令和7年12月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(全文)


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令和7年12月 和歌山県議会定例会会議録 第4号

議事日程 第4号
 令和7年12月12日(金曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第146号から議案第179号まで(質疑)
 第2 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議案第146号から議案第179号まで(質疑)
 第2 一般質問
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出席議員(41人)
 1番 高田英亮
 2番 上山寿示
 3番 佐藤武治
 4番 鈴木德久
 5番 森 礼子
 6番 濱口太史
 7番 井出益弘
 8番 尾崎要二
 9番 玄素彰人
 10番 山家敏宏
 11番 鈴木太雄
 12番 岩田弘彦
 13番 吉井和視
 14番 中村裕一
 15番 北山慎一
 16番 坂本佳隆
 17番 中本浩精
 18番 堀 龍雄
 19番 新島 雄
 20番 山下直也
 21番 三栖拓也
 22番 川畑哲哉
 23番 秋月史成
 24番 谷口和樹
 25番 山田正彦
 26番 坂本 登
 27番 岩永淳志
 28番 小川浩樹
 29番 中尾友紀
 30番 岩井弘次
 31番 藤本眞利子
 32番 浦口高典
 33番 尾﨑太郎
 34番 藤山将材
 35番 小西政宏
 37番 中西 徹
 38番 林 隆一
 39番 片桐章浩
 40番 奥村規子
 41番 谷 洋一
 42番 長坂隆司
欠席議員(なし)
〔備考〕
 36番 欠員
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説明のため出席した者
 知事         宮﨑 泉
 副知事        友井泰範
 知事室長       北廣理人
 総務部長       山本祥生
 危機管理部長     中村吉良
 企画部長       北村 香
 地域振興部長     赤坂武彦
 環境生活部長     湯川 学
 共生社会推進部長   島本由美
 福祉保健部長     𠮷野裕也
 商工労働部長     中場 毅
 農林水産部長     川尾尚史
 県土整備部長     小浪尊宏
 会計管理者      高橋博之
 教育長        今西宏行
 公安委員会委員長   竹山早穗
 警察本部長      野本靖之
 人事委員会委員長   平田健正
 代表監査委員     田嶋久嗣
 選挙管理委員会委員長 和歌哲也
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       中嶋 宏
 次長         橋爪正樹
 議事課長       岩井紀生
 議事課副課長     田中 匠
 議事課議事班長    川原清晃
 議事課主査      川崎競平
 議事課副主査     西 智生
 議事課副主査     林 貞男
 総務課長       榊 建二
 政策調査課長     岩谷隆哉
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  午前10時0分開議
○議長(岩田弘彦君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第146号から議案第179号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、併せて日程第2、一般質問を行います。
 42番長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕(拍手)
○長坂隆司君 皆さん、おはようございます。
 通告に従いまして、早速質問に入らせていただきます。
 一つ目に、核融合発電の誘致についてであります。
 核融合発電は、次世代エネルギーとして世界中で期待される新たな技術です。原子核同士が融合することによって生み出される膨大なエネルギーを発電に利用するものです。原子は、原子核とその周りを動く電子からできていて、原子核は陽子と中性子からできています。核融合は、水素のような軽い原子の原子核を高い温度でぶつけて、少し重たいヘリウムのような原子核に変えることを指します。これは、太陽の内部で起きている現象と同じです。太陽では、70%を構成している水素が圧縮されて高気圧になり、温度が上昇することで、中心部分で水素の原子がヘリウムの原子に変換されています。この反応が起きることで、膨大なエネルギーが生み出されて高熱や光を放出しています。
 核融合発電については、実用化に向けた研究が進められていて、世界各国で注目を集めています。燃料となる重水素は海水から取り出すことができるので、燃料を安定的に供給できます。研究自体は、アメリカ、ロシア、ヨーロッパの国々、それに日本でも以前から行われてきたものの、技術的に困難でなかなか進んでいませんでした。それが1985年にスイス・ジュネーブで開かれた米ソ首脳会談をきっかけに、核融合実用化のための国際協力が始まりました。
 現在では、核融合実験炉の実現を目指した超大型国際プロジェクト、すなわちITER──イーター・国際熱核融合実験炉計画で、日本、欧州連合(EU)、アメリカ、ロシア、韓国、中国などが参加しています。フランスのサン・ポール・レ・デュランスに人類初のITERを建設中です。海水から取り出すことができることから、燃料が豊富にあると同時に、安定供給が可能になるとのことです。
 もう一つの大きなメリットは、二酸化炭素など温室効果ガスが発生しないことです。核融合発電は、重水素と三重水素を核融合させることでエネルギーを生み出すため、発電の過程で温室効果ガスが発生しないクリーンな発電方法となっています。
 安全面でもメリットがあります。一つは、原子力発電で排出されるような高レベルの放射性廃棄物がほとんど出ません。核融合の際に少量の中性子が発生するものの、すぐに減衰することから影響は少ないとされています。もう一つは、発電自体が高い安全性を持っていることです。核融合には核分裂のように連鎖反応が起きることがないため、核反応の暴走が起きにくいとされています。システムの電源を切れば核反応が停止するので、電源が失われた、または燃料の投入が停止された場合でも、安全な状態を保つことができます。
 一方、デメリットや課題といえば、デメリットは、設備の技術や開発に莫大なコストがかかる点です。ITER建設のプロジェクトでは、実験炉段階にもかかわらず約2.5兆円が投資されています。実用化に向けてはコストの低下が必要になります。
 また、課題は技術的なハードルであります。核融合発電では、原子を核融合するために、燃料をプラズマ状態にしてから融合させます。高速で移動するプラズマを高温で制御して、核融合反応を維持しなければなりません。プラズマの制御を可能にする技術や炉の開発など、技術開発が必要な項目がたくさんあります。初期運転は、当初、2025年に始まる予定でしたが、2024年11月現在では9年遅れの2034年に運転を開始する予定です。また、燃料に重水素と三重水素を使う本格的な核融合運転への移行も、当初の計画だった2035年から2039年への延期が決まっています。
 ITER計画とは別に、各国も開発を進めています。中国は2027年に実験炉を稼働する予定、アメリカでは日本企業も12社出資して、2030年代に民間主導で原型炉を建設して30年代初頭には商用炉を稼働させる予定、イギリスも2040年までに原型炉を建設することにしています。日本も、元科学技術政策担当大臣であった高市総理肝煎りで、所信表明演説で早期の実用を目指すと言及しています。
 スタートアップ企業による開発も幾つか進められています。核融合発電は、海水が由来の燃料を使うことができますから、従来のエネルギー燃料を海外に依存している日本にとっても早期の実現が期待されている技術です。ぜひ、雇用の創出も期待できる建設の適地として和歌山県に誘致することも考えてみてはどうかと思いますが、宮﨑知事に意気込みを伺います。
○議長(岩田弘彦君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
 知事宮﨑 泉君。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 核融合発電の誘致についてでございます。
 議員御提案の核融合発電、いわゆるフュージョンエネルギーについては、令和7年6月に改定された国のフュージョンエネルギー・イノベーション戦略において、エネルギー問題と地球環境問題を同時に解決する次世代のエネルギーとして期待されています。他方、その実現に向けて、いまだ解決されるべき課題が残されているとの認識が示されています。
 当該戦略では、フュージョンエネルギーの産業化をビジョンに掲げ、2030年代の発電実証の達成に向けて、国による工程表の作成等が進められているものとされています。
 県といたしましては、今後の社会情勢等も踏まえながら、国の動向を注視してまいりたいと考えております。
○議長(岩田弘彦君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 核融合は、あと10年ぐらいで実現するところまで来ています。また、脱炭素エネルギーとして期待が高まります。脱炭素での産業振興をお考えの知事としても、時代の流れに取り残されないよう、絶えず核融合技術における世界の動き、日本の動きに注視し続けていただきたいと要望させていただきます。
 2点目に、デジタル教科書と紙の教科書についてであります。
 文部科学省は、学習者用デジタル教科書について、「紙の教科書の内容の全部をそのまま記録した電磁的記録である教材」と定義しています。2019年4月には、学校教育法等の一部を改正する法律等、関係法令が施行され、デジタル教科書が制度化されました。同年12月には、文部科学省はGIGAスクール構想を打ち出しました。GIGAスクール構想とは、2023年までに小学生から中学生までの子供たちに1人1台の学習用パソコンと高速ネットワーク環境などを整備する5か年計画のことです。メリットとして、ページを拡大することができるため、視力が弱い学習者であっても任意のサイズに調整できるため、学習上の困難低減につながる、また、一部のデジタル教科書では明るさ・コントラストの調整も可能となっており、個人に合わせて見えやすい状態に調整できる、また、読み上げ機能や動画再生など、紙の書籍には備わっていない機能をつけることが可能、何度でも上書き保存ができるため、教科書を汚したり破いてしまったりすることがなくなる、学習を進めていく上でさらに重要なポイントが出てきた場合でも、マーカーを消したりメモを修正することも可能、テストやクイズでの得点を集計することで児童それぞれの学力を分析して、教員が学習計画を立てる際にサポートする、得点集計だけでなく、学習ログ──学習の進捗を見える化する仕組み──を残すことで学習時間を把握することも可能になる、また、学習者の理解度を視覚化しやすくなるため、教育の質が向上する効果も見込まれる等々挙げられます。
 しかるに、11月18日掲載の読売新聞が今年10月から11月中旬に行ったアンケート調査によると、公立小中学校などを所管する道府県庁所在市、政令市、中核市、東京23区の計109教育委員会のうち90教委が回答し、調査では、デジタル教科書を正式な教科書として学校現場で使うことに慎重な意見が6割、懸念を持っていることが分かったといいます。懸念が「ある」と答えたのが12%、「どちらかといえば、ある」は49%、「どちらかといえば、ない」が29%、「ない」が10%でありました。
 懸念点を10項目から複数回答で選んでもらったところ、最も多かったのは、「視力の低下や姿勢の悪化など子どもの健康面に影響する」で69%に上りました。次いで、「災害や停電、大規模通信障害時に教科書が見られない」が67%でした。学習への影響を懸念する声も目立ち、「児童生徒の『書く』時間が減少する」が37%、「授業と関係ないネットや動画、ゲームの操作をしてしまう」は28%でした。
 期待する点、複数回答ですが、「英語などの音声の読み上げ」を97%が選び、「動画やアニメーションを利用できる」なども高かったということです。
 望ましい教科書の形態を聞いたところ、「紙が中心のハイブリッドで、デジタルは補助的な使用にする」が50%で最多でした。紙中心を選んだ理由では、「鉛筆で書き込んだり、教科書をめくったりすることで学習内容を把握しやすい」などの意見が見られました。「デジタル中心のハイブリッド」は9%にとどまったそうです。
 東京都荒川区教委では、漢字や平仮名の正しい書き順は反復練習しないと身につかないと、子供たちが書くことの重要性を強調しています。紙の教科書についても、記憶や思考の育成に役立ち、学習効果を担保するとしていました。
 中部地方の教委は、学校で作文の課題を出すと、長い文章を書くのが苦手な子供が増えていると言い、手を動かして文字を書くことが脳の発達や思考の深まりにもつながると手書きの大切さを強調しています。
 手書きの効果については、紙と手書きが記憶力などを育むという研究結果もあります。東京大などの研究チームは、2021年、紙の手帳にスケジュールを書き留めると電子機器を使うときよりも短時間で記憶でき、記憶を思い出すときには脳の活動が高まるとの論文を発表しています。私も、個人的には、紙に書くことで漢字の書き方もたくさんの字や用語も覚えるし、記憶や思考、また、読解力の育成に役立つと思います。これは、国語や社会といった科目だけでなく、算数、数学や理科でも同じことが言えるのではないでしょうか。私も、パソコンで一般質問をつくったり、スマホでメールやLINEをしていて、つくづく漢字や熟語の度忘れがひどくなったことを痛感します。
 中央教育審議会の作業部会が9月に策定した審議まとめでは、紙とデジタルを組み合わせたハイブリッド型の教科書も認める方向が示されましたが、アンケートでは、紙で学ぶことへの支持が見られています。愛知県岡崎市教委は、学びを実感できるのは、デジタルではなく、紙の教科書ではないかと回答、東北地方の教委は、紙に文字を書くことで頭が整理され、学習の理解度は上がると指摘しています。「紙が中心のハイブリッドで、デジタルは補助的な使用にする」を50%の教委が選び、「デジタル中心」9%を大幅に上回っています。一方、デジタル教科書は、どこでもアクセスでき、家庭学習や自主学習にも使いやすく、学びが広がる──関東地方の教委──と期待を寄せる声もありました。東北大学の教育政策の大森不二雄名誉教授は、国は、読み書きに適した紙のよさを損なわないような教科書の方向性を検討していくべきだと話しています。
 教育先進国とされてきたフィンランドは、2022年、3分野で9位から20位と近年低調で、デジタル重視から紙の教科書に戻す動きも出ています。どうしてもデジタルだと紙に比べて拾い読みや流し読みといった浅い読みになりやすいことは確かです。デジタル教科書の各学校への整備も終わった今、2者の一方の選択に決めるのではなく、紙とデジタルを組み合わせたハイブリッド型を認めていくことが求められると思います。
 紙の教科書で学んだ日本の15歳は、国際的な学力調査「PISA」で読解力、数学、科学の3分野で2位から5位と世界トップクラスの成績を維持しています。誰もが使いやすい紙の教科書と鉛筆、ノートによる学びの必要性を再評価すべきときに来ていると思います。昨今、小中学生の学力低下が確認されていますが、教科書のデジタル化へのウエートのかけ方が大きいことも一つの原因になっていないかと憂慮するものです。
 そこで質問ですが、紙の教科書の再評価と、実際の授業での紙と鉛筆での授業の重要性、そして、その在り方について、教育長の御意見を伺います。
○議長(岩田弘彦君) 教育長今西宏行君。
  〔今西宏行君、登壇〕
○教育長(今西宏行君) デジタル教科書には、デジタルの特徴を生かした多様な機能があります。例えば、動画機能で植物の成長過程を視覚的に捉えたり、音声読み上げ機能でネーティブイングリッシュを聞いて自分のペースで学習したりすることができます。
 一方、紙の教科書には、直接書いて学んだことを残しやすい、文章全体を把握しながら読むことができるといった特徴があります。また、実際の授業では、自分の考えを図や表に書いて問題を解いたり、ノートを使って振り返ったりしています。このように、実際に紙に書くという活動は、知識の定着や思考の深まりに効果があると考えられます。
