平成12年6月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(金田 眞議員の質疑及び一般質問)
県議会の活動
質疑及び一般質問を続行いたします。
三十四番金田 眞君。
〔金田 眞君、登壇〕(拍手)
○金田 眞君 議長のお許しを得ましたので、一般質問を行わせていただきます。
まず最初の成人期の障害者施設の問題についてですが、私はこの話を今回の質問をするための調査活動の中で聞かされ、本当にいたたまれない気持ちに襲われました。それは、人里離れた山奥の話ではなく、和歌山市内の出来事です。
あるダウン症の患者さんは、近所のガラスを割ったとの理由で家に閉じ込められるに近い状態に置かれておりました。その方のお父さんは労災で動けない、お母さんはパーキンソン病ということで、身の回りの世話をしてくれる人がいませんでした。そうした中で何とか生活をしていたのでしょうが、発見されたとき、丸裸で髪の毛が腰まで伸びていた状態だったと言います。いろんな条件が重なったにせよ、こんなひどい状態に陥る可能性があるというのが障害者の置かれた現実です。
私は、小規模作業所の問題に絞って障害者問題の質問を行います。
現在、長引く不況の中、就職が決まらないまま卒業したら即失業者という悲しい現実があります。そんな中で障害者も大変です。「ニュース和歌山」の記事で、県立紀北養護学校の高等部卒業を来春に迎えた子供さんを持つ方の話として、企業への就職は無理と判断していろんな施設や作業所を見学して回ったが、定員いっぱいなどの理由で入れなかったところが多かったと紹介されています。また、現在、小規模作業所は全国で五千二百カ所余り、一九九七年度には四百十六カ所、一九九八年度には三百五十五カ所と、一日一カ所の割合でふえています。この背景は、法人の授産施設などが圧倒的に少なく、あっても空きが少ない、小規模作業所も近くにない、このために既存の施設に頼っていてはだめだと保護者が共同作業所新設に動いているのが実情と、同校の進路部長の話も紹介されておりました。
県教育委員会の「和歌山県の特殊教育」によりますと、県下で毎年百二十から百三十名が養護学校高等部を卒業し、うち五〇%程度が施設にという進路状況です。現実は、例えば和歌山市内の作業所が定員オーバーのために粉河町の施設に通所していたり、受け入れる側の法人施設の作業長は、「来春の卒業を控えて作業実習はどしどし来てもらいたいのだが、作業所も定員いっぱいで、実情を説明して入所希望を断らなければならないのは本当につらい」と、麦の郷の加藤さんは話してくれました。新宮でもそうですし、県下どこでも同じような状況だと想像できます。ある意味で、二十年前と変わらない状況がそこにはあるわけです。
行き場のない障害者、障害児がつくられようとしている福祉の貧困を目の前にして卒業を喜べない障害児とその家族、不本意な送り出しを迫られる学校、受け入れたくてもそれができない小規模作業所、こんな厳しい現実が今、和歌山にもあるわけです。当局もこの事実はご承知だと思いますが、受け入れ施設が法定、無認可を問わず、要望に対して必要な数からも圧倒的に不足しているのが現実だと思いますが、いかがでしょうか。
障害児、障害者、その家族の皆さんの切実で当たり前の願いをかなえるためには、必要なところに必要なだけ、そして障害の程度に応じた法人の授産施設や任意の小規模作業所をつくることが求められています。社会福祉法人の設立条件が緩和されると聞いておりますが、いずれ法人化を図るにしても、まず最初は小規模作業所をつくることから始まるのではないでしょうか。本当に必要な小規模作業所をつくりやすいようにするために、滋賀県や大阪府などで実施している運営費以外の補助金の新設、すなわち施設や設備の整備費の新設が特に必要に迫られております。特に不足している小規模作業所をつくりやすく、そのために運動されている方々を大きく励ますためにも、初年度備品購入費の新設が必要です。この補助金の新設について、当局の積極的な検討をお願いします。
問題は法定施設の不足を解消することですが、今度の法人設立の条件緩和はこの問題解決に大いに役立つものと期待するところであります。その設立要件の緩和の内容はどうなのか、定員を十人まで引き下げた場合の小規模施設の運営費についてと、小規模施設を経営する社会福祉法人の事業範囲についてお教えください。
次に、障害者の自立と小規模作業所の安定面には欠かせない仕事の確保の問題です。
長引く不況によって国民生活は苦しくなっていますが、小規模作業所はより深刻で大変な状態になっているところが多く、多くの人たちの苦労によって支えられ、何とかやっているというのが現状であります。確かに、不況に苦しんでいるのは何も授産施設や小規模作業所だけではありません。しかし、競争の自由の原理においても、その競争の前提には平等な出発点、同じスタートラインが必要であり、そのための援助は必要です。
さて、平成十一年八月に厚生省は、各都道府県知事あてに授産施設等の製品等の利用促進についてという通達を出しています。ご承知のように、これは不況に苦しむ授産施設や小規模作業所に対して優先的な行政からの発注を求める通達で、かなり具体的な内容を持っておりますが、果たしてこの通達に沿った実施状況でしょうか。身近なことでもあり、具体的な答弁をお願いいたします。
また、実施状況が低調ならその原因と今後の対策もお示しいただきたいと思います。
次の、住民の願いの県道高田相賀線について質問いたします。
この五月三十一日に高田二号トンネルの貫通式に地元の皆さんと参加させていただきましたが、大変喜んでおり、早期の通行可能と一号トンネルの工事着工の知らせを待っておられます。状況はいかがですか、お伺いいたします。
また、平成九年まで、新宮市の県への要望書の中には地元の願いとして県道高田相賀線の延長による県道那智勝浦線への接続がありましたが、高田トンネルの着工もあってか、平成十年からの要望書から外されております。しかし、この県道の延長については私どもが開いた懇談会でも話題になり、佐野に抜ける林道が山腹崩壊によっていつ開通するかわからないとの声もあり、地元の方々も関心が強くなっております。この県道延長について、現状、将来の見通しなどをお教えください。
