令和7年2月和歌山県議会予算特別委員会会議記録(総括質疑2日目)


令和7年2月和歌山県議会予算特別委員会会議記録(総括質疑2日目)

 

1 日時   令和7年3月12日(火)午前9時58分~午後1時30分

2 場所   予算・決算特別委員会室

3 出席者  委員長   中村裕一

       副委員長  秋月史成

       委員    高田英亮、佐藤武治、鈴木 德久、森礼子、玄素彰人、山家 敏宏、吉井和視、北山慎一、坂本佳隆、三栖拓也、

             坂本登、藤本眞利子、浦口 高典、長坂隆司、中尾友紀、小西政宏、中西徹、林隆一 

      欠席委員   なし

      委員外議員  濱口太史、堀龍雄、川畑哲哉

4 概要

   午前9時58分再開
    ●中村委員長
     ◎再開宣告 挨拶
     ◎報告事項 委員の欠席なし

     ◎傍聴協議 なし

     ◎撮影許可 4件

      

   

   Q 長坂委員
   1 和歌山県内の外国人労働者について
   (1)技能実習と特定技能の就労数について
    県内の事業者が雇用する外国人労働者は、令和6年10月末現在で前年同期比1029人、22%増の5711人で、平成27年以来、

   10年連続で過去最多を更新したと2月8日の産経新聞県内版で見た。近所の家で外国人が集団生活をしていたり、ホテルに

   行くと男女問わず、、外国人が就労して接客を行っているのに出くわしたりする。また介護事業所で介護に従事している現場

   もよく見かける。日本における職場での人手不足が実感される。外国人労働者を雇用する事業所も過去最多の1163か所と

   なったという。国籍別では、ベトナムが最多の1822人で全体の31.9%、インドネシアが915人で16%、フィリピンが746人で

   13.1%などと続いていて、対前年同期比で増加率が最も高かったのがミャンマーで101.6%、ネパールが47.3%、インドネシア

   が43.9%と掲載されている。業種は製造業が最も多く、全体の25.1%、次いで卸売・小売業14.4%、医療・福祉が13.7%、

   宿泊・飲食サービス業が12.4%となっている。
    外国人労働者の在留資格の中には技能実習と特定技能があるが、本県においてそれぞれどのくらいの人が就労しているのか。

 

   A 大川商工労働部長
    和歌山労働局の2024年10月末現在における外国人雇用についての届出状況によると、本県における技能実習の在留資格で

   就労されている方は2211人、特定技能の在留資格で就労されている方は896人となっている。

 

   Q 長坂委員
   (2)技能実習の受入れのスキームについて
    技能実習の受入れに関しては、企業単独型と団体監理型があり、団体管理型が一般的であるとのことだが、そのスキームは

   どのようになっているのか。

 

   A 大川商工労働部長
    団体監理型は、技能実習生を日本へ送り出す海外所在の「送出し機関」と、日本国内で実習生の支援や受入れ企業の指導など

   を行う「監理団体」とが連携の上で、実習生の受入れを行う仕組みである。
    そのスキームは、まず、受入れ企業から実習生の募集の依頼を受けた監理団体が、送出し機関に対して実習生の募集を依頼する。
    次に、送出し機関で募集をかけ、応募者の中から選考された候補者が、受入れ企業の面接などを受け、実習生として決定される。

   そして、決定後、実習生は送出し機関のもとで、日本語や日本の生活に関する講習を受ける。
    一方、日本国内においては、監理団体の指導支援のもと、受入れ企業が技能実習計画の作成や入国など、実習生の受入れに

   関する手続きを行う。その手続きの完了後、実習生は日本に入国することになり、入国後、監理団体のもとで、日本語や生活一般

   に関する講習を、もう一度受ける。
    概ね、このようなスキームにより、受入れ企業での技能実習が開始される。

 

   Q 長坂委員
   (3)介護人材の受入れについて
    介護人材については、どのような受入れの仕組みがあるのか。また、本県での受け入れ状況はどのようになっているのか。

 

   A 今西福祉保健部長
    外国人介護人材の受入れの仕組みについては、技能実習や特定技能のほか、二国間の経済連携協定に基づく特例的な受入れや、

   介護福祉士国家資格を取得した留学生等が介護の業務に従事できる在留資格「介護」などの制度がある。
    また、本県の外国人介護人材の受入状況について、県調査では、2024年4月末時点で432人となっており、内訳は、在留資格

   「介護」が127人、特定技能が107人、介護福祉士の資格取得を目指す留学生が86人、技能実習が84人、経済連携協定が13人、

   その他15人となっている。前年に比べると、全体で約20%増加し、特に、特定技能や在留資格「介護」が増加している。
    今後、本県でも、介護ニーズが高まる一方、生産年齢人口が減少することが予測されており、外国人介護人材の受入れが

   進んでいくものと見込まれる。

 

   Q 長坂委員
   (4)外国人の日本における円滑な社会生活のための取組について
    外国人の問題には言葉や生活習慣等様々なものがあると思うが、本県において、各地域で日本人と円滑に社会生活をおくるため

   に県はどのように取り組んでいるのか。

 

   A 前企画部長
    委員ご指摘のとおり、外国人については言葉や生活習慣等の様々な違いがあることから、県では、在住外国人が地域社会に

   おいて健康かつ安全に自立して生活し、周辺住民と良好な関係を築けるよう、様々な施策を実施している。
    今年度から日本語学習環境整備事業として、日本語学校等と連携した無償の日本語教室を実施している。18歳以上の県内

   在住外国人を対象に「入門」、「初級」、「中級」の3つのレベルに応じて和歌山市内の対面教室、県内全域から参加可能な

   オンライン教室及び企業内日本語教室を実施している。
    また、外国人が地域で生活する上で抱える様々な悩みごとについては、英語、中国語、フィリピノ語、ベトナム語、やさしい

   日本語による外国人生活相談窓口を設置して対応している。
    さらに、インターナショナルカフェ等のイベントを開催し、日本人と外国人が異文化交流できる機会を提供することや外国人

   が理解しやすい「やさしい日本語」を学ぶ研修会を実施することにより、日本人にも在住外国人を同じ地域に住む仲間として

   受け入れてもらうための環境づくりを行っている。
    このような様々な取組により、多文化共生の推進に取り組んでいるところである。

 

   要望 長坂委員
    県のそうした取組を、外国人労働者が進んで利用できるよう広報をお願いする。

 

   Q 長坂委員
   (5)帰国・外国人児童生徒の学校での教育状況について
    本県における帰国、外国人児童生徒等の学校での教育状況はどのようになっているのか。

 

   A 宮﨑教育長 
    2024年5月1日現在、県内の日本語指導が必要な帰国、外国人児童生徒等は公立小、中、高等学校に72名在籍しており、

   増加傾向にある。
    小、中学校においては、様々な状況の児童生徒がいる中で、日本語を習得する方法として、習熟度や教員の配置等に

   よって3つのパターンがある。
    まず、授業において一般の教員が気にかけたり、支援したりし、さらに学校生活における日本語でのコミュニケーション

   を重ねることで日本語の力がつく場合である。これは、少し日本語の能力が高いか、低学年の児童の場合と言える。
    次に、県が配置した日本語指導担当教員や市町村独自の支援員などが、当該児童生徒に応じた日本語指導を行うことで、

