施策について商工労働部長にお尋ねいたします。
新聞報道等によれば、本年九月、ユネスコの国際専門家会議である信仰の山会議が和歌山で開催されることが内定しているようでありますが、国際会議が本県で開催される機会はそう多くないと思います。まして、国連機関であるユネスコ本部主催の会議が開催されるとなると、これはまことに意義深いものがあります。この会議は、高野・熊野、さらには和歌山県を世界にPRする絶好の機会であり、ぜひとも成功させていただくようお願いするところです。
二点目として、本県のスポーツ振興関連について何点か質問いたします。
今、我が国は、「失われた十年」と言われるように、長い景気低迷から脱出できず、またさまざまな悲しい事故や事件が発生するなど明るい話題が少なく、国民全体が閉塞状況にあると思います。和歌山でもここ数年、大規模倒産が相次ぐなど、元気の出るような話は余り聞かれないのが実情であります。このような中、スポーツを愛する者として、スポーツこそは青少年の健全育成、また高齢者にあっても健やかな生活の確立、さらには人々を元気づけるのに最も効果的なものであると常々思っております。
まず、スポーツイベントの誘致開催についてでありますが、私はこれまでも、ビッグスポーツイベントの誘致開催はスポーツ振興のみならず本県の活性化にさまざまな効果をもたらすものであることを申し上げてきました。二〇〇八年夏季オリンピックでは大阪市が立候補都市として認定され、先日、IOC国際オリンピックが会場地調査を行ったところです。開催地については、本年七月十三日にモスクワで開催されるIOC理事会で決定されるようでありますが、仮に大阪市での開催が決定すれば、本県で一部の競技を開催する可能性があるのかどうか、またその他に国際大会等のビッグスポーツイベントを誘致開催する計画があるのでしょうか、伺います。
次に、来年度の本県の新しいスポーツイベントとして市町村対抗ジュニア駅伝大会を実施するとのことでありますが、このイベント内容について、現段階でどのような構想を持っておられるのか、お聞かせいただきます。
昨年のシドニーオリンピックでは、高橋尚子選手がマラソンで女子陸上界初の金メダルを獲得し、私たちに大きな感動を与えてくれました。以来、マラソンや各種駅伝大会に対する関心も一層高まってきており、私もさきの都道府県駅伝大会など、本県選手の活躍に期待しながらテレビ観戦いたしました。結果は、昨年よりも順位が上がり、よく健闘していましたが、私なりに、中学生や高校生など層の厚さが他府県より少し劣っているのではないかと思います。このようなときに今回の駅伝大会は、市町村対抗ということもあって、県民の方々も我が町、我が村の代表選手の活躍に大きな声援を送ってくれるのではないかと思っております。
私は、スポーツ振興のみならず、まさに地域の活性化に大きな効果をもたらすものと確信していますので、将来的な展望を含め、見解をお伺いいたします。
次に、本県における国民体育大会の開催についてであります。
以前、この議会で、本県における国体開催は平成二十七年に予定しているとの答弁がありましたが、平成二十七年と言えば、あと十四年です。特に、陸上競技場や総合プール、総合武道館、野球場などの多くのスポーツ施設の整備が必要となります。本県のスポーツ施設は、主要な県有施設で老朽化が進んでおり、総合武道スポーツセンターの整備検討費を新年度予算に計上はしているものの、早期に全般的、総合的な施設整備策定のための準備に取りかかる必要があるのではないでしょうか。この点に関し、知事の見解をお伺いしたいと思います。
二巡目国体の本県開催を視野に入れた中で、本県の競技力についてお尋ねいたします。
私はスポーツ全般にわたって興味を持って見ていますが、本県は、フェンシングやレスリングなどの競技のように全国的なレベルに達し、オリンピックや国際大会等で活躍する選手もありますが、トータル的には、少し他府県からおくれをとりつつあるのではないかと心配しております。陸上や水泳、それからバレーボールやバスケットボールなどの競技種目については、特に気になっているところです。都道府県順位が明確になる国体や都道府県対抗駅伝等を見ますと、最近やや向上の兆しが見られますが、過去の輝かしい成績からすると寂しさを隠し切れないところです。
競技力向上については、他府県でもあらゆる強化対策を講じており、容易でないことは承知いたしていますが、本県ではこの現状を打破するにはどういった手だてが必要で、今後どのような対策が必要であると認識されておりますか。文部省や日本体育協会ではスポーツ振興基本計画を策定し、我が国のスポーツ振興計画を明らかにされたと聞いていますが、本県においても、かつてスポーツ王国と言われた和歌山復活のためにも、今、抜本的な競技力向上対策を策定すべきであると思います。見解を伺いたいと思います。
