令和7年2月和歌山県議会福祉環境委員会会議記録(3月13日開催分)


令和7年2月和歌山県議会福祉環境委員会会議記録(3月13日開催分)

 

1 日 時 令和7年3月13日(木)午前9時58分~午前11時53分
                午後0時59分~午後2時1分
2 場 所 第2委員会室
3 出席者 委員長    佐藤武治
      副委員長  浦口高典
      委員    濱口太史、鈴木太雄、秋月史成、尾﨑太郎、林 隆一
      欠席委員  なし
      委員外議員 なし
4 概 要
   午前9時58 分開会
    ●佐藤委員長
     ◎開会宣告 挨拶
     ◎報告事項 委員の欠席なし
     ◎傍聴協議 1件
     ◎撮影許可 3件
     ◎議  事 議案11件調査議案4件
           継続審査を要する所管事務調査8件
     ◎審査順序宣告 共生社会推進部、福祉保健部、環境生活部の順に審査
     ◎共生社会推進部審査宣告
     ◎議案等に対する説明要請
      ●島本共生社会推進部長、玉置人権政策課長、前田人権施策推進課長、戎脇こども未来課長、田甫こども支援課長及び
       大久保多様な生き方支援課長説明
      ●佐藤委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問宣告

 

  Q 林委員
   予算案の施策のうち、児童虐待等対応機能強化として2252万2000円が計上されており、これは複雑化した児童虐待等の問題に対応

  するための経費であると説明を受けたが、その具体的な内容、児童虐待減少に向けた取組について教えてほしい。

 

  A 田甫こども支援課長
   当該予算の内容については、家族再統合のためのプログラムや、こどもの権利擁護事業等を予算計上しているものである。
   まず、児童虐待で児童を児童相談所に保護した場合や、施設等に入所させた場合には、その後児童を家族に戻すためにどのような

  支援を行うかが非常に重要である。家族に戻す際には、必要に応じて保護者に対し、親子支援プログラムという虐待の再発予防を目的

  とした研修を実施しており、そのための予算である。
   こどもの権利擁護事業であるアドボケイト事業では、弁護士や心理士など外部の方で、アドボケイト(意見表明等支援員)を一時

  保護中や施設入所中の児童の元に派遣し、第三者の立場で子供の意見を聴くように取り組んでいる。
  児童虐待防止に関する取組については、別の予算科目で計上しているものになるが、まず児童相談所について、昨年4月の組織改編で

  中央児童相談所として独立させ、専属の所長を配置し、これまで以上に迅速かつきめ細やかな対応を図っている。児童相談所の職員に

  ついても年々増員を図っているところである。
   さらに市町村でも、母子保健分野と児童福祉分野を一体化させたこども家庭センターの設置を進めており、虐待への予防的な対応

  や子育てに困難を抱える家庭への切れ目のない支援を漏れなく対応できるような体制づくりに努めている。また、一般的な周知啓発

  の取組として、児童虐待対応全国共通ダイヤル189(いちはやく)やLINE 相談窓口などの周知啓発にも取り組んでいく。

 

  要望 林委員
   和歌山県でも全国的にも、児童虐待は増え続けているので、少しでも虐待が減るように取り組んでほしい。
 
  Q 尾﨑委員
   共生社会推進部の各課でそれぞれの平等を推進していると理解しているが、この委員会での説明や答弁においてアドボケイトとい

  う用語が使用されている点については、この用語が一般的にほとんど理解されていないことから、よくないと思う。外来語の使用自体

  は差し支えないが、広く人口に膾炙するような用語を使うべきであり、アドボケイトという用語は全くこなれていない言葉なので、ア

  ドボケイト事業については、児童の意見形成や意見表明を支援する事業ときちんと日本語で書けばよい。
   行政に関わる人だけが使える用語を、議会という県民の集まる場に出すという行為は、行政側が自らのみに理解できる概念にとらわ

  れ、自己満足しているものと言わざるを得ない。人に伝えるということを正しく理解しないと、全く平等ではない。役人の間ではその

  ような言葉が流通しているのだと思う。以前、どこかの委員会においても、このような言葉は使わないよう提唱した。

   行政用語だけで知られているような言葉は一般的にあまり使わないが、この点についてどのように考えているのか。

 

  A 島本共生社会推進部長
   行政内部では、新しい用語が出ると、それが一般的に使用されるものでなくても、職員間で理解しているものであれば、つい外向き

  に使ってしまう傾向がある。
   今後は、県民に理解しやすい、分かりやすい言葉での説明を心がけたい。

 

  Q 濱口委員
   こども意見聴取について、いろいろな方法があると思うが、何かイメージがあれば教えてほしい。

 

  A 戎脇こども未来課長
   こども意見聴取にはいろいろな方法があるが、来年度は高校生会議といって、高校生を集めて、県が抱える課題について考えてもら

  うような取組を考えている。
   後は、WEB アンケートをベーシックにやっていく。また、県庁職員は、子供の声を聴くのは苦手な分野でもあるので、子供の声を

  聴くやり方、例えばアイスブレイク、打ち解けるような時間をつくったり、子供に分かりやすい説明をしたりする養成講座を行ってい

  きたい。放課後児童クラブについても質が悪いという声があるので、巡回して子供の声を聴いていこうと思う。

 

