令和7年12月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(全文)


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令和7年12月 和歌山県議会定例会会議録 第2号

議事日程 第2号
 令和7年12月10日(水曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第177号から議案第179号まで(当局説明)
 第2 議案第146号から議案第176号まで(質疑)
 第3 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議案第177号から議案第179号まで(当局説明)
 第2 議案第146号から議案第176号まで(質疑)
 第3 一般質問
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出席議員(41人)
 1番 高田英亮
 2番 上山寿示
 3番 佐藤武治
 4番 鈴木德久
 5番 森 礼子
 6番 濱口太史
 7番 井出益弘
 8番 尾崎要二
 9番 玄素彰人
 10番 山家敏宏
 11番 鈴木太雄
 12番 岩田弘彦
 13番 吉井和視
 14番 中村裕一
 15番 北山慎一
 16番 坂本佳隆
 17番 中本浩精
 18番 堀 龍雄
 19番 新島 雄
 20番 山下直也
 21番 三栖拓也
 22番 川畑哲哉
 23番 秋月史成
 24番 谷口和樹
 25番 山田正彦
 26番 坂本 登
 27番 岩永淳志
 28番 小川浩樹
 29番 中尾友紀
 30番 岩井弘次
 31番 藤本眞利子
 32番 浦口高典
 33番 尾﨑太郎
 34番 藤山将材
 35番 小西政宏
 37番 中西 徹
 38番 林 隆一
 39番 片桐章浩
 40番 奥村規子
 41番 谷 洋一
 42番 長坂隆司
欠席議員(なし)
〔備考〕
 36番 欠員
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説明のため出席した者
 知事         宮﨑 泉
 副知事        友井泰範
 知事室長       北廣理人
 総務部長       山本祥生
 危機管理部長     中村吉良
 企画部長       北村 香
 地域振興部長     赤坂武彦
 環境生活部長     湯川 学
 共生社会推進部長   島本由美
 福祉保健部長     𠮷野裕也
 商工労働部長     中場 毅
 農林水産部長     川尾尚史
 県土整備部長     小浪尊宏
 会計管理者      高橋博之
 教育長        今西宏行
 公安委員会委員長   竹山早穗
 警察本部長      野本靖之
 人事委員会委員長   平田健正
 代表監査委員     田嶋久嗣
 選挙管理委員会委員長 和歌哲也
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       中嶋 宏
 次長         橋爪正樹
 議事課長       岩井紀生
 議事課副課長     田中 匠
 議事課議事班長    川原清晃
 議事課主査      川崎競平
 議事課副主査     西 智生
 議事課副主査     林 貞男
 総務課長       榊 建二
 政策調査課長     岩谷隆哉
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  午前10時0分開議
○議長(岩田弘彦君) これより本日の会議を開きます。
 日程に先立ち、諸般の報告をいたします。
 過日提出のあった議案第153号から議案第156号まで、議案第160号から議案第162号まで及び議案第164号は、いずれも職員に関する条例議案でありますので、地方公務員法第5条第2項の規定により、人事委員会の意見を徴しましたところ、文書により回答がありました。配付しておりますので、御了承願います。
 この際、報告いたします。
 議案の追加提出がありました。
 日程第1、議案第177号から議案第179号までを一括して議題といたします。
 議案は、配付しております。
 まず、当局の説明を求めます。
 知事宮﨑 泉君。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) ただいま上程されました議案について御説明を申し上げます。
 議案第177号は、強い経済を実現する総合経済対策に伴う国の補正予算を踏まえ、一般会計で総額345億7000万円余の補正予算の決議をお願いするものです。
 主なものといたしましては、物価高対策として、国の電気・ガス料金負担軽減支援の対象とならないLPガス利用者並びに特別高圧で受電する医療機関及び中小企業者への支援に要する経費を計上しております。
 また、医療・介護・障害福祉分野において、直面している物価上昇への的確な対応や、物価を上回る賃上げの実現に向け、報酬改定までの緊急的措置として、医療機関、薬局、介護施設、障害福祉サービス等事業者などへの支援に要する経費を計上しております。
 さらに、農林業の生産性向上や低コスト化への支援に要する経費のほか、防災・減災、国土強靱化の推進に要する経費を計上しております。
 次に、議案第178号は、流域下水道事業会計において、那賀及び伊都処理区における施設改築等に要する経費として6億5000万円余を計上しております。
 次に、議案第179号は、令和7年度建設事業施行に伴う市町村負担金について、議決をお願いするものです。
 何とぞ、御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(岩田弘彦君) 以上で、当局の説明が終わりました。
 次に日程第2、議案第146号から議案第176号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、併せて日程第3、一般質問を行います。
 11番鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕(拍手)
○鈴木太雄君 皆様、改めましておはようございます。
 早速ですが、通告に従い質問を行わせていただきたいんですけれども、議長とかを経験させていただきましたので、約3年半ぶりだと思うんです。そういった意味で、いい緊張感を持って一般質問を行わせていただきたいと思います。どうぞよろしく最後までお願いいたします。
 それでは、大項目の1として、新たな総合計画について質問いたします。
 早いもので、宮﨑知事が就任されて半年が経過をいたしました。
 知事は、就任直後の6月定例会の冒頭挨拶において、岸本前知事の思いを引き継ぎ、笑顔あふれる和歌山を実現していくことが自身の責務であると決意を述べられました。その上で、県政を進めるに当たっては、常に県民の視点に立って何をすべきかを考えることが基本であり、新たなことにチャレンジする姿勢が不可欠であると力強く語られていたことを記憶いたしております。
 それから今日までの間、知事はその基本姿勢にのっとり、県内各地への視察や地域住民との意見交換を行い、市町村、各業界団体からの要望にも精力的に対応するなど、現場の声に耳を傾けてこられたかと思います。
 これらの活動を通じて、県民の方々がどのような不安や課題を抱え、知事に何を期待しているのか、認識が深まると同時に、県政の目指すべき方向性が鮮明になってきたのではないでしょうか。
 そうした中、本定例会には新たな総合計画が議案として提出をされています。この総合計画は、岸本前知事によって手がけられ、宮﨑知事が継承し完成させた、言わば2人の知事による合作となるわけです。また、宮﨑知事にとっての最初の総合計画であります。これまで聴いてこられた県民の声を形にし、県民と交わした約束を果たすためのビジョンとして、宮﨑カラーを打ち出したものと理解をいたしております。
 本定例会初日、知事から説明がありましたように、本県を取り巻く環境は、人口減少、超少子高齢化が加速していく中、デジタル技術の進展に加え、脱炭素・循環型社会への構造転換が求められるなど、大きく変化し、そうした動きは今後より一層拡大していくことが見込まれる、まさに激動の時代とも言えます。
 中でも、人口減少、超少子高齢化は本県の未来を左右する最大の問題であり、その対策は今が正念場であります。総合計画議案で示されているとおり、本県の今後30年における人口減少は、過去30年の約2倍のスピードで進行し、現在約87万人ある人口が25年後の2050年には約63万人まで減少するという予測が立っております。
 県内では、現在においても多くの産業で人手不足が深刻化しており、また、小売店や飲食業などでは地域の消費者が減り、経営が厳しいというお話を耳にいたします。早急に対応しなければ、地域経済や産業の縮小のみならず、教育や医療、福祉などあらゆる領域において、より深刻な事態を招くことは明らかであります。
 そして、もう一つの大きな課題は、地球温暖化にどう対応していくかだと考えています。この問題には、気候変動を抑える緩和と気候変動の影響に備える適応、その二つの側面からの対応が求められているところであります。
 本県においても、短時間豪雨の年間発生件数は、この半世紀で2倍以上に増加するなど、頻度、強さともに増しており、気候変動により災害リスクの高まりが懸念されております。また、農作物の生産適地や漁場、魚種が変動することからも、基幹産業である農林水産業に大きな影響が見込まれます。
 世界に目を向けると、グーグルやアップルなどの大企業では、部品の製造を含めたサプライチェーン全体で再生可能エネルギー由来の電力のみを使うといった動きが広まりつつあります。
 我が国においても脱炭素社会に向けた法制度化が進んでおり、本年5月には、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律、いわゆるGX推進法の改正法案が成立をし、来年度から二酸化炭素排出量が一定規模以上の事業者に対し、排出量取引制度への参加が義務づけられます。
 県内には対象企業が少なく、即座に大きな影響はないと思われますが、対象企業には、自社の排出量だけではなく、サプライチェーンでの取組や市場のグリーン化を牽引することが求められていることから、将来的に県内企業の経営にも影響が及ぶと想定されています。
 こうした時代の変革期ともいうべき状況において、持続可能で豊かな社会をつくっていくためには、将来的な課題にも目を向けながら、これまでの既成概念を大きく変えるとともに、知恵を絞り、しっかりと対応することが重要であり、これからの県政には、知事が述べられているとおり、新たなことにチャレンジをする、この姿勢が何よりも必要であります。
 言うまでもなく、総合計画は、県政の目指す将来像とその実現に向けて取り組む施策の基本的な方向を示す、言わば県政の羅針盤であり、県議会の議決を要する最上位計画であります。
 今回の総合計画は、宮﨑知事のリーダーシップの下、これまで以上に大きな変革を起こしていくものと大変期待をいたしておりますが、本県が目指す大きな方向性と、それを実践するに当たっての知事の決意を改めてこの場でお聞かせをいただきたいと思います。
○議長(岩田弘彦君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
 知事宮﨑 泉君。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) まさに激動とも言える社会の大きな転換点を迎える中で、先の見通しが立ちにくい困難な状況にあっても、県民の皆様が将来に向かって安心して希望を持って暮らしていけるよう、本県の特性を生かし、より豊かで持続可能な社会、経済を創生していくことが知事である私の使命であります。
 そのため、新たな総合計画は、人口減少、超少子高齢化、地球温暖化をはじめ本県の将来に大きな変化やリスクを及ぼすことが予測される五つの社会の潮流への対応に焦点を絞った内容としています。
 議員御指摘のとおり、本県が直面する課題は、既成概念を大きく変えなければ乗り越えられないものばかりであります。そのため、県議会をはじめ各種業界団体や市町村、地域住民の方々のほか、有権者からも多くの意見やアイデアをいただき、それらを踏まえて、全庁を挙げ、時間をかけて部局横断の議論を重ねてまいりました。
 その具体的な取組の方向性は、総合計画議案の六つの政策の柱における実施計画の随所に盛り込んでおりますが、私の県政での挑戦の第一歩となる主な施策を幾つか御説明を申し上げます。
 まず、持続可能で力強い経済を構築していくため、硬直的な産業構造を見直し、和歌山の地域特性や地理的条件を生かした次世代型の産業構造へと転換を進めてまいります。具体的には、小型ロケット発射場を核とした宇宙ビジネスの集積や、洋上風力、カーボンニュートラル燃料等のクリーンエネルギーを大規模に供給できる地域としてのGXを推し進めるなど、成長産業の開拓を次の段階に押し上げ、脱炭素先進県を目指してまいります。
 本県の基幹産業である農林水産業では、世界農業遺産認定に代表される先人がつくり上げた生産技術と、AI、ロボットといった先端技術を組み合わせた産業形成を進めます。加えて、温暖化対策に資する基礎研究や多様な事業者と連携した加工機能の強化、陸上養殖への参入など新たな事業展開にも挑戦し、働きやすさと高い収益性を備えた産業へと進化を図ってまいります。
 また、これからは人の魅力が鍵を握る時代であります。多様性を尊重し、能力や意欲に応じて個人の可能性を広げる政策に力点を置き、新しい価値やイノベーションが絶えず生み出される地となることを目指してまいります。
 そのため、国内外の多くの人々の心を引きつけることができるよう、高野、熊野に代表される精神文化など、和歌山の本質的な魅力に磨きをかけます。また、教育においては、これまでの画一的な一斉授業で早さと正確さを競う教育から、一人一人の個性や希望、能力に応じた個別最適で探求的な学びを進める教育に根底から見直してまいります。
 さらに、急速に進行する人口減少、超少子高齢化に起因する諸課題を抱える本県において、地域経済や地域社会の持続可能性を考える際、様々な分野で活躍する外国人材の存在は極めて重要であります。
 そのため、現在行われている政府における外国人政策の議論や社会情勢を見極めながら、地域社会の活力創造と多様性を生かした文化、経済での新たな価値の創造に必要な仲間として、外国人材の戦略的な受入れ拡大を進めてまいります。
 こうした産業政策や人への投資を通して、若者や女性にも選ばれる地として本県の魅力を高め、人口減少の抑制、緩和と人口構造の若返りを目指してまいります。
 他方、これらの対策を講じたとしても、この計画で展望する2040年に向かっては、人口減少という大きなトレンドは避けられません。そうした中、人口増加期につくられた社会経済システムを人口動態に適応したものへと再構築し、質的な強靱化を図っていくということが急務であります。
 それは、医療・福祉、教育、交通、公共施設などの公共サービスにおいても早急な対応が求められ、これまで以上に住民に最も身近な行政機関である市町村との連携、協力が重要となります。
 市町村の自主性、自立性を尊重することが原則でありますが、県と市町村の2層制を柔軟に捉え、市町村単独では解決できない課題に対しては積極的に関与し、サービスの共同化や複合化といった新たな連携の仕組みを構築するなど、広域の地方公共団体への役割をしっかりと果たしていきたいと考えております。
