平成12年6月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(原 日出夫議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前十時三分開議
○議長(下川俊樹君) これより本日の会議を開きます。
  【日程第一 議案第百二十号から議案第百三十三号まで、並びに報第三号から報第七号まで】
  【日程第二 一般質問】
○議長(下川俊樹君) 日程第一、議案第百二十号から議案第百三十三号まで、並びに知事専決処分報告報第三号から報第七号までを一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 十八番原 日出夫君。
  〔原 日出夫君、登壇〕(拍手)
○原 日出夫君 議長のお許しを得ましたので、ただいまから一般質問をさせていただきます。
 質問の項目は三点でございますが、最初に梅の生育障害について質問したいと思います。
 私、今回を含めて五回にわたってやるわけですが、三月二十日に和歌山県うめ対策研究会の成果発表の報告がされてから以降初めて迎える議会ですので、和歌山県うめ対策研究会に対する私たちの見解と問題点、考え方を述べていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 梅生育障害の原因究明の取り組みについてでありますが、「ウメ生育不良の原因解明と対策技術への提言」とした「調査・試験研究結果報告書」を県はどう受けとめているのかということについて基本的にお聞きしたい。
 一つは、県うめ対策研究会のまとめから、生育不良の発生の原因が解明されたと県当局はとらえているのか、最初に所見をお伺いしたいと思います。
 二つ目は、県うめ対策研究会の発表によると、生育不良の発生メカニズムは、梅の生育不良は、主として栽培要因、気象要因、土壌要因など複合的に絡み合い、樹体内に養水分ストレスを引き起こした結果であるとまとめているが、この発表は現場の状況を知る者として理解しがたいところがある。この文章の後先を逆にすると、よく理解できるものである。研究会の文章は、今発表したその次のところに、原因の解明や安心して栽培ができる対策技術の確立には残された試験研究課題もあり、もう少し時間がかかる、関係者が一丸となって取り組まなければならないとして、実際に原因の解明ができていないし、まだ時間がかかるし、まだ皆さん力を合わせてやってくださいよ、けれども原因はこうですよと出しているわけです。これは、まさに矛盾した研究結果の発表であります。生育不良の発生メカニズムは何も解明されていないのに、事象をとらえての評論的な見解にすぎません。しかも、三年という短期間で結論めいたことを出すことが科学的に見て責任ある態度なのでしょうか。もっと言えば、栽培管理、土壌、気象等についての判断の根拠は何なのか。研究会は、現場の実態、農家の努力の実情を認識することなく、県の研究機関のデータ、栽培マニュアルをもとに解釈し、評論したにすぎないのではないか。大気環境要因については、研究会が直接実験分析するのではなく、関西電力とJAの研究会の資料を見て判断しているのであります。これが研究者による研究会と言えるでしょうか。私は、栽培、土壌、気象、大気環境について、現場の実態と研究会発表は大きく乖離していると考えます。
 それで、現場の実情を議員の皆さんや当局の皆さんに知っていただきたく、この研究会発表と実際に現場で起こっていることを比較検討していただければ、おのずから結論が出ると思います。
 梅栽培の現状でありますが、研究会では、梅の特性品目の内容について、「他の主要果樹に比べて水分ストレスに弱い」と分析しておりますが、電力中央研究所の資料では、梅については乾燥に対する適応能力があるとされております。また、園芸メーカーの植栽方法の説明においても、梅は乾燥する場所への植栽が適当とされております。したがって、この報告は信頼性がない。
 二つ目は梅栽培の変遷でありますが、「単位収穫の大幅増加が見られる」とあるが、それをもって着果負担、いわゆるならせ過ぎが生育不良の発生には結びつかない。なぜなら、未成木、いわゆる二年、三年物のまだなっていない木においても生育不良が多く発生している現状から見ると、この報告も矛盾しています。例えば梅生育障害対策研究会──これはJAと関西電力で組まれた研究会なんですが、そのメンバーである井上教授は、ならせ過ぎによって梅の立ち枯れは起こることはあり得ないと明言しております。これも、研究会のメンバーとの食い違いがあるわけです。
 梅の栽培環境についてでありますが、土壌特性報告の内容についてということで、「生産性が低く、土壌改良を必要とする」と研究会は発表しておりますが、そのことが生育不良の発生には結びつかない。なぜならば、農家の中には既に試験場を上回るほどの土壌改良を実施したにもかかわらず発生した園地が多くあります。また、土壌改良によって生育不良の発生がなくなった、あるいは改善されたという現実は全く見られないわけであります。また、普及所が実施した五百園地の土壌検査によると、生育障害発生と非発生の明確な差があるというデータも一つも見られないわけであります。
 次に気象状況報告の内容によりますと、昭和五十二年、五十三年、五十九年は平年に比較して雨量は非常に少なかったにもかかわらず生育不良は発生しておりません。昭和五十九年の御坊火力発電所の操業開始後に、少雨、多雨にかかわらず、これ以降十数年にわたって生育不良の発生は急激に増加している。したがって、この事実については否定できないと思います。昭和五十二年、五十三年、五十九年当時の雨量が非常に少ない時期でも生育不良が発生していないという事実を見ると、これに問題があるという分析は非常に疑問を感じるわけであります。
