令和7年2月和歌山県議会農林水産委員会会議記録(3月13日開催分)


令和7年2月和歌山県議会農林水産委員会会議記録(3月13日開催分)

 

1 日 時 令和7年3月13日(木)午前9時58分~午前11時21分
2 場 所 第4委員会室
3 出席者 委員長   北山慎一
      副委員長  坂本佳隆
      委  員  谷 洋一、谷口和樹、浦平美博、川畑哲哉
      欠席委員  なし
      委員外議員 なし
4 概 要
   午前9時58 分開会
    ●北山委員長
     ◎開会宣告 挨拶
     ◎報告事項 委員の欠席なし
     ◎傍聴協議 なし
     ◎撮影許可 3件
     ◎議  事 議案1件、請願1件調査議案2件継続審査を要する所管事務調査8件
     ◎農林水産部審査宣告
     ◎議案等に対する説明要請
    ●立石農林水産部長説明、山田農林水産政策局長、川尾農業生産局長、小川森林林業局長及び木村水産局長説明
    ●北山委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問宣告
 

  Q 谷委員
   半島振興・地方創生対策特別委員会県外調査の訪問先の1つである九州大学へ水産関係職員を派遣したと聞いたが、その結果を報
  告してほしい。
 

  A 岸裏水産振興課長
   委員から先日、特別委員会の県外調査で九州大学を訪問したと聞き、県当局としても直接話を聞きたいと考え、水産振興課、資源
  管理課、研究推進課及び水産試験場から担当者各1名、合計4名を派遣して調査を行った。
  令和7年2月20日に、九州大学の大学院生物資源環境科学府附属水産実験場において、栗田喜久准教授からブルーカーボンの取組に
  ついて研究内容の説明を聞き、意見交換を行った。
   栗田准教授からは、海の環境活動のために民間企業から資金提供を受け、漁業者が活動し、企業に還元するサイクルを創出したい
  との考えを聞いた。福岡県福津市などでは、漁業協同組合や漁業関係者と連携し、海藻増殖と藻場再生及び保全を通じたブルーカー
  ボン創出の技術開発に取り組んでおり、その中で、トヨタ自動車九州株式会社が、カーボンニュートラルの取組の一環として、九州
  大学と共同研究を行っている。トヨタ側は、工場から排出するCO2を削減するという企業目標があり、現在、地元漁業の振興に注力す
  る中で、研究費用と活動作業におけるボランティアを提供し、将来的にこの取組のクレジットが実現すれば、優先的に買い取りたい
  と考えている。
   クレジットの申請には、藻場の全体面積の算定と生育した海藻種の特定、海底面を覆っている割合である被度を調査する必要があ
  る。これは非常に専門性が高く、漁業関係者が調査し書類を作成するのは困難であるため、簡便に客観的な算定ができるシステムの
  開発を目指して、空中ドローン、水中ドローン、画像合成技術やAIを活用することにより、面積、被度が算定できるシステムを研究
  しているとのことである。
   今回、九州大学とのつながりができたので、情報交換を行い、有益な情報を取り入れ、当県の状況に合わせた取組を行っていく。
 

  意見 谷委員
   調査した内容を生かして、県の藻場造成を進めてほしい。

 

  Q 川畑委員
   農地相談員について、どのような方を、どのような待遇で雇うのか。
 

  A 庄司経営支援課長
   農業経営基盤強化促進法の一部改正により、今年4月1日から市町村が作成した「地域計画」を基に、農地の貸借契約が原則、農
  地中間管理機構である和歌山県農業公社経由に一本化される。
  これにより、農業公社が農地所有者から借入れし、受け手に農地を貸し出す貸借契約の事務が、これまでの2倍の年間3000件に増加
  することが見込まれ、農地の管理不足や中途解約が発生した場合には、農業公社が苦情対応や次の受け手を探索しなければならなく
  なる。また、これ以外にも市町村域を越えた農地のマッチングなど、現場での対応業務が増加することから、今回新たに農業公社に
  農地相談員を配置し、これらの業務を行うことを考えている。このため、農地相談員については地域の実情や農地政策に精通してい
  る、県、市町村、JA のOB などを農業公社が採用し、4月1日から基本的に各振興局に配置する。待遇については、農業公社の嘱託
  職員として1年契約で、給与額は勤務日数によって異なり、例えば、勤務日数が週4日であれば月20万8000円となる。
 

  Q 川畑委員
   シカのもぐり込み式捕獲わなにおいて、シカがもぐり込む習性について教えてほしい。また、これは新しい方式なのか、従来あっ
  たものなのか。

 

  A 仲鳥獣害対策課長
   シカは、目の前にネットがぶら下がっていても、その先に餌があるともぐり込んで前に進む習性があり、それを利用したものである。
  はじめはネットを高くしておき、徐々に下げていく。しばらくシカは捕獲檻への出入りを繰り返し、最後には檻に入れはするが、出ら
  れなくなる。これは、果樹試験場で新しく開発された技術であり、令和6年度から県内7か所に檻を設置し、合計28 頭を捕獲した。