 未来の県民にも誇れる新たな発展の形を築いていくため、時代の変化に応じて、自らの地域資源の価値を再定義し、変化に挑み変えていく要素と、変化に負けず守り抜く要素をうまく組み合わせながら、和歌山ならではの多様性に富んだ豊かな社会を築いてまいります。
 最後に、こうした改革を進める上では、意見の衝突や副作用などの障壁が付き物ですが、常に県民の視点に立って、その一つ一つに丁寧に対処し、強い熱意と覚悟をもって着実に進めていく所存であります。
 車の両輪である鈴木太雄県議はじめ皆さん方の御指導、御協力をよろしくお願いをいたします。ありがとうございます。
○議長(岩田弘彦君) 鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 私も共に頑張りたい、このように思います。
 それでは、続いて大項目の2として、県立高校の入学者選抜募集定員について2点質問をいたします。
 この件に関しましては、PTA進路指導協議会の役員や関係者の方々及び地元選出県議会議員らで、教育長をはじめとする県教育委員会に対し陳情活動を行っている地域があります。
 私の地元である田辺・西牟婁地域におきましても、例年8月に陳情活動を行っております。その陳情書にも記されていますが、当地域においては、私立の高等学校がなく、併願が難しく、また、地域が広大であり、通学の手段が制限されることから、時間的、経済的に生徒や保護者の大きな負担となります。このため、当地方の中学校を卒業する生徒は、限られた県立高等学校の中から進学先を選ばざるを得なく、さらに、日高地方をはじめとする他地域からも田辺・西牟婁郡内の高校への受験生が非常に多くあり、進路選択が厳しい状況になっています。
 逆に、田辺・西牟婁郡内から他地域にある高校への受験も選択肢としてはありますが、その多くは希望の変更によるものであります。そういったことから、全日制学級数の維持とともに、中でも進学希望の多い普通科等の定員維持を要望されておりました。
 そうした中、さきの11月4日、教育委員会は、2026年度における県立高校の募集定員について、全日制28校4分校が前年度より110人少ない6200人とすると公表されました。募集定員の減少は、170人減となった前年度に引き続き2年連続となります。
 ちなみに、今年度募集定員が減少する学校を申し上げると、耐久高校の普通科、神島高校の経営科学科がともに1学級40人、紀北農芸高校と有田中央高校においては、それぞれ三つある学級数を維持したまま、学級定員をそれぞれ5人減らし、4校合わせて110人の減となります。
 その中でも、神島高校の経営科学科については、周辺地域の職業科において、例年そのほとんどが定員割れとなっている状況であるにもかかわらず、私の知る限り、一般出願時、非常に人気が高く、本出願に至ってもなお定員を割ることはありませんでした。
 地元新聞によると、教育委員会は、神島高校経営科学科の減について、地域の学校規模や学科のバランスなどから検討したとのことでありました。確かに、中学卒業者数の減少により1学級減とはなりましたが、田辺・西牟婁地方の普通科等の定員合計に占める割合が県全体よりも低い状況にあることから、陳情内容である普通科等は減ることはありませんでした。
 ただ、周辺地域だけではなく、県内全体からしても有数の進学希望が多い学校・学科がなぜ1学級減となったのか、また地域全体を見て、これまで定員割れが続く職業学科についてはどう検証されたのか、そして、昨年度の南部高校や和歌山東高校のように、学級数を維持したまま学級定員での調整を図ることができなかったのか。もっと言えば、一つの学校だけではなく、その地域全体の複数ある学校で学級定員を調整できなかったのか、様々な選択肢がある中でなぜこの結果に至ったのか、今回の神島高校の事例を通じて率直に疑問を感じておりますし、実際、保護者からも疑問の意見をよくお聞かせをいただいております。
 そこで、1点目として、募集定員決定に至った経緯について教育長にお伺いをいたします。
○議長(岩田弘彦君) 教育長今西宏行君。
  〔今西宏行君、登壇〕
○教育長(今西宏行君) 令和4年3月に策定した県立高等学校教育の充実と再編整備に係る原則と指針では、適正な学級数として、1学年当たりおおむね6学級を目標とし、普通科や専門学科、総合学科の各学科間のバランス等を踏まえつつ、募集定員を設定することとしています。
 さらに、中学校卒業生徒数、高校への入学状況等も考慮し、和歌山の子供は和歌山で育てるという考えの下、他府県に比べて募集定員に余裕を持たせております。
 田辺市・西牟婁郡地域やその周辺地域の高校においては、近年では、令和2年度に田辺高校普通科と南部高校普通科をそれぞれ1学級減、令和7年度に南部高校の全ての学級を35人募集とするなど、募集定員を減じてまいりました。
 今回、当地域は、昨年度に引き続き中学校卒業生徒数が減少する状況にあり、各学校の規模や地域に必要な産業系専門学科の規模等から総合的に判断し、神島高校経営科学科を1学級減としました。
 今後、各地域の学校規模が縮小していく中で、地域が求めることや実情をこれまで以上に踏まえて募集定員を決定してまいります。
○議長(岩田弘彦君) 鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 次の質問に移ります。
 これまで教育委員会が推し進めている特色ある学校づくりの好事例として、学校関係者のたゆまぬ努力により進学希望を増やした学校・学科を減らしたことは、この学校をこうしたいという思いや戦略ではなく、単に学科の数合わせになっているのではないかとの印象を私は持っております。
 本来、教育委員会としてはどのような人物を育成したいのか、そのために個々の学校・学科に何を求め、期待するのかを明確にすることが重要であります。
 また一方、受験生の立場になって考えてみれば、県立高校の入学者選抜募集定員の発表は、例年10月末から11月初めの間、つまり入試から遡ること僅か4か月前に行われます。この4か月という期間に受験生は進路指導を仰ぎ、一旦の志望校を決め、一般出願を申請し、そして、すぐに発表される一般出願に係る志望状況を確認した上で、本出願を約1週間という短い期間で提出する運びとなります。受験生や保護者による志望校の決定に、中でも募集定員の増ではなくて減が大きな影響を与えることを考えれば、非常にタイトなスケジュールでもあります。
 そういったことから、今後の人口動態はもとより、地域事情をも勘案しながら、何よりも中長期的な視点に立った定員計画を示すことが、これからも生徒数の減少が明らかである以上、特に必要であると考えます。今後の本県各学校の在り方を考えれば、なおさらであります。
 そこで2点目、今後の計画について、教育長にお伺いをいたします。
○議長(岩田弘彦君) 教育長。
  〔今西宏行君、登壇〕
○教育長(今西宏行君) 県教育委員会では、原則と指針で示したおおむね令和17年までの県立高校の在り方の大きな方向性に基づき、募集定員を決めています。
 また、近年、AIの発達やロボットの活用が進む中、理系人材や物づくり人材が強く求められており、将来の和歌山に必要な人材育成という視点も併せて決定していく必要があります。
 現在、各学校では魅力化・特色化を進め、学校の活力や教育の質をできるだけ維持しようとしていますが、今後10年で中学校卒業生徒数は、県全体で7600人から約1800人減の24%減少し、田辺市・西牟婁郡地域では約880人から250人、28%減少すると予測されます。
 そのような中で、各学校の取組の進捗や社会情勢等を見極め、地域ごとの高校の在り方を具体化するとともに、長期的な募集定員を示すことを検討してまいります。
○議長(岩田弘彦君) 鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 御答弁をいただきました。
 高等教育機関においては、機械や情報系など理系学部・学科の人気が非常に高まりつつあるにもかかわらずに、中等教育ではそれが選ばれないといった状況があります。
 答弁のように、地域産業にとって必要な理系、物づくり人材を育成するという視点を持ち、学科の定員を考えるのであれば、まずは子供たちに職業科の魅力を伝えて、将来への希望を抱いてもらうことが必要ではないかと強く感じました。
 現在、文部科学省は、理系人材育成を含む高校教育改革のグランドデザインを年度内に示す方針を打ち出し、それを基に都道府県が行う取組を支援する高等学校教育改革交付金をつくる計画を立てております。
 募集定員については、国の動向にもしっかりと注視しながら、求める人材育成、各学校・学科の特色、魅力づくりと併せたビジョンある方針をしっかりと示していただきたいと思います。要望とさせていただきます。
 続いて、大項目3に移ります。
 漁業振興について3点にわたり質問をいたします。
 和歌山県は、約651キロメートルに及ぶリアス式海岸状の地形を有し、海岸線に沿って走れば至るところに漁港や漁師町を目にいたします。水産局の資料によると、本県の海域は瀬戸内海と外洋性の太平洋に二分され、瀬戸内海海域ではタチウオやエビ類などを対象とした小型底引き網漁業、シラスやイカ類を対象とした機船船引き網漁業のほか、マダイやアジ・サバ類を対象とした一本釣り漁業等が営まれております。
 一方、太平洋海域では、本州最南端の潮岬沖合を流れる黒潮本流の離接岸に強い影響を受け、カツオやマグロ類を対象とした引き縄釣り漁業、沿岸小型カツオさお釣り漁業、はえ縄漁業、イサキやマダイ、ブリ類等を対象とした一本釣り漁業のほか、アジ・サバ類を対象としたまき網漁業、定置網漁業、棒受け網漁業、イセエビやイソウオを対象とした刺し網漁業等、本当に多様な漁業が営まれております。
 私の地元である田辺市江川地域も古くから漁業が盛んで、かつては多くの漁船が田辺湾に並んでおりました。
 本県は、言うまでもなく比較的漁業条件に恵まれた地域ではあるものの、近年漁業を取り巻く環境はさらに厳しさが増し続けております。漁獲量の減少や漁業就業者の高齢化等も相まって組合員数も減少の一途をたどり、漁獲量や養殖の生産量及び産出額の全国に占める割合についても、本当に低く推移をいたしております。
 そういった低迷している状況が続く中、水産局は、時代の変化に対応できる収益性の高い水産業の実現に向け、様々な施策を挙げております。具体的には、ICT等を活用した最新技術の導入により生産性の向上等に取り組む漁業者を支援するスマート水産業推進事業、漁業の新規担い手の確保・育成を支援する次代につなぐ漁村づくり支援事業、複合経営に取り組む漁業者グループの支援等による収益性の向上に向けた経営構造改革、公的規制と漁業者による自主的な取組の双方を組み合わせた資源管理や種苗放流、藻場回復等の沿岸漁場の再生等による資源管理対策の推進がそれであります。
 そこで1点目、和歌山県における水産業の現状認識と施策の実施状況及びその効果について、農林水産部長にお伺いをいたします。
○議長(岩田弘彦君) 農林水産部長川尾尚史君。
  〔川尾尚史君、登壇〕
○農林水産部長(川尾尚史君) 議員御指摘のとおり、本県の海面漁業漁獲量は令和5年で1万2501トンと、10年前の53%まで減少するとともに、漁業就業者の減少や高齢化の進行、燃油や資材価格の高騰など、本県水産業は非常に厳しい状況にあると認識しております。
 このため、議員のお話にあった施策をはじめ種々の取組を展開しているところであり、例えばスマート水産業の推進では、最新機器の展示会やスマート技術の活用事例を紹介するセミナーを開催するとともに、水中ドローンなど7件のスマート機器の導入を支援し、養殖業における潜水作業の機械化など、効率化が進んでおります。
 また、収益性の向上に向けた経営構造改革では、これまで複合経営に取り組む23グループを支援し、カツオの跳ね釣りを新たに開始した漁業者が漁獲量を大幅に伸ばすなど、収益性の向上が図られています。
 資源管理対策の推進では、マアジやサバ類、クロマグロなどについての法定管理、いわゆるTAC管理を実施するとともに、タチウオやイサキ、イセエビなどについては、地域や漁法ごとに、漁業者同士が自主的に締結した資源管理協定を県が認定し、適正に実施されるよう指導しています。こうした取組により、シラス漁では漁獲量が安定するようになり、後継者も育っています。
 このほか、表層型浮魚礁の設置によるカツオやマグロの漁獲量の増加など、これまでの種々の取組により一定の効果が見られるものの、依然として厳しい状況にありますので、今後も創意工夫を重ねながら関係機関と連携し、本県水産業の振興に取り組んでまいります。
○議長(岩田弘彦君) 鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 次に移ります。
 漁業就業者の減少、後継者不足は深刻な問題であります。本県における海面漁業の就業者数でありますが、昭和38年は1万179人だったのに対し、令和5年時には1896人と、当時の5分の1以下になっております。海面漁業の就業者数は全国割合の1.56%にすぎず、海に接していない8県を除いた39都道府県中24位という状況であり、漁業就業者数は、全国的な傾向であるとはいえ、減少をしております。また、本県の漁業就業者を年代別に見ると、60代と75歳以上がいずれも364人、19.2%、70代前半が267人、14.1%と、60歳代以上が半数を超えております。
 今後、より高齢化することが予測されている中、さらなる労働力不足や技術継承の停滞、ひいては漁業の存続さえも危ぶまれているところであります。
 高齢化が進んでいる要因は、当然のことながら、新規就業希望者が極端に少ないことによるもので、その背景には、少子高齢化による働き手の減少に加え、地方の過疎化と若者の都市部流出や、3Kと呼ばれる労働環境の厳しさなど、複数の問題が存在するとともに、特に漁業においては、収入が少ない上に不安定であるためと考えられております。
 県では、新規就業者の確保に向け、市町との連携による次代につなぐ漁村づくり支援事業や、各関係機関と連携した魚食普及・漁業体験交流活動、また就労環境の改善にもつながる漁港機能増進事業などの施策を講じておりますが、厳しい状況が今なお続いております。
 そういった中、全国に目を向けると、漁業への就業を目指す若者に、より実践的な漁業技術や知識を教育し、即戦力となる漁業就業者を育成するため、県や市町、県漁業協同組合連合会などで運営する漁業学校が設立されております。一例を挙げますと、徳島県には、徳島で漁師を目指す方々が漁業に関する知識や技術を学ぶ「とくしま漁業アカデミー」がございます。
 とくしま漁業アカデミーは、平成29年4月に開校された漁業学校であり、公益財団法人徳島県水産振興公害対策基金によって運営されております。研修期間は原則1年間であり、漁業の基本知識を習得するための座学や資格取得に加え、研修生が今後の進路を選択するために、県内各地で多種多様な漁業を体験する現場実習など、様々なカリキュラムが用意されております。研修生の募集人数は毎年7名程度とのことで、卒業後は県内各地で漁業に就業し活躍をされているそうです。
 水産庁も経営体育成総合支援事業において、こうした漁業学校等で学ぶ者への就業準備資金の交付や、漁業現場における長期研修の実施等、就業者確保対策を講じていますが、農業における対策と比較をすれば、経営を開始した直後の生活支援である所得の補塡等が十分とは言えません。
