平成12年9月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(木下善之議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後一時三分再開
○副議長(尾崎要二君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 十一番木下善之君。
  〔木下善之君、登壇〕(拍手)
○木下善之君 議長の許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
 質問の前に、木村知事には、真夏の厳しい選挙の中、大勝利を上げられ知事ご就任、まことにおめでとうございます。平成五年から三カ年、本県の総務部長として熱意を示され、私も一年近くおつき合いをさせていただきました。今後、知事として本県の飛躍発展のためリーダーシップをおとりくださることをよろしくお願いいたしますとともに、私も議会人の一人として微力ながら支援をさせていただきます。
 それでは、知事にお尋ねいたします。
 まず本県の将来像についてでございますが、過日より先輩・同僚議員の方からそれぞれ質問がなされ、一部重複する点もあろうと思いますけれども、ご了承をいただきたいと思います。
 知事は就任あいさつの中で、すばらしい県土を構築する上で、産業活動の高度化等、地域の特性を生かしたふるさとづくりのため果敢に対応し、二十一世紀の和歌山づくりに全身全霊で取り組みたいと言われ、また少子高齢化や福祉、経済、教育問題についても不退転の決意で臨み、IT革命によって和歌山新時代の扉を開いてまいりたいとの所信を述べられております。特色ある県土づくりは、ひとしく県民の希望するところであり、基本的にはさきに策定した長期総合計画なるものがございますけれども、本県の将来像について、それぞれ思うことを地域別に挙げてお伺いするものであります。
 次に、公共事業と財政課題についてでございます。これも多くの議員から質問をされてございますが、ご了承をいただいて進めてまいりたいと思います。
 政府では今後の公共事業の大幅な見直しが検討されているところでありますが、本県としての公共事業は、これからと言っても過言ではないと考えます。特に道路整備の促進、都市基盤の整備、主要港湾の充実等、本県の抱えている諸問題の早期解決のためにも一層の公共投資が必要であると考えますが、政府の見直しに至った原因は、何と言っても国債の多額な発行であります。政府の六月末時点の債務残高は五百二兆円、それに政府保証債務の五十三兆余円を含めた債務は実に五百五十五兆五千六百億円、今期の補正予算と大蔵原案においても二兆円相当の新たな国債の発行を行うとされる厳しい状況にあって、一方、県としても国と同様で、十一年度末県債の発行残高は一般会計で六千三百三十一億余円、特別会計で九百七十二億円、合わせて七千三百三億余円となっており、したがって十一年度の公債費七百一億円と年々増加しているなど、一段とその厳しさが増してきていることは確かであります。
 知事は、新税の検討も考え、税収の安定を図る等の努力をし、費用対効果を判定して徹底した行財政改革を断行してまいりたいとのお話であります。私は、しっかりとした県土を構築する上で主たる公共事業は積極的に取り組むべきであると存じますが、知事のお考えを伺います。
 次に紀泉百万都市構想の取り組みについてでございますが、これも、けさほど先輩の飯田議員よりご質問がございました。できるだけ簡単に申し上げます。
 関西国際空港の二期工事に着手され、世界のハブ空港として大きな期待を寄せている、紀の川流域と大阪泉南地域を含めた百万都市構想は、地域関係者の大きな期待を寄せているところであります。特に府県間道路の整備促進を図るなど、人の流れ、物の流れを高度化させる体系づくりが先決であります。