 

  Q 川畑委員
   紀州備長炭の生産量や製炭者数について、来年度は、どのような取組をするのか。

 

  A 原林業振興課長
   令和6年度に和歌山県木炭協同組合が新たな製炭希望者4人を受入れ、研修を行っており、紀州備長炭の製炭士として、本県で起業
  できるよう、令和7年度において炭窯の新築等への支援をはじめ、備長炭の原木となるウバメガシ林の択伐施業研修を開催するなど、
  県木炭協同組合や市町村と連携して様々な形で支援していく。
   さらに、現在、製炭士として頑張っている方々に対しても、製炭技術の向上研修や炭窯の再築への支援などにより、生産量の確保と
  品質の向上を促進していく。こうした取組により、今後も紀州備長炭の生産拡大とブランド向上を図っていく。

 

  要望 川畑委員
   引き続きお願いする。

 

  Q 川畑委員
   給食へのジビエ提供削減に対する取組で、最終的な今年度の実績について教えてほしい。
   また、今年度の取組で学んだことを踏まえた来年度の取組についても教えてほしい。

 

  A 豊吉畜産課長
   学校給食でのジビエ利用の推進については、主に3つの取組を行った。
   1つ目は、ジビエ出前授業の実施校に対しジビエ7242 食を提供した。
   2つ目は、業者と協力して新たにジビエメンチカツを開発し、紀北地域の市町を中心に、給食への利用の働きかけを行った結果、
  和歌山市、海南市、紀の川市の給食で2万2386食の利用があった。
   3つ目は、県内全ての自治体の教育委員会に対して、給食にジビエを利用してもらえるよう依頼文書を発出した結果、ジビエコロ
  ッケ1万450食、ソーセージ1239食、シカミンチ肉233食の利用があった。これらを合計すると、昨年度の無償提供約6万食には及ば
  ないが、12 月の農林水産委員会では3万8000 食の見込みとしていたものが、2月末時点では4万1550 食を提供することができた。
   今後もジビエを給食に利用してもらえるよう、各自治体への働きかけを継続していく予定である。
   また、令和7年度のジビエの消費拡大対策については、ジビエフェスタの開催やジビエ出前授業実施校に対する給食へのジビエ提供
  を継続するとともに、新規事業としてジビエ加工品の試作や商品化に必要な経費への助成を行う補助事業を創設し、幅広い顧客層に対
  してジビエの魅力を伝える商品開発をさらに進めていく。これらの施策を効率的に推進し、ジビエの消費拡大を図っていく。

 

  要望 川畑委員
   引き続きお願いする。

 

  Q 坂本副委員長
   2024年のトラック物流問題が一昨年ぐらいからあったと思う。和歌山の産地は農作物を安定供給しているが、産地と市場との間の
  物流が谷間になっており、地元のJA紀の里では2024年問題を見据えてパレット輸送に早くから対応している。産地と市場の間の物流
  のところで、国では国土交通省と農林水産省が問題意識を共有して対策をしていると聞くが、農林水産部として物流の部分をどう捉
  えているのか。

 

  A 塩路果樹園芸課長
   2024年問題は非常に重要な課題と認識している。全国の統一規格として11(イチイチ)パレットの利用が流通で進められており、
  これに対応できるように選果場を整備している。
   紀の川市に設置されている選果場や、日高川町で昨年整備したJA紀州の果樹選果場で11パレットに対応できる新しい流通システ
  ムを導入している。他の選果場においても、物流問題に的確に対応できる整備となるよう検討を進めている。
 

  要望 坂本副委員長
   今回、県1農協になるので、先進的に取り組んでいる産地のいいところをうまく取り入れてやっていくと思っている。
  選果場の整備も当然出てくると思うので、うまく国との間に入って整備していけるように取組をお願いしたい。

 

    ●北山委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問終了宣告
     ◎議案に対する採決宣告
     ◎議案第70号は全会一致で原案可決
     ◎調査議案に対する意見聴取 なし
     ◎調査報告に対する採決宣告
      調査議案については、「適当である」旨、報告することに決定
     ◎請願に対する審査宣言
     ◎請願に対する質疑宣告

 

  Q 浦平委員
   この件について、当然成果や、交渉で非常に難しいことだとか、いろいろなことを積み重ねる中で、この委員会などで答弁を求め
  てきた。12 月の委員会から現在に至るまでの状況はどうか。

 

  A 奥山資源管理課長
   12月13日に県及び海区漁業調整委員会長の立会いのもと、加太漁協と有田箕島漁協が協議を行い、協定の再締結に向けた協議を前
  向きに進めていくことになった。しかし、重複区域での底びき網漁船の操業が継続している状況であったことから、共同漁業権の適
  切な行使や海上での紛争防止のため、1月17日に、和共第1 号共同漁業権区域における小型機船底びき網漁業の操業を禁止する委員
   会指示が県報に登載され、2月1日から効力が発生している。その後、両漁協間の第2回目の協議が1月29日に行われた。

