令和7年12月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(全文)
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令和7年12月 和歌山県議会定例会会議録 第5号
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議事日程 第5号
令和7年12月15日(月曜日)
午前10時開議
第1 議案第146号から議案第179号まで(質疑)
第2 一般質問
第3 議案の付託
第4 請願の付託
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会議に付した事件
第1 議案第146号から議案第179号まで(質疑)
第2 一般質問
第3 議案の付託
第4 請願の付託
第5 休会決定の件
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出席議員(41人)
1番 高田英亮
2番 上山寿示
3番 佐藤武治
4番 鈴木德久
5番 森 礼子
6番 濱口太史
7番 井出益弘
8番 尾崎要二
9番 玄素彰人
10番 山家敏宏
11番 鈴木太雄
12番 岩田弘彦
13番 吉井和視
14番 中村裕一
15番 北山慎一
16番 坂本佳隆
17番 中本浩精
18番 堀 龍雄
19番 新島 雄
20番 山下直也
21番 三栖拓也
22番 川畑哲哉
23番 秋月史成
24番 谷口和樹
25番 山田正彦
26番 坂本 登
27番 岩永淳志
28番 小川浩樹
29番 中尾友紀
30番 岩井弘次
31番 藤本眞利子
32番 浦口高典
33番 尾﨑太郎
34番 藤山将材
35番 小西政宏
37番 中西 徹
38番 林 隆一
39番 片桐章浩
40番 奥村規子
41番 谷 洋一
42番 長坂隆司
欠席議員(なし)
〔備考〕
36番 欠員
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説明のため出席した者
知事 宮﨑 泉
副知事 友井泰範
知事室長 北廣理人
総務部長 山本祥生
危機管理部長 中村吉良
企画部長 北村 香
地域振興部長 赤坂武彦
環境生活部長 湯川 学
共生社会推進部長 島本由美
福祉保健部長 𠮷野裕也
商工労働部長 中場 毅
農林水産部長 川尾尚史
県土整備部長 小浪尊宏
会計管理者 高橋博之
教育長 今西宏行
公安委員会委員長 岸田正幸
警察本部長 野本靖之
人事委員会委員長 平田健正
代表監査委員 田嶋久嗣
選挙管理委員会委員長 和歌哲也
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職務のため出席した事務局職員
事務局長 中嶋 宏
次長 橋爪正樹
議事課長 岩井紀生
議事課副課長 田中 匠
議事課議事班長 川原清晃
議事課主査 川崎競平
議事課副主査 西 智生
議事課副主査 林 貞男
総務課長 榊 建二
政策調査課長 岩谷隆哉
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午前10時0分開議
○議長(岩田弘彦君) これより本日の会議を開きます。
日程第1、議案第146号から議案第179号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、併せて日程第2、一般質問を行います。
3番佐藤武治君。
〔佐藤武治君、登壇〕(拍手)
○佐藤武治君 皆さん、おはようございます。
6月以来の一般質問の登壇機会をいただきまして、ありがとうございます。
まず、議員派遣ではないんですが、先に木曜島訪問の報告をさせていただきたいと思います。
11月の1日から5日にかけて、アラフラ会の会員として木曜島に行ってまいりました。アラフラ会は、明治から昭和にかけて、たくさんの人が串本町の串本漁港などから豪州北岸のアラフラ海に渡り、シロチョウガイ採取に挑んだ多くの人が海域の木曜島などで命を落としました。串本でこうした歴史を伝えてきた、2007年に設立をされた木曜島遺族会が、ブルームなどにゆかりのある町民から対象地域を広げてほしいとの要望があり、遺族会としての活動の輪を広げていくことにし、本年4月にアラフラ会に改称をした会であります。会員は、現在40人ほどになり、以前の倍近くになっております。
令和5年10月に第2回和歌山県人会世界大会が開催されたときに、木曜島県人会として初めて参加されたのがきっかけとなり、令和6年2月に日豪友好和歌山県議会議員連盟設立発起人代表として、当時の議長であります濱口議員が、その他発起人として谷議員、秋月議員、三栖議員、そして私の5名が呼びかけ、皆さんの賛同を得て設立されました。その年の5月に木曜島県人会設立1周年記念式典へ招待をされ、会長に選任された当時の濱口議長、秋月副会長と幹事長である私の3名が参加をし、交流を深めてまいりました。その報告は、令和6年6月議会で報告済みであります。
今回は、アラフラ会メンバー17名が参加をし、ケアンズ国際空港までは約7時間少しのフライトで、到着時には、空港で木曜島県人会のラリッサ高井新会長の出迎えを受けました。
木曜島には、ケアンズ国際空港からホーン島の空港まで国内便で約1時間50分ほどかかります。その後、近くの港まではバスで移動をしますが、途中に大きなアリ塚が点在しているのを見ることができました。港からは、現地の方はフェリーと呼んでいるそうでありますけれども、車などは運ぶことができない20人ほどが乗れる小さなボートで、木曜島に約10分程度で着きます。
当日は、日本人墓地での法要に参加をし、慰霊碑へのお参り、参加された方の中には亡くなられた先祖のお墓探しをされた方もいましたが、なかなか全てのお墓は確認をされませんでした。
その後、昨年も訪問をしましたトレス行政区庁舎にエルシー・セリアット区長を表敬訪問、区長は、串本町との友好都市宣言合意書を締結した際の区長であるペドロ・ステファン氏の娘さんで、串本町との友好に非常に前向きな方でありました。区長には、遺族会からアラフラ会に改称した経緯などを説明、同席した新しいCEOのメアリ・バニ氏と共に意見交換をし、親交を深めてまいりました。
その後、串本町有田の出身で、木曜島における日本人移民社会の重要な一人であり、真珠貝採取ダイバーの草分け的存在として長年活躍し、戦後の日豪関係の発展や現地に残る日本人墓地の維持、顕彰に貢献した人物として知られている藤井富太郎さんの娘さんである藤井千代美さんの自宅で、バーベキューをはじめ、県人会だけではなく地元のコミュニティーの方たちが伝統的な料理やふだん地元で皆さんが召し上がっている料理を作り、持ち寄ってくれ、心からのおもてなしをいただきました。
ここで、英語が全く分からない私が「ごみを捨てたいんですが」と、同行された通訳の方に「英語で何て言うんですか」って聞いたら、「ラビッシュで通じます」と言われて、近くにおられた千代美さんの娘さんに「ラビッシュ」と言って渡したら、なぜかそのごみをプレゼントと間違えまして、にこにこしながらこうして開けようとしたんです。そこで私が慌てて、何か勘違いしているようでということで通訳の方に「もう一回ちゃんと伝えてください」と言って、何とか事なきを得ましたけれども、英語がしゃべれない私の英語は全くよそでは通じないという実感をいたしました。通じるのはイエス、ノー、あとサンキュー、あとはビアーぐらいです。もう改めて英語のできる方は羨ましいなというふうに感じました。
今回は、プライベートということで、昨年訪問した際に行けなかった地域にも行くことができました。オーストラリアには20か所の世界遺産があり、ケアンズ周辺にある有名なものはグレート・バリア・リーフがありますが、今回は、もう一つのクイーンズランド湿潤熱帯地域を訪問しました。
BSで放送された「世界の車窓から」という番組のオープニングで有名なキュランダ高原列車、ここは、ケアンズ近郊の世界最古の熱帯雨林の中を走る歴史ある列車で、特にジャンガラループと呼ばれる180度のヘアピンカーブを駆け抜ける映像が有名であります。100年以上の歴史を持つ木造列車は、深い森の中の景色を縫うように走り、そのレトロな雰囲気と美しい景色で人気を集めており、私たちが乗車した日も地元やインバウンドの多くの観光客でほぼ満席でした。でも、1日に2回ぐらいしか走らないそうです。
帰りは、スカイレールと呼ばれるロープウエーで戻りましたが、地上から谷底まで大体50~60メートルぐらい高さがあるようなとこで、なかなかの迫力がありました。一緒に行って、そのロープウエーに乗った若い男の子がいたのですが、高所恐怖症で全く目を開けませんでした。それぐらいの迫力がある高さでありました。
2年続けての木曜島訪問となりましたが、顔見知りの方もでき、LINE交換できたり、そういう方も増えまして、次回の世界大会で再開できるのが楽しみになりました。
それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、一般質問をさせていただきます。
まず、トルコ共和国訪問報告と今後のトルコ共和国との交流についてお伺いをいたします。
8月3日から8月7日の日程で、エルトゥールル号135周年、邦人テヘラン脱出40周年記念という日本とトルコ共和国の深い友好の歴史を背景とした記念事業に、宮﨑知事、田嶋串本町長と私の3人ほか、職員も含めてトルコ共和国を訪問してまいりました。串本町出身の議員として、この訪問の機会を得ましたことは大変光栄であり、また、県政に携わる者として大きな責任を感じているところです。
訪問には、宮﨑県知事並びに田嶋町長と同行して、現地において記念式典や関係者との交流を通じて両国の絆を改めて確認するとともに、今後の交流発展の可能性について意見を交わしました。また、文化交流の場にも参加し、両国の友情の深さを改めて実感をいたしました。今回の訪問を通じて、和歌山県とトルコ共和国の歴史的な結びつきが県民にとって誇りある資産であることを再確認するとともに、地域の国際交流や観光資源に関する成果を得られたと考えております。
この一連の訪問について、8月19日に概要について記者発表がありました。知事は、どのような意義を持つものと評価をされているのか、所見をお聞きしたいと思います。
また、今回の訪問の目的であった日本との友好交流に積極的に取り組んでいる公益財団法人土日基金と地震、津波等に対する防災の知見を高め、両国の文化理解や学びを促進することを目的とした青少年交流の覚書を締結いたしました。この覚書に基づき、トルコ共和国と県及び串本町の今後の交流について、知事にお伺いをいたします。
○議長(岩田弘彦君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
知事宮﨑 泉君。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 佐藤議員からの御報告のとおり、田嶋町長と一緒にトルコへ行ってまいりました。
議員報告のとおり、本年は、エルトゥールル号遭難事件から135周年、邦人のテヘラン脱出から40年の節目の年に当たるため、知事就任後初めての海外訪問先としてトルコ共和国を選び、8月に田嶋町長、佐藤県議と共に訪問し、トルコ政府関係者やターキッシュエアラインズのCEOなどと意見交換を行ってまいりました。改めて両国の絆を確認し、未来に向けて交流をさらに発展させる大きな意義を持つものでありました。
今回の訪問では、両国の次代を担う若者に友好の原点に立ち返った命の大切さを学んでもらうべく、防災をキーワードにした青少年交流を実施する旨の覚書を締結いたしました。
今後は、この覚書──これは公益財団法人の土日基金というところとやったんですけれども、非常に交流に熱心な基金であります。この覚書に基づきまして、防災や文化理解をテーマとした研修や交流プログラムを展開するなど、学生や青年層の相互訪問を積極的に推進し、国際的な視野を持った次世代の人材育成を図ってまいります。
○議長(岩田弘彦君) 佐藤武治君。
〔佐藤武治君、登壇〕
○佐藤武治君 御答弁ありがとうございます。
こうした交流は、式典参加だけにとどまり、継続的な成果につながらない例が非常に全国的に多いなというふうに感じております。今回の訪問を今後、継続的な国際交流、地域振興につなげていってほしいというふうにも思います。
私も、串本町議の時代から、機会があれば一度はトルコを訪問したいという思いがありましたので、今回、現地の方々と直接お会いしてお話をできたことは、本当に大変うれしく思って、いい経験になったなあというふうに思います。
それでは、次に、トルコ共和国との交流の歴史継承についてお伺いをいたします。
御承知のとおり、和歌山県とトルコ共和国との絆は、1890年に起きたエルトゥールル号の遭難事件に端を発します。串本町の樫野地区の人々が台風の荒波の中、身を挺して救助に当たったことが日本・トルコ共和国友好の原点となって、今日に至るまでの両国の友好の礎となっている世界に誇るべき歴史であります。135年という長い年月を経てもなおこの歴史が語り継がれ、国境を越えた信頼と友情のあかしとなっていることは、県民にとっても大きな誇りであります。
今回の訪問を通じ、私は、二つの大きな意義を感じました。
第1に、歴史的な友好の確認と継承です。私たちは、先人が築いたこの絆を大切に次世代へとしっかり受け継いでいかなければなりません。