   日本語の能力を向上させる場合である。
    3つ目として、日本語指導が必要な児童生徒が広範囲に散在する現状を踏まえ、県教育委員会で今年度から実施している

   オンラインでの日本語指導講座により、日本語を習得させる場合である。事前のオンラインによる面接により、日本語の能力

   を丁寧にみとり、個に応じた指導をすることで、着実に日本語の能力を向上させることができている。
    これは、授業とは別に当該児童生徒を抽出して教員も付き添い実施するものと、低学年では放課後に学校や家庭で実施する

   ものもある。
    さらに、該当する児童生徒が在籍する学校の教職員や市町村教育委員会担当者を対象とした会議を開催し、各学校の実践

   内容の成果等の情報共有を行っている。
    高等学校においては、和歌山県立高等学校入学者選抜でルビ振りや辞書の使用許可、別室受検、検査時間の延長等といった

   特別措置を行っている。さらに入学後も非常勤講師等を配置し、授業で使用するプリント等へのルビ振り、放課後の面談や

   日本語の補習等、それぞれの生徒の実態に応じてサポートしている。
    全ての校種において、学校生活に参加できるよう、個に応じた支援に努めていく。

 

   意見 長坂委員
    全ての児童生徒が授業についていけるよう、十分な配慮を引き続きよろしくお願いする。

 

   Q 長坂委員
   1 本県の訪日観光客について
   (1)観光客数の多い国について
    訪日客の2024年の消費額は8兆1395億円、客数は3686万9900人でともに過去最高となり、政府が2025年までに2019年

   の訪日客数を超えることを目標に掲げているが、1年前倒しで達成した。円安効果も下支えしていると聞いている。1人あたり

   の消費額は23.7万円でコロナ禍前2019年同期の17万円から増えている。これまで最高だったのは消費額が2023年の5兆3065億円、

   客数が2019年の3188万人だったという。年間でみると消費額、客数ともに過去最高を更新している。国、地域別にみると、最も

   消費が多かったのは中国で1兆7335億円、あと台湾、そして韓国と続く。本年こそ訪日客が初めて4000万人台に乗ってほしい

   ものである。
    本県において観光客数が多い国はどのような国か。
   
   A 赤坂地域振興部長
    観光庁の宿泊旅行統計調査報告によると、2024年の県内延べ宿泊者数は多い順に、中国、香港、台湾、韓国、米国、オーストラリア、

   フランスとなる。
    国別で見ると、中国のシェアは26.8%と1番大きく、エリア別で見ると、アジア市場のシェアが約6割、欧米豪市場のシェアが

   約2割となっている。

 

   Q 長坂委員
   (2)消費が多かった主な国について
    本県において消費が多かった主な国はどこか。

 

   A 赤坂地域振興部長
    直接のデータはないが、先ほど申し上げた国々の延べ宿泊者数が多いことから、これらの国々の観光客が和歌山県での消費に

   大きく寄与しているものと推測される。

 

   Q 長坂委員
   (3)訪日客がよく訪れる観光地について
    本県において、各国の訪日客がよく訪れた観光地はどこか。

 

   A 赤坂地域振興部長
    2023年の和歌山県観光客動態調査によると、アジアからの観光客が多い地域は、白浜町、和歌山市、那智勝浦町であり、沿岸

   の主要な観光地が人気となっている。
    また、欧米豪からの観光客が多い地域は、高野町、田辺市、那智勝浦町であり、高野山や熊野古道が人気となっている。

 

   Q 長坂委員
   (4)主な消費傾向について
    本県における訪日観光客の主な消費傾向はどうか。

 

   A 赤坂地域振興部長
    観光庁のインバウンド消費動向調査によると、2024年7月から9月期の和歌山県の訪日外国人旅行消費単価は、1人あたり

   3万6千円となっており、費目別では、宿泊費1万9千円が最も高く、次いで飲食費7千円、買物代5千円の順となっている。

 

   Q 長坂委員
   (5)消費額の大きい観光客の状況について、またその獲得のための対策につい 本県において、消費額が多い富裕層と

   呼ばれる観光客の訪問状況はどうか。
    また、富裕層獲得のためにどのような対策をとっているのか。

 

   A 赤坂地域振興部長
    所得別の来訪が分かる個別データはないが、県では富裕層を含む高付加価値旅行者層をターゲットとした誘客を進めている。
    具体的には、現地プロモーションとして県職員を派遣し、旅行博覧会や商談会への出展、旅行会社やメディアへのセールス

   コールを通じて観光情報を発信するほか、旅行会社やメディア、インフルエンサーなどへのFAMトリップの実施、県内観光

   事業者と旅行会社との商談会の開催などを行っているところである。


   Q 長坂委員
   (6)熊野白浜リゾート空港について
    熊野白浜リゾート空港の乗客数の推移は。近い将来の定期便就航の展望は。
    空港の受入体制の整備は。
 

   A 岸本知事
    熊野白浜リゾート空港の乗客数の推移について、2022年度に23万人余りとなり、過去最高となった。搭乗者数は10年前に

   比較して約2倍となっている。2023年度以降も同様の水準となっており、依然好調を維持している。
    近い将来の定期便就航の展望について、国際線ターミナルの供用後、ベトナムや韓国からのチャーター便が運航している。

   韓国からは、これまで28便のチャーター便が運航してツアー商品は大変好評であったと聞いている。
    国際便の更なる運航のため、私も先般、韓国の航空会社や旅行会社にセールスを行った。航空会社に今後もチャーター便の

   運航継続とともに、定期便化を依頼したところ、「定期便化のために研究をしたい。」と前向きな回答をもらった。
    空港の受入体制について、国際チャーター便の運航時には、その都度各関係機関と連携して、入管などの手続きを実施し

   ている。国際線ターミナルの供用後、これまで特段のトラブルもない。今後、運航する中で、更なるチャーター便の誘致に

   必要な施設があれば、その対応については検討したい。

 

   Q 長坂委員
   (7)宿泊税の導入について
    宿泊税の導入に向けたハードルについて、どのように認識しているのか。

 

   A 岸本知事
    宿泊税の導入に関しては、昨年の県議会において答弁させていただいた。まず一つは、財政需要があるのかどうか、それから、

   関係者の理解を得られるのかどうか、さらに、県全体で実施するため、市町村とのバランスを含めて考えていく必要がある。

   これらが長坂委員ご指摘のいわゆるハードルではないかと考えている。
    まず最初の「財政需要」については、宿泊者の皆様から税金を頂くことになるため、税金の使い道として、受益と負担の

   関係をしっかりと踏まえる必要がある。加えて、住民生活と調和した観光地域づくりの観点についても考慮する必要がある。
    また、「関係者の理解」については、まず最初には県議会議員の皆様はもちろんのこと、観光は裾野の広い産業であるため、

   宿泊事業者のみならず、地域住民をはじめ様々な関係者としっかり意見交換をしていく必要がある。
    さらに、「市町村を含めた県全体のバランス」については、各市町村のお考えや地域の事情を最大限に尊重しつつ、県全域

   で課税することの利点や課題を今後整理していかなければならないと考えている。
    これからの和歌山県の観光を取り巻く環境を考えると、宿泊税は大変貴重な財源ではないかと認識している。昨年10月から

   宿泊税に関する庁内ワーキンググループによる研究を行っているところであるが、今後はさらに多くの方々のご意見も伺いながら、

   研究を深めていく。
 
   意見 長坂委員
     他府県の動向も参考にしながら、リーズナブルな宿泊税の導入を考えていただきたい。

 