  意見 尾﨑委員
   非常にすばらしいと思う。今年のお正月だったか、産経新聞に、今問題になっている夫婦別姓で子供へのアンケート結果が出ていた。
  大人へのアンケートと全然違う結果が出てきた。アンケート結果をどう捉えるかはそれぞれの価値観があるが、大人にアンケートしたも
  のと子供にアンケートしたものでは全然違う。あんな法案を審議していてどうなるか分からないが、自由民主党内でも意見が真っ二つに
  分かれていて、国論を二分するくらいの議題になっている。子供がどう考えているのか、家族の法案だから、それが通ると子供に対して
  すごく影響があるのに当事者の声を聴かずに議論している。産経新聞がアンケートしており、すごくよかった。
   県の施策においても、当事者の子供の意見を聴くのは非常にすばらしいと思うので、ぜひ頑張ってほしい。

 

    ●佐藤委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問終了宣告
     ◎議案に対する採決宣告
     ◎議案第51号から議案第54号までについては、全会一致で原案可決
     ◎調査議案に対する意見聴取 なし
     ◎調査報告に対する採決宣告
      調査議案については、「適当である」旨、報告することに決定
     ◎共生社会推進部審査終了宣告
     ◎休憩宣告
   午前10時27分休憩

 

   午前10 時29 分再開
    ●佐藤委員長
     ◎再開宣告
     ◎福祉保健部審査宣告
     ◎議案等に対する説明要請
    ●今西福祉保健部長、小林社会福祉課長、遠藤長寿社会課長、山本介護サービス指導課長、岩橋障害福祉課長、
     橋本こころの健康推進課長、石田医務課長、宗野健康推進課長、前坂国民健康保険課長及び神﨑薬務課長説明
    ●佐藤委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問宣告

 

  Q 林委員
   昨日の予算特別委員会の質疑答弁にもあったように、和歌山県でも介護分野において外国人の受入れが進んでいる状況下におい

  て、外国人介護人材受入支援として870 万円程度の経費を計上しているが、何人ぐらいの外国人を想定しているのか。

 

  A 遠藤長寿社会課長
   外国人介護人材受入支援は、外国人を受け入れている介護施設において日本語学習や資格取得に必要な取組を行う際に補助を行

  うものである。本事業は、外国人の対象人数ではなく、受入施設数をベースとしており、受入施設の約半数が補助を希望するとい

  う想定で予算組みをしている。

 

  Q 林委員
   介護施設が補助を利用したいと言っても予算額が限られているが、足りない分は介護事業者が出すのか。

 

  A 遠藤長寿社会課長
   一施設当たりの補助の上限があり、上限を超えた分については施設が全額費用を持つことにはなる。現状では、補助上限の枠内

  で補助を実施している。

 

  Q 林委員
   介護事業所で外国人を受け入れることができる上限の人数があると聞いている。また、外国人を上限まで受け入れている介護事

   業所において、日本人の職員が急に退職した場合、どのような取扱いになるのか。

 

  A 遠藤長寿社会課長
   一般的には、介護は、利用者の身体に直接触れて介助を行うものであり、介護業務を円滑に推進するための実施体制を確保する

  観点から、外国人受入れの人数枠が設けられている。在留資格ごとにそれぞれ人数枠がある場合とない場合があるが、例えば、特

  定技能の場合、事業所単位で、日本人等の常勤の介護職員の総数を超えないこととなっている。日本人が急に退職し、人数枠を満

  たさなくなることも理論上想定されるが、そのような場合には、出入国在留管理庁及び厚生労働省に人数枠を満たさなくなった旨

  の報告を行うこととされており、県としては現在受け入れられている特定技能外国人の受入れが直ちにできなくなるというわけで

  はないと理解しているが、同庁の指導の下、対応してもらうこととなる。
 

  要望 林委員
   先ほどの870万円の補助では足りないと言っておく。というのも、予算がオーバーしてしまい、負担になっている介護事業者が

  結構あるということと、本当に外国人材も不足しており、紹介業者を通じて外国人の介護人材を紹介してもらっているが、100 万

  円ぐらいの紹介料を払い、教育も受けさせ、住宅環境も整えて、一生懸命育てて日本語ができるようになっても、和歌山の最低賃

  金は980 円と安いこともあり、大阪、東京、名古屋などの都市部に行ってしまうケースが多々あるということを聞いている。
   賃金格差があることは仕方ないが、外国人が和歌山にいてもらえるような政策を行っていく必要があり、介護人材が減っていく

  という状況下においては外国人を重宝しなければならない。
   870万円という額は予算上仕方ないかもしれないが、本当に介護事業者の負担になっており、特に紀南方面では、老老介護の域

  を超えてしまっており、日本人はいない、外国人もいないという介護事業者が増えている状況を聞いているので、そのような状況

  もよく考えてほしい。
   外国人の受入れの上限について、県内の介護事業所の状況を把握してもらい、事業所において具体的な支障が生じているのであ

  れば、地域の実情に応じた緩和措置を設けるよう国へ要望してほしい。

 

  Q 林委員
   県立医科大学について質問する。今回、8億2000万円ほどの赤字決算になっており、7年ぶりの赤字である。
   7年前は3億3000万円の赤字であった。なぜ赤字になったのか。

 

  A 狹間県立医科大学事務局次長
   令和5年度の決算状況は、法人全体で経常費用が442億8000万円に対して、経常収益が434億6000万円であり、8億2000万円の