第2に、現代的な交流の可能性です。観光や文化はもちろん、教育や経済分野においても協力の道が開かれており、和歌山県にとって国際交流の幅をさらに広げる好機であると実感をいたしました。
しかし、この史実が県内外、特に若い世代には十分伝わっているとは言い難いと感じております。県として、この歴史を教育、観光、国際交流の中でどのように継承、また発信していく考えか、知事にお伺いをいたします。
○議長(岩田弘彦君) 知事。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 本当に2泊4日の弾丸ツアーで大変御苦労をおかけしまして、お疲れさまでした。
エルトゥールル号の遭難事件は、串本町住民による救助活動が日本とトルコ共和国の友好の原点となった世界に誇るべき史実であります。この歴史を未来へと継承していくに当たり、国際交流の場を通じて広く発信していくことが重要であると考えます。
トルコ共和国は、和歌山県にとって歴史的経緯から大変重要な交流先でありまして、1928年にエルトゥールル号の追悼式典が開催されて以来、今日まで5年ごとに皇室及び両国関係者の出席を得て開催されるなど、これまで串本町を中心に交流がなされてまいりました。また、エルトゥールル号遭難事件の史実を映画化した「海難1890」が両国での撮影を経て2015年に全国公開されました。
今後とも、トルコ共和国との交流につきましては、これまで同様、友好の原点となった地元の串本町と共に同国との友好の絆を国内外に発信し、次世代に継承してまいりたいと、このように考えております。
○議長(岩田弘彦君) 佐藤武治君。
〔佐藤武治君、登壇〕
○佐藤武治君 ありがとうございます。
本当にこの史実をしっかりと継承していってほしいんですが、できれば子供たち、教育委員会とひとつ連携をしながら、県内の小中学校でこの史実を伝えることができるように、何か取り入れることはできないかと思います。ひとつ一考していただきたいことをお願いしておきます。
ちなみに、先ほど報告した木曜島のアラフラ会のメンバーが最近、潮岬小学校に出向いて、シロチョウガイの採取についての授業をしたというふうなことも聞いております。地域学習というんですか、そういう時間が何かあるそうです。ちなみに、私も6月頃、地域の伝統文化ということで獅子舞の講義を小一時間、小学校4年生の子供たちにさしていただいた経験があります。何とかそういうのを利用して、このトルコとの継承、史実をしっかりとつないでほしいと思います。
次に、テヘラン邦人脱出に係る和歌山県の国際平和・人道メッセージについてお伺いをいたします。
テヘラン邦人脱出事件は、イラン・イラク戦争の真っただ中で、現地では200人を超す日本人が取り残され、1985年の3月17日午後8時、当時のイラク大統領のサダム・フセインが「今から48時間後にイラン上空を飛ぶ航空機は全て撃墜する」と発表されました。取り残された日本人は、48時間以内にイランから脱出できなければ命の保障はありませんでした。
当時、現地に滞在していた方々は、真っ先に日本政府が飛行機を飛ばしてくれると期待をしていましたが、当時の自衛隊法では、たとえ国民の救出が目的でも救援機を海外へ飛ばすことは認められていなく、また、空路の安全が保障できないなどの理由で民間機の派遣も断念いたしました。取り残された方の話で、もう生きて帰ることが分からないという気持ちになったと後に話をしております。
そんな困難な国際情勢の中で、人道と友情に基づいて行動した日本とトルコの象徴的な出来事であります。先日放送されましたBSでも紹介されました。議場におられる方の中にも見られた方もおるのではないでしょうか。当時、乗客の1人であった中に沼田凖一さんという方がいました。帰国後、私の住む串本町で、この出来事について講演もされております。
サダム・フセインの発表を聞いて、沼田さんは、ヨーロッパ航空会社が欠航してしまうのではないかと思い、もはや航空便での脱出は不可能かと思い、絶望感に追い込まれたそうでありますが、夜明け前に日本大使館から、トルコが救援機を出してくれるとの情報が飛び込んできたというのです。沼田さんらは喜びましたが、しかし、冷静になって考えてみると、どうしてトルコなのか分からない。日本からの救援機は来ないし、ヨーロッパの飛行機にも乗せてもらえないし、信じられない、そんな気持ちだったそうです。
しかし、空港は、各国の取り残された人たち、自国の救援機に乗るために大混雑し、空港ビルにたどり着くのは容易ではなくて、空港ビルに到着しても、出国手続にも苦難の連続だったそうであります。
ようやく航空機の座席までたどり着いて、座って時間を待つ間、機内はしーんと静まり返っていたようであります。ただ、いつ撃墜されるか分からない、そんな恐怖で体をこわばらせて身動きもできず、どれぐらいの時間がたったかも分からず、沼田さんにはとてつもなく長く感じられたそうであります。しばしして、そのとき、「WELCOME TO TURKEY」というふうな機長の機内のアナウンスが響きわたり、次の瞬間、機内にはワアーという歓喜の叫びと大きな拍手が起こり、このときほど生きていることの喜びを感じたことはなかったと沼田さんは語っておりました。
日本政府が飛行機を手配してくれない。自分たちで何とかするしかないが、どうにもならない。そんな絶望的な中、トルコが航空機を手配してくれ、ぎりぎりで助けられた。トルコは、大島でのエルトゥールル号海難事故で串本の町民から受けた恩を95年という長い年月を忘れず、日本に返してくれた出来事でもありました。
このBS放送の中には、ほかにも当時の首相と村上さんという方の友情もあったと伝えられていましたし、また、3人のパイロット、それからまた客室乗務員の方々のお話もたくさんありましたが、いずれにしても、そういういうことで沼田さんらは助けられたというふうに感じたとおっしゃっておりました。
世界各地で紛争が続く今こそ、こうした歴史を国際社会に発信する意義は大きいと考えます。知事は、この出来事を和歌山県の国際平和、人道のメッセージとして発信することについてどのようにお考えでしょうか、お伺いをいたします。
○議長(岩田弘彦君) 知事。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) テヘランの邦人脱出に係るメッセージでございます。
1985年のテヘラン邦人脱出事件は、トルコ共和国政府とトルコ航空の協力によりまして、多くの邦人が危機から救われた出来事であります。これは、国際社会における友情と人道精神の象徴であり、日本とトルコ共和国の絆を深める歴史的な出来事として大きな意義を持つものと認識をしております。
世界各地で紛争や不安定な情勢が続く今日、この史実を国際社会に発信することは、平和の尊さと人道的支援の重要性を訴える大きな意義を持つものであると考えています。
県としても、国際交流の場や青少年交流事業を通じて、この出来事を紹介することはもちろんのこと、あらゆる機会を捉えて情報発信をしてまいりたいと考えております。
○議長(岩田弘彦君) 佐藤武治君。
〔佐藤武治君、登壇〕
○佐藤武治君 ありがとうございました。ぜひそのようにして発信をしていただければと思います。
また、先ほども言いましたけれども、エルトゥールル号の史実と併せて教育の場でも次世代に伝えていってほしいと思います。教育長、よろしくお願いします。
今回は、先ほど知事も言いましたけども、かなりの強行日程で、行かれた方も、後で町長も言っていましたけど、大変厳しかったなというのが実感でございます。ある意味、やむを得ないところもあったのですが、それでも僕は非常に有意義な訪問となったなというふうに思っておりますので、またそういう機会があればよろしくお願いします。
次に、三つ目の質問に移ります。
JR紀勢本線の利用促進に向けた今後の取組についてお尋ねをいたします。
令和6年12月議会でJR紀勢本線の活性化と地域振興について質問をさせていただきました。その際、2026年度の1日当たりの特急利用目標数、これ、人数が1040人という目標達成に向けての取組をお伺いいたしました。地域振興部長からは、紀勢本線活性化促進協議会新宮白浜区間部会で利用促進の施策を実施しているところであると答弁をいただきましたけれども、現在、紀勢本線活性化促進協議会新宮白浜区間部会で四つの施策が実施されていると認識をしております。
一つ目が、月曜日から木曜日の間の特急くろしおの1日1往復の増便の実証実験、二つ目が、新宮─白浜間で特急停車駅からICOCAを利用して乗車をし、新宮─白浜間を利用すると、ICOCAエリア内の駅で下車した人を対象に運賃の10%相当をWESTERポイントでの還元、三つ目が、新宮白浜区間旅客鉄道利用促進補助金として、新宮─白浜間を利用し、校外学習や教育旅行、スポーツ合宿を実施する学生団体に対し、JRによる団体割引後の運賃及び特急料金のうち新宮─白浜間の運賃に相当する額の全額補助、四つ目が、特急くろしおの利用者で新宮駅東駐車場、それと白浜駅駐車場を利用される方に対して、1日分の駐車場料金の無償化の実証実験という施策が実施をされています。
一方で、民間団体と個人で構成する紀勢線の今後を考える協議会のくろしお部会が主催で、JR西日本和歌山支社と新宮─串本間沿線の高校生が鉄道の必要性や利用促進のアイデアについて意見交換を行う懇談会が開催されるなど、利用促進に向けた地域の関心が高まっている状況であります。
今後、JR紀勢本線の利用者を増やしていくためには、様々な利用促進策が必要と考えますが、県としては、来年度はどのような施策を実施していくのか、地域振興部長にお伺いをいたします。
○議長(岩田弘彦君) 地域振興部長赤坂武彦君。
〔赤坂武彦君、登壇〕
○地域振興部長(赤坂武彦君) JR紀勢本線新宮─白浜区間の利用促進については、県、沿線市町村、JR西日本及び和歌山大学で構成する紀勢本線活性化促進協議会新宮白浜区間部会で取り組んでおり、11月4日には、沿線市町村長等が出席した会議において令和8年度の事業について協議したところです。
令和8年度の事業としましては、議員御指摘の新宮─白浜間のICOCA利用によるポイント還元や校外学習等の利用に対する補助の継続に加え、特急くろしおの乗車回数に応じた商品券の付与や通勤・通学定期利用者への特急料金の補助、鉄道を利用した宿泊客に対するプレゼント等を行うこととしております。
さらに、引き続き、特急くろしおの1日1往復の増便実証実験が実施できるよう、国庫補助事業の採択に向けて部会の中で協議を行っていくこととしております。
県といたしましては、JR紀勢本線は、地域住民の日常生活だけでなく、世界遺産や南紀熊野ジオパーク、ロケットの打ち上げといった優れた魅力を持つ紀南地方への観光誘客にも欠かすことのできないものであることから、沿線の市町村や地域の皆様と力を合わせて守ってまいります。
○議長(岩田弘彦君) 佐藤武治君。
〔佐藤武治君、登壇〕
○佐藤武治君 どうも答弁ありがとうございます。
地域住民人口の減少、それから高齢化、自家用車依存の定着、通学需要の減少など、こういう局面でありますから、定住人口掛ける乗車率というんですかね、これだけの発想ではやっぱり限界があるというふうに思っております。県の新宮白浜区間部会、利用促進に向けた取組についてはしっかりやっていただきたいと思いますし、もうそれのほうがはるかに持続可能だなというふうには思っております。
乗車率を上げるだけではなく、今、部長言われましたように、観光客やインバウンドの客のように乗る人の種類です。これを変える、そういう発想も大事やというふうに思います。利用者減は、何もJRだけの責任ではないと思いますけれども、しかし、市町村だけの努力でも限界があると、このように思っております。データの共有というんですか、どこからどういう人が何人来てるのかなあとか、広域での観光動線づくりにしたり、あと観光施策と交通施策の一本化等について、総合的にひとつ検討して取り組んでいただきたいと、このように思います。
先日、カイロス3号機が何か来年2月25日頃に発射されるというような新聞記事が出ましたけれども、スペースワンから何も正式な発表はないです。恐らく今日あたりじゃないかというふうな気もしますけど、この後、田嶋町長もパーク・アンド・ライドで使用していましたあそこの駐車場、使用していた統合小学校か、その予定地がもう今、空き地が使えないという事態になっております。町長も、今後は電車を使うようにという談話をたしか出しておったというふうに思います。
こういうこともしっかりとJRに働きかけていただいて、前回も見物客、満杯というんか、すごかったんです。何か2両編成のあの電車ではなかなか、何ぼピストンやってもはけ切れないというか、非常に長時間待った方もおられるようですので、そういう点もやっぱり改善していく必要があるかなというふうに思っております。よろしくお願いいたします。
そしたら、次に、紀南地方の駅における利用向上についてお尋ねしたいと思います。
先ほど報告させていただいた木曜島に訪問した帰り、私も特急くろしおを利用して串本に帰ってきたわけでありますけれども、その際、一緒に行った方の中で、少し足が不自由な方も一緒でありました。
上り、大阪方面への利用時は、改札を出てすぐに前のプラットホーム1番線で利用できるわけですが、やっぱり帰りは、下り新宮方面の場合は跨線橋を利用し改札へ向かう、3番線に着くわけですね。その際、私自身もかなり大きなスーツケースを持って階段を上り下りしたんですけども、非常にやっぱり、年齢もありますけども、非常に不便だというんか、つらいなというふうに感じたところです。同行した方が足のちょっと不自由な方のサポートをしておりましたけれども、やっぱり体に障害を持った方が非常に利用しにくい駅だなあというのを改めて実感しました。もちろん高齢な方も利用しているようでありますけれども、大変な思いをしているよって聞いたこともございます。
