平成12年12月 和歌山県議会定例会会議録 第6号(全文)
県議会の活動
平成十二年十二月 和歌山県議会定例会会議録 第六号
─────────────────────
議事日程 第六号
平成十二年十二月十八日(月曜日)午前十時開議
第一 議案第百六十号及び議案第百六十一号(委員長報告・同質疑・討論・表決)
第二 議案第百六十九号から議案第百八十八号まで、並びに請願八件(委員長報告・同質疑・討論・表決)
第三 各常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件
第四 各特別委員会閉会中継続審査の件
第五 意見書・決議案
会議に付した事件
一 議案第百六十号及び議案第百六十一号(委員長報告・同質疑・討論・表決)
出席議員(四十七人)
一 番 新 島 雄
二 番 山 田 正 彦
三 番 佐 田 頴 一
四 番 大 沢 広 太 郎
五 番 堀 本 隆 男
六 番 宇 治 田 栄 蔵
七 番 門 三 佐 博
八 番 西 本 長 弘
九 番 坂 本 登
十 番 小 原 泰
十一 番 木 下 善 之
十二 番 永 井 佑 治
十三 番 尾 崎 要 二
十四 番 小 川 武
十五 番 宗 正 彦
十六 番 橋 本 進
十七 番 生 駒 三 雄
十八 番 原 日 出 夫
十九 番 谷 洋 一
二十 番 山 下 直 也
二十一番 高 瀬 勝 助
二十二番 吉 井 和 視
二十三番 木 下 秀 男
二十四番 町 田 亘
二十五番 金 田 眞
二十六番 高 田 由 一
二十七番 神 出 政 巳
二十八番 玉 置 公 良
二十九番 向 井 嘉 久 藏
三十 番 野 見 山 海
三十一番 平 越 孝 哉
三十二番 下 川 俊 樹
三十三番 中 山 豊
三十四番 浜 田 真 輔
三十五番 鶴 田 至 弘
三十六番 冨 安 民 浩
三十七番 村 岡 キ ミ 子
三十八番 中 村 裕 一
三十九番 井 出 益 弘
四十 番 阪 部 菊 雄
四十一番 江 上 柳 助
四十二番 長 坂 隆 司
四十三番 森 正 樹
四十四番 飯 田 敬 文
四十五番 新 田 和 弘
四十六番 松 本 貞 次
四十七番 和 田 正 人
欠席議員(なし)
説明のため出席した者
知事 木 村 良 樹
副知事 中 山 次 郎
出納長 大 平 勝 之
知事公室長 小 佐 田 昌 計
総務部長 稲 山 博 司
企画部長 安 居 要
環境生活部長 道 浦 渥
福祉保健部長 白 井 保 世
商工労働部長 内 田 安 生
農林水産部長 島 本 隆 生
土木部長 大 山 耕 二
企業局長 辻 健
教育委員会委員長 目 黒 威 徳
教育長 小 関 洋 治
公安委員会委員長 高 垣 宏
警察本部長 岩 井 良 行
人事委員会委員長 青 木 孝 祐
代表監査委員 藤 谷 茂 樹
選挙管理委員会委員長 谷 口 庄 一
職務のため出席した事務局職員
事務局長 田 村 徳 美
次長 蓮 池 康 宏
議事課長 北 垣 内 敬
議事課副課長 松 谷 秋 男
議事班長 露 詰 勤
議事課主査 井 口 好 晴
議事課主事 安 井 伸 彰
総務課長 佐 竹 欣 司
調査課長 梶 本 皓 造
(速記担当者)
議事課主任 吉 川 欽 二
議事課主任 鎌 田 繁
議事課主査 中 尾 祐 一
議事課副主査 保 田 良 春
─────────────────────
午前十時二分開議
○議長(阪部菊雄君) これより本日の会議を開きます。
この際、暫時休憩いたします。
午前十時三分休憩
─────────────────────
午前十一時三十二分再開
○議長(阪部菊雄君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
この際、申し上げます。
去る十二月八日の玉置公良議員の質問に対する答弁に関し、企画部長から弁明及び陳謝のための発言を求められております。これを許可することにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(阪部菊雄君) ご異議なしと認めます。よって、企画部長の発言を許可いたします。
企画部長安居 要君。
〔安居 要君、登壇〕