 大気環境報告の内容でありますが、「環境基準を下回る」ということで、具体的データが開示されておりません。例えば、環境庁の一九九八年度全国環境調査によると、本県は浮遊粒子状物質による汚染濃度において基準を達成していなかった。
 また光化学オキシダントについては、上芳養局で平成七年六月から平成八年五月までの一年間に環境基準の〇・〇六ppmを超えた日が百四日、総時間で五百八十五時間もあります。二酸化硫黄についても、全国大都市十四カ所を含む三十カ所の平成六年度平均値が〇・〇〇八ppmという中で、第二火力発電所の環境アセスメント調査において、平成六年に川辺町〇・〇〇六ppm、御坊市、田辺市、美浜町、日高町、南部町、南部川村で〇・〇〇五ppmが測定されております。
 また降下ばいじんにおいても、全国十六カ所平均三・五トンという中で、その二分の一が記録されているわけであります。このように基準値は下回っているけれども、紀南に御坊火力発電所以外に大気を汚す大きな企業は一つもないわけであります。にもかかわらず、降下ばいじんにおいても、数値は低いけれども全国の都市部も含めた平均値の半分もある。工場は一つもないのに、なぜ二分の一の降下ばいじんが記録されていくのかという点について、環境基準を下回っているから何も問題はないのだとは言えないと思います。しかも、降雨のpHは地域間に差があります。都会の和歌山市より田舎の紀南の田辺市の方が酸性雨が降っているわけであります。これについては、ちょっと知事にも見ていただきたいわけでありますが、平成九年から平成十一年にかけての記録では、和歌山市の方が数値が高い。すなわち酸性雨が低い。緑と川に恵まれた紀南の方が和歌山市より自然はきれいにもかかわらず、五・五を基準にして四・五から五・五までのpHの低い確率が非常に多いということについても、ここに何かの問題があると考えるわけであります。
 そういった点で、この現実を無視して平均化し、環境基準内であるから問題なしとすることは、真理を追求すべき研究者としてのとるべき態度だろうか。現在の環境基準は、人間を対象として設定されたものであり、植物を対象としていない。和歌山県うめ対策研究会とは、一体何を目的として設置したのか。梅生育不良の原因解明を目的とするならば、こうした被害地の大気環境の現実を認識し、その中で真剣に努力、苦闘する農家の声を真摯に受けとめ、研究解明の手がかりとすべきが本筋ではないのか。
 環境庁は「環境白書」の中で、この研究会の理念、考え方、姿勢について、いみじくもこのように述べております。
 「生物の生態、生態系の機構、生物間の相互作用等は極めて複雑で、全容を明らかにすることは不可能に近い。我々が有している生物や生態系に関する情報は極めて少なく、往々にして手遅れになってから解明されることもある。自然環境への影響を評価する際には、我々が生物や生態系に関し、むしろ知っていることはわずかであるということを認識する謙虚さが求められている。 また、知見が少なくとも、その時々の最新の知見を基に、人間活動が自然に与える影響を事前に予測・評価し、その結果を踏まえて負荷を軽減するための対策を講じる必要がある。このため、自然環境に関する知見を常に最新のものとするよう調査を充実し、事前の予測・評価のためにその結果が広く活用されるような形で蓄積・提供することが重要である」、このように「環境白書」では述べられております。
 したがって、現代科学の判断基準で植物における原因解明を求めていくことはいまだ非常に不十分であるし、まだ浅い。そのことを謙虚に受けとめる中での研究発表であってほしかったと考えるわけであります。
 また通常の土壌検査において、研究会の発表ではアルミニウムや燐が検出されていないという評価でありますが、それらも資料の開示がない。また、排煙の成分として関西電力が答えている鉛、カドミウム、水銀等は本当に検出されなかったのか。資料の開示がなかったわけです。これについてもいかがなものでしょうか。
 次に、研究会の指摘についての反論と県及び梅対策の実証園における樹勢評価の問題点についてであります。
 私は以前からも問題にしていますが、あえてこの研究会がとっている問題について改めて繰り返し問題点を指摘したい。
 栽培要因では、「弱剪定による着果数の増加」、いわゆる剪定が弱くてならせ過ぎという問題は、先ほども言いましたように問題がある。
「完熟果収穫」、よく熟すまでならせているから木を弱らせていると。しかし、後でも述べますが、早期収穫の青取りをしている園地の方がむしろ発生が多いわけであります。そういう意味でも、このことの矛盾があります。
 土壌についても、しかりであります。気象要因に至っては、先ほど言いましたように、私たちは水分を遮断した木の枯れ方を実際やってみているわけです。水分ストレスで枯れる木の状態と生育不良の木の枯れ方の状態が根本的に違うわけであります。それは、暖地園芸センターはわかっているはずなんです。そのことをあえて取り入れること自体にまやかしがある。実際に、暖地園芸センターでも研究していただいている。農家でも実際に研究しています。だから、枯れ方が違うんです。水分をやらなくて枯れることと生育不良で根が腐っていく状態との差が全然違うということは暖地園芸センターはわかっていると思うわけでありますが、あえてそのことをも原因の一つに挙げていること自体に問題がないかということであります。
