令和8年2月和歌山県議会人権・少子高齢化問題等対策特別委員会会議記録
令和8年2月和歌山県議会人権・少子高齢化問題等対策特別委員会会議記録
1 日時 令和8年3月6日(金)午後2時29分~午後4時00分
2 場所 予算・決算特別委員会室
3 出席者 委員長 藤山将材
副委員長 林 隆一
委員 岩田弘彦、吉井和視、中村裕一、坂本佳隆
山下直也、藤本眞利子、浦口高典、奥村規子
欠席委員 なし
委員外議員 なし
4 概要
午後2時29分開会
●藤山委員長
◎開会宣告
◎報告事項 なし
◎撮影許可 3件
◎議 事 (1)人権問題等対策の現状と今後の取組について
(2)少子・高齢化問題等対策の現状と今後の取組について
(3)その他
(1)人権問題等対策の現状と今後の取組について
●藤山委員長
◎説明要請
●島本共生社会推進部長、今西教育長説明(別添説明要旨のとおり)
●藤山委員長
◎質疑等宣告
Q 吉井委員
部落差別解消推進条例を改正するつもりはないか、去年の12月に一般質問した。部落差別解消推進条例には、人権尊重の社会づくり条例に設置されている附属機関、審議会を共通のものとして規定している。これを何とかならないか、実効性のあるものにならないか、部落問題は緊急的に解決すべき問題であるので考えてほしい、と尋ねた。知事からは、実効性のあることはもちろんだが、今のままでよいのかなど、今後様々な意見を聴いて、一層深めていきたいという前向きな答弁があった。
部落問題は、歴史的に見ても格段に改善はされてきているが、即座に解決しなければならない問題であるため、強力に県は取組を進めるべきだと思う。
差別には、男女差別、高齢者差別、学歴差別、貧富の差による差別などいろいろあるが、部落差別は、これらとは違い、他の差別と複合的に差別を受ける場合や、差別の定義もできない、本当に一刻の猶予もならない問題であると思う。
少し話は変わるが、最近、有吉佐和子の『非色』という小説を読んだ。戦後、黒人兵と結婚し、子供を産み、アメリカに渡った女性の話なのだが、この小説にこのようなことを書いている。「金持ちは貧乏人を軽んじ、頭のいいものは悪い人間を馬鹿にし、逼塞して暮らす人は昔の系図を展げて世間の成上りを罵倒する。要領の悪い男は才子を薄っぺらだと言い、美人は不器量(これちょっと差別用語で悪いが)のものを憐れみ、インテリは学歴のないものを軽蔑する。人間は誰でも自分よりなんらかの形で以下のものを設定し、それによって自分が優れていると思いたいのではないか。それでなければ落ち着かない。それでなければ生きて行けないのではないか。」と、この部分を物語と切り離して書いている。だから私も、様々なところでいろいろな差別が起こると言っている。
県も実効性のある法整備を国に要望しているのだから、県として部落差別解消推進条例の中に附属機関を早急に設置するよう要望している。知事の答弁を踏まえた部長の方針を聞きたい。
A 島本共生社会推進部長
先般の12月議会での一般質問を受け、知事からは部落差別の中でも、特にインターネット上での差別書き込みが非常に問題になっており、見過ごすことができないので、そういう被害者を救済するための体制も含め、一度検討するようにということで指示を受けている。
今、人権局の中で、インターネット上の部落差別に対してどういうことができるのか、部落差別解消推進条例に特化した第三者機関の設置なども含めて、検討を重ねているところである。
特にインターネット上の問題については、情報流通プラットフォーム対処法が昨年4月に施行され、間もなく1年を迎える。近々、運用状況が公表されるので、その状況なども見ながら、部落差別解消推進条例をどのように強化していくか、丁寧に考えていきたい。
一刻も早くということは、この委員会でも吉井委員から要望を受けており、だらだらするつもりはないが、国の動向も踏まえ、検討していきたい。
要望 吉井委員
部長が決意を示したわけだが、やはり一刻も早く取り組んでもらいたい。よろしくお願いする。
Q 中村委員
先日、委員会で鳥取県と明石市に県外調査に行ったが、鳥取県では、県の人権尊重の社会づくり条例を改正し、インターネット上の差別書き込みについて削除しない発信者に対し、削除要請を行い、従わない場合には削除することを命じ、命令に従わない場合に5万円以下の過料に処すという全国初めての制度ができた。