次に、広域スポーツ公園です。
一九九四年十月の新宮市の地元新聞で、県営スポーツ公園建設に向けて、和歌山県はこのほど新宮市佐野の巴川製紙工場など九・八ヘクタールを県営スポーツ公園として整備することを決め、県土地開発公社がことしじゅうに中心用地を先行取得することになったと報道されました。スポーツ関係者の多くの方は、本当に要望を持って決起集会まで開きました。しかし現実は、県の土地開発公社によって約二万六千平米の用地取得がされましたが進展がなく、次に新宮周辺の広域圏からの要望として新宮広域スポーツ施設の要望に変わり、平成十三年度の要望書からは、この文字も消えております。そして今度は、新宮市がスポーツ公園をふるさとづくり事業として今進めようとしております。用地を県から無償で借りる方法と県公社用地の買収を考え、二つの案が今検討されております。
しかし、議員や市民の中からは早期実現を期待すると同時に、新宮市の財政負担に対する不安や不満の声があるのも事実です。特に新宮市単独では、建設費や用地はもちろんですが、運営管理費が大変という意見も多くあり、最初は県営だと期待させられ、次には広域だと言われ、さんざん待たされたあげくに最後には新宮市となれば、だまされたと思う人、落胆する人、腹の立つ人、結局最後には新宮市が泣きを見るのかという意見が出ても当然です。
今日こうした話が持ち上がったのも、和歌山県及び土地開発公社で締結されている、和歌山県は公社が代行取得した翌年から原則として四カ年以内に土地開発公社から取得するとの覚書があるからではありませんか。話の行き違いや市と県のお互いの見通しの甘さ、認識の違い、そして県民の願いにこたえる積極性と責任の欠如、県民に対する説明の不足など、和歌山県も責任は問われると思います。
私は、新宮市の中で、先ほどの二案を含め市の方針が決まれば、県に対して暫定的理由を前提にこの土地を無償で県から借り、施設整備と維持管理についても県に応分の財政的支援をお願いしたいという話も聞いております。県は今までの経過を踏まえて今後どのような姿勢で取り組みを進めていくのか、お聞かせください。
三項目めの環境行政についてですが、最初の新宮市南桧杖の産業廃棄物問題については、新宮市の水道取水口の上流約五百メーターの熊野川に面した国道百六十八号線の改良工事の現場で灰を含む産業廃棄物が見つかり、五月十四日に新聞報道もなされました。私どもも現地を確認し、五月十九日に西口知事あてにダイオキシンの測定や再発防止策など、六項目の申し入れを行いました。
さて、熊野川河川敷への不法投棄は、さきの二月県議会でもその無法ぶりを指摘し、改善を求めてきたやさきのことであり、びっくりしました。しかし、当然予想されていた結果で、同じことは少し上流でも行われており、このような箇所が何カ所もあることは県もご存じだと思いますが、今回の教訓を生かしてくれることを切望します。
今回の箇所について、平成三年当時から木下建設がこの場所を借りて産廃を投棄しており、特に平成六年の新宮駅前の火事の際の灰などの廃棄物が大量に廃棄されました。当時、木下建設は仮置きと言いながらも一向に撤去しないため、新宮市からの通報も何度かあり、県は河川課と保健所が撤去するよう指導を行い、木下建設はそれに従い、一応撤去したふりをしました。そして、県は現地確認を怠ったために、今回のような結果としてあらわれたわけであります。このことについていかがお考えでしょう。
この地域は国立公園でもあり、やはり自然公園法に違反するものであります。木下建設は公共事業も請け負っている業者でもあります。このような行為について、県として行政処分や告発など検討することを要望するものであります。
次に、不法投棄の監視とその後の対応についてお尋ねいたします。
これは先ほどの話に関連するわけですが、二月議会で行政の取り組みの弱さを指摘し、環境問題や省資源化対策からも不法投棄の根絶について県当局の取り組みを質問しました。その中で、タイヤの不法投棄など、百六十八号線の熊野川沿いでの不法投棄の解決を求めました。それに対して生活文化部長はその不適正処理を認め、強く指導していくとご答弁をいただき、心強く思いました。しかし、今回の出来事、果たして本気で県はやる気になっているのかという疑問を持つわけであります。この間どのような具体的指導を行ったか、お教えください。
過去五年間の新宮周辺の産業廃棄物の投棄の実態ですが、平成八年から現在までの不適正処理件数は熊野川沿いで十八件で、ほとんどは建設廃材に関するものです。また、和歌山市を除く県下の不法投棄数は六百四十件で、警察への通報は七件、告発は一件もありません。
産廃の不適正処理について、新宮市浅里の夏山組のプラント敷地内での自社処理についてお尋ねいたします。この業者も公共事業を請け負っておりますが、これまでも不適正処理について指導を受けております。今回、私は不適正処理の現場を発見しましたので、新宮保健所に通報いたしました。その結果、六月八日に保健所がその現場を確認し、河川法や産廃処理法に触れると指導、撤去を指示したと報告を受けています。しかし、この業者はこのような行為を繰り返しているのではありませんか。また、既に埋められている産廃の適正な処理を含めて、やり得を許さないためにも毅然とした対処が必要だと思いますが、当局の見解をお尋ねいたします。
ことしから産業廃棄物投棄監視としてパトロールを強化していると言っておりますが、実際は通りがかりの私でも発見できることが放置されていました。なぜこうしたことが繰り返されるのでしょうか。和歌山県でも、二月議会で紹介した三重県と同じような、県職員と現職警察官で構成された公害パトロール制度が必要ではありませんか。また、警察への告発や、県や市の指名業者などには指名停止のペナルティーを科すなどの行政の強い姿勢を示さなければ後を絶たないと思いますが、県の決意を伺います。
また、県警にも、環境犯罪対策推進計画によってより一層取り組みを強化されると思いますが、現状と今後の取り組みについてお伺いいたします。