   Q 長坂委員
   3 グローバル人材の育成について
    2024年11月25日の日経新聞朝刊で見たが、日本人のパスポートの取得率がコロナ禍前の23.8%から2023年には17.0%

   にまで低下、海外旅行者数は多くの先進国でかなり前にコロナ禍前を上回ったが、日本は7割以下にとどまっている。日本人

   旅行者が少ないままだと、各国の政府や旅行業界もやがて自国民の送り出しに力を入れなくなる。インバウンドの成長のため

   にも政府もアウトバウンドの後押しに力を入れるべきではないかと思う。コロナ禍で旅行が制限され、海外が遠くなったといえ、

   観光庁23年調査で、19~25歳の若者の57.3%が海外旅行に行きたいと思わないと答えている。2018年の内閣府の調査でも

   13~29歳の53.2%が留学に行きたくないと言う。若者が海外旅行をためらう3つの大きな理由が、費用など経済的な面、治安、

   語学力だという。大学でも留学する学生が減少傾向にある。コロナ禍後は積極層が2割に減り、決められない層が4割に増えて

   しまったそうである。東北大学では決められない理由として、語学力に不安、現地の生活に不安、学業・研究との両立に自信が

   ない、東北大の教育研究に満足していない、などが増えた。今の学生はコロナ禍で高校時代を過ごし、対面の交流経験が少なく

   コミュニケーション力も低く、留学志向が多少あっても、自信が持てず、行動につなげられていない。国や企業・大学も留学

   に力を入れてほしいと思う。私も学生時代や若い社会人の頃は日本や日本人のアピールのためにも海外に行きたくてたまらな

   かった。今は大人社会の後押しが必要ではないか。
    また、一例として、若い世代には働く場として海外に注目をしている人達もいる。海外に長期滞在できるワーキングホリデー

   では、将来のキャリアを見据えて参加する人が増えている。ワーキングホリデーは、現地で就労できるほか、学校に通い、

   ボランティアに参加するなど多岐にわたって活用しがいのある制度といえる。18~30歳なら職歴や学歴は関係なく、少ない

   資金で渡航しやすい点も魅力がある。渡航先で人気のオーストラリアではコロナ禍を挟んで参加者が増え、現在は女性の方が

   多くなっているそうである。親の経済力が下がっても自力で海外に挑戦できるワーキングホリデーの魅力が増したのではないか。

   留学やインターンシップの延長として捉えられている。
    確かに今は円安でアウトバンドは割高であるとはいえ、世界の中で日本を見ることもできるチャンスであるし、リアルな

   体験にはバーチャルを超える価値がある。また、若者がワーキングホリデーを活用してキャリアを積む目的で参加することに

   よって、帰国後にその経験を活かした働き方を選びやすくなるかもしれない。本県の青少年にどのように海外に目を向けるよう

   に仕向けていけばよいか、グローバル人材に育成についてどのように考えているのか。

 

   A 岸本知事
    今のグローバル人材の育成の重要性については、現在新しい総合計画を議論する中で問題提起もしている。まさに我が国は

   本格的な人口減少社会になり、需要は減少し、労働力も不足する。その中で、海外に目を向ければ、近くのアジアは人口や

   市場規模は増加を続けている。海外の活力を取り込むことが、日本、特にこの和歌山県では強く求められていると考えている。

   そういった中で、これからの社会を担っていくグローバル人材の育成は必要不可欠であると私も考えている。長坂委員に

   おいては、サラリーマン時代、オランダで海外駐在員としてご活躍されたご経験があるとお伺いしているので、ぜひ

   その点もご指導いただければと思う。
    本県では、「社会や世界に向き合い自ら未来を切り拓く人」を育成する教育改革に加え、小中高すべての教育課程での外国

   との交流機会の拡大や、海外留学を強化することで、多様な価値観を持った他者との協働の中で、権威を疑い、既成概念に

   とらわれず、新たな価値を創造できるグローバルな人材の育成を目指している。
    例えば、全ての県立学校に外国語の指導講師を配置し、授業やクラブ活動等で活用している。あるいは、英語でのコミュニ

   ケーションをその外国語指導講師のもとで活発に行われるようにしている。和歌山県高校生英語ディベート大会の開催、

   「世界津波の日」高校生サミットへの生徒派遣等を通じ、そのような場に、海外との交流の場に生徒を派遣している。海外

   研修旅行、短期海外留学、オンライン交流等、様々な場面での国際交流の機会を提供し、私共が県議会の議員団の皆さんと

   一緒に海外へ行った場合にも、必ず相手国と締結をする交流項目には青少年交流も入れている。ただ、例えば、海外で一か月

   暮せば話せるようになるような日常会話を、小学生に教えることなどが、グローバル人材を生むということには全く繋がらない

   と考えている。そうではなく、むしろ、語学ができる必要はない。日本語で、ちゃんと自分の頭でものを考えて、自分の日本語

   でしっかり考えを述べることができる、そのことの方がより大事だろうと私は思っているので、その点はき違えないように、

   しっかりとした、真の意味のグローバル人材を育てていきたいと考えている。

 

   要望 長坂委員
    海外に興味を持っている人が、いざ行くとなると、当地では実際の話、コミュニケーションが第一。グローバルなステージ

   では、少なくとも英語がまともに喋れないと、真に対等なコミュニケーションが取りにくいもの。海外へ行くと、当地の人は

   まず、日本人としての自分、そして日本という国のことを語って欲しがる。日本人としての誇りも持って海外に雄飛する

   和歌山県民を育てていただきたい。

 

   Q 長坂委員
   4 災害ボランティア活動への支援や企業などの民間団体との連携について

   (1)災害発生時のボランティア活動支援について
    阪神淡路大震災が起きた1995年はボランテイア元年と呼ばれ、災害ボランティアの重要性が広く認識される契機となり、

   それから今年は30年目である。阪神淡路大震災の被災地には、1年間に延べ137万人が駆け付けたとされる。当時は多数

   のボランティアを調整する仕組みはなく混乱があったとのことである。こうした状況を受けて、1995年12月、災害対策

   基本法が改正され、国と自治体はボランティアによる防災活動の環境整備に努めるよう明記された。1998年12月には

   ボランティア団体に法人格を与えて活動を促進するため、特定非営利活動促進法(NPO法)が施行された。ボランティアの

   活動が過去最大規模となったのが2011年3月の東日本大震災であった。復興庁によると、10年間で延べ700万人が活躍し、

   個人以外にも、NPOやNGO、企業など幅広い団体が参加した。がれき撤去に重機を使うなど活動も高度化し、ボランティア

   のプロ化が進んだといわれている。被害の長期化により様々なニーズが掘り起こされ、仮設住宅に移った高齢者の見守り

   支援や傾聴ボランティアなど、活動も多様化した。そこで南海トラフ巨大地震を考えてみると、今まで以上の広範囲で甚大

   な被害が想定され、活動する人員の不足が懸念される。都道府県による災害ボランティア活動への助成制度が一部の自治体

   で導入されている。政府は、茨城から沖縄にかけて1都2府26県の計707市町村を南海トラフ地震防災対策推進地域に定め

   ている。すなわち南海トラフ巨大地震で震度6弱以上の想定があったり、高さ3m以上の津波の恐れがありながら海岸の

   堤防が低い地域があったりするなどの基準を満たした地域である。その29都府県のうち県独自の助成制度があるのは長野

   と愛知、三重、京都、兵庫、香川の6府県にとどまっている。これらの助成制度は、県内に拠点を置く団体のほか、当地

   で災害が起きた際に活動する県外の団体も対象になるものもある。南海トラフ巨大地震では和歌山県内でも甚大な被害が

   予想され、多くのボランティアが必要になると思われる。愛知県では活動のために使った交通費や宿泊費、重機やトラック

   のレンタル費用などに1団体当たり、上限20万円を助成している。助成金はすべて県内外の企業などからの寄付で賄う

   そうである。政府もこのような流れを受けて、交通費を補助する制度を1月10日に開始した。幅広い分野で専門ボランティア

   が育ってきたことを受け、「ボランティアが行政の代わりに公助の部分を担っている」(内閣府幹部)として補助する方針を

   決めたという。交通費に限り、NPOなどの団体を対象に1回あたり最大50万円を支援するそうである。
    ボランティア活動資金はまず自分自身で捻出するのが前提だと思う。そして活動が円滑にいくよう行政が後押しをするの