 もう一つは大気環境要因でありますが、トレーサーガスによる排煙拡散調査を関西電力とJAの研究会がやっております。この資料を県の研究会がそのまま取り入れて、その資料に基づいて、問題がないと位置づけているわけであります。このトレーサーガス調査については、調査時期の稼働率が低くて排煙の吹き上げ高度に差があるにもかかわらず、調査の結果、紀南の南部や田辺への影響度が非常に少ない、見られないというのはいかがなものでしょうか。四十数%稼働していたのが、一〇%を割る稼働率に下げた中でのトレーサーガスの調査であります。このことについても、本来の実態調査のデータとしては非常に不十分ではないかと感じているわけであります。
 もう一つは、風向調査の調査ポイントであります。
 これは、知事にもご理解いただきたいわけであります。関西電力が第二火力発電所の環境アセスメント調査の中で、風向調査のポイントを黒岩山というところでやっているんですが、実際にあのポイントでは一年間で北西風、西風が一・八%しか吹かない、三百六十五日のうち十日もないと発表されていたことに対して、皆びっくりしたわけです。そして、農家の若い人たちが荷物を担いで、煙突に近い黒岩山に隣接する二百二メートルの地点で風向調査をしてみますと、天気の日はほとんど西または北西の風が吹く実情を調べ上げたわけです。関西電力が置いている風向調査のポイントは何が問題があるか。地図を見てもわかる。谷間から吹き上げてくる谷の上で風向調査をやっている。下から吹き上げてくる風は南または南東の風の方が多いわけであります。したがって、煙突からの風は南部や田辺へ行くのではなくて、上へ吹き上げて南へ行って、それから海へ吹き上げてしまうんだという結論を出しているわけであります。
 こういった、全く矛盾に満ちた風向調査のポイント自身にも問題があって、この資料自身、我々は現場で実際立ち上げて双方比較しながら検討した結果、非常に矛盾があるということで問題点を指摘してまいりました。この点についてもいかがなものでしょうか。
 それから、大気や御坊火電について、その関係を見るために私たちはぜひとも御坊火電のばいじん、排煙の調査を実施してほしいと一貫して述べてきておりますが、それについていかがなものでしょうか。
 実際に暴露試験では、乾性のガスを利用した実験では自然の状況を再現できない。葉面からの吸収には、気体と液体の形があります。液肥は液体の形で十分吸収される。とすれば、葉面上のばいじんが霧や露により溶かされて液体化し、吸収されるということも十分考えられます。そうしたことを確認するためにも、ばいじんあるいはばいじんに含まれる成分、または排煙あるいは排煙に含まれる成分を使用しての暴露試験はぜひとも必要だと思いますが、この関連についてお聞かせ願いたいと思います。
 最後になりますが、この生育不良問題は、栽培管理や土壌というだけでなく、総合的な見地から取り組んでいかなければならないと考えます。幅広い学者、研究者の意見を聞き、そして現場の声に耳を傾けながら、原因のメカニズムの解明と対策技術を確立する強い姿勢を打ち出してほしい。そのためには、従来の固定概念にとらわれてはいけない。今後の調査研究の取り組みについてお聞きしたいと思います。
 先ほど資料を提示するのを忘れましたが、実証園の評価と問題点について、時間がございませんので、実際に県が実証園として調べている中の南部川の高野地区のみについて例を挙げたい。
 六十二本ある園地を試験園にしました。九七年六月には、そのうち三十二本が重症樹であるが枯死寸前の状態である。ところが九九年七月、それはすべて回復した。樹勢回復が見られる。ゼロだという報告をしています。こういう手当てをして直ってきたんだという報告をしている。
 そこで、私たちは現場を踏査しました。九七年六月には三十二本枯れていたということですが、私たちがこの七月に歩きましたら、実際には三十六本枯れているわけです。ゼロという報告をしているのに三十六本枯れているわけです。これはJAの指導員の皆さんにも立ち会っていただいた。私も見てきましたけれども、現地の園主がそれを調べて、わざわざ資料を持ってきて、ゼロとは何たることだ、けしからんということで、私のところへ抗議をしてほしいという申し出がありました。そういう事実にそぐわない資料を中心にして研究会のメンバーに提供すること自体にも問題がありますし、事実確認をしないで研究したことにも私は問題があると思うわけであります。これは一例であります。
 次に二番目の、大量生産、大量廃棄から出される循環型社会の形成に向けた社会的な取り組みが今本格化しつつあります。中でも法制度では、循環型社会を実現するための運用法である循環型社会形成推進基本法を策定、またこの基本法のもとに、建設廃棄物リサイクル法、食品廃棄物リサイクル法と、相次ぎ新規立法が行われました。さらに既存法制度では、廃棄物処理法と再生資源利用促進法の二法を改正、これらの循環型社会関係法として、国などの公的機関によるリサイクル製品の積極的な導入を図るグリーン購入法──国等による環境物品等の推進等に関する法律とされていますが、そういったものも制定されました。
 そこで私は、県議会で二回にわたって環境問題、ごみ問題について質問してきた要点は、一つは、基本的には循環型社会を目指すためのごみ処理、産廃を含めた処分施設、最終処分場の問題、二つ目は、ごみゼロエミッショナルを目指すためのリサイクル、再生商品と利活用をどうするのかということ、三つ目に、そのために県行政における循環型社会和歌山のための方針と組織強化を求めてきました。四つ目は、排出者責任のみを追及することだけでは対応できない、公共関与すなわち県行政の関与なしには一歩も進まない、このままいけば不法投棄がますます増加することを過去質問し、提案してきました。
 今回は、循環型社会を目指す六つの法案が成立し、私がさきに述べてきたことへの法的責任が明確になり、県行政としてもこの法による具体的な取り組みが求められてきていることから、今回、具体的に次の点について質問と問題提起をしたいと思います。