 県教育委員会では、子供たちの理解や思考がより深まり、学んだことがより定着するよう、紙とデジタルそれぞれのよいところを効果的に取り入れることが重要であると考えています。
○議長(岩田弘彦君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 どうしても、今まで書いて覚えるという学習法で長年やってきて、紙に頼っている自分がいることは確かですが、電子書籍で見て覚える、また、聞いて覚えるということもできないことはない。例えば、海外駐在員の子供が現地の学校へ行って、外国人の子供とすぐに仲よくなったりして、現地語も早く覚えていくこととデジタル化との共通項があるのかとも思ったりしています。なまじデジタルに頼ることなく、まずは紙とデジタルのハイブリッド型で試行錯誤していくことも必要かなと思ったりしております。
 次に、第3点目に入らしていただきます。
 クルーズ船の和歌山県への来航についてであります。
 現在、我が国においては、訪日クルーズ旅客250万人に向けて、日本各地の港での大型クルーズ船の寄港が活発になっているようです。コロナ禍で一時激減しましたが、9都府県で最多を更新しました。2025年7月から9月期の訪日クルーズ客による旅行消費額は182億円と推計されており、そのうち買物代が167億円を占めました。
 クルーズ船が寄港すると、一度に数百人から数千人の旅行者が訪れるため、まとまった規模の経済効果が期待できます。特に、買物における消費意欲が高く、地域の特産品や免税店の売上げが大きく伸びることが特徴です。また、観光施設の入場料、飲食店での食事代、タクシーやバスなどの交通費も発生します。こうした直接的な消費が地域の観光関連産業に潤いをもたらします。
 クルーズ船が港湾に寄港する際には、入出港料金や旅客ターミナル使用料、タグボート費用など、様々な費用が発生します。これらの料金は、港湾管理者にとって重要な収入源となり、港湾施設の維持管理や改善に活用されます。さらに、船客の送迎バスやタクシーの駐車スペース利用料、上下船手続スペースの使用料なども支払われています。クルーズ船は総トン数が大きいため、少ない入出港回数でも大きな収入を得ることができるのが特徴です。クルーズ船の受入れには、通訳ガイド、ツアーコンダクター、ショップスタッフ、送迎バスの運転手など、多くの人材が必要となります。地域の雇用拡大にも貢献します。
 クルーズ船では、宿泊費がかからず、飲食も船内でする場合が多いため、1人当たりの消費単価が一般客よりも大きくないというのが現状です。しかし、世界のクルーズ旅行者の平均年齢は46歳で、中高年齢層が多く、比較的お金に余裕のある世代が多いことから、今後の消費額拡大に向けては大きなポテンシャルがあると考えられます。地域側が魅力的な商品やサービスを提供することで、消費額をさらに伸ばす余地は十分にあると言えます。クルーズ船が帰国後にSNSで地域の魅力を発信したり、リピーターとして再訪したりすることで、長期的な観光客増加につながる可能性があります。また、クルーズ船の寄港地として選ばれること自体が地域の魅力を証明するブランド効果を持ちます。国内外に向けてクルーズ船が訪れる魅力的な観光地としてアピールできることは、地域イメージの向上に寄与するでしょう。
 2024年の世界のクルーズ利用客数は、コロナ禍前の2019年に比べて16.5%増の3460万人とプラスに転じています。クルーズ市場の回復ペースは、一般的な海外旅行者数を上回る勢いとなっています。このところ、クルーズ船の和歌山県への来航状況も、コロナ禍以降、持ち直して好調のようで何よりであります。
 そこで質問ですが、以下、県土整備部長にお伺いいたします。
 一つ目、和歌山下津港や新宮港等へ寄港後のお客様の動向について特徴的なことがあれば、県土整備部長、教えてください。
○議長(岩田弘彦君) 県土整備部長小浪尊宏君。
  〔小浪尊宏君、登壇〕
○県土整備部長(小浪尊宏君) 本県では、現在、主に和歌山下津港、新宮港、日高港の3港湾においてクルーズ船の受入れを行っており、2025年の寄港数は3港湾の合計で39回と、過去最高を記録する見込みとなっております。
 クルーズ船の乗客の動向については、まず、和歌山下津港においては、主に和歌山城、紀三井寺、黒潮市場などの和歌山市内の観光地を訪れるツアーや、海南市内で蒔絵体験を行うツアーが人気を博しており、さらに、バスに乗って高野山や湯浅の伝統的建造物などを巡るツアーも用意されています。
 次に、新宮港においては、那智山ツアーや熊野三山を巡るツアーが人気となっており、また、橋杭岩や潮岬など、串本の観光地を訪れるツアーも実施されています。
 そして、日高港においては、道成寺のほか、周辺の湯浅や白浜を巡るツアーが人気となっています。
 また、それぞれの港においては、一般に船会社が最寄り駅や市内中心部へのシャトルバスを用意しております。これを使って、市内の観光地を訪問したり、商業施設で買物を楽しむ乗客も多く見られます。
 このように、クルーズ船の寄港が観光振興や消費の活性化に貢献していただいていると認識しております。
○議長(岩田弘彦君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 意外と港へ寄港後にお客様が動く仕掛けをつくっていただいているのだなあと感心しました。
 2点目に、和歌山県に寄港するクルーズ船の運航会社や乗客の国籍について、昨今の傾向はいかがでしょうか、県土整備部長にお伺いいたします。
○議長(岩田弘彦君) 県土整備部長。
  〔小浪尊宏君、登壇〕
○県土整備部長(小浪尊宏君) 和歌山県に寄港するクルーズ船の運航会社につきましては、直近の傾向として、2025年の1月から11月までの間に、日本船が計13回、外国船が計23回、これまでに寄港しております。
 日本の船会社では、商船三井クルーズ株式会社がにっぽん丸を、郵船クルーズ株式会社が飛鳥Ⅱと飛鳥Ⅲをそれぞれ運航しております。例えば、今年7月に就航したばかりの飛鳥Ⅲは、9月と11月の2回、新宮港に寄港しましたが、これらの乗客計約770人は、そのほぼ全員が日本人でありました。
 一方、外国船の運航会社の国籍は、アメリカをはじめ、オーストラリアや中国、シンガポール、フランスなど多岐にわたり、乗客の国籍も、その船の航路やクルーズ商品により異なります。
 例えば、アメリカのプリンセス・クルーズ社が運航するダイヤモンド・プリンセスは横浜発着のクルーズで、今年8月と11月に和歌山下津港に寄港しました。この船の場合、乗客約2700人中、日本人が約4割、外国人が約6割となっており、外国人ではアメリカやオーストラリアの方が多いと聞いております。
 また、シンガポールのスタークルーズ社が運航するスター・ナビゲーターは、今年5月から10月にかけて計7回、和歌山下津港に寄港しましたが、こちらは台湾発着のクルーズであったことから、乗客約1700人のほぼ全員が台湾の方々でありました。
 このように、様々な国・地域からのクルーズ船の寄港が増えることで、日本人観光客だけではなく、多くの外国人観光客の来県にもつながっていると評価しております。
 今後とも、クルーズ業界や運航会社の動向を注視しながら、多くの観光客に来ていただけるよう、誘致活動を進めてまいります。
○議長(岩田弘彦君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 かなり運航会社と乗客の国籍が混じり合っているのだなあと改めて感じました。
 3点目に、乗客は寄港地でその土地ならではの体験や特産品に期待するでしょうが、迎える側の寄港地としてのおもてなしについて、県土整備部長にお伺いいたします。
○議長(岩田弘彦君) 県土整備部長。
  〔小浪尊宏君、登壇〕
○県土整備部長(小浪尊宏君) 寄港地でのおもてなしについて、主に地元の市町が中心となって準備していただいております。具体的には、クルーズ船が着岸する岸壁に観光案内ブースや物産ブースを設置するとともに、地元の方々による和太鼓の演奏や合唱などのパフォーマンスで、乗客の皆様へのお出迎えやお見送りを行っております。
 特に、地元ならではの事例といたしましては、例えば、和歌山下津港では、和歌山児童合唱団による合唱での見送りを行っております。また、新宮港では、平安時代をイメージした衣装でお出迎えをしたり、梛の木見送り隊として市民から参加を募り、船が遠ざかっていくまで岸壁でお見送りを行っております。
 このように、地元の市町による工夫を凝らした、心の籠もったおもてなしにより、乗客や船会社の皆様にも大変喜んでいただいており、次の寄港にもつながっていると認識しております。
 今後とも、地元市町や関係機関との連携を強化し、より魅力的なクルーズ船の受入れを進めてまいります。
○議長(岩田弘彦君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 心の籠もったおもてなしというものは印象に残るもので、リピーターを獲得していくのにもなくてはならないものだと思いました。
 4点目に、今後の本県のクルーズ船誘致戦略について、県土整備部長にお伺いいたします。
○議長(岩田弘彦君) 県土整備部長。
  〔小浪尊宏君、登壇〕
○県土整備部長(小浪尊宏君) 本県としては、可能な限り多くのクルーズ船に来航いただきたいと思っております。
 ただ、これまでにクルーズ船が寄港した実績のある本県内の港湾施設は、いずれも本来、貨物船のために整備された岸壁です。このため、昨今の寄港数の増加に伴い、クルーズ船専用岸壁を持たない本県では、貨物船との調整が困難な状況になりつつあり、残念ながら、クルーズ船の寄港をお断りせざるを得ないケースが増えております。
 こういった状況を受けて、現在力を入れている取組として、比較的岸壁の予定に余裕のある日高港や、背後に観光地のある漁港のプロモーション活動を強化しており、11月には担当課の職員が主要船会社への訪問を行ったところです。
 また、今年7月には、商船三井クルーズ株式会社が運航するにっぽん丸が田辺湾内に沖止めし、テンダーボートと呼ばれる小型の船で田辺漁港に上陸しました。さらに、フランスの船会社、ポナン社が運航するル・ジャックカルティエが2027年3月に2回、勝浦漁港への寄港を予定しております。このように、大型船が直接着岸できない港湾や漁港でのクルーズ船の受入れも、地元と調整しながら進めているところです。
 今後とも、船会社のニーズと県内港湾・漁港のそれぞれの状況を柔軟に踏まえつつ、地元市町や関係機関との連携により、積極的な誘致施策を進めてまいります。
○議長(岩田弘彦君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 クルーズ船専用岸壁を持たなくて、貨物船との調整が難しい状況も聞かせていただいたのですが、今後のクルーズ船来航の増加を踏まえて、港によってはそれぞれの専用バースをこしらえるようなお考えはないでしょうか、再質問させていただきます。
○議長(岩田弘彦君) 県土整備部長。
  〔小浪尊宏君、登壇〕
○県土整備部長(小浪尊宏君) 議員御指摘の港湾施設の整備に関しましては、各港湾の状況に応じ、受入れ環境の整備について検討しているところです。
 その中でも、和歌山下津港においては、本年3月に同港の港湾計画の改訂を行い、貨物船とクルーズ船の柔軟な受入れのため、既存岸壁と連続した新規岸壁を位置づけたところです。また、新宮港については、既存施設の有効活用を含め、検討しているところです。
 県としましては、これまでに引き続き、港湾の利用促進を図るとともに、これらの取組を含め、県内各港湾における受入れ環境の整備を積極的に進めてまいります。
○議長(岩田弘彦君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 せっかくのチャンスをむざむざと逸しないように、いろいろ御尽力いただけたらなと思います。
 4点目に、農学系学部についてであります。
 全国的に多くの大学で学生数を減らす学部が目立つ中、農学系学部への入学者は増加傾向にあります。
 科学技術・学術政策研究所のデータによると、農学系は2000年代初頭から増加傾向が見られ、近年特に伸びが顕著になっています。2023年度は、文部科学省が公表している学校基本調査によると、2000年度比で19.6%の伸びとなっています。
 農学系学部の人気の理由として、まず、環境問題への意識の高まりがあります。地球温暖化や食料問題といった世界的な課題に対して、食や農が密接に関わっているという認識が広まっているのではないでしょうか。
 また、食の安全・安心への関心があります。食品偽装問題や健康志向の高まりから、消費者が何がどのように作られているのかに関心を持つようになっていると考えられます。
 それに、地方創生、地域活性化への関心があります。過疎化が進む地方において、農業は重要な産業です。地域を盛り上げたいという若い世代が農業を軸とした新しいビジネスやコミュニティーづくりに魅力を感じている可能性もあります。
 さらに、テクノロジーの進化が考えられます。スマート農業など最新テクノロジーが農業分野にも導入され始めています。これまでのきつい、汚いといったイメージが変わりつつあり、これからの農業は、農業知識とともにテクノロジーの知識を持つことが求められます。
 JA共済連が行った調査では、20代全体の5割以上が「将来農業をやってみたい」と回答しています。農学系学部の人気を受け、大学でも、全国的に農学系学部の新設、再編が全国で相次いでいます。2025年度からは、私立大学を中心に開設ラッシュとも言えるほど増えています。
 農学系学部は、比較的就職率が高い傾向にあります。特に近年は、食の安全・安心への関心や環境問題への意識の高まりなどから、農業教育を学んだ人材へのニーズが増加傾向にあります。スマート農業やアグリテックといった新しい分野の発展により、ITや工学の知識を持つ農学系学部出身者の活躍の場も広がっています。
 先進国では、農業教育が多様化しており、一部の先進国では、日本のように伝統的な農業分野の学科は再編・統合される傾向がある一方で、食料システム、フードテック、アグリビジネスといった、より広範な視点を持つ新しいプログラムが登場しています。大学も、学生の興味や社会のニーズの変化に対応しようとする動きが見られます。
 また、大学だけでなく、教育機関が主導する形で、特定の課題解決に特化した農業教育プログラムが開発されることもあります。注目すべき点としては、現代の農業が抱える問題は複雑であり、単一の学問分野だけでは解決が難しいことから、農学と経済学、環境学、情報科学など、複数の分野を組み合わせた学際的なプログラムが増えていることです。
 また、グローバルな食料問題や環境問題に対応するため、海外の大学との連携や共同プログラムの開発、留学機会の提供など、農業分野の教育の国際化が進んでいます。今後、日本の農学系学部も、同様のプログラムが増えていくことが予想されます。
 そんな状況下にあって、和歌山県は相も変わらず全国でも珍しい農学系学部のない県でありますが、梅、柿、ミカン、桃、キウイなど、質量ともに全国有数の果樹王国であります。いつも申し上げるように、本県の農業生産をさらに高め、機能性を追求して加工食品開発を推し進め、また、食と農を本県においてさらに充実・発展させるためには、本県の特性を生かせる農業、食品の研究教育の基盤たる農学系学部を有する大学が絶対必要であります。和歌山県は、まさにフルーツバレー構想による地域活性化に大きく寄与する農学系学部開設へと期待が膨らむものです。
 岸本前知事も、知事選挙の際に第一次産業の活性化を訴え、大学農学部創設を一つのテーマに取り上げていただいておりました。今後の本県への大学農学系学部の創設あるいは誘致実現についての宮﨑知事の御所見をお伺いいたします。
○議長(岩田弘彦君) 知事。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 長坂議員御発言のとおり、大学農学部の創設や誘致につきましては、岸本前知事が掲げていた公約の一つであり、本県の農業振興を図る上で大変重要なことであると認識していたというふうに承知をしております。
 一方、その実現に向けては、クリアすべきハードルが多く、時間を要することに加え、農業従事者の減少や高齢化が進む中、担い手確保・育成に優先的に取り組む必要があることから、まずは農林大学校を充実させることとしており、その基本スタンスは私も同じであります。