○企画部長(安居 要君) 今回の県議会におきまして、私の答弁が不十分でありましたために県議会の皆様方に大変ご迷惑をおかけいたしましたことを、深くここにおわび申し上げます。
今後は、県議会の皆さんのご指導、ご協力を得ながら誠心誠意努力いたす所存でございますので、より一層のご鞭撻をいただけますようお願い申し上げます。
さて、玉置公良議員の国土法の届け出に関するご質問中、国土法上の届け出が必要である、県の指導及び指導金額を明らかにされたいとのご質問に対しまして、「平成二年当時の法制度のもとにおきましては、契約締結前に取引予定価格、利用目的等を届け出る、いわゆる事前届け出制でございました。当該届け出を受け、県では取引予定価格について和歌山県土地取引価格事前審査会に諮るなどにより価格審査を実施し、適正な価格により取引が実施されるように取引当事者を指導してまいりました。議員ご質問の白浜町における土地売買につきましても、同様の手続を経て指導を行ってございます」と答弁いたしました。
この答弁は、「平成二年当時の法制度のもとにおきましては、契約締結前に取引予定価格、利用目的等を届け出る、いわゆる事前届け出制でございました。この制度による届け出を受け、県では取引予定価格について、不動産鑑定士との協議、鑑定評価書の取得あるいは近隣直近の鑑定評価を参考にするなどの方法のいずれか、または組み合わせにより価格審査を実施し、適正な価格により取引が実施されるように取引当事者を指導してまいりました。議員ご質問の白浜町における土地売買につきましても、同様の手続を経て指導を行ったと聞いてございます」と答弁すべきところでございました。
今後、明確かつ適切な説明をし、県民のご理解を得られるように努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
○議長(阪部菊雄君) ただいまの企画部長の弁明及び陳謝を了承することにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(阪部菊雄君) ご異議なしと認めます。よって、本件については了承されました。
この際、議会の権威と責任の上から、議長において一言申し上げます。
当局の議場における発言は、責任ある重要なものであります。答弁においては、その重要性を十分認識して発言されるよう、強く求めておきます。
【日程第一 議案第百六十号及び議案第百六十一号】
○議長(阪部菊雄君) 日程第一、前会から継続審査中の議案第百六十号平成十一年度和歌山県歳入歳出決算の認定について及び議案第百六十一号平成十一年度和歌山県公営企業決算の認定についてを一括して議題とし、決算特別委員会委員長の報告を求めます。
決算特別委員会委員長宇治田栄蔵君。
〔宇治田栄蔵君、登壇〕(拍手)
○決算特別委員会委員長(宇治田栄蔵君) 決算特別委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
当委員会は、九月定例会最終日の十月十七日に設置され、同定例会に提出された議案第百六十号平成十一年度和歌山県歳入歳出決算の認定について及び議案第百六十一号平成十一年度和歌山県公営企業決算の認定についてを閉会中の継続審査として付託されたものであります。
委員会は、同定例会の閉会直後、議長の招集により正副委員長の互選が行われ、委員長に私が、副委員長に佐田頴一委員がそれぞれ選出されました。
審査は、十一月六日から十日までの五日間にわたり行いました。
まず初日に、公営企業決算の認定について代表監査委員の説明の後、福祉保健部、企業局の順で審査を行いました。
なお、詳細についての議事内容は各会派へお届けしておりますので、各委員からの質疑、意見、要望等の主なものについてご報告を申し上げます。