二〇〇二年ワールドカップサッカー大会であります。
長い歴史の中で初めてアジアで開催され、また日本と韓国の二カ国で開催されるということで関心が高まっております。本県では、このワールドカップの公認キャンプ地として、現在その誘致活動に積極的に取り組まれていると思いますが、その進捗状況について、誘致委員会の会長でもある教育長にお伺いいたします。
また、新聞等でフランスやブラジルなどの強豪国がキャンプ地を内定したとのニュースが流れるなど、他のキャンプ候補地の動きが気になるところであります。さきの議会で同僚の新島議員がこのキャンプ誘致の取り組みについて質問され、知事からは、他の自治体におくれをとらないように積極的に取り組むとの答弁がありましたが、私はキャンプ誘致に当たっては、知事みずから先頭に、庁内挙げての組織づくりを行うとともに、幅広い県民の方々の参画をいただいた中での誘致委員会を立ち上げ、あらゆる角度からの誘致戦略をとらなければそう簡単には実現しないものではないかと思っております。これに関して、知事の決意を伺いたいと思います。
三点目に、喜の国エンゼルプランの現状と今後についてお尋ねをいたします。
昨年十二月二十二日に閣議報告された平成十二年国勢調査の速報値によりますと、我が国の総人口は一億二千六百九十二万人で、前回の平成七年の調査より約百三十五万人増加しているものの、人口増加率は一・一%と、戦後最低となっています。また、厚生労働省の人口動態統計によりますと、我が国の出生数はここ十年間百二十万人前後で推移し、いわゆる第二次ベビーブームのピークである昭和四十八年の二百九万人に比べ、六割弱まで減少しています。本県においても出生数は平成二年から一万人前後で推移していましたが、平成十年、十一年と二年連続で出生数が死亡数を下回り、自然動態において減少が続いています。
我が国で少子化が問題になり始めたのは平成元年ごろからで、その後、国、都道府県、市町村などでも少子化対策や、子育てを支援し、子供が健やかに育つための環境づくりを急務の課題として取り組むようになったところです。少子化の主な原因は、仕事と子育てを両立しにくい環境や子育ての負担感の増大などが背景となって未婚率が高まったことにあると言われています。
国では、当時、厚生省を中心とする関係省庁において、平成十一年十二月に、重点的に推進すべき少子化対策の具体的実施計画について、いわゆる新エンゼルプランを策定し、保育サービスの充実や母子保健医療体制の整備を計画的に推進していくこととしています。
一方、本県においても、平成八年度に喜の国エンゼルプランを策定しました。これは九年度を初年度とする十カ年計画で、現在、子育て支援施策が推進されているところです。その中でも、特に緊急に実施する必要がある保育対策については、平成十三年度を目標年次とする緊急保育対策五カ年事業として具体的な数値目標が設定され、取り組まれてきたところです。しかし、本県における平成十一年度の合計特殊出生率は一・四〇となっています。これは、過去最低を記録した全国平均の一・三四をやや上回るものの、人口維持に必要な二・〇八を大きく下回っており、少子化傾向はいまだとまることなく進んでいる状況にあります。
少子化が進行するとともに、子供たちを取り巻く環境が大きく変化し、さまざまなひずみがあらわれてきています。最近の子供たちは、兄弟や近所の子供が減ったり、屋外から屋内へと遊びの形が変わってきたことなどに伴って、子供同士、また大人に対してコミュニケーションを持つことが不得手な子供がふえてきているように思われます。自分の気持ちや感情を伝えたり、相手の話を聞いたり共感したりということができにくく、その結果、ストレスの高い状況に置かれた場合にうまく乗り越えられず、そしてそれがいじめや不登校、少年犯罪といった問題行動の形であらわれてしまうということであると思われます。一方、親についても、子育てに対する負担感の増大や思いどおりにならないいら立ち、育児不安などから子供に対する虐待といった問題が発生しています。
子育ての環境づくりについては、行政だけではなく、家庭や地域、職場、学校等、社会全体で子供を守り育てるとともに、子育ての中の若い世代を支えていくことが重要ではないかと思います。
こうした状況の中で、本県の計画である喜の国エンゼルプランについてお尋ねいたします。
まず、喜の国エンゼルプランにおいて、平成十三年度までの数値目標を設定している緊急保育対策等五カ年事業のこれまでの進捗状況はどうか。また、最終年度を迎えるに当たり、目標達成に向けてどう取り組むか。さらに、十四年度以降、どのように取り組んでいかれるのか。喜の国エンゼルプランに基づいてさまざまな少子化対策が実施されていますが、今後どのような施策を重点的に実施すべきと考えておられるのか。以上、福祉保健部長にお尋ねをいたします。