 今から二十五年も前になると思いますが、私ども数名で打田町の山林約六十ヘクタールを取得して、観光農園を中心とした楽園構想を樹立したことがありました。その後、資金難で中止やむなきに至った経緯がございますけれども、関空の埋め立て以前の話として、今は亡き橋本市選出の先輩議員に再三申し上げたことがあります。それは、関空から直線で打田、岩出方面へ埋め立て用の土取りができないか、しかもその跡地へ電車の複線と片側六車線程度の道路を入れ、上下水道、大阪分水の布設等を合わせた幅百メートルの大動脈幹線の検討をしてみてはどうかということでございます。大阪と和歌山は一体的なものでなくては本県の発展は望めないとして、打田、岩出の住民が毎日大阪湾の海を見ながら一日の仕事が始まるとしたビジョンを過去に申し上げたことがありました。やはり今後、関係地域の官民一体的な推進組織の充実も必要と考えます。知事に紀泉百万都市構想についてお伺いをいたします。
 次に、道路網の整備促進について。
 前段申し上げたように、政府では公共事業の見直しについて論議されておりますが、本県としては、今後とも旧に倍した道路整備の積極的な推進が重要課題と考えます。ようやく京奈和自動車道、国道三百七十一号バイパスも工事に着手され、県内二時間行動圏からも幹線道路の一日も早い完成に向けた積極的な取り組みを切望し、順次土木部長にお尋ねをいたします。
 国道三百七十一号橋本バイパス問題についてでございます。
 この件については質問ごとに申し上げているところでありますが、地元の世論としては、かけ声の割に余り工事量が見えてこないと言われております。本道路は本県東部の唯一の府県間道路であって、近年は奈良県西部地域においても、交通事情から本道路の活用が急増するに至っております。おかげをもって、紀の川流域下水道の一部供用開始により、平成十三年度から隅田地域のあやの台団地というのができるのでございますけれども、これは四千八百戸の計画であります。現在、二千戸と他に約千戸、合わせて三千戸の住宅宅地販売が開始されようとしております。近年の景気も手伝って、このことは容易でないと考えます。とりわけ、宅地供給不振の一つとして国道三百七十一号の未整備があります。現道の三百七十一号の大阪府側については──我々は「三十八曲がり」と呼んでいるのですが、この道を通れば雲の上へ行くのだろうなという想像をしてしまうくらいの道であります。この三十八曲がりが最大の原因であるとして幾分の局部改良は実施されているものの、どうしようもないわけであります。私も、春から二度、三百七十一号バイパスの大阪府側の進捗状況を見させていただきました。大阪府側には大小合わせて九つのトンネルがあり、現在三つ目の工事に取りかかっておるわけでございますが、先の見通しは大変暗いと言わざるを得ないわけであります。大阪府側のおくれを取り戻すよう、特段のお力添えを木村知事にお願いするものであります。
 それでは、土木部長に伺います。
 取り組みの現状と補正予算の見通しについてでございます。
 継続事業は、特殊な場合を除いて年々着実に事業費を増加させ、完成に向けた取り組みが必要でありますが、本道路の事業費は平成九年度の二十三億円をピークに、その後年々減少しています。この取り組みの現状と補正予算の見通しについてお尋ねをいたします。
 次に、平成十八年度全線供用開始については、三十年も前になりますが、時の建設大臣・河野一郎は名阪国道を千日で工事を完成させなさいと指摘されて三カ年で完成されたそうで、よく「千日道路」と言われております。本道路の三百七十一号も用地買収難あるいは工事条件等大変難しい状況にあると判断もいたしますが、京奈和道路の橋本区間十一・三キロメートルは十八年度に開通目標と聞かされ、橋本インターの関係で本道路の供用も同時にいたしたいと言われております。大阪府側も含め、平成十八年度に全線開通が可能かどうかお伺いするものであります。
 次に、新橋本橋の供用時期についてでございます。
 京奈和道路橋本インターと五條区間については平成十六年度末に供用したいとの建設省の話でありますが、このインターは国道三百七十一号と交差する重要なアクセスで、その延長となる三百七十一号新橋本橋を経て国道三百七十号へ向けての供用は京奈和道路橋本インターの開設に合わせることが可能かどうか、お伺いをするものであります。
 次に、建設残土の処分についてでございます。
 いよいよ工事も今後本格化に向けて取り組まれるが、建設残土が百万立方メートル以上発生するように聞いております。残土の処分先については、極力公共事業等、適切有効に活用すべきであると考えておりますけれども、どう処分されるのか、その計画をお伺いするものであります。