最後の、新宮市松山の産業廃棄物処理場についてお尋ねいたします。
今回で四回目の質問となります。なぜなのか。それは住民の立場に立てばすぐ解決することを、県の対応のおくれから住民に迷惑をかけ、県政に対する不信を抱かせているからです。橋本の産廃処理場の反省と教訓をどう生かすのか。同じような過ちを繰り返して住民に不安と苦しみを押しつける県の環境行政の反省のなさに怒りを覚えます。
第一種中高層住宅専用地域の新宮市松山において、松原組が自社処理を行っているために、周辺住民は騒音や煙などの被害を受けていました。平成十年九月に新たに中間処理業の申請をしたことを知り、許可されたら一層生活環境が破壊されると、地元町内会の人々は反対に立ち上がりました。そして、ことしの一月十四日に地元住民が現地を訪れ、知事あての陳情書と約一万二千人の署名を知事に提出いたしました。また、新宮市は県に対して当地での業の申請は不適当と考えるとの意見書を提出しております。
新宮市の意見が出ていない昨年の九月県議会においても、生活文化部長は、「許可申請の審査に当たっては、地元住民の意見を集約した市町村長の意見を十分尊重し、申請者を指導してまいる」とご答弁され、この二月議会においても、「知事への陳情と反対署名も参考にいたしながら、新宮市長のご意見を尊重し、総合的に判断してまいる」と答弁され、「厳正に対処してまいりたい」ともご答弁されております。
こうした県議会でのやりとりや新宮市の意見書、そして住民の陳情と反対署名の重みを感じるならば、時間的経過からも速やかに申請の不許可の判断を下すか申請の取り下げによって解決するものと思っておりました。それを予感させるように、松原組は四月に市内の準工業地帯である南谷にも新たに松山と同じ内容の申請を行い、五月一日に新宮市は意見書で一応許可することに合意する内容の回答を行っています。これで、だれもが南谷で操業を行い、松山の申請は取り下げられると思っていました。これが道理にかなったやり方と、だれもが考えます。
しかし、驚いたことに事態は全く違う方向に進んでいました。県の地域環境課は、松原組のために知事に提出する確約書をつくり、六月十二日に提出させています。この事実はお認めになりますね。最初に確認させていただきます。
こうした行為は、県は業者に申請を許可することをたくらんでいるととられても仕方のない行為です。そして、事実関係や経過を隠し、信頼関係を一方的に踏みにじる行為を行いました。その責任は重大ですし、これは明らかに住民に対する背信行為です。強く抗議し、反省を求めるものであります。
次に質問ですが、この申請地は都市計画区域内であり、用途地域は第一種中高層住宅専用地域ですね。地域指定についても県の見解をお尋ねいたします。
県の地域環境課は新宮市にこの六月二十八日、水曜日に松山の処分業許可にかかわる意見書の三回目の再提出を求め、七月三日、月曜日までに、土日を除いて到着日を含めてたった四日間の短期間で、新宮市に対して意見書の提出を求めました。私は、県が、新宮市が一生懸命今まで協議してきた意見書を二回も提出させたこと自体異常なことであるにもかかわらず、今回またそれを送りつけたことは、非常に失礼な不当な干渉だと思います。申請に同意する方向での意見書でも期待して、こんなことを行ったのですか。そもそも、この関係市町村の意見書の提出が法律で決まったのは一九九七年であり、本当に地元の人たちの声を聞こうということで改正されたわけではありませんか。今回の地域環境課が行っていることは、その法の趣旨をも踏みにじる行為であります。
平成十年十二月九日の許可申請では、移動式破砕機を松山に固定すると同時に移動式としても使う内容の申請でした。それが移動式だけに変更するということですので、書類上では二つの申請から一つの申請への変更となり、それに伴って添付書類も含めて申請書類を再提出させることが必要だと思いますが、いかがでしょう。
また、業として行う破砕処理については、移動式破砕機で解体廃棄物が発生する現場に出向いて処理を行うとしていますが、こうした操業方法にも問題があります。移動式破砕機が市内各地の工事現場で操業すれば、その出向いた場所での騒音・粉じん公害も心配され、固定式に比べて地域の環境に影響を与え、住民生活に被害を拡大することにはなりませんか。
また、自社の破砕処理は松山で行われますから、今でもどこから持ち込まれているかわからないという状況であるのに、その上に業の申請を許可されれば、今よりひどくなることは当然予想されます。さらに、松山はストックヤードとしても利用され、トラックの交通の問題、騒音、粉じんなど、今以上に住民が迷惑を受け、生活環境を破壊されます。建設や環境にかかわる行政としての考えをお聞かせください。
果たして、この業者が産廃の中間処理業にふさわしいかどうか質問いたします。
例えば現在の自社処理についてですが、昨年の九月議会で生活文化部長は、「不適正な自社処理につきましても、廃棄物処理法に定められた処理基準を満足させるよう強く指導してまいる」と答弁されました。これは、不適切な処理が行われていることを認めたものであります。また、新宮市の意見書でも厳しい指導を願っておりますが、その後、適正な処理が行われていますか、現在までの指導状況と現状をお教えください。
これ以外にも、歴史的な経過を振り返るなら、業者として適正さに欠けると思う点が多々あります。
平成十年十月十五日の意見書では、新宮市は県の指導のもとに住民と申請者との意見調整をし、両者による協定書が締結されるよう尽力されたいと要望しております。そして、同じような産業廃棄物処理施設のある南桧杖では、地元住民と業者の間で産業廃棄物施設の運営に関する合意書が、保健所長と新宮市長を立会人として交わされております。しかし、今回の松山に関しては、県は業者に対して有利になると思われる確約書を作成までしながら、一方、住民に対しては、行政として住民の生活環境を守り将来の不安を取り除く協定書の締結には努力をしないのですか。行政は業者のためにあるだけではなく、住民のためにもあるのではありませんか。お答えください。