以上で、一回目の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(阪部菊雄君) ただいまの高瀬勝助君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事木村良樹君。
〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) スポーツ振興についてお答えを申し上げます。
まずスポーツ施設の整備についてでございますが、現在の県有施設は、大半が昭和四十六年の国体前に整備され、その後、老朽化も進んでいることから、利用者を初めとして各方面から施設整備の要望をいただいているところでございます。県民の多様なスポーツニーズにこたえ、幅広くスポーツの振興を図るためには施設の整備が重要な課題であると考えております。
次にワールドカップサッカーのキャンプ誘致についてでございますが、多くの自治体が積極的な活動を行っていることから実現には厳しいものもございますが、予算にも必要経費を計上しているところであり、より一層真剣に取り組んでまいりたいと考えております。
現在、県のサッカー協会や青年会議所等の民間団体と行政が一体となった誘致委員会を組織し、友好関係にあるメキシコやトルコなどを対象に、大使館等を訪問するなど、幅広い誘致活動を展開しているところでございます。今後とも、私も先頭に立って、各界各層のご支援、また議員各位のご協力をいただきながら積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(阪部菊雄君) 商工労働部長内田安生君。
〔内田安生君、登壇〕
○商工労働部長(内田安生君) 議員ご指摘のとおり、世界遺産登録は観光面においても大きな効果があるものと考えております。大手旅行社の調査によりますと、旅行者の今後の新たな旅行目的として世界遺産旅行が第一位となっており、世界遺産登録は大きな旅行需要を生み出すものと予想されています。この波及効果を高野・熊野地域にとどまることなく県全体で吸収し、本県の観光振興の弾みとすることが重要であろうと考えております。
早期登録に向けての支援活動の一環として、二月と三月に関西の私鉄、JR、地下鉄において「高野・熊野を世界遺産に」というタイトルで車内広告を掲出いたします。春と秋には、全国展開の熊野古道・高野町石道ウオークを実施する予定でございます。一方、夏から秋にかけては、地元高野山においても、かつて公開されていない高野山の文化財を含めた国宝展の開催や、九月には声明コーラスをオーケストラで演出するコンサート等が開催され、世界遺産登録に向けてアピールするイベントが実施される予定となっております。また、ことし九月に開催されます世界観光機関大阪総会に参加される世界各国の観光大臣等を高野山に招待しての和歌山のPR、iモードを含めたインターネットを活用してのPRなど、さまざまな機会をとらまえ、世界遺産登録過程において和歌山のすばらしさを全国に、世界に情報発信してまいります。
なお、世界遺産登録されることによって高野・熊野が全世界にPRされることになりますが、この効果を利用し、さらに観光客の誘致に努めてまいります。
以上です。
○議長(阪部菊雄君) 福祉保健部長白井保世君。
〔白井保世君、登壇〕
○福祉保健部長(白井保世君) 喜の国エンゼルプランの緊急保育対策等五カ年事業の進捗と今後の取り組みについてでございます。
県では、喜の国エンゼルプランに基づき、子育てと就労の両立支援を図るための多様な保育サービスの充実や雇用環境づくりのための施策を進めているところでございます。特に保育につきましては、緊急保育対策等五カ年事業として、平成十三年度を最終年度とする数値目標を設定し、取り組んでおります。
平成十二年度現在の進捗状況は、延長保育、低年齢児保育、障害児保育については既に目標を達成してございますが、保育所の地域活動については九五%、施設整備は九〇%、放課後児童クラブは八九%、一次保育については三五%となっております。これらについても来年度にはほぼ目標達成の見込みとなっておりますが、乳幼児健康支援一次預かり事業は今のところ実施の見通しがついてございませんので、引き続き関係機関に強く働きかけてまいりたいと考えてございます。
なお、平成十四年度以降につきましては、新たな数値目標を設定すべく検討してまいりたいと考えております。
次に、喜の国エンゼルプランの重点施策でございます。
少子化の進行は、労働力人口の減少や現役世代の負担増などのほか、議員のご指摘にもあったように子供の健全な成長への悪影響など、社会経済に深刻な影響を与えることが懸念されております。