 循環型社会形成推進基本法など関係六法案がさきの五月の第百四十七通常国会で成立した今、県の果たすべき役割と責任についてでありますが、ごみゼロエミッショナルに向けた取り組みについて、第一点は、改正廃棄物処理法に伴い、対象となる大量排出事業者は存在するのか、また存在するとすれば、減量や処理に関する計画についてどのような指導を行うのでしょうか。
 第二点は、グリーン購入法成立に伴って、県として物品購入及び公共施設、道路、公園を含めた公共事業への資材等の購入についてどのような基準を定めるのか。
 これについては、既にさきの議会でリサイクル・再商品化とその利活用を提起し、とりわけ公共としての利活用の積極性を求めてきましたが、今回グリーン購入法成立に伴い、県行政として県及び市町村、関係公共団体も含めて、低環境負荷型の製品をどう調達していくかの基本方針、その基準を定める必要があります。県庁内ではもちろんISO一四〇〇一による方針がつくられますが、全般的公共事業への対応が求められています。県としてはどう対応するのでしょうか。
 第三点は、県内の幾つかの市町村議会でデポジット制度導入に関する意見書が採択されているが、県としてデポジットに対する見解はいかがお考えでしょうか。
 ごみ問題はますます深刻化し、自治体のごみ処理予算は年々増加し、とどまる気配がありません。平成九年四月から施行された容器包装リサイクル法も、事業者の負担に比べて市町村の負担が大きく、ごみ減量の効果はほとんど期待できません。現在のごみ処理制度は、余りにも自治体に負担が大きいのではないでしょうか。デポジット制度は、ごみ減量、公正な費用負担、散乱ごみの減少、リユース、リサイクルの拡大を一挙に実現できる画期的な制度です。この制度は、瓶、缶、ペットボトルなどの代金に預かり金を上乗せし、その容器が返されたときに預かり金を払い戻す制度で、既に欧米など多くの国で導入されています。日本では、瓶ビール、酒瓶の回収が原点であります。この制度が実施されますと、対象となった容器などは八〇%以上が返却されますので、ごみが一挙に減量し、自治体のごみ処理費用は大幅に減少します。また何よりも、集まった容器の処理費用は自治体の負担ではなく受益者負担ですから、公正です。また、瓶などはきれいな形で返却されますから、リユースの拡大にもなります。
 そこで、循環型社会を目指すための法整備は、さきにも述べた関連六法案が成立しましたが、しかし最も大切な、ごみを減らす、リサイクルする基本である、国民参加、県民・市民参加でのごみゼロエミッショナル運動に欠かせないデポジット法の成立が急がれております。既に、全国の二百五十の自治体からデポジット法制定への意見書、一千の自治体を目指した運動が始まっております。全国市町村議会からも意見書が出されていますし、特徴的なのは東京都議会、また福岡県は県議会を先頭に九十七市町村のうち九十二市町村議会が意見書を提出しています。このようにデポジット法の要望は、その効果が本来目指すごみ減量効果、自治体処理費用がよりゼロに近くなることです。県当局は、このデポジット制度に対する考え方、国の法制化への要望を求めながらも、ローカルデポジットの運動化を進めることへの考え方をお聞きしたいと思います。
 次に、改正廃棄物処理法の制定に伴い、県は今まで産業廃棄物に対して民間排出者責任として、昨年十二月議会での私の質問に対して、公共関与による処理に対して消極的であったが、これからはそうはいかない。改正廃棄物処理法には、都道府県の責務として「産業廃棄物の適正な処理が行なわれるように必要な措置を講ずることに努めなければならない」ことと義務づけられました。公共関与による産業廃棄物処理施設の促進をうたっております。この趣旨に従って、とりわけ廃棄物処理センターによる施設整備を初め、産廃新法(産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律)の活用を含めてお尋ねします。
 第一は、廃棄物処理法の改正に伴い、公的関与による廃棄物処理施設の整備促進が盛り込まれたが、県としてどのように対応するのか、お聞かせください。
 第二は、県の公共工事でも残土や建設廃材等が大量に排出されていると思うが、建設工事資材再資源化法の成立に伴い、業者をどのように指導していくのか。また、残土等を処分する安定型最終処分場は民間事業者の責任で確保されていますが、設置許可権者として現在何カ所あり、その残容量はどれくらいの年数もつのでしょうか。その程度によっては、ますます不法投棄の心配があります。
 次に、一般廃棄物は市町村、産業廃棄物は事業者の処理責任と法的にはされているが、県は循環型社会形成推進基本法の成立を契機に、廃棄物処理及びリサイクル、再生商品利活用を含むシステムを確立する基本計画及び実施計画を県の主体と指導性で策定すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 循環型社会形成推進基本法は、政府に対し循環型社会形成推進基本計画の策定が義務づけられており、中央環境審議会が計画策定の具体的な指針をまとめ、二〇〇二年四月十日まで環境大臣に、それに基づいて閣議決定をしていく方向が求められております。
 そこで第一は、環境負荷を考えた場合、その処理について、一般、産廃の垣根を超えた総合的な最終処理施設及びリサイクルシステムの具体的な方針を打ち出す時期に来ていると思いますが、いかがなものでしょうか。