また、削除に関して個人で対応するのは大変で、県は相談体制を講ずることで被害者支援を行うということだが、例えば、裁判をする場合は費用もかかる。鳥取県のほか、明石市(養育費確保関係)でも補助金を出して裁判に関する支援ということをやっているが、県でも具体的に進めていくということはあるか。
A 遠見人権局長
私も今年の1月14日、15日と明石市と鳥取県への県外調査に同行し、勉強させてもらった。鳥取県の人権尊重の社会づくり条例の改正条例は1月25日に施行されているが、かなり先進的な取組という認識を持っている。この条例の改正の意図は、情報流通プラットフォーム対処法を補完する意味で、被害者救済に向けての実効性を担保する目的で改正を行ったと聞いている。
県としても、特に近年は部落差別に限らずネット上の人権侵害がかなり深刻化していると認識しており、そういったことも踏まえ、人権局として対策を講じていく必要が十分ある重要な案件と認識している。
現在、調査に行った鳥取県条例の内容や、昨年4月に施行された情報流通プラットフォーム対処法の運用状況、さらには他県のネット上の人権侵害対策の取組状況というのを十分情報収集しながら、現在どういった対策がネット上の被害者救済につながるのか研究し、検討を始めているところである。
要望 中村委員
法律が改正されたり、新しい法律ができるというのはいいとは思うが、時間がかかることも多い。これまでも法律や制度ができるまで、県が条例をつくって進めてきたというものもあったので、ぜひとも研究して進めてもらいたい。
また、条例改正や条例制定だけでなく、経済的に弱い立場の人がいるので、相談に乗るだけではなく、経済的支援をできるような制度も考えてもらいたい。
加えて、明石市では弁護士を職員として採用しており、例えば、条例制定に関わる部署で、弁護士資格を有する職員や法科大学院を卒業している職員を配置してはどうかと思うので要望しておく。
要望 奥村委員
差別は許されないということで、県民への啓発に取り組んでもらっているが、最近は、「日本人ファースト」という言葉があり、ネット上で傷つけられるようなことが起こっていると聞く。「日本人ファースト」は、国に対する「アメリカファースト」とは違って、人種的な差別であり、外国人に対する心ない言葉があったり、特に和歌山県がひどいということではないが、テレビでも報道されたりしており、大変問題だと思っている。
憲法や国籍法において、国籍を取得した人や帰化した人を含めて日本国民であると定められているのであるから、人種差別的な要素があるのは問題であると感じている。差別は許されないということについて、条例もあるが、どうやって日常生活の中でみんなが意識するようになるか、もっと力を入れて取り組むことが大切ではないかと思う。
マイクロアグレッション(日常の中の攻撃)といわれていることもあり、啓発について、人権フェスタやバッジなど、身近なところで気づきを促す取組を要望しておく。
Q 山下委員
先程説明にあったアンコンシャス・バイアスについて、私も勉強したが、非常に難しい。育児は女性がすべきというのも、これはだめだということがある。自分自身について考えてみても、気をつけなければいけないことがたくさんある。これをテーマとした人権学習パンフレットを作成して、教職員や保護者に配布しているということだが、もう少し詳しく教えてほしい。
A 岩井人権教育推進課長
アンコンシャス・バイアス、無意識にこうだという思い込みについて、人権学習パンフレットを作成した。例えば、保護者が、子供が何かやりたいときに、あなたには無理、と言ったり、女性だからこうである、というような話をしたりなど、思い込みが人の可能性まで制限する場合があることから、まず、その言葉に気づいてもらう。これは教職員にも配るが、どちらかというと、保護者に配るパンフレットとなっている。自分の発している言葉がどうなのかということに気づいてもらうためのパンフレットで、今、作成中であり、もう出来上がる予定である。
要望 山下委員
我々も勉強したいので、出来上がったら配布してほしい。
要望 藤本委員
部落差別解消推進法の問題については、吉井委員と同じ意見を持っているので、早急に取り組んでもらいたい。
Q 藤本委員
児童虐待に関して、児童相談所に警察官が3名派遣されているという説明があったが、この警察官の役割や働きについて教えてほしい。
A 田甫こども支援課長