県立五稜病院事業関係では、まず初めに医業収益が十二億円だが、他会計から負担金、補助金六億五千万円を負担することについてただしたのに対し、負担金は公立病院としての使命や行政の役割を果たすための経費について地方公営企業法により行政が負担することとされており、今後も負担金で病院を運営していかざるを得ないと考えている、補助金のうち十一年度決算では三千万円程度が収入で賄うべき赤字となっているので経営改善に努力していきたいとの答弁があり、赤字について収益を上げる方策をただしたのに対し、デイケアや作業療法の社会復帰のための診療部門を拡大し、強化する方向でいきたいとの答弁があり、関連して、負担金六億円の地方交付税措置についてただしたのに対し、交付税は三億円を標準として算定されているとの答弁があり、委員からは、負担金の半分なので、少なくともそれくらいは努力してほしい、一つの目標として早く半分または三分の一程度の負担金になるように努力してほしいとただしたのに対し、公共性と経済性のバランスをとっていけるよう最大の努力をしていきたいとの答弁がありました。
次に、五稜病院をよくしていくための方策についてただしたのに対し、民間病院と違って二十四時間受け入れられるようにしており、急性期の患者については早急に治療し、慢性期の患者については社会復帰を進めるため、デイケア、作業療法を中心に治療しているとの答弁がありました。
次に新病院について、老人性痴呆疾患治療病棟は五十床だけで可能なのかとただしたのに対し、精神症状や問題行動が特に著しい患者に対し精神科治療を行うものであるとの答弁がありました。
このほか、診療報酬体系、新病院の進捗状況、痴呆対策の専門病院や施設の充実、流動資産の未収金や特別損失などについて質疑、意見、要望がありました。
次に企業局の各事業関係では、まず初めに観光レクリエーション事業として計画どおりゴルフ場建設を進めるのかとただしたのに対し、ゴルフ場は紀の川大堰事業に伴う砂利採取約二百七十万立方メートルの負担金収入を財源に計画したものであるが、平成十二年九月末現在で計画の約一六%しか採取できておらず、当初の目標を確保できかねる状況であるので、ゴルフ場を建設するかどうかも含め、今後関係部局等と協議していきたいとの答弁がありました。
次に企業債についてただしたのに対し、政府関係資金については固定金利で繰り上げ償還の条件も非常に厳しい仕組みになっている、銀行等縁故資金については引き受け金融機関との交渉により一部金利引き下げを行っているが、最近の金利は上昇傾向にあることから今後の引き下げは難しいものと思われるが、交渉を続けていきたいと考えているとの答弁がありました。
次に土地造成事業については、企業債残高が百八十二億円となっているが、未処分土地の売却についてただしたのに対し、売却区画の分割、代金の分割払い、企業訪問による売却先開拓などの方策に努めているとの答弁がありました。
このほか、工業用水道事業では海南市への給水施設の移管、紀の川大堰関係では工業用水の取水口の移転などについて質疑、意見、要望がありました。
以上のとおり慎重審査の後、採決の結果、当委員会に付託されました議案第百六十一号平成十一年度和歌山県公営企業決算の認定については、賛成多数をもって認定すべきものと決しました。
引き続き、和歌山県歳入歳出決算の認定について、総務部長、出納長、代表監査委員の説明の後、総括質疑を行い、二日目からは部局別に審査を行いました。
各委員からの質疑、意見、要望等の主なものは、次のとおりであります。
総括質疑関係では、まず初めに繰り越し並びに不用額に対する見解はどうかとただしたのに対し、繰越額と不用額について、繰越額はできるだけふやさないように努めているところであるが、国の経済対策の時期などによりやむを得ないものもある、また不用額については、入札による執行残などやむを得ないものもあるが、できるだけ的確に予算を見積もり、不用額を少なくすることが望ましいと考えているとの答弁がありました。
知事公室関係では、和歌山ビッグホエール等の文化施設の使用料収入予算の算出基準、稼働率の設定及び管理運営費の削減についてただしたのに対し、使用料収入については条例で定められた使用料に基づき前年実績や新しい要素等を検討して予算を組んでいる、稼働率については当初の目標を五〇%として建設された施設であるが、平成十一年度の稼働率は約五九%であった、管理運営費については基本的に予算シーリング並みに抑えているとの答弁がありました。
また、和歌山ビッグホエールの稼働率を上げるため努力をすべきであるとの意見がありました。