  赤字となった。特に、附属病院において、収入は増えているが、物価高騰による診療経費の上昇や人件費の増加により経営が悪化し

  ていることが赤字の要因となっている。
   また、対前年比較では、新型コロナウイルス感染症対策としての病床確保事業のための補助金が約10億円減となっていることも

  影響している。

 

  Q 林委員
   赤字への対応策を考えているのか。

 

  A 末松県立医科大学事務局次長(病院担当)
   現在、教職員一丸となって、経営基盤の強化に努めている。具体的には、患者確保のため、患者の紹介増に向けた地域連携医療機

  関との連携強化、支出抑制策として、後発医薬品(ジェネリック薬品)の使用増、医療材料の品目の見直しなどに取り組んでいる。
   また、職員の意識改革として、診療科ごとに、ある一定の目標値を設定して進捗管理を行うなど、様々な取組を実行している。

 

  Q 林委員
   今後も物価高騰や円安の影響が多々あると考えられるため、引き続き、頑張ってほしい。
  次に、附属病院における看護師及び看護補助者の雇用人数と、1年前と比べてどのように変化しているのか教えてほしい。

 

  A 末松県立医科大学事務局次長(病院担当)
   令和7年3月1日現在の雇用人数については、看護師777名、看護補助者92名となっている。令和6年3月1日時点では看護補

  助者58名であり、34名増となっている。

 

  Q 林委員
   例えば、ベッドメイキングとか車椅子介助など、看護師でなくてもできる仕事については、看護補助者を増やしてはどうか。
  看護師の負担軽減にもなり、看護師と看護補助者の人件費の差もあると思われるから、経営面からも看護補助者を増やしてほしい。

 

  A 貴志県立医科大学事務局長
   県立医科大学としてはしっかりとした患者へのサービスを行えるように、制度の規定に基づき、必要な看護師や看護補助者を配置し
  ている。現状の人員については、余裕があるわけではなく、採用も厳しい状況であるため、看護師が辞めないようないろいろな工夫を
  しつつ看護補助者も確保している状況である。必要な看護師や看護補助者を確保しながら、病院経営も考えていかなければならないた
  め、その両方を見ながら患者サービスが低下しないように考えている。

 

  Q 林委員
   もみほぐしやリラクゼーションの店舗で、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を有しない人がマッサージ行為を行っていると聞く。
  トラブルがあるなどした場合には、刑事事件になったり、検挙されたりすると聞いているが、県としてどのような対応をしているか。

 

  A 石田医務課長
   あん摩マッサージを提供する場合は、国家資格であるあん摩マッサージ指圧師免許が必要となっている。
   もみほぐしやリラクゼーションなどについて、厚生労働省の通知では「当該医業類似行為の施術が医学的観点から人体に危害を及ぼ
  すおそれがあれば禁止処罰の対象」となっている。もみほぐしなどの店舗で国家資格者でなければ行うことができないマッサージを行
  っているという情報を得た場合は、各保健所による指導を実施する。
   また、一目で国家資格保有者の施術所だと識別できるよう施術所開設届出済ステッカーの交付や、無資格者による施術を受けないよ
  うにするための県民の友、県ホームページでの利用者に対する広報啓発にも取り組んでいる。

 

  Q 林委員
   私もこういう店舗を利用したことがあるが、やはりもみほぐしとマッサージが重複している部分があると思う。資格免許を取得する
  には、専門学校などで3年程度かかるが、リラクゼーションをやっている方などは、3、4日の講習しか受けていないということを聞
  いたりするので、積極的に指導をお願いしたい。
   医療費削減において、柔道整復師の方などは、保険適用にならないケースが増えてきており、こういうリラクゼーション、もみほぐ
  しの分野に進出してきていると聞く。
   違法なリラクゼーションがある場合には、保健所に連絡してくださいというふうにしてもらうと、被害防止にもなると思う。
   保健所と連携して指導していくようお願いしたい。

 

  A 今西福祉保健部長
   委員の発言の趣旨はよく分かるので、鋭意努めていく。

 

  Q 秋月委員
   県のドクターヘリのホームページには、国と県がお金を出し、利用者は費用負担がないと記載されていた。国と県の負担率はどのよ
  うな割合か。

 

  A 石田医務課長
   国が2分の1、県が2分の1の割合となっている。

 

  Q 秋月委員
   ホームページの中で、運航時間は朝8時から日没までと書いてあった。私の自衛隊同期の現役パイロット複数人から「日没後も、ま
  だ明るい」と聞いた。
   日没から約1時間であれば、フライトドクター、フライトナースの確保、パイロットの確保や技能訓練の負担は大きくないと思うが、
  どうか。

 

  A 石田医務課長
   ドクターヘリの運航時間は、運航要領に基づき5~8月は18時まで、それ以外の時期は17時までとなっている。
   パイロット等の勤務時間は、朝8時の1時間前である7時から、18 時までのフライト終了後に19 時まで点検を行うということで、
  計12 時間となっている。
   航空法の細則上、24 時間以内の勤務時間が12 時間を超えないこととなっているところ、現行で既に12 時間になっている。
   夕方、1時間延びると、今よりもプラスアルファで人員が必要となる。現在、ドクターヘリの運航は人員に余裕を持っていないた
  め、追加の人員確保が可能かどうかも含めて、運航業者や県立医科大学等と検討していきたい。

 