虐待通告を受けて職員が家庭訪問を行う際に同行している。保護者からの抵抗も予想されるため、現役の警察官が同行することは、児童相談所側としては大変心強いものとなっている。
また、必要に応じて警察署へ援助要請を行い、警察署と合同で保護を行う体制も整えている。
虐待に関する情報は、初期対応から重症事案まで児童相談所と警察で全件共有している。虐待が理由で一時保護や施設入所をしていた児童が家庭復帰する際にも、警察に情報を共有することで、在宅支援をスムーズに行えるよう努めている。
さらに、警察と児童相談所による定期的な合同訓練や連絡会議を行い、平素から密に連携を取りながら虐待防止に取り組んでいる。
要望 藤本委員
警察の協力の下で児童虐待への対応が行われていることは、非常にありがたい。さらに連携を密にしながら努めてほしい。
Q 藤本委員
例えば、ストーカーであったり、何かの被害が遭ったときは、警察に相談することになると思うが、それが手遅れになって大きな事件が起こったとき、警察の初期の対応がうまくいかなかったような報道があったかと思う。警察の被害者を守る取組については、どうなっているか。
A 西川人身安全対策課長
川崎の事件など、事案によっては対応の遅れという部分で指摘されることもあるが、警察としては、できるだけ被害者の安全確保を最優先に取り組んでおり、引き続き、きちんと対応していく。
要望 藤本委員
警察の働きというのは、重要だと思うので、今後とも取組をよろしくお願いする。
Q 坂本委員
児童相談所に配属されている3名の警察官について、同行する、しないの判断基準は何か。
A 田甫こども支援課長
児童相談所に虐待通報があった場合は、48時間以内に児童の安全を確認することとなっている。訪問前に、学校や保育所などの所属があれば状況確認を行ったり、市町村に家庭状況を確認するなど情報収集を行い、その上で訪問する。緊急の場合は直ちに赴くこともある。警察官の同行は事案によるし、総合的に判断する。
要望 坂本委員
警察が対応したストーカーなどの案件で、総合的な判断の結果、事件が発生したケースも実際にある。
非常に難しい判断だとは思うが、十分に配慮して対応するよう要望しておく。
Q 中村委員
以前ロサンゼルス市警に視察に行った時に聞いた話であるが、アメリカでは児童相談所のような機関が家庭訪問を行う際、子供に面談できなければ、すぐに警察が家庭に踏み込むというシステムになっている。
当時、日本では、児童虐待防止法も条例もなく、県独自で条例をつくればよいと考えていたが、今は法律も条例もできている。
このような中で、児童相談所の判断も必要ではあるが、児童相談所の判断を待っている間に事件が起きることもある。
判断を介さず、自動的に介入するような仕組みにはなっていないのか。
A 田甫こども支援課長
児童虐待の通告があった場合は、全ケースについて48時間以内に児童の安全を確認するルールとなっている。
Q 中村委員
確認とは、子供に直接会うということか。
A 田甫こども支援課長
そのとおりである。
Q 中村委員
それは条例で決まっているのか、あるいは児童相談所の決まりか。
A 田甫こども支援課長
国が策定した「児童相談所運営指針」に基づいて対応している。
Q 岩田委員
九州で昔あったが、警察で夜中パトロールしている時に、子供が徘徊しているのを見つけ保護して、保護者に渡して虐待死した。児童虐待に関する警察での対応はどうか。
A 西川人身安全対策課長
児童虐待に関しては、警察が事案対応した児童は、児童相談所の過去の取扱い状況や警察での取扱い等を勘案して、通告要否の判断を行う。必要があれば、児童相談所に一時保護等をしている。
Q 岩田委員
疑われると判断した時に、児童相談所に即連絡して、児童相談所の許可を得て、警察が一時保護することはできないのか。
A 西川人身安全対策課長
取決めの中で、児童虐待の疑いがある場合は児童通告をすることとなっているので、警察で一次的な保護はあるかと思うが、後の対応のこともあり、児童相談所に委ねるという形にしている。
Q 岩田委員
一時保護をしてもらえるということか。
A 西川人身安全対策課長
当然、迷子などの場合を含め、一時保護は警察でしている。
Q 岩田委員
警察で一時保護をして、児童相談所と連絡を取り、心配がないということになれば、その子供の保護者に連絡をするということか。
A 西川人身安全対策課長
児童相談所に委ねた後の対応は、児童相談所から保護者に連絡をするという形になる。