 やはり県においては、漁業就業者を確保するため、新規漁業就業者の経営安定と定着促進に向け、これまで以上に国に求めるところはしっかりと国に求めると同時に、県独自の支援制度をこれまで以上に拡充することも必要であると考えます。
 そこで2点目、漁業就業者確保に係る取組について、農林水産部長にお伺いいたします。
○議長(岩田弘彦君) 農林水産部長。
  〔川尾尚史君、登壇〕
○農林水産部長(川尾尚史君) 本県の漁業就業者数は、直近10年間で、人数では1011人、割合では35%減少しており、新規就業者の確保・育成は重要かつ喫緊の課題と認識しております。そのため、就業情報の発信や就業フェアへの出展により、就業希望者を呼び込むとともに、漁業体験や実践研修による技術習得支援に取り組んでおります。
 中でも地域と連携した体験や研修が重要であると考え、国の支援策に加え、県独自に漁業体験事業や短期のトライアル研修及び長期の漁業技能承継実践研修に取り組む市町等を支援しております。
 また、国の支援対象とならない漁家子弟の研修についても、独立型研修を令和2年から、雇用型研修を本年度から支援対象とするなど、一人でも多くの研修生が受講できるよう制度の拡充を図ったことで、現在、これまでで最も多い14名の方が研修に取り組んでいます。
 さらに、新規就業時の負担軽減を図るため、昨年度から漁船や漁具の整備等の初期投資に対する支援を、本年度からは小型船舶操縦士免許等の操業に必要な資格取得に対する支援を新たに開始するなど、研修後のサポートにも取り組んでおります。
 議員御指摘の経営開始直後の生活支援については、農業では国の手厚い制度がございます。漁業においても、経営安定につながる制度の創設を国へ要望してまいります。
 今後も、こうした取組を進めるとともに、他県の状況や研修生の声を参考に就業直後の支援策の充実について研究するなど、新規就業者の確保に積極的に取り組んでまいります。
○議長(岩田弘彦君) 鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 次に移ります。
 養殖業は、天然資源の減少や漁業の安定化への対処及び食料安全保障の観点から重要な役割を担っております。世界の漁業・養殖業の生産量は2億559万トンと、世界の人口及び所得の増加による水産物需要の拡大を背景として増加傾向にあります。
 その内訳は、漁業による生産量が1990年代以降9000万トン前後で推移しているのに対し、藻類養殖や内水面養殖の生産量が大幅に増加してきた結果、2013年以降、養殖業による割合が5割を超えております。
 我が国の養殖業の成長が停滞しているこの20年間において、世界の養殖生産量は約4倍へと拡大をいたしております。
 水産資源の漁獲が不安定な中、計画的で安定的に生産できる養殖に対する期待は高く、世界的な関心の高まりからも、養殖業を成長させる好機を迎えております。
 本県における海面漁業生産量が大きく減少する中、海面養殖業生産量は令和元年以降3000トンを超え、海面漁業・養殖業生産量全体の約2割を占めております。
 また、令和5年の海面漁業産出額は84億4600万円であるのに対し、海面養殖業については63億3400万円で、海面漁業・養殖業産業額全体の43%を占めております。つまり、海面養殖業生産量の割合が2割であるのに対し、産出額は4割もあることから、養殖業は稼ぐことのできる産業であると言うことができます。
 また、近年では、自然環境の影響を受けにくく、水資源の節約、環境の保全、生産効率の向上、病害虫の管理といった利点から陸上養殖が注目を集めており、大手建設業界や重工業業界、商社等の新規事業開拓への機運の高まりなどを受け、地域の事業者や漁協等と連携をして事業を展開している事例が多くあります。
 水産庁によると、令和7年1月時点での届出件数は740件に達しており、特に沖縄県や九州地方で多くの養殖場が確認されています。しかしながら、陸上養殖事業に取り組むには、最適な土地の確保や膨大な初期投資と、電気代をはじめとする高いランニングコストなど、多くの課題があることも事実であります。
 本県は、陸上養殖事業を水産振興の重要な柱にしていきたいとのことでありますが、この事業推進に当たっては、十分な支援策が必要不可欠であります。
 そこで3点目として、養殖業の成長促進や陸上養殖の推進に当たって、県としてどのように取り組んでいくのか、農林水産部長にお伺いをいたします。
○議長(岩田弘彦君) 農林水産部長。
  〔川尾尚史君、登壇〕
○農林水産部長(川尾尚史君) 養殖業は、天然資源の減少や水産物の需要拡大等を背景に全国的に収穫量が拡大しており、本県においても海面養殖業は5年前に比べて収穫量で12%、産出額で36%増加しています。
 また、養殖業は、水産物の安定供給とともに、地域の新たな特産品や観光資源としての役割に加え、雇用の創出など地域振興に大きく寄与することが期待できることから、今後も本県水産業の重要な柱として振興していきたいと考えております。
 一方で、海面養殖業では環境変化への対応や新たな漁場確保が難しいことなどが、陸上養殖では事業用地の確保や多額な初期投資が必要なことなどが課題であると認識しております。このため、海面養殖業では、高単価が期待できる新魚種への転換や新たな養殖システムの導入支援、陸上養殖については、県内での適地調査の実施や初期投資の負担軽減等について検討しているところです。
 なお、県内外事業者の新規参入や誘致については、地元漁業者と県外事業者の協業も含め、地元関係者と連携を図りながら取り組んでまいります。
○議長(岩田弘彦君) 鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 養殖業の成長促進の中で、答弁にもありましたように、県外事業者だけではなくて、やっぱり第一に地元漁業者など県内の事業者も元気になるような形で頑張っていただきたいと思います。期待をいたします。
 続いて、大項目の4、熊野白浜リゾート空港の在り方について3点にわたり質問をいたします。
 2016年2月、定例記者会見において当時の仁坂知事は、南紀白浜空港への国際線誘致に向け、今年度から国際線空港ターミナルビル基本設計や実施設計に着手するとともに、民間企業への空港の運営委託について、コンセッション方式も含め検討することを明らかにされました。その後、2回にわたる審査委員会を経て、現在、株式会社南紀白浜エアポートがその運営を行っております。
 県が民間活力を導入した目的は、空港基本施設等とターミナルビルの一体運営の実現により、チャーター便など新たな航空ネットワークの拡充による、さらなる交流人口の拡大及び空港運営の効率化を図るためであったと記憶いたしております。
 この目的に沿う形で、空港を運営している南紀白浜エアポートからは、民間事業者を決定する審査委員会において、機材大型化と新規路線就航やチャーター便の誘致により、航空ネットワークを拡充し、飛行機の利用客、10年後25万人、20年後には30万人を目指すこと、そして国際線ターミナルビルの新設及び運営に関する10年間分の公共負担額を24.5億円とすることが提案されております。
 現在、混合型コンセッションの導入により、年間6500万円の県財政の効率化や、協力事業者による実証実験フィールドとしての空港の活用等が図られているところであります。
 そういった中、この南紀白浜空港民間活力導入事業が評価をされ、令和6年第1回のPPP/PFI事業優良事例表彰を受賞されました。
 その際、南紀白浜エアポートから報道関係者へ示した資料には、和歌山県庁と南紀白浜エアポートが官民連携し、官民双方の得意分野を生かした事業を行い、従来の民営化の官から民の1馬力ではなく、官プラス民の2馬力を実現、空港型地方創生というコンセプトで空港を拠点とした地方創生を行い、様々な事業効果をもたらしていると記されております。
 直接的には、空港を管理する県の負担が約2割軽減されるとともに、間接的には、ワーケーション人材や副業人材、また、様々なIT企業の呼び込みにより航空利用客が増大され、地域経済への好影響を実現し、それによる地域の平均所得が向上、さらには空港後背圏の人口が社会増になるなど、地方創生の効果が見てとれ、極めて有効性が高いものであると考えているとのことであります。
 少し言い過ぎではないかなあというふうに思っているところもあるんですが、そこで1点目として、熊野白浜リゾート空港の在り方について、改めて県の現状におけるコンセッション導入効果に対する認識と、県及び南紀白浜エアポートのそれぞれの役割について、また、今後の課題も併せて県土整備部長にお伺いをいたします。
○議長(岩田弘彦君) 県土整備部長小浪尊宏君。
  〔小浪尊宏君、登壇〕
○県土整備部長(小浪尊宏君) 熊野白浜リゾート空港は、民間の創意工夫による低廉かつ良質な公共サービスの提供等を図るため、PFI法・民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律に基づく公共施設等運営権制度、いわゆるコンセッション契約を平成30年度より導入し、以来、空港管理者である本県と、空港運営権者として設立された株式会社南紀白浜エアポートの両者が密接に連携し、事業運営を行っております。
 両者の役割分担について御質問がありました。
 まず、県は、知事等の高い発信力を生かしたトップセールスや、国など関係機関との連絡調整、国庫補助を受けたRESA・滑走路端安全区域の整備、滑走路や電源設備の更新など、空港の基本的なインフラ部分の機能向上を担っています。
 一方、株式会社南紀白浜エアポートは、民間の創意工夫を生かした効率的な空港運営に加えて、民間企業のネットワークを通じた大手企業による様々な実証実験の場としての空港の活用、空港周辺も含めたワーケーションの推進や企業研修の受入れのあっせんなど、空港の利用増に寄与する交流人口の拡大につながる取組等を進めています。
 県としては、コンセッション導入により空港運営の経費負担が軽減されただけではなく、こうした官民双方の強みを生かした言わば2馬力の取組により、平成29年度に比べ令和6年度の搭乗者数が約78%増加しているほか、交流人口の拡大等による地域経済の活性化にも貢献しているものと認識しています。
 今後、令和11年度に利用者30万人及び羽田線4往復8便化並びに滑走路延伸後に利用者50万人という目標を実現するためには、空港管理者である県と空港運営権者の連携の効果をさらに高めていく必要があると認識しており、引き続き、両者が一体となった官プラス民の2馬力の運営を強く推進してまいります。
○議長(岩田弘彦君) 鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 次に移ります。
 熊野白浜リゾート空港の搭乗者数及び搭乗率につきましては、県が運営主体であった10年前の平成28年度は11万9777人の70.4%、現在においては、昨年度の令和6年度が23万5543人の66.5%であり、搭乗者数は、機材の大型化などの要因により倍増いたしましたが、搭乗率については横ばい傾向であるため、現状の搭乗率を考えれば、まだ搭乗者数を伸ばすことは一定可能な状況であると考えられます。
 一般論として、搭乗者数を伸ばすためには、競争力のある運賃設定やサービス品質の向上などの運賃・サービス戦略、インバウンド誘致や多様な媒体での情報発信等の集客・プロモーション活動、空港機能の強化や効率化等、航空会社や空港、地方自治体が連携し、総合的に取り組むことが重要であると言われております。
 その中でも、熊野白浜リゾート空港については、とりわけ搭乗者全体に占める地元の割合が約2割であるという現状であることから、その利用率をいかにして上げるか、これが大きなポイントとなっております。もっと言えば、田辺・西牟婁地域以外でも、多くの県民が関西国際空港ではなく熊野白浜リゾート空港を利用したいと思っていただけるように、利用者目線に立った訴求力の高い仕掛けが大事であると私は考えております。
 我々が目指す4往復8便化及びその先の滑走路延長の実現に弾みをつけるためにも、4年後までに年間搭乗者数30万人は成し遂げなければなりません。
 そこで、小項目の2、県民を中心に利用率を向上させる取組について、また、今定例会の補正予算案に熊野白浜リゾート空港と無料駐車場を結ぶ区間の安全対策やカメラシステムの更新費用が計上されておりますが、事業の概要とその狙いも併せて県土整備部長にお伺いいたします。
○議長(岩田弘彦君) 県土整備部長。
  〔小浪尊宏君、登壇〕
○県土整備部長(小浪尊宏君) 議員に御指摘いただきましたとおり、現状、搭乗者全体に占める県内利用者の割合は約2割であり、今後さらなる空港利用者の増加及び搭乗率の向上のためには、県民の利用促進を図ることが必要となります。このため、県が事務局になっております熊野白浜リゾート空港地域振興委員会では、今年度、県内出発の旅行商品の造成支援やビジネス利用を応援するキャッシュバックキャンペーンなど、県民向け支援策の充実を図ったところです。
 さらに、株式会社南紀白浜エアポートの負担により、12月1日から来年2月28日までの間、有料駐車場の搭乗者割引キャンペーンを実施するとともに、空港と無料駐車場を結ぶ通路への照明の設置を準備しているところです。
 次に、議員御質問いただいた12月補正予算案についてですが、新たな財源として、新しい地方経済・生活環境創生交付金、いわゆる第2世代交付金拠点整備事業を活用し、空港と無料駐車場を結ぶ通路の安全対策とカメラシステムの更新に係る予算を計上し、審議をお願いしています。
 この安全対策は、当該通路ののり面において落石対策を講じるものであり、利用者の安全の確保を図るとともに、通行止めの発生を防ぐことを目的としています。また、カメラシステムの更新については、空港のライブ映像を撮影するためのカメラを更新し、犯罪予防及び事故やトラブルの防止を図るとともに、映像をライブ配信する体制を構築し、空港PRのためにも活用していくものです。
 以上のように、空港利用者の増加及び搭乗率の向上のため、官民による各施策を推進するとともに、これらの施策の効果を分析・改善し、さらなる利用促進に取り組んでまいります。
○議長(岩田弘彦君) 鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 部長、御協力いただきありがとうございます。
 答弁にありましたように、3年前に有料化した第1駐車場の料金を12月1日から2月28日までの限定で割引しておりますが、それはあくまで一時的なものであります。
 特に空港と無料駐車場を結ぶ区間ののり面工事や街灯設置については、最低限しなければならない安全対策であると認識しておりますし、もっと言えば、街灯を設置する予定の勾配ある区間では、安全上最も必要である歩道すら整備をされておりません。
 そういったことからも、元白浜空港跡地において、無料駐車場を整備する際の案内に、その駐車場からは空港一望の絶景を楽しむことができ、これから出発する旅のわくわく感が高まるとの文言があったと記憶していますが、厳しい言い方をすれば、決してそうはなっておらないと思います。
 また、以前からも何度も申し上げてきているのですが、空港利用者よりも職員さんの駐車場をより空港に近い位置に設けているということは、到底納得すらできません。空港と無料駐車場を結ぶ区間において、のり面工事や街灯を設置するのであれば、そのことも念頭に歩道を含めた周辺整備を求めたいと思います。