 次に、県道和歌山橋本線の改修について。私も時には利用させていただいておりまして、地元関係議員さんのお許しを得て質問させていただきます。
 本道路は、国道二十四号線の補完道路として、また京奈和道路の完成まではバイパスとしての役割が高く、紀の川左岸を並行に、和歌山─橋本間の東西線とも言うべき重要路線であります。それぞれ幾分の工事も進められ、那賀の西脇バイパスも六月に完成なされてございますが、大変喜ばしいところでございます。しかしながら、住宅地域で手づかずの状態も多く、伊都では西島から三谷、那賀では竜門橋から遠方など、ほかにも数カ所見受けられますが、工事の進捗は極めてスローのように感じます。用地買収に問題があるのか、何ゆえおくれているのかも含め、伊都・那賀管内の用地買収と工事の進捗及び今後の見通しについて、以上、土木部長にお伺いをいたします。
 次に、日本工業所の産業廃棄物問題について。
 まず、知事はダイオキシン及び産廃問題を本県の三大懸案の一つとしており、選挙前に産廃の現地を見られたとか。感銘をしたところであります。既に平成七年より五カ年経過し、平成八年から九年にかけて不完全燃焼により多くの住民にのどの痛みや頭痛が生じ、入院・通院が続出した経緯があります。この間、前西口知事の英断により、焼却中止、焼却予定の産廃物の撤去、あるいは農作物等のダイオキシン調査、とりわけダイオキシンを含む健康調査等に取り組まれて今日に至っておりますが、施設本体の行政代執行による撤去、あるいは残された相当量の産廃物の処分について、今後知事としてどのように取り組みをなされるのか、伺うものであります。
 なお、今月二十八日、木村知事は産廃の現地を訪れる予定と聞かせていただいており、その熱意に感謝するものであります。
 次に、当面の取り組みについてであります。
 まず健康調査については、地元との合意のもと、産廃現場より半径一・五キロ範囲内の方を対象に、県からは医師、看護婦、保健婦及び市の協力を得て、関係者三百六十四名体制で、九月二十三日、二十四日の二日間実施されたところでございます。関係の皆様には、大変ご苦労さまでした。ダイオキシンの血中検査は、健康調査に引き続き十月下旬をめどに二百四十八名以内を対象として実施されるとしておりますが、いずれも速やかにその結果を公表し、適正な対応が行われることを希望いたします。
 さて、現在問題となっている焼却炉本体の解体、焼却灰及び周辺施設の撤去でありますが、高熱の千六百度ないし二千度で溶かして無害とするジオメルト工法を用い、現場で処理し、処理したものを持ち出す案を県として採用いたしたいとのことであるが、地元としては、現在試験段階であり、いまだ実用化されていないなど、またジオメルト工法は処理する上で長期化するなど、これ以上環境を悪化させるべきでないとし、現在同意が得られていない状況にあります。
 持ち出しを含め、他に効果的な処理対策がないのか、先進諸外国ではどう処理されているのか、国の指導はどうであるのかも含めて環境生活部長に、血中のダイオキシン検査の結果報告までに要する期間とその取り組みについては福祉保健部長に、それぞれ答弁をお願いいたします。
 次に、安全宣言についてでございます。
 ことし二月、焼却場内のダイオキシン調査で焼却施設周辺より十万ピコグラムの高濃度のダイオキシンが検出されました。この事態を重く見て県は、関係部長から成るダイオキシン問題対策本部を設置し、周辺地域の農作物、農用地、学校、ため池、用水路、河川等百九十三点の調査を実施して、専門家から成るダイオキシン類検討委員会にて検討した結果、すべて環境基準、排出基準を満たしており、本年五月三十日に、安全で心配要りませんとした安全宣言が発表され、関係地域においてはひとまず安心したところでありますが、ダイオキシン問題はこれからまだまだ話として出てまいります。地元として、安全宣言を受け、現場で現在最盛期を迎えているカキの消費拡大に向けた宣伝を強く要望いたしておきます。
 次に、代執行における経費負担についてであります。