   が筋だと思う。そのうえで、本県が南海トラフ地震に見舞われた時にはたくさんのボランティアの手を借りることになると

   思うが、災害発生時におけるボランティア活動支援をどのように考えているのか。

 

   A 山本環境生活部長
    災害時のボランティア活動への支援については、家屋内外の片付けや軽作業を行う一般ボランティアが円滑に活動できる

   よう、県社会福祉協議会に常設している県災害ボランティアセンターにおいて、県及び関係団体と連携し、各被災地に

   おけるボランティアの募集状況などに関する情報発信や資機材の提供を行うとともに、必要に応じて、被災地に移動する

   ための災害ボランティアバスを運行することとしている。
    さらに、能登半島地震の検証結果を踏まえ、大規模災害が発生した際、ボランティアの受入れに当たり、本県においても

   宿泊場所等から被災地までの距離が遠く、作業時間を十分に確保することができない事態が想定されることから、県としては、

   ボランティアに来られた方が被災地周辺で寝泊まりすることのできる場所の確保についても取り組んでいく。

 

   要望 長坂委員
    和歌山県がもし南海トラフ地震に見舞われることになれば、半島県の過疎化が進む地域も少なくない本県にも大変な被害

   が予想される。ボランティアの方がリピーターとなって被災後のみならず、復興後も和歌山県に来てもらえるような心配り

   もよろしくお願いする。

 

   Q 長坂委員
   (2)企業などの民間団体の支援を引き出す協定などについて
    どの程度締結しているのか。今後の取組は。

 

   A 河野危機管理部長
    県では、これまでも災害時における企業などの民間団体との連携は重要と考え、救援物資の調達、フォークリフト等の

   資機材の供給、物資や人員の輸送、公共施設の応急復旧工事、避難所等での給電機能付き電動車からの電力供給など、

   様々な業種の民間団体と協定締結を進め、今年2月末現在で、協定数は287となっている。
    今般の能登半島地震に係る検証等を踏まえると、県外からの応援者の宿泊場所等の確保、避難所の環境改善や、

   避難所以外の避難者も含めたきめ細かな被災者支援などにおいて、民間団体が持つ専門的ノウハウ等を活用することの

   重要性が確認できたところである。
    こういった新たな課題については、民間団体の協力を得ることで、効率的、効果的に対応できることから、企業など

   の民間団体との協定締結を更に進めるなど、官民の連携の強化を図っていく。

 

   Q 長坂委員
   5 鉄鋼スラグの港湾での活用について
   (1)鉄鋼スラグの港湾での活用について
    以前にも一般質問で取り上げたことがあるが、鉄鋼業における鉄鋼スラグはわが国最大の産業副産物である。ほぼ全量

   がセメント原料、路盤材、コンクリート骨材、肥料のほか、地盤改良材や埋立材等の土木資材として、有効に活用されて

   いる。近年は、資源の循環利用に加えて、カーボンニュートラル社会実現に向けた低炭素型材料や藻場造成基盤材等の

   ブルーカーボンに寄与する材料としての活用も増えている。鉄鋼スラグ水和固化体人工石は、コンクリート代替品として

   高炉スラグ微粉末をセメント結合剤相当に、転炉系スラグを骨材相当に練り混ぜた鉄鋼スラグ水和固化体を粗破砕した

   もので、種々の形状や粒度の製造が可能である。人工石は、準鉱石相当の天然石と同等の品質であること、周辺地域のpH

   への影響がないこと、天然石材と同等の生物付着性を有することが確認されており、裏込め石、傾斜護岸材、被覆石、

   藻場材等に適用されている。適用事例としては、東京国際空港D滑走路建設外工事の地盤材料や、釜石湾港防波堤復旧工事

   の被覆石に用いられるほか、南あわじ市、岩国市、山口県東部海域等では藻場造成用の藻礁石材として活用されている。

   またカルシア改質剤は、転炉系スラグを原料として成分管理と粒度調整した材料であり、浚渫土砂の強度改善や濁り抑制、

   浚渫土からの硫化水素やリン酸の発生抑制による底質浄化等の効果がある。これらの特性を活かし、海底の深掘れ窪地の

   埋戻し、浅場・干潟基盤材、埋立材等として活用され、現在では約200万㎥の実績を積んでいる。カルシア改質土と人工石

   により造成した浅場にワカメ移植を行った事例もある。深掘れ修復と安定した水中盛土造成による貧酸素状態の改善とともに、

   ワカメ藻場の拡大と魚類の蝟集が確認され、カルシア改質土と人工石による初のJブルークレジット認証を取得している。

   鉄鋼スラグはわが国の貴重な資源であり、循環経済への転換には副産物の持続的な活用が重要であるとともに、地球温暖化

   対策としてのカーボンニュートラルへ向けたブルーインフラ資材としても有用である。本県においても路盤材、コンクリート

   骨材、地盤改良材、裏込め石、傾斜護岸材、被覆石等や、浚渫土砂の強度改善や底質浄化等のために鉄鋼スラグを活用

   すべきと思うがいかがか。また実際の活用事例は。

 

   A 福本県土整備部長
    県では、資源の循環的な利用の促進及びリサイクル産業の育成を図り、循環型社会を形成することを目指して、和歌山県

   リサイクル製品認定制度を制定している。鉄鋼スラグについても同制度において認定した製品の材料として利用されており、

   港湾工事では、鉄鋼スラグを材料としたリサイクル製品を路盤材や被覆石などに活用し普及促進に努めている。
    委員提案の浚渫土砂を埋立に利用するための改良や底質浄化などへの鉄鋼スラグの活用については、県事業による使用

   実績はないが、国や他の自治体の状況を注視しながら活用可能な箇所があれば、今後の利用に向けて、検討していく。

 

   要望 長坂委員
    鉄鋼スラグは、藻場造成によるブルーカーボンに寄与するものであるので、本県の漁業振興のために鉄鋼スラグ活用に

   よる藻場の拡大について予算化して、検討、実施してほしい。 

 

   Q 高田委員
   1 通学路の交通安全対策について
   (1)道路の交通安全対策について
    私は長年、地元貴志川でボランティアとして毎朝小学生の登校の見守りをしている。暑い日も寒い日も雨の日もあり

   大変な日もあるが、こども達のはつらつとして楽しそうに集団登校する姿が、なによりも私にとって元気の源である。

   入学当初は上級生のお兄さんやお姉さんに連れられて、大きなランドセルを背負い足取りもおぼつかなく大丈夫かなと

   心配だった1年生も、日を追うごとにしっかりしてきて、こどもの成長には本当に驚かされる。
    先日も、この3月で小学校を卒業するこども達から見守りの御礼ということで、心温まる手紙をいただいた。中学校