地元地域の方だけではなく、県外から来る観光客に対しても同じ状況であるんではないかと考えます。利用促進の観点からも、利用しやすい駅舎が必要というふうに思いますので、串本町自身も、駅舎の利便性向上を目的にJR西日本にエレベーターの設置に働きかけを行いましたが、なかなか協議が調わずに、エレベーター設置には至っていない状況であります。利便性の問題については、串本駅のみならず、紀勢本線沿線のエレベーターのない駅が同じ状況だというふうに思います。
県として、駅舎の利便性について、JR西日本和歌山支社と検討や申入れを行っているのか、地域振興部長にお伺いをいたします。
○議長(岩田弘彦君) 地域振興部長。
〔赤坂武彦君、登壇〕
○地域振興部長(赤坂武彦君) 議員御指摘のとおり、駅は、地域住民や観光客の公共交通における結節点となるだけでなく、まちづくりの拠点ともなることから、その利便性向上は大変重要であると認識しているところです。
一方、紀南地方の駅については、1日当たりの乗降客数が2000人未満であり、国の移動等円滑化の促進に関する基本方針において、早急にバリアフリー化を行うべき駅の水準に達しておらず、整備が進んでいないのが状況であります。
県といたしましては、誰もが安心して鉄道を利用できるよう、エレベーターやスロープの設置など、沿線市町と改善策を検討しながら、JR西日本和歌山支社に対し申入れを行っているところであり、今後も、駅の利便性向上に向けて沿線市町等と連携しながら取り組んでまいります。
○議長(岩田弘彦君) 佐藤武治君。
〔佐藤武治君、登壇〕
○佐藤武治君 答弁どうもありがとうございます。
本当に私も利用したいというふうには思うんですよ。考えているんですけども、こうして議会中になると、串本からなかなか4~5日分の着替えとかいろんなものを持って電車に乗ることは、もう物理的に無理です。
そうした中で、やっぱり車を使うことになってしまうわけですけれども、一つ、素人考えでありますけれども、特急くろしおの上り下りのホームを分けずに、何か改札に近い、そのさっき言った1番線かな、ここで乗降できるように何かJR西日本とかに働きかけをお願いしてはどうかなと思います。もう全く素人なんで。そういうことも過去、串本町からも何か要望を出しているそうでありますけど、なかなかいい返事はもらえていないと、どういうふうに難しいのか、僕も実は分からないところがあります。
ただ、近くの古座駅では、どうも聞くと、線路を渡っているような話もあります。そういうのも一つ串本駅なんかでも考えていただいたら、少しは利用者の負担が少なくなるというふうに思うんです。ぜひとも一度JRと交渉していただきたいと思います。要望とさせていただきたい。
それから、先ほどインセンティブをつけた特急くろしお号の利用の施策と、少数かも分かりませんが、駅舎の利便性の向上と併せ、電車を利用される方を増やしていくことが特急利用、この目標人数というんですか、そこへ近づくことになるんかなあというふうに思います。その点もひとつよろしくお願いをしたいと思います。
本当に利用される方、近隣市町村の住民の方の中には、「近い将来、もうこれ廃線になるん違うかな」というふうに非常に心配する声も聞こえてくるわけです。やはり県としても、県民、住民の方に寄り添うという気持ちで今後対応していただきたいと、これも要望しておきます。本当に不便しかないというふうに考えますので、そういうふうな形でしっかりと県のほうの対応をお願いして、私の12月議会の一般質問を終わります。どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(岩田弘彦君) 以上で、佐藤武治君の質問が終了いたしました。
質疑及び一般質問を続行いたします。
35番小西政宏君。
〔小西政宏君、登壇〕(拍手)
○小西政宏君 それでは、もう早速ですが、議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問を行わせていただきます。
まず、1項目ですが、医療提供体制の維持についてお伺いをいたします。
特に、病院に対する財政支援について、小項目一つ目、聞かせていただきます。
和歌山県では、医療介護総合確保促進法に基づき、平成28年5月に和歌山県地域医療構想を策定しておられます。その中で、地域医療構想の果たすべき役割が記載されており、そこには以下のような記述があります。
「地域医療構想は、各構想区域において各医療機関の機能分化と連携を図り、高度急性期、急性期、回復期、慢性期から在宅医療に至るまで将来の医療需要を踏まえ、患者の病状に合った質の高い医療提供体制を構築しようとするものです」。すなわち、各地域単位で質の高い医療提供体制を確保しようという趣旨を書かれております。
私の地元である橋本市は、橋本二次保健医療圏に該当しており、紀和病院、橋本市民病院、山本病院、県立医科大学附属紀北分院の4病院が主な医療機関となっています。その中でも橋本市民病院は、紀和病院と並んで、この中でも最も規模が大きく、橋本市民のみならず近隣のまちや他府県からも患者が訪れていただいております。まさに橋本二次保健医療圏の中核をなす病院です。
そのような重要な病院ではあるが、令和7年3月に更新された橋本市民病院経営強化プランによると、令和5年度から令和9年度までの間、経常損益、純損益ともに赤字が見込まれており、経営が苦しい状況であります。これは、橋本市民病院だけの話ではないですけれども、六つの病院団体が合同で行った2024年度診療報酬改定後の病院経営状況の調査結果によると、61.2%の病院が経常利益で赤字となっております。全国の病院が経営難に陥っているということは、皆さんも御存じのことだと思われます。
一方で、これから行われる診療報酬改定作業において、ある程度の収支改善の方向には向かうと見込まれますが、人口減少に伴い、患者数も減っていく中で、医業収益の大幅な増加は望めない状況であります。
そこで、お伺いをいたします。
病院経営が苦しい中で、県はどのような財政的支援を行っていく方針か、福祉保健部長の答弁を求めます。
○議長(岩田弘彦君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
福祉保健部長𠮷野裕也君。
〔𠮷野裕也君、登壇〕
○福祉保健部長(𠮷野裕也君) 病院に対する支援としては、国から交付された重点支援地方交付金等を活用し、光熱費などの物価高騰対策や業務の生産性向上、職場環境改善に係るタブレット端末などのICT機器の導入等に対する支援を実施してきたところです。
さらに、国の令和7年度補正予算における医療・介護等支援パッケージにおいて、診療に必要な経費に係る物価上昇への的確な対応や物価を上回る賃上げの実現に向けた支援が示されたところです。具体的な病院への支援としては、1床当たり19万5000円と救急対応状況等に応じた加算などとなっており、国から各病院へ直接交付されることとなっています。
○議長(岩田弘彦君) 小西政宏君。
〔小西政宏君、登壇〕
○小西政宏君 答弁をいただきました。ありがとうございます。
この病院の経営の厳しいという問題については、それこそ私の地元の中本県議も議会で取り上げていただいて、橋本、伊都の二次医療圏の物事については、ダウンサイジングであるとか、また病床の再編とか、そういったところの対策ということは、先輩が聞いていただく上で進めていただけると聞いていますので、そういった点については、今、財政支援のことについてもお話をいただきましたので、引き続きお願いをさせていただけたらと思います。
そういった中で、特に公立病院に限ってお話をさせていただけたらと思っています。公立病院というのは、一言で言うと採算性が低いところを担っていると、小児医療とか周産期医療とか、そういうところを担っていますから、ほかの民間さんの病院に比べると、やっぱり経営というのは、今後、ますます厳しいというのは思います。
そういった中で、地元の橋本市民病院においてお話をさせていただくと、やっぱり中核をなす橋本市民病院がなくてはと、橋本市民の方々も来てくれていますが、かつらぎ、高野、九度山の方々も来ていただいている本当に重要な病院であると考えたときに、圏域として支援していく、これも本当にありがたいし、引き続きお願いしたいけども、そもそも公立病院自体が倒れてしまうんじゃないかみたいな、そんな不安も強く危惧をしているところであります。
そこで、お聞きしていきたいのは、お話をさせていただいたみたいに、橋本市民病院が今、1市で責任を持ってやっていただいています。ですけど、外来にしろ、入院にしろ、実際橋本市民の方といったら大体4割強ぐらいと聞いていますから、それこそ広域で、例えば一組なんか、そんな感じで経営していくというのも、1個の負担のこの責任を軽くしていくというか、病院を維持していくという中では非常に有効な手段なのかなあというふうにも考えたりもしています。というのは、県内で見ても、那賀病院さんとか、ひだか病院さんとか、紀南病院さんについても、一組みたいな取組をしながら経営をしていただいておると聞いています。
そこで、お聞きをしたいのですが、公立病院について、一組のように複数の市町村による広域経営にシフトしていくべき、これはまた繰り返しになりますが、私はこういうことも一つだと考えています。その上で、県の考えをお伺いしたい。
そして、広域経営にシフトする際に、県による支援策はあるのか、ここを知事の答弁を求めさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○議長(岩田弘彦君) 知事宮﨑 泉君。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 議員御指摘の橋本市民病院はじめ、有田市立病院や新宮市立医療センターなどは、それぞれの市町が単独で病院を運営しております。
今後も、病院を取り巻く経営環境はより厳しくなることが予想されることから、地域の中核である公立病院の経営体制を持続可能なものとすることが必要であります。具体的には、圏域内の市町村が一部事務組合を設立し、共同で病院を運営することは、経営基盤の安定と圏域全体の医療の充実につながることから、有効な選択肢であると考えます。
一部事務組合の設立に向けては、市町村が地域の医療は地域全体で支えるという共通認識の下、主体的に議論を進めていくことが重要であると考えます。
また、地域の医療提供体制は、公立・公的病院を中心に民間病院、診療所等がそれぞれの役割を担い、互いに連携することで成り立っており、その状況は医療圏ごとに異なることから、一部事務組合の設立に関しましては、地域の実情を踏まえた丁寧な検討が必要であると認識をしております。
その上で、市町村が一部事務組合による病院経営を目指す場合は、県としても必要な支援に向けて検討をしてまいりたいと、このように考えています。
人口減少下において、地域の医療提供体制を確保していくためには、一部事務組合による公立病院の経営強化に加え、地域の医療機関におけるダウンサイジングや再編統合も視野に入れた一層の機能分化と連携を図る必要があると考えます。
県としましては、引き続き、各医療圏において医療機関や関係市町村との議論を進め、地域にとって最適な体制づくりに取り組んでまいります。
○議長(岩田弘彦君) 小西政宏君。
〔小西政宏君、登壇〕
○小西政宏君 答弁ありがとうございました。
もちろん公立病院で各市町村さんが経営をしていただいて、地域地域の実情はありますので、その皆さんがどうするか、どうしたいかということはもちろんありますから、そこを踏まえた上でというのはもちろんのことですけども、もし各市町村の中でそういった方向性が出てきたときには、県としても必要な支援に向けて検討してまいりますということで答弁いただきましたので、またその際には、引き続き御支援をいただきたいということをお願いをさせていただけたらと思います。
それでは、次の項目へ進めさせていただきます。
今後の教育の在り方についてということでお伺いをします。
令和5年9月議会の一般質問において、三栖議員からの質問に対して、前岸本知事は次のように答弁をされていました。「これからの和歌山の子供さんたちには教科書を覚えて参考書を勉強して正解のある答えを解くような教育は要りません。自分で問いをつくる能力をどうやって持ってもらうかと、そういう教育をぜひしてもらいたい」というふうに答弁がありました。
もちろん今まで取り組んできていただいている教育というのも重要ですし、感謝を申し上げたいと思っておりますが、そこについて思うこと、やっぱり教室を飛び出して様々な、経験を子供たちには、していただきたいと、ひいては生きる力をつけていただきたいというふうに私も強く思うところであります。
そこで、お伺いしたいことは、前知事は、自ら問いをつくる能力を身につける教育を推進するとおっしゃっていただいておりますが、そのことに関して、改めて知事の考えをお伺いしたいと。そしてまた、今後、どのような取組を行っていくおつもりであるのか、併せて教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○議長(岩田弘彦君) 知事。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 現代社会は、変化が早く、情報量も膨大で、生成AIなどの技術革新もあり、これまで以上に子供たちは答えのない社会と向き合うことになります。これからは、新しい技術をうまく使いこなしながら、創造的に生きていく力をつけていかなければなりません。