 いずれにしても、まずは搭乗者や空港利用者の安全対策を充実し、旅のわくわく感の創出に向け、関係者と連携を密にして取り組んでいただきたいと思います。
 次に移ります。
 御承知のように和歌山県は、森林、清流、黒潮洗う海岸線など、豊かな自然環境を背景に、多種多様な食材に恵まれております。
 紀南地域においては、ミカンや梅などの果樹はもちろんのこと、先ほどの質問で申し上げたマグロ、クエ、ヒロメやイサキなどの海の幸も自慢の特産品であります。
 その中でも、ぜひ皆さんにも御賞味いただきたいのがモチガツオであります。このモチガツオは、主に紀南地方で春先に水揚げされ、釣り上げから約4~5時間以内の新鮮な特別なカツオで、餅のような弾力のある食感が特徴であります。
 ちょっと時間がありませんので、要点を申し上げたいと思います。これ、モチガツオに限らず、当地域自慢の新鮮な食材を世界最大級の市場である東京に鮮度を維持したまま流通させるには、南紀白浜リゾート空港からの空輸しかありません。そういったことが実現すれば、生産者の収益向上とともに、地域経済の活性化につなぐものであると、こういうふうに考えております。
 また、モーダルシフトといって、今まで空港便は入っていなかった、飛行機は入っていなかったんですけれども、脱炭素の関係上で航空機もそこへ今度から入れていると国土交通省が申し上げております。
 そこで、熊野白浜リゾート空港においては、単なる交通拠点ではなく、紀南の新鮮な特産品はもとより、貨物を流通させる物流拠点としても機能強化を図るべきと考えますが、県土整備部長の御見解をお伺いします。30秒しかありませんが。
○議長(岩田弘彦君) 県土整備部長。時間残り僅かですので、簡潔にお願いします。
  〔小浪尊宏君、登壇〕
○県土整備部長(小浪尊宏君) 熊野白浜リゾート空港における年間貨物輸送量は、国内地方空港における平均貨物輸送量約816トンに対して約14トンにとどまっており、さらなる航空貨物の利用促進が必要と認識しております。
 このため、水揚げ漁港に近い空港である強みを生かして、和歌山の地元でしか食べられないモチガツオに着目し、この鮮度を保ったまま首都圏に輸送できるよう、今年度から航空貨物実証実験の予算を確保し、県庁の水産関連部局と共に地元の和歌山南漁業協同組合等と連携した取組を始めています。
 ただいま議員から紹介いただきましたとおり、これまでに4回の空輸実証実験を実施しました。今年6月にはモチガツオの鮮度と状態を維持したまま輸送することに成功し、都内4店舗のレストランから高い評価をいただきました。また、10月には約80名のメディア関係者が参加して東京で開催された和歌山ファンミーティングにおいてモチガツオを提供し、大変好評でありました。
 我々としても、これらの実証実験を通じて、モチガツオの輸送に適した梱包資材の選定や温度管理のノウハウを得ることができました。モチガツオの空輸については、今後御協力いただける企業を探すなど、ビジネス化に向けた取組を検討する段階にあると考えております。
 航空貨物の首都圏にいち早く届けることが可能という特性を踏まえ……
○議長(岩田弘彦君) この際、申し上げます。申合せにより質問時間の制限がございます。当局におかれましても、また質問者におかれましても、厳守いただきますようお願い申し上げます。
○県土整備部長(小浪尊宏君) 和歌山が誇る豊富な農林水産物や工業製品などから、モチガツオに続く航空貨物輸送に適した商材を見いだし、実証実験等を通じて輸送の体制を整えることにより、熊野白浜リゾート空港が物流拠点としての機能も発揮できるよう取り組んでまいります。(「終了します。ありがとうございました」と呼ぶ者あり)(拍手)
○議長(岩田弘彦君) 以上で、鈴木太雄君の質問は終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 30番岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕(拍手)
○岩井弘次君 おはようございます。
 議長の御指名をいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきますが、このたび、昨日、青森県東方沖におきまして発生しました地震によって被災された方々、また避難を余儀なくされている方々に対しまして、心よりお見舞い申し上げますとともに、今後、初めて発令されております後発地震注意情報、そういったことの発生のないようにと願うとともに、早期に平常の生活を取り戻されますことを心より祈念いたします。
 また、群馬県や神奈川県におきまして山林火災が発生しております。今なお鎮火に至っていないと聞いております。和歌山県も山林が多く占めております。我が本県にとりましても全く他人事ではございません。大きな被害に至ることのないよう、早期の鎮圧を併せて祈るものでございます。
 それでは、本定例会、初日の2番手として一般質問の機会を賜りましたことを感謝申し上げ、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 まず、財政運営について、基金及びファンドに関連して伺います。
 先日の国会の衆議院予算委員会におきまして、公明党の岡本三成政調会長は、国が保有する金融資産を安定的かつ効率的に運用し、その運用益を国民のための政策に生かす政府系ファンド、いわゆるジャパンファンドの創設を訴えました。
 岡本氏は、年金積立金を運用するGPIF・年金積立金管理運用独立行政法人の24年間の運用実績、累積収益180兆円などを挙げながら、日本が持つ公的資産を一体的に運用・委託することで、仮に500兆円規模の資産運用が実現すれば、毎年5兆円から10兆円の規模の恒久財源が得られる可能性があると強調いたしました。
 これに対しまして、高市早苗首相は、安全性を担保した上で運用しないことによる機会費用を考慮すべきだという考えを示し、政党間での制度設計に向けた議論を含めた検討に前向きな姿勢を示されました。
 このように、国のレベルで公的資産の運用による安定財源の創出と、それによる政策の財源確保が真剣に議論され始めたことは、地方自治体にとっても大きな示唆であると考えます。
 全国に目を向けますと、既に都道府県や地方公共団体が主体または関与して設立した地域ファンドの成功事例が数多く存在します。
 例えば、独立行政法人中小企業基盤整備機構が主導し、都道府県や地域金融機関等で共同出資で設立する地域中小企業応援ファンドは、多くの都道府県で導入されており、創業支援、販路開拓、新事業展開などに活用され、地域経済の活性化に貢献しております。
 また、京都府では地元金融機関やDMO・観光地域づくり団体等と共同で空き家・空き公共施設のリノベーションや観光振興などを目的とした地域づくり京ファンドを設立し、地域振興やまちづくりに取り組んでいます。
 これらの例は、地方公共団体、都道府県が主導または関与してファンドを組成することが制度上可能であり、かつ実際に成果を上げてきたことを示しています。すなわち、和歌山県においても、法制度あるいは制度運用上、大きな障壁なくファンドを設立する土壌があると考えられます。
 本県での県版ファンドによる期待される効果は、中小企業、創業支援の充実として補助金や助成金に加え、将来の成長を見据えた出資型資金を提供することで、設備投資、新規事業、商品開発、販路拡大などを促進し、特に資金調達が困難な新規参入やスタートアップ企業が育ちやすくなると考えます。
 農林漁業、観光、伝統産業、再生可能エネルギー、地域資源活用ビジネスなど、和歌山ならではの資源や地域性を生かした分野に対する投資を通じ、新たな産業の芽を育てる、そして県が一定規模の資金を出資することで地域金融機関や民間投資家の参画を促し、公共資金プラス民間資金による混合資本で、より大規模かつ持続可能なプロジェクトも実施可能になります。
 従来の既存産業に加え、新規産業、高付加価値産業への転換や立ち上げを促すことで、若年層の定着、地元雇用の拡大、地域経済の底上げにつながります。補助金、交付金に頼る短期・年度型支援ではなく、長期的かつ安定的な資金運用で地域振興を支えるインフラとなり得るのではないかと考えます。
 つきましては、総務部長にお尋ねいたします。現在の基金運用はどのように行っておられるのか、また、ファンドに関する現状についてお答えください。
○議長(岩田弘彦君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
 総務部長山本祥生君。
  〔山本祥生君、登壇〕
○総務部長(山本祥生君) 本県の資金管理につきましては、安全性、流動性、効率性の観点から運用することを原則としており、基金についても基本的には預貯金により運用を行っております。
 このほか、一部の県債については、10年後の満期到来時に元本を一括して償還する際に備え、県債管理基金に積立てを行っております。この積立分については、借入期間である10年間は取り崩すことがないため、他の地方自治体の地方債などで債券運用を行っております。
 また、ファンドに関する取組につきましては、議員から事例紹介もありました地域中小企業応援ファンドの制度を活用し、わかやま産業振興財団がわかやま中小企業元気ファンドやわかやま農商工連携ファンドを運用しているところでございます。
○議長(岩田弘彦君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 ありがとうございます。
 和歌山県の資金運用状況、そして、わかやま中小企業元気ファンドやわかやま農商工連携ファンドといった既存の取組について、そして、安全性、流動性、効率性の観点から預貯金中心に運用されていること、また、県債管理基金の一部で債券運用を実施されていることや、地域中小企業応援ファンドの枠組みを活用されていることを承知いたしました。
 その中でも、特に地域中小企業応援ファンドは、助成金という形ですので、地域の中小企業や農林漁業者の皆様の新たな挑戦を後押しし、和歌山県の地域経済を支える上で重要な役割を果たしているものと理解いたしました。
 しかしながら、私が提案させていただきました和歌山県版ファンドは、国会で議論されている政府系ファンドの理念、すなわち公的資産の運用による安定財源の創出と、それによる政策の財源確保という点に加え、京都府の地域づくり京ファンドのような出資型のファンドが持つ、より長期的な視点と広範な可能性を追求するものであります。
 現在の助成金型のファンドでは、単年度での成果や計画達成が重視されがちですが、私が申し上げている出資型のファンドであれば、より長期的な視点に立ち、企業の成長性や事業の将来性を見極めた上で、リスクマネーを供給することが可能になります。これは、特に創業期や成長期の企業にとって、従来の融資では得難い資金調達の機会を提供し、技術開発や販路開拓など大胆な事業展開を後押しすることにつながります。
 仮に、和歌山県が保有する公的資産の一部を適切に安全性を担保した上で出資型ファンドとして運用できたならば、その運用益がもたらすであろう投資の果実は、県民のための政策財源として活用できる恒久財源となり得るのではないでしょうか。
 そこで、総務部長に伺います。
 和歌山県が主体となって出資型ファンドを創設した場合、運用益を県民のための政策に生かすという視点も踏まえ、ファンド創設がもたらすであろう投資の果実について、それがもたらすと想定される効果について、改めて御見解をお伺いいたします。
○議長(岩田弘彦君) 総務部長。
  〔山本祥生君、登壇〕
○総務部長(山本祥生君) ファンドの目的やスキームは様々でありますが、一般論としては、魅力的なファンドを創設することで民間事業者や金融機関の参画を促し、民間投資を喚起することにつながるものと考えております。また、その資金を株式などの金融商品により戦略的に運用することで、高い利益を生み出すことができる可能性もありますが、一方で、元本割れのリスクも否定できないところでございます。
○議長(岩田弘彦君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 ありがとうございます。
 改めて質問させていただきます。
 財政の健全化と県民サービス向上への貢献、ファンドの運用益を恒久財源として活用することで、特定の政策分野への安定的な資金供給が可能となり、結果として県の財政の健全化や教育、福祉、インフラ整備といった県民サービスの恒常的な向上につながると考えます。改めて、安全性を担保した上でではありますが、和歌山県版ファンド設置に向けたお考えについて、総務部長にお伺いいたします。
○議長(岩田弘彦君) 総務部長。
  〔山本祥生君、登壇〕
○総務部長(山本祥生君) 議員御紹介の政府系ファンドにつきましては、外国為替資金特別会計が保有する資産や、年金積立金管理運用独立行政法人の積立金などを活用した500兆円を超える規模の資金運用について国で議論が行われており、安全性の担保やリスクとリターンの関係性をどう考えるかの課題などについて研究されていると承知しております。
 まずは国の動向を注視するとともに、企業版ふるさと納税や県有施設のネーミングライツといった歳入確保策の一手法として、今後研究してまいりたいと考えております。
○議長(岩田弘彦君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 御答弁ありがとうございました。
 国におきます政府系ファンドの創設議論は、単なる財源論にとどまらず、社会保障制度や公共サービス、地域経済の持続可能性を見据えた長期ビジョンです。和歌山県もこの流れに乗り遅れることなく、県独自の資本性支援の枠組みを構築することで、地域の産業、経済、社会の将来を支える新たなエンジンを得られる可能性があります。どうか国の動向を見極め、積極的な県版ファンドについて御検討されますことを切に願います。
 それでは、次の項目に移らせていただきます。
 次に、重点支援地方交付金の活用方針について伺います。
 本日、345億円余の補正予算が追加提案されました。そのうち8億4000万円余の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金が足元の物価高への対応、LPガス料金高騰対策支援や特別高圧電力価格高騰対策支援などとして追加上程されております。
 今回、交付金措置されたのは全体のごく一部かと思いますが、今後交付される見込みの重点支援地方交付金について、物価高騰対策に資するよう、生活者や事業者に対し、公平かつ迅速な実施を望むものですが、今後の見通しと活用方針について、企画部長にお伺いいたします。
○議長(岩田弘彦君) 企画部長北村 香君。
  〔北村 香君、登壇〕
○企画部長(北村 香君) 重点支援地方交付金については、エネルギーや食料品価格の物価高騰の影響を受けた生活者や事業者を支援するため、自治体が地域の実情に応じてきめ細やかな事業を実施できる交付金です。
 本県においては、これまでこの交付金を活用し、学校給食費の無償化や光熱費高騰対策支援など、個人や事業者の方々に対する様々な支援策に取り組んでまいりました。
 去る11月28日に閣議決定された国の令和7年度補正予算案においては、昨年度を大きく上回る予算額が計上され、本県においてもその有効な活用策について検討を進めているところです。