   にあがっても引き続き交通ルールを守って、安全に通学してもらいたい。ただ朝の登校は、通勤ラッシュと重なり交通量

   も多い中で、大きな幹線道路を横断しなくていけない箇所もあり、こども達が事故に巻き込まれず安全に渡れるよう、

   いつも細心の注意を払っている。
    全国的に見ても登下校時の大きな事故は後を絶たない。近年では、令和3年6月に千葉県八街市で、下校中の小学生の

   列にトラックが突っ込み5名の児童が死傷するという痛ましい事故が発生した。これを受けて実施した通学路の緊急合同

   点検に関して、令和5年の6月議会において北山議員が質問されたところである。また、今議会の一般質問においても

   川畑議員から県道の歩道設置についての質問があった。
    こども達が安全に通学するためには、通学路の安全確保に向けたハード、ソフトの総合的な対策を、関係部局、関係

   団体が連携して、継続的に取り組むことが必要だと考える。
    まず、通学路の緊急合同点検により抽出した箇所に、県道の道路管理者としてどのように対応しているのか。その

   状況と具体的な整備内容は。

 

   A 福本県土整備部長
    千葉県八街市で2021年6月に発生した交通事故を受け、通学路の安全を早急に確保するため、同年度に、全国で

   通学路における緊急合同点検が実施された。
    県内では国、県、市町が管理する道路において、397か所が緊急対策箇所として抽出されている。
    このうち、県管理道路の緊急対策箇所は154か所であり、2025年3月末までに132か所で対策が完了する予定である。
    道路管理者が実施する具体的な整備内容については、歩道整備、防護柵やラバーポールの設置などハード整備が主になる。
    県としては、引き続き、教育委員会や警察など関係機関と連携し、通学路の交通安全対策を計画的かつ集中的に実施

    していく。

 

   Q 高田委員
   (2)交通安全教育の推進について
    こども達が安全に登下校するためには、歩道の整備や防護柵の設置といったハード的な取組に加えて、ソフト的な対策

   として、こども達自身が交通安全の意識を持ち、交通ルールをしっかり守って自分自身の身を交通事故から守れるように

   する交通安全教育の推進が大切だと考える。
    小学生の場合、登下校時に友達とふざけたり走ったりして夢中になるあまり、道路に飛び出して事故にあうケースが

   多いと聞く。 私は、いつもこども達に、「信号が青になったからといって、すぐに飛び出したらいけないよ。」、

   「 しっかり車が止まっているのを確認してから渡るんだよ。」と、声かけを行っている。登下校の際、事故に遭わない

   ためにはどうすればいいのか、道路にひそむ危険を認識させ、交通ルールをしっかり守るよう、教える必要があると考え

   ている。
    こどもに向けた交通安全意識の向上や交通ルールの遵守につながる教育についてどのように取り組んでいくのか。

 

   A 野本警察本部長
    こどもに向けた交通安全教育については、知事部局、教育委員会及び交通ボランティア団体と連携し、小学校等に

   赴いて各年代に応じた参加、体験、実践型の教育を行い、歩行時や自転車乗車時に必要な技能や知識の向上に努めている。
    また、2022年7月から、県内の小学校を対象に「サイン+サンクス運動」推進校を指定し、横断歩道において児童が

   手を挙げて自動車にサインを送り、止まってくれたドライバーに会釈等で感謝の気持ちを伝える一連の動きを定着させる

   ことで、通学時の児童の安全を確保する取組を知事部局と共に進めている。
    県警察としては、今後とも、各年代に応じた交通安全教育を推進し、児童の安全意識の向上を図るとともに、関係機関

   等と連携しながら、各種交通安全対策を講じていきたいと考えている。


   Q 高田委員
   2 いちご、もも、かきの振興について
   (1)生産振興について
    ご存じのとおり、地元紀の川市は豊かな自然に恵まれたフルーツの産地で、いちご、もも、かき、いちじく、キウイ、

   はっさくなどは県内はもとより全国でも有数の生産量を誇っている。また、大阪などの都市圏や関西国際空港に近いこと

   もあり、県外や海外からの多くの観光客が四季折々のフルーツを目当てに訪れてくれている。特にももの季節になると、

   あら川の桃の産地である紀の川市桃山町には、新鮮でおいしいももを求めて近隣府県から多くの人が来訪し、渋滞が発生

   するほどである。
    また、紀の川市では、特産の果物を観光につなげるフルーツツーリズムに力を入れている。ねこの駅長で有名な貴志駅

   には、国内外から多くの観光客が訪問してくれているが、駅の前に設置された紀の川フルーツ観光局が、その観光客を

   フルーツの収穫体験やフルーツを楽しめるお店、観光スポットにつなげるなど、フルーツを活用した地域づくりを進めている。
    和歌山県全体を見ても、果樹は、農業産出額の約7割を占めており、果樹の振興を図ることは、本県の基幹産業である

   一次産業の活性化のみならず、地域全体を元気にしていくことにつながると思う。その一方で課題も多いと聞く。
    老木化が進み生産性の低下が懸念されていることや、消費者のニーズも多様化しており、それに合った高品質化を進める

   必要があること、担い手が高齢化し人手も減ってきていることから、省力機械の導入などによって生産性を向上させること

   が急務であること、そのほかにもクビアカツヤカミキリといった外来生物が猛威をふるっていることも心配なことである。

   このように、果樹の振興に向け対応が求められている課題は多岐にわたっている。
    そこで、特に、いちご、もも、かきについて、魅力的な果実の生産振興に向け、どのように取り組んでいくのか。

 

   A 立石農林水産部長
    本県農産物の主要品目であり、紀の川流域が主産地となっている、いちごやもも、かきの生産振興について、いちごでは、

   良食味で市場評価の高い県オリジナル品種「まりひめ」の導入を拡大するとともに、耐風性を高めるためのハウスの高度化

   や生産性向上を目指すスマート農業技術の導入を支援し、生産拡大に取り組んでいる。
    ももでは、あら川のももをトップブランドとして、産地全体の若返りを図るため、老木園の改植や新植を支援するとともに、

   クビアカツヤカミキリのまん延防止対策を徹底している。また、アジア圏への輸出拡大に向けた選果場整備を支援するなど、

   もも産地の振興に取り組んでいる。
    かきでは、老木園の改植に加え、10月下旬に収穫可能で外観、食味が優れた県オリジナル品種「紀州てまり」の生産拡大

   や海外でニーズが高まった紀の川柿の増産を支援し、日本一のかき産地の振興に取り組んでいる。
    来年度の予算は、スマート農機や施設整備、改植などに必要な経費を予算案に計上し、今定例会でお願いしている。
    今後ともJA等と連携し、農家所得の向上に向け、いちご、もも、かきの生産振興に引き続き取り組んでいく。
 
   意見 高田委員
     課題は多いと思うが、和歌山の美味しい果物がいつまでも安定的に生産できるよう、振興の取組をお願いする。

 

   Q 高田委員
   (2)国内外への販売促進について
    生産の振興に加えて、国内外への販売促進や販路拡大を進めて行くことも重要である。国内外の多くの方に和歌山の果樹