 具体的には、農業系高校との連携強化や4年制大学への編入対応も含めたカリキュラムの充実など、教育機関としての機能を強化することで、より実践的で専門性の高い技術や知識を身につけた地域農業を支える人材を育成してまいりたいと考えています。
 また、研究面での充実も重要との思いから、知事就任以来、試験場の訪問や職員との意見交換を行っております。現在、県の研究機関では、県内外の大学等と19課題の共同研究を実施しています。中でも、紀の川市にあります近畿大学生物理工学部とは、イチゴや梅干し、熊野牛など、5課題に取り組んでおり、大学が有する知見を県農業の発展につなげているところであります。
 今後、より多くの大学等との連携を図るため、温暖化対策などに資する基礎研究の充実など、研究機能の強化に取り組んでまいります。
 大学農学部の創設や誘致につきましては、農産物加工をはじめ、地域産業の活性化も期待できるなど、本県の農業振興にとって必要なものと考えておりますので、引き続き研究してまいりたいと考えております。
○議長(岩田弘彦君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 知事の御答弁も、岸本前知事との流れの中で分かります。納得するところはあるのですが、和歌山大学に以前、文科省を通じて食農総合研究所をせっかく創設してもらったのに、大学側の意向で理科系の教授が1名だけで、増員するような動きがまるでなく、結局違った方向へ行ってしまったことも大きな痛手ではあったのですが、その後、ほかの大学の農学系学部の新設、再編も少なからずあることは確かで、私どもからもコンタクトさせていただきたいと思いますが、県として、あるいは県内企業として、この果樹での加工の専門的研究に取り組みたいとか、この作物の味覚をさらにアップさせたいなどというときに専門家の知恵を借りたいというようなことがあれば、もし大学の農学系学部の先生のお力が必要であれば、ぜひ県当局からのお声かけも考えていただければと思います。そこから農学系学部開設へと道は開けてくるかもしれません。そこのところをよろしくお願いいたします。
 これで、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(岩田弘彦君) 以上で、長坂隆司君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 10番山家敏宏君。
  〔山家敏宏君、登壇〕(拍手)
○山家敏宏君 おはようございます。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い一般質問を行います。
 まず、財政危機警報について、5項目に分けて質問させていただきます。
 まずは、定義について質問いたします。
 皆さん御承知のとおり、基金の枯渇、県債残高の増加、公債費負担の増加を懸念し、岸本前知事が令和5年2月に発出し、予算の賢いやりくりを前面に押し出し、県財政運営に取り組んでいるところでございます。
 しかし、私が疑問に思うのは、財政が厳しいのは理解しておりますけども、そもそも東京都を除いて財政が潤沢にある都道府県は本当にないのではないかと疑問に思っております。
 また、行政は、住民の皆様の税金を使ってやりくりをしながら安定的な財政運営を図り、公共サービスの提供をしていくのがそもそも公務員の皆様の役割であると考えております。
 そこで、宮﨑知事の考えておられる財政危機警報の定義について、答弁を求めます。
○議長(岩田弘彦君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
 知事宮﨑 泉君。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 財政危機警報につきまして、一連の質問に答えていきたいと思います。
 まず、定義でございますが、財政危機警報につきましては、特定の数値基準を定めた定義はなく、将来の財政収支推計から、その状況を放置すれば毎年度の予算編成が困難になることから、危機に陥らないように警報を発出しているものでございます。
 よって、今現在は財政危機ではございませんが、物価・金利の上昇や高齢化の進展といった社会経済状況を踏まえた推計では、数年で財政調整基金及び県債管理基金の枯渇と県債残高、公債費急増が同時に迫ることが想定されるという状況であります。
 財政運営におきましては、様々な課題に対して将来を見据えた対策を行っていくのはもちろんでありますが、持続可能な財政運営と両立させることが必要であります。そのためにも、県民の方々に財政状況を御理解いただき、県職員が一丸となって、将来世代に対し責任を持った財政運営を行っていく必要があると考えております。
○議長(岩田弘彦君) 山家敏宏君。
  〔山家敏宏君、登壇〕
○山家敏宏君 定義がない中で、今発出している状況ですけども、知事の答弁にありましたみたいに、県民の方々に財政状況を理解していただきたいということなんですけども、県民の方々が理解してどんな行動を取ればいいのか。例えば、お金に余裕があったら県に寄附してくださいということなのか、財政危機なので住民サービスを低下させますということなのか、私もこれはどうすればいいのか分からないのですけども、そもそも県民の皆様も何をすればいいのか分かりづらいかなあと思うんですね。
 そもそも、先ほども申し上げましたが、安定的な財政運営を行うのが当然ですので、私自身、財政危機警報は必要ではないのではないかと考えていますが、必要性について、知事の答弁を求めます。
○議長(岩田弘彦君) 知事。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 本県の令和7年度の当初予算における公債費の増加率は、全都道府県中1位であり、今後も増嵩していくことが確実な状況であります。
 また、足元の物価や金利上昇等の影響を踏まえ、将来の財政収支を機械的に試算した場合、数年で基金が枯渇するという試算結果が出ております。
 寄附を頂けるのはありがたいことですけども、今の時点で住民サービスの質を低下させるということではありません。
 また、基金が枯渇するというような状況が仮に出てくれば、災害などの有事が起こった際に必要な支援を行うことができなくなるおそれがあります。
 したがいまして、引き続き、財政危機警報の下、危機感を持って効率的な財政運営に取り組んでいく必要があるというふうに考えております。
○議長(岩田弘彦君) 山家敏宏君。
  〔山家敏宏君、登壇〕
○山家敏宏君 公債費の増加率が全都道府県中1位とのお話ですけども、各都道府県により標準財政規模や地方債残高、元利償還額が変動するために、単純な比較が難しい、これを理由とするのはちょっと違うんじゃないかと思っております。
 以前、玄素議員が指摘していましたけども、実質公債費比率を見てみますと、令和4年度、47都道府県中、本県は8.4%で上位から8番目、令和5年度9.5%で16番目、令和6年度10.8%で21番目であり、発出した令和4年度においては、決算の後ですけども、上位8番目であったということも事実であります。また、しかし油断はできませんが、国が示す基準の早期健全化基準は18%以上です。本当に財政危機警報が必要なのか、疑問に感じております。
 そこで、令和5年度から財政見直し元年として取り組んでおられますが、どのようなメリット、有効性があったのか、知事の答弁を求めます。
○議長(岩田弘彦君) 知事。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 公債費の増加率が1番だったということ、まださらに実は伸びていまして、どんどん順位が下へ行っているという状況が一応はあります。
 有効性につきましてですが、財政危機警報を発出したことで、これまで以上に事業のスクラップ・アンド・ビルドや交付税措置率の高い県債、それから国庫補助金のさらなる活用、そういったいわゆる賢いやりくりですよね──を徹底して、健全な財政運営に努めてきたところであります。
 しかしながら、予想を上回る人口減少や少子高齢化といった社会情勢に加え、直近の物価や賃金の上昇など、依然として予算上収支不足が生じている状況というのがございます。
○議長(岩田弘彦君) 山家敏宏君。
  〔山家敏宏君、登壇〕
○山家敏宏君 財政危機警報、これ続けていくことによって、私、デメリットのほうが多いと考えております。
 一つは、県職員のモチベーションの低下と中途退職者の増加の懸念です。職員として、財政危機警報の内容まで本当に細かく理解しなければ、単純に思うのが、将来基金が枯渇して予算編成もできないおそれがあるところに勤務するよりも、やっぱり住民の皆様のために様々な企画をして事業を行っている自治体に勤務するほうがやりがいもあると考えるのが普通ではないでしょうか。
 二つ目は、県職員採用受験者が減少するのではないかということです。一般の会社でも行政でも、本当にこれ同じだと思うんですけども、和歌山県は資金がなく大変なことになっていますけども、勤務してくださいと募集をかけた場合に、勤務したいと思うのでしょうか。自分の子供や知人、身内等に自信を持って推薦するでしょうか。
 三つ目ですけども、他県からの移住者減少と他県への移住者増加につながってしまわないかということです。移住を考える方にとって、財政危機警報という言葉だけを聞きますと、財政危機警報の詳細な県の考え方とか意味を理解する前に、単純に、大変なことになっている和歌山県だなと思うんじゃないかと思うんですね。それなら別の都道府県に移住しようとなるおそれがあるのではないかと懸念していますが、知事の考える負の影響について、答弁を求めます。
○議長(岩田弘彦君) 知事。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 負の影響についてでございますが、警報というインパクトの強い言葉を用いたことで、危機感を持っていただくには十分であったと思っておりますが、効率的な財政運営を行うことで危機を未然に防ぐという、そもそもの趣旨が伝わりづらかったところがあったのかなと、若干その辺は反省すべきかなというふうに思います。
 御指摘をいただいております県民の方々や県職員に対してもその懸念は考えられるところではありますが、これまでも「県民の友」や県のホームページなど、様々な広報媒体や機会を通して、随所で県の財政状況や警報発出の趣旨を説明してきたところであります。
 今後も引き続き、丁寧な説明を行っていく一方で、県民の皆様が安心して希望を持って暮らしていけるように、しっかりと新しい総合計画に沿った施策を実行してまいりたいと考えております。
 あわせて、県庁での働きやすい職場づくりの取組など、人材確保の取組は着実に進めていく所存であります。
○議長(岩田弘彦君) 山家敏宏君。
  〔山家敏宏君、登壇〕
○山家敏宏君 続いて、解除基準です。私自身もいろいろ調べたんですが、他県のもいろいろ調べてみたんですけど、本県の解除基準というのが不明なままなんですね。警報警報ということなんですけども、例えば気象警報でいえば、発表基準もありますし、解除基準もあると思うんですね。
 この財政危機警報は、特にきっちりとゴールを示すために、解除基準をきっちり設けることが重要であると考えておりますけども、知事のお考えをお聞かせください。
○議長(岩田弘彦君) 知事。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 解除基準についてでございますが、財政危機警報がどうなれば緩和あるいは解除されるのか、その基準が不明確であるという点は、これまでも御指摘をいただいてきたところであります。
 そういった解除基準も含めた財政危機警報のあるべき姿については、現在、庁内でも議論を進めておりまして、今年度中に何らかの形でお示ししたいと考えております。
 今後とも、一層の危機感を持って健全な財政運営に努めてまいりたいと考えておりますので、皆さん方の御協力をよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございます。
○議長(岩田弘彦君) 山家敏宏君。
  〔山家敏宏君、登壇〕
○山家敏宏君 行政の継続性ということ、また、財政が厳しいということも私なりには理解しているつもりなので、できる限り早く解除基準を示して、それに向かって、できる範囲で行政運営を行っていただきたいと思います。
 続いて、和歌山県の林業振興のまず一つ目の紀州材の需要拡大について質問いたします。
 私自身も紀州材需要拡大の方法を研究するため、今年の4月22日と23日には、高知県立林業大学校、高知県自治会館等、5月28日には、清水建設の東京木工場、10月27日、28日には、京都木材会館、京丹波町役場、トリスミ集成材株式会社等を濱口議員、秋月議員、鈴木德久議員と視察を行いました。
 高知県では、高知県立林業大学校において、様々な方法で木材の需要拡大に取り組んでおり、当然、建物自体が県産材及び県産材CLTを使用した木造建築でありました。また、特にすごい取組だと感じたのは、専攻課程において、建築士の中でもハードルの高い木造の構造計算を取り入れた木造設計コースを設けておられる点で、全国から定員を上回る建築士からの申込みがあるとのことです。学校では、大きな視点で木材の需要を全国的に普及させることにも重点を置いていると感じました。
 また、京丹波町役場では、住民の意見も取り入れながら、京丹波町らしい庁舎として木造化に取り組んでおられ、地域材を積極的に利用された庁舎整備を視察することで、今後の公共建築物の木造・木質化を考えるに当たり、大変参考となりました。
 さて、本県でも、紀州材需要拡大のため、建築物木造木質化支援事業、紀州材公共施設木造木質化モデル事業、建築物木材利用促進協定等、様々な取組を行っています。紀州材の需要拡大は、循環型林業の推進や脱炭素の観点からも重要であり、今後も、供給地域の拡大、民間非住宅建築物の木造化の推進、公共建築の木造化等、あらゆる方法で需要拡大に取り組んでいく必要があると考えていますが、紀州材の需要拡大に向けた知事の考えについて答弁を求めます。
○議長(岩田弘彦君) 知事。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 紀州材の需要拡大について、お答えをしたいと思います。
 本県の人工林の多くが主伐期を迎える中、紀州材の需要拡大は、林業をはじめとする地域経済の発展を図る上で非常に重要であると考えております。
 古くから、紀州材は、目込みがよく、強度に優れ、色艶もよいことから高く評価されており、こうした特徴を生かし、建造物での利用拡大に取り組んでいるところであります。
 また、脱炭素先進県を目指す本県としましては、建築資材の製造過程における二酸化炭素の排出量削減や、木材による炭素貯蔵の観点からも、さらに建築物の木造・木質化を進めることが重要であると考えております。
 しかしながら、近年は、主要な利用場面であった住宅について、人口減少に伴い着工戸数が減少しており、住宅に代わる新たな需要開拓が必要となってきております。
 このため、県では、令和6年度から、店舗や福祉施設など、民間非住宅建造物の木造・木質化を支援するとともに、先般、全国でまちの木造化を進める「森の国・木の街」づくり宣言にも参画をしたところであります。また、民間建築物のモデルとなるよう、本県では、初めて木造3階建て県営住宅の建設にも着手しています。さらに、将来を見据え、海外での需要を開拓するため、現在、ニーズ調査を行っております。
 今後も引き続き、公共施設はもとより、民間非住宅建築物の木造・木質化を進めるとともに、紀州材の加工体制の整備促進など、総合的に政策を展開し、さらなる紀州材の需要拡大に積極的に取り組んでまいります。
○議長(岩田弘彦君) 山家敏宏君。
  〔山家敏宏君、登壇〕
○山家敏宏君 続いて、原木の安定供給について質問いたします。
 先ほど、紀州材の需要拡大について質問させていただきましたけども、需要を伸ばすためには、当然、安定的な原木の供給量が必要になってきます。
 本県には、先ほど知事からの答弁にもありましたように、紀州材は目込みがよく、色艶もよい杉、ヒノキが多くございます。しかし、現状では、資源として利用可能であっても、搬出が困難なところも多く存在し、また、林業従事者の担い手不足の課題もございます。これらを解消していかなければ、紀州材の需要が伸びても、原木の安定的な供給は難しい状況であると考えます。
 そこで、紀州材の需要拡大には、原木の安定供給が必要であると考えておりますけども、県としてどのように安定供給に取り組んでいくのか、知事のお考えをお聞かせ願います。