 本日、その第1弾として県議会に補正予算案の追加提出を行ったところですが、交付金の趣旨を踏まえ、引き続き、地域の暮らしの安定や地域産業の活性化に有効な取組を早期に事業化できるよう、各部局と共に検討を進めてまいります。
○議長(岩田弘彦君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 御答弁ありがとうございました。
 物価高騰に賃上げが追いついていない状況の中、中低所得者層を含む幅広い所得者層への家計支援、そして、影響を受けているあらゆる事業者への支援の実行が迅速に行えるよう、県の一般財源と併せてということも考慮して、市町村とも連携していただき、即効性とコストのかからない支援策を講じていただきたいと願っております。
 それでは、次の項目に移らせていただきます。
 プレミア和歌山と和歌山一番星アワードにつきまして、和歌山県産品の振興において、長年にわたりその中心的役割を担ってきたプレミア和歌山推奨制度は、地域の誇りとして多くの事業者の皆様に深く愛されてきました。このたび、和歌山一番星アワードという新たな制度が導入されることについては承知しておりますが、これまでプレミア和歌山のブランド価値向上に貢献されてきた事業者の皆様が、新制度の発足に伴う将来的な不安を抱いているというお声も耳にしております。
 私は、これら新旧両制度が単なる代替ではなく、和歌山県の地域経済をさらに活性化させるために共存の道を模索すべきだと強く考えております。
 本件は、私所管の常任委員会事案ではございますが、円滑な委員会進行に寄与するということでもありませんが、この場で質問させていただきますことを御容赦ください。
 2008年度にスタートしたプレミア和歌山推奨制度は、和歌山らしさ、和歌山ならではという明確なコンセプトの下、県内で生産・製造された安心・安全な優良県産品を厳選し、その価値を深く広く社会に発信してきました。加工食品、工芸品、農林水産品など幅広い分野の商品がこの制度の対象となり、現時点までに約1300品目余り、そして446事業者が認定を受けています。
 この制度が果たしてきた役割は計り知れません。厳格な審査基準をクリアした商品のみがプレミア和歌山の称号を冠することを許され、そのロゴマークは、消費者の皆様に対し、高品質な和歌山県産品であることを保証する信頼のあかしとして深く浸透してきました。
 多くの事業者の皆様は、このプレミア和歌山の認定を目指すことを目標に、日々の商品開発や品質向上、生産技術の改善に心血を注いでこられました。その努力が実を結び、個々の商品の品質向上はもちろんのこと、それがひいては和歌山県全体のイメージアップにも大きく寄与してきたことは、疑う余地のない事実でございます。
 プレミア和歌山が築き上げてきたこの信頼と実績は、決して一朝一夕に得られるものではありません。長年の積み重ねによって培われたかけがえのない和歌山県の財産であると考えます。しかしながら、このプレミア和歌山推奨制度は、更新の受付を既に終了し、全ての認定品の期間が満了する2028年度末をもって廃止されることが決定しております。
 その主な理由として、認定商品数の増加に伴い、プレミア感が薄れてきたという点が挙げられております。プレミア和歌山の後継として、2025年度から和歌山一番星アワードという新たな県産品推奨制度が開始されました。この新制度には、現代のニーズや市場の動向を捉えた新たな視点が導入されており、和歌山県産品のさらなる魅力を引き出す大きな可能性を秘めていると理解しております。
 一方で、これまでプレミア和歌山の認定を受け、そのブランドを育ててこられた事業者の皆様の中には、新制度への対応に戸惑いや負担を感じる方も少なくありません。特に商品のリニューアルや新たな申請手続には多大な時間と労力が必要となります。こうした課題は、特に限られた経営資源で事業を運営されている中小零細規模の事業者にとって、非常に大きなハードルとなる可能性がございます。長年培ってきたプレミア和歌山のブランド力に依拠せず、一から新たな制度に適合していくことへの不安は、当然の感情と言えるでしょう。
 現在のところ、和歌山県としてはプレミア和歌山の廃止と和歌山一番星アワードへの移行という方針を打ち出しており、両制度の共存は想定されていないと理解しております。しかし、私はこれらの新旧制度を単なる代替ではなく、むしろ補完し合う形で並行運用することで、双方の強みを最大限に引き出し、和歌山県産品のさらなる振興と地域経済の活性化に資する相乗効果を生み出すことができるのではないかと考えております。
 例えば、プレミア和歌山を、長年にわたり愛され続けてきた伝統的な逸品や、既に市場で確固たる地位を築き上げた確立されたブランドのあかしとして位置づけることができます。これは、和歌山県の豊かな歴史と文化、そして熟練の技術が凝縮された商品の価値を永続的に保証する役割を果たすでしょう。
 一方、和歌山一番星アワードは、革新的なアイデアや現代のライフスタイルに合わせた新たな挑戦を評価する制度として特化するという捉え方もあると考えます。これにより、未来志向の商品開発や新しい市場へのアプローチを積極的に奨励することが可能になるのではとも考えます。
 このように、それぞれの制度に明確な役割と対象を持たせることで、これまで培ってきたブランド力を維持し、既存商品の価値を再認識させつつ、同時に、新たな価値創造と市場開拓を促すという理想的な相乗効果が期待できます。これは単に制度を継続するだけでなく、その機能を最適化し、和歌山県産品全体の多様な魅力を内外に発信する最も効果的な戦略であると確信いたします。
 プレミア和歌山と和歌山一番星アワードの共存による相乗効果を目指すということにつきまして、商工労働部長の御見解をお伺いいたします。
○議長(岩田弘彦君) 商工労働部長中場 毅君。
  〔中場 毅君、登壇〕
○商工労働部長(中場 毅君) プレミア和歌山につきましては、2008年度からスタートし、2023年度までの16年間で1300を超える県産品を認定してきました。県内事業者が目指す推奨制度として県産品の品質向上に大変効果があったものと考えています。
 その一方で、認定商品が多くなり過ぎ、プレミア感がないのではといった事業者からの疑問の声があったことなどを踏まえ、新たな県産品の推奨制度、和歌山一番星アワードを創設するに至ったものです。
 議員御質問のプレミア和歌山と和歌山一番星アワードを共存させることにつきましては、たとえ対象分野などの違いを出したとしても、どちらも県産品の中から優れたものを認定し、推奨していくという趣旨を同じくする二つの制度が存在することとなります。そのため、事業者及び消費者が混同してしまう可能性が高く、併せて制度の認知度やブランド力を高める効果も薄くなり、事業を円滑かつ効果的に実施していくことが困難になると考えております。
 そこで、制度の名称やロゴマークを新たにし、認定数を絞り込み、選び抜かれた印象を与えることがより大きな事業効果を生み出すと考え、プレミア和歌山に代わり和歌山一番星アワードへ移行するものであります。
 和歌山一番星アワードにより、国内、国外を問わず、和歌山の優れた県産品が広く周知され、ブランド化が図られていくよう取り組んでまいります。
○議長(岩田弘彦君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 御答弁ありがとうございました。
 多くなったからプレミア感が薄れたということでもあるんですけども、1316、認定されております。予測できたことではないのかなというふうに思いますし、しかし、言い換えましたら、それだけ認められたすばらしいものが和歌山にはあるということであります。
 和歌山一番星アワード、今年度の申込みが約120件近くあるとお聞きしております。それをまず今年度は20件を選出され、5年をかけて毎年20件ずつ、5年間で100件の指定をされる計画と聞いております。ある意味、1300以上にも及んだ推奨県産品、角度を変えてとはいえ、100件に絞ることになります。選出に当たりましては、申し込まれた方々への敬意と責任を持って臨んでいただきますようお願い申し上げます。
 ただ、これまでプレミア和歌山に認定された商品等を取り扱っておられる方々が、それを表示し続けるところもあるのではと少し危惧しております。
 では、次の項目に移らせていただきます。
 教員の業務効率化について伺います。
 教員の皆様が日々の授業運営に加え、部活動指導、生徒指導、保護者対応、そして膨大な採点業務など、多岐にわたる職務に追われ、長時間労働が常態化している現状は、もはや日本の教育現場が抱える喫緊の課題でございます。この状況は、教育サービスの質を維持向上させる上での大きな障壁となるばかりか、何よりも教員自身の心身の健康と教職人生の持続可能性をも脅かしかねません。
 和歌山県では、県庁職員の皆様を対象とした時間消費削減宣言を掲げ、業務効率化や自分時間の創出を推進していらっしゃいます。この先進的な取組は、まさに教員の働き方改革にも通じるものと強く確信しております。
 子供たちの健やかな成長を支える教育現場において、教員が心身ともに健康で笑顔で指導に当たれる環境は不可欠です。なぜなら、教員が笑顔でなければ、子供たちを心から笑顔にすることはできないからにほかなりません。
 このような状況下において、県教育委員会が教員の業務負担軽減を重要な課題と認識し、特に採点業務の負担軽減策に注力されていること、そして、県立学校において令和6年度からデジタル採点システムが導入され、採点業務の軽減が図られる方針が示されたことは、大変喜ばしい取組であると深く敬意を表する次第でございます。
 学校教員の業務負担軽減は、教育の質の向上に不可欠な基盤であり、今回の導入は、その第一歩となるものと大きな期待を寄せております。このデジタル採点システムが和歌山県の教育現場にもたらす可能性について伺います。
 近年、教員の多忙化問題が社会的な課題となる中、特に採点業務は、教員お一人お一人に重くのしかかる負担として認識されてきました。こうした状況を打破するため、全国の自治体でデジタル採点システムの導入が進められており、その効果が注目されています。
 例えば、神奈川県川崎市では、デジタル採点システムを導入した結果、教員の採点時間を大幅に短縮できたと報告されています。この時間短縮によって、教員は子供たち一人一人と向き合う時間をより多く確保できるようになり、個に応じたきめ細やかな指導の充実へとつながっているとしています。
 デジタル採点システムは、紙媒体の答案をスキャンしてデータ化し、パソコンやタブレット上で採点を行うシステムで、複数名で同時に採点作業を進められるほか、自動採点機能や採点基準の共有機能なども備わっており、採点業務の客観性や公平性も向上させることが期待されます。
 デジタル採点システムの導入には、システムの選定、教員への研修、既存の校務システムとの連携など、様々な課題が考えられます。大阪府堺市では、導入に際して教員への丁寧な説明会や操作研修を重ね、スムーズな移行と定着を図っています。そして、デジタル採点システムは、採点業務の効率化だけではなく、採点データの分析による指導の個別最適化など、教育の質の向上にも寄与すると考えられます。
 そこで、教育長にお伺いいたします。
 県立学校に導入したデジタル採点システムについて、その導入状況及び現状の運用状況はどうか、また、デジタル採点システムを導入したことにより採点に係る業務負担はどの程度軽減されておられるのか、お答えください。
○議長(岩田弘彦君) 教育長今西宏行君。
  〔今西宏行君、登壇〕
○教育長(今西宏行君) 令和6年度より、採点業務における教員の負担軽減と正確性の向上を目的として、県立学校にデジタル採点システムを導入いたしました。現在、県立学校では定期考査や小テスト等での活用が進んでいます。また、入学者選抜においては、1学年3学級以上の全ての高校で活用しています。
 また、アンケート調査を実施した結果、採点システムを使用したことによって、採点時間が50%以上削減されたと回答した教員が約半数、25%程度削減されたと回答した教員が約3割いました。こうした結果から、システムの利用が着実に広がり、採点に要する負担が軽減され、導入の効果が現れているものと考えております。
○議長(岩田弘彦君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 ありがとうございます。
 教員の皆様が心身ともに健康で笑顔で子供たちと向き合える教育環境を整備することは、和歌山県の未来にとっても極めて重要であると認識しております。デジタル採点システムは、その大きな一助となる可能性を秘めていると確信しております。
 そこで、教員の働き方改革を一層進める観点から、このデジタル採点システムの運用について、今後どのように取り組まれていかれるのか、教育長に答弁を求めます。
○議長(岩田弘彦君) 教育長。
  〔今西宏行君、登壇〕
○教育長(今西宏行君) 現在、システムの操作面や運用面での課題を整理し、使いやすいシステムとなるよう改善しているところです。また、操作面で不安がある教員に対しては、オンラインで講師がシステムを実際に使用しながら説明する機会を提供するなど、サポート体制の充実に取り組んでいます。
 また、採点結果の自動集計機能を活用することで、生徒の学習到達度を的確に把握できるため、学習集団の傾向に応じた指導や生徒一人一人の学習状況に応じた指導を進めてまいります。
 今後は、学校ごとの運用状況の把握に努め、より活用が広がるよう取り組むことで、教員のさらなる負担軽減と生徒へのきめ細やかな学習指導の充実に努めてまいります。
○議長(岩田弘彦君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 教育長、御答弁ありがとうございます。
 今後、運用状況を把握し、より活用が広がるよう取り組んでいくとのこと、子供たちのきめ細かな学習指導の充実のため、ぜひ教員の負担軽減を図られますようよろしくお願いいたします。
 また、これらのことが市町村のことではありますが、小学校、中学校へと展開されますことを強く願い、次の最後の項目に移らせていただきます。
 ケアマネジャーの法定研修の費用助成と福祉用具専門相談員の資格取得のための講習機会の確保について伺います。
 和歌山県におけるケアマネジャーの法定研修の費用助成と、福祉用具専門相談員の講習機会につきまして、ケアマネジャーの法定研修の費用補助について、介護保険制度は、家族の負担を軽減し、介護を社会全体で支えることを目的に2000年に創立され、この25年間でサービス利用者が約3.6倍に増加するなど、高齢者の介護になくてはならない制度として定着、発展してきました。
 その介護保険法に位置づけられている介護支援専門員、ケアマネジャーは、要介護者等からの相談を受け、心身の状況に応じ、適切な介護サービスを利用できるよう、市町村、サービス事業者等との連絡調整を行うなど、介護保険制度を円滑に運営するための要となる職種です。ケアマネジャーになるには、介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、その後、実務研修を修了して都道府県に登録する必要があり、その後もケアマネジャーとして働く際に必要な資格証の有効期限が5年であるため、5年ごとに研修を受講しなくてはなりません。
 現在、和歌山県では介護職員初任者研修の受講支援事業として、高校生が無料で受講できる取組や介護未経験者の受講費用の補助制度があります。しかし、ケアマネジャーの法定研修である実務研修や更新研修などに関する費用補助については、受講費用が高い研修では約7万円かかりますが、県からの直接的な支援策が見当たりません。