私も、岸本知事時代に教育長をやっておりまして、いろいろ知事とも議論をいたしました。まさに、おっしゃっている自ら問いをつくる力というのは本当に大事なことでありまして、今、世界で日本はどんなところにいるんだということをしっかりと考えながら、取り組まなければいけないなというふうに感じました。
自ら問いをつくる力というのは、自ら設定した課題について情報を収集し、吟味しながら探求する力や論理的に思考し解決策を導き出す力の基礎となるもので、こうした社会の変化において欠かせない能力の一つであります。
学校では、子供たちが地域のよさや課題に気づき、人と交わりながら活性化や解決に向けて試行錯誤する探求的な学びを広げることで、自ら問いをつくる力を育む教育を進めてまいりたいと考えております。また、その中で、幼い頃から地域社会に参加する経験を重ね、自分も誰かの役に立ち、活躍できるんだという実感を育んでいけるよう取り組んでいきたい、このようにも考えております。
知事として県内を回る中で、これまで経験したことのないスピードで進む人口減少、地域の活気に影響する過疎化、それから産業を動かす労働力の不足など、様々な現状や課題を痛感してまいりました。子供たちには、ふるさと和歌山で培った自ら問いをつくる力を生かし、課題に直面しても、それを乗り越え、やがては和歌山の未来をつくる人材に育ってもらいたいと願っております。
このような方向性を教育委員会と共有しながら、これからも子供たちの学びや成長を支えてまいります。
○議長(岩田弘彦君) 小西政宏君。
〔小西政宏君、登壇〕
○小西政宏君 ありがとうございます。引き続きよろしくお願い申し上げたいと思います。
それでは、3項目に入らせていただきます。
過疎地域等における交通手段の確保についてです。
日本は、超高齢化社会にもちろん突入しておりまして、過疎地域等においてはその傾向が顕著であります。和歌山県の高齢化率は、令和7年1月1日現在で33.9%であり、全国で11位、近畿府県内では1位という状況でもあります。
高齢者になると身体能力が低下してくることから、運転免許を返納せざるを得なくなってくる。そうすると移動手段がなくなるので、電車やバスなどの公共交通を利用することになる。人口減少に伴って利用者数が減ってくるため、収益性の観点から公共交通も少なくなっていき、結果、交通手段が何もなくなるという状況に陥っていると思います。そうならないためには、自治体が主体的に交通政策を応援、推進をし、高齢者をはじめとする地域の足を確保していく必要があるのは言うまでもありません。
全国の自治体では、予約制の乗合タクシーやオンデマンド、公共ライドシェアなど、地域住民の交通手段を確保するために様々な取組が進められています。るる議会でも、和歌山県内の公共交通について様々議論、先ほどもありました。大きな交通、JRさんであるとか、こういった大きな交通というところについてももちろん重要ですし、そこがないと和歌山ってやっぱり駄目ですから、そこはそこで支援をしていっていただくというのはもちろん必要だと思います。
今回、私がお話しさしていただきたいのは、本当に過疎、本当に人が少ない小さな集落で、これどうしていくのかという、そんなところにポイントを絞らせていただけたらと思うんですが、そういった中で私が注目しているのは、大阪の河内長野とかで導入されているグリーンスローモビリティ、クルクルという名前でやられています。本当にヤマハ製の7人乗りの電動ゴルフカートを使用して、自動運転で運営されています。
運行自身は、地域住民が主体となって、社福とか市が支援しておるわけでありますけども、ここで注目しているのは、私は2点あると思っていまして、1点目は自動運転であります。レベル2ですけども、レベル2でも自動運転でやっていただいていますから、やっぱり通常の運転に比べて安全性は圧倒的に高いんじゃないのか、そういうふうに思います。
2点目は、運転手の方が、運転手って言っていいんですかね、座っている方がいてくれていますから、乗客同士がそこで会話が生まれる。時には、「その方にしゃべりに行くためにこの自動運転に乗りにきとるんや」と、そんな声もありました。ちょっと聞いてみると、この取組のコンセプトは、「『のりあい』から『ふれあい』へ」というふうなコンセプトをしていただいていまして、単なる乗り物というだけではなくて、地域住民の触れ合いの機会としても活用されています。ですから、本当に隣近所の交流が少なくなってきている今の時代においても、交通手段の確保をしっかり目的として持ちながら、地域住民の交流を促すという非常にすばらしい取組であるかなというふうに私も感じてきました。
そこで、改めてお伺いしたいことは、全国で様々な取組がなされていますけども、過疎地域における交通手段の確保について、県としてどのように取り組んでいくのか、地域振興部長の答弁を求めます。
○議長(岩田弘彦君) 地域振興部長赤坂武彦君。
〔赤坂武彦君、登壇〕
○地域振興部長(赤坂武彦君) 議員御指摘のとおり、県内の人口減少が進む中で地域公共交通を取り巻く環境は、利用者の減少や運転手の担い手不足等により、大変厳しい状況にあると認識しております。
県では、地域公共交通を維持、確保していくため、路線バスを運行する交通事業者への支援を行うとともに、地域のニーズに合わせた交通の実証事業への助成や市町村へのアドバイザー派遣などを行い、公共ライドシェアやAIデマンドバス等の導入を促進してきたところです。
さらに、令和8年度からの重点施策として、地域公共交通の現状把握と課題分析を行い、市町村単位の取組だけでなく、広域的な連携も視野に入れた地域公共交通の再構築等に取り組んでまいります。
○議長(岩田弘彦君) 小西政宏君。
〔小西政宏君、登壇〕
○小西政宏君 答弁ありがとうございます。令和8年度からのもちろん重点施策として、公共交通の現状把握と課題分析を行い、再構築に取り組んでいっていただけるというふうに答弁をいただきました。
本当に高齢化が進む中で、何が言いたいかというと、大きな交通網は本当に必要です。過疎って人口が減っていきますから、そういった中では、それらももちろん重要、やっていただくけども、小さな交通、こんなことも非常に重要になってくると思います。通勤・通学、これも大事ですけど、それこそ医療とか買物、こんなところに公共交通のニーズは一定変わっていく部分というのも現実としてありますので、そういったところもぜひ、踏まえていただいていると思いますけども、また県の御尽力をいただくことを要望、期待をさせていただきまして、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(岩田弘彦君) 以上で、小西政宏君の質問が終了いたしました。
これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
この際、暫時休憩いたします。
午前11時0分休憩
────────────────────
午後1時0分再開
○議長(岩田弘彦君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
質疑及び一般質問を続行いたします。
24番谷口和樹君。
〔谷口和樹君、登壇〕(拍手)
○谷口和樹君 皆さん、こんにちは。谷口和樹でございます。
まず、青森地震で被災された方々に謹んでお見舞いを申し上げます。また、能登半島地震でまだまだ元の生活に戻れていない皆様方にも、一日も早い復旧・復興をお祈りいたします。
8月の頭に、1年前から申し込んでいました復旧のボランティアで能登の珠洲市のほうに行ってまいりました。半島復旧・半島復興、この難しさというのを大変痛感して帰ってきました。一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げまして、1問目の質問に入ります。
神島高校の募集定員数削減の意図について質問いたします。
論点は、なぜ近5年、定員充足率が丸々1クラス分足りていない学科があるのに、先に充足率の高い神島高校を減らすのかということです。2026年度の和歌山県立高校募集定員が公表され、田辺西牟婁地域において、神島高校の募集定員が1クラス減となりました。しかし、資料にもございますけれども、周辺6校の直近5年の募集定員に対する志願者充足率を比較すると、神島高校は安定的に高い充足率を維持しており、特段、志願者確保に苦戦している学校とは言い難い状況にあります。さらに注目すべき点として、全国的にも知名度の高い神島屋をはじめとした周辺6校の中でも高い部活動参加率で、地域にとっても貴重な教育資源であります。
このように、学校として一定の教育力、求心力、安定した志願動向を持つ神島高校に対して、なぜ近5年、1クラス分丸々充足していない学科があるのに、先に充足率の高い神島高校を減らすのかという大きな疑問が生じており、県教委の判断基準への透明性が求められています。
そこで、以下の点について御説明をお願い申し上げます。
一つ目、6校の充足率比較と神島高校を削減対象とした具体的理由、直近5年の充足率を比較すると、神島高校は地域内でも比較的高い水準を維持してきています。他校では定員割れが続いた年度も見られ、数字だけでは神島高校が削減対象になる理由を読み取ることは困難です。県教委としてどの指標をどれだけ重視し、どのように総合評価したのか、県民が理解できる形で明確に示していただきたいと思います。
二つ目、部活動参加率の高さをどう評価したのか。
部活動は、生徒の学習意欲の向上や進路形成に寄与することが多く、学校の魅力・活力、地域との結びつきに欠かせない重要な教育活動です。今回の定員削減に当たり、部活動参加率の高さが教育的価値としてどの程度判断材料に含まれたのか。規模縮小により、部活動の存続・活動に不利益が生じる懸念への対応策はあるのか、明確な説明をお願いしたいと考えています。
三つ目、地域バランスと進路選択への影響。
田辺・みなべ・西牟婁地域は広範囲であり、公共交通も限られていることから、田辺駅から近い神島高校は、通いやすい普通科高校として大きな役割を果たしてまいりました。県教委として、生徒の通学負担をどのように位置づけているのかを伺いたいです。
以上の点について、地域の子供たちの学びに関わる重要な問題であるため、より丁寧で具体的な御説明を改めて教育長にお願い申し上げます。
○議長(岩田弘彦君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
教育長今西宏行君。
〔今西宏行君、登壇〕
○教育長(今西宏行君) 令和4年3月に策定した県立高等学校教育の充実と再編整備に係る原則と指針では、1学年当たりおおむね6学級を目標に適正な学級数を設定し、普通科や専門学科など、各学科間のバランス等を踏まえつつ、募集定員を決定することとしています。さらに、中学校卒業生生徒数等も考慮し、和歌山の子供は和歌山で育てるという考えの下、他府県に比べて募集定員に余裕を持たせています。
議員御指摘の充足率の高さについては、学校としての評価はしておりますが、募集定員の大きな要因とはしておりません。田辺・西牟婁郡地域やその周辺地域の高校においては、近年では、令和2年度に田辺高校普通科と南部高校普通科をそれぞれ1学級減、令和7年度に南部高校の全ての学級を35人募集とするなど、募集定員を減じてきました。
今回、当地域では、昨年度に引き続き中学校卒業生徒数が減少する状況にあり、各学校の規模や地域に必要な産業系専門学科の規模等から総合的に判断し、神島高校経営科学科を1学級減としました。
部活動については、各学校によって加入率の差はありますが、加入率や成績をもって部活動を評価するものではないと考えており、募集定員の判断材料としても考えていません。各学校の規模が縮小する中でも、少しでも生徒がやりたい部活動を守っていくためには、他校と合同チームを組んだ活動を行うなど、別の形で活性化を模索していくことも考えられます。
通学については、原則と指針の策定に当たり広く意見等を公募する中で、通学時間は自宅からおおむね1時間程度以内であることが望ましいという意見が寄せられました。議員御指摘の6校への通学時間は、紀伊田辺駅を中心に公共交通等を利用すると最も遠い学校で約30分程度と想定しており、原則と指針に沿った形となっていると考えます。
今後、各学校の規模の縮小は避けられない中においても、自宅から通学可能なところに多様な学び方と活気がある高校を整備するという方向性を維持してまいります。
○議長(岩田弘彦君) 谷口和樹君。
〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 御答弁をいただきましたけども、なかなかすんなり腑に落ちる御回答ではなかったように思います。
近5年、充足率40%で1クラス分丸々充足していない学科より、ほぼ100%充足する学科を削減すると、疑問が生じるというのは当然です。なぜなら、充足していない学科を調整しても生徒数は変わらず困ることはないですが、充足率が高い学科は、行きたい生徒が行けなくなるからです。定員充足率を考慮しないと言いますが、定員充足率というのは受験者のニーズです。1分でも通学時間がかからないように、1分でも勉強できるように、1分でもクラブ活動ができるように、1分でも休めるように、そう考える生徒や家族のニーズを考慮するのは当然かと考えます。そしてまた一方で、充足率の低い状態が数字で出続ける集まらない学科と言われること、このことを放置することは、そこに通う生徒のためにもならないのではないかと考えます。