また、南谷の申請を許可する場合は地元住民の合意も交わすよう指導することは当然だと思いますが、いかがでしょうか。
また、こんなに申請に対する審査決定がおくれているのはなぜですか、その理由と今後の見通しについてお答えください。
最後に、なぜ松原組は南谷での操業を目前に控えてそんなに松山に固執するのか、住民は不思議に思っております。そのため、憶測が飛び交って問題を複雑にしております。県と業者のためにも、住民の疑惑に答えるためにも、あえてこの場で確認をさせていただきます。松原組が関係する道路用地はすべて買収が終了しましたか。また、松原組の周辺の新たな土地利用計画による用地の買収の話、さらには道路開通などによる一切の補償問題など、ありませんね。明確にお答えをお願い申し上げます。
最後に、知事にこうした経過に対する感想と今後一層の不法投棄や違法行為の取り締まりや許可申請のあり方など、環境行政についての所見をお伺いし、第一回目の質問を終わります。
以上です。
○議長(下川俊樹君) ただいまの金田眞君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事西口 勇君。
〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 金田議員にお答えをいたします。
環境行政についてでありますが、新宮市における問題につきましては、住民の生活環境に関する切実な問題であり、このことを十分認識して対応する必要があると痛感しております。
産業廃棄物につきましては、橋本市の問題を初め、議員にご指摘いただいた新宮市の問題等、県下各地で不法投棄や不適正処理が問題となっております。
県といたしましては、環境行政上、産業廃棄物の不法処理対策と未然防止のために今後なお一層、組織の充実強化を進めてまいりたいと思います。
また、こうした問題を解決するためには廃棄物処理に携わっている業者の果たす役割と責任は大きく、適正な処分を行うよう強く指導してまいりたいと思います。
また、許可等に当たっては、厳正に審査し、住民の声を反映させるとともに、違法行為に対しましては厳重処分をもって対応してまいる所存でございます。
以上であります。
○議長(下川俊樹君) 福祉保健部長白井保世君。
〔白井保世君、登壇〕
○福祉保健部長(白井保世君) 小規模作業所についてお答えをいたします。
養護学校を卒業する生徒の約半数が施設等を利用しているという実態を踏まえ、知的障害者通所授産施設等の働く場を各地に設置してきたところでございます。また、小規模作業所は地域に根差した取り組みとして障害者の自立と社会参加を図る上で重要な役割を果たしており、地元の市町村を通じて支援をしているところでございます。
平成十一年度は、小規模作業所から三カ所が法定施設化いたしました。また、平成十二年度も二カ所の法定施設化を予定しており、小規模作業所も新たに七カ所増加させるなど、今後も整備充実に努めてまいります。
初年度の備品購入費補助金の新設につきましては、大変難しいことと考えておりますが、運営の安定を図るための支援を今後も引き続き行ってまいりたいと考えてございます。
また、設立要件の緩和につきましては、議員お話しのように、利用定員が引き下げられることが決まっておりますが、運営費及び事業範囲については現在厚生省で検討されていると聞いてございます。県といたしましても、国の動向を見守ってまいりたいと考えてございます。
最後に、授産施設等における仕事の確保についてでございます。
昨年九月に県機関、市町村及び社会福祉法人等に授産施設等の製品の利用促進について通知をし、官公需の提供についてお願いをしたところでございます。また、百貨店での常設展示販売や障害者週間期間中に和歌山駅前での展示販売を行っているところであります。昨年行われました熊野体験博や福祉のまちづくりフェスタ等、機会あるごとに製品の展示販売を行っているところでございます。
今後とも、販路の拡大について市町村等に要請してまいるとともに、広報等を通じて啓発をしてまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 土木部長大山耕二君。
〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 二項目めの新宮周辺住民の願いに対する県の基本的な考え方について、お答えいたします。
まず一点目の高田相賀線の促進についてですが、県道高田相賀線の改良事業につきましては、交通の難所である現トンネル付近の二カ所のトンネルを含むバイパス区間として平成十一年度に相賀側のトンネルに着手し、整備を図っているところであり、早期供用に向け努めてまいります。
また、県道高田相賀線の延伸につきましては、路線認定が必要であることから、現在工事を進めている林道等、周辺の道路計画を勘案しながら検討してまいりたいと考えておりますが、当面は現在計画しております整備区間の促進に努力してまいります。
次に、スポーツ公園についてお答えいたします。
昨年九月議会でも申し上げましたように、広域利用のために必要な周辺の土地の確保と事業計画の策定につきましては、いまだ進展しておりません。
広域的な利用を考慮した本格的な取り組みにつきましては、今後とも関係機関と協議する必要がありますが、現在、新宮市において先行取得用地を暫定利用する方向で、施設計画とその用地の取り扱いについて検討中と聞いております。市から具体的な提案があれば、今後とも新宮市の意向を十分聞くとともに連携を密にして、この土地の早期の有効活用に向け努力してまいります。
次に、三項目めの環境行政のあり方の三点目のご質問についてですが、用途地域指定は、土地利用の現状や動向と将来の土地利用の方向を踏まえ、建築物の用途の混在を防止すること等によって良好な市街地の形成を図り、住居、商業、工業など適正に配置された合理的な土地利用を実現するため、建築物の用途などについて規制・誘導するために指定するものです。第一種中高層住居専用地域は、中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するために定める地域でございます。