総務部関係では、まず初めに税の未収額の徴収についてただしたのに対し、毎年七月、八月を滞納繰り越し縮減強化月間として収入未済額の縮減に取り組んでいる、本年度からは新たに十二月、三月を滞納整理強化月間と位置づけ、夜間徴収、休日徴収等、集中的に取り組む予定であるとの答弁がありました。
関連して、県税の徴収率について、不動産取得税も悪いようだが、仮に不動産業者が悪いのであれば、宅地建物取引業の免許を停止するとかできないものかとただしたのに対し、悪質な場合は財産の差し押さえ等を実施するなど滞納整理を行っていきたいと考えており、また提言の事案については法律上可能かどうか研究したいとの答弁がありました。
関連して、自動車税について、所有者が変われば税を払わなくて済むということが業者の常識になっていると聞いたことがある、何らかの制約を課すシステムづくりを行う必要があるとただしたのに対し、名義貸しなどにより滞納事案のあることは確かである、またことしから県への建設工事や物品の入札参加者には県税の未納がない旨の納税証明を添付することになっているとの答弁がありました。
関連して、固定資産税について、地価が下落している中で固定資産税が上昇している、市町村に対する指導をただしたのに対し、三年ごとに固定資産の評価がえが行われているが、地価の下落に対応して市町村の判断で毎年評価額を修正することができることとなっており、このような仕組みの中で各市町村において対応しているものと考えているとの答弁がありました。
次に印刷関係について、歳入一億二千万円に対し歳出が二億七百万円で八千万円の赤字にもかかわらず、決算書では黒字になっているのはなぜかとただしたのに対し、繰越金、一般会計からの繰入金があるので決算上はそのようになるとの答弁があり、委員からは、財政厳しい折、県もスリム化していくことが必要なことであるので、民営化を含めた方向で検討されたいとの要望がありました。
このほか、県債の発行の見直し、財政運営プログラムでの未収金問題の位置づけ、国の地方交付税制度と県の財政の健全化、私立高等学校授業料軽減補助金などについて質疑、意見、要望がありました。
企画部関係では、まず初めに関西国際空港について、知事は新たな負担について触れていないが、二期事業に対する考えをただしたのに対し、関西国際空港株式会社に対しては、十一年度において十二億円弱の出資、二億四千万円強の無利子貸し付けを行っており、二期事業については需要に対応した整備が必要であり、さらには全体構想を推進することが必要であると考えているとの答弁がありました。
関連して、成田空港は国の資金により公団方式で建設、運営されているが、一方、関西国際空港は地元地方公共団体、財界が資金負担して建設が進められてきている、関西国際空港を国家的プロジェクトとして位置づけ、もっと国が資金負担できないのかとただしたのに対し、本県としては関西国際空港全体構想・二期事業の推進に取り組む方針に変わりはない、現在、関西国際空港株式会社において経営改善の取り組みがされているところであり、国家的プロジェクトとしての位置づけを国においても明確にするよう働きかけてまいりたいと考えているとの答弁がありました。
次に、公共事業での用地買収においても地籍調査の進捗状況が重要になってきているが、県内の進捗状況をただしたのに対し、県内の要調査面積約四千五百平方キロメートルのうち、平成十一年度末時点で八・二%が完了している、全国の平均進捗率が四三%であることから見てかなりおくれているが、平成十四年度には県内全市町村が地籍調査に着手する見込みであり、また今年度を初年度とする十カ年計画に基づき、さらに地籍調査を強力に推進していく所存であるとの答弁がありました。
次に企画部のあり方について、企画部は県庁内において企画のまとめ役で、立案調整役の機能が求められている、企画部が横断的に事業を立案して進めていってほしいとただしたのに対し、それぞれのセクションでそれぞれの施策目的に合った事業を実施しているが、新しい視点に立つなどしてそれら個々の事業の連携を図っていくことが企画部の役目であると認識しており、施策立案、調整を進めていきたいとの答弁がありました。