 本問題解決のため、今日まで県及び環境保全公社等が中心に多額の費用負担を行っておりますが、今後とも完全解決を行う上で経費のめどが立っていないのが昨今の状況であります。撤去について、業者が履行期限内に撤去しなかったため、県は代執行やむなしとして今日に至っているが、撤去完了時に要したすべての費用負担は業者から徴収するとしており、その能力について、土地の名義人、その他資産の保有等の調査、あるいはまた排出業者にもその責任があるので排出業者のあるなしも、一度時間を要してでも調査をしておく必要があると考えます。このことについては要望をいたしておきます。
 次に、今後の恒久対策について。
 日本工業所の産業廃棄物問題の解決に向けて担当者が努力されている点は認められるが、いよいよ正念場となってまいります。平成七年一月十七日発生の阪神・淡路大震災のときに生じた産廃とされたものが同年二月から四月に集中持ち込みをされたもので、既に五カ年を経過しており、現在、現場処理後搬出するか、現場処理せずに持ち出すか、多くの課題が残されております。地元住民は、もとのすばらしい環境を取り戻したいとの願いで、一日も早く適切な処理対策を希望しております。
 さて、今期九月補正の約九百万円の恒久対策に向けての汚染範囲調査を実施されるようでありますが、その目的と要領について伺います。
 最後に、技術対策としてはダイオキシン類問題検討委員会の結果に沿うことになると存じますが、今後の完全解決に向けて広く関係住民と一体となって取り組みされ、国の指導と財政援助について積極的な要請を行われるよう、今後の恒久対策に向けての手順とその対応について環境生活部長にお尋ねをいたします。
 以上で、一般質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
○副議長(尾崎要二君) ただいまの木下善之君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) ただいまの木下議員の私へのご祝辞に対して、まず心より御礼を申し上げます。どうもありがとうございました。
 木下議員のご質問に順次答えてまいります。
 まず、本県の将来像についてのご質問でございます。
 二十一世紀が間もなく始まろうとしている今日、和歌山県は新しい時代の転換点にあり、激しい変化の時代を迎えております。私は、時代の変化に鋭敏に対応しながら新しいふるさとの創造を目指し、開かれた和歌山づくりを進めてまいりたいと考えております。このため、内外を見渡す大きな視野を持ちながら、大阪府を初めとする他府県との交流・連携を進め、県内の地域特性を重視し、かつ生活者の視点に立った県政を基本として、安心して暮らせ、活力みなぎる地域社会の構築に向けて全力を傾けてまいりたいと考えております。
 なお、地域整備につきましては、例えば北部においては、関西国際空港との近接性を生かした産業の展開や住環境の整備を図り、高次な都市機能の集積による広域的な都市圏の形成を目指してまいります。橋本市地域などに関しましては、とりわけ、例えば大阪府との関係なども配慮に入れながら、私としても力いっぱい町づくりに力を注いでまいりたいと思います。また南部については、豊かな自然や歴史、文化資源を生かした観光・リゾート地域の形成や農林水産業を初めとする地域産業の振興を図り、多自然歴史文化交流ゾーンとして活性化を図ってまいります。いずれにせよ、和歌山県が新たな飛躍のときを迎えることができるよう、力いっぱい頑張りたいと思います。
 次に、公共事業と財政課題についてのご質問でございます。
 大きな時代の節目を迎え、少子高齢化、高度情報化への対応、経済や環境の問題など、県勢の課題が山積している一方で、県税収入等の歳入が伸び悩み、本県の財政は極めて深刻な状況に直面しております。この局面を打開するためにはすべての施策や事業を対象とした聖域のない見直しが不可欠であり、県土の基盤整備を目的とする公共事業についても決して例外ではございません。
 また、現に国においては公共事業のあり方について抜本的な見直しが論議されているところであり、本県においても事業効果等について一層の精査が必要であると考えております。しかしながら、議員ご指摘のように、本県には道路交通網などいまだ社会基盤整備が十分でないところもあり、県勢の発展を大きく左右するこうした分野についてはさらに整備を進めていく必要がございます。