●藤山委員長
◎質疑等終了宣告
◎休憩宣告
午後3時12分休憩
午後3時13分再開
●藤山委員長
◎再開宣告
(2)少子・高齢化問題等対策の現状と今後の取組について
●藤山委員長
◎説明要請
●島本共生社会推進部長、𠮷野福祉保健部長説明(別添説明要旨のとおり)
●藤山委員長
◎質疑等宣告
Q 浦口委員
保育園の問題について、一昨日の小川議員の一般質問を聞いてびっくりした。昨年10月時点の待機児童が、和歌山市で120名、海南市で64名、橋本市で23名、207名とのことだった。和歌山県では、以前からあまりそういったことはないと聞いていたが、なぜ急にこんなに増えたのか。
A 石田こども未来課長
まず、最大の原因は保育士不足にある。それと、共働き世帯が増加していることで、低年齢児、0歳・1歳児の申込みが急増していることが原因となっている。
Q 浦口委員
娘が同じような世代で小さな子供がいるので、保育園のことを聞くと、同級生で三つも四つも落ちた子もいるらしい。なかなか対応する人がないということと、共働き世代もそうだが、結構シングルマザーが多いらしい。それで非常に困っているということである。
先日、視察で行った明石市では、有名な泉前市長が、いろいろなことで子供子育て中心でやっているが、和歌山県も「こどもまんなか社会」と言っている割には、こういったことが急に出てくるということは、そこまで想像がつかなかったのか。
A 石田こども未来課長
例年は、和歌山市で待機児童が出ていたが、これほど多くはなかった。しかし、やはり働く方が多くなって、預けたいということで1歳ぐらいから入れる方が多くなった。そして、0歳から入れておかないと、年度の途中から入れないような状況になってきたので、0歳も埋まって、1歳も埋まっているという状況になっている。
要望 浦口委員
子供が生まれたら、市町村ではわかると思うので、そういったことも想像して、かゆいところに手が届くというのは難しいかもしれないが、ぜひ考えてもらいたい。
シングルマザーは働かざるを得ないけれども、働けないというのが非常に問題である。「こどもまんなか社会」をうたっている県としては、ぜひそういうことがないように努力してほしい。
Q 中村委員
私は、最近まで、地域限定保育士を知らなかったが、しばらく前にできている。半年ぐらい勉強して、試験に受かったら3年間、そこで働いて、そのあと全国で働けるということだが、元々信愛短大でやっていたようなものを、半年で養成して、事故が起きるというようなことにならないのか。素人の考えで恐縮であるが、短大を卒業して取れるような資格を何か月かの研修で大丈夫なのか。今までも、特に0歳児が亡くなったりするようなことがあったわけで、付け焼刃の養成でちゃんとした保育士が養成できるのか。
A 石田こども未来課長
保育士になるためには、二つの方法がある。一つは信愛短大のような指定養成施設を卒業する方法、もう一つは試験に合格する方法。
地域限定保育士は試験制度のほうであり、記述試験は、一般の試験と全く同じである。実技試験は、県が実施する講習を受講することで免除できるという部分だけ通常とは異なっているので、試験に合格する方と変わりはないと思っている。
意見 中村委員
これは国が作ったということなので、そのような部分の研究は十分していると思うが、それでできるなら短大とか四年制大学の必要はないわけで、将来本当に事故が起きるようなことにならないのか、心配というか、違和感がある。
意見 中村委員
県の今までの報告を見ると、小学5年生と中学2年生の保護者を調べたら、11%ぐらいの家庭で電気代を払えないとのことだった。高齢者についても、私が調べた限りなので誤差があるかもしれないが、無年金とか国民年金だけという人が20万人ぐらいいる。和歌山県は、人口が減るだけではなくて、生活に困っている人がたくさんいるので、貧困対策を県政の一つの柱にしないといけないのではないかと思っている。
教育長にぜひ聞きたいと思っていたのだが、私はあるとき、九九の言えない高校生がいるということを知った。九九の言えない高校生は、高校卒業時にはちゃんとした仕事に就けない可能性がある。そして、そういう家庭は、崩壊している可能性がある。家庭が崩壊したところで生まれた子供は、将来、家庭をちゃんと築けない可能性があるわけで、これは学校だけでは対応できない。福祉も関わってくるので、具体的にどのようにやるのか聞きたかったが、教育長がいないため、また別の機会に聞く。