次に、県道あけぼの広角線の改良に必要な株式会社松原組の用地は既に買収が完了しており、今後とも追加の用地補償はないものと考えております。
以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 環境生活部長道浦 渥君。
〔道浦 渥君、登壇〕
○環境生活部長(道浦 渥君) 金田議員の環境行政のあり方についての三点について、お答えいたします。
まず第一点目の新宮市南桧杖の産業廃棄物問題についてでございますが、議員ご指摘のとおり、国道百六十八号の改良工事において掘削したところ、建設廃材、燃え殻等の廃棄物が確認されたものでございます。県といたしましては、廃棄物の飛散、流出を防止するためシートで覆う措置を講じるとともに、行為者である木下建設に対して、燃え殻等を搬出して適正に処理するよう指導しているところでございます。
ご質問の熊野川沿いの不法投棄現場の箇所数についてでございますが、平成八年度から現在に至るまでの保健所管内の不適正処理数は十八件であり、そのうち熊野川沿いでは八件でございます。違法処理に対しましては、常に管内の状況を監視し、早期発見、迅速措置を基本に対応してございますが、事後処理が十分なものであるかを最後まで確認する必要があり、また再発防止のためにも行為者を厳重に処分しなければならないと痛感してございます。
なお、ダイオキシン類を含め有害物質等の影響を把握するため、県の指示により県の立ち会いのもとで土壌及び近傍の河川水の調査を実施させたところ、いずれも環境基準を満足してございました。撤去が完了した段階で再度検査を実施させ、安全を確認してまいりたいと考えてございます。
次に、二点目の熊野川沿いの不法投棄と夏山組の自社処理場についてでございますが、株式会社夏山組の不適正処理につきましては、自社が解体したアスファルト片等を自社の敷地内において保管していたところ、保管が適切でなかったため河川に流出したものと聞いてございます。
県といたしましては、河川区域内に流出した廃棄物について指導を行い、撤去させたところでございます。引き続き、敷地内に野積みしている管理型廃棄物や過去に埋めたと言われている廃棄物について、事業者に報告させるとともに、県においても調査し、厳正に対処してまいりたいと考えてございます。
今後も、地域産業廃棄物適正処理連絡会議により関係機関が連携して不法投棄の防止に取り組むとともに、民間業者に委託した特別監視事業に加え、より有効なパトロールの方法について検討してまいりたいと考えてございます。また、産業廃棄物の不法投棄等の違法行為者に対して、口頭指導、文書指導、警告を行い、これらに従わない者に対しては命令し、命令に従わない者に対しては刑事告発や処理業者には営業停止等の処分も辞さない覚悟で対応してまいりたいと考えてございます。
なお、議員のお話にある指名停止等のペナルティーにつきましては、関係部局と協議してまいりたいと考えてございます。
次に、三点目の松山の松原組の中間処理業についてでございます。
まず確約書についてでございますが、新宮市長からのご意見を踏まえて松山で処理を断念するよう指導していたところ、申請者から、当面移動式で解体現場での処理のみを業として行い、南谷での許可が取得できれば松山での自己処理も移設する旨の申し出があったため、申請者に文書で示すよう指示したものでございます。その書式については、申請者から教示を求められましたので、申請者の申し出をそのまま文書にして示したものでございます。この確約書につきましては、松山地区の環境改善を期待して提出させたものでございましたが、議員を初め地元の皆さんと話し合った上での対応でなかったため、かえって誤解を招くことになったものでございます。
なお、確約書につきましては、許可を前提としたものでなく、総合的な判断をしてまいりたいと考えてございます。
第一種中高層住居専用地域での産業廃棄物処理業についてでございますが、廃棄物処理法では廃棄物処理施設の立地場所に関する規制はございませんけれども、法律の生活環境の保全と公衆衛生の向上という目的に照らし、良好な住環境が維持されるべきとされる第一種中高層住居専用地域での立地につきましては、地元市町村長の意見を尊重して対応してまいります。
申請の内容に変更があった場合、申請書を再提出させるべきではないかとのことでございますが、当初の申請が固定式と移動式の二つの種類の処理方式であったものを移動式のみで処理業を営みたい旨の申し出があり、そのため申請書類の補正、補完をさせているところでございますが、申請内容が大幅に変更されるなどの書類の補正では対応できない場合には、再申請を求めることといたします。
解体現場での破砕処理につきましては、その場に粉じん、騒音を付加する懸念もありますが、短期間で終了するため、公害を長期に固定化させないというメリットもございます。松山で自社処理が行われていることから、移動式で許可されれば今以上に環境が悪化するのではないかということにつきましては、仮に許可するとしても、解体現場内での処理を行うこと等を許可条件として付し、この条件に違反した場合は許可の取り消し等、厳正に対処してまいります。
松山で瓦れき類の破砕後の再生品をストックすることに伴う粉じんの発生や輸送に伴う騒音や粉じん等につきましては、移動式で許可することとなれば、許可条件として搬入台数や搬入時間の制限、散水等の飛散防止設備を義務づけるなど、環境保全上の支障が生じないように指導してまいります。
現在までの保健所の指導状況につきましては、平成十年十月に焼却施設が設置され、その後、苦情が発生したため、十一年度から立入調査やパトロールを実施し、その都度適切な焼却を行うよう指導し、業者も対応しておりますが、必ずしも完全なものではなく、地域住民の納得を得るまでには至っておりません。今後、法的な措置も視野に入れ、厳しく指導してまいるとともに、業者の対応いかんでは許可申請の審査に反映させてまいりたいと考えてございます。