  Q 秋月委員
   6月の本委員会での答弁では、今のドクターヘリEC135 は計器飛行に対応していないと聞いた。
   航空法を調べたところ、計器飛行に必要な設備や装置は、当然ついているようなものばかりに思った。今のドクターヘリの機材で
  何が足りないのか。

 

  A 石田医務課長
   現在、運航委託しているヒラタ学園では、全体で18 台のうち、計器飛行に必要な設備、装置をすべて搭載している機体を1台は保
  有している。
   その機体が和歌山県に回っているときは、計器飛行に対応した機体となるが、それ以外の機体は対応していない状況である。

 

  Q 秋月委員
   何を言いたいかというと、関西広域連合の構成府県市の中でもドクターヘリの運航、夜間飛行に対して温度差があるということで
  ある。
   新宮をはじめ、県南部には医療資源の薄い地域を抱えている。関西広域連合で話をするのもよいが、和歌山県だけで独自でやるぐ
  らいでないといけない。もう少し航空機のこともいろいろ真剣に調べてほしい。自衛隊や海上保安庁出身者であれば、経験のある人
  が多いが、民間で資格を取った人は、夜間飛行の経験がないと思う。例えば、県警ヘリコプターであれば、同一機種を持っているの
  で県警のパイロットに聞くとか、そうやってヘリコプターや操縦の特性を勉強してほしい。
   ランデブーポイントに照明が必要であり、かなり費用がかかるという話もあるが、今、NVG(暗視装置)というものが軍用でも使わ
  れており、その技術は、防犯カメラやドライブレコーダーなど、比較的一般的になっている。
   NVG(暗視装置)の研究等は、関西広域連合、医務課のほうで行っているかと思うが、教えてほしい。

 

  A 石田医務課長
   特に研究は行っていない。
 

  要望 秋月委員
   先ほども言ったように、都会と田舎ではかなり違う。何としても夜間飛行、人の命を救うことが最優先事項だと思う。
   沖縄では、自衛隊に運航委託をしていて、私の自衛隊の同期生もかなり従事しているが、それほど夜間飛行が難しいのかなという
  感覚を持っている。
   真剣に和歌山県が独自にやるという気でやってほしい。

 

  Q 尾﨑委員
   県立医科大学が財政的に厳しいという話があり、それに伴い新たに財政にたけた理事を入れて再建に向けていると聞いているが、
  詳しく教えてほしい。

 

  A 貴志県立医科大学事務局長
   病院経営、行政の両方に精通している方を現在選定している。まだ正式に任命はしていないが、話をさせてもらっている。

 

  Q 尾﨑委員
   理事の数が増えることになるが、わざわざ新たな理事を迎えるというのは、その方に県立医科大学の再建、経営を安定化させるこ
  とを期待しているということか。

 

  A 貴志県立医科大学事務局長
   そういうことである。
 

  要望 尾﨑委員
   そうであれば、別に異を唱えるつもりは全くないが、その方だけの責任ではないけれども、理事に加わって県立医科大学の財政

  状況がどのような改善をしたのか、一定期間を置いて議会に報告してほしい。

 

  A 貴志県立医科大学事務局長
   それは当然である。今の理事でも精一杯頑張っているが、新たに外部からの視点を入れる。経営審議会でも外部委員を任命してい
  るが、新たに病院経営を知った方に見てもらう。今後の診療報酬や人件費の上昇といった事情もあるが、その方を迎えることでどの
  ように改善するか、当然我々も期待しており、共に進めていきたいと考えている。その結果については一定の期間を置いて議会の委
  員会で報告する。

 

  Q 鈴木委員
   医師確保修学資金については、医師確保の施策として非常に期待している。産婦人科や小児科など医師の確保が困難な診療科につ
  いては、貸与される段階からどの診療科を選ぶか分かるのか。また、へき地の医師確保に対する効果はどのようなものか。

 

  A 石田医務課長
   特定診療科の修学資金については、産科等の入学枠を設けているので、入学時点で将来特定診療科に進む学生が確保できる。
   令和6年度は5名が入学し修学資金を貸与している。また、へき地の医師確保については、紀南地方には、地域医療枠と自治医科 
  大学の医師を派遣しており、へき地診療所には、主に自治医科大学の医師が勤務している状況である。今後、へき地診療所について
  は、患者の需要等のバランスを考慮しながら、引き続き派遣を継続していきたい。

 

  Q 鈴木委員
   医師確保修学資金の効果は既に発揮されているのか。

 

  A 石田医務課長
   制度自体は、最近始まったばかりなので、卒業して現地に派遣というところまで至っていない。

 

  Q 鈴木委員
   具体的には何年後くらいになるか。

 

  A 石田医務課長
   特定診療科の制度が令和5年度からなので、医学部で6年、臨床研修が2年ということで、もう少し先になる。

 

  Q 鈴木委員
   まだ先のことになるが、こういった取組は始めないと進まないので、引き続き尽力してほしい。
   それまでにも、医師確保はしていかなければならない。この制度のほかにもいろいろな取組をしているのは知っているが、田辺よ
  り以南は医師確保が難しい。
   新宮市でも産婦人科に医師を確保してもらっている。各病院にも努力してもらいながらであるが、ほかの大学病院などへの働きか
  けも含めて、県も県立医科大学も引き続き積極的に医師確保のため働いてほしい。地元からも強い要望があるので、ぜひ引き続きお
  願いしたい。

 