○議長(岩田弘彦君) 知事。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 原木の安定供給につきましてですが、議員がおっしゃっているとおり、紀州材の需要拡大を図るには、やはり原木の安定供給は非常に重要でありまして、そのためには、素材生産量の増大が必要であります。こうした一連の取組は、「伐って、使って、植えて、育てる」という循環型林業の中で推進してまいりたい、このように考えております。具体的に申しますと、まず、基盤となる林道の整備、それから林業の生産性向上、これに取り組んでまいります。
 まず、林道整備につきましては、市町村に対する県補助金の拡充や事業予算の拡大など、2040年までに整備する路線ごとの計画の加速化に取り組んでいるところであります。今後も、必要な予算をしっかり確保し、着実に推し進めてまいりたい、このように考えております。
 また、林業の生産性向上に関しましてですが、高性能林業機械やスマート林業機器の導入などを進めているところでありまして、今後は、AI等の最新技術を活用し、伐採から搬出までの作業の自動化などを進めてまいりたい、このように考えております。
 さらに、林業の労働環境の改善や所得向上によって、紀州林業の魅力を高め、担い手の確保にもつなげてまいりたい、このように考えます。
 今後も、こうした取組を積極的に進め、原木の安定供給を図り、紀州林業のさらなる飛躍を目指してまいります。
○議長(岩田弘彦君) 山家敏宏君。
  〔山家敏宏君、登壇〕
○山家敏宏君 引き続いて、紀州材の需要拡大と原木の安定供給について、よろしくお願いいたします。
 続いて、全国育樹祭開催に向けた準備状況について質問いたします。
 今年は、第48回育樹祭が宮城県で行われ、すばらしい育樹祭であったと聞いております。来年11月7日、8日は、待ちに待った和歌山県での全国育樹祭の開催であります。
 本県では、11月29日、開催1年前キックオフイベントとして、国民参加の森林(もり)づくりシンポジウムが大盛況に行われました。このイベントに私も参加させていただき、私自身、来年の育樹祭が本当に今から楽しみです。そして、全国育樹祭の目的でもあります、健全で活力ある森林を育て、次の世代に引き継ぐことの大切さを伝えるためにも、大成功を収めなければなりません。
 そのために、今、様々な取組を行っていると思いますが、和歌山らしい特色のある大会を開催してほしいとの思いから、来年11月の全国育樹祭に向けた機運醸成と、和歌山らしい大会に向けての準備状況について、農林水産部長の答弁を求めます。
○議長(岩田弘彦君) 農林水産部長川尾尚史君。
  〔川尾尚史君、登壇〕
○農林水産部長(川尾尚史君) 第49回全国育樹祭は、令和8年11月7日に田辺市の新庄総合公園でお手入れ行事を、翌8日に白浜町の白浜会館で式典行事を開催することが決定いたしました。
 開催まで1年を切った現在までの準備状況については、令和6年度に知事を会長とする全国育樹祭和歌山県実行委員会を設立し、大会テーマ「育てて使おう 地球に優しい 緑の資源」などを決定するとともに、開催指針となる基本計画を策定しました。
 本年度は、6月に式典行事等に係る委託事業者の決定を行うとともに、10月に宮城県で開催された全国育樹祭の状況等を調査し、現在、本県での式典演出等の検討を行っているところです。
 また、開催に向けた機運醸成を図るため、紀州よさこい祭りやわかやま商工まつりなどに独自ブースを出展するとともに、全国育樹祭応援行事を募集し、グッズの配布を行うなど、これまでに70件のイベントでPRを行いました。
 さらに、直近では、11月29日に山家議員にも御参加いただき、開催1年前キックオフイベントとして、教育評論家の尾木直樹氏をお招きし、「これからの森林教育」をテーマに、約200名の参加の下、国民参加の森林づくりシンポジウムを開催しました。参加者からは、「森林教育の大切さを考えるきっかけになった」や、「子供が自然に触れる機会をたくさんつくろうと思った」などの声をいただきました。
 今後も、開催機運を盛り上げ、県民の皆様の森を育む意識がさらに高まるように努めるとともに、和歌山らしさがあふれる大会となるよう、万全の準備を進めてまいります。
○議長(岩田弘彦君) 山家敏宏君。
  〔山家敏宏君、登壇〕
○山家敏宏君 農林水産部長、引き続いてよろしくお願いいたします。
 それでは、大項目3の災害対策、南海トラフ地震の被害想定について質問いたします。
 今年は、国連で11月5日を世界津波の日と定めてから10年目の節目を迎えました。この日を定めた目的は、皆さん御承知のとおり、安政の南海地震の津波から広村の住民を津波から守った「稲むらの火」の故事にちなみ、濱口梧陵翁の偉業と、津波から命を守ることがいかに大事なことかを世界に広く行き渡らせ、一人でも多くの貴い命が救われることを目指し、国連で決議されました。
 私の選挙区の地元、広川町では、毎年継続的に行っている津浪祭や稲むらの火祭りに加え、様々な啓発事業が行われ、広川町の皆さんも災害への備えについて考え、防災意識をより一層高める機会となっています。
 また、先月、県と広川町が共催で、世界津波の日制定10周年記念のシンポジウムを開催し、津波から命を守る取組を次世代に継承することの重要性をメッセージとして発信し、私も参加させていただきましたが、本県の偉大な先人であり、初代県議会議長である濱口梧陵翁の偉業に改めて畏敬の念を抱くとともに、県議会議員として、災害から県民の生命、財産を守るために果たす責任を痛切に感じました。
 今後30年以内に高い確率で発生するとされる南海トラフ地震への備えは、本県にとって喫緊の課題であります。県の平成26年の被害想定によりますと、マグニチュード9クラスの南海トラフ巨大地震では、県内全域で震度7から震度6弱の強い揺れを感じ、県南部では、地震発生後3分で津波の第1波が到着するとされております。また、死者数は約9万人、建物の全壊棟数は約15万9000棟、避難者数は最大で約44万人に上ると見込まれています。
 一方、過去90年から150年周期で発生している地震規模で最大と考えられるマグニチュード8クラスの3連動地震でも、死者数が約1万9000人、建物の全壊棟数が約5万9000棟、避難者数が最大で約28万人に上るとされており、いずれにしても県内で甚大な被害が発生すると想定されています。
 今年の3月には、国においても新たに南海トラフ巨大地震の被害想定が公表され、これによると、和歌山県の場合、津波浸水面積は約1割増加しましたが、死者数が約8万人から6万5000人と1万5000人減少しており、これは、この10年間の県と市町村による津波避難タワーの建設などの避難対策や、建物の耐震化率の上昇が反映された結果であると聞いております。
 浸水想定は、各市町のハザードマップの基にもなるし、被害想定は、防災・減災対策の基礎となる重要なものであるとともに、対策の効果をはかる指標になると認識しています。また、被害想定の見直しに伴い、必要な対策を講じることも非常に大事であります。
 現在、県では、国から公表された結果を基に被害想定の見直しを行っていると聞いていますが、早期に見直しを行う必要があると思いますが、現状の進捗はどうなっているのか、危機管理部長の答弁を求めます。
○議長(岩田弘彦君) 危機管理部長中村吉良君。
  〔中村吉良君、登壇〕
○危機管理部長(中村吉良君) 県では、国が見直しを進めていた南海トラフ地震の被害想定結果の公表を受けて、より詳細な県独自の想定を行い、令和7年度末に地震動予測、津波浸水想定及び被害想定を一括して公表することとしておりました。
 しかしながら、当初は令和6年春頃に予定されておりました国の被害想定の公表が、能登半島地震や南海トラフ地震臨時情報の発表に係る検証等により、令和6年度末に延期されたことから、県の作業開始にも遅れが生じました。
 さらに、国の被害想定に時間差で発生する地震や災害関連死等の項目が新たに追加されたことを受け、県としてもこれらに対応する必要が生じたため、被害想定の公表をやむを得ず令和8年度に延期せざるを得ない状況となりました。被害想定の検討に併せて、防災・減災対策についても検討を進め、早期に公表できるよう取り組んでまいります。
 なお、地震動予測や津波浸水想定につきましては、市町村においてハザードマップの改定や防災啓発などに活用できるよう、予定どおり本年度中に公表してまいります。
○議長(岩田弘彦君) 山家敏宏君。
  〔山家敏宏君、登壇〕
○山家敏宏君 できる限り早期の公表に向けて取り組んでいただきますよう、要望いたします。
 さて、本県で懸念される自然災害は、南海トラフ地震だけでなく、近年の気象変動によって、毎年全国で台風や線状降水帯に伴う集中豪雨等により甚大な被害が発生するなど、激甚化・頻発化する風水害への対策も急務となっています。
 本県においても、一昨年6月、線状降水帯発生による集中豪雨により、紀北地方を中心に甚大な被害が発生したことは記憶に新しく、大規模地震と風水害から県民の生命、財産を守るために、公共インフラの整備も急務であると考えていますので、山田川及び江上川の整備状況について質問いたします。
 山田川とは、令和4年度12月議会でも質問させていただきましたが、湯浅町を流れる本流の2級河川のことです。そのときには、河川整備計画を早急に策定する必要があるとの考えで質問させていただき、その後、令和6年12月に河川整備計画が策定されました。
 通常、整備完成には計画策定後おおむね20年期間がかかると聞いていますが、特に住民の方々が懸念しているのは、近年、多くの新築住宅が建築されてきております国道42号東側で上流部の一之橋付近の90度に曲がった法線の部分であります。まずは、この箇所を早期に完成させる必要があると考えています。
 また、江上川とは、令和5年度9月議会でも質問させていただきました広川町を流れる2級河川です。この河川は、以前から大きな台風等で氾濫し、住宅の浸水や、住民の方々にとっての主要道路、県道御坊湯浅線が冠水し通行止めになることが何度も起こっており、住民の方々は非常に不安を感じております。江上川の工事を少しでもスピードアップしていただき、長年の悲願である完成を実現していただきたいと思っております。
 そこで、山田川及び江上川の整備状況と今後の進め方について、県土整備部長の答弁を求めます。
○議長(岩田弘彦君) 県土整備部長小浪尊宏君。
  〔小浪尊宏君、登壇〕
○県土整備部長(小浪尊宏君) 山田川及び江上川の整備状況と今後の進め方について、お答えします。
 山田川につきましては、令和5年の6月の豪雨による浸水被害などを踏まえ、令和6年12月に、二級河川山田川水系河川整備計画を策定し、同計画に基づき、おおむね20年間で整備を実施する計画としております。
 今年度は、下流部の河道掘削に向けた既設護岸の調査を進めるとともに、御指摘の上流部の一之橋付近にて、測量及び護岸の詳細設計を実施しているところです。
 また、江上川につきましては、住宅の浸水被害や周辺道路の冠水被害の軽減を目的として、江上橋からJR紀勢本線までの約700メートルの区間において河道拡幅を進めており、うち約400メートルの区間が完成し、今年度は、江上第1号橋上流において用地測量及び橋梁の詳細設計を進めてまいります。
 引き続き、本年6月に閣議決定された第1次国土強靱化実施中期計画に関連する予算措置も含め、様々な機会を通じて予算を確保し、一日も早い完成を目指し、事業を推進してまいります。
○議長(岩田弘彦君) 山家敏宏君。
  〔山家敏宏君、登壇〕
○山家敏宏君 引き続いて完成に向けて取り組んでいただきますよう要望して、次の質問に移ります。
 続いて、県道有田川湯浅線の整備状況について質問いたします。
 県道有田川湯浅線とは、地元ではよく出雲道と言うんですけども、以前から、湯浅町大字田地区は、大雨や台風等で現状道路が寸断され孤立してしまうため、この問題を解決するために、10数年前から、吉井県議を先頭に、湯浅町の上山町長、町議会の皆様が何度も県に対して思いを訴え続け、令和4年度に事業化が決定した道路であり、湯浅町大字田から小字出雲を経由し、湯浅町大字吉川へ抜ける大変重要な防災道路であります。
 また、この道路が完成すれば、湯浅町だけでなく、有田地域の観光にも大きく寄与する道路であり、例えば、湯浅町の事業として道路沿いに道の駅を造り、日本一の観光名所を併設するなど、方法は多種多様であり、観光においても重要な道路になると考えております。今年度当初予算で1億円、今議会の補正でも3000万円上程されていますが、田地区の方だけでなく、多くの住民の方々が早期完成に向けての工事着手を待ち望んでいるのが現状であります。
 そこで、県道有田川湯浅線の整備状況と今後の進め方について、県土整備部長の答弁を求めます。
○議長(岩田弘彦君) 県土整備部長。
  〔小浪尊宏君、登壇〕
○県土整備部長(小浪尊宏君) 県道有田川湯浅線の整備状況と今後の進め方について、お答えします。
 有田川湯浅線につきましては、災害時における集落の孤立の予防など、防災力の強化や、地域の特産品であるミカンなどの農産物の円滑な輸送等を目的とし、国道42号から湯浅町田地区をつなぐバイパス道路として、湯浅町による令和3年10月の都市計画決定を踏まえ、令和4年度に道路事業として新規事業化しました。
 これまでに、全事業区間の地形測量を実施するとともに、事業延長が約3.7キロメートルと長いことから、まずは、海側の約1.4キロメートルを優先的に整備する区間に位置づけ、地質調査等を進めてまいりました。今年度は、県道有田湯浅線との交差点形状を含めた道路線形の検討を実施しているところであり、引き続き路線測量や道路詳細設計を進めてまいります。
 本事業につきましても、本年6月に閣議決定された第1次国土強靱化実施中期計画に関連する予算措置も含め、様々な機会を通じて予算を確保し、一日も早い完成を目指し、事業を推進してまいります。
○議長(岩田弘彦君) 山家敏宏君。
  〔山家敏宏君、登壇〕
○山家敏宏君 微力ではございますけども、私ができることは私も全力で取り組んでまいりますので、引き続き完成に向けて取り組んでいただきますよう要望し、次の質問に移ります。
 それでは、職員の安定的な確保、まず一つ目、資格を有する職員に対する給与面の処遇について質問いたします。
 本県では、安定的な職員確保のため、令和6年度より職員採用Ⅰ種試験に早期募集枠を設け、令和6年度は一般行政職368人が受験し、最終合格者20人、倍率18.4倍、令和7年度は一般行政職早期募集枠381人が受験し、最終合格者数を90人と増加させ、倍率4.2倍、一般行政職はもちろんのこと、様々な専門職でも早期募集枠を設けることにより、安定的な職員確保に努めていただいていることは承知しております。
 早期募集枠の職員採用試験Ⅰ種土木職を見てみますと、令和6年度土木職は11人が受験し、最終合格者8人、倍率1.4倍、令和7年度は13人が受験し、最終合格者8人、倍率1.6倍となっており、一般行政職と比較するとかなり低い倍率になっているのが現状であります。
 土木だけに限りませんが、技術職のため、受験者数が少ないのは理解しております。技術系の卒業者の方々は、様々な処遇を考慮して民間企業を希望する方が多いのが現状であると思います。また、民間企業では、様々な資格手当を支給しているところが多いと聞いております。
 本県でも、様々な資格を有する職員の方は多いと思います。また、資格を有する職員は、資格維持のための講習費用、また更新費用等、様々な経費が必要になります。技術系職員の新規採用の安定と、中途退職を少しでも減らすためにも、給与面の処遇待遇があればいいと私は考えていますけども、資格を有する職員に対する給与面の処遇の現状について、総務部長の答弁を求めます。
○議長(岩田弘彦君) 総務部長山本祥生君。
  〔山本祥生君、登壇〕
○総務部長(山本祥生君) 資格を有することのみをもって支給する手当等はありませんが、同種の職務を行う職員の平常の業務に比べて著しく危険、困難等、特殊な業務に従事する職員に対して、給料の調整額を支給しております。
 対象職員は、家畜疾病の診断または診療に直接従事することを常例とする獣医師、専ら患者の看護に従事する看護師、建築確認等の事務に従事することを常例とする建築主事などでございます。
○議長(岩田弘彦君) 山家敏宏君。
  〔山家敏宏君、登壇〕
○山家敏宏君 続いて、単身赴任手当について質問いたします。
 単身赴任手当とは、和歌山県職員の給与に関する条例第15条の2で定められており、距離的に通勤が困難であると認められた場合、単身で生活することを常況とする職員に支給される手当であります。