 また、公共事業につきましては、和歌山県では職場を提供しているとかいろいろ大きな副次的な意味がございますので、今後とも、できるだけ国の方の補助制度に乗っかれるものは獲得して、和歌山県がそういう面で進展していくように力いっぱい頑張りたいと思います。
 厳しい財政状況の中ではございますけれども、このような状況を踏まえて事業には優先順位をつけ、思い切って本県が真に必要とする分野への重点投資を進めて二十一世紀の和歌山づくりを推進してまいりたいと考えております。
 それから、紀泉百万都市構想への取り組みについてでございます。
 これは、これまでも申し上げてまいりましたけれども、県内各地域ごと、それぞれの地域特性を生かした地域づくりが必要であると考えております。
 本県の紀北地域につきましては、ご提言のとおり、大阪府南部地域との一体的な地域づくりがぜひとも必要と考えております。このため、県としては紀泉百万都市構想に取り組んできたところであり、先ほども申しましたが、府県間道路を初めとする社会基盤整備とあわせて紀泉地域の一体性をより強めることが外に向け開かれた和歌山づくりにとって非常に重要であると考えておりますので、私が先頭に立ってこの面についても力を尽くしてまいりたいと考えております。
 最後に、ダイオキシン類及び産廃についてのご質問でございます。
 日本工業所の廃棄物問題につきましては、就任以来、この問題の解決に向けて一日も早く地元の皆様との対話の機会を持ちたいと考えておりましたが、先ほどご質問の中にもありましたように、今月の二十八日に現地へお伺いすることが決定いたしました。ダイオキシン類の汚染対策については県政の重要課題と位置づけ、現在代執行を行っているところでございますが、ダイオキシンの無害化処理工法の安全性等については、地元の皆様のご理解を得ながら進めてまいりたいと考えております。
 また、高濃度のダイオキシンで汚染された土壌等の恒久対策等につきましては、今後、ダイオキシン類問題検討委員会や地元の皆様のご意見をお聞きしながら、早期解決に向け、国に対しても財政的、技術的支援を要請してまいりたいと考えております。
○副議長(尾崎要二君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 私からは、国道三百七十一号橋本バイパスについて順次お答えいたします。
 その一点目の、取り組みの現状と補正予算の見通しについてでございます。
 国道三百七十一号橋本バイパスの今年度予算は事業費で十一億円でありますが、この予算の執行については、本工事、用地買収ともに順調に進んでございます。補正につきましては、国の動向を見ながら、予算確保に向けて積極的に要求してまいります。
 次に国道三百七十一号橋本バイパスの供用開始につきましては、国道二十四号から京奈和自動車道の橋本インターまでは用地買収の難航している箇所もございますが、京奈和自動車道との同時供用を目指し、努力してまいります。しかし、橋本インターから大阪府県境までの区間はさらに用地買収が難航しており、京奈和自動車道の橋本インターから高野口インター間との同時供用は現時点では難しいと思われますが、早期供用に向けて努力してまいります。
 また、大阪府側につきましては、本県との同時供用を目指し、事業を積極的に推進していただいておりますが、阪和開発連絡協議会の場を活用するなどして、さらに積極的に働きかけをしてまいります。
 次に新橋本橋につきましては、橋本インターとの同時供用を目標に努力しておりますが、紀の川左岸側の用地買収が難航しておりますので、橋本市及び地元役員の皆様にご協力をいただきながら用地買収に全力を挙げてまいります。
 次に国道三百七十一号橋本バイパスの建設残土につきましては、資源の有効利用の観点から公共事業等への再利用が望ましいと考えており、周辺市町村における情報の収集に努め、発生土量と時期等の調整を図りながら有効活用に努力してまいります。
 次に、県道和歌山橋本線の改修についてお答えいたします。
 県道和歌山橋本線は紀の川左岸地域の重要な路線であることから、伊都・那賀の両管内で整備促進に努めているところでございます。このうち伊都管内につきましては、かつらぎ町の三谷、山崎工区二・四キロメートル区間の用地買収及び本工事を進めており、渋田工区二・〇キロメートル区間においても、地元調整を進めるとともに用地買収に努めてございます。また那賀管内につきましては、粉河町の遠方、荒見工区三・四キロメートル区間で用地買収及び本工事を進めてございます。両管内の各工区の一部において地元調整に難航しておりますが、今後、町当局並びに地元関係者のご協力を得ながら早期完成に向けて努力してまいります。