  A 石田医務課長
   田辺地域の病院では、例えば紀南病院の産婦人科は、県立医科大学からの医師派遣が難しい状況にあるので、他府県の大学等へ病
  院とともに働きかけるなどして、引き続き体制を確保していきたいと考えている。

 

  Q 濱口委員
   看護師の成り手不足について教えてほしい。これまでに入学式などで、なぎ看護学校を訪問した際に話を聞いたことがあるが、コ
  ロナ禍の前に聞いたときは、看護学校は競争率が高く、なかなか入学することが大変だと思っていたが、今年に入って聞いたところ
  によると、定員割れをしているということで意外に思った。
   医療関係者だけではなく、教師や警察官など、様々な成り手が不足している状況であるため、なぎ看護学校に限らないと思うが、
  看護師が不足している主な原因について、どう考えているか。

 

  A 石田医務課長
   看護師の不足や離職者が多い明らかな原因は分かっていない。確かに、病院は24時間体制で当直勤務があり、体調的に厳しいこと
  や子育てと並行しながら夜勤に従事することが難しいという意見をよく聞くことがある。そのため、病院等を退職して、夜勤のない
  又は待遇のよいほかのクリニック等に流れている状況があるのではないかと考えている。

 

  要望 濱口委員
   先ほどからの話題の中にもあったが、特に新宮、東牟婁地域は条件的に厳しいところがある。石田課長が言ったように、誰かが辞
  めると残った人の負担が増え、更に厳しい職場環境になることで、若い人がそういう職場を避けたり、周囲の人達も止めたりする傾
  向が出てくるように思う。
   先ほど共生社会推進部の審査の中で、尾﨑委員から、子供の将来を考えるにあたっては、大人の都合で決めるのではなく、当事者
  である子供の意見を聴くことが大事だという意見があった。全くもって同感である。
   看護師が辞めざるを得ない状況の原因は、石田課長の話以外にも、より根深い話や職場ごとに異なる理由があるかもしれないが、
  できる限り、当事者である看護師の意見を聴くことができるような工夫をしていく必要があると感じている。
   もちろん行政にだけ任せるのではなく、議員の立場としても、当事者の意見を聞き、集約できる機会をつくっていけたらと考えて
  いる。できる限り当事者の希望に沿うように、また当事者が最も困難と思うところを改善できるように、行政側も一緒に考えてもら
  い、意見交換をしていきたいと思う。

 

  Q 濱口委員
   新宮にある准看護師の学校が今度閉鎖すると聞いた。時代の流れや看護師に比重が移っている部分があると思うが、先日、小規模
  ながら介護サービス事業を行っている経営者に話を聞いたところ、介護の分野においては、准看護師の資格を有する人でサービス提
  供は十分対応できていること、報酬の観点からも、経営側からすれば、准看護師が増えるほうがありがたいということだった。
   逆に、准看護師自体が少なくなり、雇える人も少なくなってくるため、今後は自分達の提供するサービスも滞るおそれがあるとい
  う相談だった。高齢者が増えていく背景がある中で、これからの医療は介護と連携していかなければならないと思うが、医療と介護
  のつながりの部分について、何か意見があれば聞きたい。

 

  A 雑賀技監健康局長事務取扱
   看護師等の人材の確保については、オール和歌山で、公立病院、民間病院も含め、今頭を悩ませている問題である。
   特に、紀南のほうでは、人材が都会へと流れていく傾向がある。なぎ看護学校の学生に話を聞いたときに、やはり地域を1回は出
  て都会に行ってみたいという人が数人おり、地域を出ることは仕方がないがまた帰ってきてほしいと伝えたことがある。
   今年度、なぎ看護学校では、小学生を対象として、新宮医療センターと連携して、子供たちに看護師を体験してもらう取組を行っ
  たところであり、今後も続けていきたいと思っている。
   また、准看護師について、確かに介護施設の場合は、准看護師で対応可能なところがあるかもしれないが、国の方針でも、基本は
  安心安全な看護レベルを上げていきたいということで、准看護師が徐々に減ってきており、本県も最後の新宮にある准看護学院が閉
  鎖するようになっている。
   最近も開業医の方から准看護学院が存続してほしいという意見も聞いたが、時代の流れの中で、安心安全で、高度な看護を目指し
  て、専門学校から大学という流れになっており、介護の分野では異なるかもしれないが、医療の側としては、看護師が今後必要にな
  ると思っている。
   これから介護と医療はより一層連携していかなければいけないため、連携をとりながら、協力してやっていきたいと思っている。
 

  要望 濱口委員
   医師不足は当然大きな問題だが、看護師の不足も同様である。たとえば、新宮医療センターにおいては、病床は空いているが、ス
  タッフが少ないため対応できず、患者に入ってもらうことができないという話も聞いた。
   設備が整っていても、従事する人がいなければ、結局意味がなくなってしまう。医師も看護師も人数が少なければ、夜勤回数も多
  くなるという悪循環になるため、少しでも手厚く人数が配置できるようになれば、少しは負担が軽減できるように思う。
   厳しい現状を改善していくためにも、働いている当事者の話を聞くことが重要だと思うので、引き続きよろしくお願いする。

 