要望 中村委員
高齢者が無年金か国民年金だけという人が多い中で、最終的にはセーフティネットは生活保護というのがあると思うが、できることなら80歳ぐらいまで健康で仕事をすることが、健康のためにも経済的にもすごくいいと思う。
しかし、高齢者の仕事開発をやっているという説明があったが、私もシルバー人材センターへ入るよう言われて入らせてもらったが、御坊市のシルバー人材センターにある仕事というのは、ガードマンや草刈りといった若い人でも嫌になってくるような仕事ばかりで、高齢者でもできるような楽しく、それこそ80歳まで元気で働きたいと思えるような仕事がなかなかない。
観光の仕事というのは、実はあまり重いものを持たず、アメリカではディズニーランドやディズニーワールドに行くと、お店は店員が高齢者というようなことがある。和歌山が観光立県でいくのであれば、高齢者の人が働く場所はあると思うが、現状、シルバー人材センターを見る限り、高齢者が働けるような場所というのは少ない。
福岡県は進めているという話をこの委員会でもしたが、改めて私も行ってきた。福岡県では県の経済が大きいため、仕事がたくさんある。
それに対し、和歌山県は、若い人も仕事がないぐらいのところであるため、高齢者の仕事をつくっていくというのは難しいと思うが、ぜひそういう仕事をつくってほしい。
それは当然、高齢者の貧困対策にもなっていく話であるため、そういう視点で仕事に取り組んでほしい。要望しておく。
Q 中村委員
特殊詐欺がこれだけ啓発されていても増加しているが、巧妙な手口ではなく、普通なら騙されないような簡単なものに高齢者が引っかかっていると聞いている。
成年後見制度も普及してきているが、警察だけで防ぐのは困難であり、近所での見守りや、資産を持つ人への後見制度の適用など、新たな仕組みをつくらないと防げないのではないか。
A 坂本長寿社会課長
県では「高齢者見守り協力員制度」を実施しており、現在、県内で約2300名の方に協力を依頼している。
一人暮らしの高齢者宅の郵便ポストに新聞がたまっている、洗濯物が干しっぱなしである、あるいは知らない業者が入り浸っているなどの異変があれば、見守り協力員から民生委員や市町村に連絡するという、地域の方が支援するような仕組みを、現在行っている。
Q 中村委員
その仕組みは、実際に機能しているのか。
A 坂本長寿社会課長
実績としては、地域の集いの場に来なかった人がいたため、協力員が家に見に行ったところ、倒れていたのを発見して緊急通報したケースがある。
また、協定を結んでいる民間事業所が、巡回時に畑で倒れている高齢者を発見し通報したケースなど、件数は少ないものの緊急通報的な役割を果たした実績は存在している。
Q 岩田委員
先ほどの話の中で、1歳で保育所に入れてもらおうとすると、0歳から入らないといけないという話だったと思う。単純に考えると配置基準が3対1の0歳児より6対1の1歳児の枠を増やしたほうが、保育士は少なくてすむのではないか。1歳児と0歳児の配置基準が違うから、0歳児を減らして1歳児を増やしたほうがいいのではないかと考えるが、どうか。
生まれて1年ぐらいは、お父さんお母さんに頑張ってほしい。
A 石田こども未来課長
とにかく保育士が足りてないということが一番の原因である。施設など県内の環境は整ってきている。ただ、施設はあっても保育士がいないので、開けられないという状況になっているため、そこを改善していきたいと思っている。
Q 岩田委員
それはわかるが、0歳児6人には先生が2人いる。1歳児6人は1人でよい。そこの工夫はできないのか。保育士が足りないのはわかっている。ただ、足りない中でも、上手にいく方法を考えられないかと思う。先ほどの答弁だと、1歳児保育でと思うと、0歳から預けないといけないという風潮に聞こえた。そうではないと思う。
もう一つは、育児休暇も昨年から80%の賃金を保障してくれるようになった。それをフルに活用して、お母さんなりお父さん、ひとり親でも、1年間は家で頑張ってもらったらという私案についてはどうか。
A 島本共生社会推進部長
0歳児で育児休業を取って1歳児からというのが理想型かもしれないが、保育所に預けられるご家庭の事情というのもあるので、一概にその方向に政策的に持っていくということは無理があると思う。