 現状の支給額は、定額3万円と距離に応じて加算されているということです。実際、距離加算分を考慮して4万円例えば支給されたとしても、この金額から職員住宅の家賃、光熱費等の支払い、また、毎週末自宅に帰宅すれば多くの金額を単身赴任している職員の方が負担して生活していかなければならないのが現状です。
 国の制度に準拠しているのは理解していますが、国も本県も支給額の上限は平成28年度から変更されておらず、私は、昨今の物価高では安いと感じており、見直すべきだと考えていますが、総務部長の答弁を求めます。
○議長(岩田弘彦君) 総務部長。
  〔山本祥生君、登壇〕
○総務部長(山本祥生君) 単身赴任手当は、民間企業における手当額との均衡及び手当受給者の経済的負担等の実情を考慮して、県人事委員会勧告等に基づき改善が図られ、今日に至っております。支給要件、手当額ともに国に準じたものとなっていますが、県独自の措置として、加算額については、国より細かい距離区分を設定し、職員の負担軽減を図っているところです。
 今後も、国及び他の地方公共団体の状況を注視してまいります。
○議長(岩田弘彦君) 山家敏宏君。
  〔山家敏宏君、登壇〕
○山家敏宏君 先ほども言いましたけど、単身赴任手当、国の基準に準拠してというのはもう本当に理解しているんですけども、やっぱりできるだけ持ち出しというんですか、それが少しでも減るように、例えば別の制度を独自にするとか、いろんな方法があると思うので、それもまた研究していただけたらと思います。
 以上で、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(岩田弘彦君) 以上で、山家敏宏君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時38分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○副議長(秋月史成君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 6番濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕(拍手)
○濱口太史君 皆さん、お疲れさまです。
 議長のお許しをいただきましたので、早速、一般質問に入らせていただきます。
 まず一つ目、県内の看護師不足の解消についてであります。
 さきの令和7年6月定例会の一般質問におきまして、県内の看護師不足は深刻な問題であり、その対策の一つとしてナースセンターの機能拡充、そのことへの支援が重要であると県当局に対し要望したところです。
 今回は、その続きといいますか、次の段階である病院への就職について、看護職を目指す方たちに県内の病院に就職していただくことを促進するための支援について、それから、潜在看護師の現場復帰を実現するための支援について質問を行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 県内の看護師不足解消のためには、病気で苦しむ人たちを助けたいという尊い志に従い看護師への道を目指そうという人材を増やすことは大前提ですが、そういった看護大学や養成所で学んだ人たちに、そのまま県内で就職してもらうことが重要であると考えます。
 看護学生が知識や技術を習得する過程の中で、近隣の病院での実習があります。その期間は、その病院に勤務する医師や看護師とつながる絶好の機会でもあり、実習先の病院の職場環境が体験できる、また、そこに勤務する医療関係者との良好なコミュニケーションが図れれば、指導する側と指導を受ける側との信頼関係が芽生え、将来はこの病院で働きたい、この病院の人たちと一緒に仕事がしたいというふうに考えてもらえれば、県内就職につながる理想の形ができるのではないかと考えますが、これはあくまで当事者同士に対する期待であります。
 さて、病院側の事例として、和歌山県看護協会と看護連盟による取組について紹介をしたいと思います。
 2年前から、学生の就職先選択の支援、県下の病院の人員不足解消のため、病院アピールコンテストという新しい形式での就職説明会を企画し開催されています。
 この企画は、将来の職業に看護師を検討している高校生や看護学生とその保護者、また潜在看護師などを対象に、各病院のスタッフが自分たちの病院を就職先に選んでもらうために、約10分間の持ち時間内で自由に自分の病院をアピールするものであります。
 病院の特徴や給与、教育体制、福利厚生、クラブ活動など、各病院がアピールしたいことのプレゼンテーションを行います。スライドを使っての紹介やショート動画を制作して、勤務している医師や看護師、職員も登場し、病院のアピールを映像の中から呼びかけます。中には、みんなでダンスを披露したTikTok風のショート動画で、職場の明るい雰囲気やチームワークを強調した現場が見える情報を伝えるなど、各病院とも趣向を凝らした手法で参加者の心をつかもうというアピールを行っています。
 令和6年には6月と12月の2回開催され、看護連盟の川村会長に、青年部が中心となって就職支援の企画をやっているので見に来てくださいよとお誘いをいただいたので、私も12月のコンテストの様子を見てまいりました。
 なお、その様子は資料配付させていただいておりますので、御参照お願いいたします。
 特に昨年のコンテストでは、県内で学んだ看護師が都会に職場を求める、いわゆる県外流出に対し、発想の転換で、都会で働きたい人もいるけど田舎で働きたい人も絶対いると、都会で働く看護師に和歌山県への移住を促すため、各病院のプレゼンには、仕事面だけではなく、休日の過ごし方も含め、病院の地元地域の特徴や、自然や食や文化などの紹介も盛り込んでもらったり、加えて、病院のアピールタイムのほかにも、和歌山の魅力発信のための活動を行っている方や実際に都会から和歌山県に移住して活動している方をお招きしての事例発表の講演も行っておりました。職場環境と地域の魅力との合わせ技で、いろいろと充実したプログラムだと感じました。
 県外の参加者だけでなく、県内の現役看護師の方々にも和歌山の楽しみ方を知ってもらいたいという狙いもあったとのことでした。
 また、Zoomでの参加も可能で、会場に来られなかった県内外の人もオンラインでコンテストが見られるよう配慮もなされていました。
 関係者に伺いますと、これまでの参加者からのアンケート結果によれば、病院の歴史や教育体制を知ることも大事ですが、パンフレットには載っていないような福利厚生や院内でのイベントについて話をした病院の印象が強く残り、資料を請求したいと思ったとのことです。給与面だけでなく、まずは働きやすい環境なのか、長く働ける福利厚生等が充実しているかを気にしているという意見が多く寄せられたとのことです。
 そのほかにも、学生が就職先を決めた条件でよくあるのは、その病院に先輩が勤めていたからというケースだそうです。つまり、病院側の説明の信憑性を判断するのは、自分の身近な先輩の存在や意見などが基準となっているのでしょう。
 しかし、自分の目指すキャリアの働き方ができる病院なのかがよく分からないまま、流れの中で就職先を選定した学生は、自分が思い描いた環境とのギャップから早期退職の傾向にあるそうです。
 そういった人たちのために企画された病院アピールコンテストは、実際に就職を決めるものではなく、コンテストというタイトルではありますが、順位を競うものでもありません。多くの人に、自施設に興味を持ってもらい、実際にパンフレットを手に取ってもらうきっかけをつくるのが目的です。
 また、会場には、各施設の病院パンフレットやグッズなどのほかに、学生の「就職先を選定する上でナース服も大切な要素である」との声もあり、各病院のナース服も展示されていました。
 このように、看護協会や連盟のスタッフは、就職先の決定には労働条件のほかにも意外なポイントを重視している人が多いことに、このイベントを通じて感じたそうです。
 また、現在、ネット社会において、若者だけではなく、SNSを見て情報を取得し、それを参考に就職を決める人も多く、そのほうが定着率も上がるということから、アピールコンテストに参加した会員施設に対しては、看護連盟の青年部が人材確保に向けたSNS動画制作の相談など、継続的に支援を行っているそうであります。
 以上、県内就職を促進するための現場の取組や私の素人なりの所見を述べてまいりましたが、やはり看護大学や養成所で学んだ人たちの県内就職を促進していくためには、民間の取組だけではなく、県の支援や行政としての取組も必要だと考えます。
 そこで、県内各地で看護師不足という課題を抱える本県としては、県内の看護大学や養成所で資格を取得した卒業生に県内の病院で勤めてもらうために、どのような取組や支援制度を行っていますか。県内における就職者を増やすための取組について、福祉保健部長にお尋ねをいたします。
○副議長(秋月史成君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
 福祉保健部長𠮷野裕也君。
  〔𠮷野裕也君、登壇〕
○福祉保健部長(𠮷野裕也君) 県では、看護師の県内就職を促進するため、修学資金の貸付けを実施しております。学校養成所を卒業して看護師免許を取得した後、5年間、県が指定する救急告示医療機関等に就業した場合、返還を免除する仕組みとなっており、貸付けを行った令和7年卒業生は、全員県内就職しております。
 また、来年1月には県の看護職総合ポータルサイトを開設し、魅力の発信や、病院をはじめとする働く場のPR、併せてインスタグラムでの発信も行う予定です。
 最新の県内就職率が73%であることから、さらなる県内就職の促進に向けて、学校養成所や医療機関、職能団体と連携し、看護師の人材確保に取り組んでまいります。
○副議長(秋月史成君) 濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕
○濱口太史君 御答弁をいただきました。
 新たに看護師になる方の県内就職の就職率を高めるために、さらに御尽力いただきますようお願いいたします。
 一方で、緊急的な対策としましては、やはり即戦力である潜在看護師に現場復帰していただくしかないだろうとなるわけで、そのことについての質問を続けさせていただきます。
 冒頭申し上げましたとおり、さきの定例会において、県内各地の看護師不足の事態は地域医療の崩壊にもつながる深刻な問題であり、それを緊急的に解消するためには、潜在看護師と呼ばれる、看護師の資格を持っているが現在は医療現場に従事されていない人たちにもう一度現場に復帰してもらい、活躍してもらう以外には考えられないのではないかと申し上げました。そのきっかけをつくる機関でもありますナースセンターの機能を充実させるとともに、県としても今まで以上に力を尽くしていただきたいと訴えたわけです。
 しかしながら、潜在看護師に現場復帰を決意してもらうまでには、幾つもの検討すべき点があるかと思います。給与の額をはじめ、働く条件などの待遇面はもちろんのこと、働く環境や勤務している人たちとの相性など、その基準は人それぞれだと思います。
 そのほかにも、本人は現場復帰を希望しているが、家庭の事情でそれが容易ではないというケースもあると聞いております。
 例えば、ここ数年の間に出産が理由で離職した看護師は育児の真っ最中と思われます。看護師の仕事には夜勤もあり、家庭と仕事を両立させるためには育児のバックアップ体制があるかないかが大きなポイントとなります。また、それを利用するための保育料など、収入と家計とのバランスなども現場復帰を決断するための大きなポイントとなるでしょう。
 これらを踏まえつつ、育児しながらでも働きやすい環境を整えていくことが現場復帰の後押しとなるのは間違いないと思うのですが、県としてはどのような支援を行っているのか、福祉保健部長にお尋ねいたします。
○副議長(秋月史成君) 福祉保健部長。
  〔𠮷野裕也君、登壇〕
○福祉保健部長(𠮷野裕也君) 県では、育児をしながら働く医療従事者の離職防止及び再就業促進を目的として、院内保育所を運営する病院への補助制度を設けており、昨年度は15病院に支援を行いました。
 補助対象としては、ゼロ歳から小学校入学前に加え、小学校1から3年生まで対象を拡大する場合には児童保育加算として補助金額を上乗せする仕組みとなっており、24時間保育や休日保育を行う場合にも補助金額を加算しております。
 県では、引き続き、院内保育所への支援等の取組により、看護職の働きやすい環境づくりを支援し、離職防止と再就業促進を図ってまいります。
○副議長(秋月史成君) 濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕
○濱口太史君 以上2点について御答弁をいただきました。
 県が既にいろいろな支援制度をつくるなど、看護師不足を解消するための手だてを講じていることはよく分かりました。どうか引き続きよろしくお願いいたします。
 先ほども申し上げましたが、就職先の病院の様子を知る手段として、これまでは病院のホームページであったり求人情報であったり案内パンフレットが一般的でしたが、それだけでは本来の病院内の雰囲気まではなかなか学生などに伝わりにくく、せっかく就職したとしても、自分の思い描いた職場環境でなかったと感じてしまうと、すぐに辞めてしまうケースも少なくないとのことですし、現代社会では、ネットによる情報発信と受信が特に若い人たちの世代では常識となっており、SNSを有効的に活用することが今後の就職率を上げると言っても過言ではありません。
 そのような状況の中、ただ、これは私が個人的に感じるところではありますが、看護師側から聞く話、県担当課から聞く話、双方から取組について、また事情や思いを伺う中で、多少のギャップが生じているような気もします。もちろん、これまでも様々な場面において双方における協力体制は構築されているとは思いますが、国の制度や方針、補助金などをベースとして考えなければならない県や市町村行政側の立場と、現場で働く看護師側が求めていることのすり合わせをもっと行った上で対策を講じることはとても重要なことだと感じます。
 県内の看護師不足による医療現場の危機的状況を改善しようということは、お互いに同じ方向なわけですから、医療崩壊が懸念されている今、それぞれの明確な役割の下、定期的に意見交換をする場を設けるなど、これまで以上にコミュニケーションを図り、今後どのような対策を講じるべきか、何を優先に取り組むべきかなどを見いだすなど、課題克服のための協力体制を強化させるときだと思います。
 先ほどの答弁にもありましたように、お互いの取組をリンクさせることで、さらに効果を高めることも期待できると考えます。
 また、さらに重要なことは、医療現場の危機的状況を打開しようとしている行政や現場の取組について、県民の皆様にも御理解、御協力をいただくことだと考えます。現場で頑張っている看護師の皆さんにモチベーションを高めていただくための原動力になるものと思うからです。
 物価の高騰、人材不足などによる病院経営の悪化が大きな社会問題とされる中、このままでは地域医療を受けられることが決して当たり前ではなくなるかもしれない危機的状況です。地域医療が不十分となれば、地域に住む県民の安心・安全な暮らしが維持できなくなり、ひいては地域の存続に関わるわけですから、医療関係機関だけでなく、行政、我々議会、そして県民の皆様にも一致団結していただいて地域医療の発展的維持を実現していただきたいと切に願います。
 二つ目の質問に移らせていただきます。
 熊野古道におけるツキノワグマの対応についてであります。
 今議会では、熊にまつわる質問について、熊問題のエキスパート、林議員をはじめ坂本佳隆議員、そしてまたこの後の川畑議員も取り上げるとのことです。
 現時点では、出没や被害が多発しているのは北海道や東北でありますが、そのうち対岸の火事ではなくなる懸念もある中、関心の高さがうかがえますが、私は少し違った観点から質問をしたいと思います。
 私の地元の紀南地域は、別名、熊野と呼ばれ、信仰の場として広く親しまれています。地名に「熊」という漢字が使われていることには諸説があります。中心地から見ると奥まった場所、すなわち隅っこ、その「隅」という漢字は「くま」とも読みます。ほかにも、その先が見えない霊的な場所につけられると考えられています。ですから、決して熊が多く生息している地域なので熊野と呼ばれているわけではありません。
 しかしながら、県の面積の約8割が山林である本県ですから、熊が生息することは不思議なことではありませんし、ここ数年の間に生息数も増加傾向にはあるようです。