 第二は、容器包装リサイクル法に続き、今国会では資源有効利用促進法、食品循環資源再生利用促進法、グリーン購入法、建設工事資材再資源化法などが成立したが、このように激変する環境、廃棄物関連の施策を総合的に指導する行政機関を充実すべきではないか。現在、環境経済や環境マネジメントと言われる時代に入っているので、そうした事業者の相談にも対応できる体制が必要ではないかということのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
 最後になりますが、時間がございませんので早口で言いますけれども、文里湾構想計画を総合的視点から作成をということで。
 文里湾構想を(田辺湾を含む)今考えられている埋立計画、文里湾架橋計画、津波対策、田辺湾の地域活性化としての政策化等、総合的に検討すべきであるというテーマであります。県、田辺市では、当面する事業として文里湾埋立事業を事業実施するため、既に予算化もされ、進められています。この時点に立って、私は、事業目的、内容、費用等を分析する中で、少し待ってくれという考えになったわけであります。
 現状の経済状況と地場産業の実態の変化、とりわけ木材産業と文里、田辺湾の変化、将来の木材産業の不透明等、検討する中で、費用対効果から見ると一考を要すると考えるわけであります。田辺湾の歴史と現状から見て、昭和二十三年に貿易港として指定され、昭和三十五年からは実質的に外国船の入船と貿易木材港として発展してきました。しかし、平成十年十月十八日でもって外国船入船はなく、田辺湾、文里湾に外材は一本も浮かべていません。貿易港として継続するためには、年間十一件の入船、年間五千万円以上の貿易金額が必要で、それがない場合には貿易港として廃止になります。そのタイムリミットは、ことしの十月であります。しかも、既にそれを予告して、税関は田辺出張所を七月をもって廃止になります。これは、経済界だけの理由なのか、行政側の責任はどうなのかは別に置いておいて、現状はそうなっています。しかし、木材は三日に一船、五百トンの帆船が入ってきておりますし、年間七万トンの木材原木が荷役されております。これは、香川の坂出、広島の松永、小松島から入港しているのも事実であり、新宮港からは陸送されております。この方がコストダウンできるから、そう選択したのでしょう。
 では、今回の埋め立ての目的は何なのでしょうか。第一は砂利、砂の荷役のみであること、第二は耐震バースとしての港にしたいこと。これだけの目的と内容で二十五億の事業として実施したとき、単純に考えて、利用する土地の坪単価は二十五万円から三十五万円となり、費用対効果の面から見ても、地域の経済、住民の考えから見ても一考を要すると考えるわけであります。
 むしろ、この事業を契機に、今課題としてある文里湾架橋、外材の浮かばない自然豊かな文里湾、田辺湾、津波対策を初め周辺の交通アクセスとしての湾岸道路を総合的に検討し、投資が大きくなっても、その効果が住民合意の上で成り立つ事業計画を進めるようここに問題提起をして、当局の考えを聞きたいと思います。
 以上で、第一回の質問を終わらせていただきます。
○議長(下川俊樹君) ただいまの原日出夫君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 農林水産部長島本隆生君。
  〔島本隆生君、登壇〕
○農林水産部長(島本隆生君) 原日出夫議員の、梅生育障害の原因究明の取り組みについてのご質問にお答えをいたします。
 まず一点目の、梅の生育不良問題に係る調査報告に対する県の見解についてでございます。
 生育不良対策につきましては、これまで本県農業の最重要課題として関係機関の総力を挙げて取り組んでまいりました。こうした中で、和歌山県うめ対策研究会から去る三月二十日に、「梅の生育不良は、さまざまな要因が複合的に絡み合い、樹体内に養水分ストレスを引き起こした結果であると考えられる」との最終の取りまとめをいただいたところであります。また四月二十三日には、JA紀南と関西電力による梅生育障害対策研究会におきましても同様の報告がなされたところでございます。しかしながら、報告書の中には残された試験研究課題も提示されており、また依然として生育不良が発生していることから、試験研究の充実や園地条件に応じた技術対策の確立が早急に必要であると考えてございます。
 今後とも、生産者を初め関係市町村、農協等の協力をいただきながら、この問題の早期解決に向け懸命に取り組んでまいりたいと存じます。
 次に、和歌山県うめ対策研究会の姿勢についてであります。
 本研究会の委員は、日本を代表する大学及び国の試験研究機関の専門家であり、試験研究に対する指導助言を受ける中で、調査結果に対する評価をいただいたものであります。設立当初は、この問題の早期解明を図るため、二年間を目途に取り組んでいただきましたが、現場における複雑多様な状況や地元からの要望もあり、またより幅広い検討を加えるため三年間に延長し、鋭意取りまとめがされたところでございます。この間、梅に関する研究は他の主要果樹に比べてデータの蓄積が少ないこともあり、委員の方々には試験研究の組み立ての段階から指導を受け、また機会あるごとに現地に赴き、つぶさに調査を行うなど、研究会として最善の対応をいただいたものと考えてございます。
  〔傍聴席で発言する者あり〕
○議長(下川俊樹君) 申し上げます。
 傍聴席の皆さん、発言は禁止されてございますので、静かにお聞きをしていただきたいと思います。
○農林水産部長(島本隆生君)(続) なお、研究会の報告でありますが、科学的な調査研究や大気拡散調査など公表された測定データに基づき、学問的知見を総合し、検討、判断されたものであると考えてございます。また、現地実証などにつきましては、さまざまな条件下での取り組みであり、十分な成果を得ていないものもありますが、今後は総合実証園の中で多くの対策を組み合わせ、実効ある技術対策の確立に努めてまいることとしてございます。