このほか、紀勢本線、和歌山線について利便性の向上とJRへの申し入れ、紀伊丹生川ダムの利水面、治水面とその必要性などについて質疑、意見、要望がありました。
環境生活部関係では、動物愛護センターの人員体制についてただしたのに対し、今年度は獣医師五名でセンターを運営している、当初年間利用者数は五万人と見込んでいたが、既に九万人が利用している現状であり、この状況が続けば職員増員の要望やボランティア育成なども積極的に進めていくとの答弁がありました。
関連して、鳥獣保護センターには専任職員が配置されておらず十分な対応ができないのではないかとただしたのに対し、現在動物愛護センターの職員が兼務しており、専任が必要な状況が続くとなれば人事当局に要望するとの答弁がありました。
次に、さまざまな産業廃棄物問題に対して県としてどうしていくのか、県内に二カ所くらい処理施設をつくるべきではないかとただしたのに対し、来年度、県下全域で廃棄物実態調査を行うので、その中で対応を考え、部として一丸となって取り組んでいきたいとの答弁がありました。
また、一般廃棄物の焼却炉は平成十四年十一月末までにダイオキシン対策を行う必要があるが、市町村指導についてただしたのに対し、ダイオキシンの十四年規制に対応するため、既存炉については平成十二年度で四施設、十三年度で六施設の改造で対応するとの答弁がありました。
関連して、環境問題について施設などのハード面の対応も必要だが、ソフト面でごみを出さない啓発をしていくことも重要であるので、子供の教育の中に組み込むことや一般の人にも理解を求めるよう力を入れてもらいたいとの要望がありました。
次に、紀北の市町村は焼却灰をフェニックス泉大津沖処分場で処分しているが、埋め立て完了後の処分についてただしたのに対し、フェニックス泉大津処分場については終わりに近いが、他に埋立処分場設置計画があり当分処理可能である、その後については公共関与のあり方の中で検討していくとの答弁がありました。
このほか、同和教育子ども会育成指導事業の見直し、ISOの認証取得の取り組み、交通安全運動の啓発、ごみの分別収集や産業廃棄物の処理体制の整備、合併浄化槽の補助などについて質疑、意見、要望がありました。
福祉保健部関係では、グリーンピア南紀について、地域の雇用の場として存続できるよう働きかけをしてもらいたいとただしたのに対し、グリーンピアの譲渡受け入れの意向調査の結果、全国的にも譲渡引き受けは困難なところが多く、本県においても困難であるが、地域の活性化や雇用問題等の観点から、できる限り運営を継続させたいとの答弁がありました。
次に、平成十二年度に介護保険制度がスタートしたが、施設等の基盤整備についてただしたのに対し、特別養護老人ホームは、現在五十七施設が設置されており、三施設を建設中である、今後とも着実に整備していきたいとの答弁がありました。
このほか、母子寡婦福祉資金制度の周知、社会福祉施設内のヘルパーの労働条件の問題や入所者の処遇状況の把握などについて質疑、意見、要望がありました。
商工労働部関係では、中小企業近代化資金特別会計の七十五億円の未収についてただしたのに対し、高度化の融資先五十五組合のうち三十組合が延滞しているが、組合の土地、建物は抵当にとっており、組合員は連帯保証人になっている、今後とも小まめに交渉するとともに、経営指導をしながら回収に努めていくとの答弁があり、委員からは、不況ではあるが、毅然とした取り扱いと経営指導が必要であるとの意見がありました。
関連して、中小企業近代化資金の中で抵当権を実行して入金した事例はあるのか、また組合の延滞額の最高と最低は幾らかとただしたのに対し、最近では抵当権を実行した事例はない、また延滞額の最高は八億円、最低は五百万円であるとの答弁がありました。
このほか、工業技術センターの役割や取り組み、競輪特別会計の弁償金支払い見通しと和解の検討などについて質疑、意見、要望がありました。
農林水産部関係では、まず初めに繰越額が多いことについてただしたのに対し、主な繰り越し要因としては国の経済対策や用地交渉等で地元同意がとれていないことによるものであるとの答弁がありました。