 紀伊半島に生息するツキノワグマは、白い月形の輪が胸にあることから、そう呼ばれています。雄は、体長1.2メートルから1.5メートル、体重は40キロから100キロ、雌は、体長1メートルから1.3メートル、体重30キロから60キロです。野性における寿命は、15年から20年。主にはドングリやブナの実、栗、果実類などの植物中心の雑食性ですが、食べるものは季節によって異なり、魚や昆虫なども食べるそうです。
 ツキノワグマは、昨今北海道で人を襲っているヒグマに比べるとやや小型だそうですが、連日のように各地でツキノワグマが暴れているニュース映像を見ますと、その大きさからの威圧感、桁外れの力や俊敏で凶暴な行動への恐怖感、これまでのかわいいというイメージが一変した人が増えたのではないでしょうか。
 ツキノワグマは時速40キロメートルで走ると言われ、オリンピックのゴールドメダリストよりはるかに速く、追いかけられれば逃げ切ることはほぼ不可能だそうです。もしばったり熊に出会ってしまったら、慌てて逃げるようなことはせず、熊をじっと見ながら、背中を見せず、ゆっくりと離れていく方法がよいと聞きます。果たして逼迫した場面で冷静に行動できるかは不安ですが、走ったところで逃げ切れる相手ではないのは確かなようです。
 さて、県内のツキノワグマは、田辺市と奈良県十津川村にまたがる護摩壇山など紀伊山地が主な生息地と言われています。本県では、環境省のガイドラインに基づき、野生のツキノワグマの紀伊半島全体の生息数について、これまでは400頭以下であったため保護対象としてきましたが、2024年度の調査で467頭と推定されたことにより、これまでの保護政策から管理政策に移行し、積極的な捕獲や殺処分を含めた対応にかじを切ると発表されました。
 特に近年、熊が人命や農作物に被害を及ぼす深刻な問題となっている要因について、専門家は「全国的な中山間地域における過疎化の加速により、仕事で山へ入る人が減少したために、人間に対する熊の警戒心が低下している。また、人が中山間地域で生活していたときに植えられた柿、ビワ、栗の木などが放置されていることや、秋の収穫期にミカンなどの廃品が野山や田んぼに捨てられていることは、餌づけをしているようなものである」と指摘しています。
 また、山に餌が不足しているために、熊が餌を探しているうちに偶然に市街地へ来てしまったのではないかとも考えられています。
 知能が高く、熊が人間の生活圏内で食料が得られることを一度記憶すると、何度でもその場所に戻ってくると言われ、特に都市部では、人の生活圏周辺に生息し、町なかに出没する熊のことをアーバンベアと呼び、少々のことでは人間におびえない習性に変化しているとのことです。
 さて、三重、奈良の県境と接する私の地元の新宮市熊野川町でもツキノワグマの目撃情報が相次ぎ、新宮市は熊野川町地区の防災行政無線で住民に注意を呼びかけることもありました。山間部や里山周辺で定期的に出没が確認されることから、観光地、集落近くでも警戒しないといけない状況であるとも言えます。
 そうした状況の中、当地域には、本県には観光の重要な柱である世界遺産の熊野古道があり、熊野古道は観光や修行を目的として訪れた人が山道を歩くことになります。
 そこで、環境生活部長にお尋ねをいたしますが、本県の熊野古道で、過去においてツキノワグマの被害情報はあるのでしょうか。また、熊野古道といえば、三重県、奈良県にまたがりますが、近隣県の過去5年間における熊野古道での被害情報はどうなっているのかをお示しください。
○副議長(秋月史成君) 環境生活部長湯川 学君。
  〔湯川 学君、登壇〕
○環境生活部長(湯川 学君) 近隣県の過去5年間における熊野古道での被害につきまして、三重県では、昨年8月14日に大紀町のツヅラト峠において、1人で登山中の70代女性がツキノワグマに襲われる被害が発生しております。
 なお、奈良県においては、人身被害の発生はないというふうに聞いております。
 また、本県では、これまで平成3年度に旧南部川村で、令和元年度に有田川町で、それぞれ1件ずつ人身被害が発生しておりますが、いずれも熊野古道における被害ではございません。
○副議長(秋月史成君) 濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕
○濱口太史君 御答弁をいただきました。本県の熊野古道での被害情報はないということで、現状は安心して熊野古道を歩いていただけるということが分かりました。
 ただ、近隣の三重県では、昨年、被害に遭われた方がおられるとのことですから、今のところは熊野古道においての被害情報がない本県ではありますが、今後も歩く方たちがより安心して歩いていただくために、グループで歩く、日中に歩く、食品やごみは全て処理するなど、ツキノワグマに会わないように、また、会ったときにはどういうふうに対応すればよいのかをあらかじめ知っていただくことが非常に大切なことだと思います。
 また、熊野古道は世界中から歩く方がたくさん訪れることから、外国人の方に向けた周知も必要があると思います。
 数ある紀南地域の観光資源の中で、熊野古道の場合は、ツキノワグマが生息しているであろうエリアに自らが近づくことになるわけですから、偶然にも観光客などが熊と遭遇しないとは言い切れません。幾ら熊野古道と呼ばれているとはいえ、本当に熊と遭遇してしまったら、しゃれにもなりません。
 万一、明らかな熊の目撃情報があったり、人に被害が及ぶことにでもなれば、地元自治体としては、安全が確認されるまでは熊野古道を通行止めにせざるを得ない事態も考えられますし、そのことで熊野古道全体の訪問を敬遠されるなど、大きなダメージを受けることにもなります。
 そこで、熊野古道を訪れた観光客が安心して歩けるよう、外国人観光客を含め、どのように情報発信をしているのか、地域振興部長にお尋ねをいたします。
○副議長(秋月史成君) 地域振興部長赤坂武彦君。
  〔赤坂武彦君、登壇〕
○地域振興部長(赤坂武彦君) 本県におきましては、熊野古道を目指し来県される国内外の観光客に安心して歩いていただくため、県公式観光サイトにおいて、山中でツキノワグマと遭遇しないため、また、熊を引き寄せないための注意事項など必要な情報を、日本語だけでなく、英語や中国語など多言語でも発信しているところです。
 また、山中の熊野古道が通行止めとなる際には、その判断をした市町から速やかに連絡を受ける体制を構築しており、県公式観光サイトを通じ、状況をお知らせすることとしております。
 引き続き、県内市町と緊密に連携し、国内外の観光客の皆様に安心して熊野古道を歩いていただけるよう、迅速かつ的確な情報発信に努めてまいります。
○副議長(秋月史成君) 濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕
○濱口太史君 引き続き、よろしくお願いいたします。
 今回の質問に関して、北海道や東北で凶暴な熊による事故が多発しているからといって、これまで一度も人身事故がないにもかかわらず、熊野古道での状況を取り上げることに違和感を抱く方もおられるかもしれませんが、決して、熊野古道を訪れていただく外国人を含めた観光客の皆様に対して危機感や不安感をあおるつもりではありません。
 私が意図することは、熊野古道を訪れる観光客の皆様に、もしもに備えて、県や自治体が情報発信している注意事項を十分に心得ていただきたいということです。熊野古道は、世界文化遺産に登録されているため、熊の出没に備えて防護フェンスやシェルターなどを設置することができないので、自己防衛していただくしかないからです。
 偶発的な事故を避けるためにも、鈴や会話の声などの音で人間の気配を察知させ、熊と出会わないことが基本的な行動とされていますが、一般的におとなしい習性と言われる熊であっても、子連れの場合や出会い頭での遭遇で、思わぬ事故につながる可能性もあります。
 先ほども紹介したとおり、怖くても慌てて逃げようとせず、熊をじっくりと見ながら、決して背中を見せずに、ゆっくりと離れることが危険を避ける方法だと言われています。
 また、熊に人間の食べ物を与える行為は、熊が人を恐れなくなる原因となり、問題個体の発生につながります。特に食べ残しやごみの放置は、熊を呼び寄せるため、厳に慎む必要があります。
 熊野古道が危険な場所という印象を持たれないよう、そして安全に訪れていただくために、ごみを放置しないなどのルールを守っていただき、地元自治体と協力しながら、安心で楽しい観光を実現していただきたいということをお願い申し上げまして、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(秋月史成君) 以上で、濱口太史君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 22番川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕(拍手)
○川畑哲哉君 皆さん、こんにちは。
 過日、全国都道府県議会議長会より議員歴10年以上の永年勤続功労者表彰をいただきました。これもひとえに、これまで御指導いただいてまいりました先輩・同僚議員の皆さん、宮﨑知事はじめ県職員の皆さん、県民の皆様、とりわけお支えをいただいてまいりました地元岩出市の皆様のおかげでございます。心より感謝を申し上げたいと思います。
 初心を忘れず、政治は誰のためにあるのかということを見失わず、引き続き県勢発展のために微力を尽くしてまいりますことをお誓い申し上げ、皆様には変わらぬ御指導、御鞭撻を賜りますようお願いを申し上げます。
 そして、この場にいらっしゃらない方も含め、すばらしい同期に恵まれましたことにも心からの感謝を申し上げ、表彰は辞退されましたが、私の心の連立会派こと、公明党県議団代表、岩井弘次議員も同期で、議員歴10年以上の永年勤続功労議員でありますことを御紹介申し上げ、同期の議長席、秋月史成議員よりお許しをいただきましたので、以下、通告に従い、一般質問に入らせていただきます。
 現地時間11月7日金曜日から9日日曜日まで、米国はハワイ州を訪問してまいりました。滞在時間50時間超と限られた日程ではございましたが、有意義な渡航となりました。まずは、その概要を御報告させていただきます。
 当日の夜に関西国際空港を出発したはずでございましたが、7時間20分のフライトの後、現地には19時間遡って出発日の午前9時半過ぎに、ハワイ州ホノルル市、ダニエル・K・イノウエ国際空港に到着し、30分ほど並んだ後に入国審査に臨みました。
 その際、相当な時間を要しましたが、米国在住者の解釈によりますと、つまり、滞在日数が短いこと、復路の航空券を見せられなかったこと、直前で台湾渡航があって、帰国後、間もなくまた日本を出国してきていること、フライト前の日程の都合上、スーツにネクタイ姿でハワイに降り立っている者は私以外に見当たらず、ビジネス目的との疑義が生じた可能性があること等が主たる要因かもしれないとのことでございます。
 ともかく、入国後、荷物をピックアップしてから空港を出て、別件でハワイ滞在中の谷洋一大先輩議員と、米国で設計士として活躍されているウェイン・ヤスシ氏に迎えていただき、豊富な日本食材を取り扱われているマルカイ・ホールセールマートへ向かいました。
 こちらでは、増田米菓株式会社・高砂アラレ様、株式会社松尾様、合名会社丸正酢醸造元様が7日から9日まで出店されているとのことで、このたびは激励かたがた景況調査にお伺いさせていただきました。
 マルカイ・ハワイの片山雄一店長より、会社の概要や店舗概要、客層、価格帯、得意・不得意かいわい等、詳細な御説明をいただき、私からも広範なお尋ねをさせていただきました。米国がトランプ政権に替わって輸入のやりようが劇的に変わり、日本のおいしい桃やブドウがまだ入ってきていないとお嘆きでしたが、やはり大統領が替わることの影響は殊さらに大きいようです。
 夕刻、谷大先輩とウェイン・ヤスシ氏より歓迎会にお招きいただき、その際、人生初のワイキキビーチを現認させていただきました。これぞワイキキとしか表現しようのないすばらしい夕焼けに、世界から人を集める魅力の一端がかいま見えた気がします。
 2日目は、午前9時前に霧雨の降る中を徒歩にて出発し、ドン・キホーテへ向かいました。マルカイ・ホールセールマートを迎え入れたドン・キホーテのワイキキから最寄りになる店舗では、日本食材から地元の特産品まで幅広く、そしてリーズナブルな品ぞろえで、ハワイ在住の日系人や日本ファンの皆様には心強い存在だと実感しました。
 さらに歩を進め、途中、タイムズ・スーパーマーケットに寄って、1日パスのバスカード・Holoカードを購入し、さらに歩くこと約20分、マキキ墓地に到着しました。こちらは、かつて日系人が多く住んでいたマキキ地区に所在し、海外における日本人最古の集合墓地とされているとのことです。
 墓地内中腹に位置するハワイ日本人移民慰霊碑並びに旧日本帝国海軍の鎮魂碑に手を合わさせていただきました。
 マキキ墓地を後にし、なだらかな坂道に膝やかかとの笑い具合を気にしつつ歩くこと約30分、国立太平洋記念墓地に到着しました。広大な敷地内のきれいな芝生に整然と並ぶ墓標を眺めつつ、礼拝堂に向かって手を合わさせていただきました。こちらは、太平洋戦争等で命を落とされた米軍人たちが眠る墓地で、日系人として初めて米国連邦議員となられ、ホノルル空港の空港名となられた故ダニエル・K・イノウエ氏の墓標もあるとのことです。
 この時点で既に相当の発汗量となり、迷わずウーバーアプリを開いて配車をオーダーしたところ、10分ほどで到着し、乗車してみると、ドライバーは日本人でした。ハワイ在住30年以上となるこの方から、「ホテルのベッドメークのバイトで時給30ドルのハワイで、メンテナンス代等を差し引くと、ウーバーのドライバーは時給20ドル程度。月100万円の収入では、家族がいれば健康保険をかけられないほどに普通には暮らせない。普通の暮らしには年間24万ドルは必要。老人施設へ入ると月50万から60万円必要。子供がいなくて、不動産を持っていた日本人夫婦は、先月帰国した。物価高で可処分所得が少なく、地元人は皆いらいらしているようで、近頃は車の事故が多い。郡部では、ちょっとしたいざこざで殺傷事件にまで発展しているニュースが増えた。昔のハワイアンみたいな気概を残している人は少なくなってきているのではないか」との貴重なお話を聞かせていただきました。
 「人生が開けると思い、ハワイ大学へやってきて、卒業後は観光業に従事していたが、今から振り返ると、日本の大学に通って日本で就職したほうがよかった」とも嘆かれていました。
 そうこうしているうちに、オーダーした行き先のアラパイ・トランジット・センターに到着し、待つこと約15分、52番が本命ながら、先にやってきた51番のバスに乗車し、およそ20分後に下車、間もなくマルカイ・ホールセールマートに到着しました。
 前日に続き和歌山フェアに密着させていただきましたが、スタッフがフェアの告知でマイクパフォーマンスを披露されたり、和歌山フェアの周辺では、東北フェアや米国在住日本人によるタコ焼きブースが出店されていたりと、店内には活気を感じます。
 合間を縫って、くまなく店内を視察させていただきましたが、日本食材や日本の商品が圧倒的に多い中、カリフォルニア産コシヒカリやインドマグロ等、興味を引かれるものも散見されました。
 遅いめのランチには、店内でポキ丼を購入し、頂きました。魚介の切り身を味つけした伝統的なハワイ料理のポキを、カリフォルニア米でしょうか、白米の上に載せた丼です。
 午後3時、増田充裕・増田米菓株式会社社長に御一緒していただき、車にてマルカイ・ホールセールマートを出発し、一路、パールハーバーを目指しました。ハワイの道路構成に多少てこずりつつ、約20分後にパールハーバー・ナショナル・メモリアル、パールハーバー・ヒストリック・サイトに到着しました。敷地内の至るところに「December 7,1941」「I will never forget」が刻まれています。
 国を守る、家族を守る等の思いや信念から命を投じた人間がいたことは、どの国でも同じです。そこに自国の正義があると信じていた方も多いでしょう。フィリピンで戦死しました私の祖父もその1人だったと思います。
 湾に沈む戦艦アリゾナの錨を背に、真珠湾攻撃にて命を落とされた諸英霊に祈りをささげさせていただきました。
 戦争で戦い合った後、奇跡とも呼ばれるほどの強固な同盟を築き上げた日米両国のますますの友好と真の平和構築を心から願い、その実現に向けて、かすかでも力を尽くし続けてまいりますことを改めてお誓い申し上げます。