住民との合意書の交換についてでございますが、新宮市長から業者と地元が協定すべきとのご意見をいただき、業者に対し協定の締結を指導してまいりましたが、両者の合意に至らず、松山地区での業の許可取得を断念したものと考えてございます。今後、別の場所で行おうとする場合、新宮市長の意見を尊重し、申請者を指導してまいります。
最後に、審査決定がおくれている理由と今後の見通しについてでございますが、新宮市長の意見を十分に聞き、申請者に対して協定締結等の指導を行ってまいりました。その中で、申請者から固定式をやめ移動式のみで業を行いたいとの申し出がありましたので、移動式に限った意見を新宮市長に求めているところでございます。新宮市長から意見が示されたら総合的に審査し、できるだけ早く決定してまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 警察本部長樋口建史君。
〔樋口建史君、登壇〕
○警察本部長(樋口建史君) 大変恐縮なんですけれども、ご質問の細部、よく聞き取れなかったものですから、的外れな部分がもしございましたらご容赦をいただきたいと存じます。
以下、お答えを申し上げます。
議員ご指摘の環境犯罪対策推進計画でございますが、警察庁が定めたものでございますけれども、その目的とするところは、環境対策が喫緊の重要課題であるという認識のもとに、こういった事犯は広域に及ぶことが非常に多いものですから、全国の警察が相互に連携する、これは当然のこととして、県を初め多くの関係機関とも協力の上で取り締まりの一層の強化を図ろうというものであります。
これを受けまして県警察では、昨年の七月でございましたが、捜査員約三十名体制の環境犯罪対策室を設置したところでございます。ちなみに、昨年中は暴力団による産業廃棄物不法投棄事犯等二十二件、三十六名を検挙いたしたところであります。
また、この種の事件を摘発するためには情報の集約が極めて重要であります。そういったことから、昨年五月、県警察のホームページに掲示板を開設いたしまして、広く市民、県民から情報の提供を求めているところでもございます。さらに、ことしの六月からは新たに加えて県下十四警察署──全警察署でありますが──におきまして、合計五十九名の方々を紀の国環境モニターとして委嘱いたしまして、各地域の不法実態の早期把握に努めているところでもございます。
警察といたしましては、引き続き暴力団が介在する事犯でありますとか、県民の健康を直接脅かす有害物質にかかわる事犯でありますとか、行政指導を無視して行われる事犯でありますとか、こういった悪質な事犯に重点を指向した取り締まりを積極的に進めてまいりたいと考えております。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
三十四番金田 眞君。
○金田 眞君 大変早口で申しわけございませんでした。
今回もっとほかの問題も質問したかったんですが、残念ながら産業廃棄物の問題、特に松山に関して県行政がなされていることが余りにもひどい状況だったもので、どうしてもそれに時間を割かなきゃならないということで、質問項目が非常にその間にふえてしまいまして、時間の関係で早口でしゃべってしまいましたことを申しわけなく思っております。
さて、ご答弁、本当にありがとうございました。
まず最初に障害者についてでありますが、引き続き県当局のご努力を心からよろしくお願いする次第でございます。
同時に、県道高田相賀線についても引き続きよろしくお願い申し上げます。
また、環境行政での住民の声を反映するという知事のご答弁、本当にありがとうございました。非常にうれしく思いました。こういう姿勢があれば本当に県民は安心できるのではないかと、この姿勢を環境行政の中でしっかりと生かしていただきたいと思います。
また、県警の対応につきまして、そこは特にゆっくりお話ししたつもりでしたけれども──聞き取りにくいということだったんですけれども──なかなか、答弁の内容は納得できるものであります。「疑わしきは罰せず」と言いますけれども、新宮地域の無法ぶりについては目に余るものがございます。疑わしきは調査する、この姿勢で徹底的にやっていただきたい。期待しておりますので、ぜひよろしくお願い申し上げます。
次から、質問ということになるわけですけれども。
環境生活部長への再質問という形になりますが、とりあえずご答弁を聞いた感想です。
確かに、大変前向きな部分もあると思います。特に、不法投棄については、今までよりもっと厳しく取り締まっていくんだという決意を聞きまして、ぜひそれを実行していただきたいと思います。
しかし、今回も一般質問をするに当たって、この間いろいろ行政の方とお話もさせていただきましたけれども、非常にお互いの認識の違いを感じました。特に確約書については、私たちの考えていることと行政を直接担当している方の認識の違いが余りにもあり過ぎました。お話をしていく中で大分話は一致してまいりましたけれども、今回の場合、特に新宮市も含めてこれを不許可にしていこうという方向になっていると、そういうことで県も頑張っているんだというようなご答弁をいただきました。その中での確約書です。この確約書の持つ意味を本当に考えていただきたい。確約するということは、それを守れば認めますよと、相手方にそういうニュアンスを感じさせてしまいます。そういう意味で、もっと慎重に対応していただきたい。
まして、この確約書を提出するに当たって、それを行政側の人間が書いてあげて判を押さして提出と、こんなことは前代未聞だと思います。こうした姿勢がもし、環境だけではなく全体的にはびこっているのならば、改めなければ県民の信頼は得られない、こう言ってもいいのではないかなと、きついですが、思います。