 次に大気面での調査研究についてでありますが、御坊火力発電所のばい煙の直接暴露は、これまでにもお答え申し上げてきたとおり、専門家の意見として大気拡散中に化学変化が生じるため科学的に評価できないことや、サンプリングが技術的に困難であると指摘されております。しかしながら、生産者から強い要望のある大気環境調査につきましては、地元と協議し、ばい煙の直接暴露にかわるものとして、化石燃料の指標物質と言われているバナジウム、ニッケルの暴露試験を現地で実施しておりまして、データがそろい次第、お示しをしてまいりたいと考えてございます。
 次に今後の調査研究への取り組みについてでございますが、暖地園芸センターに新たにウメ部を設置するとともに、日高、西牟婁両振興局において担当職員の増員を行い、地元との連携を密にするなど研究指導体制の充実強化を図ったところでございます。また、日本一の梅産地にふさわしい地域密着型の研究機関の構想策定に向けまして、本年度、うめ研究機関設置検討協議会を設置するなど積極的に進めてございます。
 今後とも、生産者を初め多くの方々のご意見もお聞きしながら幅広い調査研究に取り組み、技術対策の早期確立に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 環境生活部長道浦 渥君。
  〔道浦 渥君、登壇〕
○環境生活部長(道浦 渥君) 原議員の、循環型社会形成推進基本法など関係六法案の成立に伴い、県の果たすべき役割と責任はとのご質問にお答えいたします。
 まず、ごみゼロエミッションに向けた取り組みに関するご質問のうち、改正廃棄物処理法に伴い、対象となる大量排出事業者の現状と指導についてでございますが、さきの国会で成立した改正廃棄物処理法においては、多量排出事業者は「産業廃棄物の減量その他その処理に関する計画を作成して都道府県知事に提出し、及びその実施の状況を都道府県知事に報告しなければならない」とされてございます。現時点においては、多量排出事業者の規模等の基準に関する政省令が出されておりませんが、明らかとなり次第、対象となる事業者に対し計画の策定を指導してまいりたいと考えてございます。
 次にグリーン購入法成立に伴ってどのような基準を定めるかでございますが、製品などを購入する際、環境への影響ができる限り小さいものを優先して購入するため、国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律、いわゆるグリーン購入法が平成十二年五月に成立し、平成十三年四月から全面施行されることとなりました。この法律では、国が基本方針を定め、環境物品を調達することとなっております。地方公共団体におきましても、努力義務ではございますが、環境物品等の調達を行うこととされております。県では、平成九年四月に副知事名で環境配慮型製品の率先購入及び物品の使用等に係る環境配慮についての通達がなされ、再生紙や事務用品、ペットボトル、再生生地使用の事務服などのグリーン購入に努めてきたところであります。
 今後、国の基本方針を踏まえながら、公共事業への再生商品のより一層の導入を視野に入れて、関係部局と十分協議の上、県としての環境物品の調達方針を作成し、環境に優しい製品の購入に努めてまいる所存でございます。
 次にデポジット制度導入についてでございますが、飲料用容器類の廃棄物の減量化、再利用を進めていく上でデポジット制度の導入は有効であると考えてございます。しかしながら、一地域のみの実施では地域格差を生ずることとなり、実効性が乏しくなることが予想されることから、全国一律での実施が必要であると考えてございまして、今後、機会あるごとに国に働きかけてまいります。
 次に、廃棄物処理法の改正に伴い、公的関与による廃棄物処理施設の整備促進が盛り込まれたが、県としてどのように対応するのかに関するご質問にお答えします。
 まず管理型最終処分場についてでございますが、平成八年に和歌山環境保全公社の管理する和歌山北港処分場が終了した後、紀北地域については、大阪湾フェニックス計画に基づき泉大津沖に設置された海面埋立処分場において管理型の産業廃棄物の処分が行われてございます。しかし、フェニックス計画対象区域外である紀中、紀南地域においては、議員ご指摘のとおり、管理型最終処分場は設置されておらず、適正処理を推進していく上で重要な課題であると考えてございます。県といたしましては、今回の廃棄物処理法の改正により、国の廃棄物処理センターの指定要件が緩和されたことや、その施設整備に対するモデル的補助制度が創設されたことを考慮し、排出事業者責任の原則を踏まえた上で、財団法人和歌山環境保全公社の将来構想とも連動しつつ、公共関与処理について検討しているところでございます。
 次に建設残土、建設廃材等の現状と課題についてでございますが、議員ご指摘のとおり、県の公共事業におきましても、建設残土、建設廃材等の建設副産物が大量に発生しており、その処理が問題となってきております。とりわけ、民間解体工事におきましては、いわゆるミンチ解体等に起因する混合建設廃材等が再資源化を阻害してございまして、これら建設廃棄物の分別解体と再資源化の促進を進めるため制定されたのが建設工事資材再資源化法でございます。この法律の成立に伴う解体業者や中間処理業者への指導につきましては土木部と連携して行うこととなりますが、指導のあり方につきましては、再生された資材が有効かつ現実的に利用されるよう努めていくことが肝要であると考えております。