  Q 鈴木委員
   産後ケア事業について、利用者の幅が広がってきていると聞いているが、利用率はどうなっているか。
 

  A 宗野健康推進課長
   県内の産後ケア事業の利用率は、直近の確定値では2022年度が10.9%であった。2023年度については、暫定値ではあるが15.9%と
  増加している。増加の背景として、当初は、対象者が、産後に心身の不調または育児不安がある者、特に支援が必要と認められる者
  に限定されていたが、2023年6月以降は産後ケア事業を必要とする者に拡大されたため、それに伴い利用者が増えたものと分析して
  いる。

 

  Q 鈴木委員
   これまでは市町村が実施していたが、今後は、県も費用の4分の1を負担する。実施する事業者を拡大し、利用しやすい環境づく
  りを促すことは県の役目であると思うが、今後の県の取組方針について教えてほしい。

 

  A 宗野健康推進課長
   産後ケア事業については、受け皿として事業者拡大が必要と考えている。
   一方で、産科の医療機関の状況として、産科医師の高齢化や少子化の流れもあり、以前まで実施していた分娩を取りやめ、今後は
  健診のみを実施するというような医療機関も一部出てきている。
   県として、産後ケア事業に参画していない分娩医療機関に対して、働きかけていくとともに、現在分娩を取り扱っていない産婦人
  科等にも産後ケア事業に参画してもらえるように働きかけ、事業者を増やしていきたいと考えている。
 

  要望 鈴木委員
   現在は各市町村で実施していることもあり、予約をするにしてもインターネットであったり、電話であったり、冊子や副読本等に
  ついても、各市町村によって異なることもある。
   県の役目として、利用者拡大に向け、全体的に分かりやすく、利用しやすくなるよう努力してほしい。

 

    ●佐藤委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問終了宣告
     ◎議案に対する採決宣告
     ◎議案第55 号、議案第56 号、議案第80号から議案第82号までについては全会一致で原案可決
     ◎調査議案に対する意見聴取 なし
     ◎調査報告に対する採決宣告
      調査議案については、「適当である」旨、報告することに決定
     ◎福祉保健部審査終了宣告
     ◎休憩宣告
   午前11時53分休憩

 

   午後0時59分再開
    ●佐藤委員長
     ◎再開宣告
     ◎環境生活部審査宣告
     ◎議案等に対する説明要請
    ●山本環境生活部長、竹中脱炭素政策課長、松尾自然環境課長、尾藤循環型社会推進課長、安井廃棄物指導室長、
     石井環境管理課長、加藤県民生活課長及び岡本生活衛生課長説明
    ●佐藤委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問宣告

 

  Q林委員
   鳥獣保護費3054万1000円の内訳を教えてほしい。

 

  A 松尾自然環境課長
   鳥獣保護費の内訳については、鳥獣保護管理員への報酬が868万1000円、傷病鳥獣救護として獣医師会に委託するものが208万

  4000円、鳥獣保護区の調査が146万7000円、ツキノワグマの錯誤捕獲にかかる経費が208 万9000 円、主なものは以上である。

 

  Q 林委員
   昨年12月にも同様の質問をしたが、ツキノワグマを保護対象から管理対象に変える話について、三重県知事が保護対象から管理対
  象に変えることを国に要望していくという発言をしていたが、その後の結果を教えてほしい。また、ツキノワグマの目撃情報はどれ
  ぐらいあったのか。
   
  A 松尾自然環境課長
   今年度の目撃情報は、現時点で178 件である。今年に入ってからは2月に2件ということで、だいぶ激減した。
   また、紀伊半島に生息するツキノワグマの保護管理を3県でやっていこうということで2月3日に紀伊半島3県で構成される紀伊
   半島ツキノワグマ広域保護管理協議会を設立した。三重県の動きについては、特にあれから進展がないと聞いている。
 

  要望 林委員
   何回も言っているが、人身被害があってからでは遅い、2件に激減したというのは冬眠の影響と思うので、それで個体数が減った
  というのは考えられない。
   今後、より一層管理体制を強化して、人身事故等が起きないようにお願いする。

 

  Q 秋月委員
   地域猫の不妊去勢手術のことについて、不妊去勢手術に携わる高齢の獣医師から、紀南地域には獣医師が足りない、また、当該手
  術に対する報酬の支払いが遅いため、若い獣医師が請け負ってくれないという話を聞いた。それが真実であるかないかは別として、
  この報酬の決済時期について教えてほしい。

 

  A 岡本生活衛生課長
   田辺市内には不妊去勢手術を指定している動物病院が2件あり、そのうち1件はかなり高齢の獣医師の方に今なお頑張ってもらっ
  ている。
   また、不妊去勢手術の費用の支払いプロセスについては、県は費用の支払いを和歌山県獣医師会に委託しており、毎月1回、各動
  物病院から手術数の報告を受け、前年度分を翌年5月末に一括して支払っている状況である。

 

  Q 秋月委員
   それが、その高齢の獣医師が指摘する「支払われるまで約1年かかる」状況かと思われる。私も事業をやっているが、仕事をやっ
  て1年後にお金が支払われるというものであれば、やめておこうかなと思ってしまう。すぐに改善できるかどうかは分からないが、
  また、現場の声を聞きながらいい方法を前向きに検討してほしいと考える。

 

  A 岡本生活衛生課長
   確かに紀南地域においては、かなり動物病院が少ない状況で、地域猫対策についても手薄になっているところもあるので、指定動
  物病院の負担が軽減するよう、支払い環境の是正を進めていきたい。

 