 先ほども申し上げましたが、ケアマネジャーの資格取得には実務研修の受講が必要であり、また、資格証更新には研修の受講が義務づけられています。これらの研修には多額の費用が発生するため、県として費用の補助を行うことは、人材の確保・育成に大きく寄与すると考えています。
 そこで、福祉保健部長にお伺いいたします。
 ケアマネジャーの法定研修に係る費用補助についての御見解をお伺いいたします。
○議長(岩田弘彦君) 福祉保健部長𠮷野裕也君。
  〔𠮷野裕也君、登壇〕
○福祉保健部長(𠮷野裕也君) 介護支援専門員の法定研修は、県が研修実施機関として指定した一般社団法人和歌山県介護支援専門員協会において実施しています。本県の法定研修費用は、研修の種類により、おおむね3万円から7万円必要となりますが、研修のオンライン化等の見直しにより、令和6年度から一律1500円の引下げを行い、費用の負担軽減を図っています。
 また、受講費用の助成制度として、一定の受給要件を満たせば費用の50%が受講者に支給される国の特定一般教育訓練給付金があります。この制度を活用するため、県から研修実施機関に対し、法定研修のうち介護支援専門員実務研修を指定講座に申請するよう働きかけた結果、本年10月に指定されたところです。
 さらに、他の法定研修についても同様に手続を進めていただいています。
 一方、国においては現在、介護支援専門員の負担軽減を図るため、資格証の更新の仕組みや法定研修の柔軟な受講の在り方など抜本的な見直しが検討されています。
 いずれにいたしましても、議員御指摘のとおり、介護人材の確保とその育成は県としても課題であると考えており、今後とも国の動向等を踏まえながら、必要に応じてさらなる負担軽減を検討していきます。
○議長(岩田弘彦君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 ありがとうございます。
 それでは、最後の項目に移らせていただきます。
 福祉用具専門相談員の資格取得のための講習機会の確保について伺います。
 福祉用具専門相談員は、高齢者や障害を持つ方が快適な日常生活を送れるよう、身体状況や生活環境に合った福祉用具を選ぶお手伝いをする専門職です。介護保険サービスを利用して福祉用具を借りたい方や購入したい方に対して、適切な福祉用具の選定や使い方のアドバイスを行います。
 資格を取得するためには、都道府県が指定した講習機関において、通常6日から8日にわたり修了評価を含めて合計54時間程度の講習を受講する必要があります。受講料は、講習機関や受講形式によって異なりますが、一般的に4万円から6万円程度です。また、雇用保険の特定一般教育訓練給付制度の対象となる場合があり、条件を満たせば受講費用の50%が支給されることもあります。
 現在、和歌山県が指定する福祉用具専門相談員指定講習の開催は、県内において講習機会は設けられておりません。県外の講習機関において、対面の集合講習またはオンライン講習での受講となります。
 受講者の減少により、県内での講習実施が困難であるという状況だとお聞きしますが、スキルアップを目指す人材育成と県内事業所の支援のためには、身近な場所で講習を受けられる機会の確保が重要と考えます。
 特に福祉用具専門相談員は、福祉用具の選定や適合、使用方法の指導など、実技を伴う専門的な知識と技術を必要とします。そのためには、オンライン講習では対応できない実習の機会を設けることが不可欠です。
 例えば、県内各地での巡回講習や地域ごとの開催を検討することで、地理的な障壁を低減できます。これにより、県内全域から多くの受講者が参加しやすくなります。また、受講者の利便性を高めつつ、実習の質を確保するため、実習部分については集合形式とし、講座部分をオンライン化するなど、効果的に組合せをする方法もあります。
 福祉用具専門相談員は、ケアマネジャーとも連携して利用者の支援を行います。多職種連携を視野に入れた人材育成の観点からも、県が積極的に講習機会の確保に努めるべきであり、県内の講習機関が定期的に講習会を開催できるよう、県として支援や働きかけを強化することが望まれます。
 そこで、福祉保健部長にお伺いします。
 福祉用具専門相談員の資格を取得するため、県内における講習機会の確保についての御見解をお伺いいたします。
○議長(岩田弘彦君) 福祉保健部長。
  〔𠮷野裕也君、登壇〕
○福祉保健部長(𠮷野裕也君) 福祉用具専門相談員の資格取得に必要な講習会を行う事業所については、現在、県で1事業所を指定しています。しかしながら、議員御指摘のとおり、事業所から受講者が集まらない等の理由により、今年度の講習会の開催予定はないと聞いています。県においては、オンラインの講習会は、受講者の利便性向上や負担軽減につながるものであると考える一方で、できる限り福祉用具に触れながら体験いただく機会を持つことも重要と考えています。
 今後、県内で講習会を実施していただけるよう事業者に働きかけを行い、福祉用具専門相談員の資格取得を目指す方が講習を受ける機会を確保できるよう努めてまいります。
○議長(岩田弘彦君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 御答弁ありがとうございました。
 仕事をしながらの人材育成、また本人のスキルアップのために、この資格取得に臨まれる方もおられます。オンラインでは体感できないこともあります。身近なところで受けられる機会の確保をどうか望んでおりますので、よろしくお願い申し上げます。
 また今回、質問に当たりまして、通告した項目について、原課の皆様に大変お世話になりましたことを御礼申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(岩田弘彦君) 以上で、岩井弘次君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時52分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○議長(岩田弘彦君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 5番森 礼子君。
  〔森 礼子君、登壇〕(拍手)
○森 礼子君 皆さん、こんにちは。森礼子です。
 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、一般質問を始めます。
 初めに、聴覚障害児の支援について。
 2025年11月、日本で初めて東京デフリンピックが開催され、聾者や手話に対する社会的理解と関心はかつてないほど大きく高まりました。この機運を確実に本県の教育・福祉施策へつなげ、聴覚障害児とその家族が安心して暮らせる環境を整えていくことが今まさに求められています。
 先日、和歌山ろう学校幼稚部に通う保護者の皆様と意見交換を行いました。当初は30分程度を予定していましたが、課題や要望が次々と出され、1時間半では到底足りないほどとなりました。そこには、本県の聴覚障害児支援が抱える深刻な問題が凝縮されていました。
 和歌山ろう学校幼稚部の預かり保育の必要性について。
 現在、ろう学校幼稚部の保育時間は、9時30分から14時に限られ、預かり保育は実施されていません。一方、共働きが一般化した今日、私立幼稚園では預かり保育が当たり前に提供され、県内の公立幼稚園においても、和歌山市の岡山幼稚園をはじめ、多くの延長保育が提供されています。
 しかし、ろう学校では、朝9時半に送り、14時に迎えるという現行時間では、保護者の就労が著しく制限され、働くことを諦めざるを得ないという声が多数ありました。幼稚部の保護者から、預かり保育の導入を求める切実な声が寄せられています。
 幼稚部の在籍児童は、和歌山市、伊都地域、有田地域など、広域から通う9名のみですが、その少人数には、距離や預かり保育がないため、通いたくても通えない家庭があるのではないかとの懸念もあります。また、預かり保育がないため、一般の幼稚園への通園を余儀なくされ、自分の障害特性に適さない環境での生活を強いられている可能性も指摘されました。
 預かり保育や放課後の居場所の有無は、保護者の就労、子供の安心・安全、学びの継続に直結する重大な問題です。ろう学校幼稚部の預かり保育の必要性について、教育長の御所見を伺います。
○議長(岩田弘彦君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
 教育長今西宏行君。
  〔今西宏行君、登壇〕
○教育長(今西宏行君) 議員御指摘のとおり、保護者の方々にとって働きやすい環境整備を進める必要性は認識しております。
 県教育委員会としては、学校と共に保護者のニーズを丁寧に把握し、登園時の預かりやスクールバスの運行経路など、幼稚部で過ごす時間以外の子供の預かり体制について、関係機関と連携しながら検討してまいります。
○議長(岩田弘彦君) 森 礼子君。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 次に、児童発達支援・放課後等デイサービス事業所のろう学校敷地内設置について。
 保護者からは、県内に手話でコミュニケーションでき、聞こえない子供が安心して過ごせる場所がないという切実な声が寄せられています。聴覚障害児に特化した児童発達支援や放課後等デイサービスを望む声も多く寄せられています。
 児童発達支援事業を運営している友達に、聴覚に障害のあるお子様の利用に関して聞いてみると、多くの通所希望があり、毎日通いたいと望んでいると聞きました。
 しかし、受け入れるに当たり、幾つかの問題があることを知りました。それは、在園している児童に障害の違いへの理解を促すこと、そして、行動に移せることと伺いました。聴覚障害児の児童が補聴器等を装着している場合、お遊戯やダンス、ゲーム遊びなどのとき、いつもの習慣のままの行動でお友達にぶつかった場合、装具が外れ壊れてしまったとき、また弁償のこと、けがのことなどの説明をいただきました。音や気配で危険を察知できないことの違いを児童が理解することは、大変難しいと話されていました。覚えるまでは週に一度、二度の慣らし期間を説明すると、通所を断ることが多いそうです。
 現在、一般社団法人和歌山県聴覚障害者協会から、児童発達支援事業及び放課後等デイサービスの事業主体として取り組みたいとの強い意向を伺っております。聴覚障害当事者団体である協会が担うことで、手話による確実なコミュニケーション保障、子供、保護者に寄り添った支援、ろう学校との円滑な連携といった聴覚障害児支援に不可欠な質の確保が期待できます。
 他県の先例として、久留米聴覚特別支援学校では、校内に設置された児童発達支援事業所をNPO法人が運営しており、教育と福祉の連携が非常にうまく機能していると伺います。久留米と同様に、学校敷地内に民間、当事者団体が事業所を開設するモデルは、全国で実績があり、効果が証明されている手法であります。
 こうした先例事業を踏まえ、本県においても預かり保育、学童保育、送迎体制の整備が困難な場合、ろう学校敷地内に聴覚障害児支援の専門性を持つ聴覚障害者協会が事業所を開設することは、極めて合理性が高く、ぜひとも実現に向けて前向きに取り組むべきであると考えます。
 先日、ろう学校を訪問し、授業見学とともに、校長先生に校内を案内していただきました。校長先生からは、各教室の利用状況について説明がありました。また、今回の件について校長先生に直接伺ったところ、子供たちにとってよりよい環境について考えていきたいという前向きなお考えを聞くことができました。子供たちの笑顔に対し、校長先生が全身を使った手話で応えられている姿がとても印象的で、私は胸が熱くなりました。
 実際に案内をいただき、寄宿舎の跡地とか東側敷地、東別館など、工夫をすれば活用可能な場所が複数存在するとも思いました。ろう学校敷地内に児童発達支援・放課後等デイサービス事業所を設置する可能性について、教育長の御所見を伺います。
○議長(岩田弘彦君) 教育長。
  〔今西宏行君、登壇〕
○教育長(今西宏行君) 和歌山ろう学校の施設利用状況については、現在のところ、学校運営上、多くの教室を利用している状況にあります。
 学校敷地内への児童発達支援事業所や放課後等デイサービスの設置の可能性については、乳幼児から小学部段階に至る子供の子育てをされている保護者のニーズを丁寧に把握するとともに、様々な工夫をした上で、設置する場所の確保が見込まれた場合、学校と共に検討していきたいと考えております。
○議長(岩田弘彦君) 森 礼子君。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 続いて、児童発達支援・放課後等デイサービス事業所の指定に関して、福祉保健部長に伺います。
○議長(岩田弘彦君) 福祉保健部長𠮷野裕也君。
  〔𠮷野裕也君、登壇〕
○福祉保健部長(𠮷野裕也君) 聴覚障害のある子供を含め、障害種別や障害の程度を問わず、身近な地域で必要な支援を受けられるよう、児童発達支援や放課後等デイサービス等の整備を進めていくことが重要であると認識しています。
 整備に当たっては、質の確保された障害福祉サービスが安定的、継続的に提供されるよう事業所の指定を行っていくことが必要であり、指定権者である和歌山市においても、こうした観点から確認を行い、判断されるものと考えています。
○議長(岩田弘彦君) 森 礼子君。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 答弁をいただきまして、場所の工夫などを検討いただけるということですが、校内への児童発達支援事業、放課後等デイサービスの設置は、全国的にも先例があるということです。本県においても、活用できる場所の工夫をぜひともいただいて、校内への設置に向けて検討を進めていただきたいと要望いたします。
 その結果、幼稚部の預かり保育や小学部への学童の設置要望だったり、また、送迎体制までもカバーができますので、どうか引き続きよろしくお願いします。
 続いて。
○議長(岩田弘彦君) はい、どうぞ。
○森 礼子君 次に、難聴特別支援学級における手話ができる教員配置について。
 和歌山県の小学校、中学校では、特別支援学級が設けられており、その中には難聴の子供のための学級を併設している学校もあります。聴覚に障害のある児童の学びの場の検討に当たっては、通常の学級や特別支援学級での学びを視野に、子供さんや保護者の方の意向を確認しながら、在籍校や所管する教育委員会との間で協議が行われます。
 一方、ろう学校には、どんぐり教室という通級指導教室が設置されています。通級指導教室とは、通常の学級に在籍している障害のある児童を対象に、大部分の授業を通常の学級で受けながら、一部の授業について障害に応じた特別の指導が行われる指導形態と伺っています。
 通常の学級に在籍する難聴の子供たちの中には、小学校で行われる授業の一環として、和歌山ろう学校に設置されている通級指導教室「どんぐり教室」を利用されている子供もおられるとのことです。しかし、難聴の子供のための特別支援学級が校内に設置された場合、特別の指導がこの特別支援学級で行われることになるため、通級指導教室を併用できない仕組みとなっています。
 そうであるならば、難聴特別支援学級においては、手話でコミュニケーションが可能な教員を配置するなど、聴覚障害のある児童が十分な支援を受けられる体制整備が当然求められると考えます。