 

  Q 浦平委員
   1月29日の協議は、どういったものだったのか。

 

  A 奥山資源管理課長
   協議の内容について詳細は控えるが、両漁協がたたき台となる協定書案について意見を述べ、その中で折り合える部分については
  合意に至り、合意に至らなかった部分については、引き続き協議を行っていくことを確認した。

 

  Q 浦平委員
   詳細をここで述べられないのは、漁業調整委員会でのやり取りだからか。

 

  A 奥山資源管理課長
   それもあるが、お互い主張があり、どうやって折り合っていくかというところもある。その部分を合意していないため言えない。
  調印に至っていないので、今のところ詳細は控えさせてほしい。

 

  Q 浦平委員
   交渉をしており、まだ答えも出ていない状況で、先にそれが出てくると後々支障があるから、詳細は控えたいということか。

 

  A 奥山資源管理課長
   そのとおりである。

 

  Q 浦平委員
   今回問題になっている重複区域の、その後の状況について教えてほしい。

 

  A 奥山資源管理課長
   現在までに底びき網漁船2隻の委員会指示違反が確認されたため、当該漁業者に対し、海区漁業調整委員会長から指導文書
  が発出され、当該漁業者が所属する漁協にも、その旨通知された。

 

  Q 浦平委員
   底びき網漁船は1隻か、2隻か。

 

  A 奥山資源管理課長
   2隻である。

 

  Q 浦平委員
   県報に掲載し、しっかり周知をして、その中で取り締まっていくことになったにも関わらず、なお2隻の取り締まりがあった。
   今このような状況で皆が折り合いをつけて、仲よく漁業を営む環境づくりに努めていくことが大事だと思い、今まで発言をして
  きた。2隻の委員会指示違反があったが、和歌山県はどのように考え、今後どのように対応するのか。

 

  A 奥山資源管理課長
   引き続き両漁協の間に入り、協定の再締結に向け協議を促進していく。なお、次回の組合長間の協議は、3月27日に行われる予
  定となっている。また、当該海域においても、引き続き、漁業取締船による巡回を強化するとともに、委員会指示違反については、
  海上保安部とも連携し、毅然とした態度で対応していく。

 

  Q 浦平委員
   ここへ来るまでに大変時間を要した。折衝が本当に大変だったということは、私自身も、肌で感じるところがある。心が折れそ
  うなことや、なぜ分かってもらえないのかということもあろうかと思うが、引き続き、協定に向けても含め、海区漁業調整委員会
  に迷惑をかけることもなく、お互いの意思を尊重しながら、しっかりと解決に向けて進んでくれたらと思う。
   最初に、この問題を出したときに、他の委員から、こういう問題は、海区漁業調整委員会で審査をすべきではないかと言われた。
   農林水産委員会よりも、海区漁業調整委員会での調査、調整、協議の中で知恵を出してもらい、進捗を確認していくことが最も
  よいのではないかという提案をもらい、このような形で今までやってきた。
   1つの道筋を立て、そして当局が折衝し、ある一定の結果が出たと思う。この請願は、私が紹介議員である。請願を取り下げる

  には、紹介した議員が連名で取下げの申出書を提出し、和歌山県議会会議規則第19条に基づき本会議で許可されれば取消となる。

   私としては、各委員の協力により進めてきて、それも当局の力になったと思う。
   私たちも当局から力をもらいながらここまで来たので、私としては、6月の定例会までに、しっかりと考えて、取り下げる方向

  性で進めていきたいと思う。各委員には、知っておいてほしい。

 

  意見 谷委員
   この件について、浦平委員から最初に話があった時から私も様々な話をしてきた。
   また、各委員の理解の下で今日まで話が進んできた。特に海区漁業調整委員会においては小委員会をつくり、この問題をしっかり
  やってきていただいた。
   委員会指示で漁業取締船も入れるようになり、他所から加太の共同漁業権に来た船に取り締まりができるところまできた。
   ただ、今言われている3月に最終的な話合いがあって、恐らくその後は、同意書みたいなものが交わされるのではないか。
   そこまで、私は継続にしておいたほうがいいと思う。継続にしなくてもやってくれると思うが、6月までに、そのことがあったら
  我々の委員会にも、恐らく通知はもらえると思う。だから、このまま継続とした方が、私個人としてはよいと思う。

 

    ●北山委員長
     ◎請願に対する質疑終了宣告
     ◎請願に対する採決宣告
     ◎議請第2号については全会一致で継続審査と決定
     ◎農林水産部審査終了宣告
     ◎継続審査を要する所管事務調査宣告 異議なし
     ◎閉会宣告
   午前11時21分閉会
 

 

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