関連して、繰越金百三十五億円は毎年このぐらい出しているのかとただしたのに対し、昨年とほぼ横ばい状態であるとの答弁があり、委員からは、繰り越しによる国の補助事業の査定への影響はないのかとただしたのに対し、繰り越しはできるだけ少ない方がよいが、国との関係において多かったから翌年度の予算を減らすといったことはないとの答弁がありました。
次に、本県のクローン技術についてただしたのに対し、受胎率については全国的に見ても低い状況にあるとの答弁がありました。
次に、梅生育不良について今後の対応はどうかとただしたのに対し、県うめ対策研究会の最終報告で提起されている梅の生理生態の特性解明等の課題を中心に研究を進めているところであり、また総合実証園で種々の対策を講じてまいりたいと考えているとの答弁があり、委員からは、うめ研究センターの設置計画についてただしたのに対し、梅研究機関については、本年度に基本構想の策定を進めており、最短でも平成十五年ごろになるのではないかと考えているとの答弁がありました。
このほか、森林の造成、林業改善資金の貸し付けのあり方、南紀用水の水対策、山村21創造事業などについて質疑、意見、要望がありました。
土木部関係では、まず初めに住宅使用料について、公営住宅家賃が応能応益家賃に制度が改正され、家賃収入及び滞納額への影響についてただしたのに対し、応能応益家賃制度は平成十年度から施行され、最終的には総収入の変動のない改正となっている、未収金増加の最大要因は昨今の景気の低迷による入居者の収入の低下、失業等であり、また制度改正により収入未申告者は最高額の家賃を支払うものとされたため、滞納者の調定額が増加したことも未収金の増加につながっていると考えているとの答弁がありました。
次に、県営住宅建設に伴い紀州材の活用についてただしたのに対し、県営住宅については建物の構造上木材使用は困難である、しかしながら市町村営住宅については紀州材の活用が図られているものと考えているとの答弁があり、委員からは、今後紀州材を使えるところがあれば積極的に活用していくよう要望がありました。
次に、高野龍神スカイラインの負債額、通行量についてただしたのに対し、貸付残高は十二年度以降で約十一億八千万円で、交通量は十一年度実績で十六万台、料金収入は約三億三千万円であるとの答弁があり、また高野・熊野の世界遺産登録へ向けて活動している中で、一般道路として無料化にできないかとただしたのに対し、世界遺産登録に向け無料開放に取り組んでいきたいと考えており、開放後は国道三百七十一号となるとの答弁がありました。
次に、建設残土の処理場づくりについてただしたのに対し、処理場については平成六年度から各振興局に一カ所つくるということで調査検討している、現在串本建設部で受け入れを行っており、海草、西牟婁建設部で調査中であるとの答弁がありました。
このほか、県工事に関する市町村負担金、用地職員の適正等を考慮した人員配置などについて質疑、意見、要望がありました。
医科大学関係では、まず初めに特別会計の不納欠損額、未収金額が大きいことについて手続等をただしたのに対し、附属病院本院分の不納欠損額については、平成六年度の阪神大震災で被災した外国の方の入院料で、徴収に努めたが、帰国後行方不明となったので、五年間の消滅時効により不納欠損処分したものである、また未収金については今後とも徴収に最善の努力を尽くしてまいりたいとの答弁がありました。
次に、看護短大の受験生の減少についてただしたのに対し、厳しい財政状況下であるが、ニーズにこたえられるよう四年制化について検討してまいりたいとの答弁がありました。
次に、病院の病床稼働率、外来患者数についてただしたのに対し、本院については稼働率は九〇%から九三%、患者数は千三百五十人が限度と考えているが、外来患者については紹介患者を増加させていきたい、分院については結核病棟、感染症などの病床も含まれており、厳しい現状にあるとの答弁があり、委員からは、公立那賀病院、橋本市民病院だけでなく民間病院も充実されている状況の中で、分院の今後の方向性を早急に検討してほしいとの意見がありました。
このほか、看護婦の準夜深夜勤務や代休の取得、現業職員の超過勤務手当の支給などについて質疑、意見、要望がありました。