ただ、保育のご要望があるところに、今、保育士が不足しているという状況で、十分に保育ニーズに応えられていないというところは、やはり県としてもいろいろな取組を進めていかなければいけないと考えている。
意見 岩田委員
強制的にそうしろということではなくて、そちらの方向性に思ってもらえる方を1人でも増やしていくようにしたほうがいいのではないか。事情が違うのはわかっているが、1歳からは入れないから0歳で預けているというように聞こえたので、その辺も考えてほしい。個々の事情を把握するなと言っているわけではないので誤解のないようにお願いしたい。
意見 山下委員
岩田委員の話もわかるが、0歳児保育がやむを得ないという状況の人もいるので、あまり決めつけないほうがいいと思う。
Q 山下委員
保育士が足らないということが問題である。私も幼稚園はわからないが、保育所については団体の顧問をしているので、いろいろなことを教えてもらっている。先般も、もう閉めてしまうが、信愛短大でなぜ学生が集まらないのかという話を聞いた。全てではないが、その一つに、やはり保育士の賃金が安いという問題がかなりあって、なかなか来ないということであった。
登録後3年間は受験地で働くというのは、違う方面での対策だと思う。もっと大事なことは、介護分野と似ているが、保育士の職場を、魅力を感じるものに持っていかなければ、難しいと思った。
我々もそれを考えるが、やはり行政も一緒に考えていってもらわないといけない。ただ、県庁で、保育士の給料を上げるということはできないから、難しさがあると思うが、そこも考えながら、環境もそうだが、幼稚園・保育所の先生方の職場が魅力あるものだというふうに変えていかないと、なかなか保育士は増えないと思った。その辺をどうするか一番難しいと思った。
だから、3年間は受験地で働くという制度も一つかもしれないが、むしろその前の段階で応募してもらわないといけない。それをどのように考えていくかということが大事だと思うがどうか。
A 石田こども未来課長
来年度、「わかやまで保育士になろう」というタイトルで新規の事業を立ち上げる。このタイトルには、和歌山でなろうということで、残ってもらって和歌山でいてもらおうという思いを込めた。
地域限定保育士は令和9年度から導入するが、来年度は、これまでアプローチして来なかった中高生や、その保護者に向けた取組を実施したい。親御さんの話を聞いていると、昔の賃金が安いイメージを持っており、保育士になるのであれば、幼稚園の先生、もしくは小学校の先生または看護師になる方がいいと思っている人が多い。賃金について、今は昔とだいぶ変わっているということや現役の保育士にも参加してもらい保育士の魅力について、知っていただくようなミーティングを実施していきたい。
それから、大学生保育の魅力発見プログラムということで、指定養成施設に現在入っている方が就職するとなったときに、保育士として働いてもらえず企業に行ってしまうという現状もあると聞いている。そこで、実習先など大学で設定されているところだけではなくて、県内のいろいろな保育施設を見てもらえるようなワークショップなどを一堂に会して、保育施設の魅力をたくさん発信していきたいと考えている。
要望 山下委員
例えばいろいろな職場にインタビューに行って、この仕事についてどう思うかというような率直な意見を聞いて、大変ですよ、という声もあれば、いや、やりがいのある職場ですよ、という方も必ずいる。介護士不足のときには、そういうことを一つのものにまとめてCDを作って全県立高校に配付してもらった。現実は聞いていたのとは違う、と興味を持ってくれた生徒さんもかなりいたと聞いた。そういうやり方も大事ではないかと思う。そういうための予算もこれからは必要なのではないか。
介護のときは、厚労省から来ていた竹内課長が三菱財団のお金を取ってくれて3か年継続事業でこれをやった。やり方もいろいろあると思うので、ちょっと違う方面からそういうことを試みてもいいのではないかと思ったので、考えていってもらうよう、要望しておく。
Q 吉井委員
結婚しない、子供を産まないというのが少子化の原因。しかし、子供を早く産めなどと言うのは問題だと思うが、国難だから言う。やはり、子供を産むことや結婚を早くといったことを言える風潮が必要ではないかと思っている。こういったことを言うのは今の社会的に問題があると思うが、あまりにも慎重過ぎるという思いもある。その点についてどうか。
A 島本共生社会推進部長