 県内における最終処分場の件数は、民間処分業者で八件、公共で一件となってございます。また残容量につきましては、平成十二年三月末現在におきまして三十六万六千立方メートルであり、平成九年度及び平成十年度の処分量から推計いたしますと五年程度の残容量と考えてございまして、今後、埋立廃棄物の減量化に努めるとともに、官民一体となって処理施設の適正な確保に努めていく必要があるものと考えてございます。
 次に、循環型社会形成推進基本法の成立を契機に、基本計画及び実施計画を策定すべきだと考えるがどうかに関するご質問にお答えします。
 まずその処理について、総合施設及びリサイクルシステムの具体的な方針を出すべき時期ではないかとのご質問についてでございますが、今回の廃棄物処理法の改正により、知事が県内における一般廃棄物、産業廃棄物を合わせた廃棄物処理計画を定めなければならないとされてございます。この計画は、国の示す基本方針に基づき県内の廃棄物の減量など適正処理に関する目標と方策、処理施設の整備に関することなどを定めることとなってございまして、計画の策定に際しては市町村や多量排出事業者の処理計画を考慮する必要があるものと考えてございます。
 県といたしましては、今後示される国の基本方針に基づき、この廃棄物処理計画を策定し、その計画の策定において、循環型社会形成推進基本法の趣旨に基づき、従来の廃棄物処理のみでなく、リサイクルや再生商品利活用の促進につきましても検討してまいりたいと考えてございます。
 次に、行政機関そのものの充実強化が急がれているがとのことでございますが、県におきましては、本年四月の機構改革により生活文化部を環境生活部とし、環境生活総務課、地域環境課、環境管理課の三課を設置し、環境行政を充実強化させたところでございます。今後は、リサイクル関連のそれぞれの法律を所管する環境生活部、商工労働部、土木部、農林水産部等、他部局との連携の強化に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 三点目の文里湾構想計画についてお答えいたします。
 文里湾港湾整備で計画している耐震強化岸壁につきましては、砂、砂利等の建設資材を取り扱うだけの施設ではなく、県の地域防災計画の中で田辺市を中心とする西牟婁地域とその周辺に対する緊急物資輸送を担う施設としても位置づけられており、整備を必要とするものであります。
 また、議員ご提案の文里湾を中心とした田辺湾全体の総合的な構想につきましては、地元の市や町の町づくり構想を踏まえて、今後の研究課題としてまいりたいと考えております。
 以上です。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 十八番原 日出夫君。
○原 日出夫君 時間が余りございませんので、要点に絞りまして再質問させていただきます。
 梅の生育不良の解決の問題であります。
 まず一つは、実証園の評価の問題点については、県の責任において現場で再調査をして事実を明確にしていただきたいことについていかがなものでしょうかということです。というのは、これをきちっとしておかないと、県と現場とのお互いの信頼関係が崩れてくるんです。そういう意味では、正確な調査をし、正確な資料に基づき、今後一緒になって解決していくと。このことにおいても現場で再調査をすることについて、いかがなものでしょうか。
 もう一つは、現場つまり農家、JA、市町村と県の信頼関係を構築するためには、例えば田辺市の梅振興室は、今、市とJAの共同スタッフで原因解明のための共同作業をしておりますが、県はオブザーバーとしてでも結構ですが、県及び振興局からスタッフを派遣して共同研究する体制をつくることが信頼につながってくるのではないか。例えば秋津川に設けられている県の交流室の人たち、これは暖地園芸センターの方だと思いますが、それとか振興局の技術の専門的な人たちが一緒になって市町村、JAと県で信頼関係を深めながら共同研究していく姿勢が一番大切ではないかと思います。このことが、先ほど答弁の中にありました研究センター設立の方向にもつながると思いますし、中身が非常に濃くなってくるのではないかと思いますが、この点についてはいかがなものでしょうか。
 それから次は、また農林水産委員会で引き続きお願いするということで、要望にとどめておきたいと思います。
 大気と関西電力の関係は、どんなに釈明しても疑念が消えていないわけであります。先ほども述べましたように、実際、研究会や関西電力、JAを中心としたデータそのものにも、角度を変えてみるならば、違ったデータとして出てきている。それも、我々が実証して明らかにしているわけです。例えば酸性雨の問題、風向調査の問題、栽培管理など、いろんな分野においても疑問が絶えないわけであります。
 したがって、現場と行政との信頼関係を結ぶためには、ばいじんを提供していただいて、それを技術的に解明していくということ。県が暴露試験において調査する化学物質の二つの要素を述べられましたが、関西電力自身が認めているニッケル、燐、鉛、カドミウム、水銀といった物質についても研究しながら実証試験をしていく、暴露試験をしていくと、こういうテーマがあるわけであります。それを避けると、そこにまた不信感が生まれる。かなりの分野において、疑問とすることについては徹底して解明していく姿勢が必要ではないかと思いますので、その点を要望しておきたい。
 もう一つは、先ほども述べましたが、研究会の発表での資料の開示が非常に少ないということであります。一つは、先ほども言いましたように、酸性雨調査のデータにおいては研究会が参考にした資料がはっきりしないし、アメダスを含めた国の機関が発表している酸性雨の調査でも、知事にお渡しさせていただいたように、五・五を下回る四から四・五までのいわゆる酸性雨が事実として記録されている。こういった点についても事実の資料をきちっと開示し、それに基づく原因解明をしていかなければ、資料についての誤りや問題があるところに正しい解明への方向が見出せないということで、資料についても広く開示して現場と話し合っていく姿勢をお願いしたい。