 パールハーバーを出発した後、今年2月に西オアフはカポレイにオープンしたばかりのドンドンドンキに向かいました。広大な店内には、まさに日常必要な一切がそろっているのではと思えるほどの商品が並び、巨大な魚肉や牛肉のブロック等、ダイナミズムにあふれる食材も豊富にありました。
 マルカイもそうでしたが、非常な物価高のハワイでもリーズナブルな値段設定だと思います。それでも、お菓子等は、日本で購入する3倍ほどの価格となっていました。
 日本では、ドン・キホーテと聞けば、ややもすればパーティーグッズや電化製品等、一般のスーパーでは売っていないような品ぞろえをイメージされるかと思いますが、米国では、今や本格的日系スーパーの代名詞のような存在かと感じます。米国進出を着々と進めてこられた企業努力の成果かと思いますが、和歌山県産品の販売どころとして大いなる頼み先だと感じます。
 結びに、このたびの渡航に際し、お関わりいただきました全ての皆様に心からの感謝を申し上げまして、まずはハワイ訪問の御報告とさせていただきます。
 さて、パールハーバー・ナショナル・メモリアル、パールハーバー・ヒストリック・サイトでは、真珠湾攻撃により海に沈んだ米軍艦アリゾナをはじめとする軍艦・潜水艦や命を落とされた兵士等が顕彰され、国のために戦ったことに国として誠実に敬意が表されていると感じました。
 また、日常でも軍人や退役軍人への敬意や感謝がそこかしこに表れていて、飲食店や映画館、アパレルショップ等で軍人やその家族への優遇が広く行われていることはよく知られています。
 私史上、初めて訪れた米国では、国や家族を守ることに文字どおり命をかけている人々への並々ならぬ思いを感じましたが、それは至極当然のことだと思います。
 我が国でも、各地で戦争に関連する資料館や記念館等が設置され、戦没者の追悼碑等も建立されていますが、戦争の凄惨さを伝え、不戦への思いを涵養していくことと併せて、さきの大戦で命をなげうった英霊を悼み、功績を顕彰することが大切だと考えます。
 本年は、戦後80年の節目の年であり、改めて、さきの大戦を振り返るべき年でもあります。
 我が国では、明治2年に明治天皇のおぼしめしにより創建された東京招魂社を始まりとする靖国神社にて、明治維新以降、第2次世界大戦まで、国のために命をささげた246万柱余りの人々を英霊として祭られています。その中には、朝鮮半島出身の軍人等も含まれています。国を守るために尽力された人々を顕彰するということは、そういうことだと思います。
 そこで、お尋ねいたします。
 終戦から80年が過ぎ、戦後生まれの世代が大半を占めるようになり、戦争の体験や記憶の風化が危惧されるとともに、これまでさきの大戦に参加された方や戦没者の遺族の方々が中心になって行っていた各地の慰霊碑の維持管理の担い手をどうするのかも問題になりつつあります。
 国を守るために命をささげられた人々を悼み、顕彰するということは、将来にわたって戦争の記憶を風化させることなく、さきの大戦の記憶や教訓を次の世代に着実に継承していくことが不可欠であると考えますが、県として、戦争の体験や記憶、戦没者の慰霊をどのように後世につないでいくのか、県民の平和と安全を守り抜くとの思いと併せて、宮﨑知事の答弁を求めます。
 次に、県産品の販路拡大についてもお尋ねいたします。
 ハワイという地域は、日系人が多く、日本語が通じやすく、関西国際空港から直行便があり、日本よりも物価が高く、中心地、ワイキキ周辺の広さやまとまり具合等の地理的状況、人口の社会増傾向等、事業者によるプロモーション等も鑑みて、県産品の販路拡大先としては最適地の一つであり、進出を図る県内事業者の一層の支援に努めるべきと考えますが、本県のハワイ進出の取組状況はいかがでしょうか。農林水産部長の御答弁、どうぞよろしくお願いいたします。
 さらに、国語教育についてもお尋ねいたします。
 海外を訪れますと、日本人の外国語力、とりわけ英語力の弱さを痛感する方が多く、殊さらに英会話力の向上をうたう議論が起こりやすいと感じています。
 しかし、翻訳機や翻訳アプリ等の開発も目覚ましい昨今、渡航先での日常会話にはそれほど困らなくなってきていることに加え、そもそも学校の授業だけで外国語を話せるようにしようという発想自体が期待過剰であるとも思っています。
 それよりも、第2、第3の外国語を話す大前提としては、母国語を使いこなせることが肝要であることを見逃してはならないと私は考えます。
 日本語は、世界でも屈指の柔軟な言い回しを可能とする繊細な言語であり、例えば降雨量の違いで「ぽつりぽつり」から「土砂降り」までそれぞれの表現を持ち、初見の方でも「いつもお世話になっています」と挨拶し、朝でも夜でも「お疲れさまです」とお声かけする等の配慮深い言葉を持っています。
 話す相手により、「僕」や「私」等、一人称も変化し、了承することを「了解しました」「承知しました」等と使い分けるなど、高度な言い回しも持ちます。
 語種はじめ、社会に出てから学ぶ節回しも多く、巧みな日本語の使い回しには敬意と羨望が集まると感じています。
 母国語を深く理解して使いこなせていなければ、そもそも外国語の長文読解や文型等を理解できるはずもなく、むしろその国の方々から冷ややかに見られることもあるでしょう。
 私がフリーター時代にお世話になっていました水道工事の現場で出会いました中国人は、将来、上海にて運送会社を起業するために日本でお金を稼ぐことと日本語を習得することに熱心で、随分日本語の活用についてお尋ねをいただきましたが、日本語を学ぼうとする外国人に対して母国語の文法等を解説できない日本人が多いことに嘆き、嘲っているようにも見えました。国語教育は本当に大切だと思います。
 本県における国語教育について、県教育委員会としてはどのような方針を持ってどのように取り組まれているのでしょうか。教育長にお尋ねいたします。
○副議長(秋月史成君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
 知事宮﨑 泉君。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 県といたしましては、終戦から80年が過ぎ、戦争を体験した世代の方々の高齢化が進む中、戦争の悲惨さや平和の尊さを後世に伝えていくことは非常に重要であると考えております。
 さきの大戦の記憶を風化させないために、県戦没者追悼式や沖縄並びに南方諸地域での戦没者追悼式を県が主催するとともに、国が主催する全国戦没者追悼式に県遺族連合会と連携して多くの方々に御参列をいただいているところです。
 また、国においても、戦没者の慰霊と次世代への記憶の継承を着実に継続していくため、予算を拡充し、平和の語り部、国内民間建立慰霊碑の移設等の取組を推進しており、県としても、市町村等に対して積極的な活用に向け、周知を行っているところです。
 さらに、県遺族連合会では、戦争体験を後世につなぐ取組として、終戦80周年記念誌の編さんや、御遺族の孫やひ孫世代で組織する青年部においても語り部事業が継続できるよう後継者養成に取り組んでいるところであり、県もこういった取組に対して積極的に支援をしてまいります。
 戦争を知らない世代が大多数となる中、悲惨な戦争の記憶を世代を超えて継承し、戦争の惨禍を決して繰り返すことなく、これからも世界の平和と繁栄に力を尽くしていかなければならないと思います。
 県政を預かる者として、今後とも、県民が平和で安全な暮らしができることを常に念頭に置きながら、一生懸命に県政に取り組んでまいります。
○副議長(秋月史成君) 農林水産部長川尾尚史君。
  〔川尾尚史君、登壇〕
○農林水産部長(川尾尚史君) 県産品の販路拡大についてお答えいたします。
 本県では、令和3年3月に、株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスと県産品の販路拡大に関する連携協定を締結しており、その一環として、県産品の認知度向上や輸出促進を目的に、令和5年よりハワイのドン・キホーテで和歌山フェアを開催しています。
 本年は5月に21日間開催し、県内の26事業者から商品出品があり、このうち8事業者が現地に渡航され、販売促進活動を行われました。また、このフェアをきっかけに、11月には3事業者が渡航し、独自に催事を開催したところです。
 フェアでは、梅酒や梅干し、ミカンや桃のジュースに加え、しょうゆ風味のあられなどの人気が高く、現地のバイヤーに採用された商品数は初年度の69から3年目の本年には124に大幅に増加するなど、現地店舗からも高く評価されております。
 ハワイは市場規模こそ小さいものの、日本文化や日本食への親和性が高く、高品質な日本産食品への需要も高い地域であるとともに、米国本土に向けた輸出にもつながることから、重要な市場の一つと認識しており、今後も引き続き、ハワイへの県産品の販路拡大に向けた取組を推進してまいります。
○副議長(秋月史成君) 教育長今西宏行君。
  〔今西宏行君、登壇〕
○教育長(今西宏行君) 国語教育についてお答えします。
 学習指導要領の国語科の目標には、「言葉が持つよさを認識するとともに、言語感覚を養い、国語の大切さを自覚し、国語を尊重してその能力の向上を図る態度を養う」と示されています。
 実際の国語科の授業では、インタビューなど、話を聞いて意見や質問を述べたり、案内文などの文章を書いたり、小説などの文章を読んで感想を伝え合ったりする言語活動の中で、相手や目的、状況などに応じてどのような言葉を選んで表現するのが適切であるかを判断できる言語感覚を養っています。
 議員御指摘のように、日本語は豊かで繊細な表現方法を有する言語です。県教育委員会では、今後も、子供たちが国語を大切にし、言葉の魅力や表現の多様さを学び、目的や状況などに応じて適切に使えるよう、国語教育の充実に努めてまいります。
○副議長(秋月史成君) 川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕
○川畑哲哉君 今月5日に劇場公開が始まりました映画「ペリリュー-楽園のゲルニカ-」を先日鑑賞してまいりました。舞台は、太平洋戦争末期の1944年9月15日から約2か月半繰り広げられた南国の美しい楽園、パラオ・ペリリュー島での戦いです。
 無意味な玉砕は極力禁じられ、徹底持久を命じられた日本軍1万人に米軍の精鋭4万人が襲いかかった狂気の戦場で、日本軍の生き残りは34人。終戦を知らずに、同士討ちにて命を落とした兵士の最期も描かれています。この壮絶な戦いが忘れられたかのようにほとんど語られることなく、2025年現在でも1000を超える日本兵の遺骨が収容されずに島に眠っているとのことです。
 本年1月に和歌山県護国神社にて催行されました初詣会に遺族会会員として参列させていただきましたが、冒頭、林純弘宮司の「こちらでお祭りしている3万6670柱の英霊たちは一体何のために命をささげたのか。今の政治を見てどう思われているのだろうか」という旨の御挨拶が胸に刺さりました。高市早苗内閣が誕生し、来年はどのような御挨拶をされるのか、深く関心を引かれています。
 それはそれとしまして、追悼と顕彰、大切にしていただきますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 あと、「AI vs.教科書が読めない子どもたち」の著者、新井紀子氏は、その著作「シン読解力」の中で、「読めない、書けないは明らかに日本の生産性を下げている」と書かれています。
 人口減少下の我が国におきまして、生産性向上は経済成長のために不可欠な命題であり、経済成長なくしては教育への投資もままなりません。国語教育のさらなる充実に向けて、なお一層のお取組をどうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、次の項目に入らせていただきます。
 こども家庭庁によりますと、「児童育成支援拠点事業とは、養育環境等に課題を抱える、家庭や学校に居場所のない児童等に対して、当該児童の居場所となる場を開設し、児童とその家庭が抱える多様な課題に応じて、生活習慣の形成や学習のサポート、進路等の相談支援、食事の提供等を行うとともに、児童及び家庭の状況をアセスメントし、関係機関へのつなぎを行う等の個々の児童の状況に応じた支援を包括的に提供することにより、虐待を防止し、子どもの最善の利益の保障と健全な育成を図る事業」とあります。
 当該事業の背景には、養育環境等に課題を抱える子供たちの増加や、それに伴う子供の孤立と家庭の育児負担増等の現代的な社会課題が認められますが、本県でも児童相談所への相談件数は平成28年より増加傾向にあります。
 虐待は、親側、子供側、家族から等に起因し、社会的孤立等の心理によることもあるそうです。また、触法少年等の認知件数も看過できず、小学校低学年からという低年齢化も見られます。つきましては、訪問による生活支援をはじめ、学校や家庭以外での子供の居場所支援や親子関係の形成支援等が強く求められます。
 そのためには、行政だけではなく、専門家との連携が必須であり、児童育成支援拠点事業の充実がその一助になるものと私は考えていますが、本県内における当該事業の取組状況はいかがでしょうか。
 また、県から見て、当該事業が必要であると思われる自治体に対しては、県から促しを図り、実施に向けて背中を押していく等のアプローチをすべきではないかと考えますが、県としてはどのようにお考えでしょうか。共生社会推進部長の御答弁、どうぞよろしくお願いいたします。
○副議長(秋月史成君) 共生社会推進部長島本由美君。
  〔島本由美君、登壇〕
○共生社会推進部長(島本由美君) 児童育成支援拠点事業の実施主体は市町村であり、事業費の負担割合は、国、県、市町村それぞれ3分の1となっており、県内では、今年度から新宮市と有田川町において実施されております。
 養育環境に課題のある児童が、入浴や食事などのサービスの提供を受けることによって、生活のリズムが整い、不登校が解消されつつあるという事例も聞いており、既に一定の効果が生じていると感じています。
 児童虐待防止などにも大いに期待できると思われるため、県としましても、和歌山県総合計画に盛り込むなどし、実施を促進していきたいと考えております。
 今後も、需要を的確に把握し、市町村に対して好事例を適切に情報提供するとともに、個別に相談に応じながら、事業の前向きな検討を後押ししてまいります。
○副議長(秋月史成君) 川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕
○川畑哲哉君 力強い御答弁いただきました。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは次に、持続可能な森づくりについて質問させていただきます。
 一つ目の小項目は熊対策についてでございまして、これは県議会では熊対策の第一人者、林隆一議員をはじめ坂本佳隆議員、そして先ほど濱口太史先輩議員も質問されていましたが、趣味が登山と県道の散策であります私からもお尋ねいたします。
 我が国は、約38万平方メートルの国土を持ち、北海道、本州、四国、九州という四つの主要な島と6800の小さな島々から構成され、そこにおよそ1億2300万人が住んでいます。
 「『風の谷』という希望 残すに値する未来をつくる」の著者、安宅和人・慶應義塾大学環境情報学部教授によりますと、我が国の国土の半分以上が無人であり、人口の約9割が、1割にも満たない土地に住んでいるとのことでございます。
 皆様御存じのように、我が国は国土の約7割が森林でございまして、和歌山県は森林率76.5%で全国8位と、その名のとおり、木の国でございます。
 そんな和歌山県が未来に輝き続ける道は、間違いなく森づくりを大切にする道であると言えるのではないでしょうか。
 現代日本では、深刻な獣害に直面しています。
 安宅教授は、現在の獣害を土地本来の森の姿からの逸脱がもたらした生態系のひずみの表れと解釈されていますが、すなわち、かつて我が国の森林は広葉樹を主とする混交林が大半を占め、野生動物たちの食料源に満ちていたものの、明治以降の大規模植林事業により、成長の早い杉やヒノキ等の針葉樹が植えられ、森林の約4割が針葉樹との単純林となり、混交林が減少したことで、空腹を抱えた動物たちは食料を求めて人里に下りてくるようになって、農地や耕作放棄地で栄養価の高い食べ物の味を覚え、鹿のような一部の動物は人里での過剰な栄養摂取により個体数を急増させたことから、高山帯にまで生息域を広げて貴重な高山植物を死滅させ、都市化の進行に伴う人口減少により、野生動物にとって抑止力たる人間の存在が薄くなったことで、動物たちがさらに人里へ接近しやすい環境が生まれてきているとのことでございます。