   の美味しさを知ってもらい、ファンになっていただくことが、ブランド価値を高め収益性の高いもうかる果樹の振興に

   つながると思うが、そのためには和歌山県産の果樹の魅力をどのように発信し販路を拡大していくかが重要なカギだと考える。
    いちご、もも、かきについて、国内外に向けどのように販売促進に取り組んでいくのか。

 

   A 立石農林水産部長
    まず、国内での取組としては、県とJAグループで構成する「和歌山ブランド向上対策推進会議」が主体となり、かき、もも

   について、首都圏及び大阪・関西万博を見据え在阪百貨店でのプロモーションを展開しているほか、かきについては、食の

   専門誌として人気の高い「あまから手帖」と連携し、大阪、京都などの高級レストラン6店舗でメニューに採用された。
    いちごについては、東京銀座の「資生堂パーラー」でまりひめのメニューが定番化されるなど、これまでの取組が実を

   結んできているほか、高級レストラン「KIHACHI」でのまりひめを使用したスペシャルメニューの販売に加え、大手コンビニ

   エンスストアでのまりひめを使用したスイーツ販売が実現するなど、県産フルーツの販路拡大及びブランド価値の向上に努め

   ている。
    次に、海外での取組としては、いちごについて、国内商社を通じ香港の富裕層向けの輸出拡大に取り組んでいる。
    ももについては、香港では、アジア最大級の総合見本市である「香港フードエキスポ」での販売を実施しているほか、

   シンガポールの高級スーパー3店舗でフェアを開催している。また、台湾においては、和歌山のももの品質の良さが高く

   評価され、贈答品として定着しており、安定した輸出先として取組を進めている。
    かきについては、海外で人気が高まっている紀の川柿を中心にシンガポールの高級スーパー3店舗でフェアを開催して

   いるほか、香港では、株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスとの連携協定を活用し、発注量

   の強化に取り組んだ結果、輸出量を順調に伸ばしてきている。
    今後も農家所得の向上に繋がる新たな国への調査やチャレンジを行いながら、更なる輸出拡大に取り組んでいく。
 
   意見 高田委員
    更なる国内外に向けた販売促進を進め、和歌山の果物のファンを獲得できるよう取組をよろしくお願いする。

 

   Q 高田委員
   3 こどもの健全育成について
   (1)健全育成におけるスポーツの役割について
    私は、紀の川市の陸上競技協会の関係で、週1回、地元の陸上クラブの練習に参加している。土曜日の早朝から陸上競技場

   において小学4年生から6年生までの約40人のこども達が学校の垣根を超えて練習に励んでいる。記録を目指す子もいれば、

   走ることが楽しいと参加してくれている子もいる。基礎練習の繰り返しだが地道に続けていればどの子も記録は着実に伸び、

   努力の積み重ねが記録に反映することで努力することの大切さを学ぶ。その他にも最後まであきらめない気持ちや共に高め

   合う仲間の大切さなど、ここで得られた経験は今後の人生の糧となると思う。このようにこども達がスポーツを通して貴重な

   経験を積むことができる環境を大切にしてあげたいと思う。
    また、先日開催された市町村対抗ジュニア駅伝では、各市町村を代表する選手達がゴールを目指してたすきをつなぎ、最後

   まであきらめないひたむきな姿に感動をもらった地元、紀の川市のチームも奮闘し、見事4位となった。
    また、私が携わっている陸上クラブには、天皇盃全国都道府県対抗男子駅伝競走大会にも出場した中学生男子が所属して

   いるが、紀の川市チームの一員としてジュニア駅伝に参加し、日々の練習の成果を発揮し区間賞を獲得することができた。
    2月の和歌山の風物詩とも言える市町村対抗ジュニア駅伝競争大会は、平成14年の開始以来、今年で24回を数えた。地元

   の市町村を代表して、早春の和歌山を駆け抜ける選手達は、沿道からの熱い声援を受け、誇らしく感じたことだろうと思う。

   チームのタイムを1分1秒でも縮められるよう仲間とともに練習に励んだ日々は、大人になってもいつまでもよき思い出と

   して残ることと思う。是非とも、こども達のためにこの大会を今後も続けていただきたいと思う。
    このように、スポーツは、仲間と一緒に、目標に向かって努力することで、豊かな人間性や社会性を育むことに役立つもの

   である。しかし、昨今、こどもの数が減る中で、学校や競技によっては人数が足りずにチームを作ることが難しくなったり、

   運動習慣のあるこどもと運動習慣がないこどもが二極化しているなどのニュースを聞くことも多いが、我々大人はこども達が

   気軽にスポーツに親しめる環境を整えてあげる必要があると考える。
    スポーツは、健やかな成長に欠かせないものであり、少年期に身についたスポーツ習慣は、生涯にわたって仲間との交流、

   心身のリフレッシュ、健康の増進など豊かな人生につながるものである。
    こどもの頃からスポーツに親しむ環境や機会を確保することが重要だと考えるが県としてどのように取り組んでいくのか。

 

   A 企画部長
    スポーツ基本法において、スポーツは、次代を担う青少年の体力を向上させるとともに、他者を尊重しこれと協同する

   精神、公正さと規律を尊ぶ態度や克己心を培い、実践的な思考力や判断力を育むなど人格の形成に大きな影響を及ぼす

   ものであると規定されている。
    また、地方公共団体は、スポーツに関する施策に関し、国との連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、その地域の特性

   に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有するとされている。
    県では、同法に基づき、県スポーツ推進計画を策定し、県民の誰もがそれぞれのライフステージにおいて、生涯にわたり

   スポーツに親しむことができる環境づくりを推進している。
    主な取組として、市町村対抗ジュニア駅伝競走大会の開催や、地域住民が日常的にスポーツ活動を行う拠点である総合型

   地域スポーツクラブの育成、支援を実施しており、今年度から新たに、運動が得意なこどももそうでないこどもにもスポーツ

   に親しむ機会を提供するスポーツマッチングプロジェクト~やっChaる!!~などを実施している。
    今後も、年齢、性別、障害の有無に関わらず多様なスポーツに親しむことができる環境づくりや機会の確保に努めていく。

 

   要望 高田委員
    浦口議員の一般質問で、和歌山県の人は歩かない、運動不足という話が出ていたが、こどもの頃からの運動習慣が大事だ

   と考えるので、誰もが気軽にスポーツを楽しむことのできるよう取組をお願いしたい。


   Q 高田委員
   (2)こどもの居場所づくり支援について
    今から20年近く前に、私は地元の小学5年生、6年生を対象にしたふれあい通学合宿という行事に実行委員として

   携わったことがある。
    これは、学校や学年が違う児童たちが地元のコミュニティセンターに3泊4日の日程で生活を共にしながらそこから

   学校に通うというもので、合宿期間中、家族の力を借りずに自分の力で生活するというものである。
    この事業のねらいは、共同生活を送ることを通して自分のことは自分でできるということを体験し自主性や忍耐力、

   社会性を身につけるということや、料理や洗濯、掃除といった基本的な生活に関わることを自分ですることによって

   家族の大切さを実感し、家庭生活を見直す機会とすること、地域の人に協力していただくことでこども達と地域との

   ふれあいを高めるといったものだった。
    当時の参加してくれたこども達の感想を見てみると、「はじめは知らない子ばかりで不安だったけど、一緒に宿題や

   料理をして違う学校の友達ができた。」、「近所の家庭にお風呂のもらい湯に行ったとき、お風呂上がりにジュースや

   アイスクリームを出してもらったりお話もできてうれしかった。」、「ボランティアの人に料理を教えてもらった。」、

   「自分で料理や掃除をしてみてお父さんやお母さんの苦労がよくわかったので、これからは家のお手伝いをがんばる。」

   と、どれも新たな出会いによる楽しさにあふれ、成長のあとがうかがえるものであった。
    こどもは、このように地域の中のおとなやこども同士の関わりの中で、様々な体験や活動を通して、いきいきと