結婚というのは、個人の自由意思だと考えている。県が行った意識調査でも、結婚したいと思っている方はたくさんいる。また、出会いを求めているという結果も出ている。かつては県も婚活事業を行っていたが、別の形で出会いについて県としても支援していきたいと考えており、令和8年度は試行的に出会いの場の創出を行っていく。そういった場で人生について考えてもらい、結婚や出産を希望する方には、それが叶えられるようにつなげていければと考えている。ただ、結婚や出産を、というのではなく、自然な形で考えてもらえる場を設けることにより、少子化に少しでも歯止めがかけられたらと考えている。
Q 奥村委員
少子化の問題は様々であり、様々な部署が担当しており、報告してもらったが、その中で少子化の問題として大きいのは、若者の雇用がこれからどのようになっていくのかということである。AIの発達により、様々な面でAIが担っていくというように、働き方が大きく変化している。教育の場面、エッセンシャルワーカー、保育、医療、福祉といったところに、どれだけの人が安心して働けるか。働き方も変化していくと思う。そのようなところも含めて、若者が県外へ働きに出るということもあるが、今後この1年、県としてどのような施策を考えているのか。
A 髙橋労働政策課長
高校生向けに関しては、来年度は就職希望の高校生全員に対して、応募前企業ガイダンスということで、伊都、和歌山、田辺の3ブロックに分けて地元の企業の説明を聞くという企業説明会を開催する予定にしている。大学生については、Uターン、Iターンということで、県内で2回、大阪で1回、合同説明会を開催する予定にしている。
要望 奥村委員
魅力を伝えることは大事だと思う。先ほど言ったような人手がかかる分野の仕事の魅力、教師のやりがい、医療や福祉の魅力の発信をお願いする。
Q 奥村委員
若者のひきこもり対策について、現在の取組はどうか。
A 田甫こども支援課長
ひきこもりを含む困難を抱える若者の就労支援について、県では厚生労働省と協働し、県内3ヶ所に就労支援拠点である「地域若者サポートステーション」を設置している。
そこに、若者のあらゆる相談に応じる相談窓口を併設し、「若者サポートステーションWith You」として一体的に運用することで、相談対応から就労支援までをワンストップで実施している。
就労意欲はあるが、就職しても仕事がうまくいかなかったり続かなかったり、あるいは、自力での就職活動に困難を抱える若者に対しては、地域若者サポートステーションにおいて、様々な職場見学や就労体験、ビジネススキルセミナー等を行うなど社会生活への対応力を養成し、就労後も職場定着やキャリアアップのための継続的な支援を行っている。
また、就労意欲さえもなく、社会と接する意思も極めて乏しく、そのままであれば本当にひきこもってしまう若者もいる。県では、そのような若者の支援に積極的に取り組む民間団体へ補助を行う「若者自立意欲醸成事業」を実施し、公認心理師等が対人不安や日常の悩みなどに寄り添いながら、交流機会の提供を通じ、まずは社会参加できるよう対人コミュニケーションや学びなどを支援し、最終的に就労へと繋げる取組を行っている。
要望 奥村委員
そういうところに繋がれば若者の抱える課題解決の色々な方向性が見えてくると思う。なかなかそこに繋がらない人へも、サポートをしっかりとよろしくお願いしたい。
Q 奥村委員
免許返納をどうするか悩んでいる人が周りにたくさんいるなど、高齢者が自由に移動できないという問題がある。この課題について、県の高齢者施策の中ではどのように考えられているのか。
A 坂本長寿社会課長
福祉部門での答えになるが、移動支援については、各市町村において高齢者や障害者に対してバスやタクシーのチケットなどを配布しているところがある。
県としては、市町村が実施している「生活支援体制整備事業」の伴走支援を行っている。この事業は、ゴミ出しや庭の草刈りなどの困りごとに対して地域住民で支え合う体制を構築するものであり、その一環として、買い物が困難な方へ向けた地域住民同士の助け合いによる買い物支援などが実施されている。県としては、今後もこうした取組を拡充、充実していきたいと考えている。
●藤山委員長
◎説明に対する質疑等終了宣告
(3)その他
●藤山委員長
◎その他発言 なし
◎閉会宣告
午後4時00分閉会


R8.3.6◆【人権】共生社会推進部長説明要旨 (PDF形式 125キロバイト)