 以上でございます。
○副議長(尾崎要二君) 福祉保健部長白井保世君。
  〔白井保世君、登壇〕
○福祉保健部長(白井保世君) 日本工業所の産業廃棄物問題の健康対策についてでございますが、去る九月二十三、二十四日の両日、一般健康診断を実施し、五百八十三名の方が受診をされました。
 ご質問の血中ダイオキシン類濃度測定につきましては、十月下旬に実施すべく地元と日程等の調整をしているところでございます。結果につきましては、検体の分析に約三カ月を必要とすることから、専門家の方々のご意見をお聞きし、地域における暴露状況を取りまとめ、三月中をめどに住民の方々に説明する予定でございます。
○副議長(尾崎要二君) 環境生活部長道浦 渥君。
  〔道浦 渥君、登壇〕
○環境生活部長(道浦 渥君) 日本工業所産業廃棄物問題についての県としての当面の取り組みのうち、ジオメルト工法以外に効果的な対策がないのかとの質問でございます。
 全国の専門業者に提案を呼びかけたところ、提案のあったのは三社でございました。その処理技術については、ダイオキシン類問題検討委員会でご検討いただきました。ダイオキシン類の分解方法としてはいずれも技術的に差異はないが、少しでもリスクの低い方を選考すべきだとの意見もいただきました。国とも協議し、輸送リスク及び社会的リスクを考慮し、現地での分解処理に決定したところでございます。
 次に、先進諸外国ではどう処理されているのかとのご質問でございますが、国の調査によると、覆土、セメント固化やガラス固化等による封じ込め及び熱処理による分解等が行われていると伺っております。
 また、国の指導はどうあるのかとのご質問でございますが、ジオメルト工法は、国が示した高濃度ダイオキシン類汚染物分解処理マニュアルの七つの対策手法の一つとなってございます。
 最後に、恒久対策についてのうち、まず九月補正における恒久対策に向けての汚染範囲調査でございます。
 本調査は、ダイオキシン類問題検討委員会からの提言を受け、ダイオキシン類で汚染された土壌の汚染範囲を確定するための調査であります。これは、場内及び周辺地域の土壌のダイオキシン類濃度を把握するものでございます。
 また、恒久対策に向けての手順と対応でございますが、早急に汚染範囲を確定し、対策手法についてはダイオキシン類問題検討委員会の提言を受け、国とも協議を行うとともに、地元の皆さん方と十分話し合いながら進めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(尾崎要二君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 十一番木下善之君。
○木下善之君 それぞれ答弁をいただいたわけでございますが、一点だけ要望を申し上げておきたいと思います。
 国道三百七十一号線の問題でございます。
 橋本地方については日増しに非常に声が高くなってきたということを申し上げたわけでございますけれども、私は、国道三百七十一号は河内長野が起点であって、そして高野山を経由して串本へ行っておる、いわば和歌山県の内陸部の動脈であると、いつもそうとらえておるわけであります。平たく言いますと、我々はもう十年近く運動を起こしてきて、ようやく事業採択をいただいたのが平成元年であります。それから十二年経過しておるんですね。これからまだかなりかかるわけでありますが。この動脈の入り口で腸閉塞を起こしておるということは、本県の奥座敷にやっぱりかなりの影響を及ぼしてくるんではなかろうかということで、やはりそういう仕事の手順というものは十分精査して、そして順次追っていくという体制を強く要望して、終わります。
○副議長(尾崎要二君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で木下善之君の質問が終了いたしました。

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