少子化対策の推進に当たっては、子育てに係る負担感を解消し、安心して子供を生み育てることができ、子育てに夢を持てる環境づくりを進めなければならないと考えてございます。特に子育て家庭への支援サービスの充実や子育てと仕事の両立支援を進めることが重要であると認識してございますが、広く県民の方々に社会全体で子育てを支援するという意識を持っていただくことも大変大切であると考えてございます。
このため、現在子育て中の家庭等、できるだけ多くの方々のご意見、企業の少子化への対応、考え方などを調査するとともに、庁内に少子化対策推進本部を設置し、より実効性のある事業を実施すべく検討してまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○議長(阪部菊雄君) 教育長小関洋治君。
〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 高瀬議員のご質問にお答えいたします。
まず、高野・熊野の世界遺産登録についてでございます。
「紀伊山地の霊場と参詣道」として国の世界遺産暫定リストに追加されたことにより、高野・熊野の登録は実現に向けて一つのハードルを越えたものと認識いたしております。
議員ご指摘のとおり、国の暫定リストに追加されたことでそれが直ちに登録に結びつくものではなく、今後クリアしなければならない課題が幾つかございます。
一点目として、高野・熊野がユネスコの定める基準に合致し、顕著な普遍的価値を有するものであることを証明する必要がございます。このため、今後、大学教授などの専門家による委員会を設立し、詳細な学術調査を実施することとしております。
二点目といたしまして、ユネスコの作業指針では、候補物件は国内法により保護されていることが条件となっております。高野・熊野の登録予定物件の大部分は既に文化財保護法による史跡指定を受けていますが、例えば奈良、和歌山にまたがる小辺路のように幾つかの未指定物件が残っておりますので、順次史跡指定が受けられるよう取り組まなければならないと考えております。
三点目といたしましては、登録予定物件の周辺に十分なバッファゾーンいわゆる緩衝地帯を設定し、周辺環境の保護を図らなければならないとされています。自然公園法等でカバーできない地域については関係市町村が独自の条例を制定する必要がありますので、目下、協議・調整を行っております。
次に、三重県、奈良県との協調につきましては、昨年十一月、木村知事の呼びかけにより三県知事の協議を開催し、本年五月をめどに正式に三県協議会を設立し、今後協力して作業を進めていくことなどが確認されてございます。
また、世界遺産登録の推進は県の重点施策として位置づけ、既に庁内には関係部局で構成する推進本部を設置し、取り組んでいるところであります。
情報発信についてでございますが、単に世界遺産に登録するだけではなく、千年以上にもわたる高野・熊野の伝統や歴史、文化などを幅広く内外に発信していくことが肝要であると考えております。関係市町村はもとより、民間団体等のご支援をいただきながら、県を挙げて広報・PRに取り組むことといたしております。
次に、スポーツの振興についてお答えいたします。
まず、二〇〇八年の夏季オリンピック大阪市開催が実現した場合には、本県での実施を希望している競技団体もありますので、今後とも大阪市招致委員会に働けてまいります。
また、県民の関心の高い国際的なスポーツイベントの誘致につきましても、県体育協会等と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
次に市町村対抗ジュニア駅伝大会でありますが、県内市町村の小中学生男女によるたすきリレーを考えておりまして、今後、実行委員会を組織し、具体的な大会運営のあり方やコースの選定等について、陸上競技協会や県警察本部等の協力をいただきながら取り組んでまいります。
なお、議員ご提言のように、この大会はスポーツの振興や地域の活性化に貢献できるものと考えており、県民の皆様のご支援をいただきながら、本県の代表的なスポーツイベントとして定着させてまいりたいと考えております。
次に競技力の向上対策については、きのくにチャンピオンプランを策定し、現在取り組んでいるところでございます。さらに、新たに平成十三年度から競技力向上戦略会議の設立やスポーツ医・科学を取り入れたトレーニングなど、短期、中長期的な視野に立った施策を行ってまいりたいと考えております。
また、現在、ジュニア一貫指導システム構築事業やハイスクール強化モデル指定校事業などの強化対策を行っており、徐々にではありますが、各種大会でその成果があらわれてきております。