 それから、風向調査であります。
 関西電力とJAの研究会でも発言させていただきましたが、関西電力のポイントの黒岩山では正しい風向の結果が出ない。したがって、隣接する別の山のポイントで調査し、実際にそれとの対比をしてこそ現場の矛盾にこたえていけるのではないかと思います。三百六十五日のうち十日足らずしか西や北西の風が吹かないということは、常識的に考えられないわけであります。漁師に聞いたら一番わかります。実際に全体の一・八%しか西や北西の風が吹かないのに、それを第二火電の環境アセスの資料とされておりますし、それに基づいて発表されていること自体に資料としては非常に問題があると思います。今後、県としても私たちが実際に調査したポイントも積極的に取り入れて、その方向を示していただきたいことを要望しておきます。
 以上は、梅についてであります。
 もう一つは、循環型社会形成推進基本法に伴う六法が改正されました。私は、これを勉強しながら、原稿を書きながら、環境生活部長や担当の方にも言いました。この六法案を、市町村、民間、排出業者との間で具体的に計画実施して和歌山県のごみ処理計画基本方針をつくっていくのは大変な作業です、やれるんですかと。国は、環境庁なりが決めて報告をしても、首相以下の閣僚会議をしておろすぐらいの大変重要な柱として位置づけているわけであります。したがって、今後、紀南、紀中を含めて最終処分場や環境廃棄物処理センターをつくっていくとするならば、大変な作業であります。しかし、それをしていかなければならない。そして、公共が関与していかなければならないという法律の義務づけの中で、少なくとも住民合意が得られ、住民合意の中で廃棄物処理センターや最終処分場をつくっていかなければならない命題に対しては、県としてもこれを建設するための準備室ぐらいつくっていかんことにはできないんです。総務部長、それぐらいの力が要ります。橋本や新宮などいろんな問題での後追い政治に終わるだけでなく、法律の規定に基づいてもっと前向いてやっていかなければならない。
 総務部長、県自身が具体的にどのようにしていくべきかとなると、これは人と組織をつくらなければできませんよ。そういう意味でも、国が閣僚会議を開くんですから、県としても環境生活部だけの問題ではなくて、少なくとも知事並びに副知事が先頭になってきちっと対策室をつくっていくなりしていかないと実現は不可能だと思いますので、その点を強く要望しておきたいと思います。
 しかも、この廃棄物処理センター並びに最終処分場については、先ほども答弁がありましたけれども、国が金も出しましょう、すべてやりましょう、やってくださいと。今までは排出者責任だったけれども、公共が関与しなさい、公共が関与したら国も金を出しますよと、この六法案の中でそこまで決めたわけです。それについても、積極的に対応していただきたいと思います。
 以上で、再質問を終わります。
○議長(下川俊樹君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 農林水産部長島本隆生君。
  〔島本隆生君、登壇〕
○農林水産部長(島本隆生君) 原議員の再質問にお答えを申し上げます。
 まず、実証園の再評価についてでございます。
 これまで、地域梅対策協議会と連携をしてこの実証園を設けたところでございますけれども、そういうことから随時実態調査を行ってはきてございます。ただ、議員ご指摘のような部分もございますので、今後とも農業改良普及センターを中心に、関係者と連携を図りながら早い時期に調査を行いまして、その内容を十分に検討、精査をしてまいりたいと考えてございます。
 次に、ご提言のございました現地における農家を初め関係者との交流の促進でございますが、一例としては田辺市に設置された梅振興室と県との連携につきまして、今後より一層きめ細かな対応をしてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
  〔傍聴席で発言する者あり〕
○議長(下川俊樹君) 先ほどご注意申し上げましたとおり、それをご理解していただいてございませんのでしたら、ご退席をお願いしたいと思います。
 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
 十八番原 日出夫君。
○原 日出夫君 梅の生育不良の問題はずっと解明されていないという立場でございますので、いまだ解明する上での未知数の問題がたくさんある、そのメカニズムが明らかでないということであります。しかし、私たちはあらゆる英知を集めていかなければならない。
 本来、農家が栽培のプロであります。したがって、私たちが過ちを犯してはならないのは、研究者はあくまでもコーチであって、コーチは栽培者のプロに学ぶ、共同していくという考えに立たないといけないと思います。研究者はあくまでも研究者であり、コーチであります。栽培のプロは農家であります。その観点を忘れないで、今後原因解明を貫いていく姿勢に県当局は立っていただきたいことを最後にお願いしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○議長(下川俊樹君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で原日出夫君の質問が終了いたしました。

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