 しかし、現状では、手話で対応できる教員の配置が十分とは言えず、保護者からは、難聴特別支援学級に手話が使える先生を配置してほしいとの要望が多く寄せられています。難聴特別支援学級への手話を使用できる教員の配置の必要性について、教育長に伺います。
○議長(岩田弘彦君) 教育長。
  〔今西宏行君、登壇〕
○教育長(今西宏行君) 聴覚障害のある子供のコミュニケーション手段には、補聴器や人工内耳等を装用しての聴覚活用や手話、指文字などの活用などがあり、教員には、子供の実態に合わせて適切な方法を選択したり、組み合わせて使ったりしていくことが求められます。そのため、子供の希望によっては、手話の活用も想定しておく必要があると認識しております。
 県教育委員会では、聴覚障害教育を担う人材育成の観点から、特別支援学校と小学校、中学校との人事交流の活性化に努めるとともに、和歌山ろう学校や南紀はまゆう支援学校による難聴特別支援学級への巡回支援や、担当教員の手話力や指導力の向上に向けた研修機会の提供など、特別支援学校のセンター的機能のさらなる充実に努めてまいります。
 また、学校における合理的配慮の提供に当たっては、子供本人や保護者との建設的な対話を通じて具体的な検討が行われるよう、市町村教育委員会に対し、引き続き周知を図ってまいります。
○議長(岩田弘彦君) 森 礼子君。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 答弁をいただきました。
 支援学級を選択するときの保護者からの希望をまずしっかりと聞いていただいて、合理的配慮というところは、保護者からうちの子供には手話を使える先生が必要であるという希望があった場合には、そのように設置するということだと思うんですけれども、この観点から、市町村としっかり連携していただいて、ちゃんとその合理的配慮が徹底されるようにしていっていただきたいと思います。そのことによって、またどんぐり教室へ通えない子供たちの対策の一つにもつながっていくと思いますので、よろしくお願いします。
 続いて。
○議長(岩田弘彦君) はい、どうぞ。
○森 礼子君 聴覚障害児とその家族が、住む地域や学校によって受けられる支援が違うという状況があってはなりません。本県の聴覚障害児支援は、まさに今大きく前進させるべきときを迎えていると思います。
 そこで、県としての明確な方向性を示していただきますよう、知事の御所見を伺います。
○議長(岩田弘彦君) 知事宮﨑 泉君。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 本県の障害児支援の明確な方向性ということで御質問を頂戴いたしました。
 ろう学校には、教育長時代にも何度も足を運ばせていただいて、校長先生たちと議論をさせていただきました。本当に懐かしいので、また行きたいなと思ってます。
 県では、子供を誰一人取り残さず、健やかな成長を後押しするため、身近な地域での専門的な教育など、障害のある子供に必要な環境を整えることが重要であると考えます。特に聴覚障害のある子供の教育では、聴覚や言葉の発達の特性から、早期発見と早期からの教育的対応が大切であると認識しております。
 聴覚障害教育の中核校となる和歌山ろう学校では、長年にわたり医療や福祉と緊密に連携し、乳幼児やその保護者を対象とした幼児教室の開設など、早期からの相談支援体制の充実に取り組んでいます。
 また、南紀はまゆう支援学校においても、相談支援体制の整備を図っています。教育機関による就学前段階での相談支援体制は、これからも継続していきたいと考えております。
 今後も引き続き、当事者及び家族の御意見も踏まえながら、聴覚障害のある子供のみならず、障害のある子供の支援の充実に取り組むことで共生社会の実現につなげてまいります。
○議長(岩田弘彦君) 森 礼子君。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 共生社会の実現に向けてつなげていくという知事の力強い前向きな御答弁に、保護者や関係者の方々はきっとわくわくされていると思います。今後とも、誰一人取り残さない健やかな成長のために、よろしくお願いいたします。
 次は、選択できる力と貧困対策。
 数年前、親ガチャ外れたという言葉がはやりました。親ガチャ外れたとは、子供の運命は生まれ落ちた親次第ということをうまく表現しています。
 近年、子供の貧困という言葉を毎日耳にします。一概に子供の貧困といっても、何をもって貧困と言っているのか定義が不明で、私が子供の貧困という言葉から連想する貧困は、大きく二つに分類され、一つは所得貧困、もう一つは心の貧困です。
 心の貧困は、子供の将来を大きく左右し、特に親の子供への無関心、放任は、自己肯定感の低下、自分が大切にされていないと感じ、自信を失いやすくなります。人間関係の困難、周囲との信頼関係を築くことに抵抗を感じ、あつれきが生じやすくなります。将来への希望の喪失、将来に夢や目標を持てず、諦めの気持ちが強くなることがあります。子供は、親から愛されることにより幸せを築けていけると私は思っています。
 また、子供の貧困対策の一つとして代表的なものが子供食堂です。和歌山県内でも、子供食堂をはじめ、地域での支援活動が広がっております。食の支援は重要でありながら、子供の貧困の背景には、より複雑で深い構造的課題があることを改めて認識する必要があります。
 多くの研究論文を確認しますと、若年妊娠と貧困が非常に密接な関係にあるという点が繰り返し示されています。若年妊娠は、教育や就労の機会を奪い、その結果として経済的困窮、さらには次世代に続く貧困の連鎖を生み出す大きな要因であります。
 若年妊娠と貧困をめぐる現状と課題。
 若年妊娠が貧困と結びつく理由の一つに、教育の断絶が挙げられています。妊娠・出産により、中途退学を余儀なくされる、進学を断念せざるを得ない、このような状況は、その後の就労の選択肢を大幅に制限し、結果として不安定な生活基盤につながっていきます。さらに、若年での育児は社会経験の不足や孤立を招きやすく、とりわけシングルマザーとなった場合には、育児と就労の両立が極めて難しくなり、貧困リスクが一層高まることが指摘されています。教育の断絶は、妊娠・出産だけに限りません。不登校や病気、ヤングケアラーなど様々な要因があります。
 私は、子供の貧困対策を考える際、そもそも子供の貧困とは親の貧困であるという視点を行政がより強く認識する必要があると考えています。親の貧困を解決しない限り、子供の貧困問題は本質的に解消されません。
 負の連鎖を断ち切るための学び直し支援の重要性。
 2023年12月に政府が決めたこども大綱は、全ての子供、若者が身体的、精神的、社会的に幸福な生活を送ることができる社会を目指すためのものです。その中には、子供の現在と将来が生まれ育った環境によって左右されることのないよう、貧困を解消し、貧困の連鎖を断ち切る必要があるとされ、支援は、教育の支援、生活安定に資するための支援、経済的支援のほか、保護者の就労の支援を進めるとされています。
 研究の中には、若年妊娠を経験した方に対し、真の意味での学び直しを保障することが貧困の連鎖を断ち切る上で極めて有効であると示すものが多く、特に高校卒業資格修得は、正社員への就労へと結びつき、貧困との断絶への道だと記されていました。
 学び直しとは、単に学歴を補うだけではなく、社会で自立して生きていく力、将来の選択肢を広げるための知識、人間関係や家族関係を築く力、自分の人生を主体的に選び取る力、こうした生きるための力を再び得る機会そのものを指します。若年妊娠による教育断絶を人生の終点としないために、学び直し支援を貧困対策の柱として位置づけることが重要であると考えます。
 性に関する指導の強化だけに終わらせない若年妊娠対策へ。
 日本では、従来より性に関する指導が十分でないとされ、若年妊娠対策として性に関する指導の強化が叫ばれてきました。しかし、避妊の知識だけを伝える教育では限界があります。若年妊娠の背景には、家庭環境、将来への希望の乏しさ、自己肯定感の低さなど、多面的な要因が存在します。重要なのは、自らの人生をどう生きたいのか、どのような未来を選びたいか、その判断力を育む教育であります。
 教育現場のなすべき役割は、意味のある正しい性に関する指導と、若年妊娠のリスク、結果どうなるのか、その後の実態、厳しさと困難などを子供に理解をさせ、望まない若年妊娠は適切でない、若年妊娠をしないと思わせる教育が必要です。この世に生を受けた以上、幸せに暮らしていける選択ができる学び教育を求めます。
 若年妊娠、若年結婚が社会で生活する上でハイリスクであり、さらには経済的基盤が脆弱であることは、子供を貧困に導く原因であり、それはそもそも親の貧困であると考えます。この視点は、性に関する指導にとどまらず、子供の貧困対策そのものとして位置づけられるべきだと考えます。若年妊娠対策、そして子供の貧困対策は、本来別々の政策ではなく、親の困難を軽減し、子供の未来を守るという同じ目的の政策であるという視点が必要です。
 和歌山県においても、若年妊娠による教育断絶をどう防ぐのか、妊娠を経験した若者が再び学び直せる体制をどうつくるのか、幸せの選択ができる判断力を育む教育をどのように実現するのか、この3点について、総合的な対策を講じる時期に来ていると思います。
 子供の貧困を親の貧困という視点で捉え、経済的支援、精神的支援、また、養育に自信のない親への支援を含めた家庭の困難に対する総合的な支援を強化する必要性について、どのように認識しているのか、共生社会推進部長に伺います。
 妊娠や出産、不登校、病気など、様々な理由で教育が中断された方がもう一度学び直せるようにするための支援体制について、今後どのように強化していくのか、教育長に伺います。
 望まない若年妊娠による教育断絶を防ぐため、性に関する指導を知識の習得にとどめず、児童生徒らが自ら幸せの選択ができる判断力を育む教育へと発展させる必要があると考えます。その実現について、教育長の御所見を伺います。
○議長(岩田弘彦君) 共生社会推進部長島本由美君。
  〔島本由美君、登壇〕
○共生社会推進部長(島本由美君) 貧困の状態にある家庭の子供は、貧困に伴って様々な不利な条件を背負うばかりでなく、社会的に孤立して必要な支援が受けられず、一層困難な状況に置かれてしまう懸念があります。そのため、子供に対する支援だけではなく、就労など経済的基盤の安定、心身の健康や衣食住などの生活基盤の安定に向け、保護者を含めた家庭への支援を総合的に推進していく必要があると考えています。
 県では、本年3月に、貧困対策をはじめ、子供に関わる施策を総合的かつ一体的に進めるため、既存の計画を一元化した和歌山県こども計画を策定したところであり、この計画に基づき、様々な課題解決に向けた施策に取り組んでまいります。
 また、市町村においては、全ての妊産婦に対して伴走型の相談支援を実施しているほか、現在、県内19市町が設置しているこども家庭センターにおいては、母子保健と児童福祉の両面から妊産婦や子育て家庭への包括的な相談支援を実施し、個々の家庭の課題やニーズに応じた支援につなぐ体制の構築を進めているところです。
 今後も、市町村と連携しながら、全ての子供が身体的、精神的、社会的に幸福な生活を送ることができる社会を目指してまいります。
○議長(岩田弘彦君) 教育長。
  〔今西宏行君、登壇〕
○教育長(今西宏行君) 学び直しについてお答えします。
 様々な理由により学びを中断することになった生徒に対して、各学校では、学びの再開のための編入学制度について丁寧に説明しています。再び学びたいと思ったときには、気兼ねなく来校して相談するよう伝えています。
 また、来年度、きのくに青雲高校昼間定時制課程を1学級増やし、新宮高校に昼間定時制課程と通信制課程を新設し、学習環境を拡充します。やむを得ない理由により登校できない生徒には、自宅でオンライン授業を受けられるようにするなど、柔軟に対応しています。
 今後も、一人一人の状況に応じて、自分のペースで学び直すことができる環境を充実させてまいります。
 次に、性に関する指導についてお答えします。
 学校における性に関する指導につきましては、学習指導要領に基づき、児童生徒が性に関して正しく理解し、適切に行動できることを目的に、学校教育活動全体を通じて行っています。
 県教育委員会では、児童生徒が自分を大切な存在であると認め、他人への思いやりを育めるよう、令和5年3月に「性に関する指導の手引」を改訂しています。手引には、自分らしく、共に生きるために、これからの生き方や将来の家族計画について考え、話し合う指導事例も掲載しており、研修会を通じて各教科等での活用を促しています。
 引き続き、望まない妊娠を含む性に関する諸課題に対して、正しい知識の習得だけでなく、適切に意思決定や行動選択ができる力をつけられるよう取り組んでまいります。
○議長(岩田弘彦君) 森 礼子君。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 今回、子供の貧困、また、幸せの選択ができる判断力の教育に関して勉強を進めるに当たり、所管が多岐にわたっていて、本当に多面的な支援が必要であることを改めて認識をいたしました。
 また、本年3月には和歌山県こども計画を策定し、総合的に、また、一体的に取組を進めていくという力強い答弁をいただき、子供たちや家族の笑顔を思い浮かべることができましたので、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(岩田弘彦君) 以上で、森礼子君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 38番林 隆一君。
  〔林 隆一君、登壇〕(拍手)
○林 隆一君 皆様、こんにちは。林隆一でございます。
 本日は、教育委員会に対する質問と今は旬となりました熊に対する質問をさせていただきます。30分程度をちょっと予定しておりますので、皆様、よろしくお願いいたします。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、質問させていただきます。
 まず初めに、県立中学校の学校給食についてでございます。
 学校給食については、県が無償化事業を実施する際、県立中学校においては学校給食を実施していないため、県立中学校に通う生徒はその恩恵を受けることはできないという不公平さを危惧し、これまで昨年の6月と12月、そして本年の2月と6月と、議会において知事に質問いたしました。
 そして、今年の6月議会で宮﨑知事から、体制が整った学校から少しでも早く学校給食を実施できるよう検討を進めるとの御答弁をいただきました。前回の知事答弁から半年ほどたちますが、県立中学校の学校給食の実施について、進捗状況はどうなっているのでしょうか。教育長にお伺いいたします。
○議長(岩田弘彦君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
 教育長今西宏行君。
  〔今西宏行君、登壇〕
○教育長(今西宏行君) 県立中学校における学校給食の実施に向けて、各校と個別に調整を行い、配膳室の設置場所や整備内容について基本的な方向性を確認しました。
 また、実施に当たって、給食の調達方法や提供を開始できる時期など、各校や給食提供が可能な事業者等と協議を進めているところです。