   たくましく成長する。
    通学合宿は、県内のいくつかの地域で続けられているようだが、こどもの数も少なくなり、段々、人のつながりも

   地域のつながりも希薄になってきているように思う。
    家や学校に加えて、こども達がともに遊び学びあうことで、主体性や社会性を身につけ成長していく機会や多様な

   居場所が、こどもの健全育成に必要だと考えるが、県としてどのように取り組んでいくのか。
    
   A 島本共生社会推進部長
    「和歌山県こども計画」策定の基礎資料とするため、2024年7月から9月にかけて2回にわたり、小学1年生から

   20代若者を対象に実施したアンケート調査において、居場所が「たくさんある、いくつかある」と回答したこどもの

   うち、67.6%が「とても幸せ」と感じていると回答し、居場所が「ない」と回答したこどものうち、72.7%が「不幸せ」

   と感じていると回答しており、こどもにとって居場所が多くあることは、幸福感を持つことにつながると考えられる。
    しかしながら、委員ご指摘のとおり、近年の少子化や核家族化の進展に伴い、こどもや保護者と地域の関りが希薄に

   なっており、地域の中でこどもの居場所が少なくなっている。
    そこで、県としては、すべてのこどもたちが安心して地域の大人とつながる居場所として、また学習や体験の場として、

   全小学校区へのこども食堂の設置を目指して取り組んでいる。
    さらに、来年度は、児童虐待、いじめ、不登校の増加などを背景に、多様なこどものニーズに対応できるよう、

   こどもの声を聴きながら、多様な居場所を増やし、居場所とこどもや保護者をつなぐことを目的に、居場所マップを

   作るなど居場所の見える化や、居場所の運営者が情報共有できる場の設定などに取り組んでいく。

 

   要望 高田委員
    こども達が自分らしくいられ、伸び伸びと自分の個性を発揮できるような居場所を持てるようにすることが大切で

   あるため、一層取り組みを進めるようお願いする。

 

     ●中村委員長
      ◎休憩宣告
    午前11時19分

 

    午後12時58分再開
     ●中村委員長
      ◎再開宣告
      ◎傍聴許可 2件

 

   Q 吉井委員
   1 脱炭素の取組について
   (1)知事の考え方について
    そもそも予算特別委員会がどうしてできたかというと、知事と真剣勝負をやりたいということで30年程前にできた

   わけである。その当時は仮谷知事で知事に予算特別委員会に出席してもらうのはいかがなものかという風潮があった。

   当時、私は自民党県議団の副幹事長で幹事長は堀本議員であった。その方が議会改革としてやろうじゃないかという

   ことで、始まったわけである。おかげで最近定着して、知事が出席して真剣勝負を行っている次第である。
    脱炭素における最近の風潮は、世界中で森林を放置するのではなく、伐採を行うことが常識となっているが、

   日本はその反対で森林を放置している。
   「自然を守る」という共通の精神は、ホーキンズ博士が、「地球は瞬時に消滅する。」と言った。ホーキンズ博士は

   イギリスの宇宙物理学者であり、「瞬時」というのは宇宙時間であるからどれだけあるのかわからないが、100年か

   200年かに消滅するということで、その後、脱炭素、「カーボンニュートラル」、最近は「ネイチャーポジティブ」

   という言葉で表現されている。これは何かと言うと破壊を止めて自然を再生するという取り組みである。このカーボン

   ニュートラルは2050年までに実施しなければならないということになっており、最近、群馬県知事がこれをしなければ

   ならないということで、群馬県の「ネイチャーポジティブ宣言」を行った。「カーボンニュートラル」と「ネイチャー

   ポジティブ」というものは、精神は共通であると思う。そういうことで群馬県では県行政、産業、企業、県民、あらゆる

   人たちが取り組もうということになって、宣言に取り組むようになった。最近、トランプ大統領の再就任でパリ協定から

   離脱するということで、脱炭素の取組が後退する懸念があるが、そのような中、岸本知事においては、就任直後、いち早く

   「脱炭素の取組を推進していく。」との発言があった。
    今後、脱炭素の取組をどのようにして取り組んでいくのか。

 

   A 岸本知事
    脱炭素の推進については、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、「脱炭素先進県」を目指して取組を進めて

   いるところである。
    このような中、アメリカ合衆国ではトランプ大統領が就任した後、パリ協定から再び離脱するという運びになっている。
    アメリカのパリ協定からの離脱による地球温暖化対策への影響は、少なからずあると想像される。しかし私が見るところ、

   世界的な脱炭素の潮流は、強力に継続していくものと考えている。
    現時点で、世界的な動向がどうであれ、和歌山県としては、「脱炭素先進県」を目指しており、その取組を緩めるつもり

   は全くない。
    「カーボンニュートラル」と「ネイチャーポジティブ」の関係は、同時に達成していくべきと考えている。
    したがって再生可能エネルギーの導入は自然環境と共生するということが大前提である。自然環境の保全をないがしろ

   にして、再生可能エネルギーを導入することはありえない。
    また、環境と調和した政策に最大限に取り組み、地域と共生する形での気候変動対策を進めていきたい。
    そのような中、特に森林を整備することは重要であり、二酸化炭素の吸収を促進させ、地球温暖化防止に貢献すること

   はもとより、「伐採して、使って、植えて、育てる」という森林の循環利用を進めていくことは森林クレジットという形

   になり、県としても既に進めているところである。
    加えて、木材を建築物等に利用すると、炭素を長期間閉じ込めるため、木材の利用を拡大すること自身が、カーボン

   ニュートラルに寄与する。
    和歌山県として、脱炭素化及び自然環境保全対策には、今後とも積極的に取り組んでいく。

 

   要望 吉井委員
    脱炭素については、県を挙げて取組んでいただきたい。

 

   Q 吉井委員
   (2)県行政の連携について
    最近、私も知らなかったが、脱炭素政策課ができ、庁内を横断した会議を行っているということを聞いている。こう

   いうことをしなければ、例えば土木行政においては、木材利用の促進という脱炭素の取組をしなければいけないのだが、

   なかなか進んでいない。そういうことで、行政の連携が非常に大事だと思うが、どのように取組んでいくのか。

 

   A 山本環境生活部長
    脱炭素社会の実現に向けては、省エネルギーの推進や再生可能エネルギーの導入促進、森林吸収源対策など温室効果

   ガスの排出削減策を進めていくことが必要であると考えている。
    そのため、県では、地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく地方公共団体実行計画を策定し、脱炭素化に向けた

   様々な取組を積極的に推進している。
    また、脱炭素化に向けた取組は多岐にわたることから、2023年8月に、脱炭素に関連する知事部局、教育委員会、

   警察本部の関係課室で構成する組織横断的な「脱炭素連絡会議」を設置し、各分野における取組状況を把握するとともに、

   進捗管理を行っている。
    今後も、引き続き、全庁一丸となって脱炭素化の取組を進めていく。

 