松原組が今自社処理で行っている焼却炉での焼却の方法等について、適正な焼却を行うよう指導し、業者も対応しておりますとありますが、申しわけございませんけれども、これについては業者が対応しているとは思われません。確かに、指導しに行ったときはその指導には従います。しかし、その後、住民も確認しております。皆さんのもとにも住民が撮った証拠写真と言われるようなものを届けていると思いますが、その中でも明らかにわかります。焼却炉というのは、物を中に入れて火をつけたらふたをして燃やすのが今常識ですね。なぜならば、八百度以上の温度にしなければダイオキシンが発生する。ふたをあければ、確かによく燃えます。しかし、ダイオキシンが発生すると危険があります。だからそれは行ってはいけない行為なんです。しかし、そのことを平気で行っているわけです。その証拠写真は何回も撮っております。
また、それだけじゃありません。焼却した灰はすぐにドラム缶等に詰めて最終処分地に持っていくのが当然ですけれども、その灰を地面に置きっ放しにする。それが短時間であったとしてもあれですけれども、長期間にわたって置いている。それに雨が降ったら、この灰にもしもダイオキシンが含まれていたら汚染するわけですから、こうしたことも産廃法では違反、いけないとなっているわけです。
それと同時に、どうですか。今あそこにある現場を見ていただければわかります。ごみの山です。それも、そのごみは何か。いろんな物がまざった処理できないようなごみ。もう原形をとどめないような変質してあるごみ。こんなごみ、燃やすこともできないんですよ。最終処分地へ持っていって埋めてもらうか、そんなやり方しかないのかわからんけれども、そんな状態をいつまでも放置しているわけです。
こういうことがありながら、「業者も対応しております」というような形ではなく、本当にきちっと──確かに、完全ではないともおっしゃっていますけれども、本当に全く完全ではないんです。対応はしていないんです。その点について、やはりきっちりとやっていただかなければいけないと思います。
松山地区での業者と住民の合意書、協定書の問題です。
このことについては両者の合意に至らなかったんだとおっしゃいますが、どちらに原因があるか、そのことについてはっきりさせていただきたいと思います。業者に対して、住民はいろんな質問があります。その質問を業者に対して出しました。その住民の質問に対して業者が答えなかったわけです。そんな状況で誠意を持って話ができますか。そういうならば、行政として住民の質問に業者が答えるように指導すべきではありませんか。そのことを言っているわけです、私は。
また、ストックヤードの問題についてもいろいろ疑問があります。 ストックヤード、すなわち製品置き場ですね、それはどういうことか。コンクリートを破砕したやつをトラックで持ってきて、そこへおろすわけです。当然、騒音や粉じん、これは舞い上がります。それに対してどのようにして処理をし、対応していくのか。甚だ難しいと思いますよ。あそこには構造物なんかつくれませんからね。以前あそこに、トラックの重量をはかるということで、計量器とその横にその計量器の量をはかるコンピューターを置くという形で、二つの建物がありました。しかし、あそこは専用地域ですからそういうものを建ててはいけないということで、県のご指導によってその建物を撤去させたという経過もあります。これは僕は非常によかったなと思っておるんですが、そうした経験もあるわけです。そうしたことから考えたら、とてもじゃないけどこれは実現できないのではないかなと思うわけであります。
もう時間もなくなってきました。また早口になったら悪いんで。
やはり、一番最初が問題なんですよ。それは何か。ここに、平成十年九月九日の新宮保健所衛生環境課の判の押された書類があります。これは「産業廃棄物に関する調査書」、すなわち松山について、最初にそちらが出した文書です。これはだれが書いたのか知りませんけれども、保健所の判こを押しているので、少なくとも公式文書でしょう。
そこの文書の中に「処理・処分の場所の概要」ということで、土地利用規制の項目があります。ここは「なし」。周辺の土地利用状況、「荒地」。こんなばかな話ありますか。先ほどから何回も言っていますが、この地域は第一種の中高層住宅の専用地域であります。これは市が勝手に決めたのでもありません。市の審議会、県の審議会を通じて決めたものであります。そのことについては土木部長も、また環境生活部長も同じように大事なところなんだと答弁しています。にもかかわらず、こんな「なし」と書いたような書類を最初の段階で受け付けてこれを新宮市に出させた。こんなことが許されていいんですか。このことについてはきっちりと答弁してくださいよ。
最初のボタンのかけ違いです。そこで、ここはだめですよ、ここは違いますよ、「なし」じゃないですよ、ここへつくっちゃだめですよと指導していれば、こんな問題にはならなかったんです。その責任は重大です。
次に、土木部長、申しわけない。
スポーツ公園について、やはりもう少し僕の質問内容──早口だったかしりませんけれども、事前に大体どういうご質問をさせていただくかはお話をしております。実際、ご答弁にはなっていないと思います。もう少し、なぜ今回のことについて住民が怒っているか、ご理解をいただきたいと思うんです。
こんなことまで言いたくなかったんですけれども、ここに、先ほど言った当時の新聞記事があります。ここには、失礼ですが、西口副知事が笑顔で載った写真があります。この方が知事に当選されて、これで実現するんだなと市民はみんな思ったわけですよ。だから、市民が今怒っているわけです。
確かに、市の責任もあります。そのとおりです。でも、県の責任もあるでしょう。これだけ公に出た新聞が間違っているなら、直ちにその時点で改めさせればよかったんですよ。だったら、もっと誤解もなかったんです。それもやらないで放置したままこんな状態でずっと来て、二転三転していくということになったから問題になってきたわけです。だから、そこら辺もよくご理解いただいて、やはり新宮市に対しても──お互いが悪いと思います、これは。だから、積極的に新宮市に対応していただいて、住民の声が実現できるように、ぜひこれはお願いしたいと思います。
もう一点、これも文句で申しわけないけど──これは質問です。