お答えを聞いて、腑に落ちるプロセスや評価基準と受け取るのは困難かと感じています。ただ、いろいろ申し上げたいところではございますが、未来に向けて、三つ提言させていただきたいと思います。
定員充足率、部活動加入率、通学負担、以上を今後の基準にして、きちんと数字とデータ、これを参考にしながら決めていただくように、基準としていただきますように要望をいたしまして、次の質問に入ります。
二つ目、養育費未払い家庭へのサポートについて。
離婚後に親権を持つひとり親家庭の立場から、和歌山県における子供の福祉向上の観点で提案を申し上げます。
令和8年4月に施行される民法等の一部改正は、離婚後の子供の利益を最優先に位置づけ、親権や面会交流、そして養育費の履行確保に関する制度を大きく見直すものです。特に養育費の支払い確保策の強化は、ひとり親家庭の生活安定、さらには子供の健全な育成環境を保障する上で極めて重要であり、本県のひとり親支援の政策とも深く関わるテーマです。
和歌山県の実態を見ると、課題は明確です。県内の離婚件数は、令和5年で1466件、ひとり親世帯は1万59世帯にも上ります。さらに、令和5年度ひとり親家庭等実態調査では、養育費に関する取決めや支払い状況について、「取決めがあって支払いもされている」は29%にとどまり、「取決め自体がない」が42.4%、「取決めはあるが、支払いがない」が13.6%、「途中まで支払いあり」が11.9%と、半数以上の家庭で安定的な養育費の受給ができていない現状が明らかになっています。
養育費の不払いは、単なる家計上の問題にとどまらず、子供の生活、教育環境に直接影響し、将来の貧困リスクとも密接に関連します。また、不払いによって生活が逼迫すれば、行政の福祉支援の必要性が高まり、結果的に、県財政にも大きな負担が生じます。したがって、養育費の支払いを確保することは、子供の権利保障だけでなく、県としての持続可能な社会保障体系を維持する上でも不可欠な政策です。
今回の民法改正においては、養育費債権に先取特権が付与され、父母が私的に作成した文書であっても差押えが可能となり、未払いに対する法的強制力が強まりました。また、新たに創設される法定養育費制度により、離婚時に取決めがなくても、監護している側は月額2万円の法定養育費を請求できる制度が導入されます。さらに、裁判手続においては、財産開示、情報提供命令、差押え命令を一体的に申し立てることが可能となり、支払い確保のための手続が大きく簡素化されます。
これらの制度改正は、全国一律で適用されるものである一方、制度が適切に活用されるかどうかは、地域の相談体制や支援機関の連携に大きく左右されます。すなわち、県がひとり親家庭へ必要な情報を届け、専門的支援につなげる体制を整備しなければ、制度の効果は十分に発揮されません。
和歌山県では、これまでも母子・父子自立支援員による相談支援、法テラスとの連携、養育費確保に関する情報提供などを行ってこられたと承知していますが、未払い事案が多数に上る現状を踏まえれば、改正法施行を機に、支援体制を一層強化することが不可欠です。
具体的には、法定養育費制度の周知、取決め支援の充実、面会交流支援との連動、市町村や家庭裁判所、法テラスとの協働強化、さらに未払い事案への継続的フォロー体制など、取り組むべき課題は多岐にわたります。
そこで、お聞きをいたします。
養育費の支払い確保について、これまで県としてどのように取り組まれてきたのか、そして今回の民法改正を踏まえ、今後どのように支援体制を拡充し、ひとり親家庭と子供たちの生活安定に取り組んでいかれるのか、知事のお考えを伺います。
○議長(岩田弘彦君) 知事宮﨑 泉君。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 養育費の未払い家庭のサポートということでお答えをいたします。
県では、養育費の確保を支援するため、平成13年度から実施していた無料の弁護士相談に加え、令和4年度から、公正証書の作成費用や民間との養育費保証契約の締結費用など、支援を実施しているところであります。議員から説明があったとおり、令和8年4月から施行される民法等の一部を改正する法律により、養育費の支払い確保に向けた制度が充実します。
県としましては、ホームページや「県民の友」をはじめ様々な機会を通じて、県民の方々に法改正の内容や県の養育費確保事業を発信してまいります。あわせて、市町村などの関係機関との連携を一層強化することで、ひとり親家庭と子供たちの生活安定に取り組んでまいります。
○議長(岩田弘彦君) 谷口和樹君。
〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 ぜひよろしくお願いいたします。
それでは、三つ目の質問に入ります。
わかやまフィルム・コミッション事業についての質問です。
来年20周年を迎えるわかやまフィルム・コミッション、和歌山県のプロモーションとして大きな効果がある映画、テレビ、CMなど撮影の誘致と撮影支援、いわゆるフィルム・コミッション事業について、20周年のお祝いを申し上げるとともに、今後に向けて質問をいたします。
その前に、少し遡りながらお話しをさせていただきます。
来年20周年を迎えるわかやまフィルム・コミッションの設立に至っては、20年前に県のシネマーケティング事業として、田辺市周辺で撮影された安田真奈監督の映画「幸福のスイッチ」という作品の撮影まで遡ります。当時、この映画「幸福のスイッチ」の撮影をきっかけに、映画で和歌山を全国にプロモーションしよう、ロケ地巡りなどロケツーリズムをつくっていこうと、県が旅行大手JTB様、映画配給会社の東京テアトル様と進めたのが県企画部担当の事業、シネマーケティングでした。
当時、自治体が出資した映画が公開されないで終わることもあった時代に、自治体が出資した映画の公開が保証されているという驚くほど秀逸なパッケージでした。私は、撮影地に選ばれた田辺市の真砂市長に言われてつくった地元のわかやまフィルム・コミッション傘下にある民間のフィルム・コミッションの創設メンバーで、地元の田辺商工会議所青年部の皆さんや町の電気屋さんであるパナットグループさん、その他多くの市民の皆さんと一緒に「幸福のスイッチ」の撮影をサポートしました。
県のシネマーケティング事業でいうと、事業として秀逸だというのは先ほど申しましたけれども、初めてということで、説明も理解を得るのも大変だったと記憶しているのですが、同時に、とにかくその当時の県の担当職員さんたちが本当にすごくて、特にその中でも、日根かがりさんという職員は、動かない組織のおじさんや口だけ出す役職のおじさんたちをねじ伏せたり説き伏せたり、そしてまた、関わる大手の企業などに対しても、県民の税金を出している和歌山県として、絶対事業を進める上での主導権、これは私が握るんだと完全に事業をグリップしながら奮闘をされていたのを記憶しています。
当時、まだ20年前ですので男性社会がきつくて当たり前のように男性のほうが有利に評価されていた時代に、やっぱり今はこのぐらい何倍も苦労するんだなと見ていて不条理に感じつつも、その上で結果を出していく姿に、やっぱりこれくらい優秀じゃないと県庁の職員さんにはなれんのやなあと、純粋に当時は尊敬をしたのを覚えています。
とにかく日根さんだけでなく、すごい職員さんたちの活躍を目の当たりにしたのですが、ちなみにその当時、同じチームで辣腕を振るわれていた方々の中に、今西教育長がおられたことも一応触れておきます。
県のシネマーケティングで撮影した「幸福のスイッチ」をきっかけに、先月、19回を開催した今や若手の登竜門、活躍した監督や映画スタッフは田辺系と言われるまでに全国区に成長した田辺・弁慶映画祭は、県も立ち上げ支援もして、地元の皆さんと共に生み出されたわけです。大きく花開いたあのときまいた映画でまちおこしの種がこんなに大きくなったよと、当時御支援いただいた、関わった全ての職員さん、そして皆さんに伝え、喜びを分かち合いたいと思います。同時に、映画祭のようにフィルム・コミッションも成長してほしい、そういう意味で質問に入らせていただきます。
まず、支援対象のうち映画についてですが、日本国内の邦画公開本数の変化について申し上げます。
一般社団法人日本映画製作者連盟の統計によりますと、資料にもありますとおり、2005年に国内で公開された邦画は356本でしたが、直近の2023年は676本、2024年は685本と報告されており、このおよそ20年の間に、邦画の公開本数は、ほぼ倍近くまで増えております。これは全国的に映画がたくさんつくられ、そのロケ地として使われる地域もチャンスも、そのものが大きく増えているということであります。
私は、税金を使って行う公的な事業というのは成長していくべきだと考えております。邦画公開本数の増加は、ロケの需要そのものが増えているという分かりやすい指標ですから、その需要をどれだけ取り込めているかは、フィルム・コミッション事業の成長ぶりをはかる上で非常に重要な視点であると言えます。
次に、他府県のフィルム・コミッションが映画、テレビ、CMなどの撮影誘致で、実際にどのように地域効果を生み出しているのか、具体的な例を三つ挙げます。
一つ目は、神戸フィルムオフィスです。
神戸では、2023年度に支援した作品による直接経済効果が約4億2600万円と、公表開始以来の過去最高となりました。内訳としては、撮影隊による宿泊費、飲食費、交通費、機材レンタル、施設利用料、セット施工料、警備費など、ロケ期間中の現場での支出が地域の売上げとして積み上がっております。ロケを受け入れることで、地元のホテル、飲食店、交通事業者、建設業者など、幅広い事業者にお金が落ちているという大変分かりやすい地域経済効果が生まれています。
二つ目は、北九州フィルムコミッションです。
北九州市では、令和5年度に41作品の撮影を支援し、約1億円の経済波及効果があったと報告されています。過去の年度には、撮影本数44本で直接効果5億円台、経済波及効果7億円台、延べ3万泊に及ぶ宿泊実績が報告されており、ロケ誘致イコール一時的な話題づくりにとどまらず、宿泊、雇用、まちのイメージアップを伴う継続的な地域振興策として機能していることが分かります。
三つ目は、栃木県フィルムコミッションです。
栃木県では、2024年度の撮影件数が57件に達し、県内で消費された直接的経済効果は約1億1200万円と、過去5年で最高だったと報告されています。県は、この事業を県のイメージアップや観光誘客、地域活性化につなげる、ロケ地を観光資源として有効活用すると明確に位置づけており、ロケ終了後も、ロケ地マップやPRなどによって作品の舞台を訪れる聖地巡礼のような観光につなげている点が特徴であります。
このように、邦画の公開本数が全国的に増える中で、他府県のフィルム・コミッションは、一つ、ロケ隊の滞在による宿泊、飲食、交通などの売上増、二つ目、エキストラ参加や雇用を通じた市民参加と人材育成、三つ目、ロケ地を生かした観光誘客と地域イメージの向上という三つの大きな地域効果をしっかり生み出し、成長する事業として動いております。
本来であれば、豊かな自然や歴史、世界遺産熊野古道など、全国に誇れるロケ地を多く持つ和歌山県も、この流れに乗って同じように実績を伸ばしていてよいはずだと考えます。しかし、和歌山県フィルム・コミッションの実績推移を見ますと、必ずしもそうなっているとは言い難い現状にあります。
公益社団法人和歌山県観光連盟の事業報告によれば、直近5年のロケ支援数はおおむね16件から27件の範囲で推移しております。つまり、一定の件数は維持しているものの、神戸、北九州、栃木のような成長傾向にはまだまだ十分に乗り切れていない状況だと受け止めております。
邦画公開本数が2005年比で約2倍近くに増え、他府県のフィルム・コミッションが支援件数や経済効果、観光誘客といった成果を伸ばしているのに対し、和歌山県の数字が横ばいに近い状態にとどまっていることは、成長すべき事業という観点から大きな課題であると言わざるを得ません。
加えて、わかやまフィルム・コミッションは、2006年2月の設立から数えて、2026年に20周年という大きな節目を迎えます。この20年を、これまでの歩みを振り返るだけの年にとどめるのではなく、ロケ支援件数や経済効果、観光への波及効果をもう一度伸ばしていくための再スタートの年として位置づけることが重要ではないでしょうか。
邦画公開本数の増加という全国的な追い風、神戸・北九州・栃木などの成長事例、そして、自らの20周年という節目が重なる今こそ、和歌山県フィルム・コミッションを改めて地域に実益のある成長事業として強化していくチャンスだと考えます。
邦画公開本数が2005年比で2倍に増加している一方で、和歌山県フィルム・コミッションのロケ支援件数が、直近5年、成長傾向にはまだまだ乗り切れていない現状を県としてどのように捉えているのか、また、支援件数、経済効果、観光誘客などについてどのような目標値を設定し、今後取り組んでいく予定か、知事にお聞きをいたします。
○議長(岩田弘彦君) 知事。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 和歌山のフィルム・コミッションの事業についてでございます。