  Q 秋月委員
   脱炭素の問題について、脱炭素政策課で政策を行っているものの、全庁における横の連携が薄い。例えば、木造建築を建てるとな
  ると、林業振興課では木材利用の推進の観点で一生懸命に取り組むが、県土整備部では様々な理由があったり、脱炭素を目指すため
  の事業者支援となると商工振興課が関係していたりと、脱炭素については横の連携が非常に大事になってくる。物品購入についても、
  脱炭素に資するものを買うのかなど、様々な問題があるため、もう少し横軸の連携が必要であると考えるが、どうか。

 

  A 竹中脱炭素政策課長
   脱炭素は非常に裾野が広い。昨年度、庁内連絡会議を立ち上げ、関係する課室を集め組織化した。現在行っていることは、まず横
  の連携を強めるため、各課が何を行っているのか情報収集の上、進捗状況を共有している。例えば、建物のZEB化(建物内で省エネ
  によってエネルギー使用量を多く減らすとともに、再生可能エネルギーを創出して消費エネルギーを正味ゼロにすること)について
  は、公共建築課、財政課、脱炭素政策課が関係し、様々な議論を進めている。
   また、物品を買う場合の基準についてはグリーン購入に基づき指針を設け、優先的に購入するよう庁内に通知している。
 

  要望 秋月委員
   答弁どおりになるように、全庁横断型でよろしくお願いする。

 

  Q 尾﨑委員
   アメリカのトランプ大統領が脱炭素をやめると言って、全世界の金融機関が入った、脱炭素を目指すアライアンスから欧米の金融
  機関が脱退しており、国内でも三井住友フィナンシャルグループや野村ホールディングスも脱退を届け出ている。このような動きに
  ついてどう考えるか。

 

  A 竹中脱炭素政策課長
   昨日の知事の答弁と重なるが、地球温暖化や脱炭素の分野について影響は少なからずあると考える。いろいろな考えがあると理解
  しているが、地球温暖化や脱炭素の分野においてはトランプ大統領の言っていることは少し違うのではないかと考える。

 

  Q 尾﨑委員
   アメリカでは大統領が言ったら多くの銀行がやめてしまった。国内でも三井住福祉環境17友フィナンシャルグループや野村ホール
  ディングスもやめたとなると、日本国内で追随して同じことが起こらないか。

 

  A 竹中脱炭素政策課長
   日本では、数年前、菅首相がカーボンニュートラルを宣言している。アメリカのように政策がぶつ切れになるということはないと
  考えており、勢いがこのまま進むかは分からないが脱炭素の取組が弱まることはないと考えている。
 

  意見 尾﨑委員
   二酸化炭素の排出が地球温暖化の原因かどうかは賛否両論あり、どちらかに結論をつけにくい。そのような中、非常に多額の費用
  をかけて脱炭素を進めており、国の第7次エネルギー基本計画においても前倒しになった。この流れは大きく変わらないだろう。
   科学的事実はさておき、この流れに乗って和歌山県の発展を期していかなければならない。

 

  Q 尾﨑委員
   先ほど秋月委員からも発言があったが、全庁的に捉えるということで、以前から下水汚泥の肥料化の話をしてきた。元々やり出し
  たのは農林水産省で、日本は肥料原料の9割ほどを大陸から輸入しているため、もし台湾有事があって物が入ってこなくなれば、日
  本の農業は壊滅してしまうので、リスクを分散させる意味でも、下水汚泥の肥料化を進めている。下水道は国土交通省が所管してい
  るので、当時の岸田内閣総理大臣が座長になって、省庁横断的に農林水産省と国土交通省が組んで下水汚泥の肥料化にかじを切るた
  めの連絡協議会をつくった。和歌山県にも通達が来ている。これは安全保障の話であるが、脱炭素の見地からも進めるべきである。
   県内の下水汚泥は、私がこの質問をし始める前は、ほとんど県外で焼却処理されていた。県の廃棄物処理計画では、県内の廃棄物
  はできるだけ県内で処理して、やむを得ない場合は広域処理をするとされている。県内に肥料化する施設がない時は、県外で焼却処
  理をするのはやむを得ないが、県内に民間が肥料化施設を造ったので、そこにもっとたくさん出すべきである。肥料が高騰し、下水
  汚泥の肥料が飛ぶように売れる時代にもなった。いろんな意味から、下水汚泥の肥料化を計画の中に書いていくべきである。私が令
  和5年6月議会で提唱して、庁内に下水汚泥の肥料化を推進するための連絡協議会が作られた。

   今、長期総合計画や下水道の計画などが改定の時期に来ているので、循環型社会推進課が中心となって、計画に書き込むように、

  下水道課や脱炭素政策課などの関係課と話をしてほしい。紀ノ川流域下水の下水汚泥は、まだ県外で焼却している割合が高いため、

  下水道の計画の中に「脱炭素化に資する」という一文を必ず入れてほしい。物品の購入までグリーン購入でやるのだから、下水汚泥

  の処理において、できるだけ CO2を排出しない処理の仕方を考えるのは当然である。象徴的な事業だと思うので、下水道の計画の中

  にそういうことを入れていく努力を循環型社会推進課が中心となってやってほしいが、どうか。

 

  A 尾藤循環型社会推進課長
   下水汚泥の肥料化については、環境生活部、農林水産部、県土整備部の関係課で情報交換をし、連携を図りながら推進している。
   現在、策定作業を進めている新総合計画等の計画においても、その方向性が示されるよう、連携しながら、検討を進めていきたい。
 