議会関係では、住民監査請求のあった県友会について、過去の支出分の調査についてただしたのに対し、現在県友会のあり方を検討項目の一つに取り上げている議会改革検討委員会で協議される方法もあると思われるとの答弁がありました。
人事委員会関係では、県職員の採用方法について要望がありました。
選挙管理委員会関係では、選挙運動に関する県民からの照会に対し、違反になるという回答ばかりで照会に値しないという批判が多いが、どのような方針で対応しているのかとただしたのに対し、照会の中には法律の解釈や具体的事実がはっきりしないものなど答えにくい場合もあるが、今後とも具体的事実を十分に聞いて適切に対応してまいりたいとの答弁があり、委員からは、参政権は最も重要な基本的人権の一つであり、選挙の自由を保障する観点に立ち、適法性の判断が困難なものについても踏み込んで対応していくよう要望がありました。
監査委員関係では、包括外部監査の導入により、どのように事務事業の改善が図られたのかとただしたのに対し、指摘を受けた事項に対する措置状況については、現在担当部局で取りまとめているところであるが、監査委員においても包括外部監査結果報告書に盛り込まれた趣旨を考慮して積極的に取り組んでまいりたいとの答弁がありました。
教育委員会関係では、まず初めに県立図書館の資料の充実及び館内でのインターネット利用についてただしたのに対し、特に一般図書などは県民の要望も踏まえながら充実に努めている、インターネット利用については政府が今年度補正予算でIT関連整備を進めることとしており、国の動向を踏まえて検討してまいりたいとの答弁がありました。
次に、実際の教育施策に使える事業費予算額についてただしたのに対し、予算額は約五十億円であるが、IT関連など時代に即した効果的、効率的な予算の確保、執行に努めてまいりたいとの答弁がありました。
次に、南紀スポーツセンターを初め老朽化した県のスポーツ施設の整備充実についてただしたのに対し、本県での二巡目国体開催を視野に入れ、平成九年度から庁内関係課室で検討しているとの答弁がありました。
このほか、心の教室相談員、南紀熊野体験博の経験を生かした取り組み、財政運営プログラムIIの教職員五百人削減計画などについて質疑、意見、要望がありました。
公安委員会関係では、まず初めに県が示した財政運営プログラムIIでは平成十三年から十五年までかなり厳しい予算となるが、警察費予算にどのような影響を及ぼすのかとただしたのに対し、昨年来からワーキンググループに参加し、公共事業の抑制や事務事業評価システムの導入などに共同歩調をとってきたところであるが、現場活動に支障を来すような経費の削減は治安に及ぼす影響は極めて大きいものである、安全で平穏な県民生活を確保するための必要な予算は県当局へ要求してまいりたいとの答弁がありました。
次に交通信号機の設置要望についてただしたのに対し、平成十二年度には二十二基を設置する予定であるとの答弁があり、また新設道路等に関して土木部等との連携をただしたのに対し、高速道路の延伸に際し、燦黒潮ロード交通基盤事業で交通信号機を十基ほど設置したほか、南紀熊野体験博でも土木部と連携して交通安全施設を設置しているとの答弁がありました。
関連して、自転車ロードレース、美山マラソン、駅伝等は本県のアピールになるので今後の姿勢をただしたのに対し、マラソン等は地域の発展のためということも念頭に置いて対応していきたいとの答弁がありました。
次に捜査と報道に関して、新聞やテレビでは被疑者の言動等と思われる内容が流れているが、警察は報道側に対してどのように対応しているのかとただしたのに対し、報道機関に発表する理由は、同種の犯罪を起こさせないための防犯的な観点と社会的不安を取り除くための二点があり、警察の発表はその範囲内で行っている、捜査上の秘密は発表しないことが前提であるとの答弁があり、委員からは、本人の供述内容は発表するのかとただしたのに対し、供述内容そのものを外部に発表することはないが、重大犯罪を犯した犯人がその事実を本人が認めているかどうかについては発表することがある、警察内部には捜査上の秘密は絶対に口外しないよう教養を徹底しているとの答弁がありました。