最後に、二〇〇二年ワールドカップサッカーのキャンプ地についてでありますが、誘致委員会を中心として、ワールドカップサッカー日本組織委員会等を訪問して情報収集に努めたり、県民の機運を高めるためのイベント開催などの活動を行っております。
また、先般、イタリアチームのスタッフが本県のキャンプ地を視察に来たところでありますが、今後とも、現在世界各国で行われている大陸別予選の状況を見ながら、本大会に出場の可能性が高い国に対し、あらゆる角度から幅広くアプローチをしていきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(阪部菊雄君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
二十一番高瀬勝助君。
○高瀬勝助君 それぞれ答弁、ありがとうございました。
世界遺産に関してはいろいろあろうと思うんですけれども、ご承知のとおり、アフガニスタンでは巨大な世界的な文化遺産が破壊されているというようなことを思うと、この地球の中で大事な資産を失っていくのは本当に悲しい限りでございます。特に日本は、こうした四海に囲まれた中での独特な、歴史の長いものを持っております。その中でも特に高野山においては、二千年以上の信心の中からそれぞれが育っております。日本の場合、信仰はそれぞれ自由ですからなんですけれども、高野山を信仰の場所という一つの決め方ではなくて、心のいやし、また紀南で行われたいわゆるそれぞれのものを大事にしていくことの中で、そして那智山とか熊野三山といったように和歌山県だけではなしに、先ほど知事が答弁の中で三重県、奈良県の三県と交流しながらやられるということでしたので、ぜひともそういう中で貴重なるこの資産を残していただくためにもよろしくお願いをいたします。
それからスポーツ面では、子供たちのいじめを含め、すさんだ教育状況でございますので、スポーツを愛する者として、ルールを守り、そして集団で行動することにおける大事さなどを思うとき、学校の教育も含めてスポーツしか救う道がないのかなということを感じている一人でございます。今、小学校や中学校では不登校者がたくさんいることを思うと悲しいことでございますので、教育長を初め教育委員会には、子供たちの指導に対しては真剣に取り組み、十分対応していただきたい。これは和歌山県だけの問題ではないと思いますけれども、そういう意味で、ジュニア駅伝大会もリレーを通じて大事な団体をつくっていくのではなかろうかと思っております。
過日の県民総体──坂本議員からもご指摘がございましたけれども、やはり県民の創意の中で工夫をし、他の方面でも町民との触れ合いといった流れを県の中でつくっていくことも大事なことだと思っておりますので、これは一考していただきたい。ジュニア駅伝大会への働きかけもありますけれども、県としての催しをしっかりやっていただきたい。そのことを要望して、終わります。
○議長(阪部菊雄君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で高瀬勝助君の質問が終了いたしました。
お諮りいたします。質疑及び一般質問は、以上をもって終結することにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(阪部菊雄君) ご異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問はこれをもって終結いたします。
【日程第三 議案等の付託】
○議長(阪部菊雄君) 次に日程第三、議案等の付託について申し上げます。
ただいま議題となっております全案件は、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
【日程第四 請願付託の件】
○議長(阪部菊雄君) 次に日程第四、請願付託の件について報告いたします。
今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、いずれも所管の常任委員会にこれを付託いたします。
お諮りいたします。三月十三日から十六日までは委員会審査のため休会といたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(阪部菊雄君) ご異議なしと認めます。よって、三月十三日から十六日までは休会とすることに決定いたしました。
なお、委員会審査の会場はお手元に配付しておりますので、ご了承願います。
次会は、三月十九日再開いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午前十一時三十分散会