  要望 尾﨑委員
   そこに脱炭素政策課も入れてもらいたい。廃棄物処理においても、脱炭素を推進していくことが必要である。全国の自治体の下水
  汚泥の処理のスタンダードは、まだ焼却処理である。例えば、和歌山市が今度施設のやり替えをするといっても焼却処理になってし
  まう。下水汚泥の肥料化をやったほうがよいと和歌山市に言っても、なかなか動かない。国が脱炭素を進めているのに、末端の自治
  体が焼却処理をしている。従来は肥料をつくっても売れず、それ自体が廃棄物になるおそれがあったが、今や物価が高騰し、肥料も
  高騰しているから、下水汚泥の肥料が飛ぶように売れている。原材料になる廃棄物が入ってこないから、生産が間に合わない。
   肥料化施設にはまだ容量がある。そういうところを市に助言するなりして、肥料化にかじを切るように頑張ってほしい。

 

  Q 尾﨑委員
   電子マニフェストが普及しない原因は何か。

 

  A 安井廃棄物指導室長
   電子マニフェストは、産業廃棄物が処理されるときにどういう形で運搬され、処分されているか確認するためにある制度と認識し
  ている。DXということで推進していかなくてはならないが、なかなか事業者が追いついてきていないのが現状であると考えている。
  
  Q 尾﨑委員
   マニフェストは不法投棄を防止するためにある。あまりにも全国で不法投棄が頻発して、県でも不法投棄を防止するための見回り
  とかドローンを飛ばすなどしているが根絶していない。
   排出事業者に処理責任があるため、排出事業者が委託した廃棄物がどこに行ったのか、どのように処分されたのか知るためにE票
  を回収するようになっている。県ではDXを推進しているのだから、一案として公共事業の廃棄物処理については電子マニフェストを
  導入した業者を使う、あるいは使っていたら加点するとかインセンティブをつけてはどうか。
   導入してから20年以上たっているのに、あまり普及していないのは施策に至らないところがあるからだとしか思えない。
   紙のマニフェストを使うことについてどう思うか。

 

  A 安井廃棄物指導室長
   電子化すれば不適正な処理が減り、統計的なデータとしても活用できる。業者へのインセンティブ等について検討していく。

 

  Q 尾﨑委員
   脱炭素に係る補助金の概要について、知りたい。

 

  A 竹中脱炭素政策課長
   財源としては、国の事業を活用したものである。
   県で行っている事業としては、個人向きでは、太陽光発電設備、蓄電池、コージェネレーションシステム、事業所向きでは、太陽
  光、蓄電池に併せて、高効率空調設備、高効率照明機器、高効率給湯器となっている。予算規模としては、個人向きの補助金が大き
  い内容となっている。
   また、県有施設への太陽光発電設備等の設置も事業の中に含んでいる。

 

  Q 尾﨑委員
   和歌山市でも国の重点対策加速化事業を採択され、補助事業を実施しているが、和歌山市以外の市町村へは、県が補助しているの
  か。地域による多寡はあるのか。

 

  A 竹中脱炭素政策課長
   和歌山市と那智勝浦町が重点対策加速化事業の採択を受けている。残りの市町村については、県の補助事業の対象としている。
   補助の多寡については、環境省の補助メニューを元に作成しているので、多少の差はあるが、大きな違いはないと考えている。

 

  Q 尾﨑委員
   和歌山市と那智勝浦町に限らず、もしほかの市町村も採択を受けていれば、県全体としては使える資金が増えていた可能性がある
  ということか。

 

  A 竹中脱炭素政策課長
   増えた可能性はある。ただ、想定であるが、今からもしほかの市町村が採択された場合は、県全体の予算を圧縮される可能性もあ
  ると考えている。

 

  Q 尾﨑委員
   制度ができたときに、多くの市町村が手を挙げていたら、県全体に多く予算をもらえていたのか。和歌山県が出遅れているのでは
  ないか。

 

  A 竹中脱炭素政策課長
   スタートダッシュにおいては、遅れていたとしか言いようがない。

 

  Q 尾﨑委員
   やはり自治体間の競争というものがあって、国も予算の財源がある中では、早くから手を挙げて取った自治体が予算を確保できる。
   この前も言ったが、脱炭素先行地域についても関西では和歌山県だけが採択されていない。最後の募集があると聞いているが、こ
  れを取り損ねないように頑張ってほしい。

 

  A 山本環境生活部長
   脱炭素先行地域については12 月議会の委員会でも説明したとおり、まだ本県において採択された地域はなく、脱炭素の取組を横展
  開して広げていくためには非常に有効だと思っている。
   県内の脱炭素先行地域の実現に、本県としても取り組んでいきたいと思っている。

 

  意見 尾﨑委員
   いずれかの市町村が申請していく折には、県も積極的にいろいろなことで協力して、一緒にやってほしい。

 

    ●佐藤委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問終了宣告
     ◎議案に対する採決宣告
     ◎議案第48 号から議案第50号までについては全会一致で原案可決
     ◎調査議案に対する意見聴取 なし
     ◎調査報告に対する採決宣告
      調査議案については「適当である」旨、報告することに決定
     ◎環境生活部審査終了宣告
     ◎継続審査を要する所管事務調査宣告 異議なし
     ◎閉会宣告
   午後2時1分閉会

 

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