このほか、ストーカーや性犯罪などの犯罪増に伴う人員増、通信傍受法の適用などについて質疑、意見、要望がありました。
以上のとおり慎重審査の後、採決の結果、当委員会に付託されました議案第百六十号平成十一年度和歌山県歳入歳出決算の認定については、賛成多数をもって認定すべきものと決しました。
以上をもちまして、決算特別委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(阪部菊雄君) 以上で、決算特別委員会委員長の報告が終わりました。
これより、委員長の報告に対する質疑に入ります。──質疑なしと認めます。
次に、討論に入ります。
高田由一君から反対討論の通告がありますので、これを許可いたします。
二十六番高田由一君。
〔高田由一君、登壇〕(拍手)
○高田由一君 日本共産党県議団を代表して、決算特別委員長報告に対する反対討論を行います。
議案第百六十号平成十一年度和歌山県歳入歳出決算並びに議案第百六十一号公営企業決算についてですが、私たちは平成十一年度の予算編成に当たって、県民福祉の向上とむだな公共事業の削減、財政健全化を求める立場から、予算案に反対の立場を表明いたしました。残念ながら、十一年度においてはそれが修正されることがありませんでした。
公益企業会計について言えば、観光レクリエーション事業会計について、砂利採取による収益が見込めないことや上水道の取水口の間近に農薬使用を前提にしたゴルフ場建設を計画するなど、考え直すときが来ています。
工業用水道事業では、国からも是正を指導されている海南市の上水道への給水問題の解決がいまだに実現しておりません。
土地造成事業会計では、売却見通しのない土地造成が進められてきたことは認めるわけにはまいりません。
駐車場事業についても、その採算性から言って見直しが必要ではないでしょうか。
一般会計、特別会計で言えば、医科大学の関係では、看護婦さんなど現業職場の残業がかなり恒常化している問題とその残業賃金がきちんと支払われていない問題を取り上げましたが、これは過日、労働基準監督署も指導に入ったということを聞いており、行政機関として重大な問題を抱えていると言わざるを得ません。
議会関係では、県友会への補助金問題で市民オンブズマンから指摘されたような問題もあり、これを認めるわけにはまいりません。
教育委員会関係では、同和に関係する子供の状況調査が客観的な判断基準もなく各学校長任せで、肝心の子供や保護者の同意をとるという手続もなく調査されているという実態が今に至っても漫然と継続されていることは、同和行政を早期に終結させる立場から到底認めるわけにはまいりません。
農林水産部、土木部関係では、不要不急の公共事業予算を盛り込んであること、また県営事業に対する市町村負担金の軽減を求めてきたわけですが、改善されていないことなどから、反対です。
企画部関係では、地盤沈下の問題や航空需要の大幅な見込み違いにより経営が悪化している関西空港及びその二期事業にかかわる予算の執行は、今大きく見直すべきときです。
福祉保健部関係では、県外の私立高校へ通学する高校生への補助金、幼稚園児への補助金がカットされました。ほかに、同和対策事業の個人施策の相変わらずの継続や同和子ども会補助金の支給なども廃止するよう求めていましたが、見直しはされませんでした。
以上のような理由により、議案第百六十号、百六十一号については反対するものであります。
以上です。
○議長(阪部菊雄君) これをもって、討論を終結いたします。
これより採決に入ります。
議案第百六十号平成十一年度和歌山県歳入歳出決算の認定について及び議案第百六十一号平成十一年度和歌山県公営企業決算の認定についてを一括して採決いたします。
本決算に対する委員長の報告は、いずれも認定であります。
本決算を委員長の報告のとおり認定することに賛成の諸君は、ご起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(阪部菊雄君) 起立多数であります。よって、本案はいずれもこれを認定することに決定いたしました。
都合により、残りの日程は明日に譲り、本日はこれをもって散会いたします。
午後零時九分散会