   Q 吉井委員
   (3)地域での取組(木製ガードレール)について
    最近、「大阪・関西万博」の和歌山WEEKに、脱炭素に取組む和歌山県内の木材事業者が出展するということを聞いた。

   「木製ガードレール」は、和歌山県がいち早く計画して取り組んでいる事業であり、「木材」という力で土木工学を考える

   という共創チャレンジが評価されて出展されたものである。そのため和歌山県の誇りということで、これからも検証して

   評価されなければならない精神であると考える。
    「大阪・関西万博」の開催期間中、何十万という人がそれを見ることになると思う。それがきっかけで、本県で実際、

   「木製ガードレール」が整備されている場所に行って見るということにもつながるかもしれない。私も白浜、高野山に

   行けばこの「木製ガードレール」が、見違えるくらい立派に整備されている。これを見た時に、1つの観光名所ができた

   ようにも思える。そういうことで、田辺から白浜に向けて、あと1㎞ほど「木製ガードレール」を整備すれば、見違える

   ような観光名所になるのではないかと思うので、是非これを実施していただきたいと思うがいかがか。

 

   A 福本県土整備部長
    県土整備部では「公共土木工事木材利用マニュアル」に基づき、ガードレールをはじめとした土木用資材及び公共施設

   の工作物等への紀州材の積極的な利用に取り組んでいるところである。
    これまで、白浜や高野山など県内の観光地周辺では、景観に配慮した木製ガードレールの整備を推進している。
    県道南紀白浜空港線では、紀の国森づくり基金や社会資本整備総合交付金を活用し、2021年度から老朽化したガード

   レールの更新を行っており、早期完成に向け、引き続き、事業を推進していく。
    公共工事における木材利用については、景観向上による観光振興や林業振興だけでなく、森林資源の適切な循環利用

   により土砂の流出を抑制するとともに、河川や海洋の環境保護に寄与し、ひいてはローカルSDGsの推進や脱炭素社会の

   構築にも資するものと認識しており、引き続き、関係部局と連携を図り、木材利用を推進していく。
    また、大阪・関西万博に、県内企業が開発した県産品建設資材である「木製ガードレール」や「直根苗」などが出展

   されると聞いている。本県の地場産業等の魅力が広く世界に向け発信されることとなり、木材利用の新たな有用性に

   ついてPRされる機会となるものと期待している。

 

   Q 吉井委員
   2 人権問題について
   (1)和歌山県部落差別の解消の推進に関する条例の改正について
    差別というものは、時代とともに新しい差別も起こってくる。差別には学歴差別、男女差別、障害者差別、高齢者差別等、

   様々な差別が時代とともに起こってくる。そのような差別がなぜ起こってくるのかを紐解きながら説明していきたい。
    ジョナサン・ハイトというアメリカの有名な社会心理学者がいて、この方が研究の成果で、人間には6つの「道徳律」が

   あると説いている。「ケア」、「自由」、「公正」、「忠誠」、「神聖」、「権威」。しかしながらその「道徳律」の中に

   1つ重要なものが欠けている。「平等」という言葉が欠けている。人間の進化の過程で6つの「道徳律」が形成されてきたが、

   「平等」という道徳が欠けている。だから、差別が起こるのである。
    コロナが発生すれば、コロナの差別が起こった。何故差別が起こるのか。差別すれば得になるということを言う心理学者

   もいる。いまだに黒人差別もなくなっていない。有色人種差別もなくならない。
    差別をなくするためにはどうすればよいかということだが、得にならないような社会を築かなければならない。差別を

   すれば損をする社会。山口俊男さんという心理学者がそのように言っている。そのため、法律で応報的な刑罰などを制定

   して実施している。 部落差別においても、私達は実行性のある法整備を何年もかけて国に対して要望してきた。
    もう一つの観点は、部落差別には定義がない。他の差別には定義がある。前知事の仁坂知事が、部落差別の定義を問われた

   際、「部落差別の定義は、部落差別である。」と答弁した。これは名答弁であり、それ以外言いようがないと思う。
    したがって部落差別をなくすためには思いきった県条例が必要と考える。そのため、和歌山県でも県条例を制定するべき

   であると強く働きかけた結果、最初に出てきた条例案は基本理念だけで、部落差別の解消を推進に関する法律のコピーの

   ようなものであった。それでは駄目だということで、勧告制度を入れるべき、ということで勧告制度が制定され、岸本知事

   になって公表制度も取り入れられた。
    そして条例の中で附属機関もつくって欲しいと要望し、附属機関もできた。地方自治法で認められる附属機関であり、

   地方自治法138条の4第3項の注釈によると執行部もその附属機関に入ってもらってよいということになっており、知事に

   入ってもらってもよいということになっている。しかしながら、「和歌山県人権施策推進審議会」の内部に附属機関を設置

   したかたちである。こんなおなざりな対応があってよいのか。
    部落差別という言葉を聞きたくない。一時もそのような言葉は聞きたくない。断腸の思いで私達はその表現を認めている。

   差別は1日たりとも認められない。早くピリオドを打って欲しい。こういう思いで、取組んでいる。
    真剣に差別に取組めるよう、差別に特化した附属機関にしていただきたいと思うがいかがか。

 

   A 岸本知事
    委員におかれては、部落差別の解消について、ライフワークとして長年真摯に取り組まれている姿勢に対して改めて敬意

   を表したいと思う。
    私も超党派の議員団のメンバーとして国会で部落差別の解消のための法律を進めた際には、委員始め和歌山県議会の

   皆さんが東京に上京され、決起大会まで開いていただき、そのメンバーの1人としてご指導いただいた。
    その後、県でも条例ができ、また私も知事になって初めてやった仕事が部落差別解消推進条例の改正であった。
    ただ、その改正も、公表制度は入れたが、インターネット上での部落差別については、直接対応できる条文にはなって

   いない。これは、非常に難しい問題であるが、さらに研究をして、このようなことに対しても対応できないかということは、

   私も心の中に持っている。
    気持ちは全く同じである。その上で行政というのは、法律事項というか、条文を作っていくことに対して、法令上の縛り

   があるということも一方である。
    したがって、私としても委員の気持ちを最大限に活かすためにはどうすればいいか、職員と知恵を絞った結果、出てきた

   案として、附属機関で人権全体を審議する「和歌山県人権施策推進審議会」の内部に、主として部落差別を対象とする

   「和歌山県人権侵害事件対策委員会」を2024年4月に設置した。
    部落差別を始めとする差別事件があった時には、この「和歌山県人権侵害事件対策委員会」で議論するということを前提

   にしている。
    仮に、大きな事件が起きて、附属機関の中に新たに設けた「和歌山県人権侵害事件対策委員会」で対応できないという

   ようなことが起きた場合には、委員の気持ちも汲んで、体制の整備を検討したいと思うが、当面は、大きな法制上の縛りの

   中で、我々としても委員の気持ちを汲んで新たに作ったこの委員会で、まずは対応をおこない、駄目な場合はさらなる研究

   ということで、何とか御理解を賜れないかと考えている。

 

   要望 吉井委員
    今の附属機関について、地方自治法にも執行部も入ることができるという注釈もあるため、執行部も入れていただきたい。

   その執行部については、副知事に入っていただきたい。


    ●中村委員長
         ◎付託議案に対する質疑終了宣告
     ◎報告事項 ①部局別審議・調査を各常任委員会に依頼することを議長へ申し入れ
           ②申し合わせ協議に関する申し合せの改正
     ◎散会宣告
    午後1時30分散会

 

 

 

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