今の松原のところですけれども、この地域についてはもう何も計画はないんだというお話です。申しわけないが、ここに和歌山県東牟婁振興局新宮建設部長の小川さんの判こ入りで「土地立会(依頼)お願い」という文書があります。これを見ますと、「県道あけぼの広角線の新設道路計画に伴い、背後地の環境整備(盛土)を立案計画中であります」と。そのために調査したいので、ご了解くださいというような文書です。
この地図を見ますと、現在の問題になっている処分場が、まさに地図の真ん中にあるわけです。その上には何と書かれているかというと、「測量区域」と書かれているわけです。これは僕、きのう手にしたわけですけれども、こんな実態があるわけですよ。
確かに、これについては僕も知らなかったんですけれども、私は知らないから聞いているわけで──以前にも道路の問題について聞きました。そうしたら、教えくれました。その次に、道路ののり面についても聞きました。それも教えてくれました。聞いたことしか教えてくれないんです。もっと全体的なことも教えてくれればいいんですよ。そうすれば、住民の皆さんに説明もできるんですよ。変な誤解を与えないで済むんですよ。こんな文書が今ごろになってひょっと出てくるから、何な、一体県は何してあったんな、隠してあったんかになってしまうんです。土木部長はご存じなのかどうか知りませんけれども、この文書があるのは事実ですからね。平成十年の四月九日。そういうことについてどうお考えになるんですか。
そういうことを背景に、こういうことがあるから、この松原組の業者の方が昨年の二月一日に地元の説明会の中でこんな発言をしているんですよ。「今、あけぼの広角線という道ができているんですわ。それが通じるのは平成の十八年から十九年ということで、申請を出している一帯は、あけぼの広角線の土砂を捨てる場所に計画しています。七、八年かなということです、この仕事をやるのは。──あそこで処理業をやるのは七、八年ぐらいやろうと──恐らく、道ができたらできないし、隣にも家も建ってくる」と、こういうことを平気で言っているわけですよ。こういうことを根拠にしてだと思いますけれども。これは業者の言うことですから、信憑性がどれだけあるかということはありますけれども、その発言はこのテープの中にきっちり入っています。そういう意味からも、住民はいろんな疑惑を持つわけです。だから、その点についてきっちりとご答弁をいただいて、そうじゃないんですというふうにしてほしいんですよ。そうすれば住民はもっと県に対して信頼もするし、協力もするわけですよ。
今の情報公開の時代に、やっぱりもっと情報──教えられない情報は仕方ないですけれども、教えられる情報はあるはずですから、どんどん公開してください。
以上です。答弁お願いします。
○議長(下川俊樹君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
環境生活部長道浦 渥君。
〔道浦 渥君、登壇〕
○環境生活部長(道浦 渥君) 金田議員の質問にお答えさせていただきます。五項目ほどあったと思います。
まず最初に、確約書の認識の違いという話でございましたが、確約書の性格はどういうものかと言いますと、十分知っていると思いますけれども、確約書については法的根拠があるものではございません。申請者の意思、今回の場合は南谷の方へ移転するというもので、書面として提出を求めたものでございます。したがいまして、住民から指摘されている問題については、引き続き不明点などを確認する中で指導してまいりたいと考えております。
それから、自己処理に係る焼却についてでございます。
建設業者が自社の排出する木くずを焼却しておりますが、これは廃棄物処理法に基づく設置許可、また大気汚染防止法に基づくばい煙等の発生施設の届け出が不要となってございます。しかし、地元住民からの意見を反映するためにも、今後ともなお一層強く指導してまいりたいと思います。
それから、松原組の破砕処理に関する事前調査の記載についてでございます。
平成十年に松原組から提出された「産業廃棄物に関する調査書」には、申請者は、土地利用規制項目の欄におっしゃるとおり規制なしと記載されております。これは虚偽の申請ではないかというようなことと思いますが、事前調査制度の趣旨というのは、当該土地の規制状況について県が申請者にかわって規制状況を調査するというものでございます。十年の九月九日に新宮保健所が受理した事前調査には規制なしと記載されてございますが、十年の十一月二十六日付で新宮保健所を通じて申請者に通知している指導事項の中には、まず第一点として、当処理事業に関する工作物は建築基準法第四十八条第三項に抵触するため許可を得なければ建物を建ててはいけないとか、第一種中高層住居専用地域における良好な環境を害するおそれがないと認めなければ建築を許可しないというようなことで、指導は一応してございます。
最後に、行政指導のいろいろの流れで十分でなかった点につきましては反省し、今後適正な処理を厳しく指導していくつもりでございます。
以上です。
○議長(下川俊樹君) 土木部長大山耕二君。
〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 金田議員の再質問にお答えいたします。
地元東牟婁振興局建設部を通じて振興局の各部局にも確認をしたところでありますけれども、当該地に係る土木部関係の事業はもちろん、他の分野の事業についても、ないとの報告を受けているところでございます。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──残り時間五十三秒でございます。再々質問を許します。
三十四番金田 眞君。
○金田 眞君 今の部長の答弁は納得できません。ちゃんと再度調査してください。
最後に、知事の住民の声を反映させるというこの答弁、どうか生かしてください。このことをお願いして、終わります。
○議長(下川俊樹君) ただいまの質問は要望でありますので、以上で金田眞君の質問が終了いたしました。
これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午前十一時五十七分散会