 県教育委員会としましては、まず、次年度から、配膳室の整備や手洗い場の設置など、できるところから取り組んでいきたいと考えています。
○議長(岩田弘彦君) 林 隆一君。
  〔林 隆一君、登壇〕
○林 隆一君 予算を確保して、積極的に進めていっていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
 続きまして、県立高校の今後の取組について質問いたします。
 まず、私立学校の無償化への対応についてです。
 私立高校においては、令和8年度から収入要件を撤廃し、上限45万7000円の授業料支援が受けられる予定になっております。それにより、これまで経済的な理由により私立高校への進学を諦めていた家庭においても、私立高校への進学が可能となることから、私立高校への進学希望者が増加すると想定されております。
 同時に、本県においては少子化の進行も続いており、公立高校への進学希望者が今後減少していくのではないかと危惧しております。その対策として、高校の統廃合を積極的に進めていくとともに、公立高校の魅力を高めていく必要があると考えますが、教育長のお考えをお伺いいたします。
○議長(岩田弘彦君) 教育長。
  〔今西宏行君、登壇〕
○教育長(今西宏行君) 私立高校の授業料が無償化されることで、公立高校への希望者が減少するのではないかといった懸念があり、より一層、県立高校の魅力化を図る必要があると考えています。
 現在、文部科学省では、高校教育改革を進めるための交付金等の新たな財政支援を検討しています。県としては、国の新たな施策を活用して、県立高校の魅力化、特色化を推進してまいります。
 また、再編整備につきましては、令和8年度の新宮高校と新翔高校の統合に向け、昼間定時制課程や通信制課程の新設、既存の学科の充実、部活動の活性化等に取り組んでいます。単に2校を1校に統合するのではなく、多様なニーズに対応できる新しい学校づくりを進めています。
 今後も、地域の声を丁寧に聞きながら、再編整備を進めてまいります。
○議長(岩田弘彦君) 林 隆一君。
  〔林 隆一君、登壇〕
○林 隆一君 続きまして、特色化選抜の拡充について質問いたします。
 8月に和歌山市中学校PTA連合会が県立高等学校入学者選抜実施に関して、県教育委員会に要望するという場があり、私もほかの和歌山市選出の議員と共に出席いたしました。その際、幾つかの要望の中に特色化選抜を拡充してほしいという要望がございました。
 私自身も、受験生の意欲やこれまで取り組んできた活動を評価することができる特色化選抜は、さらに拡充していくことが望ましいと考えております。中でも、昨年度から始まった和歌山高校における特色化選抜、芸術は、文化芸術に関わる初めての特色化選抜であり、今後、ほかの地域や学校においても実施していくべきと考えますが、教育長の考えをお伺いいたします。
○議長(岩田弘彦君) 教育長。
  〔今西宏行君、登壇〕
○教育長(今西宏行君) 特色化選抜は、生徒の多様な個性や意欲を評価する制度として導入したものです。現在、農業、宇宙、芸術、スポーツ等の8分野で実施しています。
 県教育委員会としては、中学生の興味、関心や学校内外の様々な活動を多面的に評価することは大切であると考えており、今後も、芸術を含めて、各学校の魅力化、特色化の方向性に合わせて特色化選抜を拡充するなど、入学者選抜の充実に取り組んでまいります。
○議長(岩田弘彦君) 林 隆一君。
  〔林 隆一君、登壇〕
○林 隆一君 御答弁ありがとうございます。
 続きまして、教員の任用等について質問いたします。
 まず、臨時的任用講師についてでございます。
 臨時的任用講師の中には、長期間、教員採用試験を受け続けている方もいるというふうに聞いております。臨時的任用講師は、雇用が不安定であり、1年の期間で、将来の見通しが立ちにくいという声が聞かれます。住宅ローンは組めないとか、結婚をちゅうちょするというような事例もあるというふうに聞いております。学校現場で活躍している臨時的任用講師を教員採用試験においてより積極的に評価をし、合格につなげていくべきではないでしょうか。
 また、長期間教員採用試験の合格に至らなかった方については、非正規である臨時的任用講師として任用し続けることは、本人のためにもならないと思われます。例えば、期間を5年をめどに区切るなどして、別の道を探しやすいようにすべきではないでしょうか。教育長のお考えをお伺いいたします。
○議長(岩田弘彦君) 教育長。
  〔今西宏行君、登壇〕
○教育長(今西宏行君) 臨時的任用講師は、講師経験を積むことで指導力の向上に資する場合が多く、教員採用試験において、一定期間の勤務経験を考慮し、一次試験の筆答試験のうち総合教養を免除しています。
 教員採用試験の不合格者には、本人からの請求に基づき、試験の判定結果を情報提供しています。受験者が自身の課題を把握し、資質、能力の向上に努めてもらえると考えています。
 また、教員採用試験の受験については、長年講師として勤務されている方が教員採用試験に合格され、活躍されていることもあるので、本人の意思と判断に委ねられるものであると認識しております。
○議長(岩田弘彦君) 林 隆一君。
  〔林 隆一君、登壇〕
○林 隆一君 御答弁ありがとうございます。
 最近でも、24年目にしてようやく教員採用に受かったと、面接試験に合格したという事例もあります。本当に教員不足の中、大変なところもあると思うんですが、面接でなかなか通らないという人に対して、生徒指導を24年間もさせることがいいか悪いかも踏まえて検討していっていただければというふうに思います。そら通ればいいんですけど、落ち続けている人もやっぱり中にはいるというふうに伺っておりますので、考慮のほうをよろしくお願いいたします。
 続きまして、免許外教員について質問いたします。
 令和5年12月の文教委員会でも質問いたしました。また、議会でも何人かの議員が同様の質問をしたと思います。和歌山県は、免許外教科担任がほかの府県と比較しても非常に多い状況にあります。当該委員会においても改善しているという話もありましたが、免許外教科担任の解消に向けて、どのような取組を行い、それによりどの程度改善されているのかをお伺いいたします。
 また、特に情報については、令和7年度大学入試から共通テストの科目として採用されました。免許外教科担任が多い状況は問題があると考えておりますが、解消されているのでしょうか、併せて教育長にお伺いいたします。
○議長(岩田弘彦君) 教育長。
  〔今西宏行君、登壇〕
○教育長(今西宏行君) 免許外教科担任の解消に向けた取組として、教員採用試験においては、複数教科の免許を有する者に対して加点制度を設ける取組を行っています。さらに、免許法認定講習を特に不足している情報、技術、家庭において開設し、教員の免許取得を促進しています。
 このようなことから、免許外教科担任の許可件数については、令和3年度の381件から令和5年度の344件と少しずつ減少傾向にあり、改善が進んでいます。特に情報については、令和3年度の38件から令和5年度の10件に減少しています。今後も引き続き、取組を進めてまいります。
○議長(岩田弘彦君) 林 隆一君。
  〔林 隆一君、登壇〕
○林 隆一君 御答弁ありがとうございます。
 続きまして、教員を教育委員会に配置する期間について質問いたします。
 免許外の教員が多いというのは、教員が不足しているという側面もあり、教育委員会の職員とやり取りしていると、多くの教員が教育委員会の事務局に配置されていることが分かります。聞けば、160人ぐらいの方が配置されているということを最近聞きました。学校現場から教育委員会に異動するに当たっては、期間の目安を提示されているわけでもなく、長期にわたって教育委員会事務局に配属されているという方もいらっしゃいます。
 教育委員会の事務においては、教員の経験があるほうがいい場面もあるということはよく分かりますが、本来、教壇に立つことを希望して教員になられた方々だと思いますので、例えば5年をめどに学校現場に戻れるようにするなどしたほうがよいのではないかというふうに思いますが、教育長のお考えをお伺いいたします。
○議長(岩田弘彦君) 教育長。
  〔今西宏行君、登壇〕
○教育長(今西宏行君) 教育行政の実効性を高めるには、教員が有する高い専門的知識や現場の実情などを施策に反映し、適切な支援を行うことが重要であると考えています。また、教員だけでなく、行政職や他の様々な職種の職員が協働して教育行政を推進していく必要があると考えています。
 議員御指摘の期間については、政策立案や行政運営には長期の視点と蓄積された専門性が必要であるため、一律に期限を決めることは困難ですが、所属の状況などを総合的に考慮し、適材を適所に配置してまいります。
○議長(岩田弘彦君) 林 隆一君。
  〔林 隆一君、登壇〕
○林 隆一君 本当に事務局に配属されて悩んでいる方もいらっしゃると思うし、よくそういった、なぜこんな事務局に来たのかよく分からないとか、教師に戻りたいという声も多々聞く話でございます。何とぞ考慮のほうを教育長、よろしくお願いいたします。
 それでは、最後にツキノワグマ対策について質問いたします。
 今年度、日本各地で熊類による人身被害が急増しております。熊類の出没エリアは拡大し、住宅地や通学路、さらにはオフィス街まで熊類が出没している状況でございます。
 そこで、今年度の熊類による全国の人身被害の状況をお伺いいたします。
 また、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律の改正がされ、本年9月1日から緊急銃猟が実施できるようになりましたが、県内市町村の銃猟の委託先や報酬はどうなっているのでしょうか。そして、県の取組について知事にお伺いいたします。
○議長(岩田弘彦君) 知事宮﨑 泉君。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) ツキノワグマ対策につきまして、県の取組ということでお答えをさせていただきます。
 その前に、先日、知事会議で秋田の県知事とも話をしたのですけれども、本当に7000頭から1万頭と言われているらしいのですけども、本当に大変だということをつくづく、いろいろ話を聞いて思いました。
 環境省が発表した資料によると、本年11月末時点の速報値で、全国の熊類による人身被害は230人、死亡者数は13人となっております。なお、県内での人身被害はありません。
 緊急銃猟に関して、本年12月1日時点では、県内8市町が銃猟の委託先を確保しています。また、日高川町は報酬金額を決定しており、その他の市町村についても、地元猟友会と協議を重ねるなど、検討を行っています。
 県では、市町村が緊急銃猟の射手を確保できるよう、県の猟友会に対して協力を依頼しています。また、県が入手した他自治体の緊急銃猟マニュアルを市町村に提供しています。今後も、市町村が緊急銃猟を円滑に行えるよう支援してまいります。
○議長(岩田弘彦君) 林 隆一君。
  〔林 隆一君、登壇〕
○林 隆一君 御答弁ありがとうございます。
 県は、第二種特定鳥獣管理計画を作成し、ツキノワグマの個体数を管理していくとしております。
 兵庫県立大学の横山教授によると、兵庫県内のツキノワグマの自然増加率は15%とのことです。これは、5年間で2倍になる増加率でございます。2倍といえば簡単と思うんですが、500頭から1000頭、1000頭が2000頭、2000頭が4000頭、4000頭が8000頭ということになってきたら、先ほど知事が言うてた秋田県と同様に20年後はなる可能性があるという数字ではございます。ですから、対策を急がなければならないというふうに思っております。
 本県の計画では、捕獲頭数は8%を上限に管理するとしておりますが、その根拠をお示しください。
 また、令和7年11月末時点でのツキノワグマの目撃情報は、三重県で80件、奈良県では123件、和歌山県では79件となっており、3件合計で282件もの目撃情報があります。県では、今年度、その三重県、奈良県と連携し、紀伊半島ツキノワグマ広域保護管理協議会で生息数調査を実施するというふうに聞いております。
 紀伊半島のツキノワグマは、鳥獣保護管理法で狩猟が禁じられていますが、生息数の調査の結果、個体数が増加している場合、環境省に対して狩猟再開を要望するお考えはあるのでしょうか、併せて知事にお伺いいたします。
○議長(岩田弘彦君) 知事。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 昨年度、紀伊半島個体群のツキノワグマ生息数を調査した結果、推定生息数が467頭となりました。環境省のガイドラインでは、400頭を超えると、400頭から800頭の個体群の捕獲上限割合を8%と定めております。県の管理計画のこれが根拠となっています。
 議員御発言のとおり、紀伊半島個体群のツキノワグマは、法律等で狩猟が禁止されています。このため、狩猟再開の要望につきましては、今後の生息数や人とのあつれきの状況、そういったことを勘案しながら、必要に応じて三重県、奈良県と構成する協議団体の議題としてまいりたいと考えております。
○議長(岩田弘彦君) 林 隆一君。
  〔林 隆一君、登壇〕
○林 隆一君 御答弁いただきました。知事、よろしくお願いいたします。
 それでは、ツキノワグマ対策として、これまでの対策に加え、警察によるライフル銃を使用した熊の駆除が可能となったところでございます。
 ツキノワグマ駆除については、先ほど知事への質問でも言及した猟友会の協力を得て市町村が行う緊急銃猟の制度もありますが、いざというときは猟友会のハンターの都合がつかないことも考えられます。そのような場合に県民の安全を守るには、警察が主となると思われます。
 現在、和歌山県では、東北地方などのようにツキノワグマが人間の生活空間に頻繁に現れるというような事態にはなっておりませんが、実際に熊が現れてから慌てるのではなく、早いうちに熊の駆除の体制を整えていく必要があると考えております。
 そこで、県警のツキノワグマ対策の体制について、警察本部長にお考えをお伺いいたします。
○議長(岩田弘彦君) 警察本部長野本靖之君。
  〔野本靖之君、登壇〕
○警察本部長(野本靖之君) 県警察では、熊が人の生活圏に出没した際には、市町村をはじめとする関係機関、団体と連携しつつ、安全確保の呼びかけや避難誘導、警戒活動などを実施するほか、市町村長が実施する緊急銃猟に協力するなど、地域住民の安全確保を最優先とした取組を進めているところです。
 警察官によるライフル銃を使用した熊の駆除の体制につきましては、今後の県内の熊による人身被害の状況や地域のニーズなどを踏まえ、必要な人員などについて準備を進めながら検討してまいります。
○議長(岩田弘彦君) 林 隆一君。
  〔林 隆一君、登壇〕
○林 隆一君 御答弁いただきました。警察本部長、何とぞよろしくお願いいたします。
 少し早いですが、これにて私の一般質問を終了いたします。御清聴いただき、どうもありがとうございました。(拍手)
○議長(岩田弘彦君) 以上で、林隆一君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開きます。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時2分散会

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