ロケ誘致は、直接的な経済効果に加え、放映開始後にロケ地情報を発信するなど、観光客の増加や周辺観光地への周遊にもつながることから、観光振興に大いに寄与するものと考えております。そのため、和歌山県観光連盟が2006年にわかやまフィルム・コミッションを立ち上げ、ロケ地探しに必要な情報をホームページで発信するとともに、制作会社等のニーズに応じたロケ地の提案や撮影時の同行・調整などの支援を行っております。さらに、国内外の映画関係者が一堂に会する全国ロケ地フェアに出展し、個別商談など誘致活動にも取り組んでまいりました。
これらの取組の結果、近年では、映画「はたらく細胞」や「TOKYO MER」がロケ実施に結びつきました。また、現在、大ヒット上映中の「国宝」については、放映開始後に県公式観光サイトでロケ地情報の発信を行ったことで、劇中で印象に残るシーンが撮影されたホテルを多くの方々が訪問するなど、大きな効果をもたらしております。
しかしながら、これまでのプロモーション活動において、制作する映画等の世界観と合わず、ロケ誘致に結びつかない事例もあります。このことから、目標件数の設定まではできませんが、今後、新たな撮影候補地の掘り起こしにより、誘致件数が増えるよう取り組んでまいります。
○議長(岩田弘彦君) 谷口和樹君。
〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 続いて質問します、再質問。
フィルム・コミッションが県民に好意的に浸透して、なおかつ支援実績を上げながら事業として成長するチャンスを考える上で、まず、地元でまだまだ生かし切れていない取組を御提案させていただきます。
和歌山県として検討すべき大きな可能性として、県内で全国的な評価を高めつつある田辺・弁慶映画祭に便乗したロケ誘致戦略の強化が挙げられます。
同映画祭は、わかやまフィルム・コミッションと同じく来年20周年を迎え、現在はインディーズ映画界の登竜門として認知され、若手監督の発掘・育成に優れた、国内独自のポジションを築いています。この映画祭に、言わば分かりやすく言えば便乗し、フィルム・コミッション事業に連動させることで、県全体のロケ誘致力を1段階引き上げることが可能だと考えます。
具体的な連携策としては、第1に、映画祭との連携による県内ロケ推奨です。
映画祭応募作品のうち、県内ロケを実施した作品を対象にした特別賞や制作支援枠を設けることで、若手映画人の和歌山で撮りたいという動機を直接醸成できます。これにより、制作初期段階からロケハン、許認可、地域連携をフィルム・コミッションが支援でき、地元との関係性構築にもつながります。
第2に、映画祭開催期間を生かしたロケ誘致マーケットの設置です。
監督、プロデューサーと県、市町村、ロケ地管理者が直接対話できる商談会を設け、和歌山で撮るメリットやロケ地バリエーションを訴求する場を形成することで、具体的な案件の創出が期待できます。映画祭が、作品を見る場だけでなく、撮影プロジェクトが立ち上がる場となり、地域産業としての映画制作の循環をもつくり出せます。
第3に、映画祭を通じたメディアとの接点拡大です。
映画祭プログラムにロケツーリズム企画を組み込むことで、映画祭自体が広報拠点となり、和歌山のロケ文化を全国へ発信する効果が高まります。
田辺・弁慶映画祭を核に、映画制作、観光、地域文化の連動が生まれれば、県全体のフィルム・コミッション事業の活性化に大きく寄与するものと考えます。知事の御意見を伺います。
○議長(岩田弘彦君) 知事。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) フィルム・コミッションに関する再質問になりますが、田辺・弁慶映画祭を活用したということで、考え方を述べさせていただきます。
来年20周年を迎えます本映画祭は、今後の活躍が期待される新人監督の登竜門として大変注目されておりまして、映画の魅力を伝える文化的な面だけでなく、映画関係者との交流の場も設けられていることから、地域振興の面からもすばらしい取組として認識をしております。
議員御提案の田辺・弁慶映画祭、これだけに限らず、本県へのロケ誘致に効果的と考えられる取組につきましては、積極的に協力をしてまいりたいと思っています。
○議長(岩田弘彦君) 谷口和樹君。
〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 ぜひよろしくお願いします。
ただ一つ、ちょっと前に行きますけども、事業ってやっぱり数値目標の設定って大事だと思うんです。ぜひ今後進めていく上で、フィルム・コミッションの支援実績というのが、目標件数、やっぱり設置しながらやってもらえたらなと思います。成長のモチベーションも上がりますし、ぜひよろしくお願いします。
また、当時振り返りますと、今西教育長もその当時活躍をされておりましたので、学生にデジタルコンテンツ制作の体験学習という意味でも、田辺・弁慶映画祭というのはすごく意味のある場所なんじゃないかなと思っています。そういうことにぜひ使ってほしいなと思いながら。
これはもう本当に要望なんですけども、やはり撮影のボランティアサポート、フィルム・コミッションですけども、県民の中でもやっぱり好きな人が関わるというのが一番大事なことだと思うんです。担当部局だけでなくて、県民全体で映画の誘致支援、そしてやっぱり文化の醸成って考えたときに、このボランティアの団体って絶対必要だと思うんです。ぜひ県民全体でボランティア団体の編成、特に好きな人を集めていただいて取り組んでいただけたらなあと思います。要望いたしまして、次の質問に入りたいと思います。
続きまして、4番目の質問です。
大阪・関西万博を受けてのデータ連携基盤構築及びオープンソース義務化の必要について質問いたします。
まずは、大阪・関西万博への県の取組について、御慰労と敬意を表したいと思います。
議会冒頭の知事説明にもありましたとおり、関西パビリオン和歌山ゾーンでは、目標30万人を大きく上回る47万人が来場したこともそうですが、そのこと以上に、県民をお客様ではなく大阪・関西万博出演・出展者として、かけがえのない体験をして、後の活躍継続につながる経験にしようと、どこよりも取り組んだ和歌山県の取組に、特に私は感銘を受けています。
せんだっても、田辺市の秋津川炭琴サークルのコンサートにおいて、大阪・関西万博に出演という自己紹介がありました。期間中に出演・出展された個人・団体は約50ということですが、その皆さんに、今後につながる誇らしいキャリアを提供したと思います。
企画から交渉、移動手段や入退場の手配まで、大変な作業が多かったと思います。ほかにもお話しすべき県の取組、御苦労は多々ありましたが、ひとまず無事の閉会をお祝いしつつ、万博推進課を筆頭に奮闘された各課担当等、関係各位に御慰労と敬意を表したいと思います。本当にお疲れさまでした。
イベントの取組としての成功を評価しつつ、一方で、テーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」の下、未来社会の実験場として位置づけられた2025大阪・関西万博から何を学び、何を和歌山に持ち帰るかが大切です。私からも、大阪・関西万博の様々な展示会、勉強会に足を運び、実際に体験したサービスなどから学んだことを基に、未来に向けた教訓とすべき課題について議論したいと思います。
イベントとしては大成功であった大阪・関西万博は、未来社会の実証実験というテーマの下、テーマ館や展示場で自動運転やPHR、MaaS、防災DXなど、多様なサービスの実証実験の展示や体験が行われました。数多く公開されたサービスのほとんどは、来場者体験の観点からは、個別アプリ、個別サービスごとに閉じた印象が強かったことから、恐らく同じ数に近い数のシステムが存在し、大阪・関西万博の都市OSのデータ連携基盤に接続できなかったのだろうと推測します。結果、期間中におのおののサービスが統一できない状態で運用されたまま閉幕したことで、2900万人が訪れた期間中に、本来、未来社会の実証実験で得られるべき未来社会実現のための貴重なデータを完全な形で収集できなかったことになります。
この大きな要因は、全国の自治体が共通して抱える課題でもある古いけどやめられないシステム、レガシーシステムと特定の会社がいないとシステムを直せない状態、ベンダーロックインと考えられ、その課題が改めて浮き彫りになった大阪・関西万博であったと受け止めています。
これらのレガシーシステムとベンダーロックインは、大阪・関西万博だけの課題ではなく、全国の自治体でシステムの修正や保守管理において、1社依存のサブスク契約と高額のランニングコストを誘発し、和歌山県行政においても直面している構造的な課題であり、最大のブラックボックスになっています。
和歌山県は全国でも高齢化比率が高く、山間部、半島部を抱える地理構造から、大阪・関西万博でも実証された未来社会のサービスは、今後の和歌山にとって、まさに必要不可欠な社会インフラになると考えられます。収集されたデータとリアルタイムにつながらないと、ただの便利になった道具で終わりますので、当然、県はプラットフォームとしてのデータ連携基盤の構築は不可欠です。また、それと同時に、その上を流れるデータ規格の統一と持続可能な維持コストも同じくらい重要になってきますので、レガシーシステムとベンダーロックインの解消によるデータの流れる仕組みのスマートな構築こそが、今後の和歌山県のDX戦略の中核課題であるということです。
また現在、県だけでなく、広域連携を視野に入れると、県内の多くの市町村や医療機関、介護事業者などでも同じように、特定ベンダーへの依存度が高いロックイン構造の上、それぞれ異なるシステムでAPIやデータ形式がばらばらであるため、大きな行政負担を生んでおり、将来的に広域のデジタル連携には大きなコスト不安が生じています。
このような課題の解決に向け、和歌山県が次の一歩として取り組むべき重要施策が、県共通データ連携基盤、都市OSの構築と、それに合わせたオープンソース義務化であると考えます。ここでいうオープンソース化は、自治体が公費で開発したソフトウエアについて、そのソースコードなどを公開し、ライセンスに基づき、他の自治体や事業者による利用、改変、再配布を認めることを指します。オープンソース化を発注条件にすることで、システムの内部仕様、API、データ形式が公開され、他のベンダーによるメンテナンスや改修が可能となります。これはベンダーロックインの解消と長期的なコスト削減に直結します。また、県が主導して統一したデータ形式API標準を定めることで、医療、交通、防災、観光といった県横断のデータ基盤を整備することが可能となり、住民サービスの高度化が本格的に実現できると考えます。
ちなみに、議員各位も御存じと思いますが、2024年度の和歌山県のシステム保守管理やメンテナンスにかかった費用は約30億円、オープンソース義務化によってベンダーロックインが徐々に解消されれば、単純に年収1000万と計算すると、地元業者や地元エンジニアに300人分の仕事も生み出します。これは、これから進学で都会に出る若者たちへの、ほぼノーコストのUターン対策にもなり得るということでもあります。
もちろん、オープンソース義務化は万能薬ではありません。ただ、少なくとも業務プロセスの見直しやデジタル人材の育成とセットで進められれば、少なくともソースコード、API、データ形式が公開されることで、初めて県がデータガバナンスの主導権を握ることになります。
さらに、オープンソースは県と市町村の共同開発や共同運用を促進する可能性もありますので、デジタル人材を市町村で持つことによる地域活性化にもつながります。福井県や会津若松市などでは、行政が保有するデータやアプリケーションを住民共有の公共財と位置づけ、オープンデータや都市OS、自治体アプリケーションのシェアモデルなどにより、成果を上げている先進事例が報告されています。
今後、和歌山県がDXを本気で推進するのであれば、まず、これ以上ばらばらのシステムを増やさないという方針を明確にし、新規システムの発注において、ソースコードの公開、API仕様書の公開、データ形式の標準準拠、第三者による改修権の確保、県共通IDとの連携を必須条件にするべきだと考えます。
2025大阪・関西万博において、改めて浮き彫りになったデータ連携や相互運用性の課題から学び、既存ベンダー依存からの脱却で、現在大きな負担となっているシステム保守管理費用の圧縮と将来にわたる持続可能なデジタル基盤の構築に向けて、今後の和歌山県DXの加速に向けた県共通データ連携基盤、都市OSの構築と、それに合わせたオープンソース義務化の必要性について知事のお考えをお聞きいたします。
○議長(岩田弘彦君) 知事。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 大阪・関西万博を受けてのデータ連携基盤構築及びオープンソース義務化の必要性についての御質問にお答えをしたいと思います。
データ連携基盤につきましては、地域課題の解決や住民の利便性向上に有用になるものであると認識をしております。県としては、他府県におけるデータ連携基盤の活用状況を注視しつつ、効果と課題を見極めながら、データ連携基盤の必要性について、引き続き研究をしてまいりたいと考えております。
続きまして、オープンソース義務化についてお答えします。
ITシステムの開発におけるソースコードの公開は、ITシステムの運用・保守に事業者が参入しやすくなることをはじめ、初期開発費や改修費の低減、多くの技術者が開発に参加することにより、機能の向上などの可能性があると考えます。