 そんな昨今、熊による被害情報や熊の目撃情報があふれ出しました。人なれしたアーバンベアが増えてきているともお聞きしています。
 和歌山県も例外ではなく、令和に入ってからの和歌山県内における熊の目撃情報は、平均約50件で推移していましたが、昨年は180件と激増しました。
 ちまたで熊への不安が聞かれることも多くなり、趣味の登山やハイキングを控えているという方もいらっしゃいます。
 鳥獣対策は、県民の皆様の身体的にも精神的にも経済的にも喫緊の課題ではありますが、とりわけ熊対策は他の鳥獣対策とは別段の構えが必要だと私は考えています。まずは、科学的な調査による個体数の正確な把握から始めることはもちろんですが、熊対策の人材育成も必要だと思います。
 また、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律において、人の日常生活圏に熊、イノシシが出没した際、安全確保等の条件の下で、市町村が委託等した者による銃猟を可能とする緊急銃猟制度が新たに設けられ、9月より開始したことから、熊ハンターの選定及び育成や自治体間に生じ得るであろう濃淡を解消していく手法の確立、和歌山県警察との連携等を急ぐ必要もあると思いますが、本県ではどのように取り組まれているでしょうか。環境生活部長の御答弁、どうぞよろしくお願いいたします。
○副議長(秋月史成君) 環境生活部長湯川 学君。
  〔湯川 学君、登壇〕
○環境生活部長(湯川 学君) 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律が改正され、本年9月1日から、人の日常生活圏にツキノワグマが出没した場合、銃猟以外の方法では的確かつ迅速な捕獲等が困難であること、住民や第三者に銃猟による危害を及ぼすおそれがないことなど一定の条件を満たした場合に、市町村長の判断により、銃器を使用した捕獲が可能となります。
 この緊急銃猟を実施する者の条件としては、第一種銃猟免許または第二種銃猟免許を受けた者、1年間に2回以上の銃猟または射撃の練習をしていること、過去3年以内に緊急銃猟の実施のために使用する銃器と同種の銃器を使用して、熊、イノシシまたはニホンジカの捕獲を行った経験を有する者との要件が定められております。
 このため、銃猟免許の所有者を増やすこと、捕獲経験者を増やすことが緊急銃猟の射手を確保するためには重要と考えており、県では、狩猟者育成・確保のため、銃猟捕獲技術向上研修や狩猟体験研修などを実施しております。
 また、他県で開催された緊急銃猟訓練の情報を県内市町村と共有するとともに、12月24日に、本県では初めてとなる机上訓練を田辺市で実施することにより、環境省、市町村、警察、猟友会との連携を強化し、緊急銃猟の円滑な実施につなげてまいります。
 今後も、県民の安全・安心の確保を最優先に、ツキノワグマ対策を実施してまいります。
○副議長(秋月史成君) 川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕
○川畑哲哉君 とにかくあらゆる知見を共有すべきだと思いますので、紀伊半島三県交流はもちろんですけれども、関西広域連合の場も有効に活用していただきたいというふうに思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、次の質問に入らしていただきます。
 安宅和人教授によりますと、針葉樹と広葉樹を配する混交林であること、山や森の麓に柿等の耕作放棄地をつくらないこと、択伐等を適切かつ継続的に行うこと等で、水源を涵養し、土壌を保全していくことが持続可能な森づくりにつながり、森の奥地で餌を確保できることで、熊をはじめとする鳥獣との共存が可能になるとのことであり、強度間伐による混交林化には特に注目すべきとのことでございます。
 なお、安宅教授は、その著作の中で、土地本来の森の見極め方として、植物社会学の創始者の1人、ラインホルト・チュクセン博士が唱えた潜在自然植生という考え方を紹介された上で、すなわち、人間の影響を全て停止した場合に、その土地の自然環境の総和が支える潜在的な緑の姿を理論的に考察するという考え方を日本で実践的に発展させた植物社会学者、宮脇昭・横浜国立大学名誉教授を登場させられ、その宮脇教授によりますと、潜在自然植生を見いだす手がかりが例えば沖縄の御嶽の森にあると紹介されていましたので、先月、沖縄県を訪れた際に、天燈山御嶽、ガーナー森御嶽、そして、世界文化遺産に指定されている史跡、斎場御嶽を訪れました。
 御嶽とは、村落構成の最も重要な要素であり、村落の守護神が祭られている聖地とのことで、岩出市にお住まいの沖縄県関係者にお尋ねしますと、うかつに近寄ったりはしないとのことで、規模の大小あれども、確かに神々しさを感じます。
 森に生えている木は、クスノキ、クチナシ、ボチョウジ、イヌビワ、トウネズミモチ、ヤブニッケイ等、ほぼ全てが広葉樹で、足元にはクワズイモやネトル等の多年草が生え、まさに生物多様性そのものがそこには存在していました。
 余談ながら、御嶽を出てくる頃には、何とも言えないすっきりした心持ちを覚え、そのかいわいでパワースポットとされているゆえんを実感しました。
 世界で最も早く土壌保全の重要性に着目し、2006年には包括的な土壌保護戦略を採択したEUには、「土壌は私たちが育てる食べ物の根本基盤であり、飼料、織物、木材、その他の素材を生み出す基盤そのものでもあります。土壌は私たちに清浄な水を供給し、生物多様性を支え、栄養分を循環させ、気候を調節します。また、土壌は私たちの景観や文化遺産の一部となっています。土壌は、私たちの幸せと地球の生態系のバランスにとって重要なものです」という言葉があるそうです。
 森は、多くの生命体が暮らす場所であり、水や空気を生み出し、林業をはじめとする産業の基盤となり、学びや心の栄養を得る場所であり、何より文化や歴史をたたえています。そして、森は海を育てています。つまり、森づくりは海づくりでもあり、本県にとりましては極めて重要な取組であると思います。
 そこで、農林水産部長にお尋ねいたします。
 強度間伐等による針葉樹と広葉樹の混交林化や広葉樹林化を進めることが水源の涵養、土壌の保全、さらに鳥獣の生育の場の創造につながるのではないかと考えます。強度間伐につきましては、現在、市町村にて森林譲与税を活用して実施されることが多いとお伺いしていますが、50年後も100年後も200年後も残る持続可能な森づくりに向けて、本県ではどのような取組をされているのでしょうか。御答弁、どうぞよろしくお願いいたします。
○副議長(秋月史成君) 農林水産部長川尾尚史君。
  〔川尾尚史君、登壇〕
○農林水産部長(川尾尚史君) 本県の森林は、戦後、杉、ヒノキなど針葉樹の植林が進み、現在、約6割が人工林となっていますが、木材価格の低迷などにより施業が放棄された森林や尾根部の痩せ地などでは、生育が悪く、施業が見込めない森林が見受けられます。
 こうした森林は、水源の涵養や土砂の流出防止など、森林の持つ多面的な機能が適正に発揮できないため、県では、広葉樹への転換などを支援し、広葉樹林化や、針葉樹と広葉樹の混交林化を進めています。
 具体的には、紀の国森づくり基金を活用した人工林の広葉樹林化事業や企業の森活動などにより、直近3年間で約100ヘクタールがカシやクヌギなど広葉樹林に転換されており、こうした森づくりを進めることで、野生動物の生息環境の回復にもつながると考えております。
 今後も、森林の持つ多面的な機能が適正に発揮されるとともに、生物多様性の保全にもつながるよう、多様で健全な森づくりを推進してまいります。
○副議長(秋月史成君) 川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕
○川畑哲哉君 では、次の質問に入らせていただきます。
 ネーミングライツにつきまして、令和4年9月定例会にてお尋ねしてから3年が過ぎています。
 改めて申し上げるまでもございませんが、自治体が公共施設にネーミングライツを導入することで、安定的な財源確保による継続的な施設運営ができ、施設の魅力向上やイメージアップにつなげることができます。
 また、住民には、それによって魅力が向上した施設を利用することができるようになり、住民サービスが向上します。
 出資する企業は、企業の社会的責任や地域社会貢献という、いわゆるCSRの評価が向上し、自社の広告・宣伝効果が見込めます。
 各自治体にとって、住民サービス向上のために一層の歳入確保を目指すものの、直線的な歳入確保の手段が限られているわけでございますが、ネーミングライツは一つの現実的な選択肢であると思います。
 さらに、県がネーミングライツを導入することによって、まだ導入に至っていない県内の各自治体が背中を押され、さらなる住民サービスの向上を目指して積極的に導入されることが期待されます。
 とにかく、県がネーミングライツの導入を実現させることは多角的に大変意義深いと私は考えています。
 そこで、総務部長にお尋ねいたします。
 先日の岩井弘次議員への御答弁の中でもネーミングライツの活用ということが聞かれましたが、本県におけるネーミングライツ導入に向けたその後の進捗はいかがでしょうか。御答弁よろしくお願いします。
○副議長(秋月史成君) 総務部長山本祥生君。
  〔山本祥生君、登壇〕
○総務部長(山本祥生君) ネーミングライツにつきましては、令和4年7月に和歌山県ネーミングライツ導入ガイドラインを作成し、施設所管課と導入に向け協議を進めてまいりました。
 今般、スポーツ課において、令和8年度当初からの県立体育館へのネーミングライツ導入を目指し、10月1日から11月19日を募集期間として命名権者を募集したところです。
 今後、外部の専門家等に意見聴取の上、県が設置する選定委員会において、応募者、愛称、命名権料、地域貢献等の応募内容について審査の後、命名権候補者の選定を進める予定となっております。
 県といたしましては、引き続き、施設所管課と連携し、ネーミングライツの導入を進め、新たな歳入の確保に努めてまいります。
○副議長(秋月史成君) 川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕
○川畑哲哉君 御答弁いただきました。いよいよ第1号誕生前夜ということで、大変うれしく思います。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、最後の大項目に入らせていただきます。
 令和5年度関西広域連合議会8月定例会において、質の高い教育の定義につながるような教育プログラムを誕生させるべく、教育の効果についてのデータ取得及び蓄積について提言をさせていただきました。
 その際申し上げました趣旨は、以下のとおりでございます。
 我が国では、ほぼ全ての国民が義務教育を経て、日常生活に困らない程度での字の読み書きができることから、企業経営者であれ、塾講師であれ、保護者であれ、おのおのがそれぞれの持論や経験則を語るということが教育の分野では往々にして起こっていると認識をしています。さながら甲子園に来ている阪神ファンの一人一人が監督のような心持ちで観戦しているさまに近いものがあるのではないでしょうか。
 生成AIの活用が始まり、DX社会が展開しつつあるこの令和の我が国において、教育プログラムの策定につきましても、どこかの誰かによる子育ての成功体験を皆でシェアするのではなく、詳細で多角的なデータ分析を経た的確な科学的根拠に基づき、国や地方自治体がそのエリアで育てたい子供像へと導くことができる、説得力があって、実施に際してコストパフォーマンスの高い政策に限られた資源を投入するべきと考えます。
 子供を勉強させるために御褒美でつってはいけないのか、子育て中の親としては大なり小なり持つ悩みかと思います。
 その回答は、教育経済学者、中室牧子・慶応義塾大学教授によりますと、その著書「『学力』の経済学」の中で、ジョン・ベイツ・クラーク賞受賞者のフライヤー・ハーバード大学教授やロドリゲス・ニューヨーク市立大学准教授、レヴィット・シカゴ大学教授らの研究により明らかにされていることが紹介されています。
 すなわち、学力テストや通知表の成績などをよくするというアウトプットよりも、本を読む、宿題を終える、学校にちゃんと出席するなどというインプットに御褒美を与えると効果的、アウトプットに与える場合にはどうすれば成績を上げられるのかという方法を教え導いてくれる人が必要、御褒美は中高生にはお金、小学生にはトロフィーが効果的とのことです。
 そのほか、テレビやゲームは子供に悪影響を及ぼすのか、友達が与える影響、教育にはいつ投資すべきか、少人数学級と子供の生涯収入との関係等について、次々と世界の研究結果による回答が紹介され、気質や性格的な特徴である忍耐力がある、社会性がある、意欲的である等という非認知能力は、将来の年収、学歴や就業形態などの労働市場における成果に大きく影響すると結論づけられています。
 つまり、学校とは、学力だけではなく、非認知能力を培う場所でもあるということです。
 であるならば、現時点で我が国の義務教育現場では、非認知能力を培うべきという意識がどれほど満ち、それがどのように教育プログラムに反映されているのでしょうか。
 そもそも、我が国の児童生徒の非認知能力がこれまでと比較して、また同時代における世界と比較してどの程度であるかという認識を持てているのでしょうか。
 昨今のハラスメントと称される領域が根拠なく広がっていくことは、人間関係において様々な弊害が生じるものと思います。そもそも、教育現場における体罰やパワハラと叱咤激励の線引きがなくなってきていることに非常な危惧を覚えています。いつから我が国はこのように弱い国民性が世をリードするようになってきたのかと嘆かれます。
 もし、学生時代に目標を設定し、叱咤激励を受け、しんどさや苦しみを乗り越えて目標を達し、それによって自分への自信を深め、自己肯定感を高めることの積み重ねができたことで、今日現在、豊かな人生を送ることができているとのエビデンスが蓄積されていれば、叱咤激励という行為に対して感じる重みが違ってきているのではと考えます。
 文部科学省は、昨年度より、幼児教育の効果を検証するため、子供の成長過程を継続的に確認する1万人分の大規模縦断調査を始めるとしましたが、県教育委員会としては当該調査をどのように把握しているのでしょうか。
 また、地理的な条件や人口密度により教育の影響が違うことも想定されます。本県としても、本県ならではの特性の中で行われる本県の教育効果について独自調査をするべきと考えますが、県教育委員会としてはいかがお考えでしょうか。教育長の御答弁、どうぞよろしくお願いいたします。
○副議長(秋月史成君) 教育長今西宏行君。
  〔今西宏行君、登壇〕
○教育長(今西宏行君) 文部科学省による幼児教育に関する大規模縦断調査は、幼児教育が子供の発達及び小学校以降の学習や生活にどう影響を与えるかを検証するため、全国から無作為に抽出した令和6年度の5歳児を5年間かけて継続して調査するものです。
 調査内容は、子供の成長や発達状況、幼児教育施設の保育内容、家庭での養育環境、小学校への接続の取組等、多岐にわたっています。調査後は、幼児教育をはじめ発達心理学や経済学、脳科学等、幅広い分野の研究者によって多様な視点から分析されるということです。
 このような幼児教育や家庭環境、小学校の学習や生活を関連づけて行う全国規模の調査は先進的な試みであることから、調査結果には期待しています。
 県教育委員会としましては、独自調査は実施せず、文部科学省から公表される結果を活用して、県内の幼児教育の充実を図ってまいります。
○副議長(秋月史成君) 川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕
○川畑哲哉君 独自調査の実施に向けて、私も科学的根拠を積み上げ、また御提案申し上げたいと思います。
 以上で、私の人生21度目の一般質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(秋月史成君) 以上で、川畑哲哉君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会は、12月15日定刻より会議を開きます。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時21分散会

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