他方、ソースコードの公開には、いわゆるセキュリティーなどを踏まえた公開範囲の選定とか公開後のメンテナンス体制、公開に応じてくれる事業者の存在など、そういった課題があります。このことから慎重な検討が必要であり、直ちにオープンソースを義務化することは困難であると考えます。
議員御指摘の課題につきましては、現在、国が主導する地方公共団体情報システムの標準化や共通化、クラウドサービスの活用など、解消に向け様々な対策が進められているところであります。県といたしましても、オープンソースを含めた多様な手法を幅広く研究し、持続可能な行政運営につながるよう、開発・運用費用の抑制などを図ってまいります。
○議長(岩田弘彦君) 谷口和樹君。
〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 御答弁ありがとうございます。御答弁にありました、公開に応じてくれる企業の存在などの課題について、ここの部分だけ御意見をさせていただきます。
例えばですけれども、公開を求めたらベンダーが撤退するんじゃないかと、そうなったら代わりのベンダーがいないんじゃないか、こういう状況自体、既に行政運営がリスクの高い状態に置かれているのではないでしょうか。そして、変更できないと考えるそのマインドが、まさしくベンダーロックインされています。そもそも仕様やソースコードがクローズであることが、地元のエンジニアや中小企業など、新規参入の妨げになっていますので、オープンソースの義務化によって1社依存の構造を徐々に緩和することが望まれます。
もう一つ、文中のベンダーロックインが解消されれば、単純に年収1000万円と計算すると、地元業者や地元エンジニアに300人分の仕事を生み出します。これから進学で都会に出る若者たちの、ほぼノーコストのUターン対策にもなり得るという部分の補足でありますけれども、和歌山で約300人とするなら、全国でベンダーロックインが解消し始めたら、エンジニアの数が足りなくなることが普通に予測されます。そうなる前にこそ、先手、先手が望まれます。
また、先ほど答弁にもちょっとありましたけども、ガバメントクラウドへの移行についても、先送りすると特定業者依存から抜けられない仕組みをさらにつくってしまい、人口が減る中、県の将来負担がさらに大きくなる可能性があります。様子見こそ最大のリスクになり得るという視点から、県として脱ロックインに向けた計画的な取組を進めていただきたいと思います。
2025年、本年の11月25日の参議院総務委員会で、チームみらい、安野貴博議員が自治体システムのオープンソース化について質問を行いました。総務省の調査によると、全国の自治体は毎年約6620億円ものシステム関連費を支出していますが、その多くは、内容がほとんど同じシステムを自治体ごとにばらばらにつくっている重複投資となっています。
安野議員は、公費でつくったソフトウエアは公共財として公開し、全国の自治体がコードを共有して使えるようにすべきだと提案しました。これに対し、林芳正総務大臣は、ソフトウエアそのものは地方自治法の公有財産には当たらず、自治体がオープンソースソフトウエアとして公開しても、地方自治法上は問題ないと明言しました。この答弁は、現場に長年あった著作権がネックでオープンソース化できないのではないかという誤解を公式に解消する大きなポイントでもあります。
和歌山県として、ぜひ前向きに参考にしていただきたいと思います。速やかにオープンソース義務化でベンダーロックインを解消しながら規格統一し長期的なコスト削減を、そして大阪・関西万博の未来社会のサービスを社会実装するために速やかな情報連携基盤の構築を、そして、住民サービスの向上に向かっていただきたいと強く要望して、私の質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手)
○議長(岩田弘彦君) 以上で、谷口和樹君の質問が終了いたしました。
質疑及び一般質問を続行いたします。
13番吉井和視君。
〔吉井和視君、登壇〕(拍手)
○吉井和視君 今議会、最後の質問に立たせてもらいます。
私は、今まで50回ぐらいの質問をしておりますけれども、いつもこれが最後だという思いで質問をさせていただいております。今日もこれが最後だという質問で、魂を込めて質問をさせていただきたいので、皆さんもよく聞いていただきたいなと思います。
それで、答弁の知事に対しても、知事は長い間、県庁マンとして過ごされ、そして教育長も数年やられて、知事になって、政治家として覚悟のある、本当に思いのある答弁をしていただきたいなと、そんなふうに思います。
それで、質問は部落差別についての質問をさせていただくわけなんですけども、この間の10月21日の部落解放同盟の宮本書記長の追悼集会、しのぶ会なんですけども、その場で知事が挨拶に立たれました。私は感動しました。それは、知事は、同和対策答申が出されて60年になると、一向に差別がなくならない、こういう断定をして、和歌山県としても、知事としても、今後、この問題に積極的に対処して、問題解決のためにやっていきたいと、そういう趣旨の答弁をしてもらいました。
それで、知事の言われた同和対策審議会答申が出されて60年たつんですね、答申。私はこの答申は、部落差別を初めて認めた、国が認めて今後どうするかという、そういう答申であろうかと思います。
明治4年に解放令、解放令って太政官布告でありますけれども、明治天皇の思いで、近代国家として日本が世界に冠たる国になろうという、その努力の最中にこんな人権問題があったら困るということで、差別をなくすための賤民の賤称というんですかね、それを廃止するという布告が出たわけなんですけども、それ以来、明治4年から約100年たったときに、同和対策審議会、佐藤内閣のときですけれども、答申が出たわけなんです。
この答申というのは、近代的な国家の必須な項目である自由が保障されておらない、まずもって結婚の自由、就職の自由、居住の自由、そういう近代的な市民権利が保障されておらないということで、答申が出たわけなんです、約100年たって。
そして、昭和40年に、知事の言われる同和対策審議会の答申が出たわけなんです、答申が。答申が出て、ちょっと間違いがあるか分かりませんけども、それから50年たって、いわゆる部落解消法ができたわけなんです。部落解消法というのは、部落解消って、その法律に初めて部落という名前がついたわけなんですね。
それで、その解消法ができたわけなんですけども、それで、この解消法には、差別を規制する、救済する、そういう規定がない理念法だと言われておるわけなんですね。その理念法があるために、知事も、現実に現在、差別が残っているということを言われたんだろうと思います。
それで、知事にお聞きしたいことは、知事が今後この状態を打開するために、国に対してどのような注文をするのかと、そしてまた県はどういうふうな政策をするのかということを、まずお聞きしたいと思います。
続いて、県条例についてお尋ねします。
その県条例についても、同和対策答申の精神は、国家の責任で、国民的課題でこれをなくそうというのが、答申の私は精神であろうかと思うわけなんです。歴史的に社会的に、部落差別というのは、これは特殊な問題であるということで、国民的課題でなければ解決しないと、政治でつくったもんだから政治で解決しようよと、そういう精神で私は答申が出たと思います。
それで、この差別が続いてきた原因はいろいろあると思いますけども、この部落差別というのは定義がない差別だということで、前の仁坂知事の本会議のときでも、共産党の議員が部落差別の定義はどこにあるんだということを聞かれたときに、仁坂知事は、部落差別の定義は部落差別やと、私はそこちょっとおかしいなと思ったんですけど、これ、こういうふうに言う以外なかったんではないかと、いわゆる特別な差別で。
いろんな差別というのは年々起こってくるわけなんですね。時代に応じて差別は起こってきますよ。コロナのときもコロナ差別も起こったし、男女差別と言うけども、男女の区別じゃないかという人もおるし、かつて、小泉内閣のときに、人権擁護法案が出たときに、どこが人権侵害か分からんということで、これ、衆議院が解散になって廃案になったんですけど、そういう意見の人が多かったと。そしてまた、民主党政権のときに、人権委員会設置法案というのが出されたけども、これも廃案になったと。
これはやっぱり私、部落解消法の制定のときにいろんなところで国会議員に聞いたんですけど、これはもう人権を一くくりにした法律では、国会議員は反対するということを聞いたわけなんです。それはなぜかというたら、ちょっとした差別事象で政治生命が侵されるとか、そういうことがあってはかなわんという話で、個別法でなけりゃいけないということで、部落解消法も個別法でできたわけなんです、個別法で。
これは、二階先生が総務会長時代に、我々県議会で決議した意見書を持っていって、これ何とかしてくれということを言ったときに、そのときに政調会長をやっておった稲田朋美さんにもお願いして、個別法でやろうじゃないかということで、その法案の基礎ができたんだなと、そんなふうに思います。
そういうことで、定義がない差別、そしてまた法規制がない差別で、法規制がない部落解消法だから、10年たった今も差別が残っておると、そういうふうに思うわけであります。
そういうことで、県条例の中に、今、地方自治法138条の4の附属機関というのは設置していただいております。これはもう特別委員会でも、この附属機関を見直してくれと、そして、定義のない差別であるんだから、特別な附属機関をつくってくれということを要望したんですけども、なかなか要望が受け入れられずに、前の知事がおっしゃるのには、大きな問題、大きな差別事象、それが起こったときに考えようじゃないかということを言われたと。大きな問題というのはどんな問題かというのは、私は想像つきませんけども、これも答弁のついでに知事にもお願いしたいんですけど、言ってもらいたい。そして、その附属機関は、これはやっぱり和歌山県も同和問題の先進県として、何十年ほど前から自負してやっておられると。それで、我々県議会もそういうことを認めておると思うんです。
その中で、やっぱりこの附属機関は、部落問題の調査をして審議をして、そして民主的に県政に投げかける、そういう大きな役目があると思います。そういう役目が現実的にあるんです。だから、今の県条例にも附属機関があるんですけど、これは人権条例のある審議会、障害者条例の審議会、部落解消条例の審議会、全て同じメンバーの、同じ名前の審議会なんですよ。これではあかんと。先進県としての意気込みがないんじゃないかと、そういうふうに思うんで、我々ずっと2年ほど前から特別な審議会をつくって、マイノリティーの出身者の代表者も入れてしかるべきではないかと、そういうふうに言っておるわけなんです。
それで、知事に対しては、いま一度考えて、知事が今後、国に実効性のある法整備をつくってくれということを言っておるわけなんですよ。県は数年ほど前から言い続けておると、実効性のある法律をつくってくれということを県が言っておるわけなんです。そう言うんであるならば、和歌山県に特別な委員会をつくって心意気を示してほしいと、そういうように私は知事にお願いをしたいと思うわけであります。
それで最後に、教育長にもお尋ねいたします。
60年前に同和対策審議会ができて、これは政治が、政がつくった差別なんだから、政治で解決しようじゃないかというのが答申の精神であるわけなんです。そのことを考えたら、国民的課題も十分に分かるし、国家の課題というのも分かるし、私はこの問題を解決するのには、教育が一番重要な場所であると思うわけです。教育委員会で継続的に、具体的に、抽象的なことをやるんではなくして、継続的な研修を続けることが一番大事だろうと思います。
先般、去年になるのかな、私は耐久高校が甲子園に出る壮行会のときに、湯浅の解放同盟の支部長から聞いたんですけど、「差別事件が起こっているのを吉さん知っているか」と。これは、ある学校で差別事件が起こったわけなんですね、起こった。この差別事件に対して、今、ある団体が──県議会議員にも文書来たと思います、皆さんにも来ていると思うんですけど──何が差別問題か、そして、差別しておったという先生に対して10回も研修をし続けておると、これは人権侵害ではないんかという、そういう内容の投書みたいなものが来たわけなんです。これは、やっぱり県教育委員会がどんなふうに考えているのかと、県教育委員会は差別事象として捉えて、そういう研修をしていると、本当に地道な研修をしていると聞いておりますけど、これはどうかということを、私は教育委員会にお尋ねしたい。
そして、また教育委員会、今後この問題に対してどういうふうな、国民的課題ということは今の生徒にも課題があるわけなんです、今の世代の教師にも責任があるんだろうと思うわけなんです。だから、そういうことを考えたら、今後どのようにして研修を続けるのか、対策をするのかということを教育長にも答弁していただきたいなと、そういうふうに終わります。
これで、同和対策、部落対策についての質問を、1問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(岩田弘彦君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
知事宮﨑 泉君。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 吉井議員の部落差別についての御質問にお答えをしたいと思います。
同対審答申から60年が経過いたしました。その後も差別がなくなったということは決して言えない状況でありまして、差別が現存する現在も、我々はこれをなくすために、一生懸命努力しなければならないというのが和歌山県の態度であります。
私が仮谷元知事の随行をしております頃に地域改善対策協議会という全国の組織がありまして、その委員の一人でありました仮谷さんが、その対策協議会で御発言をされたことを思い浮かべますと、もう40数年前でありますので、その間もずっと差別は現存してきたなということをまず感じております。
議員におかれましては、部落差別の解消に全身全霊をささげられ、部落差別の解消の推進に関する法律の制定にも多大なる貢献をされました。この法律の理念の下、県では、令和2年3月に制定した和歌山県部落差別の解消の推進に関する条例に基づき、教育及び啓発の推進、相談体制の充実、実態の把握、部落差別を行った人への対応、これを柱といたしまして、現在、部落差別の解消に取り組んでいるところであります。
しかし、依然として卑劣な差別発言に加え、インターネット上で同和地区と称する地名や画像を投稿する等の部落差別が発生し、既存の法制度では対応が困難な事案が生じており、被害者に対する救済制度が十分でないと認識しています。そのため、県では、人権侵害対策に関する国の動向を注視しつつ、インターネット上の人権侵害対策も含め、独立性、迅速性、専門性を備えた第三者機関の創設等、実効性のある法制度を早期に整備することなどを国に対して引き続き強く要望をしてまいります。
続きまして、県の条例についてであります。
議員御質問の令和7年2月定例会、予算特別委員会におきましてお答えをしております対応ができない大きな問題のことでありますが、例えば事業者が経済活動の一環として差別を行うような社会的に大きな影響を与える事件で、和歌山県人権侵害事件対策委員会において出された具体的な対応方針に沿って取り組んだにもかかわらず、行為者に改善が見られない、そういった事態を想定しているところであります。
一方で、課題といたしましては、先ほども申し上げましたが、いまだインターネット上には、特定の地域が同和地区である、またはあったと指摘する情報、いわゆる識別情報の摘示など、差別書き込みが後を絶ちません。これは、非常にゆゆしき事態であると認識しています。いまだその大きな問題の事態に陥っているという事例は今回ではないんですけれども、今のインターネット差別などがあるような実態を考えますと、現在、人権尊重の社会づくり条例に設置している和歌山県人権侵害事件対策委員会が効果的に機能するためには、委員のメンバーを変えていくとか、議員の御指摘の和歌山県部落差別の解消の推進に関する条例にその委員会を附属させていくのがよいのか、または、別のより実効性のある方法があるのか、そういったことを、議員はもちろんのこと、様々な御意見を伺いながら、今後一層深めてまいりたいなというふうに考えております。(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(岩田弘彦君) 議員、すいません、もう1点、教育長の答弁がありますので。
教育長今西宏行君。
〔今西宏行君、登壇〕
○教育長(今西宏行君) 議員御指摘の教育現場での部落差別事象につきましては、県教育委員会は重大な差別発言事件であると捉えています。児童生徒に正しい知識、人権感覚を教えるべき教員が差別発言を行ったことに対し、大変重く深刻に受け止め、その責任の大きさを痛感するとともに、深く反省しています。この反省を基に、教職員が同和問題について正しい知識を持ち、自分事として捉え、差別を見抜き、適切な行動が取れるよう、教職員同士が話し合う場面を設けるなど、研修内容の見直しを図ったところです。
今後は、教職員が児童生徒に対して行う同和教育を変えていきたいと考えています。例えば、授業で生徒たちが設定した課題について調べ、解決策等について意見をまとめ、差別をなくすためにそれぞれの考えを深める機会を設けたいと考えています。それを県立高校の特別活動や総合的な探求の時間などを用いて実施できないか、現在検討しているところです。
そのためには、この授業を実践する教員一人一人の人権に対する知識を深め、指導力を高めることが不可欠です。教員への研修については、教員が生徒たちに向き合い、人権教育を行える力量を得るため、積極的に研修に励む仕組みづくりを行っていく方針です。
県教育委員会としましては、このような教員の研修を通じて、今後とも同和教育のさらなる充実に努めてまいります。
○議長(岩田弘彦君) 吉井和視君。
〔吉井和視君、登壇〕
○吉井和視君 知事どうも、教育長どうもありがとうございます。知事の答弁、今後意見を聞いていろいろ検討していきたいという、そういう前向きな答弁であると思います。今まで、ホップ・ステップ・ジャンプのある答弁であると思いますので、ひとつよろしくお願いいたします。
最後に、また前へ行ってもいいですか、議長。
○議長(岩田弘彦君) 認めます。(「駄目です」と呼ぶ者あり)駄目ですか。議員、すいません、認めたら駄目だそうで、すいません。失礼いたしました。質問席からお願いします。
○吉井和視君 失礼いたしました。長いことやってないんで。
最後に、鳥獣害対策について質問させてもらいます。
本議会でも、3人か4人、熊対策の質問がありまして、この間も有田川町の人から私に相談がありまして、熊を2匹飼っているらしいですね、熊を。それで、和歌山市の動物園に、亡くなったんで熊をくれないかと、そういう問合せがあったんで、私にどうしようかという相談があったんですけども、「それは熊ないんだったらあげたらどうなん」って言ったんですけど、「なかなかそんなもんようけ何年も飼って、10何年飼って、そして、もう自分の子供のように思っているんやと。名前もつけておるんや」と、クマコ。雄はタロウという名前です。それで、そんなのやれるかという話をするわけなんです。だから、本当に熊というのは賢いんで懐いていると。
和歌山県の熊というのは、温厚な熊が多いらしいですね。そういうことで、まあまあ熊対策についても、もし何匹もまちの中に出てきたらどうするのかというその検討も鳥獣害対策でしないといけないけども、一番今私は、今日はその質問をさせてもらいたいのは、狩猟者、ハンターの問題について質問をさせていただきたいと思います。
これは、私の知り合いに、最近亡くなったんですけど、死ぬ前にも病院に見舞いに行ったら、吉井さん、射撃場どうなっているのよと、こういう話をするわけなんです。御坊市のタジマさんという方なんですけど、この人と射撃場の候補地、もうありとあらゆるところに見に行きました。湯浅町にまず初めに行ったときに、湯浅町で射撃場、予算もついて決まったんですけど、地域の人らに反対、同意が得られなくて中止になったわけなんですけども、それからいろんなところへ行って、ようやく日高町に決まって、日高町で射撃場をやってくれるということになったんですけども、これも中断して、前の知事に聞いたら、中止とは言っていないけれども、考えさせてくれ、一から検討させてくれという、そういう話であったわけなんです。
そういうことで、今日は質問をさせていただくわけなんです。今日も、猟友会の尾上会長も先ほど正面から見たら来ておられる。尾上会長からも時々電話があるんですよ。射撃場どうなっているんだと、ちょっとしっかりやってくれよという要望があるわけなんです。最近、知事にも申し上げたけどもという話をされておりました。
それで、今日はハンターの話をするわけなんですけども、免許を持ってても猟に一回も行ったことないというハンターもいるわけなんです。そして、鳥獣被害、農業被害も盛んに、最近、2億数千万で3億下回っていますけど、これはもっともっと届出出たら3億以上超すだろうと思うわけなんです。そういうことで、農業者は非常に困っているわけなんです。そして、免許を受けるときにも練習をしないといけないと、そういうことで、近年、狩猟者の育成はどういうふうになっているのかというのをまず一つお尋ねいたしたいと思います。
○議長(岩田弘彦君) 吉井議員、分割方式ですので、2番も御一緒にお願いします。
○吉井和視君 それで最後に、射撃の技術の向上のために射撃場、これが一番問題であるんですけども、射撃場がもう10数年、湯浅町で決まって、一つも決まらないわけなんです。これはやっぱり鳥獣被害が毎年続くと、そして、ハンターが高齢化で少なくなっておると、狩猟者が、わなとかそういう人が多いんで2割しか減っていないというけど、ハンターだけ考えたら半減、5割減っているわけなんです。これはなぜかというと、十分練習ができないということで減っておると思うわけなんです。
これで、岸本知事も中止と言っておられないと、適当な場所ができたら、適当な条件がそろったら、条件というのは、地元同意とか運営とか、そしていろんな条件がありますけども、とにかく金の問題が解決したら考えようじゃないかと言っているわけなんですけども、緊急を要することなんで、熊の質問も出ましたけど、私の同級生でも有田川町の支部長がいるわけなんです、猟友会の。この人にも聞いたら、「熊が出てきたら、よう撃たん」と。「なぜよう撃たんの」と言ったら、「怖い」と。高齢化で怖いんですね。「自分の体もおぼつかんのに、熊らよう撃たん」と、こういう狩猟者は多いと、そういう話をされておりました。
そういうことで、この2点を部長にお聞きしたいと思います。
○議長(岩田弘彦君) 農林水産部長川尾尚史君。
〔川尾尚史君、登壇〕
○農林水産部長(川尾尚史君) 狩猟者の近年の状況についてお答えをいたします。
令和6年度の県内の狩猟免許所持者数を種類別で見ると、わな猟が2763名で、10年前に比べて32%増加する一方で、第一種銃猟は1366名で、10年前より24%減少しています。また、第一種銃猟免許所持者の年齢構成を見ると、70歳以上の方が35%を占め、今後、さらなる減少が懸念されます。
県では、銃猟者を確保するため、猟友会と連携しながら、実際の狩猟に同行し、捕獲個体の解体や試食を行う体験型研修や狩猟免許取得に係る講習費用への支援を行っています。また、免許取得後には、銃猟の事故防止や技術向上のための研修を実施するとともに、狩猟前の練習においても必要経費への支援を行っているところです。
野生鳥獣による農作物被害軽減のためには、捕獲の担い手の育成確保が重要でありますので、今後も工夫しながら担い手対策を進めてまいります。
○議長(岩田弘彦君) 知事。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 議員御指摘のとおり、銃猟者が行う射撃練習は、事故防止や捕獲技術の向上のためには必要不可欠であると認識をしており、現在では、狩猟前の練習時の射撃場使用料に対し、支援を行っているところであります。
今、熊がいろいろ世間をにぎわせております。それに伴って、猟友会というのが非常に脚光を浴びているという、その状況であります。
猟友会が練習する場所ということで、新たな射撃訓練施設の整備については、県の方針は一貫して、いわゆる三つの条件をそろえてくださいという話をしています。つまり、事業費が適正かどうか、それから、財政的に健全な運営ができるかどうか、市町村の積極的な協力と住民理解が得られるかどうか、こういったことで判断をしたいと考えておりまして、現時点で、以前から申し上げているとおり、施設の整備をやめるということではございません。
今後も事業効果、コストなどに加えて、他の射撃場、例えば田辺の射撃場とか、そういった関係も踏まえながら、引き続き総合的に検討をしてまいります。
○議長(岩田弘彦君) 吉井和視君。
〔吉井和視君、登壇〕
○吉井和視君 どうもありがとうございます。
今日は、尾上会長まで来ておりまして、選挙の時に知事も推薦したということを言っておりました。今後も力強く推薦するということを聞いておりますんで、ひとつよろしくお願いいたします。
以上です。(拍手)
○議長(岩田弘彦君) 以上で、吉井和視君の質問が終了いたしました。
お諮りいたします。質疑及び一般質問を終結することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(岩田弘彦君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
次に日程第3、議案の付託を議題といたします。
お諮りいたします。配付しております議案付託表のとおり、議案第174号及び議案第175号は、行政改革・基本計画等に関する特別委員会に付託したいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(岩田弘彦君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
次に、配付しております議案付託表のとおり、議案第146号から議案第173号まで及び議案第176号から議案第179号までは、所管の常任委員会に付託いたします。
次に日程第4、請願の付託を議題といたします。
今期定例会の請願については、配付しております請願文書表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。
お諮りいたします。12月16日及び17日は常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(岩田弘彦君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
次会は、12月18日定刻より会議を開きます。
本日は、これをもって散会いたします。
午後2時34分散会

